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七大海嘯「鮫牙」が配下、ルカンとは俺のことヨォ!!

#グリードオーシャン #七大海嘯

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#七大海嘯


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●「鮫牙」勢力、島に立つ
「オラオラァ!! 七大海嘯「鮫牙」が配下、ルカン様のお通りだァ!!!」
 威勢よく島に上陸したのはルカンと呼ばれる海賊だった。巨人海賊達を連れ、島中を我が物顔で練り歩く。
 島民達には自慢の銛を振るい脅しをかけて、何なら数人見せしめに滅多刺しにした。
「殺されたくなけりゃ金品全部差し出しな!! おぉっと、隠しても一軒一軒回って根こそぎ分捕ってやるから潔く出しておいたほうが身のためだぜ!!」
 などと言っているが、島民達が本当に全ての金品を差し出したかなど判断する方法もないため、結局ルカン率いる海賊達は島の民家を全て襲って回るのだ。
「旗を立てろ! 今日からここは七大海嘯「鮫牙」の支配下とするゼェ!!」
 この日から、島民達の苦難の日々が始まった。

●強敵に弱点あり
「皆さん、大変です!!」
 ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)がグリモアベースに来る時は大抵大変なことが起こっているので、猟兵達は別段驚きもしない。とりあえず事件なのだと認識し、話を聞くために集まってくる。
「『グリードオーシャン』で、七大海嘯の一つ『鮫牙』が支配する島が新たに見つかりました!」
 グリードオーシャンは世界全域が謎に包まれていたところを、猟兵達が一つ一つ事件を解決し、その領域を広げてきた経緯がある。故に世界が発見されてから相当な時間が経っていても、新しい島が発見されるということが普通にある。
 今回発見された「コールドラッシュ島」もロザリアの予知の中に現れた新しい島だ。『アックス&ウィザーズ』から落ちてきたこの島にも、すでにコンキスタドールの毒牙、ならぬ鮫牙が突き刺さっているという。
「この島を支配しているのは『鮫牙』の配下である『ルカン』というコンキスタドールの海賊になります。ルカンは手始めに島民全員から金目の物を奪い取ると、次はこの島の鉱脈に目を付け、採掘作業を島民達に強制させているそうです」
 男は土砂に塗れながら山を掘り、女子供は食料の運搬、掘り出された鉱石の選別等々。
 分業されてはいるが、24時間ルカンの配下である巨人海賊『苛烈な斧』の構成員が目を光らせており、休む間もなく働かされ続けている。
 当然死者も出る。遺体は海に放り捨てられているそうだ。
「このまま島の皆さんが苦しみ続けるのを黙って見ているわけにもいきませんし、七大海嘯の勢力拡大も防がなくてはなりませんから、ルカンを急いで討伐する必要があります」
 ただ、話はそう簡単ではない。
「ルカンは島の防衛にも配下を回しており、単に上陸、というわけにはいきません。彼らは巨人海賊『苛烈な斧』を名乗る者達で外部から来る者を近づけまいとしているので、まずはその海賊達を撃破する必要があります」
 猟兵達の接近に気づけば船を出し戦闘を仕掛けてくる。海上での戦いとなるため、戦い方には注意が必要となる。
 また、自分達の船が壊されてしまっては上陸もままならない。苛烈な斧というだけあって破壊能力もある相手だ。気を付けるに越したことはないだろう。
 そしてルカンも、七大海嘯「鮫牙」の配下であるが故に。
「ルカンは強敵です。普通に立ち向かっては勝ち目がほとんどありません。そこで、皆さんにはルカンと交戦する時に、強制労働させられている島の皆さんのことも気にかけてほしいんです」
 最低限の食料と休息でひたすら働かされている島民達。最低限、と言うのもルカン達コンキスタドール視点であり、それは到底足りているものではない。肉体的にも精神的にも極度に疲弊した島民達は、死神の鎌が首元へ添えられているようなものだ。そんな彼らを少しでも助け、癒すことができれば、何かしらルカンに関する情報が得られるかもしれない、ということだ。
「七大海嘯絡みの事件も少しずつ増えているかと思います……まだこの先何が起こるかはわかりませんけど、今は少しでも戦力を減らしていきましょう!」
 計り知れない強大な相手だが、幾多の世界の危機を救ってきた猟兵なら――きっとできる。ロザリアはいつもそう信じて猟兵達を送り出すのだ。


沙雪海都
 沙雪海都(さゆきかいと)です。
 七大海嘯シナリオを出すことを……強いられているんだっ!(集中線)

●フラグメント詳細
 第1章:集団戦『巨人海賊『苛烈な斧』構成員』
 上陸前の戦いになりますので、必然的に海上戦(船の上)、ということですね。
 奴ら、近づいたら斧でがんがんこちらの船を破壊しにかかってくるので、壊されないように気を付けてください。
 まあ接近されても立ち回りでなんとかなるなる。

 第2章:ボス戦『鮫牙の海賊『ルカン』』
 猟兵が何の情報もなく向かっていくとほぼ間違いなく返り討ちに遭います。
 なので、島民達を助けて弱点を見つけましょう。(ここまでテンプレ)
 第1章で猟兵達が島に上陸しようとしていることに気づいたルカンは鉱山近辺の海賊構成員も全て海岸に送りました。よって島民達はとりあえず構成員の監視下からは外れています。
 そのため、洞窟内で採取作業を行っていた者達もひとまず外に出ています。
 ただ、ルカンから逃げるだけの体力はなく、精神も疲弊しきっていて動けません。
 どうにか労わってあげると、ルカン戦において何らかの協力をしてくれることでしょう。
 これにより看破されリプレイ描写された弱点については、他の猟兵達にも共有された情報として扱って構いません。
 つまり最初からプレイングに書いていいよってことです。

 第3章:冒険『凍てついた道』
 細かい情報は第3章開始時に提示すると思います。
 まあその辺を参考にプレイングを記載して頂ければなんとかなります。
 別に運営してるシナリオと同じことしか書いてないなあ……あ、コールドラッシュ島って名前はこのフラグメントを見て思いつきました。

●MSのキャパシティ
 合わせプレイングはお受けできません。申し訳ないです。
 ゆったりペースで進行予定です。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『巨人海賊『苛烈な斧』構成員』

POW   :    野獣の如き戦闘咆哮
演説や説得を行い、同意した全ての対象(非戦闘員も含む)に、対象の戦闘力を増加する【自身の恐怖を忘れ、敵に恐怖を与える鬨の声】を与える。
SPD   :    野獣の如き野蛮で奔放な戦闘スタイル
【高い身体能力と戦闘で得た経験を駆使し】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    野獣の如き気性と友情、そして特徴的なメガリス
【相打ちすら恐れない気性の荒さ】【共に過ごした相棒との信頼と連携】【攻撃を当てると体力を回復する斧のメガリス】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シホ・イオア
島の皆を助けるために、邪魔者はぶっ飛ばしちゃうぞ!

「海の中からお邪魔しま~す」
【たいやき】に乗って海中から敵船へダイナミックエントリー!
船底に穴を開けまくって船を動けなくしちゃいましょう。
邪魔しに来る敵もいると思うけど
剣と光輪と銃でお相手するよ。



●およげたいやき、シホが行く!
 海風は少し冷たかった。甲板の上で揺蕩うシホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)が目指す島からはコンキスタドールの船が艦隊を組んで猟兵達の船へと迫っていた。
 艦隊はまさに獲物を追い込む網だった。猟兵達の船はどう航行しても逃れることはできない。
 ならば、艦隊を撃破して突き進むしか道は無いのだ。
「よ~し! 島の皆を助けるために、邪魔者はぶっ飛ばしちゃうぞ!」
 元気よく握り拳を空に突き上げ意気込んだ。そして早速「たいやき」なる精霊に騎乗する。
 両手にそれぞれ手斧を持った海賊達が、やはり甲板に立ち猟兵達の船に狙いをつける中、シホはたいやきと共に海へダイブ。ちょぽんと小さな水冠が海面に出来上がる。
 コンキスタドールの艦隊を前にして海に飛び込むなど自殺行為に見えてしまう。構成員達もそう思ったに違いなく、甲板の端に来て海を覗き込む者もいた。
 だが海中ではシホを乗せたたいやきが、まるで尾びれにスクリューでもついているかのように猛スピードで泳いでいた。一度潜航するとUの字を描くように敵船の底を目掛けて急浮上。
 バギッ、と海賊が乗る船の底から音がして船体が揺れた。乗り込んでいた海賊達が驚いて音のしたほうを振り向くと、甲板まで突き抜けて噴き出した水柱と一緒に、先程海に飛び込んだシホが登場していた。
「海の中からお邪魔しま~す」
 船の進行速度ががくっと落ちた。水が船底から入り込み沈み始めているのだ。
「逃がすなっ! このガキを血祭りにあげて奴らの船を潰しに行くぞ!!」
 一人の海賊が叫ぶと、他の海賊達も鬨の声を上げ、力を高めていく。
 我らは七大海嘯配下の海賊。何も恐れることはない。
 シホが次の船へ向かおうとするところに殺到する海賊達。しかし力はあるものの、シホのように素早い相手を追い回すのは得意ではなかった。
「おそいおそ~い!」
 びゅんびゅんと風を切って薙ぎ払われる斧刃を、シホはたいやきを乗りこなしひょいひょいっと避けていく。
 沈みゆく船は海水の流入と共に重心が変動するため揺れが大きく、これもまたシホの追い風となっていた。
『輝石解放、エリクシア! 愛よ、勇気よ、希望よ、今こそシホと一つに!』
 シホの全身が輝きのオーラに包まれた。その光は恐怖を忘れた海賊達であっても目が眩み怯ませる。
 宝石剣エリクシアとの融合を果たし、シホは新たな姿へと生まれ変わった。胸にアメジストの輝きを身に付けたドレスをひらりと舞わせ、さらに光輪『ルミナス・リング』とハート銃『Light My Fire』を取った。
「じゃあ、反撃開始だね♪」
 シホは流れ星のように海賊達の間を飛翔し、近くの海賊達は光輪でスパッと斬り裂いた。刻み込まれた傷口は空を貫くような光を放つ。
「てめ……うぎゃあ!!」
「な、なんだ……ぐぎゃああ!!」
 小さな傷口から流れ込んだ光輪の膨大なエネルギーにより、斬られた海賊は反撃の暇なく傷口から破裂して倒れていく。
「くそっ、さっさと潰せ!!」
 バランスの悪い足場ながら、どたどたと海賊達はシホを追いかける。しかしここは空飛ぶシホの独壇場だ。手斧の射程まで寄せ付けることなく、ハート銃をバシュッと放った。
「あがっ!!」
 弾丸が眉間に命中した海賊が倒れていく。
「こ、このっ!」
 挙句、手斧を投擲してくる海賊もいたがシホに当たることなく海へと消えていく。丸腰になった海賊は例外なくシホの光輪の餌食となった。
「もうそろそろ次に行くね♪」
 この船の海賊達は『大体』片付けた。シホはまたたいやきに乗って海へちゃぷんと飛び込む。
「ふざけるな! 追え! 追え~~っ!!」
 船に取り残された――いや、見逃された海賊達のプライドが傷つかないはずがなかった。シホを追って果敢に海の中へ飛び込む。じゃぽんじゃぽんと水の飛沫が船の傍に立つが、ただ人力で泳ぐだけの海賊達ではシホを追うことができず、やがて沈む船に押し潰され共に海の藻屑と化す。
 艦隊から一つ、また一つと船が海底に消える時、その船には常にシホとたいやきの影あり。
 猟兵達の船は未だ敵艦隊に襲われることなく、島へゆっくりと接近していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

イザベラ・ラブレス
ここは激的に、そしてスマートに戦果を挙げたいわね。

「敵は船上、逃げ場無し。鴨撃ちよりも他愛ないわね」
UCで召喚したヘリコプター部隊に同行し、敵船団に強襲を敢行。

「海兵諸君、敵は君達が戦ってきた中でも最高にタフだ。しかし、この世で最もタフなやつは何だ?」
「「「海兵隊だ!万歳(ウーラー)!」」」

幽霊とは思えないほどの意気軒昂っぷりを見せる海兵隊員による援護射撃で反撃を封じ、
私も「XM2082対物対空ライフル」で敵船胴体を攻撃。
25mm砲弾の<鎧無視攻撃>の前じゃあ海賊船と言えど紙装甲に変わりないわね。
「一隻は情報収集の為に鹵獲する。やり過ぎに気をつけなさい」
「イエス、マム!」



●敵は海上の案山子なり
 甲板の真ん中で、敵船団に鋭い眼光を送る者がいた。
 相手は斧を武器に船上で大立ち回りを繰り広げているが――それだけだ。
 イザベラ・ラブレス(万年金欠傭兵・f30419)は敵の力量を測り終えると静かにほくそ笑んだ。
「敵は船上、逃げ場無し。鴨撃ちよりも他愛ないわね」
 イザベラは携行ライフル砲「XM2082対物対空ライフル」を担ぎ上げる。そして、
「ここは劇的に、そしてスマートに――ワルキューレの如く進撃開始よ!」
 叫び、高く拳を突き上げた。刹那、バラバラバラバラ、と辺り一面の波音にも負けないヘリコプター音が空より響き渡った。
 イロコイ人員輸送ヘリコプター部隊のお出ましだ。その中の一機が縄梯子を垂らすと、イザベラは駆け出し、跳んで掴んで海の上へ飛び立った。
 ヘリコプター部隊の乗組員は旧式のセミオートライフルで武装した海兵隊員の幽霊達だ。
 総勢50名。精鋭が揃っている。
「海兵諸君、敵は君達が戦ってきた中でも最高にタフだ。しかし、この世で最もタフなやつは何だ?」
「「「海兵隊だ! 万歳(ウーラー)!」」」
 意気軒昂なコール&レスポンスが戦場に轟いた。幽霊とは時に陰気な印象を持たれるものだが、イザベラ率いるヘリコプター部隊は実に士気が高い。
「なんだぁあいつらは……」
「お前ら、負けんじゃねぇぞ! 俺達の結束を見せてやれ!!」
 対抗するかのように海賊達もまた鬨の声を上げた。意地と意地のぶつかり合いだ。
「総員、攻撃開始よ。ただし、一隻は情報収集の為に鹵獲する。やり過ぎに気をつけなさい」
「イエス、マム!」
 ヘリコプターから身を乗り出した海兵隊員達が銃口を敵船へ向ける。そして開戦の合図と言わんばかりに、イザベラはライフル砲を一発ぶっ放した。
 ドン、と振動が走り砲弾は分厚い空気の壁を突き抜けた。海賊達が砲撃の反動を見た次の瞬間には雷のような衝撃が船を襲っていた。
「何が起きた!?」
「やべぇ、装甲が破られた!!」
 バキバキと船体が重みに耐えられず折れていく。船体のど真ん中に穴を開けられ支えの中枢を失ったのだ。
 船での特攻も上等と言えるだけの装甲を備えていたはずだったが、イザベラの放つ砲弾はまるで豆腐を撃ち抜くように海賊の船を破壊していた。
「この25mm砲弾の前じゃあ海賊船と言えど紙装甲に変わりないわね」
 まさに、文字通りの一撃必殺だ。
「怯むな! やっちまえ!!」
 だが海賊達も、相打ちすら恐れないほど気性の荒い者達が揃っている。斧を振りかぶると、空中のイザベラ目掛けて次々と投げ飛ばしてきた。回転する刃が無数にイザベラへ襲い掛かる。
 しかしイザベラの背後には海兵隊員がいる。数には数を。斧の投擲に応じてバババババと火を噴いたセミオートライフルが飛んでくる斧を撃墜していた。
 援護は十分。イザベラが次の標的に同じく砲弾をぶち込み、反撃の斧を撃ち落とした後は船体へ絨毯爆撃を浴びせてすぐさま沈める。
 一隻ずつ確実に、イザベラは敵戦力を減らしていた。
「……あの船の上へつけなさい。他は援護を、反撃を許すな!」
 自身を吊っているヘリコプターの操縦士、そして全海兵隊員へ指示を出し、イザベラはヘリコプター部隊と共に一隻の敵船へと近づいた。
「こっちに来るぞ!」
「丁度いい、落としちまえ!」
 銃撃を主とする敵がわざわざ近づいてきたのだ。これ幸いと海賊達は斧を投擲するが、練度の高い海兵隊員達はわずかの猶予の中で的確に斧を落としていく。
 宙で勢いを失った斧は落下し、敵船の甲板に突き刺さるものもあった。
 そしてその銃撃の中、イザベラは縄梯子から飛び降り敵船へと乗り込む。ライフル砲を向け、海賊達の制圧に成功していた。
「死ぬか喋るか。二つに一つよ」
「喋るったって……俺達は大したことは知らねぇよ!」
「……そう」
 所詮は雑魚だ。イザベラは冷たくあしらうと、振り返り戦場に目を向けた。
 敵船隊を背後から。そこには、同じ戦場でも違った景色が映る。
 イザベラは微かに笑みを浮かべ、海賊達へ目を戻した。
「ふぅん……この船、後部の装甲は高くない……そうね?」
「……!! だ、だったらなんだってんだよ! 突っ込んで敵をぶっ潰すんだ。後ろの守りなんかいらねぇよ!!」
 自棄になった海賊が叫ぶ。どうやらイザベラの見立ては当たりのようだ。
 うまく船の後部へ攻撃を仕掛ければ、簡単に船は沈む。
 そう、例えば――船を乗っ取って背後を取れば。
 それを示すように、イザベラはその場からライフル砲を放ち、また一隻沈めてみせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

霧崎・蛇駆(サポート)
『あーあーヤダヤダ、めんどくさいったらありゃしねぇ』
『やるからにはやるさ、給料分はな』
『いいじゃんいいじゃん!楽しくなってきた』
口では面倒くさいと言いつつも仕事はこなす猟兵で、戦闘だとやる気を最初から見せる戦闘バカです。
捜索系ではハッキングを駆使して情報を集めたり、演技で騙したり脅したりします。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使います。正面きって無数のテンタクルによる物量戦も好きですが、触手による立体的な移動からの相手の死角から攻撃も別格です。弱い相手だといたぶる傾向があります。
メインの武器は『テンタクル』です。
基本的な口調は『オレ』です。
あとはおまかせします。よろしくお願いいたします。



●ミラーラビリンスモンスター
「いいじゃんいいじゃん! 楽しくなってきた」
 猟兵と海賊の衝突もいよいよ本格的になってきた。海上戦とは何なのか、傍観していた霧崎・蛇駆(ヴィリジアンモンスター・f20261)が興味を示し始め、表舞台に現れる。
「しっかし、力の無ぇ奴らほど群れやがるなぁ!!」
「あぁ!? また新手が出てきやがった!!」
 聞こえよがしに叫ぶと、案の定海賊達が食いついてきた。船の前部にどたどたと集まり、海を挟んで蛇駆と向き合う形となった。
「うるせぇ! 俺達の結束を思い知れ!」
「うおぉぉぉぉ!!」
 一人が声を上げれば全員が応じて強い連携を示す。その様子に蛇駆はククッ、と詰まったような笑い声を上げた。
「その結束、ぶっ壊してやるよ」
 頭まですっぽりと覆うコートからにゅるにゅると触手が伸びてくる。蛇駆が戦闘態勢に入った。
『!へ宮迷鏡転反、そこうよ』
 キラリ、光が反射した。戦場を包囲する鏡がずずずっとせり上がり、蛇駆から敵船の海賊達まで続く迷路が出来上がった。
「な、なんだこりゃあ!!」
 鏡の迷路。合わせ鏡には己の姿がずらりと並ぶが、その姿は頭や両手、両足がめちゃくちゃに結合した出鱈目なものだった。
「出口はどこだ!」
 迷路に閉じ込められた海賊達は先へ進み出口を求める。しかし実像と虚像が混在する迷路の中、気が付けば一人、また一人と消えていく。
「おい、お前ら、どこに行った!」
 声をかけても返事が来ない。そこでようやく仲間の不在に気づく海賊。他の海賊達もまた、同じ経験をしていることだろう。
「くそっ!」
 怒りに任せて斧を鏡に叩きつけるが、けたたましい音と共にぶるりと震えるだけだ。ヒビ一つ入らない。
「こんなの、俺じゃねぇ!!」
「あぁ、そうだな。お前の姿はこいつが正しい」
 海賊が見る鏡の中にしゅるりと触手が伸びた。触手はぶちぶちとへんてこに繋がった腕を引きちぎると、あるべき場所にぺたぺた貼り付ける。
 見事、鏡像は満足のいく体になった――ということは。
「あぎゃあああぁぁぁ!!」
 両腕の感覚がなくなり、迷路全体に響かんばかりに絶叫した海賊が転がった。
 気付けば、傍らには蛇駆が立つ。
「独りじゃ何もできやしねぇな、お前ら」
 倒れる海賊の胴体を越えて蛇駆は迷路を巡る。仲間とはぐれた海賊達は皆、孤独の中あたふたするだけだ。
 遠くから触手を伸ばし、毟るも良し、貫くも良し。伸びた触手は好き勝手に動き回る。
「うぎゃあああぁぁぁ!!」
「がああぁぁぁ!!」
「少しは個性を出せ個性を」
 痛みに悶え苦しむ海賊を、触手で突き刺し嬲っていく。急所は外して延命し、ずぷずぷと穴を増やしながら、叫ぶしか能のない海賊をなじっていた。
 迷路の中の海賊達を狩りながら、蛇駆は海賊達の船まで辿り着いた。迷路の中に迷い込んだ者は全て倒し、もう誰も残っていない。
 甲板に立って迷路を解除すると、力尽き動かなくなった肉塊がぼちゃぼちゃと海へ落下していた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルディア・ディアマンテ(サポート)
助けが必要なようね。助太刀いたしますわ!

サポートでの参加なので人々の避難や救出、敵の陽動のような支援になるような事を中心にこなしますわ。
事情がわからないまま行動すると事態を悪化させる恐れがあるので、その辺りは気をつけないとね。
指示をしてくれる仲間がいれば素直に従いますわ。

支援中心とはいえ戦闘は避けられないもの
その時は武器は白銀のバルバードを使いその遠心力と、UC金色の風で強化された速度を利用し一撃離脱戦法で戦いますわ!その姿はまさに金色の風の如し!

騎士の誇りを胸に、堂々と恥じない行動を!



●金色の風が吹く
「恐れるんじゃねぇ! 進めぇ!!」
 海賊は自分の心を叱咤するような鬨の声を上げた。猟兵達の実力は本物、それは身を以って知らされているところだが、今更退けるはずもない。
 強引にでも突破して船を潰してしまえ、と海賊達は斧を振り回し士気を高める。
 破壊せぬ限り進軍を続ける船団。これでは猟兵達も船そのものを相手にしなければならない。
 然しもの猟兵達もこれには手を焼くかと思われた。
「いけませんわ!」
 ルディア・ディアマンテ(金色の風・f18851)がその動きに気づく。陽動役として少しでも戦線を押し留めるよう、金色の風となり飛び回っていた。
 猟兵達は素晴らしい働きをしている。ルディアもその一人だ。
 それをこんなところで無駄にしてはいけない。
 ルディアは加速した。トップスピードは音さえ抜き去っていくほどだ。空気の中に衝撃波を走らせながら、今まさに猟兵達の船へと舳先を向けた敵船へと突っ込んだ。
「うぎゃあ!!」
 船の最前で身構えていた海賊を超高速の飛行の中で白銀のバルバードを振るい一閃。倒れる様を見ぬままルディアは空へ離脱する。
 一撃離脱で船の上の海賊達は倒せそうだが――それでは船は止まらない。
 ならば、とルディアは船の後方へ回った。船は後部の装甲が薄い。そんな情報を他の猟兵が叫んでいた。
 ハルバードの石突付近を持ち目一杯リーチを稼いで、ルディアは旋回の遠心力を利用しながら船にぶつかるかどうかというスレスレのところを一気に飛び抜けた。
 振り抜いたハルバードの刃が敵船を食い破る。下方の支えを失った尾部がメキメキと折れ、船体から分離してどぽんと豪快に着水した。
「くそっ、船を破壊されちゃかなわねぇ!!」
 海賊達が俄かに焦り始める。損傷した船の航行速度は明らかに落ちていた。
 これなら他の猟兵の手が回る時間も稼げることだろう。
 ルディアはハルバードを握り締める。金色の風は突風となり、敵船団を激しく乱していた。

成功 🔵​🔵​🔴​

リスティ・フェルドール(サポート)
援護・治療・盾役として参加いたします。最優先は自分を含む仲間全員の生存と帰還。成功の立役者ではなく、命の守り人として最悪の結果を回避できれば、それ以上に望むことはありません。

真剣な雰囲気は邪魔をせず、仲間同士の険悪な雰囲気はあえて朗らかに。チームワークが生存率を上げる一番の方法として行動します。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはマスター様におまかせいたします。よろしくおねがいします!



●躍動するのは蒼き猫
 あと一枚、壁を破ればゴールが見える。猟兵と海賊の戦いは佳境を迎えていた。
 海賊達の船は大半が沈み、残すはわずか。しかしそれらは今もしぶとく持ちこたえていた。
「ふんっ! うぉらっ!!」
 二本の斧を巧みに操り、また戦闘経験を生かした直感の動きで、猟兵達からの致命的な一撃を間一髪で防いでいる。
 野蛮で奔放、しかしそれだけに読みづらい。
「……もしかしたら、君が活躍できるかも」
 そんな中、船に残り傷ついた猟兵の治療に回っていたリスティ・フェルドール(想蒼月下の獣遣い・f00002)は一つの直感を抱いていた。今は足元でちょこんと待機している蒼い猫を見つめながら胸の内を伝える。
「相手は海賊……猟兵みたいな『戦う者』との戦闘には長けている……。だからこそ、君みたいな『単なる動物』相手には……隙ができるかもしれない」
 リスティが語ると、猫はこくりと頷いた。戦闘面ではほとんどただの動物の猫だが、知性においては人の言葉を理解できる、十分凄い猫なのだ。
「他の皆を助けてきて!」
 甲板の端からさらに手を伸ばし、道を作ったリスティ。その上を猫はタンと跳んでいき、また別の猟兵の力も借りて敵船上まで到達した。
「な、なんだぁ!?」
 空から降ってきたのは猫だった。猫は着地するなりタタタっと海賊達を目掛けて駆け出した。
「うおっ! こ、このっ!!」
 猫の動きに海賊は思わず斧を振るが、猫はドリフトするように尻尾を振りながら左右に跳んで回避する。攻撃か否か、際どい動きは海賊の身体能力、戦闘経験を以ってしても予想できないものだった。
「邪魔だ――うおあぁぁ!!」
 視界に入ってしまうとどうしても目障りだ。跳んだところを叩き落してやろうと斧を振り回したが、跳ばない。絶妙なフェイントだ。斧は空振り、体勢を崩したところへ別の猟兵が殺到し、仕留めた。
「やった!」
 猫と猟兵の連係プレイが成り立った。遠く船から見守るリスティは思わず声を上げた。
 一隻、船が沈む。また一隻、船が沈む。
 猫は猟兵に助けられ次の戦場へ。足元を駆け回る猫が海賊達を掻き乱せば、猟兵が隙を突く。

 そうして最後の船が沈む。

「……おかえり!」
 戻ってきた猫が腕の中に飛び込んでくるのを、リスティは笑顔で迎えていた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『鮫牙の海賊『ルカン』』

POW   :    血鮫領域
【竜巻に巻き込まれたサメの雨】を降らせる事で、戦場全体が【血に飢えたサメの群れ泳ぐ海中】と同じ環境に変化する。[血に飢えたサメの群れ泳ぐ海中]に適応した者の行動成功率が上昇する。
SPD   :    欲望の銛
自身の【メガリスたる銛】を【欲望を肯定する血牙の捕食形態】に変形する。攻撃力・攻撃回数・射程・装甲・移動力のうち、ひとつを5倍、ひとつを半分にする。
WIZ   :    奪命の牙
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【生命力を奪い取る分裂した鮫牙型の刃】で包囲攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ヴィクトル・サリヴァンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●鮫牙の海賊『ルカン』
「オゥオゥ!! あいつらをやったのはテメェらかよ!!」
 島の鉱山で猟兵達を待ち構えていたのは、七大海嘯「鮫牙」が配下、ルカン。
 人の体に鮫の頭がくっついたような外見だが、筋骨隆々の肉体は漲るパワーを象徴しているようだった。
 そして、辺りには横たわる島民達もいた。ルカンが猟兵達に構うのに乗じて洞窟から逃げ出したまではいいが、どうやらそこまで。遠くまで逃げ延びるだけの体力は残っていなかった。
「採掘作業を見張るなんざつまんねぇことはあいつらに任せてたんだが……代わりが必要だナァオイ!! それが来るまでの暇つぶしにちったぁ付き合えや!!」
 猟兵達との戦いを暇つぶしと言ってのけるルカン。だが、それだけの力がある。正面から戦いを挑んでも勝ち目は薄い。
 幸い、ルカンは周りの島民達に目を向けていない。ならば、ルカンが油断している隙に島民達を助け、ルカンの弱点を暴くことができれば――。
イザベラ・ラブレス
先行して島民保護に向かわせた部隊からルカンに関する報告が来たわ。
何でも鮫や奇妙な牙を飛ばしてくる、と。
生身じゃ厄介だけど、私が従えるのは気合十分な幽霊海兵隊、しかも大隊規模の大所帯よ。
つまり、『私以外に当たる分には問題ない』

【WIZ】
「イロコイリーダーより各機へ。これより敵主力に対して波状攻撃を開始する。敵の対空兵器に留意しつつ、本機のアウトレンジ砲撃を気取られないよう、適度におちょくってやれ。あと鮫は適当に撃ち落としてやれ(対空戦闘)」
「イロコイリーダー了解。適度におちょくってくる」

海兵達による一撃離脱戦法を何度も繰り返し、疲労した所にライフル砲をズドン(砲撃)
傭兵に卑怯は褒め言葉よ。



●隆起する肉体、しかしその実態は
 ルカンが猟兵相手に暴れ回る中、人知れず島民達の保護に当たっていた者達がいた。
 薄暗い肌の海兵隊員達だ。島民達を怖がらせぬよう慎重に、そして丁寧に彼らを労わり、避難させる。
 しかしどうにも見た目に生者の色がない。
 それもそのはず、海兵隊員達は幽霊だったのだ。


 イザベラに通信が入る。彼女は空にいた。
 ヘリコプター部隊の一機に乗り込み、ルカンの長鼻をへし折るような一発を見舞うべくじっと思案していた。
 ルカンを出し抜くような策を。いやそれだけでは足りない。弱みに付け込んだ策が必要だ。
「こちらイロコイリーダー。島民保護の首尾はどうだ?」
「順調に進んでいる。また、現場に関していくつか情報を得た」
「情報? なんだそれは」
「敵の鮫人間は鮫を降らせ、また奇妙な牙を飛ばす攻撃も行う模様。対空にも利用可能と確認できるため、本隊による攻撃の際は十分に注意したほうがよいと思われる。また、島民から得た情報によると――」
 イザベラは黙って報告を聞いていた。ルカンの攻撃手段についての情報も有益だったが、その後に報告された島民からの情報が彼女に閃きを与えていた。
「――報告は以上である」
「把握した。保護部隊は島民の保護を継続せよ」
「イロコイリーダー了解。引き続き保護に当たる」
 ぷつり、通信が終わるとイザベラ即座に全機体通信へと切り替えた。
「イロコイリーダーより各機へ。これより敵主力に対して波状攻撃を開始する。敵の対空兵器に留意しつつ、本機のアウトレンジ砲撃を気取られないよう、適度におちょくってやれ。あと鮫は適当に撃ち落としてやれ」
「イロコイリーダー了解。適度におちょくってくる」
 バラバラバラバラバラ……。ヘリコプター部隊のプロペラ音が遠ざかっていく。その最後尾にイザベラの機が付き、アウトレンジで待機する。


 遠方、ルカンは銛を操っていた。
「オラオラ! そんなもんかよ!!」
 猟兵を挑発し、自身のペースに巻き込んでいく。未だ活路が見えず苦戦は必至、と思われたその時だ。

 ――バラバラバラバラバラ!!

 急速に近づいてくるプロペラ音が戦場に響き渡る。何事か、とルカンが空を見上げると、そこにはイザベラが派遣したヘリコプター部隊が。
 いくつかの列を成し、ライフルを手にした海兵隊員達が身構える。
「砲撃……開始」
 静かな合図と共にヘリコプター部隊は急降下しながらバババババと絨毯爆撃を見舞った。
 ルカンの周囲を隙間なく銃弾が襲う。
「新手か! なら楽しもうぜ!!」
 ルカンは飛翔させていた鮫牙型の刃を自身の頭上へと集中させた。刃は複雑に飛翔しながら銃弾をカカカカカンと弾き返す。
 海兵隊員達が織り成す波状攻撃は派手に展開されていたが、ルカンはそれを悉く弾いて弾いて弾き続けた。
 バラバラバラバラバラ! ヘリコプター部隊は旋回しながら空中からの銃撃を続けた。隊列が代わる代わる、一撃離脱を繰り返す。
 時に刃はライフルを手にした海兵隊員へと命中したが、そこは幽霊の特権。銃撃の手は緩まない。
 生命力を奪われるのは猟兵としては痛手だ。しかし幽霊なら――これはイザベラの読み通り。
 そして、ルカンが銃撃を弾き返し受け付けないのもまたイザベラの読みの内。故に、「おちょくってやれ」の指示だった。
 イザベラはヘリコプターから半身乗り出し、ライフルを構える。ルカンを射程には入れている。後はその時を待つだけだ。
 そして、その時はもうすぐ来ることをイザベラは知っていた。
「ハハハ……! どうした、どうしたぁ……!!」
 刃を飛翔させ続けていたルカンの様子がどうにも変だ。台詞こそ余裕を見せたものだが、その顔には玉の汗が浮かぶ。

 ――同じ作業を続けると激しく疲弊するとのこと。よって鉱山での見張りも部下の海賊に任せていたようだ。

 ルカンは【同じ行動を続けていると体力を激しく消耗する】のだ。島民を見張るなど耐えられたものじゃない。つまらないなど上っ面の理由だ。
 猟兵との戦いもそうだ。わざわざ攻撃の度に吼えて時間を作っていたのも、体力の消耗を抑えるため。
 しかし今回はどうだ。海兵隊員達の止まらない銃撃に、ルカンは刃を飛ばし防御を続けざるを得ない。
 威力などどうでもいいのだ。ルカンの手を動かし続けさえすれば、それでいい。
 飛翔する刃の勢いが落ちてくる。ぱらぱらと地面に落下するものも出てきた。
 今、この時だ。このタイミングでの特大の一撃を、ルカンはきっと防げない。
「正々堂々なんて本当の戦場には必要ない。この奇襲を卑怯と言うなら……それは傭兵には褒め言葉よ」
 ルカンが喚くようならと強者の弁を口にして。イザベラはライフル砲を発射した。
 ズドン! 空に轟く砲火の音。隕石のように一直線に飛来したライフル弾は刃の壁を破り、ルカンの誇る腹筋、そのど真ん中に突き刺さった。
「あがああぁぁぁ!! は、腹がああぁぁ!!」
 穴の開いた腹を押さえて転げまわるルカンの姿はイザベラにも見えた。その表情は仕事を終えた後の清々しい笑みだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シホ・イオア
海賊を倒さないといけないんだけど
ここは救助を優先したいかな。

戦闘が始まってルカンが島民たちから離れたら皆を壺の中へ。
何なら猟兵さんもルカンから隠して運んじゃうよ。

上空で待機して戦闘の隙を縫って救助に行くか
空中戦と残像を駆使して回避重視で救助に行くか
状況に応じて島民の安全を重視した行動をとりたいな。

「みんな、フェアリーランドに避難してね~」
カリスマと慰めで慰撫しつつ保護していくよ。
少しでも安全になれば協力してもらいやすいと思うし
弱点も教えてくれるんじゃないかな?



●輝け! シホのカリスマ☆
「テメェらぁ……ゼッテー許さねぇ!!」
 ルカンの怒りは頂点に達していた。傷ついた体ながら攻撃は苛烈さを増し、周囲への余波も広がっていく。
 一度は安全圏に避難した島民達。しかし彼らに新たな危機が迫ろうとしていた。
「これじゃあみんなが危ないよっ!」
 シホは島民達の元へと向かいたかったが、目の前には鮫牙型の刃が縦横無尽に飛翔する。
 しかし島民達を助けるためには、ルカンの攻撃をどうにか掻い潜って向かうしかない。
 小さな体に覚悟を秘めて、シホは飛んだ。
 上からも下からも横からも、後ろからだって刃はやってくる。それをシホは急激な方向転換を巧みに駆使した空中戦闘術で回避する。
「そこかァ!!」
 ひゅん、とシホの体を刃が突き抜けた。刃に斬られ散ったのは――半透明のシホの残像。
 もうあとわずかというギリギリのところで刃の嵐を抜けた。ルカンは他の猟兵にも目を向け攻撃を続けているようだ。その隙にシホは先を目指す。
 そこには年老いた島民達が地面にべたりと座り、動けずにいた。
「あ、足が……」
「どうしたもんか……」
 ただでさえ加齢で足腰が弱っているのに、さらに労働にまで駆り出されて。猟兵の力を借りてどうにかここまで来たはいいが、またも逃げなければならないとは。途方に暮れているところだった。
「動けないなら、これだね♪」
 辿り着くなり、シホはぽんっと壺を出した。マーブルが揺らめく不思議な壺だ。それはシホが両手で抱えるくらいには大きく、そして島民達が顔を近づけてまじまじと見なければならないくらいには小さかった。
「なんだい、そりゃ……」
「フェアリーランドだよ! この中に入ればすっごく快適で安全! みんな、フェアリーランドに避難してね~」
 島民達の頭上を飛びながら触れ回り、シホはフェアリーランドをアピールしていく。
 入れと言われても、手が入るかどうかも怪しいのに。そんな空気も一瞬は流れたかもしれない。
 しかし、キラキラとカリスマを放って輝くシホを見ていると、なんだか不思議と、やる気と元気が湧いてきた。
 眩いほどの輝きは活力、生命の象徴だ。光を浴びて、島民達は生命の色を取り戻していく。
「今まで大変だったんだよね。でも、もう大丈夫! シホが来たんだもの!」
 声をかけ、労わりながらシホは島民達に勇気を与えていく。小さいながらも、その存在は島民達にとって凄く大きなものに見えた。
 この子についていけば大丈夫――そう思わせるほどに。
「……どうすれば、いいんだい?」
「この壺にそっと触るだけでいいよ!」
 島民の一人がそっと壺に指を伸ばし、触れた。次の瞬間、島民はしゅんと小さくなり壺の中に吸い込まれる。
「わたしも、いいかい?」
「次は、わしも……!」
「落ち着いて、順番にね!」
 一人、また一人と島民は壺に吸い込まれていき、その場にいた島民達は全て壺の中に収まった。シホは壺をしっかりと抱きかかえ、戦場から離れる。
 ガチン、ガチンと鳴る銛の音が遠くなった。振り返れば、ルカンや猟兵の姿も小さく映る。
「もう出てきても大丈夫だよ」
 壺にそっと囁くと、中に居た島民達がすぽんっと出てきた。遠く戦場から離れたことを確認し、皆、胸をなでおろしている。
「ありがとうねえ」
「気にしなくていいよ! じゃあシホ、次の人達を助けにいかないと!」
「お嬢ちゃんに任せれば安心だなぁ! なんたってあの鮫野郎――」
「……え? そうなの?」
 助けた島民が口走ったのは、ルカンについてのある特徴だった。それはシホだったからこそ引き出せた情報かもしれない。
「……うん、頑張ってみるね! ありがと!」
 シホはぴゅーっと戦場に戻っていく。まだ危ない地域に残る島民はいるのだ。
 彼らを助ける傍ら、島民から聞いた情報を確かめてみる。そのタイミングは割とすぐに来た。
「えーいっ!」
 ぶおん、と銛がシホの真下を抜けていく。ルカンの薙ぎ払いのタイミングで目の前に躍り出ていた。
 次の救助の前に少し寄り道。翅を動かし宙を舞う。
「なんだぁ、オイッ!」
「こっちこっち!!」
 ぴゅんと旋回してシホはルカンの周囲を飛び回る。突然の乱入者はルカンにとってはどうにも邪魔だ。
「このっ、やろっ……」
 シホを追いかけるルカン。銛をぶんぶん振り回そうとするが、動きが妙に鈍かった。
 突き出した銛の先にはトンボでも止まりそうなほど。
 それもそのはず。ルカンは【硬質な体のため、急回転ができない】のだ。素早く周囲を動くシホを全く追えず、回る視界と強張る筋肉に足を縺れさせ、
「おわあっ!」
 ずでん、とルカンはマンガのように転げて頭を強か打った。ルカンが目に星を飛ばすのを横目に、シホはまた別の島民達をフェアリーランドに案内していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エドゥアルト・ルーデル(サポート)
『ヒャッハー!頭ねじ切ってオモチャにしてやるでござる!!』

口調:拙者、名字+氏、~でござる、~ですぞ
属性:混沌・悪

弱きを困惑させ強きを嫌がらせの果に弄り倒す正義なんてどこ吹く風なゴーイング・マイ・ヒャッハー系

シリアスな空気だと破壊するか自分が爆発する
可愛い女の子を見れば興奮する変態
エンジョイ&エキサイティングをモットーに好きなように生きて好きなように死ぬギャグキャラ
オタクらしく戦闘中でも状況に有ったセリフやパロ技を適当にぶっ込みながら戦う様はイカレポンチすぎて敵味方問わず困惑と驚愕させることに定評がある
公言しないが空軍のパイロット



●黒ヒゲ危機一髪
「ぬわーーっっ!! 野郎相手なんて聞いてないでござるー!!」
 エドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)は絶叫していた。
 グリモア猟兵の誘いに乗ってやってきたはいいものの、かわい子ちゃん好きなエドゥアルトにとって、筋骨隆々、漢感満載のルカンは最も出会いたくないタイプの敵だ。
 悲しき哉。しかしグリモア猟兵から説明を受ける際、終始ぐへへへと鼻の下を伸ばしてろくに話を聞いていなかったのだからそれもやむなしか。
 とにもかくにも、脱兎の如く逃げ出したいところだが……いや、実際今は逃げているのだ。
「待てやオラァ!!」
 そしてルカンが絶賛追跡中なのである。鮫牙型の刃が先程から周りをひゅんひゅん飛んできていて寿命が縮む思いを何度もしていた。
「こ、こうなったら……やるしかないでござるかぁ!?」
 振り向けばヤツがいる。出発前に大見えを切った手前、何もなしにすごすごと帰るわけにもいかない、という思いもある。
 しかしあんなムキムキで鮫肌ザラザラ、汗でヌメヌメの男とお近づきにはなりたくない。そのためには走り続けなければならなかったが、その状態で可能な攻撃は。
「……ぬぅん、きついでござるな!」
 体を捻ってライフルを構えてみたが、銃口がブレてどうしようもなかった。少なくとも自分はしっかり姿勢を正しておかねば。
 いい案が思いつくまでは逃げの一手。そう思いエドゥアルトは走り続けた。
 するとどうだろう。ルカンが息を切らし、エドゥアルトとの距離が開き始めた。
「ま、待てヤァ……」
 図らずも、走り「続けた」ことがルカンの弱点を突いていた。
「これはぁ!? 救いの神が降りてきたでござるかぁ!?」
 姿が小さくなったルカンを確認し、急停止し振り向いた。そして見た先には、
「い、いや……神はお怒りでござる!!」
 なんと、どこからともなく本当に神は降りてきていた。しかし眉をピンと吊り上げた神はどう考えても救いの神ではなさそうだ。
 神はエドゥアルトを一瞥し、ルカンに目を向けた。腕を伸ばし、ぼひゅんと謎のモザイクを放つ。
「うおぉっ!?」
 謎のモザイクは緩やかな速度だったが、体力の無くなったルカンは避けることができなかった。命中すると突然手や足をかくかくと変な方向に曲げ、その場でスピン――とも言い難い謎の回転を始めた。
 制御不能。物理演算の神から放たれたお戯れのバグだった。
「これならいけますぞぉ!! Get↓ down↑!!」
 流暢とも独特ともとれる発音だった。エドゥアルトはすかさずライフルを構えて腰を落とし、ピタリと止めた銃口から砲火した。ライフル弾は一直線にバグったルカンを撃ち抜く。
「ぐほぁ!」
 ぎゅるんぎゅるん回り続けるルカンを突如焼けるような激痛が襲った。しかし回転は止まらず、挙句腰を振り空の彼方へ手を伸ばしていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヤニ・デミトリ(サポート)
おやァ、今日はこういう仕事っスか?
良いっスよ、どんなカタチがお望みスかね

あっけらかんとした人型のブラックタール
合理主義が沁みついていますが生物を好ましく思っており、
軽口を叩きながら、仄暗い手段で安息を勝ち取るべく動きます

得意な事は状況に合わせ姿形を変えること
液化してだまし討ちしたり、武器を変形させたり
手持ちの情報からできそうなものは自由に
主な武器は尻尾型のバラックスクラップと、体を変化させた泥の刃
獣や魔物、敵の姿を映し取ることも得意ですが、
他の猟兵に擬態することはありません

公序良俗を乱さない範囲なら自由に
あとはおまかせ、よろしくお願いします



●肉を喰らわせる
「クソがぁ!! ならこいつで……どうだァ!!!」
 ルカンは咆哮し、高く銛を突き上げた。足元から風が渦を作って隆起し竜巻となる。
 竜巻は天に消え、降ってきたのはサメの雨だ。はじめ頭を下に向け落下しているだけだったが、ルカンの周りで体勢を直し、まるで海中を泳ぐかのように体を揺らす。
 そこは血に飢えたサメが群れ泳ぐ海中と同等の環境になっていた。
 当然、水に馴染んだルカンのホームグラウンドとなり、行動がより精密になる。
「ははぁ、そうきたっスか」
 ヤニ・デミトリ(笑う泥・f13124)は顎に手をやりルカンの出方を伺った。
 自分に有利な状況を作り劣勢を跳ね返す。なるほど、筋肉ばかりが能ではない、と妙に納得していた。
「でも、弱点が割れてちゃ話にならないっスよ」
 ヤニは右手からボタボタとタールを垂らしていた。自身の体を構成するタールだ。
 垂れたタールは尻尾型のバラックスクラップにビチャリと跳ねた。それが恵みの雨であるかのようにバラックスクラップはビチビチ踊る。
 しかし、ただ餌を与えるようにタールを垂らし続けているわけではない。
 血に飢えたサメが獲物を求めるように、タールに飢えたバラックスクラップもまた――。
『足りない分は自分でとってきな』
 タールの供給がなくなったバラックスクラップは、そこまでに得たタールを糧にガチガチと組み変わり、巨大化。殺戮機械の様相を呈しサメの一団に向かっていった。
 ヤニの体を400ml代償にしたのだ。相応の働きを見せてもらわねば。
 巨大なワーム状にまで膨れ上がったバラックスクラップにサメが牙を立てる――が、機械の体は硬く牙を通さない。噛みついたまま振り回され、勢いに負けて牙が折れると地面へと叩きつけられた。
「回ってドン、っス」
 サメを振り切ったバラックスクラップがルカンに迫る。しかし正面からではなく、長い巨体を生かしぐるりと背後へ。回り込みに弱い点を利用しようというのだ。
「させっかァ!!」
 銛を振り回しルカンは迎撃の体勢を取ろうとした。しかし環境を変化させ、速度を上げてなおバラックスクラップには追いつけなかった。
 ドリルのように回転したバラックスクラップがルカンの上半身に直撃し、筋肉をぞりぞりと削る。
「ぎゃああぁぁ!!」
 血飛沫は色彩のないバラックスクラップを華やかに染めていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

上野・イオナ(サポート)
『英雄イオナ 希望を描きにただいま参上!』
ヒーローの類いに憧れてる系男子です。悪いやつ許せないです
でもカッコイイものや面白そうな事が好きで直接助ける対象が見えてない場合はそちらを優先することがあります
具体的にはとあるシナリオで崩れる遺跡の中、巻き込まれてる人が居ないか探さずに、カッコイイ剣をあつめてました
正統派英雄を目指してますが
クールなダークヒーローやイラズラ好きのややひねくれた主人公とかも好きです

UCは指定しているものはどれも使いますが【バトルキャラクターズ】は気づいたら多用してます。雰囲気に合いそうな色んなキャラ召喚します
年齢に比べて行動や喋り方が少し幼い気がします
※アレンジ・連携 歓迎



●最後に立つは希望か絶望か
「ヒーローは遅れてやってくる!」
 彩虹の剣を突きつけて、上野・イオナ(レインボードリーム・f03734)は開口一番、宣言した。
「ヒーロー……だぁぁ……?」
 体をボロボロにされたルカンは銛を杖代わりに砂地についてようやく立ちながら、訝しそうな視線を向ける。
「そうさ、ヒーロー! お前みたいな悪いやつを倒しに来たんだ!」
 こうも真っ直ぐにヒーローの姿勢を貫く猟兵もなかなかいるものではない。それだけ憧れが強いということだ。
「ハッ……反吐が、出るぜ……。テメェにゃこいつを……くれてやるっ!」
 持ち上げた銛をズンと砂地に突き刺す。叩き起こされたかのように浮かび上がった鮫牙型の刃が、まるでルカンを守るバリアを作るかのように、複雑怪奇に飛び回り始めた。
 もちろん、その中に引きこもろうというわけではない。
「うおおおぉぉぉ!!!」
 刃の速度が上がっていく。渾身の一撃をイオナへとぶつけようというのだ。
 それは、ともすればルカン自身の弱点を晒すことにもなる一撃。決死の覚悟でルカンは刃を放つ。
「いいね! 受けて立つ!」
 イオナは前方、空より落ちる怒りの刃を目に焼き付け、笑みを浮かべる。
 互いの全力をぶつけ合う。バトルのクライマックスに相応しい画の登場人物になれることが嬉しかった。
 目の前の刃を全て防ぐ――それがイオナに課せられたミッションだ。クリアすれば勝利の光が見えてくる。
 イオナは刃の嵐の中に身を投じた。
「はっ! はっ! はあっ!!」
 剣を薙ぎ、払い、かち上げた。血色の牙の嵐の中で虹の橋が架かった。
 イオナはギリギリまで見極めた。武器受け、見切り、野生の勘と、持てる能力は全て使った。
 ルカンが全力なら、イオナも全力だ。
 やがて刃は背後からも襲い掛かってくるようになる。イオナの動きもまた、ダンスのように立体的になった。
「うぉぉぉおらああぁぁっっ!!」
「はあああぁぁぁっっっ!!」
 ルカンの気合いと共に刃は一斉に襲い掛かる。イオナの視界が一瞬血色に染まるほどだ。
 それが極限まで高められた最後の一撃と悟り、イオナは剣を握り締める。
 一際大きな虹が、血色を鮮やかに消し飛ばす。
 ルカンは精魂尽き果てていた。イオナはついに刃の全てを受け切った。
「その技はゲームにもあったって事で!」
 ルカンへと掲げたスマホの画面に映し出されていたのは、今し方防御したルカンの必殺技。乱舞する刃は画面という境界を越えて現実世界へと現れた。
 ルカンへと殺到する血色の刃。ルカンはもう、銛を持ち上げる力すら残っていない。
 刃が肉を、骨を散らしていく。
「……ァァァ……」
 断末魔すらか細く。倒れゆくルカンに、
「これが……ヒーローの力だ!」
 イオナは剣を空へと掲げ、目指すべき生き様を見せつけるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 冒険 『凍てついた道』

POW   :    滑らない工夫をして着実に進む

SPD   :    あえて滑ることで高速で進む

WIZ   :    魔法で宙に浮かびながら進む

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●コールドラッシュ
 そこは氷に閉ざされた洞窟だった。
 ルカンが残した『海賊旗のメガリス』。それが眠る場所を島民達から聞き、猟兵は駆けつける。
 燃やさなければコンキスタドールの増援が来る。ならば当然、燃やさなければならない。
 しかし足元は一面氷が張り、進むにも何か策がいりそうだ。
 入念な準備を行うか、自らの身体能力を信じるか。
 はたまた、氷に触れなければなんとかなるか。
 猟兵よ――自らの力を信じて、進め。
桑原・こがね(サポート)
あたしを見ろォ!
登場は雷鳴と共に、派手に演出していきたいわね!
名乗りを上げて注目されたいわね!
囮役とかも嫌いじゃないわ。

こそこそしたり駆け引きするのは苦手だし、何事も正面突破の力技で解決したい!

戦うときは大体斬りかかるか、武器を投げつけるか、雷出すかのどれかね。徒手空拳も心得が無くもないわ!

さーて、雷鳴を轟かせるわよ!



●閃く銀雷
「ふーん……本当に一面氷だらけね」
 海賊旗のメガリスが眠る洞窟の前で内部の状況を検める桑原・こがね(銀雷・f03679)。島民達に聞いた通り、一歩足を踏み入れたところからずっと奥まで、氷の道が続いていた。
 不用意に進めば足を滑らせるかもしれない。だからといって、あれやこれやと策を弄するのはこがねの性には合わなかった。
 氷に真っ向から立ち向かう。滑るなら、滑るのも利用して一直線に突き進めばよい。
「――勝負よ!!」
 短刀を手に、こがねは氷の道へ勢いよく突っ込んだ。
 踏み込んですぐ、足元の摩擦が減っているのを感じた。姿勢をうまく保ちながら足を止めてみると、シャアアアと軽い音を立てて滑っていく。
 だが、雷光を纏う身としては。もっと、もっと速く。
 そうでなければ、雷鳴など轟かない。
「瞬くこと――雷光の如し!」
 全身に銀色の雷を纏ったこがねは進路上にあった氷のでっぱりを強く踏み込んだ。ほとんど点で捉えなければならない足場を絶妙なバランスで活用し、身軽さを増していたこがねは爆発的な推進力を得て氷を削り散らしながら滑走していた。
 あっと言う間に海賊旗のメガリスが見えてくる。
 こがねは短刀を振りかざす。周囲に生成した銀属性の雷を避雷針のように短刀に集め、
『轟けェ!』
 咆哮と共に、短刀を投擲するように振り抜き巨大な雷を放った。洞窟に閃く銀雷は洞窟内を眩く照らし、メガリスへと命中。バチィンと銀雷が弾けると、メガリスは火の玉のように真っ赤な炎に包まれていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

エドゥアルト・ルーデル
Goddamn Cold!(めっさ寒い!)
汗臭い野郎の次がこれとかあのグリモア猟兵め…今度会ったらTrick and Treatせねば…!

サッと行ってサッと燃やしてサッと帰るでござるよ(サングラスをかけつつ)
腕につけた戦闘支援ツールから雑に【コンソールコマンド】を打ち込み【火炎放射器】を3倍に強化!
威力と射程が上がった火炎放射器で洞窟内を焼き払いながら前進ですぞ!凍ってるなら溶かせばいいんでござるよ
前方確認ヨシ!先に誰か進んでたらアレでござるがまあ猟兵ならこの程度ならなんとかするだろ

海賊旗が見えたら…火炎放射器、サングラス、旗は燃やさねばならない…後はわかるね?
ヒャッハー!汚物は消毒だ~!


シホ・イオア
氷の洞窟かー。
うん、シホはもともと飛んでるし足元への注意は不要かな。

「輝石解放、ルビー! 愛の炎よ、舞い踊れ!」
周囲に炎を浮かべ、結界術と併用して身を守りつつ行動。
暗くても炎が灯代わりになるだろうしどんどん進んじゃおう。

メガリスを発見したら豪快に燃やしちゃおう。
こんなものがあると島民の人達が危険だしね。

アドリブ連携歓迎!



●メガリス死すべし慈悲は無い
「Goddamn Cold!(めっさ寒い!)」
 エドゥアルトが洞窟を覗くと冷気が一気に押し寄せてきて、足元から頭のてっぺんまで、アニメのように見事に震えた。
「汗臭い野郎の次がこれとかあのグリモア猟兵め……今度会ったらTrick and Treatせねば……!」
 懇願されてこれだけハードな作戦に送り込まれたのだ。礼と称して困り顔の一つでも見てやらねば気が済まない、といった風でエドゥアルトはぶつぶつと呟いている。
 ねこじゃらしで首筋擽りの刑がよいでござるか、いやいや……とか何とか。
「何言ってるのー?」
「な、何でもないでござる。サッと行ってサッと燃やしてサッと帰るでござるよ」
 シホが純粋な眼差しで覗き込んできたので、エドゥアルトは慌て気味に誤魔化しながらサングラスをかけた。準備していたものだが、ひょんなところでカモフラージュに役立った。
「そうだね♪ じゃあ、レッツゴー!」
 小さな手を元気よく突き上げると、シホはぴゅーっと洞窟内へ入っていく。
 飛ぶことができるシホには地面が氷になっていようが関係ない。その分準備は少なく済んだ。
「遅れを取ってはまずいでござるな」
 エドゥアルトも続くべく、腕につけた戦闘支援ツール「Pip-Boy」にダダダッと雑にコンソールコマンドを打ち込んだ。
 コマンドが起動し、万能火炎放射器の能力が強化される。これで準備は完了。
「さーて、一暴れするでござる!」
 前方へと火炎を噴射しながらエドゥアルトはシホの後を追った。


「輝石解放、ルビー! 愛の炎よ、舞い踊れ!」
 洞窟内部。シホは周囲に愛の炎を浮かべながら順調に進んでいた。炎は結界のようにシホの周囲に組み上げられ、光源となると共に落下物などの予期せぬ障害からシホを守る役目も果たしていた。
 ふと下を見ると、別の炎がぼわぼわと燃え上がっている。
「凍ってるなら溶かせばいいんでござるよー」
 エドゥアルトが追いついてきていた。万能火炎放射器から噴出する炎でじゅわじゅわと一気に水蒸気へと昇華される氷の下に、安全な地面が見えている。そこを悠々と走れば何の問題もなかった。
「前方は大丈夫でござるかー?」
「うん、大丈夫ー」
 威力、射程が3倍になった万能火炎放射器は実に便利であったが、同時に前方、特に地面付近が炎に遮られ見にくくもあった。エドゥアルトは空中のシホに確認を取りながら突き進んでいく。
「あ! あれがメガリスなのかな?」
 また少し進み、シホが先に見える光に気づいた。それは燃え上がるメガリスだった。
 燃えてはいるが、さすがにメガリス。まだまだ火力が必要そうだ。
「そうでござるなー。拙者達も続くでござるよ」
「オッケー! ばーっと一気にやっちゃおー☆」
 シホは周りに障害物がないのを確認すると、守りに使っていた炎を次々に纏めていった。
 そうしてできた炎の塊はまるで太陽のようだ。
「そーれっ!」
 それをシホは体当たりでメガリスに向かって押し出した。発射された火炎弾は燃えるメガリスに直撃し炎を何倍にも成長させていた。
 ぼろぼろと炎の内部でメガリスの影が崩れていく。もう一息だ。
「火炎放射器、サングラス、旗は燃やさねばならない……つまり」
「つまり?」
「ヒャッハー! 汚物は消毒だ~!」
 ニタッと笑みを浮かべながら、エドゥアルトは万能火炎放射器の火力を最大にして噴射された火炎をメガリスへとぶつけた。立ち上がっていた炎にクロスして炎が重なり、メガリスは白炎に晒された。
 そうなれば、もはや秒の出来事だ。メガリスは焼き尽くされ、その灰すら炎の中で消滅する。
 最後の任務を終えたシホとエドゥアルトがいたのは、氷が溶けて様変わりした、なんだかどこにでもありそうな普通の洞窟だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年11月02日


挿絵イラスト