闇を殲するは無垢なる魂の為に
「はぁ、はぁ、……姉上……!!」
真夜中、信州の山奥深くの樹林を、幼き少女――雅と名付けられた少女が駆けていた。
その走り方にはまだ十代前半とは思えぬほどの身軽さで暗闇に閉ざされた悪路を奔っていく。それは少女が孤児としてある施設で『教育』を受けていたからだ。
身寄りのない孤児を引き取り――幼いころから暗殺術を仕込んで裏社会に斡旋する暗殺者育成工場。少女はそこで人としてではなく商品として『教育』を受けていたのだ。
そんな悪辣な状況の中、人としての心を失わない年上の少女、漣と出会う。
彼女は出来る限り『教育』の中で少女を庇い、愛を与えて過ごしていた。
しかし、雅が暗殺者としての精度を高めるため、その自我を消し去る処置をすると漣は聞いてしまった。出来る限りの準備をして雅を連れ出し――雅を逃すため、捕まった。
それは反逆の代償として人としての尊厳を踏み躙られる『見せしめ』の後に残虐な処刑が確定されたという事だ。
「あ、姉上ぇ……う、うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
その自責と悲哀の叫びが響き渡り――雅は『変容』した。
「……以上がこの義姉妹に身に起こった悲劇だ。姉は残酷に処刑され、妹はUDCへと変貌する。どこにも救いようがないな」
と、怒りに燃える声で長い艶やかな黒髪が特徴的な少女、東雲・深耶(時空間切断剣術・空閃人奉流流祖・f23717)は事の顛末を告げる。
「だが、まだ現実となっていない。この不条理な悲劇は破壊できる」
深耶は告げる。このふざけた結末を破壊しろと。
「状況は簡単だ。まず、UDCになった雅を無力化してUDC化を解除しろ。そして漣を救出するために『施設』に突入、徹底的に施設関係者を叩きのめして無力化しろ。――殺さなければ何をしても良い。分かるな?」
焼けた刃の様な赤き瞳を滾らせながら、深耶は最後に告げる。
「こんな悲劇を許すな。悲劇に引き裂かれた姉妹を救い、悲劇を生んだ元凶を殲滅しろ!」
黒代朝希
聖なる殲滅。UDCアース版のシナリオとなります。
登場人物
雅
長い黒髪をふくらはぎまで伸ばした少女。ナイフや刀剣等の刃物を使う暗殺を仕込まれている。漣が大好きで、いつか普通の姉妹のように美味しい物とかを食べられると夢見ていた。
漣
北欧系のふわふわの金髪が特徴的な白人少女。薬品を扱う事を得意としており、心無い折檻を受けた雅を癒していた。雅が大好きで、いつか雅のお婿さんを見ることを夢見ていた。
第1章 集団戦
『咎忍『水綿』』
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POW : 忍法・沼鉄砲
【腐食性のヘドロ】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : 忍法・濁り霧
自身に【毒性のある瘴気】をまとい、高速移動と【不快な臭いの毒ガス】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : 忍法・水泥ヶ淵
【千切った体の一部】を降らせる事で、戦場全体が【沼底】と同じ環境に変化する。[沼底]に適応した者の行動成功率が上昇する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
空桐・清導
「あんな未来なんか絶対に認めねえ…!」
下衆な者達の悪行、義姉妹の涙と苦しみ、絶望
そんなものをこの男が看過出来るはずがない
「必ず、助け出す!」
無数にいる咎忍『水綿』を見渡す。
「本体があるのか、群体型なのか。
ともあれ、このUDC化を解除しねぇと。」
距離を開けてUCを発動
[勇気]を爆発させてエネルギーを生成
巨大な炎の槍を作り出して投擲
直後、両手に剣を作り出して突貫
槍は空中で炸裂して無数の炎刃となって降り注ぐ
この時、味方に当たるものは消滅させる
両手の剣と降り注ぐ刃で『水綿』を[なぎ払う]
敵のヘドロは[オーラ防御]で蒸発させる
「姉さんも必ず助け出す。だから任せてくれ。」
助け出した雅にそう言って安心させる
政木・朱鞠
咎人を狩る訓練を重ねてきた私が言うのもなんだけど…本当に胸糞悪い組織だね。
一刻も早く命を冒涜した咎でお仕置きしてやりたい所だけど…。
今はこの怒りは後回しにして、組織の勝手な篩からこぼれた無念の魂に誘い出された怪異の始末をしないとね。
邪魔した悪い子は…因縁の有無関係なくここで逃がすわけには行かないもんね。
戦闘【POW】
近接戦闘は毒ガスとかのリスクが有るけど…派手に露払いという事で『忍法・煉獄炮烙の刑』の炎で水綿達を丸焦げにしてやりたいな…。
武器は拷問具『荊野鎖』をチョイスして【鎧砕き】や【鎧無視攻撃】の技能を使い敵の体に鎖を絡めつつ【傷口をえぐる】で絞め潰すダメージを与えたいね。
アドリブ連帯歓迎
「あんな未来なんか絶対に認めねえ…!」
そう、真紅の機械鎧に身を包んだ青年が夜の帳に包まれたUDCアースの山間部を駆ける。
それはどこか浮いていた光景であり、どこか調和していた光景だ。メカニクス関係のヒーローの如き様相で少女の窮地に駆けつける姿は。
それも当然だろう。空桐・清導(ブレイザイン・f28542)はヒーローズアースの猟兵。ヒーローという正義の体現者が普遍的に知られている世界ゆえに、ヒーローズアース出身の一定数の猟兵は彼のように強い正義感を持つ傾向が存在する。故に、このような悲劇をこの正義のヒーロー"ブレイザイン"が看過できるはずがなかった。
「咎人を狩る訓練を重ねてきた私が言うのもなんだけど…本当に胸糞悪い組織だね」
そして、その理不尽への叛逆と不条理を生み出した組織への怒りは、『邪な異世界の住人と結託する組織や闇の勢力を討つために組織された忍者軍団』の次代の頭目として教育を受けた政木・朱鞠(狐龍の姫忍・f00521)も気持ちを同じくしていた。
「一刻も早く命を冒涜した咎でお仕置きしてやりたい所だけど…」
「オイ!そこの褐色の……妖狐だったか?とにかく、ここにいるという事は猟兵という事で良いな!?」
「ええ、今はこの怒りと自己紹介は後回しにして、組織の勝手な篩からこぼれた無念の魂に誘い出された怪異の始末をしないとね」
即座に差し向けられた広範囲に撒き散らされた腐食性のヘドロをそれぞれ腕部に収束させた炎と召喚した業火を纏った銅製の拷問具で熱消毒する。
『バーニング・クリエイションッ!!』
『忍法・煉獄炮烙の刑』
それぞれが所持するユーベルコードの名を宣し、アームドヒーローと化身忍者は背中を預けあう。
「助かる!それにしてもこのヘドロのUDC……本体があるのか、群体型なのか分からないな。ともあれ、この呼び寄せられたUDCを蹴散らして雅のUDC化を解除しねぇと」
「この子、本質はヘドロに纏わる忍術を研究した忍びの末裔なのよ……恐らく、義姉妹の関係性に引きずられたのね」
「……?情報収集していないのにやけに詳しいじゃないか?」
その言葉に、朱鞠はどこか蠱惑的に笑いかける。
「私の『宿敵』、なのよね」
「まぁ良い。一刻も早く雅を助けて、彼女の姉さんを助け出さないとな!」
瞬間、顕現するは勇気を決意に変換し、それを更に武装化する炎の槍。それがヘドロ――ではなく夜の空へと飛翔し、暗闇を炎が引き裂いていく。
「まだまだぁ!!」
それだけではない。空桐の両手に現れるは炎の剣。それを振るって近寄っていたヘドロを薙ぎ払っていく。
そして、闇夜に飛翔していた炎の槍が空中で炸裂。
「食らえ!」
数百に渡る数の炎の刃が雨霰の如く降り注ぐ。それはまるで不浄と悪徳の街、ソドムとゴモラを薙ぎ払った天からの硫黄と火の天罰の如くか。
「待っていてくれ。俺が、必ず君の元へ駆けつける!」
「こうも真っすぐな人……猟兵の中には他にもいるけれど、彼は特に顕著な域に入るわね」
そう感嘆しながら、朱鞠は即座に咎忍『水綿』へと向き直る。元々、『咎忍』とは彼女が討伐する異世界へと逃げた忍者の里から生まれたオブリビオンの事を指す。
「だからこそ、私が決着を付けなければならないのよね」
即座に、顕現させた蔓薔薇の様にランダムにスパイクが付いた鎖の拷問具『荊野鎖』に火炎を付与し、それを咎忍『水綿』へ放つ。
「(近接戦闘は毒ガスとかのリスクが有るけど…派手に露払いという事で『忍法・煉獄炮烙の刑』の炎で水綿達を丸焦げにしてやりたいな…)」
絡みつくと同時に燃焼する『荊野鎖』。
「さて、捕まえたわよ」
そう口元を歪め、直後に鎖を引いて絞り上げる様に鎖を絡みつかせる朱鞠。
「さぁ、これで骸の海に還りなさい」
瞬間、一際大きな炎が、ヘドロを焼き尽くしていく――
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友。
第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 今回とても機嫌が悪い
対応武器:漆黒風
故郷では、私だってそういうところの長でしたけど。
何故UDCアースにそれが必要なのか理解できませんからね。
【それは嵐のように】で、一人呼び出しまして。まずは邪魔な奴らを片付けますか。
第四『不動なる者』まとめ役にして盾役武士
一人称:わし 質実剛健、古風
対応武器:黒曜山(今回は盾)
…いつもはのほほんな『疾き者』の語尾が伸びず、さらにはこれか…。うん、怖い。
しかし、許せぬのはわしも同じ。嵐にてガス系統は散らせるであろうか。
助けられるのなら助ける。それが我らである。
「……」
無言で、漆黒の山道を駆ける影がある。
それは四人で一人の複合型悪霊、馬県・義透(多重人格者の悪霊・f28057)を構成する存在が一つ。第一『疾き者』にして唯一の忍者だ。
「故郷では、私だってそういうところの長でしたけど……何故UDCアースにそれが必要なのか理解できませんからね」
「…いつもはのほほんな『疾き者』の語尾が伸びず、さらにはこれか…」
召喚されるは第四『不動なる者』。別人格を召喚して周囲を呪詛でできた雷を纏う嵐で殲滅するユーベルコードだ。
「しかし、許せぬのはわしも同じ。嵐にてガス系統は散らせるであろうか」
「ええ、よろしくお願いしますね」
と、二つの影が周囲に潜むヘドロの咎忍へ向かって殲滅を開始する。
「私は【漆黒風】を使います」
第一『疾き者』の手から放たれるはなんの変哲もない棒手裏剣。光の加減で、たまに緑色が見える――とのことだ。そこにユーベルコードで招来した呪詛でできた雷を纏う嵐をエンチャントすることでただの質量攻撃ではなく呪詛と雷による霊的効果と熱量攻撃でヘドロの身体を蝕み焼いていく。
「助けられるのなら助ける。それが我らである」
そこに殺到する攻撃は第四『不動なる者』が黒曜山で防ぐ。生前も盾役武士として活躍していた彼らしい立ち回りと言えるだろう。
「これで大方は殲滅できたか」
「ええ、それでは少女の元へ急ぎましょう」
二人はヘドロの咎忍を片付けたのを確認すると、顔を見合わせてすぐさま夜の山間部に身を躍らせる。
すべては、無垢なる魂の為に。
大成功
🔵🔵🔵
ゾーヤ・ヴィルコラカ
身勝手な都合で弄ばれる人がいて、ゾーヤさんがここにいる。
だったら、私がやることは一つ。彼女たちを助けるわ、必ずね。
「ここで止まるわけにはいかないわ! そこをどいて頂戴!
そう言って【UC:魔獣咆哮】(SPD) を発動するわ。いくら高速移動しようったって、広範囲の攻撃なら外さないわ! 動きが鈍ったら〈ダッシュ〉で肉薄して、〈高速詠唱〉で〈浄化〉していくわね。氷の〈属性攻撃〉も交えて、ヘドロを凍結・破砕しながら祓っていくわね。瘴気がわたしを蝕むけれど、動けなくならないように〈結界術〉で〈時間稼ぎ〉をするわ。
一刻も早く、彼女たちを悪意から解放しなくちゃ。
(アドリブ連携等々全て歓迎です)
「身勝手な都合で弄ばれる人がいて、ゾーヤさんがここにいる」
最後に駆けつけたのは赤茶色の髪の毛を狼の尾の如く靡かせたシスター服の少女、ゾーヤ・ヴィルコラカ(氷華纏いし人狼聖者・f29247)。
「だったら、私がやることは一つ。彼女たちを助けるわ、必ずね」
その存在意義は絶望の中に希望の光を灯すこと。故に、ゾーヤは手を伸ばすのだ。
「ゾーヤさんがみんなを守っちゃうんだから!」
宣した瞬間、ゾーヤの髪が白銀に染まる。彼女が有する猟兵としての能力としては人狼としての獣化能力と出身地の村である氷雪地帯に存在する氷雪と冷気を操ること、そして体に刻まれた聖痕による神の奇跡の三つだ。
故、白銀の色は白き聖なる雪の色。翡翠の如き瞳は深紅に染まっている。その上で彼女と対峙した存在は『聖なる存在』として彼女を認識するだろう。
「ここで止まるわけにはいかないわ! そこをどいて頂戴!」
瞬間、山間部に展開されるは冷気を纏った激しい咆哮。それが半径73mに存在するすべてを凍結させていく。
「いくら高速移動しようったって、広範囲の攻撃なら外さないわ!」
そして、体を構成するヘドロが凍てついたことで移動速度が落ちた咎忍はゾーヤの高速詠唱による聖者としての聖なる御業によって浄滅されていく。
それと同時に、体を蝕むヘドロの瘴気は同じく神の奇跡による結界術によって一定以上の遮断効果を発揮していた。
「ここで時間はかけられない!ゾーヤさんは……わたしは、必ず手を伸ばして、届いて見せる!!」
やがて周囲に存在していたヘドロの塊が凍てつき、全て罅が入ると同時に砕け散る。
「一刻も早く、彼女たちを悪意から解放しなくちゃ……だからまずは」
と、見据えるは闇夜の先にある暗闇。そこに、気配が生じている。
その存在は無力な自分自身への憎悪と誰も助けてくれない世界への呪詛をまき散らしていた。
『彼女』に手を伸ばした者は漣がいたけれど、『彼女たち』に手を伸ばしてくれた者は存在しなかった。
その絶望と憎悪が形となるのは……
――雅が変容したUDC、UDC-HUMAN――!!
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『封じられし妖刀の影』
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POW : お前たちには、封印を解くための贄になってもらう
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【斬撃波で描き出した『人身供儀の魔法陣」】で包囲攻撃する。
SPD : ああ……もっと、血肉を!
自身に【命を喰らう妖刀の怨念】をまとい、高速移動と【生命力吸収】【斬撃による衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : 畏れ続けろ捧げ続けろ、この封印が解かれる日まで!
攻撃が命中した対象に【癒えることなく七代先まで遺伝する刀傷】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【技能名「生命力吸収」】による追加攻撃を与え続ける。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠田抜・ユウナ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
政木・朱鞠
まったく!…タイミングが最悪ね。
いままでの境遇を考えれば、心のダムが決壊するのも仕方ないのかもしれない。
でも、手遅れだったと簡単にあきらめるわけには行かないもん…せっかちなわからずやさんにはキツ目のお灸を据えないとね。
今は私達が雅ちゃんの暴走を一旦閉幕させてあげるね…ちょっと熱いけど勘弁してね。
戦闘【POW】
近接する戦闘はちょっと危険かもしれないけど、足止めのため武器は拷問具『荊野鎖』をチョイスして【鎧砕き】や【鎧無視攻撃】の技能を使って体に鎖を絡めて動きを封じたいね。
心情的な攻撃なので効果は怪しいけど…『忍法・咎狐落とし』で暴走する魂と本来の意識を切り離せれば良いんだけどね。
アドリブ連帯歓迎
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。
不動なる者「頼むぞ」
第一『疾き者』のままであるが、雅に対して機嫌が悪いのは筋違いなので、わりと穏やか。
ええ、世界を呪いたくなるのはわかりますよー。
ですが、止めます。ここで止めますよー。
あなたと、あなたの大切な人を救うためにも。あなたも欠けてはいけませんからねー。
その苛烈なる憎悪と呪詛、『私たち』に預けてみません?…こう見えても、悪霊ですからー。
無力化目的の弱い雷。詠唱の意味する怒りは、組織に対するもの。
攻撃はできうる限り避けたいですけど、数発は貰うかもですねー。いいんですけれど。
約束しますよ。あなたの大切な人も助け(、ついでに組織潰し)てみせると。
空桐・清導
旅団:安らぎ亭の片隅で参加
POWで挑むぜ!
「刀を依代にしたUDCか!
しかも、こいつは!
気を付けろ、ゾーヤ!」
いつの間にか
射程距離に入ってしまい、
魔法陣に取り囲まれる。
包囲攻撃をされる瞬間、
ゾーヤの声を受けて彼女の背後にまわる。
更に、彼女の全力の魔法によって
開かれた道を見て、
「流石ゾーヤ!あとは任せな!」
そう言ってUCを発動!
黄金のオーラを纏い、
低空を高速で飛ぶ。
再び包囲されるよりも
早く懐に入り、
刀をへし折って雅のUDC化を
解除して、抱きとめる。
「姉さんの事は心配すんな!
オレ達が必ず助け出す!!
何せ、シスターとヒーローが
ついてんだからな!
だから、涙の出番はここまでだ。」
そう言って、雅の涙をふく。
ゾーヤ・ヴィルコラカ
<同行者:空桐清導(f28542)/旅団:安らぎ亭の片隅>
「刀をどうにかすればいいのね、わかったわ。ゾーヤさんに任せて!」
空桐くんに言葉を返しながら、〈魔力溜め〉〈高速詠唱〉で術式を準備するわ。相手のUC発動を〈野生の勘〉で察知して、咄嗟に空桐くんを〈かばう〉わ。斬撃波の包囲攻撃を【UC:無敵氷砦】(POW)で防御よ。
相手の攻撃の隙をついて〈全力魔法〉を放つわ。全身全霊、この一撃にすべてを込めた氷魔法で衝撃波を相殺し防御を強いて、刀に届くように道を拓くわね。
わたしを信じてくれる人がいて、わたしたちの助けを待っている人がいる。絶対に退くことなんてできないわ。
(アドリブ等々全て歓迎です)
「まったく!…タイミングが最悪ね」
そう言いながら政木・朱鞠(狐龍の姫忍・f00521)は拷問具『荊野鎖』を構えながら『封じられし妖刀の影』に変貌した雅を見据える。
「いままでの境遇を考えれば、心のダムが決壊するのも仕方ないのかもしれないわね……」
「だったら、こちらが溢れた感情を受け止めてやればいいだけさ」
と、赤い機械鎧を装着した青年が真っすぐにUDC-HUMANへと変貌した雅と向き直る。
空桐・清導(ブレイザイン・f28542)――『ブレイザイン』というヒーローは、決して諦めない。涙も、悲しみも、全て吹き飛ばしてこそのヒーローだから。
「ここにいうぜ――『もう大丈夫だ!!ヒーローはここに居るぜ!』」
「……まったく、眩しいわね。でも、手遅れだったと簡単にあきらめるわけには行かないもん…せっかちなわからずやさんにはキツ目のお灸を据えないとね」
「うん、ゾーヤさんたちがいるからね!」
氷雪を操る人狼の聖者、ゾーヤ・ヴィルコラカ(氷華纏いし人狼聖者・f29247)も空桐、朱鞠の傍に並び立ち――
「ええ、世界を呪いたくなるのはわかりますよー。ですが、止めます。ここで止めますよー」
飄々とした声、馬県・義透(多重人格者の悪霊・f28057)の第一『疾き者』はそう飄々と言いながら、絶対遵守すべきことを告げる。
「ですが、止めます。ここで止めますよー」
「(――頼むぞ)」
そう、胸の中で『不動なる者』が『疾き者』に告げる。
それは『疾き者』以外には聞こえなかったが、それは火蓋となり――切られたのだ。
「今は私達が雅ちゃんの暴走を一旦閉幕させてあげるね…ちょっと熱いけど勘弁してね」
そう朱鞠は開幕と同時に拷問具『荊野鎖』を用いて足止めを狙う。
だがそこに斬撃波で描き出した「人身供儀の魔法陣」が展開されていく。
「……ッ!」
瞬間、携帯浄玻璃鏡を応用しUDC-HUMANの居場所から逆算して何とか回避していく朱鞠。本来他にも妖刀を用いた危険度の高いユーベルコードをこの『封じられし妖刀の影』は所持しているが、現在対処にあたっている猟兵四人の選択の結果、衝撃波で描いた魔法陣を展開するユーベルコードに特化している状況になっているのだ。
四人の猟兵でもそれ攻略することは簡単なことではないが、それを為さなければ雅にも漣にも明日はない。
「なら、我慢をしないとね……!」
「刀を依代にしたUDCか!しかも、こいつは!気を付けろ、ゾーヤ!」
「刀をどうにかすればいいのね、わかったわ。ゾーヤさんに任せて!」
と、魔法陣の波濤を潜り抜けながら空桐とゾーヤは駆けていく。ゾーヤが迫り来る魔法陣をユーベルコードで防いで空桐をカバーリングして行きながら二人のヒーローと聖者は進んでいく。
「ゾーヤ!」
「空桐くん!」
と、互いに迫り来る魔法陣の攻撃をそれぞれが迎撃して被弾を防ぎながら進撃、進撃、進撃。
「(刀を、依代の刀を弾けばいい。そうすれば雅に戻るはずだ!)」
「(彼を、深紅の彼を守ればいい。そうすれば刀に届くはずね!)」
互いを守りながらその手を伸ばそうとする二人。それは正しく正義と守護の在り方。
「(だから)」
「(だから)」
この手よ――
「「(届けぇぇぇぇぇ!!)」」
「あなたと、あなたの大切な人を救うためにも。あなたも欠けてはいけませんからねー」
衝撃波と魔法陣の攻撃をいくつか食らうも、難なく戦闘を続行する『疾き物』。その声は先程までと違って非常に穏やかだ。
「(雅に対して機嫌が悪いのは筋違いなのでー)」
だが、その怒りを覚えているのはUDC-HUMANへと化した雅も同じだ。その世界への呪詛を昇華させなければならない。
――故に。
「その苛烈なる憎悪と呪詛、『私たち』に預けてみません?…こう見えても、悪霊ですからー」
と、一瞬だけ目を細めて雅が変容したUDC-HUMANへと問いかける。
――それは、僅かに体の動きを鈍らせた。
――その一瞬の隙が、今回の戦況を分けたと言っていいだろう。
「――『咎に巣食いし悪狐の縁…焼き清め奉る!』」
その隙をついてUDC-HUMANに絡みつくは朱鞠の拷問具『荊野鎖』。『疾き者』が生み出した僅かな隙をついて絡みつかせることに成功したのだ。
「今は私達が雅ちゃんの暴走を一旦閉幕させてあげる……ちょっと熱いけど勘弁してね」
そう言うと同時に拷問具『荊野鎖』から炎が迸る。しかし、その焔はUDC-HUMANの身を焼くことはない。
「『忍法・咎狐落とし』――浄化の炎で咎人としての魂のみを焼き尽くす……」
「(とはいえ、心情的な攻撃なので効果は怪しいけど……『忍法・咎狐落とし』で暴走する魂と本来の意識を切り離せれば良いんだけどね)」
しかし、それでも効果はあった模様だ。浄化の炎が雅の心に影響しているのかユーベルコードの精度が落ちていく。
「ナイス!ゾーヤ、防御を頼む!」
「分かりました!」
「お付き合いしますよ」
そこに、三人の猟兵が解き放たれる衝撃波と魔法陣へ突撃していく。
「まだだまだだまだだ!君を救うまで、この躰が斃れることはない!」
「ゾーヤさんも……わたしも、絶対に諦めない!」
「すごいですねー」
やがて、衝撃波と魔法陣の軍勢を抜けた三人――そして、空桐は拳を振りかぶって刀へと振り下ろす。
「姉さんの事は心配すんな!オレ達が必ず助け出す!!何せ、シスターとヒーローがついてんだからな!」
その言葉にゾーヤも誇りをもって叫ぶ。
「わたしを信じてくれる人がいて、わたしたちの助けを待っている人がいる!絶対に退くことなんてできないわ!」
「だから」
「だから」
そう、だから――
「「物語のリテイクを要求する!涙の出番はここまでだ!」」
降りぬかれた拳。それは妖刀を粉砕して雅をUDC-HUMANの呪縛から解き放つ。
やがて元に戻る雅、それを空桐は抱きしめて安堵させ、やがて胸の中で雅は嗚咽を漏らす。
「約束しますよ。あなたの大切な人も助けてみせると」
「ええ、大丈夫。漣ちゃんも助けるわ」
そこに忍びの二人も追いつく――闇夜を見据えながら。
「「(そして、組織を壊滅させることも誓いましょう)」」
忍はグリモア猟兵から組織の施設の場所を知り、一足早く歩む――絶望の果てに咲く、怒りの華を咲かせるために。
大成功
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第3章 日常
『人間の屑に制裁を』
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POW : 殺さない範囲で、ボコボコに殴って、心を折る
SPD : 証拠を集めて警察に逮捕させるなど、社会的な制裁を受けさせる
WIZ : 事件の被害者と同じ苦痛を味合わせる事で、被害者の痛みを理解させ、再犯を防ぐ
👑5
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
政木・朱鞠
貴方はラッキーだよ…私達の人ならざる者を屠る業を人の身で受けられるチャンスが巡ってきているんだもの…さあ、お仕置きの時間だよ。
な~んてね…本当は【恐怖を与える】言葉で脅して、本来は回復のための眠り薬の『忍法・春眠香』で眠気を促すよ。
念のため忍者手裏剣『鳳仙花』で床に服を縫い付けて拘束したいね。
暗殺者の組織とはいえ『人身供儀の魔法陣』の様な術式を会得している事は疑問だけど…。
今は二人の身の置き場所の問題ね、咎人殺しの性のせいか、習得しているスキルをオミットするには勿体ないと思うんだよね…。
バランスを取るためにはちょっと危険かも知れないけどUDCエージェントの見習いとして保護して貰えないだろうか?
馬県・義透
第一『疾き者』のまま。
さてと、雅殿に約束したことを破らないためにも、その後の追手がないようにも徹底的にですねー。
…二人の今後も考えて、UDC組織にも根回ししておきますか。
(以降口調は『複合型悪霊』)
…そう、私は機嫌が悪い。このような場所、不必要だろうが。
漣殿を除く施設関係者に、漆黒風でかすり傷でも。…治らないがな、その傷。【連鎖する呪い】つきだ。
なあ、悪霊たちを怒らせたら、どうなると思う?
答えは…殲滅だ。『殺し』はするなとのことだから、殺しはしないが。
まあ、見せしめに暗殺で首筋に手刀一発いれて、気絶させるのもいいか。
※他三人も怒っているので、ストッパー不在状態。
むしろ『四天霊障』伝って手伝う。
ゾーヤ・ヴィルコラカ
ここまで来たなら、あとは漣さんを救出するだけね。
施設に突入したら、鬼のような剣幕で漣さんの居場所を問い質すわ。〈怪力〉で襟首をつかんで持ち上げたら、きっと答えてくれるはずね。居所が分かったら、〈ダッシュ〉よ。邪魔する人には〈属性攻撃〉で大人しくしてもらうわ。
「遅くなってごめんなさい、助けに来たわ」
突入したら、傷ついた漣さんに【UC:祝福の月光】(WIZ)を発動、彼女の痛みを癒していくわ。あなたと雅さんを苦しめるものはもうないから、もう大丈夫よ。
それはそうと、咎人さん達は野放しにしてはおけないわ。〈全力魔法〉で施設が氷漬けになれば、少しは頭も冷えるかしら?
(アドリブ連携等々全て歓迎です)
空桐・清導
POWで挑む
協力も大歓迎だ!
工場の真正面から突撃だ。
まずは何よりも漣の救助だ!
邪魔する奴はぶっ飛ばす!
「どんな理由があろうと、人の尊厳と命を弄ぶ奴らは許さねぇ!
ブレイザインとしても!
何より!オレ個人としてだ!!」
普段は見せないほどの怒りを燃せながら前進する。
「待たせちまったな。
キミの義妹が待ってる。
安心してくれ、無事だ!
キミが頑張ったおかげだ!
ありがとう!」
漣と合流出来たら、
まずは雅の無事を伝える。
最後に施設に連れてこられた孤児を助け出すぜ。
「辛いことは勿論ある。
それでも明日を、自由を掴みたいなら着いてきな!
オレ達がこっから連れ出してやる!」
着いてくる子達は全員外に連れ出して、雅と合流させる。
――UDCアース信州地方――そこの山奥に例の施設は存在していた。
孤児を暗殺者として仕立て上げ、裏社会へと斡旋し人身売買する非合法組織――
そこは今、当然の結末を迎えようとしている。
深紅の機械鎧が、冷気を操る人狼の奇跡が、複合人格による四つの技法が、咎忍討ちの忍術が、施設とその要人を徹底的に打ちのめしていく。
「貴方達はラッキーだよ……私達の人ならざる者を屠る業を人の身で受けられるチャンスが巡ってきているんだもの……さあ、お仕置きの時間だよ」
秘伝薬の香煙を放ち警備員やカリキュラムの指揮官などの動きを止めて、意識だけを残したのは咎忍を討つ姫忍、政木・朱鞠(狐龍の姫忍・f00521)。嗜虐的な笑み――但し、その眼は愉悦には濡れてはいない。あるのは氷点下まで凍てついた静かなる怒りだ――を浮かべ、
「な~んてね……殺しはご法度とのことなのよ……」
と、すぐに目を細めて笑みを浮かべ――
「『殺し』は、ね?」
「……そう、私は機嫌が悪い。このような場所、不必要だろうが」
すぐさま、横から殴りつける様に言葉が放たれる。
「(さてと、雅殿に約束したことを破らないためにも、その後の追手がないようにも徹底的にですねー……二人の今後も考えて、UDC組織にも根回ししておきますか)」
馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)。その忍びの人格の『疾き者』はそう心中で呟きながら。
「なあ、悪霊たちを怒らせたら、どうなると思う?」
朱鞠とは正反対に、感情の消え失せた表情と声色でそう語りかける。
恐怖に慄く施設関係者達は答えられない。それは彼らも裏社会に生きる者として目の前の襲撃者がどれだけ隔絶した領域にいるか分かってしまったからだ。
「答えは…殲滅だ。『殺し』はするなとのことだから、殺しはしないが」
呟いた瞬間、執行される『報い』。それは命を奪わず、しかし断末魔の絶叫が途切れることは決してなかった。
場面は変わって孤児を救出する班に当たった者たちの視点に映ろう。
「漣さんはどこ!!答えなさい!!」
鬼のような剣幕で叩きのめした施設関係者――恐らく、服装を見るに孤児たちの暗殺技法の研究を担当していた者だろう――の襟首を掴み、如何にも絞殺さんとばかりの勢いで詰問するのはゾーヤ・ヴィルコラカ(氷華纏いし人狼聖者・f29247)。研究者は当初は部下を引き連れて忍術などを解析した機材で戦闘を行おうとしたが、歴戦の猟兵に立ち向かえるはずもなく今こうして無様な姿で締めあげられている。
やがて漣の居場所を吐かせた後放り捨てて応戦をしていた深紅の機械鎧のヒーローに告げる。
「空桐君、場所がわかったよ!!」
「了解だ!!」
空桐・清導(ブレイザイン・f28542)はすぐさま最大出力で死なない程度に警備員を吹き飛ばし、ゾーヤと2人して施設の通路を走り抜ける。
「どんな理由があろうと、人の尊厳と命を弄ぶ奴らは許さねぇ!ブレイザインとしても!何より!オレ個人としてだ!!」
出てくる警備員やエージェントを文字通りに『鎧袖一触』しながら、他の施設の要人を締めあげて漣の居場所の他に孤児たちの収容場所も聞きだした。
「ゾーヤは漣を、俺は他の子どもたちへ向かう!」
「分かった!ゾーヤさんにお任せだよ!」
分断したところを好機と見たのか、数を率いて襲い掛かる施設関係者。その無駄な足掻きは当然ながら効果を発揮することは宇宙が開闢する可能性より低い。
そして、二人は辿り着く。
そして、二人は告げた。
「遅くなってごめんなさい、助けに来たわ」
「待たせたな。今日、俺が来た。それを忘れないでくれ」
「姉上……姉上ぇぇぇ~!!」
「雅、良かった……ワタシもひどいことはされなかったから大丈夫よ……」
やがて、施設は再起不能の状態へと陥った。他のUDCエージェントも到着し機動部隊が他の逃げ出そうとした残党を確保していく。
その中で雅は漣と再会し抱擁を交わし、他の子どもたちもそれを見て本格的に自分たちが自由を得たのだと実感を得始めていく。
「さて、後は……」
「話は聞いたよ。この子たちをUDC組織に預けるんだって?」
その空桐の問いに朱鞠が返す。
「今後の二人……ひいてはこの子たち咎人殺しの性のせいか、習得しているスキルをオミットするには勿体ないと思うんだよね……」
「……そうですね、この子たちはまだ常識の範疇内ですが……ワタシと雅はそれぞれ『異能級』と呼ばれる術技を習得しています」
と、今度は漣がその言葉に応える。つまりはユーベルコードを習得している、という事なのだろう。
「うーん、養護施設に預けるとしても、まずはこの子たちに与えられなかった物を施さないと社会には出れないよね……となると、そういう意味ではUDC組織に預けるのもそんなに悪い手じゃないかな?」
「ええ、それなので私がUDC組織のグリモア猟兵の方に話を通して、この子たちをUDCエージェントの見習いとして研修を受けさせる手続きを取っていますが……」
そこで『疾き者』が雅と漣の二人と視線を合わせ、
「最終的に決めるのは雅殿と漣殿です。さて、どうしますか?」
「答えは決まっている」
即座に雅は答えを返す。その意志には漣も同調するように肩を抱き寄せる。
「こんな不条理を私達は見過ごすことはない。だからこそ、奪う事しかできないはずのこの力で、不条理を覆し、誰かを守りたい」
それが答えだ――と、二人の少女は答えを返した。
後日談。
結論から言わせると、例の施設が大きく報道されるされることはなかった。
但し、代わりに世間を賑わせたのは日本の官僚などを中心として先進国の大物が、次々と強制連行されその地位を剥奪されたニュースだ。
そのニュースを都内の何処か、大型ビジョンを見上げながら、白い令嬢然としたワンピースを着た北欧系の美少女は物憂げに目を閉じた後、興味を失くしてスマホをいじる。
やがて、彼女の元へやって来たのは黒い長い髪を太ももの付け根まで伸ばした少女、和ゴスという服装で統一したその少女は待っていた北欧系の少女に話しかける。
「姉上。今日は逆ナン?というのをやるようですが、それは何ですか?私は早めの軽食と行きたいのですが……」
「色気よりも食い気なのね、雅らしいけど」
そんな彼女たちに連絡が入る。
「……残党狩りですか?」
「いえ、ちょっとしたトラブルが近場で発生したみたい。今のワタシ達でも大丈夫だと思うわ」
「そうですか、なら早めに片付けて逆ナンとやらをしてみましょうか」
そうして、当たり前の日常へたどり着いた少女たちは歩む。その在り来たりな日常を守り抜く剣と薬として。
大成功
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