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君はアイスなハロウィンの国の女王

#アリスラビリンス #【Q】 #お祭り2020 #ハロウィン

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「もうすぐハロウィンっすね。まあ俺には関係ないっすけど」
 久しぶりにグリモアベースに姿を見せた雨月・雨莉(は何もしない・f03581)はぶすっとした顔で言った。もうすぐハロウィン、と言いつつ全然楽しそうじゃない彼女の表情に思わず顔を見合わせた猟兵達を尻目に、雨莉は説明を続けた。
「えーっと、先日アリラビで戦争があったんすよね? 俺ずっと引きこもってたんでよくは知らないんすけど、ともかくお疲れ様でした……。で、そのアリラビの悪者……オブリビオンフォーミュラってやつですよね……のオウガ・オリジンが、その凄まじい「現実改変ユーベルコード」によって、幾つもの不思議の国を生み出したり、改変したりしてた……ってことは皆さんなら知ってると思うんすけど」
 今回、オウガ・オリジンによって「ハロウィンの国」に改変された国が幾つも見つかったのだという。
「なんか、しゃべる南瓜ランタンとか、コスプレ衣装の飛び出す森とか、食材が完備されたキッチンとか、「なんかめちゃくちゃ長い行列をするためだけに作られた道」とか、そういう、ハロウィンパーティにうってつけの国……だそうで……まさにリア充向けの国……っすね……」
 メモを読み上げる雨莉の手と声は次第に震えて、しまいにはクシャッとメモを握りつぶした。具体的には「リア充向けの国」の辺りで。ただならぬ様子にビクッと震える猟兵達の前で、雨莉はぶつぶつと虚ろな目で呟く。
「……まぁ、あれっすね、ハロウィンなんて俺みたいなヒキコモニート陰キャには全然全く、関係ないし縁もないイベントっすけど」
 ……どうやらハロウィン=リア充のためのイベント、という図式が頭の中で出来上がっている彼女にとっては、ハロウィンという単語が地雷だったらしい。でもお仕事はちゃんとやります、とかぶりを振った雨莉は、気を取り直して説明を続けた。
「です、が、オウガ・オリジンの作った国は「悲劇を作る」ためのもの。ここも例に漏れず、オリジンから直接力を与えられた「凶悪なオウガ」達が潜んでいて、ハロウィンの国の力を利用して襲いかかってくるらしいっす。なんで、これらを倒してハロウィンの国をゲットしましょうっていうのが、今回の依頼っす」
 個人的にはリア充ごと爆破していただいて構わないんすが、という物騒な言葉を飲み込む雨莉。……お前のハロウィン観、歪んでない? というツッコミはともかくとして。雨莉は咳払いして続けた。
「……冗談っす、俺は良くても、ハロウィンパーティ楽しみたい人もいるでしょーし……どのみちオウガほっとくわけにもいかないっすし……。というわけで、今回戦う敵なんすけど」
 まず集団で襲い掛かってくるのが、ミミクリープラントだという。擬態を得意とする植物型オウガで、「愉快な仲間達」に溶け込みなりすまし、近寄ってくる者を捕食する、恐るべき相手だ。さらに、今回重要なポイントとして。
「こいつら森から飛び出してきたコスプレ衣装でパワーアップしてるんすよ……まぁこいつは普段からコスプレしてるようなやつですが」
 擬態と言え。と、いうか植物型なのにどうやってコスプレ衣装着てるんだよ、というツッコミは後回しにするとして。
「ですが、こっちにも対抗策はあります。こちらも森から飛び出してきたコスプレ衣装を身につければパワーアップするんすよ……まぁ、飛んでくる衣装はランダムなんで、もしかしたら全然好みじゃないコスプレ衣装が飛び出してくるかもですが」
 それでも、(例え全然好みじゃなくても)勝つために着ればパワーアップできる。というかもしかしたら好みじゃない衣装の方がよりパワーアップできるかもしれない。
「で、ミミクリープラント全部倒したら今度はオウガのボスが出てきます。アイスメーカー『クリーメル』……アイス屋の魔女っすね……」
 彼女の作るアイスは極上だが、食べたら最後、自らもアイスに変わってしまう。恐るべき魔女……しかも今回は、「ハロウィンの国」の法則によって「ほぼ無敵」となっているらしい。
「倒す方法はただひとつ、「美味しい料理を食べさせること」です」
 人差し指を立てて雨莉は言う。つまりアイス対決か……! と腕に覚えのある猟兵は拳を握りしめ――。
「いやアイス屋だからって無理にアイス作らなくてもいいんすけど。たとえアイスじゃなくてアツアツのおでんでも、完成すればこの国の法則で抵抗できずに食べてくれるんで」
 追加の説明にズッコケた。まぁ、この時期にアイスはちょっと寒そうだしな。
「さっきも言ったように、キッチンには食材が完備されてるんで、なんでも作れるしなんでも作ってくれて大丈夫です。美味しくなくても、気持ちのこもった料理でも大丈夫みたいなんで」
 ただし、ボスの方も易々と料理はさせてくれない。自分を倒すための料理なのだから。調理中は苛烈な攻撃が予想されるだろうと言う。
「しかもほぼ無敵状態なんでこっちからの攻撃も効かないでしょうし……そこは頑張って耐えながら料理していただくしか……あるいは、誰か壁になってひたすらに攻撃を耐え忍んでもらうのもいいかもしれないっすね。料理作るのと攻撃受けるのとで役割分担するというか」
 先に述べたように、料理が完成すればボスはこの国の法則により食べてしまうし、食べればおいしさについて事細かに批評、称賛した上で、段々眠くなってしまう。料理を食べさせ続けて完全に眠らせれば無敵状態は解除され、一撃で倒せるようになる。それまでの辛抱だ、と説明を終えたところで、
「まぁハロウィンパーティのためにも頑張ってください……俺には関係ないっすけど」
 と大いにリア充へのやっかみがこもった瞳で雨莉は呟いた。


ライ麦
 お久しぶりです、ライ麦です。気が向いたので久々にOP出してみました。
 これは、本邦初公開の「2章構成のシナリオフレーム」です。一章で集団戦、2章でボス戦で完結です。
 10/31までに成功したシナリオの本数に応じて、ハロウィンパーティ当日、そしてやがて始まるであろう「アリスラビリンスでの猟書家戦」に、何らかの影響があるかもしれません。
(……当方もできるだけ頑張りますが、10/31までに完結できなかったらすみません)

 第一章では特殊ルールとして、森から飛び出してきたコスプレ衣装を着ることでパワーアップできます。飛んでくる衣装はランダムですがプレイングで指定していただいても構いません。その場合はプレイング通りの衣装で戦います。
 衣装の指定がなかった場合はこちらで本当にランダムに(ダイス振って)選びますが、その場合「どういう系統の衣装は嫌か」をプレイングに書いていただけると嬉しいです。(女装は嫌だとか)
 「本当はイヤだけど、勝つためにしょうがなく着るんだからねっ!」みたいなプレイングがあればたくさんプレイングボーナスがつきます。
 第2章ではコスプレ衣装関係なくなるのでご注意ください(もちろん、第2章でもパフォーマンスとして着ていただくのは全く問題ありません)。
 2章では基本的に「美味しい料理を作る」or「ひたすら攻撃に耐える」もしくはその両方でプレイングをお書きください。
 アイスの魔女ということでアイス対決していただいても構いませんし、それ以外でも構いません。どんな料理でも完成すればこの国の法則によりボスは食べてくれます。

 平日もやれる時はやりますが、主として土日作業になるので、それを念頭にプレイング送っていただけると助かります。
 よろしくお願いいたします。
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第1章 集団戦 『ミミクリープラント』

POW   :    噛み付く
【球根部分に存在する大きな顎】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【習性と味】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
SPD   :    突撃捕食
【根を高速で動かして、突進攻撃を放つ。それ】が命中した対象に対し、高威力高命中の【噛みつき攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    振り回す
【根や舌を伸ばして振り回しての攻撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

榎木・葵桜
雨莉さん!
リア充爆発しろの念は、
私がハロウィン楽しみつつ、
いい感じに敵にばらまいてボコってくるから安心してね!
(ぶんぶん手を振り)

ほほう、コスプレ!
おっけーおっけー、ここは私が何でも受けちゃうよ!
フリルにレースに着ぐるみから、はてはどすこいお相撲さん衣装まで!
さぁ、どーんとこい!

(そしてどーんと着せられたのはバニーさんだった
胸を強調する、
ペタンにはキツイヤツ)

…!(がぁん)
よ、よりにもよって…っ(笑みがひきつる)

ミミクリープラント、私に喧嘩売ってるの?
てか、バニー衣装着せるなら胸パッドもセットにしてよ!
さぁ、ボインになる胸パッドよこせ!!!

(UC発動、桜舞花の[衝撃波]でボコボコにするよ!)



「雨莉さん! リア充爆発しろの念は、私がハロウィン楽しみつつ、いい感じに敵にばらまいてボコってくるから安心してね!」
 ハロウィンの国に転移した榎木・葵桜(桜舞・f06218)は、後方にいるはずのグリモア猟兵(姿は見えない)にぶんぶん手を振って敵に向き直った。目の前ではにこやかに笑った向日葵さん達が魔女服を着て(着せられて?)立っている。こう、案山子みたいな感じで。なんともファンシーあるいはカオスな光景だが、葵桜は知っている。こいつが「愉快な仲間達」に擬態して近寄ってくる者を捕食する、恐るべき相手だということを。そんでコスプレでパワーアップしてることを。しかし恐れることはない。こっちも森から飛んでくるコスプレ衣装着ればパワーアップできるのだから! 葵桜はよしっ! と拳で掌を打った。
「ほほう、コスプレ! おっけーおっけー、ここは私が何でも受けちゃうよ! フリルにレースに着ぐるみから、はてはどすこいお相撲さん衣装まで!」
 さぁ、どーんとこい! と両手を広げた彼女の元に飛んできたのは……バニー服だった。胸を強調する、ペタンにはキツイヤツ。葵桜は目を剥いた。
「……!(がぁん) よ、よりにもよって……っ」
 笑みがひきつる葵桜。
「ミミクリープラント、私に喧嘩売ってるの? てか、バニー衣装着せるなら胸パッドもセットにしてよ!」
 それでも勝利のために胸元スカスカなバニー服を着た葵桜は、涙目で神霊体に変身しつつ、八つ当たり気味に桜舞花を振るった。
「さぁ、ボインになる胸パッドよこせ!!!」
 理由ある暴力がミミクリープラント達を襲う――! たまらず本性(根っこ)を現したミミクリープラントは根を高速で動かして、突進攻撃を放つも神霊体に変身した葵桜には当たらない。桜舞花から放たれる衝撃波に打たれ、魔女服を着たミミクリープラント達は次々に地に倒れ伏すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メアリー・フェアチャイルド
●POW
頭のネジを締め直して絶好調!
ボルテックスエンジンもテンションと一緒に調子良いね
リア充の国だろうが、ハロウィンの国だろうが、あたしのロックを響かしてやるよ
さぁ、あたしが奏でるギターの調べに誘われた衣装、カモーン!

えぇ…コイツ?
あたしのセンスに合わないと言うか…音楽性の違いと言うか…
はいはい!着ればいいんでしょ、着・れ・ば!!
あー、むしゃくしゃしてきた
これじゃあたしのロックが乗らないし、かと言って頭のネジを緩めるわけにも行かないし…
うがー!このむしゃくしゃをギターをアックスしてぶっ叩くしかねぇ!!
丁度いいところにぶっ叩き甲斐ある球根が襲ってきてるし、【グラウンドクラッシャー】で倒してやる!



「頭のネジを締め直して絶好調!」
 文字通りに頭のネジを締め直してきたメアリー・フェアチャイルド(サンダーボルト・f25520)はキリッと眼前の敵を見据えた。ボルテックスエンジンもテンションと一緒で調子が良い。この勢いで、とメアリーはギターを振りかざす。
「リア充の国だろうが、ハロウィンの国だろうが、あたしのロックを響かしてやるよ! さぁ、あたしが奏でるギターの調べに誘われた衣装、カモーン!」
 激しくギターをかき鳴らすメアリー。その響きに呼応するように飛んできたのは……ゆるキャラっぽいカッパの着ぐるみだった。ロックとはまるで方向性の違う衣装にメアリーは絶句する。
「えぇ……コイツ? あたしのセンスに合わないと言うか……音楽性の違いと言うか……」
 それでも着ないとせっかくのパワーアップ効果は見込めない。メアリーは苛立ち紛れにカッパの着ぐるみを掴んだ。
「はいはい! 着ればいいんでしょ、着・れ・ば!!」
 やけくそでカッパの着ぐるみに身を包んではみたものの、苛立ちは収まらない。メアリーはガシガシと頭を掻きむしる。
「あー、むしゃくしゃしてきた! これじゃあたしのロックが乗らないし、かと言って頭のネジを緩めるわけにも行かないし……」
 頭をかきむしりながらぶつぶつ呟いた彼女は、ああもう、とギターを振り上げた。
「うがー! このむしゃくしゃをギターをアックスしてぶっ叩くしかねぇ!!」
 そこにタイミングよく襲ってくる、牙を剥き出しにしたミミクリープラント(魔女服)。メアリーは思いっきり武器を振り下ろす。
「丁度いいところにぶっ叩き甲斐ある球根が襲ってきてるし、【グラウンドクラッシャー】で倒してやる!」
 そして周辺地形ごと潰れるミミクリープラント。コスプレによるパワーアップに怒りを乗せた一撃はたまらない。苛立ちをぶつけるように次々とミミクリープラントをぶっ叩いていく彼女がスッキリする頃には、敵は大きく数を減らしていたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セフィリカ・ランブレイ
エウちゃん(f11096)と一緒!

去年のハロウィンは工房で3徹してて忘却したんだ
エウちゃんは?どうにせよ今年は楽しみたいね!

コスプレね
私は何でもこいだよ!(NGなしランダム歓迎)ヤバいのじゃなきゃ可愛さで押し通せる!
イヤだけど勝つため、とはズレた心構えだけどね

コスプレが初めてなエウちゃんの反応には大いに期待している
大丈夫、彼女ならどんなでもきっと可愛い。めっちゃ褒めよう。
なるほど、着やせするタイプであったか。流石エウちゃんだ(何かを理解した風な顔をした)

【神薙ノ導】で敵に対応するよ
相手の動きを把握し、自分に最適な流れを作る剣の舞
初動の突進攻撃を見切れれば大きな隙を作れるはず!


エウロペ・マリウス
同行者:セリカ(蒼剣姫・f00633)

行動 WIZ

皆でワイワイ楽しむイベントは、基本的に静観している状態だったけれど
セリカに誘ってもらったから、今回は参加するよ

戦闘能力の強化で考えるなら、嫌だけど勝つために着るような衣装を身に着けるとするよ
ボクの場合、そのまま真の姿がそれで、スタイルを誤魔化せるコルセットが無い衣装が全般的に苦手かな

人前で本来のスタイルを晒したり、肌を露出したりは嫌だけど
見られるのがセリカだけなら問題ないはず……?

集団戦だから、攻撃も数で押しきろうか
「闇穿つ射手。無窮に連なる氷葬の魔弾。白き薔薇を持たぬ愚者を射貫く顎となれ。射殺す白銀の魔弾(ホワイト・フライクーゲル)」



「去年のハロウィンは工房で3徹してて忘却したんだ。エウちゃんは?」
 セフィリカ・ランブレイ(蒼剣姫・f00633)は傍らのエウロペ・マリウス(揺り籠の氷姫・f11096)に尋ねた。エウロペは頷いて答える。
「ボクも皆でワイワイ楽しむイベントは、基本的に静観している状態だったけれど……セリカに誘ってもらったから、今回は参加するよ」
「そっかー、どうにせよ今年は楽しみたいね!」
 セフィリカは笑って前を向く。今年のハロウィンを楽しむためにも、まずは敵を倒さねばならない。そして敵を倒すためには、森から飛んでくるコスプレ衣装が有効だ。コスプレか……とコスプレ未経験のエウロペは顎に手を当てて考え込む。
「戦闘能力の強化で考えるなら、嫌だけど勝つために苦手な衣装を身に着けるべきかな……ボクの場合、そのまま真の姿がそれで、スタイルを誤魔化せるコルセットが無い衣装が全般的に苦手かな」
「コスプレね、私は何でもこいだよ! ヤバいのじゃなきゃ可愛さで押し通せる!」
 考え込むエウロペに対し、セフィリカは鷹揚に構えていた。イヤだけど勝つため、とはズレた心構えだけどね、と呟いて、エウロペに視線を送る。コスプレが初めてな彼女の反応に大いに期待しているのだ。
(「大丈夫、彼女ならどんなでもきっと可愛い。めっちゃ褒めよう」)
 そしてエウロペの元に飛んできた衣装は。ランジェリーだった。小悪魔風な黒くてセクシーなワンピースタイプの。苦手と言った、スタイルを誤魔化せるコルセットが無い上に露出度も高い衣装にエウロペは思わず赤面する。というかこれはコスプレ……? コスプレなのか森さん。疑問に思いつつ、エウロペは勝利のために着替える。
(「人前で本来のスタイルを晒したり、肌を露出したりは嫌だけど、見られるのがセリカだけなら問題ないはず……?」)
 それでも恥ずかしげに自分の身体を抱くエウロペの姿に、セフィリカは、
「なるほど、着やせするタイプであったか。流石エウちゃんだ」
 と何かを理解した風な顔で頷いた。大丈夫、似合ってるし可愛いよ、と褒めつつ、自身は自身の元に飛んできた死神衣装を身に着ける。これもたぶん可愛い死神で押し通せる、はず。さて、と剣を構えてセフィリカは魔女服のミミクリープラント達を見据えた。ミミクリープラント達は根を高速で動かし、こちらに突進攻撃を仕掛けてきている。セフィリカはそこに機先を制する強力な踏み込みからの一撃を叩き込んだ。相手の動きを把握し、自分に最適な流れを作る剣の舞『神薙ノ導(カンナギノシルベ)』。それを喰らって怯むミミクリープラント達。その戦闘技能や行動の癖を覚え、さらに剣を振るいつつ、セフィリカは、
「今だよエウちゃん!」
 と呼びかける。初動の突進攻撃は見切った。これで大きな隙を作れたはず。エウロペは頷いて、息を吸った。
「闇穿つ射手。無窮に連なる氷葬の魔弾。白き薔薇を持たぬ愚者を射貫く顎となれ。射殺す白銀の魔弾(ホワイト・フライクーゲル)」
 詠唱と共にすっと突き出した手から放たれる、無数の氷属性の、万物を凍てつかせる概念を内包した魔弾。それらを喰らったミミクリープラント達は凍てつき、絶命する。二人のコンビネーションで、順調にミミクリープラントの数を減らしていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リカルド・マスケラス
「どーもー、チャラっと参上チャラにちわーっす!」
そんな感じで現れたのは陽キャの塊のようなヒーローマスク。

コスプレ衣装が飛んできたら、
「軍人は軍服に体を合わせるって言葉、どこかで聞いたことがあるんすよね。ま、自分は軍人じゃないっすけど、衣装に体を合わせるくらい、造作もないっす!」
そんな感じで【霧影分身術】で飛んできたコスプレに合わせた姿の分身を作り出して着込む。執事だろうとメイドだろうとバニーだろうと割とノリノリで着こなす

「さぁーて、近づくと厄介そうなんで、その前に仕留めるっすかね」
敵の攻撃は、間合いを確保しつつ鎖鎌に炎あたりの【属性攻撃】を乗せて【なぎ払い】【2回攻撃】
数が足りなきゃ分身増やす



 魔女服着たミミクリープラントの群れも大分その数を減らしてきた。あともう少しでボスに手が届く。そこに颯爽と現れたのは。
「どーもー、チャラっと参上チャラにちわーっす!」
 陽キャの塊のようなヒーローマスクだった。名をリカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)。チャラそうで実際チャラく、だらしがなくて女好き……というキャラではあるが、それでも、弱い者の力になって、みんなが笑顔で暮らせる世界を作れればいい、という思いは本物だ。リカルドはさてさて、と戦場を見渡した。今回は森から飛んでくるコスプレ衣装を着るとパワーアップできるという謎ルールがある。果たして、リカルドの元にもコスプレ衣装が飛んできた。かぼちゃパンツが。ハロウィンらしく、かぼちゃ色をしたそれを、
「軍人は軍服に体を合わせるって言葉、どこかで聞いたことがあるんすよね。ま、自分は軍人じゃないっすけど、衣装に体を合わせるくらい、造作もないっす!」
 と、割とノリノリで霧でかぼちゃパンツが似合う少女の分身を作り出し、着込む。霧によって肉体を与えられた分身をいくつも召喚する、これぞ忍法・霧影分身術。夢か現か幻か、とくとご覧あれ! リカルドは鎖鎌を構えた。
「さぁーて、近づくと厄介そうなんで、その前に仕留めるっすかね」
 実際、牙を剥いたミミクリープラントがこっちに迫ってきていた。そこから間合いを確保しつつ、炎の属性を乗せた鎖鎌を振るい、一気になぎ払う! それも二回。コスプレ衣装によるパワーアップもあり、ミミクリープラント達はその二撃でバタバタと倒れていく。それでも仕留めきれなかった分は分身を増やして対処し……ミミクリープラントが全滅するまでそう時間はかからなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『アイスメーカー『クリーメル』』

POW   :    『アイスゴーレム』よ、私にアイスを持ってきて
自身の身長の2倍の【地形や対象を氷菓に加工するアイスゴーレム】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD   :    『極上アイス』のお味はいかが
【(作者以外が食べるとアイス化する)アイス】を給仕している間、戦場にいる(作者以外が食べるとアイス化する)アイスを楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
WIZ   :    『レッツ・アイスメイキング』♪
【アイス作りの歌とダンスを披露すると】【戦場と対象に歌詞通りの事が起こり】【アイスに作り変えられていく魔法】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ポーラリア・ベルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

セフィリカ・ランブレイ
エウちゃん本気モード…!
先程の恥じらう姿と違って、高貴な雰囲気!でも横から見た時の破壊力もナイス
『セリカの性癖が心配よ私は』

私は単純にかわいいのが好きなの!
相棒の魔剣に文句を言いつつ
私はさっきのコスのまま

【シェルファ顕現】
それよりシェル姉、防衛お願い!料理は私達でやる!
ハロウィンにはお菓子がつきもの、かぼちゃのカップケーキを作ろう
かぼちゃを潰して生地とよく混ぜて―、混ぜるときには妥協なし!
お菓子作り、稀にしかやらないけど、やるからには全力だよ!
『基本的に凝り性なのよね、あの子』
最後はチョコペンでかぼちゃお化けの顔を書いて、出来上がり!
ハッピーハロウィン!良く味わって、いい眠りを!


エウロペ・マリウス
同行者:セリカ(f00633)

真の姿を解放
この姿でも充分露出度高めだから、人の目に晒すのは抵抗あるけれど
小悪魔風な黒くてセクシーなワンピースタイプのランジェリーよりはマシ、だよね……?

「勇敢なる我が騎士よ! 尽きぬ忠義と、その武勇を以て我が眼前の敵を討ち滅ぼせ!」

騎士達に護衛を頼みつつ調理開始
料理内容:カボチャを混ぜ込んだカップケーキ
無敵状態が解除された相手には、氷の【属性攻撃】で【範囲攻撃】

氷の魔女っぽく、悪戯に成功したような笑みを浮かべて、
「I “witch” you a Happy Halloween(よいハロウィンを)」そう告げて攻撃するよ



 ミミクリープラントを全て倒した猟兵達の耳に聞こえてきたのは、耳障りな高笑いだった。
「おーほっほっほ! やるじゃないの猟兵も。でも私はあんな風にはいかないから!」
 わざわざ高いところに立ってそう宣言するのは、アイスメーカー『クリーメル』。見た目は可愛らしいアイス屋の少女だが、その実彼女の作るアイスを食べるとアイス化してしまう、恐るべき魔女だ。しかも今回はハロウィンの国の法則により「ほぼ無敵」となっている。配下が全て倒されたにも関わらず余裕しゃくしゃくな表情も高笑いもむべなるかな。しかし、対抗策はある。エウロペ・マリウス(揺り籠の氷姫・f11096)はセフィリカ・ランブレイ(蒼剣姫・f00633)と目を合わせて頷き、真の姿を解放した。氷の翼を生やした、麗しい女性の姿……まぁこの姿でも充分露出度高めだから、人の目に晒すのは抵抗あるけれど。
(「でも、小悪魔風な黒くてセクシーなワンピースタイプのランジェリーよりはマシ、だよね……?」)
 一方のセフィリカは先ほどの死神コスのまま、エウロペの神々しい真の姿に、
「エウちゃん本気モード……! 先程の恥じらう姿と違って、高貴な雰囲気! でも横から見た時の破壊力もナイス!」
 とグッと親指を立てていた。横から見た時の破壊力とはあれだ、真の姿のエウロペは露出度高めな上に、出るところは出て引っ込むところは引っ込む、素晴らしいプロポーションをお持ちなので以下略。察してくれ。
 そんなセフィリカに、
「セリカの性癖が心配よ私は」
 と呆れたように突っ込む声が。セフィリカの相棒たる魔剣、シェルファだ。
「私は単純にかわいいのが好きなの!」
 魔剣に文句を言いつつ、セフィリカはそれより、と無数の戦闘用ゴーレムと魔剣の真の姿である蒼い髪の女性を召喚した。
「シェル姉、防衛お願い! 料理は私達でやる!」
 もちろん、と頷くシェルファ。エウロペもまた、
「勇敢なる我が騎士よ! 尽きぬ忠義と、その武勇を以て我が眼前の敵を討ち滅ぼせ!」
 と手をかざして詠唱する。勇敢なる騎士の凱旋(フォルティス・リッター・トリウンプス)。その声に応えるように、滅びた氷の都の守護騎士達の霊が現れた。その騎士達に護衛を頼みつつ、いざ調理開始。作るのは……。
「ハロウィンにはお菓子がつきもの、かぼちゃのカップケーキを作ろう」
 そうして二人でかぼちゃを潰して生地とよく混ぜて――。
「そうはさせない! 『アイスゴーレム』よ、私にアイスを持ってきて!」
 そこに割って入ってくる、クリーメルの声。同時にアイスゴーレムが唸り声を上げながら、巨大なアイスクリームディッシャーで殴りかかってきた。自身を倒すための料理など、そう簡単に作らせる気はない。しかし、振り下ろされた巨大アイスクリームディッシャーは、無数の戦闘用ゴーレムやシェルファ、それに守護騎士達に阻まれた。
「何!? ええい、小癪な……! もっと! もっとよ!」
 クリーメルが苛立った声でアイスゴーレムに命ずる。その命令通り、アイスゴーレムはますます苛烈に巨大アイスクリームディッシャーを振り下ろす。しかし、戦闘用ゴーレムもシェルファも、守護騎士達も通す気はない。体を張って彼らが二人を守っている間、二人は着々と調理を進めていった。
「混ぜるときには妥協なし! お菓子作り、稀にしかやらないけど、やるからには全力だよ!」
 なめらかな食感になるよう、かぼちゃと生地をよ~く混ぜながら、セフィリカは額の汗を腕で拭う。
(「基本的に凝り性なのよね、あの子」)
 そんなセフィリカの様子を、シェルファは攻撃から守りながらちらりと見て微笑んだ。
 そして完成した生地を型に入れて焼いて、焼きあがったら。最後はチョコペンでかぼちゃお化けの顔を書いて、出来上がり!
「ハッピーハロウィン! 良く味わって、いい眠りを!」
「I “witch” you a Happy Halloween(よいハロウィンを)」
 セフィリカはいい笑顔で、エウロペは氷の魔女っぽく、悪戯に成功したような笑みを浮かべて。クリーメルに差し出す。
「うっ……そんなもの……そんなもの……!」
 クリーメルは怯むが、この国の法則には抗えない。彼女は震えながらもカップケーキを手に取った。
「このカップケーキ……生地にかぼちゃが混ぜ込んであるのね? ハロウィンにピッタリ……それにチョコペンでかぼちゃお化けの顔が描いてあるのも可愛らしくて素敵だわ。食べるの勿体ない……けど食べちゃうぅ!」
 この国の法則によって事細かに批評しつつ、クリーメルはカップケーキをついに口に運んだ。途端に目を見開く。
「お、美味しい……! このなめらかな食感……よく生地を混ぜたのね……潰したかぼちゃと生地が渾然一体となって、口の中で輝いている……! これぞまさに……かぼちゃのカップケーキの王様……!」
 とかなんとか食レポしつつ。クリーメルはふわぁ、とあくびを漏らした。
「なんか……眠くなってきたわ……」
 ボスを眠らせて無敵状態を解除するための始めの一歩。それはどうやら上手くいったようだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

榎木・葵桜
UCで巨大田中さんを召喚して、
アイスゴーレムと戦ってもらうね!

私はその間にアイスを作っちゃうよ!
ボウルに入れた卵・生クリーム・砂糖をよく混ぜてー
氷と塩を入れたボウルで固まるまで冷やしながら混ぜていくと、
冷蔵庫に入れずにすぐにアイスができちゃう♪

ただのアイスだと思った?
違うんだなー

アイスはアイスでも、私が作るのは天ぷらアイス!
そう、揚げちゃうんだよ!

アイスをカットしたカステラでいい感じに包んだら、
その上からアルミホイルで包んで、冷凍庫でしっかり凍らせる

その後は、固めに溶いた天ぷら粉をつけて、
200度の油でささっと揚げちゃう!

ほらどーお?サクサク衣にひんやりアイス!
すごいおいしいよ、召し上がれ♪



「田中さん、おっきくなーれ!」
 榎木・葵桜(桜舞・f06218)はサモニング・ガイスト・ジャイアントで自身の身長の2倍の田中さん(古代の戦士の霊)を召喚。その上で、
「私はアイスを作っちゃうよ!」
 と泡立て器を掲げた。
「アイス……ですって?」
 その単語を聞いたクリーメルの眉がピクリと動く。
「このアイスメーカー『クリーメル』にアイスで対抗しようだなんて、100年早いわ! 逆にアナタをアイスにしてあげる! アイスゴーレム、やっておしまい!」
 クリーメルがアイスクリームディッシャーを振り下ろす。その動きをトレースするように、アイスゴーレムは巨大アイスクリームディッシャーを葵桜に向かって振り下ろし…………ガキィッ!と田中さんの槍がそれを防いだ。田中さんナイス。彼がアイスゴーレムと戦ってくれている、その間に葵桜は、ボウルに入れた卵・生クリーム・砂糖をよく混ぜて――氷と塩を入れたボウルで固まるまで冷やしながら混ぜていくと、冷蔵庫に入れずにすぐにアイスができちゃう♪ アイス作りのライフハックだ。
「ふん、でもそれじゃフッツーの、なんの変哲もないアイスじゃない。そんなのでこのクリーメルに勝てると思って?」
 クリーメルが鼻で笑う。だが葵桜はチッチ、と指を振った。
「ただのアイスだと思った? 違うんだなー。アイスはアイスでも、私が作るのは天ぷらアイス! そう、揚げちゃうんだよ!」
「何ですって!?」
 クリーメルが目を見開く。
「そんな、アイスを揚げるなんて邪道……! てゆうか溶けるじゃない!!」
 そんなのアイスじゃない……! とわなわな震えるクリーメルに、まあまあ見てなって、とウインクして、葵桜はアイスをカットしたカステラでいい感じに包み、上からアルミホイルで包んで、冷凍庫でしっかり凍らせる。その後は、固めに溶いた天ぷら粉をつけて、200度の油でささっと揚げて、完成!
「ほらどーお? サクサク衣にひんやりアイス! すごくおいしいよ、召し上がれ♪」
「ウッ……」
 差し出された天ぷらアイスに、クリーメルはたじろぐ。それでもこの国の法則で食べずにはいられない。彼女はおそるおそる口に運び……
「お、美味しい……!?」
 パチリと瞬きした。
「外はアツアツでサクサク……なのに中はひんやりとろけて……不思議な感覚……でもこの熱くて冷たい不思議な食感にハマっちゃうぅうう!! これぞまさに……アイス界の革命児……完敗だわ……」
 クリーメルがガクッと首を垂れる……いや、よく見ると船漕いでる。まさかもう寝た……? と覗き込めば、慌てたようにパッと顔を上げた。
「ハッ……寝てない寝てない! 一瞬意識が遠のいただけ!」
 危ない危ない、と慌てて頬を叩くクリーメル。しかし大分眠そうだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メアリー・フェアチャイルド
●POW
うー、どうしよっかなー
アイスを作ろうにも邪魔されるし、邪魔されないようにするにもギターを弾くから手が離せないんだよねー……あっ、あれがいいか

よっしゃ、まずはバトって氷採取だね
あんたの氷を寄越せぇぇええッ!!
アックスギターの【グラウンドクラッシャー】でアイスゴーレムの一部を頂戴しちゃうよ
その氷をポリ袋に入れたら塩を入れて軽く揉んで、今度は血のように真っ赤なブラッドオレンジジュースをジップロックに注いだら空気を抜いて閉める
後はこれを氷と塩を入れたポリ袋にぶち込んで口を縛んで、追ってきた魔女さんを相手しながらシャカシャカ振れば…振るだけ簡単シャーベットの完成!
ロックなアイスをご馳走しちゃうよ



「うー、どうしよっかなー」
 メアリー・フェアチャイルド(サンダーボルト・f25520)は悩んでいた。
「アイスを作ろうにも邪魔されるし、邪魔されないようにするにもギターを弾くから手が離せないんだよねー……あっ、あれがいいか」
 ぶつぶつ呟きつつ、周囲を見回していたメアリーは、つと何かを思いついて走り出した。
「あんたの氷を寄越せぇぇええッ!!」
 アックスギターを振り回しながら迫るのは、アイスゴーレム。そう、なんとアイスゴーレムから氷を頂戴しようという魂胆である。さすがにこれは予想外。フワッ!!? とでも言いたげな顔で、アイスゴーレムが咄嗟に繰り出してきた巨大アイスクリームディッシャーを掻い潜り、思いっきりグラウンドクラッシャーを叩きつける! 周辺地形ごと抉れるアイスゴーレム。その氷をポリ袋に入れ、塩を入れて軽く揉んで、今度は血のように真っ赤なブラッドオレンジジュースをジップロックに注いだら空気を抜いて閉める。
「後はこれを氷と塩を入れたポリ袋にぶち込んで口を縛って……」
 とかやってるうちに、
「ちょ、私のアイスゴーレムに何してくれてんのよ!!」
 ようやく気付いたクリーメルがすっ飛んできた。今まで食べた料理のせいで眠くて反応が遅れたらしい。目を擦りつつ、
「罰としてアンタをアイスにしてやるわ! 『レッツ・アイスメイキング』♪」
 と歌い、踊り始める。
「アイス~だけを作るのよ~♪ アイス~のままのアナタになるの~♪」
 歌いながらメアリーを指差せば、足元からビキビキと凍りだし、アイスへと変じていく。やべ。メアリーは必死にシャカシャカポリ袋を振った。
「少しも不味くないわ♪」
 フィニッシュでウインクしてみせるクリーメル。同時に、アイスに変じかけながらも必死でポリ袋を振っていたメアリーの料理も完成した。ニヤリと笑って、
「こっちも振るだけ簡単シャーベットの完成! ロックなアイスをご馳走しちゃうよ!」
 と差し出す。
「えっ……血……!? 血の氷……?」
 真っ赤なシャーベットに思わずたじろぐクリーメル。しかしこの国の法則により食べずにはいられない。おそるおそるスプーンで一匙すくい、口に入れた彼女はまたも目を見開いた。
「デ、デリシャス……!? 簡単お手軽なのにサクサクシャリシャリのしっかりしたシャーベットに仕上がってる……! それに加えて、ブラッドオレンジジュースを使うことにより通常のオレンジジュースよりも濃厚で酸味の強い、パンチの効いた味わいになってる……これが……ロック……!」
 などと、一通りの食レポを済ませたクリーメルは大欠伸をした。少々危ない場面もあったものの、着実に一歩前進したのだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

リカルド・マスケラス
「せっかくだから、アイスを使った料理を作りたいっすねー」
そんな訳で作るのはハニートーストのアイスクリーム乗っけたやつ。食パンのカリッとした部分と、ふわふわにアイスクリームがしみ込んだ部分と、色々楽しめるのがいいっすね。溶けた後のアイスを楽しむのも悪くないっしょ?

そんな訳で【料理】開始!その間にクリーメルにはUCの種類を変えて作った分身たちと遊んでもらう。自分がアイス化した場合も、気にせず【念動力】で調理器具を動かして飄々と料理する
「マスク単体の状態の時もこんな感じで料理してるっすから、こっちは気にしなくていいっすよ」

てな感じで、ぐっすりねむってくれたらサクッとトドメ
「それじゃ、いい夢を」



「せっかくだから、アイスを使った料理を作りたいっすねー」
 というわけで、リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)が作るのはハニートーストのアイスクリーム乗っけたやつ。
「食パンのカリッとした部分と、ふわふわにアイスクリームがしみ込んだ部分と、色々楽しめるのがいいっすね。溶けた後のアイスを楽しむのも悪くないっしょ?」
 そんな訳で料理開始!
「ちょっと、ふわ……私の目が黒いうちはそんな、猟兵の好きにはさせな……ふわ~ぁ……」
 今まで食べ続けた料理のせいで、もう大分お眠なクリーメルがよたよたと駆け寄ってきたが、
「こっちが料理してる間にちょっと、火遊びはどうっすかね?」
 とリカルドが忍法・神火分霊撃(シンカブンレイゲキ)で炎をいくつも放つ。それらは瞬く間に人の形をとり、リカルドの忠実な分身としてクリーメルを取り囲み、翻弄する。
「くっ……小癪な……」
 自身の周りで跳梁するリカルドの分身達にギリッと歯噛みしたクリーメルは、
「こうなったらぜ~んぶアイスにしてやるわ! ♪降り出した氷よ、全てを消して……♪ アイスのみの世界に一人だけの私……♪」
 と両手を広げて歌い出す。途端に上空から氷の粒が降り注ぎ、戦場と氷が当たった対象をアイスへと変えていく。リカルド自身も粒を浴び、アイスへと変じていく……が当の本人は慌てることもなく、念動力で調理器具を動かして飄々と料理を続けた。驚愕したのはクリーメル。
「な……! アンタアイスになりつつあるっていうのに、なんでそんな落ち着いて……」
「ああ、マスク単体の状態の時もこんな感じで料理してるっすから、こっちは気にしなくていいっすよ」
 変わらず飄々と答えたリカルド。体がない状態で料理することなんて慣れっこだった。そうこうしているうちに完成したハニートーストのアイスクリーム乗せを、
「さ、できたっすよ。食べてみてくださいっす」
 と念動力で差し出す。
「ウッ……ずるいわ……この、キューブ状のパンにアイスが乗った、女の子心をくすぐる見た目に、はちみつたっぷりのトーストとアイスが絡み合うハーモニー……こんなの、絶対美味しいやつじゃない……! 実際美味しい……溶けたアイスがトーストにしみ込んで……うう、悔しいけど食べる手が止まらない……!」
 (美味し)涙を零しながら、パクパクとフォークとナイフで切り分けて食べていくクリーメル。一斤まるまるはかなりカロリー高そうなそれを完食し、
「うう、眠い……」
 と机に突っ伏した。眠気はかなり限界に来ているようだ。あと一押しで、完全に眠らせられるだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

モッチ・モチ
お待たせしまシタ、ワタシデス!

・調理
美味しいもので敵を弱らせる、とても分かりやすいデス♪

「美味しいものと言えば、モチモチしてるもの、それこそが真理デス」
厨房借りて、ズガガガガ!!っと大工事みたいな音を立てつつ、調理!
そして作り出すのは、和菓子アイス【もっちり黒糖きな粉アイス】
さぁ召し上がれ!

・戦闘
敵の無敵が解除されたら、食器用大型ナイフや投げナイフを駆使して攻撃

倒せなければ、「くっ、む、無念、あとは任せまシタ…(ばたっ」っとユーベルコード発動

【モッチビ軍団大行進】を使用!
モッチビたちが、アイスもゴーレムも食べちゃいマス♪
アイスにされる?なら数で勝負!



 あと一息でボスを完全に眠らせられる=ボスを倒せる。その状況下に現れたのは。
「お待たせしまシタ、ワタシデス!」
 モッチ・モチ(ボス専門バスター・f09023)である。ボス専門バスターという二つ名に相応しい登場である。彼女は早速腕をまくった。
「美味しいもので敵を弱らせる、とても分かりやすいデス♪ そして美味しいものと言えば、モチモチしてるもの、それこそが真理デス」
 そして厨房借りて、ズガガガガ!!っと大工事みたいな音を立てつつ、調理! ……作ってるのモチモチしてるものだよね? と思わず確かめたくなる音である。その音に気付いたのかそうでもないのか。クリーメルは突っ伏した机から大儀そうに顔を上げた。
「うう……このままじゃ不味いわ……眠らせられちゃう……」
 そうはさせるものかと、クリーメルは緩慢な動作でモッチを指差した。
「『アイスゴーレム』よ、私にアイスを持ってきて」
 瞬間、召喚されたアイスゴーレムが彼女の動きをトレースし、巨大アイスクリームディッシャーを振り下ろす! 何しろボスは無敵状態である。それは寸分違わずにモッチに命中した。
「っ……! い、痛いデス……」
 思わず頭を抱えてうずくまるモッチ。しかもこれ【地形や対象を氷菓に加工するアイスゴーレム】である。ガツガツと容赦なく振り下ろされる巨大アイスクリームディッシャーが、次第に彼女の形をアイスに変えていく。それでも耐えて調理を続けるモッチだったが、ついに限界が訪れた。
「くっ、む、無念、あとは任せまシタ……」
 バタッと倒れたモッチが虚空を指差す。
「やった……? やったの……?」
 アイスゴーレムの陰からそれを見ていたクリーメルが呟き……次第にふつふつと笑いだした。
「おーほっほっほ! 見てごらんなさい、やっぱりミミクリープラントみたいにはいかなかったじゃないの! これで私がこの国の女王!!」
 勝利を確信して高笑いするクリーメル。だが、聞こえなかったのだろうか。彼女が「あとは任せまシタ」と言ったのを……。そしてクリーメルの高笑いに紛れて、どこかから
「(もっちもっちもっちもっちもっちもっちもっちもっちもっちもっちもっちもっちもっち)」
 となんかモチモチした音が聞こえてきた。
「おーほっほっほ……ん? 何よ、このモチモチした音」
 クリーメルもその音に気付き、眉根をひそめる。瞬間、ギャグ時空(どこだよ?)からチビモッチ軍団が召喚されてきた!
「もっちもっちもっち♪」
 召喚されたモッチビ軍団が、団体さんでクリーメルとアイスゴーレムを襲う! 名付けて【モッチビ軍団大行進】!
「っていったい何じゃそりゃあぁああ! ちょっと、ちょっと待ってよ……!」
 モッチビさんの軍団に押し流されながら、クリーメルは必死に手を伸ばした。瀕死だったモッチがニヤリと笑う。
「モッチビたちが、アイスもゴーレムも食べちゃいマス♪ アイスにされる? なら数で勝負!」
 その言葉通り、ああ、モッチビさん達がアイスゴーレムをもぐもぐしている!
「やめてぇええええ!?」
 絶叫するクリーメル。一応まだ無敵状態は解除されてないから本人は無傷なんだが、なんかこう、精神的に来たらしい。その隙に、モッチは最後の力を振り絞って料理を完成させた。
「出来まシタ! 和菓子アイス【もっちり黒糖きな粉アイス】! さぁ召し上がれ!」
 名前からしてもう美味しそう。差し出されたもちもちアイスに、クリーメルは思わず生唾を飲んだ。
「ウッ……ズルい……もちもち×アイスなんて正義じゃないの……それに黒糖きな粉なんて、絶対失敗しない組み合わせ……約束された勝利の味……」
 などと呟きつつ、もっちり黒糖きな粉アイスを口に運んだクリーメルは頬を押さえて叫んだ。
「も……もちもちーーーーー!!!」
 もはや詳細な食レポを放棄しているが、モチモチの食べ物をこよなく愛するモッチにとってはその一言だけで十分だろう(たぶん)。モチモチ、すなわち=美味しい。モチモチは正義。満足そうに頷くモッチの前で、
「うう……もちもちアイス……美味しい……」
 とクリーメルは美味し涙を零しながら俯いた。
「もっちり黒糖きな粉アイスだけじゃない……他の猟兵が作ったプリンもアイスも正直すっごく美味しかった……アイスでこのクリーメルの右に出るものはいないって思ってたけど、そうでもなかったのね……」
 完敗だわ、と面を上げたクリーメルは微笑み……そのままくずおれた。すー、すーと穏やかな寝息を立てている。完全に眠らせるのに成功したのだ。もう無敵状態も解除されているだろう。モッチは食器用大型ナイフを構えた。
「お休みなさい、デス」
 突き立てられた食器用大型ナイフが、ボスにトドメを刺す。アイスのように溶けて消えゆくクリーメルを見送りながら、モッチは空を仰いだ。空には南瓜ランタンが輝いている。猟兵達は無事、このハロウィンの国を手に入れることに成功したのだ。あとはハロウィンパーティーを楽しもう、とモッチ達猟兵は歩き出した。




 ……これ書いてる時点でハロウィンは一月も過ぎてるけど。(それを言うなよ)

苦戦 🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年11月29日


挿絵イラスト