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護るべきもの

#クロムキャバリア

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#クロムキャバリア


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●飛行船の墜落
 艦橋にサイレンが鳴り響く。
 赤い光が明滅し、非常事態を知らせる。
「第七隔壁損傷ッ!!」
「第三艦橋が破壊されましたッ!!」
「右推進エンジンに異常あり、高度を保てませんッ!!」
「隔壁閉鎖、間に合いません、艦内に火の手がッ!!」
 次々と入る報告。
 しかし、それはいずれも絶望を告げるものばかり。
 艦長であった男は帽子を深く被り直せばため息をついた。
「……総員、退避せよ」
 分かっている、今逃げた所で外に待ち受けるのはオブリビオンマシンの大群。
 逃げ場などはない。
 けれど、このまま墜ちるに任せ全滅するよりは、少なくても生き延びれる可能性を模索しなければならない。
「総員、退避、退避ぃッ!!」
 そう、叫んで乗員が退避しようとした時。
 閃光が走った。
「……畜生……ッ!! 化け物連中が……ッ!!」
 吐き捨てるような言葉と共に、爆炎が広がり、第一艦橋は炎に包まれていった……。

●とか言う予知
「イエス、イェーガー、予知の時間です」
 電子マップが展開され、ポイントマーカーが設置される。
 アリシエル・フィフスガーディ(五天の守護機・f09139)の展開したマップには白い光点と無数の赤い光点が示されている。
「今回は資源プラントを内包する小国の予知です」
 資源プラントを保有するその小さな国は、飛行船でそれらを輸送することで賄われている国だった。
 その為に飛行船の保有は国家プロジェクトの一つである。
 今回、その為の飛行船が満載された飛行船がオブリビオンマシンの手によって撃墜される予知がなされたのだ。
「敵性戦力は無数。それが飛行船に攻撃を加えてきます」
 猟兵たちに課された目的、それが飛行船を守り、敵戦力の壊滅である。
 キャバリアは貸与もされており、持っておらずともキャバリア戦闘は可能。
 ……最も、猟兵は生身でもキャバリアないしオブリビオンマシンとも渡り合えるが。
「単純明快なミッションです。イェーガーたちならば容易くこなせることでしょう」
 無機質な紫紺の瞳、カメラ・アイが猟兵たちを捉えた。
 感情の色は見えずとも、こめられたそれなど最早明白。
「当機は、イェーガーたちならば問題なくこの予知の打破を完遂出来ると信じています。健闘と武運を祈ります」
 そして、いつもの言葉を以てその転送門を展開した。


虎河豚天
 虎河豚の天ぷら、略して虎河豚天でございます。食べないで。
 やったー!! スパ□ボだー!! メダカだー!!(※隠語)
 出撃シーンとか熱くたぎりますよね!! ね!! ね!!
 ロボット物大好きなのでできれば頑張りたいと思っています。
 ご参加お待ちしています!!
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第1章 集団戦 『ファイアディザスター』

POW   :    ガトリングストーム
【両腕のガトリングガンの連射】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    ハウリングショット
レベル分の1秒で【両腕のガトリングガン】を発射できる。
WIZ   :    ガトリング・フィアー
【轟音を伴うガトリングガンの掃射】を披露した指定の全対象に【動けない程の恐怖の】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。

イラスト:傘魚

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

エーデル・グリムワール
我がパルミラ連合軍がキャバリアを参考に開発した魔導騎兵パルミリオン…私の手足となるか試させて頂きましょう。

私はパルミリオンに搭乗して【スーパージャスティス】の力で自身を、そして私の力をフィードバックする機体を強化して出撃。

パルミラ連合第3軍団長エーデル、出撃します!

戦場に出たら【瞬間思考力】を発揮して敵の陣容と戦力から最も適切な戦術を【戦闘知識】により導き出し、敵の【集団戦術】を挫き飛行船を守る【拠点防御】を成功させる為の戦闘機動で敵陣へ突入、攻撃を確実に【盾受け】しながら私の華麗な剣術で敵集団を斬獲していきましょう。

パルミリオンの力、思い知りなさい!

●アドリブ大歓迎です



●パルミリオン、出撃ッ!!
 艦内にアラートが鳴り響く。
 無数の敵に対するそれ、だがそれとは違うアラート。
 それは格納庫内に存在するスタッフに対するものだ。
「ハッチを開けろーッ!!」
「邪魔だ、邪魔だ、轢かれてえのかッ!!」
 アラートは鳴り響き続け、飛行船のハッチが展開される。
 重々しい駆動音が響き渡る。
 コクピット内に光が灯り、その内部が照らされた。
「システム、オールグリーン……」
 女の声が響いた。
 その美しい華のような肢体は、今は薄いゴム状の被膜に覆われていた。
 ところどころに装甲のような補強材があり、そこからはケーブルが繋がれている。
 この特殊なスーツは、パルミラ連合が新たに開発した魔導騎兵"パルミリオン"なる機体を制御・操作する為に必要なものだ。
 自身の四肢の動きをそのまま機体にトレースするモーショントレーサー。
 そして、魔法力をそのままエネルギーに変換し、出力するマギドライバ。
 これらにより、パルミリオンはエーデル・グリムワールの持つ力をそのままに発揮できる。
 否、それらを通じた力が魔導騎兵を通じて発揮されるのだから、数倍にも、数十倍にも膨れ上がるのだ。
「カタパルト、よいですか」
『安全確認完了、カタパルト用意ッ!!』
 一歩踏み出せば、パルミリオンもまた一歩踏み出す。
 足裏にカタパルト装置が固定される。
 パルミリオンの出力が通常領域より戦闘領域(ミリタリー)にへとシフトする。
『カタパルトよし、出撃出来ますッ!!』
「パルミラ連合第3軍団長、エーデル、出撃しますッ!!」
 ガンッ、と言う音が響き、固定が解き放たれ、カタパルトよりパルミリオンが射出される。
 眼下に広がるは無数のオブリビオンマシン。
 しかし、もとより一騎当千の猟兵、それが機動兵器を駆るのだ。
 そんなものは物の数ではない。
「パルミリオンの力を見せてあげますッ!!」
 エーデルのユーベルコードを通じて、パルミリオンの装甲各部が展開される。
 剥き出しになったフレームユニットが、あまりに膨大な熱量を排出する為だ。
 装甲が金色に染まり、エーデルのユーベルコードが、パルミリオンに完全に伝達された。
 眼下の無数の群れより放たれるまるで壁の如き弾幕。
 しかし、黄金の軌跡を空に刻むパルミリオンには全くかすることすらない。
 機体の圧倒的な性能、そしてエーデルの瞬間的な思考力と豊富な戦闘経験、そしてその戦術眼。
 それが適切な回避ルートを算出しているのだ。
 黄金の流星が、大地に到達する。
 同時、抜き放たれた剣。
 それにもユーベルコードが伝播し、黄金の刃と化したそれが振り抜かれる。
 まるで熱したナイフでバターを裂くかのように、何ら抵抗もなくそれはファイア・ディザスターの胴体を両断した。
 戦場、敵地のど真ん中に着弾したそれを相手にファイア・ディザスターは放火を浴びせる。
 ブースト、ステップ、黄金の軌跡が戦場を駆け抜け、鉄火の雨すらくぐり抜ける。
 当たる弾丸は堅牢な盾によって阻まれ、そしてまた一機と、黄金の剣によって両断された。
「パルミリオン、その力を思い知りなさいッ!!」
 一喝と共に振るわれた剣。
 また一機と戦場の瓦礫として散っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

緑川・小夜
[WIZ]

ふふふ…キャバリアとやらに対抗する為に作りあげたわたくしの作品!その名も肉甲冑「鵺」!初陣の時よ!

そう言いながら鈴を鳴らせば、キャバリアの同程度の大きさの、のっぺらぼうな灰色の巨人…肉甲冑の「鵺」が姿を表すわ

わたくしが鵺の体内に取り込まれる形で鵺とわたくしを同調させ、戦闘を開始するわよ

強靭な脚力による【ダッシュ】で敵キャバリアに一瞬で接近し、【早業】による選択UCで【補食】し美味しくいただくわ

有機物でも無機物でも関係ないわ、全て餌よ

敵からのガトリングによる攻撃は「持禁障壁」で防ぎ、敵のUCによる恐怖の感情は【狂気耐性】で耐えるわね

さあ、どんどんいくわよー!

[アドリブ連携歓迎です]



●肉甲冑『鵺』
「ふふふ……」
 童女は可愛らしく笑った。
 それは楽しさから出る笑い。
 そうだ、とうとう来たのだ。この時がッ!!
「キャバリアとやらに対抗するために作り上げたわたくしの作品、初陣の時よッ!!」
 緑川・小夜(黒き蝶・f23337)はそう高らかに叫ぶと同時、クルーが静止するのも構わずに飛行船から飛び降りた。
 あわや投身自殺か? と思う事なかれ。
 スカイダイビングをしながら小夜は懐から鈴を取り出す。
 ちりん――――と澄んだ瞳が響くと同時、その空間が歪む。
 歪んだ空間より現れたのは、キャバリアと同程度ほどか。
 その顔面には顔らしき顔はない、灰色の鋼が小夜の背後に現れる。
「そう、その名は、その名こそはッ!!」
 鵺の胸部装甲が開かれる。
 そこは蠢く肉塊があった。
 童女がその肉塊に取り込まれていく。
 その様は、肉塊にまるで取り食われているかの様相。
 小夜の姿が肉塊に埋もれ、消えた頃、その胸部装甲は閉じられた。
「これぞ肉甲冑『鵺』よッ!!」
 体内に取り込まれた小夜が、その名を告げれば、のっぺらぼうな灰色の巨人は動き出す。
 体内同調――――戦闘開始。
 ファイア・ディザスターの手にした大口径ガトリングが回転を開始し、無数の弾丸を吐き出す。
 無数の空薬莢が大地に落ちていき、鵺に叩きつけられた無数の鉄火。
 しかし、それは不思議な事に鵺の目の前で運動エネルギーが0になったように静止して、そして移動エネルギーを失い重力に従い落ちていく。
「わたくしの鵺にはそのようなもの、効かないわよ」
 持禁障壁――――。
 それこそがこの不可思議な現象の種であった。
 障壁によって弾丸が阻まれたのだ。
 そして、その攻撃の主は鵺の着地に巻き込まれ、足蹴にされて踏み潰された。
 へしゃげた残骸に見向きもせぬように、鵺は大地を踏みしめ目の前にいたファイア・ディザスターに踏み込んだ。
 大地に小規模ができるほどの脚力からのダッシュ。
 それは一種の空間跳躍じみた速度で間合いを殺していた。
「有機物、無機物、森羅万象何もかも――――」
 のっぺらぼうの灰色の巨人。
 無いはずの口が開かれ、ファイア・ディザスターにそれが食らいついた。
「わたくしの鵺の餌よ」
 噛み砕く音が響き、続く咀嚼音。
 鋼の装甲などは何ら意味もなく、"全て喰われた"。
 痕跡もなく、そこにあったはずの姿はまるで飲み込むように消え去った。
 ギギギ、と言う軋むように鵺は無数の敵に振り返る。
 その凄惨な光景、その異質さに臆したか、敵は一歩、退いた。
 恐怖が植え付けられたのだ。なればあとは――――。
「さあ、どんどんいくわよーッ!!」
 ――――ただのフルコース。
 残さず余さず全てを完食するだけの事。

大成功 🔵​🔵​🔵​

支倉・錫華
放っておくと、飛行船がオブリビオンマシンに撃墜されちゃうってことだね。
んー、どうかな? 傭兵は必要かな?

もし雇ってもらえるなら、
キャバリアと武装を貸してもらえると嬉しいな。それとチューニングの許可も。

キャバリアは【脈動臨界チューニング】で移動力を5倍、射程を半分にして接近戦仕様にしていこう。
武装は小さめの【RXキャバリアソード】を2本と【EPミラージュユニット】を借りていくよ。

ジャミングをかけて相手から姿を消しながら、二刀で突撃して敵を屠っていくよ。
いちおうコックピットは避ける感じでいくけど、手足は斬っちゃってもいいよね。

ミッション終わったら、ごはんは天ぷらかな? 定食がいいなぁ。



●カスタム・キャバリア
「傭兵は必要かな?」
 支倉・錫華(Gambenero・f29951)は近くにいたクルーに声をかけた。
 クルーたちは整備の手を止めずに言葉だけを返す。
「ああ、いるなら出てもらいたいぐれぇな、機体は余ってるしなッ!!」
「そう、じゃあ貸してもらえると嬉しいな、あと、チューニングの許可も」
「嬢ちゃん、エンジニアでもあったのかい? まあいいさ。終わった後に戻してくれるならなッ!!」
「ん、ありがと」
 錫華は、許可の出た量産型のキャバリアの前に立つ。
 それは広く普及しているキャバリアだ。
 それ故にその能力は平均的、悪く言えば平凡と言えた。
 コクピットに一跳躍で飛び乗れば、シートに滑り込み、レバーに手をかける。
「……チューニング開始」
 平凡で平均的で凡庸なキャバリア。
 それが今一人の少女――――AIの手で書き換えられていく。
 機動力を跳ね上げる。
 射撃武器はいらない、接近戦ですべて仕留める。
 選ぶ武装は一対のブレード、そしてミラージュユニット。
「大丈夫、いける」
『おらッ、てめえら傭兵の嬢ちゃんが出るぞッ!! カタパルト開けろッ!!』
 クルーの声が響き、カタパルトデッキが展開される。
 踏みしめた脚部が固定された。
『安全確認完了、いつでもいけますッ!!』
「出るよ」
『発進どうぞッ!!』
 射出、同時固定解除。
 空に躍り出た錫華のキャバリアは、ブースターを点火する。
 機動力を重視して調整したが故にその速力は優に5倍。
 吹き飛ぶような、と呼称してもおかしくない速度。
 相応のGもかかるはずなのに、内部の錫華は涼しい顔をしていた。
「ミラージュユニット展開」
 同時、ジャミングを展開する。
 その機体は虚空に霞むように消えていく。
 光学系センサーやパッシブセンサーでは最早錫華のキャバリアは捉えられない。
 精密な操作で降り立つ。
 恐るべきはその精密、否、緻密さである。
 巨大人型兵器で、まるで暗殺者のように音もなく降り立ったのだ。
 この操作の難易度がどれほどのものかなど、言うに及ばないだろう。
 戦場に潜む暗殺者、その物理実体剣二刀が閃く。
 敵からすれば虚空からほとばしった斬撃で自身の手足がもがれたようなものだ。
『なんだッ!! 何が起きたッ!?』
『敵影確認出来ずッ!!』
『てめえら馬鹿か、カメラとパッシブセンサーが使えねえならアクティヴセンサーを使えッ!!』
『ダメです、ジャミングがかけられていますッ!!』
 敵の通信を傍受しながら、錫華は黙々と作業を続ける。
 コクピットはできる限り傷つけない。
 だが、手足はもぐ。
 行動不能にしてしまえば、できる事などは何もない。
 それはまさに作業としか言いようがない。
「……今日は天ぷらかな。……定食がいいなぁ」
 こんなふと思いついたような戯言が漏れるほどには。

大成功 🔵​🔵​🔵​

上野・修介
※連携、アドリブ歓迎
「キャバリアか」
敵は重火器を備えた鋼の巨兵。
対してこちらの武器は生身の五体。

「推して参る」

だが、闘りようはある。

得物は徒手格闘

先ずは『観』る。
呼吸を整え、無駄な力を抜き、目付は広く、周囲の地形状況、敵味方の戦力の数と配置、陣形を確認。

武装に対して足回りは構造的に貧弱に見える。
先ず敵の懐に飛び込み、足元から崩す。

他の猟兵の攻撃に合わせて敵陣側面から中央に向かって突貫。
UCを地面に叩き込み、敵の態勢を崩す。

立ち回りは姿勢を低く、囲まれないよう敵の懐から懐に渡るように常に動き回る。
基本的には足回りと肩回りの関節部を狙い、戦闘力を奪って極力パイロットを殺さない様に注意。



●徒手空拳、己が身一つで参る
「キャバリアか」
 上野・修介(吾が拳に名は要らず・f13887)は眼下に広がる無数の巨兵を見て呟いた。
 重火器を備えた鋼の巨兵。
 その武器は言うに及ばず、その拳一つでもかすれば弾け飛ぶだろう。
 否、足踏み一つで死に至りかねない。
 修介には、巨兵を操る術はない。
 それ故に、その武器は生身の五体。
 傍から見れば勝ち目などはない。
 修介は、クルーの静止を効かずに飛び降りた。
 蒼穹を切り裂く弾丸の数々。
 ――――かすれば致命。
 だが、そんなものいくらでも"闘りようはある"。
 そうでなければ、猟兵などと名乗れない。
「推して参る」
 放たれた弾丸、自身の身の丈に匹敵するようなサイズのそれを足場にする。
 するべきは『観』る事。
 呼気は整え、無駄な力は抜き、目付けは広く。
 周囲の地形の状況、彼我の戦力差、その配置、陣形。
 敵は重武装である。
 だが――――。
 人型兵器とは、否、そもそも"二足歩行"とはバランスが悪いものだ。
 そして、それは巨大化すればするほどに比重は悪くなる。
 当然のことだ。
 最も多く"内蔵"を配置できるのは胴体。
 それ故に人型兵器はどうあがいた所で胴体が重くなる。
 いわば、巨大な雪だるまに棒のような手足が生えたようなもの。
 それを支えるだけの出力を生み出せる脚部構造はまさに革命的・革新的な発明だっただろう。
 ――――最も、修介にはそこまで"理屈"が分かっているわけではない。
 ただ、『観』てとって、構造的に足回りが弱いと判断しただけだ。
 味方たちの大暴れに合わせ飛び込み、踏み込む。
 巨兵が入り乱れる戦場に生身一つ。
 踏み潰されれば終わるような命。
 しかし、それ故に。
「足元がお留守だ」
 呼気を正し、無駄な力を抜き、踏み抜くは敵にあらず。
 その大地――――。
 陥没するほどの一撃が大地に与えられ砕け散り、破壊される。
 ぐらり、と無数のファイア・ディザスターが局所的な地盤陥没に巻き込まれ転倒していく。
 ドミノ倒しのように次々と絡み合いながら倒れ、破損し、崩れ落ちる。
 ただ生身一つでこれほどのキルレシオを叩き出した事は最早驚嘆に値しよう。
「次だ」
 人体は構造上関節が弱い。それ故に関節を積極的に狙い、破壊する関節技と言うものが生まれた。
 しかして、それは人型である以上巨大兵器であっても逃れられない理屈。
 挙動を低く、囲まれぬよう、圧殺されぬように踏み込み、跳躍。
 大地を陥没させるほどの一撃が、膝の関節機構に叩き込まれる。
 足が砕け散り、それはそのまま崩れ落ちていく。
『馬鹿な……生身だぞッ!? 正気かッ!!』
 正気かどうかで聞かれたら、狂気であろう。
 されど、先刻告げた通りである。
「闘りようは、いくらでもある」
 生身であっても、巨兵は砕ける。

大成功 🔵​🔵​🔵​

死之宮・謡
アドリブ歓迎

第一艦橋…第三じゃないのか…?違ったか

この手の戦線は久し振りな気がするな…だがまぁ沈むなら沈めば良いと思うぞ?この私はな…元来自然世界に於いて自衛もできん愚か者に生き永らえる資格などありはしないのだから…
まぁ良い…勘を取り戻しながら殺るか…

【天翔る狂気】発動
飛翔して旋回しながらクレイアスターによる連撃(呪詛・2回攻撃・砲撃)
その後レ・フィドラを構えて突撃して残党狩り(鎧砕き)



●第三艦橋は被害担当
「第一艦橋……第三じゃないのか……?」
 死之宮・謡(狂魔王・f13193)は呟いた。
 彼女にとって被害担当は第三艦橋である。
 誰だ、この人にいらん知識を吹き込んだのは。
 実際第三艦橋のダメージコントロール力はずば抜けているが。
「……違ったか」
 まあ、そんな些細な事はどうでもいい、と謡は投げ売った。
 今、目の前の状況においてはどうでもいいのだから。
「……この手の戦線は久しぶりな気がするな……」
 謡にとってこの艦は護るに値しない。
 沈むべきなれば、沈むべきである。
 元来、自然界において自衛出来ぬものは生き長らえる事は出来ない。
 弱肉強食、弱き者は強者の糧になるしかない。
 それ故にまた、弱い生き物も自衛の為に様々な手段を編みだすのだ。
 毒然り、隠密手段然り。
「……まぁ良い。勘を取り戻しながら殺るか」
 気怠げに謡は赤黒いオーラを纏い、甲板より飛び降りた。
 勘を取り戻す、それは即ち、殺戮と蹂躙。
 元より、謡と言う存在はそれに特化し、それを好む"生き物"である。
 圧倒的強者、それ故に、ありとあらゆるものは弱者であり、糧とするもの。
「多少は愉しませろ」
 手にした大弓、この世界においてはあまりにも原始的な機構のそれ。
 されど、こめられた呪詛の量、エネルギーに換算すれば大口径のエネルギー砲すら超える。
「射抜け、クレイアスター」
 弦より指が離され、特大の呪詛が降り注ぐ。
 あまりにも凝縮した怨念の如き呪いは闇色の光となって戦場を飲み込んだ。
『なんだ!? 新手かッ!!』
『砲撃……ッ!! 艦砲にも匹敵するぞッ!!』
『周囲に艦影なんざねえぞッ!!』
『発射源、特定……そ、そんな……ッ!!』
 よもや、艦載砲に匹敵する砲撃。
 それがただの個人から放たれたと誰が思おうか。
『ば、化け物……ッ!!』
 恐怖は生まれ、それは戦場に伝播する。
 誰しも命は惜しいもの。
 今や、恐慌状態に陥った戦場にいる有象無象は生き残る事しか考えていない。
「生き残れたのならば、殺すのは許してやろう――――」
 大槍が振るわれ、超高速のチャージ。
 突進の一撃でコクピットは撃ち抜かれ、中央より爆散した。
 血糊を払うかの如く大槍を振り回せば肩に担ぐ。
 爆風が、謡の衣服をたなびかせた。
「せいぜい愉しませろ、雑草」
 ――――ただ一人の破壊。
 ――――ただ一人の蹂躙。
 崩壊した戦場は、平らげられた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『セラフィム・リッパー』

POW   :    断罪の剣
【無敵斬艦刀】が命中した対象を切断する。
SPD   :    エンジェルビット
自身が装備する【BS-Fクリスタルビット】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    フォールンウイング
【光の翼】を向けた対象に、【プラズマビーム】でダメージを与える。命中率が高い。

イラスト:棘ナツ

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●空を切り裂いて
 崩壊した戦場、蹂躙される有象無象たち。
 そんな最中、新たな報告がもたらされる。
『敵の増援を確認ッ!!』
『数はッ!!』
『そんな……一機だけ……ッ?!』
『たかが一機で何ができると言うんだッ!!』
『いいえ、このエネルギー量……ッ、オブリビオンマシンですッ!!』
 絶望がもたらされる。
 恐るべき破壊をもたらすオブリビオンマシン。
 それはたかが一機、されど一機。
 基本的に数と言うのはあればあるほど有利である。
 それ故に戦場とは数が多い方が勝つ。
 だが、歴史には一騎当千と謳われるものは多くいる。
 ただ一人の将に、千の兵がいると言われるソレだ。
 そして、オブリビオンマシンとは、そう言う存在。
『イレギュラー……これが猟兵と言うものか』
 無数の有象無象を蹴散らした一騎当千たち。
 それを前にオブリビオンマシンは滞空しながら巨剣を抜き放った。
『だが、こちらとて一騎当千。その艦、沈めさせてもらうぞ』
 セラフィム・リッパーの背面ブースターの光が灯り、超高速で戦場に降り立った。
エーデル・グリムワール
あれは…エースですね、個の力で戦局を左右し得る存在。
ならば私も全力にてお相手しましょう!

パルミリオン内にて【孤軍奮闘】を発動、軍団を呼び出す力を代償に私の力を極限まで高め、それをパルミリオンにフィードバックし一騎当千の戦闘力を得ます。

魔導騎兵は…こういう芸当も出来ます!

初手は攻撃魔法の連射による【制圧射撃】を敢行、熱線や氷槍を無数に射掛けて敵の機動や攻撃手段を【瞬間思考力】を用いた超【学習力】で把握します。

軍師こそが最強の兵である、それこそが究極最高の軍隊の在り方なのです!

読み切った敵の情報を【戦闘知識】で咀嚼し、完璧なタイミングの【盾受け】で一撃を防いでから返し刃の一閃を見舞いましょう。



●エースアタッカー
「あれは……エースですね……」
 エーデル・グリムワール(魔軍師・f25392)は蒼穹を切り裂いた機体を見上げる。
 熾天使の刃と名付けられたその機体、一騎当千、そう言った存在を人は"エース"と呼ぶ。
 エースの力は個でありながら戦況を左右するのだ。
 その圧倒的な戦闘能力で。
 そして、その絶大なまでの力をもってして味方を震え立たせるもの。
 それこそがエースと呼ばれる存在。
『不味い……!! ありゃ紛れもないエース級……!!』
 事実、その出現だけで飛行船から漏れ出る通信には恐怖と驚愕が走っている。
 ならば、エーデルがするべきは一つ。
「全力にてお相手しましょう――――!!」
 あちらがエースならば、こちらもまたエースなのだ。
 孤軍奮闘――――エーデルのユーベルコードが機内で迸る。
 魔剣ゾルダート……数多の軍勢を呼び寄せる為の力、その力に枷をはめて。
 ただ一人が為の剣と為す理外の法則。
 エーデルの力が膨れ上がり、放出された膨大な闘気が可視すらできる。
 ――――そう、それは一見すれば意味がない。
 ただ、個人の戦闘能力を極限まで高めた所で、キャバリアを駆るこの地においては無意味だ。
 圧倒的な生身個人がいた所で、巨大人型兵器の前では塵芥に等しい。
 だが、ここにいるのはただのキャバリアではない。
 パルミラ連合が総力を結集して作り上げた魔導騎兵。
 個人の戦闘力をそのままフィードバック出来る特殊な、否、特異な機体。
 彼女の為に作り上げられた最強にして最高の機体、パルミリオンだからこそ。
『なんだ……!? このエネルギーゲイン……ッ!!』
 目の前の標的のエネルギーが跳ね上がった事でセラフィム・リッパーのパイロットは驚愕する。
 彼にとって未知の技術たるそれは、技師ではない彼には見抜けなかった。
『リミッターを外した? 馬鹿な、それにしたとて限界があるっ!!』
「魔導騎兵は、こういう芸当も出来ますッ!!」
 無数に展開される魔法陣、四方六方八方上下左右。
 包囲するように展開されたそこより熱量を帯びた光が、氷の槍が生成され放たれていく。
『なんだ……ッ!? 魔法ッ!? 馬鹿な、そんな非現実的なッ!!』
「目の前で起こっている事実を否定するのは愚か者のすることですッ!!」
 初見の不可思議な現象に対して、対応できているだけあって流石のエースといえるだろう。
 だがしかし、それはエーデルの思うツボである。
 その行動全てを記憶し、演算し、把握する。
「――――底は知れました」
 完全に最早計算に落とし込むことが出来た敵の挙動。
 ブースト、パルミリオンの躯体が光を噴き出し高速で肉薄する。
『馬鹿め、一直線になぞ……ッ!!』
「いいえ――――最高速で、最短で、そして"見切っています"から」
 突き出された物理実体剣は、パルミリオンの盾型装甲によって流された。
 振り払われた剣、それは確実にセラフィム・リッパーを捉えた。
『ちぃッ!!』
 しかし、敵もエース、常人離れした超反応。
 パルミリオンの刃が敵背面スラスターを切り裂いた。
「軍師こそが最強の兵である、それこそが究極最高の軍のあり方なのです」
 超高速飛翔機体であるセラフィム・リッパーの背中のスラスター。
 それはいわば鳥にとっての翼。
 エーデルは完全に最高にして最強の武器、その一つを奪い去ったのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

緑川・小夜
[WIZ]

うんうん。鵺のテストは良好、実に満足いく結果だわ

この調子で、オブリビオンマシンとの戦闘テストも行っていくわよ!

選択UCを発動。このUCは、装備ごとわたくしの分身を作成するもの
すなわち、わたくしを含めた17体の鵺がここに現れることになるわ

さあ、数の暴力を味わって貰おうかしら?

というわけで分身の鵺と共に【ダッシュ】で一気に接近するわ

相手の攻撃は「持禁障壁」で防御と、【見切り】で回避を。万一分身が倒されても、本体であるわたくしが無事なら何度でも分身は生み出せるのよ!

あとは敵を分身と共に「怨獄の槍」で【串刺し】にしていくわね

…鵺の量産も考えようかしら?

[アドリブ連携歓迎です]


支倉・錫華
一騎当千……そこまで自惚れるつもりはないから、
わたしはみんなといっしょに戦わせてもらうよ。

【EPミラージュユニット】はそのまま使用して、ジャミングをかけつつ攻撃していこう。
チューニング的に、オブリビオンマシンの攻撃が当たると危なそうだしね。
「なんだから当たったら痛そうな剣だね」

みんなと連携しつつ【モーターブーム】を使って、
スピード勝負のヒットアンドアウェイ。
一撃当てたら一度引いて、を繰り返して、相手を削っていきたいな。
「でもそんな大振りの一撃、簡単にはあたらないよ」

とどめの一撃はちょっと難しいかもだけど、そこまでの道筋なら作れるよね。
相手の意識を散らしつつ、ダメージを重ねていきたいと思うよ。



●一騎当千なれば
「一騎当千……そこまで自惚れるつもりはない」
 支倉・錫華(Gambenero・f29951)は、ミラージュユニットを起動させる。
 キャバリアの姿が掠れて消えていく。
 同時、レーダーへのジャミングをかける。
『ジャミング? 小癪な真似を』
 もとより錫華は単独で事にあたる性格ではない。
 このジャミングとて、自分の為でもあるが同時に自分以外の誰かの為にもある。
 加速。
 相手の武装は白兵戦特化。
 まともに接近戦をやりあえば、勝てる道理はない。
「突貫する……!!」
 まともに当たれば一撃で両断される剣。
 競り合う必要などは存在しない。
 さらにスロットルを踏み込み加速する。
 ショートソードに質量と速度を載せて、かすめるように斬りつける。
 装甲を削り、裂傷が刻まれる。
『そこかッ!!』
 振られた剣よりも速く、錫華の機体は離脱していた。
 躯体の足が地を刻み、そこを支点に展開。
 ブースト。
「……ッ!!」
 恐るべきGが錫華を蝕む。
 だが、そうでなければ"捉えられる"。
 何度も何度も斬撃を重ねていく。
『ちッ!! ちょこまかとッ!!』
 とうとう、その斬撃が錫華を捉える。
 大振りの実体質量剣が振り下ろされ、ショートソード二振りがそれを受け止める。
 軋む音、散る火花。
 じょじょに押し込まれていく。
『このまま両断してくれるッ!!』
「……いいのかな」
 錫華は接触回線で小さく呟いた。
 確かにこのままであれば、敵機体の剣は錫華のキャバリアを両断するだろう。
 だが、先も言った通り、"錫華は単独で事にあたる性格ではない"。
「ええ、ええッ!! 隙だらけでしてよッ!!」
 緑川・小夜(黒き蝶・f23337)の操る鋼ののっぺらぼうがそこにいた。
 理外の力が発動し、無骨で、不気味な鋼の巨人が17。
『なッ!? 光学系センサーに対するハッキングかッ!!』
「いいえ、違います」
 そう、それはハッキングによるセンサー誤認ではない。
 ジャミングによるセンサー誤認でもない。
 小夜と"鵺"が正真正銘、17体そこに存在するのだ。
 踏み込むその一足が大地を砕き、セラフィム・リッパーを蹴り上げた。
『がッ!?』
 機体に伝わる衝撃、そして吹き飛ぶ際にかかるGがパイロットを圧迫する。
 続いて、鵺たちが跳躍し、手にした槍を突き立てる。
「1つ、2つ、3つ、4つ5つ6つ7つ8つ9つ、とおッ!!」
 10もの槍に串刺しにされたセラフィム・リッパー。
 されど敵もさることか、己の武器と、致命的な箇所の破損は回避していた。
 ブースト、一気に距離を取り、滞空する。
『侮っていた……魔法かなにかか?』
 剣を抜き払えば、生き残ったブースターに出力を回す。
 死地に追い詰められた獣が何をするかなどは言うまでもない。
『だが、まだ終わらんぞ……!!』
「ええ、こちらもまだ性能試験が終わってませんもの」
「次は仕留めるよ」
 17の鵺が槍を構え、錫華のキャバリアがショートソードを構え直した。
 超高速の衝突は幾度となく大気を震わせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

上野・修介
※連携、アドリブ歓迎
「所謂エース機か」

先ほどの雑魚とは格が違うようだ。

「さて、どうするか」

調息、脱力し先ずは『観』る。
地形状況、敵味方の戦力と配置を確認。
UCは攻撃重視

周囲の岩石、瓦礫、キャバリア残骸等を打撃で敵に向かって飛ばして味方を援護すると共に敵の反応速度と斬艦刀の間合いを確認。

相手が動きを止めたところで突貫。
捨て身の覚悟と見せて真っすぐ低い姿勢で突っ込むことで振り下ろすような攻撃による迎撃を誘う。

体幹と重心の向き、関節の駆動から攻撃の向きとタイミングを見切り、衝突の直前で地を打撃し、急ブレーキを掛けて攻撃を遣り過ごし虚を衝くと同時にその勢いを利用し懐に飛び込み、渾身の一撃を叩き込む。



●四肢十全
「所謂エース機か」
 上野・修介(吾が拳に名は要らず・f13887)は、猟兵たちの戦いを通じて、破損しながらもなお、未だに致命的損壊を許さぬセラフィム・リッパーを見上げた。
 流石にエースと言うだけはあり、雑魚とは違う。
「……さて、どうするか」
 修介は生身でしかない。
 生身の人間が巨大な人型兵器とやり合うのは実際無謀にも程がある。
 それが雑魚ならばいざ知らず、相手はエース。
 普通に挑めば勝ち目などは存在しない。
 猟兵たちとの戦いをみながら、まずは"観"ることにした。
 己の能力、敵の戦力、味方の戦力。
 地形の状況、配置状態、敵の残骸――――。
 感じ取れ、この戦場を俯瞰し、ありとあらゆるものを利用し尽くす為に。
 ――――残骸。
 それに触れる。
 鋼の冷たさが手に伝わる。
 質量は十二分。
 呼気を正せ、力は必要最小限でいい。
 全身に血を巡らせ、肉体を活性化させる。
「……フッ!!」
 呼気一つと同時に、残骸に打撃する。
 それが軽く浮き上がった。
 同時、拳を打ち放つ。
 衝撃と共にそこが陥没する。
 有り余る力が、その残骸を加速させる。
 猟兵と切り結んでいたセラフィム・リッパーが飛来する質量物質に気づき、急速加速。
 一気に後退した。
 随分と派手に避けたが、それでいい。
 反応速度、そして、敵の得物たる戦艦をも断つ剣の間合いはしれた。
『チッ?! 生身だと……!?』
 質量物を投擲(?)したであろう人影を捉え、セラフィム・リッパーのパイロットは驚愕した。
 まさかのただ一人の人間がそれを為したのだ。
 だが、それも今更。
 魔法のような現象が飛び交う今、ただの人一人がそれを為してもおかしくはない。
『先んじて潰すッ!!』
 全力の加速、斬艦刀を構え突撃。
 速力は読んだ、人型兵器である以上、体幹も人とほぼ同様。
 歪なのはその重心構成のみ、しかしそれも見て取れた。
 関節の駆動、攻撃の向き、最早見切った。
 振り下ろされた剣、それが己の身を砕く前に、地を砕いた。
 強烈な踏み込みによって、地を砕いた修介は同時飛び退く。
 己の数十倍とあるその巨大な刃が真横に降り注いだ。
 呼気を正し、適切な力のみを絞り、踏み込む。
 また地が砕ける、破片の一つ一つ、それを受け流し一歩。
 拳を放てば、刃に反して小さな拳が剣身に突き刺さる。
 ピシリ、と言う音が響き、打拳した所よりヒビが走った。
 さらにもう一歩。
「力は溜めず、息は止めず――――意地は貫く」
 これが、己の意地である。
 踏み込み、打ち放った拳。
 それは刃を砕き、そして、へし折った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

死之宮・謡
アドリブ歓迎

ほうほう…漸く来たか…愉しめそうな相手が
艦を沈めたいのか?別に構わん…と、言いたいところだが貴様の思惑を通すのも不快なのでな。邪魔させて貰おうか?
諦めて此処で私と遊んで死んでくれ、拒否権を与える心算は無いがな

引き続きの空中戦。減衰結界(呪詛・占星術)を展開しながら先程と同じようにクレイアスターによる「砲撃」で攻撃
適当なところで闇呪宝玉を双刀に変えて近接戦闘(鎧砕き・怪力)
最後に【一閃】を叩き込んでフィニッシュ



●斬殺の剣
「ほう……」
 死之宮・謡(狂魔王・f13193)は漸く来たそれに歓喜した。
 雑魚ばかりは飽きていた。
 漸く愉しませてくれそうな相手が来た。
「艦を沈めるのが目的か……」
 別に謡としては沈められても構わない。
 適者生存、弱肉強食。
 本来生き残れるはずがないものが生き残ることがおかしいのだから。
 しかし、ああ、だがしかし。
「貴様の思惑を通すのも不快だ」
 自身の愉悦、快不快の為だけに謡は動く。
 愉しめそうな相手なのだ……ならばそれを阻むように動いた方がよほどに楽しい。
 血色のオーラを纏ったまま、謡は懐に飛び込む。
『また生身だと……!! しかも飛行までッ!!』
「なんだ、飛ぶ事もできんのか?」
 それが出来るものは普通ではない。
 だが、彼女は普通ではない世界に生きてきた。
 巨大人型兵器? 巨大な石像? 竜? 妖怪?
 多くの異形と命を削り合ってきた。
 それ故にこの眼の前にいるのはただの鋼と何ら代わりもしない。
 振るわれた剣は折れたそれではなく予備の剣。
 しかし、それは呪詛なる結界に阻まれる。
 剣が蝕まれ、刃より欠け落ちて、赤錆びていく。
『なんだ……なんなのだッ?!』
「見ての通りだよ」
 闇色をした弓より膨大なエネルギーが放たれる。
 それが右腕を肩口よりえぐり取った。
 何度も砲撃を加えていく。
 足が抉れた。翼がえぐれていく。
 それでもなお、足掻き、藻掻き、飛び続ける様はまさに強者と言ってもいいだろう。
 だが――――。
「残念だったな」
 闇色の宝玉が双つの刃にへと形を変えた。
 空間を歪めたかの如き疾駆。
 かろうじて反応できたのはエース故か。
「この場では私のほうが強い」
 振るわれた光の斬閃。
 それが遂にセラフィム・リッパーの武器であり、命たる飛行ブースターを斬り断った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クリスティアーネ・アステローペ
巨人型の戦闘用兵器…他の世界でのイラストとかには見たけれど、この世界だと実用なのね
折角ですし使ってみましょうか……壊しちゃったらごめんなさいね?

急加速による《先制攻撃》からの実体剣での近接戦闘に
移動を続けながらも剣戟の間合いを保って、死角を《見切り》そこに入り込むことで光の翼の照準を合わせづらくするわ
……ええ。射撃系の武装もあるにはあるのですけど
まずは近接戦闘の動きを覚えてから。結構忙しなくってこれ

とはいえ、慣れない操縦じゃ最後の一手が届かないわね
緊急脱出機構とやらで外に。【嵐と雷】の権能を呼び起こして
愛用の斧槍、フランツィスカによる《鎧無視攻撃》で一撃、入れに行きましょう



●慣れぬ武装
「巨人型の戦闘用兵器……」
 クリスティアーネ・アステローペ(朧月の魔・f04288)は見上げる。
 他世界ではイラストや模型として存在した。
 荒唐無稽な兵器。
 現実的な運用の問題、開発技術、それより有用な武装類。
 様々な理由で実運用されなかったものが、今目の前にあった。
「……壊しちゃったならごめんなさいね?」
 するり、と身をコクピットに滑り込ませ、クリスティアーネは機体を起動させ飛び出していく。
 様々な計器、視線を走らせながら、手元のレバーで操作しながら、スロットルを最大まであげる。
 その動きはてんで無茶苦茶だ。
『素人か……ッ!!』
 だが、猟兵との戦いでぼろぼろになったセラフィム・リッパーではその動きにすら追いつけない。
 否、違う。
 機体も、パイロットの事も考えぬ急加速、急旋回。
 普通ならば中身はしっちゃかめっちゃかになってお陀仏だ。
 猟兵だからこそ、普通ではない中身だからこそ出来る"むちゃくちゃ"だ。
『何故動けるッ!!』
 折れた剣が振るわれるが、実体剣がそれを弾きあげた。
 クリスティアーネは、あり得ざる挙動をしながらせわしなく操作を続ける。
「結構忙しないわねこれ……」
 射撃武装? 存在する。
 しかし、今は操作に慣れるのに手いっぱいだ。
 彼女にとってこれはチュートリアル。
 実戦がそれと言うのも、恐ろしい話だ。
 どこまで動けて、どこまで出来るか、ただ手応えを知りたいだけのそれ。
 切り結びながら、遂に折れた剣がクリスティアーネのキャバリアに損壊を与えた。
「……嗚呼、やはりダメね」
 リジェクトシートを起動、コクピットが排出される。
 同時、コクピットからクリスティアーネは飛び出した。
 力は此処に、少女の翼は空を裂く。
 真紅の瞳が見開かれ、その背に皮膜の翼が広げられる。
『馬鹿なッ?!』
 脱出前にキャバリアには組み付くように自律制御しておいた。
 動きを封じられたセラフィム・リッパーに逃げる手はない。
 手にした矛槍に、荒れ狂う嵐と雷が宿る。
「ありがとう、ある程度は分かったわ」
 それはさよならの挨拶。
 振りかぶった矛槍は超高速で放たれ、組み付いたキャバリア諸共セラフィム・リッパーを貫いた。
『こんな、最期が……私、のッ!!』
 膨大なエネルギーにコアを貫かれ、エネルギーがそこから溢れ出す。
 キャバリアが爆発し、その爆発エネルギーと、フランツィスカのエネルギー。
 その二つが襲いかかり、そして、セラフィム・リッパーはパイロット諸共爆炎に飲まれて、そして閃光と熱と共に消えていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『光る宇宙』

POW   :    星空を展望する

SPD   :    星空を撮影する

WIZ   :    星空を観測する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●光る宙
 ――――こうして飛行船は護られ、無事に目的地に辿り着いた。
 戦いは終わり、日は沈んだ。
 空に広がるは無数の星々。
 この世界の人間たちには決して手の届かぬ無限の空。
 瞬く輝きに人々は何を思うのか。
 届かぬ星に手を伸ばすのか。
 あるいは、それは夢と諦めるのか。
 猟兵たちにはそれは知った事ではない。
 だが、それでも星はそこにあった。
支倉・錫華
ホバーキャリアで借りたキャバリアのチューンを戻しつつ修理したら、
これでなんとかひと息つけそうかな。

これで温泉とかあれば、アミシアといっしょに入りたいところだけど、
綺麗な星空だけでもなかなかのものかな。

アミシアにも実体化してもらったら、
キャリアのそばでたき火をしながら、いっしょにごはん食べよう。
キャンプみたいでちょっと楽しいね。

ついさっきまで激戦だったはずなんだけど、
星空はいつも変わらない。どこで見てもだいたい変わらない。
星からしたら、わたしたちの戦いなんて小さなことなのかもだね。

でもそれは確かに「ある」ことだから、見ないフリもできないなぁ、なんて。

……ちょっと柄にもないこと、考えてるかな?



●星の下の夕食
「……はぁ……」
 支倉・錫華(Gambenero・f29951)は激戦を終えて、共に戦った戦友の整備を終えた。
 これにて漸く一息つけた、と言うところか。
 満点の星空を見上げながら一人つぶやく。
「……これで温泉でもあればなあ……」
 流石にそこまではワガママか、と笑った。
 あればアミシアと共に入るのも一興ではあったのだが。
 薪を燃やし、焚き火に、そこに腰掛けた。
 ウィンドウ展開、実体化プログラム-ON。
 パートナーユニットたるアミシアが実体化する。
 さあ、夕ごはんにしよう。
 今日のご飯は天ぷら定食にすると決めていたのだ。
 野外での天ぷらなんて豪勢なご飯だ。
「キャンプみたいでちょっと楽しいね」
 パートナーと共に食べるご飯ならば、なおさらだ。
 肩越しに振り返れば、ホバーキャリアの向こうに広がる残骸たち。
 刃で刃を払い、血で血を洗う激戦の後。
 誰かが死んで、誰かが生きる。
 そんな弱肉強食の世界。
 されど、そんな戦場であっても。
 平和な町中であっても。
 物騒な廃墟の中であっても。
「……星空はいつも変わらない……」
 どこで見ても、それに変わりはない。
 星と言う巨大な天体スケールにとっては人々の事など些細な事でしかないのかもしれない。
 けれど、そこで息づく人々にとっては、それは確かにあることであって。
 無視できない現実であって、否定できない事実である。
 だからこそ、見ないフリなんてものもできなくて。
 アミシアが錫華をそっと揺らした。
 それに気づけば、錫華は小さく苦笑いを浮かべる。
「……ちょっと、柄にもなかったかな」
 相棒に小さく謝れば、つまんだそれを口に放り込む。
 さくり、と言う食感が伝わった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エーデル・グリムワール
戦い終われば将たる私に為すべき事はなく、語らう友もいない女一人きりでコックピットを開け星でも眺めましょう。

この世界では空を駆ける事は殆ど無く、星に手が届く事は無いという。
それは私の住む世界とて同じだ、魔導技術の粋を尽くしパルミリオンのような超兵器を作っても、恐らく星に手は届くまい。
いや…そもそも星へと焦がれる事がないのだ、客観的に見れば幻想と奇跡が跋扈するA&Wでは。

意味も無い思考、されど一国の重臣として考えねばならぬ事。
超越した技術、猟兵という埒外の力、異世界…私はこのクロムキャバリアという世界に何を残し、何が出来るだろうか。

星達は何も答えはしない、ただ煌めくだけ…それだけだ。

●アドリブ歓迎



●届かぬ星
「……」
 エーデル・グリムワール(魔軍師・f25392)はパルミリオンのコクピットを展開する。
 夜の涼やかな風が頬を撫で、その黒い髪を揺らした。
 頭上に広がるは満点の星空。
 それに手を伸ばすが届くわけがないのが道理。
 否――――その頭上の輝きを掴み取れる"世界"はそう多くない。
「……星、か……」
 アックス&ウィザーズにおいても、この世界においても。
 あらゆる技術の粋を結集し作り上げた超兵器であっても。
 この天に瞬く煌めきには決して手は届かない。
 ましてや、この世界ではその下にある空にすら手は届かないのだ。
 ある世界においては、その届かぬ星を渇望し、星の海を旅したと言う。
 ――――あの世界のみは唯一、星に手が届き得る。
 しかし、あの世界においても星は手には届かないのだ。
 でなければ、星を求めて永遠に等しい旅などはしないのだから。
 アックス&ウィザーズに存在する一国家の重臣、エーデル。
 幻想と奇跡が跳梁跋扈する幻想世界では、その星に思いを乗せる事はあれど、その星に焦がれる事はない。
 意味もない、意義もない、無為なる思考。
 それが一市民であったのならば、とりとめのない戯言にしか過ぎない。
 だが、エーデルは重臣である。
 国家を先導する立場の者故に、それは無意味にしてはならない思索。
 幻想と奇跡、それは確かにこの世界の技術の一部を凌駕する。
 だが、大半の技術は圧倒的に劣る。
 その超技術、そして、自身に宿した理外の力。
 猟兵と言う埒外の存在。
 数多に広がる無数の異世界たち、その中の一つ、クロムキャバリア。
「私は……この地に何を残し、何が出来るのかしら――――」
 問いかけは夜空に消えた。
 星たちは何も答える事などはしない。
 ただ、そこにあるがまま、煌めき、瞬くだけ。
 数千、数万、数億と言う刻の彼方の煌めきがそこにあるだけであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

上野・修介
※絡み・アドリブ歓迎
「さて、終わりか」

まず周辺を探索【視力+第六感+情報収集】し残党や伏兵などを確認。
キャバリアの残骸やその周囲に脱出し損ねたり、負傷などで動けなくなっている兵士が居たら搬送と手当を行う。

確認し特に問題なければ、飛行船を安全圏まで護衛する。
(この世界の国家について、個人的な興味もあるので)

監視所にて周囲を警戒しつつ先ほどの戦闘の振り返る。

一つの戦いは終わった。
なら次の戦いがある。

――行住坐臥造次顛沛

思考は途切れず、次を、先を見据える。

(補足:非戦闘時、誰かと話すときは基本的に年齢性別種族関係なく敬語。呼ぶときは左に来る名前(姓・名なら姓、名・姓なら名)+さん付け。)



●次なる道を
「――――」
 上野・修介(吾が拳に名は要らず・f13887)はその意識を周囲に巡らせる。
 残党、伏兵の存在。
 あるいは、残骸に埋もれた負傷兵たち。
 それらの気配に気を巡らせ――――やがて吐息を一つ漏らした。
「終わりか」
 最早ここに敵はなく。
 最早ここに用はない。
 されど、修介は今だここにあった。
 この世界の国家、この世界の技術、それに興味があるからだ。
 飛行船に戻れば、生身でキャバリアを圧倒した英雄として歓待を受ける。
 その歓待も程々に修介は監視所に向かい、周囲の警戒を怠らない。
 呼気は正して、身体の力は抜いて。
 気を巡らせながら、瞳を伏せる。
 警戒はしたまま、思索は先の戦闘へ。
 一つの戦いは終わった。
 だが、それはただ一つの戦いにしか過ぎない。
 その次に続く戦いがある。
 次なる戦い、思索に吹ける。

 ――行住坐臥造次顛沛

 常日頃もとっさの刹那も。
 また次にへと繋がり、先へと続くもの。
 思考は途切れず、先を見据えて。
 力は溜めず、息は止めず、意地は貫く。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クリスティアーネ・アステローペ
【SPD】
そういえば
夜の星空、というのはあんまり意識して見たことはなかったわね
故郷ではほとんど星自体が見えないし、スペースシップワールドは星空、というのもちょっと違うし
UDCアースやヒーローズアースで建物を見上げることはあっても今度は明るくて星はまばらで
他では態々夜空を見上げることもなし

……これを彼の地に取り戻すため
そういう事にもなるのよね
折角ですし一枚、撮っておきましょうか。遮るものもない広い星空なんて、そう見る機会があるでもないし
カメラの用意はあるとして―――上手く撮る方法、とかはなにかあるのかしら?



●見えない星空
「……そういえば」
 戦い終えて、無理な挙動をさせたが故に節々にガタが来ているキャバリアをそっと撫でた。
 ……ここまでぼろぼろならもらっても構わないのじゃないかしら。
 クリスティアーネ・アステローペ(朧月の魔・f04288)は思考のすみに過ぎったそれをとりあえず横においた。
「……夜の星空、と言うのはあまり意識して見た事はなかったわね」
 彼女の故郷は常に闇と暗雲に覆われ空は暗い。
 スペースシップワールドに星空はなくあるのは夢幻の闇と石くればかり。
 UDCアース、ヒーローズアースでは、多くの建物とその明かりに阻まれ星々はまばらで。
 その他の世界でもわざわざ夜空を見上げる事もなし。
「……」
 手は伸ばしてもその星々の瞬きには届かない。
 数百数千数万あるいはそれ以上の彼方からの"過去の輝き"。
 あの星々はすでにもう過去のものとなって骸の海に還っているやもしれない。
 この満天の星の海。
「……これを彼の地に取り戻すため……」
 闇に覆われた世界でも、星を探す世界でも、そして、この地でも。
 その輝きを再び見えるために人々は戦い続けているのだ、と。
「……折角ですし一枚、撮っておきましょうか」
 早々に見る機会はないであろうその輝きたちを。
 手元に持ったそれに撮ってから、その出来栄えを見る。
「……上手く撮る方法とかは何かあるのかしら?」
 ねえ、知っている? とそっとその手が傷だらけの装甲を撫でた。
 節々を痛めた鋼の巨人は、何も応えずにそこにただあったのである。
「…………やっぱりこれ貰ってしまおうかしら」
 人の形をしているものって呪術的にも応用きくもの。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月21日


挿絵イラスト