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残念帰さないよ!

#カクリヨファンタズム

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#カクリヨファンタズム


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●帰り道なんてありません
 今日は夜の墓場に集まって、妖怪みんなで大運動会。誰が言い出したのかは分からないけど、いつかどこかで見た運動会を真似してみんなで楽しく騒ぐのだ。
 あっちこっちから話を聞いた妖怪たちが集まって、まだ始まってないのにもうかけっこしたり何かを投げ合ってたりするけど仕方ない。
 あっと言う間にあちこちに屋台が建って、何かパフォーマンスまで始まったけどそれも仕方ない。
 日が昇ったら運動会は終わり。みんなあっと言う間に過ぎ去る楽しい時間を少しでも多く味わいたいのだ。
「ああ、帰りたくないなあ」
 なんて、始まってもいないのに気が早いにもほどがある。
 周りの妖怪が帰りたくないと言った妖怪をこづいてからかっていると「じゃあ―――」とどこかから声が聞こえた。

「―――帰り道なんていらないよね?」

 ぷつんと何かが途絶え、消え去った。
 それは妖怪たちが歩いてやってきたもの。今まさに立っていたもの。
 『道』が、どこにもない。

「これで帰る必要もなくなったね!」
 白い顔に極彩色の化粧と衣装。ぎょろぎょろ動く目玉をぽーんぽーんと楽し気にジャグリングしながら長く伸びた首で妖怪たちにケタケタ笑う。
 骸魂『ろくろ首ピエロ』はあっと言う間に飲み込まれて行く妖怪たちに向かって呼び掛けた。
「さあ一緒に楽しもう!目を回そう!首を飛ばそう!みんなでピエロになってずーーーーっと楽しく遊ぼうね!」

●道がないなら取り戻せばいいじゃない!
「カクリヨファンタズムで事件が起きたよ!」
 猟兵達の前に走って来たのはキャロ・エレフセレリア(たーのしー!・f12156)を頭にのっけた相棒のガジェット『メガロス』だった。何故か手にバトン、頭にハチマキ、背中に応援旗がある。
 急停止したメガロスから飛び降りたキャロが言うには、カクリヨファンタズムあちこちで起こっている一つの概念が突然消えてしまう現象がまた起きたらしい。
 大きな墓場とその周辺一帯を巻き込んだのは『道』が消えてしまうと言う摩訶不思議で洒落にならない現象だった。
「その墓場では妖怪たちが集まって大運動会を開くのが恒例になってたみたいで、かなりの数の妖怪が道が消える現象に巻き込まれたみたい」
 妖怪たちは歩く場所も立つ場所もなくなり、逃げる事もできなくなった妖怪たちはそのまま飲みこまれて骸魂に―――『三首猫ニャルベロス』の群れになってしまった。
「飲み込まれちゃってもニャルベロスを倒せば元に戻るよ!でも元に戻っても『道』がなくなったままだからその場から動けないからね!」
 なお猟兵達は生命体の埒外にあり、グリモアの力によって異なる世界を渡り歩けると言う特性のためか『道』がなくてもその歩みを遮られる事はない。
「ニャルベロスの群れを何とかした後、そのまま墓場の中心まで攻め込んでね!そこに事件の元凶がいるよ!」
 数体の取り巻きと骸魂と一緒に墓場の中央で盛り上がっている『ろくろ首ピエロ』こそこの事件を起こした元凶だ。ろくろ首ピエロを倒さない限り『道』は戻らない。
「ろくろ首ピエロは操りピエロの骸魂にろくろ首の女の子が憑りつかれて生まれた骸魂。倒す事ができればろくろ首の女の子も、取り巻きの骸魂になった妖怪も助かるよ!」
 事件が無事解決して骸魂に飲み込まれた妖怪達が元に戻れば、楽しみにしていた墓場での大運動会の開幕だ。
 妖怪達はそれを楽しみに墓場に集まっていたので、骸魂に飲み込まれたくらいで中止にはしないだろう。
「よかったらみんなも大運動会に参加してみてね!自分達を助けてくれたみんなが参加してくれるならきっと妖怪のみんなも大喜びだよ!」
 涼しくなってきたけど運動するんだから水分と塩分の補給はちゃんとしてね!とキャロはグリモアを起動させながら親指をぐっ!と立てた。


水見
 猟兵のみなさんはじめましてこんにちは、マスターの水見です。
 今回の舞台はカクリヨファンタズム。最近この世界では様々な概念が消失すると言う謎の減少が起きています。妖怪たちの大運動会の日に消え去った概念は『道』です。
 今回はこの『道』の概念を取り戻すためにオブリビオン。この世界では骸魂を倒して『道』を取り戻そうと言うお話。
 第一章は『三首猫ニャルベロス』の群れを倒して飲み込まれた妖怪達を助けるお仕事。
 第二章は『道』と言う概念を取り戻すため、元凶である『ろくろ首ピエロ』を倒して飲み込まれていたろくろ首の女の子と取り巻きになっていた妖怪達を助けるお仕事。
 第三章は諸々片付いて改めて開催された妖怪たちの墓場の大運動会に参加したり見学したりして楽しむお仕事です。

 第一章、第二章の骸魂をどれだけ派手に倒しても飲み込まれた妖怪達が死んでしまう事はありません。全力で片付けて『道』を取り戻してあげましょう。
 第三章は参考以外の行動でも『大運動会を楽しむ・盛り上げる』と言う目標から逸脱しすぎない限り自由に楽しんで下さい。妖怪達に新しい競技を教えてあげてたり、屋台に新たな美味をもたらしてもいいかもしれませんね。
 みなさんのプレイングをお待ちしています!
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第1章 集団戦 『三首猫ニャルベロス』

POW   :    猫炎殺(ニャルベロスファイア)
【3つ首の1つから吐き出された炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【魚が美味しく焼ける程度の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    猫接種(ニャルベロスフード)
戦闘中に食べた【よく焼けた何らかの肉】の量と質に応じて【ご機嫌に尻尾を揺らして】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    猫凍結(ニャルベロススリープ)
非戦闘行為に没頭している間、自身の【首の1つが】が【ぐっすりと眠り】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ふんわり柔らかな毛皮に愛らしい肉球。それだけ見れば思わず撫でたくなるような可愛らしい猫そのもの。
 しかし三つ並んだその頭からは肉や魚をこんがりおいしく焼く炎が噴き出し牙は鋭く焼き上がった肉を骨ごと喰い尽くす程に鋭く貪欲で、満足したら気が済むまで眠れるほどに豪胆だった。
 骸魂の名は『三首猫ニャルベロス』―――好奇心旺盛な猫の本能をそのままに、焼く食べる、寝るを三つの首でサイクルをしている。
 そして、どんな場所でもそのサイクルを行える程の強さも備えた骸魂。
 魚よりも肉が好き。だから目の前にいる肉はどんなものでも焼いて満腹するまで食べて眠るのだ。

 ―――そう言えばちょっとお腹が空いたかも。ほら見てお誂え向きに餌がやって来た。それはそれは運が良い。じゃあちょっと焼いてから食べようね。
 
 
ケイ・エルビス
アドリブ連携歓迎
POW

「あっつ!炎が厄介だな。じゃあ、オレからはもっと大量の火力を
プレゼントいするぜ!」

吐き出された炎を
野生の勘と早業でかわしたり

ピンチの仲間がいれば
オーラ防御や着込んでいるフィルムスーツでダメージ軽減しつつかばう

機会をうかがって
装備のトランシーバーに
呼びかけ
UC「カウボーイ・P」
発動

遥か上空の闇夜や雲に隠し
自動操縦で待機させていた輸送機アトラスを急降下させながら誘導ミサイルで
複数攻撃

命中率重視で狙いも
バッチリ

敵の注意をひいて時間稼ぎしたり猟兵仲間への援護射撃としてサポートして
鼓舞するよ

操作してるオレが狙われたら愛用ブラスターのクイックドロウで迎撃するぜ


リュアン・シア
妖怪って墓場で運動会するものなの……?
それにしても、『道』の概念を無くす、なんて面白いことするのね。興味深い世界だわ。

やだ、なんだかちょっと可愛いじゃない。ニャ、ル、ベロス……言いにくいけど。
さて、どうしようかしら。三つ首な分、少し頭が重いかもしれないけれど、とはいえネコだからそれなりにすばしっこいし、数も多いし。
そうね――【執着解放】で高速移動と共に鋭い衝撃波を放って、ニャ、ルベロスの群れを吹き飛ばすわ。呑み込まれた妖怪を解放してあげる。
ごめんなさいね、ネコの餌になる気は無いのよ。でも出来ればその可愛いお顔を斬撃で切断したくはないから、気を付けてね?
衝撃で妖怪達も戻ってくるといいのだけど。



「何が起きたのかと思えば『道』が消えるなんてな」
 ケイ・エルビス(ミッドナイト・ラン・f06706)は墓場の周りで『道』をなくして立つ事も歩く事もできず戸惑う妖怪達を見て、結構深刻な事態だと理解した。それにこのままだと骸魂に飲まれる事だってあり得る。
 肩に掛けたライフルを構えて墓場のあちこちをうろつく『三首猫ニャルベロス』に狙いを定める。ニャルベロスもケイに気付いたのか炎を口からちらつかせている頭がじっとケイを見た。
「すぐに元にもどしてやるからな。ちょっと痛いのは勘弁してくれよ!」
 ライフルを構えたケイの言葉をニャルベロス達は理解できない。ただ元気そうな獲物が来たと思いにゃんと鳴いて一斉に飛び掛かった。
 鋭い爪を備えた大きな猫と言うだけでその戦闘力はおして知るべし。だがケイだって負けてはいない。鋭い勘でニャルベロスの攻撃をかわし、ライフルによる広範囲をカバーする銃撃でニャルベロス達を抑え込む。
 その目は冷静に何かを待っていたが、ニャルベロス達にそんな事は分からない。本能のままにケイに押し寄せて行く。
「やだ、なんだかちょっと可愛いじゃない。ニャ、ル、ベロス……言いにくいけど」
 ケイににゃんにゃんと集まって行くニャルベロスを見てリュアン・シア(哀情の代執行者・f24683)はつい頬をゆるませてしまうが、そんな事を言っている場合ではなかったと白菊を思わせる形をした一刀、憐花切を手に取る。
「それにしても、『道』の概念を無くす、なんて面白いことするのね。興味深い世界だわ」
 ―――まあ妖怪達にはいい迷惑よね。
 歩く事も立つ事もできず、間近でこうして戦闘が起こっているのに逃げる事もできない。ニャルベロス達も元はと言えば逃げられずに骸魂に飲み込まれてしまった妖怪達だ。
「解放してあげるわ―――あなた自身から」
 『執着解放(シュウジャクカイホウ)―――己を解き放つ風はリュアンの体から重力の縛りさえも解き放ったかのように高速移動を可能にし、放たれる鋭い衝撃波は素早く動くニャルベロスを吹き飛ばす。
 本能的にこれは危険だと悟ったニャルベロス達は先程いい感じによく焼いた肉をみんなで食べて、そのおいしさと栄養にご機嫌に尻尾を揺らしながらリュアンに襲い掛かる。
「ごめんなさいね、ネコの餌になる気は無いのよ」
 襲い掛かって来るニャルベロス達の攻撃を高速移動で躱し、鋭い衝撃波でお返しする。
 出来ればその可愛いお顔を切断したくないからとあくまで衝撃波による戦闘不能を狙って来るリュアンにニャルベロス達の瞳が苛立ちに光る。カッ!っと一匹が口から炎を噴き出したその時。
「あっつ!やっぱりこの炎が厄介だな」
 放たれたニャルベロスファイアの前に立ったケイはオーラとフィルムスーツの防御があってもかなりの熱さに思わず炎の名残を払い除けた。
「あらありがとう。助かったわ」
 リュアンの言葉には今庇ってもらった事だけでなく、ケイの援護射撃でリュアンが戦いやすくなっていた事への礼も含まれている。
「どういたしまして。こっちもおかげさまでチャンスを掴めたしな」
 ニッと笑ったケイの手には超長距離対応のトランシーバー、エアマスターがあった。
 ニャルベロスはケイが何をしようとしているのかは分からない。だが本能が危険を訴えて来る。
 慌てて炎を吐いてケイを止めようとするが、素早いクイックドロウとブラスターの攻撃と、リュアンの衝撃波で逆に阻まれてしまう。
「カードは揃った。「アトラス」、ショータイムだぜ!」
 これがケイの狙い『カウボーイ・P(カウボーイ・ピースメーカー)―――遥か頭上の雲の上に待機していた輸送機『アトラス』から発射された複数の誘導ミサイルがニャルベロス達に襲い掛かる。

 やがて爆撃と爆風が収まった後には、骸魂から解放されて不思議そうに周りを見回す妖怪達の無事な姿があった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

推葉・リア(サポート)
色んなゲームで推しキャラを育成して愛でるのが好きな妖狐

基本的に人がいいので命や心を大事に動き相手の心に寄り添おうとする、それが敵であっても(倒すときはしっかりと倒す)
あと結構関係のないことも考えたりもしてたりもするがやるときはやる

★戦闘
各ゲームの推しキャラ達の召喚と狐火を使う、基本的には推しキャラ達が戦い自分は後衛やサポートに回ることが多い、活躍する推しキャラを見るのが何よりも好き、また推しキャラが動きやすいように自分を囮にすることもある
UC『星色ライド』『夜色チェイサー』は基本戦闘では使用しない

★冒険
推しキャラやペットの鴉やインコ達と協力して動く、演技もしたり騙したりもする

過剰なエログロNG



「あらあら、可愛らしい猫だけど愛でてる場合じゃないわよね」
 ニャルベロス達は推葉・リア(推しに囲まれた色鮮やかな日々・f09767)のぴんと立って時々動く耳と大きな尻尾に興味津々らしく目を爛々としてにじり寄って来る。
「さあみんな、行くわよ!」
 リア専用の端末からゲームを起動し推しキャラを召喚する。自分がプレイした事のあるゲームから推しのゲームキャラを召喚して戦うのがリアの戦闘スタイルだ。そしてもう一つ。
「私の十八番よ! さぁ燃えちゃって!」
 フォックスファイア(モヤシツクスキツネノヒ)によって六十を超える狐火がニャルベロス達に襲い掛かる。素早く動けるニャルベロス達でもリアの思う通り自由自在に動く何十もの狐火を避ける事はできなかった。
 狐火に焼かれた首の一つがダメージを癒すためにぐっすりと眠りに入る。焼く、食べる、寝るを三つの首でサイクルしているニャルベロスならではの回復方法だったが、その休息をリアが召喚したキャラクター達が邪魔をする。
「追い打ちをかけてごめんね♪ 妖怪達を開放してもらうよ!」
 とどめの狐火に焼かれたニャルベロス達は姿を消し、飲み込まれていた妖怪達が解放されて行く。

成功 🔵​🔵​🔴​

火土金水・明
「この方が今回の事件の元凶ですか。見た目はかわいいですけど、気を抜かずこちらも全力で迎え撃ちましょう。」「もちろん、取り込まれた方も助け出します。」
【POW】で攻撃です。
攻撃方法は、【先制攻撃】で【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【銀色の疾風】で、『三首猫ニャルベロス』を【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】【火炎耐性】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでも骸魂にダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。



「この方が今回の事件の元凶の取り巻きと言う事ですね」
 火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)は他の猟兵と戦うニャルベロス達の猫そのものな様子を観察しながら墓場を見渡す。
「見た目はかわいいですけど、気を抜かずこちらも全力で迎え撃ちましょう」
 ニャルベロスの数は大分減っていたが、そのせいで危機感を強めたのか明を見据える目は鋭く、口から吐かれる炎も心なしか激しく思えた。
 あらゆる属性の魔法を使いこなす明にはなんの恐れも抱かせないものだったが。
「もちろん、取り込まれた方も助け出します」
 すらりと抜いた銀の剣に魔力を籠める。その力は鋭く疾い一撃を生み出す『銀色の疾風』。
 ニャルベロスが剣を奪おうと襲い掛かって来るが、黒いローブを翻した明の残像を切り裂くばかりでその爪は届かない。激しい炎も明を捉えきれず、オーラに守られた体にまで到達せずに霧散した。
「残念、それは残像です」
 疾風の魔力を籠めた銀閃はニャルベロスを切り裂いたが、肉体には一切傷がついていない。銀色の疾風は骸魂のみを攻撃して飲み込まれた妖怪達を助け出すものなのだ。
「この攻撃で、妖怪を助け出す!」
 普段の無口な様子からは一転、高らかに告げられた言葉の通り明の銀色の疾風は次々とニャルベロスの骸魂を斬り、飲み込まれた妖怪たちが解放されて行く。
「少しでも骸魂にダメージを与え、次の方に」
 そして一人でも多くの妖怪を救うために。明の振るう剣と黒いローブが夜の墓場に翻る。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マオ・ウェスペル
いくら顔が3つある猫とはいえど、同じ猫人としてそんな嫌がらせをするなんて許せないにゃ~!
同じ猫であるマオが討伐してやるにゃ!

というわけでまずは使い魔の一人のジャクソンを【偵察】させながら囮になってもらうにゃ!

そしてもう一人の使い魔のセオドアの能力である【セオドア・チェンジ・ウエポン】で命中重視で攻撃できるスナイパーライフルに【武器改造】させるにゃ!
そして、ジャクソンが囮になっている間にセオドアが変身したスナイパーライフルで攻撃させていただきますにゃ!



「いくら顔が3つある猫とはいえど、同じ猫人としてそんな嫌がらせをするなんて許せないにゃ~!」
 ニャルベロスが倒されると飲み込まれた妖怪達が解放されて行くのを見て、マオ・ウェスペル(三位一体・f26118)の尻尾がぱしんぱしんと地面を打つ。その隣で猫のセオドアも同じように「許せないにゃ!」と尻尾で地面を叩き、蝙蝠ジャクソンはマオの肩で指示を待っている。どちらも愛らしくまるっこい見た目だが、頼りになる相棒だ。
「ジャクソン、偵察お願いするにゃ!」
 早速の出番にジャクソンが飛んで行く。黒く小さな体は夜空に馴染みニャルベロス達に気付かれないよう群れの上まで到達した。
 しかし一匹のニャルベロスがふと月明かりに映った影に気付いて空を見上げる。ニャルベロスの鋭い眼にジャクソンの姿が映り、周りのニャルベロス達もそれに気付いて騒ぎ始めた。
「かかったにゃ! ジャクソンはそのまま引きつけるにゃ!」
 偵察に出したジャクソンは囮でもあった。
「セオドア、マオに力を貸してほしいにゃ!」
 マオの呼びかけに応えたセオドアが『セオドア・チェンジ・ウェポン』で姿を変える。マオが望んだとおり、命中を重視したスナイパーライフルがニャルベロス達を狙撃する。
 倒れたニャルベロスと別の個体が狙撃に気付いてマオを探す間にも次々と狙撃を成功させるマオだったが、鋭い猫の感覚は誤魔化しきれずついに炎が隠れている場所に命中する。
「あっついにゃ~!でも負けないないにゃ!同じ猫であるマオが討伐してやるにゃ!」
 ちょっと焦げながらマオはジャクソンの囮とセオドアのスナイパーライフルに助けられながらニャルベロス達と果敢に戦う。

 そしてついに最後の一匹が倒れ、ニャルベロスに取り込まれた妖怪達の解放された喜びと救ってくれた猟兵達への感謝の声で夜の墓場を騒がせた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『ろくろ首ピエロ』

POW   :    飛頭蛮ちぇーんじ!君達も頭だけの状態、体験してね
【首と胴を分離し、飛翔生首と無敵胴体各々 】に変身し、レベル×100km/hで飛翔しながら、戦場の敵全てに弱い【生首状態になり頭以外使用不可能になる光線】を放ち続ける。
SPD   :    皆もろくろ首になろー★操れるかは知らないけど!
自身の肉体を【身体強化し、対象の首を操作が難しい長い首】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    皆ピエロになーれ★何か芸をしないと動けないよん♪
【視認困難ジャグリング中の目玉ボールの瞳 】を向けた対象に、【ピエロ化状態と芸の絶対強制による行動阻害】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は九十九・サイレンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「あれれ?とっても賑やかなのにニャルベロス達がいなくなってるね?」
 解放された妖怪達の歓声に混じる少女の声。
 弾むように軽快な足取りでやってきたのは派手派手しい衣装と化粧を施した白い顔。真っ赤な鼻と大きく描かれた口がその滑稽さを強調している。
 しかしにんまり笑う口と輝く瞳はどこかぞっとするものを漂わせていた。
 何よりジャグリングで宙を舞う『ボール』。それが誰のものとも分からない眼球だと気付いた猟兵達はその正体を悟る。
 彼女こそ『ろくろ首ピエロ』―――ろくろ首の少女を飲み込んだピエロの骸魂であり、この世界から『道』と言う概念を奪ったオブリビオンだ。
「君たちもピエロになりに来たのかな?いいよ、歓迎するよ!ワタシはろくろ首ピエロ。帰り道のないこの世界で、ずーーーっとワタシと一緒に楽しく遊ぼうね!」
 きゃきゃらと声だけは少女そのものの無邪気さで眼球のボールをジャグリングする。持ち主から奪われた眼球は恨めし気に宙を舞い、救いを求めるように猟兵達を見詰めていた。
マオ・ウェスペル
む、あんたが黒幕かにゃ?マオ達の本気、みせてやるにゃ!

というわけで【フライング・フォーメーション・アタック】を使用するにゃ!
ジャクソンはマオの翼に変身して【空中浮遊】して、そして【空中戦】でに挑むにゃ!あ、セオドアも一緒に上空につれて行くにゃ。

そしてセオドアはロケットランチャーに変身という名の【武器改造】をさせて、マオは上空からロケットランチャーの【誘導弾】を【砲撃】して【爆撃】させていただきますにゃ!

もし首を伸ばしてきたらセオドアを剣に【武器改造】させて顔面に【気絶攻撃】で【カウンター】をお見舞いさせていただくにゃ!そして怯んでいる間に剣で【2回攻撃】【貫通攻撃】で攻撃にゃ!



「む、あんたが黒幕かにゃ?」
 猟兵達の前に文字通り躍り出た『ろくろ首ピエロ』にマオ・ウェスペル(三位一体・f26118)の耳がぴんと立った。「ワタシはみんなと遊びにきただけだよ!さあボールがいい?首伸ばしちゃう?飛ばしてもいいよ!」
「余裕綽々なのも今のうちにゃ!マオ達の本気、みせてやるにゃ!」
 任せろ!と飛び出してきた猫のセオドアがマオの手元に跳び上がり、蝙蝠のジャクソンが背中に回る。
「ジャクソンはマオの翼に、セオドアは武器に変身して欲しいにゃ!」
 猫のセオドアがロケットランチャーに、蝙蝠のジャクソンが翼になって凄まじい速度で飛翔する『フライング・フォーメーション』が完成。上空に飛んだマオは自分を見上げるろくろ首ピエロに向けてロケットランチャーの砲撃を放った。
 強力なロケットランチャーの砲撃―――いやもう爆撃と言っていい程の威力を持った砲弾がろくろ首ピエロに炸裂すると墓場の夜空をぱっと一瞬の爆炎が照らす。よたよたふらついた長い首の影がちょっとしたホラーだ。
「うひゃああ!痛いし首が飛んでっちゃうかと……あ、元から飛ぶんだったね!」
 あっははとひとしきり笑ったろくろ首ピエロはミニハットをかぶり直すとじゃあ次はワタシの番!とマオに向かって言った。―――さあ君もろくろ首だ!
「にゃー?!せ、セオドア頼むにゃ!」
 自分の首がぐにょりとしたものに変わる感覚と凄まじい速度で吹き飛んで行く視界。首が伸ばされた事に気付いたマオはセオドアに剣に変え、驚くマオに隙ありと襲い掛かって来たろくろ首ピエロを跳ね除けた。
「いただきにゃ!」
 ぐねんぐねん曲がる首に苦労するマオだったが、さっきのカウンターでひるんでいるろくろ首ピエロは避けられない。
 素早く、そして守りを貫通するほどの斬撃が深くろくろ首ピエロを切り裂いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リヴェンティア・モーヴェマーレ(サポート)
サポプレ

▼アドリブや他の方との絡みモリモリの盛り大ジョブです

▼性格
いつも笑顔でほわほわのぽやんで楽観的な元気っ子

▼口調
なのでス、でショウ、なのですカ?
等、文章の語尾や途中に1、2文字カタカナが入る
挿入箇所はお任せ
『~な気持ち』が口癖
敵に対しても「さん」付けする

▼武器、アイテム
戦闘時以外は動物の形をとっている子達が多く
会話や意思の疎通もします
動物達の方がしっかりしてる説があるやも…
(踏ん反り返る動物達)

▼得意
情報収集
ハッキング
支援

▼好き
家事全般
動物

▼戦闘
後衛に居る事が多く
後方から援護射撃やオーラ防御での防衛サポを好む

▼NG
過度なエロ
(尚、羞恥心がぶっ飛んでるので恥ずかしがると言うことは無いでス)


虚偽・うつろぎ(サポート)
世界問わず大歓迎
世界を超えての自爆活動だよ

アドリブ連携等ご自由にどぞー

登場即自爆
とにもかくにも速攻で自爆
台詞よりも活躍よりも速攻で自爆することが最優先
1歩も動かず即自爆
自爆できれば台詞も活躍もいらぬ!

何かいきなり自爆する蠢く怪奇現象
自爆という概念生物
ただ自爆するためだけに現れる存在

技能:捨て身の一撃を用いてのメッサツモードによる高威力な広範囲無差別自爆

射程範囲内に敵が1体でもいれば速攻で自爆する
自爆することが最重要
なので敵がいなくても自爆するよ
近づかない動かない即自爆
大事なのはスピード、そうスピードなのですぞー

捨て身の一撃なので自爆は1回のみ
1回限りの大爆発
自爆後は爆発四散して戦闘不能さ



 傷を負ったろくろ首ピエロがいたたと言いながら起き上がると、ちょろちょろと動き回る小動物がいた。リヴェンティア・モーヴェマーレ(ポン子2 Ver.4・f00299)の頼りになる仲間達だ。
「あなたが『道』を奪ったろくろ首ピエロさんデスね」
 いつもほわほわっとした笑顔を浮かべてるリヴェンティアがきりっと眉を上げて色のハムスターに「響ちゃん」と呼び掛けて手に乗せた。
「『道』を返してもらいまス!」
 ハムスターから一振りの剣に姿を変えた響を手にしたリヴェンティアがろくろ首ピエロに挑む。
「美しき空を舞う薔薇達よ…。集めし力、飛弾となりて彼のモノを打ち砕け!」
 徐々に体が『Rozen kreuz(ローゼンクロイツ) 』の青と紫の薔薇のオーラに包まれ変身して行く。攻撃を軽減するオーラは解除するまで命を削る強力過ぎるものだったが、リヴェンティアは躊躇わなかった。
「帰り道なんでいらない。皆でピエロになって遊んでた方がいいよ!」
 ろくろ首ピエロがジャグリングしていた目玉が視認困難な程の速度で宙を舞いながらぎょろりと一斉にリヴェンティアを見る。
「これで君もピエロになるんだよん♪一緒に楽しい芸をしようね!」
 目玉のボールに見詰められた者はピエロ化してろくろ首ピエロと一緒にパフォーマンスを繰り返すのだ。丁度墓場でくるくる回る取り巻き達のように。
「いいえ、ピエロにはなりませン!あなたの楽しい時間は終わりデス!」
 だがリヴェンティアが纏うオーラはそれを弾き、凝縮された青と紫の薔薇のオーラがろくろ首ピエロと目玉ボールを打ちのめした。
「ボールが壊れちゃうじゃないか!一時撤退~!」
 たまらず逃げ出して大きな墓石の方へ逃げ出したろくろ首ピエロに、リヴェンティアは狙いがうまくいきましタ!とあえて追わずに見送る。
「まったくなんて乱暴なんだろう!」
 ぷりぷり怒りながら墓石の影に入ったろくろ首ピエロだったが、そこにある何かを見付けた思わずびくっとした。
 それは黒くつややかな平仮名、『う』の形をした直立する何か―――転送された時から「大事なのはスピード、そうスピードなのですぞー」と言いながら墓場の中に誰よりも素早くスタンバっていた虚偽・うつろぎ(名状しやすきもの・f01139)その人だった。
 そして転送前に他の猟兵達にとある旨を伝えて協力してもらい、ろくろ首ピエロをこの場に誘導してもらったのだ。リヴェンティアが狙っていたのはこれだった。
「えっ、なにこれ……」
 これにはろくろ首ピエロも困惑。さっきまで激しく戦っていた猟兵達が追って来ない事もあって不気味な予感がじわじわと這い上がって来る。
 その予感は正しかった。
「くらえ!我が渾身の自爆芸!」
 カッ!とうつろぎの体が幾何学模様を描き何百ものロケットエンピツが発射される。これぞ『殺戮術『切宮殺戮術 』の一つ、『ウツロギ(スパーダモード)』!
 自身をただの一撃で爆散させる代わりに広範囲の攻撃をばら撒く自爆技!
 捨て身の一撃による爆散を受け、ろくろ首ピエロは悲鳴を上げる間もなく吹き飛ばされた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リュアン・シア
あらあら、随分とカラフルな出で立ちの――何だったかしら、ろくろっ首?
ピエロは自らの芸で観衆を楽しませるものじゃなくて? ろくろ首の本領を奪って見世物にしようなんて、浅はかねぇ。
私はピエロも道の無い世界も御免よ。行く道も、帰る道も、自分で選んで歩くわ。
ああでも、自ら歩かなくても手伝ってくれる可愛いコがいるわね。
【生命調律:グリフォン】――いい子ね。さあ、いらっしゃい。
そのくねくねとうねる長い首、このコの石化のブレスで固まったら地に落ちるしかなさそうね。ジャグリング中のその手も、足も、動かなくなるんじゃないかしら。無理に動かしたら割れるわよ?
私の首が伸びちゃったら、うーん、このコに支えてもらうわ。


杉崎・まなみ(サポート)
まなみは正当派後衛職のヒロインタイプです
聖職者教育を受講中の学生ですが、特に依頼に縛りは無く、どのような依頼でも受けられます
但し人並みに気持ち悪いモノ、怖いものとかは苦手で遭遇した際は多少なりとも嫌がる仕草が欲しいです
甘いモノ、可愛いモノが好きで少し天然な所があります
初対面の人でもあまり物怖じせず、状況を理解して連携を取る動きが出来ます
シリアス2~3:ギャグ7~8割くらいのノリが好みです
ただシリアスもやれますよー

UCは攻撃魔法と回復魔法どちらも使えます
状況に応じて、好きなのを使ってください

その他、細かい部分はMS様にお任せします


クロード・ロラン(サポート)
●心情
「俺は咎狩り!オブリビオンは皆狩ってやるよ!」
オブリビオンを倒すことこそ自分の存在意義と思っています
心情的に敵に同情することもありますが、
最終的にオブリビオンは狩るもので、それが救いにもなると思っています
助けるべき人がいれば、全力で助けに行きます
言動が素で中二病まっさかりな感じです

●戦闘
小柄さ・身の軽さを活かした、スピードやアクロバティックな動きで戦うタイプ
ダッシュ、ジャンプを多用し、敵の死角に潜り込んでUCを使います
武器は大鋏。斬ったり、叩いたり、お好きに使わせてください

その他、連携やアドリブお任せします



「ひ、ひどいめにあった……」
 爆発が収まるとろくろ首ピエロが長い首をふらふらさせながら起き上がって来た。ちょっとボロっとしてきた服から土埃を払う。
「もう、何人やってくるんだろう。『道』はひとつも残してないのに!」
 ぷりぷり怒るろくろ首ピエロに駆け付けた杉崎・まなみ(村娘・f00136)は先端に聖なる石を抱いた錫杖のように長いメイスを握る。
「そうですね。ここまで来る『道』も、帰る『道』もありませんでした」
 猟兵達はこの不可思議な現象の中でも動く事ができたがこの世界の住人達は違う。
 まなみはろくろ首ピエロがジャグリングする誰かのものだった目玉と『道』を失って行く事も帰る事もできずに骸魂に飲み込まれた妖怪達のために地の神に祈りを捧げる。
「地の神よ…そのお力を私たちにお貸しください…」
 『道』を奪われた世界に『道』を―――大きく捉えれば大地を取り戻すために、骸魂に飲み込まれた妖怪達を助けるために捧げられた祈りは光を生み、凝縮された光は『聖なる矢(ホーリーアロー)』に変わる。
 降り注ぐ光の矢はやっと爆発の余波から立ち直ったろくろ首ピエロを再び『道』なき地面に叩き落とした。
「なんて乱暴なんだろう!そんな物騒なものより面白い芸を見せてよ!」
 光の矢に貫かれて消えた目玉もあったが、視認困難な速度で動く目玉はまだまだたくさんある。その瞳が一斉にまなみを見詰めてピエロ化と芸の絶対強制によって光の矢を止める。
「よし!分かってると思うけど何か芸をしないと―――おっと危ない!」
 ぴょんと飛び退いたろくろ首ピエロの足があった所に銀色の人の背丈ほどもある大きな鋏が突き立った。
「チッ、避けられたか」
 銀薔薇の大鋏での奇襲を仕掛けたクロード・ロラン(黒狼の狩人・f00390)が意外と元気なろくろ首ピエロの身のこなしに、黒い人狼の耳をぐっと倒す。
 完全な戦闘態勢に入ったクロードは危ないじゃないか!と怒るろくろ首ピエロの態度も取り合わず地面に突き刺さった銀薔薇の大鋏を抜く。
「俺は咎狩り!オブリビオンは皆狩ってやるよ!」
「―――えっ、待って速くない?!」
 見の丈程もある大きな鋏を手にしているとは思えない身軽で素早い動きにろくろ首ピエロは長い首がこんがらがりそうなほどあっちこっちに翻弄される。
 折角遠くまで伸びる首があってもクロードのスピードの前では長い首のせいで足元が疎かになってしまう欠点にしかならなかった。
「くらえ、この痛みがお前の咎だっ!」
 クロードの『咎裁ち鋏(トガタチバサミ)』がろくろ首ピエロの背後から迫り、超高速の連続攻撃を繰り出す。
 死角から攻撃されたろくろ首ピエロは避ける事もできずにあっと言う間にズタズタになって行く。
「もう!動き回れないように君は特に長くしてやるから!」
 しかしオブリビオンである肉体は切り刻まれてもまだ滅びず、クロードの首をお返しだと長く伸ばした。
 これですぐに反撃はできないだろうと慌ててクロードから離れたろくろ首ピエロだったが、もう一人の人影に気付いて立ち止まる。
「あらあら、随分とカラフルな出で立ちの―――何だったかしら、ろくろっ首?」
 派手な衣装を血と土埃で汚したろくろ首ピエロにリュアン・シア(哀情の代執行者・f24683)が微笑む。ピエロを名乗りながら観衆を楽しませる事もなく、『道』を奪って帰らず遊ぼうと宣う骸魂への冷たい微笑みだった。
「浅はかねぇ。私はピエロも道もない世界も御免よ。行く道も、帰る道も、自分で選んで歩くわ」
 リュアンは地団駄を踏むろくろ首ピエロの癇癪など取り合わず、そっと自分の傍らに手を伸ばした。
「いい子ね。さあ、いらっしゃい」
 リュアンの伸ばした手が羽毛と毛皮に覆われた獣を撫でる。『生命調律:グリフォン(ソウルチューニング・グリフォン)』で召喚された石化のブレスを吐くグリフォンは召喚主であるリュアンを背に乗せて鋭く鳴いた。
 吐き出された石化のブレスがろくろ首ピエロの手足と長い首を石に変え、『道』なき地面に縫い留める。
「くねくねうねる首もこうなったら形無しね。無理に動かしたら割れるわよ?」
 ごとんと首と頭を地面に落としたろくろ首ピエロが必死にあがいている様を見下ろしてリュアンが忠告するが、ろくろ首ピエロは聞かなかった。ばきばきと手足が砕ける音を立てながらリュアンを指差す。
「君もろくろ首になっちゃえ!」
 叫んだはずみでろくろ首ピエロ手足が完全に砕けて倒れ込むが、リュアンの首を伸ばす事には成功した。長い黒髪が伸びる首と一緒にくるんくるんとうねる光景ににんまり笑う。
「あら、こんな感じになるのね。グリフォン、支えてくれるかしら?」
 慌てず騒がず賢いグリフォンはリュアンの首を自分の頭で支え、それを見たろくろ首ピエロがずるい!と叫ぼうとする。石化した首を無理に動かしたものだから割れた喉から声が出る事はなかったが。
「さお遊びの時間は終わり。骸の海に還る時間よ」
 グリフォンの石化のブレスがろくろ首ピエロの全身を石に変えていく。
 すでにあちこちひび割れていた体は脆くもぱきんと崩れ落ち、ろくろ首ピエロの骸魂は過去の骸の海へと還って行く。
 残ったのは骸魂から解放されたろくろ首の少女と―――墓場の地面に広がる石畳の『道』だった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 日常 『妖怪大運動会!』

POW   :    かけっこで全力疾走だ!

SPD   :    玉入れ、綱引き、騎馬戦、集団競技でみんなと一緒に!

WIZ   :    応援合戦も運動会の花だよね!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 世界に『道』が戻って来た―――猟兵達の働きによって『道』が元に戻った途端、この異常事態に巻き込まれた妖怪達が騒ぎ始めた。
 ありがとう!の大合唱と思い思いに戻って来た『道』ではしゃぎまわる妖怪達。
 骸魂に飲み込まれていた妖怪達も体に異常はなく、この事件の元凶だった『ろくろ首ピエロ』に飲み込まれていたろくろ首の少女も遠巻きにされるどころか大変だったね、かわいそうに、どこも悪くないかい?と気遣われてほっとしている。
 みんな無事だし『道』も戻った。めでたしめでたし。

 ―――よし、それじゃあ大運動会を始めよう!

 あんな事があったのに?と猟兵達が目を丸くしていると、骸魂に飲み込まれていた妖怪達がわいわいと集まって来た。
 助けてくれてありがとう!折角だから大運動会に参加していってよ!一緒に楽しんでいってよ!と口々に猟兵達を墓場に誘う。
 妖怪達に混じって競技に挑めば盛り上がるだろう。新たな競技を教えてもいいし、応援合戦で派手に盛り上げるのもいい。妖怪達の屋台にまじって店を出しても喜ばれるだろう。

 今日は妖怪達が集まる墓場の大運動会。
 夜が明けるまでみんなで楽しもうじゃないか!
マオ・ウェスペル
これで妖怪大運動会も無事に始まったわけだにゃ。
せっかくなんでマオも参加するにゃ~。
というわけで【アシスト・セオドア・アンド・ジャクソン】でセオドアとジャクソンも呼んで運動会に参加するにゃ。

妖怪たちと楽しくするのは勿論だけど、ここはマオと使い魔2人のチームワークを見せながら頑張りたいにゃ。
【集団戦術】や【団体行動】でマオ達が出来る所をしっかりとアピールしながら、マオ達と妖怪とみんなでしっかりと友情を結びながらマオ達が所属しているチームの得点を稼いでいくにゃ。
よーし、みんな、張り切って頑張るにゃ!



 ぽんぽん、ぽん、ぱぁんと突然上から空砲のような音が鳴って猫の耳と尻尾がぴんと立つ。見上げると梟や蝙蝠の妖怪が手に空気を詰めた袋を持ってそれを叩き割っていた。
 ぽかんと見上げていたマオ・ウェスペル(三位一体・f26118)だったが、あれが運動会の朝に鳴る音を真似したものだと教えられてなるほどと納得する。
「これで妖怪大運動会も無事に始まったわけだにゃ。せっかくなんでマオも参加するにゃ~」
 妖怪達の中に飛び込んで行くマオを猫のセオドアと蝙蝠のジャクソンが追いかける。妖怪達は大歓迎だよ!と迎え入れ一緒に楽しんだ。
『え~つづいての競技は玉入れです。参加希望の方は―――』
 拡声器そのものな形をした付喪神がアナウンスした競技名はマオも知っていたが、大運動会の玉入れはちょっと風変わり。小型の妖怪が玉で、玉を入れる籠は別の妖怪が背負う。
「玉と籠が逃げてるにゃー?!」
 妖怪大運動会の玉入れは逃げ回る玉と籠をどう制するかがキモ。デモンストレーションを見て理解したマオは使い魔二人と参加者の列に並んだ。
「よーし、みんな、張り切って頑張るにゃ!」
「おー!」
 同じチームになった妖怪達と一斉にフィールドに飛び出す。
 ジャクソンが空から玉と籠を捕捉してセオドアが玉を追い込みマオと妖怪達が一網打尽にする。籠を背負うのは足に自信がある妖怪ばかり。しかしセオドアとジャクソンが纏わりついて足を鈍らせ、そこをマオがスナイプ。順調に点数を稼いで行く。
「みんなもどんどん入れるにゃ!玉入れ優勝はマオ達がいただきにゃ~」
 わー!と妖怪達がマオに続く。そしてこの年の玉入れは大運動会が始まって以来の最高記録が打ち立てられる事になるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レティシャ・プリエール(サポート)
プライド高く気の強い、ウィルオウィスプの女の子です

●依頼傾向
人助けのために魔法の力を使いたい
最終目的は知識の探求であるため、心情的に複雑な依頼でも割り切る
基本敵に同情はしません
カクリヨは例外。同胞を助けるために戦います

●戦闘
「いいわ。私の魔法、見せてあげる」
敵を観察し理論を立て、後方から魔法で攻撃することを得意とするタイプ
仲間が戦う様子を見るなどして敵の隙、弱点を伺ってから
UCで攻撃します
自信家すぎてミスすることも多々あるので、
敵の攻撃に危機一髪などの演出もOKです
仲間に助けてもらった時は強がりつつお礼を言います
「別に、助けてほしいなんて言ってないし……!」

その他、連携やアドリブお任せします


アラン・スミシー(サポート)
基本突然現れて仕事を終えたら去っていく人物です。

情報収集が必要なら他の猟兵の手の回らない所に赴き集めてメイン参加者に渡し、足止めが必要ならガラスのラビリンスを展開し、ボス的に隙がなければ視界外から援護射撃する…みたいな手の足りない所に何故か居るみたいな感じです。

説得や交渉等が必要ならなんか良い感じの言葉を言います。
例:君の正義は分かった。しかしその正義は君を救ったかい?

MSの言って欲しい都合の良い言葉をアレンジしてやってください。

武器はリボルバー銃メイン。適度にガンアクションしてもらえると嬉しいです。

「手伝いが必要かい?
「この程度なんて事はないさ
「君は君のやるべき事を



 大運動会が盛り上がる墓場にやって来たレティシャ・プリエール(西洋妖怪のレトロウィザード・f28126)は妖怪達に囲まれていた。
「あなたの火の色とってもきれい!」
 西洋妖怪ウィルオウィスプであるレティシャの夜色の髪は毛先が青白い炎になっている。それが鬼火や火を操る妖怪達の目に留まったらしい。褒められて悪い気はしないが、プライドが高いせいでちょっと素直になれないレティシャは当然ね、と澄まし顔。
「ねえねえ、一緒に花火しよう!」
「花火?」
 だからまさか手を取って誘われるとは思っていなかった。しかも―――。
「花火って……私達の炎で作るのね」
 誘われて連れて行かれた先にはレティシャを囲んだ妖怪達のように火そのものの妖怪や火を操る妖怪が集まっていた。この妖怪達は『花火』を上げて応援する盛り上げ役らしい。
「いいわ。私の魔法、見せてあげる」
 まさか『花火役』に自分の魔法を使うとは思わなかったけど、レティシャは人助けのために魔法の力を使いたい。これも人助けだと考えよう。
「私の炎は、ちょっと熱いわよ」
 空高く舞う六十を超す青白い炎はただ上に飛ぶだけでなく他の妖怪達の炎と戯れるように一つ一つが自由に空を舞い、大運動会に集まった妖怪達を大いに楽しませた。
「やあ、これはこれは。絶景だねぇ」
 夜空を染める『花火』をアラン・スミシー(パッセンジャー・f23395)の鮮やかさに思わず帽子のつばを上げて見上げていた。
「仕事も終わったし帰ろうと思ってたけど、たまにはこんな寄り道もいいかな?」
 基本現場に突然現れたかと思うとやるべきことを済ませていつのまにか去っているアランにしては珍しいことだったが、妖怪達の墓場の大運動会なんて不思議な場所にあてられたのかもしれない。
「君たち大変そうだけど手伝いが必要かい?」
「わあ!猟兵さんだ!」
「あ、コラ!まだ見つかってないんだぞ!」
 アランが声を掛けた妖怪達はとても長いしめ縄を持っていた。このしめ縄はこれから綱引きに使う物らしいが、真ん中の結び目に目印として付ける飾りがどこかに行ってしまったらしい。
「なるほどね……よし、私も手伝おう。これでも失せ物探しは得意なんだよ」
「いいの?」
「ありがとう、助かるよ!」
 こうしてアランは回りの妖怪達に聞き込みをして見事にしめ縄飾りを発見するのだが―――。
「まさか競技にまで巻き込まれるとはね……」
 しめ縄飾りを探していた妖怪達に大喜びされたまではよかったが、立ち去る前に折角だから一緒にやろうと足元にわちゃわちゃ集まって来られては逃げられなかった。
「まあ、たまにはこういうのもいいか……」
 アランは諦めてトレンチコートを脱ぐと袖をまくり上げた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

虎熊・月霞(サポート)
「まー焦らずのんびり行こー。とりあえず昼寝しよぉ」

 面倒臭いけど、僕とーじょーってねぇ。いつもどーり野太刀でバッサリと斬り捨てちゃうよぉ?
 伊吹流から派生した雷鳴を組み込んだ伊吹"雷切"流、僕の場合は『紫電』を利用した剣術を使ってー雷の速度で近付いてー敵さんを真っ二つにするよぉ。まぁ面倒臭くなったら首刎ねちゃえばいっかぁ、そうすれば大体の生き物って死んじゃうよねぇ?
 首の無い敵さん?……うん、まぁそこは高度な柔軟かつ臨機応変に対応していこー。
 あ、あとお願いされたら他の猟兵さん達と共闘もするしぃ、お手伝いもするよぉ。ご飯一回奢ってくれるならね!

アレンジ・共闘可


プリシラ・マーセナス(サポート)
『記憶はなくても、物事の善し悪しはわかるよ』
『援護は任せて!君には当てないから!』
 キマイラですが、記憶を喪失した状態でダークセイヴァーで暮らしています。
ユーベルコードはどれでも使いますが、移動手段として「黒虎」を、緊急の近接手段として「ガチキマイラ」を使い、基本的にはマスケット銃での中・遠距離戦を好みます。
 依頼内容には拘らず、手当たり次第に選ぶ傾向があります。また、一人で戦うよりも前衛の隙を補う戦法を選びます。
 相手の年齢、性別を問わず少年的に振舞います(素を出すと侮られると思っている為)。但し、咄嗟に女性的になる場合があります(驚いた時の叫び声など)
後はお任せ、よろしくお願いします!


春霞・遙(サポート)
UDC組織に所属して、UDC関連の一般病院に勤務している小児科医です。
行動の基本方針は困っている人が居るなら助けたい、人に害をなす存在があるなら退けたい。
戦う力はあまりないですけど、自分が傷を負うとしてもみなさんのお手伝いができれば嬉しいです。

基本的に補助に徹します。
「医術」「援護射撃」「情報収集」から、【仕掛け折り紙】【葬送花】での目くらましや演出、【生まれながらの光】【悪霊祓いのまじない】で照明や目印を付けるなども行えるかと思います。
攻撃は拳銃による射撃か杖術が基本で、その他はUCを使用します。
【悔恨の射手】【未来へ捧ぐ無償の愛】は基本的に使用しません。

シリアス以外ならいたずら好きの面も。



「夜の運動会もオツなものだねぇ」
 虎熊・月霞(電紫幻霧・f00285)は賑やかな墓場に眠たそうな目をくしくしとこすり……いい感じの草地を見付けて寝転がった。今は夜だから寝てもなにもおかしくない。
「あれまあいい娘さんがなにしとるかね」
 おやすみなさいと夢の中に入ろうとした月霞を引き留めたのは皺の深い老婆の姿をした妖怪だった。そんな年頃の娘がそんな草っぱらで寝るもんじゃないよと起こされた月霞が連れて来られたのが妖怪達が集まっている休憩所だった。
 飲んだり食べたりして次の競技まで休んでいる妖怪がほとんどだったが、夜型ではない妖怪がしっかり眠っている。
「猟兵さんは競技に出ないのかい?」
「次の競技がもうじき始まるけど」
「まー焦らずのんびり行こー。とりあえず昼寝……夜寝?しよぉ」
 次の競技が自分の番なのでそわそわしている妖怪にのんびり答えて休憩所に連れて来てくれた老婆の妖怪にお礼を言ってから月霞は横になった。
「起きたら参加させてもらうねぇ」
 すやあと寝入った月霞は寝る前に言った言葉通り目が覚めてから参加した競技で大いに貢献する。競技はパン食い競争ならぬまんじゅう食い競争。たっぷり食べた月霞はほろ苦いお茶もごちそうになって満足そうに味わっていた。
 さてこの墓場の大運動会だが人間がやっているのを真似したのが始まりで、やって行くうちに妖怪に合わせた内容に変わって行ったり運動会とは関係ない所でやっていた競技が混じってりしている。
 プリシラ・マーセナス(迷い子猫(21)・f21808)が参加したのは運動会とは関係ない所から引っ張って来た競技だった。
「運動会で射撃大会って、なんか違う気がする」
 記録も記憶もないプリシラだったが、競技用のライフルの動作を確認しながらこれは何か違うよね?と不思議に思いながら出番を待っていた。
 ライフルといっても見た目をそっくりにしただけのおもちゃで射程距離も短い。弾だってペイント弾だ。
 これで何をするかと言うと三人一組になって順番に撃ってぷかぷか浮いている的を撃つらしい。
「何かの歴史の本で見た気がする……」
 だれだ戦場での銃の扱い方を混ぜたの。なんてツッコミはプリシラはしなかったが。
 この競技はランダムに三人一組を組まされるので命中率以外にも三人の息が合ったチームワークも必要になると言う、そう言う所だけ真面目な競技だった。
「僕はプリシラ。銃の扱いなら任せてよ」
 記憶も記録もない僕だから何でも経験する事だって悪くはないだろう。よろしくとプリシラは同じチームになった妖怪達と握手をした。
 運動会が盛り上がる一方、盛り上がり過ぎて怪我をしてしまう妖怪も増えて来る。作られた当初は人間の真似をして作っただけの救護テントはやってみれば必須で今となっては重要設備になっていた。
 春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)が救護班に加わって忙しく働いている。最初は競技を見学していたのだが怪我をした妖怪がここに連れて行かれるのを見て手伝いを申し出た。
「はい、これで終わりです。妖怪ならすぐに治るかもしれませんが、それまで安静にしてくださいね」
 転倒した時に運悪く隣にいた妖怪に映えていた角でざっくり額を切ってしまった妖怪の手当てを終えた遙だったが、すぐに別の所へ走って行く。
「こっちのベッドに横になってください。応急処置します」
 競技中にテンションが上がってうっかり火を吐いて火傷させてしまったり、体全体がそもそも毒などで出来ているからうっかり毒化させてしまったり、腕に刃がついているので怪我をさせてしまったり、怪我の理由も傷の種類も豊富で遙は自分の医術の技術と知識を大いに活用していた。
「わるいねえ。猟兵さんに手伝ってもらっちまって」
 救護班にいるのは医術に関る能力を持っている妖怪ばかりなので遙の忙しさはよく分かっている。謝る妖怪達に遙は気にしないでくださいと笑顔を返す。遙かだって妖怪達の忙しさが分かっているのだ。
「運動会が無事終わるまで頑張りましょう」
 こうやって裏方にも支えられて墓場の大運動会は続いている。
 今年は『道』がなくなった上に骸魂に妖怪達が飲み込まれて大変な事件が起きてしまったが、猟兵の活躍によって誰一人欠けることもなく墓場の大運動会を開く事ができた。
 猟兵も加わった運動会は大変盛り上がり例年通りの小さなトラブルは起きたが、大盛況の内に夜明けを迎えた。朝日が差せば墓場の大運動会は終わり。
 妖怪達は明るくなってきた墓場を離れ取り戻された『道』を通って帰って行った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年10月29日


挿絵イラスト