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出撃! キャバリア大戦

#クロムキャバリア

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#クロムキャバリア


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●脅威の電脳巨兵
「これが、例の新型ですか?」
「ええ。コードネーム『オリバレス』……プラントで生成された、ユミルの子をコアとしたジャイアントキャバリアです」
 小国家エストランドの、キャバリア研究所。視察に訪れたアリシア・エストランド姫は、所長の説明を受け、興味深げにその機体を見上げた。
「現行量産機の数十倍以上の出力を持つ、強大な機体です。制御は難しいですが……安定化させる事が出来れば、我が国の防衛力は一気に向上しますよ」
「国土と国民を守るためとはいえ、国軍の皆さんには、いつも負担をかけてばかり。彼らのためにも是非、お願い致しますわ」
 長く続く戦いを憂いて表情を曇らせながらも、その機体にそっと触れるアリシア姫。……その瞬間、彼女の瞳から光が失われた。
「ええ、もちろんです、姫。……姫?」
「――私を……呼んでいるの?」
 様子のおかしい姫を気遣う所長だが、アリシア姫には全く聞こえていない。そして突然、オリバレスの巨体が一人でに動き始めた。
「なっ……機体が!? 誰も乗っていないんだぞ!? ……姫!?」
 制止する間もなく、オリバレスはその胸元のコクピットに、姫を取り込んでいく。コクピット内部で、伸びてきたコードが姫の頭部に接続された。
「そう……あなたはそれが望みですのね……では、わたくしと共に滅ぼしましょう……世界の、全てを!」
 オリバレスの口から迸る姫の声は、狂気に満たされていて。『脳』を得たその巨体は、研究所の壁を破壊し、悠々と外へ歩みだしていく――。

●グリモアベースにて
「やあやあ猟兵諸君。くるるちゃんの召集に集まってくれて感謝するねっ」
 グリモアベースに集まった猟兵達を前に腕を広げ、鏡繰・くるる(属性過積載型バーチャル男の娘・f00144)は愛らしい笑顔と共に元気よく切り出した。
「今回飛んでもらうのは……新しい世界だよ! その名もクロムキャバリア!」
 そこは5mの人型兵器『キャバリア』に搭乗し、100年の争いを繰り広げる、鋼と闘争の世界。そしてその闘争の陰には、『オブリビオンマシン』と呼ばれる、人の精神を汚染するマシンの存在があると言う。

 クロムキャバリアには、遺失技術で建造された生産施設『プラント』が存在し、そのプラントを中心にいくつもの小国家が乱立している。
 今回向かうのはその小国家の一つ、『エストランド』。封建制を敷き、王家が統治する西洋風の小国家だ。
「で、ここのお姫様がオブリビオンマシンに精神汚染を受けて、プラントを制圧しちゃったんだ」
 プラントは小国家の生命線、何かあれば多くの民衆が餓えてしまう。いや、そもそもいつプラントから街へ攻撃が開始されるか分からない。もちろん、操られた姫も救い出さなければならない。
 だが、姫を支配するオブリビオンマシンは高性能機。エストランドの国軍ではどうにもならない。
「そこでキミ達猟兵に、姫の救出とプラントの奪還依頼が来た、って訳だ」
 猟兵は基本的に、誰であってもキャバリアを操る事ができる。さらに、キャバリアの身体からユーベルコードを放つ事も可能だ。操縦経験がなくとも、優れたパイロットとして活躍する事ができるだろう。もちろん専門のジョブに就いていれば、より正確な操縦も可能だ。
 あるいは、生身でもロボと渡り合える自信があるなら、そちらを選んでも構わない。オブリビオンマシンは強力だが、他の世界のオブリビオンとて決してそれに劣るものではないのだから。

「プラントは王都のすぐ近くにある。王都の外に転移するといきなりオブリビオンマシンに襲われる可能性があるから、まずは王都の格納庫内に飛んでもらって、そこから出撃してもらうよ」
 すでにエストランド国軍は、猟兵のサポート体制を整えている。ここの格納庫から、順次キャバリアで――あるいは生身で――出撃する事になるだろう。
「自身のキャバリアを持っているなら、それに搭乗して出撃してもらう事になる。持っていないなら、キャバリアを借りて出撃する事になるね」
 エストランドの主力キャバリアは、量産型キャバリア『E-7エクスナイト』。名の通り騎士を思わせる、すらりとしたフォルムのキャバリアだ。突出した性能はないものの、バランスや拡張性に優れ、操縦にも特別な技術は必要ない。
 制式武装はBXフォースセイバー・RS-Sミサイルポッド・EPキャバリアシールド。オプション武装として、BXSビームダガー、RXキャバリアグレイブ、RSキャバリアライフル、RSパルスマシンガンが用意されているので、個々の戦闘スタイルによって武装を選択すると良い。もちろん持ちすぎると機体重量が重くなり性能が低下するので、多くとも4つぐらいに抑えた方が良い。
 デフォルトのカラーは青だが、識別用に別カラーリングも存在するので、希望があるなら申し出ると良い。
「自前のキャバリアにしろ、エクスナイトを借りるにせよ、格納庫の発着デッキから出撃する事になるよ。必要ならオペレーターがナビゲートしてくれるから、それに合わせて出撃してね」

 出撃後はプラントに向かう事になる。だが、プラント周辺には、警護のオブリビオンマシンが配備されており、まずはこれを突破する必要がある。
「量産型キャバリア『オブシディアンMk4』。コクピットの堅牢さと武装の換装による拡張性を特徴とし、様々な国に配備された量産型の傑作機だね」
 乗っているのは姫と一緒に操られた国軍の兵士なので、洗脳を解いて救出する必要がある。ただ、彼らも兵士なので、正気を取り戻せば自分の身を守る事は出来るだろう。
「基本的には頭部を破壊すれば、オブリビオンマシンの洗脳を解く事ができるよ。あるいは四肢を吹き飛ばせば無力化されるから、それで放置しといて後で助けるってのも有りだね」
 幸い、先に述べた通りコクピットは堅牢であるため、意図的にコクピットを狙って攻撃しない限りは、殺してしまう危険性は薄い。

「オブディシアンの陣を突破してプラントに到着したら、いよいよ姫の乗るオブリビオンマシン……『電脳巨兵オリバレス』と戦う事になるよ」
 オリバレスは、プラントから極稀に異常生産される脳無き巨人、『ユミルの子』をコアとした、ジャイアントキャバリアだ。アリシア姫の脳と直結した電脳兵装は強力で、広い範囲に洗脳電波を撒き散らす事ができる。
 また、身体の一部を巨人の頭部に変えてこちらを噛み砕く凶悪な能力や、ユーベルコードを受け止め反射する電磁バリアも持っている、強力な機体である。
 この機体も、頭部を破壊すれば機能を停止させることができる。とはいえ、量産機のように容易くはいかないだろう。
「姫はオブリビオンマシンの影響で、自身が断罪者であるかのように、高慢に振る舞ってくるよ。でも、本来は国の事を想う心優しい姫だから……必ず救出してあげて欲しい!」
 くるるはそう言うと、わざとらしい可愛らしくポーズを取って猟兵達を見渡す。
「それじゃ、ばっちり解決してきてね。良い知らせを待ってるよ!」


一二三四五六
 この星の明日のために!

 ごきげんよう。最初に見たロボットアニメは赤い人が逆襲する奴。一二三四五六です。

 ボス戦『電脳巨兵オリバレス』は、ナギ・ヌドゥー(殺戮遊戯・f21507)さんの宿敵です。ありがとうございます。
 第一章はくるるの投稿したフラグメント、第二章は山田さんの公式敵です。

 補足。
 貸与される『E-7エクスナイト』は、クロムキャバリアのジョブ画像をもうちょっと簡素にして、青一色(デフォルト)にしたものだと想定してください。安価に耐久性を上げるため、関節部もちょっと太めです。

 第一章は、ロボットアニメでよくある出撃シーンを描くための章です。特に試練とか困難はないので、めっちゃ格好良く出撃しましょう。
 ロボットアニメを良く知らない方は、動画サイト等で『出撃シーン集』とか見ると良いんじゃないでしょうか。
 通常の出撃はもちろん、スーパーロボットの合体パンクとか、サイキックキャバリアの召喚シーンとかでも可。

 第二章・第三章はロボット純戦です。コクピットを破壊するとか、塵一つ残さず消滅させるとかやらない限り、パイロットは無事なのでご安心を。

 それでは、皆様のプレイングを楽しみにお待ちしています。
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第1章 冒険 『キャバリア全機、一斉出撃!』

POW   :    魂を篭めて、ド派手に熱血出撃!

SPD   :    オペレーターのナビゲートを受けて、クールに出撃!

WIZ   :    召喚、遠方からの呼び出しなど、特殊な出撃!

👑7
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ミスト・ペルメオス
【SPD】

――ミスト・ペルメオス、ブラックバード。出撃するッ!

キャバリアの貸与は受けずに参戦。
愛機たる機械鎧(SSW製の人型機動兵器)を駆って戦いに臨む。
…が、当初は機体に乗っていない。機体もその場に無い(格納庫だとかに収まったまま)。

出撃時の景気づけ、ということでちょっとした演出を試みる。
デバイス等を介して念動力を活用。機体を遠隔制御しつつ【シュラウド・ジャンプドライブ】。
続けてサイキックエナジー・ゲート展開、あたかも虚空から召喚したかのように愛機をその場に呼び寄せる。
そして直後にゲートを再展開、ゲートを介して搭乗席に素早く乗り込む。

後はオペレーターと手早くやり取りを交わして出撃!


支倉・錫華
援軍って感じになるっぽいけど、雇われ騎士ってことでいいかな。

『E-7エクスナイト』……今回はあなたがパートナーなのね。
なかなかスマートな子だね。素直でいい子っぽいかな。

うん。いっしょにいくんだし、ちょっとだけいじらせてもらうね。
わたしの、っていう感じで動かしやすくさせてもらえたら嬉しいな。

と、話しかけながら【脈動臨界チューニング】でチューンしていくよ。
今回は攻撃回数を5倍。射程を半分にして近接攻撃仕様にしていこう。

フレームの換装はもちろん、管制プログラム、アルゴリズム調整、トルク調整などなど、
わたしチューンにさせてもらうね。

準備ができたら、さぁ行こう。いっしょならなんにも怖くないよ。


フレミア・レイブラッド
折角だし、貸してくれるって言うなら、機体を貸して貰おうかしら?
あまりこういうのは馴染みが無いけど、何事も経験よね♪
戦闘で使うかはともかく、移動手段としても使えそうだしね。

装備はミサイルとセイバー。
後はわたし自身が槍使いだからオプションデグレイブとライフルを持って行こうかしら。

球状に機体を【念動力】の防御膜で包みつつ、機体を発進。
機体の操縦・制御に自前の【サイコキネシス】や【念動力】で補助し、性能や技術をカバー。

優しい国民想いのお姫様みたいだし、しっかりと助けてあげたいわね。
姫同士、仲良くしたいものだしね♪

…使い勝手が良かったら、お姫様に報酬としてこの機体貰えないかお願いしたりしたらダメかしら♪


御魂・神治
へへっ、大家さんからの支給品が使う時が来たで
<天将>『リース料取られていますがね』
こいつぁ『人工式神強化外骨格『武神』』言うてな、
まぁ、『天将』の物理的な依り代になるんや
何や、野郎が女型メカ乗って悪いんか?

『武神』を転送し実体化、『天将』とリンク、
武神の装甲や機構がルービックキューブめいてガチャガチャとトランスフォームして大型二輪モードになるで
そらもう伊車のスーパーカーみたいな流線形や
<天将>『ペーパードライバーの神治には宝の持ち腐れですね』
こいつに跨ってロケットスタートで出動
敵陣まで【式神使い】で天将の自動操縦は直進行軍や
敵陣についたらジャンプ中に変形して人型になりヒーロー着地やな


ユウヤ・シュバルツ
相棒の結華(f01731)と参加

E-7エクスナイトを借り、コクピット席に携帯端末の契約デバイスをセットしてサポートAIの電子妖精「ルル」を呼び出す。
「どうやら成功したみたいだな。調子はどうだ、ルル?」
お転婆なフェアリーの少女の姿をしており、元気よく返事をします。
「うん、問題ないよ!ユウヤ!」
「よし!さっそく機体のチェックを頼む」
スピードを重視し、メインのキャバリアライフルと予備のビームダガーを数本セットする。
「あとは、結華。そっちはどうだ?」
「わかった。無理はするなよ?」

「ユウヤ!この子の能力とシステムについて大体わかったよ!」
「よし!」
「ユウヤ・シュバルツ、E-7エクスナイト。行くぜ!!」


御門・結華
マスター(f01546)と一緒に参加します。
契約精霊と融合して戦う魔導人形の少女。クールに見えてツンデレ。

格納庫の中でユウヤが機体に乗り込むのを見て、無表情な顔を少し不機嫌そうにして
「今回のマスターは楽しそうですね」
結華には一般的な量産型キャバリア適性がなかったらしくテスト操縦で壊しかけたため、今回は生身での参加だがいつも一緒にいるマスターとの疎外感を感じ、デッキからユウヤと仲が良い精霊のカードを取り出して。
「……シルフ。あなたもそう思うでしょう?」
物思いに耽っていたところに声が聞こえ
「っ!?はい、マスター。いま行きます」
ユウヤの機体の肩に飛び乗り、怪力で掴まり
「マスター、いつでも大丈夫です」


百目鬼・明日多
此処がクロムキャバリア…
ここでは、キャバリアっていうのに乗って戦うんですよね?
僕も何か借りないと…

…うん?眼鏡の電脳ゴーグル機能に通信…
こんなアプリ、見た事ないですけど…ウイルスとかじゃない様ですが…
なんか気になりますね…名前は…『アスラドライブ』…?

…!?突然6本腕のキャバリアが!?これは…僕に乗れ、と…?

…シートのサイズもピッタリですね…
操作は…運動系は6本腕を念動力操作、補助系は手動ですか。
なるほど…高難易度RTSよりは楽そうですね。問題無いです。

それじゃあ、これからよろしくお願いしますね。
「百目鬼 明日多」、「アスラドライブ」、出撃します!
その拳を地に叩きつけ、飛べ、アスラドライブ!!


菫宮・理緒
わたしはキャバリアでの出撃っていうより、
みんなが出撃するまでの準備でがんばりたいな。

いちおうエクスナイトを借りておいて、最終防衛ラインにはいたいと思うけど、
【電脳潜行】や【虚実置換】【偽装錬金】を使って、
新しくロールアウトしてきた機体の初期セットアップや、
現行機のメンテナンス・オーバーホール、
人によってはカスタマイズのお手伝いとかして、しっかり動ける台数を揃えたいと思うよ。

後方担当なら電脳魔術&メカニックの腕の見せ所。
前で戦う人ばっかりじゃ、戦争はできないもんね。

戦闘は得意なほうではないけど、整備や補給、後ろは任せろ-って感じかな!
みんなが万全に出撃できるように、しっかり整えて送り出すよ!


露木・鬼燈
自前の機体があるなら使うべきだよね。
専門のジョブでないなら経験で補わないとね。
実戦経験を積む機会があるなら無駄にしちゃダメ。
空中に積層型の複雑な魔法陣を描いて召喚。
来い、アポイタカラ!
まぁ、カッコいいだけの演出なので別に必要はなんだけどね。
機体から照射される魔法陣での搭乗は必要だけどね。
不慣れな時期はオペレーターのナビゲートは必要。
出撃のシーンで事故るのは大惨事なので。
あと美人オペレーターとかテンション上がるしね。
まずは小型ブースターで徐々に加速。
周囲の安全が確認出来たら高機動ブースターに点火。
飛翔可能な速度まで一気に持っていく。
そして飛び立つ瞬間にダークネスウイングを展開。
これは映える!


四季乃・瑠璃
SPD

緋瑪「凄いね!本物の人型巨大ロボット!」
瑠璃「ウォーマシンで人型ロボな人もいるけど、巨大ロボは初めてだね。…あれ?今、呼ばれたような…」
緋瑪「わたしも!なんだろう?」

※量産機借りて出撃しようと格納庫行ってはしゃいでたら、何かに呼ばれた気がして格納庫の奧に行くと封印された一対の機体(デュアル・ジェミニオン)が…。
誰も扱えないじゃじゃ馬機体だけど、それくらいがちょうど良い!って自分達の機体にして出撃!といった感じ。

初出撃なのでそれぞれオペレータのナビゲートを受けながら機体をカタパルト発進!
機体も良好!最初から手足の様に自在に動かすよ!

一応、ライフルやミサイル、セイバー等、量産機の武装を借用



 出撃直前の格納庫。整備員達が忙しなく駆け回り、機体の最終チェックに余念がない。
 そんな喧騒の中で、猟兵達は己の機体に駆け寄っていく。
「せっかくだし、貸してくれるって言うなら、機体を貸して貰おうかしら?」
「ええ、じゃあこっちの機体に。整備は万全、ピカピカの新品同然だよ!」
 整備の手伝いを買って出た理緒に案内され、『E-7エクスナイト』のコクピットに搭乗するフレミア。
「ありがとう。こういうのは馴染みが無いけど、何事も経験よね♪」
「うん、初めての人にも扱いやすい機体だと思うよ。装備はどうする?」
「じゃあ、ミサイルとセイバー……それに、わたし自身が槍使いだから、グレイブとライフルかしら」
「分かった、伝えてくるね」
 頷き立ち去る理緒を見送り、試しにコクピットの計器を操作する。先程聞いた通り、操作方法も分かりやすく、初心者にも扱いやすそうだ。
「……お姫様に報酬としてこの機体貰えないか、お願いしたりしたらダメかしら♪」
『――結構高い機体なのですが、ええと、なんとか予算をやりくりすればきっと……』
 とはいえ、操作にまだ慣れていないせいか、通信回線がオンになっていたようだ。モニターに表示されるのは、生真面目そうだが整った美貌の、若い女性オペレーター。
「あら、素敵な子。……そうなの?」
「はい、まあ、姫様を助けて頂けるなら、経理部も文句は言わない筈……」
 思案に耽るオペレーターは、ふと我に帰り、顔を上げた。そしてモニター越しにまっすぐ、フレミアを見つめてくる。
「ですから。姫様を必ず――」
「もちろん、しっかりと助けてあげるわ。姫同士、仲良くしたいものだしね♪」
 そんな彼女の真摯な思いを受け取り、微笑んで頷くフレミア。元よりそのつもりだったが、ますますやる気も沸き起こる。

「今回はあなたがパートナーなのね。なかなかスマートな子。素直でいい子っぽいかな」
 コクピットへのエレベーターを上がりながらエクスナイトに語りかけるのは、フリーの雇われ騎士である錫華。本職のパイロットではあるが自前の機体を持たず、現地の量産型を乗りこなすのが彼女の流儀だ。
「うん。いっしょにいくんだし、ちょっとだけいじらせてもらうね」
 それを実現するのは、高度なキャバリアのチューニング技術だ。初めての機体であろうとも一切の淀みなく、OSを自分好みに調整していく。
「管制プログラム最適化、アルゴリズム調整。トルクは+1に設定……フレームの一部換装もお願いできるかな、このプランで」
『ええ、分かったわ……本当に大丈夫?』
 それは、通信を受けた理緒が思わず聞き返してしまうほど、極限までピーキーなチューニング。もちろん、それを乗りこなす技量と自信があってこそ。
「うん、大丈夫。……あなたも、良いかな?」
 後半の言葉はエクスナイトに語りかける。言葉として答えは帰ってこないが……感覚として、同意をその心に感じ取る。
「うん、ありがとう。わたしチューンにさせてもらうね。……それじゃあ、お願い」
『ええ、分かった。じゃあこのプランで――』
 改めての同意を得ると、電脳魔術によってフレームを書き換えていく理緒。射程を犠牲に攻撃回数を増加させた、近接攻撃仕様に調整していく。

「よし、これで……ルル。聞こえるか?」
「ん、ん~~……おはよう、ユウヤ!」
 借り受けたエクスナイトのコクピットに、契約デバイスをセットしたユウヤ。埋め込まれた契約石が、輝くと、モニター上に電子の妖精が表示される。
「どうやら成功したみたいだな。調子はどうだ、ルル?」
「うん、問題ないよ!」
 ルルと呼ばれた電子妖精は、可愛らしい声で応じ、頷いた。完全に機体に適応したようで、モニターの中で元気に飛び回っている。
「よし! さっそく機体のチェックを頼む」
「任せて!」
 ルルが脇に寄って腕を振ると、超高速で文字が表示されては消えていく。ユウヤには到底読めないが、ルルにとっては標準的なチェック速度だ。
 そちらを完全に任せると、武器の選択を手配する。
「装備はキャバリアライフルと、予備のビームダガーを数本……って所か。あとは――」

「今回のマスターは楽しそうですね」
 調整を続けるユウヤのエクスナイトを見上げながら、少し不機嫌そうな表情を浮かべるのは結華。彼女は、ユウヤに仕える魔導人形だ。
 彼女も本来、エクスナイトを借りるつもりだったのだが……その機体は、彼女の背後でひっくり返っている。壊れなかったのが奇跡的なほどで――どうやら一般的な量産型キャバリア適性がなかったらしい。
「……こんなもの、動かせなくても、別に……」
 生身で参加する事自体は、そこまで問題ではない。だが、いつも隣にいるユウヤは、今はコクピットの中――どうしても疎外感を感じてしまう。
 機体準備も要らず、手伝う事もできず、時間を持て余した彼女は、ケースからカードを引き抜いて手元で弄ぶ。
「……シルフ。あなたもそう思うでしょう?」
 ユウヤと仲の良い風の精霊に呼びかけ、物思いに耽る。何度目かのため息がその口から溢れ――。
『あとは――結華。そっちはどうだ?』
「っ!? はい、マスター。いま行きます」
 ――そんな一瞬前の事など忘れたかのように、慌てて機体に駆け寄る結華。そのまま素早く駆け昇り、肩の上にしがみつく。
 通常ならば危険な場所だが、彼女は魔導人形。その怪力でしっかりと装甲を掴めば、振り落とされる事もないだろう。
「マスター、いつでも大丈夫です」
『わかった、あともう少しで出撃だから、そこで待機しててくれ。無理はするなよ?』
「はい、了解しました」
 気遣いを受け、頷く結華。表情の変化は乏しいが、どことなく嬉しそうに感じられる。

「凄いね! 本物の人型巨大ロボット!」
「ウォーマシンで人型ロボな人もいるけど、巨大ロボは初めてだね」
 キャバリアを見上げながら、目を輝かせて緋瑪と瑠璃。殺人を快楽とする双子姫も、どうやらロボにはロマンを抱くらしい。
「それじゃあ、機体を借り……ん?」
「……あれ? 今、呼ばれたような……」
 早速エクスナイトに乗り込もうとするが、突然、頭の中に響く声。きょろきょろと周囲を見回すが……周囲には、忙しなく駆け回る整備員ばかり。首を傾げながら顔を見合わせる2人。
「わたしも! なんだろう……あっ、また!」
「こっちの方!」
 そこでもう1度声が聞こえる。今度は方向もはっきりしていて、慌ててそちらに駆け出していく。どんどん、格納庫の奥の方に……コンテナの隙間をくぐり抜け、辿り着いた先には大きな扉。
「随分長い事使われてないみたいだけど、どうやって開け……開いた!?」
 封印されていた扉は、まるで待っていたかのように、緋瑪達を招き入れた。古い格納庫に眠っていたのは、一対の機体。
 誘われるがままに2人がコクピットに乗り込めば、途端に機体に灯が入る。
『……!? その機体はなんですか!? データにありませんよ!?』
「そんな事聞かれても、わたし達も分からないよ!?」
 通信回線も開き、オペレーターの通信が入る。悲鳴のような問いかけに瑠璃が応じ、事情を説明し……緋瑪はモニターに表示された文章を読み上げた。
「……デュアル、ジェミニオン?」

「……? なんですか、このアプリは? 見た事ないですけど……」
 そんな突然の異変に遭遇したのは、緋瑪達だけではない。明日多もまた、電脳眼鏡に突然の通信を受けて、怪訝そうにそれを確認する。
「ウイルスとかじゃ……ない様ですが。なんか気になりますね……」
 普段ならスパムの類とすぐに削除するが、何故か妙に胸騒ぎを感じる。眼鏡の弦に手を当てて、じっとその文字列を読み上げた。
「名前は……『アスラドライブ』? ……うわぁ!?」
 途端、轟音と共に風が吹き荒れる。その風の中、突如として現れるのは――6本腕の、キャバリア。
「なんですか、この機体は?」
「これは、この国の機体と言う訳では……?」
 駆け寄って来た理緒が、驚きながらそれを見上げる。明日多が驚きを隠せぬまま問いかければ、慌ててデータと照合する、が。
「……いえ、データには無いですね。あなたの機体じゃないんですか?」
「それは――」
 明日多も問いかけを否定しようとする――が、思い留まった。開いたコクピットは、まるで乗れと言われているように感じられる。誘われるがままにシートに座れば、まるで設えたかのように、彼の身体がぴったりと収まった。
「……ええ、僕の機体のようですね」
 不思議な感覚にとらわれながらも、頷いて応える明日多。機体の操縦方法を確認する。
「念動力操作、補助系は手動……高難易度RTSよりは楽そうですね。問題無いです」
 まるでずっと馴染みの相棒であったかのように、その身をシートに預ける明日多。

 ――そんな不思議現象とは縁もなく、自前の機体を持ち込む者もいる。
「へへっ、大家さんからの支給品が使う時が来たで」
『リース料取られていますがね』
 いや、神治の場合はリース品なので、自前と言って良いのかどうか微妙だが。
 サポートAIである人工式神・天将が辛辣な言葉を送ってくるのを気にせず転送プログラムを起動し、実体化を開始する。
「これは『人工式神強化外骨格『武神』』言うてな、まぁ、天将の物理的な依り代になるんや……何や、野郎が女型メカ乗って悪いんか?」
『ええ、私の依り代に神治が乗るとか、控えめに言って』
 胸を張って説明した所で天将のジト目を感じ、言い返す。が、やはりツッコミが帰って来ると、言い返せなかったので先に目を反らした。
「……まあええ。こいつはトランスフォーム機能もあるんやで!」
 代わりに武神の装甲がルービックキューブのごとく、ガチャガチャと音を立てて変形していく。大型二輪モードになると、その上に跨り誇らしげに胸を張った。
「どうや、見ぃ、この伊車のスーパーカーみたいな流線形を!」
『ペーパードライバーの神治には宝の持ち腐れですね』
 それでもやっぱり、天将は辛辣である。

『出撃3分前です。各員、最終チェックに入ってください!』
「……時間ですか」
 オペレーターの全体放送を聞いて、整備の手を止める理緒。やれるだけの事はやった、あとは仲間に任せるつもり――とはいえ一応出撃しようと、エクスナイトを借り受ける。
 他の猟兵達も、各々が己の機体に搭乗して発進カタパルトに向かい……そんな中、鬼燈とミストだけは、生身でカタパルトの上に立つ。
「専門のジョブでないなら、経験で補わないとね。実戦経験を積む機会は大事っぽい!」
 そう口にする鬼燈の周囲には機体は見当たらないが、慌てた様子は全くない。それはミストも同様だ。
「さて、出撃時の景気づけ、といきましょうか」
「うん、景気づけの演出は大事。じゃあ僕からいくのですよ」
 出口に背を向け、目の前の空間に手をかざす鬼燈。するとその先に、魔法陣が描かれていく。いくつもの図形が重なり合う、積層型の複雑な魔法陣。
 その全てが、描かれ、重なり合ったその瞬間……高らかに叫ぶ鬼燈。
「――来い、アポイタカラ!」
 魔法陣の中から姿を現すのは、異端の技術体系によって生み出されたサイキックキャバリア。伝説の金属の名を冠したその機体からもう1つ魔法陣が照射され、鬼燈をコクピットへと取り込んでいく。
「次は私ですね……アクセスッ!」
 前腕のガントレットを、胸の前に構え、輝かせるミスト。そのデバイスは、彼の中のサイキックエナジーを最大限に強化する。開かれるは異空間のゲート――鬼燈の魔術とは似ていても対照的な、超能力によって繋がる異次元世界『シュラウド』。
「ブラックバード!!」
 その呼び声が響くやいなや、瞬きの合間に虚空から生じる巨大な機体。それは、キャバリア――ではない。スペースシップワールド製の人型機動兵器、機械鎧ブラックバード。
 他のキャバリアの倍近い、9mの巨体が突如としてカタパルト上に出現する。
「はっ!」
 今度は人間大のゲートを潜り、そのコクピットへと移動するミスト。遠目にみれば、一瞬で人が巨大機械に変わったようにすら見えたかもしれない。
「搭乗完了――誘導を頼みます」
『は、はいっ!』
 流石に驚いたように、目を丸くしていたオペレーターが、慌てて作業を再開する。その様をモニター越しに見つめ、楽しそうに笑う鬼燈。
「美人オペレーターとかテンション上がるよね!」
『……い、今そういう話はっ……もうっ、後にしてくださいっ』
 顔を赤くしながらもそう言って、準備を終えるオペレーター。ゆっくりと呼吸を整え、表情を引き締めると……高らかに猟兵達に呼びかけた。
『――キャバリア全機、出撃してください!!』

「では私からいきます。いきなりキャバリアではないですが、ね」
『はい、どうぞ!』
 機体背面のプラズマスラスターを点火させるミスト。キャバリアとは規格が合っていないが、自前の推進力だけで十分。
「――ミスト・ペルメオス、ブラックバード。出撃するッ!」
 その機体が僅かに浮き上がり、そして滑るように急加速。先陣を切って出撃していく。

「それじゃあ、格好良く決めるっぽい!」
 まずは小型ブースター、続いて高機動ブースター。段階的な加速で一気にカタパルトを駆け抜けた。
「露木鬼燈、アポイタカラ。出撃っ!」
 大地を蹴ると同時に、魔術文字の刻まれた闇の翼をばさり、と広げ。異端の機体が華やかに、空へと飛び立っていく。

「準備はいいね。いっしょならなんにも怖くないよ」
 機体に優しく語りかけ、発進させる錫華。その声とは裏腹の、機体の性能を限界まで引き出した加速……だが、驚くほど安定した機動で、カタパルトから飛び出していく。
「支倉・錫華と、E-7エクスナイト――さぁ、行こう」

「必ずお姫様を助けてくるから。待っていてね」
 オペレーターに微笑みかけると、念動力の防御膜で機体を覆うフレミア。機体の動きはややぎこちないが、自前のサイコキネシスでそれを補って出撃する。
「フレミア・レイブラッド、エクスナイト。出るわ!」

「ユウヤ! この子の能力とシステムについて大体わかったよ! 全部異常なし!」
「よし! 結華、時間だ。行けるな、しっかり捕まってろ!」
「問題ありません。いつでもどうぞ、マスター」
 結華がしっかりとその怪力で強く機体装甲を保持したのを確認し、機体を発進させるユウヤ。肩に結華を乗せたまま、一気に加速し、カタパルトから飛び出していく。
「ユウヤ・シュバルツ、E-7エクスナイト。行くぜ!!」

「ほな、ロケットスタートで出動や!」
『動かすのは私ですけどね』
 皮肉を聞きながらも、一気にカタパルトを飛び出す神治のバイク。まあ実際、天将の自動操縦ではあるが――真っ直ぐに加速し、突き進んでいく。
「御魂神治、人工式神強化外骨格『武神』、いくでっ!」

「それじゃあ、これからよろしくお願いしますね」
 運命的な出会いを果たしたその機体に呼びかけ、念動力を行き渡らせる明日多。その腕はまるで、自身の延長のようで……拳を地面に叩きつけ、飛び立っていく。
「百目鬼明日多、アスラドライブ、出撃します!」

「結構なじゃじゃ馬機体だけど、それくらいがちょうど良いよね」
 量産機の武装を借用しつつ、カタパルトに立つ双子の機体。初めて操ったとは思えないほど、緋瑪も瑠璃も手足の延長のように動かしていく。
「それじゃあ、いくよ。デュアル・ジェミニオン、発進ー!」

「戦闘は得意なほうではないけど……後ろは任せろー、って感じかな!」
 できる限りの機体整備をこなし、万全の体勢で猟兵達を送り出した理緒。役目はほぼ果たしたと言っても良いが、最終防衛ラインぐらいは、守りたいと、慣れぬ機体を駆って、しんがりで出撃する。
「菫宮理緒、E-7エクスナイト、いきます!」

 こうして、10機の機体が基地から飛び立った。その背中を、整備兵が、兵士が、国民が見送る。
 彼らの希望を――姫を助けてと言う願いを背に受け、機体は戦場へと向かう――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『オブシディアンMk4』

POW   :    ホークナパーム
【油脂焼夷弾】が命中した対象を燃やす。放たれた【高温の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    ピアシングショット
【スコープ照準】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【RSキャバリアライフル】で攻撃する。
WIZ   :    マイクロミサイルポッド
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【誘導ミサイル】で包囲攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 出撃から数分。プラントに向かうその道中、黒い機体の軍勢が行く手を阻む。『オブシディアンMk4』――無骨ながら強靭な量産型キャバリアだ。
 猟兵達の先頭の機体が華麗に着地し、真っ向から対峙すれば、あちらの機体から通信が入ってくる。
『お前達がエストランドに雇われた猟兵か……姫の意志に逆らうなど、許し難い行いだ。投降し悔い改めよ!』
 怒りに燃え、罵声を叩きつけてくる若い兵士達。だが、そんな彼らも本来は、国民の事を思い、自らの危険も顧みず国土防衛に身を捧げる、優秀な兵士である筈なのだ。
『姫は争いを続ける愚かな人類を根絶しようと言う、崇高な使命を掲げていらっしゃる。我々国軍兵士は、その使命に殉ずる覚悟だ!』
 そしてまた彼らが従う姫も、本当にそんな事を望んでいる筈がない。戦いに心痛める優しい姫を、国を憂う勇敢な兵士達を歪めたのは、オブリビオンマシンの邪悪な力にほかならない。
『エストランドのために! アリシア姫のために!』
 偽りの熱狂と忠誠を植え付けられ、猟兵達に襲いかかってくるオブディシアン。それを破壊し、兵士達を救い出してやらねば、姫の元にたどり着く事はできない――!
ユウヤ・シュバルツ
結華(f01731)と参加
お調子者だが、意外と熱血漢。

「洗脳兵器か……エグイことをしやがる」
索敵を担当している電子妖精のルルから声が響く
「ユウヤ!左右からロックされてる!」
UCを使用。素早く後方へジャンプして、肩に乗っている結華に
「スピードを上げるぞ。振り落とされるなよ!」

「狙撃か?いいぜ、当てれるもんなら当ててみな!」
電子妖精のサポート、ユウヤの反射神経で狙撃を見切り回避、右手のライフルでカウンター。頭部や武装を狙う。
「今度はこっちの番だぜ!」

「よし、そっちは任せた!」
ミサイルを結華が迎撃をしている間に、ライフルをしまいビームダガーを二刀で構えて接敵し、すれ違い様に切断していく
「疾風一閃!」


御門・結華
マスター(f01546)と参加。

狙撃を回避する機体から振り落とされないように掴まり
「大丈夫です。マスター、私を気にせずに戦ってください」
ユウヤに答え、左手の怪力で装甲に掴まりつつ右手でデッキからサラマンダーのカードを引いて憑依変身。
「火の精霊よ。我が身に宿れ」
防具改造で紅蓮のドレスを、武器改造で大剣を片手で敵へ突き付けて。
「あなた方は私達がすぐに解放します」
UCを使用。大量の火球を機体の周囲に浮かべ、ミサイルを迎撃し誘爆させる。
「ミサイルは私に任せて、マスターは反撃に集中して下さい」
マスターが敵に接敵したら、炎の魔力を大剣に集中させて全力魔法の火竜を放ち敵を薙ぎ払う。
「サラマンダーフレイム!」



「洗脳兵器か……エグイことをしやがる」
 オブディシアンから聞こえる通信に、強い怒りを滲ませるユウヤ。だがこちらが攻撃を行う前に、モニターからルルの声が響く。
『ユウヤ! 左右からロックされてる!』
「おっと……分かった!」
 怒りは滾るが、頭に血が昇ってはいけない。深呼吸を一つ、機体の操作に意識を集中する。機体の手足を、己の手足と思うがごとく。
「スピードを上げるぞ。振り落とされるなよ!」
「大丈夫です。マスター、私を気にせずに戦ってください」
 肩に乗っている結華からの返事を聞くや否や、勢いよく後方に跳躍する。その直後、今までいた場所を通過するキャバリアライフルの弾丸。
「狙撃か? いいぜ、当てれるもんなら当ててみな!」
『避けられたっ!? ……何ぃっ!?』
 次撃が飛来するより前に、素早くこちらもライフルで返礼する。左右でこちらを狙うオブディシアンの腕にほぼ同時に直撃させ、手にしたライフルを吹き飛ばした。
『ちっ……ならばこれでどうだっ!』
 舌打ちした敵パイロットは、誘導ミサイルを放ってくる。複雑な飛翔で機体に迫る大量のミサイルを、真っ直ぐに見据える結華。
「火の精霊よ。我が身に宿れ」
 左手でキャバリアの肩を保持したまま、右手でカードを抜き放つ。描かれしはサラマンダー、篭められし火の魔力で、身に纏うドレスが紅蓮に変じ、風にたなびいて。
「――そして我と、我が主に仇なすものを阻め!」
 解き放たれる大量の火球が、ミサイルを迎え撃ち、誘爆させる。数百を数えるミサイルの全てが爆ぜるが、機体に届くのは熱風のみ。
『全て打ち落とした、だとっ!?』
「あなた方は、私達がすぐに解放します」
 魔力に呼応して精霊石が輝き、大剣に変じた剣を敵機に突きつける。通信越しに高らかな宣言を送ると、ユウヤに呼びかける結華。
「ミサイルは私に任せて、マスターは反撃に集中して下さい」
「よし、そっちは任せた!」
 その言葉を待っていたかのように、手にしたライフルをしまい、ビームダガーを二刀に構えるユウヤ。一気に加速して、敵機への急接近を図る。
『むっ、迎え撃て!』
「させませんっ!」
 当然敵は大量のミサイルでそれを迎え撃って来るが、その尽くを結華が撃ち落とす。加えて急加速した機体のスピードは、ミサイルを、爆発を置き去りにする程で。
「――疾風一閃!」
『は、速すぎ――るっ!?』
 その速度のまま、敵機の合間を駆け抜けるエクスナイト。その言葉通りに一陣の疾風となって駆け抜け……過ぎ去ったその後には、腕とミサイルを切断され、攻め手を失ったオブディシアン達。
「よし、今だ!」
「了解しました、マスター!」
 防御の必要がなくなれば、周囲の火球を収束する結華。燃え盛る大剣を両手で握りしめると、それを真横に構え――。
「サラマンダーフレイム!」
『う、ぉぉぉぉっ……!?』
 振り切れば、迸るは巨大な火竜。その灼熱の爪と牙が敵機を薙ぎ払い、頭部を破壊していった。
『しまった、やられ…………ん? なんで俺はここに……?』
「……良かった、元に戻ったみたいだな」
 頭部を失った事で、兵士達はオブリビオンマシンの影響から解放されたようだ。ほっと胸を撫で下ろし……同時に、姫を操る首謀機への怒りを新たにするユウヤ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

百目鬼・明日多
通信を聞く限り…今は「人」ではなく「機」が主になっている様ですね。
それに、あの機体は射撃型…格闘戦を挑むより射撃戦を挑むべきですか。
ところで、この機体の武装って…(コンソールを叩く)
…内蔵も手持ちも無し!?召喚式の何かとかあると思ってたんですが…
でも、この機体は僕とリンクしている訳ですし、それなら…
六腕から『融合する刃貨』を発動…できそうですね!
これさえ使えるなら問題無いです。
まず敵のライフル射線上に複数のメダルを放ち防御、
そこから拡散させたメダルで各種武装を切断、
最後に融合させた大型メダルで手足を頭を落として終了です!
ブースターは残すので適当に着陸しておいてくださいね?
さぁドンドン行きます!


四季乃・瑠璃
緋瑪「コクピット狙って殺しちゃダメなんだっけ?一番楽なのになー」(オペレータに確認しつつ)
瑠璃「面倒でも幾らでもやりようはあるよ。このコ(ジェミニオン)の慣らしも兼ねて行くよ、緋瑪」

UCで分身

敵のライフルに対して、瑠璃・緋瑪共に機動力を活かして高速機動からミサイルポッドによるミサイル斉射からライフル連射で敵を牽制。
敵を両サイドから追い込む様にして仕掛けつつ、瑠璃がライフルで援護し、緋瑪がセイバーで頭部を串刺しにして慣らし終了。

その後はミサイルやライフル等の借りた武装も使いつつ、操縦者のボムや大鎌をキャバリアの武装に再現。
戦法を再現し、(手加減しつつ)ボムで四肢吹き飛ばしたり撃破していくよ



「コクピット狙って殺しちゃダメなんだっけ?」
『やめてくださいっ!?』
 オペレーターの悲鳴のような返答を聞いて、やれやれと肩を竦める緋瑪。
「一番楽なのになー」
「面倒でも幾らでもやりようはあるよ」
 そんな緋瑪を嗜めながら、機体を動かす瑠璃。初めての機体とは思えないほど、よく馴染んで動く。
「このコの慣らしも兼ねて行くよ、緋瑪」
「うん、そうだね、じゃあ、一気にいくよっ!」
 迫っていたライフルの弾丸を、ジェミニオンを急加速させて回避する。次いでミサイルポッドから放つ大量のミサイルと、ライフルによる嵐のような反撃。
『な、なんだあの機体は……う、うわああっ!?』
「デュアルジェミニオンだよ、覚えて――おかなくてもいいけど、別に」
 ミサイルから逃げ惑う敵機を、挟み撃ちにするように追い詰めていくジェミニオン。瑠璃機がライフルで援護し、緋瑪機が急接近。
『っ!? ……あ、あれ?』
「はい、慣らし終了」
 そのまま、セイバーで頭部を串刺しにすると、動かなくなった相手は放置して急速に離脱する。中の兵士にはさほど興味もない。
『俺は今まで、何をして……?』
「ふむ、今は『人』ではなく『機』が主になっている様ですね」
 代わりに明日多が、その通信を聞いて事態を把握する。やはり頭部を破壊するのが、最も確実のようだ。
「あの機体は射撃型……格闘戦を挑むより射撃戦を挑むべきですか」
 コンソールを叩き、自機の武装を確認する。モニターに装備一覧が表示される――が。
「……何もないじゃないですか!?」
 並ぶのは『NOTHING』の表示ばかり。手持ち、内蔵、あらゆる武器が存在しない。これでは射撃戦どころか、近接戦闘すらままならない。
「まさか六本腕で殴りかかれと――いや、待ってください」
 そこでふと気づく。この機体、アスラドライブは、明日多とリンクした機体だ。それならば、もしかすると。
「六腕に意識を集中して――よし!」
 機体の手から出現するメダル型のブレードは、彼のアバターが使用するユーベルコードだ。今はこの機体が彼のアバターも同然、ならばその力も使えない道理はない。
「これさえ使えるなら問題無いです。いきますよっ!」
『なんだこの武器は、うわぁっ!?』
 さらに多くのメダルを放ち、その自在な動きで敵機を翻弄する。そのまま武器を切断して、攻め手を奪っていく。
「生身の時の攻撃を機体でやるんだね。楽しそう♪」
「よし、私達もやってみようか」
 そんな様子を見た緋瑪達も、ジェミニオンに力を注ぎ込む。いかなる仕組みか、その不思議な双子機体は、彼女達の持つ大鎌や爆弾をその手に再現した。
「上手くいった、じゃあ、一気にいくよっ♪」
『くっ、うわああああああっ!?』
 投じられた爆弾に巻き込まれていく敵機。殺人姫の戦いは、コクピットさえ壊さなければ良いのだろう、とばかりに荒っぽい。四肢を吹き飛ばして動きを封じ、あるいはその首を鎌で刈り取っていく。
「さて、こちらも一気に決めますよ!」
 混乱する敵陣の中央に、メダルを集合させていく明日多。全てのメダルが融合し、巨大な一つのメダルが生み出される。
「ちゃんと――着地してくださいね!」
『うわああああっ……あ、あれ?』
 こちらは的確に、機体の四肢と頭部を切断し、無力化していく。ゴロゴロとあちらこちらに転がるコクピット。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フレミア・レイブラッド
なかなか面白いじゃない♪

自身の機体を【念動力】【サイコキネシス】の防御膜で包みガードしつつ、敵のナパームやミサイルを空中で軌道を逸らしたり、念で抑え込む等して防御。
ライフルを連射して牽制しながら、敵の懐に入ってグレイブで装甲の薄そうな腹部(上半身と下半身の連結部)を切断し、頭部を潰したり、足を薙いでから頭部をライフルで撃ち抜いたり等、一体ずつ制圧していくわ。

途中で弾切れとか武器が損耗したら、敵の武器って互換性無いかしら?
(オペレータの子に聞きつつ)

でも、結構使い勝手が良いわね。中々気に入ったわ♪
オペレータの子も可愛いし。あ、お姫様助けの報酬、この子(オペレータ)とのデートも素敵ね♪どうかしら♪


露木・鬼燈
減速?
そんなの必要ない。
このまま突っ込むですよ!
<凶鳥強襲>
更なる速度を得て敵陣に突撃。
威力があり過ぎるとパイロットごと木端微塵。
今回は威力を抑えて概念付与は駆逐艦級で。
これくらいならコックピットに直撃とかでなければ、ね。
両手のアサルトライフルとフォースハンドのマシンガンを掃射。
敵の攻撃は機動力で回避。
相対速度で当たるとヤバいからね。
小型ブースターの制御をオルトリンデに。
出力と方向を細かく調整してもらう。
これに翼の挙動を合わせれば…
アニメとかでありそうな変体機動も再現できるはず。
とゆーかできた!
これはまさしくエース!
帰投したらあの美人オペレーターをデートに誘うっぽい!
この活躍ならイケルイケル!



「このまま突っ込むですよ!」
 会敵しても減速する事なく、むしろさらに加速する鬼燈。凶鳥の如く、アポイカタラは敵上空へと舞い降りる。
「さあ、一気にいくっぽいっ!」
『な、なんだこいつは、わあああ!?』
 手にしたライフルから迸るのは、銃弾――ではなく、砲弾。明らかに銃口に見合わぬ、12cm級の主砲が降り注ぐ。
「この弾丸には概念を付与してあるっぽい。よって駆逐艦の主砲同然なのです!」
 まさに異形の機体に相応しい、人智を逸した砲撃によって、敵機を破壊していく鬼燈。コクピットは壊さないように調節しながら、サイキックエナジーの腕によってさらに砲撃を追加する。
『そんな馬鹿なっ……うぉぉっ!?』
「これでも手加減はしてるですよ……おっとっ!?」
 とはいえ、敵もやられっぱなしと言う訳ではない。ミサイルが飛来すると、慌てて一気に加速して回避する。
「相対速度で当たるとヤバいからね、気をつけないと」
 機体AIに細部制御を任せると、急加速、急制動、急旋回を繰り返す。限界を越えた機動で、ミサイルを引き離すアポイカタラ。
『あ、当たらんっ……うわぁっ!?』
「アニメとかでありそうな変態機動も再現できるっぽい! これはまさしくエース!」
 反撃にしっかりと砲撃を叩き込みつつ、翼の挙動も調節すれば、予測出来ない超回避となる。すっかりテンション高く、機体を操る鬼燈。
「帰投したら、あの美人オペレーターをデートに誘うっぽい! この活躍ならイケルイケル!」
「……と言う事らしいけど?」
 なお、通信回線はまだ開いている上に、後方にまでしっかりと届いていたりする。フレミアに問いかけられて、少し顔を赤くするオペレーター。
「ええと、姫様を助けて頂けるなら、デートぐらい……いえ、内容によりますが。というか私なんかとデートしても、楽しくは――」
「あら、そうなの。じゃあ私もその報酬でお願いしちゃおうかしら♪」
 ぶつぶつと呟くその姿を見て、くすくすと楽しそうに笑うフレミア――の、エクスナイトの周囲では、敵のミサイルが爆発を起こしている。だが、見えざる念動力の防御膜に覆われた機体には、ミサイルどころかその爆風すら届く事はない。
『な、何故当たらんっ!?』
「ふふっ、何故かしらねぇ?」
 ナパームを抑え込んで不発に終わらせると、一気に急接近を仕掛ける。当然相手もライフルで迎撃してくるが、防ぐ以前に、動揺のせいで狙いが定まっていない。逆にこちらが牽制でライフルを撃ち込み、動きを封じていく。
「ちょっとこの辺り、装甲が薄そうよね……予算をケチってるのかしら」
『何っ、うわぁっ!?』
 そのまま接敵し、グレイブで腹部の細い部分を切断。脚を失った機体の頭部を潰していく。続けざま、近くの別の機体の脚部を薙ぎ払い、転倒させた。
「ロボットもなかなか面白いじゃない♪」
 ダメ押しでライフルを撃ち抜いて、また次の機体へ。一体ずつ確実に撃破していくフレミア。途中でふと思いついて、オペレーターに問いかける。
「……ところで、敵の武器って互換性ないのかしら?」
「女性同士なんて、そんな。いえ男性なら良いと言う訳では。でも場合によってはお付き合いも吝かでは――」
「もしもしー?」
「あっ、は、はい、使えない事はないですが、やはり無理は出るので、専門技術やユーベルコードなしには止めた方が良いかとっ」
 ぶつぶつと呟いていたオペレーターが、はっと我に帰り、慌てて質問に回答する。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミスト・ペルメオス
【SPD】

さあ、やるぞ…ッ!

愛機たる機械鎧(人型機動兵器)を駆って戦闘に臨む。
デバイス等を介して念動力を活用、機体をフルコントロール。
殲禍炎剣の介入を受けぬよう高度・速度に制限をかけつつも機動兵器ならではの高速戦闘を仕掛ける。

敵部隊との距離を詰めるべく【ハイマニューバ】起動。
制限内において跳躍、滑走、そして虚実織り交ぜた動きによる戦闘機動を実施。
狙撃を回避機動で躱し、ビームシールドで凌ぎつつ敵部隊に迫り。
有効射程に入ったところでビームアサルトライフルやヘルファイア・デバイスによる応射、掃射を展開。
パイロットを害さないよう注意しつつも敵部隊を戦闘不能に追い込んでいく!

※他の方との共闘等、歓迎です


御魂・神治
これはワイの神器銃だけでは火力不足や
『武神』を人型に戻して対処やな
ワイがむき出しやて?今流行りのその、なんや、アレや!
メカ少女的なアレや!
かまへんやろメカおっさ...お兄さんでも!

追尾ミサイルよけ飛んで来るの、アニメで見たで、有名なヤツやな
【戦闘知識】で弾道予測しつつ避けたり、『爆龍符』を放って爆風に巻き込んで相殺
囲まれたらチャフを【一斉発射】して【ジャミング】する
避けるんは制御しとる天将に全力で頑張ってもらうで
ある程度ミサイルの数を減らしたら【誘導弾】にしたUCでお返しや



「さあ、やるぞ……ッ!」
 愛機たる機械鎧を駆って、高速で接近するミスト。その巨大な機体を、念動力で完全なるコントロール化において、自在に操作する。
『な、なんだあのデカい機体は……それに、速いっ!?』
「異世界の機体の力、お見せしよう」
 戦術プログラムを稼働させての、高速機動。素早い滑走に跳躍を織り交ぜ、フェイントもかけて相手の狙いを翻弄する。キャバリアの倍近い巨体でありながら、人そのものの動きで――あるいはその名の如く、鳥のように飛び回るブラックバードは、敵機のライフル弾を掠らせすらしない。
「そこだっ!」
『う、うわぁっ!? ……ん、俺はどうして……?』
 間合いに入るなりのビームが、敵機の頭部を精密に撃ち抜いて破壊した。そして別の機体からの反撃を、エネルギー粒子の散弾で撃ち落とす。
「うぅむ、これはワイの神器銃だけでは火力不足やな……!」
 そしてそんな激戦の光景を観察する神治。『武神』を移動用の大型二輪形態から、再び人型に変形させていく。女性的なフォルムのその中心に、神治が乗り込んで――。
「さあ、いくで!」
『神治が思い切り、むき出しですが』
 意気揚々と叫んだ所で、天将の冷たいツッコミが入る。出鼻を挫かれ、つんのめりかける神治。
「いや、これはやな……今流行りのその、なんや、アレや! メカ少女的なアレや!」
『…………少女?』
「かまへんやろメカおっさ……お兄さんでも! ……ってぇ、んな事やっとる場合とちゃうわ!」
 そんな漫才のような会話に、外部からのツッコミの如くミサイルが降り注いだ。慌ててそれを、急加速して回避する。
「こういうんを避けるのは、アニメで見たで、有名なヤツや!」
『これはアニメではないですが……撃ち落とされては困るのでサポートします』
 ため息混じりに言いながら、機体を制御する天将。一気に急加速し、追尾してくるミサイルを引き離していく。
「よっしゃ、一気にぶっ飛ばすでえ!」
 そのまま敵陣中央に躍り出ると、その手に大量の符を掴む神治。投げ放てばそれは、ただの紙片には有り得ない軌道を描き、敵機の装甲に付着し……爆発を起こす。
「そら、ド派手に爆ぜえっ!」
『っ、うわあああああっ!? ……はっ!?』
 頭部を爆破され、洗脳を解除されていく敵兵達。と同時にチャフがばら撒かれ、追ってきたミサイルの照準を狂わせ暴発させた。
『くっ……なんだ、どこにいったっ……!?』
 生き残った敵機も、爆煙とチャフの効果により視界とレーダーを封じていく。慌てて周囲を索敵する敵兵……そして、その煙の中から現れるのは、巨大な影。
『ひっ……!?』
 それはミストの機械鎧……ただでさえ巨大な機体が突然目の前に現れれば、その威圧感に引き攣った声を上げる敵兵。慌てて、ライフルで迎撃してくるが。
「そんな焦った反撃は、当たらないっ!」
 やはり巨体からは想像もつかぬスピードでそれを回避し、避けきれぬ分もビームシールドで弾き返す。そのまま背後に回り込み、その頭部を正確に撃ち抜いた。
『や、やめろ、ば、バケモノ機体め……ん、あ、あれ?』
「化け物はそちらのオブリビオンマシンだな……まあ、これで心配はないが」
 正気を取り戻したパイロットにそう呼びかけると、別の機体に向かっていくミスト。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

支倉・錫華
うん。チューニングは注文通り。いい感じに仕上がってる、さすがだね。
なら次はわたしの番。この子の全力をしっかり引き出さないとね。

兵士としての忠誠心は認めるけど、
姫の言うことだからって鵜呑みにするのはいただけないかな。
それに、命を粗末にするのはあまりいいことじゃないよ。

ちゃんと自分で考えてみんなを守らないと……って、操られてもいるんだっけ?

とりあえず、話をきいてくれるくらいには正気にもどさないとかな。

高速機動のまま【モーターブーム】を使って、オブシディアンの手足を狙っていこう。
戦闘中に会話っていうのも野暮だから、お話しは終わってからになるけれど、
行動不能になっていれば、少しは聞いてくれるよね?


菫宮・理緒
わたしは直接戦闘より、フォローに回るね。
前線での応急修理とかも考えつつ、前に出すぎないように動こうと思うよ。

少し後方から、みんなが倒したオブシディアンに乗っている兵士さんの救助や、
壊れた機体の回収とかをしていきたいな。
みんな気をつけて戦ってくれてるとは思うけど、怪我とかはしちゃいそうだもんね。

それと、オブリビオンマシンについても、
全容がよくわかってないし、みんなを操ってるシステムも不明だし、
回収した機体を研究したら、そのあたりも解ってくるといいなーって思うよ。

相手にロックオンされたら【等価具現】で相手の攻撃を打ち消しつつ、
基本は全力で逃げよう!
……戦闘はそこまで得意じゃないんだよー!



「大丈夫? 今助けるね」
『わ、我々は一体何を……?』
 頭部を破壊され、放置された機体に近づいていく理緒。コクピットは情報通りの堅牢さだが、中のパイロットの方は多少の怪我は免れない。
「あなた達は操られてただけ、気にしないで。……うん、これで動けるようになった」
『操られて……そうか。姫……ともかく助かった、ありがとう』
 自力で戦線離脱をできるように、最低限の機動系だけでも修復していく。もちろん、オブリビオンの影響が強い頭部は再生しないように気をつける。
「みんな気をつけて戦ってくれてるから。私はフォローしてるだけだよ」
『そんな事はない、感謝する。もちろん他の者達にも、後で礼を言わせてもらうよ』
 改めて礼を言い、撤退していく機体。とはいえ当然、自力で撤退できる機体ばかりではない。そういった機体は、コクピットだけを抱えて戦域外に避難させていく。
「まあ、大丈夫だとは思うけど……余計な怪我とかしちゃったら困るもんね」
『すまない、我々が不甲斐ないばかりに――む、危ないっ!』
 と、そこにロックオンの警告音が響き渡る。パイロットの警告に慌てて機体のモニターを上に向ければ、迫りくる大量のミサイル。
『我らの姫の理想のために!』
「わ、わぁっ!? 戦闘はそこまで得意じゃないんだよー!」
 慌てた様子で、その攻撃の同位体を電脳魔術で再現し相殺していく理緒。だが、敵機そのものが接近してくる。慌てて逃げるが、追いつかれそうになり――。
『うぉっ、なんだ!?』
 横合いから突っ込んできたエクスナイトの斬撃が、一呼吸のうちにその四肢を断ち切った。キャバリアの質量を生かした、強烈な高速斬撃――過度とも言えるチューニングを施されたその機体は、錫華機だ。
「うん。チューニングは注文通り。いい感じに仕上がってる、さすがだね」 
 今日初めて乗った機体とは思えないほど、まるで手足のように――いや、心通わせた相棒のように、機体を操って見せる。後続の機体からの射撃も、高速機動で回避。
「なら次はわたしの番。この子の全力をしっかり引き出さないとね」
『くっ、姫の理想の邪魔をするな!』
 こちらを強敵と見做し、数機の敵機が一斉に襲いかかってくる。だがその数よりも、通信から響く叫びに眉を寄せる錫華。
「兵士としての忠誠心は認めるけど、姫の言うことだからって鵜呑みにするのはいただけないかな」
『鵜呑みになどしているものか、我らは自らの意志で……がっ!?』
 そもそも敵の数など問題にはならない。どれほどミサイルが降り注ごうが、その高速機動が捉えられる事はない。
 そしてライフルの間合いの内に接近すれば、あとは無造作に四肢を断ち切るまで。
「それに、命を粗末にするのはあまりいいことじゃないよ。ちゃんと自分で考えて……って、操られてもいるんだっけ?」
 同時に頭部も綺麗に斬り飛ばす。動かなくなった機体を見下ろし、それを見下ろし、小さく首を傾げる錫華と、エクスナイト。
『うぅ……わ、我々は一体……?』
「これで、少しはお話を聞いてくれるよね? ……まあ、また後でだけど!」
 完全に抵抗の意志を失った様子のパイロット達。だが他の敵機がまた迫ってくるとすぐさまそちらへ向かい……代わりに彼らは、戻ってきた理緒が回収する。
『すまない……どうかしていたようだ……』
「あなた達のせいじゃないよ、大丈夫」
 安心させるように微笑みかけながら、その機体の腕に抱えるオブリビオンマシンの頭部を見下ろししあんする理緒。
「オブリビオンマシンがみんなを操ってるシステム――回収した機体を研究したら、そのあたりも解ってくるといいんだけど……」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『電脳巨兵オリバレス』

POW   :    ユミルの落とし子
自身の身体部位ひとつを【プラントで生まれ損なった巨人】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
SPD   :    シンクロゲイザー
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【電脳】から【洗脳電波】を放つ。
WIZ   :    UCフィールド
【電磁バリア】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、電磁バリアから何度でも発動できる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はナギ・ヌドゥーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 オブシディアンMk4の軍勢を無力化し、戦場を押し進める猟兵達。
 ついにプラントに到着すれば、夕陽を背にして一機のジャイアントキャバリアが待ち構えていた。
『どうして邪魔をするのですか……』
 電脳巨兵オリバレス。その機体から届くアリシア姫の言葉は、通信ではなく、猟兵の脳内に直接響き渡る。
『争いを続ける人々は、全て滅ぼすべきなのですわ。そうして初めて、世界に平和が訪れるのですから……』
 その言葉はもちろん、姫の本来の考えではない。姫は常に争いを、そしてその犠牲を憂う、心優しい姫であった筈。
 ならばこれは、オブリビオンマシンに汚染された、狂った思想に過ぎない……だが、脳に直接響くその声が、猟兵達の思考をかき乱す。
 なるほど、この声を聞かされれば、兵士達が操られるのも無理はない。猟兵であっても多少の頭痛は免れないし、気を抜けば流されかねないだろう。

 だが、もちろん、操られる訳にはいかない。猟兵は世界を守る者。オブリビオンの歪んだ思想に屈する訳にはいかない。
『わたくしの邪魔をするなら――この場で、あなた方を滅ぼし、真の平和に向けての第一歩を歩みだすとしましょう!』
 機体に電磁バリアを展開し、浮かび上がるオリバレス。その機体が急加速し、こちらに迫ってくる――!
御魂・神治
生き物である以上闘争心からは逃れられない
故に全員いなくなれば争いは発生しないってか
そんなアカン自称平和主義ロボにはお仕置きやで

小賢しい洗脳工作をするんやない!
『天将』の【ジャミング】で干渉妨害して
ワイの頭ん中や『武神』の制御を乗っ取られるのを防ぐ
邪魔な電磁バリアは【ハッキング】で強引に解除する
解除時間は少しの間でもええ
してバリアが解けたらすかさずUCを【クイックドロウ】で撃ち込んで攻撃手段減らす
続けてその広いデコッパチに『武神』の【エネルギー充電】した
【破魔】の光弾を【一斉発射】で叩き込んだる!

姫さんの口借りやんと自分の口で喋れやこのポンコツ!


菫宮・理緒
あれがオブリビオンマシンか。さすがにボスキャラって感じだね。
とりあえず最終決戦前だし、修理や補給の必要な人がいたらしっかりさせてもらうよ。

戦闘に入ったら、なんだか厄介そうなもの持ってるっぽいし、
わたしはそれを解除していこうかな。
【等価具現】で相手の電磁バリアを無効化して、援護をしていこう。

心優しいお姫さまの、そのスキマに入り込んだオブリビオンに負けるわけにはいかないよね。
みんな滅ぼしたあとにはなんにも残らない。
平和はみんながいてこそ成り立つものなんだって、お姫さまは解ってるはず。

ここから平和を作っていくためにも、お姫さまを助けないとね!
めずらしいかもだけど、しっかり戦わせてもらっちゃうよ。



「あれがオブリビオンマシンか。さすがにボスキャラって感じだね」
 神々しくも禍々しくも見えるオリパレスの姿に、感想を漏らす理緒。そんなオリパレスからは、強烈な洗脳電波が迸る。
『真なる平和のために――全ての人々を滅ぼしましょう――』
「生き物である以上闘争心からは逃れられない。故に全員いなくなれば争いは発生しない……ってか」
 脳内に響き、思考を書き換えようとするその声。神治は頭痛を堪えながら、不愉快そうに吐き捨てた。
「そんなアカン自称平和主義ロボにはお仕置きやで! ――天将!」
『了解しました。この声は、私にも不快ですから!』
 天将のビジョンが一瞬浮かぶと、武神の全身から強烈な妨害電波が発生する。逆に干渉されたオリパレスの頭部から火花が散り、洗脳電波が中断された。
『っ……く、邪魔を……!』
「小賢しい洗脳工作なぞ、わいらには通用せんちゅうことや!」
 さらに畳み掛けるように、オリパレスの電脳に干渉していく天将。その機体を覆う電磁バリアが、明滅を始める。
「その壁も邪魔や。退いてもらうでっ!」
『これ以上……好きに……やらせは……!』
 だがオリパレスの方も妨害電波に対抗し、電脳をフル稼働させる。一旦は消えかけた電磁バリアが再びその強度を回復し始め――。
「なんだか厄介そうだよね、それ。解除させてもらおうかな」
『!?』
 いや、新たに現れたその電磁バリアは、オリパレスのものではない。理緒が電脳世界から具現化した、模倣のバリアだ。それが、本来の電磁バリアとぶつかりあい、干渉を始める。
「心優しいお姫さまの、そのスキマに入り込んだオブリビオンに負けるわけにはいかないよね」
 機体のカメラと、火花を散らす2つのバリア越しに、オリパレスを見つめる理緒。まるで、その中にいるアリシア姫を見つめるかのように。
「みんな滅ぼしたあとにはなんにも残らない。平和はみんながいてこそ成り立つものなんだって、お姫さまは解ってるはず」
『う、ぅ……私、は――』
 通信越しの彼女の語りかけに、一瞬姫の言葉に揺らぎが生じる。天将のジャミングで、電脳の影響力が弱まっているためでもあるか。
 とはいえ、まだまだオリパレスの力は強い、完全に解放される程ではない。
「ここから平和を作っていくためにも、お姫さまを助けないとね」
 それでも、姫も戦っているのだと、そう感じ、小さく笑みを浮かべる理緒。決意を新たに模倣のバリアをさらに押し込んでいく。
「めずらしいかもだけど、しっかり戦わせてもらっちゃうよ!」
 バリバリッ、と火花が散り、電磁バリアが相互干渉を起こして消滅する。ジャミングで弱まっているとはいえ、長い時間持つものではない、だが――。
「それで、十分やっ!」
 その、無防備になった隙を逃さず、無数の銃弾を叩き込む神治。無論、それはただの弾丸ではない。
『がっ……!?』
 オブリビオンマシンから溢れる妄執を封じる、戒めの霊弾。それを撃ち込まれた事で、瞬時、全機能を停止するオリパレス。
 すぐに再起動し、回復を図るが――。
「その広いデコッパチに、たっぷり喰らいやっ!」
『ぐぅぅぅぅっ……!?』
 その隙を逃さず武神の身体から迸る、破魔の光弾。チャージを重ねた強烈な光がオリパレスに撃ち込まれると、姫の口からオリパレスの呻きが迸る。
『平和とは……全ての人々を滅ぼした先にこそ――!』
「姫さんの口借りやんと、自分の口で喋れやこのポンコツ!」
 苦悶と共に言葉を吐き出すオリパレスに、神治は強く言葉を叩きつける。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユウヤ・シュバルツ
結華と参加

モニター越しに視線を合わせて
「結華!」
結華の魔法が完成するまでの時間稼ぎに、ルルのサポートを受けつつライフルで敵を牽制します。
「ルル!敵の予測位置を頼む!」「まかせて、ユウヤ!」
結華の魔法で戦場に雷雨と暴風が吹き荒れ敵の移動と電波を封じたらコクピットを開く
「ルル!開けてくれ!」「OK!ユウヤ!」
無銘の刃を空へ投げてUC使用。周囲の魔力を取り込み3倍の大きさへ巨大化
「さぁ、お前に相応しい舞台だぜ『雷切!』」
巨大刀をエクスナイトの手で握り、残像を生み出すほどの速度で敵へ突っ込む
「無駄だ!」
敵がコピーした雷をカウンターで放った斬撃で、敵のバリアごと切断する
「――烈風一閃!」
「今だ、結華!」


御門・結華
ユウヤと参加

ユウヤの声にデッキからカードを引き
「雷の精霊よ。我が身に宿れ」
防具改造で白と金の騎士ドレス。武器改造で二刀の精霊剣を持ち
「己が力で世界を満たせ」
UCを使用し、戦場に暴風雨が吹き荒れ無数の雷鳴が轟く
「この大嵐と轟雷の中では、あなたは飛翔も出来ず、洗脳の電波も届きません」
「マスター!」
敵がUCをコピーし雷撃や暴風を飛ばして来たら、精霊剣を避雷針に精霊力を吸収する
「私の魔法を模倣しても、それは精霊力で出来たもの。私には効きません」
ユウヤが敵のバリアを切り裂いたら、二振りの精霊剣を合体させた雷鳴の弓を構えコクピットではない頭部などの急所を全力魔法の雷矢で貫く
「雷精咆哮-ライトニングロア-」



「結華!」
「雷の精霊よ。我が身に宿れ――」
 マスターたるユウヤの声に応え、デッキからカードを引き抜く結華。雷のエレメントが身に纏うドレスに宿り、白と金の、騎士の如く気高き姿に変わっていく。
『何をしようと言うのです……無駄な事を!』
「ぐっ、結華の邪魔はさせるか!」
 迸る雷光を目障りに思ったか、オリパレスは強烈な洗脳電波で妨害を図ってくる。頭痛を覚えながらもそれを阻止しようとするユウヤ……だが、ライフルの弾丸でオリパレスの高速飛行を捉えるのは難しい。
「流石に速いっ、だが……ルル! 敵の予測位置を頼む!」
「まかせて、ユウヤ!」
 その難事を果たすべく、モニターに凄まじい速度で数式が流れては消えていく。常人では捉えられない速度を解析する、電子妖精の演算力。
「……機体直上、今っ!」
『くっ!?』
 そして、ルルの叫びと共に放った機体のライフルが正確に直撃した。バランスを崩し、速度を落とすオリパレス。
「やったぁ! 命中したよ、ユウヤ!」
「よしっ! このまま畳み掛ける!」
 当然そこを逃さず、追撃のライフルを撃ち込んでいく。やむを得ず、電磁バリアを展開しながら体勢を立て直そうとするオリパレス。
『くっ、目障りですわ……!』
「――己が力で世界を満たせ」
 そしてその瞬間、結華の魔法が完成し、掲げた二刀の精霊剣から雷が空へと迸った。空を衝いたそれは雷雲を呼び、豪雨と暴風を伴って地に還り落ちる。
『これはっ……!?』
「この大嵐と轟雷の中では、あなたは飛翔も出来ず、洗脳の電波も届きません」
 雨に打たれ、暴風にマントを靡かせながら、静かに呟く結華。無論敵機には届かないだろうが、無理に聞かせるつもりもない。彼女が呼びかける相手は、ただ一人。
「マスター!」
「ああ! ルル、開けてくれ!」
「OK! ユウヤ!」
 コクピットブロックが開き、暴風がその身を打つ。それに抗うように立ち上がったユウヤは、手にした刀を上空へと力強く放り投げた。
『何をするつもりかは……知りませんけれどっ!』
 妨害を図るオリパレスは、降り注ぐ雷を電磁バリアで吸収し、反射を図る。コクピットを開いた今のユウヤは無防備で、雷が迫りくる――。
「無駄です」
 そして当然、マスターへの攻撃を結華が看過する筈もない。金色の精霊剣を翳せば、避雷針となって敵の雷を引き寄せた。
「私の魔法を模倣しても、それは精霊力で出来たもの。私には効きません」
『この、邪魔をっ……!』
 そのまま精霊力として剣を吸収し、無力化する。その間にコクピットを閉じると、操縦桿を握り直すユウヤ。
「さぁ、お前に相応しい舞台だぜ――『雷切』!」
 エクスナイトの手には足りない小さな刀が、真なる銘を呼ばれる事で、機体に相応しい大きさへと変わる。その刀を手にすると同時に、一気に踏み込むエクスナイト。
 その踏み込みはまさに雷速、残像を残すほどのスピード。
『っ、このっ……』
「無駄だ!」
 それを迎撃するオリパレスの雷を、銘の如くに、こちらに迫る雷を真っ二つに断ち切った。いや、それのみならず――。
「――烈風一閃!」
『な、んですって……!?』
 電磁バリアをも断ち切る、その鋭い一刀。オリパレスの機体装甲が表出し……そこに狙いを定める結華。
「今だ、結華!」
「雷精咆哮-ライトニングロア-」
 二振りの精霊剣が一つとなった、雷鳴の弓から放たれる一本の光条。それは違わず、オリパレスの頭部を撃ち抜いた。
『ぐぅぅぅぅぅっっ!?』
 破壊には至らぬものの、電脳に大きなダメージを追ったオリパレスは、姫の口を通して苦痛の叫びを漏らしながら、後退していく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
WIZ

守護霊の憑依【ドーピング】で戦闘力を高め
【呪詛・属性攻撃・全力魔法】の黒雷を圧縮した【槍投げ】で
電磁バリアを貫き、刺さった部位から内部を【ハッキング】
動きを鈍らせつつ 一時的にバリアを封じるわ

女神様のように美しい機体ね。
貴女の声、元より人類を憎む私には
子守唄のように心地良いわ

【呪詛耐性・狂気耐性・気合い】で洗脳されず
『快楽の檻』で戦闘力445倍の群体淫魔と化し
445km/hの速度で【空中戦】
オリバレスの全身を【怪力】で抱擁しつつ
逆に【誘惑・催眠術】で語りかけ
威力の増した【生命力吸収】で
機械の体でも関係なく、魂を吸い上げる

人類が憎いからこそ
希少な心優しい人間には生きてほしいのよ



「ああ、素敵。女神様のように美しい機体ね……」
『!?』
 恍惚の吐息を漏らしながら、黒雷の槍を投じるルル。奇襲気味にオリバレスの装甲に突き刺さり、強烈な電流を流し込んで電磁バリアの発動を阻害する。
『平和の邪魔は許しませんわ……!』
「ふふっ、貴女の声、私には子守唄のように心地良いわ」
 反撃に強烈な洗脳電波がルルを襲うが、多かれ少なかれ洗脳電波で動きを鈍らせる他の猟兵と違い、彼女が行動を阻害される事はない。
 それは呪詛に慣れているから――と言うだけではない。
「だって、私も人類が憎いのだから……滅されたって構わないもの」
 元から人を憎み恐れ、オブリビオンを愛するルルにとっては、オブリビオンマシンの齎す洗脳など全くの無意味。それゆえその動きに遅滞はなく、その身に宿した守護霊の力で機敏に飛び回る。
「だから、ほら……私と愛し合いましょう?」
『っ、くっ……!?』
 その身体から力が溢れ、無数のオブリビオンの裸身をその身に纏う。淫魔の群体の如き姿を持った彼女は、オリパレスの全身にまとわりつき、包み込んでいく。
「さあ、あなたを救済してあげる」
『何、をっ、んっ……くぅぅぅっっ!?』
 オリパレスの装甲内部に潜り込むようにして、ユミルの子としての肉体から魂を吸い上げ、未知の感覚を与えていく。電脳を通してアリシア姫もその感覚を覚えると、オリパレスの機体を激しく揺らし悶える。
『はぁ、はぁ……こ、このっ!』
 息を乱しながら、ルルを振り払って離れていくオリパレス。その姿を見ながら、ルルは余韻と共にそっと囁いた。
「人類が憎いからこそ、希少な心優しい人間には生きてほしいのよ――」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミスト・ペルメオス
【POW】

…不快な感覚。あの機体の仕業か。
――墜とすぞッ。

引き続き、愛機たる機械鎧を駆って戦闘に臨む。
デバイス等を介した念動力の活用、機体のフルコントロールも継続しつつ。
制限下においてもスラスターを駆使した戦闘機動を実施、高速戦闘を仕掛けていく。

対峙するだけでも感じられる精神的な負荷。
その上で戦闘と要人の救出を求められる。
困難ではあるが…不可能とは思わない。念動力で負荷に対抗しつつ気を引き締めて挑む。

目標は稀少な機種。性能も恐らく上等。
であれば…ヘルファイア・デバイス展開、【オープンファイア】。
弾幕射撃に集束射撃、エネルギー散弾の嵐を叩きつけて戦闘力を削り切る!

※他の方との共闘等、歓迎です


四季乃・瑠璃
緋瑪「確かに、人は争いを続けるモノだけどね」
瑠璃「強引にお姫様の意思を捻じ曲げておいて、平和とか笑わせるね」
緋瑪「争いそのものとも言えるオブリビオンに言われたくないしねー」
瑠璃「お姫様は返して貰うよ」

UCで分身

ジェミニオン二機で借りて来たミサイルとライフルの弾丸を一気に全て撃ち尽くす勢いで一斉斉射。
弾切れになった瞬間に【クリエイト】で弾切れになった武装や周囲の無機物を元に再度ミサイルポッドやライフル、戦況にあった各種武装・弾薬を生成→再構成を繰り替えし、多様な武装と二機の連携で敵を追い詰めるよ。

緋瑪「弾切れとか気にする必要ないからね」
瑠璃「常に最大火力を維持できるよ。一点突破…破るよ、緋瑪!」



「確かに、人は争いを続けるモノだけどね」
「強引にお姫様の意思を捻じ曲げておいて、平和とか笑わせるね」
 オリバレスから響く声に、眉を寄せて不快を露わにする緋瑪と瑠璃。
「争いそのものとも言えるオブリビオンに言われたくないしねー」
「お姫様は返して貰うよ」
 ジェミニオンの装備した銃器が一斉に火を吹き、オリバレスめがけて雨あられと降り注ぐ。それは電磁バリアで防がれるが、構わずさらに射撃……反撃の隙を与えない、飽和攻撃だ。
『くっ、次から次へと……』
「ほらほら、どんどんいくよ? 弾切れとか気にする必要ないからね」
 弾かれて地面に落ちれば、爆発が起きて破片が飛び散る。その破片を弾薬に変換し、補充してまた射撃。
「常に最大火力を維持できるよ。一点突破……破るよ、緋瑪!」
『ぐぅぅぅっ、この……やりましたわねっ!』
 電磁バリアの一点に火力が集中し、ついにバリアに穴を開ける。装甲の一部を吹き飛ばされ、大きく体勢を崩すオリバレス。
『あなた方もっ……平和の礎となりなさい!』
「「つ……っ!」」
 オリバレスの方も、怒りと苛立ちをこめた洗脳電波で反撃を試みて来る。その強烈な揺さぶりに軽く頭を抑える緋瑪達。
「不快な感覚。あの機体の仕業か」
 ミストもまた、マシンヘルムの下で表情を歪めた。ブラックバードの制御が乱れかけるが、気合を入れ直してコントロールを維持する。
「対峙するだけでこの負荷……その上で戦闘と要人の救出、か」
 困難な任務なのは間違いない。だが、不可能ではない。前腕のデバイスを握り、周囲にサイキックエナジーを展開すると、念動力の壁で電波を防ぐ。
「――墜とすぞッ!」
『まだ動きますのね……っ!!』
 一気に間合いを詰めるブラックバードに対し、オリバレスはその翼をこちらに向けてくる。装甲が内側から剥離すると、露わになるのは出来損ないの、巨人の頭部。
『喰らいつくしてあげますわっ!』
「むっ……!!」
 こちらの速度にも対抗し、一気に間合いを詰めて来るオリバレス。迫る顎は、おそらくこちらの装甲を噛み砕くだけの威力がある。
 だが、それを理解した上で、禍々しい光景にも怯む事はない。
「ヘルファイア・デバイス展開――オープンファイア!」
『っ、なっ……くぅぅっ!?』
 ギリギリまで引き付けた所で、砲門を解放するブラックバード。大きく開かれたその口めがけて、エネルギー散弾をぶちこみ、爆ぜさせる。さらに怯んだ所へ、アサルトライフルによる弾幕。
「全弾、持っていけ……!」
『このっ……鬱陶しい……ですわっ……!』
 装甲が次々と爆ぜ飛び、姫を通して苦悶の声が聞こえる。体勢を揺らがせながら、電磁バリアを再展開しようとするオリバレス。
「おっと、私達を忘れてもらっちゃ困るんだけど♪」
『がっ!?』
 だがそこに、背後に回り込んだジェミニオンの射撃が背中を揺さぶる。思わぬ方向からの衝撃に、完全に体勢を崩すオリバレス。
「こっちも全弾持っていってね。弾切れはないけど」
『こ、のっ……!!』
 憎々しげな声を上げるオリバレス……だが、はっとその機体の顔が上がる。目の前でブラックバードが構えるのは、巨大な重粒子砲。
「こちらはこれが最後だ。持っていけ――!!」
『っ……ぐぅぅぅぅぅぅっっ!? お、おのれっ……このわたくしにっ……』
 対艦クラスの巨砲を、至近距離からその頭部に叩き込む。破壊には至らぬものの、その強大な威力はオリバレスを数十メートル程吹き飛ばし、大きなダメージを刻みつけた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

支倉・錫華
気持ち悪い頭痛……これは洗脳波、なのかな?
耐えられないほどじゃないけど、いい気分ではないね。

こんなのずっと浴びてたら、さすがにいろいろ参っちゃうかも。
さっさと終わらせて、すっきりしたいかな。

いまのこの子ならスピードでは勝負になると思うから、
ヒットアンドアウェイで戦っていこう。
【モーターブーム】でオリバレスに一撃を与えたら、一度離れて立て直し、
これを繰り返して、相手を削りつつ姫の覚醒も少し期待しようかな。
「王族なら、平和を願う気持ちがまだあるのなら、そんなものに飲まれず抗いなさい」

姫が抗って、オリバレスの動きが鈍ったらチャンスだね。
こちらも隙を逃さないように、しっかり攻撃を加えていくよ。


百目鬼・明日多
これが今回の元凶…どうやら、手加減して勝てる相手では無さそうですね…
なら、このアスラドライブの全力で相手します!
先程は僕自身のUCを使いましたが、さっきの検索で見つけた
アスラドライブ本体の機能…これを使えば勝てるはず!
ですが、その為には近距離でのロックオンが必要ですね。
まずは他の皆さんの攻撃で足が止まる瞬間を待って、
そこから一気に急降下キックを電磁バリアに叩き込みます。
これはUCではない純粋な打撃…ですが、これでロックオン完了です!
『阿修羅の轟撃』で一気にバリアごと本体を叩きます!
コピーしたところで、こちらの先制攻撃と連打速度は
そう簡単に上回れませんよ!
そのまま敵機の顔面に3連ストレートです!


フレミア・レイブラッド
いい加減になさい!貴女も姫なら、そんなポンコツに良い様にされてないで、意思を強く持って少しは抗ってみせなさい!
貴女の本当の気持ちはそんなものじゃないでしょう!

(オペレータへ)悪いけど、この機体酷使させて貰うわよ…!

【吸血姫の覚醒】で真の力を解放。
自身の魔力を機体に注ぎ込み、半ば暴走状態で負荷に耐えられない程の出力を強制。
耐久限界を超えた機動【限界突破】でミサイルやライフルを浴びせながら接近し、セイバーとグレイブで近距離攻撃を実施。
敵のUCによる噛みつきをワザと受けつつ、【念動力】で固定。
絶対に逃げられない状態で【神槍グングニル】を発動し、零距離から頭部を撃ち抜かせて貰うわ!

多少の無茶も必要よね


露木・鬼燈
さて…ここからはマジだよ。
軽口でも叩きながらできればいいんだけどね。
悪いけどそこまでの余裕はないんだ。
周囲をぐーるぐーるまわりながら機体の機動力で翻弄。
マシンガンで注意を逸らし、ライフルの集中攻撃で攻撃の起こりを潰す。
時間はかかるだろうけど安全確実に、ね。
でも好機と見たら無茶もするけど。
タイミングを見計らってブースター全開で突貫。
噛み付きをくらう直前に機体を送還。
慣性のままに生身でコックピットに突撃するっぽい!
<穿機>を展開して背面ブースターを全開。
生命力の大部分を注ぎ込んだパイルで装甲をぶち破るですよ。
で、お姫様を引き摺り出して脱出するっぽい!
きっと誰かが拾ってくれるからイケルイケル!



『誰も、彼も――私に従う事が真の平和に繋がると、何故わからないのですか!』
 上空に舞い上がると、怒りを露わにこちらの機体を見下ろすオリバレス。姫の口から苛立ちの声を漏らし――。
「いい加減になさい!」
 それに怒声を返すのはフレミア。オリバレスに、いや、その中にいるであろうアリシア姫めがけて、大声で呼びかける。
「貴女も姫ならそんなポンコツに良い様にされてないで、少しは抗ってみせなさい!」
『っ……わ、わたくしは……平和を――皆さんが……平和に過ごせる……』
 フレミアの声に、『アリシア姫』の声が漏れる。何かを堪えるようなそんな声。オリバレスの動きが止まり――。
『あ、ああああ――平和、平和、滅ぼす、皆、滅ぼす、殺す、抹殺する――!』
「っ……!!」
 そして、その電脳から迸る強烈な洗脳電波。それが、アリシア姫の意志ごと、猟兵達の意志も塗り潰さんとする。
「ああ、もうっ、往生際の悪いポンコツねっ!」
「気持ち悪い頭痛……耐えられないほどじゃないけど、いい気分ではないね」
 脳を揺さぶられるような感覚を覚え、コクピットで頭を抑える錫華。今はまだ意識と正気を保っていられるが、これが続けばどうなるかわからない。
「さっさと終わらせて、すっきりしたいかな……あなたなら行けるよね」
 エクスナイトにそう呼びかけると、操縦桿を握る。限界を越えたチューニングによる、急加速。
「さあ、一緒に、やるよ……!」
『っ……くっ!?』
 急接近し、その速度を載せた一撃をオリバレスに叩きつける。強烈な衝撃を与えると、反撃を受ける前に高速離脱。
『ちょこまか、とっ……!』
「それがこの子の持ち味だからね。わたし好みと言うのも有るけれど」
 最高速度では、流石にエクスナイトではオリバレスに追いすがるのは難しい。だがそれを補うように機体の小回りを活かし、巧みにヒット・アンド・アウェイで攻撃を重ねていく。
 極端なチューニングを手足のように乗りこなし、その長所を最大限にぶつけて強大な機体に対抗する……アンサーヒューマンたる錫華の操縦センスが、存分に発揮される。
『ならばっ……くっ!?』
 速度での撹乱を止め、電磁バリアで防ぐ体勢を取ろうとするオリバレス。だがその瞬間を狙い、飛来するライフルの弾丸が頭部に叩き込まれた。
「さて……ここからはマジだよ」
 真剣な表情でオリバレスを見据え、アポイタカラのライフルから弾丸を打ち込んでいく鬼燈。撃つごとに弾丸を召喚し、相手の行動の起こりを潰すような攻撃を繰り返す。
『このっ、鬱陶っ、しい……ええい、いい加減になさいっ……』
「――――」
 敵機の周囲を回るように機動し、逆手のマシンガンで弾丸を撃ち込んで牽制する。苛立ちを含んだオリバレスの声にも、何一つ言い返さない。
 普段の軽口を叩くような余裕は見せず、機体の動きと全神経を同調させるような、精緻極まりない動き。
『ですが、こんな、豆鉄砲など、いくら喰らおうとっ……』
 錫華機と鬼燈機による牽制に苛立つオリバレスは、強引に電磁バリアを展開しようとする。弾丸を弾き飛ばす、分厚い半透明の壁。
「どうやら、手加減して勝てる相手では無さそうですね……!」
 その姿を見ると、一気に間合いを詰める明日多のアスラドライブ。デバイスを叩いて呼び出すのは、先程見つけたアスラドライブの本体機能だ。
「なら、このアスラドライブの全力で相手します!」
『何をっ――!?』
 敵の間合いに入る寸前で高く跳躍し、オリバレスを眼下に見下ろすアスラドライブ。当然オリバレスも迎撃を図るが、2機による牽制に釘付けにされ、動けず――。
「はああああああああっ!」
『ぐぅぅぅぅっ!?』
 急降下からの強烈なキックが、オリバレスの頭部めがけて繰り出される。慌てた様子で電磁バリアを収束し、受け止めんとするオリバレス。
『っ、ぐっ、ですが、このバリアを貫く事は――』
「ええ、そうですね。ですが、これでロックオン完了です!!」
 オリバレスを見下ろすアスラドライブの機眼が光る。その六腕が振りかぶられ――。
「さあ……いきますよっ、アスラドライブッ! 全力、ですっ!」
『なっ、く、ぅぅぅぅっっ!?』
 目にも留まらぬスピードの連撃が、オリバレスへと降り注ぐ。電磁バリアなどこの拳で叩き破る、とばかりの、桁外れの連打。
「この轟撃っ……反射できるものならしてみてくださいっ!」
『こ、のっ……!?』
 必死にバリアを展開するオリバレスだが、徐々に拳が押しこみ始める。そしてそれを見て、フレミア機も一気に間合いを詰めにかかる。
「悪いけど、この機体酷使させて貰うわよ……!」
『は、はいっ!』
 オペレーターに呼びかけると、機体に真祖の魔力を流し込む。この世界の技術とは異なる力によって強制的にリミッターを外し、火器を浴びせて牽制しながらの急接近。
『ぐっ……させませんっ!』
 バリアを展開し続けながらも、オリバレスは咄嗟に翼をユミルの頭部に変える。その顎でフレミア機を噛み砕かんと――。
「……っ!」
『な、なんですってっ!?』
 それを、避けずに受け止め、魔力を通した装甲で強引に耐える。逃げられないように念動力で固定し、真っ直ぐに機体の頭部を見据え――。
「貴女の本当の気持ちは、そんなものじゃないでしょう……目を、覚ましなさいっ!」
『っ、あああああああっ……!?』
 魔力をこめたグレイブを、渾身の力をもって叩きつける。大きく揺らぎ、バリアを砕かれるオリバレス。
「っ、今ですっ!!」
『っ、きゃあああああっ!?』
 その瞬間、アスラドライブのトドメの拳が叩き込まれた。強烈な三連ストレートが、頭部を半ばまで破壊する。
「さあ、どうですかっ!」
『くっ……あ、わ、わたくしはっ……ああ……あああっ……!!』
 フレミアの呼びかけと頭部の半壊により、正気を取り戻しつつあるアリシア姫。だがオリバレスは執念で、その機体を強引に動かそうとする。
「――好機っ!」
 そしてこの状況を逃さず、アポイタカラが背面の大型ブースターを点火する。防御を考えず、この好機に身を委ねるような突貫。
「そうだね、ここが決め時だ。逃さないよ」
 それを援護するように、錫華も素早く間合いを詰める。こちらは回避を交えながら、その場にオリバレスを釘付けにするような牽制。
「王族なら、平和を願う気持ちがまだあるのなら、そんなものに飲まれず抗いなさい」
『うっ、くぅぅぅぅっ……わ、わたくしはぁ……!』
 さらなる呼びかけに、機体の動きも鈍る。その隙をついて、アポイタカラが一気に懐に潜り込んで。
『や、やらせませんわっ!!』
「――っ!」
 そこで、オリバレスが最後の力を振り絞り、ユミルの頭部を繰り出してくる。巨大な顎が迫るが、アポイタカラは防御を考えず真っ向から突進し――。
『っ!? 消えたっ!?』
 そして、その機体が突然、消滅……いや、送還された。その顎は空を切り、そしてその下を潜るように飛び込むのは、生身の鬼燈。
「貰った……っぽいっ!」
『なっ、なんですって……あああっ!?』
 機体の代わりにナノメタルの重装甲を身に纏って、ブースターでの突貫。右腕部のパイルバンカーに、生命力を収束する。
「今……助けるっ!」
「きゃあっ……!?」
 渾身の力でコクピットにそれを打ち付ける鬼燈。これまでの攻撃で装甲が剥がれていた部分に、叩きつけ、穴を穿ち……そして中にある姫をかっさらった。引き剥がした反動か、意識を失い鬼燈の腕の中に倒れ込むアリシア姫。
「……やばい、もう限界っぽい」
 だが、キャバリアを強引に打ち破った鬼燈の消耗は激しい。姫を抱いたまま、コクピットから真っ逆さまに落下し……。
「全く、無茶をするね」
「誰かが助けてくれると思ったっぽい……大丈夫、ちゃんといけた!」
 それを受け止めた錫華の呆れたような声に、疲れ切った、だが達成感に満ちた笑みを返すのだった。

 その後、オリバレスは明日多やフレミアの手によって完全に破壊された。
 アリシア姫も意識を取り戻し……流石に衰弱が激しく、すぐに王立病院へと搬送されていく。
「皆さん……あの機体から助けて頂いて、本当にありがとうございました」
 その前に、猟兵達に心から頭を下げ、微笑むアリシア。彼女の、平和を求める理想が、もう二度と穢されぬ事を願い、猟兵達は帰投する――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月10日


挿絵イラスト