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婚礼と交配を祝い呪おう

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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 薄暗い酒場に、一人の男が残っていた。
「オイオイ、また飲み過ぎてるのか」
「仕方ねぇよ……だって……」
「……気持ちは分からんでもないが。程ほどにしておけよ、ハリー」
 ハリーと呼ばれた男はカウンターに突っ伏して顔を上げない。
「気は持ちようだぜ。ニネットはここらで一番の美女、お前だってこの辺じゃとっておきの色男。お似合いじゃねえか」
「でも……でもよお……!」
 ハリーの声は湿っている。
 ――バーのマスターである男もこれ以上は何も言えないのか、しばし言葉を詰まらせて。
「……分かってるよ。こういう時、自分が病気で良かった、って思っちまう俺は卑怯だな」
 自嘲的に呟いて、マスターは更に続ける。
「俺達は生かされているだけだ。ゾーイは今日も、飲んだくれてる奴らを見て物凄い顔をしながらミルクでも飲むんだろうな」
「あの女大酒飲みだったもんな……今じゃ、もう飲んじゃいけねえってのに酒場なんか来やがって……」
 マスターは優しくハリーの背を叩くと、肩を貸してやって。
「ほら、帰るぞ。明後日にはお前も結婚だ」
「ああ…………サマンサ……」
 悲しい声を上げて、それきりハリーは沈黙した。


「結婚ってのがめでたいってのは知ってるぜ。シソンハンエーだな」
 タハニ・クルツリンガー(乱暴者は乱舞する・f03635)はそう言ってから、ダークセイヴァーにあるとある村の話を始める。
「その村では、もうすぐ結婚する男がいるみたいなんだが様子がおかしい。どうにも、オブリビオンが何か仕組んでいるようなんだ」
 オブリビオン――『ゼラの死髪黒衣』の支配下にある村のようなのだが、彼らが抱えている問題はハッキリとは分からない。
「そこで、村唯一の酒場で調査をしてほしいんだ」

 酒場は夕方から明け方まで開いており、何人かの客がいる。
 彼らから話を聞き、事件解決の手がかりを探って欲しいのだとタハニは言う。
「村といってもダークセイヴァーの中では豊かな方だから、村人のふりをしても旅人のふりをしても違和感はそんなにないはずだぜ」
 酒の入る場だ、村人の口も軽くなりやすいので、調査にはうってつけだろう。
「予知で名前の分かった奴らのリストは作ってきた。これを見ながら、誰にどんな風に聞き取るか考えてみてくれ」
 そこで分かったことによって、更なる行動を起こす必要が出てくるかもしれない。
「最終的には『ゼラの死髪黒衣』との戦いにはなると思うが、何が起こるかは不透明な部分も多い。気をつけて行ってきてくれよな!」
 転送すれば、向こうは夕暮れ、人の一番多い時間帯となっていることだろう。
 グリモアもまた、夕闇色に輝くのだった。


遠藤にんし
今回はダークセイヴァーです

第一章は酒場での聞き取り調査
第二章は第一章の内容により変動します(冒険フラグメント)
第三章は『ゼラの死髪黒衣』との戦闘です

●タハニの予知メモ●
酒場:広い。酒が色々ある。この村結構潤ってんな!
マスター:50いくつのおっさん。病気があるらしい?
ハリー:若いイケメン。『ニネット』と結婚するんだってよ! 『サマンサ』って誰だ。
ゾーイ:30くらいの女。大酒飲みだってのにミルクばっか飲んでる。他の酒を飲んでる奴をめっちゃ睨むらしいぜ。
ニネット:酒場には来ないけどここらで一番の美女らしい。
サマンサ:酒場には来ない。

他にも名前は出てないけど夕方~深夜にかけて10人くらいの客が男女入り混じって店にいる。
転送したら向こうでは夕方くらいか? 一番人が多い時間帯に到着できるぜ。

●以上●

皆様のプレイングを楽しみにお待ちしております
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第1章 冒険 『うす汚い酒場での一場面』

POW   :    毅然とした態度で店主に話しかける。かかってこい、荒事は猟兵の得意分野だぜ

SPD   :    軽妙な話術とクレバーな交渉術で情報収集を試みる。修羅場をスマートに潜り抜けるのも猟兵の領分よォ

WIZ   :    心理操作術、

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

山理・多貫
【POW/アドリブOK/他のキャラさんとの絡みOK】

・・・・・・(店内の酒の臭いに顔をしかめつつ)
まぁ任務なのでやりますが・・・・・・。

まずは聞き取り調査・・・旅人の振りをして店主に問いましょう。

「・・・結婚といえばおめでたいはず・・・それなのにどこかみなさん浮かない顔してるのね・・・?」

隠し事をしているようであれば
隙を見て吸血を付与しユーベルコード「二人だけの約束(ブラッドブルー)」を発動。
ルールは「私の質問に嘘をつかないこと」

決して吸血したいわけでは・・・ないです・・・(よだれをふく)


白皇・尊
「結婚…未婚の僕には未知の領域ですよ、子供は沢山いますけどねぇ…アハ♡」

酒場に旅人として現れ、ちょっとした仕草で下着や脇をチラりしながら『誘惑』を使い色気を振り撒く。
「今晩の寝床に困ってるんですぅ、お金も無いけど誰か泊めてくれないかなぁ…」
緩くてエロい少女のフリして誰かが引っかかるのを待ちます、相手は性別も年齢も既婚者か未婚者か婚約済かすら気にしません。
「ありがとうございます、お礼はたっぷりしますからね?」
泊めてくれる人を捕まえたら2人きりになり、骨抜きにしながら村での事を根掘り葉掘りと掘りながら聞いちゃいます♡

誰かに咎められても、それはそれで何かを隠してる証拠ですし。

※アドリブ歓迎


有栖川・夏介
※アドリブ歓迎

オブリビオンが関与しているということは、つまりこの結婚はお互いが望んだものではない…ということなのでしょうか?

いろいろと情報をもっていそうなのは、マスターでしょうか。
彼に話を聞きましょう。旅人のふりをして、声を掛けます。
「この村は豊かで驚きました。それに先ほど耳にしたのですが、結婚間近の方もいらっしゃるとか。…喜ばしいことですね」
マスターがそう思っていなければ、少なからず表情に現れるかと。
そしたら更に追及。
「……結婚、あまり喜ばしいことではないのですか?」
この村で結婚するということの意味、教えていただけるといいのですが。

マスターの病気とやらも少し気になります。
【医術】で診れたら。



 酒場のドアが軋みと共に開くと、充満している酒の臭気が漂う。
「……まぁ任務なのでやりますが……」
 思わず顔をしかめる山理・多貫(吸血猟兵・f02329)だが、果たすべき責務のために表情を押さえ込む。
 カウンター席にて、大貫の隣に有栖川・夏介(寡黙な青年アリス・f06470)は腰掛けた。
(「この結婚はお互いが望んだものではない……ということなのでしょうか?」)
 疑問を胸に、しかし夏介はその問いをそのままぶつけることはせずに多貫と共にマスターとの会話を楽しむことにした。
「この村は豊かで驚きました。それに先ほど耳にしたのですが、結婚間近の方もいらっしゃるとか」
 喜ばしいことですねと言う夏介に対し、マスターは頷かない――どこか曇ったその表情に、多貫はおや、と問いかける。
「……結婚といえばおめでたいはず……それなのにどこかみなさん浮かない顔してるのね……?」
「そ、そうかもしれませんね。色々あるモンですから」
「色々……?」
 問いを重ねて言葉を引き出そうとする多貫だが、マスターはそれ以上のことは旅人には言えないと思っているのか言葉を濁す。
「……結婚、あまり喜ばしいことではないのですか?」
「そういう結婚も世の中にはあるってことだ。お客さんも旅をしていてそういう夫婦を見なかったワケじゃないだろう?」
 夏介が尋ねても、この村の抱える事情までは話題に乗せようとしないマスター。

 ――そうして夏介と多貫がマスターから情報を聞き取ろうとする様子を遠くのテーブル席から眺めていた白皇・尊(魔性の仙狐・f12369)の顔に浮かぶのは艶かしい笑み。
「結婚……未婚の僕には未知の領域ですよ、子供は沢山いますけどねぇ……アハ♡」
 微笑交じりの言葉の後、尊は旅人である尊自身にちらちらと視線を送る男性客を見つけると、チラと服から脇を覗かせる。
 頬を染めて顔を背ける男性へと尊は歩み寄り、向かいのテーブルに座るとテーブルに肘をついて上目遣い。
 蠱惑的な紫の瞳が男性を捉えた――視線を下にずらせば、誘うように開いた胸元は見えそうで見えない。
「今晩の寝床に困ってるんですぅ、お金も無いけど誰か泊めてくれないかなぁ……」
 魅入られたように尊を見つめる男性がどんな人か、結婚しているか否かも年齢も、性別に至って尊には関係がない。
 男性の手元には太く、たっぷりと入りそうなジョッキ。
 汗をかいたジョッキへと尊は指を這わせ、愛撫するかのように撫でさする。
 そんな様子に性的な印象を喚起された男性は、言われるままに尊の手を取ってどこかへ行こうとするが、
「おいポール、お前新婚だろ」
 おかわりのジョッキをテーブルに置いて、マスターはそんな風に横槍を挟む。
「子供もまだだってのに遊ぶな」
 それからマスターは尊に視線を向ける。
「お嬢ちゃん、コイツを誘うのはやめてやってくれ。まだ子供もいないし新婚なんだ」
「子供子供ってよお……そんなに子供が必要かよお……」
 ポールと呼ばれた男は尊と抜け出すことが出来ず残念だったからか新しいジョッキの中身を一気に半分ほど干し、テーブルに突っ伏す。
「俺もアデライードも子供なんて欲しくねえんだよ、だってのに……」
「ポール!」
 たしなめるように飛んできた声に、う、とポールはその先の愚痴を飲みこむ。
 そんなポールへと多貫は歩み寄ると、介抱するように肩を抱く。
「少し飲み過ぎたのではないですか?」
「うう……」
 ポールは呻くばかりで反応が鈍く、多貫は酒場の喧騒の中でも聞こえるようにと彼の耳元に口を近づけ――、
 素早く血を吸った。
「私の質問に嘘をつかないこと。約束だよ……?」
 ゆらゆらと、しかし確かにうなずいたポール。
 目配せして尊はまだ別の人から声を掛けられるのを待つために席を移り、多貫は辺りには聞こえないよう小さな声で、介抱しているかのように装って質問を重ねる。

「――いや失礼、どうも結婚してからというものアイツは酒癖が悪いのですよ」
 旅のお方に妙なところを、と夏介へ苦笑するマスター。
「気にしていません。……ところで、お体の様子があまりよくない」
 夏介の言葉に、おや、とマスターは瞠目して。
「驚いた、よく分かりましたね。……恥ずかしながら酒のつまみに菓子や果実を食べるのが好きでして、そのせいで病気にかかりましてね」
 医術の心得があると伝えたうえで夏介が診察を申し出ると、マスターは抵抗もなくうなずく。
 ――夏介の見立てによると、病気は『糖尿病』と呼ばれるもの同じだ。マスター自身の話す症状や生活習慣を聞いても、間違いないものと思えた。
 夏介の隣に多貫が戻ってきた。マスターが他の客の相手をしている間に、二人は分かった情報を交換する。

 まず、尊への対応から見て、『結婚』『子供』というものがこの村では何かの制約となっているようだ。
 旅人である猟兵らへ口を割ろうとしなかったことからも、村の異常性を彼らも理解していると考えて良いだろう。
 多貫が話を聞いて分かったこととしては、この村での結婚は『決められた』ものであるということ。
 いつ決められるものなのか、誰が決めたものなのかまでは分からなかった……ポールがそれよりも早く寝入ってしまったせいだ。
 そして夏介の調査によって、マスターの病気が『糖尿病』であることが分かった。
 甘い物が好きで運動は好まないというから、これは彼自身の生活習慣に原因がある。マスターの病気については、誰かから病気になるよう仕向けられたものではないだろう。

 ここまで分かっても、依然として情報は不足している。
 もう少し、調査の必要がありそうだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

エキリ・ナーガクーガ
ジョディ(f06153)と参加。
ジョディと一緒に酒場に入る。
荷物は儂が全部持つし、彼女が座るときは椅子を引いたりして、大事にしてる様子を出す。
で、注文をする時に「彼女との婚前旅行中なんだ。何かこう、いいお勧めはないかな? あと、宿と道具屋の場所が知りたい」と大きめの声で尋ねる。
で、注文をして「先に食べてなよ」と肩をたたいて、ジョディを一人置いて店を出て、尋ねた場所をゆっくり回って戻る。

後は人生の先輩方が、可哀想な女の子に結婚の例を持ち出して慰めたり諭したり、身の上話をしたりしてくれるはず。
見ず知らずの人間が「話してくれ」って言うより、「話したくなってもらう」方が色々聞けるんじゃねーかな。


ジョディ・アリゲータ
エキリん(f06202)と一緒に参加。
上手くお芝居できるかな。不安。
(緊張しているのでエスコートされるまま、何かアクションがあると無意識にビクつく)

「結婚て、好きじゃない人とでも、我慢してしないといけないのかなぁ」
エキリんが酒場から出て行ったところで、俯いた状態で口にする。
(緊張と不安で振るえる声が、望まない境遇に耐えているように見えるかも)
気にかけてくれる人が居たら、その人に「生きていくために結婚するのに、嫌な気持になるんです。こんなの、私だけなのかな」って、他の人の例を挙げてもらおうとする。
後は「でも」「そうかな」で口ごもって、エキリんが戻ってくるまで情報収集頑張る。



 酒場へ訪れたエキリ・ナーガクーガ(牙・f06202)の後ろにはジョディ・アリゲータ(鰐娘・f06153)がいる。
(「上手くお芝居できるかな」)
 ジョディの胸にはそんな不安がある。
 エキリは荷物を持っていない方の腕でそんなジョディの手を引いてテーブルまで導き、椅子を引いてジョディを座らせる。
「今日は旅の方が多いことだ。どちらへ行くんです?」
 注文を取りに来たマスターに問われてジョディは身を硬くするが、エキリは楽しそうに答える。
「彼女との婚前旅行中なんだ。何かこう、いいお勧めはないかな?」
「へえ、婚前旅行! だとしたらイイ魚がありますよ。精がつきます」
 歳の割に無邪気な調子のエキリは酒場の空気を和ませ、辺りの客も巻き込みながらあれこれと注文をする……そんな中でもジョディはうつむいて沈黙を守っていた。
「あと、宿と道具屋の場所が知りたい」
「道具屋は明日の朝にならんと開かねェな……ただ宿は取った方がいい」
「注文の準備はしておきますから、先に行って来たらどうですか?」
 客やマスターの言葉に乗って、エキリは外へ出ることにしたようだ。
「先に食べてなよ」
 言ってエキリが肩を叩くと、ジョディの体はびくっと震える。
 ――エキリが店を出ると、酒場はしんと静まるようだった。だからこそ、ジョディの声はよく通り。
「結婚て、好きじゃない人とでも、我慢してしないといけないのかなぁ」
 そんな言葉が、酒場中に響き渡る。
 ジョディが顔を上げず、びくついた様子だったのは緊張しているから――しかし客たちにはそうは見えなかったのだろう、その言葉に残された客はジョディへ寄って行き、「人生はそんなもんだ」と慰めを口にした。
「生きていくために結婚するのに、嫌な気持になるんです。こんなの、私だけなのかな」
「……皆そうなんだよ」
 呟いたのは、カウンターで呑んでいた顔の整った男。
「俺は別の女と結婚したいってのに、それは叶わないんだ。そう決められちまったからな」
「そうかな……」
 口ごもり、赤い瞳を揺らすジョディ。
「……ああ、仕方ないんだ」
 沈黙と共に、少しずつ二人は言葉を交わす。

 結婚したくはないのにすることになったこと。
 相手は決められているということ。
 この村の結婚は、子供を作るための結婚だということ。
 求められる『役割』を果たせる子供を作らなければならないということ。
「自分で言うのもなんだが、俺は見てくれだけは良くてね。だから美人な女と結婚して、キレイな子供を作れってことなんだ」
 体の丈夫な者同士、知力に優れた者同士をつがいにし、子供を作らせる。
 ――この村で行われている結婚とは、その都合のためだけのものだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『恐怖支配からの解放』

POW   :    熱心に説得する、武勇を示す

SPD   :    敵の偵察を察知して対処する、卓越した技量を示す

WIZ   :    人心を掌握する、勝利への道筋を示す。

👑11
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 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 村における結婚と子供を作るということの意味。
 それは、彼らの特色を伸ばすための……より優秀な人間を産むためのものなのだろう。

 彼らに望まない結婚と望まない子作りを求めるオブリビオンが、この村にはいるはず。
 しかし、彼らはオブリビオンへの恐怖にかその夜はそれ以上口を開かず、酒場の明かりは落とされた。

 ――朝が来て、酒場だけでなく村全体に活気が宿る。
 村人たちと言葉を交わし、信頼を得ることでオブリビオンの居所を探らなければならないだろう。
セツナ・アネモネ
【WIZ】
……ふぅん。望まぬ結婚ね……

ま、とりあえず話を聞いてみようかな。旅人を装って行ってみるよ。
マスター、酒を……オススメがあったらそれで。
……あぁ、この人の分も。

と、暇そうな人に近付いてみるかな。

なんで奢るんだって聞いてきたら……
賞金稼ぎをしててね、丁度デカい仕事が終わったばかりなのさ……とでも答えよう。
金に余裕があるってことはつまり腕に自信があるんだな、と思ってくれればいいけど。

食い付いてくれたら、悪い領主や支配者を倒してきた話をちょっと盛って話そうか。
酒の席には冒険話はもってこいだと思うし。

アンタも何か依頼があったらアタシに頼みなよ、丁度暇してるんでね。
と付け加えておくのも忘れずに。


ジョディ・アリゲータ
エキリん(f06202)と参加。
後から好きになることだってあるけれど、やっぱり、野菜の品種改良みたいに決めるなんてよくないよ。

酒場でお話してくれた人を探して、声をかけてみよう。
「昨日はありがとうございます。ちょっと気持ちが楽になりました」
「私は、あの人にお金をもらったんでお買い物に」
お芝居の最中に目を見て話すのは怖いので、俯く。
「悪い人じゃないと思うんですけど……怖くて。立ち寄った村で魔獣とかの話を聞きつけて、それを倒して稼いでる人なんです。……人間離れして強いから、それがとても恐ろしくて」
そんなに強い人が居るならオブリビオン退治を倒せるかも、頼んでみようかな、と村人に思ってもらえると良いな。


エキリ・ナーガクーガ
ジョディ(f06153)と参加。
さて、ジョディは儂がオブリビオンを倒せる可能性がありそう、と上手く吹聴してくれてるかな?

宿の一階か昨日の酒場で食事をとりながら、店主にでも「何か仕事はねーかな。動物退治とかさ。人間以外なら、料金後払いで何でも引き受けるんだが」なんて話をする。
「具体的な依頼じゃなくて希望でも良い。生活に干渉してくるオオコウモリがいなくなればいいなー、みたいな。なんでか上手いこと収まったら、宿代と飯代を奢る、と」
食事をしながら、他愛のない話をするように言う。
これは冗談なんだが、とオブリビオンの話をしてくれるといいんだがなー。



 望まない結婚は、この村に、この世界に限らず起こり得ること。
 後から好き合うことだってある――それでも、まるで野菜か何かのように人間を『品種改良』する行いは、ジョディには受け入れられなかった。
「頼んだぞ」
「任せてね」
 エキリとジョディ、二人は言葉を交わし、別の方向へ歩みだす。

 ジョディは行き先を決めることなく村の中を歩いていたが、やがて、昨日酒場で見かけた男性の姿を認めて近づく。
「あれ、昨日の……」
「昨日はありがとうございます。ちょっと気持ちが楽になりました」
 ぺこっと頭を下げるジョディ。
「私は、あの人にお金をもらったんでお買い物に」
「そうか……」
 演技中に目を見て話すのは怖くて、うつむいたままのジョディ。
 そんなジョディに何を思ったのか、彼は「大丈夫か?」と優しく尋ねる。
「悪い人じゃないと思うんですけど……怖くて」
「怖い?」
 聞き返されて、目を伏せたままジョディは小さくうなずく。
「立ち寄った村で魔獣とかの話を聞きつけて、それを倒して稼いでる人なんです。……人間離れして強いから、それがとても恐ろしくて」
「人間離れして強い、か……」
 それなら――と何か考えている様子の男性。
 オブリビオンを倒せると、そう感じてもらうことができたら……願いながら、ジョディはエキリの強さを語るのだった。

 一方のエキリは酒場で少し早めの昼食を。
(「ジョディは儂がオブリビオンを倒せる可能性がありそう、と上手く吹聴してくれてるかな?」)
 どうなることやらと思いながら、供された香草焼きを口に運ぶエキリ。
 香ばしさを流し込んでから、エキリはマスターへ訊いてみる。
「何か仕事はねーかな。動物退治とかさ。人間以外なら、料金後払いで何でも引き受けるんだが」
「な、何でも? そりゃ大きく出たことで……」
「具体的な依頼じゃなくて希望でも良い。生活に干渉してくるオオコウモリがいなくなればいいなー、みたいな。なんでか上手いこと収まったら、宿代と飯代を奢る、と」
 仕事の話というよりは、他愛のない話だとでもいうようにエキリは続ける。
「そうは言ってもなァ……っと、いらっしゃい」
 酒場へ姿を見せたのは、セツナ・アネモネ(記憶の果て・f04236)。
「マスター、酒を……オススメがあったらそれで」
「ちょいと高いが途轍もなく旨い酒と、普通の値段で普通に旨い酒があるよ。ま、大体皆普通の――」
「高い方で。……あぁ、この人の分も」
 言葉を切ってセツナが指したのは、セツナとは面識もないグループ客。
「いいのか? なんで奢ってくれるんだ?」
「賞金稼ぎをしててね、丁度デカい仕事が終わったばかりなのさ……」
 奢ったことを恩に着る様子もなく語るセツナの言葉には、これだけの金が入ることは日常なのだろうと思わせるには充分。
 続く今までに戦った敵の話――『かみさま』と呼ばれたオブリビオン、人の体を欠かせた災魔、町を焼いた敵――戦いの様子を語れば、冒険譚に男どもは目を輝かせる。
「凄い人なんだな……!」
「おぬしも儂と同じような経験をしてきたようだな」
「そのようだね」
 互いが猟兵だと悟っていたからエキリはそう言い、セツナもその言葉にうなずく。
「こんなに強い人がこの村に何人も来るなんて、凄い偶然だな……!」
 色めき立つ酒場の中で、「そういえば、冗談なんだが」と前置きして誰かが口を開いた。
「人を支配する敵ってのがいるってなっても戦うのか?」
「もちろんだとも、今までの敵のように勝利してみせよう」
「すごく強いぜ? 見た目は小さい子供でも、歯向かおうなんて俺達は夢にも思えないほどの……」
「戦うよ。アタシ達は負けない」
 きっぱりと、戦いの決意を述べる二人。
 ――そんな二人の様子に、少しばかりの沈黙が落ちる。
「アンタも何か依頼があったらアタシに頼みなよ、丁度暇してるんでね」
「仕事は募集してるぜ」
 二人は言って、酒場の人々の背中を押す。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

白皇・尊
「へぇ…人間を交配させるオブリビオンですか、人間と交わって一族を増やし強化してきた僕と少し似てるかも…クスクス」

似ているとはいえ、人間の性欲を無視してまるで家畜のように交配させるのは気に入りません。
なのでこの支配下で確実に割を食い、鬱屈しているであろう【何の取り柄もなく、結婚や子作りが許されていない者達】を1人ずつ虜にして決起を促します。
「こんなに気持ち良い事を義務にしたり、アナタには我慢させたり…許せないと思いません」
身体と仕草で妖術の域にまで高めた『誘惑』で誘い、得意の房中術で虜にしながら決起を促します。
「恋愛やエッチな事は自由であるべきなんです…ほら、立ち上がりましょ?僕と一緒に…」


ダリア・ミフネ
【WIZ】
愛って、結婚って、もっと……心の底から相手の事を想える人同士がするものなんです!なのに……うう、言葉にしにくいですけど、ボクは怒ってますよ!

えっと……サマンサさんかニネットさんを探してみましょうか。
そうだ、人形劇をしたら人を集めやすくなるかな?【パフォーマンス】で頑張ってみます!

うまくどちらかに会えたら……
恋の話、してみようかな?ボクには大好きな人がいて、その人といるためならどんなことだってできる、してみせるって事を語ってみようと思うんです。

……まぁ、向こうはボクの事、あんまりそういう対象として見てないみたいなんですけどね!

向こうの悩みも聞いて、応援してあげたいんです。


有栖川・夏介
※アドリブ歓迎

望まない結婚、望まない交配……。
そうして生まれてきた子どもは、果たして幸せになれるのでしょうか?

村人たちから情報を得る必要があるのでしょうが、オブリビオンがどこにいるかわからない状態で、闇雲に声をかけるのは危険でしょうね。
あまり【目立たない】ように配慮し、調査します。
声をかける対象は、昨夜酒場にいた人に絞ります。

そういえば、酒場にいたゾーイという方は身重なのでは?
見かけたら【医術】で診ます。

たとえ望まない交配だとしても、赤子に罪はないですから……。
皆が幸せになれる道があるのなら……この村を支配するものがなんなのか、教えて欲しいです。
真摯に説得。



 人間を交配させるオブリビオン――その正体を、尊は自身とどこか似ていると感じた。
 尊は人間と交わることで一族を増やし、強化してきた。交わりによって強さを得るという意味では同じことだが……人の持つ欲を無視し、家畜のように交配させる、というのは尊にとって気にくわないこと。
 そうして生まれることが子供にとって幸せなのかと夏介は疑問に思い、リア・ミフネ(あの人の王子になりたい・f04831)は言い表せない怒りを抱く。
(「愛って、結婚って、もっと……心の底から相手の事を想える人同士がするものなのに……!」)
 オブリビオンへと怒りを溜めるダリアだが、まずは言葉を伝える相手を見つけなければならない。
 ダリアは村の広場で人形劇を行うと辺りに呼びかけてから、明るく劇を始めていく。
 夏介は人形劇を行う広場にて、目立たないように隅へ移動して昨日見かけた人々を探す。
 人形劇という性質からか、集まるのは子供や若い女性が多い。酒場の男性客はほぼ見当たらないが……ゾーイの姿を見つけて、夏介は彼女の元へ。
「昨日は遅くまでいたようですが、体調はいかがですか?」
「酒が飲めなくて最悪な気分」
 なるほど、と言いつつ夏介はさりげなくゾーイのおなかへ目を向ける。
「夜更かしをすると子供にも良くないですよ」
「……まあね。欲しくなかったとはいえ、産まなきゃなんないんだから」
 ゾーイの許しを得て診察をしてみると、母体も胎児も健康そうだ。
 酒を飲めないのだけは辛いことで、望まない交配だということも夏介は分かっている。
「だとしても、赤子に罪はないですから……」
 生まれる命も含めて誰もが幸せになる道があるのなら、その道を選びたい、と夏介は言う。
「……この村を支配するものがなんなのか、教えて欲しいです」
 真摯に言葉を続ける夏介。
 人形劇を終え、サマンサを見つけたダリアは彼女と恋の話をしていた。
「ボクには大好きな人がいて、その人といるためならどんなことだってできる、してみせるって思ってるんです!」
 向こうはそういう対象として見てないみたいなんですけど――と言うとサマンサはくすくす笑って、自分の恋のお相手の話もしてくれる。
「彼もね、私のことを好きだって言ってくれたの。でも……村の決まりで、彼は別の人と結婚するのよ」
「そんな……それは、とても悲しいことです」
 サマンサの微笑は、寂しげで。
「仕方ないのよ。この村で生まれた人間は、誰もアレには勝てっこないんだから」
 呟くサマンサは、村の高台にある教会を仰ぎ見る。

 ――オブリビオンの支配下にあるこの村は、結婚と交配を支配されている。
 交配は優れた人間を生み出すため。
 ならば、『優れていない』人間はどうなるのか――答えは明白。結婚も子作りも許されず、ただ生きて死ぬだけだ。
 尊はそんな彼らを探し当てると、自身の体を使って一人ずつ虜にし、囁きかける。
「こんなに気持ち良い事を義務にしたり、アナタには我慢させたり……許せないと思いません」
 瞬きにすら情欲を掻き立てるものを持つ尊の身のこなしは誘惑より妖術に近いほど。
 快感と共に促される言葉は恐ろしいほどに彼らの中へ浸透し、尊は火照る体を押し付けて彼らを決起へと誘う。
「恋愛やエッチな事は自由であるべきなんです……ほら、立ち上がりましょ? 僕と一緒に……」
 それこそがヒトとして正しいことなのだからと言いながら、尊は彼らから情報をも搾り取っていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ゼラの死髪黒衣』

POW   :    囚われの慟哭
【憑依された少女の悲痛な慟哭】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    小さな十字架(ベル・クロス)
【呪われた大鎌】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ   :    眷族召喚
レベル×5体の、小型の戦闘用【眷族】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は吾唐木・貫二です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵らの言葉と行動は、彼らを変えた。
「良く分かったな……この村を支配するヤツがいるってこと」
 彼らはもはや猟兵に隠し事はせず、この村の支配者の存在を告げる。
『ゼラの死髪黒衣』。
 黒衣を纏う、人の身ならざる存在こそが彼らを支配しているのだ。

「明日、日が昇れば結婚式がある。ヤツは教会で、婚礼の支度をしているはずだよ」
 夜闇に紛れて、猟兵たちは教会へ向かう。

「……愛する人と生きる権利を、俺達は返してほしいんだ」
 村人たちの願いを胸に、教会のドアが開く。
山理・多貫
【アレンジアドリブ歓迎/他のPCとの絡み大歓迎】

おなか・・・すきました。

(対象をみて)・・・・・・どうやら吸えなそうですね(無表情ながらもガッカリした口調)

・・・さっさと終わりましょうか。
鉄砲ばーん。

メイン武器の「ヤタガラスの妖銃」と太ももに仕込んだ3つのダガーナイフによって戦います。
ユーベルコードは不使用。
憑依された少女には極力傷をつけないよう行動します。


白皇・尊
「諸人こぞりて迎えまつり…ようやくご対面出来ましたねぇ、人間の交配が大好きなオブリビオンさん」

「ところで貴女は子供って産んだ事あります?
出産て結構大変らしいですよ、女達も娘達もよく言ってました」
百鬼夜行を行使して呼び出した式神達に守護結界(オーラ防御)を纏わせて突撃させ攻撃、一撃で消滅する弱点を守護結界で補い、守りの差で死髪黒衣の眷属召喚を上回り殲滅して、本体に殺到させ嬲りましょう。
「貴女も一度経験してみましょうよ、大丈夫…僕が父親になってあげますから♡」
死髪黒衣、本体は黒衣で少女は憑依されているだけだった気はしますが…感覚を共有しているなら関係ありませんね
戦闘力を奪い、ゼラをお持ち帰りです♡


有栖川・夏介
※アドリブ歓迎

結婚式の教会に乱入だなんて、なんだかよくある物語のようですね。
いえ、今は準備中でしたか?
……まぁ、そんなことはさておき。
「望まれぬ結婚式は中止です」
元凶を叩き、この狂った風習を終わらせましょう。

処刑人の剣を構えて、相手の出方を窺う。
不穏な動きを【第六感】で察知したら、【見切り】で回避。その際、相手に隙ができたら【カウンター】で反撃。
相手の動きを殺すために【咎力封じ】を使います。
成功したら、相手との間合いを一気に詰め、剣で黒衣を切り裂きます。
もう、終わりにしましょう。
「……サヨナラの時間です」



 辺りはすっかり暗いというのに、教会にだけは煌々と明かりが灯っていた。
「結婚式の教会に乱入だなんて、なんだかよくある物語のようですね」
 もっとも、結婚式は夜が明けてから――だとしても、やることはただひとつと夏介は教会のドアを開ける。
「望まれぬ結婚式は中止です」
 夏介が告げると、ゼラの死髪黒衣を纏い少女はゆらりと視線を向ける。
「――そう、ですか――」
 囁くような声はかすれて。
「いいえ、いいえ――婚礼は、繁栄は、喜ぶべき営み――」
 少女の持つ鎌が、冷え切った大気を大きくかき混ぜる。
「おなか……すきました」
 呟く多貫は少女の動きに合わせてヤタガラスの妖銃を抜き、怨念の混じる弾丸を叩き込む。
 撃ち出された弾丸の怨念が鎌の軌道を僅かに歪めることで、鎌が多貫を狩り取ることは防がれた――飢えを覚えている多貫はすれ違いざまに少女の首筋を見やるが、そこにあるのは血色の悪い、乾いた皮膚で。
「……どうやら吸えなそうですね」
 表情こそ変わらないが言葉には落胆を乗せて、鉄砲をばんと鳴らす多貫。
「諸人こぞりて迎えまつり……ようやくご対面出来ましたねぇ、人間の交配が大好きなオブリビオンさん」
 尊が少女を見る視線には、ある種の欲が感じられた。
「ところで貴女は子供って産んだ事あります? 出産て結構大変らしいですよ、女達も娘達もよく言ってました」
 夜叉、鵺、牛鬼――守護結界を纏う彼らは一斉に少女へ殺到。
 少女もまた眷属を召喚することで対抗するが、夏介は眷属らへ神殺のナイフを振るい、引き裂いていく。
 咎力を封じられた眷属らを一気に薙ぎ払うことで、尊の作り出した式神らは少女へ向かうことが出来る。
 手数で上回り少女を嬲る式神。多貫の弾丸は纏う黒衣を撃ち抜き、少しずつ少女の白い肌を、幼い身体を解き放つ。
「貴女も一度経験してみましょうよ、大丈夫……僕が父親になってあげますから♡」
 妖艶に微笑む尊は少女へ迫ろうとするが、大鎌を振って少女はそれを許さない。
「させません――営みは、ヒトの物ですから――」
 そして、彼女にとってそれを妨害する猟兵は斃すべき敵なのだろう。
 力のない瞳には、ただ一つ殺意だけが宿っているのが尊には見えた。
 多貫は接近する眷属には太ももに仕込んだダガーナイフを向け、少女へは妖銃を向ける。
 力を封じようとする弾丸は幾度も黒衣を破り、少女の黒衣をどこか多貫の纏うマントに似せる。
 尊もまた呼び寄せた式神に守護結界を施しては少女の身動きを阻もうとする。
 重ねられた牽制。
 動きを殺す夏介の斬撃に少女の動きが停滞した――その瞬間、夏介は強く地を蹴り、少女へと疾駆する。
 夏介と少女、双方の間合いは一瞬にして詰められた。少女が鎌を振るうより夏介の動きの方が早く、夏介は剣先を黒衣に触れさせて一気に斬り裂く。
「……サヨナラの時間です」
 こんな狂った風習は、もう終わりにしなければならないと決意して。
 教会へと、剣戟が響き渡る。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ダリア・ミフネ
セツナ(f04236)さんと参加です!
【WIZ】
サマンサさんのため……いえ、この村の全ての愛のため!ボクは戦います!

……セツナさんが居るとは思いませんでしたけども!やることは変わりませんしむしろやる気も出ましたし!むんっ!

サウンド・オブ・パワーで皆さんの支援をします!
心をこめて、力の限り!愛の為に歌いますとも!

いっそ村まで届ける勢いで頑張りますよボクは!

……あとほんのちょっぴり自分の気持ちのためにも!セツナさんにいいところを見せます!


セツナ・アネモネ
ダリア(f04831)と参加。
【POW】
……なんだかんだで上手く行ったみたいだね。
それじゃあ……後はオブリビオンを倒して、酒場のお兄さん達に土産話といこうか。

いつの間にかダリアが来てるけど……無理はしないようにね。

真の姿を解放してユーベルコード「血統覚醒」、それに【二回攻】。
ま、要するにいつも通りだけど……今回はダリアがいるからね、気心知れた相手の援護は心強いよ。

……流石にあの鎌に斬られるのは勘弁してほしい所だけど。



「サマンサさんのため……いえ、この村の全ての愛のため! ボクは戦います!」
 むんっ、とダリアが気合を入れ直すのは、セツナがいるからという面もある。
「それじゃあ……後はオブリビオンを倒して、酒場のお兄さん達に土産話といこうか」
 セツナはダリアへと「無理はしないようにね」と言い残すと、真の姿を解放。
 真紅の瞳に覚醒するのも、その力を利用して連撃を叩き込むのもいつものこと。
 しかし、いつもより力の籠ったダリアの歌声に背中を押されるように、セツナは軽やかにティルフィングを操り、少女の懐に迫って斬撃を浴びせかける。
「アアア、ア――――ッ!」
 しかし少女の慟哭の叫びはセツナの動きを鈍らせ、ダリアに鋭い頭痛をもたらす。
「……っ、力の限り! 愛の為に歌いますとも!」
 苦しみに咽を詰まらせたのは一瞬、ダリアは村にまで届けようとするかのように声を絞り、教会中に歌声を反響させる。
 愛のために、村人のために――ちょっぴりだけ自分の気持ちのためにも。
 支援のために張り上げたダリアの歌声が少女の慟哭をかき消し、セツナに立ち上がる力を与える。
「――そう、では――」
 呟く少女は静謐な眼差しをダリアへ。
 鎌を握る手に力が籠めて、少女はダリアへと近づいて鎌を振り上げる。
「させないよ」
「セツナさん!」
 しかし、鎌を振り上げる手首をセツナは撃ち抜いた。
 迸る鮮血が教会の床を汚していく……不利を悟って少女はダリアから距離を取り、ダリアはセツナへ視線を送る。
「ありがとうございますっ!」
「あの鎌に斬られるのは勘弁してほしい所だからね」
 応えるセツナの言葉に彼女らしいと微笑をこぼして、ダリアは再び歌声を広げる。
「厄介、です――」
 少女の低い呟きに、辺りから眷属が湧き上がっては二人を襲おうとする。
 眷属を払いのけ、撃ち破るのはセツナ。
 そしてセツナがそうして戦う力がいつまでも湧き続けるのは、ダリアの歌声あってのこと。
 徐々に、少女は追い詰められつつあった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ジョディ・アリゲータ
エキリん(f06202)と一緒に参加。
「(援護は)任された!!」
私は後方から弓で皆を援護する。(技能:援護射撃1)
教会の中の『ゼラの死髪黒衣』からなるべく遠い位置から、接近戦を挑む人たちの邪魔にならないように弓を使うね。

敵は一人、こっちは複数。
「ちょっと卑怯な気もするけど、強い相手には……って、何か出てきてる!」(眷属召喚に驚く)
小さく息を吐く。
「私は落ち着いて、本体のオブリビオンを撃てばいい。大丈夫、山鳥より的は大きい」
【10秒間の集中】をして、【千里眼射ち】を使う。トドメにならなくても、隙が作れれば……!

勝てたら、緊張が解けてへたり込みます。
「人の形を撃ったの、初めて」


エキリ・ナーガクーガ
ジョディ(f06153)と参加。

「結婚って体裁を整えることに拘るとか、変わった奴だな。ま、倒す事には変わらんが」
人数が結構いるなら、儂も無茶する必要なさそうだ。
「援護は任せる」
ジョディにはそう言って、後衛に居てもらう。
てか、前出てこないで欲しい。危ないから。

眷族召喚がされていたら、そっちに向かって【錬成カミヤドリ】のオパールの牙一本につき一体にぶつかるように操作する。
「後ろには一匹も通すつもりはねーかんな」
眷属がいないなら、本体に。
「接近戦は任せた!」
他の猟兵に声をかけ、彼らの隙間から牙を本体にけしかける。

勝敗に関わらず、戦闘が終わればジョディの元に行って褒める。
「よく頑張ったな。立派、立派」



「結婚って体裁を整えることに拘るとか、変わった奴だな」
 エキリの手の中では、化石オパールの牙が煌めいている。
 どうあれ、この敵を倒さなければならないことに違いはない……幸いにも戦っている猟兵たちの数も少なくない、エキリもジョディも、無茶をする必要はないだろう。
「援護は任せる」
「任された!!」
 ジョディの声は後方、教会の入り口の前から。
 言葉と同時にジョディは豊玉姫を引いてゼラの死髪黒衣へ矢を放つ。
 ジョディが退がっているのであればエキリも心配することなく力を振るうことが出来る。
 少女へ迫り攻撃をするのはエキリだけではない。複数の猟兵たちは少女をここで食い止めようと、命を賭して戦っている。
 それだけ敵が強大だからとはいえ、複数の猟兵で一人の敵に仕掛けている、という構図にジョディは少しばかり複雑な心境。
「ちょっと卑怯な気もするけど、強い相手には……って、何か出てきてる!」
「近づかないで――嫌い、です」
 緑のコートを翻して少女へ迫るエキリへ呟きを漏らし、少女はエキリの歩みを阻むかのように眷属を生み出す。
 眷属らはエキリを阻むだけでなく、後方での支援に絶え間なく弓を引くジョディすらも狙う。
 しかし横をすり抜けることは許さず、エキリは複製したオパールの牙で眷属一体一体を縫い留め、決してジョディの元へは行かせない。
「後ろには一匹も通すつもりはねーかんな」
 攻撃が来る、と身を固くしていたジョディは、その言葉に小さく息を吐く。
「私は落ち着いて、本体のオブリビオンを撃てばいい。大丈夫、山鳥より的は大きい」
 言葉は自分へ宛てて、絶え間ない射撃の腕を止め、ジョディは十秒間の集中を。
 その間に敵が来るという恐怖はない――エキリが止めてくれると信じているから。
 矢を放った――更に眷属を生もうとしていた少女の動きが完全に止まった瞬間、エキリら猟兵は肉薄。
「接近戦は任せた!」
 猟兵らの隙間をかいくぐるように突き立てられた牙には、確かな手ごたえ。
 黒衣は解けるように、姿を消す。

 ――戦いを終えたエキリがジョディに駆け寄ると、緊張の解けたジョディはへたり込む。
「人の形を撃ったの、初めて」
「よく頑張ったな。立派、立派」
 ジョディに言って、エキリは静謐を取り戻した教会の天井を仰ぐ。
 静けさを取り戻した教会で次に交わされる誓いが、愛に満ちていることを願って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月03日


挿絵イラスト