#クロムキャバリア
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●砕かれし岩は
大岩を砕いて爆炎が上がる。
「あいつら、次から次へといったい何処から」
「馬鹿、今は振り切ることだけ考えろ!」
深い青銅色の量産型キャバリア二体が散開した途端、つい先ほどまで立っていた岩場が抉れる。
「へーきへーき! あの量産機、どんくさくね? 機動力は俺らの方が上だし!」
「まぁな。早く皆と合流して積み荷を――」
言葉は続かなかった。
通信が途切れたゆえではない。
(「え、いつの間に」)
音もなく至近距離に現れた新手が、その単眼でじっとこちらを見つめていたから。
光帯に続いて黒煙が上がる。
「おい、おい相棒! 応答しろよ!」
通信機から聴こえるのは、ザッピング音のみ。
其が意味するは、相棒の死。
そして。
(「あ……あーあ、駄目だわ。これ」)
すぐ其処まで迫った、己の死。
●騎士の墓標へ
「そのままね。別ルートに分かれた仲間もやられて、部隊は壊滅しちゃうんだ。……助けてあげてくれないかな」
予知の光景を伝えてのち、影守・吾聞(f00374)は集まった仲間たちに改めて助力を乞う。
少年曰く。
悲劇の舞台はクロムキャバリアに存在する小国家のひとつ。火山群に抱かれし、火の都『ヴァルカニア』領内。
山々をくり抜くように巧みに隠されたプラントから、溶岩の石材で建造された城壁に囲まれし市街地へ。物資を運搬中であった量産型キャバリア部隊が、突如出現したオブリビオンマシンの軍勢に襲われてしまうのだという。
「オブリビオンはほっとけないってのもそうだけど。このままじゃ部隊のパイロットはみんなやられちゃうし、都の人たちにも被害が出ちゃうからね」
勿論、生身で行けとは言わないと吾聞は続ける。
「目には目を、キャバリアにはキャバリアを……ってね! 機体を持ってなくても『ヴァルカニア』で正式採用されてる量産機を貸してもらえるから大丈夫。その名も、タロース!」
量産機とはいえ、良い意味で人を選ばぬ汎用性を誇り、個々に合った戦闘スタイルに適用できるという。
追加兵装を備えており、飛行も可能。
キャバリアの操縦が初めての猟兵であっても、けして戦闘に支障は出ないだろう。
「それでね、さっきは軍勢って言ったけど。厳密には、パイロットがいるのは指揮官にあたるモノアイの機体だけみたい」
配下にあたる数多の支援機は、指揮官機がユーベルコードで召喚したものであるという。
つまりは。
「あっちこっちに沸いてる支援機を一気になぎ倒して、指揮官機を撃墜! これで増援の心配もナシ! ミッションコンプリートってわけ!」
なお、撃墜したとしても、コックピットさえ無事であれば指揮官機に囚われたパイロットの救出も叶う。
「どうするかは皆に任せるけど、俺個人としては助けてあげて欲しいかな。好きで襲ってきてるわけじゃないし、積極的に命を奪う理由はないって思うから」
首尾よく事を収めた後は、機体の返却がてら『ヴァルカニア』を見物してくるのも一考だろう。
「火に関連してる、鍛冶やかまどの神様への信仰が残ってる国らしくてさ。モノ作りにはこだわりがあって、特にご飯はすっごくおいしいんだって!」
いろいろ食べなきゃ損だよね、と少年は笑う。
食卓を囲めばきっと人々との話も弾み、多くの知を得られることだろう。
キャバリアのこと、都のこと――猟兵たちが望む限りの、この世界のことを。
藤影有
お世話になっております。藤影有です。
量産機は浪漫の塊。
第一章は【集団戦】、第二章は【ボス戦】、第三章は【日常パート】です。
戦闘パートでは基本的に、量産機・タロース(詳細後述)に搭乗している前提で描写致します。
個人所有の機体がある場合やどうしても生身で立ち向かいたい場合など。
希望あらばプレイングに明記していただけると嬉しいです。
●戦闘パート補足
第一章・集団戦の相手は、何処かより召喚されし量産型オブリビオンマシンの軍勢です。
(パイロットは不在で、指揮官機の能力で動いている扱いとします。思う存分戦ってください)
敵は山々に点在し、物資運搬部隊の面々を攻撃しています。
割って入り、敵を殲滅できれば襲われている機体のパイロットも救えます。
第二章・ボス戦は指揮官機を相手取ることとなります。
こちらはパイロットがおり、破滅的な思想に囚われた状態にあります。
戦意を削ぐような、人の心を取り戻すような呼びかけなどがあれば、こちらへの攻撃の手が鈍るやもしれません。
●量産機・タロース
青銅色した人型の機体。
翼型推進器は標準装備(空中戦可)
ユーベルコード発動の他、武装も操縦する猟兵のものに準じます。
Q.つまり?
A.細かいこと気にせず、いつも通りの戦闘プレイングで大丈夫!
●第三章・日常パートについて
火の都『ヴァルカニア』の街のおもてなし――もとい食道楽をお楽しみください。
名物は火力を駆使した、ボリュームたっぷりの焼き料理や炒め物だとか。
ひたすらに食べるもよし、人々と語らうもよし。
自由にお過ごしください。
●グリモア猟兵について
影守・吾聞(f00374)は、第三章でお誘いプレイングを頂いた場合のみ登場します。
●プレイングについて
各章とも〆切予定等はMSページをご確認いただけますと幸いです。
それでは、皆様のプレイング楽しみにお待ちしております。
第1章 集団戦
『ギムレウス』
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POW : 砲撃モード
自身の【背部大型キャノン砲】を【砲撃モード】に変形する。攻撃力・攻撃回数・射程・装甲・移動力のうち、ひとつを5倍、ひとつを半分にする。
SPD : メタルファング
自身の身体部位ひとつを【機械で出来たワニ】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ : 接近阻害地雷敷設
自身からレベルm半径内の無機物を【対キャバリア地雷】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●降り立つは
地の理はこの地に住まう人々にある。
ある者は敵を凹凸の激しい地形に誘い込み、またある者は巨岩の影に身を隠し。
ひたすらに、ひたむきに、反攻の隙を伺い続ける。
泥に塗れてでも生き延びて、都の皆へ生きる糧を届けるために。
無数にも思える敵の軍勢を相手に、ここまで脱落者は一人もいなかった。
本当によくやった。
だが、流石にそろそろ限界だ。
「――あ、」
ほんの一瞬。
パイロットが集中を切らせば、ぎしりと音を立て青銅の機体が傾き、膝を付く。
ああ、遠くの砲塔が真っすぐこちらを狙ってる。
終わりだ、もう逃げきれない。
確信し、覚悟した。
そのはずなのに。
「……わたし、生き、てる?」
ああ、遠くの砲塔が激しく拉げて空を向く。
其を成したのは自分たちが乗っているのと同じ、タロースの一機。
否、違う。
同じだけれど、味方だと分かるけれど。
青銅の守り人を、あんなにも自在に操るは――。
リグ・アシュリーズ
困ってる人がいるならどこだって行くわ!
さーて、いざ……(がしょん、と眼前に降り立つキャバリア)
え。乗るの?これに??
操縦なんてはじめてのこの私。
どのレバーがどれとか、分かるワケないじゃない!
えーっと。こうね!!
ガシャン、と思い切りよく横に倒せば、
手足を横にぶんぶか振りつつ愉快に○ちゃん走りする始末。
ちょっ、誰か、とーめーてー!!
そのまま敵に横突進食らわせ、何とか剣で応戦するも、
斬り結ぶ最中に見えた赤いボタン。
これ、何かしら!!
激しい動きの最中にまさかの緊急パージ、
コクピット射出と共に振り撒くパーツがずどどと敵を襲い。
機体を早々に使い捨てた事から全力で目をそらし。
……うん。結果オーライね!ね??
●
「困ってる人がいるなら――」
コクピットの中、リグ・アシュリーズ(f10093)の視線の先。モニターに映し出されるは、激しく拉げて空を向く砲塔。
これでもう、こいつはまともに動けやしないだろうが。
「――放っておけるわけないわよね!」
想い込められた叫びとともに、深く強く操縦桿を倒し、ペダルを踏みこむ。
リグに代わって、くろがね色のキャバリアソードを一閃させるはタロースだ。
ごく近くに纏まった数機を、いっぺんにまとめて斬り払う。
視界が開けた先には、慌てているかのように砲塔の先を泳がせる敵機ども。
本来の目標たる運搬部隊の機体か、急に現れた増援らしき同型機か。
二機の間を砲塔は行ったり来たり――混乱が見られる今こそ、追撃のチャンス。
「よし! ええと、これを、こう?」
ガシャンとレバーを横倒し、同時にペダルを踏み込めば。
「え、ちょ、待っ……誰か、とーめーてー!!」
ガッションガッション、ガッションション。
カサカサと横走りになって戦場を駆けるタロース!
斬新すぎる突撃を前に、敵機もぽかんとしたかのように動きを止める。
もっとも、コックピットで慌てる娘に、好機が訪れたことを知覚する余裕はなかったろうが。まあ、ともかくとして。
「あー、もう! どのレバーがどれとか、分かるワケないじゃない!」
何しろ、初めての操縦なのだ。
こっちをぐいっと、あっちはちょこっと。
レバーを倒しては戻して、ペダルを踏んで。
振り回していた剣を地に突き立てれば、敵陣に砂礫の雨が降り、タロースの愉快な暴走も止まる。
「はぁ……どうにか止まったけど」
ガシャ、ガシャ、ガシャ。
立体パズルでもいじるかのような、規則正しくも無機質な音。
晴れはじめた砂礫の向こう、砲塔がずらりと向けられているのが分かる。
移動を考慮から外した、その場に鎮座し砲撃するに適した姿に変形して。
(「ターゲットは私、か」)
操縦桿を握る拳に自然と力が入ると同時、リグは不思議な安堵を覚える。
少なくとも今は、自分が駆け付けるまで窮地にあった誰かは命を狙われていないのだ。
(「その人の無事を確かめるためにも、この場を切り抜けないと」)
レバーを戻して、視線巡らせ――目に留まるは、赤いボタン。
「これ、何かしら」
はて。こんなにも目立つ赤い色が、こんなにも目立つ位置にあっただろうか。
いや、慣れぬ機械の操縦に注力していたとはいえ、流石に見落としはありえない。
この状況で出てきたということは、窮地を脱する手段足り得るものか。はたまた――などと。深いことは考えず、細かいことは気にせずに。
「ぽちっと!!」
娘は赤いボタンを押す。
だって、悩んだとて事態は好転しないから。
リグ・アシュリーズは豪胆であった。
そして、その即断が道を切り開くこととなったのだ。
砂礫の雨が完全に晴れて、その内側からタロースが現れた、刹那。
ばしゅっと空気を切り裂いて、何かが空へと射出された!
「え、えええ!? ちょっと、何で!?」
操縦席に収まったまま、卵型のカプセルに包まれてリグは遥か空高くへ。
見下ろす形で目にするは、タロース“だった”青銅色のパーツが四散し、突き刺さり貫通しては敵機を沈黙させている光景だった。
まさかまさかの緊急パージ。
パイロットの安全を確保しつつ、機体と引き換えに敵を討つ最終手段。
浪漫溢れるハイリスクハイリターンな機能は、どうやらタロースにも搭載されていたらしい。
(「……うん。結果オーライね! ね??」)
ぽよんと着陸したカプセルの中、リグはそっと機体を乗り捨てた事実から目を逸らすのだった。
大成功
🔵🔵🔵
祝聖嬢・ティファーナ
WIZで判定を
*アドリブ歓迎
『フェアリーランド』の壺の中から風/火/戦乙女を聖霊を月霊を呼びます♪
『エレメンタル・ピクシィーズ』で属性攻撃を『神罰の聖矢』で聖攻撃を仕掛けます!☆
『クリスタライズ』で姿を隠して、避け切れ無い攻撃は『月世界の英霊』で空間飛翔して敵のUCを『月霊覚醒』で封印/弱体化を計ります♪
『聖精月天飛翔』でWIZを強化して『叡智富める精霊』+『神聖天罰刺突』で苛烈な猛攻を仕掛けます!
仲間に『祝聖嬢なる光輝精』で怪我を治し『シンフォニック・メディカルヒール』で状態異常を癒します☆
他に襲われている人を“天使”に「手助けと協力をお願いできる?♪」と言って別行動もお願い致します!☆
●
(「まずいな、脚部の損傷が激しい。積荷をパージしても駄目だったか」)
横たわる一機のタロースのコクピット内、パイロットたる少年の瞳には諦めの色が浮かんでいた。
もはや自分は逃げきれまい。
せめて積荷の位置だけでも仲間に伝えんと。
「大丈夫。まだ終わりじゃないよ☆」
通信機に伸ばした手が止まる。
その先から、聞き覚えの無い少女の声が届いたから。
「ね、ボクに力を貸してくれる?♪ ボクがあいつらの注意を引くから、キミは……」
声の主が操る増援と思しき機体は、どうやら単身で敵陣へ向かっていく気であるらしい。
断る理由などひとつもない。
命の危機に突如現れ、手を差し伸べてくれた少女。
彼女は妖精か、はたまた天使か――。
*****
通信機の向こうから届いた肯定の意に、少女――祝聖嬢・ティファーナ(f02580)はくるりと回って全身で喜びを表した。
フェアリーたる彼女にとって、コックピット内は飛び回れるくらいに広いのだ。
「ありがとう、百人力だよ!」
返答してのち、モニターを見据えるティファーナ。
敵はかなりの数。それでも、勝機はある。
心は決まった。
「それじゃ」
髪を飾るように装着した、操縦補助用のヘッドセットに意識を集中し。
「ティファーナ、いっきまーす☆」
いざ、出撃!
妖精の意を受けて、タロースは強く大地を蹴った。
数多の敵機、一機のタロース。
多勢に無勢の構図の中、タロースが一瞬で姿を消した。
目標を見失い、右往左往する敵勢。
其がティファーナのユーベルコードを再現した、一種の光学迷彩であることを奴らは知らない。
(「チャーンス♪」)
姿を消したタロースは、敵陣の真上を浮遊していて。
その状態のまま、クリスタルビットを射出し攻撃へと転じる。
ビットに宿すは精霊の属性、その力を以て神罰と成す。
「光りを怯える闇と悪よ、悔い改めなさい」
聖者としての慈悲の表情は、束の間。
「ひっさーつ! てんばつてきめーん☆」
少女の声とともにタロースが吠えれば、戦場を暴風と業炎が包む。
されど、敵も足掻く。
前衛となった機体が壁となり、後衛に下がった僚機を守り。砕け散った機体は地雷へと変形し、空に上がったティファーナが大地に降りる術を奪わんとする。
持久戦に持ち込んで、推進器のエネルギー切れを狙う算段であろうか。
しかし。
「ふふ、甘い甘い♪」
ティファーナ単独であれば、敵の目論見もある程度は功を奏したであろうが。
彼女は一人で戦っているわけではなかったのだ。
「聴こえる? 準備万端だよ、やっちゃってー☆」
通信機に声掛ければ、向こうからすぐさま了解の意が届いた。
宙を舞うティファーナの機体の位置からは、戦場が広く見渡せる。
その中心からやや離れた一画、脚部を損傷したタロースの元に光が収縮していき――ごうっと音立て発射された。
風と炎に立ち塞がれて、己らが撒いた地雷に退路を断たれ。
逃げ場を失ったオブリビオンマシンの大群は、光に呑み込まれ、跡形もなく消えていった。
「えへへ! 勝利、勝利、だいしょーり☆」
コックピットの中、ティファーナはまたくるりと回って。
「敵の殲滅を確認、なんてね☆ キミの方は大丈夫? 怪我してない?」
共闘したパイロットに呼びかけながら、安否確認へ向かうのだった。
大成功
🔵🔵🔵
オブシダン・ソード
量産機の一機を借りて駆け付けるよ
よろしくね、タロース君
へえ、君、空も飛べるんだ、すごいねえ
あっ、でもこれ速、こわ、あーーーーッ
低空飛行で突っ込んで行かせてもらうね
多分真っ直ぐ飛んだら良い的にされそうだけど
真っ直ぐ飛べないから安心
操縦技能はゼロ
その辺の岩にぶつかったりするかも知れないけど
堕ちないようにどうにかバランスを取るよ
射撃? ごめん狙える気がしない
ということで攻撃手段は接近してのキーーーーック!
偶然脚が当たっただけかも知れないけどまあ良いでしょ
着陸できたら極力敵の懐に入るようにして、外しようのない至近距離で射撃
敵の数を減らしていこう
操作に慣れてきたらまた飛翔
ああ、でもやばいねこれ、酔う
ウッ
麻海・リィフ
アドリブ、即興連携歓迎
巨人戦車の群れ…壮観なものね
では、試してみましょう☆
(小箱からカチコチ音が)
同期…よし…うん、大体わかる
「晴嵐」、麻海リィフ…出る!
先制UC発動
念動衝撃波オーラ防御を乗せて布陣
残像空中浮遊ダッシュジャンプスライディングで即座に接敵
剣を回し念動衝撃波串刺しチャージで一気に突撃
範囲ごと薙ぎ払う
もちろん操縦士は外すようスナイプ
敵の攻撃は基本三種の盾で念動衝撃波オーラ防御を乗せて受け
カウンター念動衝撃波シールドバッシュで範囲ごと吹き飛ばす
窮地の仲間(特にNPC)は積極的にかばう
いい追従性ね…空中制御もしやすい
かなり研究されてる…学天則に応用できそう♪
道を開けよ!猟されたいか!?
●
目深に被ったフードの内側、オブシダン・ソード(f00250)の鋭い視線がモニターへと注がれる。
数多の敵機が繰り出す砲撃から逃れ続けるタロースたち。
今、その数体すべてが、積荷と思しきコンテナを背部よりパージして速度を上げる。
逃走に注力しなければ、逃げ切れぬと悟ったのだろう。
「あー、テステス。こちらオブシダン。そっちの首尾はどうかな?」
通信先はやや離れた位置に布陣した仲間――麻海・リィフ(f23910)の機体だ。
「ええ、いつでも行けるわ。それにしても、巨人戦車の群れ……壮観なものね」
リィフの側からも敵勢の様子は確りと見えているらしい。
加えて、彼女の声色からは余裕すら感じ取れる。頼もしい限りだ。
「りょーかい。それじゃ、そろそろ行こうか」
仲間への返答のち、言葉を掛けるは此度の“相棒”へ。
「改めて。よろしくね、タロース君」
その声に応じるように点滅したボタンのひとつを押し、レバーを引いて。
「オブシダン・ソード、行きまーす! なーんて」
ヤドリガミの青年はタロースを駆り、空へ。
一方で。
「同期……よし……」
リィフもまた、今まさに発進せんとしていた。
操縦席の傍らに置いた絡繰小箱から、カチコチと規則正しい音がする。
其はまるで、時を刻む針のように。
「うん、大体わかった。いざ――」
顔を上げた刹那、時が止まったような心地がした。
モニターに映る僚機――オブシダンの機体が、コントロールを失ったかのような有様で敵陣のど真ん中めがけて突っ込んでいたのだ!
「あっ、これ速、こわ、あーーーーッ!!!」
切り忘れたらしい通信の向こうから、青年の悲鳴が聞こえてくる。
どうやら彼は自分とは違い、機械の扱いは不慣れであったらしい。
「……ああ、もうっ」
両の手で頬をぺちんと叩いて、リィフは気合を入れなおす。
滅茶苦茶な進路を取る僚機であるが、むしろそれが功を奏して敵は狙いが付けにくいはず。
ならば、自分が取るべき行動は――思考を巡らせ始めれば、答えが出るのは早かった。
「気を取り直して、いざ。『晴嵐』、麻海リィフ……出る!」
青銅色の機体を纏い、晴嵐騎士たる少女は飛び立った。
*****
「あー、やばい。やばいよこれ……ちょっと酔う」
ふらふらゆらゆら。
コックピットの中。片方の手でレバーにしがみつき、もう片方で口元を抑え。
悪戦苦闘しながらも、オブシダンはどうにかタロースを御していた。
モニターの向こう、敵機が砲塔を右往左往させている。
不規則な軌道を描いて飛んでいるゆえに、照準を合わせにくいのだろう。
(「それはいいんだけど……どうやって攻撃しようね!?」)
射撃? いやいや、この状態で狙える気がしない。
ならばやはり、近接格闘が確実か。
「よーし、決めた。目標確認!」
狙い定めるは敵陣中央、今まさに変形しつつある一機。
口元から手を放し、ボタンを順にぽちぽちぽち。
ペタルをぐっと踏み込んで。
「必殺、オブシダンキーーーーック!」
高らかに必殺技の名を叫び、華麗なる飛び蹴りを決める!
目標に脚部がめり込めば、その砲塔は暴発を起こす。
もわりと溢れる黒煙に乗じ、ごく近くの敵機に組み付き、振り回し、投げ飛ばし。
さらには別の敵を砕かんと、拳を突き出したその先で。
「――っ!」
待ち受けるは、鰐を模した鉄の大顎。
砲撃主体と思しき機体であったが、どうやら近接戦闘を補助する機能も備わっていたらしい。
されど、青年が不利に転じることはなかった。
「させないわっ!」
スライディングの要領で割って入り、鰐の顎を斬り落とす者がいたからだ。
リィフの操るタロースである。
彼女自身の得物に似た機械剣を振るって戦いながらも、思考も操縦の手も止まることはない。
「雲か霞か、攻めるも受けるも……」
座標設定完了。
自律起動AI確認。
設定、オールクリア。
「……自由自在。『雲霞』展開!」
大きく剣で薙ぎ払うと同時、ぱっと後方に飛びのいて。
展開したクリスタルビットは丸盾を象った形状と成り、敵の追撃をも跳ね返す。
「いい追従性ね……空中制御もしやすい。かなり研究されてる」
自身の愛機たる学天則にも応用が利きそうだと。笑んだリィフの傍らに、オブシダンの操る機体が舞い降りる。
だいぶ操縦にも慣れてきたようで、もう妙な軌道は描いていない。
どちらからともなく、拳を重ねた二機のタロースは。
「道を開けよ! 猟されたいか!?」
リィフの声に乗せてまた飛び立ち、目視できる限りの敵を殲滅するまで暴れ回ったのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『モノアイ・ゴースト』
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POW : バリアチャージ
【バリアを纏った】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【支援機】の協力があれば威力が倍増する。
SPD : パルス・オーバーブースト
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【オブリビオンマシン】から【光学兵器による一斉攻撃】を放つ。
WIZ : ゴーストスコードロン
自身が【敵意】を感じると、レベル×1体の【支援キャバリア】が召喚される。支援キャバリアは敵意を与えた対象を追跡し、攻撃する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●青き戦い
☆☆☆ 前章までのあらすじ ☆☆☆
火の都『ヴァルカニア』で散る運命にあった人々を救うべく、量産型キャバリア・タロースを駆り戦場に降り立った猟兵たち。
馴染みのない機体を難なく乗りこなす者、悪戦苦闘しつつも御する者。
練度は様々でありながらも、どうにか敵の軍勢を退けた。
戦いののち、運搬部隊の者とコンタクトを取り、積荷ともども退避させることに成功。
破損した機体に関しても、後で都から回収部隊を送ってくれるという。
対応すべき問題は、一つずつ片づけられていく。
そして、最大の問題かつ其の根源は――程なくして、音もなく姿を現した。
*****
ゆらり。
揺らいだように見えたのは、機体に纏う不気味なオーラゆえか。
それとも、本当に幽霊の類なのであろうか。
ぶぅんと音立てて、そいつのモノアイが明滅すれば、背後からすうっと二体の影が現れる。
影は、まさに猟兵たちが殲滅したばかりの支援機と同型。
モノアイが特徴的な機体、支援機の召喚能力持ち。
予知で確認された、指揮官機に間違いないだろう。
即ち、他のものとは違い、この機体に限っては――。
『あんたたちが、邪魔をしたの?』
モノアイの機体からの広範囲通信。
憎悪に満ちたその声は、年若い少女のものと思われた。
『何よ……何よ何よ! 小国家なんかがあるから、みんな仲良くできないんじゃない!』
青臭くもあるその思想は、オブリビオンマシンに囚われたゆえか。
『ああ、うざったい! そこをどきなさい。邪魔をするなら、墜としてあげる!』
それとも、僅かながらに少女の心も反映されているのだろうか。
『全ての戦いを終わらせて、みんな仲良く笑顔で暮らすんだから!』
戦いを憂い望まぬ少女は、其を終わらせる手段としてオブリビオンマシンを駆る。
きっと、捕らわれし彼女自身はその矛盾した論理に気が付いていないのだろう。
単純に力の差でねじ伏せてしまっても構わない。きっと、猟兵ならばそれも叶う。
されど、少女の心をも守らんとするならば――。
オブシダン・ソード
ああ、そうだねえ
僕もみんな笑顔でっていうのが一番だと思ってるよ
引き続き、レンタルのタロース君で戦闘
飛行能力で距離を詰めたらブレードで近接戦闘を挑むよ
機動力を活かして、押されたら一気に引くヒット&アウェイで生き残りたい
本体ともどつき合いたいけど、支援機が現れるなら即座にそっちを斬り裂いて、連携される前に潰していこう
この国はさ、ヴァルカニアって言うらしいね
君はどんな国だか知ってるかな
そこに住んでる人達の顔は?
誰の笑顔のために、誰を泣かすことになるのか、やるのはそれを知ってからでもよくない?
僕も付き合うからさ
最終的に洗脳は解かないとだからね
様子見て、オブリビオンマシンの機能停止も狙わせてもらうよ
●
「ああ、そうだねえ。僕も同感だ」
先陣を切ったのは、オブシダンであった。
刃を交えるでなく、言葉を交わすことによって。
「僕もみんな笑顔でっていうのが一番だと思ってるよ」
『なら、さっさとどきなさい! 私が、全部終わらせて……』
通信機の向こうから届く、怨嗟の篭る少女の声を。
「この国はさ、ヴァルカニアって言うらしいね」
『……だから、何だっていうのよ』
「君はどんな国だか知ってるかな」
『地図に書いてあった、その名前くらいならね』
穏やかに受け止め、受け流し。
そして。
「そこに住んでる人達の顔は?」
深いところへ切り込んでいく。
「何を思い、何を信じて。どんな風に生きているんだろうね?」
オブシダン・ソードは一振りの剣だ。
ヒトの姿を、心を有し。
だからこそ、己本来の在り方を強く望む。
誰かの願いを叶えるモノたることを。
『人が、生きて……でも、それでも、私は』
「誰の笑顔のために、誰を泣かすことになるのか。終わらせてしまおうとするのは、それを知ってからでもよくない?」
自分も付き合うから、と微笑んでのち、レバーを握れば。
「タロース君、頼んだよ。目の前で泣いてる子のためにもね」
青年の意を汲んだかのように、青銅の騎士が駆動する――。
『私が、やらないとっ……!』
心を押し殺したかのような少女の低い声に応じ、支援機がまた音もなく現れ、群れ成して指揮官機の姿を隠す。
(「なるほどね。まずは支援機から片付けないといけないか」)
推進器、起動。
支援機の砲撃準備が整う前に、滑空するように距離を詰め。
一閃。
「うん。格闘も悪くないけど、こっちも僕らに合ってるね」
オブシダンの機体が用いる得物は、くろがね色のキャバリアソード。
実はこの剣、先の戦いの事後処理中に回収したものなのだが――まあ、今は出所は深く気にせず、有難く振るわせてもらおうではないか。
二、三、四、五。
次々に撃破してのち空へと退避し、また接敵。
タロースがなかなかの機動力を誇る一方、対する敵支援機は砲撃重視ゆえの鈍足さ。
ヒット&アウェイ戦法を選んだオブシダンの判断は見事に嵌まり、順調に撃破数を伸ばし、遂には再び指揮官機の姿を捉える。
(「さて、あの子を止めるには」)
機体に肉薄し、真っ向勝負を挑もうにも増援の存在が邪魔となる。
まずは召喚の妨害する必要があるだろう。
「その殻、破らせてもらうよ」
フードの下の瞳が鋭さを増し、青年が見据えるは己の内側。
本体たる剣を以て振るうように、強くイメージすれば――タロースの構える得物の刃がくろがね色から深い深い黒曜へと染まり。
「君の願いは――」
一閃。
剣圧が砕くはヴァルカニアの大地。
まさにオブリビオンに侵されんとしていた場所。
黒曜石の剣と青銅の騎士は、誰かが涙することを許さない。
大成功
🔵🔵🔵
祝聖嬢・ティファーナ
WIZで判定を
*アドリブ歓迎
エルガイムのファムの様に『フェアリーランド』で壺の中から風(雷)/氷/光の精霊と戦女神/天使・聖霊・月霊を呼んで『クリスタライズ』で姿を隠して●バリア●パルスに氷と光の精霊で屈曲や逸らして風と天使で攻撃を仕掛けます♪
●ゴーストが出たら戦女神が死角から攻撃します!
敵の攻撃を『月世界の英霊』で空間飛翔して避けて『月霊覚醒』で敵UCを封印/弱体化を仕掛けて『エレメンタル・ピクシィーズ』で属性攻撃を『神罰の聖矢』で聖攻撃を仕掛けます!
『叡智富める精霊』+『神聖天罰刺突』で苛烈な猛攻を!
『祝聖嬢なる光輝精』で怪我を治し『シンフォニック・メディカルヒール』で除隊異常を癒します☆
リグ・アシュリーズ
もはや機体のない私。
ごめんねタロースさん、草葉の陰で見守っ(相手を見て)
やっぱもうちょい力貸して!(分離した砲塔を担ぐ)
生身で小回りが利く事を活かし、砂煙に紛れて近づくわ!
さすがに撃たれちゃ危ないけど、誰かが注意惹いてくれると信じて!
乱戦の合間、味方の背伝いに敵の肩へ。
それ、違うと思うわ。
小国家を憎む少女の言動を優しく否定し、
砲塔をコックピットに押し当てる。
村や、国家を作るのは手段。
国が護ろうとしてるのは、あなたがみんなって呼ぶ人たちの事よ。
炸裂弾入りの砲塔を黒剣で叩き、強引に起爆。
二番目の嘘ならぬ二度目の正直、操縦席ごとガーンと震わせるわ!
あなたが憎むのは、人?罪?
そこ、履き違えちゃダメよ!
●
『……私、私は』
少女の声に、明らかに混じり始める迷い。
されど、戦いは止まらない。
彼女を取り込んだ機体を完全に沈黙させぬ限りは。
残る支援機の砲撃準備が整い、オブリビオンのモノアイが妖しく光って。
『目標確認。主砲、っ――!?』
命令を下さんとした刹那、目標が――タロースが消えた。
『嘘!? ……くっ、探知開始。急がないと』
「ステルス作戦成功っと♪」
動きを止めた敵陣営の様子に、ティファーナは自身と精霊たちの策が功を奏したことを知る。
主だった働きをしたのは光に雷、氷の精霊だ。
光、電波、熱量。探知機が頼りとする数々の物理的情報を少しだけ乱してしまえば、自身の駆るタロース一機を隠すくらいは造作もない。
このまま敵の撃破のみにこだわるなら、早急に追撃に移ってしまう方が効率は良かったであろうが。
優しきフェアリーは、それをせず。
「こちら、ティファーナ。そっちの準備はできた?」
ヘッドセットに手をかざし、まず仲間に通信を入れた。
「こちら、リグ。……ええ、どうにかなったわ」
岩陰に集めてあるパーツの中には、つい数刻前までコックピット“だった”ものもある。
原型を留めた座席に身を預け、応答するリグの声はすっかり息が上がった様子であった。
それもそのはず。
パージさせてしまった自らの機体の一部から、どうにか生身で扱えそうな砲塔部分をつい先ほどまで引っぺがしていたのだから。
「砂煙に紛れて近付くから、ティファーナさんは思いっきり敵を攻撃して欲しいんだ」
「りょーかい☆ くれぐれも気を付けてね」
ティファーナとの通信が途切れ、程なくして戦闘音がリグの元まで届く。
「ごめんねタロースさん。もうちょい力貸して!」
砲塔を担いで駆けていく娘の背を、青銅の騎士の頭部は何も言わずに見送った。
*****
砲撃の役目を果たすことなく、支援機どもが吹き飛んだ。
『!! 後ろ!?』
振り返る指揮官機。
されど、モノアイの先にあるのは青銅の機体でなく、神聖な光。
其は何処か天使にも似て、戦乙女をも思わせる。
『――綺麗』
少女の心が束の間解き放たれ、同時にオブリビオンにとっての隙となる。
「精霊よ、天使よ、月霊よ。我と共にある遍く者よ」
コクピットの中、ティファーナは祈る。
「悪しき者に神罰を、痛み抱える者に慈しみを!」
神聖なる矢が天より注ぎ、躯の海より蘇りしモノを穿つ。
肩の、脚の装甲を砕き、小銃を取り落とさせる。
がくりと膝を付いたオブリビオンマシンであったが。
『……探知完了。そこかっ!』
次の瞬間、真っすぐ一点を目指して突進する。
装甲に入ったヒビが広がるのも厭わず、強引にバリアを展開し。
激しい激突音を上げ、何もない場所でぴたりと止まる。
「あらら、見つかっちゃったか」
姿を現し、オブリビオンと睨みあうは聖なる妖精の駆るタロースと。
「あんまり無茶しちゃだめだよ☆」
「ありがとう。でも、どうしても伝えてあげたいから」
その機体の肩に乗る、砲塔を担いだ一人の娘であった。
「ねえ、あなたは小国家が憎いの?」
『当然でしょう! あんなものがあるから、みんな戦い続けて……』
「私はね。それ、違うと思うわ。村や、国家を作るのは手段でしかないもの」
『手、段?』
少女の声色が変わる。
滲むは憎しみでなく、純粋な疑問。
されどその本心を、リグと少女の間を阻むよう、闇色のバリアは厚みを増して。
「! まだ、話は終わってないわ!」
砲塔をがつりと敵機の胸部装甲の隙間に押し当て、リグはモノアイを睨め付ける。
バリアを破るに足りないことなど承知の上で、娘は自らの黒剣を振りかぶり。
「国が護ろうとしてるのはね」
思い切り、一度。
「あなたがみんなって呼ぶ人たちの事よ!」
二度、炸裂弾入りの砲塔に叩きつけた!
強引に過ぎる起爆、上がる黒煙。
振り払わんとする敵機の手を、ティファーナ操る精霊たちが制し――。
「あなたが憎むのは、人? 罪? そこ、履き違えちゃダメよ」
黒煙が晴れた時、オブリビオンマシンの胸部装甲は剥がれ落ち。
そのコックピットに囚われた、金髪翠眼の少女が涙を流しているのが見えた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
麻海・リィフ
アドリブ、即興連携歓迎
小箱からシュイイン…と発条っぽい音
機体に魔改…魔干渉
先制UC発動
残像空中浮遊ダッシュジャンプスライディングで一気に突撃
剣を回し念動衝撃波串刺しチャージで範囲ごと薙ぎ払い
二回攻撃念動衝撃波誘導弾の翠光でカメラや武器をスナイプ
縦横無尽に空中戦を仕掛ける
敵の攻撃は基本三種の盾で受け
念動衝撃波オーラ防御を乗せて防ぐ
カウンター念動衝撃波シールドバッシュで範囲ごと吹き飛ばす
窮地の仲間は積極的にかばう
戦いを終わらせる…いいじゃない
みんなで仲良く笑顔で…いいじゃない
でも!だったら!どうしてやり方を選ばない!?
そのやり方は!自分の願いを潰す!!
存在感恫喝で敵の気を引く
無論コクピットは避ける
●
装甲が吹き飛んで、剥き出しとなった敵機のコックピット。
強化ガラス越しに見えるパイロットの少女はきっと、リィフとそう歳も変わらない。
シュイイン、と独特の発条音。
思わず傍らを見やれど、絡繰小箱は物言わぬ。
それでも、その真鍮色に背を押されている気がした。
「タロースに再接続。各武装設定数値を我が鎧装と同値に置換、システム再構築――……完了。駆動水準、オールグリーン。いける!」
力強く握る操縦桿。
自分が必ず悲劇に幕を引くと決めて。
「万能気流高速機動・翔嵐、起動――晴嵐騎士、出る!」
リィフは再びタロースを駆り、大地を蹴った。
空から斬りかかるタロースを、オブリビオンは形を留めた肩部の盾にて受け止める。
真正面からのぶつかり合い。
至近距離で捉えたパイロットの少女は呆然とするばかりで、もはや機体の操作すらしていない。
リィフは強く確信する。
「あと少しだから、待っていて!」
間合いを取ると同時に絞り出した叫びは、騎士ではなく一人の娘としてのものだった。
空へ上がらんとするタロース。その雄姿に一矢報いんとでも思ったか。
オブリビオンは最後の足掻きを――モノアイからの光線を放つ!
「ちっ、頭部からも射撃可能か!」
バリアで再現した丸盾で、射撃の軌道をぎりぎりで逸らして。
「その子を、返しなさい!」
バリア展開状態のまま、シールドバッシュの要領で敵機へと高速の体当たりを食らわせる!
十分な意趣返しにはなったろう。
衝撃で生まれたクレーターの中心には、倒れ伏せるオブリビオンの姿。
その両腕両脚を落としてのち、リィフは囚われた少女へ声掛ける。
「戦いを終わらせる……いいじゃない。みんなで仲良く笑顔で……いいじゃない。でも」
方法を違えてしまえば、誰かの命を、少女自身の願いをも摘み取ってしまうのだと。
「もう、分かっているわよね」
颯爽乙女の瞳を真っすぐに覗き込み、少女は深く頷いた。
「では、これにて――」
*****
機械魔剣が頭部を断てば、その単眼から光が消える。
地に転がるは物言わぬ鉄塊、囚われし少女は自由の身。
青き戦い、これにて終劇!
大成功
🔵🔵🔵
第3章 日常
『歓談食堂』
|
POW : がっつり食べて体力を付ける
SPD : 食事は軽めにして会話を楽しむ
WIZ : いっそ自分も厨房に入り、料理を作る
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●あたたかな都
☆☆☆ 前章までのあらすじ ☆☆☆
オブリビオンマシンとの戦いを制し、パイロットの少女の救出をも成し得た猟兵たちは、運搬部隊の隊員らに伴われ『ヴァルカニア』の都に足を踏み入れた。
地下の機体格納施設にて聴かされた話を簡単にまとめると、以下のようになる。
・部隊員、物資。ともに全ての無事を確認している。
・猟兵たちの戦いは見事なものだった。データは今後の参考にさせてもらいたい。
・オブリビオンマシンより保護された少女には各種の検査と治療が行われている。記憶に混濁こそ見られるが、命に別状はないだろうとのこと。
つまり、猟兵たちは救えるもの全てを救うことができたのだ。
施設職員の誰も彼もが賞賛と礼の言葉を惜しむことはなく。
「是非、もてなしを受けていってくれ。街中に通達はしてあるから」
都の中枢へと通じるエレベーターを示すのだった。
*****
タロースによく似た石造の台座が、地下施設と都を繋ぐエレベーターの扉だ。
一歩踏み出せば、そこはヴァルカニアの中央広場。
舗装された道、建物、遠くに見える城壁。その全ては石造り。
されど人々の装いは、例えるならUDCアースで見られるものとそう変わりない。
時代が、世界が混ざり合ったかのような不思議な街並み。
それでも、人々は変わらない。
「よう、皆を助けてくれてありがとな!」
「お腹いっぱい食べて飲んでいってねぇ」
今日も強かに生きて、笑うのだ。
広場には数々の出店がある。
例えば、巨大な肉の塊を豪快に串焼きにしたものや、胡麻を塗したドーナツに似たパン。
ほくほくの焼き栗に、カラフルなジューススタンドなどなど。
辺りには猟兵たちの姿に興味津々の人々の姿もある。
賑やかに語らうなら、こちらが良いだろうか――。
「“軽く”食うなら広場も悪くねえけどさー」
「ゆっくり食事を楽しみたいのなら、僕らはあちらをお勧めしますよ」
そう言って猟兵たちに笑って声かけるは、運搬部隊を務めていた少年たち二人。
彼らが指し示した一画は、どうやら飲食街であるらしい。
「食材なら何だって揃ってるぜ。何せ、俺らがプラントから運んできたからな!」
ずらり並ぶ看板に描かれた料理の絵からするに、焼き料理に炒め物、煮込み料理なども揃っているようだ。
店の中ならば、穏やかな会話も可能であろう。
さあ、何処に行ってどんなものを味わおう?
食事そのものを楽しむか、人々と語らってみようか。
選択肢は、猟兵たちの手の中に。
祝聖嬢・ティファーナ
*アドリブ歓迎
『フェアリーランド』の壺の中から精霊/聖霊/月霊/戦乙女/天使を飛んで『グレムリン・ブラウニー・ルーナ』の小妖精も呼んで「ミンナ♪お食事したりお料理したりお手伝いをして良いからね~☆彡」と伝えながら“七色こんぺいとう”を配って上げて行きます☆彡
部隊員さんのデータを参考に協力を惜しまずに手伝います♪
保護された少女の様態も確かめながら『祝聖嬢なる光輝精』で怪我を治して『シンフォニック・メディカルヒール』で状態異常を癒します☆彡
『聖精月天飛翔』でWIZ>POW>SODの順に支援と協力をして行きます♪
「さぁ、ミンナ♪絵が楽しさで盛り上げて賑やかにして行こう!☆彡」と手を上げて檄を飛ばす♪
●
「ミンナ♪ お食事したり、お料理したり。お手伝いをして良いからね~☆彡」
ティファーナが明るく呼びかければ、壺の中よりぱっと光が飛び立っていく。
精霊、聖霊、月霊。戦乙女に天使と勢揃いだ。
その中には、悪戯好きの小妖精の姿もあって。
「でも、悪戯はホドホドにね♪」
なんて、姉のように窘めながら、ティファーナはくるりと回って皆に七色のこんぺいとうを配る。
星の欠片のようなそれを受け取って、精霊たちは広場から四方八方に散っていき――後に残るは見送るティファーナの姿のみ。
「なあ。アンタは行かないのか?」
そんな彼女に声掛けるは、量産機との戦いにて共闘した運搬部隊の少年だ。
言葉少なではあるが、眼差しは穏やかで。ティファーナを気に掛けていることが伝わってくる。
「ん~ん。ボクはね、他にお手伝いしに行きたいとこがあって……そうだ!」
少年の鼻先まで飛んで行って、聖なる妖精は悪戯っぽく笑う。
「もしかして、キミなら場所を知ってるかな?」
*****
再び地下施設にとんぼ返り。
病院ならば都にも存在するが、オブリビオンマシンより救い出された“あの子”の治療は未だ施設内で行う必要があるという。
「幸い、大きな怪我はありません。先程、目が覚めましたが、今のところ精神も安定しています」
真の回復に必要なのはきっと、心への癒しとある程度の時間であろうと主治医は告げる。
見舞っていくかと問われれば、迷いなくティファーナは頷いて。
金髪翠眼の少女の元へと一直線に飛んでいく。
「ねえ、怪我はだいじょーぶ?」
頷いた少女はぼんやりとして、戦いの最中の激情の欠片も感じられない。
その代わり、本来の心までもが欠けてしまったかのような――。
「流石に、まだ差し入れはきついか……」
背後からの声にティファーナが振り向けば、彼女を追いかけてきたらしい少年の姿。
彼が手にした小瓶に収まる色とりどりのドライフルーツに。
「ううん。贈ってあげられるものは、あるよ」
聖者は閃き、祈りを捧げる。
「精霊、聖霊、英霊、月霊よ――月天風よ、流れよ☆彡」
遍く光がティファーナに集い、七色のきらめきが生まれる。
それはこの世界にも満ちている、自然の光の力だ。
「――綺麗」
少女の口元が僅かに笑んで、その心が確かに和らいだことを示した。
大成功
🔵🔵🔵
オブシダン・ソード
うんうん上手くいってよかったよ、貸してもらったタロース君もありがとうね
さて、この国の人のことも知っておいた方が――とかあの子に言っちゃったからね
色々と教えてもらおう
主に味を
広場で色々食べていくよ
なんだろう、カロリー!って感じのメニューが多いのはお国柄かな
どうせなら名物から行きたいなぁ
火山岩で焼いたお肉とかない? こう、豪快なのをがぶっといきたい気分だよ僕は
あとは、この国の事と、周りの国の事でも聞ければ
この世界だとやっぱり、今もどっかと戦争とかしてるのかな
それでもこんな広場があるくらいだから、きっとしっかり生きているんだろう
ちゃんとここにも笑顔はあるんだって、言えるようにしておきたいな
●
「ありがとうね、タロース君」
格納庫を去り際に、此度の相棒へと礼の言葉を贈るオブシダン。
青銅の騎士のカメラアイには、未だ光が宿っている。
そこにローブの青年がどう映っているかは、コックピットからでないと分からないけれど。
「……さてと」
踵を返したオブシダンは、タロースにひらひら手を振り外へと向かう。
(「あの子にもああ言っちゃったことだし、いろいろと教えてもらいに行こうかな」)
ヴァルカニアがどんな国であるかを知っているか。
自身の問いの答えを確かめに行こう。
「主に、味をね」
*****
エレベーターから一歩踏み出し、一望した広場はちょっとしたお祭りのよう。
据え付けられたベンチや、テーブルと椅子に腰かけて。
人々は思い思いに食と歓談を楽しんでいる。
そして、肝心の食の数々はというと。
(「なんだろう、カロリー! って感じのメニューが多いね」)
一例を挙げるとするならば、肉料理はごろごろとした塊のまま火を通した見た目にも豪快なものが目立ち。
また、デザート系ならドーナツやチュロスのような、からりと油で揚げたものを取り扱う店が多い。
「どうせなら名物から行きたいなぁ」
呟いたオブシダンに、愛嬌溢れる声が掛かる。
「あら、そこの素敵なお兄さん! ヴァルカニアの名物なら、ウチで食べてかない? 牛の火山焼き!」
「火山焼き?」
妙齢の女性が示す先で、不愛想な親父が熱した巨石の上で分厚い肉をぐるりと裏返す。
じゅうっと肉が焼ける音。
滴る脂に食欲をそそる香り。
戦いで良い具合に空いた腹がきゅうと鳴る。
「うんうん、良いね。くださいな。ちなみに、どうして火山焼きって言うのかな?」
「あいよ! 焼き具合は……って、そうそう。火山焼きの由来だったねぇ」
料理が出来上がる間に、女性はオブシダンに語ってくれる。
ヴァルカニアが信仰する火の神の力を取り込み、強き肉体を作らんとの意を込めて、火山岩を用いて調理したもの――特に肉料理のことを火山焼きと称するのだと。
「火の神様は戦神としての顔も持ってるからねぇ」
「やっぱり、ヴァルカニアも他国と戦争を?」
青年が問えば、女性は頷いて答える。
この世界においては、何処も似たようなものであると。
「それでも、精いっぱい力を尽くして生きていかないとってね。はい、お待ちどう!」
言葉と笑顔を添えて、並べられた一皿は。
岩塩と胡椒でシンプルに味付けられ、ざっくりと切り分けられた分厚い牛ステーキだ。
「お水はサービスね! ああ、パンとお芋はどっちが好みだい?」
あれこれ世話を焼いてくる女性の様に、オブシダンも自然と笑みを零す。
戦いが日常の世界であれど。
ここにはちゃんと笑顔はあって、人々はしっかり生きているのだと。
大成功
🔵🔵🔵
リグ・アシュリーズ
火の都って、こんな大きな街だったのね!
街並みに目を奪われつつも、徐々に視線は屋台へと移り。
焼きもろこし、ほくほく焼き栗。
串焼き肉をナイフで削いで、パンに挟むサンドイッチ。
すごい、火に関する料理なら何でも揃っちゃうのね!
買った料理を頬張る最中、機体を貸してくれた方と出会い。
ところで、タロースは?と聞かれれば、一瞬固まった後に地面に伏せて。
はい。私はタロースさんの思い出を盛大に地面にばらまいてまいりました――。
うん!もう働いて返すしかないわよね!
厨房はあるかしら?私、料理手伝うわ!
精一杯働きつつ、でもまだ懲りずに。
ついでにオススメのレシピ、教わっていいかしら。
私、転んでもタダじゃ起きない性格なの!
●
火の都の空に、料理が舞う。
こんがり焼けた肉をスライスし、切れ目を入れたパンに野菜と一緒に挟んだサンドイッチ。
ビニールに似た素材の袋にくるりと包まれた焼きとうもろこし。
紙袋にたっぷり詰まった焼き栗を。
「あらあら~」
おっとりとした口調の女性が、人並み外れた身軽さでひょひょいとキャッチする。
セーフ、料理はすべて無事だ!
「ええと、ね? 大丈夫だから……」
さて、女性が眉を八の字に下げて見つける先には。
「いや! ほんと!! すみませんでしたっっっ!!!」
華麗なジャンピング土下座を決めたままの姿勢で微動だにしないリグの姿があった。
ほんの少し時を遡って。
「火の都って、こんな大きな街だったのね!」
中央広場にやってきたリグは、歴史を感じる石造りの街並みに目を奪われていた。
されど、やはりお腹は正直なもので。
「すごい、火に関する料理なら何でも揃っちゃうのね!」
いつの間にやら、視線は屋台の数々に釘付けになっていく。
迷いに迷って、数品を選び抜いて。
早速、サンドイッチに齧り付いたところで。
「あぁ、いたいた。探したのよ~」
リグに声を掛けた女性がいた。
「……あ」
あんぐりと口を開けたまま固まるリグ。
その女性に見覚えがあったゆえだ。
ふんわりした容姿からは想像も付かぬが、彼女は。
「タロちゃんのことで、ちょっと話があって~」
タロちゃん――即ち、リグが爆散させたタロースの本来のパイロットであったのだ。
*****
その結果が冒頭からの顛末だ。
「はい。すみませんでした」
「だから、その……顔、上げて?」
「私はタロースさんの思い出を盛大に地面ニバラマイテマイリマシタ」
遂には発音がカタカナになる始末である。
リグと女性の心は、まさに今ひとつになっていた。
――いやいや、ほんとどうしよう。これ?
「決めたわ!」
状況を動かしたのは、がばっと顔を上げたリグの方であった。
「うん! もう働いて返すしかないわよね! 厨房はあるかしら? 私、料理手伝うわ!」
「え? ええと……私の実家、料理屋さんなの。お手伝いしてくれる?」
「喜んで!」
ずるずると女性の手を引いてリグは行く。
「ま、待ってぇ~。うちはそっちじゃなくて~」
思い込んだら、一直線だ。
ちなみに。
回収されたタロちゃんもといタロースのコアは無事であり、予備パーツに換装すれば全く問題ないのだということを女性は伝えに来ていたのだが。
「オススメのレシピ、教わっていいかしら?」
「そうねぇ~。これからの季節に美味しい、焼き林檎なんてどう? 焚き火でも美味しく作れるコツがあるの~」
リグがそれを知るのは、今しばらく先のことになりそうだ。
大成功
🔵🔵🔵
麻海・リィフ
アドリブ、即興連携歓迎
成程、熱気と活気で一杯ね!
これは面白そう♪
趣味(の一つ):食べ歩き
ちゃんと座る店も良いけど…
屋台を渡り歩いて色々つまみながらそぞろ歩く
焼肉串、唐黍、粉物…焼き物が多いのは言ってた通りね…
この活気、石造りの風景…サクラミラージュの祭縁日を思い出すわ♪
服装はそれほど目立ってない、と思ってる
が
背中の翼の【存在感】を忘れている
(ブームの仕掛けに…?)
話しかけられたら気さくに応じる
先の「あの子」に逢えたらご様子伺いしたいけど、多分衰弱してる…かな?
会えたら言うし、会えなければ思いだけ馳せる
壊すより、作る方がずっと難しい…あなたは、平和と幸せを作りなさい
過去を壊すのは、猟兵の役目よ
●
ボリューム感ある肉の串焼きに、焦がしバターの香りが食欲をそそる焼きとうもろこし。
薄く焼いた粉物料理には、甘いのと甘くないのがあるらしい――さあ、具材は何を選ぼうか?
(「焼き物が多いのは聴いていた通りね……」)
食べ歩きを楽しみながら、リィフは颯爽と石畳の道を行く。
ふと思い出すは、サクラミラージュの祭縁日の風景。
肌で感じられる熱気や活気を生み出す力は、きっと何処の世界の人々にもあるのだろう。
(「それにしても……」)
やたらと視線を感じる、気がする。
行き交う人々の眼差しは優しく、子供たちから向けられるそれはきらきらと輝いて見えて。
はて、自分が何かしただろうか。
それほど目立つ格好でもないはずだが。
首を傾げるリィフの背中で、翼がぴょこと羽ばたいたことに彼女自身は気付かず仕舞い。
もっとも、猟兵は世界の加護により、姿形を理由に奇異の目で見られることはない。
人々の視線の――好意の理由は。
「あ! うちのねーちゃん助けてくれたの、お姉さんだよね! ねーちゃん、今日の運搬部隊にいたんだ!」
「私のお兄ちゃんも! ありがとう、お姉さん!」
麻海リィフという個人の在り方から来たものなのだ。
懐いてくる子供たちに、気さくに応じるリィフ。
みんな無邪気で、希望に満ちていて。
此処にはあたたかなものがあると確信させてくれる。
「ねー、お姉さん。もっとお話ししよーよ!」
ゆえに乙女は行く先を決め、顔を上げる。
「ごめんね。わたし、行かないと。会いたい子がいるの」
*****
偶然か、はたまた必然か。
足早に戻ったタロース像の前、護衛らしき青年に伴われ、彼女はいた。
金髪翠眼。頭に包帯を巻いているが、間近で見たその顔を見紛うことなどあるはずもなく。
「良かった。また、会えたわね」
駆け寄って声掛けるリィフであったが、少女はきょとりと首を傾げて。
「えっと、あなたは?」
不思議そうな顔をして返答する。
青年が添えた説明によると。少女の記憶は混濁しており、オブリビオンマシンに囚われていた間のことも、それ以前のこともほぼ思い出せぬ状態にあるという。
一通りの身体の治療は終えたゆえ、心を癒す助けになればと街の風景を見せにやってきたとのことだ。
「……そう」
何を伝えるべきか、それとも伝えざるべきなのか。
言葉に詰まるリィフの耳に「あぁ」と哀し気な声が届く。
見れば、少女が手にしていたタロースを模した人形の腕が取れてしまっている。
くっつけて、また放して。
それでも一人では元に戻せないようで。
「それ、わたしにちょっと見せてくれる?」
子供を相手にするようにリィフが優しく声掛ければ、少女は人形と取れた腕のパーツを素直に渡してくれる。
継ぎ目の形を確認して、ぱちりと嵌め込んで、人形は無事に元通り。
ぱっと少女に笑顔の花が咲く。
「壊すより、作る方がずっと難しいものよ」
少女へ人形を返しながら、リィフは伝えるべき言葉を贈り。
「あなたは、平和と幸せを作りなさい」
そして、己が内に刻み込む。
其に仇なす過去を壊すのは、猟兵の役目であると。
*****
夕日が落ちる戦場跡。
オブリビオンだったもの。
青銅の騎士だったもの。
過去の欠片を掬い上げ、回収部隊は引き上げる。
ある物は解析され、未来の戦いに生かす知となり。
またある物はプラントの炉を通し、新たな生を得るのかもしれない。
ヴァルカニアの都の賑わいは、日が落ちてからも絶えることはなく。
人々は今日も、明日を見据えて生きていく。
大成功
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