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【Q】全世界バニー大集合!

#アリスラビリンス #【Q】 #お祭り2020 #ハロウィン #異世界バニーの国

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#ハロウィン
#異世界バニーの国


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●バニーの定義とは
「うっふふ~、どう? この海賊風バニースーツ!」
「ただ水着にウサ耳つき海賊帽つけただけじゃん! こっちは触手バニー服よ、どうよこの醸し出されるお色気!」
「皆甘いですね~。イベントにはしっかり流行を取り入れないと。どうですこのクローム合金製バニースーツは~!」
「ただのロボだそれー!」

●バニーと信じればそれはバニー
「あなたのメルでございます。一足早く皆様にトリック&トリートでございます」
 そう言いながらメルは集まった猟兵たちに切り分けられたパンプキンパイを配る。時期からしてハロウィンにちなんだものであることは間違いない。恐らくこれがトリートの方なのだろう。そしてそれに続くのは。
「はい、それではトリックの方のご紹介です。この度儀式魔術【Q】が成功いたしまして、オウガ・オリジンの置き土産である多数の『ハロウィンの国』なるものが発見されました。ここはその名の通りハロウィン一色に染まった世界で、しゃべる南瓜ランタンや、コスプレ衣装の飛び出す森、食材が完備されたキッチン、『なんかめちゃくちゃ長い行列をするためだけに作られた道』などハロウィンにしか使えなさそうなものが盛りだくさんでして」
 それなら近く開催されるハロウィンパレードにもうってつけだ。だがこの世界の創造主は他ならぬあのオウガ・オリジンである。真っ当な国が作られているわけがない。
「はい、お察しの通り、皆様にはここに巣食うオウガを倒していただきます。相手となるのはまずは『サーバントバニー』という、バニーガール姿のオウガです。ジャンプキックや投げキッスで攻撃してくるのですが、彼女たちはこの世界の森から飛んでくるコスプレ衣装を纏い、飛躍的に力が高まっています。正直、普通に挑んでは苦戦は免れないでしょう。ですが、これに対抗する手段が一つありまして」
 何となく予想できるでしょうが、とメルは前置きし。
「こちらも森から飛んでくるコスプレ衣装を身に着けてしまうこと。そうすることでこちらもパワーアップ。さらに完璧に着こなせばより一層パワーを引き出し有利に立つこともできるでしょう。ちなみにここで飛んでくる衣装は『アリスラビリンス以外の世界風にアレンジされたバニー衣装』です」
 さすがにそこは予想外だったか、猟兵たちの間にざわめきが起きる。
「衣装はランダムで飛んでくるので自分で選ぶことは出来ません。何が来ても運命だと思って着こなしてください。サーバントバニーを倒したら、ここのボス『『薔薇園の番兎』ローゼス』というウサギ女性のオウガがでてきます。彼女はこの世界唯一の『アリスラビリンス風衣装』を纏っており、その一点物パワーで完全無敵となっております。戦っても勝ち目はありません」
 オウガ・オリジンも行使した完全無敵の力。しかし、それには必ず抜け道があった。ということは今回も。
「はい、ですので彼女を倒すためには『おいしい料理を作って食べさせる』必要があります。幸い材料とキッチンは完璧なものが用意されていますので、ローゼスの攻撃に耐えながらそこで料理を作ってください。料理ができたらローゼスは『この世界の法則』に従って必ずそれを口にしなければなりません。そして料理を食べるごとに彼女は眠くなっていき、完全に眠った時その無敵は失われ、一撃で倒せるほど弱体化します。おいしい料理程よく眠くなるので、料理にも手を抜かずに」
 荒唐無稽な話だが、ここはアリスラビリンスなのだ。そういうこともある、くらいに思って深く考えないのが吉だろう。
「この戦いを制することで10月31日のハロウィン本番、ひいてはその先に予想される猟書家たちの生き残りとの戦いを有利に進められそうという気が何となくします。大きな戦いの前哨戦と思い、皆様どうか頑張ってきてください」
 そう言ってメルは深々と頭を下げ、猟兵たちをアリスラビリンスへと送り出した。


鳴声海矢
 こんにちは、鳴声海矢です。私事として昨年はゾンビの仮装をしました。
 今回はアリスラビリンスにて、迷宮災厄戦延長戦にしてハロウィンパレード前哨戦を行っていただきます。

 今回は特殊ルールが多いのでその説明を。

 まず第一に、このシナリオは『二章構成』となっております。第一章の集団戦、第二章のボス戦のみで終了となります。今までにない構成ですのでご注意を。
 このシナリオフレームの完結数によりハロウィン当日及びいずれ来る猟書家戦にて何かしらボーナスが得られる可能性があります。そのため遅くとも10/30までの早期完結を目指しますので、場合によってはリプレイ短め、かつ一部プレイングを流してしまうかもしれません。ご了承ください。

 第一章では『飛んでくるコスプレ衣装を身に着けること』でプレイングボーナスとなります。衣装の内容は『アリスラビリンス以外の世界風にアレンジされたバニー衣装』です。
 コスプレ衣装は性別、種族、年齢一切考慮される事はなくランダムで飛んできます。着用拒否はできません。
 気に入らない衣装が来てしまった場合「なんでこんなのが!」という叫びがあるとその意思が力に変わるかもしれません。
 ランダムですので衣装に関しての要望には一切応えられません(建前)が、服の種類や形状の予想や着た時の反応があったりすると何かいいことがあるかもです。(何もなければ本気の完全ランダムになります)

 第二章では『『薔薇園の番兎』ローゼス』とのボス戦になりますが、彼女は完全無敵、こちらの攻撃では一切ダメージを与えられません。その代わり用意されたキッチンで『美味しいものを作って食べさせる』ことで彼女に眠気を誘い、完全に眠らせることで撃破できます。
 調理中もローゼスは容赦なく攻撃してくるため、ユーベルコードは攻撃よりも防御や妨害、調理補助に使った方がよいでしょう。基本的には敵の攻撃を耐えるのと調理にプレイングを割いてください。戦闘プレは必要ありません。
 料理はおいしい方が効果が高いですが、それ以上にコスプレと合わせたような料理を作ることでプレイングボーナス割り増しとなります。一例としてはサムライバニーが豪華フレンチを作るよりガスマスクバニーがおいしくないレーション作る方が効果的な感じです。

 最後に、分かっていると思いますがネタシナリオです。

 色々注意点が多いシナリオですが、プレイングお待ちしております。
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第1章 集団戦 『サーバントバニー』

POW   :    ウサキ~~ック!
単純で重い【高く跳んでからのジャンプキック 】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    ウサキッス
【投げキッスをする事で放つ衝撃波 】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【にハート型のマークを刻み】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ   :    ウサウサスカイジャンプ
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 薄暗くもなぜか足元はしっかり見えるよう照らされた森の中の長い一本道。そのいかにもパレードに使ってくださいと言わんばかりの道を行く猟兵たちの前に、大勢の少女達の集団が現れた。
「あー、なんかイケてない人たちが来たよー!」
「ちょっと今が何の時期だか分かってない感じ?」
「流行りに乗れない人はモテませんよ~?」
 口々にそう言う彼女たちの姿は、学生服やらぴっちりタイツやら果ては宇宙服やら全く持って統一性がない。しかしそのいずれも胸元が大きく開いたりハイレグ風に脚部が切り落とされていたりと高露出な改造が施されており、さらに唯一の全員共通のシンボルとして頭の上にはウサギの耳が付いている。
 間違いない、彼女たちがここに巣食うオウガ『サーバントバニー』の集団だろう。
「まあせっかく来たんだし、お料理としてパーティに参加させてあげちゃおっか!」
「いいね! じゃあバラバラになるまでトリックして……」
「私たちのトリートになってもらいます~!」
 バニーたちはそう言いながら奇妙な格好を見せつけるように猟兵たちににじり寄る。さあ、気の早いこの仮装行列に解散してもらうのだ!
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

さて飛んできた衣装は、と。

アリス服(ピンク)

……いつもと変わらないじゃない!なんだか損した気分だわ、着替えるけど。化術早着替えでさくっと変身バルク風に着替え完了。もっとエッチな衣装が良かったわぁ。
魔術的パラダイムシフト(結界術/多重詠唱)で自分に都合のいい世界観を構築して展開。混沌魔術で性魔術をDIYしてバニーちゃんを捕食♡ふふ、飛行しながらの行為は通常の数倍はすごいのよ♪
エネルギー充填によるエナジーの循環でどこまでも果てしなく高まる快楽で蹂躙してあげる♡
分霊(式神使い/集団戦術)達もいるからみんなまとめて相手出来るわ♪
えっちなのうみそおいしいです♡



 ハロウィンの国に現れた猟兵を捕食せんと迫る仮装サーバントバニーの集団。本来なら単体での実力は猟兵に比ぶべくもない数頼みのオウガなのだが、彼女たちの纏う珍妙なバニー衣装がその力を引き上げ、彼女たちを恐るべき強敵へと仕立て上げていた。
 しかし、この世界で衣装が力を与えるのは誰にとっても同じ。それを知っている猟兵は森から供される衣装を着ることで自身もまた力を高めんとしていた。
 その一番手、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗のケイオト魔少女・f05202)の元へ飛んできた衣装は……
「……いつもと変わらないじゃない!」
 ピンク色のアリス服(バニー耳つき)。彼女が普段来ているのと同じようなデザインで、何一つ代わり映えがない衣装だ。しかしこの世界、アリスラビリンス衣装だけはボスが持つものを除いて存在せず、その無敵パワーの源となっているはず。代り映えはなくともこれはもしや大当たりなのでは……
 と一瞬期待を抱かせるデザインだったが、触ってみると妙に生地が薄くて安っぽい。多分数回洗濯すれば皺だらけになり簡単に色落ちしてしまうだろう。縫製もどことなくいい加減な気もする。その分単価は安そうだし、一年限りの使い捨てと考えればまあありなのかもしれない、そんなアリス服。恐らくこれはUDCアース式、激安パーティグッズ店で売ってる系衣装だろう。もしくは玩具屋(大人向け)系。
「なんだか損した気分だわ、着替えるけど」
 そう言って渋々袖を通すアリス。だがその瞬間周囲が光に包まれ、色とりどりの背景の元アリス自身の体も発光、その体に一人でにアリス服が装着されていった。
 魔法少女式変身バンクで着替えたアリスを前に、サーバントバニーは一瞬身じろぎするが、すぐに顔をしかめて文句をつけだす。
「えー、何よそれ、ウサ耳ついただけじゃない!」
「むしろ服の方は劣化してる気すらしますね~」
「うるさいわね、わたしだってもっとエッチな衣装が良かったわよ」
 こちらも文句を言いながらも戦いに入るアリス。手に魔力を溜める彼女を見て、そうはさせまいとサーバントバニーたちも跳びあがった。
「そーれウサウサスカイジャンプ!」
 連続ジャンプで宙を舞ったバニーが、そのハイヒールを向けてアリスへと蹴りかかった。だが、上空に舞うその姿を見てアリスは我が意を得たりとばかりに笑う。
「私達の知覚を離れた客観的真理などない、故に、あらゆることは真実であり可能である。私は私の欲する事を為すでしょう♪」
 バニーを待ち受けるかのように発動されたのは【不可思議な混沌魔少女】、その力で安っぽいアリス衣装に装飾が足され、魔法少女風アリスバニーという混沌とした形へと変じていく。そして変化したのは衣装だけではない。魔術的パラダイムシフトが世界を歪め、アリスに飛翔の力を与えた。アリスは素早く宙に舞い、自身に飛び掛かってきたバニーを捕まえる。
「はい、捕まえた。さあ、これからハロウィンを楽しみましょ?」
 そう言いながら彼女の着るバニー服に手をかけるアリス。力の源である服を奪われまいとバニーも抵抗するが、先に自身に割り当てられた衣装に不満を持っていたアリスはそれが源となっていたか力が強く、あっさりと服は破り捨てられる。
 そのまま裸体となったバニーに、アリスのスカートの中からいくつもの触手が伸びる。それは空中でバニーをがっしりと捕まえ、その体に自信のスカートの中身を寄せる。
「ふふ、飛行しながらの行為は通常の数倍はすごいのよ♪」
 その言葉通り、何もつけられていないスカートの中身がバニーの同部位に触れ、ぐちゅぐちゅとそこを攻め始めた。
「いやもうなんかこれハロウィン関係なくうぅぅぅぅ!?」
 バニーは必死にツッコミを入れようとするが、接合部から流れ出し、また送り込まれるエナジーの循環が体をどこまで昂らせていき、すぐにものも言えなくなる。
 さらにその高まった快楽で強化された分霊たちが放たれ、地上にいたバニーたちを次々空中へと拉致していった。
 ハロウィンの国の空の上、仮装バニーたちの乱痴気騒ぎが始まる。その中心でアリスはまるで自分がこの国の主となったかのように、ウサギたちを貪るのであった。
「えっちなのうみそおいしいです♡」

成功 🔵​🔵​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・衣装:お任せ
・アド/絡◎

■行動
厄介ですが、有難い置き土産でも有りますねぇ。
何とか頑張ってみましょう。

衣装ですが、最大の問題は『着られるサイズの衣装が来るか』ですねぇ。
ぴちぴちでも着られるなら良いですが、かなりアブない格好になりそうですぅ。

対処出来る状態になりましたら『FBS』を四肢に嵌め飛行、『FSS』の防御で対処しつつ【仰域】を使用し『乳白色の波動』を纏いましょう。
外見的には『空に浮かぶ満月』の様になりますから、バニー衣装との相性も良さそうですぅ。
力負けさえしなければ、此方で『攻撃手段』の衝撃や【UC】を吸収、私の強化に変換出来ますので、『FRS』の[砲撃]で[範囲攻撃]しますねぇ。


ゼオン・ヴァインシュタッド
アドリブ・絡み歓迎!

ほっほーん。ようするにコスプレしてウサギ狩りをすればいいってわけだね?なら話は早い、さっそく衣装チェンジしようじゃないか!

適当にコスプレ衣装をとっ捕まえてお着換えターイム。
「ふーん、中々良いんじゃない? でももうちょっと派手さが足りない気がするんだよねぇ、具体的には金色とか赤とか更に言えばゴージャスさが!!」(普段の服が露出が高いので抵抗なく着てます。※全身絵参照)

さぁて、それじゃウサギ狩りといこうか!竜はウサギを狩るのにも全力を尽くすっていうからね!(?)

相手の蹴りはオーラを纏った両腕をクロスする事で受け止めて、カウンターの斬竜刃で切り裂きます。



 かくして始まったバニーVSバニーのハロウィンパーティ前哨戦。続けてこの長い道に踏み込んだのは夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)とゼオン・ヴァインシュタッド(破壊旋律・f30293)だ。
「厄介ですが、有難い置き土産でも有りますねぇ。何とか頑張ってみましょう」
 この世界をそう表するるこるに飛んできたのは、前が合わせになっている白いバニー服だ。普段の彼女の衣装であるミニスカ着物と似てはいるが、下半身回りがぴったりしたハイレグになっている。さらに袖はあっても肩はないという歪な形状で、普通のバニー服のように胸は下から前にかけて抑えるだけ。元々豊かなるこるの胸が先端でギリギリ引っかかり、付属の帯で合わせ部分の根元を抑えることで開くのを何とか阻止しているようなかなり危ない形状だ。和装なので候補はいくつかあるが、形状はともかく華美な装飾がなくシンプルにまとまっているあたりサムライエンパイアがベースだろう。
「ほっほーん。ようするにコスプレしてウサギ狩りをすればいいってわけだね? なら話は早い、さっそく衣装チェンジしようじゃないか!」
 何ら躊躇することなく、堂々と受け入れ態勢を整えたゼオンの元へ飛来したのは銀一色のバニー服。
 生地は分厚く素材もかなり頑丈だが、胸や背中はばっくり開き下もきつめのハイレグだ。さらに付属品も、背中に追う巨大なボンベに腰には向きを変えられる小型のブースター。、さらに天辺からウサ耳が飛び出した頭部全てを覆うヘルメットと、体の露出の割に装飾が異常に多い。これは間違いなくスペースシップワールドの、宇宙飛行士スタイルだろう。
「ふーん、中々良いんじゃない? でももうちょっと派手さが足りない気がするんだよねぇ、具体的には金色とか赤とか更に言えばゴージャスさが!!」
 その奇抜な姿に、ゼオン自身は色合いには不満を言いつつも中々まんざらではない様子。何しろ普段着が体の中央まで空いたハイレグに幅広コートという高露出スタイルなので、肌が見えること自体には何ら抵抗はないのだ。
 真逆な世界観と共通した露出を持つ二人のバニーに、サーバントバニーの群れが迫る。
「ちょっと変わった仮装したからって勝てると思われては困りますよ~。そ~れ必殺、ウサキ~ック!」
 お前がいうなと突っ込まれそうなセリフを言いながら、数体のサーバントバニーが飛び上がり、二人へ向けて蹴りを放った。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その衣を纏いて供物を捧げましょう」
 その蹴りに対し、まずはるこるが浮遊兵装『FBS』を四肢にはめて浮き上がりながらビームシールド『FSS』を並べ防御を固める。さらに【豊乳女神の加護・仰域】を発動し乳白色のオーラを纏うことで追撃を防ぐような体勢を取り、空中で白い球体のようになって立ち止まった。
「さぁて、それじゃウサギ狩りといこうか! 竜はウサギを狩るのにも全力を尽くすっていうからね!」
 一方地上に残ったゼオンには、バニーたちの鋭い蹴りが襲い掛かる。ゼオンはそれをヘルメットの前ガラスを開け、露出した口で自身の尻尾を噛みながら待ち構えた。
「てりゃ~!」
 掛け声と共に降ってくる蹴りを、ゼオンは体の前で腕をクロスさせて受け止めた。強烈に重い蹴りがゼオンの足を地面に抉りこませ、その体を揺るがせる。
「やるじゃない……けどこれで怯むようなボクじゃないよ!」
 この蹴りで倒れ馬乗りにでもなられればかなり危なかったろうが、怯みや転倒を取られることもなく耐えきったゼオン。そして今まで強烈に尻尾を噛んでいた顎を外す。
「ただの尻尾だと思ったら、痛い目を見るよ!!」
 ゼオンは歯で研がれ刃のようになった尻尾を一回転して振り回し、目の前に着地していたバニーに叩きつけた。この強烈な一撃に多くのバニーはそのままダウン、根性で耐えきった者も空中高く跳ね飛ばされる。
「あ、あなた実は噛みつきが一番強かったりしないですか~?」
 宙を舞いながら言うバニーだが、地に落ちる前にさらなる追撃が彼女を襲う。
「今年の名月は10月でしたので、そのおすそわけですぅ」
 白いオーラに包まれ空中に浮かぶ、さならが中秋の名月の如きるこるから放たれる無数の飛来物。それは月の兎がついた団子……などではなく、浮遊砲台『FRS』から放たれた大量の砲弾であった。それは先にFSSが受け止め吸収した蹴りの威力まで上乗せし、星空から注ぐ無数の流星群のようにバニーたちに降り注いで再度地面へと叩きつける。奇しくも彼女のバニー服のモチーフであるサムライエンパイアでは、ウサギと満月は秋の風物詩であり、それが仮装ウサギたちを地に伏させていく様はまるで時節イベントとしての年季の違いを見せつけるかのようでもあった。
「それじゃ、これで!」
「とどめですよぉ」
 最後に倒れたバニーにゼオンの尻尾の叩き付けと、るこるのオーラを纏っての押し潰しがとどめとして放たれた。その重量級の攻撃で地面に埋まり消えていくバニーたち。
 サムライエンパイアとスペースシップワールド、月の輝く二つの世界の美しきバニーがハロウィンの国に輝いたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
SPD

いや~ん、素敵なバニーちゃん達♥
性戯と濃蜜(トリック・アンド・トリート)
存分に楽しみましょ♥

異世界風にアレンジされたバニー衣装が飛んでくるのよね。
バニー吸血鬼、和服レオタード、うさみみビキニ。
触手入り体操着とかもありえるかしら♥

『永遠の愛』で効果の増した守護霊の憑依【ドーピング】と
コスプレによる強化と【オーラ防御・激痛耐性・気合い】で
相手の投げキッスは痛くも痒くもない。
お返しに【誘惑・催眠術】を籠めた投げキッスで魅了するわ

今度は直にキスしましょ?
唇は勿論、下のお口も……ね♥

【怪力】で抱き上げ【化術】で男性の棒を生やし
駅弁体位で【串刺し】にしつつ
濃厚なキスで【慰め・生命力吸収】



 続いてハロウィンの国を訪れたのはドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)。この国に入って早々に、彼女はサーバントバニー達に取り囲まれていた。だが、そんな状況で怯む彼女ではない。
「いや~ん、素敵なバニーちゃん達♥性戯と濃蜜(トリック・アンド・トリート)存分に楽しみましょ♥」
 そう言いながらドゥルールは森の中から衣装が飛んでくるのを待つ。そして程なくして彼女の元へと飛んできたのは、黒いウサ耳に豪奢なドレス、そしておまけに歯に着ける牙の玩具もついたダークセイヴァー式の吸血鬼バニー服だ。
「あら、いいじゃない。じゃあまずはこれで楽しませてもらうわね♥」
 素早くそれを見に着けると、まずは手近なバニーに対して最初の攻撃を仕掛ける。吸血鬼らしく組みつきからの吸血……というなの首へのキスを仕掛けようとするが、流石にここまでの戦いでバニーたちも警戒しているのか、それは油断なく後ろに飛んで躱した。
「さすがにそんなのには捕まんないし! それにキスなら、あたしの方が上手いもんね!」
 一歩下がった場所から一斉に投げキッスを行うサーバントバニーたち。そのキスはハート型の衝撃波となってドゥルールを襲い、その体に叩きつけられる。
「素敵ね、こんなの躱すのもったいないわ。今、私に宿る全ての魂の鼓動が一つになっている」
 その投げキッスをドゥルールは【永遠の愛】を発動。その場から微動だにすることなく全身で受け止めた。ピンク色の旋風があたりをなぎ払い、放った側のサーバントバニーさえ一瞬顔を伏せる。
 その衝撃の後、ピンク色のハートが描かれた大地の上に立っていたのは無傷のドゥルール。そしてその姿は、和風レオタードのバニーであった。
「え、いつの間に!? てか二着目とかズルくない!?」
「あら、一着しか着ちゃいけないとは言われてないわよ?」
 驚き顔で抗議するバニーだが、複数回着替えてはいけないとは確かに言われていない。和装らしく優雅に髪をかき上げるドゥルールに対しバニーはハートの描かれた地面に踏み込んで詰め寄っていく。ハートの中に足を踏み入れた瞬間バニーたちの体に力がみなぎり、元より強化されていた戦闘力がさらに増強されていく。
 しかし、己を強化しているのはドゥルールとて同じだった。
「素敵なキッスをありがと、これはお返しよ」
 組みつかれる前にとドゥルールは素早く今のバニー服を脱ぎ捨てる。その下から現れたのは夏満開の際どいビキニである。恐らくは今年の水着コンテスト会場でもあったグリードオーシャン風だろう。コスチュームの力と、強化された守護霊たちの力で強化された投げキッスがバニーたちの胸に直撃した。
 それはバニーのものと違い物理的な殺傷能力こそないが、代わりにこれでもかという程に高められた魅了の呪いがバニーたちの足を止めさせた。
 そうして立ち尽くすバニーの一体にドゥルールは自ら近づくと、その彼女を抱き寄せ唇を重ねる。
「今度は直にキスしましょ? 唇は勿論、下のお口も……ね♥」
 そうして何度も交わされる濃厚な口づけ。その最中で、バニーの衣装ははぎ取られ、そしてドゥルールの着る水着も内側から何かに押し上げられ、破られる。
 それを破り去ったもの。それは化術の力によって形作られた『槍』であり、怪力で持ち上げたバニーにそれをもう一つの口づけとしてあてがう。
「さあ、快楽をあげるから悪戯させてちょうだい♥」
 破られたバニー水着の代わりに、最後の衣装として現れたUDCアース名物の触手が、体操服を模した形を作りながら両者に絡みついた。さらに触手は残るバニーたちにも巻き付き、その動きを封じながらも体に魅了と快楽を少しずつ与えて逃がさない。
 その蠢きの中、ドゥルールはハートの中心でバニーの愛を次々と啜っていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

十文字・真
【建前(心の声)】マジか…俺にとっては天国なバニーの楽園なのに俺までバニーにならなきゃいけないのか…仕方ねえ…やってやる!(飛んでくるバニースーツを掴む)…げっ!なんか黒いタキシードみたいな奴!ダークセイヴァーのか…?

【十字神】ふははは…!そこの見目麗しい小兎達よ…この黒装兎(ブラックラビット)こと十字神(クロス・ゴッド)が相手だ!貴様達を悪魔降臨(デモンコール)の為の供物としよう!(内心ヤケクソ)…言っとくが変態ではない!!やめろ!変態とかいうな!

【作戦】天使騎乗を使用。そのまま天使に乗りそこから十字斬撃波だ!敵の攻撃は天使に乗りつつ【見きり】で避けるか【武器受け】で受けとめる!



 長く続くハロウィンの国のハロウィン専用ロード。まるでパレードのトリを飾るかのようにそこに最後にやってきたのは、十文字・真(十字神(クロス・ゴッド)・f25150)であった。
 真は己の嗜好とここで取らねばならない行動に板挟みとなり、深く苦悩する。
「マジか……俺にとっては天国なバニーの楽園なのに俺までバニーにならなきゃいけないのか……」
 真はこの依頼初の男性猟兵であり、決して女性が嫌いではない。というかむしろ好きである。とりわけバニーは大好きだ。だが事前に説明されていた通り、この世界は訪れる者全てにバニー服を着ることを強要してくる。しかもそれは単なるコスプレではなく、この世界においてパワーを底上げし敵に対抗するための重要な手段。着なければ敵と戦うことすらままならない。流石に恥ずかしいからと言って命を無駄に危険にさらせるほど、真は愚かではなかった。
「仕方ねえ……やってやる!」
 決意と共に飛んできた服をがしっと掴む真。その手の中に納まった衣装は。
「……げっ! なんか黒いタキシードみたいな奴! ダークセイヴァーのか……?」
 それはいかにも中世の上流階級……あるいは物語に出てくる高貴を気取る吸血鬼が好みそうなブラックタキシード。生地は上物のシルク製で白いシャツに黒のタイが映える。ウサ耳付きのシルクハットも可愛らしくも品の良い、むしろ男性の魅力を引き足せそうなデザインだ。中々に見た目の良い上等な衣装だろう……上半身に限れば。
 下半身はばっちり脚部丸出しのバニースーツスタイル。お尻には可愛い尻尾もぽんとついている。生足防止の網タイツがついているのは最後の情けかそれともとどめか。
 腹を括ってそれを見に着けた真の前に、最後となったサーバントバニーの一団が現れる。バニーたちは真の姿を見ると、今までにない甲高い声を上げた。
「やった! イケメン来た! ちょっと若いけど全然いける!」
 タキシードバニー姿の真を見て目を輝かせるバニー。その歓声に真の中で何かのスイッチが入り、封じられし【十字神】が目を覚ます。
「ふははは……! そこの見目麗しい小兎達よ……この黒装兎(ブラックラビット)こと十字神(クロス・ゴッド)が相手だ! 貴様達を悪魔降臨(デモンコール)の為の供物としよう!」
 堂々と宣言する十字神……またの名をヤケクソ気味に発動した厨二病。しかしその尊大なる態度と裏腹に、なぜかバニーの表情は曇っていく。その視線の先には、網タイツの下半身。
「あ、でも変態かぁ……イケメンだけど、変態趣味の持ち主……ちょっと待って、今イケメンと変態天秤にかけてるから」
「……言っとくが変態ではない!! やめろ! 変態とかいうな!」
 その視線に必死に抗議しながら、なし崩しに戦闘は始まる。
「なればこの黒き獣の命に応えよ。美しき天使(エンジェル)よ! 共に行こう!」
 【天使騎乗(エンジェルライド)】にて金髪の麗しき天使が呼び出され、漆黒の吸血兎がその背に跨る。それは光と闇の禁断の融合にも見える光景。天使の真を見る目が何だか今日に限って冷たいのは気のせいだということにしておこう。
 そのまま天使に乗って空をかけ、上空から攻撃をかける真。急降下からの斬撃がバニーを掠め、そして再び宙へと離脱していく。
「うーん、よし、まだ結構若いっぽいしこれから調教してくってことで! というわけで喰らえウサキッス!」
 結局イケメンの方が勝ったらしいバニーが一斉に衝撃波を伴う投げキッスを放つ。その軌道を瞬間的に見切り、天使に指示を出すことで空中で華麗に避けていくが、やはり多勢に無勢、挟み込むような複数の投げキッスに囲まれ、ついにその一発が真に着弾した。
 ピンクの爆発が起き、周囲に衝撃が広がる。
「よーし、やった!」
「……この程度か」
 あからさまなフラグ台詞に、やはりお約束の台詞で真が返す。その衝撃波は真の愛剣『十字剣(クロスブレード)』にて受け止められ、さらに空中で着弾したことで、地形の塗り替えさえ行えない。
「印を刻むとはこうやるのだ。その身に刻め、十字神の印!」
 真は空中で二度剣を振るい、十字の斬撃波を放つ。それは地上に並んでいたバニーの群れを纏めてなぎ払い、地面に己の名を記すが如く十字の後を刻みつけた。
「ふ……この黒装兎の姿を見て生きて帰った者はいない……てかこんなん見て帰られたら俺が生きてけねぇよ……!」
 敵がいなくなった故か強引に押し殺していた本音を漏らしつつ、真はそそくさとハロウィンの国の奥へと進むのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『『薔薇園の番兎』ローゼス』

POW   :    アリスの生き血で実る禁断の果実
戦闘中に食べた【アリス(猟兵含む)の血を吸い実ったリンゴ】の量と質に応じて【アリスのユーベルコードを習得し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    迷い込んだ者の生き血を啜る迷宮
戦場全体に、【触れた者の出血を促す棘を生やした茨の壁】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
WIZ   :    薔薇園を拒む者に施される拷問
【ハートのワンド】が命中した対象の【体に絡みつく蔦】から棘を生やし、対象がこれまで話した【薔薇園を否定する言葉】に応じた追加ダメージを与える。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠幻武・極です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 長い長いパレードロードを抜けた先。そこにあったのは薔薇の咲き誇る蔦に巻かれた大きな城。そのバルコニーにはいかにもアリスラビリンス、と言った感じの衣装を身に纏ったウサギ耳の少女が立ち、眼下を見下ろしていた。
「あの子たちは負けてしまったのね。残念だわ。でも所詮あの子たちの着ていたのは森から際限なく飛んでくる服、唯一無二たるこの私のドレスは物が違ってよ」
 そう高々と宣言してから、大きく跳躍し猟兵たちの後ろ側……道の出口に退路を塞ぐように着地する女。
「ハロウィンパレードまでもう間もなく。飾り手を消してしまったあなた達には、このローゼスの薔薇の栄養となることで罪を償ってもらいましょう。さあ、城を灰ってすぐにあるキッチンで、肥料にしやすく刻んであげるわ」
 そう言ってローゼスは杖とリンゴを手に、猟兵たちににじり寄る。
 普通ならこれが開戦の合図だが、ここで彼女と戦ってはいけないことを猟兵たちは知っている。物が違うという言葉通り、この世界唯一の衣装を纏う彼女は完全無敵、あらゆる攻撃が通じないのだ。
 打開策はただ一つ、彼女に食事を振舞い、食後の眠りへと誘う事。
 たった今彼女自身が口にした言葉に従い城の中へ駆け込むと、果たしてそこには広大かつ最新設備完備のキッチンと、古今東西全世界ありとあらゆる食材が用意されていた。これならばアリスラビリンスに限らず、今自分が仮装している世界の料理を作ることも容易いだろう。
 さあ猟兵よ、ローゼスに永眠前の最後の晩餐を振舞ってやれ!
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
これだけあれば、色々と作れそうですねぇ。
それでは、[料理]開始ですぅ。

まずは『効果強め・効果時間長め』の『秘薬』を服用し【霊結】を使用、キッチン内の情報やローゼスさんの状況を把握する『知覚力』を強化しましょう。
彼女の【UC】は『攻撃開始前に林檎を食べる時間が必要』ですから、その前に『一品目』を仕上げ提供してしまえば、攻撃を防げますぅ。
少々季節外れですが、『素麺』なら量も多く、ゆで時間も短く済みますので、様々な薬味共々此方を多目に提供しますねぇ。

そして、得た時間を利用し、本命の『お刺身の船盛り』を作りましょう。
厚みや温度、バランス等にも注意して、きっちりと仕上げますねぇ。



 城を入ってすぐという極めて奇妙な位置にあるキッチン。しかし用意されている設備と食材は完璧でまるで、これから何をするべきかを暗に侵入者に知らせているようだ。そのキッチンを見渡し、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は感心したように呟く。その姿は、先に来た高露出和風バニーのままである。
「これだけあれば、色々と作れそうですねぇ。それでは、[料理]開始ですぅ」
 そう言いながらまず行うのは、【豊乳女神の加護・霊結】による自身の強化だ。効果強め・効果時間長めの秘薬を服用し近く力を高め、この広いキッチンのどこに何があるか、自分を追ってきているはずのローゼスはどれくらい迫ってきているかを近くできるよう五感を研ぎ澄ませるるこる。
 まずは素早く辺りに目をやり、目的のものがないか探す。アリスラビリンスとしては特徴のあるそれは周囲からは目立つ外見をしており、すぐに見つかった。だが、同時にキッチン入口まで近づいてきた足音も耳に入る。元より左程逃げる距離もなかったのだ、足を止めればすぐ追いつかれるのも当然だろう。
 時間がない、と判断したるこるは急いで目的の者に飛びつき、その調理を開始する。同時にキッチンの扉が開き、リンゴを手にしたローゼスが中へと踏み込んできた。
「さて、見つけたわ。大きな体がよく見えてよ」
 そう言ってゆっくりと、しかし真っすぐるこるへと向かってくるローゼス。秘薬の影響で徐々に膨らんでいくるこるの体に隠され何を作っているかは分からないが、近づくまでに何かができるような距離ではない。あえて見せつけるように歩いた後、ローゼスは手にした赤いリンゴを一口齧った。
「リンゴの味が薬臭い気もするわ……あなた、変のもの入れてない?」
「入れてませんよぉ。少し季節がずれていますが、こちらをどうぞぉ」
 そういって振り向いたるこるは、白いものが大量に入った透明な深皿をローゼスへ差し出す。その中身は、たっぷりと盛られた素麺であった。
「な、この短い時間で……」
「薬味もたっぷりあります。どうぞごゆっくり召し上がれぇ」
 そう言いながら、さらに大量のつゆと刻んだ薬味を渡するこる。素麺の湯で時間は90~120秒、短い時間で作るには最適とも言える料理だ。
 普通に考えれば敵の作った料理などこの場で食べる者はいない。しかし、無敵の力を持つ者は出された者は全て食べなければいけない。それがこのハロウィンの国の『掟』なのだ。
 ローゼスはその掟に従い、否応なしに素麺を受け取り、つゆにつけて啜り始めた。
「ええ、おいしいわ。薬味も色々あって味に変化ができる。素麺なんてどれも同じと思われがちだけど、意外と製品によってコシや太さが違うのよね。惜しむらくはあなたの言う通り季節が過ぎてしまっていることだけれど……」
 冷静に批評を下しながら素麺を啜っていくローゼス。
 だが素麺は早く作れるが、一方で食べるのもまた早い。ハロウィンの国がそうさせるのかあるいはもともと意外と大食いなのか、器の中の素麺は見る間に減っていた。
 だが、るこるもそれは承知の上。素麺はあくまで時間稼ぎに過ぎない。彼女がそれを啜っている間に、さらに巧みに包丁を動かして本命の一品を仕上げていた。
 そうして丁度素麺の器が空になるころ、るこるはそれを差し出す。
「お待たせしました。本日のメイン、お刺身の船盛でございますぅ」
 るこるの両手には、巨大な船型の器に色とりどりの刺身が盛られた、豪華な船盛が掲げられていた。つややかな刺身は新鮮そのものだが、決してただ無暗に大きく、新しくしたわけではなく、厚さや温度、切り方も素材に合わせ変えてあり、また寝かせるべきネタはきちんと寝かせたものを用いている、料理として本格的なものだ。
 秘薬の反動でさらに豊満さを増し、最早帯が用をなさなくなり合わせが閉じているのが奇跡と言えるようなバニーが船盛をだす、一見すれば若干よろしくない宴会のような光景でもある。よく見れば船の真ん中あたりは張り出しすぎた胸にも乗っているが、そんなものは気にせずローゼスは船から刺身を取って口に運ぶ。
「あら、これは鯛かしら? 意外と締まっていておいしいのね。それからこちらはイカ……少し切れ目が入れてあるところにお醤油が入っていい味になるわ。それにこの大トロ! 刺身と言えばやっぱりこれね! この存在の前には余計な感想など不要! ただ平伏すしかないわ」
 そう言いながら次々刺身を平らげていくローゼス。一枚食べるごとに、彼女はその目を細めていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

ふむ、リンゴを介して私のユべコを習得するのか。このユべコは“なかよし”になるためのもの……なるほど。
それなら料理はわ・た・し♡と魔術的パラダイムシフト(結界術/多重詠唱)で世界観を転換。
とろっとろに蕩けた蜜を見せつけながら、さぁ、召し上がれ♪
ワンダーシャーマンズミステリーを習得したならその身は情熱の炎で満たされ、食事も性的なエナジードレインになっているわ。
つまり、私という料理を差し出せばローゼスは性的に私をいただくという寸法よ♡さぁ、食事を通して“なかよし”になりましょ♡
トッピングとしてASMR的に耳元で囁くブレス攻撃でより味わいを深くしてあげるわ♪



 一食分の眠気を振り払い、ローゼスは次の相手を探す。そこにいたのはアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗のケイオト魔少女・f05202)だ。彼女は料理をすることもなく、ただローゼスを見つめて立っている。
「ふむ、リンゴを介して私のユべコを習得するのか。このユべコは“なかよし”になるためのもの……なるほど」
 ローゼスの姿を見つめながら小声でつぶやくが、料理はもちろん逃走や行動阻害もする様子はない。
「あら、もしかして何も料理ができない感じかしら? まあそれならそれで、有難くいただくとしましょう」
 何もしないアリスをそう感じたか、ローゼスはゆっくりと自身の持つリンゴをかじった。
「う……何かしらこの味。まあいいわ。それじゃあ自分の技で……」
 リンゴを食べて技をコピーしたローゼスが、それを使いアリスを仕留めようとする。だが、ローゼスの体からは攻撃に類するものは何も放たれず、ただアリスの眼がより潤み、熱尾帯びていくだけであった。
「ワンダーシャーマンズミステリーを習得したならその身は情熱の炎で満たされ、食事も性的なエナジードレインになっているわ」
 アリスは自分から近づきながらローゼスにしなだれかかる。その周囲では空間が歪み、キッチンの一部を隔絶された世界へと変えていく。それは超高度な結界術。猟兵としてもトップレベルの能力をありったけに注いだ、並のユーベルコードすら凌駕しかねない空間隔離の術だ。
「さぁ、アリスと“なかよし”になりましょ♪ 破壊の衝動を略奪して変わりに情熱の炎で満たしてあげる♡」
 完全無敵のローゼスにそう告げるアリス。勿論どれだけ強い力を持っていようとも、ローゼスにアリスからの攻撃は通じない。だが、ローゼスがコピーしたアリスのユーベルコードはそもそもが相手と心を通じさせる、大まかにいえば魅了術の類の技だ。そして心がつながりさえするのなら、相手にコピーさせて自分が受けても構わない。当然そこから行われるのはオウガとしての捕食活動だが。
「料理はわ・た・し♡」
 元よりそれはアリスの望むところであった。エナジードレイン能力を奪わせて自分が餌になれば相手に食事を取らせることもできるし、自分にその意思があれば相手は掟によってそれを拒否できない。
 自身の『蜜』を溢れさせ、ローゼスを誘惑するアリス。
「さぁ、食事を通して“なかよし”になりましょ♡」
 アリスの誘いに、ローゼスはその蜜を啜ることで答えた。そこから吸収能力によって強烈に生命力まで吸いだされていくが、自身が死にさえしなければそれは上等の食事となる。
 さらに口づけをしながら上に登ってきたローゼスの頭を抱きしめ、その耳朶に甘い息を吹きかけるアリス。その息を塞ぐように、ローゼスは唇からもエナジーを吸い上げた。
 その蠱惑のエナジーは、ローゼスを甘く危険な眠りを誘いながら二人の間を駆け巡るのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

十文字・真
【心情】さーて、料理か…どうすっかな。とりあえず調理実習で習ったシチューでも作ってみるか…一応作り方は頭に入ってるし。問題は敵の攻撃か…さてどうする

【作戦】「さて、クイーンへの供物を作るとしようか!」と厨二らしく決め【料理】スキルを活かしシチューを作る。その間天使騎乗で呼び出した天使に囮になってもらう。(目立つように飛んで挑発して攻撃はなるべく避けて)「すまぬぞ天使!供物までの刻限まで飛んでいるのだ!」と指示しておく。できたら敵に「美しき兎女王(ラビットクイーン)よ!我の聖なるシチュー(セイントシチュー)だ!存分に食せ!」と振る舞うぞ!



 調理どころか戦闘すらこなせるとんでもない広さのあるキッチン。その一角にて、タキシード(下半身はハイレグ)姿のイケメンバニーこと十文字・真(十字神(クロス・ゴッド)・f25150)は己の成すべきことを思案していた。
「さーて、料理か…どうすっかな。とりあえず調理実習で習ったシチューでも作ってみるか…一応作り方は頭に入ってるし。問題は敵の攻撃か…さてどうする」
 普段は真面目な中学生である彼の事、学校で習ったことならそつなくこなす自信はある。しかし、そうでないことは自分でアドリブを利かせてやらなければならない。
 そう考える彼の目に映るのは、次なるターゲットを己と定めたと思しきウサ耳女の姿だ。さすがに自分を殺しにかかる相手を躱しながら料理をする方法など一般の学校では教えてはくれない。
「ええい、仕方ない……」
 覚悟を決め、調理と足止めの準備にかかる真。そして腹を括れば彼の出番だ。
「さて、クイーンへの供物を作るとしようか!」
 堂々たる宣言の下調理に入る真、いや十字神(クロス・ゴッド)。その宣言に、ローゼスは余裕の笑顔で答える。
「私は貴方の命を捧げて貰えればそれでいいの。私の薔薇の栄養となって美しく咲き誇って頂戴」
 そう言ってローゼスが指を鳴らすと、キッチン一体に茨でできた壁がせり上がり、真を取り囲んだ。その茨たちは風もないのに蠢き、異様なまでに鋭い棘を真に向けている。
「ふ……生憎だが薔薇に飾られこそすれ飾りとなるつもりはない。美しき天使(エンジェル)よ! 共に行こう!」
 その壁に対抗するかのように、真もまた【天使騎乗(エンジェルライド)】にて美しい天使を召喚。さらに本来騎乗用である彼女を、単独で上空に回せローゼスへと向かわせた。
「すまぬぞ天使! 供物までの刻限まで飛んでいるのだ!」
 真の指示の元、ローゼスの上空を飛び回る天使。それを見たローゼスは鬱陶しそうに杖を振り彼女を叩き落とそうとするが、器用に天井すれすれまで上がっては薔薇に引っかからぬよう壁まで動く、という飛び方を繰り返し天使は攻撃を当てさせない。
 その間に、真は迷路を駆け回り食材を集めていく。その素材は神に捧げられし若き肉(牛肉)、禁断の植物マンドラゴラ(人参)、白き豊穣の川の流れ(牛乳)など、神の作る聖餐に相応しいものばかり。
 そしてそれは神の全能の叡智(学校で習った手順)にて正しく混ぜ合わされ、一つの完成形へと整えられていく。
「……よし、もういいぞ! 天使よ、我の元へ還れ!」
 少しの間の後、真が天使に声をかける。それまで必死に陽動していた天使は即座に宙をかけ、真の元へと戻った。ローゼスもそれを追いかけ真の所まで駆けてくるが、その彼女を真は泰然と出迎えた。
「美しき兎女王(ラビットクイーン)よ! 我の聖なるシチュー(セイントシチュー)だ! 存分に食せ!」
 そうして差し出されたのは、白い液体の中にいくつもの具材の浮かんだ暖かなシチュー。黒兎が堂々たる態度で出したそれを、白いウサギはさも当然のように人さじ救い、口へと運んだ。
「まあ、何と暖かい……入っているのは何種類かの野菜に肉……驚かせるようなものはなく、調理手順も奇をてらわず完璧……何かしら、特別言うことなどないはずなのに、なぜか安心するこの味……」
 中身も調理法も特段凝ったものではない、ある程度心得のある者ならだれでも作れるような料理。しかし、今真が身に着けているのはその日の糧にも困る、光差さぬダークセイヴァーの世界を模した服。彼の世界では、何でもない温かい食事こそ何よりも貴く神聖なるものと言えるかもしれない。
 闇の世界に舞い降りた黒き神からの食事は、薔薇の女王に暖かな眠気を興すのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ゼオン・ヴァインシュタッド
アドリブ・絡み歓迎

料理かぁ……うーん、ボクら海賊って海の上が長いし使える素材も限られてるから凝ったもの作れない、陸に上がっても酒場で騒ぐ事が多いからあんまり経験ないんだよねぇ。一応船長から料理の基礎は教わってるから出来なくはないけど。

料理:ソーセージとスパイシーなカレー粉合わせれば最強じゃない?という『美味しい+美味しい=超美味しい』脳筋理論で辿り着いたのはカリーヴルスト。食べ易いようにパンに挟んで召し上がれ!

相手の攻撃は尻尾や竜鱗を纏わせた手足で受け流して料理作りを優先。
UCを使う時は串に刺したソーセージをレーザーブレスの余熱でしっかり火を通すよ。一度で二度美味しい、ソーセージも美味しい!



 広大な城のキッチン。ここにはいかにもアリスラビリンスな中世めいた外見に見合わず最新式の調理設備や、入手経路が限られていたりそもそも生産事態に一定以上の技術が必要な特殊な食材など、世界も時代も問わずあらゆる料理を作る準備が整えられている。
「料理かぁ……うーん、ボクら海賊って海の上が長いし使える素材も限られてるから凝ったもの作れない、陸に上がっても酒場で騒ぐ事が多いからあんまり経験ないんだよねぇ。一応船長から料理の基礎は教わってるから出来なくはないけど」
 そのキッチンで、ゼオン・ヴァインシュタッド(破壊旋律・f30293)は腕組みして唸った。確かにいくら備えが万全であろうとも、出来ないことが出来るようにはならない。と言っても自分で言う通り、全く何もできないわけではなく、あくまで凝ったものや華美なものと縁がないというだけの話。そして料理は、手が込んでいればそれでいいというものではない。己らしい料理を作るべく、ゼオンは食材を選び取った。
「あら、薔薇園に蜥蜴が入り込んだのかしら。早く駆除しないと」
 ドラゴニアンであるゼオンに対し嘲るようにそう言って、ローゼスは手に持ったリンゴを一口齧る。
「あら、随分辛いわ……なんだか熱い、というか痛……きゃあっ!?」
 リンゴの味に違和感を覚えていたローゼスだが、突如としてそのウサ耳が発光、口から高温の熱線が放たれた。ゼオンはとっさに自身の尻尾でそれを振り払い、直撃を回避する。
「あっつ! もう、人の技勝手にパクらないで欲しいな! でもお陰で、いい料理思いついたよ!」
 そう言ってゼオンは二つの食材を手に取る。
 まず一つは太くジューシーなソーセージ。それをおもむろにブスっと串にさすゼオン。その料理を妨害すべく、ローゼスは杖を用いて殴り掛かる。
「おっと、流石にこれだけじゃないからね、もうちょっと待っててよ!」
 竜鱗を纏った手でそれを打ち払いながら、ゼオンは自身の眼前にその串を掲げた。そしてまるでそれを自分で食べでもするかのように大きく口を開く。
「(「・ω・)「 がおー!」
 だが、その口から放たれたのはいただきますの言葉ではなく、咆哮と熱線だ。熱線はローゼスを照らしダメージこそ与えないもののその目をくらませ、さらにはソーセージの表面を程よく炙り、串には炎が延焼して余熱でしっかりと仲間で火を通す。
 自在に燃える範囲を指定できる熱線故、ベストな火加減で食材や食器を炙ることも朝飯前だ。
 そうしてこんがり焼けたソーセージ。これだけでも十分美味しそうに見えるが、まだこれで完成ではない。ゼオンが取り出したのは茶色い粉……カレー粉だ。
 それを惜しげもなくたっぷりと、焼けたソーセージの上へかけて行くゼオン。焼き目のついたソーセージがカレー色に染まり、食欲をそそるカレー臭を立てていく。
「どうだ、『美味しい+美味しい=超美味しい』のカリーヴルスト! 食べ易いようにパンに挟んで召し上がれ!」
 パンにはさんだカリーヴルストをローゼスに差し出すゼオン。ローゼスはそれを受け取ると、一度カレーの香りを鼻からたっぷり吸いこんでからそれにかぶりついた。
「うぅん、肉のうまみがたっぷり詰まったこんがりソーセージに、これをかければ何でも食べられる魔法の粉のカレー粉。味の想像は見ればつくけど、分かっていたってやっぱりおいしい! 1+1は2でいいのよ! その1自体が大きければ!」
 スパイシーなカレー粉合わせれば最強じゃない? というゼオン式脳筋理論から作り出されたカリーヴルストだが、凝った料理などしていられない環境だからこそ少しでも楽しい食事にしたいという海賊の生活の知恵が込められた料理でもあった。
 パンごとヴルストを食べ終えたローゼスは、一度がくりと大きく頭と姿勢を下げてから、慌てたように体を起こして頭を振る。その目は虚ろで、無敵をはぎ取る眠りがもうそこまで来ていることを知らせていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
SPD

守護霊の【ドーピング】で戦闘力を高め
メイド系オブリビオンの【料理】技術も宿して調理開始♪

あら、茨の壁で妨害してくるの?
でも無駄よ。貴女自身が無敵だろうと……

『百鬼夜行』で守護霊を450人に増やし
茨に憑依させて【ハッキング】
その茨でローゼスを【捕縛】

硬度の高さが災いしたわね。
拘束や封印は、不死身・無敵の特性を得た時に
最も警戒すべき事よ

美味しくなぁれの【祈り】を籠め
パンプキンスープ完成♪

南瓜の花言葉は『見せかけを飾る』と『広い心』
無敵のドレスで着飾っても貴女自身が強くなる訳じゃない。
女の子の最強のドレスは(裸になり)愛情よ

眠たそうな彼女を抱擁し
おやすみなさいのキスで【生命力吸収】



 早めのハロウィンパーティもいよいよ佳境。ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)はその身にメイドの霊たちを宿し、料理の技能を強化した。様々な世界で救済したメイドのオブリビオン達がドゥルールに宿り、その力を彼女に与える。
 世界ごとに異なる知識を持つメイドたちの力が、サーバントバニーとの戦いで多数のコスチュームを着たドゥルールと共鳴し、その世界特有の料理技術を高めていく。
「茨に囲まれ、栄養となりなさい……!」
 ローゼスは朦朧とする意識の中、自ら動いて敵を絡めとる迷宮をキッチンの中へと召喚した。恐らくあと一回、何かを食べさせられれば意識を失ってしまうだろう。それ故にこの一品だけは何としても完成を阻止せねばならなかった。
 茨の壁がドゥルールを取り囲み、棘の生えた蔦が獲物を待つようにうねる。使用者の意図を汲んでいるのか壁同士の幅は狭く、ごく普通に動いただけでも体のどこかが触れてしまいそうだ。
 迷宮の中、僅かな食材と調理道具と共に壁に迫られるドゥルール。だが慌てることなく行ったん調理の手を止めると、壁の向こうにいると思しきローゼスの気配を探った。
「あら、茨の壁で妨害してくるの? でも無駄よ。貴女自身が無敵だろうと……」
 その気配に向け、ドゥルールは己の内にある守護霊たちを一斉に呼び覚ます。
「年中無休でトリック&トリート♪」
 【百鬼夜行】にて450人もの守護霊を召喚。それらを壁に一斉に突撃させた。ハロウィンの本来の意味である死霊が地上を歩き回る日さながらに、その外見も大きさも、世界も強さもまちまちのオブリビオンの群れは一斉に迷宮を蹂躙、その操作権をローゼスから奪い取った。無邪気なものは薔薇を玩具に遊びだし、狂暴なものはその棘を武器のように愛でる。そして淫蕩なものはそれをまるで触手でもあるかのようにうねらせ、元の持ち主であったローゼスに狙いを定めた。
「な、私の薔薇たちが……きゃっ!?」
 例えローゼス自身が無敵でも、彼女の薔薇までそうとは限らない。薔薇の蔓はローゼスを絡めとりその動きを戒めた。その棘は彼女の纏うドレスの力でその肌に傷をつけることはないが、それ故に遠慮なくどこまでも、頑丈に彼女を戒めることができた。
「硬度の高さが災いしたわね。拘束や封印は、不死身・無敵の特性を得た時に最も警戒すべき事よ」
 不死の者への拘束、それは死という最後の逃げ道すらない永遠に続く絶望の責め苦。だがドゥルールは彼女にそれを与えたいわけではない。パレードに参加しなかったメイドたちと共に、彼女への一品を仕上げる、ただその時間のための戒めにすぎない。
 やがて茨に捕らわれたローゼスの前に、ドゥルールは黄色いスープを持って歩み寄った。
「美味しくなぁれの祈りを籠めた、パンプキンスープ完成よ♪」
 捕らわれたままのローゼスに、ドゥルールはスープを一さじ掬ってその口元へと近づける。出されたものは食べねばならない、その掟に従って、ローゼスはそのスープに口をつけた。
「南瓜が形がなくなるまで煮こまれているわね。クリームもたくさん、とても甘くて、お菓子の様ですらある。ほんの少し入ったパンプキンシードがただ柔らかいだけではない、歯ごたえの悪戯を加えているわね……」
 スープをそう評して、ローゼスはがくりと頭を垂れた。力を失ったのか彼女を戒めていた薔薇も消え失せ、支えがなくなって倒れ込むその体をドゥルールが受け止める。
「南瓜の花言葉は『見せかけを飾る』と『広い心』、無敵のドレスで着飾っても貴女自身が強くなる訳じゃない。女の子の最強のドレスは愛情よ」
 ドゥルールは最早仮装も不要と服を脱ぎ、その裸体をローゼスによせる。
 そしておやすみなさいのキスとして彼女に唇を重ね、最後の生命力を吸い取った。
 無敵の代償は覚めない眠り。それもまたハロウィンの国の掟とでも言うように、僅かな生命を失っただけでローゼスは薔薇の花びらを残して掻き消えた。
「本番までもうしばらく休んでいてね、ウサギさんたち」
 主をなくした薔薇の城を後にしたドゥルールは、メイドたちと守護霊を連れてまるでオブリビオンのハロウィンパレードを作るかのように、元来た長い道を戻っていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月26日


挿絵イラスト