#クロムキャバリア
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●学園都市
クロムキャバリアに乱立する国家群の1つに、『スクーデリオ』という国がある。
学園都市を中心とした小さな国家であり、国王にあたる人物は『校王(こうおう)』と呼ばれている。
学園は、一般的な勉学のみならず、キャバリアに関する様々な座学、実技が行われ、優秀な乗り手を育成する機関でもあるのだ。
広大な学園の一角、キャバリア研究・開発エリアを、ある人物が視察していた。
「おおっ、これが新型か!」
双眸に鋼の勇姿を映すのは、金髪の男性。三十代半ばのその男こそ、現・校王ディエースである。
学園のОBであり、自身も腕利きのキャバリア乗りである。
「新型機、仮に『学園機』と呼称しておりますが、新設計の魔導エンジンを搭載し、操縦システムにも……」
開発部の人間が、新型を説明していく。
だが、校王陛下は、それでは物足りないらしい。
「ああっ、早くこの手で操縦してみたい……いや、我が校王機と手合わせするのも楽しそうだ……」
新しい玩具を与えられた子どもの如く、はしゃぐディエース。
その眼前で、学園機のカメラアイが点灯した。
「起動も速い。さすが新型である!」
「? いえ、私たちはまだ何も……」
戸惑う整備科の面々をよそに、新型はエンジン音を響かせる。
異変を察し、瞬時に表情を引き締めるディエースの目前で、新型が変異を始めた。
装甲やフレームを構成する金属が流体の如くうねり、またたく間に別のシルエットへと組みかえられた。
「この異形……オブリビオンマシンッ!」
コクピットの中から飛び出した流体金属が、ディエースを狙う。
とっさに抜剣して抵抗を試みるディエースを、そのままコクピット内へと引きずり込むと、操者を得たオブリビオンマシンは、雄たけびを上げた。
『ヴぉおおお……!』
装甲の隙間から、黒の瘴気を排出しながら。
悪魔と化した新型機が、『試運転』という名の進撃を開始した。
●グリモアベース
タビタビ・マタタビ(若き猫黒騎士・f10770)が、真新しい地図を広げた。
「新世界が発見されたね! クロムキャバリア! ロボットの世界だよ!」
だが、グリモア猟兵によって予知されるという事は、そこにオブリビオンの存在があるということに他ならない。
「学園都市国家スクーデリオで、新しく開発されてたキャバリアが、オブリビオンマシンになっちゃうんだ! このままだと市街地に飛び出して、街の人にまで大変な被害が出ちゃいそう。止めてほしいんだよ!」
マシンの暴走現場は、国の名前にもなっているスクーデリオ学園。
校舎などを破壊しながら、グラウンドへと移動中。そのまま、市街地へ出ようとしている。
更に、悪い知らせがある。
「マシンの中にいるのは、困ったことにこの国の王さまなんだよ……」
これは、何としても無事救出しなければならないだろう。
「王さまはコクピットで意識を失ってるけど、みんなで必死に呼び掛ければ目を覚まして、オブリビオンマシンを少しくらいは止めてくれるかもしれないよ」
相手は、5メートル級の機械人形だ。日頃オブリビオンの相手をしている猟兵たちにとってサイズはあまり関係ないかもしれないが、やはりキャバリアにはキャバリアだ。
「学園が臨時にキャバリアを貸し出してくれるから、それを借りて戦ってもいいよ。パイロットの動作とか思考をトレースして動くタイプだから、いつもどおりに戦う感覚でいけると思うよ」
技やユーベルコードは、四肢や武器から発動する仕組みだ。
「暴走するマシンを止めて、王さまを助け出して! みんな頼んだよ!」
そう告げると、タビタビは、新世界への転移を開始した……!
七尾マサムネ
ロボットは暴走してナンボなんで暴走します! 早々と!
●一章
暴走するオブリビオンマシンを、学園のグラウンドで迎えうちます。
休日のためグラウンドには生徒はおらず、避難誘導の必要はありません。
暴走マシンの中で気絶しているパイロット……『校王』に呼び掛けることで、マシンの動きを鈍らせることが出来ます(プレイングボーナスが付きます)。
なお、希望する猟兵さんには、学園からクロムキャバリアが貸与されます。好きな色や武器、デザインをお書きください。
二章以降の展開は、進行時に追加される断章にてお知らせします。
では、いざ出撃!
第1章 ボス戦
『ブレイジング・バジリスク』
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POW : ブレイジング・シュート
【ライフルの集中射撃】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD : バジリスク・ランページ
【右腕のライフル】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
WIZ : エンジンキラー
自身の【オブリビオンマシン】から【漆黒のオーラ】を放出し、戦場内全ての【エンジン】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
黒木・摩那
国王がオブリビオンマシンに取り込まれるとか一大事じゃないですか!
これは一刻も早く、オブリビオンを止めないといけません。
キャバリアは専用機が調整中なので、学園機を借ります。
赤と黒が好きなので、その色の機体で出ます。
さて、問題のオブリビオンマシン。
国王は気絶しているということなので、まずは一撃して、中の国王を揺り起こしましょう。
呪力エンジンでキャバリアを加速【ダッシュ】。
【先制攻撃】としてキャバリアで体当たりします。
同時に国王に「起きてください!」と呼びかけます。
それでも起きなければ、パンチがまだ足りてないということです。
UC【偃月招雷】をパンチに籠めて【属性攻撃】、電撃ショックで強制起床です。
校舎の陰から姿を現すのは、闇をこぼす巨影。
その正体は、オブリビオンに飲み込まれ、変異した鋼の人工騎士だ。
だが、災禍の戦場とした学園に、反攻の機械騎士が現れる。
赤と黒。二色に彩られたクロムキャバリアの操縦席には、黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)。
「よりによって国王が取り込まれるとか一大事じゃないですか! これは一刻も早く、止めないといけません」
摩那の専用機は、現在調整中。よって、学園のキャバリアを借用している。
オブリビオンマシンのベース機と比べると、旧型。加えて、摩那用のセッティングではないため、十全とは言い難い。
「それでも、やってみせるのがキャバリア乗りの意地というものでしょう」
マシン……ブレイジング・バジリスクのカメラアイが、摩那機を捉える。
摩那機は、呪力エンジンでブーストし、敵機へと攻撃を仕掛けた。
シンプルな、体当たりだ。
重量は相手の方が上。吹き飛ばすには至らないが、重要なのは接近、そして物理的接触を図ることにある。
「起きてください! 国王陛下!」
呼び掛ける摩那。
わざわざ人間を取り込んだと言う事は、オブリビオンマシンが駆動に操縦者を必要とするという事。ならば、その要が意識を取り戻す事こそ、勝利の鍵となるだろう……!
『グぅううう……!!』
赤き悪魔の唸り声が、摩那に届く。
返答したのは、ブレイジング・バジリスクの方。お呼びでない。
「寝起きの悪い王様のようですね。なら、少々失礼を働かないといけないようです」
摩那の意志を受け、赤と黒のキャバリアが、マニピュレーターを駆動させる。固めた五指の周囲、励起する雷。
対するバジリスクからも、応じるように、漆黒のオーラが噴出する。
あらゆる機械を無力化する波動。摩那機の心臓部……エンジンにも干渉の腕を伸ばす。バジリスクの名を冠するに相応しい能力だ。
だが、停止を叩き込まれるより先に、キャバリアのパンチが炸裂した。
赤の装甲が凹み、亀裂が走る。
同時に、ほとばしる衝撃と電撃。二重のショックがアブソーバー機能を突破して操縦席、そしてパイロットを揺るがす。
「ぐ……ここはベッドの上ではない、な……?」
バジリスクの腕が、一瞬、力を失って垂れ下がる。
どうやら、王様のお目覚めの時間のようだ。
大成功
🔵🔵🔵
パルピ・ペルポル
開発部の人間の心中察するに余りあるけど、これは破壊しか選択肢ないわね。
キャバリアの操作はまだよくわからないし、乗らずにいきましょ。
小さき故の利点が使えるしね。
15mの折り紙で7mほどの折り鶴をいくつか作って、それをけしかけてる間にコクピットあたりに接近するわ。
近づけた時点で雨紡ぎの風糸を自身の周囲に展開して盾にして、穢れを知らぬ薔薇の蕾を関節部や機体の隙間に投げ入れて行動阻害させるわ。
で、コクピット叩きつつ校王陛下に呼びかけて。
起きたら暴走してるから市街地に出る前に破壊する旨説明して。
あとは強度に劣りそうな部分とか関節部とか狙って攻撃するわ。
わたしも折り鶴もエンジンないから妨害は無意味よ。
学び舎を背に、赤き『悪魔』が闊歩する。
「開発部の人間の心中察するに余りあるわね……」
パルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)がそう呟くのも無理はない。
本来の形状からはほど遠い。まさに成れ果てと呼ぶにふさわしい、禍々しいシルエット。
皮肉な事に、オブリビオン化することで、出力、性能ともに飛躍的に向上している。ただし、開発者の意図とはかけ離れた形で。
「勿体ない気もするけど、こうなった以上、破壊しか選択肢ないわね」
相対するパルピは、生身。
フェアリーと比べると、5メートル超過のブレイジング・バジリスクは、まさに巨神。
だが、圧倒的な小ささは、利点でもある。
パルピが広げたのは、折り紙だった。それも、マシンの頭頂高の3倍はあろうかという面積を誇る。
パルピが折り、為したのは、鶴。7mほどの体躯を持つ、巨大な折り鶴だった。
『ヴぁあぁぁあっ!!』
両翼を広げ、悠々と飛び回る鶴たち。四方から翻弄されたバジリスクは、漆黒のオーラを放射した。
キャバリア殺しの波動……だが、パルピも折り鶴も、止まる事はない。バジリスクの放出する黒いオーラの干渉外だ。
バジリスクが折り鶴の迎撃に意識を取られている間に、パルピは、コクピットに忍び寄っていた。
途中、駆動する関節部に、穢れを知らぬ薔薇の蕾を投じる。瞬時に伸びた茨が隙間に巻き付き、行動を阻害する。
バジリスクがもがく間に、パルピはコクピット部分をノック。中にいる人物に呼び掛けた。
「王様、王様。早く起きて」
「む、う……」
くぐもった、男性の声が響く。
「……私は新型を視察に……はっ、ここはオブリビオンマシンの中という事かッ!」
「非常時だし、ため口で失礼するけれど、今その機体は暴走しているのよ。このままだと街にも被害が出るわ。その前に機体を破壊するつもり」
「なるほど、非常時だ……!」
飲み込みが早くて助かる。
「だが先に謝ろう。私の操縦はほとんど受け付けないようだ」
「ほとんど……なら、少しは何とかなるということ?」
「少しも少し、少々動きを鈍らせる程度。何より私の意識もいつまで保つか」
「それで充分よ」
軽く返すと。
パルピは、装甲の薄い部分や関節……強度に劣る部分を狙い、攻撃を開始したのである。
小さき体から、金属の巨体すら押し返す力を発揮して。
大成功
🔵🔵🔵
仇死原・アンナ
アドリブ歓迎
鉄の巨人…これを動かすのか…参ったね…
宙飛ぶ船の世界の惑星ロボとはまた違う…
だが…王を救う為に行こうか…!
量産型の機体を借りよう
機体に[騎乗しダッシュ]しそのまま敵機に体当たりして
[体勢を崩し捕縛し]て押さえつけよう
攻撃で手足吹き飛ばされようが敵を押さえつけてやろう
聞こえますか王よ!我が名は処刑人アンナ!
貴方を救いに来ました!
校王、その巨人を止める為に無礼をお許しください…!
そして…舌を噛み切らぬように歯を食いしばって!
機体から飛び降り【巨人力】による[怪力]を発揮し
機体を持ち上げ、それをそのまま振るい回し
[重量攻撃]で何度も敵機に叩きつけ[鎧砕き]で破壊してやろう…!
なおも暴威を振るうブレイジング・バジリスク。
学び舎を、花壇を潰して進撃する異形の機体の前に、新たなキャバリアが立ちはだかる。
「鉄の巨人……宙飛ぶ船の世界の惑星ロボとはまた違う……」
鎧騎士風のキャバリアが、音声をこぼす。仇死原・アンナ(炎獄の執行人・f09978)のものだ。
アンナが搭乗するのは、学園から貸与された量産型だ。学生用であり、操縦が比較的簡単なタイプである。
だが、実戦に挑む分には問題は無い。
「慣れない機体で、急場しのぎだけど……王を救う為に行こうか……!」
グラウンドの砂をまきあげ、アンナ機が、ダッシュを仕掛けた。
量産型であるため、プレーンな外装にとどめられていた事がプラスに作用した。
アンナの操縦に素直に応えるように、相手を羽交い絞めにした。
無論、バジリスクも黙って取りつかれているばかりではない。右腕のライフルをアンナ機に突き立てると、零距離から射撃した。
しかし、損傷も厭わず敵を抑え込み続けるアンナは、マシンの中にいる人物に呼び掛けた。
「聞こえますか王よ! 我が名は処刑人アンナ! 貴方を救いに来ました!」
「あ、ああ、聞こえているとも……」
望む返答が来た。
「校王、今の状況は承知しておられるでしょうか」
「勇敢なる猟兵たちのお陰でね。この機体は暴れ馬だ。意識を保つのも難しい……」
校王の、弱気ともとれる返答に、アンナは決断する。
「校王、その巨人を止める為に無礼をお許しください……! そして……舌を噛み切らぬように歯を食いしばって!」
「うむ!」
遂に、アンナ機の左腕が、付け根から吹き飛ぶ。学園関係者の悲鳴が聞こえるようだ。主に、修理費用などが頭をよぎり。
だが、実戦に安全はない。脅威を放置すれば、金銭ではどうにもならぬものが失われる。
非常装置、起動。
アンナは、火花と白煙を放つ機体から脱すると、自らの四肢に力をこめた。
発揮されるのは、巨人の力。その矛先は、しかし、赤き悪魔ではない。
半ば鋼の塊と化した自身のキャバリアを持ち上げると、それをそのまま振るい回した。
『……!?』
「……!?」
バジリスクどころか、校王すらも、想像の埒外だったらしい。
大小のパーツと、困惑の気配をこぼしながら。
アンナの打撃を受け、バジリスクは破損を連続させるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ウィンディ・アストレイ
取り込まれた方の確保ですと…慣れない機体をお借りするより、
素の身で対応した方が良さそうですね…
推進ユニットを折り畳み、近接戦モードに移行
【無念無想】の境地に自らを置いて、地鳴りと大気の流動を捉え
火線から身を避けつつ、王様に声かけ
「王様さん、そこで安眠されては困ります。
少々で構いませんから、歩速を緩めさせてください」
乱射するライフルの処理の為、右腕に蛇の如く螺旋を描く機動で取り付き
肘関節に手を当て、チャージしておいたバニシング・フィンガーを起動
一気に肘関節と、可能なら振動波を伝播させ、右腕丸ごと破砕します
(第六感&見切り&戦闘知識&ダッシュ&ジャンプ&力溜め&グラップル)
※アドリブ&絡み連携OK
飛び散る火花、排熱の陽炎。
ウィンディ・アストレイ(W-ASTRAY・f09020)は、猟兵たちとブレイジング・バジリスクとの戦闘を目の当たりにしていた。
さすがは猟兵、不慣れな機体を駆使してさえ、オブリビオンマシンに対しても優勢を保っている。
では、ウィンディの選択は。
「作戦目的が取り込まれた方の確保ですと……慣れない機体をお借りするより、素の身で対応した方が良さそうですね……」
即断。
白翼の如き推進ユニットを折り畳むと、ウィンディは、近接戦闘モードに移行した。
そして身を置くのは操縦席ではなく、無我の境地……【無念無想】。
センサー類でさえ感知しえぬ、森羅万象をその身に感じる。
『ヴぅああああッ!!』
バジリスクの鋼の咆哮。右腕のライフルに流体金属をまとわせると、巨大な砲塔へと仕立て上げる。
発射されるのは、実弾ではなく、エネルギーの奔流。
だが、射出時の地鳴りと大気の流動を捉え、ウィンディは、火線から身を避けた。
続けざまに、火を噴くライフル。そのたび砲身は赤熱化していくが、表面の流体金属が剥離し、再構築された新しい砲身が姿を現す。
炸裂音を背後に聞きながら、ウィンディは、バジリスクの機体内にいる人物に声を飛ばす。
「王様さん、そこで安眠されては困ります。少々で構いませんから、歩速を緩めさせてください」
「しょ、承知した……」
校王の返答とともに、ウィンディの願いは叶えられた。
「目を閉じていても果たして見せる……何せ操縦マニュアルは、親の顔より見たものだ!」
校王の操作がバジリスクの意志を上回り、束の間、機体の主導権を握る。
望みを叶えてくれた王に感謝しつつ、ウィンディは、動きを鈍らせた相手へと接敵した。
もはやライフルそのものである右腕へと、蛇の如き螺旋を描く機動で取りつくと。
狙いを定めた敵機の肘関節に、手を当てる。そして、予めチャージしておいたバニシング・フィンガーを起動!
有機と無機の融合たるオブリビオンマシンといえども、物質。分子結合を崩壊に導く振動波の影響からは、逃れられない。
『グぅあぁああ!?』
ウィンディの目的は果たされた。
マシンの肘関節が溶断破砕された直後、伝播した振動波が、バジリスクの右腕全体を破壊したのである。
腕を構成していたパーツ群が四散し、グラウンドに散らばった。
大成功
🔵🔵🔵
木元・祭莉
わーい、キャバリアだー♪
乗る乗るー。そこのでっかい白いヤツ!
違うちがう、ニワトリ型じゃなくてー。
格闘形態のスーパーロボットに搭乗!
うん、ロケットパンチも捨て難いケド。トンファーもいいなあ♪
ぶんぶん振り回してみると、うん、なんかいいかんじ!
コッチで行ってみよーっと♪
よっしゃー、ダッシュで出動!
アンちゃんは……うさみん☆型?
そんなのあったの??
そこの赤い王様、ストーップ!
学校が壊れちゃうよ?
暴れないあばれない。我慢がまん。
ガンバレ王様!
よっし、ゆべこも使えそうだね!
れっつ・だんしん♪
にょきっと生えたヒマワリも、キャバリア級!
一緒にゆらゆら踊りながら。
掴んで投げ上げられたトコに、追い打ちのぱーんち!
木元・杏
学園の王国、初めて見た
ふふ、アルダワ魔法学園を思い出す
生徒さんが沢山いて、皆で楽しそう
ここもきっとそんな場所
暴走、止めなきゃ
ん、きゃばりゃ…キャバリアお借りする
この子(リアル灰色うさぎな型を指差し)
跳動力、高そう(こく)
乗り込みぐいんと操縦!
ジャンプしバジリスクの前に
む、ライフルが巨大化
一発は許す。でも、
校王さま、ここは学園の敷地内
貴方が守るべき城
そして生徒達の大切な場所
貴方の手で壊してはだめ
気合いと根性と校王力で一発で堪えて
攻撃は灯る陽光からのオーラを噴射し【あたたかな光】
そのまま地を蹴り空高くジャンプ!
落下の勢いと怪力で力を込めた強烈なうさキックをバジリスクにお見舞い
校王さま、負けないで
木元・杏(マスター縁日・f16565)は、学園都市の風景に、思わず柔和な表情を浮かべていた。
「学園の王国、初めて見た。ふふ、アルダワ魔法学園を思い出す」
たくさんの生徒たちが、青春と鍛錬を謳歌する。そんな場所。
だからこそ、オブリビオンマシンの暴走を止めなければならない。杏の心に決意の炎が灯る。
ずぅん……!
木元・祭莉(かしこさが暴走したかしこいアホの子・f16554)は、繰り返す震動に、耳をぴくん、と動かした。
「んー外は大変みたいだね! おいらも早く行かないと!」
祭莉がいるのは、キャバリア格納庫。
どれでも好きなキャバリアを使っていいと、学園の許可はしっかりもらっている。
キャバリア選定中の祭莉と合流した杏に、つなぎ姿の女性が声を掛けた。整備班のようだ。
「あなたも猟兵さんですね?」
「ん、きゃばりゃ……キャバリアお借りする」
大半が生徒用の訓練機ということもあって、並ぶキャバリアのほとんどは、同じデザインだ。
その中に混じって、誰かの趣味なのか、変わり種もいくつか見受けられた。
杏がびし、と指し示したのは。
「この子」
センサーの一種だろう。頭部に長い耳状のパーツを付けた、灰色うさぎを思わせるタイプだ。
「跳動力、高そう」
「ええ、機動性はピカイチですよ。ではご武運を!」
杏はさっそく操縦席に乗り込むと、キャバリアを起動させた。
「アンちゃんは……うさみん☆型? そんなのあったの??」
負けじと祭莉も、びし、と自機を決めた。
「んーと……そこのでっかい白いヤツ!」
「ええ、これでホントにいいんですか……?」
「違うちがう、ニワトリ型じゃなくてーそうそれ!」
祭莉が乗り込んだのは、格闘形態のスーパーロボットタイプだった。
「ロケットパンチも捨て難いケド。トンファーもいいなあ♪」
さっそく試運転、キャバリア用に大型化されたトンファーを振るってみる。
「うん、なんかいいかんじ! コッチで行ってみよーっと♪」
そして祭莉機は、ダッシュで戦場へと出撃する!
「そこの赤い王様、ストーップ!」
『……?』
キャバリアのスピーカーから響いた祭莉の声が、ブレイジング・バジリスクの足を 止めた。
敵を挟撃するように。大跳躍で着地したのは、杏の操るうさぎ型キャバリア。
校王は、なおもバジリスクのもたらす破壊衝動に抗い続けている。早く解放するに越したことはない。
「行こう、まつりん」
「おっけー!」
襲い掛かって来るバジリスクの腕を、トンファーで受け止めながら、校王に訴えかける祭莉。
「それ以上やると、学校が壊れちゃうよ? 暴れないあばれない。我慢がまん」
「ぐう……ならば、もう少し気張って見るとしようか……!」
校王の声と共に、バジリスクの動きが鈍った。
バジリスク自身の持つ破壊衝動と、それを押さえつけようとする校王の意志がせめぎ合い、鋼の体が軋み、ぎぎぎ、と硬質の音を立てる。
「まった」
「んん? アンちゃんどしたの?」
杏機が、祭莉機を手で制した。
バジリスクは、体内に蓄積していた流体金属を解き放つと、ライフルの砲身を巨大化させたのである。
『ヴぉぉぉぉぉおおっ!!』
咆哮とともに、砲口が火を噴いた。
手にするは、『灯る陽光』の力を反映した光剣。そこからほとばしるオーラが、防壁を展開。
強力なエネルギーの奔流から、杏と祭莉のキャバリア、そして校舎を守り通した。
すぐさま、次の狙いを定めるバジリスク。だが、二射目は杏が許さない。
「校王さま、ここは学園の敷地内。貴方が守るべき城。そして生徒達の大切な場所」
バジリスクの意思に飲み込まれようとする校王に、杏が呼び掛ける。
「貴方の手で壊してはだめ。気合いと根性と校王力で一発で堪えて」
「校王力……そうだな、私は王なのだから!」
巨大化したライフルの砲身が、勢いよく地面に叩きつけられた。ばらばらと、銀色の金属の欠片がグラウンドに散る。
「ガンバレ王様その調子! よっし、れっつ・だんしん♪」
祭莉がぱちん、と指を鳴らすと、地面を突き破り、バジリスクの周りを囲んで、槍が突き立った。
違う。ヒマワリだ。キャバリアにも負けないサイズのそれは、不思議なダンスを披露する。
陽気なリズムに合わせて、祭莉のキャバリアも、一緒にゆらゆら踊る。
バジリスクのカメラアイは、ヒマワリのダンスに釘づけだ。
がっし。
「せー……のっ!!」
『!?』
祭莉機はバジリスクの体をつかむと、そのまま投げ上げた。
それを追って、祭莉機も高く跳び上がる。パンチが炸裂し、バジリスクの装甲を突き破った!!
追撃する杏機。オーラを推進力に変えて、空高くジャンプ!
落下の勢いと杏の怪力を込めた、強烈なうさキャバリアキックが、バジリスクを蹴り飛ばした。
「校王さま、負けないで」
「ふぁいとー!」
杏の鼓舞に、祭莉の声も加わった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
吉岡・紅葉
ランララ~♪今日もいい天気~♪
学園都市ってなんだか桜學府みたいで、親近感が湧きますよ。
でも大変! 校長……校王さまを助け出さないと。
ここは桜學府の精鋭である、私にお任せあれ!
私の「くれはカスタム」はまだ調整中だから、
キャバリアをレンタルしますよ。
敵はあくまで暴走している機械。
なら、今回はマシンを傷つけずに助けないと。
長剣を装備した、甲冑騎士タイプのキャバリアに乗り込み、
エンジンを力いっぱい吹かして《ダッシュ》で接近。
《戦闘知識》で射撃の弾道を予測して次々に回避し、
一気に距離を詰めたら抜刀。
「元気ですかーっ!」
校王様に《元気》な声で呼びかけながら、【強制改心刀】で
コクピットをスラッシュしますよ。
鋼と鉄とユーベルコードが奏でる、金属質の音楽。
そこに、リズミカルな歌が重なる。
「ランララ~♪ 今日もいい天気~♪」
吉岡・紅葉(ハイカラさんが通り過ぎた後・f22838)はレンタルキャバリアの操縦席で、ご機嫌であった。
ここはクロムキャバリア、紅葉にとって異界だ。だが、学園都市に流れる空気は、故郷の桜學府ともどこか似ていて、親近感が湧く。
『ヴぅううううぅ……!』
紅葉の感慨を破ったのは、重低音の唸り声。ブレイジング・バジリスクの頭部から放たれるものだ。
中の校王陛下は、猟兵の呼び掛けで、かろうじて意識を保っているが、オブリビオンからの精神侵食は継続しているようだ。
「まだ正気に近いようですね。ここは桜學府の精鋭である、私にお任せあれ!」
紅葉の愛機『くれはカスタム』は、未だ調整中。借用した甲冑騎士タイプのキャバリアにお世話になる。
「諸々確認っと……ふむふむ、なるほど~」
操者経験の浅い学生の運用を想定している事もあり、紅葉はすぐに操作を頭に叩き込む。
だがその隙に、バジリスクが襲来する。
「おっと」
エンジン全開。
グラウンドの土を踏みしめ、バジリスクを回避。一旦距離を取りつつ大きく回り込み、敵へと疾走する。
『グぅおおおお!!』
バジリスクが、流体金属を噴出する。右腕のライフルを急ごしらえで用意すると、紅葉機へと射撃する。
自機への反動も構わず、連射を敢行するバジリスク。だが、どの一発も、紅葉機の装甲をかすめることすらない。
射撃を予測した紅葉の操縦術で、ダッシュの速度はほとんど維持したまま、敵の間合いを侵略していく。乗り手に応えてくれる、素直な機体だ。
そして紅葉は深呼吸。
「元気ですかーっ!」
校王陛下に元気な声で呼びかけながら、紅葉は抜刀した。
キャバリアの長剣に、ユーベルコードの輝きが走る。
その間に、校王の返答。
「元気……ではない……が!」
校王の声からにじむのは、折れぬ、くじけぬという意志。それは、王としてというより、1人のキャバリア乗りとしての矜持を紅葉に感じさせた。
「なら、今のうちに悪いものを断っちゃいましょう!」
交錯、一閃。
バジリスクのコクピットを横薙ぎにした紅葉機が、剣の塵を祓い、納刀すると同時。
『……!!』
無音の悲鳴。
悪心を断たれたバジリスクから、噴き出すしていた黒のオーラが消失し、がくりと膝を屈したのである。
成功
🔵🔵🔴
第2章 冒険
『キャバリア全機、一斉出撃!』
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POW : 魂を篭めて、ド派手に熱血出撃!
SPD : オペレーターのナビゲートを受けて、クールに出撃!
WIZ : 召喚、遠方からの呼び出しなど、特殊な出撃!
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
傾き始めた太陽が、赤き悪魔、ブレイジング・バジリスクを照らす。
既に半壊状態だ。外装も50パーセント以上が失われ、有機的なフレームが露出している。
窮地に追い込まれたバジリスクが取った行動は、本能的とも理性的ともいえるものだった。
『グぉおぉぉおおOHHH!』
市街地、或いは、更にその外へと逃走を開始したのだ。
尻尾を巻きながらも、引きずるようにしたその身が、更なる変異を遂げていく。赤き外装は白銀に。無骨だった体躯は、洗練されたものへと。
「させんよ……!」
突然、バジリスクの足が止まる。
同時に変異も停止し、オブリビオンマシンは、校門の前で彫像と化した。
バジリスクの中から、苦し気な校王の声が響く。
「オブリビオンマシンは、私が抑え込もう……。が、長くは保つまい。今のうちに態勢を立て直し、万全な戦力でもってこの機体を叩いてくれ」
猟兵たちのキャバリアは、先の戦闘で損耗している。継戦は難しい。
敵も動けぬとはいえ、猟兵以外の戦力で破壊できる保証はなく、よしんば破壊できたとしても、市街地に被害が出かねない。
「皆さん、一旦こちらへ!」
猟兵たちを導いたのは、学園の整備班員であった。
案内されたのは、学園の地下。キャバリア整備エリアである。
回収されたキャバリアの修理が始まり、代替機の準備も進む。
「先ほどの戦闘データを機体にフィードバックし、少しでもパフォーマンスを向上させます。新たに来てくださる猟兵さんや、専用機を持ちこんでくださる方がいれば、そちらにも反映できるでしょう」
作業を待つ間、猟兵たちにふるまわれるのは、軽食の数々。
「腹が減っては戦はできぬ、と言いますからね。補給が必要なのはキャバリアも操者も一緒です」
食事を運んできてくれたのは、女子を中心とした、学園の生徒たちだった。キャバリアのオペレートを担当しているらしい。
サンドイッチ風のものや、紅茶もある。好きなものをいだだくとしよう。
準備が出来たら、いざ出撃だ。
「あ、もしよろしければこちらのカタパルトを使用してください。グラウンドが開いて地上に出撃できます。生身での使用は想定してませんが、猟兵さんなら問題ないでしょう。では、ご武運を!」
吉岡・紅葉
おまたせしました!
いよいよ私のオリジナルキャバリア、「くれはカスタム」の出番ですね!
オブリビオンマシンが逃げ出す前に、ここでしっかり食い止めましょう。
くれはカスタムは、サクラミラージュの技術によって改良が施された特別な機体。私が《操縦》すれば、さっきの機体の何倍もの性能を引き出せるはずです!長大なキャバリア退魔刀を鞘から抜き、ユーベルコードを発動しますよ。《破魔》と《焼却》の力をもつ【散り紅葉】で、銀色の敵機を全力攻撃します。そのうえで、コクピットの中の校王さまに元気よく呼び掛けます。私は紅葉、いつも楽しい明日を夢見るハイカラさんですよ!
※アドリブ、連携歓迎
黒木・摩那
オブリジオンマシンに加えたダメージと、国王の尽力のおかげで
一時的ではありますが、オブリビオンは停止しました。
この稼いでくれた貴重な時間、無駄にはできません。
そして、調整中だった専用マシンが間に合いました!
これなら自分専用に調整できてるから、操縦もスムーズです
キャバリアの次は自分のメンテナンスです。
腹が減っては戦はできないのです。
持ってきてくれた食事は遠慮なくいただきます。
さぁ、どちらも準備できたら、いよいよ発進です。
今度こそオブリビオンマシンを倒して国王を助け出します。
ウィンディ・アストレイ
さて…王様さんの意思力の限界も気にする必要ありますから。
なるべく早く再出撃可能な状態に、持っていきたいですね。
スポドリやそれに類する物を飲ませて頂いた後
食事を少しばかり(当社比)頂いて、お茶も嗜ませて頂いたら
ボクも破損機体の修理や整備を手伝います
「遠慮は無用です。今一番惜しいのは、面子では無く時間の筈ですから」
(世界知識&礼儀作法&コミュ力&メカニック&ハッキング&奉仕)
修理と整備に目処がついたら、斥候を兼ねて生身で出撃
Blanches Aileの推力に任せて、一気に飛び立ちます
「I Have Control.ウィンディ・アストレイ、Take Off!」
※アドリブ&絡み連携OK
見えないタイムリミットとの戦い。
ウィンディ・アストレイは、あわただしく動き回る整備班を目の当たりにしていた。
「……王様さんの意思力の限界も気にする必要ありますから。なるべく早く再出撃可能な状態に、持っていきたいですね」
校王の負担を減らすためにも、入念な準備と迅速な出撃のバランスをとりたいところだ。
そう。
外側からは猟兵たちの奮闘。
そして内側からは王の尽力により、オブリビオンマシンの暴虐は一旦の凍結を見ていた。
だが、次にマシンが覚醒する時こそが決戦であることは、黒木・摩那たちも承知している。
「この貴重な時間、無駄にはできません」
摩那が決意の眼差しで見上げるのは、自身の専用キャバリア『エクアトゥール』。
決戦前にこの機体の投入が間に合ったのは、僥倖である。
摩那用に調整された機体ならば、操者としての腕がフルに発揮できる。
整備班の面々も、新しい玩具を目の前にしたようにはしゃいでいる。
「かっこいいですね、この両腕にマウントされたシールドバインダー……!」
「あ、先ほどはキャバリア有難うございました」
「いえいえ、猟兵さんの貴重な戦闘データが取れましたし、何より、箔が付くつてもんです」
摩那がキャバリア借用のお礼を告げると、整備班はむしろ胸を張った。
整備班の注目を集めるのは、吉岡・紅葉のキャバリアも同じである。
先ほど搭乗していた、学園の機体ではない。紅葉専用機、その名もハイカラキャバリア『くれはカスタム』。
クロムキャバリア由来の人型兵器に、サクラミラージュ……桜學府脅威の技術力によって改良が施された、特別な機体である。
これまた紅葉の操縦に最適化された機体は、学園キャバリアの何倍もの高性能を発揮するのだ。
とは言え、猟兵が万全でなければ、発揮される性能も半減だ。ウィンディは、用意されていたスポーツドリンクで喉を潤し、軽食の数々にも手を伸ばす。
どれも生徒たちの手によるものだ。戦闘糧食としては十分すぎるというか豪華ですらある。
「少しばかりいただきます」
少し……?
と、生徒たちが量の概念を問い直してしまうほど、ウィンディの食欲は旺盛だった。
たっぷり用意されていた食事が、器だけを残してみるみる駆逐されていく。
「いいお茶ですね。香りも心が休まります」
「あ、うちの国の名産なんですソレ」
女生徒が、とぽとぽと二杯目を注ぎながら、ウィンディに笑いかけた。
なんでもスクーデリオは、同盟国を始め他国からの留学生も少なくないらしく、そのおかげで食文化やキャバリアのタイプも種々雑多なのだという。
「それなら、先ほどの戦闘でバリエーションに富んだ機体が参戦したのも納得ですね」
キャバリアの調整を確認した摩那たちも、乗り手のメンテナンスに取り掛かる。
「腹が減っては戦はできないのです。至言ですね」
「色々ありますよ! 猟兵さんのお口に合うかどうかわからないのでとにかく色々用意させていただきました!」
生徒たちが用意した軽食は、もはや軽いの域を越えて、豊富だ。
それぞれに地元の料理をプレゼンされ、摩那は思わず目移りしてしまう。
今は迷う時間も惜しい。なら、一通りいただくとしよう。
「それでは遠慮なく」
摩那が無意識に選んでいるのは、辛みの強いものばかりだった。何なら、持参した唐辛子で追い辛する。
見慣れぬ香辛料は、生徒たちにプチスパイスブームを起こした。
「いい機体ですね……」
整備班が、うっとりしている。
視線の先には、大正風味の紅葉機……『くれはカスタム』。
クロムキャバリア世界の技術をベースにしつつ、異世界の技術まで使用された、未知の機体。技術屋として興味がわかないわけがない。
「主武装はこのブレードですか?」
「ええ、私のユーベルコード次第でいかなる戦況にも対応できる優れものですよ」
紅葉たちの前、くれはカスタムの佩いた長大なキャバリア退魔刀は、抜刀の時を静かに待っている。
ひとたび鞘から抜かれれば、紅葉のユーベルコードを刀身に宿す。
繰り出される技の1つは、破魔と焼却の力持つ、必殺の【散り紅葉】。
強化されたオブリビオンマシンの装甲と言えど、キャバリアサイズで放たれるユーベルコードを受けてはひとたまりもあるまい。
「ああっ、その勇姿、早く見てみたいものですね! ……あ、校王陛下の救出もよろしくお願いします」
「ついでみたいに言ってるけど大丈夫ですか?」
「この国で一番のキャバリア好きは陛下ご自身ですからね、大丈夫ですよ」
理由になっているだろうか。
もっとも、紅葉も細かいコトにとらわれる方ではない。どんと胸を叩いて、
「安心してください、私は紅葉、いつも楽しい明日を夢見るハイカラさんですよ!」
その時、ざわめきが起こる。
「ああ、猟兵さんは見ていてください、戦闘を控える身でお手伝いしていただくわけには」
ひとしきり食欲を満たしたウィンディが、破損機体の修理や整備の手伝いに名乗りを上げたのである。
もちろん、整備班はそれを止めにかかる。
「遠慮は無用です。今一番惜しいのは、面子では無く時間の筈ですから」
ウィンディは、自身の技術を発揮し、キャバリアを調整、修繕していく。
その素人とは思えぬ手並みには、技師たちも思わず唸るよりほかなかったのである。
一通りキャバリアの準備が済んだところで、猟兵たちは、出撃準備に移った。
斥候役を買って出たウィンディは、他の皆に先行しての出撃だ。
自身はキャバリアには搭乗しないものの、サイボーグの頑健さならば問題は無い。
機械仕掛けの白翼を広げ、飛び立つ。
「I Have Control.ウィンディ・アストレイ、Take Off!」
サイキックエナジーによって生み出された推進力が発動する。
制空権を奪われたこの世界でも、地下ならば。
反撃の翼広げたウィンディが、夕陽煌めく地上を目指す。
白き勇姿を見送った後、続くのは、摩那たちキャバリア組だ。
「今度こそオブリビオンマシンを倒して国王を助け出しますよ、待っててください」
「オブリビオンマシンが逃げ出す前に、ここでしっかり食い止めましょう」
カタパルトに固定されたキャバリアのコクピット内で、士気を高める摩那と紅葉。
「進路オールクリア……発進、どうぞ!」
オペレーターが、摩那と紅葉を促す。
「こういう時に言う台詞、まだ決めてませんでしたね。とりあえず今回は暫定的に……『エクアトゥール』、出ます!」
「『くれはカスタム』、吉岡・紅葉、今日も元気に行きますよ!」
相次いで射出される、二機のキャバリア。
ゲートの如く展開した隔壁を越えてグラウンドの地下から、エクアトゥールとくれはカスタム、鋼の巨人が地上に出現した。
エクアトゥールが、夕陽とサイキックエナジー、2つの光の重ねで勇壮に輝けば。
くれはカスタムが、夕陽を背に負い、燃ゆる秋山の如く燦然と煌めいた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
パルピ・ペルポル
王様大丈夫かしらね…。
とはいえああ言ったということは確実にぶっ壊してくれってことよね。
なら今は王様を信じるとしましょう。
腹が減ってはなんとやら、は異論ないし。サンドイッチいただきましょ。
可能なら開発部の人間に新型機の能力と特徴を聞いておくかしら。
変異してるから役に立つかはわからないけど参考にはなるかもだし。
あとは整備してる様子眺めつつ時間潰しましょ。
多分他の皆とある程度足並みは揃えたほうがいいでしょうし。
まぁ普通は生身で使わないわよねカタパルト。
というわけで徳用(巨大)折り紙で紙飛行機折ってそれに乗って射出してもらうわ。
風圧はオーラ防御でなんとか耐えるわ。
仇死原・アンナ
アドリブ歓迎
あと少しだけど仕方ない…今は引き下がろう…
借りた機体…壊してしまってごめんね…
戻ってきたら機体を貸してくれた学園の人達に謝ろう
…いつ見ても機械の整備や修理って大変そう
次はなるべく壊さないようにしないと…申し訳ないや…
生徒のみんなも…ありがとうね…
軽食を口にして少しの間、休むとしよう
気を養え終えたら[継戦能力]を発揮して
装備を整えた別の量産型の機体を借りて
カタパルトから出撃するとしよう
今度は壊さないようにしないとね…それじゃあ行こうか…
ここでの言葉で言うなれば…
我が名はアンナ!処刑人、出るぞ!!!
【ゲヘナ・フレイム】で地獄の炎纏い出撃しよう…!
今一歩のところで撤退を余儀なくされた仇死原・アンナは、回収されたキャバリアを見つめていた。
戦闘の激しさを現わすように、その頑丈なボディは外装はもちろん、内部機構までボロボロになっている。
「借りた機体……壊してしまってごめんね……」
損傷具合を確かめる整備班の人たちへと、謝るアンナ。
「大丈夫ですよ、綺麗なまま戻ってきたら、ボクたちやることなくなっちゃいますからね!」
「そ、そういうもの……?」
アンナが戸惑ってしまうくらい、整備班の反応は明るかった。アンナを気遣った、というわけでもないらしく。
実際、「これはひどくやられたなあ!」などと悲鳴を上げつつ、その表情は誰もかれも活き活きとしている。
とは言え、部品交換がタダで出来るはずもなく、学園の会計的なところから怒られてしまわないかと、アンナは内心冷や冷やしていたりした。
「……いつ見ても機械の整備や修理って大変そう」
次はなるべく壊さないようにしないと……そう心に決めるアンナであった。
せわしなく作業を続ける整備班、そして、キャバリア整備の金属音を聞きながら。
パルピ・ペルポルは、地上に思いを馳せていた。
「王様大丈夫かしらね……」
心配である。
とは言え、あのように告げたということは、確実にオブリビオンマシンを破壊してほしいという意志表明でもあろう。
「なら今は王様を信じるとしましょう」
「そうそう、うちの王様は、そう簡単に死にやしませんよ」
生徒たちが、食べ物や飲み物を用意しながら、パルピに言った。
ずいぶんと気安い発言だが、小さな国ということもあり、王様との精神的距離が近いという事なのだろう。
「校王さまは、うちの校長先生でもあるんですよ」
「へえ、それならなんか納得」
「それより、どうぞ! 好きなだけ食べてってください」
生徒が並べたのは、軽食……というにはいささかバラエティに富みすぎではなかろうかというものだった。
「腹が減ってはなんとやら、は異論ないし。いただきましょ」
サンドイッチを手に取り、頬ばるパルピ。
さすがにフェアリーにとっては大きいが、それでもモリモリとお腹に収めていく様子を見て、生徒たちが目を丸くしていた。
「妖精さん可愛い……あっ、そちらの猟兵さんも、今のうちに体力回復させておいてください!」
「あ……」
修理風景を申し訳なさそうに見守っていたアンナにも、生徒たちから食事がすすめられる。
「……ありがとうね……」
もらった軽食を口にして、束の間、休息時間とする。
今のアンナの仕事は、来たるべき決戦に備え、力を蓄えることだ。
「あ、そうそう」
ひらひら、とパルピが飛んでいった先は、難しい顔をした大人たち……開発部の人間たちのところだった。
オブリビオンマシンと化した新型機について尋ねるためだ。
ベース機の能力や特徴を聞いておけば、来たる決戦にも役に立つかもしれない。
「ふんふん、サイキックキャバリアだったのね……」
さて、キャバリアを使う予定のないパルピは、整備風景を眺めて時間を潰す。
他の猟兵たちのキャバリアと足並みをそろえるため、出撃の時を待つのだった。
そして、再びアンナたちが戦場に立つ時間がやってきた。連戦だが、しっかりとした休息を得られたこともあり継戦に問題はない。
「では、こちらの機体をどうぞ! 先程よりもフレーム強度の高いタイプを用意させていただきました。ちょっとやそっとじゃやられませんよ!」
「……ありがとう」
早速キャバリアに搭乗したアンナは、カタパルトにセッティング。
先ほどとは別の機体、別の装備だが、心なしか動かしやすいような気がする。アンナの戦闘データを、こちらのキャバリアにも反映してくれたようだ。
「今度は壊さないようにしないとね……それじゃあ行こうか……」
「そろそろ行きましょっか」
パルピも準備にかかる。
とは言え、さすがに生身でカタパルトのお世話になるつもりはない。
徳用折り紙を使い、紙飛行機を折っていく。徳用と言っても、枚数の多さではなく、一枚当たりのサイズの方。
巨大紙飛行機をキャバリアの代わりに、カタパルトにセット。射出準備完了!
「では、発進、どうぞ!」
オペレートを担当する生徒から促され、アンナは気を引き締める。
「ここでの言葉で言うなれば……我が名はアンナ! 処刑人、出るぞ!!!」
「待ってて王様。小妖精が今行くわ」
パルピの小柄を押し潰さんとする風圧は、本人の代わりにオーラが受け止めて。
覚悟と殺意、二色に彩られた地獄の炎を纏いながら、鋼の騎士が行けば。
風を切り裂き、小妖精の駆る巨大飛翔体が、地上に降臨する。
其処に広がるのは、決戦場だ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
木元・祭莉
アンちゃん(f16565)もいるぜ!
え、休憩たいむ?
そっか、王様頑張ってるんだ!
じゃあお言葉に甘えてー♪
わあー、整備庫スゴいねー♪
女の子もいるんだ! カッコイイ!!
おいらの借りてた子ね、左肘のトコがちょっと……(話し込み)
え、お茶の時間?
あー。(コホン)
じゃあ、サンドウィッチと、ミルクティーをいただけますかな?
紳士の飲み物ですのでなあ!
……どうしたの杏。ボクはいま忙しいんだけどー?
ぐっばいモテ期。(ぐすん)
整備のお手伝い。試運転、必要なら言ってねー。
ん、改良モーション確認!(ひらり) 問題ないみたいだよー♪
最後、アンちゃんの焼き芋を一口チョーダイ♪
よっし、ぶっ飛ばして行こうー!(疾走発動!)
木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と
んむ。腹ペコは戦ができぬタイム、了解(こくり
お姉さん達に、ありがとうとぺこりとご挨拶して
まつりん、何を食……まつりん?
わかる、あの顔はモテ期を狙ってる顔(ジト目で眺め)
まぁよし、わたしのご飯の方が大事
ん、わたしはこれ。焼き芋…10本位ください
お姉さん達もご一緒にどうぞ?
オペレートも大変。裏方がいないと表が動けなくなると、おとうさんが言ってた
おつかれさま
校王さまや学園の皆のうっかり☆どっきり♪エピソードとか、日常の姿お聞きしてみたい
どの世界に住まっていても、根っこは一緒
ふふ、何だか嬉しいねまつりん(お芋半分こ)
食べたら出撃
大丈夫、くーるに変身して歌いながら、飛ぶ
戦闘をくぐり抜けたキャバリアと共に、地下に移動した木元・祭莉たちを、生徒たちが迎えた。
「学園を守ってくれた勇者の帰還だ!」
「おもてなせー!」
思わぬ歓迎にも、祭莉はしれっと適応。ふふんとドヤ顔で、
「アンちゃんもいるぜ!」
「もちろん」
きりっ。
木元・杏が、ちょっとクールビューティパイロット気味にポーズを決めて見せた。
他の猟兵たち同様、祭莉たちの元にも、生徒たちから食事のお誘いが来る。
「王様が喰いとめている間に、皆さんは戦いの疲れを癒してくださいね!」
「そっか、王様頑張ってるんだ! じゃあお言葉に甘えてー♪」
軽食並ぶテーブルに向かいながらも、祭莉の興味と視線は、整備庫の方に向いている。
「わあー、整備庫スゴいねー♪ 女の子もいるんだ! カッコイイ!!」
先ほど借りた格闘スーパーロボの修理を頑張る女子生徒に、祭莉はとっとこ駆け寄った。
「おいらの借りてた子ね、左肘のトコがちょっと……」
「ふんふん、なるほど。それならタイトに調整して……」
「それとね、おいらの利き腕に合わせて……」
キャバリア談議に花を咲かせる祭莉を眺めていた杏に、生徒から声が掛けられる。
「早く食べないと無くなっちゃいますよ! 他の猟兵さんにもいっぱい食べてもらいましたし!」
「んむ。腹ペコは戦ができぬタイム、了解」
こくりと頷き、杏は、お姉さん達に、ありがとうとぺこりとご挨拶。
キャバリアとお姉さんに夢中な祭莉は放っておいて。
先にお食事タイムに突入する杏。目ざとくお肉サンドを手に取り、お茶とともにいただく。
「まつりんも、そろそろお食事する」
「え、お茶の時間? あー」
「まつりん、何を食……まつりん?」
杏、怪訝。
祭莉は、女子たちを前にして、コホン、とそれっぽく咳払い。
「じゃあ、サンドウィッチと、ミルクティーをいただけますかな? 紳士の飲み物ですのでなあ!」
「…………」
「……どうしたの杏。ボクはいま忙しいんだけどー?」
きりりっ。
今の祭莉は、まつりんではない別の何かになっていた。
「わかる、あの顔はモテ期を狙ってる顔」
双子の兄を、ジト目で眺める杏。
「まぁよし、わたしのご飯の方が大事。ん、わたしはこれ。焼き芋……10本位ください」
「……10本」
「10本」
こくり。
「まつりんも変な顔してないでさっさと食べる」
「あー!! ぐっばいモテ期」
えいっ、と杏から口にサンドイッチを詰め込まれる祭莉。ハムサンドは、涙のせいか、ちょっぴり塩気強めで。
ともあれ、ひとしきり美味しいものをいただいた祭莉は、改めてキャバリアと整備チームの元へ。
「試運転、必要なら言ってねー」
「それじゃあ、1つお願いしようかな」
解放されたコクピットにひょいっ、と飛び込むと、祭莉はエンジン起動。
パンチにキック。
レスポンスや技の速度は、先ほどよりずいぶん向上している。
「ん、改良モーション確認! 問題ないみたいだよー♪」
ひらりっ、と床に降りながら、ぐっ、と親指立ててみせる祭莉。
一方、杏は、まだまだもくもくとお芋を頬張りながら、生徒たちに話しかける。
「お姉さん達もご一緒にどうぞ?」
「え? 私たちは猟兵さんの後。残ったらいただきますよ?」
遠慮する生徒たちに、杏はふるふると頭を横に振って、
「オペレートも大変。裏方がいないと表が動けなくなると、おとうさんが言ってた」
「それならお言葉に甘えて……」
みんなで食べる食事は美味しい。
ついでに、校王の学生時代の武勇伝や、生徒たちのキャバリア世界ならではの学園エピソード……女子寮にキャバリアで乗り付けてのエクストリーム告白とか……日常の話を聞く杏。
戦火に包まれた世界でも、学園生活は楽しかったり大変だったりするもので。
「どの世界に住まっていても、根っこは一緒。ふふ、何だか嬉しいねまつりん」
「うん♪ あ、焼き芋一口チョーダイ♪」
戻って来た祭莉の口に、杏が半分に割った焼き芋を、しゅーっ。
さてさて、乗り手もキャバリアも、メンテナンス完了。
くるりっ、と杏が歌を口ずさみながら身を回すと、クールビューティが顕現した。
整備完了した灰兎キャバリアに搭乗すると、カタパルトで出撃体勢。
「よっし、ぶっ飛ばして行こうー!」
祭莉機・改が噴き上げた白炎を推進力に変え、地上を目指す。
その横を並んで行く杏。クールビューティが通り過ぎた後には、桜の花びらが舞い散っていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 ボス戦
『セラフィム・リッパー』
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POW : 断罪の剣
【無敵斬艦刀】が命中した対象を切断する。
SPD : エンジェルビット
自身が装備する【BS-Fクリスタルビット】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ : フォールンウイング
【光の翼】を向けた対象に、【プラズマビーム】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
校門前にそびえたつオブジェを、キャバリアの部隊が取り囲んでいた。
人型のオブジェの正体は、オブリビオンマシンだ。
校王の強靭なる精神力により、かろうじて停止状態を保っていたそれが、遂に戒めを破る時が来た。
「うっ、動くぞ!」
警戒・監視のため配備されていた学園のキャバリアたちが、盾を構える。
『我、罪を断つ剣なり……!』
「……校王陛下!?」
殻の如く硬化していた外装が剥がれ落ち、進化した機体が露わになる。
『天に徒為す愚者たちよ。我が審判を受けよ!』
「うわああっ!?」
キャバリアたちが、一斉に弾き飛ばされた。オブリビオンマシンの操る、遠隔操作ユニットだ。
背に光翼、頭上に天輪。舞い散るは光の羽根。
赤き悪魔が、白銀の天使として新生していた。
オブリビオンマシンが、校王の意識を完全に支配した証である。
『見よこの力。我が裁きを覆すものなし!』
「くそっ、学生時代、キャバリア操縦者としてのあまりの強さに『学園の悪魔』と称された校王陛下が、容赦を捨てた以上、我が国にかなうものなど……!」
一撃で半壊したキャバリアたちに、絶望が蔓延する。
だが、希望は……ある!
「あれはっ!」
夕陽に輝く、数多の勇姿。
猟兵たちだ。
街へのルートを塞ぐように布陣した猟兵たちと、オブリビオンマシン『セラフィム・リッパー』が睨み合う。
断罪の天使を討ち、王を救うための決戦が、幕を開ける。
吉岡・紅葉
あの機体、あれがオブリビオンマシンの本気モードと
いうわけですか。
このくれはカスタムがどこまで通用するか、あなたの
力をみせてください!
キャバリア退魔刀を抜いて、真っ向勝負です。
強敵が相手でも、基本に忠実にいきますよ。
しっかり敵の太刀筋を見極めて《武器受け》し、
《重量攻撃》で《破魔》の力を込めた斬撃を叩き込みます。
確かに攻撃は速く、重い…だけど校王様、
心ここにあらずですね。断罪の言葉も、
言わされてる感が漂ってますよ。
青春の日々を送った、愛する学園の破壊が、
あなたの望みなんですか!?
と、わずかに残った彼の自我に《情熱》を込めて
訴えますよ。
私の燃えるハートを受け取ってください。
奥義、【散り紅葉】!
損傷した学園キャバリアの撤退を援護しながら、吉岡・紅葉は、真なる敵の姿を見据えていた。
「あの機体、あれがオブリビオンマシンの本気モードというわけですか」
名をセラフィム・リッパーと、形状を天使のそれと改めたマシンは、先ほど紅葉たちが一戦交えた赤の機体とは、まるで違う。
重戦士の荒々しかった挙動も、洗練されて騎士を思わせるものへと変わっている。
だが、違うのは紅葉も同じ。
「このくれはカスタムがどこまで通用するか、あなたの力をみせてください!」
抜刀と共に、鞘よりほとばしる、紅の閃光。
くれはカスタムがキャバリア退魔刀を抜き、真っ向勝負を挑む。
剣にビット、光の翼……たとえ強敵が相手であろうとも、紅葉の戦い方は変わらない。基本に忠実に行くだけだ。
迎え撃つリッパーが、斬艦刀を頭上で回す。
『我が裁きの前に敵無し!』
紅葉は見た。リッパーが繰り出す、天罰の如き一撃を。
人間大の敵が繰り出す太刀筋とは、大きさからして異なる。だが。
『何っ!?』
甲高い金属音と、衝撃波が巻き起こる。
リッパーの一刀は、くれはカスタムの退魔刀によってしかと受け止められていた。
専用キャバリアという、新たな力。それは、手足に匹敵するほど自身の意思に素直に応え、技1つ1つに強じんさを与えてくれる。
「確かに攻撃は速く、重い……だけど校王様、心ここにあらずですね。断罪の言葉も、言わされてる感が漂ってますよ」
相手の剣圧を押しとどめながら、紅葉が訴えかける。
「青春の日々を送った、愛する学園の破壊が、あなたの望みなんですか!?」
『ッ!?』
紅葉の熱量溢れる言葉に、リッパーの圧が弱まった。
そして紅葉は、退魔刀を引く。つばぜり合いの拮抗を自ら崩すと、相手が前のめりになった瞬間を狙い、キャバリアによる舞いを披露する。
「さあ、私の燃えるハートを受け取ってください。奥義、【散り紅葉】!」
炎熾す退魔刀。
くれはカスタムが力強い前進とともに、機体を回す。
遠心力も加えた斬撃が、リッパーの胴に叩きこまれた。
刀を振り切る。
溢れた剣圧の余波が、周囲に風を巻き起こす。それに乗り、燃ゆる紅の葉が学園を彩った。
成功
🔵🔵🔴
黒木・摩那
専用機も来たし、お腹も満たしました。
どちらも燃料満タン、準備万端です。
これだけしていただいたのなら、校王を無事に取り返さねばいけませんね。
『エクアトゥール』発進です。
UC【トリニティ・エンハンス】で盾に【火の魔力】を付与して、攻撃力を高めます。
ホバーでジグザグ移動して、狙いを逸らしながら、大型盾を前面に出して突進【ダッシュ】。相手の攻撃を受け流しつつも、盾先端のビームサーベルから【先制攻撃】を仕掛けます。
防御は【第六感】とスマートグラスのサポートで対応します。
校王様、もう一度起きてください!
『さあ、我が神罰を受けよ!』
セラフィム・リッパーのカメラアイが、街を照準に収める。掲げた手に従い、ビットが往く。
だが、破壊は、巨大なる盾によって全てが防がれた。
黒木・摩那の専用機『エクアトゥール』だ。
前面に展開していたシールドの陰から、その勇姿を敵に示す。
『我が断罪の剣ならば、そちらは罪人を守る盾という訳か』
ぶぅん!
校王の声と共に、リッパーの剣が抜き放たれた。戦艦をも断つ刃だ。
「弱さは罪、とでも言うつもりですか。ですが、やらせませんよ」
専用機の到着、そして、摩那のお腹も満たされた。どちらも燃料満タン、準備万端。
「これだけしていただいたのなら、校王を無事に取り返さねばいけませんね」
『その願いは塵となる。新世界の礎となれ!』
リッパーの足が地を離れ、光翼の推進力に手、突撃を敢行した。
対するエクアトゥールが、初陣に臨んだ。ホバリングで斬撃を回避。不規則な動きで、敵機の狙いをかわしていく。
二機による、機械仕掛けのダンス。
「この機動、調整は完璧です。これならいけます!」
『しかしその性能とて、避けているだけでは!』
リッパーが、渾身の斬艦刀を繰り出す。
エクアトゥールの盾が、炎に包まれた。摩那の魔力を受けて、攻性防壁と化す。
そのまま盾を前面に押し出し、リッパーの攻撃の渦中に飛び込む。
燃え盛る炎盾が、超重の斬撃を受け流す。
『我が無敵の剣を……!!』
摩那は、機体性能だけに頼っているわけではない。
自身の戦闘経験で培われた第六感、そして、スマートグラスに表示されるデータを瞬時に解析しながら、敵の攻撃パターンを加味し、突撃をタイミングをうかがっていたのだ。
『狙いはわかっている! だがシールドバッシュは成立させん!』
校王の読みは外れた。
リッパーを襲ったのは、面による衝撃ではなく、点による貫通撃。
エクアトゥールのシールドが、先端から光の刃を繰り出したのだ。
『これは……世に聞くビームサーベル!?』
予想外の攻撃にリッパーは対処できず、腹部装甲を貫かれた。
「校王様、もう一度起きてください!」
摩那が、堕天使の囚われ人に呼び掛けた。
大成功
🔵🔵🔵
八岐・剛牙(サポート)
竜神の悪霊×神器遣い、42歳のおっさんです。
普段の口調は「気さくなおっさん(おら、お前さん、だ、だべ、だべさ、だべ?)
真剣な時は 竜神(我、お主、言い捨て)」です。
日常・冒険では気さくな感じで一般人に話しかけたり、コミカルな感じな行動をとります。
集団戦・ボス戦では竜神口調となり竜神の威厳を見せながら前衛に立ち、敵に神罰を下すと言う気持ちで敵と戦います
両肩、両手、両足、尻尾に有る竜の頭はコブみたいな物でユーベルコードを使うと八岐大蛇の本能が解放されて手足の様に操る事が出来ます。
『我が一刀が、世界を浄化する!!』
乗り手たる校王と一体となり、その意識を支配したオブリビオンマシン……セラフィム・リッパー。
その剣が、逃げ遅れた学園キャバリアへ牙を剥く。
だが、彼らが鋼の骸となる事は、ない。
『!?』
四散する斬撃。
「審判を下すとは……なんと傲慢な」
轟く雷鳴と共に現れたのは、八岐・剛牙(竜神の悪霊・f28093)であった。
身長こそオブリビオンマシンの半分にも届かぬものであるが、纏いし神器、何より剛牙自身より放たれる竜の神威が、その存在を何倍にも大きく見せていた。
「その傲慢こそがお主の罪。偏った思想で世界を断罪せんとするならば、我が竜神の名に懸けて神罰を与えよう」
『獣の姿の偽神め……不敬である!』
この国最強クラスのキャバリア使いを内包した天使機が、剛牙の竜氣を裂いて接近。両者の刃が、巨人サイズの火花を散らす。
一度切り結んだあと、距離を取りながら、リッパーが光の牙を放った。
牙の正体は、BS-Fクリスタルビットだ。装甲から分離、複製された小型攻撃ユニットが、剛牙を、四方どころか八方から攻撃する。
ビットは、リッパーの眷属の如く、意志を持ち、自在に戦場を乱舞する。全てを読み切ることは至難だと思われた。
だが、剛牙が動じる事はない。
両肩に四肢、そして尾。その先端の竜頭が同時に吠えると、クリスタルビットに牙を剥いた。
それぞれが手足の如く動き、ビットの迎撃にかかったのだ。
飛翔するビットを噛み砕き、竜の光息で焼却する。
剛牙の体へとたどりつくビットは1つとしてない。それどころか。攻撃の余波す通さず、背後の街は、無傷のままだ。まさに守護竜の様相である。
剛牙の八咫鏡がビットの集中攻撃を跳ね返し、天叢雲剣がそれを両断する。
10秒にも満たない攻防の中、全てのビットは、爆音を響かせ破壊された。
『我が裁きを拒むと言うのか!』
「神を気取る愚か者。我が竜の神威を受けよ」
剛牙の全身から、竜の気が噴出した。先ほどよりも更に高密度のそれは、リッパー本体を威圧し、その場につなぎとめる。
そして、剛牙が突撃する。
美術品と見まごう結晶の装甲へと、天叢雲剣が突きこまれた。
成功
🔵🔵🔴
ウィンディ・アストレイ
※アドリブ&絡み連携OK
「この姿を披露するのは、久しぶりになりますね…」
白い全身鎧を纏った長躯の様な真の姿へ変身
(ブラスターテッカマンブレードやサイバスターがイメージ)
ボク…私はその辺の、全身を楽に隠せる大きさの残骸を掴み上げ
それをブラインドにしつつ高速の匍匐飛行で接近
楯と遮蔽物兼囮にした残骸を敵が斬り伏せている間に
私自身は敵に隣接、一気に上昇して敵頭部に取り付き
振動波の出力を高めておいた【選択UC】で、敵頭部破砕を狙います
(以上、戦闘知識&空中戦&ダッシュ&怪力&盾受け&カウンター&力溜め&鎧無視攻撃&鎧破壊)
「ここを失ってしまえば、少なくとも。
センサ系の大半は、使い物にならないでしょう?」
仇死原・アンナ
アドリブ歓迎
…天使!?
だが…所詮は天使の皮を被った悪魔に過ぎぬ…!
今度こそ…王を救う為にもあの堕天使を叩き落す!
引き続き借りた機体を操縦しながら[ダッシュ]で駆け回ろう
大剣での[武器受け]で防御しながらも
敵の攻撃を[視力で見切り]つつ回避しよう
攻撃の隙見て鞭を振るい[ロープワーク]で手首に引っ掛け[捕縛]し
勢いよく[怪力]で引っ張り[体勢を崩そう]
【炎獄殺】で機体の手足に地獄の炎を纏わせよう
獄炎纏う手刀を振るい[武器落としと切断]で武器持つ腕を叩き斬り
獄炎纏う回し蹴りを喰らわせて[鎧砕きによる部位破壊]で
頭を蹴り[吹き飛ばし]、敵機の息の根を止めて王を救い出そう…!
キャバリアやユーベルコード……持てる力を振るい、自らを阻む猟兵たちに、セラフィム・リッパーは抑え込まれていた。
そして今また、疾風の如く飛来した白き機影により、その機体を弾かれる。
低空飛行から反転、急制動をかける機影……ウィンディ・アストレイ。
「この姿を披露するのは、久しぶりになりますね……」
その真なる姿は、白い全身鎧を纏った、すらりとした長躯。鋭角的かつ流麗なスタイルが織りなす美しさを備えている。
『キャバリア……ではない? だが、機械仕掛けならば!』
始まる、白き甲冑と天機人の戦い。
仇死原・アンナが再び合いまみえたオブリビオンマシンは、その姿を大きく転じていた。
光翼を広げ、中空に君臨するその姿は。
「天使!? だが……所詮は天使の皮を被った悪魔に過ぎぬ……!」
キャバリアのカメラアイ越しに、アンナが敵を睨む。
「今度こそ……王を救う為にもあの堕天使を叩き落す!」
『堕したるは人間の方! ゆえに誰かが選別し、裁かねばならんのだ!』
風すら巻き起こしてアンナへと振るわれる斬艦刀を、割り込んだウィンディが阻む。
一刀のもとにキャバリアすら断つ、豪快なる太刀筋……先ほどのオブリビオンマシンよりも、洗練され、速度の増した技だ。マシン自身の進化、そして、校王の操縦技術の反映であろう。
ウィンディは、視線と思考を高速で巡らせる。
操縦者が脱出し、破棄された学園キャバリアを掴みあげると、それを遮蔽とした。
ウィンディを援護すべく、アンナ機がリッパーの周囲を駆け回る。
キャバリア用大剣をかざし、敵の猛攻をガード、或いは回避し、反撃の機をうかがう。
しかし、大質量の斬艦刀と打ち合い続ければ、押し込まれるのはアンナの方。
『もはや抗う力を失った鉄屑に頼るとは!』
斬!
裂帛の気合とともに、リッパーがキャバリアの残骸を両断した。ウィンディももろともに断ち切られた……。
否。
『手応えが無い、だと!?』
残骸は、盾であると同時に、囮でもあった。そこにウィンディがいる、という刷り込みが、リッパーの注意を縛り付けていたのだ。
『ならば……後ろか!』
リッパーが察知した時には、ウィンディが死角から高速接近していた。
斬艦刀に阻ませる隙を与えず、一気に頭部に取りつくと、溶断破砕を起動する。
「一撃必倒……バニシング・フィンガーッ!」
迸る輝光が、リッパーの、そして校王の視界を染め上げる。
最大出力の振動波が、リッパーの頭部を襲った。
零距離から必殺を浴びたリッパーに、なすすべなどなかった。頭部装甲を突破され、爆砕する。
「ここを失ってしまえば、少なくともセンサ系の大半は、使い物にならないでしょう?」
破砕の衝撃を反動として生かし、彼我の距離を取るウィンディ。
『まだだ! たかがメインカメラをやられたにすぎん!!』
爆煙を振り払い、ウィンディたちに再び姿を晒したリッパーの頭部はひしゃげ、禍々しき容貌へと変化していた。
それでも、宣言通り、リッパーの攻勢は衰えない。
長大かつ超重の斬艦刀を、軽々と振るうリッパーが、アンナ機を圧倒する。
だが、アンナ機に搭載された兵装は、剣だけではない。
『一刀にて切り伏せん!』
豪風を伴い、斬艦刀を振り上げるリッパー。
攻撃が一瞬止んだ瞬間を突き、アンナは腰部に懸架していた装備……ロープを投じた。
センサーが万全であれば、或いはその動きを察知できたかもしれない。
『このような縄如き!』
特殊金属で編まれたロープは、アンナの操作により、リッパーの手首を拘束した。そのまま、鋼のりょ力をもってして、敵機を自らの側へと引き寄せた。
体勢が、崩れた。
アンナはその機を逃がさない。大剣を手放すと、四肢から炎を噴出させた。罪人を焼き尽す、地獄の炎だ。
獄炎を纏った手刀が、斬艦刀を持つ腕を切断した。
『な……!』
武器と腕を喪失した事で、更に機体バランスが崩れる。だが、アンナの容赦が途切れることはない。
アンナ機の双眸からもほとばしる獄炎が、虚空に緋色の軌跡を描き出す。
続けて繰り出した回し蹴りが、リッパーの頭部へと命中した。堅牢なる装甲も、獄炎の前では等しく責め苦を受けるしかない。
「はあああああッ!!」
そのままアンナが、気合を発して蹴り抜けば、敵の機体が吹き飛ぶ。
二転、三転。地面でバウンドを繰り返したリッパーが、学園を囲う壁面と激突した。
「オブリビオンマシン、戦乱の火種を広げさせはしません」
「王は返してもらおう……!」
校門の門柱に着地するウィンディと、アンナのキャバリアが、リッパーを追いつめる……!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と
灰兎のコクピットから飛び出し、くるんと回転してうさの掌へ
や・ぶ・さ・か!
くーる杏、見参!
灰兎も一緒にびしっと決め☆
さあ、校王さま
あなたに届けるこの歌を聞いて
歌うはこの学園の校歌
ふふ、雑談の時教えてもらった
くーる杏の姿は、そう、学園の女子用学制服
意識を完全に支配した?ありえない
だって、学生時代の青くてすっぱい春の思い出は何者にも勝るとお姉さん達も言ってた
さあ校王さま、あの頃のように
多分きっとやったことあるエクストリーム告白のときの気合で
さあ、来い!
光の翼が向いたら灰兎は跳躍で逃げ足しビー厶回避
その勢いでわたしもリッパー目がけ飛び上がり、歌いながら怪力パンチ!
木元・祭莉
アンちゃん(f16565)とやぶさか☆2、発進ダー!
ふわり着地。
ポーズ、ヤ・ブ・サ・カ改!(しゃきん)
スノウマンマツリン、見参!!(しゅいーん☆)(舞う白雪は紙吹雪)
斬艦刀に、羽根があって、ビーム撃つ。
鳥っぽい! 強そう!
相手に取って不足なし。いざ、尋常に勝負!!(格闘の構え)
機動力の高い機体。
懐に飛び込む前に、距離を取られちゃう。なら。
どこまでも追ってみせるよ!(ダッシュ)
後退されても、構わず踏み込み。臆さず正面から真っ直ぐ。
ビットやビームは新武装のスノウシールドで受け止め、そのまま体当たり!
斬艦刀の一撃は、左の肘関節で白羽取り。
両手剣は、脇が弱点なんだって!
ゼロ距離・灰燼拳を喰らえー!
2つの機影が、セラフィム・リッパーの前に降って来る。
ふわり、と着地する木元・祭莉と、木元・杏のキャバリア。
そのまま、キャバリア・灰兎のコクピットから飛び出す杏。空中でくるんと回転して、うさの掌へ。
しゅたっ、と着地、すっ、と立ち姿を披露して、
「や・ぶ・さ・か!」
きらんっ☆
「ポーズ、ヤ・ブ・サ・カ改!」
しゃきん!
「くーる杏、見参!」
「スノウマンマツリン、見参!!」
しゅいーん☆
灰兎も一緒にびしっと決め☆
やぶさか2☆with灰兎!
祭莉たちのバックに、華麗に舞う白雪。……実は紙吹雪。
『派手な趣向、しかし我を止めるには実が伴わなくてはな!』
リッパーから、校王の声が響く。その口調からは、先ほどとはうってかわって、傲慢さに満ちている。
武器は斬艦刀、背には光の羽根、そしてビーム。
「鳥っぽい! 強そう!」
三拍子揃ったセラフィム・リッパーの勇姿に、思わず興奮する祭莉。
「相手に取って不足なし。いざ、尋常に勝負!!」
キャバリアが構えを取る。祭莉とメカニックさんの共同調整により、そのモーションはより洗練されている。
祭莉が戦端を開く中、杏も、自らの戦いを開始する。
「さあ、校王さま、あなたに届けるこの歌を聞いて」
奏でられる、旋律と歌詞。
リッパーの仮面のような顔に、動揺の色が確かににじんだ。
杏が戦場に響かせる歌の意味、オブリビオンが知らずとも、乗り手は知っている。
『この歌は……何故! 何故猟兵が学園の校歌を!』
「ふふ、雑談の時教えてもらった」
得意げに種明かしをするくーる杏の装いは……そう、学園の女子用学制服。
「意識を完全に支配した? ありえない。だって、学生時代の青くてすっぱい春の思い出は何者にも勝るとお姉さん達も言ってた」
『ぐ……』
不意にリッパーの動きが乱れ、スノウマンマツリンのキックをまともに喰らった。
杏の歌が、言葉が。校王の記憶に眠る数々の思い出……思い出したくないものも含めて……を呼び覚まし、オブリビオンの支配を弱めたのだ。
『我が使命は、この世界を浄化すること……!』
「ホントにそう思ってるー?」
スノウマンマツリンが強く踏み込み、リッパーへと蹴りかかる。
『……なかなかの機体と見た。だが、機動力ならばこちらも負けてはいない!』
再びオブリビオンに思考を狂わされた校王が、地面を滑るようにして、祭莉の攻撃をかわしていく。
「むむ、懐に飛び込む前に、距離を取られちゃう。なら」
ぎんっ。キャバリアのカメラアイが、祭莉の気合に呼応して、光を放つ。
「どこまでも追ってみせるよ!」
素早く後退するリッパーに、追いすがる祭莉。
回り込んだり、フェイントを混ぜ込んだり、搦め手はあえて用いない。反撃を恐れず、真正面から突撃していく。
そんな真っ直ぐな祭莉の拳が、一介のキャバリア乗りとしての誇りを。
そして杏の歌唱が、本来の使命を、校王に思い出させる。
「さあ校王さま、あの頃のように。多分きっとやったことあるエクストリーム告白のときの気合で」
『な、私の黒歴史まで……!』
「さあ、来い!」
受けて立つ構えの杏。
愛らしい制服に、一瞬、番長スタイルの長ランが重なって見えたのは幻覚だろうか。
『ならば、全身全霊をこめて! 今! 応えよう!』
リッパーが、光翼を広げる。
迸る光。励起したプラズマ光線の群れが、杏を包み込むように放出される。
ヒット、爆発!
だが、着弾の寸前、灰兎は地面を蹴り、大跳躍で空中へと逃がれていた。
灰兎はオートパイロット機能に任せ、杏は、大きな掌からリッパー目がけ飛びこんだ。
紡ぎ続ける校歌に乗せて、怪力パンチ!
リッパーの巨体が、地面に沈み込む。打撃の余波は、桜の花弁へと転じて、空へと舞い上がる。
杏は、自らが作り上げた小型クレーターの中心にいるであろう、リッパーをうかがう。
「……やった?」
「アンちゃんそれ、言っちゃダメなやつー!」
「あ」
祭莉の警告と同時、地面からビームが撃ち出された。身を起こしたリッパーが、光翼を暴走させたのだ。
もはや出鱈目に放たれるそれを、スノウマンマツリンは、スノウシールドで受け止め。光の飛沫を上げながら、敵との間合いを詰める。
「届いた!」
キャバリアの体当たりを喰らい、リッパーが体勢を崩す。
しかし敵もさる者。強引に斬艦刀を構え直すと、突きを繰り出す。
『叩き潰すだけが、斬艦刀の能ではない!』
だが。
斬艦刀の一撃は、左の肘関節を使った白羽取りによって止められていた。
「両手剣は、脇が弱点なんだって!」
『なんという操縦技術……!』
「ゼロ距離・灰燼拳を、喰らえー!」
リッパーの顔面に、鋼の拳がめり込んだ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
パルピ・ペルポル
さーてお待たせしたわね。
それじゃ王さまを返してもらうわね。
空中で巨大紙飛行機を有為なる写しで増やしてつっこませるわ。
以前徳用(巨大)折り紙を通常サイズに切って作った千羽鶴ならぬ万羽鶴を取り出して、これも有為なる写しで増やして群がらせるわ。
細かい操作は万羽単位でしか出来ないけど、敵がいれば勝手に攻撃してくれるしね。
クリスタルビットの対処も万羽鶴で行うわ。
そちらに気をとられてる隙にこそっと相手の背後にまわって。
関節部に穢れを知らぬ薔薇の蕾を投げて動きを阻害したところに関節部に雨紡ぎの風糸を巻きつけて切り落とすわ。
しかしオブリビオンマシンでもパイロットの有無で変わるのね…。
天の祝福を受けたかのように、セラフィム・リッパーの損傷が復元していく。
だが、ダメージそのものが回復したわけではなく、あくまで戦闘行動を継続するために体裁を整えたに過ぎない。
稼働限界を迎えつつあるリッパーに、未確認の飛行物体が次々と襲い掛かった。
「さーてお待たせしたわね。それじゃ王さまを返してもらうわね」
複写のユーベルコードで作り上げた、巨大紙飛行機部隊を率いるパルピ・ペルポルが、リッパーを駆る校王に声を投げかけた。
『数は多くとも、このサイズならば捉える事は容易い!』
リッパーは残像すら生んで、紙飛行機の編隊をかわしていく。
「なら、これでどう?」
リッパーの機体が揺らいだ。
『今度は……小型だと!?』
新たにリッパーに群がったのは、無数の小型折り鶴。
以前パルピが徳用折り紙をわざわざ普通サイズに切り分けて織り上げた、千羽鶴ならぬ万羽鶴たちだ。
これならば、舞い飛ぶ鶴を視界に捉える事は至難。仮に補足できたとしても、全てに対処する事はかなうまい。
もちろん、パルピとて全てを個別に操作するのは不可能。けれど、『利口』な折り鶴たちは、敵がいるとなれば、勝手にそちらに向かってくれる。
『こちらにも手はある!』
機体から分離したクリスタルビットが、空中で複写され、射出された。
執拗にとりついてくる折り鶴の大群を薙ぎ払っていく。
『猟兵は……後ろか!』
「気づくなんて流石ね。けど」
リッパーが折り鶴の対処に集中していた隙に、パルピはマシンの背後に回っていた。
「チェックメイト、よ」
とっさに剣を抜こうと動かそうとしたリッパーの腕が、しかし、
『動かない……!?』
関節部には茨。パルピの投じた『穢れを知らぬ薔薇の蕾』が、可動部を封じていたのだ。
続けて、閃く銀光。『雨紡ぎの糸』に切り落とされた腕が、地面に落下する。
即座に、再生を試みるリッパー。
だが、限界を越えたその機体は、復元どころか自壊していく。
『滅びをもたらす我が朽ちる、いうのか……!?』
パルピは、壊れゆくコクピットから空中に投げ出された校王を、巨大紙飛行機でキャッチ。
「しかしオブリビオンマシンでもパイロットの有無で変わるのね……」
パルピの呟きが終わると同時。
セラフィム・リッパーが爆散、炎の柱を上げた。
かくして、学園を襲ったオブリビオンマシンの暴走は無事、食い止められた。
守り切った学園と街を背にした猟兵たちの勇姿は、校王、そしてスクーデリオの人々の心に強く焼き付いたに違いない。
だが、これでオブリビオンマシンが根絶されたわけではない。
全てが駆逐されるその日まで、キャバリア乗りたち、そして猟兵たちの戦いは……続く。
大成功
🔵🔵🔵