11
DX変形合体絶許ロボ

#クロムキャバリア

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#クロムキャバリア


0




●それはまるで90年代後半のノリ
 スクランブル! スクランブル!
 響き渡るサイレンと共に、格納庫から5台のマシンが発進する。
 彼らはこの『ビクトリウム共和国』が誇る特殊チーム。人呼んで必勝戦隊ビークルファイブ!
『よいか、君たちのキャバリアはまだ不完全だ! 飛行船を救い出さなない限り、合体機構を補うための物資は手に入らんぞ!』
「分かってるぜ博士! 今のままじゃ完全な合体は出来ねえ……でもここで引き下がるなんて男じゃねえだろ!」
 基地からの通信に威勢よく返事をしたのは、先頭を走る赤いキャバリアに乗り込んだ青年。彼こそがビークルファイブのリーダー、ビークルレッドだ。
 その上空では戦闘機型オーバーフレームの青いキャバリアが追走し、そして重機アームを備えた黄色の機体とターボエンジンが突き出した緑色の機体、救急車のような赤色灯を掲げたピンク色のキャバリアがその後に続く。
「見えたぞ! アレが襲われている飛行船だ!」
 現場に急行したビークルファイブが目にしたのは、空中戦用キャバリアに群がられたビクトリクム共和国の飛行船。
 そしてそれらを指揮する、鮮血のように赤い不気味なキャバリアの姿であった。
「来たか、ビークルファイブ……随分と悠長なご到着だな」
「どこの誰だか知らないが、これ以上好き勝手させないぜ! 行くぜ皆ぁっ、必勝合体!!」
 レッドの号令と共に、5台のキャバリアは宙を舞う。

『挿入歌 絶対勝利ビークルロボ』
 唸るエンジン~、正義のタフなボディ~。
 5人の勇者の姿を、今1つに~。
『必勝合体!』(セリフ)
 戦え、戦え、ビクトリー(以下略)

 レッドのキャバリアは胴体に、青とピンクは両腕、黄色と緑は両脚の形状に変形!
 そして今こそ合体……。
「本当に悠長だなお前らぁ!!」
 とはならなかった。
 敵の指揮官機が放った漆黒のオーラが合体直前のビークルを吹き飛ばし、その機能を停止させたのだ。
「敵を目の前にして悠長に変形合体とか舐めてるのか! やる気あるのか貴様ら!」
「ぐぅっ! 合体直前を狙うとは卑怯な……」
「まさか俺達のキャバリアは単騎だと30%の出力しか発揮できないと知っていたのか?」
「それでもあなた、キャバリア乗りなの!?」
 地に叩き伏せられたビークルファイブから、次々と非難の声が上がる。
 それはもう地上波に乗せられないような罵詈雑言の雨あられだ。
「知るか! 勝ちたいなら到着前に合体して来い! もしくは最初から100%の出力が出せるように作れ!」
「お前にはロマンはないのかーっ!!」
 怒号一喝。
 そして指揮官機、ブレイジング・バジリスクが放った弾幕は、無念ビークルファイブの叫びをかき消したのであった。

●CMで超合金ってフレーズも聞かなくなって久しいです
「なんとかロボって名前の合体メカって、いつの間にか消えてたのな。トリシュ的には一号機はなんとかロボってネーミングの方がしっくりくるのな。……という訳でみなさんには合体ロボのお助けに行ってもらいます」
 集まった猟兵達を前に、トリシュ・リグヴェーダ(知恵の刃・f18752)は熱く持論を語る、もとい作戦の概要を説明する。
「今回オブリビオンマシンが現れるのは『ビクトリウム共和国』と呼ばれる小国の領空内。そこでオブリビオンは飛行船を襲いおうとしてるみたいなのです」
 どうやらこのビクトリウム共和国では、都市への資材運搬や研究基地への補給など、輸送の殆どを飛行船が担っているようだ。言うなれば国の大動脈である。
 もしこのまま飛行船が蹂躙されれば、この国は解体を余儀なくされ、人々は戦火に飲まれることとなるだろう。
「そしてトリシュはそんな悪逆を止めようと奮闘する戦士たちの姿も予知に見たです。彼らは真の勇者。ロマンを分かってる」
 再びふんすふんす、と鼻息を荒げるトリシュ。
 全くの余談ではあるがこのトリシュ、自らはヤドミガミゆえ感情がないと言い張っている。明らかに誇大解釈だ。
「はいそこ、トリシュに感情ありません。あんだーすたん?」
 あ、はい。
「こほん……そう、戦士たちの話しの続きでした。彼らが乗るキャバリアはまだ不完全ですが、飛行船に群がるオブリビオンマシンを倒せば中の物資を奪還出来るはず。そうすればきっと再び立ち上がって皆さんの助けになってくれる筈です」
 だがその為にはまず空中戦を制する必要がある。
 敵は空中戦に特化した飛行型キャバリア。こちらも飛行能力があるキャバリアに乗り込むか、地上からの砲撃で対処する必要がある。
「そして問題なのは奴らの指揮官機、ブレイジング・バジリスクな。背部に備えた大型バーニアユニットによる高速かつ三次元的な起動力。一機でも制圧射撃が可能な高連射且つ超威力の大型マテリアルライフル。これだけでも相当やっかいな相手なん。でも一番重要なのは……」
 そしてトリシュは度し難いとばかりに大きく息を吸い。
「これに乗り込んでいるパイロットは合体のロマンを全く解していないことな! 変形や合体を隙と見なして攻撃してきます。許すまじです! ……あ、あとキャバリアのエンジンを止める謎の黒いオーラ攻撃もしてました」
 遂に両手をブンブンと振ってご立腹なご様子のトリシュ。
 一方集まった猟兵達は、明らかに後者の情報の方が重要だったんじゃ? と俄かにどよめいた。
 だがそんなツッコミは、突如として巻き起こった突風に阻まれる。
「今から急げば戦士ビークルファイブが倒される前に現場に間に合うはずです。皆さん、転送の衝撃に備えるのな」
 説明が終われば後は問答無用とばかりに、トリシュが放った界渡りの風が、グリモアベースに吹き荒れた。


Naranji
 胸に愛を抱いてキャバリア飛ばしたら~♪
 あんな・こんな・どんなオブリビオンもへっちゃらさ~♪
 ダダダ・ディダダ・ドゥダダ胸のエンジンで涙なんかぶっちぎれ~♪

 ……はい、新世界クロムキャバリアのシナリオでございます。
 ロボットアニメの造詣は浅いですが、合体ロボなら大好物なMSのNaranjiと申します。
 超合金、いい響きですよね。あのズッシリ感、鉄臭さ、満足度が違いました。
 初めましての方は初めまして。
 以前も参加して頂いた方は、本当にありがとうございます。

 第一章は集団戦。
 OP文でも触れていますが、空中戦特化型機を倒す工夫があればより効果的に戦えるはずです。
 そして第二章はボス戦。
 戦うついでに皆さまの合体への情熱などを語れば、なにか変化があるかもしれません。
 そして第三章は今作の舞台『ビクトリウム共和国』での日常パートとなります。
 今後皆さまが駆る事になるキャバリアのアセンブル(組み立て)イメージの一助となれば幸いです。

 最後に、今シナリオは基本的に激走〇隊のように軽く、時に暑苦しいノリで行こうと思います。(芋羊羹は出ません、たぶん)
 それでは素敵なプレイングをお待ちしております!
39




第1章 集団戦 『機動殲龍『空翔』』

POW   :    ブリッツウィング
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【キャバリア】から【ミサイルと機銃による追尾攻撃】を放つ。
SPD   :    オーバーブーストマキシマイズ
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【キャバリアを更に加速。敵に近づき翼】から【敵機を吹き飛ばす衝撃波】を放つ。
WIZ   :    ダブルバレルカノン
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【キャバリア】から【鋼鉄をも貫くビームカノンによる連続攻撃】を放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ユーリー・ザルティア
ぶっちゃけ、敵が正論。
敵に甘えるな!!
合体のための努力を怠るな。
御約束に見えて、実はロマンとは見えないところにある努力で成り立っているものなのだよ(うんうん)

あと、合体して100%じゃなくて、合体して1000%の機体作れよ。




さて、今回はオブビリオンマシンの≪シビリアンジョー・イェーガーカスタム≫で出撃だね。
地上戦機体だから『対空戦闘』だね。

量産型キャバリア≪パールバーティ≫にボクの『戦闘知識』をインストールしたARICAを搭載した無人運用で行くよ。『援護射撃』よろ。

さて、『索敵』で『情報収集』っと
『瞬間思考力』で目標をロックオンしたら『範囲攻撃』で拡散型『レーザー射撃』と∀キャノン発射だね。



 砂煙を上げて5台のビークルが地を転がる。
「ふん、他愛もない。やはり合体など不要……各機に次ぐ! 貴様らはそのまま飛行船を破壊せよ」
 硝煙をあげるライフルを下すと、ブレイジング・バジリスクは鼻を鳴らしビークルファイブを一瞥する。
 そして無数に飛び交う飛行型キャバリア―機動殲龍『空翔』に指示を出すと、一度後方へと下がっていった。
「みんな、大丈夫か!」
「くそ! 僕悔しいです。あんな卑怯な奴にいいように負けるなんて」
「諦めたらあかん! ここからリベンジしてやるんや!」
 一方5台のキャバリアは最早再起不能と思われたが、しかしその中で戦士たちはまだ生きていた。
 通信で励ましあうビークルファイブ達であったが、しかし復活はままならない。そしてそうこうしている内にも、上空の飛行船は着々と破壊されていってしまう。
 と、そんな時。
「甘えるな!!」
 戦場にスピーカー越しの少女の声が轟いた。
 駆け付けたのは、彼らが見たこともないカスタマイズがなされた謎のキャバリア。
 その機体に乗り込んだ少女―ユーリー・ザルティア(自称“撃墜女王”(エース)・f29915)は現場に到着すると、スピーカーの音量つまみを最大までねじった。
「ぶっちゃけ、敵が正論。敵に甘えるな!!」
 彼女の声に合わせて、愛機≪シビリアンジョー・イェーガーカスタム≫の両腕が振り上がる。ユーリーお怒りのジェスチャーだ。
「合体のための努力を怠るな。御約束に見えて、実はロマンとは見えないところにある努力で成り立っているものなのだよぉ!」
 大げさな身振り手振りで力説し、最後にはうんうんと自身の節に酔いしれるかのような素振りを見せるシビリアンジョーに、ビークルファイブは呆気にとられる。
 ちなみにユーリーはというと、忙しなく口を動かしながらも手ではレバーをガチャガチャと動かして、丁寧にキャバリアのポージング操作を行っていた。
 正直、燃料の無駄遣いでしかない動きの数々であったが、その精密な動きからは彼女の操作スキルの高さが感じられる。無駄ではあるが。
 一方、飛行船を襲っていた空翔たちも、新たに表れたキャバリアの出現を察知していた。
 しかし、どういう訳か敵機はこちらに背を向けて何やらお説教中。
 ならばこれ幸いと、数機の空翔がシビリアンジョーに向けて急降下を仕掛けてきたからさあ大変。
「まだボクが語ってる最中でしょうがぁ!!」
 だが吶喊してきた空翔は、突如として飛来した量産型機によって撃ち落とされた。
 学習型AI搭載自立起動キャバリア≪パールヴァティ≫。ユーリーの愛機第二号である。
「い、今更になって現れたくせに。誰なんだアンタ一体!」
「好き勝手言っちゃって。私達の努力が足りてないって言うわけ?」
「アタシ達は100%を5人で分けて戦っているの! 一人ひとりじゃ30%の力しか出せなくても、力を合わせて巨悪に打ち勝つのよ」
 あまりの突然の出来事の連続にポカン顔だったビークルファイブも、ここにきてようやく我を取り戻したようだ。
 最早お約束のように口々に文句を垂れる5人であったが、それをユーリーが一蹴する。
「その通りぜんぜん足りないね! 第一、合体して初めて100%ってところが舐めてる」
 今はいないブレイジング・バジリスクが聞けば、深くうなずくであろう言葉。
 だがこのセリフにはまだ続きがあった。
「合体して100%じゃなくて、合体して1000%の機体作れよ!!」
「「「「「!?」」」」」
 その瞬間、ビークルファイブに衝撃走る。
 そう、今まで考えもしなかった。
「そうだった……30×5は100じゃねえ!」
「150や!」
「それを根性で1000%まで持ち上げるんですね!」
 今はいないブレイジング・バジリスクが聞けば、ずっこけるであろう言葉。
 だがどういう訳か、彼らの心にストンと落ちるものがあったらしい。世の中どんな人がいるか分からないものだ。
「ふ、分かったようだね。なら、どうやって1000%を引き出すかを、暫くそこで考えていなよ。ここはボクが引き受ける」
 そしてユーリーはようやく空翔に向き直ると、背後でずっと応戦していたパールヴァティに肩を並べ、格納していた巨大砲塔を展開した。
「まあ、余は一人でも強いのだがな。……さあ見せてあげるよ、シビリアンジョー・イェーガーカスタムの真の力さ!」
 エネルギーの充填と共に、砲身に施された物理ロックが次々とはじけ飛び、その全容が次第に露わになっていく。
 操縦者の生命エネルギーすらも動力とするバイオな逸品。ヒーローズアース謹製『∀キャノン』!
「おえっ。この寿命が削れる感じ、何度やっても気持ち悪い……でも根性みせるってのはこういう事だバカヤローッ!!」
 ユーリーは瞬間的に思考能力を限界まで高めて、迫る敵機を人力ロックオン。
 そして撃ちち出された気合の入った極太レーザーは空中で拡散し、空翔達を次々と追尾、撃滅していくのであった。
「ぜぇ、ぜぇ……ふん、余の頭上を飛び回る蠅どもには、似合いの末路よ。……さーて、彼らはボクにどんな答えを見せてくれるかな?」
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

バーン・マーディ
マーズを使用

我はヴィラン
悪の神である
故に…ビークルファイブとやらを打ち破るのは我とマーズなり
何故か判らぬがマーズもまた奴らに興味を惹かれてるようでな

…合体はせぬからな


【戦闘知識】
敵の陣形と動き
コックピットの位置を把握

【オーラ防御】展開
【武器受け】で銃撃やビームを迎撃しつつ直撃を避けつつダメージの軽減

接近してきた敵に対しては軍神の剣で【カウンター・二回攻撃・鎧無視・鎧砕き・吸血・生命力吸収】で破壊しつつエネルギーを奪い修復

多少距離のある敵にはUC発動
此方からも距離を詰めて複数を巻き込むように光線をばら撒く

どの攻撃でもコックピットは避けてパイロットの脱出は任せる

龍よ
地に還るがいい!!



 ビクトリウム共和国の主戦力を撃破した空翔のパイロットたちは油断していた。
 突如として現れた情報にない援軍、それも凄腕のキャバリア乗りの登場に、戦場には少なからず混乱が生じる。
 そしてその混乱を混沌へと突き落すため、今ここに新たな戦神が降臨する。
「苦戦しているようだな。だがここで潰えては面白くない。その反逆、我とマーズが力を貸そう」
 いつからそこにいたのか、漆黒の鎧を身に纏った大男が悠然と腕を広げる。
 鎧の大男、バーン・マーディ(ヴィランのリバースクルセイダー・f16517)の野太い声に、ビークルファイブ達も彼の存在に気付いたようだ。
「今度は誰だ!」
「あそこです、崖の上! 登るのはかなり大変なはずなのに」
「黒っ!? 見るからに悪者じゃない!」
「格好つけよって。わいらを見下ろす為だけに山登りよったな!」
「……ちょっと素敵かも」
 そんな戦士たちの雑音は意に介さず、バーンは空に向け愛機の名を叫ぶ。
「マーーーズッ!!」
 大地を震わす声に呼応して、クロムキャバリアの空が割れた。
 逆十字の紋様が刻まれた空から出現したのは、巨大な剣を携えた破壊の化身―破城神機『マーズ』!
 バーンはマーズに飛び乗ると、空翔と中破したビークル達との間に割って入る位置に機体を着陸させた。
「我はヴィラン、悪の神である。故に……ビークルファイブとやらを打ち破るのは我とマーズなり。何故か判らぬがマーズもまた奴らに興味を惹かれてるようでな」
 口上を述べつつ、空に群がった向けて敵勢に闇を纏った剣を突き付ける。
「悪の神だって!?」
「やっぱり悪者じゃない!」
「素敵!!」
「貴様ら煩いぞ! 我が時間を稼いでやるからさっさとキャバリアを直せと言っているのだ。説明をさせるな」
 思わず振り向いて喝を飛ばしたバーン。
「あなた(のキャバリア)と合体したい」
「せぬ!」
 特にキャーキャーと歓声をあげるピンク色の機体には入念に釘をさし、今度こそ彼は空翔の群れに突撃した。
 とは言え、マーズは対空機ではない。見た目の通り、その剣で敵を切り裂く接近戦型の機体だ。
 だがヒーローズアースで長年を戦い抜いてきたバーンにとって、この程度の距離などないに等しい。
「我は選別する。我に牙剥く者、我に抗うもの……」
 超高速で打ち出されるミサイルと機銃の雨。それを大剣が纏うオーラの壁で逸らしながら、バーンは空翔の陣形を見抜こうとカメラアイ越しに目を凝らす。
「我に刃向けるもの、我を貶めるもの……!」
 狙うは機体の翼と頭部。パイロットが乗り込んでいるであろう腹部には攻撃を当てないよう力を調整しながら、彼は力ある言葉の詠唱を完成させた。
「須らく等しき神罰を与えん事を!!」
『Cross of Sort』!
 その咆哮と共に放った天を切り裂く斬撃からは、無数とも思える十字型の閃光が吹き出し、バーンに仇なす者共に神罰を与える。
 一瞬にして飛行能力を破壊された空翔達は、瞬く間に戦闘力を失い、堕ちる。
「んっ!」
 とその時、堕ちてくる残骸に紛れて一機の翼竜が吶喊攻撃を仕掛けてきた。
 亜音速のスピードで迫る鋼の翼。並のキャバリアであれば一刀両断されるであろう一撃を前にしても、バーンは平静を欠くことはない。
「ふん、それで奇襲のつもりか? 恐るるに足らず……」
 そして背部ブーストを蒸かしてマーズは加速。凄まじい速度で両機が交錯する。
「龍よ……地に還るがいい」
 しかして、地を滑ったのは空翔の方であった。
 一瞬のうちに2つの剣戟を叩きこまれた空翔は、両の翼をもがれ機能を停止する。
「なんや、あいつ。滅茶苦茶強いやんけ!」
「今は味方をしてくれたけど、もし敵に回ったら、僕たちに勝ち目はあるのでございますか?」
「分かんねえ……でも、俺達も負けてられねえぜ! 皆急いで修理するんだ。あのオッサンばかりに良い格好させられねえ!」
 バーンの堂々たる戦いは、知らず知らずの内にビークルファイブ達に戦意を与えていたようだ。
 それがどのような結果をもたらすのか、それはまだ誰にも分からない。

成功 🔵​🔵​🔴​

セフィリカ・ランブレイ
ロマン、大事だと思うんだよね
『それで勝てるなら好きにすればいいんじゃない?』
シェル姉…相棒の魔剣は冷ややかに返してくる
士気はとても大事だ。ロマンでそれが上がるなら、決して悪い話じゃないと思う!
『今回は機体、調達してる余裕なかったわね。どうするの?』
私専用機…スプレンディアの準備はあるけど…
超短期決戦仕様のアレじゃ、五分動けば良い所
まだ札の切り時じゃない

相手が飛ぶなら、こっちも飛ぶまで!

【黄槍の飛竜】を使おう
飛竜型に変形可能な魔導ゴーレムだよ
これを足場に、空中戦を挑むよ!

向こうがぶつかってくるなら速さ勝負…と行きたいけど、まずは回避から!
衝撃波の影響を受けにくい角度を見極めてから、反撃!


アルカ・スィエラ
……敵の目の前で馬鹿正直に無防備晒したらそうなるわよ……
出力が劣っても数はいるんだから
それを生かせる戦闘方法を考えるべきじゃないの?
今のままじゃ敵の言う通り「分離状態」は何の為に存在するのよ

アルカ・スィエラ、HMC-X00プロトミレス、交戦する……!
あの感じは、空戦機……?しかも速い……けど、今の私達なら

UCは攻撃回数を重視し、《誘導弾》に敵機を追わせ、《威嚇射撃》で敵回避軌道を誘導し、《第六感》と《見切り》で軌道が素直な代わりに短時間で着弾する《レーザー射撃》の本命を撃ち込む……!

回避についてはミサイルは迎撃、機銃は避けられるのだけ避ける
……なぜか、多少の傷ならいつの間にか消えてるから



 猟兵の奮戦に勇気づけられたビークルファイブの5人は、大急ぎで機体修理に取り掛かっていた。
 その様子を眺めながら、現着したばかりのアルカ・スィエラ(鋼竜の戦姫・f29964)はクロムキャバリア『プロトミレス』のコクピットでため息を吐く。
「敵の目の前で馬鹿正直に無防備晒したらそうなるわよ……。出力が劣っても数はいるんだから、それを生かせる戦闘方法を考えるべきじゃないの?」
「な、なにい!? むぐぐ、だが正論だ……」
 唐突な駄目出しにビークルレッドは白目をむく。
「今のままじゃ敵の言う通り、分離状態は何の為に存在するのよ」
「そ、それは……」
「そりゃあ当然、ロマンの為だよ」
 そう言って現れたのはエルフの女騎士、セフィリカ・ランブレイ(蒼剣姫・f00633)。
 プレートアーマーを身に纏い、黄金の髪と赤いマントを靡かせるその姿には、ある種のロマンが詰まっていた。
「私はロマン、大事だと思うんだよね。ロマンがあるから士気が保てる。立派な戦略だよ!」
『……それで勝てるなら好きにすればいいんじゃない?』
 セフィリカの嬉々とした物言いに、腰に差した魔剣が冷ややかな言葉を返した。
「えー、シェル姉なんか冷たくない? シェル姉だって士気の大切さは分かるでしょ? ロマンでそれが上がるなら、悪い話じゃないと思う!」
 剣と言葉を交わす謎の少女。修復作業の真っ最中であるビークルファイブ達にはその内容までは聞き取れなかったが、セフィリカが自分たちのロマンを理解してくれている事は、頭の残念な彼らにも理解できた。
「やっと、やっと僕達に共感してくれる人が現れたんですね。およよ」
「くっ、目から汗が出て基盤が見えへんで」
「そんな、泣く程嬉しいことなの? 分からないわ。私が眠っている内に、この世界も変わったのね」
 数十年もの間キャバリアごと異界に封印されていたアルカは、自身にない価値観をデータに上書きする。
 だが、彼女の愛機・プロトミレスも奥の手として合体能力を有していた。
(なるほど、ロマンとは即ち隠し玉。逆境を覆す切り札を持つことで、心折れることなく戦地に臨むことができる。……そういう考え方もあるのね)
 どうしても固い考え方をしてしまうのは、彼女が過去に裏切りにあい、心にまで装甲を纏っているが故だ。
 だが、その胸の奥底ではまだ人を信じる気持ちは失ってはいない。
「分かったわ。今はまだ認めることはできないけど、いつか見せてちょうだい。あなたたちの信じるロマンってものを」
 プロトミレスを戦闘モードに移行しつつ、アルカはビークルファイブ達に背を向けた。
 彼らの行末を見るまでは、敵は一歩も通さない、そんな静かな決意を胸に抱いて。
「そのためにも、この場は私達が」
「守ってあげる!」
 先陣を切ったのはプロトミレス。
 その後ろに続くセフィリカであったが、しかし彼女はキャバリアを有していない。武器は腰に下げた魔剣のみだ。
『今回は機体、調達してる余裕なかったわね。どうするの?』
 意思を持つ魔剣『シェルファ』が再びセフィリカに語り掛ける。
「スプレンディアの準備はあるけど……超短期決戦仕様のアレじゃ、五分動けば良い所。まだ札の切り時じゃない。でも忘れたの? 私の本領はキャバリアじゃないんだよ」
 整った顔に猛々しい笑みを浮かべて、セフィリアは空にユーベルコードを解き放つ。
 虹色の門をくぐり召喚されたのは、巨大な甲冑騎士フェインナルド。セフィリカが手ずから作り上げたゴーレムだ。
「さあ、行くよフェインナルド!」
 セフィリカが飛び乗った瞬間、巨大な騎士が黄金の光と共に変形する。
 線の細い甲冑姿だったそれは瞬く間に姿を変え、そこには見るからに速そうな竜が翼を広げていた。
「きゃああああ!! 見たレッド!? ドラゴンに変形したわ!」
「私あれがいい!」
「か、かっこよすぎるゼッ!!」
 これにはビークルファイブも作業の手を止めて大盛り上がり。
 その歓声を背に聞きつつ、セフィリカは翼竜に跨り空へと飛び立った。
「アルカ・スィエラ、HMC-X00プロトミレス、交戦する……!」
 一方アルカはプロトミレスを駆り、飛行船とそれに群がる空翔を見上げるようにして進む。
「あの感じは、空戦機? しかも速い……」
 プロトミレスは近接、射撃装備をバランスよく備えた機体であるが、型式の古さ故に、現代の特化型キャバリアには総合力で劣る部分がある。
 だが、それはマニュアルスペック上の話しだ。
「……けど、今の私達なら!」
 ブーストを蒸かせて迫りくる銃撃の雨を掻い潜り、ミサイルはキャバリアライフルで確実に迎撃。
 多少の被弾は意に止めない果敢な進軍で目指すのは、より多くの空翔に射線が通る狙撃地点(シューティングポイント)。
「システム、オールグリーン。ステララディウス、モードチェンジ」
 その言葉と共にキャバリアライフル『ステララディウス』へと、未知の力が流れ込む。
 それは本来ならば有り得ざる機能。かつてアルカを救った機竜より授かりし、進化の遺伝子だ。
「ターゲット捕捉……シュート!」
 そして撃ちだされた弾丸は空中で竜の軌跡を描き、回避を許さない速さで空翔を撃墜した。
「着弾速度は命中率に比例する。弾道は素直だけど、避けきれないでしょう?」
 そして続けざまにトリガーを引けば、空には次々と小規模な爆発が炸裂した。
「おっと、危なかった。アルカちゃんもやるね!」
 背後に迫る敵機が撃ち落とされる様を視界の端に捉えながら、セフィリカは残る空翔を数える。
 度重なる戦闘で当初の半分以下にまで数を減らしていたが、それでも彼らは撤退の意思を見せない。
 それはオブリビオンマシンの精神汚染によるものか。それとも速さに定評がある機体ゆえに、空中戦では負けはしないという自信の表れか。
「でもお生憎様。速さならフェインナルドだって負けてないよ。七虹最速のその姿! 目に焼き付けることができるかな!」
 翼の両端から空に白い線を刻みながら、フェインナルドは刃翼を広げた空翔の間を巧みにすり抜ける。
 そして魔剣を握りしめたセフィリカは、すれ違いざまに敵機を切り裂きコクピットを破壊した。
「やっぱり! お腹側は衝撃波が薄いみたいだね。変形機だって特化型にだって負けないんだよ! 見たか!」
『あてずっぽうじゃない。違ってたら今ごろバラバラなんだから、もう少し慎重に動きなさいよ……心臓に悪い』
「今のシェル姉に心臓はないでしょ。さあ、どんどん行くよ!」
 こうして機動殲龍の群れは、壊滅寸前にまで追い詰められた。
 飛行船が解放されるまで、もうあと僅かだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シン・ドレッドノート
アドリブ歓迎です。

浪漫を解さないとは残念な方々ですね。
悲しいけど、これも戦争と言うことですか。

空には殲禍炎剣がある以上、射程外になるほどの高空に逃れることは不可能なはず。

愛機・貴紅に騎乗し、瓦礫などの遮蔽物に身を隠して照準を合わせます。
「ターゲット・ロック」
R/BSスナイパーライフルを構え、セレクターで実体弾を選択。
ビームだと軌跡が残りやすく、居場所がばれやすいですし。
「目標を狙い撃つ!」

【異次元の狙撃手】による超長距離からの狙撃で、飛翔している敵を撃ち落していきましょう。

もし敵に発見された場合は、地上をダッシュしながら遮蔽物の間を移動、敵の攻撃にあわせカウンターの射撃で撃ち落していきますね。


ビッグ・サン
「戦いにロマンなんていりませんよ。戦いは数です」

UCで360機のキャバリアを搭載した母艦を呼び出します
パイロットも地獄からよみがえった歴戦の猛者です。

「シンプルに数は強さです。せっかく5体のロボがいるのに合体して一体になるとか弱体化でしかないでしょうに」

母艦からビークルファイブを嘲笑しつつ、カタパルトで発進していくキャバリエを見ていますよ

「左舷弾幕薄いですよ。何やってるんですか」

たまにゴーストに指示しながらブリッジでふんぞり返っておきましょう

負けてたら
「キャバリアの動きが悪いですね」
「学徒兵が多いようです」
みたいな話をして、北宋のツボでも指ではじいておきましょう



「よし、こっちは修理完了だ! 皆はどうだ?」
 基盤を操作してキャバリアが息を吹き返したことを確認すると、ビークルレッドは各機に通信を飛ばす。
「僕も終わりましたよ。でも、このまま再起動しても、未完成な僕たちのキャバリアじゃ結局……」
 それに答えたのは気弱だが頭脳派な青いユニフォームの男。彼の言う通り、ビークルファイブ達のマシンはまだ完全な合体機構を備えていない。
 今の状態で再戦しても、また合体前に攻撃され撃ち落されてしまうだろう。
「くうっ、やっぱり飛行船が積んでるパーツを回収しないことには!」
 レッドは悔し気に拳を握りしめ、煙を噴き上げながら逃げ回る飛行船を見上げた。
 対する飛行船を襲撃していたオブリビオンマシンも、残りは10機前後と壊滅状態。
 しかし撤退という選択肢を持たない空翔たちは、残っている最後の火力を飛行船にぶつけるため速度を上げる。
 彼らが選んだ最後の手段。そう、自爆特攻である。
「おや、もう最終手段に出ましたか。実に“効率的”な戦い方ですね」
 その様子をはるか遠くから眺めながら皮肉を漏らしたのは、シン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)。
 深紅のサイキックキャバリアに乗り込んだ妖狐の青年は、その若々しい見た目にそぐわない達観した口調で、速度を上げる空翔をカメラ越しに観察する。
「効率ばかり優先し、浪漫を解さないとは残念な方々ですね。目先の功績に気を取られて……悲しいけどこれも戦争、と言うことですか」
 溜息を吐くと、シンは紅いキャバリア―貴紅(ノーブル・スカーレット)とR/BSスナイパーライフルに自らのモノクルを同期させる。
 貴紅を待機させていたのは、戦場から優に数キロは離れた廃屋街。その瓦礫の陰に身を隠しながら、シンはスコープ越しに、飛行船に最も近づいている空翔に焦点を合わせた。
「ターゲット・ロック」
 ピピッという電子音と共に、モノクルとリンクした映像モニターにカーソルが表示される。
 そして手元の立体ビジョンをスクロールさせて選択したのは、長距離狙撃用の実弾だ。
「あなた方が浪漫に欠いた行動をするならば私も、効率最重視でいかせてもらいましょう。目標を狙い撃つ!」
 薄く微笑みながらトリガーボタンを弾いたシン。
 それと同時にスナイパーライフルの銃口が火を噴き、次の瞬間にはロックオンされていた空翔の片翼が砕け散った。
「ボタン一つではい終わり。実に効率的でしょう? 些か浪漫は欠けますが……」
 最高速で飛翔していた状態からの被弾では、さすがの空中戦特化型キャバリアでも体制を立て直すことなど不可能。
 片翼を失った空翔は、錐揉みしながら地へと落ち、派手な爆発をあげるのであった。
「ん、ちゃんとパイロットは脱出したみたいですね。さて、この調子でいきましょうか」
「おっと、もう見せ場はあげませんよ。残りは私達がもらいます」
 次弾を装填した貴紅に影が落ちる。
 新たな敵襲かと身構えたシンが目にしたのは、空を駆る巨大な戦闘母艦の姿であった。
「戦いにロマンなんていりませんよ。戦いは数です」
 母艦のブリッジに深々と腰かけて悪い笑みを浮かべるのは、ビッグ・サン(永遠を求める研究者・f06449)。
 シンとは真逆のスタンスを持つ彼は、数を減らした空翔に向けて、正にトドメとなる一撃を繰り出した。
「蹂躙しなさい! 冥府より戻りし歴戦の猛者(パイロット)達よ!」
 号令とともに母艦のカタパルトから飛び出したのは半実体のキャバリア、その数なんと360機。
 ビッグのユーベルコード『幽霊母艦(ゴーストマザーシップ)』によって現世に蘇った幽霊キャバリア部隊である。
「シンプルに数は強さです。私には彼らが理解できませんね。せっかく5体のロボがいるのに合体して一体になるとか、弱体化でしかないでしょうに」
 いったい母艦のどこに格納していたのかと聞きたくなるほどの数のキャバリアが、空を黒く塗りつぶしていく。
 そしてその光景にあんぐりと口を開けるしかないビークルファイブの面々を足元に見ながら、ビッグは実に優越感に満ちた笑みを浮かべた。それはもう高笑いまで上げてしまうほどに。
「ははは。いやはや、これは大人げない」
 瞬く間に勢力図がひっくり返されていく空を見上げながら、シンは苦笑いを浮かべて銃を下した。
 これ以上の戦闘続行はサイキックエナジーの無駄遣いと判断した彼は、次なる戦いに向けて力を温存することを選んだのだ。
 なによりここで自分まで加勢してしまったら、死体蹴りもいいところだ。
 そんなシンの憐憫など露知らず、対する空翔たちはというと、いきなり出現した大軍勢に陣形を乱され、ついに散り散りとなってしまった。
 その間も迫りくる幽霊キャバリアの群れを回避するうちに、飛行船にも完全に逃げ切られてしまう始末。しかし無理に追おうものなら、各方位からの銃撃がその隙を逃さない。
「はっはっは! 圧倒的じゃないか、わが軍は」
 容赦ない数の暴力を前に、残された空翔も次々と撃破されていくのであった。
これには総督もご満悦。
「なんや……わいら、なんでこうまでして合体にこだわってたんかな……」
「泣くなって! グリーン泣くなって!」
「そ、そうですよ! 大国ならともかく、今のビクトリアにはあれほどの戦力はありません! 僕たちにできる戦い方をしましょうよ!」
「ともかく飛行船の救援に行きましょう。そうしたら、今度こそ私たちのキャバリアも完成よ! ね!」
「そうね……はあ、自信なくすなぁ」
 だいぶモチベーションを崩された様子のビークルファイブであったが、彼らもなんとかこの戦いを切り抜けたようだ。
 しかし、オブリビオンマシンの頭目『ブレイジング・バジリスク』はいまだ健在。
 果たして猟兵とビークルファイブは、次なる戦いも勝ち抜くことができるのであろうか。
 そして、ビークルファイブのロボットは無事合体に漕ぎつけることができるのであろうか。
 第2章へ続く。

 デッデデレーデーデーデン♪(CM入りアイキャッチ)

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ブレイジング・バジリスク』

POW   :    ブレイジング・シュート
【ライフルの集中射撃】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    バジリスク・ランページ
【右腕のライフル】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
WIZ   :    エンジンキラー
自身の【オブリビオンマシン】から【漆黒のオーラ】を放出し、戦場内全ての【エンジン】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 デレレデレレレデーデデン♪(CM明けアイキャッチ)

「まさか……っ。まさか我が機空団が全滅だと!?」
 地上に散乱した空翔の残骸を見下ろしながら、ブレイジング・バジリスクのパイロットは目を見開いた。
 更に、倒したはずのビークルファイブもキャバリアごと消えているのだから、その心中は穏やかではない。
「エンジンキラーの直撃で奴らのキャバリアは破壊した筈なのに。ということは、どこからか援軍を呼び寄せたな。おのれ追加戦士とは、小賢しい!!」
 この状況、なにやら違う方面でもブレイジング・バジリスクの怒りの琴線に触れた様子。
 そしてバジリスクは、ならば更なる数の暴力で打ち砕いてやる、とばかりに各所に待機させていた空翔小隊たちに援軍要請を飛ばす。
 もちろんその間にドローンでの周辺の索敵も忘れない。
「ふぅん! 小隊が集まる頃には、奴らの潜伏先も見つかるだ……見つけたぞ!」
 すぐ見つかった。
 ドローンを飛ばすまでもなく、少し離れたポイントに、着陸した飛行船とキャバリアらしき影が見えたのだ。
「逃げも隠れもしないとは、本当に本当に悠長な奴らだ! ならばせっかく拾ったその命、今度こそこの手で磨り潰してくれる!!」
 背部ブースターからどす黒い炎を噴き出すと、ブレイジング・バジリスクは援軍の本隊を待たずして、飛行船に向けて発進する。
 一方のビークルファイブ。飛行船からキャバリアパーツを荷受けして、現在せっせと取り付け中!
 果たして彼らはブレイジング・バジリスクに立ち向かうことができるのか!?
 急げ猟兵! 彼ら(の見せ場)を守れるのは君たちしかいない!

※第2章追加ルール
 空翔小隊、接近中!
 ブレイジング・バジリスクに加勢する形で、毎回数機の集団敵・空翔が出現して妨害してきます。
 これに対抗するには、MS文でも触れましたが、皆さまの合体への情熱などを語る必要があります。
 具体的に言うとボス敵や、背後で作業を行っているビークルファイブにロマンを説くプレイングをすると、自信を無くしかけているビークルファイブがやる気を出して、なんらかの方法で空翔を迎撃してくれます。
 援軍ごとボスを倒してやる! という方や、合体のロマンに賛同できないスタンスの方は、難易度が上がりますがそのままプレイングを送っていただいても大丈夫です。
 その場合、空翔は基本的に機銃での空中火力支援でこちらを妨害してきます。
シン・ドレッドノート
どうやらビークルファイブの皆さんは無事なようですね。
共和国の平和を守るため、彼らにはやる気を出していただかないと。

そもそも合体してフルパワーが発揮されると言うのは、裏を返すと、分離中は無駄なパワーを消費しないと言うことでもあるのです。

分離合体のメリットを理解した上で、適した戦法を取ることができれば、ビークルファイブの実力を最大限に発揮することができるでしょう。

と、言うことで。
今回の私は援護射撃がメインです。

「踊れ!紺青の剣劇!」
召喚したビットで敵を迎撃、合体中の彼らを守りつつ、合体後は背後にビットをVの字に配置し、決めポーズを演出しましょう。

さぁ、今こそ、そのフルパワーの一撃を見せてください!


セフィリカ・ランブレイ
本当は私は迎撃に出るべきだけど
私もキャバリア設計経験のあるそれなりのメカニック。ビークルファイブの機体整備に回るよ!

ロマンを掲げるなら勝って!勝てないロマンはただの道楽!

私は君達に勝って欲しい。だから、機体を弄らせてね!

私のゴーレム、【藍盾の聖女】をバラしてビークルに組み込む
合体時に小型ビットが射出されバリアを展開するの。合体妨害への対策になるよ

次は【蒼斧の武者】の機能を搭載!
これは、主題歌を流してそれに希望を感じた人がいるほど力を増す
流すのは勿論彼らの主題歌!

彼らが今まで培ってきたロマンが確かなものなら皆が応援してくれるはず
共和国に向けて、彼らの映像を流す準備をしつつ私も彼らを応援しよう!


アルカ・スィエラ
あなた達、合体すれば多数を相手取れる?何故って、数というのは何も兵数に限らな…
……っ!!危ない!!(攻撃から庇い中破、衝撃で意識を飛ばす)

止めを刺されそうなその時、虚空より大型の機竜が現れ機体回収、
咆哮と同時に《衝撃波/捕縛/オーラ防御》のフィールド展開し敵機群を怯ませ拘束しつつ守りも固め、大型スーパーロボット、皇竜戦機アルカレクス・ドラグソリスへと融合合体します

そのまま敵機群へUCでホーミングレーザーの雨を降り注がせ数を減らし、「強力な個が多勢を凌駕する例を示しつつ」残った敵指揮官機へと『ストライクスマッシャー』を放ち吹き飛ばします

この間アルカは安否不明、機体は戦闘後気付けば元に戻っています



「おいおい、もう見つかっちまったぞ! まだ新パーツの組み込みが終わってないってのに!」
 迫りくるブレイジング・バジリスクとその配下の一団に気付いたビークルファイブの面々は、焦りを露にする。
 まだ調整が終わっていない機体では、奴らを相手にすることなど不可能だ。
 と、その時。
「踊れ! 紺青の剣劇!」
 どこかから飛来した蒼いソードビットが、突撃してくるキャバリアを牽制した。
「どうやら無事だったようですね。貴方たちには共和国の平和を守るためにも、やる気をだしていただかないと」
 そう言って戦場に乱入してきたのは赤いサイキックキャバリア。
 それに乗り込んだシン・ドレッドノートはそのまま2種類のビットを多数展開して、援護射撃を続ける。
「ちっ、貴様ら猟兵か。ふん、援軍が来たとは思っていたが、まさかどこの馬の骨とも知れない奴に助けを求めていたとは。笑止、ビークルファイブ!」
 ライフルビットの狙撃をブースターによる加速で躱しながら、ブレイジング・バジリスクは嘲り笑う。
「それに、貴様も俺と渡り合うには些か火力が足りていないようだな? これがライフルの本当の使い方だ!」
 そういうと、バジリスクは右腕に装備したライフルを巨大化。その銃口、否、砲塔をビークルファイブがいる飛行船へと向け、超巨大な弾丸を発射した。
「あいにく、今日の私は援護のために来ているのでね。それに、助っ人は私だけではありません」
「プロトミレス、交戦を開始する!」
 撃ち出された弾丸の軌道に、一機のクロムキャバリアが割り込んだ。
 アルカ・スィエラが操縦するプロトミレスは、レーザー式の大剣で弾丸を受け止めると、刃を回転させてその軌道を逸らすことに成功した。
「今の私には合体のロマンなんて分からないわ。でも、彼らを守ると約束したの。私が答えを出すのは、彼らが再び立ち上がったその時よ」
 アルカが弾き飛ばした弾丸は、でたらめな軌道を描いて彼方へと飛んで行き、着弾と共に生じた暴風が辺りを大きく揺さぶった。
 もし直撃しようものなら、ただでは済まないだろう。
「さあ、今のうちに。私も整備を手伝うよ!」
 一方、激しい攻防の衝撃に耐えていたビークルファイブの元には、セフィリカ・ランブレイが駆け付けていた。
 セフィリカはゴーレム技師であるが、キャバリアの設計にも一日の長がある。
 彼女は整備に手間取るビークルファイブを押しのけると、手製のゴーレム【藍盾の聖女】のパーツを召喚して、ビークルの中に組み込んでいく。
「お、おい。嬢ちゃんはさっきのドラゴン乗りだよな。確かに腕は確かみたいだが、勝手俺たちのマシンを弄られちゃ……」
「あなたたち、本当に勝つ気があるの? ロマンを掲げるなら勝って!! 勝てないロマンなんてただの道楽よ」
 視線をそちらに向けることなく、セフィリアは一喝する。
「私は君たちの戦う姿が見たい。勝ってほしい! だからそのために、今の私ができる最高のフォローをしてあげたいのよ!!」
 つい先ほどまで死と隣り合わせの戦場で戦っていた少女が、今は顔を煤で汚しながら自分たちのために必死に頑張ってくれている。
 その事実とセフィリカの熱い言葉は、ビークルレッドの胸を強く震わせた。
「……分かった! だが嬢ちゃんにばかり頼ってたら必勝戦隊の名が廃る。よーし、俺たちも全力で直すぜ!」

 そして場面は戻り戦場。
 バジリスクの砲撃をなんとか食い止めていたシンとアルカであったが、空翔部隊からの支援射撃もあり、じわじわと戦線を押し下げられていた。
「やはりあの数は厄介ですね。敵の援軍も増えているようですし……」
「ええ。でも、弱音ばかり言ってられないわ。耐えるのよ」
 とは言え、シンの言う通りレーダーは更なる援軍が迫っていることを示している。
 このままでは突破されてしまうのも時間の問題だ。
(でも彼らは本当に合体すれば多数を相手取れる?)
 多数というのは兵力数だけではない。バジリスクという強大な敵と、彼らは果たして拮抗し得るのだろうか。
 そんな一抹の不安を抱えたアルカは、一瞬……ほんの一瞬だけ飛行船へと目を向けてしまっていた。
 そして戦場に視線を戻せば、そこにあったのは再びライフルを飛行船へと向けているブレイジング・バジリスクの姿。
「……っ!! 危ない!!」
 大剣の耐久値ではもうあの砲弾は防ぎきれない。
 咄嗟にそう判断したアルカは、プロトミレスを駆って身を挺して銃撃を受け止めた

「愚かな判断だな。ここでくたばれ! ブレイジング・シュート!」
 幾度となく降り注ぐ銃弾の雨の前に、見る見るうちに装甲を削り取られ、遂に制御中枢を傷つけられたプロトミレスはその場に膝をつく。
「アルカさん!」
 シンが呼びかけるも、アルカからの反応はない。
 一機ではあの軍勢は防ぎきれない。正に絶体絶命。
 だが、その時であった。
「ビークルマシン発進!」
 絶望の空に響き渡ったのはスピーカー越しの大号令。
 そして、それと同時に戦場に飛び込んできたのは、5色のキャバリア部隊であった。
「ブルースワロー、行っきますよー!」
 飛行型の青いキャバリアが空翔を牽制し、その隙に赤いキャバリアに先導された3台がブレイジング・バジリスクに向けて各々の火力を集中砲火する。
「なにっ! 貴様ら、また性懲りもなくしゃしゃりでて来たか。しかも始めから合体もせずに!」
「応ともよ! わいらは猟兵達に教えられたんや。数の力も時には大事だってな!」
「でも、合体を捨てたわけじゃないわよ?」
「確実に勝つために常に最善の手段をとって、最後に合体した私たちのスーパーパワーで押し切るの!」
「それがロマンで勝つということでございます!」
 見違えたような動きを見せる各機の連携攻撃に、ブレイジング・バジリスクは徐々に動きを鈍らせていく。
「分かってくれたようですね。そもそも合体してフルパワーが発揮されると言うのは、裏を返すと、分離中は無駄なパワーを消費しないと言うことでもあるのです」
 そんなビークルファイブの戦いを、シンは冷静に分析する。
「分離状態でのメリットを理解した上で、適した戦法を取ることができれば、皆さんは実力を最大限に発揮することができるでしょう。ということで……」
 そしてシンは満足げな笑みを浮かべると貴紅を一旦後退させ、ソードビットとライフルビットの制御に全サイキックエナジーを集中させた。
「私も私の土俵で……私のロマンをふるわせてもらいます!」
 全力展開した【紺青の剣劇】は100に近い数となって戦場を埋め尽くし、迫る空翔の群れを迎撃する。
「いいぞいいぞー! よーしビークルファイブ、今がチャンスだよ!」」
 飛行船に留まって何やら作業をしていたセフィリアが両手を振って彼らに合図を出す。
 そう、今こそ『その時』であった。
「了解だセフィリア! よっしゃあ、皆行くぜえ!」

『必勝合体!!』

 レッドの号令と共に、5台のキャバリアは宙を舞う。
 レッドのキャバリアは胴体に、青とピンクは両腕、黄色と緑は両脚の形状に変形!
「そうはさせるか!」
 だが隙を見せたビークルファイブを見逃すほど、ブレイジング・バジリスクも甘くはない。
 再び奴らのキャバリアを打ち落とそうと、暗黒のオーラを放射した。
「残念ながら、こっちだって2度も同じ手は食わないよ。クリスティーエ・システム、起動!」
 セフィリカの合図と共に、ビークルマシンに組み込まれていた彼女のゴーレムが覚醒!
 その瞬間、合体間際の機体がバリアで覆われ、バジリスクの黒い波動を遮る壁となった。
 更にシンの操作するビットもビークルファイブの周囲を飛び回り、迫りくる空翔を蹴散らしていく。
「ナイスだよシンくん。よーし、ここで配信開始! ミュージックスタート!」
 そしてセフィリカは組み込んだ第二のゴーレム【蒼斧の武者(ガイレツオー)】のシステムも起動。
 聞くものに希望をもたらし、力を授ける音色を奏でる伊達役者の力を解き放つ。

『挿入歌 絶対勝利ビークルロボ』
 唸るエンジン~、正義のタフなボディ~。
 5人の勇者の姿を、今1つに~。
『必勝合体!』(セリフ)
 戦え、戦え、ビクトリー。
 愛する皆の平和のために~。
 勝ち抜け、勝ち抜け、ドリーマー。
 絶対勝利さ、ビークルロボ!!

 大音量で響き渡るのは、ビクトリア共和国で大人気の彼らのテーマ曲。
 その音色に後押しされ、ビークルファイブのキャバリアはついにドッキング。
 シンのビットがその背後で連結し、巨大な『V』の文字を描いて彼らの雄姿に花を添える。
『完成! ビークルロボ!!』
 大地に降り立ったビークルロボは各接合部から蒸気を噴き出して、咆哮にも似た勇ましいサイレンを響かせた。
「お、おのれぇええー!! 俺の目の前でヒロイックな合体などしおって! その図体ばかりデカいロボットが貴様達の墓標だ!」
 怒りに打ち震えるブレイジング・バジリスクが、その右腕のライフルからありったけの弾丸を吐き出す。
 しかし遂に全開の出力を得たビークルロボは、全身に備え付けられたブースターを吹かせて急速発進。その集中射撃を掻い潜っていく。
「甘い! 絶対勝利の名は伊達じゃないぜー!」
 そしてビークルロボは一気に跳躍すると、右拳をブレイジング・バジリスクの胸に叩きつけ、ゼロ距離からの砲撃でその体を大きく吹き飛ばした。
「ピンクマグナム!」
「ぐあああああ!!」
 ちなみにこの戦いはセフィリカの計らいにより、ビクトリア共和国に絶賛生中継中。
 本国内では皆がモニターに噛り付いて、ビークルファイブに声援を送っていた。
「聞こえるか、皆の声が……」
「ええ、なんだか力がみなぎってくるわ!」
 着地と同時に再びポーズを決めるビークルロボ。
 バジリスクはそれを忌々し気に見つめると、集まった部隊に一斉攻撃を命じた。
 それに応じた空翔は陣形を組んで一斉に銃口をビークルロボに向け……そして、虚空より飛来した閃光に吹き飛ばされた。
「な、なにが起こった!」
 事態がつかめないバジリスクを見下ろしながら、旋回を続けるのは機械仕掛けの飛竜。
 飛竜は地に膝をつく一体のキャバリアープロトミレスを見止めると、雄たけびを上げて急降下。辺りを眩い光で包み込んだ。
『グルゥオオオオオオオゥ!!』
 光が収まった時、そこに立っていたのはビークルロボにも負けず劣らずの巨大なキャバリア。
 プロトミレスは今、皇竜戦機アルカレクス・ドラグソリスへと合体を遂げたのだ。
「ビークルファイブに続き貴様までも……どこまでも忌々しい奴らだ!」
『…………』
 二体の合体ロボと対峙したブレイジング・バジリスクは更に怒りを露にして、空翔部隊と共にライフルを薙ぎ払うようにして連射する。
 だが、そんな力任せの攻撃が通用するはずもなく……。
「オーバーヒート寸前まで加速する。あんたも一緒に行こうぜ!」
『…………!』
 アクセル全開で発進したビークルロボに続いて、アルカレクス・ドラグソリスも飛翔し、機体各部に装備した結晶にエネルギーを充填。
【BS-BXステラ・プルウィア】!
 そうして打ち出されたホーミングレーザーは、空に舞う小型機を圧倒的な力で殲滅していった。
 そしてその間にも、両機はバジリスクへと急速接近。
「イエローショベルキック!」
『…………!!』
 ビークルロボの強烈な蹴撃とアルカレクス・ドラグソリスのドリルパンチが炸裂!
「ぎ、ぐ、ぐおおおおおおおお!!」
 更にロケットパンチの如く打ち出されたドリルにより、ブレイジング・バジリスクは戦場の彼方へと吹き飛ばされたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユーリー・ザルティア
合体は非効率的だって?
まあキャバリアの性能を数字でしか見えない奴が言いそうなことだよね。
合体というのは数値では測れない。そんな仲間との信頼の力を束ねたとき真の力が発揮するものさ。なんせ信じあう仲間と共にあるんだ。
一人じゃない。
1+1の答えの値が無限に存在する。それが合体なのさ。
理不尽かい?それは貴様が一人だからだ!!!それが敗因と知れッ


ふう、ちょっと熱くなったね。でも戦いはクールにいくッ
さて、レスヴァントからレーザーサイトを照射して敵機にマーキング。

ボクの『操縦』テクで巻き添えを受けないうちに後退するよ

しかし、オブリビオンマシンさすがに硬いね。それともアレはギャクキャラ補正だったのかね


ナイン・ダブルワン
バジリスクが放った弾丸が飛行船をとらえる寸前
白いトレーラーが颯爽と前に出て、コンテナが吹き飛ぶと同時に現れる剛腕の巨人

同じ特機として見てられんな!
合体はロマン、それは確かや……だがな!
それを悠長に待ってくれる奴なんておらん!
人が話してる最中やろがい!邪魔すんなや!

UC【アングリッフフォルム】を発動
そこら辺のうっとおしい鳥を剛腕伸ばしてグラップル!
横から撃ってくるバジリスクに対してそれを投擲

お前たちは合体しないと心が一つにならんのか!違うやろ?
なぜマシンが5機もありながら、合体するチャンスを作らん!
お前らは5機に分かれていても心は1つや!それを忘れんなや!
今回は時間稼ぎしたる!はよ合体せいや!



 ブレイジング・バジリスクを殴り飛ばした直後、ドラゴンと合体していた猟兵のスーパーロボットは、強制的に分離して動きを止めた。
 そして、ビークルファイブ達が乗り込んだビークルロボも無理な加速が祟り、各所から蒸気が噴き出していく。
「やばいです! こっちもオーバーヒート直前ですよ!」
「せっかく強化してもらっても、まだ万全には力を振るいきれないか……よし、勇気の必勝分離だ!」
 レッドの号令と共に、再び5台のキャバリアに分離したビークルファイブ。
 なんとか排熱を間に合わせると面々は顔を見合わせ、バジリスクを吹き飛ばした方角へ向けて再出撃する。
 彼らには確信があったのだ。まだ奴は倒し切れていないと。
 そうして走り出して暫し後、彼らは信じられない物を目にした。
「な、なんだと!?」
 それは先程とは比にならない程の量の空翔の軍勢。
 そしてそれらを引き連れて布陣するブレイジング・バジリスクの姿であった。
「ふふふ……吹き飛ばしてくれたお陰で、ようやく援軍の本体と合流することができたぞ。残念だったな、ビークルファイブ……って、なんでまた分離している! そこまでして、俺に合体を見せつける気か!」
「こっちにも都合があるんだよ! それに、もう合体の弱点は補った。もうお前に俺たちを止めることはできないぜ!」
 そう言って、ビークルファイブは再び陣形を組む。
 猟兵達から教わった確実な合体方法。5台のキャバリアの一斉攻撃で敵に隙を作り、その間に合体する作戦だ。
 だが一度見ている以上、ブレイジング・バジリスク側も対策済み。
「甘い! 貴様らにはもう二度と合体などさせん!」
 バジリスクは攻撃指令を飛ばし、空翔部隊に集中砲火を命じる。
 狙いは合体の要、レッドビークルだ。
「ぐ、ぐわああああ!」
 残された4台が必死に敵機を牽制しても、レッドのみを狙う執拗な集中攻撃は常にどこかから飛んでくる。
 そのせいで、彼らは思うように合体のタイミングを掴めずにいた。
「やはり、貴様が号令を出さねば合体は出来ぬようだな。これで分かっただろう。合体など非効率! 戦いで物を言うのは数と力よ!」
 その間にブレイジング・バジリスクもライフルをレッドビークルにターゲッティング。情け容赦のない弾丸の雨を吐き出した。
「終わりだ! ブレイジング・シュート!」
「ちょい待ちーいっ!!」
 とそこに飛び込んできたのは、猛烈な土煙を上げる1台の白いトレーラー。
 車線上に割り込んだトレーラーはそのコンテナを盾に、ブレイジング・バジリスクの掃射から、身を挺してレッドビークルを庇う。
 それにより、あっという間にハチの巣にトレーラー。しかし……。
「あだだだだだ! ……なんてな。ウチにそんなん効かんわ!!」
 粉々になったコンテナから飛び出した剛腕の巨人が、見事にその攻撃を防ぎ切った。
「同じ特機として見てられんな!」
 白い剛腕の巨人―『ヴァイスファウスト』に乗り込んでいたのは、ナイン・ダブルワン(剛腕巨兵ヴァイスファウスト・f24396)。
 彼女は持ち前の剛健さと医療技術で各地の戦場を飛び回る、粗忽な白衣の天使だ。
「合体はロマン、それは確かや……だがな! 今みたいに、それを悠長に待ってくれる奴なんておらん!」
 守り抜いたレッドビークルに背を向けたまま、ナインは尚もこちらに銃口を向ける空翔たちに視線を向ける。
「また守られちまったな。ふっ、俺たちもまだまだだ」
「かまへん。今はウチが何度でも守ったる。でもな、お前らは5機に分かれていても心は1つや! それを忘れんなや! って……」
 ナインはヴァイスファウストの伸縮アームを伸ばすと、更なる支援射撃を行おうとした空翔を鷲掴む。
「人が話してる最中やろがい! 邪魔すんなや!」
 そして握りしめたままの空翔を力の限り振り回して、辺りを薙ぎ払った。
「今回は時間稼ぎしたる! はよ合体せいや!」
「おおきに姉ちゃん! なんや俺とキャラが被っとる気もするが、多めに見といたるわ」
 その隙に緑色のダンプ型ビークルがミサイルポッドを撃ちだして、辺りに煙幕を張りながら仲間を誘導し、今度こそ合体陣形を完成させる。
「何故だ……何故だ何故だ! 猟兵どもはなぜそうまでして奴らに肩入れする! ロマンなどといいう無用の長物を掲げ、合体などという非効率な手段に固執するような愚か者どもに!」
 またもや現れた助っ人の存在に半狂乱になりながら、ブレイジング・バジリスクはそのボディから黒いオーラを滲ませる。
 奴の怒りの具現であるそのオーラは、搭乗者の命すらも削って、機体の力を高めていった。
 そしてキャバリアのエンジンを強制停止させる波動『エンジンキラー』を打ち出す、その刹那。
「合体は非効率的だって? まあキャバリアの性能を数字でしか見えない奴が言いそうなことだよね」
 真横から飛び込んできた苛烈な銃撃が、ブレイジング・バジリスクの発射姿勢を乱した。
 見れば、そこに仁王立ちしていたのは見たこともないカスタマイズを施された、正体不明のコンバットキャバリア。
 ユーリー・ザルティアの乗り込む『レスヴァント』あった。
「合体というのは数値では測れない。仲間との信頼の力を束ねた時、真の力が発揮されるものなのさ。なんせ信じあう仲間と共にあるんだ。……1+1の答えの値が無限に存在する。それが合体なのさ」
「そんな戯言にほだされてたまるかあっ!」
 尚も撃ちだされるレスヴァントの銃撃をバーニアで躱しながら、ブレイジング・バジリスクは再び力をためる。
 しかし、なぜか思うようにエネルギーの充填がすすまない。
(どういうことだ!? まさかあの女の言葉に、俺が心が乱されているとでも……)
「理不尽かい? それは貴様が一人だからだ!!!それが敗因と知れッ!」
 そしてユーリーはバジリスクをレーザーサイトで捉えながら、空に向けて信号を送る。
 それはこの世界―クロムキャバリアの理を歪める禁断のユーベルコード。
「この世界≪クロムキャバリア≫の厄災……利用させてもらうよ。【ゲンドゥル】!」
「なっ、このエネルギー反応……まさか!?」
ユーリーが放った信号は殲禍炎剣のターゲットを誤認識させる。
そして天空から飛来した衛星攻撃が、バジリスクごと周囲の有象無象を焼き付くした。
「バンク省略で合体完了って……うおわああ! 無茶苦茶するな、あの猟兵!」
 猟兵達が敵の攻撃を引き受けている間に、素早く合体オペレーションを行っていたビークルファイブ達。
 殲禍炎剣の打ち出したレーザーの衝撃波に揺さぶられながらも、彼らは再びビークルロボを完成させることに成功した。
「だけど、まだ奴さんはギリ生き残ってるみたいやな。今がチャンスやで。ほな、一緒に行こか!」
 そこに並び立つのはナイン。
 リミッターを一段階外してヴァイスファウストの格闘性能を引き出した彼女は、一足早くブレイジング・バジリスクへと突撃した。
「ああ、せっかく皆が作ってくれた見せ場だ。遠慮なくぶちかますぜ!」
 それに続き、ビークルロボもアクセル全開。
 全身に取り付けられたバーニアを一斉に吹かせた急加速は、あっという間にヴァイスファウストを振り切り、ボロボロになったバジリスクに肉薄する。
「お前のおかげで俺たちはまた一つ成長できた。冥途の土産にくらっていけ! これが1000%の力を引き出した俺たちの力だ!」
「くっ、来るなあああ!」
 取り出したるはビクトリア共和国謹製の超粒子ブレード。放つは必殺の一撃!
 更には追いついたヴァイスファウストの剛腕も加わって……。
「ケンカモードや! 本気で行くで!」
『ビークルソード! フルアクセル・フィニッシュ!!』
「俺は認めん! 絶対に認め……ぐわああああああ!!!」
 斬撃一閃! 剛腕無双!
 そして二激の必殺技をくらったブレイジング・バジリスクは、遂に盛大に爆散したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『キャバリアコンペ』

POW   :    これは近接格闘戦を目指した型か

SPD   :    ふうん、遠距離の砲戦型ね

WIZ   :    土木作業用とのマルチロール機!?

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵達とビークルファイブの活躍により、ブレイジング・バジリスクは爆炎に沈んだ。
 ビクトリア共和国に平和が戻ったのだ。
 その様子を中継越しに見ていた人々は大いに沸き立ち、自分たちも彼らの活躍に負けてはいられないと、市井はより活気づいた。
 ビークルファイブの面々も例に漏れず、ビクトリアの人々は皆活発で、熱血漢な性格の者が多い。
 そんな彼らが勢いづけば、大掛かりなイベントもあっという間に開けてしまうというわけで……。
 明くる日、朝一番に都市部の主要倉庫街に張られたのは大きな大きな横断幕。
『ありがとう猟兵さん記念 キャバリアコンペ大会』
 そう、あれよあれよという間にキャバリア技術の見本市が盛大に開かれることとなったのだ。
 ちなみにこのコンペには、共和国の救世主である猟兵達に、自分たちの技術を活用してほしいという国民達なりの恩返しの意味も込められているらしい。
 見本市を見て回れば、そこかしこに見たこともないようなキャバリアや、各種武装や補助パーツの数々が並んでいる。
 共和国の技術者たちが日々研鑽を重ねるテクノロジーは、ビークルロボの戦闘能力を見ればわかる通り、どれも非常に高出力且つロマン味あふれる仕上がりとなっているのだ。
 ……実用性が低いとか言ってはいけない。はまれば確かに強いのだ。本当なのだ。
 猟兵諸君にはもちろんこの見本市で買い物をしたり、自由に散策する許可がおりている。
 果たして、掘り出し物は見つかるだろうか?

 ※追記
 見本市に置いてあるアイテムは、世界設定や公序良俗に反しない限り、自由にプレイングで描写してかまいません。
 上記の通り、お国柄上ロマン武器系が多い傾向にありますが、探せばそれ以外の物ももちろん置いてあるでしょう。
 本章はそれらのアイテムに対する評論、値切り、ツッコミなどを楽しむシナリオとなっています。
 また散策の途中で、遊びに来ているビークルファイブの面々と鉢合わせするかもしれなません。その辺りのこともプレイングで指定していただければ幸いです。
 それではビクトリア共和国の平和な日常をお楽しみください。
 
シン・ドレッドノート
「さて、私の貴紅が装備できそうなものはありますかね…?」

見本市と言うのは歩いて見ているだけでも楽しいものですね。
それがキャバリアの関連技術となれば、SSWのオーバーテクノロジーとは違う楽しみがあるというものです。
面白い物があれば、色々買い物していきますね。

銃器が並んでいる一角に足を運んで、どのようなものがあるか見ていきましょう。
せっかくですから、出展している方とお話してみたいですね。
ちなみに私のスナイパーライフルは相手によって、実体弾と粒子弾の切替ができるハイブリッド仕様。
ちょっと面白い仕様でしょう?

ところで、そこの電磁砲、少し試射してみてもよろしいですか?
先ほどから気になっていたんですけど。



 本日は快晴。絶好の買い物日和なり。
 さっそく散策に繰り出したのはシン・ドレッドノートだ。
「見本市と言うのは歩いて見ているだけでも楽しいものですね」
 ビクトリア共和国の人々は皆明るく、この国にとって新顔である彼にも隔てなく笑顔で接してくれる。
 押し売り一歩手前まで詰め寄られて宣伝されることも間々あるが、それもまた人々の活力の表われであった。
「さて、私の貴紅が装備できそうなものはありますかね…?」
 今日のシンのお目当てはこの世界、この国にしかない技術の見学だ。
 スペースシップワールドに馴染みの深い彼にとって、他世界のテクノロジーは、また違った趣があって見ているだけでも面白い。
(もし面白いものがあれば、いくつか買って行ってもいいかもしれないですね)
 そんなことを考えながら歩いていたシンの目に飛び込んできたのは、キャバリア用の火器を扱う専門店。展示してあるのは電子砲だろうか?
「失礼、こちらのカタログを見てもいいですか?」
「いらっしゃいませーって、きゃー! もしかして昨日戦っていらした赤いキャバリアのパイロットさんですか? すっごく素敵な戦いでしたー!」
 出店に入るなり、売り子の女性から黄色い悲鳴が上がる。
 美形で(見た目は)若くて腕も立つ。何より今最もホットな戦士達の一人の直々のご来店ともなれば、色めき立つのも仕方ない事だろう。
「お兄さんのキャバリアって射撃タイプのサイキックですよね? でしたらおすすめできる商品がいろいろありますよー」
 だが、色と商売は別物のようだ。どの国でもどの世界でも女性はたくましい。
「ええ、ちなみに私のスナイパーライフルは相手によって、実体弾と粒子弾の切替ができるハイブリッド仕様。ちょっと面白いでしょう?」
「なるほど、1つの兵器で2種類の装甲の敵を同時にカバー出来るんですね。あ、変形とかします!? 排莢ギミックは!?」
「あはは。ま、まあ……ほどほどに」
 どんどん前のめりになってくる女性店員に押しやられつつも、シンも笑顔を絶やさず受け答える。
「あー、想像しただけで格好いい……でも、それならケミカル兵装は持ってないのでしょうか? 簡単にいうと火薬による爆発や、焼夷攻撃で衝撃を与える武装なんですけど。ほら、こういうの」
 そう言って店員はカタログのページをめくる。
 指で示したのはロケットランチャーやヒート弾頭などが記載されている項目だ。
「ケミカル武装は弾速が遅いだとか、ロックオンできないとか、まっすぐ飛ばないとか色々悪口言われますけどね、近づけばいいんです。当たれば強いんですよ! 装甲もバリアも至近距離の爆発の前には紙切れ同然! ね、ね、硬いキャバリア相手に重宝すると思いません?」
「な、なるほど。メリットよりデメリットの方が多かった気もしますが、参考にしますね。ところで先ほどから気になっていたんですが、裏にディスプレイしてあるのは電子砲ですよね? もし可能なら試射させていただけませんか?」
「あ、あー、CTE式レーザーキャノンですか。ケミカル弾頭をエネルギー武装で撃ちだすウチの最新の試作機なんです。超高威力、超長射程、超高弾速が謳い文句です! が、いかんせんチャージ時間とロックオンとのブレが問題で……いや、お兄さんの腕前ならもしかして……ぜひ試してみてくださいな!」
 そんなこんなで、あれよあれよという間に試射用のキャバリアに乗せてもらうことになったシン。
 慣れない量産型キャバリアであったが、問題なく動かせそうだ。
 そして肝心のCTE式レーザーキャノンの性能はというと……。
「なるほど、ロックオンサイトのブレが大きい。このブレ幅のどこかに飛んでいくというなら、精密射撃は難しそうですね。さすがはビクトリア製といったところでしょうか……では、威力の程は」
 都市部の郊外から広がる無人地帯に設けられた広大な射撃場。
 その中でも最も遠い場所に備えられた的にサイトを合わせ、シンは大きく息を吸い込んだ。
 そしてピタリと息を止め、ターゲットサイトのブレに意識を集中する。
 たっぷり約8秒のエネルギーチャージの後……、
「……そこ」
 的にサイトが重なった瞬間から、敢えて一拍遅らせたタイミングでトリガーを引く。
 レーザーキャノンの砲身から青く棚引く閃光が伸びると、その直後、はるか彼方で巨大な爆炎が立ち昇った。
「なるほど、超高弾速は伊達じゃないですね。それにあの爆発力なら、掠りさえすれば少々のブレは問題にならない、と。使いどころは選びますが、いい武器です」
「す、すっごーーい! このレーザーキャノンであんな遠くの的に命中させた人なんて初めて見ました! うっわー、これ当たるんだぁ」
 嬉しそうな声に誘われ視線を横にやれば、試射用キャバリアの横で売り子の女性がキャイキャイとはしゃいでいる。
 いや、まさか当たる気がしないような武器を売るつもりだったのか?
「いえいえ、的の中心は外してしまいました。動く相手に当てるには、まだ修練が必要そうです」
 そう言って、シンははにかみながら試射機を降りる。
 なにはともあれ性能は確かめた。ここからは商談の時間だ。
 心なしか正面の女性から、憧れやその他いろいろが交じり合った熱い視線が向けられている気もするが、それは今は気にしないことにしよう。
「まだ検討段階ですが参考までに、こちらはお幾らでしょうか?」
  

大成功 🔵​🔵​🔵​

セフィリカ・ランブレイ
ビークルファイブ、もう少し触りたかったな
合体時のフォローがないのは確かだけど戦闘中に殴り合いをしても分離合体を繰り返せるドッキング機構の強靭さは見習いたい
必殺兵器も威力があった、調べたい

出す機会こそなかったけど、私のスプレンディアも浪漫機なのだ
戦闘力こそ絶大だが稼働時間5分、搭乗者の疲労度外視、メンテ複雑の怪物

性能は落としたくない。汎用性は高めたい
我儘だけど何かいい方法はないものか、と町を巡りながら考えているのだが……

何かひらめきを与えてくれるものはないだろうか

……そっか、合体だ!
抑制パーツと合体して普段は機能を抑える
分離した抑制パーツ自体にも自立戦闘能力を与えれば再利用ができる!
これだー!



 置き連ねられた複雑な鋼の塊。
 セフィリカ・ランブレイが見て歩いていたのは、キャバリアコンペの中でも特に技術者向けの、内部パーツエリアだった。
「これがビークルロボに実際に使われている姿勢制御パーツか……ビークルファイブ、もう少し触りたかったな」
 思い返すのは昨日の戦い。
 彼らのキャバリアの調整に助力したセフィリカは、その内部構造を細かに記憶していた。
 そして、その後も後方支援に携わりながら、ビークルロボの性能を観察し続けていたのだ。
「合体時のフォローがないのは確かだけど、戦闘中に殴り合いをしても分離合体を繰り返せるドッキング機構の強靭さは見習いたい。必殺兵器も威力があった、調べたい……」
 ぶつぶつと呟きながら、食い入るようにパーツを見つめるセフィリカ。
 一般人には用途不明な小さな部品すらも、技術屋であるセフィリカには超重要な一品であった。
(この前は彼らのフォローに当たったけど、最初は私のキャバリア……スプレンディアを戦闘に投入するつもりだったんだよね。でもスプレンディアもビークルロボに負けず劣らずの浪漫機。実用性ならどっこいどっこいかもしれないなぁ)
 彼女が駆るスプレンディアは魔道技術と精霊魔法で復元された機体。
 戦闘力こそ絶大だが、しかし燃費と反動面で運用上のデメリットも数多く残っている。
 セフィリカが今回コンペに参加した目的は、その愛機の更なる強化と実用性の底上げのヒントを得るためであった。
(私だけのキャバリアだもん。私の浪漫だって詰め込みたい。そのためには高機動力は確保しつつ余剰出力を抑えて、汎用性は高めて……)
「うわー! 一から手をいれるにしても、どこからスタートしたらいいか分かんないよー!」
 髪を掻き毟りたくなるような衝動に駆られ、セフィリカはたまらず大声をあげる。
 こんな白昼堂々の奇行に及んでしまうのも、彼女が思考に熱中していた証拠だ。
 それはもう、背後からの何者かの接近に気付けない程に。
「うお! なんだよ急に!」
「きゃっ!」
 唐突に真後ろで上がった声に驚いて、セフィリカは飛び跳ねるように振り向いた。
 後ろに立っていたのは、真っ赤なつなぎ風の服を着た若者。
「なんだ、やっぱりセフィリアじゃないか。見かけたから声かけようかと思ったんだけど、悩みごとか?」
「君って……あ、もしかしてビークルレッド? って、私の名前はセフィリカ! 間違えないでよもう!」
「あ、それは申し訳ない。いや本当!」
 そう言って、赤い青年ビークルレッドはカラカラと笑う。
 戦闘時はまっすぐで熱い性格が目立っていたけど、普段はこんな表情もするのか。
「でも君も俺たちの大恩人だからな。力になれることがあれば、気軽に言ってくれていいんだぜ?」
 そう言ってバンバンと肩を叩いてくるビークルレッド。
 ああ、これはあと数年もしたら若い子に煙たがられるタイプだなぁ、とセフィリカは内心で苦笑する。
 だが現役のキャバリア乗りに相談できるなら、これは願ってもないチャンスだ。
「実はね……」
 そうしてビークルレッドにスプレンディアの性能と、課題を打ち明けるセフィリカ。
 それを真摯に頷きながら聞いていたビークルレッドは、ぽむと右拳を逆の掌に落とした。
「なるほど。つまり合体だな!」
「いやいや、どうしてそういう話になるのよ」
 本当に話を聞いていたんだろうか。そんな不安を覚えたセフィリカであったが、ビークルレッドは大まじめな様子で。
「いやいや、一概に捨てたもんじゃないぞ合体は! 俺たちのビークルロボだって、常に合体したままじゃ長距離移動には向かないしな。小回りは効かないし、消費エネルギーだって馬鹿にならない」
 彼曰く、分離形態は本来、大型キャバリアの移動時のエネルギー節約のために考案された機構らしい。
 それがいつの間にか合体そのものに重きを置くようになったり、それぞれのビークルに個性を付けたりと指針が逆転して、それに修正を重ねたのが今のビークルロボであるようだ。
「今は長距離移動も可能な新合体計画も進んでるんだぜ。6機目の大型飛行ユニットとの合体さ。名付けてスーパービークルロボ……ウイングビークルロボ? ビークルロボWもいいな」
「筋金入りの合体馬鹿だね。確かに君達のキャバリアも気になるけどさぁ……待てよ」
 とその時、セフィリカの脳内に電流が走る。
 分離してエネルギー節約……その逆転……。
「……そっか、合体だ!」
「そうだ! 合体だ!」
「茶々入れないで! そうだよ、何も機能拡充ばかり考えなくてもいいんだ。発想の逆転……普段は抑制パーツと合体して出力を抑えて、ここぞの時に分離して軽量化&高出力で戦う!」
 閃きを得たセフィリカは電子PADを取り出し、一心不乱になにやら図面を書き始める。
 ビークルレッドとの会話は、彼女に思わぬヒントを与えてくれたようだ。
「分離した抑制パーツ自体にも自立戦闘能力を与えれば再利用ができる! 戦闘後は再合体すれば、帰還用のエネルギーも確保できる。これだー!」
 完成した図面を空に掲げて飛び跳ねるセフィリカ。
 それを眺めるビークルレッドも大層満足げだ。
「合体の可能性は無限大だぜ! 分かってくれて嬉しいよ俺は!」
「ええ、そうと決まれば早速パーツ集めね。せっかくだから君も手伝って! ついでにその新兵装も見せて頂戴。今なら新しいアイデアがどんどん出てくる気がするの!」
 いうや否や、セフィリカはビークルレッドの手を引いて走り出す。
 さて、自立型抑制パーツはどんなのがいいだろうか。飛行型? 戦車型? それとも歩行型とか?
 ああ、あふれ出てくるアイデアを一秒でも早く形にしたい。
 そんな思いを胸に、セフィリカはコンペ会場を駆け巡るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルカ・スィエラ
ええと、あの敵は、倒せたのよね……?
攻撃から庇ってから記憶があいまいなんだけど……

【POW?】
とりあえず散策かな
へぇ、無人制御機の研究なんかもあるんだ
確かに人が少ない国ではそういうのも悪くな……
え?「二号ロボ」用?
いやそれより先にあの機体をフォローできる無人一般機とかを優先すべきじゃ

途中で彼らとか、この国の技術者に会うかもしれないけど
正直「敵と戦った」ぐらいしか覚えていないから何か聞かれても答えられな……え、映像あるの?

……あれ、は
あの日、軍部の反乱で国を焼かれ、当時やっと完成した自国産キャバリア試作1号機で私だけが脱出し、追撃部隊に追い詰められた私の前に現れた
機械の、竜……



 昼下がりの倉庫街をとぼとぼと歩いていたのはアルカ・スィエラ。
 昨日の戦闘で負傷し、キャバリアの中で意識を失っていたところを救出された彼女は、先ほどまで共和国の救急センターに厄介になっていた。
 奇跡的に怪我は大したことはなかったようで、一晩の様子見の後に即退院。
 その回復力の速さは、医師も首を傾げるほどであったという。
「ええと、あの敵は、倒せたのよね……? ビークルファイブ達を庇ってから記憶があいまいなんだけど……」
 見渡せば、町は平和そのもの。
 恐らく自分がリタイアしてしまった後に、残った猟兵達があのオブリビオンマシンをなんとかしてくれたのだろう。
(あの時は思わず彼らを庇ってしまったけど、でも途中で意識を飛ばしてしまうとは……我ながら情けないな。プロトミレスの修理が終わったらトレーニングに入らないと)
 プロトミレスが修理されているのは、倉庫街にほど近いメンテナンス施設。戦闘後に回収され、現在は善意の無料メンテ中である。
 それが終わるまでは折角だからキャバリアコンペでも見学してきたらどうだい、という工場長の助言に従って、アルカは漠然と散策に訪れていた。
 しかし、いざ来てみれば思いのほか発見は多い。
「なんだか、思っていたよりテクノロジーは高いみたいね。私の時代の3世代、いや4世代は上を行ってるかも」
 まずこのビクトリア共和国、以外にも技術力は低くない。
 ビークルファイブの言う合体のロマンの末は結局見れず終いだったが、いざ合体した時の強さを裏打ちするだけの潤沢なエネルギーや兵装は整っているようだ。
「へぇ、無人制御機の研究なんかもあるんだ。確かに人が少ない国ではそういうのも悪くな……え?」
 中でもアルカの目を引いたのは、AI制御された無人機の試作型。
 しかし、その横に建てられた看板の文字に、アルカの目は点になる。
「……『二号ロボ』用?」
 一号機の合体すらままならなかったのに、もう二号ロボ?
 いやそれより先にあの機体をフォローできる無人一般機とかを優先すべきじゃ?
 そんなツッコミがアルカの脳内を駆け巡る。
 もし、既にビークルロボのスーパー合体計画まで持ち上がっていると知ったならば、流石のアルカも研究所に乗り込むかもしれない。
「はぁ……やっぱり、私にロマンは分からないな」
 思わずため息を吐くアルカ。
 と、そんな彼女の元にコンペの出展者であろう技術者が歩み寄ってきた。
「もしや、あなたは昨日のドラゴン機のパイロットさんですか?」
「え?」
 この男性は何を言っているのだろう? ドラゴン? 私が?
 しかしそんなアルカの混乱など露知らず、声をかけてきた技術者は、アルカの顔を確認するなり喜色を露にする。
「ああ、やっぱり! 是非ともあのドラゴン型無人機の性能を教えていただきたいのです。単機でもあれだけの高性能なのに、そこからの流れるような合体! そしてビークルロボに勝るとも劣らない機動力と圧倒的なレーザー! 是非とも参考にさせていただきたい!」
 早口で捲し立てられるが、アルカには何のことだかさっぱり分からない。
 何かの間違いでは……そう口を開きかけたその時。
「ああ、特にこの合体シークエンスなんか。一晩で何度リピートしたか分かりませんよ!」
 ほう、と熱っぽい息を吐く技術者が手に持っていたのは携帯端末。
 そこには昨日の配信映像がばっちりと録画されていた。
 そう、プロトミレスとドラゴン型のキャバリアが合体する、正にその瞬間の映像が。
「うそ……あれ、は……」
 脳裏に浮かぶのは、忘れもしない雪辱の刻。
 裏切り、反乱、爆炎、悲鳴……。
 息を切らして走った、あの胸の痛み。
 やっとのことで乗り込んだ試作キャバリアの硬いシートの感触。
 尚も迫る追手。
 そして現れた……。
「機械の、竜……」
 そこで記憶は途切れている。
 あの存在との邂逅はほんの一瞬の出来事かもしれないし、随分と長い間一緒にいたような気分にもなる。
 そんな不思議な感覚を抱かせる機械の竜が、確かに目の前の画面の中に存在していた。
「あの竜は一体……それじゃあ、プロトミレスは!」
 思い立った直後、アルカは引き止める技術者を後に残しメンテナンス施設へと駆け出していた。
(プロトミレスに何か痕跡が残っているかもしれない。私に何が起こったのか、それを唯一知る者の手掛かりが!)
 自分が竜と合体していたなんて俄かには信じられない。だがそれでも、確かめずにはいられなかった。
 地面を蹴り上げるたびに、胸は張り裂けんばかりに痛みを増していく。
 息を切らして走るのはいつぶりだろうか。
 その焦燥と混乱は、どこかあの日と似ていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年11月07日


挿絵イラスト