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政徒会デッドライン

#クロムキャバリア #学徒防衛都市国家【立花】 #GC-04カルキノス #蒼き光を秘めし古の巨神を駆る狩人・アルミ

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#クロムキャバリア
#学徒防衛都市国家【立花】
#GC-04カルキノス
#蒼き光を秘めし古の巨神を駆る狩人・アルミ


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●解任要求
「──解散、総選挙だぁぁぁぁぁ!!!」
 ここは学徒防衛都市国家【立花】。
 どこかの講堂らしき場所で、声高々に叫んだのは。
 壇上に立つ痩せぎす痩身、目に大きな隈を携えた【政徒会】副政徒会長【ゼンジロウ・トオガタ】だ。

「集まってくれてありがとう…諸君!私は君たちに約束する!この国の繁栄を、未来ある立花を!給食のおかずは一品増やすしバイト代の最低賃金だって上げて見せる!国だってもっと強く……それは当然の事だから、今はいいか。そしてなにより…」
 ゼンジロウが言葉を斬り、大きく息を吸って、吐く。
 ごくりと、誰かが息をのんだ。
「残業を!!無くすぞぉぉおぉぉぉ!!!」
「「「ウォォォォォォォ!!!!!!!」」」
 ここは学徒防衛都市国家。
 国政を担う【政徒会】副会長の男が、解散要求の神を高々と掲げる。
 その隣には、青い髪の少女が、その背後には青く鳴動する不気味な巨人の姿があった。

●学徒内乱を阻止せよ
「え~…初めましての人も多いな。あたしは貴司・忍だ。よろしく……で、さっそくなんだが…」
 言いずらそうに頭を掻いているのは、最近クロムキャバリアの世界からこちらに合流してきたキャバリア乗りのグリモア猟兵、忍。
「身内の恥を晒す様であれなんだが…今回の事件はどうやら、あたしの故郷で起こったみたいなんだ」
 学徒防衛都市国家【立花】が彼女の故郷。大人たちが死に、あるいは逃げ出し…子供達だけで外交から防衛まで、全てを担っている小規模国家だ。
 そんな立花の国政を担っているのが学生の中から選ばれた【政徒会】メンバー。
 だが、今回騒ぎを起こしたのは、そのメンバーの副会長らしく…。
「ここんとこあちこちでオブリビオンマシンの騒ぎとかあって、疲れてたのかねぇ…」
 どこからか入手したのか、付け込まれたのか。
 オブリビオンマシンによって支配されてしまった副会長は自国の数少ないプラントを乗っ取り、同じく洗脳されたシンパと共に政徒会に対し、解散要求を出し始めてしまったのだ。
 署名の数が少なくても、プラントと言う生命線を握られてしまっては政徒会も動かざるを得ない。
 要求を呑むにしろ跳ね返すにしろ、このままでは国内で内乱が発生してしまう。
 そうなれば最悪、子供同士、級友同士の殺し合いにまで発展してしまうだろう。

「そうならないよう、会長含めた有志が説得に向かっているが…オブリビオンマシンの野郎、戦車やら戦闘ヘリやら、挙句の果てには量産型キャバリアまで用意して徹底抗戦させる気満々だ」
 このままでは、説得に向かった会長達が危ない。
「そうなっちまうともう手遅れだ。身内の失態を押し付けるようで悪いが…洗脳された連中も、悪いやつらじゃねぇんだ、できれば助けてやってくれ…頼んだ!」
 彼女の後ろに控えていたキャバリアが、右腕のチェーンソーをうならせ、次元を斬り割き扉を開く。
 薄氷の上で国を守り続ける子供達を、内乱の脅威から守る為、猟兵達は世界を超えた。


とま太郎
 どうも皆さん、とま太郎です。
 私も遅れながらクロムキャバリアに参戦させて頂きます!!
 政徒会長は胃が痛く。
 副会長は日々過労。
 学生のみの国【立花】で燃え上がろうとする内乱の火種。
 オブリビオンマシンの企みが成立し、子供同士の乱戦に発展する前に、猟兵の手で鎮火してください。

 第一章では、プラントへ説得に向かった生徒会長とその護衛たち、説得に向かった学友達の保護、防衛が任務となります。
 戦車やら戦闘ヘリがわらわら沸いていますが猟兵の敵ではありません、無人機なので存分にぶっ壊してください。
 第二章では、オブリビオンマシンに洗脳されたシンパの駆る戦闘部隊…キャバリア戦です。パイロットは洗脳されているだけの学生ですので、何とか救出してあげてください。
 第三章では、副会長と黒幕のオブリビオンとの決戦です。副会長はともかく、彼を操るオブリビオンに鉄槌を下してください。

 断章の投下が完了し次第、プレイングの募集を開始致します。
 ロボ物は少々知識に偏りがありますが精いっぱい頑張りますので、皆さんのご参加お待ちしております!
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第1章 冒険 『小さな防衛線』

POW   :    子供たちを守る

SPD   :    子供たちを守る

WIZ   :    子供たちを守る

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



「う~ん……彼、ここの所週五徹してたみたいだしねぇ、流石にまいっちゃったのかなぁ…」
 工場型プラント施設の前で、拡声器片手に頭を抱える、丸々と太った白髪七三頭の小男こそ、このタチバナを支える政徒会の会長であった。
 彼の周囲には護衛の不良グループや武装風紀委員が固めており、それ以外の場所では封鎖された施設の入り口、または塀越しに大声を出して声を届けようとする副会長派の兄弟や友人たち。
「無理させちゃったとは思ってるけど…ここまでの事をしでかすとは、うう…胃が、胃がぁ…!!」
 そもそも副会長の週五轍は、この会長が担っていた週六轍を肩代わりしようとして副会長が自主的にやったことなのだが…それでも申し訳なさを感じているあたり、この男、相当なお人好しなのだろう。
 そんな彼に、金髪リーゼント頭の護衛が痺れを切らしたように声を掛ける。
「会長さんよぉ…あんたの気持ちもわかるがね、こりゃ説得で同行できる段階じゃねぇんじゃねぇか?あと胃がいてぇのはカフェインの過剰摂取が原因で胃が荒れてるせいだって保健室の連中が言ってたぞ。うちの組の連中は外に出払っちまってるし、護衛は現状俺の一機だけ、不用心にもほどがあるぜ」
 リーゼントが視線を後方に向ければ、そこにはずんぐりとしたキャバリアが鎮座している。
「噂の猟兵だって、こんなことにまで手を貸してくれるたぁ限らねぇんだ…速いとこ決断してくれ、泥の一つや二つ、被る覚悟はとっくにできてるぜ」
「………そうだね、とはいえそこまでやる必要はないだろう。ひとまず外の部隊を呼び戻して再度交渉か、または突入の相談を…うん?」
 車輪が回る音が響く。
「…ゼンジロウのやつ、どこからあんなの引っ張り込んできた…!これだから手放したくないんだよなぁあの野郎は!!ほんっとそういう根回しが優秀だな!リーゼント君、戦闘態勢!武装風紀委員は市民を避難させろ!」
 学生たちから悲鳴が上がる。
 まず施設から現れたのは古臭い戦車…それから、装甲車に戦闘ヘリ、ドローン、二脚戦車…旧型兵器のオンパレードだ。
 キャバリアへと飛び乗ったリーゼントが、愛機を起動させる。
「…生命反応がねぇ、無人機ってやつか?しかしこの数は…!風紀委員!キャバリアが前に出る、速く市民を下がらせろ!!」
 広域通信を使いながら、ずんずんと歩みだすキャバリア。しかしそれを動かすリーゼントの額には、冷や汗が滂沱のごとく。
(数が多すぎる…最悪、盾になってでも時間を稼がねぇと…こりゃ、死に時か…!)
 決死の覚悟を決めるリーゼント、今年で15歳。
 キャバリアと言えど、まず敗北は免れぬこの状況。
 であればこそ、それを覆せるただ一つのイレギュラーが──猟兵達が、割り込む様にこの場に送り込まれたのだった。
獅子戸・玲桜奈
させるかあぁぁぁ!ってな訳で空から登場だ!登場ついでに戦車を踏みつけちまったが……無人機なら構いやしねえか。

お前の覚悟は大したもんだぜリーゼント。名前は?
……そうか。ここは俺とフレイムウィングに任せときな。副会長とその下っ端どもは全員無事に連れてきてやるからよ。

ハッ!フレイムウィングの炎のオーラ防御は旧世代の兵器なんかじゃあ破れやしねえぜ!
行くぜ!バーニングソウルで突進だ!邪魔するやつは全部吹き飛ばしてやるぜ!


緋月・透乃
ほへー、学生だけで国ができているとは、なかなか逞しいね。
ま、オブリビオンマシンにとっては洗脳できれば何でもいいみたいだけれど。
ま、私はいつものように楽しく戦って解決するだけだね。

私は生身で出撃するよ!
敵は空と陸にいるけれど、主に空の敵を狙っていくよ。
まずは手持ちの食べ物を一気に食べて【沢山食べよう!】を発動!
飛翔能力で敵に高速接近し、勢いと怪力を込めた戦斧で叩き切ってすぐ離れる。これの繰り返しでいくよ!
敵から離れるときはできるだけ敵の真下へ移動するよ。
高速飛翔すると殲禍炎剣に撃たれるらしいので、回避しつつ敵を巻き込むためだね。
とにかく動き回って素早く倒していきたいね。



「くそが…ここが俺の死に場所か…!せめて死に際は可愛い女の子の膝の上で…」
 集中砲火を受けながらも、胸部重機関砲をばら撒き、戦闘ヘリのミサイルを撃ち落とすリーゼントのキャバリア。
 だが、すでにダメージレベルは40を超えている、そこに向けられたロックオン警告…砲弾が撃ちだされ、少年が死を覚悟した、その時。
「さ、せ、る、かあぁぁぁ!」
「あらよー!」
 美少女とロボが、降ってきた。
 重戦車は急降下してきたロボットに踏みつぶされ、その砲弾は美少女が戦斧で斬り飛ばした。
「っしゃあ、まにあったか!フレイムウイングただいま見参!」
 戦車を一撃で踏み潰したのは、真っ赤に燃える翼を背に宿したスーパーロボット【フレイムウイング】のパイロット獅子戸・玲桜奈(炎の翼・f30087)。
 砲弾を斬り飛ばす離れ技を見せたのは、緋月・透乃(もぐもぐ好戦娘・f02760)だ。
「う、おお…あんたら、まさか噂の猟兵か!?ありがてぇ!!よーし俺も…うおっとと」
 爆炎の中で構えるフレイムウイングに触発され、リーゼントのキャバリアが動き出そうとし…脚部を破損したのか、膝をつく。
「クッソ、情けねぇ…盾位にもなれねぇか…」
 吐き捨てるようにつぶやくリーゼント、それを通信でたまたま拾った玲桜奈が広域通信で呼びかける。
「おいおい、自分を卑下するもんじゃないぞ。人のために立てる、お前の覚悟は大したもんだぜリーゼント。名前は?」
「…リー。リー・ゼントだ」
「……そうか。ここは俺とフレイムウィングに任せときな。副会長とその下っ端どもは全員無事に連れてきてやるからよ」
 力強い言葉に、リー・ゼントが顔を上げ、まだ動く武装を構え猟兵の援護に仕事を定める。
「……いや、そこは突っ込みどころじゃないのかなぁ」
 その光景をにんじんをかじりながら眺めていた透乃が呟いた。
「ん~…まァあの人たちがいいならそれ絵でいいか。しかし、本当に学生さんだけなんだね。中々逞しいじゃん」
 きょろきょろと骨付き肉にかぶりつきながら透乃が周りを見渡すと、避難していた男子生徒や武装風紀が彼女から目を逸らしていた。
「…ん?」
 透乃が首を傾げると、真面目そうな顔つきの武装風紀が、表情を硬め羽織っていた上着を彼女に差し出す。
 その恰好は、あまりに眼に毒ですと、言外にその視線が語っていた。
「……まぁそこは置いといて。私はいつも通り楽しく戦って解決するだけだから、お気になさらず!!」
「「いや気にするわ!!?」」
 男子生徒、大合唱。
 そうこうやっているうちに、無人兵器の狙いがフレイムウイング透乃に集中していく。
 だが、その火ぶたが切られるよりも早く透乃は動いた。
 満腹感を得れば得る程力強くなっていくのが彼女の力。
 その速度は戦闘機にすら匹敵し、長柄の戦斧をまるで小枝か何かの様に振り回し振り下ろす。
 一刀両断、一撃必殺。
 彼女が通り過ぎる度に無人兵器が爆散していく。
 その都度満腹感を得る為に合間合間に食事を挟み、ほんの少しの小休止。
 無人兵器を盾にする位置取りを取っても、無人兵器に仲間意識はなく、味方事透乃を吹き飛ばそうと試みる…そんなことは、フレイムウイングが許さない。
「ハッ!フレイムウィングの炎のオーラ防御は旧世代の兵器なんかじゃあ破れやしねえぜ!」
 重戦車の一斉砲撃、戦闘ヘリのミサイル、ドローンの機関銃、二脚戦車の集中砲火。
 生徒の安全を確保すべく彼らへの攻撃を一身に受け止めていた玲桜奈が参戦。
 自ら透乃の盾となり、炎に包まれ…炎の翼が、それらすべての炎を機体へ取り込んでいく。
 熱く、猛々しく、燃え上がる炎を纏うフレイムウイング。
 その中で、玲桜奈はさらに燃え上がる。
「荒ぶる魂と共に…行くぜぇっ!!」
 突進。
 鉄すら焼き尽くす炎を纏うフレイムウイングが体当たりを無人兵器へ見舞えば、此方も一撃必殺、超高温によって弾薬が誘爆し、大爆発。
 その爆発を一身に受け止めてもフレイムウイングは止まることなく、炎をさらに纏い、突き進む。
「あっつ!ちょっと、あっつい!?」
 透乃はその露出の多さゆえにこんがり焼けてしまいそうになるが、何とか炎を避けながら空中の無人兵器を一撃で切り捨てていく。
 無人兵器はいまだ絶えず。
 それでも、無人兵器がどれだけ迫ろうと、この二人には物の数ではなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

神羅・アマミ
数少ない資源と覇権を巡り内紛に荒れる小国…どの世界でも当たり前の光景じゃが、そこに未来はない!
時代が新たな物語とカリスマを欲しているというなら、あのリーゼント君なかなか見どころあるね!

猟兵がただ戦車やヘリを蹂躙するだけでは人々の心はやはり荒廃していく一方じゃろう。
そこでドラマを生み出すため一計を案じる!

つまり、妾のUC『特機』から召喚したソードビットの【範囲攻撃】にて撃墜を行うことには変わりないが、リーゼント君に向かう敵の戦力は絶妙に削ぐんじゃよ。
戦車ならキャタピラや砲塔、ヘリならローターの羽一枚や尾翼とか破壊して。

任務のため己の命を賭し戦場を駆ける漢…そこに人々が感動を覚えること間違いなし!


吉岡・紅葉
はいこんにちは!帝都の桜學府から参りました、吉岡紅葉ですよ!
え、桜學府って何?んー、多分皆さんの国と同じような、
学生戦闘機関ですね~。
この国もなんだか桜學府みたいで、親近感が湧きますよ。
学生同士、仲良くしましょう!

ブリーフィングを終えたら、愛機くれはカスタムで出撃です!
副会長さんだって、友達を殺してまで反乱を起こそうなんて
本心ではない筈です!必ず止めてみせます!
後光を光らせ、後に続く仲間達と共に【愛国進軍曲】
を高らかに叫びますよ。
光の軍旗は【立花】の校旗に似たデザインにしますよ。
私は前衛に切り込んで突破口を開きますから、皆は後に続いてください!
キャバリア退魔刀で戦車を斬り捨て、ひたすら前進~♪



「ふ~む…状況は大体わかったが、数少ない資源と覇権を巡り内紛に荒れる小国…どの世界でも当たり前の光景じゃが、そこに未来はない!と妾は思うんじゃがお主はそこんところどう思う?」
 必死に避難を続ける生徒たちの中で、唯一避難せずに戦場を見やる政徒会長に向け、いつのまにか彼の横に立っていた神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)が問いかける。
「やぁ、仰る通りで。これでも歴史の成績は良い方だったんだが、まさか自分たちで経験する羽目になるとは」
「うむうむ。おぬしらも大変じゃろうが…未来のためにも時代が新たな物語とカリスマを欲しているというなら、あのリーゼント君なかなか見どころあるね!と思うのじゃが、妾に一計あるんじゃが、どうじゃ?具体的にはごにょごにょごにょ…」
 アマミと大して背の変わらぬ小男の政徒会長が肩を寄せ合い、声を落とす。
 「……乗った」
 にやにやした顔で、会長はゴーサインを出した。
「うむ、と言うわけでまずはお主の出番じゃ、通りすがりのハイカラさん!」
 音でもなるんじゃないか、と言うぐらいのキレの良さでアマミが呼びつけたのは、彼女の後ろで待たされていた吉岡・紅葉(ハイカラさんが通り過ぎた後・f22838)。
「はい、出番待ってましたはいこんにちは!帝都の桜學府から参りました、吉岡紅葉ですよ!え、桜學府って何?んー、多分皆さんの国と同じような、学生戦闘機関ですね~」
 学生と言う単語に反応した会長を、アマミが抑える。
「この国もなんだか桜學府みたいで、親近感が湧きますよ。学生同士、仲良くしましょう!」
「それはうれしい、是非とも!!」
 アマミの制止を振り切って、生徒会長は紅葉の差し出した手を取り、力強く握り返した。心なしか目がギラギラしている。
「こらこら外交とかは後にせんか!?…まったく。ほれ、この状況をもっとひっくり返してやるためにも、仕事じゃ仕事」
 紅葉が専用機へ乗り込む。
 その後ろでアマミはソードビットを展開した。
「さてそれでは…ドラマを一本、仕立てて見せようかの…!」

「…推進装置はまだ生きてるか?…微妙だな、俺も前線に出たいが、足手まといが関の山か」
 防衛線後方で、支援射撃に徹しているキャバリア乗り、リー・ゼント。
「…内輪もめは俺らでケリを付けたかったが、仕方ないか?まったく、副会長の野郎、狙ったように戦力が少ない時に…!」
「しかし、それはきっと彼の意志ではないのでしょう」
 ずん!とリーの横に並び立つキャバリア。
 紅葉の専用機【くれはカスタム】が、その背に光を携えながら現れた。
「ご、後光が差してやがる…たまげたぜ。あんたは?」
「貴方と同じ、学生です。話はすべて聞きました。副会長さんだって、友達を殺してまで反乱を起こそうなんて本心ではない筈です!必ず止めてみせます!さぁ、私の後ろについてきてください!!」
 巨大な光の軍旗を掲げ、くれはカスタムが無人機の群れへ突撃する。
 高らかに歌うは愛国進軍曲。
 振るう軍旗は立花の校旗。
 退魔刀で群がる敵を次々切り捨て、一歩また一歩前進していく。
 その光景は、リー・ゼントを奮い立たせるのには十分で。
「この足が、この足が動いてくれればよぅ…!俺もあそこに…」
 そこで、ふとリーは気づいた。
 先ほどからからこちらに向かってくる敵機、それらだけが、絶妙な、ギリギリこちらに向かってこれる程度に損傷を抑えられてることに。
 それを成しているのは、クナイじみたビット兵器。
 その出所は、猟兵と思わしき和装の少女。
 思わずリーが外部カメラをその少女にズームする。
「………ふっ」
 なんか、鼻で笑われた。

「ふ、ふふふ……舐めんじゃねぇぞ猟兵よぉぉ!!!」
 血管ぷっちん。
 重キャバリアが背部の推進装置を全力で吹かし、無人兵器へと吶喊した。

「うむうむ、任務のため己の命を賭し戦場を駆ける漢…そこに人々が感動を覚えること間違いなし!やはりああいった手合いには手加減の方が良く効く。儂の目に狂いはなかったの」
 突っ込んでいくリー・ゼントをカメラで撮影しながら、アマミが嬉々として傍らの会長に話しかける。
「血の気の多い彼だからねぇ、良い具合に乗っかってくれると信じていたよ…いやぁ見事な演出だ!」
「ふっふっふ、それほどでもあるのぅ…ただまぁ問題があるとすれば…」
「おらオラオラ!ぶっこみ行くぞー!!」
 視線の先には、マウント?を取ってチェーンソーのついた物騒な腕を無人兵器に叩き付ける重キャバリア。
「おお、すごい迫力!これは私も負けていられませんよ~!!」
 それに触発されたのか、更に殲滅速度を加速させていくくれはカスタム。
 戦場は、それはそれは見事な蹂躙劇場と化していた。

「……やりすぎたの」
「ですな」
 事が終わった後、あの重キャバリアからどう身を隠すかの算段を立てる二人であった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

キャロル・キャロライン
自らが手を下すではなく、子どもらを扇動し、殺し合いをさせる……か
いかに異世界とは言え、オブリビオンも堕ちたものよ
未来ある子らに、このようなことをさせる訳にはゆかぬな

リーゼントのキャバリアの前に立ち、攻撃を止めよう

そこのキャバリアの中におる者よ
此度の戦いは仕組まれたもの
おぬしらの級友は魔に操られておるに過ぎぬ
おぬしらが友に弓引く必要はない
わしらに任せておくのじゃな

……とは言え、まず止めねばならぬのは、あのからくり兵器達か
わしの浄化の力は役に立たぬな
ならば、単純に数と力で押し込ませてもらおうか

UCにより幾多のアリスランスを召喚
対装甲武具へと進化させ、一斉に射出して兵器達を貫き蹴散らそうぞ



「自らが手を下すではなく、子どもらを扇動し、殺し合いをさせる……か」
 無人兵器に特攻をかましている重キャバリアを見やりながら呟くキャロル・キャロライン(聖騎士・f27877)の視線は、兵器達の群れを超え、プラントの中にいるであろうオブリビオンマシンへと向けられていた。
「かように巨大な兵器が数あるだけあって、世界も違う。ならば性質も変わるのも道理と言えよう…しかしいかに異世界とは言え、オブリビオンも堕ちたものよ」
 聖騎士が、腰の剣を手に取る。
「未来ある子らに、このようなことをさせる訳にはゆかぬな」
 そう言って、今なお奮闘するキャバリアを見て薄く笑い、戦場へ飛び込んだ。

「やっべぇぇぇ!そろそろ弾と燃料が切れるぅぅ!!」
 斬弾の底が見えてきた辺りで戦法を切り替え、チェーンソーを鈍器としてどうにか振るうリー・ゼント。
 燃料の節約と引き換えにダメージレベルがそろそろ危険水域に入ってきた。
 だが、弾を節約しては飛行兵器を落とすことはできないと悩んでいる所に、小柄な少女…キャロルが現れ、戦闘ヘリへ跳躍。
 重機関銃の弾幕を剣で切り払い、そのままヘリを切り捨てる。
「…猟兵ってのは、銃弾斬り捨てがデフォなのか…?」
「さて、鍛えればお前にもできるかもわからんぞ?…改めて、そこのキャバリアの中におる者よ!我が名はキャロル・キャロライン!!我が話を聞くがいい!」

 こちらに機関銃を向けるドローンをアリスランスを投げ撃ち落とし、その鮮やかな手際に唖然としていた重キャバリアの肩へと飛び乗るキャロル。
「此度の戦いは仕組まれたもの。おぬしらの級友は魔に操られておるに過ぎぬ…おぬしらが友に弓引く必要はない」
「…おいおい、それマジか」
「有無、マジと言うやつである。ここはわしらに任せておくのじゃな…まず止めねばならぬのは、あのからくり兵器達か」
 いまだプラントから出現し続ける無人兵器達にキャロルが視線を向ける。
「どれ、からくり相手ではわしの浄化の力は役に立たぬな…ならば、単純に数と力で押し込ませてもらおうか」
 指先を天に向ければ、無人兵器達の頭上に出現する、幾多もの白金の槍。
 指先を、振り下ろす。
 その僅かな動作だけで槍が無人兵器へ降り注ぎ、周囲の無人兵器をあらかた停止させる。
「ふむ、まずはこんなところか…では儂は奥へと向かう。またいずれ会おうぞ!」
 キャバリアの肩から飛び降りたキャロルはそのままプラントへと侵入していく。
「……本当、何でもありかよ、猟兵ってのは…」
 その背を見て、リー・ゼントは思わず呟くのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

深島・鮫士
【梟と鮫】

・あー、要するにめっさストレスが溜まってしまって、そこをオブリビオンに付け込まれたっていう寸法かね。
クロムキャバリアに来るのは初めてだが、まあどの世界も同じような問題は起きるもんだなぁ……こういう時は大人の出番だな。

・敵は全て無人機。アウラも俺も遠慮なくぶっ放していいな。スーパーシャークの試運転もしたいが、発注した武装がまだ届いてねぇし、ここは生身で行くとするか。
高く飛ぶと衛星から狙われるということは、アウラは低空飛行をせざるを得ない。そうなると地上の敵と挟み撃ちにされる危険も増すか……アウラ、空中の敵は任せたぜ。
俺は地上の敵を斬って殴って撃ちまくる!
ガキ共には指一本触れさせねぇぞ!


アウラ・ウェネーフィカ
【梟と鮫】
◎アドリブ等歓迎
ほう、ここが例の新世界か
プラントに古代魔法帝国……色々と興味のある物ばかりだが
ここは一先ず、この子供たちに手を貸すとしようか

キャバリアの貸与?
流石に、この手では操縦など出来そうに無いしな
ゴーレム作成の参考用に見てはみたいが

■戦闘
殲禍炎剣、か
どのくらいの高度で攻撃されるのかは分からないが……
あのヘリとかいう機械が飛べる範囲なら恐らく平気だろうか

では地上の敵は深島さんに任せるとして、私は空の敵を
【空中戦】で撃墜していこう
【UC】を発動し、風魔法の補助による高速飛行で翻弄しながら
翼から放つ雷撃で敵を撃ち落としていく
余裕があれば、地上にも雷撃を落として深島さんを援護しよう



「あー、要するにめっさストレスが溜まってしまって、そこをオブリビオンに付け込まれたっていう寸法かね…どこの世界でも同じような問題は起こるもんだなぁ」
「おや、どこもそんな感じなので?」
 戦場で戦う猟兵を観察していた政徒会長の横に現れたのは、アオザメの頭を持つキマイラにして猟兵の深島・鮫士(深鮫流活殺刀拳術創始者(自称)・f24778)
だ…避難していた生徒やそれを誘導していた武装風紀が一斉にその場から離れたが、この鮫士、ちょっとイラっと来たが世界が違うし大人だから気にしない。
「ああ、しかし子供のストレスとなると…発散させてやらにゃならるまい。よし、こういう時は大人の出番だな」
 あんた人なの!?と言う視線が言外に向けられるが、場所が変われば人も変わるんだろうなぁと会長は気にせず、よろしくお願いしますと頭を下げる。
「さて、スーパーシャークの試運転もしたいところだが…まだ武器が用意できてないしなぁ…」
「おや、キャバリアをお持ちで?それなら武器の一つ二つぐらいお貸ししますが…」
「そりゃありがたいが、合うかぁ?やっぱ生身で行くしかねぇか…」
 二人そろって、どう攻略したものかと首を捻っていると…。
「ほう、ここが例の新世界か」
 転移してきたのは、アウラ・ウェネーフィカ(梟翼の魔女・f25573)だ。
「プラントに古代魔法帝国……色々と興味のある物ばかりだが…」
 ここは一先ず、この子供たちに手を貸すとしよう。
 そう決めて無人兵器の元へ向かおうとした所に、鮫士から声を掛けられた。
「おいおい待て待て。生身で行く気か?」
「む?おお、深島さんか…なにせ私はこの腕だからな。操縦など出来そうに無い…ゴーレム作成の参考用に見てはみたいが、それは今ではないだろう。まぁ、あれ程度なら、数がいても問題ない」
 そう、さらりと言ってのけ歩き始めた彼女に周囲の武装風紀は驚愕し、鮫島はだろうなぁと頷く。
「やっぱ生身で十分か…んじゃ、俺も行くかね」
 鮫士もその後に続いた。

「相手は全部無人機だから、アウラも俺も遠慮なくぶっ放していいそうだ…問題は」
「殲禍炎剣、か。さて…」
 翼腕鳥足のキマイラ、アウラが羽を広げ、鮫頭のキマイラ、鮫士がショットガンに弾を込める。 
「どのくらいの高度で攻撃されるのかは分からないが……あのヘリとかいう機械が飛べる範囲なら恐らく平気だろうか」
「まぁ、撃ち落とされちゃいねぇみたいだしな…じゃ、お前はあっちを」
「うむ、そちらは地上を…では、行くぞっ!!」

 アウラが空中へと飛び出し、ヘリへ飛び掛かった。
 飛び交うミサイルはアウラの風魔法によって見当違いの方向へ飛んでいき、機関銃の射撃も梟の羽の羽搏きと共に加速するアウラには、当たらない。
 逆にプロペ頼りの兵器は暴風によって翻弄されてしまう。
 しかし、無人兵器はヘリやドローンだけではない。
 機銃を備えた装甲車、強力な砲塔を持つ重戦車。
 それらすべてがアウラを狙い、挟み撃ちを仕掛ける。
 いかに高速の彼女でも、挟み撃ちとなれば飛行できる距離が限られる以上苦戦は必至…しかし、彼女は一人ではない。
 砲塔が斬り割かれる。
 装甲が殴り壊される。
「オラオラオラァ!ぶっ壊れろや鉄くず共!!」
 アウラを狙う兵器を優先して破壊し、更に壊した装甲にショットガンを突っ込んで発砲、内部の機械を念入りにぶっ壊す。
「…見ていて気持ち良いぐらいの壊しっぷりだな。どれ、私も真似してみるかっ!!」
 アウラがさらに加速。
 羽搏きによって自らの前方に雷撃を発生させ…それを突っ切り、自らの足に雷を宿す。
 その状態で蹴りをヘリに叩き付ければ、雷撃がスパークし無人兵器の要であるコンピューターがショートし、黒煙を上げながら墜落していく。
 アウラが次々と空の敵を落とし、ついでに同時に遠く離れた所から鮫士を狙う二脚戦車に雷撃を落とす。
 それを隙とみてドローンが数機、アウラを狙えば…地上で暴れまわる鮫士がいよいよまだるっこしいとばかりに破壊した装甲車を持ち上げ、怪力でぶん投げて撃墜。
 生身のキマイラ二人が、無人とはいえ車両、ヘリと言った大きな兵器の群れを次々破壊する姿は、生徒たちの視線を恐怖ではなく尊敬の視線に変えさせるのには十分すぎる程であった。
「……こういうのは、いささか慣れてないのだがな…照れる」
「いや、その割には、全然顔に出てないぜ!?おらおら、ガキどもには指一本も触れさせねぇぞっ!!」
 その視線が、二人の殲滅速度をさらに加速させていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

天音・優歌
んー、そもそも、何徹もしなきゃいけないのは
運営方法がブラック過ぎなんじゃないかな?
マイナスが強すぎて均衡がとれてないよ
プラス側に戻すためにも頑張らなきゃ

そこのキャバリア
救援にきたよ
下がって会長さんを護衛してあげて

箒に乗って空中浮遊しながらUCを発動
足の早い航空戦力を中心に撃破していく
地上戦力は上から剣の雨を降らせて撃破

このぐらいならキャバリアを使うまでもないよね
無人機みたいだし遠慮もいらない
航空戦力から駆逐していこうか
舞え、ミゼリコルディア・スパーダ!



「んー、そもそも、何徹もしなきゃいけないのは、運営方法がブラック過ぎなんじゃないかな?改善案とかは…」
 自身の考察を述べながら避難する生徒と逆方向に歩んでいるのは、黒い制服に身を包んだ天音・優歌(メソテースの書・f30005)だ。
 武装風紀委員が、彼女を一般生徒と勘違いし非難するよう声を掛ける…考察に夢中の優歌、これをサラッとスルー。
 仕方なしに武装風紀委員が彼女の肩に手を掛けようとする、が…。
「うん、やっぱりこれはマイナスが強すぎて均衡がとれてないよ…プラス側に戻すためにも頑張らなきゃ」
 ひとまずの結論を出した優歌、手にした箒に腰掛け一気に飛翔。
「……ま、魔女っ娘は実在したでありますか…」
 その後ろ姿を見送った武装風紀委員(女子生徒)は後で彼女にサインをもらおうと固く誓ったのであった。

 一方、此方はまだまだ湧いて出る無人兵器に、本格的に追い詰められているリー・ゼント。
 猟兵の支援もあってどうにか持ち直したがそもそも長く戦場に居られるような消耗具合ではなく、いよいよ弾薬がそこを突いたので戦車相手に果敢に殴り合いを挑んでいた。
「だぁぁぁ!?やっぱ割に合わねぇ!!てか空の連中に届かん!!」
 そんな悲鳴を上げる彼の周囲でちまちま機関銃を撃ち続けていたドローンに、降り注ぐ鉄の剣。
「…これぐらいの強度なら、キャバリアなしでも十分だね。そこのキャバリア、救援にきたよ。下がって会長さんを護衛してあげて」
 その正体は、ふわりと彼の機体の眼前に現れた優歌が召喚した魔法剣だった。
「お、おう、あんたも猟兵か。助かったぜ…ん、箒?え、箒!?」
 漫画アニメの魔女よろしく箒に腰掛ける優歌の姿は、一学生である彼にとっては殊更に驚きのものだったようだ。
「…そこに驚くの?まぁいいや。ほら、こっちは任せて…あとこれ、ちょっとした改善案を一つ二つ…ざっと見た感じでも、会長さんたちブラックすぎない?」
 紙の束を重キャバリアに手渡す優歌。
 機体に手渡すのかよ!?と慌てながらもなんとかそれを回収したリー・ゼントがコクピットで頭を下げる。
「…ブラック云々に関しちゃ、まるで返す言葉もねぇ。こいつは必ず渡しておく」
「ん、よろしい。それじゃ、私は言ってくるから」
 そう言うと優歌は再び空を飛び、立ち位置を後方に下げる重キャバリアを見ながら手にした本を輝かせる。
 光はやがて魔方陣を成し、そこから溢れるように飛び出す魔法剣。
 複雑な軌道を描く幾多もの魔法剣を周囲に展開しながら、彼女は箒の速度を上げて飛び交う空の敵の中に飛び込んでいった。

「舞え、ミゼリコルディア・スパーダ!」

成功 🔵​🔵​🔴​

荒谷・ひかる
政徒会の運営状況がブラック過ぎて草も生えないんですけど。
どうしてそんな状況になるまで放っておいたんですか……いえ、今はそんなお話している場合ではありませんね。

Guardian Spiritに搭乗して出撃
会長さんや武装風紀委員さんと情報を共有し、学生達の避難状況をリアルタイムで把握しつつゆっくり浮遊して前進する

状況を把握出来たら【本気の闇の精霊さん】発動
半径91m以内のうち、避難の既に終了している区画に入り込んでいる敵無人機へかかる重力を一気に一万倍に増加
旧型兵器なら、間違いなく無機物の塊でしょうから効く筈です
無人機相手なら遠慮はいりません、纏めてぺしゃんこにしてあげましょう!



 場所は映して、戦場後方、一般生徒が現在避難している大通りでは。
「政徒会の運営状況がブラック過ぎて草も生えないんですけど」
 荒谷・ひかる(精霊寵姫・f07833)が愛機であるX-063C 『Guardian Spirit』と共に、地響きを立ててのエントリー、転移早々の苦言に会長が苦笑いで答える。
「いやーはっはっは、返す言葉もありませんね」
「会長、笑い事では…」
「まぁ学生のみで運営しているこんな国だと、色々軋轢とかあってねぇ…幹部連中は徹夜上等が常なのだ」
 自慢できることじゃねぇよと頭を抱える護衛隊。
「どうしてそんな状況になるまで放っておいたんですか……いえ、今はそんなお話している場合ではありませんね」
「イヤハヤ、そう言ってもらえると非常~にありがたい…さて、そろそろ一般生徒の避難が完了する頃合だと思うがそんな場合ではないとは…ふむ、もしや」
 突如として、血を割り砕いてあらっわれたドリル戦車を始めとした無人兵器。
 その数は少数、されど一般人を虐殺するには十分すぎる戦力。
 ほんの一人犠牲者が出るだけで、内乱と言うものは歯止めが利かなくなる。
 それを理解している黒幕の差し金であり…それを防ぐために、ひかるはここに来た。
「…とはいっても、私一人では守り切るのは無理ですね。皆さんは?」
 倒すことはできる、だが守り切ることは不可能。
 その発言に、へらへらとしていた会長の目つきが鋭く光る。
「ふむ、こちらも無理だね…あれを倒すのは」
 ざっ!!と会長の背後に、機材を揃えて集った武装風紀委員。
「一分くれたまえ」
「三十秒で頼みます」
 会長の苦笑と共に武装風紀委員が各地へ散らばり、Guardian Spiritがゆっくりと浮遊し始めた。

 無人兵器はそれぞれの特性を生かして各区画に入り込み、政徒を狙っていた。
「こちらA-3地区、地面に微細な振動確認。敵ドリル戦車と思われます」
「了解…あの辺りだって。お願い、精霊さん!」
 ひかるの願いを聞いた闇の精霊が、一切加減なしにその力を発揮する。
 再び地面へ隠れ、奇襲で生徒を狙うドリル戦車が、地面へ飛び出ることなく圧壊する。
 機銃の雨を降らせようとした二脚戦車は、両足がへし折れ爆発。
 ドローンは一万倍と言う重圧を叩き付けられ粉砕した。
 重戦車に至っては自慢の砲弾が打ち出せず、自爆している。
 武装風紀委員が各地で索敵を行い、各通りにばらけた敵の位置をリアルタイムでひかるの機体に送信しているからこその正確無比な重力攻撃。
 半径91m内の敵に対し、ピンポイントで放たれた一万倍の重圧は、無人兵器を圧殺するには十分すぎるもの。
 ぺしゃんこになった大量のくず鉄と、いくつかのクレーターが出来上がった頃には、無人兵器の最後の抵抗はあえなく失敗に終わったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『GC-04カルキノス』

POW   :    マシンガンアタック
【RSマシンガンによる掃射と共に行う 】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【遠隔兵器で装備した友軍機】の協力があれば威力が倍増する。
SPD   :    チョバム・アーマー
敵より【も丈夫な装甲のキャバリアを操縦している 】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。
WIZ   :    ディストラクション・フェーズ
自身が操縦する【キャバリア 】の【装備を拠点攻撃用重爆撃装備に換装し、火力】と【攻撃範囲】を増強する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「副会長!!!無人兵器群、全滅です!!敵戦力は我々の想定をはるかに超えています!てかナンスかあれ!?」
「はぁぁぁぁん!?ちょ、おま、あれ何十機あったと思ってんだ!?……ごほん。そんなことはありえん、会長がこちらに集められる戦力はキャバリア一機。もう一度報告をやり直せ…いや、私が直に確認する!!」
 プラント内、貴賓室。
 より強い国を造るためとはいえ学生たちに怖い思いをさせてしまった自身の無力さを噛み締めるべく、秘書君と今後の展望を話し合っていた所に飛び込んできた第一報。
 慌てて即席司令部へ向かい、オペレーターからヘッドホンを奪い取り、状況を確認すれば…。
「………ざけんなぁっ!?くそがぁ!?最悪かぁ!?なんでよりによって噂の猟兵だぁ!?」
 副会長、錯乱のあまりディスプレイを殴って粉砕。
「最悪だ最悪だぞおい…あんなのが出てきたらパワーバランスが崩壊する…と言うか勝ち目があるのかあれ……ハッ」
 ぶつぶつと頭を抱えて唸っていても、物事は解決しない。
 こちらを不安そうに見つめる学生たちの心を、腫らすことはできない。
 だが、相手は時に生身で兵器を破壊するような存在…ならばここは、どうにか仕入れたあれを全て、同志たちと共にぶつけて…。
(いや、それでは捨て駒ではないか…私はこの国を、皆の生活を少しでも良くするために…そうだ、やはり人任せではいけない。いや、そもそも武力に頼ったことが、彼らを呼び寄せたのでは?…ここは、恥を忍んででも詫びを入れ、改めて裸一貫で交渉のテーブルにににににに)
 秘書が副会長の肩に手を置いたら電撃と共に副会長がなんか妙な痙攣をしだした。
 学生たちの視線がより一層不安の色を帯びるが…目を爛々と輝かせる副会長がそれを払う。
「ふっ…恐れることはない、そう、恐れることはないっ!!ただ相手が同じ土俵に立ってきただけの事。そして私には、我々には…力があるっ!!」


 全ての無人兵器を無力化し、プラント内部へと突入した猟兵。
 彼ら彼女らに同行してきたのは、ある程度修理を終えたリーゼントと重キャバリアだ。
「ここはキャバリアを重機代わりに使うことが前提のプラントなんでな。だだっ広い上にそこそこ複雑なんでな、道案内させて貰うぜ。とはいえ、あんたらのお陰で連中の戦力は壊滅、後は生身の連中を拘束してやれば……うん?」
 重厚なシャッターが開く。
 その先で銃を構え待ち構えていたのは…まごう事なきキャバリアの軍団。
 それを皮切りに、同型のキャバリアが四方八方から次々と展開し始めた。
「ふははははははみぃぃたかね諸君!!これぞ私が秘書君の伝手を使って仕入れに仕入れた奥の手さ!!格安だったからありったけ仕入れたとも!!なぁに安心したまえ使った金は私のポケットマネーさ!あと会長のポケットマネーも少々使い込んだが…まぁそれはいいや」
 外で話を聞いていた会長が通信機を握り壊した。
「うん?妙な寒気が…ともかく、さぁ進軍せよ我が同士諸君!!!」
 副会長の熱に煽られたシンパ達が雄叫びを上げる。
 先ほどまでの無人兵器とは違う。
 見るからに頑丈な外見はちょっとやそっとの攻撃では倒れないだろう…そしてパイロットは、オブリビオンマシンの洗脳を受けた学生たち。
 一人でも犠牲者が出れば、あるいは彼らが犠牲者を出してしまえば…内乱は止まらなくなるだろう。
 敵を倒す、敵を助ける…その両方を達成しなければ、オブリビオンマシンの野望は止められない。
 さぁ、戦いの時間だ。
吉岡・紅葉
さあ、ついにプラントにたどり着きましたよ。
ふっふっふ、抵抗しても無駄ですよ! 私達猟兵は
一人一人が超弩級の戦力ですから!
なにやら悪役っぽいこと言いましたけど、
私は皆さんとお友達になりにきたんです!

いくぞーっ!ハイカラキャバリア、くれはカスタム、起動!
幻朧ブラスターを発射して敵を牽制しながら《ダッシュ》で距離を詰め、
接近戦に持ち込みますよ。
《操縦》技術には自信があるんです!相手が重力で態勢を崩したスキに
キャバリア退魔刀を抜き、【強制改心刀】で機体を
損傷させることなく、オブリビオンマシンの邪悪な意志だけを
叩き斬って、《浄化》してあげますよ。
目が覚めましたかぁ?



「ふっふっふ、抵抗しても無駄ですよ!」
 数機の量産型キャバリア【カルキノス】に囲まれながらも、不敵な笑みを浮かべる猟兵が一人。
「いったいなぜか?それはもちろん私達猟兵は一人一人が超弩級の戦力ですから!」
 真っ先に突っ込んでいた吉岡・紅葉(ハイカラさんが通り過ぎた後・f22838)だ。
 まっすぐ突き進んで、飛び込んだ先で待ち構えていたカルキノス隊に鉢合わせてしまい、すっかり包囲されてしまっている。
 だがそれを気にした様子もなく、紅葉はハイカラキャバリアを起動させ、キャバリア改心刀に手を掛ける。
「…だからどうした!貴様がどんなに強くても我々はすでに貴様を包囲している…女学生を傷付けたくはない、おとなしく投降せよ!」
 一瞬怯んだカルキノス隊だったが、数は力とばかりにマシンガンによる、一斉掃射の体制に移行。
 彼女が一歩でも動けば、即座にハチの巣にすることだろう。
「ふっなにやら悪役っぽいこと言いましたけど、私は皆さんとお友達になりにきたんです!だから、負けませんよ~!かかってきなさい!!」
 爽やかな気合を感じさせる紅葉の言葉に、部隊の半数はその意気やよし!と狙いを定め、操縦桿のトリガーに指を掛けた。
 そしてもう半数が…え、女学生とお友達に?と反応し、うっかり手を滑って操縦桿のトリガーを押し込んでしまった。
「ば、馬鹿者―!?」
 一糸乱れなく放たれるはずだった弾幕に、微妙な隙間ができる。
 その隙間に幻朧ブラスターを撃ち込み、高重力を発生…ギリギリキャバリア一機をねじ込めるほどの隙間を確保。
 波のキャバリア乗りではまず隙間と呼べない程の隙間であり、気に留められるほどのものではない。
 しかし猟兵でありキャバリア乗りである紅葉なら、十分通れる隙間に変わる。
「…でも、私は…操縦技術には!自信が!あるん…です!」
 ダッシュ、すり抜ける、加速、更にすり抜ける。
 駆け抜けるごとに、弾幕の量が減っていく。
 何せ味方にどんどん近づいているのだ、同学年である彼らでは誤射を恐れ射撃を躊躇ってしまう。
 そうこうしているうちに、近場のカルキノスを間合いに捕らえた紅葉が再びブラスターを撃ち込む。
 今度は、足元。
 いかに安定性を誇ろうと、重力が急に斜めにかかってくれば体制を崩さぜるを得ず、胸部をさらけ出す。

「ちょーっと、吃驚しますよ」
 一閃。
 キャバリアで居合抜きをやってみせた紅葉の、強制改心刀の閃きがカルキノスを斬る。
 霊力漲る退魔刀は、キャバリアもその中の学生も斬らず、邪悪な洗脳のみを斬って捨てた。
 洗脳されていた事に気が付き、呆然自失となった学生パイロット。
 一切の損傷がないはずなのに動かなくなった同志に、カルキノス隊がざわつく。
「目が覚めましたかぁ?…うん、しっかり覚めたみたいですね。では…皆さんも、起こして差し上げましょうか!」
 納刀したハイカラキャバリアが、再び弾幕の中を走りだした。

成功 🔵​🔵​🔴​

神羅・アマミ
安く仕入れたなどと嘯いちゃいるがスーパーで半額コロッケ買うのとは訳が違う!
こんな無駄遣い野郎に国家を任せたら財政破綻待ったなしじゃぜ~?
安物買いの銭失い、即ガラクタの山を築きそいつをわからせてやる!

学生集団が洗脳を受けているなら活を入れてやろう。
真の姿・エレファントアーチャーに覚醒し、放つUCは『曇天』よ!
突進してくる敵の足元を揺るがす地響きと、耳をつんざくような咆哮の【範囲攻撃】!
目を覚ましたれば、キャバリアをも凌駕する巨躯の象という異様さにもオシッコちびっちゃうかもしれんにゃー。
雨のように降り注ぐ矢も、致命傷を与えない程度のダメージとして丁度よかろう。
戦意と戦力を同時に削ぐ完璧な戦術!


緋月・透乃
おー、キャバリアをこんなに用意しているとは、なかなか豪華な歓迎だねー。洗脳されているとはいえ、学生達は楽しめるだけの強さはあるのかなー?

今回も使う武器は重戦斧【緋月】。
とにかく接近しないと攻撃が届かないので体を守るように武器を構えたまま正面から敵へ突撃!前からのマシンガンの掃射は怪力で武器を支えて防ぎ、他の方向から来るやつは前進して回避だね。
マシンガンくらい止められないと本体にダメージ通せないだろうし。
突進そのものは大きさの差を利用して股の間に入って避けつつ脚に一発入れて体勢を崩し、武装や動力部とかに緋迅滅錘衝を叩き込んで無力化させたいね。
こういう大体な接近戦でどんどん倒していくぞー!


キャロル・キャロライン
眷属を呼び寄せるに子らの小遣いを使うとは、随分とみみっちいことをやっておるな
さらに、子らを自らの中に入れて人質とするとは
その判断が誤りであったとを知るが良いぞ

リーと言ったな
おぬしはわしらにはない武器……友との絆を持っておる
あのキャバリアの相手はわしらに任せ、おぬしは中に乗っておる友に声を掛けるのだ
それが友の心に届けば、友の心を操るあのキャバリアどもの力を削ぐことになろう

さて
いかな機械と言えど、オブリビオンならばわしの力も通ずる筈
キャバリアを身に纏い、敵の銃弾を浄化の力で消滅させつつ接近
剣にUCを込めて敵どもの手足を消滅させて団子状態にし、稼働を停止させよう

助けた生徒は浄化の力で支配を解こうぞ



「おー、キャバリアをこんなに用意しているとは、なかなか豪華な歓迎だねー。幾らぐらいしたんだろ?」
 漫画にでも出て来そうな骨付き肉に齧り付きながら、自身に銃口を向けるカルキノスに緋月・透乃(もぐもぐ好戦娘・f02760)が感心したように声を上げる。
「安く仕入れたなどと嘯いちゃいるがスーパーで半額コロッケ買うのとは訳が違う!いくら値下げできたとしても、こんな無駄遣い野郎に国家を任せたら財政破綻待ったなしじゃぜ~?」
「あ~確かに。洗脳されているとはいえ、学生達は楽しめるだけの強さはあるのかなー?」
 身の丈ほどもあろう戦斧を片手で軽々担いでいる透乃の横でからからと笑うのは神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)だ。
 その横には、敵集団を探して合流したキャロル・キャロライン(聖騎士・f27877)と、猟兵とは言え生身の女子を放っておけるかと追いかけてきたリーゼントの重キャバリアもいる。
「眷属を呼び寄せるに子らの小遣いを使うとは、今回の黒幕は随分とみみっちいことをしているな。おそらく黒幕自体もみみっちい奴と見える」
「ひーふーみーよー…ふむ、まぁそこそこじゃの。いいじゃろ、安物買いの銭失い、即ガラクタの山を築きそいつをわからせてやる!」
「それには概ね賛成だが、あれの中には操られているだけの子らが捕らわれている。そのあたりの加減を見損なうではないぞ?」
「わーっとるわい!」
 さてどれから震え上がらせてやったものか…目に妖しい光を浮かべ何かを企むアマミに、一抹の不安を覚えながらもキャロルはそれ以上に心配な後方の味方に声を掛けた。
「リーと言ったな?…そう焦るでない」
 その声掛けに、生身の人間を友人たちが撃ってしまう前に倒してやらねばと、トリガーに指をかけていたリーゼントが顔を上げた。
「気負うな、少年。おぬしはわしらにはない武器……友との絆を持っておる。あのキャバリアの相手はわしらに任せ、おぬしは中に乗っておる友に声を掛けるのだ」
 エクエス、キャロルの召還に応えた煌めく白銀のキャバリアが顕現する。
「それが友の心に届けば、友の心を操るあのキャバリアどもの力を削ぐことになろう」
「…そうか、そうだよな。ダチに伝えるなら、それが一番だったな…あんがとよ、猟兵さん」
 リーゼントのキャバリアが、手にしていたガトリングを地に落とす。
「うむ、なればお主は一度下がって─」

「男だったら!こいつで語ろうぜお前らぁぁぁ!!」
 拳を握りしめたキャバリアが地響きを立て敵陣に突っ込んでいった。
 来いやぁぁ!と敵キャバリアもこっちに突っ込んでくる。
「いっくぞー!」
「うーん、脳筋!!こら、妾を置いてくなー1!」
 なんか透乃とアマミも便乗して突っ込んでいった。
「……………これも,若さか」
 溜息をついたキャロルも、それに続くのだった。

「どいたどいたー!」
 リーゼントを追い越し、透乃が真っ先に躍り出た。
 重戦斧【緋月】重く硬く、強い斧をひとたび振り回すだけで、彼女に迫る銃弾が叩き落とされていく。
 ならば、と数機のカルキノスが集中砲火を浴びせれば斧に身を隠し、そのまま突き進んでくる。
 これには学生たちも目を剥いた。
 なにせ、彼女に撃ち続けているのは《対キャバリア》を想定したライフル弾。
 その弾丸の口径たるや戦闘用車両に搭載される機関砲と同等かそれ以上の、巨大兵器にダメージを負わせられる程の威力がある代物なはずなのだ。
 間違っても生身の人間に向けていいものではないし、当たった人間は無事ですまないはずなのだ。
 だというのに、彼女はそれに押し負けず前進を続ける。
 人外の怪力、改めて猟兵の規格外さを思い知らされたカルキノス隊の攻撃はすべて彼女に向けられる。
 そんなカルキノス隊に、ふと影が差す?
「……ん?影?」
 屋内で急に曇天なぞんなばかな、とふと顔を上げてみれば。
「む、漸く気が付けたか。活入れてやるから歯を食いしばっておけい」
 キャバリアでようやく見上げられる程の、巨象がこちらを見下ろしているではないか。
 と言うか、足を振り上げているではないか。
「………やばぁっぁおびゃあぁ!?」
 機体をどうにか転げまわらせ、象の足から逃げ延びたカルキノス隊だが象の踏み込みは地響きを起こし、区画その物を揺らす。
 これでは狙いをつけるどころかそもそも立てない。
「しかもうるさいなあれ!?スピーカーの声が聞こえないんですけど!!?」
 学生たちが悲鳴を上げる。
 喧しすぎる象の咆哮はスピーカーを切っても響いてくる。
 通信どころではない、鼓膜が死ぬ。 
 おまけに、象の上から降り注ぐ矢によって外部センサーが次々破壊されるおまけつきだ、地獄かここは。
「着いたー!」
 そんな惨状の中、地響き靄の雨も弾丸の嵐も、生身一つでお構いなしと突き進んできた透乃が這う這うの体で離脱しようとしたカルキノスの一機に到着。
 緋月を振り被る、振り下ろす。
 分厚いはずの装甲に包まれた脚部が、一撃で粉砕された。
「もーいっぱーつ!!」
 起き上がる事すらできなくなったカルキノスに、追い打ちの一発、フルスイング。
 動力部だった鉄くずをまき散らしながら、カルキノスが宙を舞った。
「あ、勢い付け過ぎちゃった!」
 そのまま落下するはずだったカルキノス。
 いつの間にかその落下地点へと立っていたエクエスが、剣の一閃で手足部分を消滅させコクピットの身にした状態で受け止めるという離れ業を披露し受け止め、ゆっくりとカルキノスを床に下ろす。
 そっとコクピットを一撫ですれば、その部分の装甲も消滅、中の学生がむき出しになる。
「…ふむ、眷属とはいえオブリビオンマシンの洗脳。我が浄化の力が必要かと思ったが…それどころではなさそうだな」
 象に襲われるというとんでも体験に、とどめは二転三転しながら宙を舞う、絶叫マシンも真っ青の経験。
 辛うじて男の尊厳は守れているようだが、すっかり失神してしまっている男子学生をコクピットから降ろし、道の端へ避難させる。
 その間にも透乃が倒れ込む別のカルキノスに飛び移り、足を粉砕した後動力炉を丹念に破壊して回っている。
「…ぬ。まだ無事な連中が逃げてくのう…うーむ活が足らんかったか。ならば行くのじゃぜリーゼントー!」
「おおともよー!!」
 残存敵部隊を追いかけ進撃するアマミの巨象とリーゼントのキャバリアに、苦笑いを浮かべつつ、キャロルは失神している学生たちを救出していくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

荒谷・ひかる
奥の手って自分から言っちゃうんですか……別に構いませんけれど。
ともあれ、ちょっと頑丈なだけの機体でわたし達をどうにかできると思っていらっしゃるのでしたら、大間違いだということを教えてあげましょう。

今度の機体は有人機……さっきのようにやったら中の人が大変ですね
ちょっと丁寧にやりましょうか
ということで引き続き【本気の闇の精霊さん】発動
今回指定するのは機体全体ではなく、両腕と両脚のみに一万倍の重力をかけます
こうすればコクピットのある胴体部はそのままで、両手足のみぺしゃんこに潰して無力化できるはずです
万一その状態で、或いは効果範囲外から撃ってくるならその弾を超重力に捉えて叩き落します


獅子戸・玲桜奈
へっ、あちらさんも覚悟決めて打って出てきたな。だが戦いは量より質って事を俺がわからせてやる。行くぜフレイムウィング!

銃撃を掻い潜ってフレイムナックルでぶん殴る。簡単な話だ。
おまけに向こうも突進してくるならやり易い事この上ねえぜ。

こっちも炎のオーラ防御を展開しながら突進だ!撃たれたって絶対怯まねえぞ。気合いの違いを見せてやるぜ!
接近して乱戦に持ち込んじまえばこっちのもんよ。手当たり次第にぶん殴って機能停止させてやる!
頑丈さが売りみてえだが、格安の量産機に負けるような作りしてねえんだよこっちは!



「へっ…どうやら彼方さんも、覚悟を決めて打って出てきたな」
 燃える炎のスーパーロボット、フレイムウイング内で獅子戸・玲桜奈(炎の翼・f30087)が拳を鳴らせば、それに合わせるようにフレイムウイングそのものも、拳を鳴らすようにマニュピレータを軋ませる。
 一対複数と言う状況であっても、真っ赤に滾る熱血エンジンの唸りはとどまることなく。
 奥の手を出し、数で優っているはずのカルキノス隊の方が気圧されている。
 さらに、その横に並び立ったのは、謎めいたキャバリア『Guardian Spirit』とその中で思案顔をしている荒谷・ひかる(精霊寵姫・f07833)だ。
「奥の手って自分から言っちゃうんですか……別に構いませんけれど」
 その機体から立ち上るオーラじみたものは、まさしくオブリビオンマシンの証左。
「ともあれ、ちょっと頑丈なだけの機体で、数を頼りにわたし達をどうにかできると思っていらっしゃるのでしたら…」
 邪悪な存在を睨むスーパーロボットの目が、雄々しく輝いた。
 格下の群れを睨むオブリビオンマシンの目が、妖しく輝いた。

「大間違いだということを教えてあげましょう」
「行くぜフレイムウィング!」

 恐れを振り払うように、カルキノス隊が前進。
 即座に隊列を組み、マシンガンでの掃射を試みた。
 さらに一部のカルキノスに至っては対要塞を想定した装備の重火力を、すべて出し尽くす勢いで解き放つ。
 弾幕の中を飛び交うミサイル、ロケット弾頭。
 およそ屋内で、それもたった二機のキャバリア相手に使うべき火力ではない。
 だが、カルキノス隊の学生たちはなんとなく察していた。
 スーパーロボット相手では、これでも足りないのではないかと。
 だからこそ、恐怖と尊敬を混じらせながら、ありったけを撃ち尽くす勢いで彼らはトリガーを押し込む。
「おいおい、戦いは量より質っての知らねぇのか?じゃあ…あたしが教えてやるよっ!!」
 それに応じるようにフレイムウイングは前に飛び出し。
「ふーむ、これは…ちょっと丁寧にやりましょうか」
 『Guardian Spirit』は逆にその場から動かず。
 動きこそ真逆のそれだが、僚機ともに回避を考えていないかのような動き。
 これは、行けるのでは?そう考えてしまったカルキノス隊の学生たちを、誰が攻められようか。
「へっ…やり易い事この上ねえぜ!」
 まず、フレイムウイングが弾幕の中をすり抜けるように疾走し前進してきた。
 あり得ない、人間が映画や漫画の中で弾丸を避けるのとは規模もサイズも違う。
 だが、熱き魂を原動力に、炎の翼を羽搏かせるフレイムウイングならば、話は別である。
 恐れ知らずの前進を続けながらも弾丸を的確によけ、仮にミサイルやロケット弾頭が届こうとしても炎の翼の前に誘爆してしまう。
 それでも、近距離での爆破だ。普通ならダメージを追うはずなのだが、そうでなくとも怯むはずなのだが…気合でそれを捻じ伏せる。
 スーパーロボットは止まらない。
 そして『Guardian Spirit』。
 こちらに関しては、僅かなかすり傷すら許されない。
 ひかるの願いにこたえた機体と闇の精霊たちが、周囲一帯に超重力の網を張り巡らしている。
 結果、効果範囲内に到達した傍から銃弾もロケット弾もミサイルも、見境なく地に叩き付けられ、めり込んでいる。
「ふむふむ、もう少しと言った所でしょうか…おや、まだ来ますか」
 だからと言って撃ち続けなければ、あの重力が今度はこちらに向けられるのだ。
 もう武器はないと思われないためにも、無駄とわかっていながらもカルキノス隊は撃ち続けなければならなかった。
 オブリビオンマシンは動かない。
 そして、フレイムウイングがついに、敵機をその拳の射程距離に捉えた。
「頑丈さが売りみてえだが…言っておいてやるぜ、歯を食いしばれ!!」
 フレイムウイングが、轟々と燃える拳を引き絞る。
「一撃必殺!フレイムゥ……ナッコォ!」
 見舞ったのは、強烈極まりないアッパーカット。
 安定した重装甲を誇るはずのカルキノスが轟音と共に吹き飛び、壁に激突。
 殴り壊された胸部から学生が無事なのは確認できた。
 一撃で破壊された部隊の仲間に木を取られてしまった隙に、フレイムウイングはそのまま乱戦へと持ち込む。
 混乱の中で一撃必殺の拳を無視し、的確に攻撃をするなんてことができる程学生たちの錬度は高くなく、自然と火力をフレイムウイング一機に集中させ我武者羅に攻撃してしまう。
「頃合ですね…子供が乗ってるからうまいことおねがい、皆」
 オブリビオンマシンが唸る。
 闇の精霊と共に、一万倍の重力を防御から攻撃に解き放てば、カルキノスの重装甲に包まれた四肢もなすすべなく粉砕される。
 武器を向けようとしたのならば武器を、逃走しようとしたなら背中の推進装置すら潰す。
 コクピットには手を掛けず、機能のみを的確に潰す『Guardian Spirit』と、コクピットに必殺の拳を容赦なくたたき込むフレイムウイング。
 いかに数で優ろうと一機でそれを覆す事が可能な超兵器を、同時に二機も相手にするという暴挙の結果は…カルキノス隊の全滅と言う形で終結したのだった。
 なお学生達は全員気絶してるものの、妖精さんのフォローにより無事救出されたことを此処に記しておく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

深島・鮫士
【梟と鮫】

・今度はガキ共が乗った有人機か……まさに活殺術の見せ所だな。
ついでに、スーパーシャークのお披露目といきますか!

・俺の技能を再現可能とはいえ、武装は刀一本。敵は集団なおかつ不殺を貫け、と。ここは時代劇よろしく峰打ちで立ち回るとするか。
アウラ、可能なら敵機の手足を攻撃してスタックを狙ってみてくれるか。手足さえ潰せば、ああいった手合いは無力化できる。俺も「早業」や「鎧無視攻撃」、突撃への「カウンター」や「体勢を崩す」ことでの転倒狙い等を駆使し、そこで【救命牙】を用いてのパイロット救出を試みるぜ。

・アウラへ向かう攻撃は「オーラ防御」で弾いてやる。俺が暴れられるのは彼女あってのことだからな。


アウラ・ウェネーフィカ
【梟と鮫】
◎アドリブ等歓迎
ふむ、また頑丈そうなのが出て来たな
犠牲者を出さない様に倒すとなると色々面倒だが、仕方あるまい

――む? 深島さんのキャバリアか?
ほう、間に合ったとはありがたい、これで……ん?
…………巨大化深島さん?

■戦闘
少々驚いてしまったが、何やら有効な手があるみたいだな
では、私は敵の動きを封じる事に注力しよう

ここはまず【UC】によって作り出した水の矢を敵の手足の関節部分、
それと装備に対しても撃ち込む
破壊とまでは行かずとも、水が浸み込んだその部分に向けて間髪入れず、
今度は氷の矢を撃ち込んで氷漬けにする事で動きと攻撃手段を封じよう

……ほっ!?
え、思い切り噛み付いてるが大丈夫なのか、あれ?



「ふむ、また頑丈そうなのが出て来たな」
 また別の通路では、アウラ・ウェネーフィカ(梟翼の魔女・f25573)と深島・鮫士(深鮫流活殺刀拳術創始者(自称)・f24778)もまたカルキノス隊と相対していた。
 とはいっても、今はまだ物陰から様子を伺い、どう戦うかを話し合っているという段階だ。
「おまけに今度はガキ共が乗った有人機か……こいつはまさに活殺術の見せ所だな。俺にはもってこいってわけだが、そっちは行けるか?」
「……犠牲者を出さない様に倒すとなると色々面倒だが、仕方あるまい。子供達を助けに来て、うっかり殺してしまいましたでは何のために来たのかわからんからな」
 いざ戦闘と言うところで、鮫士の懐からケータイのバイブレーション。
「む、ちょっと待て…おう、俺だ。おう、おう?おーおーそうか!ちょうど良いさっそく持ってきてくれ!!…悪い待たせた」
「いや、それは構わんが持ってきてとはいったい何を…むっ!?」
 カルキノス隊の影に隠れていた重装カルキノスが、熱探知でこちらを発見したのかミサイルを撃ち込んできた。
 小型とはいえいくつものミサイルが降り注ぎ、爆発。
「ふっ…粋な演出してくれるじゃねぇか」
 その爆発を、割り込む様に転送されてきた一機の青いキャバリアが防いでいた。
「――む?これは…もしや、深島さんのキャバリアか?
「おうとも。スーパーシャークのお披露目といきますか!」
 その足元で、爆発から守られたアウラがキャバリアを見上げる。
「間に合ったとはありがたい、これで……ん?」
 アウラが、目を細めちょっと飛んでみて、よーくその機体の前進を見てみた。
 カルキノス隊の学生たちも、カメラの故障か幻覚かではとさっきからしきりに目を擦っている。
 現れた機体、スーパーロボット、スーパーシャーク。
「…………巨大化深島さん?」
 その姿はまさしく鮫士そのものだった。
 異形どころの話ではない、まさかのキャバリアで鮫頭である。
 鮫頭は彼の誇りとはいえ、それをまさかキャバリアにまで反映するとか、控えめに言って学生たちの常識の範囲外である。
 そんな存在が力強く立っている。
 というか頭どころか一から十まで鮫士そのものだ。
 カルキノス隊もこれには放心。
「敵を前にして言葉も出ねぇか…やっぱまだ子供か」
「いや、そう言うわけではないと思うが…」
 スーパーシャークが、鮫士の様に腰に差していたキャバリアサイズの日本刀を抜き、峰打ちへと持ち替える。
「俺の剣は活殺術、死にはしねぇだろうから…歯でも食いしばっておけ!!」
 スーパーシャークが力強く床を蹴り、接敵。
「アウラ、可能なら敵機の手足を攻撃してスタックを狙ってみてくれるか…できるまでに、時間はどれぐらい稼げばいい?」
 踏み込み、集中砲火を避けながら、あるいはアウラへ行く弾への盾となりながら彼女へと通信を飛ばす鮫士。
「なるほど…有効な手があると見た。ならば、動きを停止する程度…一瞬で十分だ!」
 翼を羽搏かせたアウラの周囲に魔方陣が浮かび上がり、圧縮された水の矢が次々カルキノスに襲い掛かる。
 その総数たるや360本。
「攻撃か!?総員防御態勢…ん?なんだこれは、水?」
 雨の様に降り注いだそれが、関節部分や武器を持つ手元に命中し、元の水へと弾け戻る。
「な、なんだ驚かせてくれる…総員、怯むな!ただの水だ!!」
 防御を捨て、水の矢を無視し再びブルーシャークへと攻撃を集中させようとするカルキノス隊。
 だがその手足は、まるで玩具が壊れたかのように縦に後ろに意味不明な挙動を起こし始めている。
 異常に気が付いた学生の一人が、コンソールを操作しダメージレベルをチェックすれば…そこには、関節と言う関節、その内部の精密機器の部分だけが浸水によるエラー表示を出しているではないか。
 こんな様では当然復旧に時間を有する。
「っしゃあお見事!」
 キャバリアは、行ってしまえば人型の巨大な機械だ。
 人型故に、その手足の制御には優秀なコンピューターを必要とする。
 そして、得てしてそう言うものは水に弱く…無論、技術者たちはそんなことは百も承知であるので万全の防水対策を整えているのだ。
 だが、魔法なんて想定できる企業は普通、ない。
 それゆえ、コンピューターが水没で狂えばそれはそのまま手足の不調に繋がってしまうのだ。
 もちろん、全てのカルキノスが酷い不調をきたしているわけではないので、矢を撃ち続けるアウラ目掛けて機体そのものを叩き付けようとと突撃するのだが…。
「おっと、こらこら。そっちに行くんじゃないっての」
巨大日本刀を振り回し、時代劇よろしく大立ち回りを演じていたスーパーシャークが割り込み、すれ違い様に一閃。
 相手の突撃の勢いを利用することで、重装甲に包まれた脚部をぶった切って見せた。
「わるいが、俺が暴れられるのは彼女あってのことだからな…さて」
 足を失い、転倒したカルキノスにスーパーシャークがマウントを取る。
 ガパッ。
 鮫の口が、開いた。
「………………え?」
「よし、動くなよー」

 あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――!?
 絶叫が戦場に響き渡る。
 エラーを起こしていたカルキノスに、さらに追い打ちとばかりに氷の矢を撃ち込んで、物理的に回復不可な状態にまで追い込んでいたアウラが何事かと振り向けば。
「……ほっ!?」
 がぶがぶバリバリ。
 マウントを取ったスーパーシャークが、身動きの取れないカルキノスのコクピットへと噛み付き、コクピットを守る装甲をかみ砕いているという実に凄惨な光景が広がっていた。
「…え、思い切り噛み付いてるが大丈夫なのか、あれ?あ、生きてた」
 目の前にでっかい鮫の口が迫ってくるという恐怖に気絶した学生パイロットを咥えたスーパーシャークが頭を上げ、その辺に放り投げると、自身が凍らせて動けなくした別のカルキノスへ近づいていく。
 めっちゃ歯を鳴らして近づいていく。
「……トラウマにならなければ…なるだろうなぁ」
 鮫士とスーパーシャークによって、学生たちは一人ひとり丁寧に救出されましたとさ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『蒼き光を秘めし古の巨神を駆る狩人・アルミ』

POW   :    ハンマー・パワーだ!
【ブーストナックル】で攻撃する。[ブーストナックル]に施された【炉心制御装置】の封印を解除する毎に威力が増加するが、解除度に応じた寿命を削る。
SPD   :    嵐にも立ち向かえるし、勝つことだってできる
敵より【浅瀬や港、プール等水のある地形に近い】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。
WIZ   :    二度と私に触れるな
自身の【オブリビオンマシン搭載の原子力エンジン】から【おびただしい量の放射線】を放出し、戦場内全ての【生命活動を著しく阻害し、電子制御機器】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は神羅・アマミです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 カルキノス隊を撃破し、プラント中枢…即ち副会長一派へ乗っ取られていた炉心へとたどり着いこうとしていた猟兵達。
「…まったくすごいな、猟兵ってのは」
 だが、動力炉へ繋がる唯一の扉の前で胡坐をかき待ち構えていたのは、白装束ならぬ白学ランに身を包んだ一連の主犯、副会長の【ゼンジロウ・トオガタ】だ。
「さて…今回は、わざわざうちの国の内部事情に首を突っ込んでくれてどうもありがとう。大事な同志たちは全員しょっ引かれたわ気絶してるわで、その上ここまで来られてしまった以上、私の退路はこの後以外にないわけだ。いやはや、参ったね本当。なんだね君たち、チートか?」
 苦笑いを浮かべ、ため息をつく痩せぎすの男は、しかし眼の光は失われず。
「だがね、俺も負けられないのだよ…私たちの国はまだ弱い、まだ成人もしていない学生がどうにか守っているような現状だ。その現状を変えなきゃならない、そのためには血を流してでも、改革をしなければならないんだ」
 ゆっくりと、男が立ち上がる。
 その目に宿すは義憤の炎。
「君たちにわかるか?私よりも未来ある子供が、自らの意志で戦場に立つのを見送るしかない無力が。私より力ある子供がその身を粉にしているのを見ているしかない無念が。力になろうとして、足手纏いにしかなれない己への腹立たしさが!!だからこそ!!」
「お待たせしました、副会長」
 ゆっくりと、扉が開く。
 炉心室中央、巨大な冷却プールの底で稼働するプラントの動力炉。
 その中央から現れた、通常のキャバリアよりも一回り大きな緑の巨体。
「オーダー通り冷却水、マシマシに。新零号【ヨモツヘグイ】起動準備完了しました……売り込んだ私が言うのもなんですけどね、もうちょっと名前どうにかならなかったんですか?」
 その肩に腰掛けていた青い髪の少女が、副会長に声を掛ける。
 その少女こそ、オブリビオンマシンと共に蘇りしオブリビオン。
 レプリカント、アルミ。
 必死に現状からの打開策を考えていた副会長に、力での改革を囁いた黒幕。
「あぁ、初めましてでしょうか、猟兵。私はアルミ、名もない元レプリカントの、オブリビオンです、足元のこれは、元、名もないキャバリア…原子炉乗せた、パイロット殺しのとーっても危険なやつですが」
 その発言に猟兵達は身構え…副会長はその機体へと近づく。
 止めようとする猟兵達の言葉を無視し、その足元へ歩み寄った副会長が猟兵達へと振り返った。
「これが私の最後の切り札、最後の同志、秘書君だ……君たちが皆を連れて行ってくれたのは、むしろ感謝すべきかもしれないな」
 ヨモツヘグイのコクピットが開き、アルミが乗り込んだ。鈍く光ったヨモツヘグイが、副会長に手を伸ばす。
「…確認ですが、生身の人間が乗ったらまず死にますよこれ?」
「あと少し生きられれば十分。これでこそ、並び立てる…あぁ、やっと、やっとだ」
 コクピットが閉まり、副会長を収納する。
 蒼く鳴動する鉄の巨人。
 それはまるで、副会長の歓喜に共鳴する様で。
「死を間近にして、ようやっと力を手にできた!まったく本当に情けないな!だがそれでも私は…俺は!この国の皆の未来のために!皆の今をぶっ壊す!!」
 怒り交じりの歓喜の声を上げる副会長。
 その洗脳は加速する。
 小さな善意と反骨神から始まった救国の意志も、隣人を助けたかった優しさも、何もかもを傲慢と破壊衝動が飲み込んでいく。
「あーあ、ハイになっちゃってるよ。なんでこんなの見つけちゃったかなー。ほら猟兵さん、速く何とかしないとこの人死んじゃうよー。その後はこの国もぶっ壊しちゃいますよー。平和な国なんて…ぼろぼろに滅ぼしちゃいますよー?だって私もこの子も、そう言うことのために造られたんだし」
「あぁそうとも!スクラップ&ビルド!!君は思うさま壊せばいい!俺は全力で立て直す!俺がこの国を立て直す!!!止めてくれるな、これ以上俺たちの国に、首を突っ込むな…余所者がぁぁぁ!!!」

 二人のパイロットを乗せ、リミッターを外され咆哮するオブリビオンマシン【ヨモツヘグイ】。
 パイロットの命を無視した禁忌のマシンは、やがて副会長も相棒である少女のオブリビオンもその暴走の果てに殺すだろう。
 そうして、二人がデッドラインを超えるその時まで、破壊の限りを尽くすだろう。

 その暴走を止め、鉄槌を下せるのは君達だけだ、猟兵。
緋月・透乃
余所者が首だけじゃなく暴力つっこみにきたぞー!あの世からの余所者に首突っ込まれていいように洗脳されている副会長さーん!
ま、猟兵以外にはわからないけど。
今までの奴よりずっとやる気があるみたいだし、楽しませてもらいたいね!

今回もやっぱり生身で!そして武器はRX推進戦鎚九六式を使うよ。
普通に歩いたり走ったりすることに武器の推進機を利用した高速移動や空中ジャンプっぽい動きを混ぜた緩急つけた動きで回避、翻弄しつつ敵の懐に入りたいね。
攻撃は下半身中心に。上手いことバランスを崩せたら【ひょいっと】持ち上げて叩きつけるなり投げるなりするよ!
やりすぎると機体より先に中身が死にそうだからほどほどにしておこう。


吉岡・紅葉
ちょっと待ったぁーー!
さあ副会長さん、皆のところに帰りましょう!
まずはこの、オブリビオンマシンをぶっ壊してから!

私の切り札、【ハイカラオーバードライブ】で
機体をパワーアップさせて挑みますよ。
幻朧ブラスターから《重力》属性の弾丸を撃ちながら距離を詰めます。
ブーストナックルの一撃は、《武器受け》でガード!
…自分にもっと力があればって、悔しい気持ちはわかりますよ。
だけど、これが本当に副会長さんの最善の道なんですか?
このマシンが暴走してしまえば、この国は100年も200年も、
人が住めない場所になってしまうんですよ!
《情熱》を込めて彼を説得し、フレームの継ぎ目を狙って
《貫通攻撃》の突きを食らわします!



「ちょっと待ったぁーー!」
「余所者が首だけじゃなく暴力つっこみにきたぞー!あの世からの余所者に首突っ込まれていいように洗脳されている副会長さーん!」
 怒涛の静止と共に、巨大な戦斧と黒いエネルギーめいた砲撃がヨモツヘグイへと降り注いだ。
 無論、オブリビオンマシンであるヨモツヘグイはその程度の攻撃ではびくともしない…だが、自然とその視線は砲撃を撃ち込んだキャバリアへと向かう。
 撃ち込んだのは吉岡・紅葉(ハイカラさんが通り過ぎた後・f22838)が駆るくれはカスタム。
 戦斧をぶん投げたのは、その足元の緋月・透乃(もぐもぐ好戦娘・f02760)だ。
「…ヨモツヘグイでなければ、今の一撃で落とされていただろうな…良いだろう、一瞬ちょっと耳が痛いような気がしたので、ちょっと待とう…よし待った!!それでは、そこを退け猟兵!!」
 二人の言葉に反応したのか、まだ残っていた良心が引っかかったのか、ほんの少しの間動きを停止したヨモツヘグイであったがやはり洗脳はどうしようもなく、くれはカスタムへ向かって駆け出す。
「うーんそう言う意味ではないのですが、これは話通じませんね…」
「しょうがないよ、私たちぐらいしかそういう事情は分からないんだし。それに、今までの奴よりずっとやる気があるみたいだし、楽しませてもらいたいね!」
「ですね、切り替えていきましょう!さあ副会長さん、皆のところに帰りましょう!まずはこの、オブリビオンマシンをぶっ壊してから!」
 くれはカスタムがブラスターから先ほどと同じ【重力】属性を持った弾丸を連射しながら駆け出し、インファイトに持ち込む。
 それによって発生した、不可思議な重力を利用して透乃もまた、巨大なハンマーを手に突撃していくのだった。

 真っ先にぶつかったのは、ヨモツヘグイとくれはカスタム。
 青い輝きを増す事により、高重力場を振り切って速度を上げるヨモツヘグイ。
 拳を振り上げて突っ込んできた敵機に対し、まともに受けてはならないと確信した紅葉が咄嗟に退魔刀を引き抜き、ブラスターと共に交差するように構え盾とする。
 鉄拳と拳と銃がぶつかり合い、鈍い音と共受け止めたくれはカスタム側の床が、衝撃でわずかに陥没する、しかし、近接戦闘に対する適正において、一時的なパワーアップを得ているくれはカスタムが拳を押し上げる。
「封印、第一段階解除…さぁ、秒読み開始ですよ、猟兵…!」
 サブパイロットであるアルミが、炉心の封印を一段階解除した。
 押し返せるはずだった力関係が純粋な出力差で押し戻され、くれはカスタムから軋むような異音が鳴る。
(今、割とパワーアップしているはずなんですけどね…!?)
 恐ろしいのは、これでまだだ一段階だという事だ。

 これ以上解除はさせないと、追いついた透乃がその拮抗を根本から破壊しようと巨大ハンマー【RX推進戦鎚九六式】を振り被る…が。
「その脅威は、覚えているぞっ!!!」
 拳を引いたヨモツヘグイが、両の鉄拳を振るいラッシュを放つ。
 手数を重視したその攻撃に先ほどまでの重さはない…だが、生身である透乃にとっては一撃のみでも十分致命傷。
 ハンマーの推進装置を起動させ、空中で幾度となく方向転換を決める離れ業を披露する透乃であったが、拳圧が床や壁を砕き瓦礫を飛び散らせる為に全てを避け切ることができず、細かい傷が増えていく。
 キャバリアサイズの巨大ハンマーは十分ヨモツヘグイにダメージを与えられる代物であるがために、これまでその怪力によってん破壊されてきた多くの兵器を見てきたがために、副会長を操るアルミが彼女の自由を徹底して許さない。
 更にその上で、ラッシュはくれはカスタムにも降り注ぐ。
 手数優先故にどうにか防げているが攻めに転じれない…こちら側のみがダメージを蓄積してしまう悪循環に陥る二人。
「はっ、はっ…はは、は!!猟兵が、手も足も出ない!これならば、これならばぁっ!!」
「…自分にもっと力があればって、悔しい気持ちはわかりますよ」
「…なんだと?」
 スピーカーで響いた紅葉の言葉に、ラッシュを続けながらも副会長が反応した。
「だけど、これが本当に副会長さんの最善の道なんですか?」
「そうとも…この道しかなかったのだ、こうしなければ、犠牲が出る1!!」

「このマシンが暴走してしまえば、この国は100年も200年も、人が住めない場所になってしまうんですよ!」
 情熱の込められた、スピーカー越しでもわかるほど熱い言葉。
「…………なにを、言っている?」
 それが、ほんのわずかに副会長の心に響いた。ラッシュが乱れる。
「私は四の五の言わずにぃ…どーっせい!!」
 その隙を猟兵は見逃さない。
 ついにラッシュから抜け出した透乃が、ここぞとばかりにヨモツヘグイの足にハンマーを叩き付ける。
 園らのキャバリアが振るうよりも威力が強いであろう一撃はヨモツヘグイであっても耐えきれず、膝を付いてしまう。
「か~ら~の~…ひょいっと!」
 軽い掛け声とは裏腹の、並外れた怪力を発揮した透乃が崩れ転げようとするヨモツヘグイの足を持ち上げ、クレハカスタムへとぶん投げる。
「届けぇっー!!」
 くれはカスタムが刀を構え、突きを繰り出した。
「と、ど、く、かぁぁぁっ!!?」
「第二段階、一時解除!!」
 クロスカウンター。
 刀が深々と突き刺さり、くれはカスタムにはヨモツヘグイの拳がもろに叩き込まれた。
 轟音を上げ壁へ叩き付けられそうだったくれはカスタムを、退魔刀を引っこ抜いて駆け付けた透乃がキャッチ、そのまま中で気絶してしまった紅葉ごと担ぎ上げて撤退していく。

「俺は……俺はぁっ…!!」
「第二段階、再封印……フフ、あとどれぐらい持つかなぁ…」
 損傷した装甲を抑えるヨモツヘグイが、蹈鞴を踏んで座り込む。
 搭乗者の動揺を反映しているのか、その力強い拳はカタカタと震えていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

キャロル・キャロライン
あと少ししか生きられぬ者がどうやって国を立て直すというのか
己が言葉の矛盾にも気付かぬほどにオブリビオンに侵食を受けているのだな

もっとも、あの副会長にも元より危うきところがあったようだ
大義のために自らを犠牲にできる者は、いずれ家族を、仲間を犠牲として差し出すだろう
少し説教が必要なようだが――そのためにもあのデカブツの中から引っ張り出さねばな

キャバリアを通して浄化の力の放ち、放射線を中和して動きを鈍らせよう
搭乗口の構造は先ほど見せて貰っている
UCの力を込めた剣でハッチを抹消
中が見えたならば鎖で副会長を外に引きずりだそう

しかし、あの青髪のオブリビオン
アマミ殿と似ているように見えたが、果たして――?


深島・鮫士
【梟と鮫】

※アドリブ歓迎

・原子炉搭載って、爆発したらどうすんだよ……アウラ、生身で相対するよかマシだ。スーパーシャークの後部座席に乗れ。
こいつは搭乗者のスキルを再現可能なスーパーロボだ。操縦技術はそこまで必要ねぇ、強く思うだけで十分だからな。

・放射線は「オーラ防御」を全開にして散らす。
さて、敵を無力化するには手足を攻撃してスタックさせるのが確実だ。アウラ、俺は刀で、お前は魔法でやつの手足を潰すぜ!

・放射線の影響が心配だが、やはり【救命牙】で副会長を抜き出すのは必要か。抜き出したら一気に敵機体から距離を取る。

・ったく、目的のために手段を選ばずってのは嫌いじゃねーが、目的すら見失ってんじゃねーよ!


神羅・アマミ
崇高なる思想とやらも狂気に囚われ最早支離滅裂…
やはりこの世界にオブリビオンマシンなど存在してはならぬのだ!

真の姿・ゴリラニックパワーローダーへと覚醒!
敵の頭一つ小さいが働きは必要十分よ!
放つUCは『山台』!

奴が生命を脅かし電子機器を停止に追い込む危険な光を発するというなら、まずは能力を応用しブ厚いコンクリと鉄筋の遮蔽板を地面から眼前に展開!
その後も手を緩めることなく、全方位を囲むように建造を繰り返す…そう!さながら放射線遮断チェンバーのようにな!

此度の手、初動の秒単位での対応が全てを決すると言ってもよい。
【野生の勘】で隙を逃さず見極めねば!

既にコクピットの副会長を救う手段は思いつかん…すまぬ。


天音・優歌
皆、同じ気持ちなんだ
今を日常を護るために戦ってるんだよ
それを壊すなんて、哀しいことを言わないで
さぁ、頭を冷やす時間だよ!

魔道書からサイキックキャバリアを召喚し乗り込みます
優しき歌より来たりて!无音の世界に……天からの音を降らせよ我が半身!汝、无に還す者!メソテース!

時間がないのでとにかく速攻
空中浮遊からの突撃を行い
UCで召喚した剣で手足を攻撃して破壊し
動けなくなったらコクピットをこじ開けて副会長さんを救出
舞い剣戟を鳴らし降らせよ、フロネシススパーダ!

敵のUCは電子制御じゃなくて魔力で動かしてるから無力化は問題ないはず
キャバリアに乗ってるから
放射能も問題ないはず
ダメだったとしても突撃するけどね!


アウラ・ウェネーフィカ
【梟と鮫】
◎アドリブ等歓迎
原子炉……? よく分からないが、危険な物のようだな
では乗せてもらうとしよう、と言うか二人乗り可能だったのか

■戦闘
ほぅ、意思に応じて動き、UCまで再現可能とは興味深い
何かの術式によるものか?
ただ、私は近接戦闘の心得はあまり無い
通常戦闘は深島さんに任せ、私は【UC】を発動
【UC】によって生まれた破壊の光を制御しつつ、魔力を送り力を高めておく

……む? キャバリアの動きが……敵のUCか?
だが、魔法に対しては影響しないようだな
敵が慢心している今が好機、プラントに被害を及ぼさないように気を付けつつ
【UC】で放つ破壊光線によってその手足、破壊させて貰おう!

――え、口から撃つのか……


荒谷・ひかる
スクラップ&ビルドは計画的にやらないとあっという間に破綻すると思うんですけれど……もう聞こえてませんか。

引き続きGuardian Spiritに搭乗
この子はオブリビオンマシン、当然生命ではありませんし電子制御機器という枠を超えた超常の存在
放射線程度で止まるようなヤワな子じゃないですし、わたしもコクピットから出なければとりあえずは大丈夫なはず
とはいえ時間はかけられないので、なる早で【武装憑依・闇の精霊さん】発動
機体の両手の間にマイクロブラックホール弾を生成、投擲の要領で敵機の原子力エンジン狙いで発射
床に着弾で消滅するように設定しておき、弾道上のものを削り潰すのみに留められるようにする


獅子戸・玲桜奈
死なせねえし壊させねえ!改革するのは勝手だが、そのマシン抜きでやりな!
いくぜフレイムウィング!目が覚めるキツい一発お見舞いしてやろうぜ!

戦いが長引いたら副会長が危険だ。最初から本気でいかせてもらう……クリムゾンモード発動!
ブーストナックルはガードできてもタダじゃ済まなそうだ。だったら当たらなきゃあいい!
あいつがパンチを繰り出すタイミングを見切って瞬間的にマッハで動いて回避してやるぜ。

お次はこっちの番だぜ!お前がブーストナックルならこっちはマッハナックルだ!高速移動の勢いを乗せた全力の拳で、巨人だろうがなんだろうがぶっ壊してやるぜ!



「私は…私は俺は俺は俺はぁぁぁぁぁっ!!!」
「うわっ、自力で炉心封印全部解除しちゃったよ…こりゃこの戦いで死ぬなぁ。私たちもこの国も」
 それもまた一興、もはや壊す事しか考えられない主従に操られたヨモツヘグイが、青い光を全身から吹き上げて咆哮する。
 迸る、放射線の毒の光。
 あらゆる電子機器を問答無用で狂わせ、生命体を死に至らせるそれが、ヨモツヘグイを取り囲む猟兵達に降り注ぎ、キャバリアであってしても抗えぬ猛威でその動きを止めてしまう。
 原子炉を自ら暴走させ、自壊しながらプラントを飛び出そうとして…しかし、突如隆起した床に阻まれる。
 否、それは床ではない。鉄筋とコンクリ、さながらそれは監獄のごとく。
「崇高なる思想とやらも狂気に囚われ最早支離滅裂…やはりこの世界にオブリビオンマシンなど存在してはならぬのだ!なので死ぬなら貴様だけで死ねーい!!!」
 ゴリラめいた…もろゴリラなパワーローダーに搭乗する神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)の神業めいた高速建築術。
 原子力を動力に持つあのキャバリアの脅威を、宿敵であるがゆえに彼女は誰よりも知っている。
 野性的な勘でその攻撃の特性を読み取り、アマミは真っ先に動いていたのだ。
 堅牢かつ分厚く、隙間一つない壁で放射線を遮りながら、せっせせっせと彼女は動く。そのたびに、監獄が二重三重に建設されていく。
「何たる建築の腕か!是非とも俺の部下に欲しい…だが敵ならそちらが死ねぇっ!!」
 だが堅牢たる監獄も、巨大キャバリア…もはや超兵器の一種と化しているヨモツヘグイの前では単なる壁でしかなく。
 暴走しながら壁を殴り、粉砕。
 壊した先にはさらに壁、粉砕。
 前に左右に後方に、粉砕、追いつかない。
 分厚い結界じみたそれはさながら放射線遮断チェンバー。
「へぇー、私たちが死ぬまで時間稼ぎって感じですか?…あれ?と言うか何で動けるんですそれ?」
「まーの、ぶっちゃけもうそこに入ってる時点で助ける方法思いつかんし。いや、ほんとすまぬ」
 事実、アマミ一人のこの方法ではコクピット内の副会長を助けることはできない。
 だが、この状況においても、動ける猟兵は彼女以外にもいる。
「計画性って言葉をぶん投げちゃってますねこれは。スクラップ&ビルドは計画的にやらないとあっという間に破綻すると思うんですけれど……もう聞こえてませんか、残念です」
 荒谷・ひかる(精霊寵姫・f07833)とそのキャバリア、Guardian Spiritがそうだ。
 かのキャバリアはヨモツヘグイと同じく、命無くしかし人知を超えた超常の存在、オブリビオンマシンであるがゆえに、電子機器を狂わせるヨモツヘグイの光を受けてなおその力に陰り無く。
 同じく人知及ばぬ存在である精霊の力と共に重力を御することにより、降り注ぐはずであった放射線を捻じ曲げ跳ね除ける。
 そして縦横無尽に動いていたアマミへ降り注ぐ放射線を捻じ曲げ、その初動をサポートし終えたGuardianSpiritが、合掌するかのように掌を合わせた。
 ゆっくりと合掌を開けば、掌の間に生成されたのはマイクロブラックホール。
 球状のそれを、野球ボールでも掴むかのように握りしめ…ぶん投げる。
 危機を察したヨモツヘグイが後方の壁を粉砕し避けようとするも、どこからか湧いてきた看守姿のメカゴリラ集団が脱獄を防ぐために飛び掛かる、避け切れない。
 特徴的なヨモツヘグイの頭部が、抉れて消滅した。
「ふぅ…流石になるはやでこうも色々やると、私も精霊さんも疲れますね…あれ?」
 ブラックホールはそのまま床を削り取りながら消滅、ヨモツヘグイから漏れ出る炉心の光が弱まり、むき出しになった配線や回路がショートしている…だというのに、ヨモツヘグイは止まらない。
「む~…決まったと思ったんですが」
「ギリギリ炉心は避けよったか…じゃが、おかげで場は整ったの」
 もうすでに安全装置が機能していないからこそ、暴走のごとき鳴動は止まらない。
 だが、近づくにはそれで十分足りえる。
「俺は止まらないっ!あと少し生きるまで、止まらないぞっ!!」
「たわけ!あと少ししか生きられぬ者がどうやって国を立て直すというのか!!」
 銀の刃が閃く。
 遮二無二暴れまわるヨモツヘグイに飛び掛かったのは、キャロル・キャロライン(聖騎士・f27877)。
 一度キャバリアを送還し、浄化の光で放射能をどうにかやり過ごしつつ、ブラックホールに生身で追従しながらヨモツヘグイの真ん前で再召喚することで不意を突いたのだが…。
(読まれていた…いや、そもそもなにも目に入っていないなこれは)
 自身に対応したのではなく、動くものにただ拳を振るっているだけだとキャロルは直感する。
(侵蝕が早い。完全に狂気に飲まれ自分を見失っているな…もっとも、あの副会長にも元より危うきところがあったようだ。大義のために自らを犠牲にできる者は、いずれ家族を、仲間を犠牲として差し出すだろう)
「少し説教が必要なようだが――そのためにもあのデカブツの中から引っ張り出さねばな!」
 自身に活を入れ、剣戟の速度を上げるキャロル。
 銀の剣はヨモツヘグイの分厚い装甲にすら切傷を与えている。
 だが、ヨモツヘグイは暴走したオブリビオンマシン。そう易々と倒れる相手ではない。
 傷が増える度、そこから放射線を噴出し毒の光で周囲を更に汚染する。
 キャロルが即座に浄化の光を放つことでそれを相殺するが…。
(腐っても、オブリビオン…私一人では手が足らないか!?)

 一方、後方にて。
「原子炉搭載とか、爆発したらどうすんだよ……」
 巨大人型鮫…もとい、スーパーシャークの中で頭を抱えているのは深島・鮫士(深鮫流活殺刀拳術創始者(自称)・f24778)だ。
 後部座席にはアウラ・ウェネーフィカ(梟翼の魔女・f25573)もいる、と言うより原子炉と言う言葉を聞いた鮫士が咄嗟に彼女をコクピット内に引っ張り込み、放射線から守ったのだ。
「原子炉……? よく分からないが、危険な物のようだな。それにあの光…毒か」
「まーな、どこの世界でも決まってで取扱注意になる代物だ…それを起動兵器に乗せるかね普通…!!お、やっとこさ計器が回復したか」
 放射線を一身に浴びてしまったスーパーシャークだったが、そこはスーパーロボット。
 放射線が弱まり、こちらに向けられなる量が減ったことで再起動を果たし、立ち上がる。
「よーし、作戦会議だ。こいつは搭乗者のスキルを再現可能なスーパーロボだ。操縦技術はそこまで必要ねぇ、強く思うだけで十分だから思う存分ぶっ放せ、ぶん殴るのはこっちに任せろ」
「ほぅ、意思に応じて動き、UCまで再現可能とは興味深い。何かの術式によるものか?」
 いいえ、どこかの世界の狂気の傑作です。
 そんな言葉が喉元まで出かかった鮫士だったがこの機体は割と気に入ってるのでどうにか飲み込んで会議終了!と話題を打ち切る。
 巨大な斬艦刀を抜き放ち、口元?から怪しげな光を漏らしながら巨大人型鮫が駆け出す。
 監獄の中で剣と拳をぶつけあるキャロルと合流、二体一の構図になったことでヨモツヘグイは守勢に回らざるを得なくなり。
 鮫士が手足を徹底して狙い、キャロルはコクピットを覆うハッチを削り切り取らんとと刃を振るう。
 その間にも、魔力によって破壊の光を制御し、それを上手いことスーパーシャークへと注いでいたアウラがふと、唸りを上げる計器に視線を向ける。
「これは確か…深島さん、ちょっとこれ見てもらえるか?」
「嫌今忙し…どぉあ!?ちょ、ショートしてる!?」
 至近距離での戦闘、増える傷に比例するかのように漏れ溢れる放射線。
 鮫士の発するオーラとキャロルの浄化の光でどうにか持たせていたスーパーシャークが、ついに膝を付く。
「しまっ…」
「いや、魔法は問題ない…今ならば撃てる!!」
 スーパーシャークが、口を開いた。
「――え、口から撃つのか……」
 轟!!!鮫の口から七色の光が溢れでて、ヨモツヘグイを吹き飛ばす。
「今だ、ぶち抜くっ!」
 スーパーシャークが吶喊する。
 いまだ破壊の光を纏う口を大きく開き、ヨモツヘグイに齧り付く。
 キャバリアの装甲さえいとも容易くかみ砕くそれを、片腕を盾にすることで防ぐヨモツヘグイ。
「ええい、我が同志たちに悪夢を植え付けたその騎馬を私にも向けるかっ!!だが私は屈しない、死ぬまで屈しない、死んでも屈しないぞォォっ!!そのための力だぁぁぁ!!!」
「だーーー!!ったく、目的のために手段を選ばずってのは嫌いじゃねーが、目的すら見失ってんじゃねーよ!」
 スーパーシャークの牙が、片腕の装甲を粉砕…ヨモツヘグイ最大にして唯一の武器であるブーストナックルの片方を破壊する。
 だがその代償は大きく、スーパーシャークの機関部が完全に飛んでしまった。
「黙れ黙れ…私は何も見失ってない!もう、失わない!!」
 力尽きたスーパーシャークに、まだブーストナックルが機能している腕を振り上げる。
「─そうだな、だからあんたには死なせねえし壊させねえ!」
 飛び蹴り、一発。
 超高速で飛翔してきた深紅のスーパーロボットが、ヨモツヘグイを蹴り抜いた。
「悪い、遅くなった…さぁ副会長さんよ。改革するのは勝手だが、そのマシン抜きでやりな!こっから先は、俺が相手だ!」
 紅蓮の炎を纏いながら拳を構えるフレイムウイングとそのパイロットである獅子戸・玲桜奈(炎の翼・f30087)。
(…まずいな、これ以上戦いが長引いたら副会長が危険だ。最初から本気でいかせてもらう…!)
 フレイムウイング、クリムゾンモード・極。
 燃え滾る炎かと錯覚してしまうほどの紅いオーラを纏い、スーパーロボット。
 そして、もう一機。
「皆、同じ気持ちなんだ」
 魔方陣が輝く。
「今を日常を護るために戦ってるんだよ…それを壊すなんて、哀しいことを言わないで」
 魔導書が開かれ、無数の頁が空を舞う。
「優しき歌より来たりて!无音の世界に……天からの音を降らせよ我が半身!」
 遂に目覚めるは、太古からの使者、サイキックキャバリア。
「汝、无に還す者!メソテース!」
 並び立つ、天空の巨人と炎翼の巨人。
 ともに視線を向けるは、半壊になってなお狂気を迸らせる、緑の鉄巨人。
「さぁ、頭を冷やす時間だよ!」
「すぱっとすっきりするぐらいの…焼きを入れてやるぜっ!!」


 飛翔する二機に対抗するかのように、壊れかけだからか、怪獣めいた異音を唸らせながらヨモツヘグイが走り出す。
 瞬間的に速度をずらし、飛翔するフレイムウイングに対し、ブーストナックルで迎撃。
 一撃離脱。ヨモツヘグイの拳をすり抜け、マッハの速度で振るわれるフレイムウイングの鉄拳が緑の装甲を砕いていく。
 一撃必殺も、当たらなければ意味がない。
 加えて、メソテースが次々繰り出す魔方陣から現れる魔法剣を掴み取り、数多の攻撃で損壊し続けていた装甲に突き刺しては損傷を広げていく。
 いくら封印を解除し出力を引き上げても、末端にまで伝わらなければ意味がない。
 自身の損壊を度外視し、重厚な装甲に物を言わせてきた付けがついに回ってきた。
 事ここに至っては技量において猟兵を大きく下回る副会長がパイロットであるということが、大きなデメリットとなってくる。
「それでも、私は止まらないっ!止まれないのだぁ!!」
「止まれないなら…もっと周りを頼れっての!!」
 フレイムウイングが天井すれすれまで飛び上がる。
「舞い剣戟を鳴らし降らせよ、フロネシススパーダ!」
 メソテースが巨大な魔方陣を創り出す。
 降り注ぐキャバリアサイズの魔法剣が、ついにヨモツヘグイの装甲を貫き縫い留めた。
「今しかないわ、全部吹っ飛ぶぐらい熱いやつ、行っちゃって!!」
「おうよ!行くぜフレイムウイング!目が覚めるキツい一発お見舞いしてやろうぜ!!」
 その激に呼応するように、フレイムウイングの両目が力強く光り輝く。
 深紅を纏い、フレイムウイングが流星の様に突撃する。
 その拳が、コクピットを貫く。
 一瞬の静寂。
 ゆっくりと拳を引き抜けば、その手には気絶している副会長が握られており。
 オブリビオンマシン【ヨモツヘグイ】は…事切れるように、その動力を停止させた。

「…あーあ、あと少しあれば、みんなで一緒に死ねたのになぁ……また死んじゃうのかぁ…強いなぁ、羨ましいなぁ、猟兵は…」
「なんじゃ、まだ生きとったんか。しぶといのぉ」
「うるさいよ。もう死ぬっての…まぁ、暴れるだけ暴れたし…私の番はおしまい。死に目に良い夢、見たってことで……」
「……ふん、オブリビオンマシンの癖に、安らかな顔しよって」
 そして、副会長より先に命を使い果たしていたレプリカント・アルミもまた、機能を停止した。
 呆れたような顔をしながら、それを見送るアマミであった。

 それからすぐに病院へと担ぎ込まれた副会長。
 かなりギリギリであったが…この世界の技術レベルなら、どうにか回復の兆しを見出せるようで。
 暫くは治療のための入院生活を余儀なくされるうえ大幅な減給と内申点の大幅な減点、復帰し次第庶務への降格が決まったが、正気を取り戻した当人は当然のけじめとしてそれを受け入れたと、リーゼントのキャバリア乗りが猟兵達に教えてくれた。
 今回の一件を受け政徒会も本格的な改善に向かい、動き出すことが決まった。
 徹夜上等の生活は流石に改善しないとねと、今回の一件をどうにか内々で納めようと事後処理に追われつつも、猟兵達から託された改善案を吟味し書類の山の中で生徒会長は今日も笑っている。

 この小さく、未熟で若い国を狙う脅威はいまだ絶えていない。
 だがそれでも。
 猟兵達の戦いが、この立花に一先ずの平和を齎したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年11月05日
宿敵 『蒼き光を秘めし古の巨神を駆る狩人・アルミ』 を撃破!


挿絵イラスト