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海よりの使者たち

#UDCアース #【Q】

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#【Q】


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 寂れた漁村、既に廃屋となった漁具置き場も目立ち、港の活気も失われつつあるその村にひとつの異変が起こったとして、誰がそれに気付けようか。
 立ち入る必要性もない場所にあえて近づく者もなく、若者たちは都会を目指し打ち捨てられた廃屋に、漁具の様子を見る者など皆無。
 秋の風が、廃屋の隙間を潜り抜け、まるで呻き声のような風音を鳴らしていたのなら。
 とある廃屋で不気味な声。
 否、邪神による影響で異空間への扉が開き、異音が響き渡っていたとして。誰もが何時もの風音だと認識し、気にも留めなかった事をどうして咎められようか。

 ただ、仮にその場へと足を踏み入れることが出来たなら。
 周囲に満ちる禍々しい空気は一般人ですら感じ取り、経験積んだUDC職員ならばここが危険極まりない、それでいて自分たちの力では手に余るものだと察し。
 猟兵ならば、その先にとてつもなく恐ろしい何か、が存在し。
 不用意に挑めば苦戦は必至の恐るべき存在が潜むことを感じ取れる事だろう。
 ならば廃屋に足を踏み入れ、気配の元を探ればそこにあるのは破れたままに補修もされず、無造作に置かれた魚網が一山。
 これこそが異空間への鍵であり、力が漏れ出した危険なアイテム。
 それ故に、これを用いて猟兵達はグリモアの力を借りて、邪神を越えたおぞましき何か、が邪神をしまいこんだ空間へと向かうことが出来るのだ。

 向かった先に広がるもの、それは青く、そして暗い空間で。
 周囲を見遣れば、空中をまるで泳ぎまわるかの如く、小魚の群れが縦横無尽に飛び回る。
 だがそれらは邪神ではなく、邪神に捧げられた人々の、そして数多の供物が形を変えたようなもの、本命となる邪神は分裂し、此方も群れを成してから。
 この、数多の小魚の群れを襲うように飛び回る、巨大な鰹の群れであったのだ!

 次々と小魚を捕食し、群れて標的を定める邪神・鰹。
 その力量は一体でもそれなり以上、その邪神が集団で群れているのだ、これほど危険なことはあるまい。
 たとえ猟兵とはいえ、無為無策に飛び込めばその数の暴力を前にして、先に捕食された小魚達と同様の末路を迎える危険性は十分にある。
 多数による猛攻を凌いだ先に、如何なる危険が待ち受けるのか。
 それは敵を倒し続け、完全に復活を遂げた邪神を引きずり出す以外に知る方法はないのだろう。


「かなり危険ナ場所デスネ。十分に注意ガ必要な戦いデス」
 集まった猟兵を前にして、無表情だが声色からは緊張を感じ取れるクラルス・フォルトゥナ(強化人間のスピリットヒーロー・f17761)が説明を開始していた。
 今回、彼女が見つけたのは完全復活した邪神、そして其れが潜む超空間への鍵であったのだ。
 鍵の力を用いることで挑めるその邪神は完全復活しているが故に強大、だからこその注意喚起であろう。
「マズは大量に分裂シタ、鰹の群れが相手デス。
 空を泳グ様に飛ぶ鰹デスガ……光景がシュールとはイエ、単体でスラかなり強力な個体が群れていマス。
 一度に複数を相手にシテハ、命が幾つアッテモ足りまセン。
 何かノ工夫で、少数を各個撃破シテいく必要がありマスネ」
 大量に分裂した、単体ですら危険な鰹。見た目は完全にギャグっぽいが実力は相当であるのは確実で、複数を相手にしては猟兵ですら危険極まりない。
 何らかの手段で少数ずつを相手にすることで、何とか数を減らしていくのが重要だろう。
「鰹の群れをある程度倒せバ、残りが合体しマス。
 そのまま別ノ魚二変化シテ襲ってきマスガ、鰹を倒せば倒すホド、この合体変化ナ魚は弱くなりマス。
 ソシテ、この巨大ナ別の魚を倒せば終ワリ……といけば良いのデスガ、この後、脱皮シテ最後の姿を見せてきマス。
 海の生き物、なシルエットしか分かラズ、詳細は不明デスガ……どうやら先手を取って攻撃するラシク、対策が無けレバそこでゲームオーバー、デスネ」
 数を減らせば合体変化、巨大な別の魚になる邪神。
 最初の鰹を減らしておけば、この第二形態といった姿は弱体化するらしく、どれだけ緒戦で数を減らせるかがこの第二形態に進むまでの肝であろう。
 だが、それだけで邪神が終わるわけでもなく。
 倒した後に、この巨大な別の魚、その体を脱ぎ捨てて別の海洋生物が姿を見せるというのである。
 しかもその力は最終形態とあってかなりのもの、先手を取って猟兵を蹴散らす程に強力であり、対策なく挑めば敗北は必至であるという。
「情報は以上デス、超空間マデの案内ハ出来ますガ、そこからは皆サン次第。
 どんな戦い方をするのも自由デスが、強敵であるコトは忘レズ、全力で挑んで下サイ」
 そこまで言うとクラルスはグリモアを起動、数多の氷塊が虚空に浮かべば見える光景は寂れた漁村。
 そしてそれより先、小さく見える光の中には小魚が空を泳ぐ景色が見えて、猟兵達を強大な完全復活を遂げた邪神との戦いへ送り出すのであった。


紅葉茉莉
 こんにちは、紅葉茉莉です。

 敵はギャグ、コミカルに、しかし強大な力を持つ相手、そんなUDCアースでの、完全復活を遂げた邪神との戦いを行うシナリオをお届けします。

 オープニングにもあるように、先ずは大量に分裂した邪神、その数を減らしてから。
 合体変化した邪神を倒し、最後に強大な邪神を完全に滅ぼす、という流れになります。

 第一章では空を泳ぐ鰹の群れを相手にします。
 単体でも力が高く、多数を同時に相手取れば苦戦は免れませんので何らかの方法で、多数を相手にせず少数を確実に倒す工夫が必要でしょう。

 第二章では別の魚な邪神に合体変化し巨大になります。
 第一章で倒せた鰹の数によって能力が変化するという点がありますので、第一章でどれだけ効率的に数を減らすか、が重要になってきます。

 第三章では、第二章にて合体変化した邪神の内部から別の海洋生物な邪神が姿を見せます。
 この邪神は最終形態、かなりの力をもち、先手を取って攻撃してきます。
 先制攻撃に対する何らかの対策が無ければそのまま敗北、対策が甘ければ苦戦は免れませんのでご注意ください。

 なお、戦闘を行う空間は青く染まり、そして暗き水中のような感覚を与える空間ですが水中というわけでもなく、あくまでそのような空間となっているだけです。
 呼吸や水中活動に対しての対策などは不要ですので、その点はご安心ください。

 一応、シリアス、強敵相手の戦闘、になりますが。
 敵が敵ですので、コミカルな描写を希望される場合はプレイング冒頭や末尾にでもコミカル描写希望、といった形で記載して下されば、ギャグ、コメディ的表現で描写します。
 反対に、シリアス描写やカッコイイ動作描写を希望ならその旨をご記載下さい。

 特に無ければ、プレイングや使用アイテム、技能、ユーベルコードからシリアス、かっこよさ重視か、コミカル描写か判断して執筆します。

 では、ここまで長文を読んでいただきありがとうございました。
 ご縁がありましたら、よろしくお願いします。
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第1章 ボス戦 『勝利を司る青き雄武士・鰹』

POW   :    カツオヌスロケット
【回遊によって鍛えた】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【呼びだしたジンベエザメ】の協力があれば威力が倍増する。
SPD   :    ムゲンセビレカッター
【興奮で横縞を浮き上がらせること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【無数に生み出した鋭い背びれカッター】で攻撃する。
WIZ   :    ブロックジラコール
自身が【食べられそうな恐怖】を感じると、レベル×1体の【共生するジンベエザメ】が召喚される。共生するジンベエザメは食べられそうな恐怖を与えた対象を追跡し、攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠蓮賀・蓮也です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

備傘・剱
秋、だな
そうか、少しづつ相手にすればいいんだな?
それもそうか、素早く捌かなきゃ、味が落ちるし、衛生面も気にしなきゃな

って事で、調理開始、発動!
気配を殺して、群れから孤立した鰹を暗殺風味に一匹づつ、活〆にしてやるわ
こっそり持ち込んだ氷入りクーラーボックスに丁寧に仕舞っていこう

集団で襲われたら、わざと袋小路に飛び込み、結界術で少量づつに分断して、ナイフで解体しつつ、念動力で空中キープって感じにしてくれるわ

お前ら、魚だろ?鰹だろ?
ならば、この言葉を言わねばならない
刺身、置いてけ!
オブリビオンだろうが、美味しく食べてやるからよ
俺の前に現れた以上、ただ倒されるだけと思うなよ

アドリブ、絡み、好きにしてくれ


四季乃・瑠璃
瑠璃「鰹邪神ってシュールだね」
緋瑪「食べられるかな!」
翡翠「新鮮な鰹ならお刺身やタタキが一番」

【クリエイト】&シスターズ

漁村で廃材等を大量に調達し、【クリエイト】で小魚に似た疑似餌型爆弾とスナイパーライフルやネットランチャー、ミサイルランチャーを大量に生成。

疑似餌爆弾は小魚の群れに紛れ込ませ、食いついたところで爆破。
瑠璃、緋瑪、翡翠の3人は敵の範囲外からスナイパーライフルで一体ずつ狙撃。
ある程度数が減ったら、ネットランチャーで丸ごと捕縛し、ミサイルランチャーや接触式ボムで纏めてドカン(そして何匹かは食われそうになったり)

緋瑪「大漁大漁♪」
翡翠「新鮮な鰹だー」
瑠璃「邪神鰹のタタキ」

ギャグ方面希望


エウトティア・ナトゥア
アドリブ・連携歓迎

普段、海の幸には縁が無い事じゃし脂の乗った鰹も良いかもしれぬのう。
どれどれ、肝心の鰹は…空間を飛んでおるな…ちと元気過ぎやせぬかの?
まあよい、それだけ活きがよいという事じゃ、早速獲るとするか。
まずはこの数をどうかせぬといかぬな。
風の障壁を秒間88枚連続で張り続け空間を区切って、鰹の群れを適当な数に分断して、ビーストマスターの力で召喚した狼の群れとマニトゥに鰹を獲ってもらうのじゃ。
うむ、踊り食いというやつじゃな。狼たちよ、わしの分も獲ってくるのじゃよ?
おっと、背びれが刃物になるのか危ないのう、これは障壁で軌道を逸らしておくか、わしの可愛い狼たちは傷つけさせぬのじゃ。



 秋風が頬をなでれば、その冷たさに季節を感じる中。
 漁村を抜けてたどり着いた漁具置き場、そこより誘われし空間は見るものを圧倒する、海中を思わせる青く、それでいて小魚の群れが空を飛び泳ぐ超空間。
 だが猟兵が狙うはその小魚の群れではなく、その群れを襲う存在。
 青く、そして暗き中から姿を見せれば縦横無尽に泳ぎ回って群れを散り散りにしていく存在、そう、邪神である鰹なのだ。
「鰹邪神ってシュールだね」
「食べられるかな!」
 うん、相手が魚な邪神だからそんな発想な人が居るとは思っていたさ。
 四季乃・瑠璃("2人で1人"の殺人姫・f09675)と彼女の別人格を宿した分身の緋瑪が言葉を交わせば、更に別人格を宿し、自立行動も出来る両者にそっくりな人形の翡翠も加わって。
「新鮮な鰹ならお刺身やタタキが一番」
 うん、この子も食材としてしか見ていない、そして今まさに眼前を優雅に泳いでいるから新鮮と思っているが……相手は邪神だぞ?
 常識が通用しない、狂気な世界の存在だし食材として見るのはどうなんだ?
「秋、だな。そうか、少しづつ相手にすればいいんだな?」
 うん、秋ですね。そして同時に多数を相手にしない、きちんと状況を把握していた備傘・剱(絶路・f01759)が口を開いて周囲を見れば、左右から小魚を追い込んで複数で仕留める鰹や、単体で小魚の群れを分断する様に泳ぐ鰹と多種多様。
 統率されて集団行動をしていないならば、各個撃破はやりやすい、そんな敵を眺めつつ、次に放った言葉は先の三人と似通ったものであった。
「それもそうか、素早く捌かなきゃ、味が落ちるし、衛生面も気にしなきゃな」
 うん、やっぱりね。
 この人も食材としてしか見ていなかった、しかも依頼の説明を受けてから一旦準備に帰っていたのだろう、持ち込んだのは武装以外に氷入りのクーラーボックスと、完全に持ち帰る気満々である。
 これはいけない、誰か普通に敵を倒すというノリの者は居ないのか?
「普段、海の幸には縁が無い事じゃし脂の乗った鰹も良いかもしれぬのう」
 居なかった。常識枠最後の砦と自称する事もある、でも実際は常識崩壊な気がするエウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)さんも完全に、海の幸って認識してるし。
 ま、まあ、今まさに目にしている連中は空を飛んでいるし、それを見れば考えを改めてくれr。
「どれどれ、肝心の鰹は……空間を飛んでおるな……ちと元気過ぎやせぬかの?
 まあよい、それだけ活きがよいという事じゃ、早速獲るとするか」
 だめでした。
 空を飛んでいる=活きの良さ、と認識されておられる。
 これはもう、食材扱いの面子による、猟兵式漁業が開始されるんだろうなぁ……。


「小魚を狙うなら、疑似餌が効果的だよねー」
「材料ならいっぱいあったからね♪」
 超空間に入る前、漁村で打ち捨てられていた漁具を調達していた瑠璃と緋瑪。
 空を泳ぎ逃げ惑う小魚に似せた形の疑似餌、というか疑似餌型の爆弾を多数生成、ついでに頑丈なネットやらスナイパーライフル等の物騒な物品も作り上げ、漁なんだか殺戮なんだかどっちかわからない準備だぞこれ。
「まずはこれで誘い出し、だね」
 うむ、翡翠ちゃんも普通に混ざって疑似餌爆弾を操って、小魚の群れに混ぜ込んでる。
 そして小魚を追いかける鰹邪神、空中を泳ぎつつ、小魚ごと疑似餌に食いついたその瞬間にボタンをぽちっと。
 重なる爆発音、吹っ飛ぶ鰹、広がる煙幕にて鰹たちが視界を奪われ分断されればそれが攻撃開始の合図となる。
「逃げる奴はただの鰹、抵抗する鰹は訓練された鰹だー!」
「逃さずいくぞー!」
 安全圏からスナイパーライフルで狙撃を始める瑠璃と緋瑪、さらに翡翠も狙撃して。
 突然の爆発、猟兵という異質な存在の乱入と先制攻撃で分断された鰹から複数発の銃弾受けて跳ね飛ばされて、見るも無残な姿になって落ちていく。
 まあそうだろう、魚を物理的に絞めるなら銛とかそういった漁具を使うのに、銃弾なんだから肉がえぐれるのは仕方ないんだよなぁ。
 もっとも、先ずは数を減らすのが優先なので、必要な犠牲という奴だろう、しらんけど。
「いい煙幕だ、なら……コイツからだ」
 そんな中、分断された鰹に忍び寄るのは剱。
 爆風の煙幕効果も相まって、気配を殺しつつ難なく近づいた彼は光湛える短刀を手にとって。
 後背から一気に襲い掛かかって脳天へ一撃。
 鰹邪神の脳天〆をばっちりと決めていたのだ。
「暴れても無駄だぜ、もうこれでお前は終わりだ」
 ビチビチと体をくねらせ、抵抗する鰹であったが脳天に刃物を突き立てられれば魚にとっては、というか生物的に致命傷。
 血液を垂れ流し、ビクンと痙攣。
 海中で〆られた魚がごとく、動きを止めてそのままクーラーボックスへとご案内、である。
「お前ら、魚だろ? 鰹だろ?」
 一匹仕留め、追加で獲物を探しつつ。
 抵抗しようと背びれを飛ばす鰹を前に眼光鋭く睨み付け。
「刺身、置いてけ!
 オブリビオンだろうが、美味しく食べてやるからよ」
 あっ、言いやがった。完全に日本のどこか、九州地方にいたとされるどこぞの蛮族的な侍っぽい言動で、首の代わりに刺身を要求し始めたぞこの人!?
 っていうか完全に食べるつもりだな、めっちゃ抵抗して襲ってきてるけどそれをかいくぐって、先ほど確保した鰹を始めとして、片っ端から食材にしちゃう気だな?
 だが敵は接近戦を仕掛けた剱を標的に定め、一気に倒すべく殺到しているがどうこの猛攻を凌ぐのか?
 今まさに小魚の代わりに口を開き、彼に食いつこうとしたその時である。
「風の精よ、全ての悪意から彼の者を護れ!」
 仲間の動きを見やりつつ、自身も多数の狼を呼び出していたエウトティア。
 流石は自称、常識枠最後の砦。食材として敵を見つつ分断、各個撃破の方針はしっかりと把握していたんですね!
 敵の攻撃を逸らす風の壁、それによって突撃した鰹の軌道がずれていき、数多の鰹がバラバラの方向へと向けられて。
「ありがたい、これで〆やすくなった」
 集団の攻撃を風の防壁、それによって凌いだ剱が一時後退。
 飛び回り孤立した鰹を狙い再び気配を殺せば、代わりに前衛に立つはエウトティアの相棒である巨狼マニトゥと、同じく彼女に呼び出された数多の狼であった。
「この程度お安い御用じゃ、さてと、これは踊り食いというやつじゃな。狼たちよ、わしの分も獲ってくるのじゃよ?」
 狼たちへと指示を出すエウトティア。
 彼女の命に従って、狼たちが地面を蹴って駆け出せば。
 迫る捕食者を迎撃しようと放たれるは背びれカッター、だがその攻撃は許さぬとエウトティアが再び風を操って。
「おっと、背びれが刃物になるのか危ないのう、じゃがこれで。
 わしの可愛い狼たちは傷つけさせぬのじゃ」
 空中を飛び交う背びれカッター、されど風の障壁が狼に到達しそうな瞬間に形成されて、背びれの軌道を空中へ。
 あらぬ方向へと飛んでいく背びれ達を背景に、巨狼マニトゥを先頭に狼達の一斉攻撃。
 そこかしこで鰹邪神達が噛み付かれ、空中から地面に引きずり下ろされるという酷い光景だったのだが、更に追撃を始めた者が。
「大漁大漁♪」
「新鮮な鰹だー」
 ノリノリな緋瑪、微妙に棒読みな翡翠。
 なんか数が減ってきたし、一網打尽にできるんじゃね? って空気だったので、ネットを投げてまとめて拘束、そこへミサイルランチャーやらの重火器をぶちこむという暴挙。
 いや、そんな攻撃をしたら鮮度が……。
「邪神鰹のタタキ」
 お、おおう、タタキですか瑠璃さんや。
 まあ確かに、表面を炙って冷やしたのがタタキって料理だけどさぁ、炙るを通り越して爆破だよねぇ、これ?
 確実に身が痛んでると思うんですが、まあいいか、邪神だし頑丈だろう。
「うむ、こっちも〆が上手くいった、良い刺身が取れそうだ」
 何か別の方向では、更に脳天〆かエラ〆かわからないけど追加で仕留めた剱が居た。
 これは酷い、多数の鰹が食材として見られ、実際に捕獲されてしまっているではないか。
 だが、この邪神って元々、骸の海からやってきた連中で過去の存在なんだよなぁ。
 失われた過去の化身が形を成したようなものだから鮮度の点ではまちまち、つまりは新鮮ではない可能性も多いにあるわけで。

「うわっ、ちょっと瑠璃ー! これ内臓から身まで痛んでるって!」
「……でも、銃弾の痕が?」
「あー、これは……タタキにもできないね」
 仕留めた鰹をナイフでバラす三人娘、皮どころか内臓から身にかけて肉が痛んでいるのは、君たちが銃器とか爆破物でぶっとばしたせいではなかろうか?
 いや、そんな残念そうな顔をしてもだめですから、緋瑪さんに翡翠ちゃん、あと瑠璃さんも。
 鮮度を保つなら、銃撃とか爆破はいけないってわかるでしょ!?
 それならしっかりと、脳天を串刺しにして〆た剱さんを見習ってですね……。
「むっ、この鰹は……つい先ほど仕留めたのに、内臓の腐敗が進んでいるか。
 まさか鮮度の悪い鰹が動いていたとは……刺身は避けて火を通せば問題ないな!」
 こっちも痛んだ鰹だった、しかしそれでもオブリ飯と称して様々なオブリビオンを食してきたのだろう、捌いて身だけ切り離し、焼き料理にしようとしている剱さん。
 まあつまり、この面子が示す通りにこの鰹たちは痛みが激しいわけでして。
 そんな鰹たちを捕獲して、口にくわえて持ち帰ってきた狼ズ、その死んだ魚のような、というか死んでる魚の目。
 白濁した目に瞬時になった鰹なんて踊り食いなんて無理無理。
「これ、お主ら、そんなものを持ってくるでない! あと早くぺっ、するのじゃ、ぺっ!」
 お腹を開いたら、絶対嫌な臭いがしそうな鰹。
 動く間は何も感じなかったので誇らしげに、されど絶命させたら瞬時に内臓腐敗確実な状態になった鰹を主人の命令だからと咥えていた狼たち。
 エウトティアが近づけないように、そして食べないように、もし食べてたら吐き出すようにと指示を出し、慌てて投げ捨てる狼ズ。
 多数の鰹を一気に倒せたまではよかったが、完全に食材としてはアウトな流れ。
 これぞ本当に後味の悪い話、である()

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

マリン・フィニス
ぐりもあべーすで海とか魚がどうという話を耳に挟んだのだが……
まさか異世界のコンキス……オブリビオン?……え?邪神というのか?の話とは
しかし、大きいな

UCで【刺突】属性付与、角付き鮫軍団を呼び出し、援護と囮をしてもら……鮫だ。カジキではない

加えてメガリス『蒼海の鎧』の力での「天候操作」でこの場の状態を嵐に変えるのを試み、鮫と嵐で場を荒らし群れを分断する

敵のUCは私でなく鮫を狙うだろうから一部鮫に囮になってもらう


はぐれた個体からバブルワンドの泡で囲い、刺突鮫の一斉突撃や剣での一撃、バブルごと凍結させ確実に仕留める……!

※性別や素顔は全身鎧で隠し、割と声やキャラはつくってます
※アドリブ歓迎です。


黒沼・藍亜
捧げられた犠牲者……って事はこいつらどっかの教団の信仰対象?

ボク個人としてはむしろこいつらを信仰してる団体を潰す方が好みっすけど……まあそうも言ってられないっすよね

で、要は邪神の、異界の超存在の巣窟な訳で
出来る限り一対一、もしくは多対一の状況を作るべきっすね

【あなたのきずながくずれるおと】で群れに対し攪乱と内部抗争を仕掛けるっすよ
最悪、一匹を孤立させ、仲間が仕留めるだけの時間ができればいい

一応周囲にUDCを広げて、突進へ触腕の武器受けや捕縛で対応できるように。
複数に狙われそうなら銃で気絶マヒ弾撃ちながら逃げの一手。

敵UC?……正直鮮魚はちょっと
どっちかというと鮪の方が好きだし

※アドリブ歓迎です


桜井・乃愛(サポート)
 桜の精のパーラーメイド×咎人殺しの女です。
 普段の口調は「元気(私、~さん、だ、だね、だろう、だよね?)」、偉い人には「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は明るく天真爛漫で、少し天然ボケな感じの少女。
一番好きな花は桜で、その他の植物も好き。
強敵にも怖気づく事は少なく、果敢に挑む。
人と話す事も好きなので、アドリブ歓迎。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 先の攻撃を受け数を減らした鰹であったが、まだまだその戦力は健在で。
 その戦力を蹴散らすべく、別の猟兵達が姿を見せていた。
「ぐりもあべーすで海とか魚がどうという話を耳に挟んだのだが……」
 そうですね、魚な敵が出てくるという説明でしたね、マリン・フィニス(蒼海の騎士・f26997)さん。
 して、どうしてそんな疑問系な言葉なのでしょう?
「まさか異世界のコンキス……オブリビオン? ……え? 邪神というのか? の話とは」
 あ、はい、出身世界の敵はコンキスタドールで、でも共通してオブリビオンって呼ばれてて、このUDCアースでは邪神と呼ばれるので、その呼び名の違いに困惑してらっしゃったんですね。
 同じ世界で別の国、なんて人々でも文化の違いは大きいですし、世界の、そして文明のレベルも違う世界の方が見ればカルチャーショックを受けるのは仕方ないね。
 そんな彼女が空を仰ぎ見れば、数が減ったとはいえ鰹の群れが小魚を追い回して飛び回っているわけで。
「あの小魚、捧げられた犠牲者……って事はこいつらどっかの教団の信仰対象?」
 追う邪神、追われる小魚、その様子を同じく見上げ見ていた黒沼・藍亜(人間のUDCエージェント・f26067)も口を開き、こちらは小魚……つまりは犠牲者だった何か、に思いを馳せているようで。
 邪神も供物も、共に空を泳ぐ魚となったこの空間、見た目はシュールなのだが危険性はとんでもなくて。
 だがこんな空間にあって、先の食材扱いといい緊張感が微妙に薄れている気がする中。
「なるほど、この世界の魚は最後には空まで飛ぶようになるんだね!」
「うむ、それにかなり大きく成長もするようだ」
 悠然と空を泳ぐ鰹を見つつ、桜井・乃愛(桜花剣舞・f23024)が言葉を発せばそれに同調するように、マリンも重ねて。
 別の世界からやってきた二人である、そんな勘違いをするのは仕方ない、ならば藍亜はどんな顔をしているのだろうか?
 明らかに間違った認識になってしまった乃愛とマリン、そちらを見ていや、違うなんて感じで顔の前で手を振って。
「えーと、空飛ぶ魚は普通は居ないっす。あれは邪神で、謎のパワーでそうなってるだけっすから」
 全力否定マンとなったエージェント、でも空飛ぶ魚が普通に存在する、なんて広められるのは違うから仕方ないね。
 こういう、認識の歪みを正していくのもエージェントのお仕事さ、頑張れ!
「ま、まあ、それはおいておいて! ここは邪神の、異界の超存在の巣窟な訳で」
「見た目は海を模した、されど危険な空間ということだな」
 妙な方向に話が向かいつつあったのを軌道修正、危険極まりない空間だと藍亜が言えば、マリンも話の流れにあわせて真面目に答える。
 如何にふざけた見た目な敵であろうとも、邪神は邪神、油断して挑めば自分たちがやられかねない、そんな敵なのだ。
「でもまだ私たちには気付いていない、他の猟兵の攻撃を避けて逃げ回っているから……仕掛けるなら今だね」
 だが、強大な敵であろうとも先手を取って、食材としてみた猟兵に対応し、密かに距離を詰めた自分たちに気付いていないならば攻めるは容易と乃愛が言えば藍亜もマリンも同意するように頷いて。
 それぞれが武器を取り出し、再集結を果たそうと鰹たちが動き出したその刹那、攻撃を開始していたのである。


「ボク個人としてはむしろこいつらを信仰してる団体を潰す方が好みっすけど……まあそうも言ってられないっすよね」
 集結始めた鰹の集団、数が集まれば猟兵など一気に押し潰してしまう、そんな力を秘めた集団を再度分散させるべく動いたのは藍亜。
 数を揃え、そして強大な力を発揮する敵集団を真正面から打ち破るのは非常に困難、ならば内部からその結束を歪めてやればいい。
「自分が先に仕掛けるっす、内側から揺さぶるんでそこからは」
「私が風雨、そして友の力で分断させよう。そうなればあとは」
「一匹ずつ確実に、だね。よーし、それじゃはじめよっか」
 ふらりと進む藍亜、そこからの流れを確認したマリンと乃愛。
 まずは集団の結束に綻びを生み出すべく、藍亜が力を解放すれば小魚を追い立てながら、集結する鰹の群れの中に少しおぼろげに見える鰹が一匹紛れ込み。
 仲間と共に泳ぎつつ、不意に背ビレのカッターを仲間目掛けて放っていたのだ!
 獲物を狙っていたはずが、内部からの一撃。
 その不意打ちで傷ついた鰹が統率された動きからはぐれれば、仲間が仲間を襲う光景、それを見た別の鰹も集団としての動きから外れてしまい、その一角だけが集団の動きから取り残される。
「新たなる力とともに、来たれ、我が戦友よ」
 何が起こったのか、仲間に敵がまぎれたのか、それとも見えぬ敵の不意打ちか。
 動きを止めたその瞬間、下部から聞こえたマリンの言葉に反応、反転した鰹の小集団であったのだが既に事は動いており。
 地表から空中へ、マリンが呼び出した多量の鮫が空飛ぶ鰹に負けず劣らず、角を生やして空を飛び、その数を活かしての突撃を仕掛けていたのだ。
 だが、鮫に角、見る人が見れb……。
「鮫だ。カジキではない」
 マリンさん、まだ誰もカジキなんていってないですし、角が生えたならどっちかっていうと、牙が発達したイッカククジラとかじゃないですかね!?
 そんなことはさておき、内部からの揺さぶりと呼応して出現した大量の鮫。
 集団となって飛び去った鰹の群れも異変を察知、遠方で反転し少数の仲間を救おうと合流する動きを見せるがそれを許す猟兵ではない。
「雨よ、風よ。嵐となって、我がとも、鮫に新たな力を授けたまえ」
 メガリスでもある自らの鎧、それに宿った天候へ干渉する力を用い、風雨を巻き起こしたマリン。
 渦巻く風と打ち付ける雨によって視界を乱し、それに乗じて多量の鮫が群れと小集団の間を塞ぐように雪崩れ込み、分断を完全な物へと変えれば小集団に残された時間は短い。
「ふふ、一人ひとり……? この場合は一匹かな? バラバラにされちゃったら、元がたくさん居ても関係ないよね」
 手近な鮫に背ビレを放ち、切り裂き退路を生み出そうとした鰹、されど個となれば集団の強みはないと宣言した乃愛が微笑みながらトンとひと跳ね。
 ふわりと浮かべばその刹那、桜色の着物を纏った彼女を覆うは黒きマント。
 青く暗い空間に溶け込むようなその色に、散りばめられた桜吹雪の刺繍がちらつけば次の瞬間鳴り響くは重なり合った発砲音。
 その音と同時、空中泳ぐ鰹に咲くは赤き花……否、花が咲くかの如く、全身を穿ち貫く華麗なる銃弾の演舞であった。
「ま、これだと数を相手にしても攻撃できるけどね」
 全身に穴を空け、赤き血液が糸を引き力なく落下する鰹。
 その様子を眺めつつ、銃弾放った軽機関銃のブルーミング・ファイアを右手に構えて乃愛が一言呟けば。
 仲間の仇を取るのだと多量の背ビレを生み出して、攻め立てるべく鰹たちが彼女に殺到しようと泳ぎだす。
 だが、少数での猛攻は危険極まりない一手。
「おっとぉ、そんな追撃はさせないっすよ?」
 初手で内部不和を巻き起こした藍亜が言葉を発すれば、それと同時に地表より放たれたのは一発の銃弾。
 しかし一発あれば十分な代物、それは神経毒にて麻痺、つまりは痺れをもたらす一発。
 腹部に直撃、そして背骨の神経に作用した一発にて一匹の鰹の動きが鈍れば、仲間を避けるようにして広がり泳ぐ少数の鰹。
 だが一人の脱落は全滅への序曲に過ぎず、続けて地表から伸びる触腕が一匹、その体を掴み取り。
 更には別方向から泡が帯となって残る鰹を覆い尽くせば瞬時に凍結。
 銃弾による麻痺、触腕と凍てつく泡による拘束にて分断された鰹の小集団は動きを止めてしまい、その間に乃愛は黒きマントを翻し暗き空間へと姿を隠す。
 こうなれば小集団に未来はなく、動けぬ標的は獲物とばかりに鮫の集団が狙いを定め。
「さあ、我が戦友よ。氷の泡に囚われた、哀れな魚を喰らい尽くすのだ」
 マリンが掲げた剣を一振りすれば、それを合図に鮫の集団が氷の泡にて包まれて、もがく鰹の元へと殺到。
 放たれた背ビレで数を減らすもその突撃は止められず、幾本もの角が鰹の体を刺し貫き、鋭き牙が肉を食いちぎり。
 青白き氷の泡を赤く染めれば、とどめとばかりに飛び上がるは蒼き全身鎧を纏ったマリン。
 跳躍の勢いそのままに、腕の振りを加えたバスタードソードの一撃は氷ごと鰹の体を一刀両断。
 着地と同時に鳴り響く金属音、遅れて聞こえるは氷が砕け、飛び散る破砕音。
 そこには両断された鰹の肉片がぶちまけられて、三者の不意打ちにより分断された小集団は全滅していたのだ。
「この集団は殲滅、残りは?」
 切り離した鰹を全滅させつつも、まだ残る敵の数は多いと警戒を緩めぬマリン。
 一人で戦っていたのならば危険とは隣り合わせ、されど今は仲間と共にある故に、更なる戦果の上積みがあって当然。
「こっちもある程度は減らしてるっすよ? まあ正直、鮮魚より鮪の方が好きっすけど」
 離れた場所で、触腕にて地面に引き倒された鰹の脳天に銃弾を打ち込みとどめを刺していた藍亜が呟く。
 さらには闇の中から声がして。
「ふふ、こっちもいい感じだよ。鮫さんと嵐のおかげで、楽に近づけちゃったからね」
 悪戯っぽく笑いつつ、槍の穂先を鰹の腹部に突き立てた乃愛がマントを脱ぎつつ姿を見せる。
 分断、そして各個撃破が順調に進んだ事を確認しあえばこのままここに留まって、敵の反撃を受ける道理は無いと無言で頷く三人は怒りに燃える鰹の追撃を避けるように、風雨に紛れて後退を完了するのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『青光る邪神・鯖』

POW   :    アニサキス・デッドエンド
【傷口から放った血 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【寄生虫アニサキス毒爆弾】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    ジェノサイド・サバカン・ストーム
【数多の鯖缶 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    Omega3・エンハンス
【ドコサヘキサエン酸(DHA) 】【ドコサペンタエン酸(DPA)】【エイコサペンタエン酸(EPA)】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠蓮賀・蓮也です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 多くの同胞を打ち破られ、その数を減じていた鰹の群れ。
 個々の能力も高く、それが集団となった状況ではあったのだがその集団という強みを猟兵は分断し、各個撃破にて数を減らしていたのである。
 このまま、数に任せて戦ったとして戦力の損耗は避けられない、ましてや空を泳ぐ小魚を追いたて、食い散らかすなどもっての外。
 力を分散させているが故に、薄く、されど徐々に戦力を剥ぎ取られてしまうのならば、強大な個として力を集結、その圧倒的な力でもって猟兵を倒せば良いと感じたのだろう。
 残る鰹の集団が、ひとつの統一された意思に従って集結。
 逃げ惑う小魚には目もくれず、猟兵による妨害で数を減らされることすら意に介さずに集まって、まるで巨大な一匹の魚のような群れが出来上がり……やがて広がるどす黒い瘴気に包まれたそれは、群れから個へと変貌を遂げていた。

 話は事前に聞いていた、だが、やはりその変貌は衝撃的だったのだろう。

 なにせ、鰹の集団が……ちょっと鰹よりは弱そうな気がする、超巨大な鯖になっていたのだから。

 鯖じゃねぇか! なんて突っ込みが発生しそうな変貌である。
 もしくは、なんでだ、とか。
 鯖じゃねぇ! という怒りの声と共に変身してぶん殴られそうな、そんな気もする変貌である。
 だが、先の戦いで猟兵が鰹の数を減らしていた効果か、巨大鯖から感じる力はかなり減少していることが伺える。
 ならば今が好機。空を泳ぐ鯖が再度、小魚を捕食し力を高る間もなく一気呵成に攻め立てるのだ。
備傘・剱
この喧嘩、買った
こうなったら、貴様が食べれるか、食べられないか、そんなのは関係ない
生き腐れの鯖でも構わねぇ
お前も三枚おろしにしてやろうかぁぁ!

デカけりゃ、さばけねぇとでも思ったのか
調理開始で、三枚に卸しつつ、かぶりついてやるわ
あん?毒耐性があるから、後でお腹壊す程度だ
医術もあるでよ
かぶりつきつつ、歯と刃に神罰つけて、浄化してやろう

貴様はやってはいけない事をした
オブリビオンならば、過去の記憶の存在、つまり、生きていた記憶の存在だという俺の希望を裏切ったんだ
せめて、浄化されて、鯖になった事を力いっぱい後悔して、骸の海で今度は新鮮な邪神に生まれ変わってもどってらっしゃい

アドリブ、絡み、すきにしてくれ


エウトティア・ナトゥア
アドリブ・連携歓迎

何という事じゃ、捕れたての魚が傷んでいるとはどういう事じゃ?
これは…オブリビオンの鮮度管理が悪かったせいじゃな!(多分)
まったく困ったものじゃ、あまり杜撰な管理をしておると保健所に連絡するのじゃよ?
さて、次は鯖が出てきたようじゃが、これも鮮度が悪いのじゃろうなぁ…獲っても食べる事ができないのではやる気がでないのじゃ。
他の漁場に行くかのう?…む、あれはカンヅメではないか。魚の絵が載っておるしきっと魚が入っているじゃろう。
カンヅメなら食べられるじゃろう。味方を襲う缶詰を風の障壁で受け止めて狼達に回収して貰うのじゃ。
回収したカンヅメは黒曜石のナイフで開封するのじゃよ。


四季乃・瑠璃
翡翠「鯖の味噌煮…じゅる」
瑠璃「また腐ってない?」
翡翠「生きたまま味噌煮ならまだチャンスが…!」
緋瑪「倒すと脱皮するんじゃなかったっけ?」
翡翠「あぁ…」(絶望してガックリ)

UCで分身+シスターズ

瑠璃と緋瑪は飛翔翼で飛行しつつ、接触式ボムや時限式ボムで爆破して攻撃と同時に行動を阻害。更に焼夷弾(ナパーム)式ボムで傷口を焼く事で出血を防ぎ、敵のUCを潰すよ。

翡翠はデュアル・アイゼンアーマー形態装着し、(食べられない八つ当たりとばかりに)戦車砲や機銃の一斉砲撃で撃ち落とし

翡翠「鯖になった癖に食べれないなんて」
緋瑪「鯖の面汚し!」
瑠璃「少しは美味しく食べて貰おうっていう心は無いの!」

※理不尽×3の叫び



 鰹は食材として微妙、さらにそんな鰹が合体しての巨大鯖。
 明らかにやばい流れだったが、負けず劣らずヤバイ猟兵はいるもので。
「この喧嘩、買った。こうなったら、貴様が食べれるか、食べられないか、そんなのは関係ない」
 う、うん? 相手は喧嘩を売ったわけでもないし、攻撃を仕掛けたのは猟兵側ですよ、剱さん。
 ま、まあ、料理人として食材が最初から痛んでいたのに怒りを覚えるのは仕方ないとは思いますがががg。
「何という事じゃ、捕れたての魚が傷んでいるとはどういう事じゃ?
 これは……オブリビオンの鮮度管理が悪かったせいじゃな!」
「やはり鮮度管理の問題か、その点には同意するぜ……だが。
 生き腐れの鯖でも構わねぇ、お前も三枚おろしにしてやろうかぁぁ!」
 そんな剱の隣で、鮮度管理だなんだとオブリビオン、もとい邪神にクレームをつけるエウトティア。
 その意見に同意しつつ、鰹だった時と同じ様に三枚おろしだと宣言する剱、食品の恨みって怖い。
「うむうむ、その意気じゃ。しかしまったく困ったものじゃ、あまり杜撰な管理をしておると保健所に連絡するのじゃよ?」
 怒りに燃える料理人を後押ししながら、自分はクレーム担当だとばかりにやべぇ事を言うエウトティア。
 いや、その鮮度管理のクレームを保健所に入れても動いてくれないと思うな、だって相手、邪神だしここ、小売店でもないからね!?
「鯖の味噌煮……じゅる」
「また腐ってない?」
 なんだかんだとちょっと激しいテンションな二人、そこから少し離れた場所で巨大鯖を見上げていたのは翡翠と瑠璃。
 いや、正確には見定めていた、というべきか。主に食材として。
 先ほどの鰹が痛んでいた(自分たちで痛めた分もある)のに、まーだ食べる気な翡翠と、冷静に鮮度に問題あるのでは、と言う瑠璃。
 うん、瑠璃さん、まっとうな判断だよ、多分ね。
「生きたまま味噌煮ならまだチャンスが……!」
 そんな冷静な突っ込みにも、諦めきれずに食欲を見せ、どうにかして食べれないかと考える翡翠。
 いや、巨大な鯖になったんだから生きたまま煮込むのはむりじゃあないかな! それに、サイズだけの問題じゃなくて……。
「倒すと脱皮するんじゃなかったっけ?」
 おお、普段ならここに乗っかってさらに食品として見ていきそうな緋瑪が、しっかりと案内の時に言われていた注意を思い出して説明している!
 そうだよ、この鯖、倒したら脱皮するんだよ。
「あぁ……」
 そんな冷静な突っ込みと現実に打ちひしがれたのか、翡翠はがっくりとうなだれるのであった。
 というか、この3人、もとい分身含めて5人か、完全に敵を食材とかそれに類するものとしかみてねーじゃねぇか!?


「さて、鰹に続いて鯖が出てきたようじゃが、これも鮮度が悪いのじゃろうなぁ……獲っても食べる事ができないのではやる気がでないのじゃ」
 全員が気合を入れて、やる気になってるその最中に一人、テンションが上がってないエウトティア。
 あー、まあ、食材が食べれなかったからそのテンションなのは仕方ないとはいえ、相手は邪神ですからね!?
 他の漁場にいくか、みたいなノリで踵を返すのはやめなさいって!
 そんな彼女とは別に、鯖に果敢に挑む面々の攻防をご覧下さい。
「デカけりゃ、さばけねぇとでも思ったのか! 調理開始で、三枚に卸しつつ、かぶりついてやるわ」
 短刀を振りかざして突っ込む剱、完全に切れてますねぇ、これは。
 咄嗟に鯖缶を大量生成、切られてなるものかと鯖缶の竜巻で迎撃する巨大鯖。
 範囲内の存在を無差別攻撃する鯖缶の嵐、でも合体してるんで仲間はいないから、敵だけを攻撃できる、敵優位のとんでもない攻撃だが、怒りで火がついた剱はそんなものでは止まらない。
 鯖缶が体中に当たろうとも気にせずに、強引に突撃する彼を援護するように空中から何かが飛来。
 すると突然大爆発、鯖缶の竜巻で生じた攻撃エリアに空白地帯が生み出される。
「爆破して、鯖缶をとめるから」
「そこを一気に進んでね♪」
 援護をしたのは瑠璃と緋瑪、彼女らは飛翔翼の力を用いて空中に浮かび、鯖缶の嵐を避けつつ剱が切り込むべく道筋を爆風によって生み出して。
 その合間に入り込み、一気に距離を詰める彼を襲う更なる鯖缶、だが爆破だけが鯖缶を止めるものではなく。
「そんな鯖缶、全部撃ち落す……」
 絶望した顔で戦車を人型のアーマーに変形させ、乗り込んだ翡翠が機銃を掃射。
 空白地帯に入り込もうとした鯖缶を撃ち落し、突撃を援護する事で最低限の被弾で剱は鯖へと到達し。
「助かったぜ。さて、鯖よ……。
 貴様はやってはいけない事をした。オブリビオンならば、過去の記憶の存在、つまり、生きていた記憶の存在だという俺の希望を裏切ったんだ」
 うん? いや、その、それって一方的な希望の押し付けじゃないですか、ヤダー!?
 過去の記憶とはいえ魚なんだし、死んでから放置されて痛んでしまった魚な記憶ってのもあるわけで、全部生きていた記憶ばかりというわけでは……あ、だめだ、聞いちゃいねぇ。
 鯖缶の迎撃が間に合わず、とりあえず体をひねって打ち払おうとする鯖に飛び掛り、手にした短刀を尾びれ側から背骨に沿ってざっくりと一太刀。
 三枚下ろしの要領で切り裂きながら、さらにその肉体に噛み付いて。
 浄化の力を刃と歯から流し込み、外傷に加えて内部からもダメージを与える算段であった。
「サバァア!」
 鯖が喋ったぁあああ!
 まあ、そんな声が聞こえたきがしただけなのだが。
 激痛にやられたか体をビチビチと動かして、無理矢理剱を跳ね飛ばした鯖であったが深々と切り傷と、歯型が刻まれて。
「鯖になった癖に食べれないなんて」
「鯖の面汚し!」
「少しは美味しく食べて貰おうっていう心は無いの!」
 あぁ、こっちにも理不尽な怒りがあったわ。
 翡翠と緋瑪と瑠璃が叫び、先ずは翡翠が操るアーマーが砲撃、機銃掃射で一撃加えれば。
 空中から急降下、緋瑪と瑠璃が延焼効果のあるナパームボムで先に付けられた傷を焼き、何か妙な寄生虫が出てこないようにするという念の入れよう。
 何だかんだで連携しつつ、ダメージを重ねる猟兵に対し合体強化したとはいえ、先に鰹を潰されすぎたかフルパワーでない鯖。
 だがしかし、それでも強大な邪神なのに変わりはなくダメージを受けながらも再びの鯖缶ストーム。
 これ以上の攻撃は許さぬと反撃に入るが、それを受け止めるは別方向から生み出された風の障壁であった。
「ふむ、ただの竜巻ではなくカンヅメであったか。魚の絵が載っておるしきっと魚が入っているじゃろう」
 その障壁を生み出したのは、やる気をなくしていたエウトティア。
 先ほどから、鯖が出していた竜巻に缶詰が入っており、しかも魚の絵が記載されていたとあっては食材入りと判断し、風の障壁にて受け止め、回収しようと動き出していたのである!
 まあつまり、仲間の援護と同時に自分の欲求も満たそうということですな。
 次々と撃ち落される鯖缶の嵐、その中で再び鯖に短刀突き立てた剱。
「せめて、浄化されて、鯖になった事を力いっぱい後悔して、骸の海で今度は新鮮な邪神に生まれ変わってもどってらっしゃい」
 とりあえず、優しげに思いの丈を浄化の力と共に流し込んでの急速離脱。
 ついでに理不尽三姉妹の叫びが聞こえた気がするが、それを打ち消すように重なり合った爆発音。
 そんなこんなでダメージを与えつつ、次々と落下していく鯖缶たち。
「うむうむ、良い感じじゃな。
 これ、おぬし達、サボっておらずに回収するのじゃ」
 敵の攻撃を押さえ込み、更には鯖缶も大量に確保できるとエウトティアが狼たちをけしかけて落下した鯖缶を回収させる。
 大量の鯖缶を回収し、カンヅメならば食べられると意気揚々としている彼女であったが、回収してきた狼たちは妙に不安げ。
「なんじゃ、そんな顔をしてからに。本体の鮮度が悪くともカンヅメなら食べられるじゃろう」
 その不安を払拭するように、黒曜石のナイフを取り出して。
 缶切り代わりに突き立ててカシュッと開封、だがしかしこれも鮮度がアレなオブリビオンが生み出したものなんで、そのね?
「ぬおっ、なんじゃこのにおいはっ!? まさか、おのれ、賞味期限が大幅に過ぎておったか!」
 異臭を放つ内容物、まあそうさ、大量に今出来たての鯖缶なんて用意できないだろうから、古いのとかを過去の記憶から持ち出してきて攻撃したんでしょうね。
 新旧様々な鯖缶を放出したんで、偶々、古い鯖缶を開封してしまったエウトティア。
 なお、狼たちは既に離れてご主人様の様子を伺っていた、中々にやる連中である。
 せっかくの保存食もだめになっていた、そんな悲劇を猟兵側で展開している中、体中が傷ついて、焼け焦げたりしている鯖はまだ抵抗の姿勢を崩さないのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

黒沼・藍亜
いやもう最初からそうだったっすけどホントツッコミどころしか
(スマホチラ見)あ、一応どっちもサバ科っすね
……次はマグロとかこないっすよね?

まあ魚談義はさておき、
下手に自己強化されて接近後、至近で虐殺鯖缶嵐されるなんてごめん、ていうか痛いから、マヒ弾スタン弾を撃ちまくるっすよ

そしてそれに紛れてUDCの一部を放っておいて、攻撃命中と同時に【簒奪者の揺り籠】
目立たず付着させたUDC(一部)に、命と邪神としての権能の一部を簒奪させ継続ダメージ+弱体化させるっす
こういうのは「気づいた時には手遅れ・処置無し」っていうのが一番っすからねー
さてさて、あのカミサマから何を奪ってくるかなー?

※アドリブ他歓迎っすよ


マリン・フィニス
鰹が鯖、に……?どういう、いやアレが鯖と決まったわけではない
異世界なのだ、私の知っている鯖によく似た別の生き物の可能性が…「生き」物……?
………ええい、倒せばいいのだろう!?(思考放棄)

再度【シャーク・エヴォリューション】
傷口からの出血で攻撃ができるなら「流血させなければいい」
《氷》属性を与えたアイスシャーク達の一部に小魚を追い散らさせ、残りは攻撃へと参加、攻撃による咬傷ごと氷結させて流血を妨げ、
同時に鮫自体の与える低温、加えて氷の泡による障害物や水流による妨害によって異能ではフォローできない奴の『運動能力』をそぎ落とす

攻めや守りを伸ばすだけでいけるほど、海は甘くないぞ……!!
※アドリブ他歓迎


火土金水・明
明「相手は鯖ですか。クロ、食べますか?。」クロ「あんまり、おいしそうに見えないにゃ。」明「だそうです。それでは倒すことにしましょうか。」
【SPD】で攻撃です。
攻撃方法は、【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡め【限界突破】した【銀の流れ星】で、『青光る邪神・鯖』を【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】【見切り】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「確実にダメージを与えて、止めを。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。



 なんやかんやで鰹から鯖への合体変態した邪神に相対する猟兵たち。
 まあ食材として見て、そこまで困惑していなかった面々が思う存分痛めつけていたわけだがこちらはこの変化に戸惑っていたメンバーがいたわけで。
「鰹が鯖、に……? どういう、いやアレが鯖と決まったわけではない。
 異世界なのだ、私の知っている鯖によく似た別の生き物の可能性が……「生き」物……?」
 そうだね、知ってる生物とは違う邪神だからね、そういう認識すればいいよ、マリンさん。
 ほら、お隣でスマートフォン片手に調べ物をしている藍亜さんもきっと同意してくれるさ、だってさ?
「いやもう最初からそうだったっすけどホントツッコミどころしか」
 うんうん、ツッコミどころしかないってのは正解だね、ところで。
 スマートフォンを見て何を調べておられたのでしょう?
「あ、一応どっちもサバ科っすね。……次はマグロとかこないっすよね?」
 おう、フラグを立てるのやーめや、これで本当に、内部から出てくるやつがマグロだったらどうすんだよ。
 そんな、海産物三変化、なんてやったら食材にしたがってる皆さんが、またしても狙ってくるじゃあないですか?
 第一章、第二章と食べれない空気満載で、最後の最後まで食べれそうで食べれない、そんな敵になった暁には、食材認識な皆様の怒りが地の文に飛んできて収拾つかない展開になってしまいかねないんですよ?
 ま、まあ、この二人は展開にツッコミを入れてくれる良心的ポジションだし、何とかなるでしょう、でも良心的ポジションだけでなく、やっぱり食材っぽく見ている人もいるわけでして。
「相手は鯖ですか。クロ、食べますか?」
「あんまり、おいしそうに見えないにゃ」
 敵が鯖だからって、使い魔に話しかけていた火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)
 食べるか、と聞かれるも、鰹からの変態、さらには仲間の攻撃に見せた反応と、様々な要因を見て食べるつもりがないと言う猫の使い魔なクロ。
 猫にすら嫌がられるなんて、この鯖の面汚し!
 って食材扱いする人たちなら言いそうなぐらい、拒絶されちゃった鯖。
「だそうです。それでは倒すことにしましょうか」
「……そ、そうだな、うん。ああ、それで間違いない、倒せばいいのだろう!?」
 淡々と、猫にも拒否されたので倒すのみと告げる明。
 その言葉にはっとして、色々と考えていたけど思考を放棄して攻め立てるべく武器を構えたマリン。
 これ以上の魚談義はある意味危険だ、ついでに鯖缶竜巻も危険と銃を構えた藍亜。
 三人は焼け焦げ、しかしながら抵抗する鯖に止めを刺すべく動き出すのであった。


 そこはとんでもない光景であった。
 いや、追撃の現場なんだがまあ鯖も必死の抵抗をするわけで。
「うおおおおお、鯖缶嵐に押し潰されるのは勘弁っす! というか痛いのは嫌っすから!」
 どうした、24歳エージェント。
 邪神に精神をやられたのかといいたくなるほど、手にしたハンドガンから麻痺属性の付いた銃弾を乱射していた藍亜。
 発狂しているわけじゃない、でもオチ担当になってたまるかという精神からか、相手がこれ以上抵抗せぬようにと痺れさせようと銃弾を撃ち込むも巨体を止めるにはストッピングパワーがちょっと足りないかもしれない。
 しかし、それは一人で立ち向かってオチ担当に突き進んだ場合である、今の彼女には頼れる仲間がいるんだぜ!
「さて、いきますよ。流れる星に、魔を断つ力を」
 スッと引き抜くは銀の剣、正眼の構えにて鯖と相対する明。
 接近させぬと撒き散らされる、賞味期限を過ぎたものを含んだ鯖缶嵐の真っ只中を悠然と進んでいけば、その身へ次々と襲い掛かる数多の鯖缶。
 だが彼女は一切焦る素振りも見せず、そのままもう一歩を踏み出せば。
 待ってましたとばかりに数多の鯖缶が進んだ彼女目掛けて殺到、ありとあらゆる方向から打ち据え、無残な肉塊へと変化させる、はずだった。
「残念、それは残像です」
 一瞬で消えた姿、それは明の残した残像で。
 集結した鯖缶は自分たちでぶつかり合い、変形し、中身をぶちまけ崩壊すれば、消えた明はどこに居るのか?
 視線を鯖へと向けて見れば、急接近する黒き影。
 これこそ、黒きマントに身を隠し、邪神を討つべく力を発揮した明であった。
「確実にダメージを与えて、次へ」
 体をくねらせ打ち払おうとする巨体、そこへ躊躇なく飛び込んで白銀に輝く剣戟を一閃。
 深々と刻まれた一撃は腹部から背筋へ伸びる傷口を刻み、同時に明は振り上げた刃を返して腕を引き。
 続けて放つ一撃はバツの字刻むかのように鯖の体へ傷をつけ、そこから噴出すは赤き血液。
 肉を切らせて骨を断つ、自らの傷口を利用しての反撃、アニサキス爆弾を解き放つ鯖の反撃であったがそれを食い止めるのが、明の言う次の一撃。
「傷口からの出血を攻撃に利用するのなら……流血させなければいい。つまりは、これだ!」
 切り裂かれ、血液をぶちまける鯖に間髪入れず追撃を。
 呼び出した鮫を操るマリンが掲げた右手を下ろせばそれを合図に鮫たちが巨大な鯖へと殺到。
 魔力を受けて全身に、まるで鎧の如き氷を纏った鮫たちは、逃げ惑う小魚の群れを蹴散らしながら急接近。
 何匹かは噴出した血液によって打ち払われて、虚空へと消滅するもそれ以上に迫る鮫の勢いが、そして数が多ければ。
 防ぎきることは不可能、氷の牙にて一匹が食いけば、血液噴出す傷口が末端より氷によって塞がれて。
 勢いが弱まれば二匹目、三匹目と容赦なく傷口に鮫が噛み付き、流血を押さえ込めば新たな鮫たちが傷口だけでなく、無事な部分に噛み付き凍らせ、鯖の運動能力を奪っていく。
「攻めや守りを伸ばすだけでいけるほど、海は甘くないぞ……!!」
 運動能力が下がった鯖、されどそこで攻撃の手を弱めるなどという油断はない。
 マリンが翳すはバブルワンド、その先端からは完全に相手を封じ込めるという強い意思の現れか、凍りついた泡が吹き出し鯖を包めばそれによって更に動きが鈍っていき。
「お二方とも、流石っすね。それじゃボクもこいつで……どうっすか?」
 鯖を攻め立てた明とマリン、二人を援護するように発砲していた藍亜であったが、放っていたのは銃弾だけではない。
 威力の低い銃撃のみと鯖が彼女の存在を軽んじて、他への対処に力を割いたその隙を逃さずに、銃弾に紛れて放たれていた黒き液体の弾丸こそが彼女の本命。
「まだ気付いてないっすか? まあ、その方が都合いいっすけど」
 クスリと笑えば鯖の表皮に付着していた黒き液体、それが急に肥大化し、また楔を打ち込むが如く鱗を、皮を突き破り体内へと侵入。
 痛みに悶え、自らを包む氷の中でのた打ち回った鯖ではあるが既に手遅れ。
「こういうのは「気づいた時には手遅れ・処置無し」っていうのが一番っすからねー。
 さてさて、あのカミサマから何を奪ってくるかなー?」
 目を細めて深々と食い込んだ体内を侵食、何かを吸い上げ伸びる自らのUDCを見守れば、苦しみ暴れまわる鯖が最後の抵抗。
 氷の泡を砕こうと体をくねらせ、また鯖缶を打ち出すもこれまでのダメージの蓄積で強度の落ちた体では、凍ったままで動く事による反動に耐え切れず。
 氷の泡にて出来た檻を打ち砕くまでが精一杯、鱗が剥げ落ち、傷口から凍った肉片をぶちまけながら地面に落下。
 凍った部位が弾けとび、その反動を利用して黒い体液な藍亜のUDCが飛び跳ねながら帰還、その成果を見せ付けるが……。
「どれどれ、一体どんなものを……ってこれ、巨大寄生虫じゃないっすかー!?」
 黒き体液に浮かぶ、白くうねる細長いナニカ。
 うん、まあ鯖にはお約束な寄生虫だからね、あと巨大化した相手だから、勿論寄生虫も大きくなってて当然だよね。
 慌てて捨てる様に命ずる藍亜、ちょっと残念そうにしながら巨大アニサキスを鯖目掛けて放り投げる液状UDC。
 何だかんだでトラブルはありつつも、こうして巨大鯖の討伐は完了するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『サメ』

POW   :    サメは潜航する
【地形に姿を隠した状態からの不意打ち】が命中した対象に対し、高威力高命中の【噛み付き】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    サメは飛行する
全身を【任意の属性】で覆い、自身の【サメ力(ちから)】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
WIZ   :    サメは仲間を呼ぶ
レベル×5体の、小型の戦闘用【の任意の属性のサメ】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠アルミィ・キングフィッシャーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 巨体を横たえ、ピクリとも動かない巨大鯖。
 これで終わりなら良かったのだが、話によるとこの鯖が脱皮して、更に強大な海に関係する邪神になるという。
 見守る中で急に鯖の横っ腹が波打てば、そのうごめきは回数を、そして大きさを増していき、ついには巨大な、それでいて特徴的な背ビレが姿を見せて。
 まるで波間を泳ぐ恐怖の如く、背ビレが動き鯖の体を切り裂けば、その中から姿を見せたのはそう、海の恐怖を体現する存在、サメであった。
 だが、このサメは普通のサメではない、何せ邪神である。
 今までの鰹、鯖と同じく空を飛ぶように泳ぎ、更には完全なる復活を果たした影響か、猟兵を大きく上回る戦闘力を生かし、いつでも攻撃を仕掛けてやるとばかりに回遊を始めたではないか。

 放たれる圧倒的なプレッシャー、海産物から始まった、謎のコミカルな空気を一気に書き換えるように立ち回るサメ。
 コメディ映画から急にホラー映画になったような展開ではあるが、まあ相手はサメである。
 これまでの空気を押し付けて撃退するも良し、しっかりとパニックホラーで受けて立つも良し。

 とりあえず、注意されたように先制攻撃にだけ気をつけて、対処してから自分たちの強みを押し付け、好き勝手戦い抜くのだ、猟兵たちよ!
備傘・剱
あぁ?!海産物が肉食になったからって、なめてんじゃねーぞ!
どっちが捕食者か、思い知らさせちゃらぁ!

不意打ちに備えて、全身にオーラ防御展開、地形って事は、逆いや他に出てくる所がなけりゃ、そっからしか出てこないって事だろうが
地形利用で地面以外がない所にいて、食らいついた所に結界術を使って捕縛してくれるわ

で、こいつも調理してやるわ
さぁ、お前のフカヒレを数えろ!
ワイヤーワークスで縛り上げて、調理と鎧無視攻撃と鎧砕きで鱗引っぺがして誘導弾と呪殺弾で攻撃しつつ一足りないとパンドラゴラにも手伝ってもらって回収じゃ

捕食される恐怖を味わった次は喜んで食べられる邪神になりあがってくれ

アドリブ、絡み、好きにしてくれ


黒沼・藍亜
「邪神鯖:アニサキスと鯖缶とDHAを司る食材系邪神……」っと。
え?何って報告書っすけど?
別にアニーちゃんにぷんすことかじゃないっすからほんとに

で、今度はサメって意外性薄いっすね…
マグロはともかく、脱皮だし甲殻類系だとばかり…ってこっち来た!
ああもう唸れボクの見切り技能!後は触腕での武器受けやそこの元鯖残骸を盾にしてでもなんとか初撃を避けるっすよ

それが済めばこっちの【指定UC】《精神攻撃/恐怖を与える》
……アンタにはこれが「何に見える」?
じゃあ……心も体も抉られてしまえ。

後は目一杯広げたUDCの沼から大量の触腕を出して捕縛・生命力吸収し、最期は沼の中へと「お片付け」っすよ

※アドリブ連携他歓迎っす


四季乃・瑠璃
翡翠「さぁ、おまえの鱶鰭を数えろ!」
緋瑪「サメかぁ…」
瑠璃「前にゆかりちゃんに悪い事教えてたサメがいたけど、アレも腐ってたね」
翡翠「サメも食べれない…!?」(ガーン)

先制攻撃をという事で、不意打ちを警戒して3人で背中合わせになり、空中や地面からの攻撃対策に周囲に地雷代わりの感知式ボムや浮遊機雷を散布。
爆破の陣を敷いて対処するよ。

後は3人でボムの範囲攻撃でサメを只管殲滅し、全力の【ブレイカー】を正面から叩き込んであげる

翡翠「鰹…鯖味噌…フカヒレ…」
緋瑪「翡翠、本当に食べたかったんだねー」
瑠璃「帰りに他の猟兵のみんなも誘ってご飯食べに行こう。漁村だし、美味しい海の幸が食べられるよ」

食処ネバー教団


エウトティア・ナトゥア
アドリブ・連携歓迎

ぬわーーっっ!!カンヅメも傷んでいるのじゃ。
これはもう通報するしかあるまい。
保健所の精霊にビビビッと連絡するのじゃ…なに?いない?それじゃあ、地の文の精霊よ、代わりに指導しておくのじゃよ。

さて、国民の義務を果たした所で邪神への対処じゃな。
小型のサメが大量に泳いでおるようじゃが、なに一撃で消滅するならどうにかなるじゃろう。
精霊術士の力を行使して、精霊を呼び出し小指の先がちょっぴり切れそうな小さな風の刃を大量に放ち小型のサメにぶつけるのじゃ。
小さくても一撃は一撃じゃ、はよ消え去るとよいぞ。
攻撃に対処したら反撃じゃ、氷の鎖で『サメ』を束縛しマニトゥと狼の群れに齧ってもらうのじゃ。


マリン・フィニス
……やった、のか?
いや、まだ何か、来る……!!
このプレッシャーは……!!


……なんだ鮫じゃないですか(素)
(慌てて)………鮫ではないか


ん?鮫は飛べるし何らかの属性を持つものではないか?(鮫魔術的意味で)
しかし、鯖の腹から出て来るとは……寄生鮫なのか?
(鮫の)長老に聞けば何かわかるかもしれないが……

とにかく、まずは奴の勢いを挫かなければ……
《電気属性》帯電泡を周囲に撒き壁とし、さらにメガリスの《天候変化》で嵐を起こし奴の鮫軍団を分断、そして三度【シャーク・エヴォリューション】!

雷の障壁と鋼の楯鱗、刃の如き鰭のサンダーメタルアーマーシャークを召喚し、敵鮫軍団…そして奴を攻撃する!

※アドリブ連携他歓迎



 鯖の肉体が脈打って、内部から飛び出した圧倒的プレッシャーを持つ空飛ぶサメ。
 B級ホラー映画感満載なその存在、されど邪神としての凄みを感じ……。
「……やった、のか? いや、まだ何か、来る……!!
 このプレッシャーは……!! ……なんだ鮫じゃないですか」
 鎧を纏って武人なキャラを作っていたマリンが思わず素に戻ってしまっていた。
 まあつまり、凄みとかプレッシャーを感じていなかった。仕方ないね、この人、鮫を召喚して属性を付与してしかも飛ばしていたから見慣れた光景だしね。
「………鮫ではないか」
 あっ、キャラ崩壊しちゃったのを慌てて修正して言い直してる、大丈夫、多少のキャラ崩壊なんて誰も気にしないさ。
 だってここは超空間で、普通では考えられないことが起こる空間、ちょっとどころかあからさまにキャラ崩壊したってヘーキヘーキ。
「あぁ?! 海産物が肉食になったからって、なめてんじゃねーぞ!
 どっちが捕食者か、思い知らさせちゃらぁ!」
 ほら見なさい、キャラ崩壊気味に剱さんがブチ切れてるでしょ?
 え? 食材を駄目にされて料理人が切れるのは当然だからキャラ崩壊ではない? あ、はい、そうですね、ならこれは純粋に……やべぇ、完全に手がつけられないほどに激怒してるじゃないですか!?
 いやしかし、これは料理人としての怒りなだけであって激怒しているのは彼だけのは……。
「ぬわーーっっ!! カンヅメも傷んでいるのじゃ。
 これはもう通報するしかあるまい」
 駄目だ、別の方向で怒りを表している人がいた、精霊と通信できるエウトティアさんである。
 だ、だが通報だなんて、ここは超空間ですよ、電話も通じませんからそんな怒りをぶつける方法なんてどうするんですかねぇ?
「保健所の精霊にビビビッと連絡するのじゃ……」
 ほほう、保健所担当の精霊ですか、なるほど……ってそんなモンいるわけねーだろ!?
 いや、日本って国は八百万の神がいる国だから、保健所の神とかいるかもしれないけどやっぱりいてたまるかっ!
「なに? いない? それじゃあ、地の文の精霊よ、代わりに指導しておくのじゃよ」
 ちょ、こっちに丸投げ!?
 そんな、邪神に鮮度とかその他諸々の指導とかできるわけないじゃないですか、ヤダー!?
「保健所か、そうだな、確かに保健所案件だなぁ。
 まあ通報は当然として……こいつも調理してやるわ! さぁ、お前のフカヒレを数えろ!」
「そうだ! おまえの鱶鰭を数えろ!」
 あっ、保健所に通報って単語に反応して、剱さんが便乗した上でフカヒレ要求してる。
 そのフカヒレって単語に別方向から翡翠ちゃんまで反応、この人形も今までの食べられない邪神に対してめっちゃ怒ってませんかねぇ?
 だが、そんな翡翠ちゃんに残念なお知らせをするのは瓜二つな外見を持つ緋瑪と瑠璃。
「サメかぁ……」
「前にゆかりちゃんに悪い事教えてたサメがいたけど、アレも腐ってたね」
 以前、見かけた鮫。そしてそれを食べようとしたものの、解体してみたら思いっきり腐ってた事を思い出していた二人。
 つまり邪神がらみな海洋生物は基本、腐ってたなんて悲しい現実を語っていけば何とかして食べようとしていた者にとっては悲しいお知らせであり……。
「サメも食べれない……!?」
 翡翠ちゃん、三連続で食べれない悲しみを受け、その場に崩れ落ちていた。
 いや、その、どうしてそこまでして食べようと考えるかなぁ!?
「えーと……「邪神鯖:アニサキスと鯖缶とDHAを司る食材系邪神……」っと」
 完全に食材扱いしていた猟兵たち、そこから離れて手にしたメモ帳に色々と記載していたのは藍亜。
 あなた、今戦闘中ですけどいったい何をされてますか?
「え? 何って報告書っすけど? 別にアニーちゃんにぷんすことかじゃないっすからほんとに」
 あっ、コイツ、鯖から自分のUDCが回収したのが巨大アニサキスだったことを根に持ってるな?
 わざわざ言って否定する辺り、言わなきゃわからなかったのにこれはきっと失態である、多分。
 そんなこんなでサメな敵を目の当たりにした猟兵たちと、真の力を解放した完全なる邪神との戦いは最終局面へと移っていた。


 それは一方的な光景だった。
 え? 先制攻撃を仕掛けた邪神による蹂躙だって? 完全な復活を遂げた邪神だし、まあそういうゲームでは絶望的展開になってるだろうよ、普通なら。
 じゃあどんな光景だって?
 まあ見てもらえればお分かりいただけるだろうが……サメが一方的にボコられていた。
 いったい何がおこったのか? 先手を取ったはずの邪神がどうしてこうなったのか。
 それは小型の鮫を大量召喚した所にまで巻き戻る。
「小型のサメが大量に泳いでおるようじゃが、なに一撃で消滅するならどうにかなるじゃろう」
 先制攻撃、多量の小型サメを召喚したサメではあったが落ち着き払ったエウトティア。
 その圧倒的な数を前にして彼女が生み出したのは、ほんの少し、小指の先ほどの切り傷ができる程度の風刃たち。
 普通ならばそんなっもの、まったくダメージにならないのだが……この大量召喚された小型サメ、数を用いて攻撃にのみ特化した存在であり耐久力は皆無、つまりRPG風に表記するとHPは1みたいなもんである。
 そこへ1ダメージを与える風刃をばらまいたらまあ、そりゃあねぇ……一発消滅だよ。
「小さくても一撃は一撃じゃ、はよ消え去るとよいぞ」
 ヤメテ! そんなメタい台詞と共に、容赦なく最小ダメージをばらまいて小型サメの集団を消し去るのはヤメテ!
 だがこんなメタい攻撃は序の口さ、小型サメの突撃は他の場所でも起こっていたんだがそれもまあ、お察しの通り。
「さあ、どこからでもかかってこい! あと海産物が食べれない恨み!」
「翡翠~……諦めなよ」
「まぁまぁ、やる気があるのはいいことだし」
 分身してたり人形だったりする三人組み、全員が背中合わせに密着して死角を潰し防衛体制。
 約一名の、食材への恨みがとっても篭った爆弾は地表に仕掛けられた感知式爆弾やら空中に浮かぶ数多の機雷にまで及んでおり、そこへ突っ込んだり地面から生えてきた小型サメでは先の消滅っぷりを見るに結果は明らか。
 そこかしこで連鎖的に爆発して吹っ飛んで、爆弾の破片とかがぶつかって直撃を受けていないサメまで巻き込んで、一気にその数が減っていたのである。
 だがしかし、まだまだ小型サメへの迎撃は収まらない。
「如何に軍勢を揃えようと、分断されれば力は発揮できまい!」
 手にした杖を振りかざし、帯電した泡を周囲に広げたマリン。
 突っ込んだ小型サメはその泡に囚われ、電撃にて痺れながら消滅するがまだまだ彼女の攻撃はとまらない。
「出でよ、刃が如き鰭を持つサンダーメタルアーマーシャーク!」
 相手の攻撃、もとい召喚に合わせて生み出された強烈な風雨、それは嵐へと姿を変えて、小型サメ軍団を飲み込んで突撃を防いでいけば、そこへ新たに呼び出すは彼女の戦友である属性付与の鮫軍団。
 今回は何かこう、雷、鋼、刃の三属性で攻守にわたって真面目な鮫らしく、鮫同士のドッグファイトで切り裂き蹴散らし、でも噛みつかれて消滅したりと激しい消耗戦を繰り広げていたのである。
「まあしかし、サメって意外性薄いっすね……マグロはともかく、脱皮だし甲殻類系だとばかり……ってこっち来た!」
 そんな風刃とか爆破物とか雷だとかを嫌がった小型サメ、ならば別の標的だとばかりに藍亜を狙って一斉突撃。
 だが破れかぶれな突撃では如何に先手を取って生み出された集団とはいえ、無謀極まりない。
 丁度いい場所にあった鯖の残骸を触腕で持ち上げ盾にし、飛び散る肉片と白くてうねる巨大アニサキス。
 スプラッターな見せられないよ! って光景を展開しつつ藍亜は攻撃をやり過ごし、攻めあぐねた小型サメを追い立てる様に飛んできた風刃や爆弾、それと完全武装鮫。
 そんなこんなで攻撃を凌がれ、更には配下を壊滅させられたサメ、ならばと自らに宿る飛行属性を強化、さらにサメぢからも一気に高めて自分の力で蹂躙しようと突っ込むが……。
「地面から出てくるのは予想済みだ! となりゃあ、地形の無いここにいれば……突っ込んでくる姿が見え見えだぞ!」
 何もない場所、開けたその場に立ちサメの強化を見届けた剱が叫べば、突っ込んできたサメ目掛けて伸ばすはワイヤー。
 グネグネと波打つ動きで広がるそれは強化されたサメに絡みつき、グイっと剱を引っ張るがそれでも彼は怒りで本来以上の力を出していたのか振りほどかれる事も無く、ワイヤーを引き寄せ強引にサメへと密着。
「調理開始、だ!」
 手にした短刀を包丁に見立て、大きく振り上げ背中に突き立て一撃。
 そのまま引き裂かれてなるものかと暴れるサメではあったが猟兵に配下を消され、さらには組みつかれた時点ですでに勝機は無いわけで。
「水の精霊よ。咎人を搦め捕るのじゃ」
 小型サメを一掃した面子の中から先ずは動いたエウトティア。
 氷の鎖を虚空に生み出し、サメへと飛ばせば先に絡まるワイヤーを補完するかのように伸び、サメの体を縛り上げて動きを封じ。
「マニトゥ、こやつらと共に新鮮な内に齧っておくのじゃ」
 巨狼マニトゥと忠実な狼たちをけしかければ、動けないサメに殺到。
 全身に噛み傷、爪による切り傷を刻み込む猛攻に加え。
「……アンタにはこれが「何に見える」? じゃあ……心も体も抉られてしまえ」
 ゆらりと近づく藍亜が伸ばすは黒き幻影、それに取り込まれたサメが見るは己を狙う漁師の影。
 捕食者である自分が殺される、そんな恐怖を一瞬でも覚えたが最後、その恐怖は肥大化して精神だけでなく肉体にまでダメージを与えれば、拘束から逃れようとする力が緩み。
「助かった! これでまな板の上の鯉だな!」
 動きの鈍った好機を逃さず剱が皮と肉の間に短刀差込み、浮かせながら皮を引く。
 ベリベリと引き裂く音、そして短刀が進むと同時に鮫の皮が引っ剥がされて、内部の肉が浮かび上がって脈打てば。
「今だ、我が戦友たちよ。あの傷を広げるのだ!」
 マリンの指示に従って属性を付与された鮫の集団が傷口を広げる様に殺到、剥がされた皮の範囲を広げる様に刃を突き立て切り裂いて。
 ビクンと跳ねるもそれが最後の抵抗か、突っ込んできた翡翠、緋瑪、瑠璃が手にするは魔力を高めた爆弾で。
 小型サメを蹴散らしてなお余っていた爆弾を翡翠が投げ込み攻撃すれば、遅れた二人は互いの手にした爆弾を合わせてさらに火力を底上げし。
「「これが(私/わたし)達の全力全壊! ジェノサイドブレイカー!!」」
 叫びと共に投げつけられた爆弾がサメの顔面で大爆発。
 凄まじい閃光と共に広がった爆風が収まれば、地面に落ちてボロボロで、そして時折小刻みに痙攣するサメの姿。
「はーい、最後は沼の中に「お片付け」っすよー」
 最早抵抗の力がないサメ、だが完全に滅ぼすとばかりに藍亜が伸ばした黒き液体、否、黒き触腕が鮫を包み、広がる混沌の沼へと取り込めば任務は完了。
 ここに、超空間に君臨した邪神は完全に滅ぼされるのであった。


「捕食される恐怖を味わった次は喜んで食べられる邪神になりあがってくれ」
 元の空間、即ちUDCアースの日常に戻ってきた一行。
 既に魔力の滾りも無くなった漁具置き場、始末した存在に手を合わせていた剱と同じポーズをとっていた、彼のサポートを行うマンドラゴラな贅沢根菜パンドラゴラ。
 いや、この植物も一種の邪神な気がするんですけどねぇ……。
「鮫は飛べるし属性を持つのは普通、だが鯖の腹から出て来るとは……寄生鮫だったのか?
 長老に聞けば何かわかるかもしれないが……」
 マリンさん、あなたの言う鮫は鮫魔術の鮫であって、普通の鮫じゃないんですよぉ、鮫は。
 でも今回の鮫は邪神鮫だから普通の鮫じゃないという点では正解ですけど、寄生していたわけでもないので鮫の長老に尋ねてもきっとわからないと思うな!
 多分だけど。
「やれやれ、とんだ無駄骨じゃったな、どれ一つ食えぬ者であったからのう」
「うう、鰹……鯖味噌……フカヒレ……」
「未練か、まあ仕方あるまいて」
 そんな二名と離れた場所で、今回の邪神に対して文句を言っていたエウトティア。
 あとめっちゃ未練タラタラで食材じゃなかった事で受けたショックから立ち直れていない翡翠。
 なんだかんだでエウトティアが慰めていたのに加え、分身だったり本体である緋瑪や瑠璃も近づいて。
「翡翠、本当に食べたかったんだねー」
「帰りに他の猟兵のみんなも誘ってご飯食べに行こう。漁村だし、美味しい海の幸が食べられるよ」
 とりあえず駄目だったけど、ここは漁村だし新鮮な海の幸が食べれると慰める二人。
 その言葉で何とか立ち直る翡翠、そしてまともな食事と聞いて同意するエウトティア。
「うむ、そうじゃの。腐った食材ばかり見せられたし、賛成じゃ」
「いいっすね、行きましょ行きましょ」
 エウトティアの言葉に重なるように、藍亜も同意し一向は小屋を後にし漁村の中へと進んでいく。
 後に残るは魔力の滾りを無くし、なんの危険も変哲も無い廃屋のみ。
 任務を終えた猟兵たちが漁村を進み、やがて開店中の店を見つけて看板見れば擦れた文字で書かれた『食処ネバー教団』の文字。
「ネバー……」
「教団」
 その言葉に何かあるのか、過去の事件を思い出して一瞬立ち止まる緋瑪と瑠璃。
 だが、それ以上に反応した者が。
「教団って、邪神がらみで更に事件の気配じゃないっすかー!?」
 文字を見て、まーた別の任務ではないかと恐怖を感じた藍亜さん。
 だ、大丈夫、既に滅んだ教団だから、昔進出した時のまま、看板がそのままかもしれないから!
 だから発狂しないで、きっと、邪神はもう出てこないから!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月15日


挿絵イラスト