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暴走する天使と幽霊

#クロムキャバリア

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#クロムキャバリア


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●とある企業国家にて
 無数に分裂した小国家同士が、生産施設「プラント」を奪い合う、荒廃した世界。
 それが新たに判明した新世界「クロムキャバリア」である。
 戦乱は100年近く続いており、どの小国家も体高5mの人型兵器「キャバリア」を主力としている。
 その「キャバリア」を独占している企業によって支配・管理されている小国が今回の舞台となる。

●暴走する機械
「みんな、早速事件が起きたよ!」
 グリモア猟兵の少女、リリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)が、新たな世界「クロムキャバリア」で発生する事件について説明する。
「巨大企業に支配されている、とある小国家で最新型キャバリアが暴走してしまうんだ」
 キャバリアが暴走してオブリビオンマシン化してしまう事件は、クロムキャバリアで何度も発生しており、その度に戦火は拡大していった。
 オブリビオンマシン化する理由はわかっておらず、猟兵以外はどれがオブリビオンマシンか識別する事も出来ない。
「最新型キャバリアのテスト中にオブリビオンマシン化したみたいだね。幸い現場は人気の無い荒野だから、すぐに被害が出る事はないよ」
 だが放っておけば、暴走した最新型キャバリアは都市に攻め入ってしまうだろう。
 それを止める事が出来るのは、オブリビオンを認識できる猟兵達のみである。
「でも、事件はそれで終わりじゃないんだ…というかここからが本番かな。最新型キャバリアが暴走したのと同時に、オブリビオンマシンの軍団が小国家を襲撃するんだ」
 軍団は小規模ではあるが、最新型キャバリアの暴走で混乱している所に襲撃ともなれば、小国家存亡の危機と言っていいだろう。
 小国家の企業もキャバリアの軍隊を出撃させるが、彼等だけでは到底抑えきれない。
「みんなは最新型キャバリアの暴走を止めた後で、キャバリアの軍隊の援護に向かって欲しいんだ。みんなが辿り着く頃には、窮地に陥っているだろうから、その撤退を援護して欲しい。それからオブリビオンマシンの指揮官を撃破して欲しい」
 指揮官を撃破できれば、残ったオブリビオンマシンは撤退するだろうと、リリスフィアは付け加える。
「早速で大変な事件になるけれど、望むなら企業からキャバリアが貸し出されるから、役に立てそうなら遠慮なく申し出ればいいかな」
 これを機会にキャバリアの性能を体験するのもいいかもしれない。
「あ、それから暴走した最新型キャバリアの中にはテストパイロットが気を失ったまま閉じ込められているから、助けてあげてね」
 そんな大事な事は先に言えと、猟兵達に指摘され、謝罪しながらリリスフィアは説明を終えるのであった。


吾妻 銀
 吾妻 銀です。

 今回はクロムキャバリアでの通常シナリオとなります。
 今回登場する小国家は再登場させる可能性があります。

 以下の三章構成でのシナリオとなります。
 第一章:暴走した最新型キャバリアとのボス戦。
 第二章:オブリビオンマシンに苦戦する小国家軍の脱出援護。
 第三章:オブリビオンマシン指揮官のボス戦。

 キャバリアの貸し出しはどの章からでも行えます。
 勿論、自前のキャバリアを使って頂いて構いません。
 キャバリアを上手く操るプレイングにはボーナスを付けます。

 第一章では暴走した最新型キャバリアとの戦いとなります。
 テストパイロットが捕らわれていますので呼びかける事で戦いを有利に進められます。
 テストパイロットは新米の少女で小国家を守る為に志願した、健気な子です。

 第二章ではオブリビオンマシンに苦戦する小国家軍の撤退を援護します。
 小国家軍は基本、猟兵達の指示に従いますので、難しく考える必要はありません。

 第三章ではオブリビオンマシン指揮官との戦いとなります。
 相応の強敵ですので戦術を駆使して戦い、そして勝利してください。

 それでは参加をお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『セラフィム・リッパー』

POW   :    断罪の剣
【無敵斬艦刀】が命中した対象を切断する。
SPD   :    エンジェルビット
自身が装備する【BS-Fクリスタルビット】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    フォールンウイング
【光の翼】を向けた対象に、【プラズマビーム】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「お願い!言う事を聞いて!」
 最新型キャバリアの性能に心を躍らせていた、テストパイロットの少女であったが、テスト運行中に突如、最新型キャバリアが原因不明の暴走を起こし、慌てふためいた。
「お願いだから止まってよ!」
 コクピット内で何度も操作するが、最新型キャバリアはまるで操作を受け付けずに勝手に暴れまわっている。
 暴走した最新型キャバリアはパイロットの意志とは関係なく、各武装の性能を確かめた後、都市の方へと向かう。
「そんな…」
 少女は救助を求めるが、通信も遮断されており、脱出装置も動かず、完全にコクピット内に閉じ込められてしまった。
「このままじゃ…」
 国を守る為に、キャバリアのパイロットに志願したはずが、自らが乗るキャバリアが国を壊してしまう。
 そんな絶望感に襲われ少女は、どうにかしようと必死にあがいた。
 だが更に状況は悪化し、暴走した最新型キャバリアは、自らの糧とすべく、少女の生命力を吸収する。
「誰か…止めて…」
 生命力を吸収された少女は、その言葉を最後に意識を失うのであった。
ミリア・プレスティール
ミリアは相棒の手袋型UDC『ミトン』にキャバリアの足止めをお願いする。『ミトン』が巨大化してキャバリアと交戦している間に、ミリアはコクピットの少女に向けて歌で励まそうと試みる。
【ミリアの心情】
早く暴走を止めてあげないと…!でもどうしたら…(ミトンから歌うことを提案される)!そうだね!やってみる!お願い、目を覚まして!
【ミトンの心情】
『歌で呼びかけてみたらどうだ?想いを歌に…王道でいいじゃないか。こっちのことは任せておけ』(巨大化してキャバリアと交戦する)



 巨大企業に支配・管理されている小国家の郊外にある荒野で、一機のキャバリア『セラフィム・リッパー』が暴走している。
 小国家を守る要として生み出された最新型キャバリアが、今や小国家の脅威となっているのだから、皮肉としか言いようがない。
「早く暴走を止めてあげないと…!でもどうしたら…」
 現場に駆け付けた猟兵の少女、ミリア・プレスティールは暴走するキャバリアを前に、どうしようかと相棒である手袋型UDC『ミトン』に話しかける。
「歌で呼びかけてみたらどうだ?想いを歌に…王道でいいじゃないか。こっちのことは任せておけ」
 ミトンはミリアに自分の意志を伝えると、キャバリアに対抗すべく巨大化し、『セラフィム・リッパー』の行く手を遮った。
 『セラフィム・リッパー』はミトンを排除すべく、無敵斬艦刀を取り出す。
 無敵斬艦刀から繰り出される断罪の剣は、空を切りミトンを一刀両断するかに見えた。
 しかしミトンは振り下ろされた無敵斬艦刀を、白羽取りの要領で両掌で受け止める。
 それによって『セラフィム・リッパー』の動きがわずかに止まった。
「そうだね!やってみる!お願い、目を覚まして!」
 ミリアは力の限り歌って、『セラフィム・リッパー』に囚われている少女に励ますように呼びかけた。
 ミリアの歌に反応した『セラフィム・リッパー』は、そのまま動きを止めるかに見えた。
 だがそれは歌が少女の元に届いたのではないのだと、ミリアは思い知る事になる。
「そんな…駄目なの!」
 『セラフィム・リッパー』に補足され、無敵斬艦刀が自分に向けられている事実に、ミリアの表情が強張った。
 アイドル活動もした事のあるミリアの歌は、心あるものが聞けば感銘を受けただろう。
 だが特別な力も無いただの歌では、外部の情報を遮断されている少女に届く事は無く、『セラフィム・リッパー』にとってはノイズでしかないのである。
 だがミリアに注意が向いた事で、ミトンに反撃の機会が訪れる。
 無敵斬艦刀がミリアに振り下ろされる直前に、ミトンの拳が『セラフィム・リッパー』を殴りつけた。
 最新型キャバリアといえど、単純な打撃にはさほど耐性は無いらしく、『セラフィム・リッパー』は大きく機体バランスを崩した。
「今の内だ!」
 ミトンはミリアに逃げるよう意思疎通した後、再び『セラフィム・リッパー』に殴り掛かった。
 だが『セラフィム・リッパー』はすぐに態勢を立て直し、ミトンの拳を回避する。
「ミトン…ごめんなさい!」
 ミリアは止むを得ず、ミトンにその場を任せた後退した。
 今のままでは『セラフィム・リッパー』は止められないと、判断しての事である。
 ミリアが安全地帯までに後退するまでの間に、ミトンは奮闘しダメージを与えるも、『セラフィム・リッパー』の前に敗北するのであった。
「これがキャバリアの性能なのですね…」
 クロムキャバリアの主力兵器の力をその身をもって思い知らされたミリアだったが、囚われている少女を助ける為にも諦める訳にはいかないと、決意を新たにするのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリッセ・トードゥ
他国のキャバリア乗りだが、雇われて参戦する。外交的な駆け引きもあったかもしれないが、私には関係ない話だ。
愛機を操って暴走した機体と対峙する。
遠隔操作兵器か。厄介だけど、こういうリモート兵器ってのは戦局を把握して戦術的に運用しないと真価を発揮しきれない。パイロットを無視して暴走してる状態なら複雑な事は出来ないだろう。
動きのパターンを読んで回避機動。ビットを引き付けさせて【リモートレプリカント】でコクピットから飛び出す。
機体を遠隔操作し牽制させた隙に【念動力】で飛行、敵機のコクピットに取り付きフォースセイバーでハッチをこじ開け、操縦者を連れ出し救助。もう大丈夫だ。
コンソールを破壊し動きを止めるよ。


ケルスティン・フレデリクション
キャバリア…とってもおーきいのね。
でも…まけないよ。
がんばるね。

えっと偽物の翼、【えいしょう】で【空中浮遊】するよ。
目の前に飛んで相手の中のおねえさんに声をかけるね。
だいじょーぶー?
あのね、がんばってとめるからね!あんしんしてっ
【ひかりのまもり】で相手の攻撃を止めるよ。
それから【多重詠唱】で【属性攻撃】【範囲攻撃】で氷の魔法!【ルル】もおてつだいしてね!
足元や手を凍らせて動きを鈍らせるよ。
おねえさん、かならずたすけるから、まっててね。
たすけたら、安全な場所に一緒に行こ!
敵の攻撃はひかりのまもりで塞ぐけど…一応【オーラ防御】もしておくね

【アドリブ連携OK】


シル・ウィンディア
新型の暴走かぁ
しかも、裏にはオブリビオンっと
何はともあれ、しっかり助けないとね

もうちょっと頑張ってっ!
わたし達が助けるから!

ブルー・リーゼ(キャバリア)よろしくねっ!
まずは、動きを止めないとね

【空中戦】で空から強襲を仕掛けるよ
ビームセイバー『エトワール』で敵機の腕部を【切断】して一撃離脱

低空を飛び回って敵機の攻撃は【第六感】を信じて
【フェイント】と【残像】で回避

動き回るなら…
『リュミエール・イリゼ』で敵の足元に【誘導弾】を【一斉発射】して動きを止めてから
『ブラースク』で脚部を【スナイパー】で狙い撃ちっ!

捉えられないのなら…
全砲門開いてからの
エレメンタル・ファランクスっ!
狙うはコクピット以外だね



 アリッセ・トードゥは他国のキャバリア乗りである。
 今はこの国に雇われ、暴走した機体を止めるべく、愛機を操って都市から少し離れた地点にある荒野に向かっている。
 他国の人間、しかもキャバリア乗りが、この事件に関わる事は、外交的な駆け引きもあったかもしれないが、アリッセには関係ない話である。
「今は命令のままに戦わせてもらうよ」
 そしてもう一機、キャバリアが荒野に降り立った。
 アリッセの知る限りでは、どこの国でも見たことがないタイプの機体である。
「新型の暴走かぁ…しかも、裏にはオブリビオンっと。何はともあれ、しっかり助けないとね、ブルー・リーゼ、よろしくねっ!」
 高機動・砲撃型のキャバリアを操る少女、シル・ウィンディアが自らの乗機に明るく呼びかける。
 猟兵の存在は企業国家にも知れ渡っている。
 専用のキャバリアに乗るシルであっても、国家は事件に介入する事を快諾したのである。
 暴走した機体 『セラフィム・リッパー』は、アリッセとシルのキャバリアを敵と認識すると、二機に向けて遠隔攻撃用の武装である、エンジェルビットを大量に射出した。
 射出されたエンジェルビットが、アリッセとシルのキャバリアを包囲する。
「遠隔操作兵器か。厄介だけど、こういうリモート兵器ってのは戦局を把握して戦術的に運用しないと真価を発揮しきれない」
 最新兵器を前にアリッセは、状況を冷静に分析する。
 そしてエンジェルビットから発射された全方位レーザーを、的確に回避していく。
 エンジェルビットの数こそ多いものの、その攻撃パターンは単純であり、予測して回避するのは、アリッセにとっては容易であった。
「わたしも負けていられないね!」
 シルもピーキーな機体を操りながら、アリッセの回避パターンを参考に、レーザーを直感で回避する。
 そしてビームセイバー『エトワール』で、エンジェルビットを切り裂いていった。

「キャバリア…とってもおーきいのね。でも…まけないよ。がんばるね」
 キャバリア同士の戦闘が繰り広げられている中、オラトリオの少女、ケルスティン・フレデリクションが『セラフィム・リッパー』の大きさに目を奪われながらも、偽物の翼で空中浮遊して、接近を試みる。
 幸いな事に『セラフィム・リッパー』は、アリッセとシルのキャバリアに注意が向いており、キャバリアを持たないケルスティンへの注意が疎かになっていた。
 だが一定距離まで近づいた事で『セラフィム・リッパー』のセンサーが反応し、ケルスティンの接近が察知される。
「あ……」
 『セラフィム・リッパー』の対応は早く、光の翼をケルスティンにへと向けた。
 そして光の翼から、プラズマビームが発射される。
「……っ!?きらめき、まもって!」
 ケルスティンはビームを防ぐべく、無敵の光の盾・光の壁を想像から創造した。
 光と光がぶつかり合い、荒野が眩しく照らし出される。
「ケルスティンさん!援護するよ」
 仲間の窮地に気付いたシルが、『ブルー・リーゼ』の武装『リュミエール・イリゼ』から虹色の光を、ビームと障壁が拮抗している地点に発射する。
 光の壁とビーム砲によって、プラズマビームは相殺されるのであった。
 だが『セラフィム・リッパー』は、光の翼を再度輝かせ次弾の発射姿勢をとる。
「こっちも忘れてもらっては困るよ!」
 そこにアリッセのキャバリアが高速で接近し、『セラフィム・リッパー』に体当たりした。
 キャバリアによる体当たりの威力は凄まじく、最新型の『セラフィム・リッパー』といえど、バランスを保つことは出来なかった。
「よくやったね!」
 キャバリアのコクピットから、アリッセは外に飛び出し、念動力で飛行する。
 無人となったキャバリアを、アリッセは脳波コントロールによって、遠隔操作して、その場から離脱させた。
 残っていたエンジェルビットもキャバリアを追跡すべく、『セラフィム・リッパー』から離れていく。
「ルル、相手の動きをとめるよ!おねえさん、かならずたすけるから、まっててね」
 ケルスティンは白くてふくふくしている鳥型の氷の精霊であるルルを呼び出して、一緒に氷の魔法を放つ。
 態勢を立て直そうとしていた『セラフィム・リッパー』の手足の関節部が凍り付き、動きが止まった。
「これで駄目押しだね」
 更にシルの『ブルー・リーゼ』が、ビームランチャー『ブラースク』で、『セラフィム・リッパー』の脚部を狙撃する。
 ビームに脚部を撃ち抜かれ、『セラフィム・リッパー』は、転倒するのであった。
「ありがとう。今の内だね!」
 二人に感謝しつつ、アリッセは念動力で飛行して、『セラフィム・リッパー』のコクピットに取り付いた。
 そしてハッチをこじ開けるべく、フォースセイバーを取り出す。
 だが『セラフィム・リッパー』は転倒した姿勢のまま、光の翼からプラズマビームを再発射しようとしていた。
 自身をも巻き込む危険な行為だが、暴走している『セラフィム・リッパー』は、敵の排除が最優先事項なのである。
「そうはさせません!」
 ケルスティンは光の壁をアリッセの周辺に展開させて、プラズマビームを防ぐ。
 無理な姿勢で発射しているにも関わらず、ビームの出力は先程よりも高く、光の壁も食い止めるのが精一杯である。
「まだ抵抗するなら…エレメンタル・ファランクスっ!」
 シルは『ブルー・リーゼ』の全砲門を開き、魔力砲をフルパワーで発射した。
 火・水・風・土の四属性の魔力砲撃が、『セラフィム・リッパー』のコクピット以外の全部位に直撃する。
 それが決定打となり、暴走した最新型のキャバリアは硝煙を上げて沈黙するのであった。

「ハッチは開いたよ!あとは救助するだけ」
 『セラフィム・リッパー』の装甲は頑強で、かなりの時間を要したが、アリッセはフォースセイバーでハッチを切り開く事に成功する。
 開いたハッチからは無傷のコックピットが見え、シートには搭乗者である少女が意識を失ったまま、ぐったりとしていた。
「後の救助は任せていいかな?」
「うん、もうだいじょうぶ。安全な場所に一緒に行こ!」
 意識を失ったままの少女を、アリッセから託されたケルスティンは、偽物の翼を羽ばたかせて、少女と共に『セラフィム・リッパー』から離れた。
「また暴走されても困るからね」
 アリッセがコックピット内のコンソールを徹底的に破壊し、シルが外から魔力砲撃を行った。
 僅か数秒の内に『セラフィム・リッパー』は完全に破壊される。
 それを確認した後、二人はそれぞれのキャバリアを駆って荒野から離脱した。

 その後、搭乗者である少女は目を覚まし、自分を助ける為に戦ってくれた猟兵達全員に感謝の言葉を述べるのであった。
 だが事件が起きるのはこれからなのだと、猟兵達はすぐに知る事となる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『脱出援護』

POW   :    派手に暴れて敵兵を引き付ける

SPD   :    脱出ルートを見つけ、兵士達を誘導する

WIZ   :    変装し、敵地に怪しまれず潜入する

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵達が最新型キャバリアの暴走を、阻止したのと同時刻の事である。
「くそ…こいつ等、一体何者だ!」
「他国の新兵器か?これではキリがない!」
 国境付近で防衛の要であるキャバリア隊と、オブリビオンマシンの軍団との戦いが始まっていた。
 精鋭部隊であるキャバリア隊は、未知のオブリビオンマシンの軍団相手に奮闘するも、その数に圧倒されつつあった。
 指揮官であるオブリビオンマシンを撃破すれば、オブリビオンマシンの軍団も力を失うのだが、猟兵でない彼等にはオブリビオンマシンを見分ける事が出来ないのだ。
「おい…今が司令部から通信があった!もうすぐ助っ人が来るから、後は彼等に任せて撤退しろだとよ」
「助っ人だ?この状況を何とかしてくれるってか?」
「ああ、そうらしい…話に聞く猟兵だそうだ」
「それはありがたい…だが、それまでに間に合うのか?」
 状況はもはや撤退も困難となっており、強行突破しようものなら、多大な犠牲を払う事になるだろう。
「持ち堪えるしかないか…神にでも祈りたい気分だ」
「駄目だった時は…恨み言の一つでもぶつけてやりますよ!」
 生き残っているキャバリア隊は、包囲されながらも陣形を組んで、防戦に徹する覚悟を決めるのだった。
アリッセ・トードゥ
少々無茶だが時間が無い。敵陣を強行突破する。
スラスター全開で【推力移動】。フィジカルジャマー発動。【ジャミング】を仕掛ける。疑似質量を持った無数の分身に紛れ【早業】で包囲を突破、部隊に合流する。
「こちら猟兵機だ、撤退支援に来た。これより貴軍を転送する。基地や故郷に帰りたいと強く意識しろ。」
通信で指示する。抵抗されない様に。
なるべく多くの兵士を範囲に入れる様に【サイキックロード】使用。軍用機の棲家、基地へとテレポートさせよう。範囲内に敵機がいるならそいつも巻き込む。
効果範囲は精々数十m、戦場では決して広範囲とは言えない。部隊長や仲間と連携し、なるべく短時間で多くの兵士を撤退させられる様走り回る。


ミリア・プレスティール
ミリアは先程戦闘が苦手なミリア自身が狙われたことから、今度は『ミトン』をミリアの身体を預けて戦闘に挑む。『ミトン』はキャバリア隊の注意を引くために全力でおちょくり始める。ミリアの身体で挑発し、巨大な手袋を操って【怪力】【グラップル】で敵の揚げ足を取り、時に【敵を盾にする】ことで同士討ちを誘う。捕まりそうになれば、手袋に乗って空中や相手の死角に移動を試みる。

【ミリアの心情】
今回は私の体をミトンに預けるね。…あんまり無茶しないようにね?

【ミトンの心情】
今回はミリアの身体で時間稼ぎだ。俺と遊ぼうぜ?
だがあんまりこっちに気を取られてると足元をすくわれるぜ?(手袋が足を掴もうとする)

※アドリブ、絡みOK


ケルスティン・フレデリクション
うんと、おてつだいだよね。
みんな、こっちだよ!って空中浮遊しながら脱出のサポートするね。
あのね、みんなもきをつけてね!
皆が脱出ルートを確保してくれるなら私は小回りが利くだろうから
敵が居ないかどうかを確認して、居たら【ひかりのねむり】を使うよ。
敵に見つかりそうになったときも、同じね!
攻撃の必要があるならルルと一緒に氷の【属性攻撃】【範囲攻撃】で凍らせちゃうけど…、だいじょうぶ、かな?
たいへんなことばっかりだけど、がんばっておてつだいするから、まかせてね!



「あそこか…」
 アリッセ・トードゥはオブリビオンマシンと、その集団に包囲されているキャバリア隊を補足した。
 オブリビオンマシンの攻勢を、キャバリア隊はギリギリの所で食い止めているが、今にも瓦解しかねない程、追い込まれている。
「このままでは間に合わないか…少々無茶だが時間が無い。敵陣を強行突破する」
 アリッセは搭乗しているキャバリアのスラスター全開にして、包囲網の突破を図る。
 そしてオブリビオンマシンをかく乱すべく、フィジカルジャマーによるジャミングを仕掛けた。
 疑似質量を持ったキャバリアの幻影が出現し、オブリビオンマシンの注意が幻影に向けられる。
 その隙を突いて、アリッセは包囲網を一気に突破し、キャバリア隊への合流を果たすのだった。
「こちら猟兵機だ、撤退支援に来た。これより貴軍を転送する。基地や故郷に帰りたいと強く意識しろ」
「やっと来てくれたのか…ありがたい!だが、転送だと?」
 アリッセの救援にキャバリア隊から歓喜の声が上がるが、意図がわからず困惑の様子をみせる。
 そんな中、アリッセはサイキック・ロードを開き転送の準備を始めた。
 だが本能的にアリッセの狙いに気付いたオブリビオンマシンが、それを阻止すべく一斉攻撃を開始しようとしていた。

「今回はミリアの身体で時間稼ぎだ。俺と遊ぼうぜ?」
 その時、アリッセに続いて到着したミリア・プレスティールが、オブリビオンマシンの一機を巨大な手袋で殴りつけた。
(今回は私の体をミトンに預けるね。…あんまり無茶しないようにね?)
 今のミリアは魔神降霊により、自身の身体を相棒の『ミトン』に憑依させている。
 先程、戦闘が苦手なミリア自身が狙われたのを補うためである。
 ミリアの身体を借りた『ミトン』は、キャバリア隊の注意を引き撤退までの時間を稼ぐ為、全力でおちょくり始めるのだった。
 新たな敵の出現にオブリビオンマシンは索敵を開始するが、集団に紛れて動き回っている『ミトン』を補足するのは困難を極めた。
 その隙に『ミトン』はミリアの身体を自由に操って、敵の揚げ足を取るようにして、挑発していった。
 目の前のオブリビオンマシンに砲撃を浴びせられるが、『ミトン』は別のオブリビオンマシンを盾にするようにして回避する。
 巨大手袋を操り、常に死角に回り込む『ミトン』の戦法にオブリビオンマシンの集団は混乱し、同士討ちも始まるのであった。
 その間に、アリッセの開いたサイキック・ロードに転送される形で、キャバリア隊が撤退を開始する。

「うんと、おてつだいだよね。みんな、こっちだよ!」
 アリッセとミリアによって開いた突破口から、空中浮遊で現場に駆け付けた、ケルスティン・フレデリクションはキャバリア隊が撤退を援護していた。
「わかった、感謝する!」
 幼い少女に殿を任せる事に抵抗はあったものの、ケルスティンが『ひかりのねむり』でオブリビオンマシンの一体を無力化させたのを見て、キャバリア隊は彼女に従い撤退するのだった。
 また一体のキャバリアが転送されていくのを見届けてから、ケルスティンは迫り来るオブリビオンマシンと対峙する。
「ルルもてつだって!」
 白くてふくふくしている鳥型の氷の精霊であるルルの力を借りて、ケルスティンは氷の魔法を放つ。
 オブリビオンマシンの1体が足元から凍り付き、耐えきれずに崩れ落ちた。
「だいじょうぶ、かな?」
 心配そうにオブリビオンマシンが動かなくなったのを確認してから、ケルスティンは引き続き、キャバリア隊の撤退援護に努める。
 そんな中でルルが時折、ケルスティンの髪の花を楽しそうに啄むのであった。

 猟兵達の奮闘により、キャバリア隊の撤退は順調に進んでいた。
 だがそこにオブリビオンマシンの集団が思わる行動に出た。
「突っ込んでくるぞ!」
 キャバリア隊の一人から緊急の通信が入った。
 業を煮やしたオブリビオンマシンの数機が、サイキック・ロード目がけて突撃を開始したのである。
 キャバリア隊が撤退を始めた事で、オブリビオンマシンの突撃を止めるだけの抵抗が疎かになったのである。
「これはもしかして、まずいかも…」
 その様子を見たアリッセに冷や汗が浮かび、全員にその場を離れるよう指示する。
 サイキック・ロードの特攻したオブリビオンマシンは、元居た場所への転送を拒否した事でダメージを受け、その機能を停止するが、その寸前に自爆し、激しい爆風が巻き起こった。
 幸いな事に自爆による猟兵達とキャバリア隊への被害は無かったが、サイキック・ロードは閉ざされてしまった。
 退路を断てた事で勢いづいたオブリビオンマシンは、更なる突撃を敢行しようとしている。
「あんまり気を取られてると足元をすくわれるぜ?」
 だがはミリアの身体を借りた『ミトン』が、巨大な手袋を操って、オブリビオンマシンの足を掴んで転倒させた。
「すやすや、おやすみなさい」
 そこへケルスティンが、ねむりの魔法をかけて、オブリビオンマシンを完全に停止させた。
「仕方ない残ったのは足で撤退させるか…」
 残されたキャバリア隊をどうやって撤退させるべきか、アリッセはコクピット内で脱出ルートを探す。
 脱出ルートはすぐに見つかった。
「今ならあそこから突破出来そうだぜ」
 『ミトン』が指したのは、先程突撃してきたオブリビオンマシン達の方向であった。
 強引な突撃を図った事で包囲網が崩れたのである。
 そして『ミトン』の活躍によって、オブリビオンマシン達は今でも同士討ちで混乱している。
「たいへんなことばっかりだけど、がんばっておてつだいするから、まかせてね!」
 ケルスティンも、空中浮遊しながらキャバリア隊の脱出サポートに回った。
 ねむりとこおりの魔法でオブリビオンマシン達を無力化していく。
「よし、行くぞ後は俺達が突破するだけだ」
 残されたキャバリア隊も覚悟を決めて、包囲網から脱出すべく加速するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『モノアイ・ゴースト』

POW   :    バリアチャージ
【バリアを纏った】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【支援機】の協力があれば威力が倍増する。
SPD   :    パルス・オーバーブースト
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【オブリビオンマシン】から【光学兵器による一斉攻撃】を放つ。
WIZ   :    ゴーストスコードロン
自身が【敵意】を感じると、レベル×1体の【支援キャバリア】が召喚される。支援キャバリアは敵意を与えた対象を追跡し、攻撃する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵達の援護を受けたキャバリア隊は、無事に包囲網を抜ける事が出来たのである。
「…ん?あれは…」
 その途中でオブリビオンマシンの集団から、一際強力な負のオーラを放つ一機を発見する。
 怪しく光るモノアイが特徴のオブリビオンマシンである。
「あれが指揮官機か…あいつを撃破すれば!」
 他のオブリビオンマシンの陣形が崩れ、混乱している今なら、指揮官を直接叩くことが出来るだろう。
 猟兵達はキャバリア隊の撤退を確認した後で、オブリビオンマシンの指揮官に戦いを挑むのであった。
アリッセ・トードゥ
牽制の為にミサイルを【一斉発射】。
弾幕を張るのと同時に、スラスターでの【推力移動】で敵機に接近。UCの効果範囲まで近付く。

攻撃は【早業】【操縦】で回避。かわせない攻撃は【念動力】をバリアーにした【オーラ防御】で防御。

隊長機までレベルm以内に接近出来たら、UC【サイキック·ロード】で攻撃。支援機と隊長機を同時に攻撃する。

アドリブ、連携歓迎。


シル・ウィンディア
ちょっと調整手間取ったけど、間に合ったかな?

しかし、すごいプレッシャーの機体だね
でも、これを突破すれば、助けることができるんだね

さ、行くよ、ブルー・リーゼ!

【空中戦】で低空飛行で動いて
ジグザグの【フェイント】で【残像】を生み出して機動だね

低空飛行をしつつ、すれ違いざまにビームセイバーで一閃っ!
そのまま離脱して、急速旋回!
敵UCは【残像】を囮にしつつ肩部ビーム砲の【誘導弾】を【一斉発射】
纏めて薙ぎ払うっ!

操縦中、詠唱を途切れさせないで【多重詠唱】による【魔力溜め】を行って…
機体を敵機から離れたところに着地させ、ビームランチャーを両手で構えて

ヘキサドライブ・エレメンタル・ブラスト!

あったれーーっ!


ミリア・プレスティール
守護霊の『ミトン』は廃棄処分されたキャバリアの前腕パーツのみをもらい、手袋の代わりに前腕パーツに憑依して勝負に挑む。

【ミリアの心情】
キャバリアを借りても、私は操縦できないよ?あっ、なるほど。パーツに取り憑くんだね。頑張ってねミトン!私は邪魔にならないように隠れていないと…

【ミトンの心情】
『操縦する訳じゃない。それに動けなくていい、廃棄の物をもらう。壊れてもいい物じゃないと力一杯殴らないからな。至近距離で確実に攻めさせてもらう』

※アドリブ、絡みOK


ケルスティン・フレデリクション
人の身で、変わらず戦い続ける。
むむ、なんだかこわいキャバリア…。
でも、こわせばいいんだよね?うん、わかった、がんばる!
氷の【属性攻撃】【範囲攻撃】【全力魔法】で足元や腕部分の関節を狙い凍らせるね
ルル、おてつだいおねがーい!
それから【ひかりのしらべ】でこうげき、ね!
なるべく中に居る人を傷付けないように、攻撃!
倒せたら救出するよ

敵からの攻撃には【空中浮遊】を使い【気合い】【オーラ防御】で避ける。
ただし仲間が傷つきそうな時は【かばう】ね、それから【カウンター】!
みんながきずつくところは、みたくないの。
だから、がんばるね。
わたしは、だいじょーぶだから!
【アドリブ 連携OK】



 ミリア・プレスティールは、守護霊の『ミトン』が、先程の戦闘で廃棄処分されたキャバリアの前腕パーツを物色している様子を眺めていた。
「キャバリアを借りても、私は操縦できないよ?…あっ、なるほど。パーツに取り憑くんだね」
「その通りさ。操縦する訳じゃない。それに動けなくていい、廃棄の物をもらう。壊れてもいい物じゃないと力一杯殴れないからな」
 『ミトン』は手頃なキャバリアのパーツを見つけると、巨大手袋に取り付けて、『モノアイ・ゴースト』への決戦に挑む準備を完了させるのであった。

 オブリビオンマシンの指揮官機である『モノアイ・ゴースト』は、頭部のモノアイをギロりと光らせ、猟兵達の接近を察知した。
 本来の搭乗者は、『セラフィム・リッパー』の時と同様に、コクピット内で意識を失っており、搭乗者の意志とは関係なく、『モノアイ・ゴースト』は稼働しているのだ。
 『モノアイ・ゴースト』はオブリビオンマシンの支援機を大勢従えているが、その大半は猟兵達の活躍により、未だに混乱状態にある。
 今がオブリビオンマシンの指揮官機を叩く、絶好の機会であった。

「ミサイル!一斉発射!」
 半有機機械生命体のキャバリア乗りである、アリッセ・トードゥが、牽制とばかりに自身のキャバリアからミサイルを発射した。
 『モノアイ・ゴースト』にミサイルの雨が降り注ぐが、回避行動はとらず、代わりに黒いオーラを漂わせたバリアが展開される。
 バリアでミサイルを防御しつつ、『モノアイ・ゴースト』は、アリッセのキャバリアに照準を合わせた。
 そしてバリアを維持した状態で、ブースター全開で突撃する。
「それなら、こちらも突撃だ!」
 アリッセもキャバリアのスラスターを全開にして、迫り来る『モノアイ・ゴースト』に対して、念動力によるバリアを自らの機体に纏わせ、自ら飛び込んでいく。
 二機のキャバリアが激しくぶつかり合った。
 両機とも出力を更に上げるが、それでも力は拮抗しており、お互い一歩も譲らない。
 そこへもう一機のキャバリアが駆けつける。

「ちょっと調整手間取ったけど、間に合ったかな?」
 強力なキャバリア同士のぶつかり合いは、専用のキャバリアである『ブルー・リーゼ』に搭乗している、エルフの少女、シル・ウィンディアから見ても圧倒されるものがあった。
「しかし、すごいプレッシャーの機体だね…でも、これを撃破すれば、助けることができるんだね!」
 そこへシルを追って来た、『モノアイ・ゴースト』の支援機が集まってくる。
 搭乗者が捕らわれていても手加減は不要な相手である事は、先程の戦闘で証明済みである。
「さ、行くよ、ブルー・リーゼ!」
 シルは自身のキャバリアの出力を一気に上げて、近づいてくる支援機を振り切った。
 そして低空飛行で『モノアイ・ゴースト』に接近し、すれ違いざまにビームセイバーで一閃した後、シルの操る『ブルー・リーゼ』は急速旋回して、その場を離脱した。
 アリッセのキャバリアに動きを封じられていた『モノアイ・ゴースト』の分厚い装甲が斬り裂かれる。
 だが『モノアイ・ゴースト』を機能停止させるまでには至らなかった。
 それどころか、『モノアイ・ゴースト』は、エンジンをオーバーブーストさせて、アリッセのキャバリアを吹き飛ばし、シルに向けて光学兵器による一斉攻撃を放つのだった。
「避けられないっ!」
 再度攻撃を仕掛けようとしていた所への一斉射撃に、シルの反応が遅れた。
 機体に直撃する寸前で、空中から一人の少女が割って入り、光のオーラで光学兵器を防御した。

「ケルスティンさん!!」
 オラトリオの少女、ケルスティン・フレデリクションが、人の身でありながら、シルのキャバリアを庇ったのである。
「みんながきずつくところは、みたくないの。だから、がんばるね。わたしは、だいじょーぶだから!」
 光学兵器に傷つきながらも、ケルスティンは気丈に振る舞ってみせるのであった。
 だが『モノアイ・ゴースト』は無慈悲にも、更に強力な光学兵器を発射しようと、モノアイを光らせ、ケルスティンに狙いを定める。
「至近距離で確実に攻めさせてもらう」
 そこへミリアの守護霊の『ミトン』が、巨大手袋で、『モノアイ・ゴースト』を殴りつけた。
 キャバリアのパーツで強化された巨大手袋の打撃が、光学兵器の再発射を阻止し、猟兵達に反撃の機会が訪れる。
「頑張ってねミトン!私は邪魔にならないように隠れていないと…あ、みんな気を付けて!」
 戦場から少し離れた場所に身を隠しながら様子を伺っていた、ミリアは『モノアイ・ゴースト』を援護すべく支援機が集まってくるのを見て、声を上げる。
「少し数が増えて来たか…それなら!」
 『モノアイ・ゴースト』の周囲に支援機が集まってきた所で、アリッセはサイキック・ロードを発動させた。
 広範囲に発生したサイキックの竜巻が、支援機を巻き込んで『モノアイ・ゴースト』を消し飛ばそうとする。
 だがその前に『モノアイ・ゴースト』は支援機を盾にして、その場を緊急離脱するのであった。
「おっと逃がさないぜ!」
 それを予期していたかのように、先回りしていた『ミトン』が、鋼鉄の拳で『モノアイ・ゴースト』のモノアイを殴りつけた。
 メインカメラを潰された『モノアイ・ゴースト』が、大きくよろけ隙が生まれる。
「こわいキャバリア…。でも、こわせばいいんだよね?うん、わかった、がんばる!ルル、おてつだいおねがーい!」
 ケルスティンと氷の精霊のルルによる、氷の魔法により、『モノアイ・ゴースト』の腕と足の関節部が凍り付き、機体の動きを鈍らせた。
「ぴかぴか、くるくる、ふわふわ」
 ケルスティンが指先を『モノアイ・ゴースト』に向けると、天からの光が『モノアイ・ゴースト』に降り注いだ。 
 『モノアイ・ゴースト』がバリアを展開するも、完全に遮断する事が出来ず、損傷を拡大していく。
 ケルスティンの気遣いにより、コックピットの被害はなかった。
 そこへシルの操縦する『ブルー・リーゼ』が、ビームランチャーを両手で構えて狙いを定めた。
 ランチャーから膨大な魔力が溢れ出す。
 シルは操縦中でも、詠唱を途切れさせないで、多重詠唱によって必殺の魔力を溜めていたのである。
「さっきはよくも…もう、逃がさないよ!あったれーーっ!」
 六属性の光に輝く、ヘキサドライブ・エレメンタル・ブラストの一撃が、『モノアイ・ゴースト』に直撃した。
 『モノアイ・ゴースト』が咄嗟に張ったバリアをも貫通して、機体に多大なダメージを与えた。
「これで…倒れて!」
 ミリアの守護霊である『ミトン』が、止めとばかりに鋼鉄の拳を全力で殴りつけた。
 猟兵達の一斉攻撃に耐えきれず『モノアイ・ゴースト』のモノアイから光が消えたかと思うと、その場に崩れ落ちてその機能を停止させるのであった。

 『モノアイ・ゴースト』が撃破された事で、残っていたオブリビオンマシンは、指揮系統を失い、散り散りに逃走するのであった。
 逃走したオブリビオンマシンの追撃はアリッセとミリアが行い、『モノアイ・ゴースト』の搭乗者の救助はシルとケルスティンが行う事となった。
「もう大丈夫だよ」
 シルは『セラフィム・リッパー』の時と同じ要領で、『ブルー・リーゼ』のビームセイバーでハッチをこじ開けて、コクピット内にいる搭乗者を救助するのであった。
 意識を失ったままの搭乗者はまだ年の若い青年で、目を覚ましそうにはない。
 だが、命には別条はないようである・
「たすけられてよかった…」
 ケルスティンは、ほっと胸を撫で下ろすのであった。
 そんな時に『ブルー・リーゼ』から通信音が聞こえてくる。
「どうやら片付けてくれたようだな…猟兵の力というものは本当に素晴らしいものだ。助けられた兵達からも、感謝の言葉が寄せられてきている。我々は諸君らを歓迎する」
 それは守備隊の司令官からの通信であった。
 称賛しつつもどこか高圧的、猟兵達にはそう感じた。

 かくして、企業が支配する国家での事件は幕を下ろしたのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月09日


挿絵イラスト