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幽霊は厄災と死の黒曜を引き連れて

#クロムキャバリア

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#クロムキャバリア


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 無数に分裂した小国家同士が、人型兵器「キャバリア」を駆って生産施設「プラント」を奪い合う荒廃した世界……クロムキャバリア。
 100年近くも続く戦乱は、「オブリビオンマシン」として蘇ったキャバリアが搭乗者を破滅的な思想に狂わせ、戦火を拡大されているからである。
「また、すごい世界が発見されたわね……」
 セレイン・オランケット(エルフの聖者・f00242)は新世界の状況を簡単に猟兵達へと伝える。
 倒すべきは、オブリビオンとなったキャバリア。それを倒すことで、パイロットを救出し正気に戻すことができる。
 キャバリアは基本全長が5mほどあり、こちらも現地の小国家からキャバリアを借りて攻撃することができるが、苦手であれば生身で戦うことも十分可能だ。
「現地の人からすれば、皆は凄腕のパイロットとか、生身で戦う超人といった認識のようよ」
 いずれにせよ、どの小国家の人々も猟兵達を歓迎してくれるので、彼らに応えてオブリビオンマシンを撃破したいところだ。

 さて、今回はネアリスと呼ばれる小国を、侵略してくる隣国ベオラードのキャバリア部隊から守ってあげたい。
「部隊は第一波、第二波と分かれていて、それぞれ同一のオブリビオンマシンで統一されているわ」
 第一波は両腕に大型ガトリングガンを装備した強襲型オブリビオンマシン『ファイアディザスター』の部隊だ。
 装甲こそ薄いこのファイアディザスターだが、高い機動力と攻撃力を持っていることから、「赤い厄災」とも呼ばれている。
「第二波はコクピットの堅牢さと武装の換装による拡張性が特徴的な、『オブシディアンMk4』ね」
 セレインもロボットはやや苦手分野とあってか、情報をそのまま読んでいる部分もあったようだ。
 それでも、なんとか把握しようとしながら説明する彼女が言うには、長らく続く戦乱によって、様々なカスタム機や後継機、量産機などがつくられ、オブリビオン化したとのこと。
 マーク4ともされるこの機体、力あるとされる黒曜石の名もあり、「死の黒曜」と呼ぶ者もいるとか……。
「第二波のパイロットとなる兵士達は、第一波の人達の関係者のようね」
 少し険しい顔をするセレイン。つまり、今回の首謀者は第一波が壊滅した場合、第二波のオブリビオンマシンが強化されるよう部隊を編成していたのだ。
 不幸にも命を落としたパイロットが要れば、その関係者であるパイロットは狂気にのまれてパワーアップしてしまう。
「できるなら、最初に交戦するパイロットは助け出してあげたいわね」
 救助できれば、第二波のパイロットに助けた者の言葉を伝えることができる。戦いにおいてプラスとなるのは間違いない。
 全てのオブリビオンマシンを撃破すれば、首謀者が乗る『モノアイ・ゴースト』を相手にすることとなる。
 射撃能力に長けるこのマシン「一つ目幽霊」は、肩部シールドからバリアフィールドを発生させることもあり、高い生存力も誇る。
「この首謀者もまた、オブリビオンマシンに正気を奪われてしまっているわ」
 元々は正義感溢れる人間だったという報告もある。卑劣な手を使って侵略してくる相手だが、それもまたオブリビオンマシンの影響とのことだ。
「出来れば、この人も助けてあげてほしいの」
 この世界の悪はマシンであって、人間ではない。
 それを踏まえて戦いに向かってほしいとセレインは猟兵達へと伝え、説明を締めくくったのだった。


 遺失技術で建造された「プラント」。
 これを数千とも数えられる小国家がキャバリアを使って奪い合うのがこの「クロムキャバリア」である。
 小国家の一つ、ネアリスにもプラントが存在し、人々がその恩恵に預かりながら生活をしている。
 ここに住む人々は敷地から出ることもままならない。
 一歩外に出れば、オブリビオンマシンが闊歩する戦地。生身で足を踏み入れることはすなわち死を意味する。
 ネアリスにもキャバリアは存在するが、乗り手が十分でないこと、オブリビオンマシンかどうかを判別できないことから放置されていたキャバリアも多かったようだ。

 そんなネアリスへと侵攻を仕掛けてきていたのは、隣国ベオラードのキャバリア部隊だ。
 赤と黒の機体を多数従えるのは、『モノアイ・ゴースト』と呼ばれる指揮官機に乗る30代の男エカルトだ。
「ハハァ、奪え! プラントを奪い、住民は皆捕らえて下僕としろ!」
 元々、正義感の強い青年だったともいわれているが、昨今は乗り込んだキャバリア……オブリビオンマシンに魅入られて、「自国民の為に他国の全てを奪い、我が物に」と主張するようになったとも言われている。
 とはいえ、ネアリスの民も実際に確認したわけではない。
「ベオラードが襲って来たぞおおお!!」
「速く、地下に避難を!!」
 戦力を持たぬ民はただ、地下の防空壕に避難するのみ。プラントが心配だが、命あっての物種だ。
 満足にキャバリアを扱えぬネアリスの民が出撃をしようとする。
 戦地となるのは、かつて都市の跡だったコンクリートやアスファルトの上。国の外に建物はほとんどなく、見通しは悪くない。
 その向こうに見える相手の部隊のマシンは数十もの数があり、間違いなく相手することができない。
「も、もうダメだ……」
「終わりだ、俺達はもう……」
 コクピットで身を震わせるネアリスのパイロット達。
 しかしながら、そこへと降り立つ者達の存在に、彼らは目を見張る。
 猟兵を名乗る者達は口々に、自分達があの集団を撃破すると豪語する。
 人によっては格納庫に眠ったままのキャバリアを貸してほしいと話し、場合によっては生身でオブリビオンマシンを相手にするという。
「「…………」」
 ネアリスの民は唖然としながらも、侵攻してくるベオラードの部隊へと向かっていく猟兵達の背中を見つめながらも、自衛の為にと領地の守りを固めるのである。


なちゅい
 猟兵の皆様、こんにちは。なちゅいです。
 当シナリオを目にしていただき、ありがとうございます。
 新世界、クロムキャバリアのシナリオOPをお送りいたします!

 平和な小国家ネアリスへと隣国ベオラードのキャバリア部隊が襲ってきますので、破壊行為を食い止めるべく、オブリビオンマシンの討伐を願います。

 第1章:集団戦シナリオ、隣国の軍隊の第一波『ファイアディザスター』の集団の討伐を願います。
 ここでのパイロットの兵士の生死が次の章に大きく影響します。
 第2章:集団戦シナリオ、軍隊の第二波『オブシディアンMk4』の集団の討伐を願います。
 第一波にいた兵士達の親友、恋人、父親といった「絆を持つ人」ばかりで編成されており、第1章での状況如何で、敵がパワーアップorプレイングボーナスと真逆の状況になります。
 第3章:ボス戦シナリオ、首謀者のオブリビオンマシン『モノアイ・ゴースト』の討伐を願います。

 まずは、首謀者によってオブリビオンマシン化された『ファイアディザスター』に乗って押し寄せる兵士達の相手を願います。
 マシンだけを倒せば兵士達は正気に返るので、第二波が来る前に安全な所に匿ってあげると良いかもしれません。

 新世界第1弾となる今回のシナリオの第1章は27日朝からの執筆を予定していますが、10人以上のご参加が無い場合は延長しての受付を想定しております。
 よろしければ、27日朝8時半までにプレイングを頂けますと幸いです。
 章間はプレイングの幅を広げる為の情報を加筆します。
 その最後に、次の締め切りに関しまして記述させていただきますので、ご確認の上でプレイングを頂けますと幸いです。
 なお、第1章に断章執筆の予定はありません。

 シナリオの運営状況はマイページ、またはツイッターでお知らせいたします。
 それでは、行ってらっしゃいませ。
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第1章 集団戦 『ファイアディザスター』

POW   :    ガトリングストーム
【両腕のガトリングガンの連射】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    ハウリングショット
レベル分の1秒で【両腕のガトリングガン】を発射できる。
WIZ   :    ガトリング・フィアー
【轟音を伴うガトリングガンの掃射】を披露した指定の全対象に【動けない程の恐怖の】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


(27日朝8時半地点)
 プレイング受付を延長いたします。
 現状は10名様以上のご参加があるまで続行の予定です。
(27日14時地点)
 現状を見て、プレイング受付を27日22時で一旦区切る予定です。
(28日0時半地点)
7名様参加分で執筆を開始しますが、想定人数に届いていない為、
プレイング受付は続行中です。よろしくお願いいたします。
スピネル・クローバルド
WIZ判定の行動
アドリブや他猟兵との共闘歓迎

■心情
国家間の争いですか、あまり大規模な争いには巻き込まれたくないですけど
人々の命を救うためです、頑張りましょう。

■行動
生身で戦いますね。
森葉静隠(UC)を使用して戦いますね。
周囲を広大な森に変えて、その中に【迷彩】で身を潜めて
攻撃の機会を伺います。
攻撃は【スナイパー】で狙いを定めた『フォレストスナイパー』で攻撃。
弱っている敵から優先して倒し、
敵に囲まれない様に常に周囲に気を付けます。

恐怖の感情は【勇気】や【気合い】で吹き飛ばす。

倒した敵は、【メカニック】でマシンを解体し
【救助活動】でパイロットを助けますね。

「大丈夫ですか、すぐに応急手当しますね」


ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
[WIZ]

ロボットは呪物の私からすれば専門外だけど、やれるだけやってみましょうか。

建物はないようだから準備できれば煙幕を張りたいわね。
そして[迷彩][目立たない]で隠れる。
場合によってはユーベルコード【インビジブル・イグジスト】で相手からの確認を防ぐわ。
そして[忍び足]でこっそり接近、[クライミング]で登ったら、今回用意した【叩き砕く戦槌】でコクピットをぽかり。
[鎧無視攻撃][気絶攻撃]の合わせ技でパイロットを無力化させるわね。
パイロットが動けなくなればマシンをぼこぼこにして機能停止に追い込み、パイロットを引っ張り出して安全地帯にご案内。
後はこれの繰り返しよ。


フェイルシア・インパーサ
※アドリブ・絡み・可
人々の自由を守るために作られた彼らが
人々を傷つけるなんてあってはなりません
貴方達は私がここで食い止めます!
●戦法
WIZのUCに対処
「残像」を展開し多くの機銃をこちらに向けさせます
出来る限り多くの恐怖を集めるように集中させて…
「勇気」を振り絞って「見切り」、避けきれないなら花のカーテンで「盾受け」します
痛みは「激痛耐性」で耐えます

集めた恐怖の数だけ膨らんだ蕾を一斉にファイアディザスターの集団に帰します!
狙うはオブリビオンマシンのみ
人を狂わせるマシンなら人の恐れも感じるはず

動けなくなったら脚部と武装を切り落としてしまいましょう
囚われたパイロット達は絶対に助け出しますわ!


シン・ドレッドノート
アドリブ連携OK!

クロムキャバリア…この世界も戦いが続いているのですね。
世界に平穏を取り戻すため、力をお貸ししましょう。

まずはコクピットを傷つけないように、マシンを無力化すれば良いのですね。
装甲の薄そうな関節部を狙って攻撃していきましょう。

「エアロモード、チェンジ!」
【天翔ける紅彗星】を発動。
機動力を上げた貴紅に乗り、ライフルビットで弾幕を張って敵マシンを攪乱します。

「ターゲット…ロック!目標を狙い撃つ!」
高速機動で敵マシンの後ろに回り込んだら、怪盗の単眼鏡を通して目標に照準を合わせ、真紅銃で膝の裏側を狙い撃ちします。

動きを止めたら、腕の関節を破壊してコックピットを解放、搭乗者を救出しますね。


フェル・カーモルト
おおきな鎧が沢山きたね~
この世界の戦い方は、結構派手な感じだね~?
まぁ、やることは変わらず、
オブリビオンを倒すだけ~

とは言え、中にいる人の救出が最優先だね
そーすると、まずは機動力を奪おうかな?

それじゃあ、フェルス、行くよ~
声をかけつつ、霊装騎士を発動
「我が身を覆え。地竜霊装『フェルス』!」

これで大きさは互角だね
こちらはあまり動かず、防御重視で、隙あらばカウンター狙い

敵のガトリングはオーラ防御でいなし、
反撃で、岩石射出の魔法による地属性攻撃で脚部を狙い撃つよ~

近づいてきたなら、操縦席は外す様にして、力任せの重量攻撃を叩きつけるね

どちらにせよ、地属性攻撃による地形破壊で足場を荒して
機動を妨害するよ


エウトティア・ナトゥア
アドリブ・連携歓迎

これはまた荒れ果てた世界じゃのう。争うなとは言わぬがその労力を糧を得る為に使うなり皆でコンコンコンするなりして面白おかしく過ごしておけばよいのに…嘆かわしい事じゃな。

愚痴っていても仕方ないか掛かる火の粉は掃うのみじゃな。
さて、セレイン殿からは操縦者は救助するように言われておる、どうにか機体だけを無力化するかの。
仕組みはよくわからぬが機械は雷の影響が活発な部分(制御システムの回路)が弱点なのじゃ。
大抵、中の微細な電流を乱すだけで壊れるくらいに脆弱じゃよ。
敵の動きが速いようじゃし、敵のガトリングの届かぬ所から雷の精霊を呼び出し数で対応するかの。
精霊達よ、雷の流れをかき乱すのじゃ!


フィーナ・シェフィールド
アドリブ絡み大歓迎です♪

この世界も戦乱の中にあるのですね。
虐げられている人々を守るため、精一杯がんばります!

出撃する皆さんの後方で飛行しながら、シュッツエンゲルを展開してオーラ防御しつつ、左右にツウィリングス・モーントを配置し演奏を開始。
スピーカーから全周波数帯で歌声と演奏を届けます!

「この曲が、みんなに届きます様に!」
【夜想曲嬰ハ長調】を奏でて、戦闘に向かう皆さんを援護しつつ、

「正気を取り戻して!」
飛びながら悪しきものを打ち破る『破魔』の歌を歌い続けます。

オブリビオンマシンの狂気に捕らわれた兵士の方々に呼びかけつつ、動きを止めたマシンがあれば、翔けつけて兵士の方々を救出していきましょう。




 発見された新たな世界のオブリビオンの撃破の為、猟兵達は次々と降り立つ。
「クロムキャバリア……この世界も戦いが続いているのですね」
 赤い狐のエンブレムをトレードマークとする妖狐、シン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)は鉄にコンクリートにアスファルトといったものの中から、油や火薬の臭いを感じて。
「これはまた荒れ果てた世界じゃのう」
 猫耳金髪巫女姫、エウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)が今回襲撃される小国家ネアリスの外を見回す。
 ここは、人型兵器キャバリアを使う人々が争いを続ける世界。
 小国家の外はそれらの交戦の跡があちこちに確認でき、爆撃によってクレーターができた地面、それによって破壊されたのか、キャバリアの破片が転がっている。
 かつては都市だったというこの地帯だが、すでに建物など爆撃や直接的な破壊によってほとんど残ってはいない。
「この世界も戦乱の中にあるのですね」
 サクラミラージュ出身の天使の翼を持つ少女、フィーナ・シェフィールド(天上の演奏家・f22932)は荒んだ人々の心を、自らの歌で癒すことができればと考える。
「争うなとは言わぬが……」
 その労力をもっと糧を得る為に使うとか、皆で発掘など生産的な行動をとるなりして、面白おかしく過ごせばいいのにとエウトティアは呟く。
「……嘆かわしい事じゃな」
 ただ、この世界の闘争は人間だけの要因で引き起こされるわけではない。
 この世界では、オブリビオンマシンとして蘇ったキャバリアが、パイロットを破滅的な思想に狂わせ、戦火を拡大させているのだ。
 そして、今、ネアリスに攻めてきているのは、隣国の小国家ベオラード。
 どうやら、その部隊のキャバリアは全てオブリビオンマシンであり、搭乗したパイロットは皆、狂気に駆られてしまっているようだ。
「国家間の争いですか、あまり大規模な争いには巻き込まれたくないですけど……」
 おっとりした妖狐の少女、スピネル・クローバルド(家族想いな女の子・f07667)は二国間の抗争に巻き込まれるのを是とはしていないが、それでもと奮起して。
「人々の命を救うためです。頑張りましょう」
 彼女は程なく、地平の向こうからやってくる赤と黒の集団に気付く。
「おおきな鎧が沢山きたね~」
 ややテンション低めなミレナリィドール、フェル・カーモルト(精霊竜の騎士・f01123)は全身5mもあるキャバリアの群れを見て、クロムキャバリアでの戦いは結構派手な感じだと認識したようだ。
「まぁ、やることは変わらず、オブリビオンを倒すだけ~」
 フェルに続き、猟兵達は向かい来るキャバリアの小隊へと駆け出して。
「人々の自由を守るために作られた彼らが人々を傷つけるなんて、あってはなりません」
 名家の令嬢の影として製造されたミレナリィドールのフェイルシア・インパーサ(騎士姫の造花・f04276)は、オブリビオンマシンの在り様を憂う。
「貴方達は私がここで食い止めます!」
 本来は、人を助ける為のキャバリアとして製造されたはずのマシン。ならば、せめて人を傷つける前にマシンを止めようと考える。
「人々を守るため、精一杯がんばります!」
「ロボットは呪物の私からすれば専門外だけど、やれるだけやってみましょうか」
 フィーナが全力を尽くしてオブリビオンマシン部隊の鎮圧に臨めば、金髪オッドアイのヤドリガミであるヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)も最善を尽くす心構えで敵を迎え撃つ。
「世界に平穏を取り戻すため、力をお貸ししましょう」
 すでに展開している仲間達に続き、シンもまたこの世界を救うべくこの世界で初めての交戦に当たり始めるのである。


 小国家ベオラード。
 現状、この地は各地へと侵攻を進め、生産施設「プラント」を確保し、小国家の住人を捕えて従属させようとしているようだ。
 現に、隊長機『モノアイ・ゴースト』に乗る男性パイロット、エカルトは激情に駆られて部隊を率い、攻め込んで来ている。
「ハハァ、奪え! ありったけ奪いつくせ!」
 そいつは第一陣として、赤い小隊をこちらへと向かわせてくる。
 『赤い厄災』とも呼ばれる「ファイアディザスター」の集団。
「……了解!」
「隊長の命令だ! 派手にいくぜ!」
 それに搭乗したパイロット達もまた破壊の思想にのまれてしまい、メインカメラに映るネアリスを破壊し、占拠しようとしている。
「中にいる人の救出が最優先だね」
 それでも、フェルはそのパイロット達を助けるべく、まずは機動力を奪おうとして。
「それじゃあ、フェルス、行くよ~」
 フェルが呼びかけたのは、自身が契約する地精竜『フェルス』。
 その反応を確認した彼女は、ユーベルコード【霊装騎士】を起動して。
「我が身を覆え。地竜霊装『フェルス』!」
 フェルはフェルスを全長5mの巨大甲冑へと変化させ、自らを覆う。
「これで大きさは互角だね」
 そうして、彼女は防御重視の構えをとる。
「「撃てぇ!!」」
 ファイアディザスター達が両腕の大型ガドリングガンから発砲してくるのを受け止める。
 フェイルシアもまた【残像】を展開し、多くの機銃を自らの方へと向けさせて。
「出来る限り、多くの恐怖を集めるように集中させて……」
 爆音による銃撃に、フェイルシアは身を竦めそうになってしまうが、彼女は【勇気】を振り絞って弾丸の軌道を【見切る】。
 ただ、敵の数もあって弾丸全てを避けるとはいかず、フェイルシアは花のカーテンを展開して受け止めようとする。
 花を貫通し、あるいは掻い潜ってフェイルシアへと届く弾丸もあり、彼女はその痛みを【激痛耐性】で耐えていたようだ。
 仲間が銃撃を受ける間、スピネルは周囲を広大な森へと変化させ、【迷彩】で身を潜めて攻撃の機会を窺う。
(「煙幕を張る手間が省けたわね」)
 ヴィオレッタもまた【迷彩】を働かせて【目立たない】よう草むらに身を隠す。
 敵はこちらへと轟音を伴うガトリングガンの走者を続けてくるが、これなら時間が稼げそうだと、ヴィオレッタは【忍び足】でこっそりと敵部隊へと近づいていく。
 フィーナはというと、仲間達が引き付けている間に白い翼で【飛行】し、マルチドローンプレート『シュッツエンゲル』を展開して【オーラ防御】する。
 弾丸がフィーナに届くことは少なかったが、それでもバリアに時折命中していたようだ。
 その状態で、フィーナは自らの左右にスピーカードローン『ツウィリングス・モーント』を配置し、演奏を始める。
「この曲が、みんなに届きます様に!」
 サウンドソルジャーが奏で、スピーカーから全周波数帯で響かせるのは、【夜想曲嬰ハ長調(ノクターン・イン・シー・シャープ・メジャー)】。
 彼女の歌はこの場で戦う仲間達に力を与えるが、それだけではない。
「正気を取り戻して!」
 白い翼で飛びながら、フィーナは悪しきものを打ち破る【破魔】の歌を歌い続ける。
「まあ、掛かる火の粉は掃うのみじゃな」
 グリモア猟兵から操縦者を救助するよう言われていたのを思い出すエウトティアは、機体だけを無力化するよう試みる。
 自然と共に暮らしてきたエウトティアはキャバリアの仕組みを把握してはいない……が。
「機械は雷の影響が活発な部分が弱点なのじゃ」
 彼女が言っているのは、制御システムの回路のこと。
 その中の微細な電流を見出すだけで壊れるくらいに機械は脆弱だと、エウトティアは考える。
 相手は突如として現れた森の木々によって機動力を奪われ、さらに響いてくる歌によって、機動力を生かすことができずにいる。
 エウトティアは敵が接近してくる前に、雷の精霊を400体以上呼び寄せて。
「精霊達よ、雷の流れをかき乱すのじゃ!」
 相手のガトリングの射程外から雷を操り、キャバリアの挙動を乱していく。
 シンも素早くガトリングガンを掃射してくるファイアディザスターの胸部を見つめて。
「まずはコクピットを傷つけないように、マシンを無力化すれば良いのですね」
 ならば、シンは装甲の薄そうな関節部を狙うことにして。
「エアロモード、チェンジ!」
 ユーベルコード【天翔ける紅彗星】を発動し、機動力を上げたサイキックキャバリア『貴紅<ノーブル・スカーレット(PCE)>』に搭乗したシン。
 彼は『ライフルビット』で弾幕を張り、向かい来るファイアディザスターを撹乱していく。


 強襲型であるファイアディザスターは両腕のガトリングガンで猟兵達を攻め立ててくるが、戦場が森となったことで得意の機動力をいかせず、木々をガトリングガンで燃やして火の海にしようとしてくる。
 だが、その前に猟兵達が好機を見出し、ファイアディザスター小隊を切り崩していく。
 まず、前線で敵のガトリングを全長5mの巨大甲冑で受け続けていたフェルは展開していた【オーラ防御】でいなして。
「いくよ~」
 隙あらば、フェルは【カウンター】として、岩石射出の魔法を発する。
 【地属性攻撃】によってファイアディザスターの脚部を狙い撃ち、機動を妨害していく。
 フェイルシアもある程度敵の攻撃を受け止めたところで、テッポウユリのつぼみが膨らんできたのを見て。
「そろそろいいでしょうか」
 彼女の【悪戯好きな百合の華】は、自ら防御した相手のユーベルコードを一度だけ借りて使うことができる。
「人を狂わせるマシンなら、人の恐れも感じるはず」
 そうして、フェイルシアはパイロットに恐れを抱かせ、オブリビオンマシンの動きを止めてしまう。
 すでにエウトティアも雷の精霊にファイアディザスターを抑えさせており、かなりの数の機体が動けなくなっている。
 そんな中、シンが高速機動で敵マシンの背後へと回り込み、『怪盗の単眼鏡』を通して目標に照準を合わせて。
「ターゲット……ロック! 目標を狙い撃つ!」
 『真紅銃<スカーレット・ブラスター>』を構えたシンは、ファイアディザスターの膝の裏側を狙い撃ち、次々に動きを止めていく。
 他メンバーも本格的に、ファイアディザスターの無力化へと動き出す。
 木々の合間に身を隠していたスピネルは、ガトリングガンの轟音で少なからず恐怖を感じていたが。
「負けたりはしません……!」
 スピネルはそれを【勇気】や【気合い】で吹き飛ばし、木製の弓『フォレストスナイパー』から【スナイパー】技術で狙いを定めた矢で弱った機体を射抜いていく。
 敵に囲まれぬよう気を配っていたスピネルだが、動きを止めたファイアディザスターは何もできぬ機体が多かったようだ。
「囚われたパイロット達は絶対に助け出しますわ!」
 フェイルシアは『ルーンソード』を握って接敵し、脚部と腕部の武装を切り落とす。
 また、ファイアディザスターへと近づいていたヴィオレッタが直接【クライミング】で機体へと登っていき、『叩き砕く戦槌』でコクピットを殴りつける。
 ヴィオレッタの強烈な一撃は【装甲を無視】し、内部のパイロットを【気絶】させていく。
 その後でヴィオレッタはマシンをボコボコに叩いて機能停止へと追い込み、気絶したパイロットを引っ張り出して安全地帯へとご案内。
 1人退避させれば、ヴィオレッタは次の機体へと近づいていたようである。
 逆にまだ動けるファイアディザスターが巨大甲冑に覆われたフェルへと接近して。
「ただ攻撃を受けるだけじゃないよ~」
 彼女はまず地属性攻撃で地形を破壊して相手の足場を荒らして強襲を阻害してから、オブリビオンマシン胸部の操縦席を外すように、力任せの【重量攻撃】を叩きつける。
 フェルの一撃によって伝達系に異常が出たらしく、そのファイアディザスターは動きを止めてしまう。
 動きが止まった機体があれば、歌うフィーナがすかさず翔けつけ、コクピットの兵士の救出に当たる。
 シンなどは腕の関節を破壊してコクピットを解放し、搭乗者を救出していたようだ。
 仲間が倒した機体を含め、スピネルは【メカニック】を活かしてマシンを解体して。
「大丈夫ですか、すぐに応急手当しますね」
 【救助活動】で救助したベオラードの兵士へと、スピネルは優しく声をかけるのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

遠桜・星黎凪
わたしは別の国のキャバリア乗りですが…
義によって助太刀します!

自身のクロムキャバリアに乗って出撃
オーバーブースト・マキシマイザーを発動させて飛行、
瞬間思考で操作することで限界突破し、銃弾を回避しながら接近・切り込み
天桜剣で腕や脚、ガトリングガンを切断していきます
コクピット部には攻撃しません
オブリビオンマシンが活動停止したら、パイロットを助けられるそうですから


薙沢・歌織
【SPD】
クロムキャバリア…機神の世界にて操者を捜し求め、人の想いに応える霊機よ。我が名は薙沢・歌織…我が聖痕に込められた【祈り】は無辜の人々を救う願い…我と契約を結び賜え!
…汝の契約名は【魔霊機フォルリー】!

フォルリー搭乗後、プレケスの【瞬間思考力】で操縦イメージ想像、ネアリスのパイロットを狙う敵集団を【索敵】し【ダッシュ】で直行、【破滅へ導く暴風】で攻撃。味方やネアリスパイロットを範囲から外せるなら3回攻撃。

残敵はフリーギドゥムの凍結【マヒ攻撃】でガトリングガンを凍結させ、距離に応じフェネストラの【誘導レーザー射撃】か【切断】攻撃。回避行動はミスリル・アーラでの【ダッシュ空中浮遊】を駆使。




 ベオラードのキャバリア部隊の指揮官であるエカルトは『モノアイ・ゴースト』のカメラ越しに、目の前の戦いを見て。
「なんだ、あいつらは……!?」
 小国ネアリスなど、簡単に捻り潰せると考えていた彼だが、現れた猟兵達によってファイアディザスターが倒されていく様にしばし唖然とする。
 だが、エカルトはすぐに我に戻り、不敵に笑って。
「残るファイアディザスターも暴れてくるがいい!」
 周囲には黒い機体ばかりとなっていたが、その中から残っていた赤い機体が数体飛び出す。
 それらは先程交戦していたメンバーとの戦場を迂回するようにして、ネアリスを目指す。
「奪う、全てを……!」
「隊長の望むままに、破壊を!」
 そのパイロット達もまた搭乗するファイアディザスター……オブリビオンマシンによって思考を狂わされており、視界の向こうに見える猟兵、そしてネアリスの国全てを蹂躙せんとガトリングガンを掃射してきた。
 そこで、新たな猟兵がキャバリアに乗って参戦してくる。
「わたしは別の国のキャバリア乗りですが……、義によって助太刀します!」
 キャバリアの最精鋭機『クロムキャバリア』で出撃してきたのは、このクロムキャバリアの別小国の出身、黒髪ピンクの瞳の遠桜・星黎凪(アンサーヒューマンのクロムキャバリア・f29963)である。
 さらにキャバリアは星黎凪機の他に、ネアリス傍へともう1機現れていて。
「クロムキャバリア……機神の世界にて操者を捜し求め、人の想いに応える霊機よ」
 そのコクピットに搭乗した長い黒髪のアルダウ魔法学園出身の薙沢・歌織(魔法学園の術剣士・f26562)が自らのキャバリアへと呼び掛ける。
「我が名は薙沢・歌織……我が聖痕に込められた【祈り】は無辜の人々を救う願い……我と契約を結び賜え!」
 歌織は自らの『聖痕』を光り輝かせると、キャバリアの出力が徐々に上がって。
「……汝の契約名は『魔霊機フォルリー』!」
 その呼びかけに応えたフォルリーの瞳が輝き、ゆっくりと前方からやってくる赤いオブリビオンマシンの方へと歩き始めるのである。


 赤いファイアディザスターは両腕のガトリングガンを掃射し、ネアリスを目指す。
 すでに交戦中のメンバーは目の前の敵で手いっぱいで、離れた敵に対処するには少し遅れてしまう。
 その赤い機体群へと、星黎凪の『クロムキャバリア』が向かう。
 星黎凪は【オーバーブースト・マキシマイザー】を発動させて飛翔し、【瞬間思考力】で操作することで機体性能を【限界突破】させて銃弾を回避しながら敵陣へと接近していたのだ。
「コクピット部に攻撃しないように……」
 敵陣へと【切り込む】星黎凪はキャバリアが持つ『天桜剣』で敵機の腕、脚だけでなく、ガトリングガンも切断していく。
「オブリビオンマシンが活動停止したら、パイロットを助けられるそうですから」
 さらに、歌織の『魔霊機フォルリー』も、魔法部屋風の操縦席『EPプレケス』の【瞬間思考力】で操縦イメージを想像する。
(「そう、そのまま……」)
 敵機はネアリスの敷地周囲で守りに当たる住民の操るキャバリアを狙ってガドリングガンの銃口を向けている。
 【索敵】して敵の狙いを把握した歌織は【ダッシュ】でフォルリーを直行させて。
「無情なる嵐、過去より出でし亡霊達を破滅へと導け!」
 魔力で発生させた竜巻を巨大化させ、歌織は敵陣へと浴びせかけていく。すでに星黎凪機が向かっていたこともあり、彼女は1度で留めていた。
 しかし、まだ動けるファイアディザスターからこちらへと掃射は続く。
 すぐに飛行翼『BX-Bミスリル・アーラ』を広げて【空中浮遊】し、【ダッシュ】して回避行動をとった歌織は、キャバリアの腕に内蔵された氷結魔導機関『BS-Aフリーギドゥム』より氷の力を操り、敵機の両腕の銃口を次々に凍り付かせていく。
「フォルリー、一気にお願い!」
 歌織は銃剣『BXフェネストラ』より【ホーミング】性能付きの【レーザー射撃】を行い、ファイアディザスターの腕を【切断】する。
 さらに接敵した彼女は直接銃剣の刃で、腕部を切り落としていった。

 ある程度無力化できた頃には、他の猟兵達もこちらの状況に気付いてやってくる。
 後は、コクピットからパイロットを引き上げ、オブリビオンマシンから解き放っていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『オブシディアンMk4』

POW   :    ホークナパーム
【油脂焼夷弾】が命中した対象を燃やす。放たれた【高温の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    ピアシングショット
【スコープ照準】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【RSキャバリアライフル】で攻撃する。
WIZ   :    マイクロミサイルポッド
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【誘導ミサイル】で包囲攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 小国ネアリスへと攻め込んでくる隣国ベオラードのオブリビオンマシンの小隊の撃退依頼を受け、交戦に当たる猟兵達。
 敵は赤、黒の小隊を従えており、現状は赤……「赤い厄災」と呼ばれる『ファイアディザスター』の小隊を倒したところだ。
 まだ、救出が間に合わぬ者はいたが、ほとんどのパイロットを救出に成功した猟兵達。
 その際、オブリビオンマシンによる破滅的思考から解放されたベオラードの兵士達が気にかけていたのは、親友や伴侶、肉親といった絆を持つ関係者のこと。
「どうか、弟も助け出してほしい……」
「恋人があの黒いマシンに囚われたままのはずなんだ」
「本当は優しい息子なんだ。もうあんな姿は見ていられない」
 どうやら皆、次なる黒の小隊のパイロットになっているとのことだ。
「第二波行け! ふがいないお前達の相方に変わってネアリスを蹂躙するのだ!」
 『モノアイ・ゴースト』を操縦する指揮官エカルトが次に指示を出したのは、「死の黒曜」とも称されることがある『オブシディアンMk4』を駆る小隊。
「了解!」
「派手に燃やすぜ!!」
 やはり、こちらのパイロットも強い破滅的思考に支配されており、『オブシディアンMk4』の「油脂焼夷弾」や「RSキャバリアライフル」、「誘導ミサイル」といった重火器で攻撃を仕掛けてくる。
 また『オブシディアンMk4』は量産型の一種であり、コクピットの堅牢さや武装の換装による拡張性が特徴的な機体だ。
 機体性能はそれほど優れた機体ではないが、パイロットは皆、第一波『ファイアディザスター』に乗っていた兵士の関係者というのが注目する点だ。
 幸い、そちらはほとんど救出済みの状況である為、彼らの言葉や思いを伝えることで、幾分か『オブシディアンMk4』の動きが鈍り、攻撃の手が止まるはずだ。
 搭乗するパイロット達もまた、オブリビオンマシンに狂わされた者達。
 すでに正気に戻ってこの戦いを見守っているベオラードの兵士達の為にも、パイロットを助け出しつつ、『オブシディアンMk4』の破壊を進めていきたい。

(第3章は早ければ、30日夜からの一括執筆を考えております。
 30日22時地点で一定数のご参加があれば執筆開始、人数が揃っていない状況でしたら延長しての受付予定です)
(1日3時地点)
 プレイング受付を延長いたします。
 現状は10名様以上のご参加があるまで続行の予定です。
シン・ドレッドノート
アドリブ連携OK

さて、第2戦ですね。
今回の相手はコクピットは堅いと言うことですし、多少攻撃をしてもパイロットは大丈夫でしょう。
武装を狙い、戦闘不能に追い込んでいきますね。

【銀翼の奇術師】を発動、真紅の機体の肩から白銀の光の翼を展開し、高速で飛翔します。

「さぁ、ショータイムです!」
距離を取ったところで、ライフルビット&ソードビットを合体させてキャバリアサイズのスナイパーライフルにし、敵機の射撃武器を狙撃。
続けてビットを組み替えた長剣を手に急接近。
弾幕を張ってミサイルを防ぎつつ、すれ違いざまに敵機体の手足を切り落としていきます。

くれぐれもコクピットブロックが被弾、破損しないよう注意して戦いますね。


ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
第2波といってもやることは似たり寄ったりになりそうね…。

今回は相手が燃やす気満々だから放置していても煙で視界は悪くなりそう。
私は隠れて動かないといけないから、保護済みの人からの声掛けは他の人にお任せ。

[迷彩][目立たない]で隠れつつ、近づいてきた敵、特に動きが鈍った相手を1体ずつユーベルコード【ジャッジメントクルセイド】
雷を落として電子機器を機能停止させてみるわ。
後は[忍び足]で接近、[クライミング]してコクピットを[鎧無視攻撃][鎧砕き][気絶攻撃]メイスでぽかり。

攻撃されたら[火炎耐性][激痛耐性][オーラ防御]で耐えましょう。


フィーナ・シェフィールド
「この感じ…誰なの…?」

呼びかける声に答えて心に浮かんだ歌を歌うと、虚空から「レゾナンツ<Resonanz>」が召喚されます。

この世界に来て出逢った、わたしのキャバリア。
破魔の歌と演奏を力に、悪しき機体を浄化します!

「なぜかしら?動かし方が分かる…」
翼を広げて舞い上がり、【包み込む破魔の歌声】を発動。

「お願い、正気に戻って!貴方達の大切な人が待っているから!」
スピーカーポッドでオブシディアンを取り囲み、スピーカーから救出した兵士の皆さんの声を届けながら、オブリビオンの悪しき魂、狂気を祓う歌声と演奏で浄化していきます。

正気に戻ったパイロットはコクピットから救出、安全な処まで避難させますね。


エウトティア・ナトゥア
アドリブ・連携歓迎

うむうむ、オブリビオンマシンに囚われた者達を無事助け出せたようじゃな。
次も上手く助け出してみせるのじゃ。
今回はは飛び道具主体の攻撃のようじゃな。
近接の猟兵もいるじゃろうから、わしはサポートに回るとするかの。
【精霊石】の力を借りて風の精霊を呼び出し、風の障壁で皆を守るのじゃ。
全力で秒間88枚の風の盾じゃ、数人程度なら十分守れるじゃろう。
さて、後方で佇んでいるだけと言うのも芸がないと言うものじゃ。
ここは風の精霊お願いして『ファイアディザスター』のパイロット達の声を敵まで運んでもらい心に訴えかけるとするかの。
親しい者達からの声じゃ、操られているとは言え何某かの効果が望めるじゃろう。


スピネル・クローバルド
WIZ判定の行動
アドリブや他猟兵との共闘歓迎

■心情
軍隊の第二波ですか、先ほどまでの様に簡単には行かなそうですね。
絆を持つ人ならば、必ず助けてあげないといけませんね。

■行動
敵の誘導ミサイルは、1個につきフォックスファイア(UC)の
狐火1つを当て相殺しますね。
【瞬間思考力】で瞬時に誘導ミサイルの軌道を把握し
【見切り】ながら誘導ミサイルを撃ち落とします。

敵の攻撃を凌いだら、私もUCで敵本体を焼き払いますね。
弱っている敵から優先的に狙います。

倒した敵は、【破壊工作】や【切断】で機体を壊し
パイロットを【救助活動】で救出します。

「貴方の大切にしている人も無事ですよ、ですから貴方も生きて下さい」


遠桜・星黎凪
ちょっと本国にメンテナンスに出してたわたし専用機がメンテナンスから戻って来たので
ここからは、この「夜桜」でお相手しましょう!

…といいつつ、かなり後方というか、少なくとも敵のUCの射程範囲外に陣取ります
ついでに高台なんかもあるとよいのですけど
わたしのUC的に、そういう場所で戦うべしって気がしますので!

どうしても敵の射程範囲に入ってしまう場合は、瞬間思考で敵UCの幾何学模様の式を逆算・演算し、ミサイルポッドが通らない場所に立ちます

陣取ったら、ロングレンジライフル「閃桜」によるスナイパー・砲撃で撃ち抜いていきますね

前章と同じく、コクピットは傷つけないように
敵の武器や腕、脚などを狙って動きを封じます


薙沢・歌織
【WIZ】
ベオラードの後続部隊…先発隊のパイロット達は、既にオブリビオンマシンから脱出し精神干渉から逃れました。あなた達もマシンの狂気に負けないで下さい!

ミスリル・アーラで敵機の精神干渉機構に【ジャミング】で狂気緩和を仕掛け、そこを狙いアーラの魔力羽とフェネストラの【光属性攻撃】レーザーで【範囲攻撃】。敵通常攻撃はインシグネ・ゲネリスの【オーラ防御結界モエニア】防御。

大量の誘導ミサイル…!あれのベースコードはカクリヨから…?
ひとまず【立方体の中の大都市】で生成したキューブへ入りやり過ごします。
機体破壊され脱出したパイロットへは安全を約束すると説得し、抵抗を止めさせ一旦キューブへ入って貰います。




 小国ネアリス侵攻してきた隣国ベオラードのオブリビオンマシン第一波を退けた猟兵達。
「うむうむ、オブリビオンマシンに囚われた者達を無事助け出せたようじゃな」
 褐色肌のキマイラ少女、エウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)は先ほどまで『ファイアディザスター』を操縦していたベオラード兵士達の様子を目にしながら思う。
 戦いの間、兵士達は指揮官機の命令に従い、ネアリスを破壊、蹂躙すべく躊躇なくガトリングマシンを掃射していた。
 ただ、それらは本人の意思ではなく、オブリビオンマシンの影響によるもの。解放した彼らは元の人格、思考を取り戻し、ネアリスの民に保護されていて。
「頼む。彼らも助け出してほしい」
「うむ、次も上手く助け出してみせるのじゃ」
 エウトティアは兵士達の要望もあり、第二波のパイロット達も救い出すと約束してみせた。
「軍隊の第二波ですか、先ほどまでの様に簡単には行かなそうですね」
 ただ、金髪ウェーブヘアのスピネル・クローバルド(家族想いな女の子・f07667)は楽観視せず、近づいてくるオブリビオンマシン『オブシディアンMk4』の群れを注意深く見回す。
 その名の通り、オブシディアン……黒曜石を思わせる黒一色のカラーリングがなされた量産型の機体。
 第一波の『ファイアディザスター』が「赤い厄災」という二つ名で呼ばれていることに引っかけ、誰が呼んだか、この小隊の『オブシディアンMk4』は機体名から「死の黒曜」と呼ばれているらしい。
「今回の相手はコクピットが堅いということですね」
 事前情報としてそう聞いていたシン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)は、多少攻撃してもパイロットに傷が及ぶことは無いとと考える。
「絆を持つ人ならば、必ず助けてあげないといけませんね」
「そうですね。武装を狙い、戦闘不能に追い込んでいきましょう」
 スピネル、シンが簡単に戦略を立てているのを、藍と紫の瞳を持つクールな金髪少女、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)は傍で聞いて。
「第二波といっても、やることは似たり寄ったりになりそうね……」
 相手の機体の武装に焼夷弾があるのをヴィオレッタは確認し、燃やす気満々とあって放置していても煙で視界は悪くなるだろうと予想する。
「保護済みの人からの声掛けは他の人にお任せしようかしらね」
 そうして、ヴィオレッタは自らの立ち回りの為、姿を隠して移動する。

 また、第二波が近づいてくるまでの間に、キャバリアの準備を整えていた者の姿も。
 このクロムキャバリアの別小国出身の少女、遠桜・星黎凪(アンサーヒューマンのクロムキャバリア・f29963)は自身の専用機を駆っての参戦。
「ここからは、この『夜桜』でお相手しましょう!」
 本国へとメンテナンスに出していた最精鋭機体の調子は上々。星黎凪も気分よく戦地へと踏み出す。
 一方、天使の翼を持つ異世界の少女、フィーナ・シェフィールド(天上の演奏家・f22932)は先程の戦いの後、どこからか自身へと呼び掛けてくる声を聴いて。
「この感じ……誰なの……?」
 呼びかけてくる声に応え、フィーナが心に浮かんだ歌を歌うと……。
 虚空から降り立ってきたのは、白き有翼のキャバリア。両肩にスピーカーを備えており、サウンドソルジャーであるフィーナにうってつけの機体だ。
「この世界に来て出逢った、わたしのキャバリア……『レゾナンツ<Resonanz>』」
 コクピットへと搭乗した彼女は迫りくる悪しき機体を浄化すべく、レゾナンスを駆るのである。


 猟兵達が戦闘準備を整える間、ベオラード軍も態勢を立て直していて。
「行け! 今度こそネアリスを蹂躙するのだ!」
 指揮官エカルトの命令を受け、『オブシディアンMk4』のパイロット達も目を血走らせて。
「了解!」
「派手に燃やすぜ!!」
 テンションを高めるパイロット達は指示通りに目の前のネアリスを徹底的に破壊しようと、油脂焼夷弾や誘導ミサイルを構えていたのをエウトティアは認めて。
「今度も飛び道具主体の攻撃のようじゃな」
 第一波の赤い機体も、ガトリングガンをメイン武器として攻めてきていた。
 エウトティアは近接で攻める仲間もいるだろうと推し量り、サポートに回ろうと立ち回り始める。
 距離を詰めようと近づく機体がいる中、後方に留まる数機は『RSキャバリアライフル』のスコープを覗いて狙撃の構えをとっている。
 狙撃が始まる前に、シンはユーベルコード【銀翼の奇術師】を使って。
「斥力制御フィールド展開……」
 搭乗していた真紅のサイキックキャバリア『貴紅<ノーブル・スカーレット(PCE)>』の両肩から、白銀の光を放つ翼を展開していく。
 シンはそれを使って機体を浮かび上がらせ、高速で飛翔を始める。
「「撃て!!」」
 その貴紅を後方の狙撃隊が狙い撃ってきた。
 ただ、上空へと飛翔して充分距離をとったシンは『ソードビット&ライフルビット』を合体させ、キャバリアサイズのスナイパーライフルへと変形させる。
「さぁ、ショータイムです!」
 シンはすぐさま連続射撃を行い、狙撃部隊のライフルを破壊していく。
 また敵機は正面の猟兵達にもスコープで照準を合わせており、発砲を開始してきている。
 それらから自身と仲間を守るべく、エウトティアは『精霊石』の力を借りて風の精霊を呼び出す。
「皆を守るのじゃ」
 エウトティアの頼みを受け、秒にも満たぬ時間で展開したのは、数え切れぬほど風の盾。自身の後方にいる数人であれば、問題なく守れると弾丸を防ぐ。
「そんな盾でこいつを防げると思うな!」
 戦場の猟兵達へと叫びかけてくるベオラード兵士。
 ライフル以外の武装を使う敵機体はある程度距離をとって停止し、誘導ミサイルを発射してこちらを爆撃してくる。
 幾何学模様を描き複雑に飛翔してくる誘導ミサイルは躱すことが難しい。
 そこに、駆けつけたアルダワの女学生、長い黒髪の薙沢・歌織(魔法学園の術剣士・f26562)はそのミサイルに驚き、対処に当たることに。
「大量の誘導ミサイル……! あれのベースコードはカクリヨから……?」
 ともあれ、着弾してしまう前に、歌織はユーベルコード【立方体の中の大都市】で生成したキューブへと自ら入る。
 内部は歌織が住むアルダワの大都市となっており、彼女はミサイル群をやり過ごす。
 また、エウトティアの精霊達がライフル銃と合わせて、ミサイルを防ごうとしていたが、やはり負担は大きい様子。
 そこで、スピネルが【瞬間思考力】で瞬時に誘導ミサイルの軌道を把握して。
「【見切り】ましたよ」
 スピネルが合図を出すとともに、【フォックスファイア】……狐火で迎え撃ち、空中でミサイルを撃ち落としていく。
 また、敵ユーベルコードの射程範囲外にまで下がり、ネアリスの敷地内の高台へと陣取った星黎凪が動いていて。
「わたしのユーベルコード的に、こういう場所で戦うべしって気がしましたので!」
 星黎凪はミサイルを発してくる敵を優先し、『RBSロングレンジライフル「閃桜」』の砲口を向けて。
「先程と同じく、コクピットは傷つけないように……」
 敵のミサイル砲や、それを持つ腕、移動できにぬよう脚などへと、星黎凪は砲弾を叩き込んで敵機を破壊していく。
「なぜかしら? 動かし方が分かる……」
 さらに、自らの機体の翼を広げて上空へと舞い上がるフィーナがユーベルコード【包み込む破魔の歌声】を発動して。
「お願い、正気に戻って! 貴方達の大切な人が待っているから!」
 900近くあるスピーカーポッドでオブシディアン各機を囲んでいき、フィーナは救出した兵士達の声を届けていく。
『どうか、弟も助け出してほしい……』
『恋人があの黒いマシンに囚われたままのはずなんだ』
『本当は優しい息子なんだ。もうあんな姿は見ていられない』
 そんな声を聞いたオブリディアンのパイロット達の攻撃の手が鈍る。
「こ、この声は……」
「違う、俺は……いや、うああっ」
 オブリビオンマシンの狂気と内なる自らの理性とがせめぎ合い、苦しむパイロット達。
「どうか、自分を取り戻して……!」
 フィーナはオブリビオンの悪しき魂、狂気を祓う歌声と演奏によって浄化を試みる。
 そこでさらに、【迷彩】で【目立たない】ように隠れていたヴィオレッタが動きの鈍った敵へと近づいて指先を向ける。
 空から落ちてくる眩い光がロボットを灼き、個々に電子機器を機能停止していく。
「あそこだ……!」
 苦しみながらも、パイロット達は近場に潜むヴィオレッタ目がけて誘導ミサイルを放ってくる。
 その迎撃は間に合わず、ヴィオレッタも【オーラ】を展開し、【火炎、激痛といった耐性】を働かせて堪えてみせるのだった。


 射撃戦の様相を呈してきた第二波『オブシディアンMk4』の集団との戦い。
「さて、後方で佇んでいるだけというのも、芸がないというものじゃな」
 風の盾を張って仲間への被弾を防ごうとしていたエウトティアもまた、風の精霊に頼んで『ファイアディザスター』のパイロット達の声を黒い機体を駆る兵士達へと届け、その心へと訴えかけようとする。
「親しい者達からの声じゃ、操られているとは言え何某かの効果が望めるじゃろう」
 フィーナが戦地で響かせる歌声。そして、間に救出した第一波のパイロット達の声も伝え聞き、『オブシディアンMk4』のパイロット達の攻撃の手は止まりかける。
「ベオラードの後続部隊……先発隊のパイロット達は、既にオブリビオンマシンから脱出し精神干渉から逃れました」
 いきなり受けた相手の攻撃を歌織はやり過ごし、苦しむパイロット達へと呼び掛け続ける。
「あなた達もマシンの狂気に負けないで下さい!」
 歌織はさらに、飛行翼『ミスリル・アーラ』よりで敵機の精神干渉機構に【ジャミング】で狂気を緩和していく。
「ああ、うぅ……」
 多少パイロットの苦しみが和らいだところで、歌織はキャバリアから射出した魔力羽で攻撃を仕掛ける。
 多少放たれてくるミサイルは魔力バリアを展開して、歌織自らも銃剣『BXフェネストラ』からもレーザーライフルで【範囲攻撃】を仕掛け、纏めて相手を無力化していった。
 敵機の攻撃や動きを封じようと、狙っていた星黎凪。
「敵が近づいてくる前に……」
 これ以上近づかれると、ネアリス敷地内の高台に陣取る星黎凪も敵の射程範囲に入ってしまう。
 とはいえ、仲間達が上手く抑えてくれていたことで、敵小隊は前進がままならない様子。
 それを実感しながらも、星黎凪はロングレンジライフルでの【スナイパー砲撃】で敵機のミサイル砲と四肢を狙い撃ち、無力化を進めていた。
 上空のシンもビットを組み替えた長剣を手に敵へと急接近していく。
「コクピットブロックへの被弾は避けませんと」
 弾幕を張って誘導ミサイルを防ぐシンはすれ違いざまに、敵機の手足を切り落とす。
 【忍び足】で敵機へと近づいていたヴィオレッタは【クライミング】でコクピットまで登り、『叩き砕く戦槌』でコクピットブロックを叩く。
 【鎧無視攻撃】、【鎧砕き】での一撃でパイロットを【気絶】させ、ヴィオレッタは直接無力化をはかっていたようだ。
 攻撃を凌いだスピネルも、動きが止まってかつまだ五体満足な『オブシディアンMk4』へと狐火を放って破壊に当たる。
 機体がある程度無力化すれば、スピネルは武器で【破壊工作】や【切断】してコクピットの外部を壊し、【救助活動】によってパイロットを救出する。
「う、うう……」
「貴方の大切にしている人も無事ですよ。ですから貴方も生きて下さい」
 スピネルがベオラード兵士に真摯に呼びかけを続けると、パイロットは虚ろになりながらも抵抗し、自力でコクピットから這い出してみせた。
「安全を約束しますので、どうぞこちらへ」
 抵抗を止めたパイロットが傷付かぬよう、歌織は先程展開したキューブへと一時的に入ってもらう。
 攻撃を続ける『オブシディアンMk4』も数えるほどになってはいたが、フィーナも正気に戻ったパイロットをコクピットから救出し、比較的安全なネアリス付近にまで避難させる。
「……よかった。生きていたか」
「また無事に会えるなんて」
 そこで、二小隊に分かれていた絆を持つ兵士達が再会し、互いの無事を喜び合っていたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『モノアイ・ゴースト』

POW   :    バリアチャージ
【バリアを纏った】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【支援機】の協力があれば威力が倍増する。
SPD   :    パルス・オーバーブースト
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【オブリビオンマシン】から【光学兵器による一斉攻撃】を放つ。
WIZ   :    ゴーストスコードロン
自身が【敵意】を感じると、レベル×1体の【支援キャバリア】が召喚される。支援キャバリアは敵意を与えた対象を追跡し、攻撃する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 小国ネアリスを守るべく、侵攻してきた隣国ベオラードの軍勢の撃退に当たる猟兵達。
 第一波に『ファイアディザスター』の小隊、第二波に『オブシディアンMk4』とメンバー達は相手にし、赤と黒の小隊を討伐することができた。
 いずれのパイロットも指揮官エカルトの指示で、ネアリスにあるプラントの奪取や国民を捕えて従属を強いるなど、力で全てを奪い取らんとしていた。
 だが、それはパイロット本人の意志ではない。
 彼らが乗るキャバリア全てがオブリビオンマシンであり、パイロットは皆破滅的な思想に狂わされていたのだ。これに乗らざるを得なかった彼らもまた戦争の被害者である。
 また、この兵士達は指揮官によって、血縁者や親友、恋人など、絆ある者達が二小隊に裂かれていた。
 それは、第一波が倒された際に怒りや悲しみによって狂気を増大させようという無慈悲な策によるものである。

 しかし、猟兵達は配属された絆ある者達をオブリビオンマシンの狂気から解放することに成功した。
 これで、ベオラードの軍勢も残すは指揮官エカルトの機体のみ。
「あれだけのオブリビオンマシンを……お前達は何者だ……?」
 かつては正義感溢れる青年だったと伝えきくが、現在駆っているオブリビオンマシンの影響によって、彼もまた破滅的な思想に染まってしまっており、見る影もない。
 そのことに、エカルト自身も気づかず、内から湧き出る破滅的思考で目につく者全てを破壊しようとしている。
「フン、まあいい。この『一つ目幽霊』単騎でも、都市の殲滅は可能だ」
 指揮官エカルトの搭乗する『モノアイ・ゴースト』は、射撃能力に長ける、指揮官型。これまで戦った量産型などとは違い、かなりの力を持つキャバリアだ。
 射撃能力に長けており、光学兵器……レーザーなどを主体に攻撃してくる他、両肩から発生させたバリアフィールドは高い防御能力を持つだけでなく、突撃による攻撃にも使用可能だ。
 また、敵意を感じることで、多数の支援キャバリアを召喚することもできる。それらはエカルトに敵意を与えた猟兵達を追跡し、銃撃によって完膚なきまでに相手を叩き潰す。
「我等が生きる為……」
 少なからず猟兵達を脅威と感じたエカルトは早速、支援キャバリアを呼び寄せて手数を増やす。
「お前達には糧となってもらう!」
 彼は200機に近いその支援キャバリアをこちらへと向かわせ、自身の『モノアイ・ゴースト』と共に立ち塞がる猟兵、そして、その奥の小国ネアリスを蹂躙せんとする。
 だが、それは、エカルトの本当の思考ではない。彼もまたオブリビオンマシンの犠牲者なのだ。
 指揮官機『モノアイ・ゴースト』の能力は高く簡単にはいかないだろうが、小国ネアリスを守るのはもちろんのこと、その呪われた機体からこのエカルトなる男性もまた解放してあげたい。

(第3章は、5日夜以降に一括執筆の予定です。
 5日22時までにプレイングを頂けますと幸いです。どうぞよろしくお願い致します)
回々・九流々々(サポート)
『僕だってやれば出来ます。はい』
 愉快な仲間のオブリビオンマシン × 量産型キャバリア、7歳の女です。
 普段の口調は「コーヒーカップ(僕、~様、です、ます、でしょう、ですか?)」、酔った時は「くるくる(僕、~様、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


ハズキ・トーン(サポート)
「仮面って邪魔だよねぇ」
 どこか暢気な話し方をする、仮面をつけた男です。別に仮面が外れようが気にしません。邪魔ならすぐ外します。仮面は帽子感覚。

 攻撃する。という行為が驚くほど苦手な為、野生の勘やら逃げ足やらを駆使して避けつつ、
 『生まれながらの光』で負傷者等の救助を優先とした行動が多め。 
 回復の必要がなければ他UCも使用します。

 説得で回避できるならば話し合いを試みます。 
 自身の多少の怪我は厭いません。

 あとはおまかせします。連携歓迎。




 隣国ネアリスのオブリビオンマシン小隊も残るは、『モノアイ・ゴースト』に搭乗する隊長エカルトのみ。
 自らが率いていた小隊を退けた猟兵らに驚きながらも、彼はすぐに気を取り直して。
「まあいい。この『一つ目幽霊』単騎でも、都市の殲滅は可能だ」
 猟兵らに敵意を抱いたエカルトはユーベルコード【ゴーストスコードロン】を使い、200体近い支援キャバリアを展開してくる。
「「攻撃、開始……」」
 先程まで展開していた赤や黒の機体を思わせるそれらのキャバリア全てが銃撃を得意としており、主であるモノアイ・ゴーストを援護するように陣形を組んでいく。

 猟兵達がそれらの敵と対するべく準備を整える間に、サポートに駆けつけたメンバーがその大軍の足止めへと当たる。
「僕だってやれば出来ます。はい」
 カラフル衣装の回々・九流々々(界転装躯リトル・リトル・f21693)はかなり特異な特徴があり、コーヒーカップのゆかいな仲間なのだが、それでいて量産型のオブリビオンマシン。
 名前の通りくるくると回転しながら、九流々々は敵の支援キャバリアの注目を浴びる。
 そして、サポーターはもう1人。
「この世界だと仮面被っても気にしない人多そうだねぇ」
 キャバリアやオブリビオンマシンに乗っていれば、自身の容姿も気にならないかもとハズキ・トーン(キマイラの聖者・f04256)は考えつつも、攻め来るキャバリエの軍勢を前にする。
 説得できる相手なら良かったのだが、生憎とユーベルコードで召喚されたキャバリアとあってはそれも叶わないとハズキは判断して。
「あまり戦いは好きじゃないけれど、これはやるしかないねぇ」
 攻撃が苦手なハズキだが、せめて相手の進軍を止めるべくユーベルコードを展開していくのである。


「撃てェーーッ!!」
 エカルトの合図で、発砲してくる敵の支援キャバリア達。
 迂闊に攻め込めばオブリビオンマシンらが張り巡らす弾幕に撃ち貫かれてしまう。
 そんな中、九流々々は回転しながら、ユーベルコードを使う。
「怪異が起こる時間、僕等はきっと溌溂なのです」
 先程までの戦いによって、周囲には多数のオブリビオンマシンの残骸が転がっている。
 九流々々はそれらを使い、超次元の触手が生えた遊園地のティーカップに変換していく。
 それらの触手は支援キャバリアを捕えていき、放そうとはしない。
「拘束。……独力での脱出不可」
「応援求む。繰り返す、応援求む」
 触手に絡まれた味方機を救出しようと、支援キャバリア同士が触手、もしくはその出元であるコーヒーカップを砕こうと銃弾を発していく。
「しばらく、これで時間稼ぎができるのです」
 九流々々は足止めに徹し、後続の猟兵に術者である指揮官機の対処を託す。
 同じく、ハズキもユーベルコードで支援キャバリアの動きを止めるべく、ユーベルコード【藪知らず】を展開する。
「迷路ってわくわくするよね」
 突然、地面から生え、生い茂っていく木々が迷路を構築していく。
 それらは全長5mあるキャバリアにとってはかなり狭く、身動きが取れなくなる機体も多かったようだ。
「壁、破壊……」
 壁に銃弾を発射して破ろうとするも、壁はかなりの硬度を持っていてなかなか破壊することができない。
「あとは後続の皆にお任せだねぇ」
 準備が整い、再度戦場へとやってきた仲間達を目にしながら、ハズキはしばらく支援キャバリアの足止めを続けるべく迷路を維持するのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
「この時の為に私も縁を結んでおいたのよ…来なさい、キャバリア【ゲファレナー・エンゲル】」

黒地に紫の呪術模様のサイキックキャバリア【ゲファレナー・エンゲル】
[空中戦][滑空]のできるサーフブレイド【へクスベーゼン】に[サーフィン]して敵の上空を飛び回りながら[ハッキング]でコントロールを奪ったり[念動力]で転倒させたりして敵支援機を無力化するわ。
敵もSPDだから飛翔してくるみたいだけど、攻撃は[見切り]あるいは[オーラ防御]で凌ぐ。

「空の戦いなら引けは取らないわよ?」

そして味方がいなくて敵が多いところでユーベルコード【蒼き刃の円舞】。
丸ごと切り裂く。
「貴方たち皆に不幸をあげるわ」


シン・ドレッドノート
アドリブ連携OK

いよいよ指揮官機の登場ですか。
これを撃破すれば、ネアリスの当面の危機も去ると言うことですね。
「皆さん、油断しないでいきましょう」

彼もまたオブリビオンの狂気に捕らわれし者。
解放すれば今後の戦いの行方にも影響を及ぼすでしょうし、無事に救出しなくては。

「ビット召喚!」
【紺青の剣劇】を発動、ソード&ライフルビットを召喚して敵に向けて展開。
敵の高速移動からの一斉攻撃に対し、ソードビットでライフルビットをかばいつつ、カウンターの一斉射撃をライフルビットから放ちます。

「狙いはそこです…撃ちぬけ!」
一斉射撃のほとんどはフェイント。本命はセンサーを狙った一撃です。
これで戦闘能力を奪いましょう。


フィーナ・シェフィールド
敵は指揮官機、これまでよりも強敵ですね。

「本当は、最初から誰も傷ついてほしくはないけれど…」
レゾナンツに搭乗してイーリスをセット。インストルメントを演奏し、【永遠に響く癒しの旋律】を歌います。

猟兵のみなさんはもちろん、ネアリスの兵士の中にも連戦で疲れている方もみえるでしょうし、傷ついて倒れる人がいないよう、全力で治療します。
「わたしがいる限り、誰も死なせません!」


「これは貴方が本当に望んだ戦いですか…?」
敵指揮官のエカルトさんも、オブリビアンの影響を受けていると言うことですし。
破魔の力を込めた曲で、その狂気を癒して差し上げたい…。

戦いが終わったら、全ての方の心を癒すようなバラードを歌いますね。


エウトティア・ナトゥア
アドリブ・連携歓迎

さて、お代わりがやってきたようじゃが100を優に超えておるな、あれらをまともに相手にすのは骨が折れそうじゃ。
まあ、やれるだけやってみるかのう。
とはいえやる事は先程と同じじゃな、多数の精霊を呼び出して数で対抗するのじゃ。
数だけならこちらは倍以上じゃ、敵群と真正面から対峙して回避重視でけん制しつつこちらに気を引くのじゃよ。
指揮官機や支援機を無理に倒す必要はないぞ、そうやって拘束しておくだけでよいのじゃ。
攻撃役は、他の猟兵に任せるとするか。
一方に注意を引いて他方から攻める狼の狩りの応用じゃ。
あとは味方の攻撃に合わせてじわりと圧していけばよいじゃろう。


遠桜・星黎凪
ようやく指揮官さんのお出ましですか
ですが、この方も犠牲者なのですね
であれば助けましょう!それがわたし達の務めです!

引き続き、「夜桜」に乗って、高台から攻撃します!
アドバンテージ・アンサー使用
指揮官が呼び出した支援機をマルチロックオンしての
範囲攻撃化させたレーザー射撃で狙撃します
(スナイパー+砲撃)
時折移動して狙撃場所を変えながら支援機を撃墜していきます
わたしを追ってくる機体も撃ち落とします
そんな感じで露払いはお任せください!

支援機を全部撃墜したら指揮官機を狙撃しますよ
キャバリアの限界を突破させて、大威力の砲撃を叩きこんであげましょう
指揮官さんを助けられるよう、コクピット以外の部位を狙います


スピネル・クローバルド
WIZ判定の行動
アドリブや他猟兵との共闘歓迎

■心情
第一波、第二波ともに無事に撃退できましたね。
あとは貴方だけです、モノアイ・ゴーストさん。
どんな高性能のキャバリア相手でも負けませんよ。

■行動
ステルス・ハンティング(UC)を使用して戦います。
背景に同化することで【目立たない】様にしつつ
【迷彩】で身を隠しながら
【スナイパー】で狙いを定めて敵に攻撃します。

支援キャバリアを召喚されたら、そちらから優先して
【範囲攻撃】で撃墜させておきますね。
支援キャバリアに囲まれない様に【見切り】で敵の動きを察知し
【瞬間思考力】で即座に回避行動に移ります。

「すぐに、その呪われた機体から解放してあげますからね!」


薙沢・歌織
【WIZ】
指揮官エカルトを狂わせたオブリビオンマシン…禍々しい。フォルリー、彼を呪縛から解き放ちますよ!

交戦中にエカルト機や支援キャバリアの攻撃の癖を【学習】し、他の僚機に伝えます。
無数の支援キャバリアの召喚動作中に【魔力溜め】し、【常闇の悲槍を高速詠唱且つ誘導弾として発動】して、支援キャバリアを【ランスチャージ】で貫きます。

エカルト機の攻撃はインシグネ・ゲネリスの【オーラ防御結界術】で対処。突進が来たら【ダッシュ】でかわし、緋炎剣と聖痕の【炎属性攻撃の浄化全力魔法】のデータをフェネストラに転送して敵機の四肢を【2回攻撃】を連発して【切り込み】ます。
…もう、その機体に囚われる必要はありません!


フェイルシア・インパーサ
かなり出遅れてしまったみたいなので、
ここは支援機の封殺に専念致しましょう
エカルト殿の奪還は他の方に任せますわ

●戦法:WIZ
敵意を向けると攻撃する
ならば敵意を向けずに詠唱に専念し続けましょう
視界に味方と敵が映る範囲でユーベルコードの「高速詠唱」を実施
とはいえいずれこちらに気づくでしょうから
その時に余剰魔力を吹き出して威嚇しましょうか

支援機の群れが来たらそれらとモノアイ・ゴーストを分断するように
巨大な豆の木を放ち、群れを薙ぎ払うようにしならせます
攻撃は「見切り」と「盾受け」で防ぎますか

それと巻き込まないようにこの戦法について
事前に他の猟兵達に説明しておきますわ




 第二波『オブシディアンMk4』の集団を討伐し、改めて準備を整えていた面々。
「第一波、第二波ともに無事に撃退できましたね」
 金髪妖狐少女、スピネル・クローバルド(家族想いな女の子・f07667)はここまで順調に事が運んでいることを喜ぶ。
 だが、まだ終わってはいない。指揮官機が残っている以上、小国ネアリスを襲う脅威を完全に拭うことはできない。
「ようやく指揮官さんのお出ましですか。ですが、この方も犠牲者なのですね」
 この世界に存在するとある小国出身のキャバリア乗りの少女、遠桜・星黎凪(アンサーヒューマンのクロムキャバリア・f29963)はモニター越しに指揮官機を見つめる。
 搭乗するエカルトに破滅的思考を増大させてのは、このオブリビオンマシン。『モノアイ・ゴースト』は全身から薄暗い色をしたバリアを展開する。
「指揮官エカルトを狂わせたオブリビオンマシン……禍々しい」
 そのバリアの色に長い黒髪の女学生、薙沢・歌織(魔法学園の術剣士・f26562)がやや顔を顰める。
「これまでよりも強敵ですね」
 天使の翼を持つ歌手、フィーナ・シェフィールド(天上の演奏家・f22932)は向かい来るオーラに危機感を募らせる。
「これを撃破すれば、ネアリスの当面の危機も去ると言うことですね」
 モノクルを装着した女性に見紛う容姿の妖狐、シン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)は仲間達へと確認して。
「皆さん、油断しないでいきましょう」
 頷く仲間達と共に、近づいてくる指揮官機をシンは迎え撃つ。
「あれだけのオブリビオンマシンを……お前達は何者だ……?」
「あとは貴方だけです、モノアイ・ゴーストさん。どんな高性能のキャバリア相手でも負けませんよ」
 猟兵達の力に驚くエカルトへ、スピネルがまず言い放つ。
 だが、単騎と思わせた指揮官機は猟兵達を脅威と感じたのか、ユーベルコードによって多数の支援キャバリアを召喚してみせた。
「さて、お代わりがやってきたようじゃが、あれらをまともに相手にするのは骨が折れそうじゃ」
 金髪猫耳巫女姫、エウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)は小さく本音を漏らす。
 支援キャバリアが現れたサポーターと開戦する中、エカルトは自機の周囲にもそれらを配備していく。
「エカルト殿の奪還は他の方に任せますわ」
 そこで、遅れて駆け付けた長いピンク髪のフェイルシア・インパーサ(騎士姫の造花・f04276)が仲間達へと告げる。
 出遅れたことを自認するフェイルシアは指揮官機の謀殺に専念する構えで、仲間達へと自らの取る戦法について伝えていた。
「この時の為に私も縁を結んでおいたのよ……来なさい、キャバリア【ゲファレナー・エンゲル】」
 その間、ヴィオレッタは他メンバーと同様にキャバリアを呼び出す。
 現れた黒地に紫の呪術模様のサイキックキャバリア『ゲファレナー・エンゲル』へとヴィオレッタは乗り込み、すぐさま操縦を開始する。
「我等が生きる為……お前達には糧となってもらう!」
 叫ぶエカルトは『モノアイ・ゴースト』によって狂気を駆り立てられていることに気付かず、猟兵達へと襲い掛かってくる。
「フォルリー、彼を呪縛から解き放ちますよ!」
「ええ、助けましょう! それがわたし達の務めです!」
 対する猟兵達も迎撃に動き出し、歌織は搭乗する『魔霊機フォルリー』に呼びかけ、同調する星黎凪も自身の専用機『夜桜』で先程いたネアリス内の高台へと移動していく。
「まあ、やれるだけやってみるかのう」
 一方、エウトティアは生身で交戦に当たり、キャバリアに乗る仲間達を後方から支援に当たるのである。


 すでに、サポーター2人が支援キャバリアの足止めを行っており、ある機体は遊園地にあるようなコーヒーカップより伸びた触手に絡まれ、別の機体は木々の迷路に囚われて脱出できずにいる。
 それでも、半数近くがまだ『モノアイ・ゴースト』に追随しており、指揮官機を援護して銃砲を掃射させてくる。
 敵機に囲まれぬようスピネルはユーベルコード【ステルス・ハンティング】を使い、自らの周囲へとオーラを放つ。
 まるでカメレオンの様に周囲の地面に同化するような色へとスピネルはその身に【迷彩】を施し、【目立たない】ように移動する。
 前方からやってくる支援キャバリアの動きを【見切って】察知し、スピネルは【瞬間思考力】で即座に回避行動に移りって掃射されてくる弾丸を回避していく。
「すでに、こちらへと敵意を抱いているようですね」
 フェイルシアは仲間を視界に映る位置から【高速詠唱】し、余剰魔力を放つことで敵機を威嚇する。
 支援キャバリアの侵攻を食い止めるべく、高台の星黎凪が支援キャバリアをマルチロックオンする。
「露払いはお任せください!」
 ユーベルコード【アドバンテージ・アンサー】によって、力を高めた星黎凪は【範囲攻撃】化した【レーザー射撃】を行う。
 こちらも後方へと位置取っていたエウトティアは、その場に小型の精霊達を呼び出して。
「精霊よ、大いに歌い騒ぐのじゃ!」
 エウトティア呼び出した精霊の数は400体以上。敵軍と真正面からそれらを対峙させ、銃弾の嵐を回避させて牽制することで気を引く。
「指揮官機や支援機を無理に倒す必要はないぞ」
 エウトティアは敵機の拘束に重点を置き、精霊達を立ち回らせていく。
「なるほど、敵は数の利を生かして、こちらの足止めをはかろうとしていたようですね」
 歌織は支援キャバリアの攻撃の癖を【学習】し、キャバリアに乗る仲間ばかりでなく、生身で立ち回るメンバーにも伝えていた。
 エカルトの動きにも注目しながら、【魔力溜め】していた歌織は相手の動きが止まったタイミングで【高速詠唱】によってそれを発動させて。
「常闇の深淵より出でし暗黒の槍よ、仇なす敵を無慈悲に貫け!」
 歌織が発動させた【常闇の悲槍(ダークネス・ランス)】は400を超える【闇属性】を持った暗黒の槍となり、【誘導弾】となって支援キャバリアを【ランスチャージ】で貫いていく。
 相手はユーベルコードによって召喚された機体だ。ダメージが限界を越えればその機体は爆ぜ飛ぶように姿を消してしまう。
「やはり、あれでは足止めにもならんか」
 分かっていたと言わんばかりに、エカルトは【パルス・オーバーブースト】を使って飛翔し、『モノアイ・ゴースト』に搭載された光学兵器を展開していく。
「一つ目幽霊は確実な死と破壊をもたらす……くらえ!」
 発射させた拡散レーザー砲はこの場の猟兵、及び操るキャバリアを狙って撃ち抜いてくる。
 数が多いこともあって、その一撃だけで戦闘不能にまでは至らないが、それでも「単騎でも、都市の殲滅は可能」と言っていたエカルトの言葉は決してブラフではない。
 戦場を駆け巡るモノアイ・ゴーストの光学兵器に対し、フェイルシアはその軌道をしっかりと【見切り】、『肩鎧』から展開した【シールドで防ぐ】。
 歌織も紋章型守護回路『EPインシグネ・ゲネリス』の【オーラ防御に結界術】を合わせて展開し、しばらく拡散レーザーを防御していた。
 シンはというと、即座に飛来してくる光学兵器即座へと反応して。
「ビット召喚!」
 【紺青の剣劇(ダンス・オブ・ブルーサファイア)】を発動させたシンは自機『貴紅<ノーブル・スカーレット(PCE)>』の傍に『ソード&ライフルビット』を召喚する。
 そして、向かい来る拡散レーザーに対し、ソードビットでライフルビットを庇わせつつシンはしばし堪え、【カウンター】を行うタイミングを待つ。
 それらの攻撃に耐える仲間達を目にし、白き有翼のキャバリア『レゾナンツ』を操るフィーナは心を痛める。
「本当は、最初から誰も傷ついてほしくはないけれど……」
 敵の光学兵器に耐える仲間の猟兵達はもちろんのこと、都市の防衛を続けるネアリスの兵士達だって連戦で疲れているだろうとフィーナは慮る。
 彼女はキーボードとギターが一体化した『インストルメント』を使い、戦場へと優しい音色を響かせ始めた。
「わたしがいる限り、誰も死なせません!」
 傷ついて倒れる者が出ないよう、フィーナは全力で治療へと当たっていく。
 戦場に響く音色を空中で耳にしていたヴィオレッタ。
 『ゲファレナー・エンゲル』を操縦する彼女はサーフブレイド『へクスベーゼン』に乗って【滑空】し、【空中戦】に臨む。
「空の戦いなら引けは取らないわよ?」
 敵の上空を飛び回るヴィオレッタはモノアイ・ゴーストの光学兵器を【見切り】、【オーラ防御】で防ぎつつダメージの軽減に当たる。
 ただ、フィーナの音色によって幾分持ち直し、ヴィオレッタは敵機へと【ハッキング】を仕掛けていく。
「これで、コントロールを奪うことができれば……」
 さらに、【念動力】も合わせ、ヴィオレッタは支援キャバリアが満足に動けぬよう転倒させ、無力化を図っていた。


 サポーター2人が足止めしていた支援キャバリアも徐々に拘束から逃れていたようだったが、それでもすぐメインで戦う猟兵達がそれらも含めて無力化に当たる。
 星黎凪は時に高台を移動して狙撃していたが、その際に自らを追ってきた複数の敵を撃墜していた。
 戦場にて身を顰めていたスピネルも動き出し、優先して木製の弓『フォレストスナイパー』から【広範囲】に矢を射放ち、敵機を次々に撃墜していく。
「今なら行けそうですわね」
 フェイルシアはここぞと事前に仲間達へと伝えていた戦法を決行する。
 モノアイ・ゴーストと支援キャバリアの連携を断つべく、フェイルシアは敵陣に向けて巨大な豆の木を放つ。
 400mもの先まで伸びたその木を、フェイルシアは大きくしならせることで敵陣を薙ぎ払っていく。
「ぐううっ……!」
 激しく叩きつけられたモノアイ・ゴーストをエカルトは何とか制御するが、支援キャバリアは衝撃すらいなすことがままならず、消え去る機体も少なくなかったようだ。
「足止めを続けておれば、皆がやってくれるじゃろう」
 召喚した精霊は1撃で消えてしまうが、その数はまだ充分と判断したエウトティアは、仲間の攻勢に合わせてじわりじわりと相手を圧していこうと考える。
 実際、エウトティアが想定していたように、無力化した支援キャバリアの数は半数以下にまで減ってきていた。
「貴方たち皆に不幸をあげるわ」
 総崩れになっていた敵陣を見下ろすヴィオレッタがユーベルコードを発動させ、巨大化させた青金剛石のチャクラムを3連続で【なぎ払って】いく。
 そうして、ほとんど支援キャバリアが消え失せたことで、猟兵達はモノアイ・ゴーストの捕捉が容易になる。
 遠方の高台から敵を狙い撃っていた星黎凪は『RBSロングレンジライフル「閃桜」』の照準を敵指揮官機へと合わせて。
「コクピットは外して……」
 キャバリアの【限界を突破させ】、星黎凪は高出力のプラズマレーザーを発射していく。
 狙うはバリアフィールドを展開可能な肩の装甲。
 たったの一撃で、エカルトがバリアを展開する前にそれを跡形もなく吹き飛ばしてしまう。
 そして、仲間達の攻撃の間隙を縫うように、シンが攻め入る。
「狙いはそこです……撃ちぬけ!」
 【カウンター】として撃ち込むライフルビットの【一斉射撃】。
 エカルトは残る片方のバリアをできる範囲で展開しつつ凌ごうとしていたが、シンの本命はセンサーを狙った一射だ。
「くうっ、バランサーが……!」
「これで戦闘能力を大きく削ぐことができたはずです」
 交戦が難しくなってきたエカルトへ、フィーナが呼びかける。
「これは貴方が本当に望んだ戦いですか……?」
 話によれば、敵指揮官エカルトもまた、オブリビオンマシンの影響を受けて破壊的衝動を強めてしまっているとのこと。
 それならとフィーナは【破魔】の力を込めた歌を、自らのキャバリアの両肩にあるスピーカーから響かせていく。
「その狂気を癒して差し上げたい……」
「な、なんだこれは……!?」
 今ある自らを否定されるようなその歌に、エカルトはしばし苦しむ。
 だが、その中に、「違う、違う」と抵抗する声も彼は自覚して。
「うう、うあああっ!!」
 煩悶とする彼は操縦の手を止めてしまい、モノアイ・ゴーストが棒立ちになってしまう。
「すぐに、その呪われた機体から解放してあげますからね!」
 そこを狙い、機体を飛翔させていたスピネルがモノアイを狙って矢を射放ち、貫通してしまう。
 さらに歌織が『緋炎剣』と『聖痕』の【炎属性攻撃の浄化全力魔法】のデータをキャバリア用銃剣『フェネストラ』に転送して。
「……もう、その機体に囚われる必要はありません!」
 モノアイ・ゴーストの四肢目がけ、歌織は燃え上がる刀身で【2連斬り】して【切り込む】。
 さらに斬撃を連発する歌織は敵の四肢を切断し、モノアイ・ゴーストを完全に無力化したのだった。

 無事、ネアリスの防衛に成功した猟兵達。
 小国の民から絶え間ない感謝の言葉がメンバー達へと浴びせかけられる中、ベオラードの兵士達は戸惑っていて。
「我等は貴公らに多大なる迷惑をかけたというのに……」
 素の表情を見せる指揮官エカルトを始め、ほぼ全ての兵士達が肉親、友人、恋人などとペアとなっている。
「僭越ながら、一曲。お気に召しましたら幸いです」
 とはいえ、両国民の溝はなかなか埋まらなさそうだったが、そこで丁寧に一礼したフィーナが歌を口ずさむ。
 癒しのバラードは戦いによって荒んだ両国民の心を解きほぐし、人々の顔には笑顔も浮かんでいた。

 こうした戦いはクロムキャバリアでは後をたたない。
 猟兵達は両小国の関係改善を期待しながらも、次なる戦場へと向かっていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月07日


挿絵イラスト