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玩具の国のアリス

#アリスラビリンス #戦後 #ロボット

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#戦後
#ロボット


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●アリスラビリンス:おもちゃの国
「唸れ、覇王灼熱弾!」
「光よ!」
 ユウの刀から放たれた火球と、ハルカのバトンから放たれた星形弾が同時に炸裂し、傷ついた蠍型のオウガは退散した。二人は異邦人――【アリス】だ。数時間前、突然このおもちゃの国に召喚されてしまったのである。
「ねえ日ノ本くん、その大袈裟な技の名前もうちょっと短くできないの? 聞いてる方が恥ずかしいわ」
「やかましいわ! 朝霧の方だってフリフリドレスじゃねえか! いい年して恥ずかしくないのかよ!」
「わたしだって好きでこんな格好してるわけじゃないわよ! だいたい、年なんてわかんないでしょう!? 記憶が無いんだから! あと『さん』を付けなさいよ! 私よりチビの癖に!」
「1センチ高いだけじゃねえか! 俺は年上だとは認めねー!」
 ぎゃあぎゃあと言い争いを始めた二人の年齢は、恐らく二人とも十才前後だろう。二人共記憶喪失なので、正確なところは分からないが。

「……! 日ノ本くん、アレ見て!」
「アリス発見! アリス発見! タイホする!」
 ユウがハルカが指差す方をみると、髭を生やしたオモチャの兵隊の行列が行進してきていた。
「す、すげえ数だ! どうする!?」
「日ノ本くん、私に掴まって! 翔んで逃げましょう!」
「ええ!? やだよ! 女の子にしがみつくなんてできるかよ! みっともない!」
「バカ! そんなこと言ってる場合じゃないでしょう!?」
 二人がまた言い争いをしていると――。

 ズシンッ!
 突然、物凄い衝突音がした。空から巨人が降ってきたのだ。
 オモチャたちから二人を庇うような位置に着地した鋼の巨人は、いかにも正義のロボットといったデザインだった。
「我が名は『王牙合体ブレイメン4』! 私は君たちのような純粋なアリスがこの国を訪れるのを待っていたのだ!」
 ロボが発した言葉に二人は目を輝かせた。この巨大ロボットが味方してくれるなら百人力だ!
 しかし、続けてロボットが口にした言葉は、二人にとってあまりにも意外なものだった。

「だが、私のコックピットは一人乗りなんだ! どちらが乗るか、殺し合って決めてくれ!」
「「はあ!?」」
 二人は困惑した。なに言ってんだこいつ。
 しかし、ロボットは混乱する二人を無視して話を続けた。
「さあ、さっさと殺し合うんだ! 早くしないと捕まってしまうぞ! ところで君たちを追い立てていたオモチャたちはみんな私の部下だ!」
「なんですって!?」

 ロボットの言葉を証明するかのように、オモチャたちはいつの間にか足を止め、黙って成り行きを見守っていた。
「早く選ぶんだ! オウガに食べられるか、パートナーと殺し合うか! 道は二つに一つだ!」

 その時二人は悟った。玩具にされているのは自分たちの方だ。ここは、オモチャ箱の形をした地獄なのだと……。

●グリモアベース
「お集まり頂きありがとうございます。アリスラビリンスの事件を予知しました。ある不思議の国に、またアリスが召喚されてしまったようです。
 アリスラビリンスに行ったことがない方もいらっしゃるかもしれないので、まずはアリスラビリンス世界について簡単に説明しておきます。童話っぽい世界なので童話風に語りますね!」
 道化師の姿をしたグリモア猟兵、渡月遊姫は微笑んだ。

 ――アリスラビリンスは、童話の世界の住人のような姿をした不思議な生き物たちが暮らすたくさんの『不思議の国』が集まってできた世界です。
 そこでは、『愉快な仲間』たちや、不思議の国を渡るチカラを持つ時計ウサギたちが長らく平和に暮らしていました。
 しかしいつからか、アリスラビリンスには『オウガ』と呼ばれる人喰いの怪物たちが骸の海からたくさん出現するようになりました。
 オウガたちは人肉を食べる為、あるいはアリスの心を絶望に染めて仲間を増やす為、他の世界から記憶を失った状態の人々を召喚し、追い立てるようになりました。
 アリスラビリンスに迷い込んでしまった異邦人である彼らは、性別に関係なく「アリス」と呼ばれています。
 アリスたちは元の世界に戻る為、オウガたちから身を隠しながら元の世界に通じる『扉』を探して彷徨い続けているのです。
 しかし、オウガたちの王である『オウガ・オリジン』は猟兵たちとの戦いに敗れ、滅び去りました。こうして、アリスラビリンスに平和が戻ったのです。めでたしめでたし……。

「だったらよかったんですが、何故かオブリビオン・フォーミュラであるオウガ・オリジンが滅びた後もアリスラビリンスにはアリスが召喚され続けています。
 今回アリスが召喚された『オモチャの国』は、戦争に生き残った残党オウガたちが入り込んでしまった国でしょう。
 ずいぶん前置きが長くなっちゃいましたが、そろそろ本題に入りますね」
 遊姫はコホンと咳払いすると、予知した事件の詳細について説明を始めた。

「今回の予知で確認できたアリスは『朝霧・ハルカ』ちゃんと『日ノ本・ユウ』君。二人とも十歳ぐらいで、アリスラビリンスに召喚されてから日が浅いようです。名前や肌の色からして、おそらくUDCアースの日本から召喚されたと思われます」
 二人は召喚されて間もないアリスだが、すでにユーベルコードは扱える状態になっているようなので、雑魚のオウガや愉快な仲間達相手なら交戦もできているらしい。といっても、二人で協力することでなんとか生き延びられている、という状態ではあるが。

「二人はオモチャの姿をした愉快な仲間たちに追いかけられながら必死で逃げ回っています。探し出して保護してあげて下さい。
 愉快な仲間たちはオウガに洗脳されているだけなので、無力化する時も命までは取らないであげて下さいね!
 てっとり早いのは遠くに投げ飛ばしてしまうことでしょうか。この国の地面や建物は柔らかいスポンジブロックのようなもので出来ていますし、オモチャの愉快な仲間たちの体も柔らかい材質で出来ているようなので、叩きつけられても軽傷で済むでしょう」
 二人のアリスの保護も重要だが、オウガに操られている愉快な仲間たちもまた被害者だ。大怪我をさせるわけにはいかない。
「二人の保護が完了すれば、今度はオウガたちが戦いを挑んでくるはずです。ボスのオウガは見るからに強そうな巨人ロボットですが、みなさんならきっとなんとかしてくれると信じています。どうかアリスたちのこと、よろしくお願いします」
 そう言って、遊姫はぺこりと頭を下げた。


大熊猫
 こんにちは。大熊猫です。流行りのロボット依頼を私も出してみました。今回はオモチャの国に迷い込んだ二人組のアリスを救出する依頼となります。

●章構成
 一章 アリスたちがオモチャの姿をした愉快な仲間達に追い立てられています。なんとかして二人のアリスを保護しましょう。
 愉快な仲間達はオウガに洗脳されているだけなので、殺さずに無力化してください。ちなみに愉快な仲間達の姿はロボットだったりぬいぐるみだったりしますが、みんな柔らかい材質で出来ています。
 また、愉快な仲間の殺害はNGですが、建物を破壊するのはOKです。不思議の国なのでシナリオ終了後に住民達のユーベルコードですぐ直ります。

 二章 馬ほどもある巨大な蠍型オウガ、『ホライゾンストーカー』たちとの集団戦です。二人のアリスも猟兵が指示を出せば一緒に戦ってくれます。

 三章 巨大ロボット(約10メートル)のオウガ、『王牙合体ブレイメン4』とのボス戦です。強力なオウガなので二人のアリスは戦力にはなりません。

●文字数省略用記号
 アドリブ歓迎→☆、連携歓迎→★、何でも歓迎→◎(☆+★)、ソロ描写希望→▲。童話っぽい文体で。→♯。

●合わせプレイングについて
 グループ参加の場合は、迷子防止の為プレイング冒頭にグループ名をご記載下さい。3名以上の場合はどなたか合計人数をご記載頂けると助かります。

●プレイング受付
 OP公開時からプレイング受付開始します。システム的に締め切るまでは受付いたします。
 ※各章開始時に断章が入ります。

●NPC紹介
 朝霧・ハルカ 年齢は10才ぐらいの日本人らしき美少女です。【ドレスアップ・プリンセス】のユーベルコードが使用できます。魔法少女っぽいバトンを使用して戦います。彼女の方が背が高いので、ユウに対してお姉さんぶっています。

 日ノ本・ユウ 年齢は10才ぐらいの日本人らしき少年です。そこそこ整った顔立ち。ユーベルコードで精製した日本刀から炎を発することができます。女子とのフォークダンスも恥じらうお年頃です。

 二人ともアリスの例に漏れず記憶喪失ですが、自分たちの名前と、お互いが元から知り合いであったことは覚えているようです。

 以上です。皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『オモチャの国の大乱闘』

POW   :    パワーで敵を吹き飛ばしてアリスを救出する。

SPD   :    スピードやテクニックで敵を翻弄してアリスを救出する。

WIZ   :    敵を騙したりアリスを呼び寄せるなどで、戦いを回避してアリスを救出する。

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●絶体絶命のピンチ
「日ノ本くん、絶対に離しちゃ駄目よ! しっかり掴まってなさい!」
「ちょっ、速い! 速いってば!」
 猛烈なスピードで加速し、空を飛ぶハルカの腰を抱きかかえるように、ユウはしっかりと掴まっていた。ちょっとみっともないが、命には代えられない。空が飛べるのはハルカだけなのだ。
 巨大ロボットの隙を突き、あの場から逃げ出した二人は、スポンジブロックで出来た高層ビルが立ち並ぶビル街の上空まで飛んできていた。
「はあ、はあ、ちょっと、休憩......」
 適当なビルの屋上に着地し、呼吸を整えるハルカ。彼女のユーベルコードは目覚めたてなので、まだ長時間は使用できないのだ。
「ちょっと......いつまで掴まってんのよ......スケベ......」
「あ、悪い」
 ユウは顔を赤くし、ハルカから慌てて手を離すと、日本刀を具現化して周囲を警戒する。
「朝霧、ゆっくり休んでろ。敵が来たら俺が戦うから」
「......はあ、はあ、よろ、しく......」
 女の子座りでへたりこみ、力なく返事をするハルカ。相当消耗してしまったようだ。
(しばらくは見つかりませんように......)
 天に祈るユウだったがーー。
「いたぞ! アリスだ!」
 ビルの階段を上がり、ロボットやぬいぐるみの愉快な仲間たちがぞろぞろと屋上へとやってきた。何やら無線らしきもので増援も呼んでいる。
 二人に、もはや逃げ場は無いーー。
レパル・リオン

待てェーいっ!
アリスちゃんを楽しく歓迎するのが愉快な仲間のお仕事でしょ!
あんな怪人に操られないで!

スーパーヒーロー着地、からの目にも止まらぬジャンプパンチ!カッコいいムーブで、まずは2人を安心させるわ!

両腕に気合いの炎を纏って、愉快な仲間軍団に立ち向かう!
思いっきり吹っ飛ばしながら回復の炎で燃やすことで、ショック療法&気力を取り戻させて正気に戻す作戦で行くわよ!あたしのビンタで改心しなさーい!

ひとしきり改心させたら、アリスちゃんのケアよ!ハルカちゃん、ユウちゃん、大丈夫!?
2人ともバテバテみたいだから、小さな炎で温めて癒すわ!

もう大丈夫よ!だってイェーガーはホントのヒーローなんだから!


白峰・歌音
【◎】
もう大丈夫だぜ、2人とも!オウガの甘言に惑わされず互いを傷つけず守りあって、よくここまで耐えたな!この場は…ヒーロー、マギステック・カノンが請け負った!
「勝手に追い詰め、絶望だけの選択を迫る理不尽!このマギステック・カノンが、新しい希望の選択肢を示してやるぜ!」

UC発動させ、戦闘力を上げてから近くにいる奴らから【手をつなぐ】!そして上がった戦闘力で思いっきりそおい!ってブン投げる!!これを2人のそばを出来るだけ離れないようにして近づく数を減らしていく!
「今は2人を守るため、少し痛い目に合わせるのを許してくれよ!操る奴らをぶっ飛ばしたら、後でお前達の本来の楽しい姿を見せてくれよな!」



●魔法少女コンビ、推参!
 ブロックのドラゴン。2メートル近い怪獣のぬいぐるみ。腹部に巨大なビー玉の発射口がついた人形。そして、軍服を着たイヌの人形たち。大量の愉快な仲間たちがビルの屋上へと押し寄せ、ユウとハルカはあっという間に包囲されてしまった。
 ユウはまだ疲労で立てないハルカを背中に庇い、じりじりと迫るオモチャたちを懸命に睨み付ける。
 包囲網の最前列に進み出たイヌの兵隊たちのリーダーは、ジャキン! とオモチャのサブマシンガンを構えながら二人へと問いかけた。
「君達がアリスだな? 偉大なるブレイメン閣下がお探しだ! さあ、武器を捨てて大人しくついてこい! さもなければ撃つ!」
「日ノ本君、逃げなさい! あなただけでも……!」
「そんなこと、できるわけないだろ!」
 銃を向けられるのはもちろん怖い。だが、ユウは決してハルカを見捨てるつもりなどなかった。震える体を必死に抑え、日本刀を握り締めたまま、ギロリと兵隊たちを睨み付けた。
「そうか、残念だ。BB弾だから死にはしないが、前歯が折れるぐらいは覚悟しろ!」
 ポメラニアンの兵長は溜息を吐くと、さっと手を上げた。
 その時だった。兵隊たちがトリガーに指をかける直前、空から朗々たる二つの声が響いた。
「「待てェーいっ!」」
「何やつ!?」
 ダンッ! と弾むような音を立て、風を巻いて二人のアリスの前に勢いよく着地したのはレパル・リオンと白峰・歌音(かのん)だ!
「もう大丈夫だぜ、2人とも! オウガの甘言に惑わされず互いを傷つけず守りあって、よくここまで耐えたな! この場は……ヒーロー、マギステック・カノンが請け負った!」
 蒼いミニスカートと白い飾り布を風にたなびかせ、マギステック・カノンこと歌音は二人のアリスに優しく微笑む。
「魔法猟兵イェーガー・レパル! あなたたちはアリスちゃんを楽しく歓迎するのが愉快な仲間のお仕事でしょ! あんな怪人に操られないで!」
 ヒーローのようなポーズを決めた後、ピンク色の獣人の魔法少女、レパルはぷりぷりと怒りながら、ビシリと愉快な仲間たちに指を突きつけた。
「「ほ、本物の魔法少女!?」」
 助けにやってきた二人の猟兵の姿に、ユウとハルカは思わずハモる。
「もう大丈夫よ!だってイェーガーはホントのヒーローなんだから!」
 レパルはアリスたちに向けてパチンとウインクした。
「ま、魔法少女だと!? ええい、ブレイメン様に逆らう者は皆殺しだ! 出会え、出会え!」
 乱入者たちの雰囲気に当てられたのか、本格的な悪役ムーブに乗り出す愉快な仲間たち。
 そして、大乱闘が始まった!
 ダダダダダダダ!
 イヌの兵隊たちが一斉に放った銃撃の嵐を、レパルは炎で撃ち落とし、歌音は手のひらで払いのけた。
 ボンッ!
 足から爆風を放ったレパルは、ロケットのような勢いで愉快な仲間たちへと突撃し、手近な一体にダッシュジャンプパンチをお見舞いした!
「グホォッ!」
 いいパンチをもらった怪獣のぬいぐるみは仲間達を五体ほど巻き込み、物凄い勢いで水平に吹き飛んでいった。
「次は誰かしら?」
 両拳に炎を纏い、愉快な仲間たちを威嚇するレパル。
「オレのこの意志を…形に、示すっ!! 『イマジネイト・リミットブレイク』!」
 紫色と紅色が混ざったオーラを解放した歌音は、オモチャたちの銃撃を弾き返しながら突進し、イヌの一体としっかり手をつないだ。
「わわっ、離せ、離せ!」
「そぉい!」
 そのままちゃぶ台返しのようなフォームでぶぅんとイヌの兵隊さんを放り投げる。
 美しいアーチを描いて飛んでいった兵隊さんはあっという間に見えなくなった。
「勝手に追い詰め、絶望だけの選択を迫る理不尽! このマギステック・カノンが、新しい希望の選択肢を示してやるぜ!」
 歌音は次々と愉快な仲間たちを掴み、四方八方へと投げ飛ばしていく。拳や蹴りを使わないのは、少しでも愉快な仲間たちのダメージを抑えるためだ。
「アアーッ!」
「フライ・アウェーイ!」
「ひゃっはーー!」
 投げ飛ばされた愉快な仲間達は微妙に楽しそうな悲鳴を上げ、ビルから退場していった。
「やっぱり、今度は本物だわ!」
「ああ、今度こそニセモノじゃねえ! 俺達を助けに来てくれたんだ!」
 二人の魔法少女たちの雄姿を見て、ユウとハルカは二人がホンモノのヒーローだと確信した。
「あたしのビンタで改心しなさーい!」
 獣のように深く身を沈め(彼女は本当に獣だが)、バネのような勢いで突っ込んだたレパルは連続でファイヤービンタを放ち、次々と愉快な仲間たちを打ち上げた。
「はっ……! 私は一体何を……?」
 レパルの虹色の炎は破壊と再生の両方の力を持つ。レパルは愉快な仲間たちをしばきながら、炎で気力を回復させ、洗脳から解放しているのだ。
「とうっ! はあっ!」
 ボグッ! バキッ!
「ハッ! 俺はなんてことを! ああーっ!」
 ……殴られた角度によってはせっかく正気に戻ったけどそのまま遥か彼方に吹き飛んでいく子もいた。若干理不尽だが、どうせ治癒の炎で怪我も治るので良しとしよう。
「すげえ! あんな風に炎を扱えるなんて……!」
 爆風を利用した加速に、爆炎による目晦まし。そして、癒しの炎。炎を自在に操って戦うレパルの姿に、ユウは憧憬の視線を向ける。
 歌音の方も負けてはいない。歌音は風を切り裂き、常人には視認できないほどの速度で高速移動しながら、愉快な仲間達を華麗に投げ飛ばしていく。
「今は二人を守るため、少し痛い目に合わせるのを許してくれよ! 操る奴らをぶっ飛ばしたら、後でお前達の本来の楽しい姿を見せてくれよな!」
「素敵、まるで初代ペアだわ……」
 ハルカも大暴れする二人の魔法少女の雄姿を、キラキラした瞳で見つめていた。
(朝霧のやつ、やっぱりああいうの、好きなんじゃねえか。魔法少女は恥ずかしいとか言ってたくせに……)
 ユウはそんなハルカの横顔を呆れ顔で見つめていた。

「ハルカちゃん、ユウちゃん、大丈夫!? 2人ともバテバテみたいだから、温めて癒すわ!」
 屋上にいた愉快な仲間たちをあっという間に無力化した後、レパルは二人のアリスにも癒しの炎を放った。蝋燭のようにゆらめく小さな炎は、二人の身体を暖め、疲労を癒していく。
「ありがとう! ビースト姉ちゃん! そっちの青い姉ちゃんも!」
「こら、『ありがとうございます』、でしょ! すみません、礼儀知らずのガキで」
 ユウの脇腹にエルボーを食らわしながら、ハルカは猟兵たちにぺこりと頭を下げた。
 一瞬、なごやかな空気が流れたが――。
「ハハハハハッ! 見つけたぞ! アリス共! 貴様らをブレイメン様への捧げものとしてくれる!」
 ビルの上空に出現した巨大な飛行船のスピーカーから、愉快な仲間のものと思しきノリノリの悪役声が響いた。
「いいぜ、かかって来な! 怪我しないように丁重におもてなししてやるぜ!」
 歌音は再びオーラを纏い、次々と降下してくる愉快な仲間達を見上げる。
 オモチャの国の大乱闘は、まだ、始まったばかりだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

火霧・塔子


悪いロボットが暴れている……ここが噂の新世界、クロムキャバリアですか!
……なんか思ったよりファンシーですね? アレ?

UCで強化した煽動器を通した私の声の音圧で愉快さんたちにはビルから吹き飛んでもらいます!

乗り越えてくる愉快さんにはゲバ・ロッドで【なぎ払い】
ホームランスイングでゴーホームしてもらいましょう!

相手の数が多いなら、アリスの二人を【鼓舞】して彼らにも頑張ってもらいます!
窮地にこそ輝く魂こそ反逆の一等星! さあ二人とも、この理不尽への反逆の時です!
朝霧さんに一踏ん張りしてもらって星型弾を撃ってもらい、それを私がゲバ・ロッドでバッティングして【焼却】、火炎の流星に変えて階段を破壊します!



●ハロー・ニューワールド?
「悪いロボットが暴れている……ここが噂の新世界、クロムキャバリアですか!」
 火霧・塔子は高層ビルが立ち並ぶ街並みをキョロキョロと見回した。

 クロムキャバリア。そこは無数に分裂した小国家同士が、体高5mの人型兵器「キャバリア」を主力とした闘争が長く続いている世界であるという。
 この、「おもちゃの国」なる国も、そういった小国家の一つに違いあるまい。
「……なんか思ったよりファンシーですね? アレ?」
 塔子は視界に入る景色に首をひねった。
 いくら何でも、戦時中の国のビルがカラフルなスポンジブロックで出来ていたり、地面にキリンさんやゾウさんの絵が描いてあるのは、おかしくないだろうか?
 それに、通行人もちょっと個性的過ぎる。動物のぬいぐるみや、プラモデル、特撮のソフビ人形のような、オモチャのような姿の人々ばかりだ。
「ここ、新世界じゃなくて不思議の国じゃない!?」
 
●流星のスラッガー
「二人共、耳を塞いで下さい!」
 気を取り直してビルへと登ってきた塔子は、現れるや否や、アリスたちに警告した。
「えっ!?」
「朝霧、なんかやばいぞ!」
 危険を察知したユウは、咄嗟にハルカを伏せさせる。
 塔子は炎の模様が描かれた拡声器【扇動器】を構え、全力でシャウトした。
 直後、耳をつんざくような音波が辺りに響き、飛行船から降下中だった愉快な仲間たちは衝撃波でまとめて吹き飛んでいった。
「この理不尽な現実に、叫ばずにはいられません!!」
 塔子は此処が新世界ではなかったことへの怒りを籠め、絶叫する。
 ……その点については愉快な仲間たちには全く落ち度はないので、どちらかというと塔子の怒りの方が理不尽なのだが、気にしてはいけない。
「あのやかましい女を止めろ!」
 塔子が怪獣よろしく吠えまくっていると、すぐに、下からビルを駆け上がってきた愉快な仲間たちが塔子へと襲い掛かってきた。
「なんのっ! ゴーホームです!」
 塔子は左手に持っていたゲバ・ロッド(角材)をフルスイングし、愉快な仲間をぶっ叩いた。片手でのスイングにも関わらず、見事なホームランだ。
 カキーン! カキーン!
 塔子の角材が唸り、愉快な仲間たちは次々と吹き飛ばされていく。
 しかし、何体ホームランしても上からも下からも増援が駆け付けて来る。
「キリがありませんね……こうなったら!」
 作戦変更。このままでは埒が明かないと判断した塔子は、再び扇動器を構え、ユウとハルカへと大声で呼びかけた。
「窮地にこそ輝く魂こそ反逆の一等星! さあ二人とも、この理不尽への反逆の時です!」
 塔子の熱烈な声援で奮起した二人は、近くに群がっていた愉快な仲間たちをがんばって蹴散らした。これでスペースが空いた。塔子の瞳がキラリと光る!
「今です、朝霧さん、星型弾を私に!」
「はいっ!」
 塔子は神主打法の構えを取り、ハルカへと声をかけた。即座に意図を理解したハルカは、塔子へと全力で星型弾を放つ!
「「いっけぇえええええ!」」
 カキーン!
 小気味よいインパクト音と共に、塔子が打ち返した星型弾が弾丸ライナーとなってかっ飛んでいく。
 炎に包まれ、流星となった星型弾は音速を超えてビルの昇降口へと飛んでいき、中でバウンドしてビルの階段をグシャグシャに粉砕した。

成功 🔵​🔵​🔴​

アイリス・レコード
この国でもアリスが……!
彼らの救出自体は他の方もいらっしゃるでしょうから、まずは、二人から追っ手を遠ざけます……!

私だって「アリス」ですから、姿を晒して囮になります。
愉快な仲間達にはランスで、突かず叩いて飛ばしてケガを負わせないように……

それと……
(あなたが誰か詳しくは分からない、でも、今は、力を貸してください!)
指定UCで三月兎さんを呼び出して、彼らの注意と意識の対象を変えて……あれ?

『え、何あれアリス、フラグ?フラグウサ?こうしちゃいられない!じっくりねっとり観察を……ってアナタ達そこ邪魔です!その辺の壁でもお仲間でも雲でもなんか別のを追っかけてて!』(執着対象変更)

え、あの……?





●アイリスと色ボケ兎
「この国でもアリスが……!」
 アリスがオウガに苦しめられていると聞き、おもちゃの国へとやってきたアイリス・レコード。アリスナイトである彼女は、新しい後輩のピンチに駆け付けてきたのである。
「愉快な仲間たち! アリスはここです!」
 大急ぎで屋上へとやってきたアイリスは、あえて自らアリスだと名乗り、愉快な仲間たちの注目を引き付けると、ぴょんと隣のビルへと飛び移った。
「アリス発見! アリス発見! あそこにもアリスがいるぞ!」
 彼女の陽動作戦は成功し、愉快な仲間たちの一部は軍隊アリのように仲間達で橋をかけ、こちらへと殺到してきた。
「怪我はさせないように……」
 アイリスは白銀に輝くアリスランスを取り出すと、槍の横っ面でビシバシと愉快な仲間たちをはたき、次々と迎撃していく。この国の構造物は地面も含めて柔らかいから、突き刺しさえしなければビルから落ちても大きな怪我をすることはないだろう。
「おのれ! みんな、怯むな! 進め進め!」
 しかし、愉快な仲間たちもそう簡単には諦めない。次第にアイリスの周りにも愉快な仲間たちが集結しつつあった。
 そこでアイリスは祈りを捧げ、力を貸してくれる何者かに呼びかけることにした。
(あなたが誰か詳しくは分からない、でも、今は、力を貸してください!)
「アリスに呼ばれた!? ワタシのこと呼んだ!?」
 すると、彼女の召喚に応じ、光と共にハイテンションな三月兎の女の子があらわれた。
「ウサギさん、力を貸してください! あそこにいるアリスたちがオウガに洗脳された愉快な仲間達に……」
 アイリスが事情を説明しようとした時――。
「え、何あれアリス、フラグ? フラグウサ?」
 三月兎はクンクンと鼻を鳴らし、アイリスはそっちのけで隣のビルにいるユウとハルカを凝視した。

「ちょっと日ノ本くん、動きが単調になってる! 美人のおねーさんたちに見惚れてる暇はないわよ!」
 どこか不機嫌そうにユウのカバーに入るハルカ。
「だ、だれも見惚れてなんかねえよ! お前こそ三発に一発も弾が当たってねえぞ! このノーコン!」
 ハルカに反論しつつ、ユウはハルカに近づく愉快な仲間を思いっきり蹴り飛ばした。
 一見仲が悪いように見えるが、よくよく二人を観察すると、今は猟兵たちがたくさん彼らの救援に駆け付けているにも関わらず、ユウとハルカは3メートルと離れずにずっとそばで一緒に戦っている。
 恋バナ大好き、むしろ事実無根でも勝手に妄想します、がモットーの三月兎娘が興奮してしまうのも無理なからぬことか。
「こうしちゃいられない! じっくりねっとり観察を……ってアナタ達そこ邪魔です! その辺の壁でもお仲間でも雲でもなんか別のを追っかけてて!」
 是が非でも小学生アリスコンビを間近で観察しようと、三月兎娘は隣のビルに飛び移ろうとしたが、その時、アイリスを狙った愉快な仲間達がまた押し寄せてきた。
 三月兎は蠅でも追い払うような仕草で銀食器をバラまき、愉快な仲間たちに魔法をかけた。
「飛んだ! アリスが飛んだ! あっちだ!」
 三月兎娘の魔法にかかり、上空を漂う雲をアリスと誤認した愉快な仲間たちは、雲を掴もうと、次々とビルからダイブしていった。
「さあ、邪魔者は追い払ったウサ! 一緒に二人を生暖かく見守るウサ!」
「え、あの……?」
 三月兎は戸惑うアイリスの首ねっこを掴み、ユウとハルカに向かって突撃していった。

成功 🔵​🔵​🔴​

月村・樹

こらこら、オモチャっていうのは子供を笑わせて、楽しませるもんだろー?本気で泣かせちゃダメだぜ。

【捕縛】二人に近付く玩具達を、「武器:密やかな執心」の茨で捕まえる。(トゲの鋭さは引っかかる程度に抑えて)
【毒使い】捕まえた玩具達を、動きを止める程度の毒で大人しくさせる。

それらをすり抜けて二人の元へ向かう玩具がいれば、
【怪力】やUCで引っ掴んで投げ飛ばす。

柔らか素材だから投げ飛ばしても大丈夫とは聞いてたけど…でもやっぱり、荒っぽくなっちゃったのはごめんなー!
正気に戻ったら、今度一緒に遊ぼうぜ!



●悪霊VSエイリアン!
「ギャギャギャ!」
「クルルルルル!」
 爬虫類のような、人間のような何とも形容しがたい怪物達が奇声を上げる。
 空飛ぶ円盤に乗ってやってきたのは、見るからに凶暴そうなエイリアンだった。
「ひっ」
「きゃああ!」
 短い悲鳴を上げるアリス達。彼らも実は「ガレージキット」の愉快な仲間達なのだが、そのリアルの造形に子供たちはすっかり怯えているようだ。
「こらこら、オモチャっていうのは子供を笑わせて、楽しませるもんだろー? 本気で泣かせちゃダメだぜ」
 外壁を伝い、ビルの屋上へと駆け付けてきた月村・樹はチチチと指を振った。
「きれいな人……」
 ハルカはぽつりと呟いた。
 やんちゃな少年のような言葉遣いとは裏腹に、白いワンピースに身を包み、鮮やかな青の花束を手にした樹の儚げな姿は、まるで花嫁のように美しかった。
「ギャギャギャ! 俺達ハ子供ニ怖ガラレルノガ仕事ナンダ! 怖イ顔ダカラナ!」
 エイリアンたちは不気味な笑い声を上げ、樹の忠告を一蹴した。だが、その言葉にはどこか自嘲的な響きが含まれていた。本当は寂しがり屋なのかもしれない。
「そうか、なら仕方ないな!」
 ギュルルルルルルッ!
 樹の手にした花束から、茨の蔓が伸びる。一本一本が意志を持つかのようにうねる無数の蔓は、あっという間にエイリアンたちを捕えて拘束してしまった。
「チカラが、抜けていく……!」
 茨に捕えられた愉快な仲間たちはぐったりしている。茨の棘には毒があったのだ。フルパワーならば命を奪うことも可能だが、今回はオブリビオン相手ではないので、麻痺する程度の弱い毒にしている。
「ちょっと痛いかもしれないけど、我慢してくれよな」
 敵を拘束した樹は方向転換し、アリスたちの方へと近づいていった。
「シャー! 隙アリ!」
 その時、茨に捕えられた仲間の後ろに隠れていた、小型エイリアンが勢いよくジャンプし、樹を飛び越えてハルカの方へと飛び掛かった。大ジャンプからの特攻だ。
「おっと!」
 しかし、手を伸ばして割り込んだ樹は、エイリアンの足をぱしっと掴むと、ユーベルコードの力でハンマー投げのように豪快に投げ飛ばした。
「意外にパワーファイターだ……!」
 ユウは目を丸くした。見た目のイメージから、てっきり樹は遠距離魔法使いタイプかと思っていたのだ。
「ギャー!」
 エイリアンは遥か彼方へと飛んで行って見えなくなった。
「荒っぽくなっちゃったのはごめんなー! 正気に戻ったら、今度一緒に遊ぼうぜ!」

成功 🔵​🔵​🔴​

ヴェル・フィオーネ
◎心情
オウガ・オリジンが倒れたってのに、相変わらずこの世界はこんなことが起きているのね……
でも、どっちも放って置くわけにもいかないしちゃんと助け出さなきゃね!

・戦闘
スペリオル・ブレイクで愉快な仲間達を攻撃しつつ、アリス達を保護するわ
洗脳=邪心って考えれば、多少はどうにかなるんじゃない?
後は、【オーラ防御】でアリス達を守ったり【カウンター】で愉快な仲間達の攻撃を防いだりするわ!
しっかし、ロボットみたいな愉快な仲間達かぁ……前にも会ったことあるけど、意外と居るのねそういう子達も


シウム・ジョイグルミット
[POW]◎
おっ、この国のアリス発見~♪
大丈夫、正義の時計ウサギが助けに来たから安心していいよー

仲間達を操るなんて、許せないオウガだねぇ
まずは皆の前に立って説得してみようかな【コミュ力】【言いくるめ】
こらー、仲間達!
アリスは皆の友達でしょ、ケンカしちゃダメだよ!
っていう感じにね

説得の効果がないなら、『Hungry Dumpty』召喚!
ガオーッて威嚇したら驚いて逃げてかないかな
それでもダメなら、能力でスポンジブロックの床を弾力抜群のマシュマロに変えちゃうね
猟兵の皆とアリス達は危ないからしっかり床かダンプティに捕まっててね
準備が出来たらダンプティに床を思い切り殴らせて、反動で仲間達を飛ばしちゃおう



●終わらないワルツ
「オウガ・オリジンが倒れたってのに、相変わらずこの世界はこんなことが起きているのね」
 白銀に輝くロッドを携え、戦場に現れたヴェル・フィオーネ。
 彼女がアリスラビリンスに来るのは迷宮災厄戦の時以来だ。てっきり新たなアリスはもうこの世界に喚ばれないものだとばかり思っていたが、残念ながらそうではなかったらしい。
「……でも、どっちも放って置くわけにもいかないしちゃんと助け出さなきゃね!」
 二人のアリスに、オウガに洗脳されてしまったという愉快な仲間たち。どちらも救いたい。そんな願いを槍に込め、ヴェルは高層ビルが立ち並ぶ不思議の国をひた走った。

●三人のアリスと時計ウサギ
 ヒュルルル! ドゥン!
 ヒュルルル! ドゥン!
「な、なんだ!?」
「大砲の音!?」
 砲撃音と共に、新たな愉快な仲間たちがビルへと飛来した。
「目標、発見……アリスを確保スル」
 飛来物の正体は、カラフルに彩られたロボットたちだった。地上と屋上を繋ぐ階段が猟兵の手で破壊されてしまった為、地上から投射されたのだろう。いささか乱暴な手段だが、謎のやわらか素材で出来ている愉快なロボットたちは、着地のショックも無傷でやり過ごしたようだ。
「今度はロボット!? かっけぇ!」
「えー、なんか安っぽくない? 対象年齢:5歳以上って感じじゃない」
「なんてこと言うんだ!!」
 アリス二人が言い争いを始めたその時だった。
 突然、ビルの上空に光が瞬いた。
「何か来る! また敵か!?」
 二人のアリスは身構えるが、猟兵たちは平然としていた。なぜならこれは、新たな猟兵が姿を現す前兆だったからだ。
 光の扉をくぐり、ビルにシュタッと着地したのは緑の髪をしたウサミミ美少女だった。
「おっ、この国のアリス発見~♪ 大丈夫、正義の時計ウサギが助けに来たから安心していいよー」
 戦場へと転移を果たしたシウム・ジョイグルミットはにっこりと微笑んだ。
「時計ウサギ?」
 ユウはきょとんとした。ユウは童話にはさほど詳しくない。それに、まだ不思議の国を渡ったことがないので、この世界の『時計ウサギ』がどういう存在であるか知らないのだ。
「ええっ! 知らないの? 時計ウサギって有名でしょ? アリスを不思議の国に誘ったしゃべるウサギよ。絵本だともっとモフモフしたウサギだったけど」
 ハルカの方は時計ウサギのことはちゃんと知っていた。ただし、その知識は絵本準拠だったが。
「その通り! 我々はアリスを導くものだ! 君たちが元の世界に帰るには我々時計ウサギの力が必要だよ! そのあたりは後でじっくり説明してあげよう! だがその前に」
 くるりとターンし、シウムは愉快な仲間たちの方を振り向いた。
「こらー、仲間達! アリスは皆の友達でしょ、ケンカしちゃダメだよ!」
 とりあえず、愉快な仲間たちの説得を試みるシウム。
「時計ウサギヲ確認。任務ノ障害トナル可能性アリ。排除スル!」
 しかし、ロボットたちは聞く耳持たず、無機質な声で戦意を告げた。すっかりオウガに洗脳されてしまっている彼らからは、不思議の国の住人らしい穏やかさがさっぱり感じられない。
(仲間達を操るなんて、許せないオウガだねぇ)
 黒幕への静かな怒りを感じつつ、シウムは説得を諦め、ユーベルコードを発動する。
「これお腹減るからあんまり好きじゃないんだけど、使うしかないかぁ……よーしやっちゃえ、みんな食べちゃえ♪」
 シウム自身のお腹が減ることを代償に召喚されたのは、食器の集合体『Hungry Dumpty』(ハングリィ・ダンプティ)だ。
「ガオオオオオオオオオ!」
 ガチガチと銀色の牙を鳴らし、銀食器の怪物は愉快な仲間たちを威嚇する。
「危険! 危険! 戦略撤退ヲ開始!」
 ロボットたちの四割ほどは戦意を喪失し、一目散にビルから飛び降りていった。
 だが、残りの六割はファイティングボーズを取り、シウムたちと戦う構えだ。
「ダンプティ、床を――」
 クークーお腹が鳴るのを我慢しながら、シウムが攻撃指令を出そうとしたその時――。
 空から白銀の流星が降り注いだ。
「穿けぇぇぇっっっっ!!!!」
 ウィザードロッドを輝かせ、グングニルの槍の如く飛来したヴェルは敵陣のど真ん中に着弾し、大爆発を起こした! 
 銀色の爆風に飲み込まれたロボットたちはひっくり返り、目を回している。
「おわっ!」
「あれ、なんともない?」
 しかし、爆風に巻き込まれた二人のアリス、そしてシウムは無傷だった。ヴェルの『スペリオル・ブレイク』は敵の邪心のみを攻撃する技。ユウやハルカ、そしてアリスを守るために駆け付けた猟兵たちにはいかなるダメージをも与えない!
「こんにちは、後輩たち。それに時計ウサギさん」
 派手に登場したヴェルはにこやかに挨拶した。
「しっかし、ロボットみたいな愉快な仲間達かぁ……前にも会ったことあるけど、意外と居るのねそういう子達も」
 目を回しているロボットたちを見下ろしながら、ヴェルは感慨深げに呟く。

「あ、今度はヘリコプターだ! 一体何人いるんだよ!」
 ユウが指差した先には、ヘリコプターから急降下してくる新たなオモチャの兵隊たちの姿があった。
「HAHAHA、ボーイ&ガールタチ! オジサンタチガタップリト遊ンデアゲルヨ!」
 ライフルを手に笑うアメリカンな雰囲気のソルジャー人形たち。
「今度はボクがやるよ! ダンプティ、お願い!」
 シウムの呼びかけに答え、銀食器の怪物が地面へと両手を当てる。光が走ったかと思うと、ビルの床はふわふわのマシュマロになってしまった。
「みんな、しっかり掴まってて! さあダンプティ、今だ!」
 シウムが合図すると、ダンプティは思いっきり床を叩いた!
「オワー!」
「オーマイガー!」
 マシュマロと化した床はパンチの衝撃でメトロノームのように激しく揺れ、兵士達は反動で吹き飛ばされてビルから落ちていった。
 アリスたちは、ヴェルがオーラの壁の内側に隔離していたので無事だ。
「「やった!」」
 三人のアリスと一匹の時計ウサギは、笑顔でサムズアップを交わしたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ニコリネ・ユーリカ
◎+♯
玩具達はロボットに洗脳されているだけ
本当はアリスを襲うなんてしたくない筈

無線を妨害するようにラジカセをON
GaGaを手に優しい揺籃歌【Berceuse】を歌ってあげる
1日1分27秒以上歌うと死んじゃうから時間内に心を籠めて


思い出して 生まれた日の事を
あなたは人に心を与える為に生まれた
たのしい うれしい だいすき
あなたを抱く手に、ほわり、心が生まれる

思い出して あなたを作った人の手を
あなたには温かな命が吹き込まれた
たのしい うれしい だいすき
ほら、あなたを愛する手が伸びる

歌には聽く者の時を止め、世界を従わせる力がある
無線を発信する者の手を止め、増援を禦ぎましょう

――お願い、目を覚まして!



●Berceuse(コモリウタ)
 ここは、アリスたちが、猟兵たちと立てこもっているビルの前の大通り。
「まだ捕まらんのか! この国のあらくれ共をあんなに連れてきているのに!」
「もしアリスを逃がしてみろ! きっとブレイメン様はお悲しみになる!」
 ビルを包囲している愉快な仲間たちは、大騒ぎをしています。彼らは敬愛するオウガ、ブレイメン様のため、この国に迷い込んだ二人のアリスを必死に追い立てていました。
 しかし、アリスたちには手ごわい味方がたくさん付いており、オモチャたちはまるで歯が立たないのでした。今でも、ビルの屋上に駆け付けた仲間たちが、次々と吹き飛ばされています。
「もっと増援を呼べ! このままではアリスたちに逃げられてしまうぞ!」
 愉快な仲間たちが無線のスイッチを入れ、もっと仲間を呼ぼうとしたその時――。
 一人の女性が、彼らの前に姿を現しました。
 それは、若草色のエプロンドレスを着た、クリームのような金色の髪の花屋さんでした。
 花屋さんはその紫色の瞳を悲しそうな色に染め、愉快な仲間たちに語りかけました。
「貴方たちも、本当はアリスを襲うなんてことはしたくはない筈よ。私には分かるの」
「ハハハ! 何を言う! 我らオモチャの国の国民はみな、ブレイメン様に従う者。アリスを泣かせたり、いじめたりするのが仕事なのだ!」
 しかし、オモチャたちは女性の訴えを一蹴しました。彼らの本当の心は、オウガに奪われてしまっているのです。
 花屋さんはキリッと表情を引き締めると、近くに停車していた真っ白い花車に駆け寄り、荷台に乗せていた、黒くてごついラジカセのスイッチを入れました。
 そして、台座部分が欠損した、ステッキ状のボーカルマイクを手に取ると、全身全霊を込めて歌い始めました。
 
 思い出して 生まれた日の事を
 あなたは人に心を与える為に生まれた
 たのしい うれしい だいすき
 あなたを抱く手に、ほわり、心が生まれる

「なんだ、この歌は……!」
 マイクから響く花屋さんの歌声に、オモチャたちは不思議と手を止め、聞き入ります。
「ザザ……ガガ……おい、状況を報告しろ!」
 無線から上官の怒鳴り声が響いても、オモチャたちはただ黙って立ち尽くしているのでした。

 思い出して あなたを作った人の手を
 あなたには温かな命が吹き込まれた
 たのしい うれしい だいすき
 ほら、あなたを愛する手が伸びる

 ――お願い、目を覚まして!
 ありったけの想いを込め、ニコリネ・ユリーカは命を懸けて歌い続けました。
 その想いはついにオモチャたちに届き――。
「あれ、私達は、一体何をしているんだ?」
「こうしちゃいられない! アリスたちに食べてもらうケーキを焼かないと!」
「パーティの準備をしなければ!」
 歌が流れたのはたった1分にも満たない時間でしたが、美しい歌声に心を洗われ、本当の自分を取り戻したオモチャたちはみんな武器を捨て、おうちへと帰っていきました。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アウル・トールフォレスト
◎(☆+★)
戦争は終わったって言うのに、アリスたちは召喚されて…大変だね
しょうがない、それじゃあ助けてあげなきゃね!

二人を逃がせるように、壁みたいに立ちはだかりながら、
愉快な仲間たちには【魅了・蠱惑坩堝】を使用
魅了を与えて、夢を見せて、洗脳を上書きして無力化するよ
スポンジ状の地形は蜜をよく吸ってくれて、きっと長い間夢を見てくれると思う

アリスもそうだけど、愉快な仲間たちもかわいそう
ここはきっと、もっと楽しい世界なんだと思うから。だから早くもとに戻ったほうが良いよね
そのためにも、早くオウガを倒さないと


エルナリア・アリルゼノン

ミッションを確認しましたが……
なるほど、これでは多勢に無勢ですね
二名のアリスを守りつつ、
これだけの数の兵隊を殺害せずに無力化する事は難しいでしょう
ここはエルナのUCを使い、お二人にはメモリー内の仮想空間に退避していて貰います
こうすることで護衛のリスクを減らし、兵隊の対処に注力できますね
二人共、済みませんがこの場の安全を確保するまで、中でしばらくお待ちください

次は戦闘ですが、相手の殺害を避けるためにソーシャルレーザーを直接照射せず、
熱線で周囲の建物を焼き切るのに使います
そうして出来た大きなスポンジ状の塊を彼らに落とし、
下敷きにすることで動きを封じ、無力化していきましょう



●ラスト・ウェーブ
 猟兵たちの奮闘により、終わりがないように思われたオモチャたちの軍隊もついに戦力が尽きつつあった。今いるオモチャたちが愉快な仲間たちの最後の戦力だろう。
「戦争は終わったって言うのに、アリスたちは召喚されて……大変だね。しょうがない、それじゃあ助けてあげなきゃね!」
 戦場のビルへと転移してきたアウル・トールフォレストは全身に生えた植物をわざわさと揺らしながら言った。
「ミッションを確認しましたが……なるほど、これでは多勢に無勢ですね。二名のアリスを守りつつ、これだけの数の兵隊を殺害せずに無力化する事は難しいでしょう」
 エルナリア・アリルゼノンも敵に囲まれた状況を分析しつつコメント。
 いくら相手が猟兵より遥かに弱い愉快な仲間たちとはいえ、二人のアリスを庇いつつ、しかも相手をなるべく傷つけないように戦わなければならないとなると、オブリビオンの群れを力任せに薙ぎ払うより大変かもしれない。
「二人共、済みませんがこの場の安全を確保するまで、中でしばらくお待ちください」
 エルナリアは小さなスティック媒体をアリスたちに差し出した。このスティックはエルナリアが支配する仮想空間への入口なのだ。
「日ノ本くん、この子の好意に甘えましょう……」
「分かった……いい加減体力の限界だしな……。あとはよろしくな、ちっこい嬢ちゃん!」
 猟兵に混ざって気丈に振舞っていたが、子どもたちはもうへとへとだったらしく、素直に仮想空間の中に退避していった。ちなみにエルナリアは「嬢ちゃん」ではなく男性なのだが、ユウは気づかなかったようだ。
「おのれ、逃がすか! そのスティックをこちらによこせ!」
 その時、ベーゴマと車の愉快な仲間のコンビが勢いよくエルナリアへと突っ込んできた。
「させない!」
 割って入ったアウルは自身を覆っている蔦を操作し、愉快な仲間たちのタックルをガードした。柔らかい植物の壁は体当たりの衝撃を分散させて受け止め、そのまま愉快な仲間たちの体を絡め取っていく。
 オウガが相手ならば、このまま『怪物』として仕留めにかかる所だが――。
「アリスもそうだけど、愉快な仲間たちもかわいそう。ここはきっと、もっと楽しい世界なんだと思うから。だから早くもとに戻ったほうが良いよね」
 そう言って、アウルは体表に自生する植物から金色の霧を散布した。霧の正体は強力な幻覚作用を持つ蜜だ。
「おや、わたしたちは何をしていたんだっけ」
「ようこそ、アリス。ここはおもちゃの国だ。君はこどもの頃、どんなオモチャが好きだった? 探してみるといい。きっと見つかるはずさ!」
 甘ったるい蜜はビルの屋上を包み、夢の世界に誘っていく。アリスが蜜を吸ってしまう心配も無い為、遠慮は無しだ。
 甘い夢に微睡み始めたオモチャたちは洗脳から解き放たれ、本来の優しいオモチャたちへと戻っていった。スポンジのような床は蜜をよく吸っているので、愉快な仲間たちは当分夢の中だろう。これでこの屋上にいる敵は全滅したが――。
 その時、バシャンと水爆弾が飛んできて、ビルの床にカラフルなインクが飛び散った。近くのビルに潜んでいたオモチャたちからの砲撃だ。
「後はあそこにいる人たちだけですね」
 エルナリアは遠くにいる愉快な仲間たちの位置を確認すると、携帯型の荷電粒子砲【ソーシャルレーザー】を腰だめに構えて発砲した。
 しかし、エルナリアが狙ったのは愉快な仲間たちではない。周囲の建物そのものである。
 エルナリアはレーザーを発射したままぐるぐると旋回し、周囲のスポンジ状のビルをまとめて達磨落としのように切り崩していった。
「ぬわーーー!」
 ガラガラとビルが崩れ、足場を失ったオモチャの兵隊たちは崩壊したビルの下敷きになった。しかし、この国はビルも地面もとても柔らかいから圧死は免れているはずだ。
 こうして、ついに愉快な仲間たちの軍勢は死者ゼロのまま無力化された。
 だが、オモチャの国での戦いはまだ終わってはいない。アリスたちを連れた猟兵たちは足早にビルから脱出するのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『ホライゾンストーカー』

POW   :    チェイサーズポイズン
自身に【ばらばらにしたおもちゃのブロックの尻尾 】をまとい、高速移動と【遅効性の麻痺効果を持つ毒液】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    チェイサーズインスティンクト
【アリスや対象を追いかけた 】時間に応じて、攻撃や推理を含めた「次の行動」の成功率を上昇させる。
WIZ   :    フライングチェイサー
【星空の翼を広げ羽ばたく 】事で【高機動追跡モード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●アリス・ストーカー
 ズガガガガ!
 市街地を駆け抜ける猟兵たちの前に、突然空からミサイルのような勢いでブロックの雨が降り注いだ。
「シャー! 逃がさないぞ、アリス共!」
 大通りの真ん中、ファーストフードショップの屋根の上、路地裏......街中の至る所から姿を現したのは、馬ほどもある巨大なサソリのオウガだった。 
「こいつら......! さっきの蠍か!? でかっ!」
「それにこんなにたくさん......」
 ユウとハルカは青ざめた。彼らは猟兵たちと合流する前にこの「ホライゾンストーカー」たちと戦っていたのだが、その時は二人がかりで犬ぐらいのサイズの個体を追い払うのがやっとだったのである。
「猟兵共、こいつらは我々のオモチャだ! これ以上我々の遊びを邪魔するなら戦争になるぞ!」
ヴェル・フィオーネ
◎心情
……はぁ、戦争?
それって、脅しのつもり?
だとしたらとんだ笑い話(ジョーク)ね
私達猟兵は、オウガ・オリジンや猟書家達と文字通り『戦争』してたのよ?
今更……オウガ相手の戦争に、怯む訳ないでしょ!!!

・戦闘
『翔覚醒~白き姫騎士~』を使いつつ、【ランスチャージ】や【属性攻撃】を駆使して戦うわ
敵の攻撃は【オーラ防御】からの【カウンター】で対処するわね


レパル・リオン
ふざっけんじゃないわよ、サソリ怪人!いたいけな子どもに迷惑かけるしか趣味のない悪玉オウガには、もはや容赦しなーい!

あたしは逃げも隠れもしないわよ!だからあたしを追いかけたって、大してパワーアップできないわ!

あたしをマジカルパワーだけのヒーローと思わないでよね!
突進アンド突進でゼロ距離まで間合いを詰めるわ!そのままアリスちゃんを追いかける間もなく、超スピードチョップを叩きこんでやるわぁーっ!
うおおーっ!チョップチョップチョップ!連打連打連打で一気にノックアウト!はい次!ダッシュ!チョップ!KO!ダッシュ!チョップ!KO!



●白鳥と怒れる獣
「……はぁ、戦争? それって、脅しのつもり? だとしたらとんだ笑い話(ジョーク)ね」
 オウガたちの威嚇を鼻で笑いながら、ヴェルはウィザードロッドを振り上げた。
「私達猟兵は、オウガ・オリジンや猟書家達と文字通り『戦争』してたのよ? 今更……オウガ相手の戦争に、怯む訳ないでしょ!!!」
 ロッドから青い光が溢れ、ヴェルの身体を包み込んでいく。たちまち、ヴェルは甲冑を纏った魔法少女騎士――アリスナイトとなった。
「ふざっけんじゃないわよ、サソリ怪人! いたいけな子どもに迷惑かけるしか趣味のない悪玉オウガには、もはや容赦しなーい!」
 ヴェルの隣で気炎を上げているのはレパル。サソリたちの「アリスはオモチャ」発言は根っからのヒーローである彼女の逆鱗に触れてしまったようだ。
 ちなみにレパルにとって、悪い奴はだいたいみんな怪人扱いである。
 ギャンッ!
 ほぼ同時に、銀色の槍とピンクの獣が、猛烈なスピードでオウガたちへと突進した。
 爆撃のような勢いで突き出されたヴェルの突撃槍(ランス)は蠍の頭を豆腐のように貫き、一瞬でサソリの前に踏み込んだレパルが繰り出した超高速のチョップは、オウガの額にめり込み、手形の凹みを作った。
「あたしをマジカルパワーだけのヒーローと思わないでよね!」
 ビビビビビビシィッ!
 秒間84発を誇るレパルの連続チョップを受けたサソリたちは、ひとたまりもなく吹き飛び、辺りの建物にめり込んでいく。その純粋な暴力にマジカル要素などひとかけらもない。
 ビビビビビビビビシィ!
 彼女のチョップを受けたオウガが吹き飛んだ後、衝撃波と共に乾いた炸裂音が辺りに響き渡る。そう、レパルのチョップは音速をも軽く凌駕しているのだ!
「おのれぇっ!」
 オウガの鋏が、ランスを振り上げた直後のヴェルへと襲い掛かる。ランスは大型武器ゆえ、攻撃後の隙も大きいのだ。
「はあっ!」
 しかし、ヴェルはオーラを一気に放出してオウガの攻撃を跳ね返すと、ぎゅいんと槍の穂先をオウガへと向けた。
 次の瞬間、ランスから青い光が溢れ、光の波動がオウガの群れに風穴を開けた。
「くそっ! こいつら強いぞ! みんな、散れ!」
 オウガたちは二人を脅威と見るや、高速で辺りに散開していく。
「逃がさないわよ!」
 ヴェルは青い光の翼を纏うと、空高く飛翔した。
 ドガガガガガガガガガ!
 ヴェルの全身から聖なる光の弾が雨のように放たれ、オウガたちを撃ち抜いていく。白い姫騎士が光の雨を降らせながら空を行く姿は、まるで小型の爆撃機だ。

「うおおーっ! チョップチョップチョップ! 連打連打連打で一気にノックアウト! はい次! ダッシュ! チョップ! KO! ダッシュ! チョップ! KO!」
「ぎゃあああああ!」
 レパルは地上を這い回るサソリたちを追い掛け回し、次々と超高速チョップの餌食にしていった。
 サソリたちは逃げ回る相手を追いかける分には強いが、彼女たちのように自ら襲い掛かってくる相手には脆い。
 大空を征く白鳥と陸を暴れる野獣。二人の狩人に逃げ場を封じられたサソリたちは、次々と狩り立てられて数を減らしていったのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ニコリネ・ユーリカ
◎+♯
んンッ、大きい。うまなみ。
しかもいっぱい……大丈夫かしら
いけない、アリスに勇気を与える為に来たんだもの、気圧されちゃダメ!
敢然と立ち向かって二人を鼓舞しましょ

バラバラのブロック、高速移動、毒液……
複数の攻撃手段を持つ敵の群集だなんてちょっとピンチ
マタドールさながら毒針や鋏を躱したいけど
アリスを守るなら真向から対峙したい
よーし、アルティメット花屋になっちゃえ!
迫り来る順にシャッター棒でぶっ叩くわよ

いらっしゃいませ!(ぶんぶん)
こちらはいかがですか!(ぶんぶん)
それでも来るなら、サービスタイム!!(どーん)

アリス達には傍を離れないよう指示を
敵の数に分断されないように、仲良くくっついていてね!



●笑顔のお花屋さん
「んンッ、大きい。うまなみ。しかもいっぱい……大丈夫かしら」
 街中に現れたサソリのオウガたちの大きな姿を見て、ニコリネは目を丸くしました。
「いけない、アリスに勇気を与える為に来たんだもの、気圧されちゃダメ!」
 ニコリネは頬をパンと叩くと、内心の不安を押し殺し、きっとサソリを睨み付けました。
 ニコリネは一瞬だけ振り返り、二人のアリスに微笑みます。
「ユウ君、ハルカさん、怖がることはないわ。ここにはたくさんの魔法使いたちがついてるもの」
 その柔らかな笑顔は、二人の少しだけ勇気を取り戻させてくれました。
「さあ、行くわよ! 二人共、敵に分断されないよう、仲良くくっついていてね!」
「な、仲良くする必要はないだろ」
「別にくっつかなくても……」
 お年頃のアリスたちはニコリネの言葉を違う意味にとらえてしまったようで、お互いにちょっと離れたところで戦い始めました。
「あら?」
「フハハ、お花屋さんふぜいに何ができる! 我らと戦争をするなら戦士を呼んでこい!」
 オウガたちはアリスたちより先にニコリネを叩き潰そうと、鋏を振り上げ、毒液を振りかけ、ニコリネへと襲い掛かりました。
 ニコリネはひらひらと器用にオウガの攻撃を避けながら、シャッター棒でサソリを突き上げますが、大きなサソリたちはなかなか吹き飛ばず、すぐにニコリネはオウガたちに包囲されてしまいました。
「ああっ お花屋さん!」
「ニコリネさんがピンチよ! 助けに……」
 結局となり同士に並んで戦っていたユウとハルカはオウガたちから距離を取りつつ、不安そうにニコリネの様子を見ています。
「大丈夫よ、二人とも。よーし、アルティメット花屋になっちゃえ!」
 ニコリネはパチンとウインクすると、とっておきの魔法を披露しました。
「終焉(おわり)の時を迎えるあなたに。手向けの花輪を懸けましょう。『Doomsday』!」
 ニコリネが瞳を閉じて呪文を唱えると、辺りに白い花吹雪が舞い――。
 ニコリネは終末兵器的お花屋さんに変身しました。
 なんですかそれって? 
 終末兵器的お花屋さんは、終末兵器的お花屋さんです。それ以上説明しようがありません。
「いらっしゃいませー!」
 ニコリネは満面の笑みを浮かべながら、シャッター棒をゴルフスイングし、突進してくるオウガをぶっとばしました。
 カキーン!
 とてもいい音です。300ヤードオーバーは固いでしょう。
「こちらはいかがですか!」
 ニコリネはブンブンとシャッター棒を振り回し、次々とオウガたちをスマッシュしていきます。形勢逆転です。終末兵器的お花屋さんになったニコリネにとって、もはやサソリたちは敵ではないのでした。
「それでも来るなら、サービスタイム!!」
 ニコリネは逃げていくオウガに追いすがり、シャッター棒で背中をぶったたいて地面に叩き落としました。台詞と行動が合っていませんが、今のニコリネは速く動くものを無差別攻撃するターミネーターなのですから、仕方ありません。
「またのお越しをお待ちしております!」
 周囲に群がっていたオウガの群れを蹴散らしたニコリネは返り血を浴びたまま、営業スマイルを浮かべたのでした。

成功 🔵​🔵​🔴​

アウル・トールフォレスト

おかしな事を言うオウガ達だね。アリスの二人はあなた達のオモチャじゃ無いんだよ
でも遊びたいんだったら、わたしが代わりに遊んであげる

正直に言えばね、
手加減してあげるのにも飽きてきたところだから
あなた達なら…いいよね?

【新緑、始まりの息吹を此処に】を使用
獣化形態になって、オウガ達に素早く襲いかかるよ
鋭い爪で引き裂いたり、硬い蹄で踏み砕いたり、牙を食い込ませて振り回したり…本能のままに行動する
追いかけるのはわたしの方。アリスはオモチャじゃないとは言ったけれど、あなた達はどうかしら?

一匹残らず、殺してあげる



●殺戮遊戯
「おかしな事を言うオウガ達だね。アリスの二人はあなた達のオモチャじゃ無いんだよ。でも遊びたいんだったら、わたしが代わりに遊んであげる」
 アウルは口元に薄く笑みを浮かべ、オウガたちの前へと進み出た。
 その瞬間、どこからか冷たい風が吹き込み、サソリたちはゾクリとした寒気を感じた。
(違う。これは風ではなくあの女の殺気か! 俺は恐怖を感じている……?)
 オウガたちがその冷気の正体は風ではなく、本能的な恐怖だと悟った時、エメラルドのような緑色だったアウルの瞳が、青く輝いた。
「正直に言えばね、手加減してあげるのにも飽きてきたところだから。あなた達なら……いいよね?」
 先程まで猟兵たちと戦っていた愉快な仲間たちは操られていただけの被害者だ。殺すわけにはいかなかった。だが、今目の前にいるのはオウガ。純然たる世界の敵であり、その性根も邪悪そのものだ。ならば、どんな風に扱われても文句はあるまい――。
 ジジジジジ……。
 一瞬、陽炎のように目の前の女の姿が揺らいだかと思うと、次の瞬間、女は金色の長い髪はそのままに、鹿のように優美な四足獣へと姿を変えていた。
 アウルは四つの足で一瞬にしてオウガたちとの距離を詰めると、体当たりでオウガの巨体を軽々と吹き飛ばした。
「化け物め……!」
 そこから先は、一方的な蹂躙であった。
 殺戮の魔獣となったアウルは鋭い爪でサソリの背甲を引き裂き、硬い蹄で頭部を砕き、牙を喰い込ませてサソリを振り回し、サソリ同士を激突させてバラバラにした。
「追いかけるのはわたしの方。アリスはオモチャじゃないとは言ったけれど、あなた達はどうかしら?」
「う、うわあああああ!」
 恐怖に駆られたサソリたちはアリスも、主の命令も忘れ、蜘蛛の子を散らすように逃げていく。
 だが、アウルは一体も逃がすつもりなどない。
「一匹残らず、殺してあげる」
 残忍な笑みを浮かべた青い瞳のケモノの、「遊び」が始まった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

白峰・歌音

ユウ!ハルカ!弱気になるな!絶対に生きて立ち向かう強い意志、2人の互いの信頼、それがこの世界で生き残る力なんだ!そしてその意志の強さに、この世界は応じて力を与えてくれる!…大丈夫!2人で力を合わせれば、必ず立ち向かえる!

2人に立ち向かう勇気を振り起すため【勇気】と【覚悟】を【情熱】を込めて【鼓舞】し、撃ち漏らした相手の迎撃を頼む。
そして魔法のUC発動、速度の速さに対抗するため複数の氷輪で敵を囲むように放ち数を減らす。抜けてきた相手にはタイミングを【見切り】【カウンター】の拳・蹴りの一撃で迎撃する。
「速度で追いきれないなら、数で追い詰める…。すり抜けても、その速度は捕えられるスピードだ!」



●バーニング・アイス
「どうやら戦争をお望みのようだな! ならばアリスたちは力づくで奪い取らせてもらうぞ!」
 もはや戦いは避けられぬと見たオウガたちは鋏を振りかざし、アリスたちへと突っ込んできた。
「でかい! 近くで見るとやっぱり怖い!」
「あんなのには勝てないよ!」
 乱戦のうちにまた孤立してしまっていたユウとハルカは、突進してくるオウガのプレッシャーに負け、目をつむってしまった。
 そのまま二人はオウガに捕まってしまうかと思われたが――。
「させるかッ!」
 風のように大地を蹴り、オウガの前に割り込んできた歌音は、勢いよくオウガの尖兵を蹴り飛ばした。すかさず頭部に追い打ちのニードロップを叩き込みながら、アリスたちに言葉をかける。
「ユウ! ハルカ! 弱気になるな! 絶対に生きて立ち向かう強い意志、2人の互いの信頼、それがこの世界で生き残る力なんだ! そしてその意志の強さに、この世界は応じて力を与えてくれる! ……大丈夫! 2人で力を合わせれば、必ず立ち向かえる!」
「「はいっ!」」
 先輩アリスの力強い言葉に励まされた二人は再び勇気を振り絞り、オウガに向き直った。もう目は閉じていない。
「二人共、まだ来るぞ! 撃ち漏らしの迎撃を頼む! 動きを止めてくれるだけでいい!」
「分かった!」
「シャハハハハ! 猟兵ならいざ知らず、おまえらガキに何ができる! そぉら!」
 オウガは武器を構えるアリスたちを鼻で笑いながら、アリスたちに向けて鋏を振り下ろした。
「ユウ! 一緒に!」
 ハルカはユウを抱えたまま飛翔し、オウガの鋏を回避した。そのまま垂直上昇したハルカはオウガの頭上でユウから手を離す。
「食らえ新技! 灼熱隕石落とし! いっけえええ!」
 ユウは自由落下しながら燃える刀を振り、オウガの眉間に一撃を叩き込んだ!
「ギャアアアアッ!」
 手痛い反撃を喰らったオウガはぶんぶんと出鱈目に鋏を振り上げ、もんどりうった。
「よし、いけるぞ! 俺達だって戦える!」
「力を合わせれば私達だって!」
 オウガに一撃を食らわしたことで、アリスたちから怯えが消えた。
「馬鹿め! さっきのやつは油断していただけだ! この技を前にしても同じことがほざけるか!」
 激昂したオウガは次々と夜空の模様の翼を広げ、空へと飛び立った。
「フハハハ! この速度は捉えられまい!」
 不規則に空中を高速移動するオウガたちの動きは、歴戦の猟兵とて容易には捉えられない速さである。オウガたちはこのまま、空中から一斉に奇襲を仕掛けるつもりなのだ。
「冬の暁に降り注ぐ 凍れる乙女の輪舞(ロンド) 『フリージングデッド・ハイロゥ!』」
 歌音が叫ぶと、急速に辺りの気温が低下し、真冬のように寒くなった。
「なんだ!? 雪……!?」
 羽毛のように静かに降る雪は地上に近づくと青く煌めき、数百の氷の輪となって空中に停滞した。
「きれい……」
 その幻想的な光景に、ハルカは思わず息を呑む。
「行け!」
 歌音が命じると、氷輪は回転しながらオウガたちへと襲い掛かった。
 氷の輪と激突したオウガの身体は一瞬で氷結し、地上に落下して粉雪のように散っていった。
「チィ!」
 だが、何体かのオウガは氷の輪をすり抜け、回避していた。
「くらえええええええ!」
 しかし、歌音は氷輪を回避したオウガの動きに合わせ、カウンターの要領でパンチを叩き込んだ。
「ぐわーっ!」
 翼を打ち砕かれ、地上に落下していくオウガ。
「速度で追いきれないなら、数で追い詰める……。すり抜けても、その速度は捕えられるスピードだ!」
 歌音は氷輪を自在に操りながら、ユーベルコードを逃れたサソリたちを次々と叩き墜としていくのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

テラ・ウィンディア
おれよりもちびっこがピンチって奴か!
ならば助けに行かないとな!おねーさんとして!!

(サソリと二人のアリスの間に降り立つちびっこもとい魔法少女!

玩具はもっと大事にしなければいけないんだぞっ!

そしてこちとら何度も戦争はやってるんだっ!
そんなので引くわけないだろっ

二人ともおれの後ろに…って一緒に戦うか
いいね
お前ら二人とも勇者だなっ
【戦闘知識】
ユウとハルカの立ち位置と庇ったり死角をフォローできる位置を確認
敵の動き状況の把握

【第六感】で己とユウとハルカに迫る脅威の察知
【見切り・盾受け】で迎撃や庇い

UC起動
剣と太刀を構え
【二回攻撃・空中戦・残像・早業】
包囲する敵陣に飛び掛かり切り捨てて活路を開き



●ちびっこ魔法少女推参!
「おれよりもちびっこがピンチって奴か! ならば助けに行かないとな!おねーさんとして!!」
 火の玉のような勢いでサソリたちとアリスの間に飛び込んできたちびっこ、もとい魔法少女の名はテラ・ウェンディア。幼いアリスたちがオウガにいじめられていると聞いて、ここに駆け付けてきたのだ。
「玩具はもっと大事にしなければいけないんだぞっ!」
 ここのオウガたちはオモチャの愉快な仲間を洗脳して操ったり、アリスをオモチャ扱いしていじめようとしていると聞いた。そんな狼藉を許すわけにはいかない!
「そして、そしてこちとら何度も戦争はやってるんだっ! そんなので引くわけないだろっ」
 テラはこれまで猟兵とオブリビオンたちの間で起こった全ての戦争で戦ってきた歴戦の勇者だ。今更オウガの月並みな脅しなど、笑い話にもならない!
 テラは赤い剣と光の盾を構え、オウガたちと対峙した。
「二人ともおれの後ろに……」
 テラは二人を背中に庇おうとしたが――。
「君、すげえかっこいい剣持ってるじゃんか! 俺も戦うぞ!」
「私も。まだまだ魔力は残ってるわ!」
 ユウとハルカは自分たちとほとんど身長の変わらない(もしかしたらテラの方が背が低いかもしれない)テラの姿に刺激されたのか、テラの横に武器を構えて並び立った。
「いいね。お前ら二人とも勇者だなっ。来るぞ!」
「なめるなよ、ガキども! ホライゾン・ストーカーの恐ろしさをたっぷり教えてやるぜ!」
 オウガは尻尾のブロックを分解して身に纏い、尻尾から毒液を撒き散らしながら、高速で突進してくる。
 テラは光の盾を巨大化させ、降り注ぐ毒液からアリスたちを守った。
 さらに盾を空中に残したまま、テラ自身は素早くオウガへと踏み込み、手にした【グランディア】でサソリの鋏を受け止める。
「うおおおおおおっ!」
 テラは気合と共にグランディアを一閃し、馬ほどもある大サソリを真っ二つに切り裂いた。
「チビの癖にやるな! だが俺たちはまだまだいるんだぜ!」
 しかし、一体倒してほっとする間もなく、また別のサソリが翼を広げて突撃してきた。
 テラは赤き剣を構え、ユーベルコードを解き放つ!
「グランディアよ……全ての存在がもつ原初の力よ。我が身に宿り力と成せ……!グラビティフィールド……展開! 『モード・グランディア』!」
 ブゥウウウンッ!
 テラは超重力のフィールドを全身に纏うと、右手で日本刀を抜き、空を飛ぶオウガたちに空中戦を挑んだ!
「二刀流!」
 ユウが目を輝かせ、感嘆の声を上げる。二刀流にロマンを感じたらしい。
「ハッ!」
 重力が上乗せされ、遥かに重みを増したテラの斬撃は、一撃でバターのようにオウガたちを切り裂いていく。
「このまま一気に抜けるぞ! お前ら、ついてこれるか!?」
「「もちろん!」」
 二振りの刃で活路を切り拓いていくテラに先導され、ユウとハルカはオウガの包囲網に挑むのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

火霧・塔子

戦争なら望むところです、……が! こうも数が多いと厄介と言わざるを得ません! 一体一体は強そうではないですが、一寸の虫にも燃える魂、油断なりません!
ここは文字通り、煙に巻きましょう!

UCの火炎瓶の【一斉発射】で蠍の軍勢を攻撃
まずは敵を何体かを燃やします
そこにさらに追い重油を投擲、UCの延焼力も合わさり、辺りを火の海にして敵を【焼却】です!

火と煙が満ちたら、その隙にアリスさんを連れて撤退です!
アリスさんを安全なところに案内できたら、私はビルの上階へ
火と煙に追われて蠍さんは空に逃げるでしょう
窓か非常階段から跳び、空の蠍さんにゲバ・ロッドの【鎧砕き】攻撃です!
高みにいる敵を落とすのは得意分野です!



●おもちゃの街は燃えているか
「戦争なら望むところです、……が! こうも数が多いと厄介と言わざるを得ません!」 
 あちこちから湧き出て来るサソリたちの群れに啖呵を切った塔子。だが、相手は愉快な仲間たちとは違い、強力なオウガの群れだ。油断すればたちまち二人のアリスは連れ去られてしまうだろう。
「一体一体は強そうではないですが、一寸の虫にも燃える魂、油断なりません! ここは文字通り、煙に巻きましょう!」
 塔子はアリスたちの安全を確保する為、一計を案じることにした。
「モロトフに捧ぐ火酒よ、気炎万丈の勢を成して! 『燃え盛れ、叛逆の烽火(カクテル・パーティー)』!」
 塔子は革命を訴える暴徒の如く、炎を封じた瓶を手当たり次第にバラ撒いた。着弾と同時に燃え上がった火炎瓶は、サソリたちを飲み込んで赤々と燃え上がる。
「見た目の割に過激なねーちゃんだな……! 俺もアレ作れるかな」
 何故かテンションが上がっているユウ。炎使いとして、爆発物にときめくものがあったのかもしれない。
「日ノ本君、アンタは真似しちゃだめよ。子供の火遊びは危ないんだから」
 ユウは呆れ顔のハルカに釘を刺されていた。
「さらに! 燃料投下です!」
 塔子はさらにポリタンクで重油を撒き散らし、炎へと振り掛ける。たちまちユーベルコードの火は燃え広がり、あっという間にオモチャの街は火の海となった。
 オモチャの街は修復が効きやすいからというのもあるが、ここぞとばかりやりたい放題である。
 紅蓮の炎に加えて黒い煙がたちこめ、塔子たちはオウガたちから完全に見えなくなった。
「さあ、今のうちです!」
 塔子はアリスたちの手を引き、できるだけ堅牢そうな建物へと駆けこんだ。

「ここなら、しばらくは追ってこないでしょう」
 アリスたちを安全な建物へと放り込んだ塔子は、ビルの非常階段を駆け上がった。
 火と煙によって追い立てられたサソリたちは上へと逃れて来るはずだ。そこを迎え撃つ!
「とうっ!」
 らせん状の階段を駆け上がりながら、突然ジャンプした塔子は、【ゲバ・ロッド】を振りかぶり、翼を広げて上昇中だったサソリの背を力いっぱい打ち据えた。
「ぐげぇ!?」
 バキィバキと背甲が砕ける豪快な音と共にサソリは地に墜ちたが、塔子は打撃の反動を利用して上昇し、ビルの屋上に華麗に着地した。
「高みにいる敵を落とすのは得意分野です!」

成功 🔵​🔵​🔴​

エルナリア・アリルゼノン

ユウさん、ハルカさん。お二人にとって奴らは強敵かもしれませんが、
お互いに力を合わせれば対抗できます
それに今はエルナ達もついています…どんな状況でも諦めず、そしてひとりでない事を忘れないで下さい

さて、念の為確認しておきますが、あちらはオウガで間違いないですね?
……そうですか、ありがとうございます。では心置きなく戦争です
UCによってソーシャルレーザーを複製し、オリジナルと合わせ計六六門の荷電粒子砲を展開。
敵が遠い内は弾幕を張って進攻を遅らせ、接近して来た個体に対して十字砲火を行い制圧していきます
オウガだけあって先程までとは段違いに強力ですが
容赦しなくて良い分、かえって戦い易いかもしれません



●レーザー・レイン
「こんなところにいやがったか!」
 外を覆っている黒煙を掻き分け、ユウとハルカが立てこもっているビルの窓にサソリがへばりついてきた。
「いくぞ、朝霧!」
「ええ、日ノ本君、合わせて!」
「「シューティング・スター!!」」
 二人の掛け声と共に炎に包まれたハルカの星型弾がサソリへと真っすぐ飛び、砕けた窓ガラスごとサソリを地へと叩き落とした。
「この程度の攻撃では我らは倒せんわ!」
 だが、アリスたちの攻撃ではサソリのオウガを仕留めるまでは至らない。炎に包まれながらも、すぐに翼で態勢を立て直したサソリがビルに乗り込まんと再び突っ込んできた。
「ここは通しませんよ」
 エルナリアはすぐさまサソリに荷電粒子砲を発射し、地上へと撃ち落とした。
「ユウさん、ハルカさん。お二人にとって奴らは強敵かもしれませんが、そうやってお互いに力を合わせれば対抗できます。それに今はエルナ達もついています……どんな状況でも諦めず、そしてひとりでない事を忘れないで下さい」
「うん、エルナちゃん、ありがとう」
 エルナリアの言葉に二人は頷いた。

 このおもちゃの国での戦いが終わった後も、ユウとハルカは自分たちの扉を探し、元の世界へと帰る為の旅を続けなければいけない。オウガ・オリジンが倒され、食人鬼の数がずいぶん減ったといっても、まだまだこの世界は危険に満ちている。
 幼い二人が本当のハッピーエンドに辿りつけるかどうかは、二人の絆の強さにかかっているのだ。
 エルナリアのさっきの言葉には、二人の旅が終わるまでの間の無事を願う祈りも込められていた。

「うわっ! いっぱい出てきた!」
 いつのまにやら、群れを為してゾロゾロと壁に群がるサソリたち。さっさと退治しないと危なそうだ。
「さて、念の為確認しておきますが、あちらはオウガで間違いないですね?」
 万が一、まだ操られている愉快な仲間が混ざっていたりしたら大変だ。念のために、エルナリアはこの建物に住んでいたチョビヒゲのお人形さんに確認した。
「ああ、間違いない。私達の仲間にあんなのはいないよ」
「……そうですか、ありがとうございます。では心置きなく戦争です」
 ならば是非もない。エルナリアは全力で火力を解放する!
「アイテム複製完了。エリア内に展開します。『パラレル・シューティング!』」
 次の瞬間、エルナリアが持っていたソーシャルレーザーはユーベルコードによって複製され、六十六の砲門となってビルの上空へと展開された。
「みなさん、エルナ達に力を!」
 ELNA.netで繋がる、エルナリアたちを応援する人々からソーシャルレーザーへと、無尽蔵の電力が供給されていく。二人のアリスを応援しているのはエルナリアたちや正気を取り戻した愉快な仲間だけではない。エルナリアの呼びかけに応えた、SNSで繋がる人達もアリスたちの味方なのだ。
 遠くにいる敵には弾幕を。近づいてきた敵には十字砲火を。空を自在に駆け巡る機械の弩から光の矢が地上へと降り注ぎ、オウガたちを殲滅する――!

「オウガだけあって先程までとは段違いに強力ですが容赦しなくて良い分、かえって戦い易いかもしれません」
 付近一帯のオウガを殲滅したエルナリアは、ふう、と息を吐いたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シウム・ジョイグルミット
[POW]◎
おっと、サソリがいっぱいだね
戦争かぁ……平和な国に、そんなくだらないイベントはいらないんだよねぇ

【鼓舞】
よし、『Pleasant Revolution』を使っちゃおう
アリス達、ずっと逃げ続けるのも悔しくない?
勝手に呼び出されてオモチャ扱いされて
正気に戻った仲間達も、好きなように操られてアリスをイジメて悲しかったんじゃない?
どうかな、勇気を出してオウガ達に挑んでみない?
今こそ、力を合わせて平和を勝ち取る時だよ!
運が悪かったのはオウガ達の方だったって、一泡吹かせちゃおう
まあ、サソリが泡吹くかは知らないけどー
ブロックとか毒液が飛んできてもボクがお皿でガードしてあげる
だから安心して戦って!



●アリス防衛軍、結成!
 サソリたちに追い立てられ、再びビルの屋上へと登ってきたユウとハルカ。
「おっと、サソリがいっぱいだね」
 遠くを覗き込むジェスチャーなどしながら、どこか呑気な様子でシウムは言った。
「戦争だ! 戦争だ! アリスをよこせ! アリスを捧げよ!」
 下ではビルを包囲したオウガたちがアリスをよこせと、大合唱している。
「嘘でしょ……。まだあんなに居るの!?」
「さすがにもう疲れたよ……」
 ユウとハルカは肩で息をしていた。多くの猟兵たちに支えられ、ここまでかなり頑張っていたが、さすがに限界が近いようだ。
「……もうあきらめるしかないのか……?」
 そんなアリスたちの様子を、心配でついてきた、このビルに住むオモチャたちは不安そうに二人の様子を見つめている。
「戦争かぁ……平和な国に、そんなくだらないイベントはいらないんだよねぇ」
 シウムはおもむろにオモチャたちの前に躍り出ると、こう続けた。
「勝手に呼び出されてオモチャ扱いされて正気に戻った仲間達、好きなように操られてアリスをイジメて悲しかったんじゃない? どうかな、勇気を出してオウガ達に挑んでみない?」
 シウムの言葉に、オモチャの愉快な仲間たちは顔を見合わせた。シウムの言う通り、彼らは先刻、オウガに操られ、アリスたちを追い詰めてしまったことへの哀しみや罪悪感がある。できることならば罪滅ぼしがしたいことのだが――。
「時計ウサギさん、そうしたいのは山々だが、勝てるのか? 我々が……。あの恐ろしいオウガたちに……」
 ビルのオーナーである、チョビ髭の紳士人形がシウムへと聞き返した。彼らにはオウガに対する恐怖がアリスたち以上に染み付いているのだ。
 だが、シウムはオモチャの言葉に、にっこりと頷いた。
「もちろんだとも! 今こそ、力を合わせて平和を勝ち取る時だよ! 『Pleasant Revolution』(プレザント・レボリューション)!」
 シウムがユーベルコードを発動すると、愉快な仲間たちの手に光り輝く金属食器が出現した。これは、アリスや愉快な仲間たちの結束を力とする魔法の食器だ。食器を手にした愉快な仲間たちに、どこからか勇気と力が溢れて来る!
「さあ、皆の力で、笑顔溢れる楽しい国を取り戻すぞーっ!」
「オォーー!! やるぞー! アリスたちは私達が守るんだぁーー!!」
 シウムの号令に、愉快な仲間たちが拳を突き上げて応じる。
 革命の剣を手にしたオモチャたちは、ビルから滑り降り、オウガの群れに戦いを挑んだ!
「な、なにッ!? 愉快な仲間たちだと!? 貴様ら、我々に逆らうつもりか!」
「もう我々はオマエたちには従わない! この国もアリスも、我々自身の手で守る!」
 愉快な仲間たちはフォークの槍やお皿の盾を構え、古代の兵士の如く、ファランクス陣形を作ってオウガたちへと突っ込んでいく!
「運が悪かったのはオウガ達の方だったって、一泡吹かせちゃおう! まあ、サソリが泡吹くかは知らないけどー」
 シウムは愉快な仲間たちの先頭に立ち、彼らにかかりそうな毒液や、ブロックの攻撃をお皿の盾で防ぎながら微笑む。
「みんな、攻撃はボクがお皿でガードしてあげる! 安心して戦って!」
 今こそ革命の時だ。シウム率いるアリス防衛軍の士気はすさまじく、みるみるうちにサソリの群れを蹴散らしていったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アイリス・レコード
『……“我々のオモチャ”?』(ゆらり)

何でしょう、(さっきから割とついていけないのですが)三月兎さんが纏う空気が変わったような
『つまりハルユウ派でもユウハル派でもない上にアリスなら誰でもいいようなアナタ達有象無象がわざわざこっちの邪魔をしに来た、と?
――よろしいです、ならば戦争……』

『いえ……聖戦ウサ!』

『(敵同士へと執着対象を強制変更し、高機動追跡者同士での命を削る追っかけっこを強制)……跪け、命乞いをしろ!そのユーベルコードの性能も発揮できぬまま互いの尻を追いかけあって死んでゆくがいいのです!』(異常なテンション)

……ええと、とりあえず、息も絶え絶えなオウガに、止めを刺しておきますね……




●不思議の国のジハード
 今より時間は少し遡る。
「猟兵共、こいつらは我々のオモチャだ! これ以上我々の遊びを邪魔するなら戦争になるぞ!」
「……“我々のオモチャ”?」
 聞き捨てならぬオウガたちの言葉に、物陰からユウとハルカの恋路(少なくとも彼女にはそう見えていた)をハアハアしながら見守っていた三日月兎娘はゆらり、とオウガたちに向き直った。その体からはなんとも禍々しい紫色のオーラが立ち込めている。
「何でしょう、三月兎さんが纏う空気が変わったような」
 三日月兎娘の召喚者であるアイリスは困惑した。どうしたのだろう、この子は。さっきから割とついていけないのだが……。
「つまりハルユウ派でもユウハル派でもない上にアリスなら誰でもいいようなアナタ達有象無象がわざわざこっちの邪魔をしに来た、と?」
 断じて許せない。あのお互い気がある癖にどちらも素直になれない二人のツンデレたちの行く末を生暖かく見守るのは人類の悲願……じゃなかった、前途ある少年少女たちの行く末を、オウガの昏い欲望の為に閉ざそうなどとは、万死に値する。
「――よろしいです、ならば戦争……いえ……聖戦ウサ!」
 くわっと目を見開いた三月兎娘は、再び魔法の銀食器を飛ばし、アリスたちからオウガを引き剥がすべく、サソリたちの認識を上書きする。
 だが、今度は愉快な仲間たちの時のような手加減は抜きだ。今度は敵同士へと執着対象を強制変更し、高機動追跡者(ホライゾンストーカー)同士での命を削る追っかけっこを強制させる!
 サソリたちはたちまち味方をアリスと誤認し、殺し合いを始めた。

「……跪け、命乞いをしろ! そのユーベルコードの性能も発揮できぬまま互いの尻を追いかけあって死んでゆくがいいのです!」
「ハハハ! 見ろ、オウガがゴミのようウサ!」
「悲鳴を上げろウサ、ブタのような!」
 異常なテンションの三日月兎娘は道路標識の上によじ登り、タクトの如く指を振りながら、銀食器を撒き散らしていく。
「……ええと、とりあえず、息も絶え絶えなオウガに、止めを刺しておきますね……」
 サソリたちが殺し合い、互いを喰らい合う蟲毒の如き地獄の中、アイリスは三日月兎娘にドン引きしつつも、殺戮刃物で瀕死のサソリたちにトドメを刺していくのだった……。

成功 🔵​🔵​🔴​

月村・樹
オモチャ遊びか?いいなー私も混ぜてくれよ。
シューティングゲームとかどうだ?

【クイックドロウ】【見切り】【スナイパー】、敵の動きによっては【捕縛】も駆使してひたすら射撃。
敵が弱った、あるいは数が増えて対処しきれなくなったら、
範囲内の敵を対象に「鮮やかなる歓喜の舞」を使用。

えはは、これじゃシューティングになってないなー。
ついテンション上がっちゃってさ。悪い、悪い。
…え、だってオモチャってお前等のことだろ?
見た目からして。



●無垢な死神
「オモチャ遊びか? いいなー私も混ぜてくれよ。シューティングゲームとかどうだ?」
 オウガの群れの前にふわりと降り立った樹は、どこからか拳銃を取り出すと、銃口をサソリへと向けた。
 ビシュンッ!
 樹の拳銃から勢いよく水しぶきが飛び、サソリの額が撃ち抜かれる。
 彼女の【無垢な悪戯】は見た目は本物の拳銃そっくりだが、中身は水鉄砲なのだ。ただし、威力は自由自在。今実演してみせたように、本物の拳銃と同等かそれ以上にも調整可能である。
 ビシュンッ! ビシュンッ!
 樹は水鉄砲を連射し、次々とオウガたちを撃ち抜いていく。一発必中で敵を仕留めていく姿はまるで西部劇のガンマンのようだ。
 樹は順調にオウガたちの数を減らしていき、ついにサソリたちは全滅したかのように見えたが――。
 ドシンドシンッ!
 突然、空から大量のサソリが降ってきた。追い詰められたサソリたちは残る全ての戦力を投入し、最後の賭けに出たのだ。
「おっと! ボーナスステージか!? ならこっちもちょっと本気を出さなきゃな!」
 すっかりゲーム気分になって楽しんでいた樹は笑みを浮かべると、水鉄砲を空へと掲げ、ユーベルコードを発動した!
「きらきらで楽しい気分になるだろ? さぁ踊れ! 『鮮やかなる歓喜の舞(ブリリアント・シャワー)』!」
 すると、樹の手にした水鉄砲がはらはらとほつれていき、色とりどりの光り輝く花びらとなった。
 煌めく無数の花びらは渦巻いて飛びながら、瞬く間に拡散していく。樹の意志で自在にコントロールできる花びらたちは全方位からオウガたちへと襲い掛かり、そのおもちゃのような体を切り刻んでいった。
「えはは、これじゃシューティングになってないなー。ついテンション上がっちゃってさ。悪い、悪い」
 樹はポリポリと頬を掻きながらユーベルコードを解除し、花びらを水鉄砲へと戻した。
「貴様……! よくもそんな楽しそうに我々を殺せるな!」
「……え、だってオモチャってお前等のことだろ? 見た目からして」
 樹はオウガの抗議に一瞬きょとんとしたが、気を取り直してウインクするように片目を瞑り、最後の一体へと狙いを付けた。
「うわー! ブ、ブレイメン様ぁ―――!!」
 水の弾丸に急所を撃ち抜かれ、最後のホライゾンストーカーは爆散した。
 
 正に因果応報。アリスたちをオモチャ呼ばわりしたオウガたちは、自分たちがオモチャ扱いされて果てることになったのである――。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『王牙合体ブレイメン4』

POW   :    王牙剣ブレイ討ち
【手にした大剣(王牙剣)による必殺の一太刀】が命中した対象を切断する。
SPD   :    ブレイオルグス・フォーメーション
【鶏オウガ、犬オウガ、猫オウガ、ロバオウガ】【の4体に分離し、それぞれ破壊音波、噛付き】【、爪で切り裂き、踏みつけによる連携攻撃】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    ブレイブラスター
【胸部の発光部分】を向けた対象に、【そこから放射される破壊光線】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアリルティリア・アリルアノンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●王牙合体! ブレイメン4!
「何か来るぞ!」
 ユウが指差した空の向こうから、4体のロボットオウガが飛来してくる。
 ロボットたちは街のど真ん中に着地し、かっこいいポーズをとった!
「我々は悪のスーパーロボット軍団! その名もブレイメン4だワン!」
「フハハハ! イェーガーたちよ! 私の手下たちをよくも皆殺しにしてくれたな! 許さんぞヒヒーン!」
「だが、案ずるな、我が捨て駒......じゃなかった、愛する部下たちよ! お前たちの死は決して無駄にはしないニャン!」
「さあみんな、合体だコケッコー!」
 4体のオウガたちは光に包まれ、一瞬で全長10メートルを超す巨大ロボットへと合体した!

「ユウ、逃げるわよっ! わたしたちがここにいたら魔法少女さんたちのジャマだわ!」
 ハルカはユウの手を引き、全力疾走で鋼の巨人から遠ざかっていく。

「ハッハッハッハ! 好きなだけ逃げたまえ! 再会を楽しみにしているぞ! 我が名は『王牙合体ブレイメン4』! さあ、イェーガーたちよ! アリスたちを救いたければ私を倒せ! 最後の戦いの始まりだっ!」
アイリス・レコード
兎『やった!手つなぎ来たウサ!……おほん。あの二人に殺し合わせるなんて上等なコース料理を全て闇鍋に放り込むが如き愚行!名前通りの無礼男共ですね!罰として合体時に誰が上で誰が下なのか吐きなさ』
◎しばらくおまちください



(三月兎消えている。アイリスもUCで変化済み)
『……色ボケ兎の出番ここまで。アリスの精神が疲弊気味なのでここからは私、「ハートのお姫様」が相手になってあげる』
命中率が高くても、準備動作が必要なら周囲の地形を利用して射線を切ればよけられるわね!まあ多少なら物理法則を従えて軽減するけど。
そして「任意無機物から生やせる」殺戮刃物で4つと言わずいくつにだって解体し燃えないゴミにしてあげる!!



●アナザー・マインド
「やった! 手つなぎ来たウサ!」
 逃げていく二人のアリスを見送った三月兎は、ガッツポーズをした。思わず後を追いかけそうになるが、ハッと我に返り、ブレイメン4に向き直る。
「……おほん。あの二人に殺し合わせるなんて上等なコース料理を全て闇鍋に放り込むが如き愚行! 名前通りの無礼男共ですね! 罰として合体時に誰が上で誰が下なのか吐きなさ」
 
 ※しばらくお待ちください

「ほう、君もアリスのようだな! ならば私のパイロットにふさわしいかどうかテストしてやろう!」
 全て聞かなかったことにしたブレイメン4は三月兎を無視し、アイリスへと話しかけた。が――。
「今、遠回しに自分に『乗れ』って言ったウサ!? うら若き少女に向かって!?」
「やかましいわ、この色ボケ兎がッ! 『ブレイブラスター』!」」
 ついにキレたブレイメン4は、三月兎を粛清すべく、胸部から破壊光線を発射した!
「ぎゃー!」
 三月兎はぎゃあぎゃあ騒ぎながら逃げ回り、破壊光線をよけた。
「ええい、すばしっこい奴め! このっ! このっ!」
 ビームを乱射するブレイメン4。たちまち辺りは瓦礫の山と化していった。しかし、三月兎はある時は電柱によじ登り、またある時はビルの陰に身を隠し、器用にビームをよけ続けた。
 それでもオウガはビームの連射で少しずつエネルギーを消耗していっているが、実のところ、長時間兎を実体化させていたアイリスの負担も大きい。アイリスはついに膝をついた。
「ムッ!?」
 その時突然、煙のように三月兎が掻き消え、ブレイメン4は訝しんだ。
「……色ボケ兎の出番ここまで。アリスの精神が疲弊気味なのでここからは私、『ハートのお姫様』が相手になってあげる」
 いつの間にか変身していたアイリスが、低い声音で呟いた。
 否、今の彼女はアイリスではない。今表に出ているのは彼女の内に眠る残忍で冷酷な別人格、『ハートのお姫様』だ。
「その変身……! そうか、君は純粋なアリスではなく混ざりモノだったか!」
 ハートのお姫様は酷薄な笑みを浮かべると、殺戮刃物を取り出し、オウガに向かって突進した。オウガは彼女の接近を拒むべく、雄叫びを上げて再び胸から破壊光線を解き放つ。
 ハートのお姫様は周囲の建物を盾にしてビームの直撃を避けながら、少しずつオウガへと接近していった。
「ビームがダメならば、直接叩き潰すまでだッ!」
 業を煮やしたオウガは、少女に向けて拳を振り下ろした。数トンはありそうな巨大な拳が風を切り、少女をグシャグシャの肉塊に変えんと迫る。
 ハートのお姫様はオウガの拳が触れる瞬間、逆にオウガの腕へと飛び乗り、腕を伝ってオウガの顔へと近づいていった!
 オウガはぶぅんと腕を振るい、ハートのお姫様を振り落そうとするが――。
「4つと言わずいくつにだって解体し燃えないゴミにしてあげる!!」
 吹き飛ばされる寸前、ハートのお姫様の「無機物から刃を生やすユーベルコード」が発動し、オウガの内側から無数のギロチンの刃がささくれ立った!
「グオオオオーッ!」
 中のメカを直接攻撃されたオウガは、がくりと地面に膝をついたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ニコリネ・ユーリカ
◎+♯
……大きい。
先刻の馬、いえ蠍の比じゃないわ!
心が「ロボだーすごいぞーかっこいいぞー」って叫んでるけど
これは悪いロボ。もう玩具を捨て駒にはさせない
勿論、アリスにも二度と会わせないわ

営業車Floral Fallalに向けてUC発動!
車輛の概念を解放し、ファビュラスな巨大ロボに変形させるわ
たった一撃、振り下ろされる剣を禦げればそれでいい
王牙剣を真剣白刃取り!! 私の代わりに受けて!!

敵の攻撃を凌いだなら、雷属性の魔法で攻撃を
私の魔力が空っぽになるまで稲妻をあげる
10m超もあれば、貴方にしか雷電は落ちない筈よ

ちっぽけな私だけど、この国に勇気の種を植えるって決めたから
最後まで諦めずに戦って見せる!



●逆転のお花屋さん
「……大きい。先刻の馬、いえ蠍の比じゃないわ!」
 営業車のアクセルを力いっぱい踏み締めて市街地を爆走し、ブレイメン4の元へと急いでいたニコリネは、ビルのようにそびえ立つオウガの巨体を見て、目を丸くしました。あれが最後の敵。二人のアリスを救う為には、このロボットをやっつけなければいけないのです。
 しかし、彼女の心の中では野球帽を被った少年が
「ロボだーすごいぞーかっこいいぞー!」
 と、キラキラした瞳で叫んでいました。
「これは悪いロボ。これは悪いロボ」
 ニコリネはハンドルを操りながら、必死に自分に言い聞かせます。
 やがて、彼女の中の良心(眼鏡をかけ、「品行方正」と書かれたタスキをかけています)が少年を心の奥へと連行していきました。これで一安心です。
「もう玩具を捨て駒にはさせない! 勿論、アリスにも二度と会わせないわ」
 営業車のスピーカーから響いてきたニコリネの声に気付いたオウガは、彼女を見下ろしながら言いました。
「次の相手はお花屋さんかな? 野菜ならば歓迎するんだがね!」
 ブレイメン4は近くにあったビルを適当に引き千切ると、ニコリネに向かってぽーんと放り投げました。
「きゃー!」
 ギャリギャリギャリ!
 ニコリネは必死にハンドルを回し、飛んできたビルを避けました。あんなものが直撃してしまえば、大事な営業車がレッカーでドナドナされてしまいます!
「ははは、なかなかのドライビングテクニックだ! こんな出会い方でなければ私のパイロットになれたかもしれないな!」
 ボシュボシュボシュボシュ!
 オウガは笑い声を上げながら、今度はバシバシミサイルを撃ってきました。
 ニコリネは素晴らしいハンドルさばきで、ミサイルの隙間をかいくぐります。
 爆風に煽られながらも戦いのロードを駆け抜けたニコリネは、とうとうブレイメン4のすぐ近くまで辿り着きました。
「よくぞここまで来た! これは褒美だッ! 手向けの花はセルフサービスでお願いしよう!」
 ブレイメン4は両手で大剣を握り締め、力いっぱいニコリネへと振り下ろしました。直撃すれば間違いなく車もろとも木っ端微塵。それほどの一撃でした。
「たった一撃、振り下ろされる剣を禦(ふせ)げればそれでいい!」
 迫り来る死の一撃に、ニコリネは色んな意味で覚悟を決めました。
「Fabulous? Fully Acknowledged Broadcast? Both sound good!」
 ニコリネは声高に叫び、ユーベルコードの力を営業車へと注ぎ込みます。
 なんということでしょう! 車輛の概念から解放された、【Floral Fallal】はファビュラスな巨大ロボへとトランスフォームしました! 
「アルティメット・ビーグル! 真剣白羽取り!」
 ビシィッ!
 金属と金属が擦れる音が鳴り響きました。
 ニコリネのビーグルロボは見事に大剣を両手でキャッチしています!
「何ィっ! あれ、運転手がいない!」
 大剣を掴まれて動けなくなったブレイメン4は、いつの間にか運転席からニコリネが消えていることに気付きました。

 さあ、今こそニコリネのターンです。空気を呼んだビーグルロボから、逆転のBGMが流れてきました。
 オウガの攻撃を防ぐ為に車検費用、保険料金、板金代金を代償にしたニコリネに、もはや慈悲はありません。
「貴方のおかげで……!」
 ニコリネは、ブレイメン4の肩に飛び乗ると、金属製のシャッター棒を思いっきりオウガに突き刺しました!
「営業車に傷がついたわ! お礼に私の魔力が空っぽになるまで稲妻をあげる!」
 すぐさまオウガの肩から大ジャンプで脱出したニコリネは、避雷針代わりのシャッター棒目掛けて雷の魔法を放ちました!
「グワーッ!」
「ちっぽけな私だけど、この国に勇気の種を植えるって決めたから、最後まで諦めずに戦って見せる!」
 ニコリネは魔力の続く限り、オウガへと雷を浴びせ続けたのでした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

テラ・ウィンディア
よぅ
お前らは本当はオウガになる前はいい奴だったのかもな

ならば…その導き通りお前達を打ち破る

唯一つだけ
お前ら四人もいるなら四人ぐらい乗せたっていいだろ

対抗
来たれヘカテイア!(虚空より機神降臨!光に導かれ乗り込む!

【見切り・第六感・残像・武器受け・空中戦】で飛び回りながら回避
【二回攻撃・重量攻撃】による反撃

さて…必殺技と行こうか!(UC起動!無数のヘカテイア出現!

半数
【属性攻撃・砲撃・レーザー射撃】
ライフルによる重力属性付与による重力弾による集中射撃と無数のガンドライドによるレーザー射撃
残り
剣と槍での怒涛の突撃による猛攻
剣で切り裂き槍で【串刺し】

本体
上空から止めの踵落とし!【リミッター解除】で強化


ヴェル・フィオーネ

・心情
奇遇ね、確かにここで最後にしたいわ
あなたの思い通りになんてさせるもんですか!

・戦闘
真の姿を解放して、ユーベルコード『勇想王騎アリスナイト・ロイヤル=フューチャー』で戦うわ!
この【勇気】が尽きぬ限り、私は何度でも立ち上がる!
【オーラ防御】と【カウンター】を駆使して防御を、【ランスチャージ】と聖なる【属性攻撃】で攻撃していくわ!


エルナリア・アリルゼノン

残念ながら、貴方が再会する相手はあの2人ではありません
先程捨て駒になった愛する部下?…手下?達の方です
妹は喜びそうなビジュアルですが、敵なら容赦はしません

見たところ分離状態で遠距離攻撃を持つのは鶏オウガのみ、
恐らく破壊音波で足止めをした所に、
3体のいずれかが攻撃を仕掛けるのが常套戦術と思われます
ここはあえてこちらから敵に接近する事で「迂闊に音波攻撃を行えば仲間を巻き込んでしまいかねない」状況を作り、
鶏オウガの攻撃頻度を抑えます
残る3体は攻撃を誘いギリギリまで引き付けた上で、
予めバズテールフェイズに移行しておいた荷電粒子砲を放ちます
危険は伴いますが、焦らなければ命中させるのは難しくないでしょう



●激突! アリスナイトVSブレイメン4!
「さあ、かかってこい! 正々堂々と受けて立つぞ! 負けそうになるまではな!」
 よろよろと身を起こしたブレイメン4は挑戦者に対し、小さなビルほどもある巨大剣を構えた。
「奇遇ね、確かにここで最後にしたいわ。あなたの思い通りになんてさせるもんですか!」
 自身の数倍の体躯を持つ鋼の巨人にも臆することなく対峙したヴェルは、真の姿を解き放つ!
「我が身に宿りて、世界を救う、光となれ!再光臨(リライズ・アップ)!!」
 ヴェルの身体の周りで蒼い魔力がスパークする。眩い閃光がオウガの目を灼き――。
「『勇想王騎アリスナイト・ロイヤル=フューチャー』(ブレイヴイマジネイター)!」
 聖なる甲冑を纏い、背中に蒼い魔力の翼を生やしたヴェルは、極大化した光の槍を携えて飛び立った!
「いっけえええええええ!」
「『王牙剣、ブレイ討ち』! ウオオオオオオオ!」
 巨人の胸元へと、光の槍が迫る。ブレイメン4は使い手ごと槍を断ち割らんと、巨大な剣を水平に薙ぎ払った!
 ギィイイイイイイイイン!
 激しい衝突音が響き、ヴェルのアリスランスとオウガの大剣がぶつかり合った。
「ウオオオオオオ!」
「このおおおおおおおっ!」
 バチィン!
 この激突を制したのは質量で優るブレイメン4だった。弾けるような音と共に、吹き飛ばされたヴェルはビルの壁に激突し、苦しげに呻いた。
「かはっ。……まだ終わってないわ……!」
「……嬲る趣味はあるが、まだ闘志を失わぬお前に敬意を表し、一撃で楽にしてやろう」
 ブレイメン4がヴェルにトドメを刺さんと、大剣を八相に構えたその時――。
 ゴゥッ!
「ムッ!?」
 二人の間を、炎の塊が通過した。思わず二人は炎が飛んできた方向を振り向いた。
 そこにいたのは――。

●幕間
 戦場から数百メートルほど離れた展望台から、ユウとハルカは猟兵たちの戦いを見守っていた。
「ああ、魔法少女がっ……! やっぱり俺たちも……!」
「日ノ本くん、駄目よ! 私たちが行っても足手まといになるだけだってば!」
「けど……!」
 狼狽えるユウに、ハルカは静かな声で言った。
「あの人たちはきっと勝てるわ。私たちは信じて待ちましょう。それがきっとあの人たちの力になる」
「そうだな! あの人達ならきっとどんな敵にも負けないはずだ!」
 ユウはこくりと頷いた。

●激闘! イェーガーVSブレイメン4!
「よぅ」
 ブレイメン4が振り向いた先にいたのは、剣と槍の魔法少女、テラだった。
「お前らは本当はオウガになる前はいい奴だったのかもな」

 思うに、この巨大ロボットオウガの言動はどこかちぐはぐだ。ヒーローのように堂々とした口調の癖に、話す内容はやけに悪役っぽい。まるで、お芝居で悪役を割り振られた優等生が必死で役をこなそうと努力しているような奇妙さを感じる。
 もしかしたら、このロボットもオウガと化した時に歪んでしまっただけで、生前はいいやつだったのかもしれない。
 テラにはなんとなく、そんな気がしていた。

「ならば……その導き通りお前達を打ち破る」
 テラは背負っていた【紅龍槍『廣利王』】を正面に構えた。たとえ相手にどんな過去があろうとも、それがオブリビオンであるならば討たねばならない。それが猟兵である彼女の役目だ。
「来いッ! 全身全霊でお相手しよう!」
「いくぞ!」
 テラは疾風となって突進し、ブレイメン4の顔面を真っすぐに突いた。オウガは反応が間に合わなかったのか、棒立ちのまま槍の軌道に突っ立っていた。
 テラの槍から、爆撃のような突きが放たれる。
 しかし、その一撃はオウガの顔面を捉えるには及ばず、空しく空を切った。
 なんとブレイメン4は、再分離し、再び四体に別れることで攻撃を回避したのだ。
「ふははは! 我らはいつでも自由に分離できるんだワン!」
「卑怯と思うかニャ? それは誉め言葉だニャン!」
「喰らえ、破壊音波! コケッコー!」
「踏みつぶしてやるヒヒーン!」
 オウガたちは、フォーメーションによる連携アタックをテラへと仕掛けた!
 迫り来るオウガたちを見据え、テラはフッと笑った。別に文句はない。最初からテラはこのオウガは四人組だと認識していたからだ。
「唯一つだけ。お前ら四人もいるならこっちもパーティでいいだろ」
 その瞬間、空から荷電粒子の雨が降り注いだ。
「な、なんだワン!?」
「新手か!」
「残念ながら、貴方が再会する相手はあの二人ではありません。先程捨て駒になった愛する部下?……手下? 達の方です」
 オウガたちの背後に降り立ったエルナリアは剣を振り上げ、果敢にオウガたちへと突撃していく。オウガたちは彼の妹が喜びそうなビジュアルをしているが、敵に容赦はできない。
 エルナリアの狙いはニワトリオウガ。見たところ、遠距離攻撃を持つのはニワトリだけだが、音響兵器である破壊音波は味方を巻き込みやすい為、懐に潜り込まれては使いにくいはずだ。
「ここから連携を崩します……!」
 エルナリアの鋭い斬撃が鶏ロボの装甲に一文字の傷跡を刻む。
 事実、攻撃が放てずにオロオロしているニワトリロボに接近戦を挑んだエルナリアは、【革命剣】で装甲を削っていった。
「来たれヘカテイア!」
 テラの呼び声に応え、宝剣から一条の光線が天へと迸る。
 その瞬間、空が二つに割れ、虚空より機神が降臨した! テラは機神の胸から放たれた光に導かれ、機神へと乗り込む! 
「何っ! ロボットだと!?」
「いくぞっ!」
 機神ヘカテイアに乗り込んだテラはライフルを構え、重力弾を連射した! さらに、ヘカテイアの内蔵兵器である小型浮遊自走レーザー砲もパイロットの意志を感じ取り、自動でレーザーを乱れ撃つ。
 テラの銃撃はオウガたちの鋼のボディへと命中し、少しずつ装甲を焦がしていった。
「さて……必殺技と行こうか!」
「ユーベルコードか!」
 テラの言葉に、オウガたちは、咄嗟に防御の姿勢を取った。
「ウィザードモード……起動! 我招くは嵐の夜! 冥府へ導く魔女達の群れよ! 今こそ狩りの時間だ! 存分にその力を示せっ!!! 『魔女達の騎行『ガンドライド』(アラシノヨル)!」
 陽炎のように周辺の空間が揺らぎ、テラの力によって複製された八十八機の
ヘカテイアが姿を現した!
「半数は援護射撃! もう半数は剣で突撃だ! いけ!」
 八十九機のヘカテイアたちはフォーメーションを展開し、一斉に攻撃を開始した。
 機神の兵団は動物ロボのオウガたちを包囲し、圧倒的な数の差にもの言わせ、分厚い装甲を傷つけていく。
「これはまずいニャン! 再合体だニャン!」
 慌ててブレイメン4は再合体し、再び巨大ロボットの姿となった。その時、エルナリアの瞳がキラリと光った。
「ソーシャル・レーザーのファーボリッツ・サーキットを最大稼働――これよりフェイズBに移行します」
 エルナリアはずっと待っていたのだ。威力のあるソーシャル・レーザーを使わずに剣で戦っていたのは、この瞬間の為――!
 再合体の瞬間、一箇所に集まったオウガたちへと向けて、エルナリアはフルチャージの荷電粒子砲を解き放った。
『バズテール・フェイズ!』
 極太のレーザー砲がブレイメン4の胴を射抜き、内部のメカに高電圧の負荷を与えた!
 バチチチチチチチチッ!
「予期シナイエラーガ発生シマシタ。一秒後に再起動シマス」
 荷電粒子の洗礼を浴びたブレイメン4は一瞬、機能停止(きぜつ)してしまった。
 その隙を逃すまいと、ヘカテイアの群れがオウガたちに斬りかかっていく。
「ぬおおおおおッ!」
 意識を取り戻したブレイメン4は、高速回転し、まとわりつく兵団を吹き飛ばした。そのまま全力で空中へと離脱し、撤退を図る。
「逃げすかッ!」
 テラはヘカテイアのリミッターを解除し、限界を超えた跳躍でブレイメン4を追いかけた。そのままブレイメン4を追い越したヘカテイアは、頭上からブレイメン4の頭部を打ち砕かんと、重力場を展開しながら踵落としの姿勢で落下する!
「ウオオオオオッ!」
 ブレイメン4は防御に全力を注ぎ、両腕をクロスさせてヘカテイアの踵落としを受け止めた! 攻撃を受け止めたままの態勢で地上に叩き落とされたブレイメン4は、ヘカテイアに押し潰されまいと踏ん張る。
「ぬおおおおおっ!」
 凄まじい負荷にブレイメン4の全身からメキメキと軋み、全身にヒビが入っていく。だが、それでもブレイメン4はヘカテイアを押し戻そうと、少しずつ上昇していく。
「凌いだり……!」
 その時、視界の隅で蒼い光がチカッと光ったのを感知したブレイメン4は本能的な恐怖を感じた。
「いっけえええええええええ!!」
 亜光速でブレイメン4へと突撃してきたのはヴェルだった。彼女はテラとエルナリアが大暴れしている間、この一撃の為にずっと魔力をチャージしていたのだ。
「なんという魔力……! 回避を、駄目だ、間に合わない!」
 今ガードを解けばテラの機神に押しつぶされてしまう。この瞬間、ブレイメン4は側面からの攻撃に対処することは不可能だった。
「この勇気が尽きぬ限り、私は何度でも立ち上がる! はあああああッ!」
 蒼い光の矢と化したヴェルの槍は、ブレイメン4の胴体を深々と貫き――。
 痛烈な一撃を受けたブレイメン4は、一直線にビルを薙ぎ倒しながら、1キロほど先まで吹き飛んでいった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

レパル・リオン
真の姿、レインボー・レパルに変身!

怪人ブレイメン4、斬新なスーパーロボットね。どうやら徹底的に壊されたいようね!

巨大ロボット、何するものぞ!だったらあたしは、魔法のステッキ(のようなもの)で対抗よ!
ブレイメンが剣を振り下ろす動きを見て、思いっきり横っ飛びで避けるわ!
よけながらマジカルチェーンを伸ばして、ブレイメンの首に巻きつける!そのまま引っ張って一気に接近!オウガの顔面にキックをかまし、そのまま取りつくわ!

トドメの必殺、逸意戦心撃!
あたしの拳とマジカルエネルギーのパンチで、ブレイメンの全身を殴りまくる!うおおおっ!



●レイジング・ビースト
「グウッ……」
 損傷拡大。自己再生完了までおよそ十五分。
 自信の損傷度合いを分析しながら、瓦礫の山からのろのろと起き上がるブレイメン4。強烈な一撃だったが、なんとか機能停止には至っていない。猟兵が追撃に来る前に回復を図らねば――。
「怪人ブレイメン4、斬新なスーパーロボットね。どうやら徹底的に壊されたいようね!」
 だが、そううまくはいかない。ブレイメン4の追撃に現れたのは、魔法猟兵イェーガー・レパルだ!
「変身! レインボー・レパル!」
 虹色の光に包まれ、真の姿へと変身したレパル。その手には、どこからともなく出現した魔法のステッキ(のようなもの)が握られている。ただし、鎖で繋がれた鉄球付きである。
「巨大ロボット、何するものぞ!」
 レパルは吠えると、魔法の杖のようでいて鈍器のようにも見える得物を手に突撃した!
「ハハハ、その小さな体で何ができる! 『王牙剣ブレイ討ち』!」
 ブレイメン4は笑いながら大剣の一撃を繰り出した。
「とぉーっ!」
 レパルは横っ飛びで斬撃を回避すると、魔法のステッキの鎖部分を伸ばして振り回し、鉄球ごとオウガの首へと巻き付けた!
 すぐさまオウガが剣を引く動作に合わせて鎖を思いっきり引っ張り、反動でオウガへと急接近する!
「おりゃーっ!」
 レパルは飛びこんだ勢いのままにオウガの顔面にキックを炸裂させると、空中で一回転し、オウガの頭の上に着地した。
「おのれぇ! 降りろ!」
 バチン!
 レパルを振り払おうと、オウガは自身の頭の上で合掌した。しかし、ジャンプでオウガの攻撃を躱したレパルは、全身に炎のオーラ(マジカルエネルギー)を漲らせ、オウガへの反撃を敢行する!
「必殺! 『逸意戦心撃』(レイジングビースト)! うおおおっ!」
 バキドカベキボキッ!
 レパルは、ブレイメン4の正中線上の急所をマジカルエネルギーの拳と実体の拳でラッシュし、タコ殴りにした!
「バカなぁーッ!」
 レパルにボコボコにされたブレイメン4は、ゴロゴロと回転しながら吹き飛び、高層ビルの壁にめり込んだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

薙沢・歌織(サポート)
 人間のマジックナイト×聖者、18歳の女です。
 普段の口調は女性的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?)、楽しい時は 明るく(私、~君、~さん、ね、わ、~よ、~の?)です。

◆ユーベルコード
火力重視時:スチームエンジン、瞬きの光竜
ギミック対策重視時:魔宝石は変異する
回復重視時:生まれながらの光(複数味方回復を解禁)、または風精の癒歌

◆基本立ち回り
攻撃役が必要な場合:攻撃優先(WIZ>POW>SPD)
回復役が足りない場合:回復、補助優先

所持技能から依頼に応じて使えそうなものを活用します。


火霧・塔子

来ましたね、オブリビオンマシン……? たぶん、オブリビオンマシン!
今こそ鉄騎に乗り込む時、これが私の密造キャバリア『ムーンシャイナー』!!

危険なのはあの大剣とみました、ここは火炎放射で中距離から攻めましょう
広範囲に渡る【焼却】攻撃なら、もしも敵が合体解除で散らばっても火炎の【なぎ払い】で全員補足の焼き払いです!

相手に隙ができたらキャバリアでがっぷり四つに組み付きます!
敵はこちらに倍する大きさ! しかし、長く持たせる必要はありません
キャバリアの内部にUCの一灯と追い重油を設置する【破壊工作】をして、私は脱出です!
月は弾けて流星に!
【覚悟】の自爆でキャバリアの破片を撒き散らして攻撃です!



●キャバリアVSブレイメン4!
「来ましたね、オブリビオンマシン……? たぶん、オブリビオンマシン!」
 吹き飛ばされてきたオウガに駆け寄った塔子は、希望的観測を込めて叫んだ。
 ブレイメン4はオウガなので厳密にはオブリビオン・マシンではないが、骸の海から発生したロボットであることは確かなので、まあオブリビオン・マシンと言えなくもない。
「今こそ鉄騎に乗り込む時、これが私の密造キャバリア【ムーンシャイナー】!!」
 さりげなく違法行為を告白しつつ、塔子は自作のキャバリアを召喚した。
 幸いなことに、アリスラビリンス世界にキャバリアの製造に関する法律はないので当局に目を付けられることはない!
 【ムーンシャイナー】は、ギギギッとぎこちない動きで塔子の目の前へと着地した。
「我が名は契約者、薙沢・歌織。魔霊機、聖痕刻まれし者の祈りに応えよ!」
 塔子と共にオウガを追ってきた薙沢・歌織は専用キャバリア【魔霊機フォルリー】を召喚した。こちらの機体は塔子の廃材ベースの密造キャバリアもどきとは違い、洗練された優美なシルエットだ。
 素早くコックピットに乗り込んだ二人は、ブレイメン4へと戦いを挑む!
「ムッ! また異世界のロボットか! そちらが二機ならば、こちらは四機で相手をするとしよう! 『ブレイオルグス・フォーメーション』!」
 犬、猫、鶏、ロバの四体に分離したロボットオウガは二人へと襲い掛かった!
「コケッコー!」
 上空へと飛び立ち、破壊音波を放つ鶏ロボ。
「あれの相手は私が!」
 フォルリーは飛行翼で飛び立ち、ニワトリの元へと接近すると、ビームブレードでニワトリロボへと切りつけた。鶏ロボは嘴でフォルリーへと反撃し、二機は空中で激しくドッグファイトを繰り広げる。
 犬ロボ、猫ロボ、ロバロボの三体は地上の塔子機へと波状攻撃を仕掛けてきた。
 塔子は三体まとめて焼き払うべく、ナパーム弾を放った。 幸い歌織は今は空中だ。巻き込む心配もない。
 一瞬で広範囲に広がった炎のカーテンはオウガたちの身を焼き、装甲の表面を溶解させた。
「このままでは分が悪いニャン! 再合体だニャン!」
 分離状態で二機のキャバリアを相手にするのは失策と判断したオウガは、すぐに再合体した。
「数でダメならば、パワーで叩き潰してくれるわ!」
 大剣を構えるブレイメン4の全長は約十メートル。単純な力比べならば、二機
 のキャバリアを確実に上回るだろう。
 ブレイメン4は大剣を振り上げ、図体に似合わぬ俊敏さで二機へと襲い掛かった!
「薙沢さん、少し時間を稼ぎをお願いします。懐にさえ潜り込めれば秘策がありますので」
 塔子は必死に距離を保って斬撃を回避しながら、こっそりと歌織に通信を送った。
「分かりました、やってみます」
 歌織は機体の魔力バリアでオウガの攻撃を防ぎながら、ユーベルコード発動の為の集中を始めた。
「光竜顕現! 喰らい、縛れ! 『瞬きの光竜』(ライトニング・ドラゴニアン)!」
 叫びと共にフォルリーから霊気で構成された光の竜が放たれた。ブレイメン4は大剣で竜を受け止めたが、その瞬間、竜は大爆発を起こす!
「ウオオオオッ!?」
 直後、残された霊気で形勢された光の鎖がオウガの剣へと絡みつき、歌織は剣を奪い取ろうと、全力で鎖を手繰り寄せた。
「力比べでは負けぬわっ!」
「ナイスですっ!」 
 オウガが歌織機に気をとられている隙を突き、まんまと懐に潜り込んだムーンシャイナーは、両手でがっしりとブレイメン4へと組み付いた!
「ムッ!?」
 機体をしっかりと組み付かせた塔子は、なんと自身の機体のコックピットに大急ぎで重油をばら撒き始めた!
「き、貴様、正気かッ!? やめろォーッ!」
「月は弾けて流星に!『覆せ、革命の一灯』(ワン・ショット)!」
 機体から脱出した塔子は、自身の機体に向かって火炎瓶を投げつけた!
 カッ!
 塔子のキャバリアは大爆発を起こし、ブレイメン4を飲み込んだのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

白峰・歌音

再会なんてもうないよ図体がデカいだけのでくの棒。ユウとハルカを守るため、おもちゃの街に明るさを取り戻すため…お前達の悪辣な遊びをお開きにしてやるぜ!
「脅威にひるまぬ【勇気】!いたぶる悪を許さない【情熱】!2人を守り抜く【覚悟】!心に誓い、真のヒーローに!≪リベレイション・マキシマムブレイズ≫!」

『空飛ぶ箒<相棒>』に乗って【空中戦】で巨体に対抗して挑む!
周囲を無秩序に飛び回って翻弄しながら【第六感】も駆使して察知し【見切り】回避して拳を打ち込むヒットアンドアウェイを繰り返し、大きな隙が出来たら【鎧無視攻撃】の顔面直撃ストレートの強烈な一撃を叩き込むぜ!


月村・樹

悪のスーパーロボット軍団だって?
だったらこっちは悪のゴーストだぜ!…いや待て悪じゃダメか?
ま、何でもいいか!お前を倒す、ってことに変わりないからな!

巨体なら小回りはきかないと考え、【見切り】【ダッシュ】を使って敵の攻撃を避けつつ突撃。
敵の懐に飛び込み【怪力】【部位破壊】【重量攻撃】、更には【勇気】を出して【捨て身の一撃】も込めて「幸福のお裾分け」を使用。
多少痛くても【激痛耐性】で我慢。

お前があの二人から奪おうとしているものは、私なんかの一撃よりもずっと重いんだぜ。



●ヒーロー&ゴースト
「おのれ! あくまで私とアリスたちの再会を邪魔しようというのかね、イェーガー!」
 なんとか爆風に耐え、剣を杖代わりによろよろと身を起こしたブレイメン4は声を荒げた。巨大な図体に見合うタフネスを持っているブレイメン4だが、猟兵たちの猛攻により、もはや半壊状態となっている。もはや死は近いだろう。
「再会なんてもうないよ図体がデカいだけのでくの棒。ユウとハルカを守るため、おもちゃの街に明るさを取り戻すため……お前達の悪辣な遊びをお開きにしてやるぜ!」
 追撃に現れた歌音はオウガにびしりと指を突き付けた。守るべきものの命運を背負い、正義の為に戦う彼女には、一切の恐怖も迷いも無い。
「悪のスーパーロボット軍団だって? だったらこっちは悪のゴーストだぜ!……いや待て悪じゃダメか?」
 歌音の隣にいた悪霊、月村・樹は見栄を切った後、首をひねった。ここはやはり自分も正義を名乗るべきだろうか。もっとも、樹の場合、「悪霊」とは言っても別に何か悪さをしているわけではないのだが。
「いいだろう! ならば二人まとめて地獄へ送ってやる!」
 ブレイメン4は二人まとめて葬り去らんと、大剣を振り下ろした。ダメージを負っているとはいえ、その剣閃に衰えはない。大地ごと断ち割らんばかりの勢いで振り下ろされた巨大な剣の威力は、歌音と樹を同時に叩き潰して余りある!
「おっと!」
 だが、それも命中すれば、の話だ。歌音は召喚した魔法の箒に勢いよく飛び乗ると、急上昇して斬撃を回避した。
 樹はあえてブレイメン4の方向へと踏み込むことで刃の内側に潜り込み、攻撃を避けた。
「ぬうん! まだまだッ!」
 ブレイメン4は地上にいる樹目掛けて踏みつけ攻撃を放ったが、勇気を振り絞り、ギリギリまで接近している樹の位置はオウガにとって死角だった。
 樹はスタンプを回避し、オウガの足元に纏わりつきながら、超重量の花束でオウガの足を殴打していく。
「脅威にひるまぬ勇気! いたぶる悪を許さない情熱! 二人を守り抜く覚悟! 心に誓い、真のヒーローに! 『リベレイション・マキシマムブレイズ』!」
 正義の誓いを口にした歌音は箒に乗ったままブーストカードを天にかざした。その瞬間、オーラが爆発的に膨れ上がり、歌音は真の姿へと変身した!
「変身だと!? ええい、これでも食らえ!」
 今度は歌音へと向けて斬撃を放つブレイメン4。その衝撃波でビルが輪切りになった。しかし、歌音は不規則な高速飛行で斬撃を回避し、オウガのボディに嵐のようなパンチとキックの連撃をお見舞いした。
「むううッ!?」
 ブレイメン4はたまらず両腕を下げ、胴体をガードする。その隙を突き、樹はオウガの真下から、がら空きの頭部目掛けて手にしていた花束を放り投げた!
「受け取れ! これが幸せの重み、ってやつだ! 『幸福のお裾分け』(ラブ・イズ・ヘビー)!」
 メキメキメキメキッ!
「グホォオオオッ!」
 垂直に叩きつけられたブーケトスの強烈な衝撃に、ブレイメン4の顎が砕け、ブレイメン4はのけぞった。
「お前があの二人から奪おうとしているものは、私なんかの一撃よりもずっと重いんだぜ」
 無防備になったブレイメン4にさらに追撃を加えるべく、歌音は空を疾駆する。オウガは防御を取ろうとするが、顎から伝った衝撃に電子頭脳を揺らされ、身動きがとれない!
「てりゃぁああああああッ!」
 歌音の渾身のストレートが炸裂し――ブレイメン4の頭部は爆砕した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シウム・ジョイグルミット
[SPD]◎
アリスも仲間達も、皆よく頑張ったね♪
よーし、ボクも負けてられない!

分離出来るんだねぇ……なら『Lucky Star』の出番かな
【空中浮遊】で【空中戦】を挑んじゃうよ
【野生の勘】【見切り】【残像】を使って攻撃を回避しちゃう
当たらなければ効果は受けないしね
軌道が【学習力】で読めてきたら、同士討ちしちゃうようにふわふわ動き回ってみよー
上手くいったら【精神攻撃】!
お互いに傷つけ合っちゃって、また改めて合体出来るかなー?
もしかしたら、わざと狙ったのかもしれないね
本当はずっと邪魔だったから、今がチャンスと思ったのかもーって
これで仲間割れするならその程度
仲間を信じられないんじゃ勝てるはずないよね


アウル・トールフォレスト

二人はもう十分離れたかな?
それなら、うん。もういいかな

さぁ、もう遊びもおしまい。キレイに片付けて“めでたし”をつけなくっちゃ

【深緑、底知れぬ恐怖を育め】を発動
オウガをも見下ろす程に高く、大きな『怪物』の姿に変身するよ

けれども、相手が手にする剣はとても危なそう
だから、大地から取り出した光の槍、「龍脈」を手にして、剣の間合いの外から攻撃するよ
薙ぎ払うように何度も何度も振り回し、反撃も許さずに膨大なエネルギーを叩きつけていく
嵐のように暴れて、最後にはオウガを轢き潰すよ

わたしは怪物。一つ間違えれば、オウガと変わらない恐ろしい存在
けれど、それでも
誰かを守れたのなら…素敵だと思わない?

今日も楽しかったな



●ラストバトル!
「グワアアアアアッ!」
 ボンボンボンボンッ! ブレイメン4は全身から火を吹き、元の四体、否、三体のオウガに分離した。司令塔であった鶏ロボが破壊されたことで合体が維持できなくなったのだ。
「ぐっ……! まずいニャン!」
「まさか鶏ロボがやられるとワン!」
「逃げるヒヒーン!」
 撤退の相談を始めるブレイメン4改めブレイメン3。しかし、逃亡を阻止するべく、最後の猟兵たちがオウガたちへと迫る。
「皆よく頑張ったね♪ よーし、ボクも負けてられない!」
「二人はもう十分離れたかな? それなら、うん。もういいかな」
 ブレイメン4にトドメを刺すべく現れたのは、時計ウサギのシウムとバイオモンスターのアウルだった。
「分離出来るんだねぇ……なら『Lucky Star』の出番かな」
 シウムはふわりと宙に浮かぶと、大きなナイフやフォークを取り出した。シウムと共に空を漂う魔法の食器たちは、シウムが指をパチンと鳴らすと、オウガたちへと真っすぐに飛んでいき、オバケが踊るように攻撃を仕掛けていく。
 キンキンと、金属同士がぶつかり合う事が鳴り響く。シウムは空からオウガたちの様子を伺っていたが、突然、猫ロボがジャンプしてシウムへと飛び掛かってきた。
 しかし、猫ロボの爪の爪が命中した途端、シウムの姿は陽炎のように揺らいで消えた。猫ロボが攻撃したのはシウムの残像だったのだ。
「このっ! このっ!」
 猫ロボは地面に着地すると、逃げたシウムを追いかけて再び飛びかかった。しかしシウムはその攻撃もひらりと躱し、猫ロボはシウムの後ろにいた犬ロボと正面衝突してしまった。
「おい、気を付けろニャン!」
「そっちこそ気を付けるワン!」
 言い争いを始めるオウガたち。なんとも間の悪いことに、そこに今度はソーサーを踏んでツルっと滑ったロバのオウガまで突っ込んできてしまった。
「ヒヒン!? ぶつかる、ぶつかる! はうあっ!」
 無論、これも事故ではなくシウムが撒いた不和の種である。シウムは戦いながら、オウガたちの攻撃パターンを学習して、同士討ちのチャンスを狙っていたのだ。
「もしかしたら、わざと狙ったのかもしれないね。本当はずっと邪魔だったから、今がチャンスと思ったのかもーって」
 さらに、仲間割れを煽るようにシウムは言った。
 オウガ達は無言になり、ギロリとお互いを睨み合う。ギスギスした空気のまま、しばらくオウガたちは連携せずにシウムを追い掛け回していたが――。

「さぁ、もう遊びもおしまい。キレイに片付けて“めでたし”をつけなくっちゃ」
 近くに逃げ遅れた者がいないかを念入りに確認していたアウルがついに両手を広げ、ユーベルコードを解放した。
『深緑、底知れぬ恐怖を育め(スケアリーロード・フワワ)』
 アウルの瞳が炎のように金色に燃え上がり、その体が巨大化していく。やがてアウルは、オウガをも見下ろすほどに高くそびえ立つ「高き森の怪物」となった。
「ニャ、ニャんだ!?」
「で、でかい! 合体した我々よりでかいワン!?」
「二人共、もう一度合体だヒヒン!」
 これは全員でかからねばまずいとあせったブレイメン3たちは再び結束し、鶏ロボ抜きで強引に再合体を敢行した!
「うおおおおおッ! 『王牙剣ブレイ討ち』!」
 再合体に成功した首無しロボットはアウルへとダッシュし、全力の一刀で最後の賭けに出た!
 アウルは大地からマナのエネルギーを引き出すと、光の槍へと変えてブレイメン3へと突き出した。
 カッ!
 先に命中したのはアウルの槍の方だった。光の槍に深々と貫かれたオウガは転倒し、地上へと叩きつけられた。アウルは薙ぎ払うように光の槍を振り回し、倒れたオウガを蹂躙していく。嵐のような猛攻に辺りはたちまち更地となり、後には空中に避難していたシウムと、バラバラになって機能停止したオウガたちの残骸だけが残された。

●エピローグ
「終わったね……。さあ、アリスたちを迎えに行かなきゃ♪」
 シウムはパンと手を叩くと、アリスたちを探しに飛び立っていった。
「みんな、猟兵さんたちが勝ったぞ! やったぁ! さあさあ、さっさと後片付けをして、お祝いをしようじゃないか!」
「今日という日をこの国の記念日にしよう! どんな名前がいいかな?」
 戦いを遠くから見ていたオモチャの愉快な仲間たちは、勝利の喜びに酔いしれている。あっという間に、国中がおもちゃ箱をひっくり返したような大騒ぎになった。
 その楽しげな光景を見下ろしながら、アウルは思う。
(わたしは怪物。一つ間違えれば、オウガと変わらない恐ろしい存在。
けれど、それでも。誰かを守れたのなら……素敵だと思わない?)
「今日も楽しかったな」

「終わったね、ユウ、じゃなくて日ノ本くん!」
「ああ、魔法少女たちの勝ちだ! あと別にユウでいいよ、俺もハルカって呼ぶから!」
 猟兵たちの戦いを見守っていたユウとハルカは、抱き合ってぴょんぴょんと跳び跳ねた。
 こうして、オモチャの国での戦いは猟兵たちの勝利に終わった。救われた二人のアリスの物語はまだ始まったばかりだが、きっと、猟兵たちから受け取った希望を胸にどんな困難も乗り越えてゆくことだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月29日


挿絵イラスト