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ヒュブリスの断罪人

#クロムキャバリア #斉慶人民共和国

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#クロムキャバリア
#斉慶人民共和国


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●義憤に燃ゆるもの
 プラント『斉慶人民共和国』……斉慶(ザイケイ)は共和制を謡う小国家であるが、
 その実情は、少数の富裕層が政治を仕切る、大多数の貧民が住まうプラントだ。
 選挙の投票数は金で買い、日々の安寧も金で買い、人の命すら金で買う。

 だが、平穏を約束された者ほど刺激《スリル》を求める。
 それも“権力者ゆえの傲慢”と言えた。

 今日も廃工場を隠れみのに、地下へ設けた非合法コロシアムで、暇を持て余した金持ちの道楽を行う。
 そこでは、明日をも知れぬキャバリア乗りが戦いを繰り広げる――ハズだった。

『――……天を恐れぬ愚行に報いを、犯した罪には重き罰を』

 訥々と審判を告げるキャバリアは《光の翼》を広げ、《断罪の刃》で観客ごと施設を破壊していく。
 積み重ねたモノ全て、ことごとく滅ぼすように――。

●いざクロムキャバリアへ
「いやぁ、どこにでもあるもんですね。非合法賭博って」
 李・蘭玲(老巧なる狂拳・f07136)は『ありきたりな話』とばかりに話を進める。
「新しく見つかった《クロムキャバリア》はご存じですね? その中の小国家『斉慶人民共和国』にてオブリビオンマシンの出現を予知しました。斉慶は高さ15mの世界に押しこんだ九龍城砦……香港のスラム街じみた場所です」
 一部の金持ちを除いて、住民は隙間を縫って組み込んだ違法建築に住んでいる。
 治安もお世辞にも良いとは言えない。
 いざとなったら数枚の紙幣を握らせれば、事件をもみ消すことだってできる。
「ですが、このコロシアムは話が変わります。斉慶の政務に関わる者も少なからず出入りしていますが……ここがなくなると“生活できなくなる住民”も多くいるのです」
 無論、闘技場で生計を立てている貧民達だ。
 ゆえにこのコロシアムの存在は、斉慶では黙認されていた一面もある。
「斉慶住民の明日のため、オブリビオンマシンを見つけだして撃破してくださいな」

 コロシアムでの戦闘となる以上、猟兵達にも“出場”してもらったほうが手っ取り早い。
 ……ということで。
「まずは予選試合を突破してください。対戦形式は『バトルロイヤル』、シード選手以外で一斉にバトルしますよ。総合20位以上に食い込めば予選突破となるでしょう……生身の方ですか? 飛び入りでドンパチしても、大いに受けると思いますよ。体裁を気にする必要はないかと」
 前代未聞の“ハプニング”だが、刺激を求める者には『面白い展開』と見られる可能性がかなり高い。
 なお、予選の機体は『闘技場映えを考慮したモノ』であり、オブリビオンマシンではない。
「操縦に慣れればサクッと倒せるでしょう」……と、蘭玲はかんたんに言う。

 試合後は空き時間を使い、バックスペースでオブリビオンマシンの特定を行うことになる。
「あれは『サイキックキャバリア』という機種でしょうか。参戦する同種の機体は3機でして」
 蘭玲は参戦キャバリアの資料を広げる。

 候補の一機目は雷撃と長槍を操る、魔将『遼雷雷』
 次が、光輪と斬艦刀を用いる、天仙『聖天真人』
 そして、三機目は遠隔操作の武装が豊富な『水天妃』

「予知で視た印象に残っているモノは『光の翼』と『片刃』『報い、罪や罰』という言葉ですね……機体を特定するヒントになるかと」
 重要な情報なので忘れないように、と念押し。

 特定できたら決勝戦にてオブリビオンマシンの討伐となる。
「決勝戦が始まったら、オブリビオンマシンへ集中攻撃して早々に破壊しちゃってください。脱落してもらったほうが安全ですからねぇ」
 ただし、決勝戦も『バトルロイヤル方式』
 そのため、他の参戦機体がはからずしも妨害してくる場合がある。
「『猟兵以外にオブリビオンマシンは識別できません』し、それを理由に共闘や協力をもちかけても鵜呑みにしないでしょう。上手く切り抜ける方法を考えておくといいですね」
 相手も生活がかかっているだけに必死だ。
 貧しいキャバリア乗りにとって、勝利こそ明日を輝かす光明ともなるのだから。

 待ちきれない様子の猟兵に気づき、蘭玲も重い腰をやっとあげた。
「さて、退屈な話はここまでにして……そろそろ行きましょうか。私もキャバリアには興味がありますのでね」
 グリモアにチカラを注いで、いよいよ転移が始まる。
 ――目指すは鋼鉄の騎士が守護する世界、クロムキャバリア。


木乃
 木乃です! ロボットものヤッター!!
 と言うわけでクロムキャバリアからお送りいたします。
 非合法コロシアムに出現するオブリビオンマシンを特定し、これを撃破してください。

『第一章:集団戦』
 予選のバトルロイヤルを突破してください。
 参戦する機体は、観客を楽しませるために見栄えを重視していますが、オブリビオンマシンではありません。
 生身で戦うかたは選手登録はできませんが、飛び入り参加でも盛り上がると思うので遠慮なく飛びこんでください!!

『第二章:日常』
 予選試合の合間を縫って、容疑者候補からオブリビオンマシンを特定してください。
 候補は以下の3機です。

 ・雷撃と長槍を操る、魔将『遼雷雷』
 ・光輪と斬艦刀を用いる、天仙『聖天真人』
 ・遠隔操作の武装が豊富な『水天妃』

 オープニング内に特定できるヒントがまぎれているので要チェックですよ。

『第三章:ボス戦』
 決勝戦のバトルロイヤルにて、オブリビオンマシンを破壊してください。
 他のキャバリア乗りにはオブリビオンマシンと見分けが付かず、試合ということで攻撃を仕掛けられてきます。
 (事実を伝えても識別できないので、共闘や協力の持ちかけも困難でしょう)
 うまく状況を切り抜けつつ、オブリビオンマシンを撃破してください!

 プレイング提出は『9月27日(日) 朝8:30~』にお願いします~。
 以上です、それでは皆様のご参加をお待ちしております!
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第1章 集団戦 『ファイアディザスター』

POW   :    ガトリングストーム
【両腕のガトリングガンの連射】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    ハウリングショット
レベル分の1秒で【両腕のガトリングガン】を発射できる。
WIZ   :    ガトリング・フィアー
【轟音を伴うガトリングガンの掃射】を披露した指定の全対象に【動けない程の恐怖の】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●予選
 斉慶の市街地は、街と形容するには混沌を極めていた。
 ひしめく数多のネオンと建物をまたぐ大看板、それを通り道にする住民達の姿。
 キャバリアの移動を考慮してか、通路は一定の幅を保たれているものの、それを抜きにしてもだ。
 あまりにも、あまりにも『とってつけたような建造物』が多すぎる。
 かつて、香港最大のスラムと呼ばれた《九龍城砦》を思い起こさせた。

 それらの端の端……すでに廃棄された工場区画の地下。
 そこに、金と時間を余らせた愚か者達と、対極に位置するキャバリア乗りが集っていた。
「さあ本日もやって参りました、斉慶乱武闘会のお時間です! ここは酒と金の池を眺める者と、強き者が弱き者を喰らう『酒池肉林』の空間だァ!!」
 マイクパフォーマンスに、賭け金を積みこんだ者達が歓声をあげる。
 熱気の高まりを感じながら司会者は不敵な笑みを浮かべ、
「今日はいつもの顔ぶれに混ざって、どこからともなく現れた“新参キャバリア乗り”も名乗りをあげている――未知数の手腕に賭けるも、手堅く安牌を抑えるも貴方次第!」

 ――金を積んで、積んで、積みまくって、今しかないスリルを堪能しよう!!

 まもなく予選開始。
 観客達はこれから“なにか”が起こる……そんな予感に胸を熱くさせていた。
木霊・ウタ
心情
この国の在り方とか
思うところはあるけど
どうしようもない事情はあるんだよな

Oマシンを海へ還してやろう

その為にはまずは予選突破だ
他選手にはちょいと悪いけどUCを使う
派手にいくぜ

戦闘
RXとBS装備の
シンプルな機体を借りる

火の災厄相手に
遅れをとる訳にはいかないぜ

駆けまわり
BSから獄炎ビーム連射

命中部位から延焼
ガトリングを暴発させたり
機体を加熱させたり回路を焼き切るぜ

因みにもし外れても
着弾地点から延焼広がり同上だ

敵攻撃は爆炎の反動で回避
炎の壁を生み出し防御

接敵したら獄炎纏うRXの高熱の刃で一閃
ガトリングごと薙ぎ払う

事後
操縦席から出たら
観戦者らの愚かさを憐れんだ曲を爪弾くぜ
特に何も言わないけどな



 木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)が機体を貸与されたときのことだ。
「おい坊主、確かにここは違法の賭博場だが“無秩序ではない”……渡り鳥が個人的な不満で“秩序”を乱すなよ? 客が減れば選手の稼ぎも減る」

『清水に魚棲まず』という言葉があるように、清廉さの徹底はグレーゾーンに生きる者を潰しかねない。
 ――捨てた金で救われる命だってあるのだ、と。

 警告を残したスタッフの眼差しが、ウタの脳裏にはこびりついていた。
(「この国の在り方とか、思うところはあるけど……どうしようもない事情はあるんだよな」)
 “正しさ”では救えない人間の行き先が、このコロシアムならば。
 予知されたオブリビオンマシンは在るべき場所に送り還さねばなるまい。
「……まずは、予選を突破しないとな」
 油ぎれした金属フレームが悲鳴をあげ、入場ゲートから続々とキャバリアが現れる。
 ウタもその中に混ざって闘技場内に踏みこんだ。
 
『さあ常連メンバーが勝ち上がるか、新顔が大番狂わせを起こしてしまうか? 勝負の行方はその目で確かめてほしい』
 ――レディー・ゴーッ!!

 予選開始の合図とともに、ウタめがけて三機のキャバリアが推進器(スラスター)を吹かす。
「ヨソもんが観光気分で来てんじゃねぇ! ぶっ潰せェ!!」
 同じマーキングのついた三機は同じグループなのだろう。
 外縁を沿うように疾駆するウタのキャバリアを、相手はガトリングガンを振り回して戦場を引っかき回す。
「ちょいと悪い気はするけど、俺も負けられないんでな!」
 機体のフレームを弾丸がかすめて損傷が増えていく。
 キャバリアの傷口からウタの獄炎が立ちのぼると、観客席から歓声と悲鳴が湧いた。
『おおっと、新参キャバリアから紅蓮の炎! 無慈悲な新人潰しにこのまま屈してしまうのかァ!?』
 司会者はその様子を煽って客席をさらに盛り上げる――だが、これはウタのユーベルコード。
「派手にいくぜ!」
 ビームシューターの引き金を引いた瞬間。
 ――機体にまとう獄炎がビームとなり戦場に放たれた。

 予想外の攻撃に相手の陣形が崩れ、隙を突いたウタは敵機を炎まとう実体剣で斬り捨てる。
 まとめて斬り払われた三機は高熱で変色しはじめていた。
『こ、これは一体なにが起きた? 噴き出す炎を操って相手を炎上させるとは……こいつァ、とんでもないヤツが来ちまったようだ!』
 想像だにしなかった展開――客席の熱気も高まりをみせる。
 オーバーヒートを起こした機体は動きを止め、戦場外へコックピットを射出。
 どうやら搭乗者を守るため、操縦席ごと切り離す『安全装置』が搭載されているようだ。
「《火の厄災》相手に遅れをとる訳にはいかないからな」
 熱烈な“歓迎”を退けたウタは後続をかわし、次のターゲットを選び始める。

成功 🔵​🔵​🔴​

緋月・透乃
おー、スラムのコロシアムってところかな!よくあるけれどやっぱりなんかこう、心が躍るね!
さーて、新たに見つかったこの世界のキャバリアとオブリビオンの実力はどんなものか、楽しみだね!

私は生身で飛び入り参加するよ!今までも生身で帝竜とかでかいのは色々戦ってきているんだから、そんな自分の強さを信じるよ!

戦い方は基本的には他の敵が戦っているところにこっそり近づいて緋迅滅錘衝を叩き込む漁夫の利狙いでいくよ!
機動力と射程の問題で引き撃ちされるとどうしようもないからねぇ。
敵の攻撃への対処は、引き撃ちする敵なら逃げて間合いを離し、しないなら武器を盾にして怪力で射撃に耐えつつ突っ込んでいって攻撃しにいくよ!



 観客席への入場も『組織』が手引きし、緋月・透乃(もぐもぐ好戦娘・f02760)はあっさりと入りこめた。
「おー、スラムのコロシアムってところかな! よくあるけれど……やっぱりなんかこう、心が躍るね!」
 戦うキャバリア乗りは勝負を、それを観戦する太客は娯楽を、誰も彼もが“真剣に”興じているからか。
 純粋に楽しむ場の雰囲気に、透乃の豊かな胸から好奇心は溢れそうだった。
(「さーて、新たに見つかったこの世界の兵器……キャバリアとオブリビオンの実力はどんなものか、楽しみだね!」)
 うずうずして堪らない様子の透乃が席を立ち、近くに居た男が「もうお帰りで?」と問いかけてくる。
 男の問いかけに透乃は意味深な笑みを返すのみだった。

 ガトリングガンの砲身が回転するたびマズルフラッシュが瞬く。
 硝煙のニオイが増すほど、観客の喜色に満ちた叫びと、愕然とした悲鳴が響き渡る。
『予選開始から想定外の場面に出くわし、選手達の困惑がこちらにも伝わってくる! しかし、ここは非情なバトルステージ――離脱する選手も増えてきたぁッ!』
 興奮気味に実況する司会者の言葉に、観客席は打てば響くように反応する。

 ――熱くなっていたばかりに、《ハプニング》に気付くまで時間がかかってしまった。

「くそっ、あんなヤツもアリなんて聴いてないぞ!?」
「よそ見してていいんですかねぇ!」
 悪態をつく量産キャバリア乗りに、他の選手が奇襲をかけて片側の砲身を破壊。
 不具合を起こしたガトリングガンを振り上げたとき――男は目を疑った。

 どうして。
 キャバリアのコロシアムに。
 ビキニじみた格好の女が……乱入しているのだ?

「いっぱつで、ぶっこわーす!」
 愛用の重戦斧が量産型キャバリアの脚部に食らいつく。
 ミシミシミシッ……!
 透乃の奮った大斧で装甲は裂け、転倒した量産機のコックピットが射出される。
 ……継戦不能とジャッジされ、量産機の男は予選落ちとなった。
『なんとぉ……ここで《赤髪のじゃじゃ馬娘》も乱入だとぉ!? しかもキャバリアを生身で撃破する、前代未聞の事態!! 今日の乱武闘会はどうなってるんだァ!?』
 乱入者に気付いたときには、すでに遅し。
『まだ足りない』と戦斧を持ち上げる透乃の姿は、モニターに大きく映し出されていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フクス・クルーガー
【POW】 アドリブ歓迎

健全だとは言えないけどこれも一種の経済の流れ、こんなのでも生きる糧を得ることができる人がいるなら防がないと!

ということでクーちゃんでダイナミックエントリー! いきなりトラックが乱入しながら変形して登場! 

アタシの変形状態だと約3Mくらいで他の機体よりも一回り小さくて違うからよく映えるでしょ!

その後は演出も兼ねて相手の攻撃はガードせずに全部受けていくよ。クーちゃんの装甲はほぼすべての環境でも耐えれるほどの装甲だからあんな量産機の攻撃なんてそよ風のようなもの!

その後は武装は使わず相手に近づいて【グラップル】のプロレス技で豪快に投げ飛ばして演出だぁ! 



『混沌・CHAOS・ケィオスッ!! まさにコロシアムは大・混・乱の様相にあります――!!』
 場内は斉慶市街にも勝るとも劣らないカオスの渦中。
 その中のひとつに、フクス・クルーガー(何処でもお届け! 安心のクルーガー運送!・f22299)の愛車・クーちゃんも含まれている。
(「健全だとは言えないけど、これも一種の経済の流れ……だよね」)
 いわば、ここはドブに貯まった汚泥。
 清浄とは言えない環境でも、泥に蓄積された微生物を食べる生物だっているのだ。
「こんなのでも……生きる糧を得ることができる人がいるなら、守らないとね!」
 しのぎを削るキャバリアめがけ、フクスはアクセルを盛大に踏みこむ――!

 地べたを抉る勢いでダイナミックに飛び出す車体。
 大型車両に押し退けられる形で、両者はフクスのほうへ向き直る。
『なんとトラックがキャバリアに変形した!? 変身したようにも見えたが、あのリトルな新人も《なにか》しでかしちゃうつもりか!』
 実況もその様子をピックアップし、観客の熱視線がフクス機に集中。
「ほぉ? 注目集めに俺ら利用するたぁなぁ」
「その《オモチャ》ごとぶっ飛ばしてやるぜ!!」
 割り込まれた苛立ちと盛り上げ役扱いされた鬱憤をこめて、先ほどの二機はフクスに狙いを変えた。
「ワタシの“相棒”をオモチャ扱いして……後悔しないでよね?」
 
 一般的なキャバリアに比べると、フクスとクーちゃんの《戦闘形態》は一回り小さい。
 だが、その重量感あふれる堅牢なボディは伊達ではなかった。
『二機の猛攻などそよ風に過ぎないのか!? 難攻不落の小城砦クーちゃん、文字通りの鉄壁ぶりで防いでいます!』
「ぬぁにがクーちゃんだ、どこまでもふざけやがって!?」
 見た目通りに丈夫さで両機の実弾を受け止め、フクスにひるむ気配はない。
 悔しさと屈辱感で顔を歪ましているだろうキャバリア乗りは、怒りのままガトリングガンを振り回す。
 ……貫通力抑えめのガトリング弾で貫くには、予選も終わっているだろうが。
「そろそろ、こっちから行かせてもらうよ!」
 クーちゃんの性能をたっぷり思い知らせたところで、ついにフクスも攻めに転じる。
 真っ正面から突っ込んでくるフクス機は豪腕からのダブルラリアット!
 まとめて薙ぎ倒し、すかさず一機を担ぐと、バックドロップで機体ごと場外へ。

 戦略的撤退を試みようとしている、もう一機も腰ごと抱きこみ捕獲完了。
「わ、悪かった、オモチャ扱いして悪かったって、な?な?」
 慌てふためく操縦者は謝罪するが、言葉を口にするたびゆっくりと機体が後方に傾いていく。
「うん、じゃあ控え室まで“お届け”させてもらうね? クルーガー運送をよろしく!」
 豪快なジャーマン・スープレックスを決められ、敢えなく男は退場させられるのだった……。
『クーちゃんまとめて二機撃破! 手足のごとく操る、あの操縦センスは一朝一夕のものではないと見たァ!!』
 ――選手同士の織りなす人間ドラマも、闘技場を賑やかすエッセンスなのだ。
 見事な《勧善懲悪》と《鉄拳制裁》を決めた活躍も、観客を楽しませるには充分だった。
 コロシアム内はオッズ云々を抜きにして、近年稀に見る盛り上がりを見せる。

大成功 🔵​🔵​🔵​

古美門・烈火
【アドリブOK】
インフェルシオンが参加しろってうるせぇんだよなぁ
まぁ何にしろこういう乱闘は大好きだぜ

(登録名は魔装少女レッドフレア)
バカにしたらはっ倒すぞ。
俺だって好きで名乗ってるわけじゃねぇ。

【戦闘】
とりあえずパフォーマンスして注目集めるしかねぇな
魔装少女レッドフレア参上!
とか言ってとりあえず少女っぽい口調で戦闘開始するぜ。
インフェルシオンの能力なら瞬間思考力を高めて
四方からの敵もかわして必殺技を決めてやることもできるだろ。
すげぇ熱い一撃でまとめてふっとばしてやるよ!



 ほんの少し前まで、どこにでも居る不良高校生だったはずなのに。
 どうして、自分が非合法のキャバリア闘技場に出場させられているのか。
 しかもキャバリアの外見、メカっぽい服を着た女の子だし。
 強制的にパイロット登録された上に、なぜか自分の性別ごと遺伝子組み換えられてるし。
(「マジでどうしてこうなった」)
 古美門・烈火(魔装少女レッドフレア・f29927)、波乱の近況を振り返る。 参加しろと煩くする自機に誘われ、渋々やってきたが……このバカみたいなお祭り騒ぎの乱闘。
(「へっ、こういう乱闘は嫌いじゃないぜ」)
 楽しませてもらうかと、烈火が動きだす。

「闘志よ、真っ赤に燃え盛れ――魔装少女レッドフレア、参上!」

 高らかに名乗りをあげる烈火に、
『新参キャバリアの注目枠“魔装少女レッドフレア”……ふふっ、どのような活躍を見せてくれるのかぁ!?』
(「あの司会、次会ったらぜってぇ泣くまで殴る」)
 笑いを堪える司会者と同様に、他のキャバリア乗りも“イロモノ枠”として注目していたようだ。
「よぉよぉ、迷子かなぁ? お嬢ちゃ~ん?」
「ここは大人の遊び場なんだよ、帰ってアイドルごっこでもしてな!」
 あからさまに見下した態度のキャバリア乗り達は、インフェルシオンに銃口を向ける。

 現れた弾幕に烈火は躊躇いなく飛びこんだ。
 拡張された《瞬間思考力(フォーアンサー)》で、弾幕の薄いルートを見抜き、烈火はガトリングの嵐をすり抜けてみせる。
「啖呵切っていいのはやられる覚悟がある奴だけってこと、よぉっく教えてあげるわよ!」
 かわし続ける烈火だが、攻撃は“できない”でいた。
 烈火の必殺技(ユーベルコード)には《自身から30cm以内の対象》に限定される制約があり、一方の相手はガトリングガンが主武装。
 複数いる射程ありきの機体を、超至近距離に捉えることは難しかった。
 武装による相性の悪さから膠着状態となっていたが、隙だらけの背中を見過ごす者はいない。
 魔装少女に気をとられた隙に、他選手がその背を撃ち抜き――遂に、予選終了がアナウンスされた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 日常 『鋼鉄闘技場』

POW   :    自慢のキャバリアを駆り、優勝を狙う

SPD   :    賭け試合のチケットを買う

WIZ   :    売店の飲み物や軽食片手に試合を観戦する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●雲隠れ
 機体の整備中に、グリモア猟兵から渡された候補者の資料に目を通す。
 どうやらここの選手らしく、全員が“ワケあり”のようだ。

 ・遼雷雷
 操縦者は元・国防軍だった男。上官との暴力沙汰により懲戒免職処分を受けている。
 短気な性格もあって一般職につけず、現在はコロシアム常連選手。
 使用機の彼の血族に継承されたもので、指先から放つ雷撃と偃月刀の迫力もあって、花形キャバリアとなっている。

 ・聖天真人
 操縦者は元・検察官の男。担当した贈収賄事件を立件まで漕ぎつけるも、無罪判決となったことから自主退職した前歴をもつ。
 使用機については自己申告が多く、出場は二度目。
 光の翼と天使の輪をもつ外観は、当コロシアムではやや浮いた存在。

 ・水天妃
 操縦者は元・人気モデルの女。数カ所の美容整形を行った事実が発覚し、各所から受けた非難で引退に追いこまれた。
 使用機は国外から輸入したもので、出場用に無理やり脳波コントロールシステムを組み込んだ女性型キャバリア。
  勝率は高くないが、操縦者の知名度とクリスタルビットや無差別音波兵器で戦場をかき乱すトリックスターでもあるため、参戦希望の声は多い。

 ……一癖も二癖もありそうな者ばかりだが、この中にオブリビオンマシンが紛れている。
 さすがに当人らへ話を聞きに行くのは、動向を察知される危険性が高く襲撃を後押ししかねない。
 グリモア猟兵の話の中をよく思い出せば、手がかりもある。
 バックスペースでスタッフや、予選に出場していたキャバリア乗りから彼ら・彼女らの噂を伺ってみよう。

 ===
 プレイング提出は『10/2(金) 朝8:30~』にお願いします。
 よろしくお願いします!
 ===
古美門・烈火
【アドリブOK】
とりあえず印象に残ったらしい光の翼あたりから調べるか。
聖天真人は予知の印象に合致するタイプだからな。

【調査】
とりあえず女の子として色んな人にヤツに関してなにか…
変わったこととかを調べないとな…
検察官の男がキャバリアの、しかもこのコロシアムに来た理由が気になる…
まぁどうせ荒くればっかりだろうから妙な視線を向けるやつもいるだろうな…

「お話…それなら」
まぁなかなか口を割らなかったら本気の俺で脅しにかかって殴り倒せば
口を割るだろうな。


緋月・透乃
よしよし、生身でもキャバリアの相手は十分できそうだね。もっと強い奴が相手になる決勝がたのしみだねー。
はやく戦いたいけれど、先にオブリビオンマシンを見つけないと。

怪しいのは『聖天真人』かな?
光の翼があるし、片刃も多分斬艦刀のことだよね。あと光輪もあって天使っぽい気がするから罪とか裁きたがりそうじゃん!天使ってそういうものだってUDCアースのマンガとかで読んだよ!
ということでこいつに目をつけるよ。

コロシアムだから食べ物を売っている場所はあるだろうし、沢山買って腹ごしらえしつつ、店員とかに聖天真人について聞いてみよう。
「決勝ではあいつとやりあってみたいんだよね。」って感じの切り出し方でいけるかなー。



「よしよし、生身でもキャバリアの相手は充分できそうだねー」
 小腹が空いた透乃はコロシアム内のフードショップで包子(パオズ)に舌鼓を打っていた。
 肉まんのようなモチモチの皮、濃厚なタレを引き立てる白髪ネギと豚角煮の食感も相性バツグン。
 財界人の舌を唸らせる『隠れた名店』に感動しつつ、店の主であるおばちゃんも満足げである。
「アナタ、よく食べるわね……ここで何件目なの?」
 烈火も呆れながら、包子を頬ばって小腹を満たす。
 一人でいたときは好奇の目が絶えなかったが、透乃と歩くようになるとその視線もプツリと途切れた。
 ……素手でキャバリアとやりあう“超人”が一緒なのだ、敬遠する理由としては充分すぎる。
「いやぁ、今日の人気上位の二人が来るなんて嬉しいねぇ!」
 カラカラと笑う店のおばちゃん、手元では透乃の次のオーダーを用意中。
 ジュージューと肉の焼ける音は食欲をさらに刺激してくる。

 さて、隠れ名店グルメツアーの続行といきたいが“本題”も忘れてはいけない。
「決勝ではもっと強い相手が出るんでしょ、シード選手ってやつ? 私、あいつとやりあってみたいんだ」
「おや、誰だい?」
「『聖天真人』だよ! 光の翼とか、天使みたいなキャバリアなんだよね」
 ワクワクと楽しげに話す透乃に「あらあら」とつられて笑う。
 唯一、怪訝な表情をしていた烈火もその話題に乗る。
「確か、検察官だった男が操縦者なのよね? ……おばちゃん、なにか知ってる?」
 女の子らしい振る舞いを心掛けながら、烈火は上目遣いで尋ね……すると、おばちゃんの気配が一変した。
 値踏みするように二人をじっくり見つめた後、
「……まあ、面白いモノ見せてもらったし、今日はサービスしよっか! 《赤髪のじゃじゃ馬》さんに《魔装少女レッドフレア》さん?」
 器用にウィンクしてみせると、おばちゃんは店の裏手から入ってくるように促してきた。

 ――人の好いおばちゃんであっても、彼女もまたコロシアムの従業員。
 運営する『組織』の構成員なのだ。

 休憩中の札とシャッターが下ろされ、透乃と烈火は個室となった売店内に入る。
「で、聖天真人の操縦者の――なにが聞きたいんだい?」
《裏の顔》に変わった女の問いに、烈火は頷いた。
「どうしてその人はコロシアムに来たのかな?」
「さあね、ここはワケありの連中が集う“隠れ処”さ。スネに傷を持つ奴も、世間で肩身の狭い奴も、他人には言えない事情を抱えた奴もやってくる……そういう連中を受け入れた“ビジネス”だからね」
 働き口に困った『社会のはみだし者』を受け入れる。
 そして『私腹を肥やし、平和に飽いた富裕層』から法外な金を落とさせ、その一部を『配当金』として彼らに渡す。
 ――それが、この非合法闘技場のビジネスモデルなのだ。
「うちは“義理人情”や“任侠”を重んじる。ただ必要なら暴力も厭わないよ、この闘技場なら“八百長”や“裏工作”には容赦しない……『無秩序な娯楽場』なんて、理不尽すぎて全然楽しくないでしょ?」
「違法だからこそ“秩序”とか“公平性”を大切にしてる、ってことなんだね」
 人道的かはさておいて、独特の規律があることに透乃は感心して何度も頷く。

 満足いく返答ではなく、烈火は小さく唸り、次の質問を投げかけた。
「それなら……その操縦者に変わったこととか、おかしな所はない?」
 オブリビオンマシンに搭乗した者は、精神を破滅的な思想に狂わされる――それはオブリビオンマシンから離れているときも、だ。
 であればだ、普段の行動にも不審な点がある……その読みは予想外の方向で、的中していた。
「うーん、“この闘技場に来ていること”かね」
「え? ここに来ていること自体がおかしい、って」
 不思議そうに透乃と烈火は顔を見合わせる。
「自分から辞めたなら、転職だって問題なく出来るでしょ? 国家公務員だった高学歴の奴が、なんでわざわざ『非合法のコロシアム』なんかに来るかねぇ?」
 しかし、それも受け入れを拒む理由にはならない。
 だから男の出場も認められたのだ。
「確かに……そう考えると、ちょっと変かも? あ、その人の名前って」
「フェイさ、フェイ・リー」
 最後に名前だけ確かめると、挨拶もそこそこに売店を後にした。

 人目がないことを確認すると、二人は互いの所感を確かめる。
「ねえ、やっぱり聖天真人が怪しいよね? 光の翼もあるし、片刃も多分斬艦刀のことだと思うし、光輪もあって天使っぽい気がするから、罪とか裁きたがりそうじゃん!」
 天使とはそういうもの……UDCアースのマンガで見たと透乃は興奮ぎみに伝える。
「そうよね。予知で見たっていう印象にも合致してるし……やっぱり“コロシアムに来た理由”がよく解らないのがひっかかるわ」
 次の“対戦相手”――ぼんやりした輪郭に少しずつピントが定まり始める。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フクス・クルーガー
【WIZ】 アドリブ歓迎

よーし、つかみはばっちり! 後はオブリビオンマシンを見つけ出すだけだ。

と言う訳でアタシは三人の整備員として潜入するよ。一応クーちゃんのカラーは変えて普通の業者として変装してね。巧みな【コミュ力】で今回だけの代わりの業者としてと操縦者に説明しておくよ

操縦者からは聞き出せなくても機体の消耗などは嘘をつけないんだよ。これでも【メカニック】だからね。

えっと確か目標は光の翼とかだから天使をモチーフにしたのかな? なら重点的に『聖天真人』を調べてみよう。あ、細工は気づかれない範囲なら特に足回りを重点して細工していくよ


木霊・ウタ
心情
一族伝来の機体を
軍務ではなく闘技場の刹那に費やしている奴

正義が金に屈した現実に退職した奴

心ならずもコロシアムを舞台としている元モデル

どいつも絶望と怒りを抱えていそうで
マシンの誘う狂気と波長が合いそうだ

けど
光の翼
片刃
罪や罰
が予知されたなら天仙だよな

行動
常連選手やスタッフへ
聖天真人の事を聞き込み

今回で二度目なんだろ
言動とか態度とか一回目と違う点とかある?


影を放ち
直接天仙の言動や行動も確認

更に天仙のキャバリアも直接影で探りたいけど…
マシンに気づかれる恐れがあるんなら
止めとくぜ

事後
斉慶の在り様が聖天真人って存在を作っちまったんだよな
可哀そうに
必ず救って見せる
頼んだぜ、相棒

とレンタル機へサムズアップ



 ――ある国の防人は、《感情》で行動し《地位》を失った。
 ――ある法の番人は、《不信》な結末に《誇り》を失った。
 ――ある美の達人は、《理想》を追求し《名声》を失った。

 それは、誰かの価値観によって『世間』から追放された者達の背景。
(「どいつも絶望とか怒りとか、オブリビオンマシンの誘う狂気と波長が合いそうだな」)
《この世の全てが破滅すればいい》……そう思っていても不思議ではないと、ウタは感じた。
「特徴が近いのは天仙だよな」
「うんうん、目標は光の翼とかが特徴だもんね」
 彼のつぶやきにフクスも『同意見』と大きく頷いた。
 ウタが聞き込みに行くと言うと、その間にフクスは「準備を済ませる」と行動を別にする。
 
 ウタが話を聞けそうな相手を探し始めた矢先……見覚えのある焦げた機体が視界に入った。
 揃いのマークをつけた三機は、モヒカントリオが応急処置の真っ最中。
「さっき試合出てたよな?」
「うげ!?あの時の新顔!?」「あ、あんちゃ~ん!」
 その声は間違いなく先ほど聞いたもの、どうやら三兄弟だったらしい。
 あんちゃんこと長男が来ると、弟分に修理を任せてその場を離れさせた。
 ウタは男に『決勝戦の相手について聞かせてほしい』と伝える。
「聖天真人だっけ、二度目の出場なんだよな?」
 機体名を聞いていかつい顔がさらに険しいものに……男の私情が交ざらないか気がかりだが、そのまま話を続ける。
「操縦者ってどんな奴だった?」
 男は顎を撫でなで記憶を呼び起こすと、
「高そうな服着て、髪もぴっちり整えて、スゲェ真面目くんタイプ……弟達にも生ゴミ見るような目ェしやがったな、あの野郎」
 ムカつきがぶり返して男は口をへの字に曲げる。
 相手をよく見ていると解り、もう少し話を聞いてみた。
「今日はそいつって見たか?」
「そういや……予選、見てたな」
 そのときの様子を尋ねると、男は「チラ見しただけだぞ?」一言前置きして、
「前は死んだ魚みてぇな目してたけど、今日は妙に目ェギラギラさせてて……なんか不気味だったわ」
 大げさに言った可能性もあるが、後は“直接”確かめればいい。
 礼を告げてウタはフクスの元へ走る。

「お帰り! こっちも準備できたよ、シード選手は個別のメンテナンスルームに通されるんだって」
 ウタが戻るとフクスは整備用のつなぎに着替えており、クーちゃんも塗装に手を加えて“変装”を終えたところ。
「やっぱり聖天真人の操縦者が変らしいだぜ、目つきが前回と違うって」
「じゃあ機体を調べるついでに確かめておこっか?」
「……念のためさ、俺の“影”も連れていってくれるか?」
 この闘技場は出場者の生活を守る目的で、“秩序を乱す存在”には特に厳しい。
『予選出場者がシード選手の個室に侵入した』と発覚すれば、決勝に出るどころか、闘技場から追い出されかねない。
 車体下部にウタの影が隠れ、整備スタッフに変装するフクスは件のスペースへ。
 ――……そして、シード選手用のバックスペース手前まで来たとき。
「おい待て」
 見張りをする警備スタッフに呼び止められた。

 特殊部隊じみた格好の警備員は、じりじり歩み寄って運転席を凝視する。
「すみません、こちらのバックスペースにある機体の整備に来たのですが」
「……見ない顔だな」
「今回だけ代理でメンテナンスを、と他の方に頼まれたので」
 好印象を与えようと努めるフクスだが、警備員の眉間は深いシワを浮かべるのみ。
 ……スタッフは溜め息を吐き、
「なんでシード枠は別室に通されると思う? ――“不正”させないためだよ」
 取りだした銃をフクスの鼻先に突きつける。
「『信用』は金じゃ買えないし、一度失えばすぐには取り戻せない……知らない奴にここを頼る連中を任せるほど、うちは無責任じゃねぇ。不正があったとなれば……積み上げてきた客からの信用、選手からの信用もドン底まで落ちる訳よ」
 凄んだ声色も、射殺すような視線も、裏社会で生きる者のそれ。
 だが、オブリビオンマシンとの見分けがつかない『一般人』でもある。
 立ち塞がる理由とて、運営として“秩序を保つため”に過ぎない。

「幸いにも総帥(ボス)は不要な制裁を好まない、だが確認は一度でいい。大人しく引き返すか、裏で《痛い目》みるか――今すぐ選べ。10、9、8」
 強行突破しようと思えば、猟兵であるフクスなら容易なこと。
 だが、それこそ“秩序を乱す行為”に他ならない。
 なにより予選に出場した以上、フクスの顔を知るスタッフは多くいる。
(「悪いコトしようって人が出ることくらい、想定されてたか……騒ぎになったらワタシの正体もバレちゃうよね」)
 この警備員が予選を見ていなかったことと、ここまでは周囲の目をごまかせたこと……それが不幸中の幸い。
 警備スタッフの言葉に従って、フクスは元来た道を引き返す。

 ――そのやりとりの最中、警備の目をかいくぐったウタの影は忍びこんでいた。

(「せめてパイロットの様子だけでも確かめないと」)
 シード選手用のスペースにも警備員の姿がいくつかあったが、目的の男はこの場に不釣り合いな清潔感のある格好。
 その姿はよく目立ち、すぐに見つかった。
 男は自機と向き合う形で小型コンテナに腰かけ、曲げたヒザを肘かけにして、組んだ両手に口元を押しつけた体勢でいる。
 試合前に精神統一しているような、思案に耽っているような風だった。
 様子をよく見ようと近づいてみると、男はなにか独り言をこぼしていた。
「――……て、正せ……あのウ…………郎も見……」
(「よく聞こえないな、もう少しだけ近づいてみるか?」)
「……全て、正す。あの“ウジ虫野郎”も見つけた……やっと全て、正せる」
 耳をすませて聞こえた言葉は呪詛に満ち満ちていた。
 怨嗟と執念と憤慨と、ある種の喜びに満ちた声色は尋常ならざる気配にあり――操縦者がいないハズのキャバリアは、その言葉を肯定するように両目を光らせる。
(「あの機体!?」)
 ハッとした拍子に、置きっぱなしの工具が腕をかすめ……こぼれおちて床面に衝突した。
「!」
 男はためらいもなく懐の銃を向け、音のほうに引き金を引く――。
 
『シード選手用の別室で発砲があった』とバックスペースは一時、騒然となった。
 状況確認を済ませたスタッフは、予選組に調査結果を報告する。
「入りこんだ害虫を駆除するため咄嗟に使ってしまったそうだ。ただ、シード選手用の整備室に侵入しようとした者も確認されている。まあ未遂犯であるため罰則は不問とするが……もしこの場に居るなら、次は指の二、三本なくなると思え。以上」
 最後に『秩序を乱すな』と釘を刺し、スタッフは本来の職務へと戻っていく。
 危ない橋を渡ったことを改めて痛感し、肝を冷やしたフクスは胸をなで下ろす。
「……あ、危なかったぁ……それより、脚は大丈夫?」
「ああ、撃たれた痛みはあるけど、出血とかはないから」
 影に一発の銃弾が放たれ、慌ててウタがユーベルコードを解除する直前。
 男のこぼした言葉が脳裏に蘇る。

 ――やはり、ここは《ウジとゴミの掃き溜め》か。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『セラフィム・リッパー』

POW   :    断罪の剣
【無敵斬艦刀】が命中した対象を切断する。
SPD   :    エンジェルビット
自身が装備する【BS-Fクリスタルビット】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    フォールンウイング
【光の翼】を向けた対象に、【プラズマビーム】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●血闘裁判
 決勝開始の直前、司会者が再びマイクを握る。
『大変長らくお待たせいたしました、いよいよ本日の決勝戦! 予選を通過した猛者には初出場のキャバリア乗りも多数、生身で飛びこむ命知らずが現れるハプニングもありましたが……運営委員は『乱入者も許容する』と発表しております!』
 身を守る術もなく火に飛びこむ者はいない。裏を返せば《巻き込まれて痛い目をみようと、運営は関知しない》ともとれた。

『シード機の人気ランクも発表しましょう、トップは荒くれ武将《魔将・遼雷雷》偃月刀を奮う雷公の強さは観客も実感しているようだ! 2位の《水天妃》は無差別攻撃で試合をかき乱す小悪魔的存在、今日は観客と相手をどこまで振り回すつもりかぁ!?』
 司会者の煽りを受けて、観客席は歓声に沸き立つ。
『そして第3位、聖天真人は前回の優勝者。容赦のない断罪剣と全てを射貫く光をもつ当機は、この地下コロシアムでは異様な存在といえるでしょう……出場は本日が二度目、どのような活躍を見せてくれるのか!?』

 他のシード枠紹介も済ませ、場内にキャバリアが入場する。
 聖天真人……否、オブリビオンマシンも粛々と踏み入れた。
 決勝方式もバトルロイヤル――聖天真人以外のキャバリアも攻撃してくる。
 彼らはオブリビオンマシンの見分けがつかない以上、説得も共闘も不可能。
 上手く他キャバリアを対処しつつ、聖天真人に集中攻撃をかけなければ。
『さあ、予選を越える白熱した勝負に期待しましょう! ――レディー・ゴォーッ!!』 

 ===
 補足:今回は《オブリビオンマシンの破壊》が目的で《大会で優勝すること》ではありません。
 他の参戦機と勝負する描写は多くとれませんので、あらかじめご容赦ください。

 プレイング提出はいつでもOKです。
 よろしくお願いいたします!
 ===
木霊・ウタ
心情
心狂わされ可哀そうに
心を弄ぶ機=鬼を海へ還してやる

戦闘
他参加者からの攻撃をいなす
で聖天へ集中攻撃してれば
倒せるチャンスと他機もノッてくるだろ?

電撃は炎の壁のプラズマで散らす
槍は高熱の刃で受けて刃毀れさせる

ピットを炎渦に巻きこみ
燃え盛る炎が空気乱し音波減弱

客席への攻撃を庇う
贈収賄事件の被告や黒幕がいるのか


爆炎で加速し一気に間合い詰め
その勢いに乗じ
更に刀身も爆炎で加速し
白熱の剣を振う

リーチに勝る斬艦刀が剣を切断…?

でもな
折れた刃から炎の刀身
紅蓮のプラズマの光刃一閃

リー
検察官をしてたのは
ゴミって呼んだ力なき者達の為だろ
目を覚ませ!
法を無視した断罪は蛆虫野郎と同類だろ

事後
これからやり直せるぜ(ぐっ


古美門・烈火
【アドリブOK】
やっぱりあいつがオブリビオンマシン持ちだったか。
まぁなんとなくわかってたし、あとはここで仕留めるだけだな。

【戦闘】
さて、敵の攻撃をうまく利用して仕留めたいのは山々だが、
とりあえず自分の特性である
足場習熟や瞬間思考力の強化でちょうどよく聖天真人を盾にしながら
攻撃してもらうか。

追尾ミサイルとかを使ってきそうなやつには
こっちのユーベルコードで俺のロボットを超高熱化させて
うまく誘導して本命にぶつけてやるぜ。

もしかして俺の正体も見抜いたりするのかもな
そうなったら本性を見せて全力で攻撃しに行くぜ


緋月・透乃
よーし、いよいよ決勝だね!
出場者はさっきよりも強い奴ばかりのはずだし、戦うのが楽しみだね!
ささっとオブリビオンマシンを片付けて戦いを楽しむぞー!

今回ももちろん生身で参加するよ!
せっかくのバトルロイヤルだから他のキャバリアを利用してみよう。
まずは私に注意が向いていないキャバリアに武器を投げたりして不意打ちし接近。そして【ひょいっと】持ち上げて武器として使っちゃおう!
聖天真人もこいつで殴り、断罪の剣は気合いで軌道を見切ってキャバリアで逸して対処するよ!
他の参加者の横槍はやっぱり持っているキャバリアを盾にして防いだり、振り回して遠ざけたりしよう。

私の怪力を見せてやるぞー!


フクス・クルーガー
【SPD】 共闘アドリブ歓迎

さてと、ここから本番。さっきの挽回として派手にいくよ!

ビットや周りのUCで周囲にクーちゃんの左腕を大量に複製して全方位に【制圧射撃】してけん制、そのまま左腕のガトリングガンを撃ちながら聖天真人へと突撃、相手の攻撃は【盾、武器受け】でいなしていくよ。

それでも受けきれない攻撃だったら両腕をパージで身代わりに。大丈夫、UCですぐにパーツは付け替えれるから。

近づいたらとにかく右手のバンカーでとにかく攻撃! こっちは文字通り人機一体、操縦のラグの差が命取りってね。

それに人が生きてる限りごみとか出るものだし、そういう部分を過剰に嫌悪しすぎてもダメ、水清ければ魚棲まずってね。



 オブリビオンマシンは搭乗者を破滅的な思想に狂わせる。
 一口に言っても、狂った人間が衝動的に行動するとは限らない。
 冷静に行動している人間とて、心の中で恐るべき計画を立てていることはあるのだから。

 決勝開始から数分、聖天真人に目立った行動はない。
 だが、猟兵達の注意はその青白い輝きをまとう、天使に向いていた。
 ――そして、聖天真人の放ったクリスタルビットの一基が観客席に向けられる。
「させるかよ!!」
 真っ先に反応したのはウタ。
 検察官を辞めるきっかけとなった贈収賄事件、その因縁の相手がいる客席へ操縦者――フェイは攻撃するだろう。
 そう予想していたこともあり“アクシデント”を未然に防ぐことができた。
 あえて光学兵器の一射をキャバリアで受け止め、機体の傷から炎を巻き上げる。
『おおっと、聖天真人の光学兵器が炎の渦でみるみる消し飛ばされる!』
 司会者の実況音声に混ざり、フェイの舌打ちがウタの耳に入る。
(「狂わされちまって、可哀想に……心を弄ぶ機――《鬼》を海へ還してやるからな!」)
 すぐに追撃しようとするウタを魔将が狙い定め、偃月刀を高熱ブレード
で受け止める。
「やっぱりあいつがオブリビオンマシンか……事故にみせかけて殺しにかかるなんてな。頭がいい分、やることがエゲつねぇぜ」
 そう吐き捨てる烈火は、自機を狙う水天妃の遠隔兵器を踏み台に跳躍。
 立体的な軌道をえがくその足元で、フクスと相棒クーちゃんが突撃をかけた。
「さっきの挽回として――派手にいくよ!」
 ユーベルコードでいくつも複製した左腕ガトリングアームを動作し、自らの走路でフクスは聖天真人めがけて急加速。
 一直線に駆ける大型トラックに、聖天真人は光の翼を広げてプラズマビームを照射。
 強烈な荷電粒子光線に対し、フクスは一部のアームを盾にする。
「いっけぇー! バンカーシュート!!」
 距離を詰めたフクスは同様に複製した右腕パイルバンカーで、細い脚部の装甲へ抉りこむ!

 念力で動作した、操縦時差のない近接攻撃に初撃を許すも、追撃を斬艦刀で弾き返す。
「よーし、楽しむぞー!」
 間合いをとろうとした矢先、割り込んできたのは透乃。
 生身の相手にも躊躇いはない。
 振り下ろされる剣先を透乃はスルリとくぐり抜け、自身に背を向けていたキャバリアへ飛びつく。
「こ・の・く・ら・い・な・らー!」
『な、なんと……再び乱入した《赤髪のじゃじゃ馬娘》、キャバリアを持ち上げたぁぁぁああ!? これは夢でもCGでも、立体映像でもありません!』
 空前絶後の場面に観客席は驚きに染まり、それは出場者らも同様だった。
 唯一、感情の揺れていない聖天真人のみが、透乃に攻撃の手を回す。
「もうやめろ、リー!」
 押し止めるようにして斬りかかり、ウタは鍔迫り合いに持ち込む。
「あんた、検察官をしてたのは力なき者達の為だろ!? 目を覚ませ!! 法を無視した断罪なんかしたら“蛆虫野郎”と同類になっちまうぞ!」
「……黙れ、このままでは斉慶はウジ虫に“食い潰される”。血税で私利私欲を満たして、国民の厳しい現状を知ろうともしない……だから、僕が不正の掃き溜めを排除する!!」
 ウタ機とフェイ機が押し合い、互いの得物を弾き返す。
 すぐさま斬りかかろうとするが、フェイの斬艦刀は実体剣を一文字に斬り捨てる。
「邪魔なんだよ!」
 返す刀で断罪の剣はウタ機の胴体に肉薄し――その大振りする一瞬を狙い、ウタは折れた刀身から炎を伸ばして肩部に突き立てた。
「いっくぞー!」
 大きく傾いたところで、透乃は持ち上げたキャバリアを頭上に掲げる。
 そして、そのまま渾身の一投をぶちかます!
 
 投げられたキャバリアごと聖天真人は外壁にぶつかり、機体フレームのけたたましい悲鳴が響き渡る。
「こいつで終いだぜ、インテリ野郎!」
 隙ができた瞬間、烈火がすかさず追撃に回り、
「リミット解除!」
『魔装少女レッドフレア、機体の放熱を利用して追尾弾を引き寄せる! ものすごい熱気がここまで伝わってきます! 一歩間違えば自爆しかねない“諸刃の剣”をどう奮うのかぁ!?』
 操縦席の烈火も汗だくになりながら、ミサイルごと聖天真人へと疾駆していく。
 ミサイルは直角に曲がれない……オブリビオンマシンがよりかかる壁を踏み台に、追尾弾の真上へバックフリップで飛び越え。
 目標物の緊急回避を追いきれず、ミサイルは軌道上にあった聖天真人へ突貫する。
「――オーバーフロウ・ブレイザー!!」
 爆風を受けながらもインフェルシオンは、聖天真人のコックピット部分めがけて手を伸ばし、引きずり出す。
『な・ん・とぉおお!? 前回優勝者、聖天真人が脱落したぁぁあああ!! 序盤から集中攻撃を受けていたこともあり、これは必然の結果とも言えるかも知れません。注目度の高さが仇にとなったようです!』
 シード枠が予選選手に敗退したこともあり、観客席からの反応は今日一番の大歓声だった。

 バトルロイヤルはその後も白熱した試合で客席を魅了し、猟兵達もその空気を楽しんで――斉慶乱武闘会は幕を閉じた。

●一件落着?
 試合終了後、透乃達はバックスペースの一室に招かれた。
 待機していた女性は淡々と話を始める。
「お疲れ様でした。想像以上の働きに我らのボスも満足されていた、安心して元首殿に報告できると……代表して多大な感謝を贈らせてもらうよ、“猟兵”殿」
「え? もしかして、私達のこと初めから知ってたの?」
「ああ、元首直々に『猟兵と呼ばれる者を出場させて欲しい』とな。あの量産機だって国防軍のモノだぞ? 非合法の場に政府のモノを素通りさせる訳あるまい」
 猟兵の『生身でも戦える』様子も目にしたのだ、《能力は信じざるを得ない》が本音だろう。
「なあ、リーの奴はどうなる? その……体罰とかするのか?」
 気遣わしげなウタに、女は首を横に振った。
 法外での事件である以上、法では裁けない。
 しばらく『組織』で拘留して様子見するという――だが、話はそれだけではなかった。
「あの男にはひとつ疑いがあった、尋問して単独犯だと解ったのは救いだが」
「なによ、その疑いって?」
 いぶかしむ烈火に女は短く返した。
「革命派との共謀だよ」
 崩れかけた積み木のような、複雑なバランスで保たれた国をリセットしよう。
 そう考える者は存在するらしい。
 だが、もし目的が『革命を起こす』ことで、肝心な政策がなければ……斉慶は《滅亡》する。 
「軍の兵士は闘技場の連中より頼りないのが本音だ……また、キミ達の力を借りるかもしれない。そのときは」
「すぐに駆けつけるよ! キレイにしようって消毒しすぎてもダメ、『水清ければ魚棲まず』ってね」
 フクスの言葉に女はやっと表情を緩める。
 その眼差しは暖かく、信頼のこもったモノだった。

                      ――――to be Continued.

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月10日


挿絵イラスト