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古の記憶の帰還

#クロムキャバリア

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#クロムキャバリア


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「これか? 遺跡で見つかった武装ってのは」
「ああ、状態がいいからな。そのまま使えるだろうって」
「あの辺は由緒ある遺跡で有名過ぎてもうとっくに掘り尽くされたと思ってたんだがな」
 人と機械が行き交うプラントで交わされる呑気な会話。今日も新しく運び込まれた武器のテストをして終わるはずだった。
「よし、起――」
「ん? どうした?」
「おい! 返事をしろ!」
 異変に気付き、プラント内の空気が変わる。

 戦う 2人で 永遠に……!

 パイロットの意志を奪ったマシンは、自らの意志トリガーを引いた――。


「新世界よ新世界! なんかロボとか貸してもらえるらしいわよ!」
 フェアリーのグリモア傭兵、ネミ・ミミーニーズ(f00595)は今日も今日とてグリモアベースで騒がしくしていた。

 無数の小国家が、5mの人型兵器『キャバリア』をぶつけ合う闘争の世界。
 それが『クロムキャバリア』という世界。
 新たにグリモアベースと繋がったということは、ここにもオブリビオンの魔の手が伸びているということ。
 そう、この世界も猟兵たちの力を必要としているということ。

 今回向かってもらうのはクロムキャバリアにある『双王連合』という歴史ある小国家。
「2人の伝説的なキャバリア乗りが興した国だと言われていて、中央にある2人の彫像がこの国のシンボル。2人でリンクしないと真価を発揮しないそのキャバリアを乗りこなす2人は――。まあその話はあとでね」
 ネミは歴史資料を放り投げて事件の説明に入る。
「周囲に広がる平坦な土地での農業や牧畜が盛んで、その生産物で隣国と交易を行う比較的安全な国だったらしいわ」
 だったらしい、と過去形で語るネミ。平和に暮らせていたのそれなりの戦力を有していたからに他ならない。今日も今日とて戦力増強のために開発と試験が行われていたのだが。その新兵器開発試験中にキャバリアが暴走し、オブリビオンマシンと化したのだ。
「そんなわけで大騒ぎになる前にオブリビオンマシンを止められる猟兵の出番ってわけね!」

 オブリビオンマシンが現れたのはキャバリアの製造プラント。
「古い遺跡から発掘された武装をキャバリアに持たせて動かしたところ、突然パイロットが気絶してマシンが暴れ出したんですって」
 まずはプラント正面の実験場で戦闘になる。
 マシンの中のパイロットは意識を失ってしまっているため、パイロットへの呼びかけは意味を為さないだろう。
 その代わり、オブリビオンマシン自体に意志があるようで、そちらに話しかければ何かしらの反応があるかもしれない。

「いくらかダメージを与えるとオブリビオンマシンは逃走を始めるわ」
 プラントの前は住宅と商店が入り混じった市街地。
 人や物で溢れる狭い道をキャバリアが疾走すれば、相応の被害が出てしまう。逃げるマシンを誘導したり、人々を避難させたりといった行動が必要になると予想される。
「逃げるマシンは市街地の中心に向かってくみたい。その先にちょうどいい広場があるからそこまで誘導するのがいいかしら?」
 ちょっと真ん中にある彫像が邪魔だけど戦闘するには広くて場所だ、とネミは言う。

「最後は、オブリビオンマシンの撃破ね」
 半壊していたはずのオブリビオンマシンは別の形状へと変貌するという。仮初の姿から、オブリビオンマシン本来の姿になったというところだろう。
 こうなると敵は逃走をやめ、目の前の敵を倒すことに専念する。キャバリアなり自前のユーベルコードなりで正面から迎え撃ってほしい。

「あ、この世界だとキャバリアで戦うのが一般的らしいんだけど……」
 猟兵であれば生身でも戦闘で後れを取ることはない。
 もちろん、頼めばキャバリアを貸し出してもらうとこも出来るという。今回であれば、最初の製造プラントにすぐ出撃可能な量産型キャバリアがおいてある。
「そんなわけで派手にロボを壊すのよ! 派手に!」
 ネミは1人で盛り上がりながら、猟兵たちを見送った。


背腹かえる
●ご挨拶
 背腹かえるです、よろしくお願いします。
 新世界来ました、クロムキャバリア。

 暴走するオブリビオンマシンを破壊するお話となります。
 フラグメントはボス戦、冒険、ボス戦。

 第1章、ボス戦『ブレイジング・バジリスク』
 暴走したオブリビオンマシンとの戦闘になります。
 場所はキャバリアの製造プラント前。

 第2章、冒険『悪路踏破』
 市街地へ乗り込んだオブリビオンマシンを追いかける形になります。

 第3章、ボス戦『モノアイ・ゴースト』
 改めてオブリビオンマシンとの戦闘になります。
 2章の結果次第で戦闘する場所が変わります。

 なおオブリビオンマシンの中にパイロットが乗っていますが、そのまま戦って撃破すれば救助という形になります。
 それでは、よろしくお願いします。
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第1章 ボス戦 『ブレイジング・バジリスク』

POW   :    ブレイジング・シュート
【ライフルの集中射撃】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    バジリスク・ランページ
【右腕のライフル】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
WIZ   :    エンジンキラー
自身の【オブリビオンマシン】から【漆黒のオーラ】を放出し、戦場内全ての【エンジン】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

メルティア・サーゲイト
 CRUDEを使えば丁度5mだ。問題は無いだろ。ああ、キャバリア用の武器はちょいと借りるぜ。何せ、この大きさで武器が必要になる状況想定してなかったんでな。本来力任せにぶん殴る位しかできねぇンだ。
「別に半分のサイズでもヤれなくは無いんだが、折角だしな。同サイズでやりあおうぜ」
 CRUDEは強化外骨格だ。被弾して破壊されても私の本体にはダメージすらない。被弾を装甲でゴリ押す。借りたガトリング二丁で弾幕を浴びせながらどすんどすんと走って接近。そのまま粗野にぶん殴る。
「近頃のロボットは軽くていかん。ロボットってのは重いモンだろう?」



 キャバリアの暴走に浮足立つプラント前。逃げ惑う人々の流れに逆らい、その渦中に向かうのは、メルティア・サーゲイト(人形と鉄巨人のトリガーハッピー・f03470)。
 助っ人として現れたそのウォーマシンは人々よりは大きく、しかしそれでもキャバリアの半分といったサイズ。
「別に半分のサイズでもヤれなくは無いんだが、折角だしな。同サイズでやりあおうぜ」
 古臭いライフルを構えるオブリビオンマシンに、メルティアは言い放つ。

 メルティアは【CODE CRUDE】の力を解放する。周囲のキャバリア用資材に自らの合体用パーツを取り込み、キャバリアに並ぶ5m級の姿に変形する。
「ああ、キャバリア用の武器はちょいと借りるぜ」
 メルティアは敷地の一角にあったトラックの荷台から、キャバリア用のガトリング砲を拝借する。今のメルティアはキャバリアとほぼ同サイズ、ガトリングの大きさはちょうどいい。が、重みが足りない。
「イマイチしっくりこねェなあ? もっとこう――」
 同型のガトリング砲を、空いた方の腕にも装備する。1丁では物足りながったが、2丁揃えばなかなかいい重量感だ。
「サイズが倍になったら武器も倍だよなァ!」

 準備は整った。武器を構え、万全の体勢のメルティアに向け、ライフルの集中砲火が放たれる。なんて事はない、正面から受け止める。強化外骨格の装甲が吹き飛ぶも、中にいるメルティア本体にまでは届かない。
 ライフルの斉射が止んだところで、ガトリングからの反撃が始める。距離を取り回避行動を取るオブリビオンマシンだが、全ての弾丸を避け切るには至らない。不安定な足元に数発の弾丸を受け、肩から地面に激突する。
「掠った程度でバランス崩すたァ、近頃のロボットは軽くていかん」
 メルティアはオブリビオンマシンへと距離を詰める。弾切れしたガトリングを投げ捨て、巨大化した腕から放たれるのは力任せの粗野な振り下ろし。
「ロボットってのは重いモンだろう?」
 銃撃戦とは違う重い金属音が響き渡り、キャバリア2台分の重量と衝撃を受けた地面が陥没する。
「パイロットは、無事そうだな。もう1発いくぜェ!」

 鋼の巨兵の大捕り物は、まだ始まったばかり――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒木・摩那
巨大ロボット相手というと、SSWか、ヒロアス以来です。
装甲が厚い敵は苦手なんですが、キャバリアがあれば、相手をするもの楽になりそうです。
ともかくすぐにオブリビオンマシンを何とかしないといけません。
量産型借ります。

UC【偃月招雷】でキャバリア自体を帯電して攻撃力をUPします【属性攻撃】。
さぁ、パリッといきますよ。

呪力エンジン『ジュピター』をキャバリアに接続。
【先制攻撃】【ダッシュ】で、どかーんとキャバリアをぶつけます。
相手の武器はライフルですから、距離を採られると不利です。
とにかく相手の懐に入り込んで、えぐりこむように電撃パンチを打っていきます。

壊れてもいい?量産型だからこそ手荒く使えますね。



「巨大ロボット相手というと、SSWか、ヒロアス以来です」
 黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は、量産型キャバリアを借り受けるための説明を聞きながら、以前の戦いのことを思い出していた。
 スペックを聞く限りでは、生身でもやれる。だが装甲の厚いキャバリアが相手であれば、こちらもキャバリアを使うのが筋であろう。
「壊れてもいい? 量産型だからこそ手荒く使えますね」
 まるで、無事キャバリアが返ってくることがないような発言をする助っ人を、整備兵たちは手早く送り出す。

 地味な色合いのキャバリアで戦場に躍り出す摩那。その視線の先には、古ぼけたライフルを手に彷徨うオブリビオンマシンがいる。
「相手の武器はライフルですから、距離を採られると不利です」
 まだ不慣れな操縦に借りてきた量産型の性能。ここはまっすぐ行って短期決戦を挑むのが最善手。
「さぁ、パリッといきますよ」
 摩那は【偃月招雷】でキャバリアの性能を引き上げる。ただの量産型に不釣り合いな雷のオーラを纏い、摩那のキャバリアは突進した――ところで。戦場全体を漆黒の風が駆け抜ける。すると摩那の乗ってるキャバリアは情けない音を立て、エンジンを停止する。
「もう、せっかく盛り上がってきたところで!」
 止まってしまったキャバリアのアクセルを、呪力エンジン『ジュピター』を仕込んだ靴で力いっぱい踏み込む。一度動力を失ったキャバリアが再び雷を放ち、急発進する。動きを止めたはずの機体からの攻撃に、オブリビオンマシンは正面から吹き飛ばされる。
「なるほど。どかーんといけば何とかなりそうです」
 操縦のコツを掴んだ摩那。自前のユーベルコードと呪力エンジンの力で接近戦の間合いに詰め寄り、えぐりこむように電撃パンチを叩き込む。コクピットを揺るがす衝撃に、オブリビオンマシンは膝から崩れ落ちる。だがライフルで機体を支え、すぐに立ち上がってくる。
「まだ浅いようですね。壊れてもいいということですし、次はもっと思い切って」

 この日誕生した雷撃のファイターが3カウントを取るのは、もう少し先のことである――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

緋薙・冬香
キャバリアか、興味が無いわけじゃないけど
意外と挑戦者なわ・た・し♪
生身上等、ラヴィーネで仕掛けるわよー

派手に壊していいっていうなら全力で♪
プラント前に陣取って【美女の花言葉】で迎え撃つわ

「そこまでよ! ここで叩き壊してあげる!」
まずはキャバリアに対してラヴィーネで制圧射撃
動きを止めたらそのままキャバリアを攻撃するわ

敵からの攻撃はシュピーゲルの障壁で対応
最大出力&私の身長サイズで斜めに角度をつけて展開っ
受け止めるというよりは弾く感じで

あら、ユーベルコード?
でも残念、ラヴィーネにはモーターはあるけどエンジンなんて積んでないの
だから遠慮なく吹き飛ばされなさい!
「鉄の雪ですべて撃ち抜いてあげるわ!」



「キャバリアか、興味が無いわけじゃないけど」
 いつでも出撃可能なキャバリアの前を歩くのは、緋薙・冬香(針入り水晶・f05538)。
 飛び入りの助っ人に貸し出せる量産型の前を通り過ぎ、調整が必要だという指揮官型を軽く撫で、どうなるかわからないらしい試作型を一瞥し。
「意外と挑戦者なわ・た・し♪」
 この大人びたモグラ女子が選んだのは――。
「生身上等、ラヴィーネで仕掛けるわよー」
 選ばれたのは――そう、生身での銃撃戦だった。

 プラントの前で待つ美女のところへ。他の女性の追撃を振り切って、ようやく到着するオブリビオンマシン。
「そこまでよ! ここで叩き壊してあげる!」
 ただのキャバリアであれば、歩兵など無視して進んだであろう。オブリビオンの意志を宿したカメラは、立ちはだかるその存在を『敵』として認識する。曰くありげなライフルの銃口を上げようとしたところで――。
「さあ、こっちからいくわよ!」
 銀色の携行型ニードルガトリングガン『ラヴィーネ』が火を噴く。いくらかの弾丸を受けつつ、キャバリアの巨体が倉庫の影に隠れる。
「あら、かくれんぼ?」
 敵を追おうと冬香が走り出す。そこへ、倉庫を貫いて対キャバリア用ライフル弾が降り注ぐ。奇襲攻撃と瓦礫の雨を『シュピーゲル』の障壁で受け止めつつ、敵の眼前に迫る。
 そんな冬香の視界を、漆黒のオーラが覆い隠す。
「あら、ユーベルコード?」
 居心地の悪いオーラの中を走りながら、冬香は自分の獲物の感触を確かめる。対キャバリア用のユーベルコードで、歩兵が握る武器のモーターを止めるなら専用の調整が必要だ。もちろん、そんな時間を待ってやるつもりはない。だから――。
「遠慮なく吹き飛ばされなさい! 鉄の雪ですべて撃ち抜いてあげるわ!」
 冬香はガトリングガンで【美女の花言葉】を紡ぐ。キャバリアの装甲をも貫くわがままに、しばしの間付き合ってもらおう。

 蒼く輝く炎が暗雲を斬り裂き、季節外れの雪景色が広がった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

せっかくのロボ戦なのでデモンキャバリアに変身☆
攻撃回数を上げたかわりに装甲が半減してるけど、感応能力(第六感/読心術)で先読みし早業の先制攻撃で相手の機先を略奪し攻撃の機会を奪い続けて何もさせなければ問題ない。仮に攻撃に移られても結界術で弾き保有エナジーを捕食してエネルギー充填しながら威力を軽減しましょ。
バジリスクが保有するエネルギーを略奪し捕食、どんな存在であれ活動のためのエネルギーまで枯渇すれば動けないでしょ。
相手のリソースを略奪し、自分のリソースとして利用する継戦能力で耐久性と再生力には自信があるわ。



「ロボね。なるほどキャバリア」
 アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)は、プラント内のキャバリアを見ながらうんうんと頷いていた。
 この機体なしに語れない。巨体と巨体が闘争のために闘争を続けるクロムキャバリア。人々を地獄へと駆り立てるのは、オブリビオンか、それとも人の本能そのものか。
 妄想が熱くなったところで、アリスはキャバリアに背を向ける。
「せっかくのロボ戦なのでデモンキャバリアに変身☆」
 ……、いろいろあったけど用意されているキャバリアには乗らないらしいです。

 アリスはクロムキャバリアでの戦いのために、新たなユーベルコード【不可思議な『夜』のキャバリア】を紡ぎ出す。
 アリスの妄想と『夜』のエナジーから、揺らめく陽炎の如き異質なキャバリアが出現する。
 一度出来上がったワンダーデモンキャバリアの輪郭が再び歪み、そこから黒い鞭が伸びてゆく。オブリビオンマシンは危険を察し、ライフルを乱射しつつ戦線を下げる。普通の攻撃を防ぐのであればその行動で防げたであろう。アリスの捕食の本質を見抜いていないマシンを、四方から伸びる鞭が絡めとる。

「それじゃあ美味しくいただきましょ」
 アリスの捕食が始まる。吸えるエネルギーは、眠らされているパイロットに、暴れているオブリビオンマシン『ブレイジング・バジリスク』、それにマシンが持つライフルか。
「パイロットとライフルは男ね。バジリスクは……、電気? ガソリン?」
 性別情報は置いておくとして。遺失技術で動くキャバリアのエネルギーの正体はイマイチ掴めない。食べられないわけではないが、砂っぽくて美味しくはなさそうだ。
 待てよ? 砂っぽい? アリスの柔肌の上で煌めく夏の砂? 砂浜でイケメンと渋いおじ様に囲まれるアリス? なるほど。
「なるほど♡」
 美味しくいただける気になってきた。で、抵抗なさる? 娘みたいな年齢の子供じゃお相手してくださらない? 違うそうじゃない?
 あらあらあら――。

 動かない2機のキャバリア。置いてけぼりの観衆。アリスの妄想の中でエネルギーの吸収は滞りなく続き。
 オブリビオンの『マシン』が、活動を停止する――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

人形・依代
お任せプレ。お好きに。

ふむ、救出にただ壊すだけでいいというのは助かるな。
手持ちのキャバリアを合体させてバージョンをあげる。でかさはパワーだ。
念動力で天候操作して雷を降らせ、パイロキネシス(焼却)で焼き払う。
ライフルの集中射撃もパイロキネシスで焼却して熔解させれば被害は軽減出来るだろう。

*設定はまだ固まっていないので、性格等は自由に扱って大丈夫です。



 自前のキャバリアを複数引き連れ、人形・依代(ダスティシンデレラ・f29960)がオブリビオンマシンの前に立ちはだかる。
「ふむ、救出にただ壊すだけでいいというのは助かるな」
 破壊するだけでパイロットの救出は可能。それはキャバリアが搭乗者を守る機構によるものか、あるいはオブリビオンマシンによる何らかの意図によるものか。

 何にしても、破壊するだけでいいなら細かいことを考える必要もない。最初から最大火力だ。
 依代は【ダスティシンデレラ2.0】の力で持ち込んだ4機のキャバリアを合体させる。4つの機影は、1つの巨大な浪漫へと変貌を遂げる。
「でかさはパワーだ。このサイズ差なら壊すのも取り押さえるのも簡単」
 地面からだいぶ離れたコクピットの高みから、動きの鈍いオブリビオンマシンを見下ろす。敵は巨体にも怯まず、合体部位の隙間へ向けライフルを放つ。依代のキャバリアはライフルの集中砲火を炎で迎撃する。こちら側の被害は最小限、押し切れる。依代は巨大な腕を伸ばし、ライフルを撃ち続けるオブリビオンマシンを掴み上げる。
「なかなか活きがいい。さて、動けなくなるまで壊させてもらうとしよう。まずは――」
 念動力で天候を操り、暗雲を呼び寄せる。依代が掴んだマシンを天に掲げると、一筋の雷がマシンの頭部に突き刺さる。一時的に敵の電気系統がマヒする。が、すぐにリカバリーして銃口を向けてくる。
「おっと」
 弾丸を正面から受け止めつつ、依代はオブリビオンマシンを地面に叩きつける。地面に大きな陥没が出来るも、やはりまだ止まる様子はない。
「電気でも落下でもダメか。やはり脚の1つでも折っておかないと大人しくならんか」
 度重なる攻撃にも、オブリビオンマシンは何度も立ち上がる。壊すだけなら簡単に終わると思ったが、中々骨が折れる仕事のようだ。

 依代は軽く息を吐き、次の破壊方法を思案する――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティエル・ティエリエル
SPDで判定

むむむっ、一人じゃ操縦は難しそうだから助っ人を召喚だ!
【ライオンライド】でライオンくんを呼び出して二人で頑張って操縦するよ!

右のレバーをボクが、左のレバーをライオンくんが担当だ☆
「動物と話す」技能でライオンくんと合図を取ってライフルの攻撃を「見切り」で避けちゃうぞ!

ライフルの弾が切れた隙をついて突撃するよ!ようし、このまま体当たりで攻撃だー☆

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



「ロボだー! 早速お姫様用のキャバリアを借りていくよ!」
 ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)は、それっぽいキャバリアへ1人勢いよく飛び込む。

 Q.クロムキャバリアでフェアリーってどうなの?
 A.パイロットと一緒にキャバリアに乗り込んだりしてくれる伝説があってわりと縁起がいいらしいですよ。

 ティエルは意気揚々と操縦桿を手に取る。手に取る? 操縦桿の一部に飛びついた、くらいの感じである。
「むむ、他のとこに全然届かないぞ?」
 一応子供でも操縦出来る、とは言っても人間サイズ。20cmのフェアリーには無理のある話。
「むむむっ、1人じゃ操縦は難しそうだから助っ人を召喚だ!」
 ティエルの【ライオンライド】呼び出された黄金のライオンは40cmほど。ティエルの20cmにライオン40cm、足してもまだ40cm足りない。
「右のレバーをボクが、左のレバーをライオンくんが担当だ☆」
 ライオンくんは一瞬きょとんとしつつ、足元のペダルを肉球で踏み込む。すると、ぎこちない音と共に、ティエル姫のキャバリアが前進を始める。ここから左のレバー……、という顔でライオンくんは見上げていた。
「ちょっと届かないところもあるけどユーベルコードちからで頑張るよ! いけー!」
 身体の大きさで足りないところは、『見切り』とか『勇気』とかそれっぽい技能を使えば何とかなるんじゃないかな。

 いろいろあって、ティエルが出撃する頃には戦いは終盤を迎えていた。よろよろ歩く新たなキャバリアへ、オブリビオンマシンはライフルを向ける。
「きたよっ、ライオンくん! 回避!」
 ティエルの指示を受け、ライオンくんの瞳がキュピーンときらめく。突然目覚めた感じの『見切り』で華麗にライフルの弾丸を回避する。
「ようし、このまま体当たりで攻撃だー☆」

 そこか!

 ライオンくんの華麗な操縦。弾切れしたライフルを弾き飛ばし、ブレイジング・バジリスクのど真ん中に、見事なショルダータックルを決める。既に穴だらけのプラント前の敷地に、また1つ大きな破壊痕が刻み込まれる。
「やったねライオンくん☆」
 ティエルとライオンくんは、コクピット内でハイタッチする。

 幾度となく立ち上がり続けていたブレイジング・バジリスクから、不吉な気配が消えてゆく――。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『悪路踏破』

POW   :    地形を破壊し、移動しやすくする

SPD   :    何らかの手段で低空を飛行し、悪路を飛び越える

WIZ   :    迂回路を探し、悪路を避ける

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「やったか?」
「いや、事前の情報ではここからまた――」

 仰向けに倒れたブレイジング・バジリスクから不吉な気配が消え、沈黙する。猟兵たちが警戒する前で、オブリビオンマシンは倒れたまま。いや、倒れているのは『ブレイジング・バジリスク』であって――。
 不意に、猟兵たちの警戒の裏でエネルギーの爆発が巻き起こる。

 戦う 2人で 永遠に……!

 脳に直接届くような不思議な言葉が響き。吹き飛ばされていた『オブリビオンマシンのライフル』が、浮き上がる。
 次の瞬間、機能停止しているはずのブレイジング・バジリスクの機体がライフルへと吸い寄せられる。

 頭を垂れ肩の力が抜けた不気味なキャバリアと、強い意志の力を放つライフル。
 ソレは、猟兵たちに背を向け、市街地へと飛び出す。

 人の多い市街地でそのまま戦うのは危険。まずは人々の安全を確保しなくてはならない。
 猟兵たちの新たな戦いが始まる――。
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

ワンダーケイオスマジックで修得してる技能をユーベルコード並に強化。
市街地とそこにいる人々の安全を確保するべくまずは結界術を展開。これで万が一があっても結界が被害を抑えてくれるだろう。
障害物すら足場となすフリーランニング(地形の利用/悪路走破)走行で追跡するわ。瞬間思考力で人々の僅かな隙間を見極めてすり抜けていくわよ。
私の感応能力(第六感)はオブリビオンのその存在感を見逃すことはない、逃しはしないわ。
道が通り難ければ空中浮遊で屋根にあがって、パラサイトテンタクルでのワイヤーアクション(ロープワーク)で追跡よ。



 石と木が思い思いの方向へ増改築を繰り返す双王連合の古風な街並み。その中央を吹き飛ばしながら鋼の巨兵が突き進む。

「派手に暴れているわねぇ」
 アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)は、屋根の上から地上の混乱を見下ろす。
 アリスはちらりと空を見上げる。あの空のどこかに暴走衛星『殲禍炎剣ホーリー・グレイル』が潜んでいるのだという。屋根の上を飛び回る程度で反応することは流石にないと思われるが。地上と上空の両方を警戒しながら、慎重かつ迅速にオブリビオンマシンを追う。

 アリスの従えた触手がぬるりと屋根を滑る。逃げ惑う人々を避け、屋根の上からオブリビオンマシンへと追いかける。
「ようやく追いついたわ。まずは――。既存の技術をSamplingし、MIXし、DIYする。不可思議で混沌たる魔術を御覧じろ♡」
 アリスは【不可思議混沌魔術】で結界を形成する。絡みつく触手と不可思議な紋様の刻まれた結界が、狭い路地いっぱいに広がる。

 壁……、

 結界の前で足を止めたオブリビオンマシンから虚ろな声が響く。マシンが止まったことで、悲鳴と荷物で溢れていた路地がいくらか落ち着く。今のうちに通行人の避難を進めてもらおう。
「それにしても、何を見てるのかしら?」
 オブリビオンマシンは結界に映った自身の影を相手に何事か囁いている。これなら、結界を操作して妄想の世界に捕らえることも出来るか? 白昼堂々と街の真ん中で捕食、そういうものも悪くはない。
「いや、今はやめておきましょ。下手に暴れられても困るし」
 アリスは溢れ出る情熱を、一旦抑え込む。ここで閉じ込めて暴れられるより、好きに歩かせた方がリスクは少ない。周囲の人々の避難が落ち着いたところで。アリスは結界の一部を解いて、オブリビオンマシンを広い通路の方へと誘導する。

 兄弟……、 合流……。

 蘇ったマシンはどんな光景を見ているのか。先ほどより少し広くなった道を進む――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

人形・依代
お任せプレ、お好きに。

やれやれ、市街地に逃げ込むとは厄介なことだ。
市街地に被害を出さないようにするには、リモート・レプリカントで操作するキャバリア達に意識を向けさせて広場に誘導しつつ、ぼく自身は付かず離れず追跡するのがよさそうだな。
マシン・エクステンションの肉体改造で仕込んだ推力移動で屋根の上を飛び移りながら追うぞ。なに、ちょっと大きな跳躍だ、飛行ではない。
オブリビオンの迎撃は念動力で市街地や人々に被害がでない方へと極力逸したいものだ。いざとなればキャバリア達を盾にして護ることとしよう。



「やれやれ、市街地に逃げ込むとは厄介なことだ」
 人形・依代(ダスティシンデレラ・f29960)は、人の身体とは一味違う脚で屋根を蹴る。
「なに、ちょっと大きな跳躍だ、飛行ではない」
 涼しい顔で飛び越えたのは、この通りでは一般的なサイズの2階建ての住宅だ。

 オブリビオンマシンは、市場の通りに沿ってゆっくり歩いている。このまま大人しくしていてくれれば助かるのだが、そう上手くいくほど甘くはない。
「まずいな」
 オブリビオンマシンが市場に放置された荷台を見つけて足を止める。荷台に乗っているのは、キャバリア用の武器パーツ。戦場跡や遺跡などでそういったパーツを拾って売る生活をする者がいたのだろう。特段意味のあるパーツではないが、どうやら敵はお気に召さなかったらしい。
「人や建物には興味がないらしいが。キャバリアに関係する物には攻撃するか。止むを得ん」
 依代は【リモート・レプリカント】で、遠隔操作したキャバリアをオブリビオンマシンに見えるように前進させる。すると、敵は動かぬパーツから動くキャバリアの方へと向き直る。

 敵……、 新たな……。

 キャバリアを見るなりオブリビオンマシンはマシンガンを連射する。弾丸を躱せば街への被害が広がる。依代は操るキャバリアで弾丸を受け止めつつ、次の展開を考える。
 キャバリアへ攻撃してくるならば、それを利用して誘導しよう。今ある手持ちを捕捉出来るように並べ、広い場所へと誘導するルートとなると――。
 敵の攻撃が一度止まる。依代はその隙に、一旦交戦中のキャバリアのリモート操作を切る。入れ替わりに次のキャバリアを起動する。オブリビオンマシンは新たなキャバリアを認め、再びライフルを構える。
「うむ、いい子だ」
 ライフルによる攻撃を行いながら、オブリビオンマシンは依代の操るキャバリアの方へと真っ直ぐ進む。順調だ、こちらが回避と反撃が出来ないことを除いては。
「やられた分は、あとでたっぷりお仕置きしてやらんとな」
 倒れたキャバリアがすぐ起動出来ることを確認し、依代はすぐに戦線に戻る。

 ライフルを撃ちながら進む敵の背中を、屋根の上から静かに見守る――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒木・摩那
市街地に入られたのはまずいですね……
大きなキャバリアがちょっと動いただけで建物や人に被害が出てしまいます。

まずはドローンを緊急発進。
オブリビオンが逃げ込む先の街の情報を収集して、先回りを試みます【情報収集】。
そして、オブリビオンを追い出す場所も探し出します。
周囲に建物が無い、広い場所があればよいのですが。

そして時間稼ぎとして、相手の足を止めます。
ヨーヨー『エクリプス』をキャバリアサイズに巨大化。
UC【蒼鷹烈風】でヨーヨーの射程距離を伸ばして、捕らえます。
あとは呪力エンジンを反転させて、ブレーキにします。



「市街地に入られたのはまずいですね……」
 ドローンを緊急発進させながら、黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は渋い顔をする。

 摩那の眼鏡には、空から受け取った古い町並みを映し出されている。道幅は狭く、その狭い空間に屋台や生活用品が並ぶ。
「大きなキャバリアが活動することを全く考慮していませんね。ちょっと動いただけで建物や人に被害が出てしまいます」
 さほど大きくないドローンでさえ、低空飛行で油断すればすぐに洗濯物に包まれてご近所トラブルになってしまう。キャバリアが腕を振れば直撃だけでも家屋が3件吹き飛ぶ密集ぶりだ。
 そんな街の中で、戦闘に使える広い場所は1つ。建国の王の銅像がある、街の中央の広場。キャバリアで名を揚げた王を讃える場所だけあって、キャバリアで乗り入れるのも戦闘するのにも十分な設計になっている。
 目的地は決まった。だが、そこまでまだ距離がある。

「一先ず、時間稼ぎです」
 ヨーヨー『エクリプス』を【蒼鷹烈風】の力でキャバリアに対抗できるサイズにまで巨大化させる。空中のドローンも利用し、ヨーヨーが敵の周囲で複雑な軌道を描く。そこでヨーヨーを止め、糸を引く。摩那の意志を込めた糸がオブリビオンマシンを締め上げる。

 敵襲……、 破壊……。

 敵の動きを止めたところで、再びヨーヨーを加速する。キャバリアの巨体が、細い糸の1本で釣り上げられる。伝統の染め物だろうか、風に揺れていたカラフルな布を巻き込んでオブリビオンマシンが背中から地面に激突する。
 オブリビオンマシンはゆっくりと立ち上がりながら、不思議な回転物を敵として認識する。ライフルを数発放ち、ヨーヨー目掛けて突進してくる。どうやら大人しくついてきてくれるようだ。
「なんて言いましたっけ? 犬の散歩?」
 地面を走る巨大ヨーヨーに、それを追いかけるオブリビオンマシン。奇妙な光景だが、このまま広場を目指すとしよう。
「キャバリアが通りまーす! 道を開けてくださーい!」

 逃げ遅れた人々をかき分け、摩那は走る――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

緋薙・冬香
気の抜けない展開が続くわね!
とりあえず市街地へ着くまでに追いつく……!

【血統覚醒】からの【スカイステッパー】で高速&低空飛行
時々着地していけば息切れなく飛んでいけるはず!

バジリスクを追いついたら
両足にオーラ防御を纏って衝撃対策
追い越して前方にある建物とかの障害物に着地
そこを起点に地面も使って三角飛びの要領で勢いをつけてジャンプ
バジリスクの顎へ斜め下から弾丸のごとく飛び蹴りよ!
「と・ま・れぇぇぇぇ!!!」
下から顎撃ち抜いたらちょっとは止まるでしょ!
突き抜けたら空中を蹴って方向転換
今度は頭の横から回し蹴り
「倒れなさい!」
これで少しは街の人が避難する時間稼げたかしら
引き続き進軍妨害していくわよ!



「と・ま・れぇぇぇぇ!!!」
 裂帛の怒号が響く。
 真下からの蹴り上げ。緋薙・冬香(針入り水晶・f05538)のヒールが、オブリビオンマシンの顎を貫く。

 少し前の出来事。
 オブリビオンマシンは街の人へは攻撃らしい攻撃は行わずに進んでいた。とはいえ、キャバリアが通った道はそれとはっきりわかるように、建物が破壊されていた。
 崩れた家から助け出した怪我人を兵士に引き渡し。親とはぐれて泣く子供を宥めながら親を探し。
 遅れを取り戻すべくユーベルコードの力を使い。いつもより少し大股で道と建物を越え。逃げ遅れた人々と、それを踏み潰さんとするオブリビオンマシンの前に辿り着き。美女を無視して去った男の肩に手を乗せたのが、ついさっき。
 壁と地面を使い、死角から蹴りを叩き込んで、今に至る。

 顎の砕けた機体がぐらつく。どこか遠くを見て歩き続けていたオブリビオンマシンが、蹴りを放った目の前の存在に視線を向ける。今更こちらを見たところで、この間合いではもう遅い。
「倒れなさい!」
 冬香が空中で反転し。オーラを纏った回し蹴りが、鋼の頬に叩きこまれる。顔の装甲が弾け飛び、首の関節から金属の割れる音が響く。冬香が着地する後ろで、オブリビオンマシンの頭が地に落ちる。少し遅れて、残されたボディが力なく倒れる。

 颯爽と現れ生身で暴走キャバリアを蹴り倒す美女に、人々は歓声を上げる。そんな声援に軽く手を振って応え、すぐに背を向ける。
「早く逃げなさい!」
 戦いは終わったわけではない。冬香の声に、我に返った人々はすぐに狭い路地へと散る。人払いが済んだタイミングで。何事もなかったかのように、首なしのマシンが立ち上がる。
「気の抜けない展開が続くわね! それじゃあ改めてお姉さんと2人っきりで散歩にいきましょう?」
 冬香の言葉は届いたのか。オブリビオンマシンは、目の前で挑発的に立つ美女へと銃口を向ける。冬香はそれに背を向け、走り出す。

 周囲を気にせずお付き合い出来る場所は、まだ遠い――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティエル・ティエリエル
WIZで判定

予知通り、逃げ出したね!
それじゃあ、後を追いかけよう!

街を壊さないように慎重に操縦していくけど……むむっ、こっちの細い道の方が近道だね?
この先で通せんぼしたら目的の広場の方に誘導できそうだけど……むぅ、通れない。

そうだ!何もわざわざキャバリアで移動しないでも【フェアリーランド】の中に入れてから移動すればいいんだ♪
急いで壺の中にキャバリアを格納したら細い裏道を通ってショートカット!
通り抜けたら壺の中に入ってタイミングよくキャバリアに乗って飛び出すね♪

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



「予知通り、逃げ出したね! それじゃあ、後を追いかけよう!」
 と、ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)のキャバリアが飛び出したのは数分前。

「……むぅ、通れない」
 キャバリアは、最初の路地で詰まっていた。
「むむっ、むむむ……」
 落ち着こう。こういう時は、えーと……。
「そうだ!」
 ティエルはユーベルコード製の可愛らしい壺を取り出す。
「わざわざキャバリアで移動しないでも【フェアリーランド】の中に入れてから移動すればいいんだ♪」
 路地に詰まっていたキャバリアが光に包まれて消える。光が収まると、壺を抱えた妖精がどこかへと飛んでいった。

 人の気配の消えた道をオブリビオンマシンが進む。住民の避難は完了している。そのまま無事市街地を抜けてくれるか、と思ったところで。オブリビオンマシンの前にお魚を咥えた猫が通りかかる。無人になった屋台からお魚を拝借して帰る途中なのにゃ。
「あぶなーい!」
 どこからとなく聞こえる声、投げ込まれる謎の壺。その直後、突然現れたキャバリアがオブリビオンマシンとぶつかり合い、賑やかな音が鳴り響く。
「わわ!? わーっ!?」
 2機のキャバリアは倒れて重なってしまう。足止め出来たならすぐに離脱したいが、相手が邪魔でティエルはうまくキャバリアを立ち上がらせることが出来ない。
「そうだ! もう1回仕舞おう!」
 またフェアリーランドに入れて、立った状態でまた出す。これだ!
 謎の光と共に突然現れたキャバリアは、またも忽然と姿を消す。オブリビオンマシンは消えてしまったキャバリアを探して周囲を窺う。しばらくきょろきょろした後、何を勘違いしたのか、手短な建物に向けてライフルを構えた。
「待てー! ボクはこっちだぞー!」
 再び、どこからともなくキャバリアが現れる。それはそうと、壺を持ったまま操縦って大変そうですね。

 消えるキャバリアとオブリビオンマシンの攻防は続く――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メルティア・サーゲイト
普段だったら飛んで解決だが、この世界じゃ迂闊に飛べないんだよなぁ……新技も試したいしな。CRUDEの外装をパージして、新技のネブカドネザルだ。今は攻撃力は必要ないからカット、欲しいのは移動力っていうか、小回りの利く機動力だな。
「って事でホバー形態だ。飛行はしてない」
 下半身を高機動ホバーに換装して追いかけるぜ。
「次は鬼ごっこか? って言っても付き合う気は無いけどなァ!」
 隙を見てCODE RAMPAGEでひっ捕らえるぜ。捕まえるだけなら攻撃力は関係無いだろ。



「普段だったら飛んで解決だが、この世界じゃ迂闊に飛べないんだよなぁ……」
 メルティア・サーゲイト(人形と鉄巨人のトリガーハッピー・f03470)は、パワードスーツの中から天を仰ぐ。
 飛んで真っ直ぐいけば一瞬の間合い。飛べないとなると、メルティアもあのオブリビオンマシンと同じく、街を破壊しながら進まなければならない。そいつもなかなか楽しそうだが、そういうわけにもいかないよなァ?

「まあ丁度いい。新技も試したいしな」
 メルティアが指を鳴らす。【MODE NEBUCHADNEZZAR】への移行。パワードスーツの外装が外れ、メルティアの規格にないはずのパーツが装着される。
「って事でホバー形態だ。飛行はしてない」
 メルティアは誰へとなく話しかける。空の上からは、特に何の反応もない。無理やりつけたホバー機構で浮かび上がり、遠方に見えるオブリビオンマシンをロックする。
「進むだけならいいが、ホバーのまま攻撃は厳しいかァ?」
 パーツの手応えを確認しつつ、出力を上げる。燃える軌跡を残し、ネブカドネザルが発進する。

 一方、猟兵たちの誘導で間もなく市街地を抜けようとしていたオブリビオンマシン。
 後方から高速で接近する機影を捉え、ライフルで牽制する。最低限の動きで攻撃を躱し、速度を落とさず迫るメルティア。
「どうした? そんなんじゃ止まらねえぜェ!」

 兄弟……、 帰還……。

 攻撃を止め、オブリビオンマシンはメルティアに背を向けて駆けだす。逃走するつもりだろうか? だが、2脚のマシンと脚を換装したメルティアとでは速度が違い過ぎる。
「次は鬼ごっこか? って言っても付き合う気は無いけどなァ!」
 飛び掛かりながら、空中で変形する。
 これで終わりだ。オブリビオンマシンを掴み上げ、建物の1つ向こう、街の中央の広場へと投げ込む。
「捕まったんだからな。今度はそっちが暴れる番だぜェ!」
 背中で数本の植木を薙ぎ倒しつつ、オブリビオンマシンが静止する。ようやく派手に暴れられる場所に到着した。メルティアは改めて、オブリビオンマシンと対峙する。

 ……、 ……。

 傷だらけながらも、ライフルをしっかりと握るオブリビオンマシン。
 様子がおかしい。
 誰かが叫ぶよりも早く、その変化は始まった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『モノアイ・ゴースト』

POW   :    バリアチャージ
【バリアを纏った】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【支援機】の協力があれば威力が倍増する。
SPD   :    パルス・オーバーブースト
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【オブリビオンマシン】から【光学兵器による一斉攻撃】を放つ。
WIZ   :    ゴーストスコードロン
自身が【敵意】を感じると、レベル×1体の【支援キャバリア】が召喚される。支援キャバリアは敵意を与えた対象を追跡し、攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵たちが追い続けたキャバリアが握り続ける物。遺跡から発掘されたという古ぼけたライフルが、蒼い炎に包まれる。
「おお、兄弟よ……」
 声が聞こえた。虚ろな囁きではなく、はっきりと聞き取れる男の声。その声がオブリビオンマシンに捕らわれているというパイロットでないことは明らかだ。

 蒼い炎が落ち着く。中から出てきたのは先程までそこにいた傷ついたブレイジング・バジリスクとボロボロのライフルではない。
 真新しい『モノアイ・ゴースト』と、異様な空気を纏う『蒼いライフル』。

 変わらない街並。自身を取り囲む敵。キャバリアがキャバリアを呼ぶ闘争の日々。
「何も変わらない。ならば変わるその日が訪れるまで、戦い続けよう!」
 見慣れぬ銅像に背中を預け、その機体は動き出した――。
メルティア・サーゲイト
「いいぜ、鬼ごっこする為に作った装備じゃねェンだ」
 ホバーをパージして乗り捨て、右腕をバインダーに突っ込んで六本のチェーンソーブレードに換装。ついでにMODE VANGUARDでブースター増設だ。
「不明なユニットが接続されましたってなァ! 生憎と深刻な障害起きないが」
 近接武器だから射程は短い。一気にブースト接近して決めるぜ。
「これが、全てを焼き尽くす暴力だ!」
 特有の甲高い金属が摺り刻まれる音を響かせてグラインドブレードで一撃だ。当たれば耐えられはしないぜ、当ればな。



 オブリビオンマシンが改めて、メルティア・サーゲイト(人形と鉄巨人のトリガーハッピー・f03470)へと銃口を向ける。
 撃ってはこない。その意味するところは、1つ。
「いいぜ、鬼ごっこする為に作った装備じゃねェンだ」
 メルティアはパワードスーツの中で首を鳴らす。
 ようやくだ。ようやく本当の意味での戦闘開始だぜェ。

 交戦の意志を示した敵に合わせ。メルティアのパワードスーツも姿を変える。
 【MODE NEBUCHADNEZZAR】による新たな換装。鬼ごっこのためのホバーを蹴り飛ばし、2本の脚で大地を踏む。そして、その腕の大きさに不釣り合いなほど重い6本のチェーンソーブレードを装着する。
「不明なユニットが接続されましたってなァ! 生憎と深刻な障害起きないが」
 メルティアの手元には、エラーを訴えるメッセージが表示されている。問題はない。チェーンソーブレードを接続し、メッセージを消す。これを6回繰り返す、換装完了だ。

 パワードスーツの換装が一段落したところで、オブリビオンマシンは叫ぶ。
「掲げよ、我等の兄弟の杯を! 始めよう、新たな闘争を!」
 蒼いキャバリアをバリアで覆い、正面からの突進。あのオブリビオンマシンに支援機はいるのか。敵は1機のみに見える、だが確かに出力は上がっている。
 正面から来るのであればこちらも正面からぶつかるのみ。色鮮やかなキャバリアと無骨なパワードスーツが激突する。高速で走る6列の刃が独特の金属音を響かせ、実体のないバリアを摺り刻む。
「俺の一撃を止めるか! だが俺たち兄弟に――」
「わりィ、なんか言ったか? ようやくブースターの接続まで終わったぜェ!」
 バリアの輝きが一瞬強まったか、といったところで。メルティアのパワードスーツが至る所から火を噴く。全身のブースターから溢れるエネルギーが、チェーンソーを急速に加速する。
 押される、と認識した時に遅すぎた。バリアが、砕ける。
「これが、全てを焼き尽くす暴力だ!」

 硝子の割れるような音は、直後に溢れた甲高い金属音に飲み込まれ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

人形・依代
ふむ、ここでなら全力を出せるな。6体のダスティシンデレラを合体させてバージョンを2.5へとアップさせるぞ。
デカさはパワー。更に結界術で半独立した遊離装甲を利用したスリップストリーム(推力移動)での加速はただぶちかます(重量攻撃)だけでも強烈だ。
それだけでなく、本体が当たる前に遊離装甲によるシールドバッシュも発動する。
遊離装甲を保持する結界術は当然防御面にも効果を発揮し、超能力で展開したオーラ防御と合わせて機体を保護するだろう。
さて、あちらも突進してくるようだがそれは悪手だろう。オブリビオンマシンも合体してるぼくのダスティシンデレラ2.5は、敵機を捕食し取り込む機能も有しているのだからな。



「ふむ、ここでなら全力を出せるな」
 人形・依代(ダスティシンデレラ・f29960)は、建国の王を讃えるという広場を眺める。
 2人の王の像の前は、キャバリアの部隊が並んで立っても余裕があるほどに広い。キャバリアと並ぶ大きさのこの石の像の前で演説などすれば、なかなか様になることだろう。
 そんな広場に6機のダスティシンデレラを並べ。その前で依代は少し大げさにユーベルコードの詠唱を始める。

「合体ロボはロマン。敵から略奪したパーツでパワーアップもロマン」
 整然と並んだキャバリアが一度ジャンクパーツへと戻り。そして、結界の力を纏った1機の巨大なキャバリアへと姿を変える。
「合体か、その動きは先程も見た。――いや、少し違うな?」
 【ダスティシンデレラ2.5】の威容を見て、オブリビオンマシンは囁く。大きさが違うだけではない。機能面でもだいぶ修正が加えられている様子。
「変わらないさ。でかさはパワーだ」
 依代は先程よりも高くなったコクピットから、オブリビオンマシンを見下ろす。その様子に、満足そうに頷き、オブリビオンマシンは突進を繰り出す。

 高速で向かってくるキャバリアを、依代はゆったりとした動きで迎え撃つ。2機のキャバリアが激突し、広場全体に衝撃が走る。蒼いバリアの上で遊離装甲が弾け、火花を散らす。
 突進を受け止めたところで、ジャンクパーツの腕が不気味に蠢く。依代の捕食を認識しつつも、オブリビオンマシンは突撃の勢いを緩めることはしない。捕食されてようとも、それ以上の力で進めばいい。
「この力、やはり違うな! されど既に退路なし!」
「ふむ、離れようと隙を見せればそこで決着がついたのだが――」
 攻撃の手を緩めないのはいい判断だ。だが、敵機を捕食し取り込む機能も有しているこの【ダスティシンデレラ2.5】から離れないのは、それはそれで悪手。
「少し、捕食しやすいよう壊させてもらおうか」
 依代は、空いている方の巨大な腕を振り上げる。

 二度目の衝撃が、古風な街全体を揺るがす――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒木・摩那
キャバリアって変身もできるんですね!?
何も変わらない、と言いますけど、自分がめちゃ変わってますよ。

しかし、やっと正体も現したということは、本気出してきたということでしょうか。
ここで決着を付けましょう。

今までの動きを見ると、蒼いライフルに何か憑りついているようです。
ここはキャヴァリアとライフルを離してみたいところです。
ヨーヨー『エクリプス』で戦います。
ヨーヨーを振り回して、支援機を撃退しつつ、ライフルにヨーヨーを絡めて【武器落とし】。UC【サイキックブラスト】をワイヤーで流し込みます。

相手の攻撃はスマートグラスのサポートと【第六感】で対応します。



「キャバリアって変身もできるんですね!? やっと正体も現したということは、本気出してきたということでしょうか」
 姿を変えたオブリビオンマシンを見て。黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)が驚きの声を上げる。
 一般的なキャバリアに変身機能はついていないはず。だが、猟兵やオブリビオンであれば世界の制約から解き放たれ、今までとは違う真の姿に変貌することもある。

「何も変わらない、と言いますけど、自分がめちゃ変わってますよ」
 摩那の言葉に、オブリビオンマシンは自らの機体を改めて確認する。
「変わっていない、あの時のままだ。なあ兄弟?」
「いやいや、色も形も全然変わって――。おーい?」
 目の前の摩那へ、ではなく。誰もいない空間に向けて返事をするオブリビオンマシン。あのオブリビオンマシンには、『過去』しか見えてないらしい。
 そんな様子の相手へ、摩那は改めて宣言する。
「あなたのいた過去はもうとっくに変わっています。ここで決着を付けましょう」

 今までの動きからして、あの蒼いライフルの方がこの暴走事件の原因であることは間違いない。ピンポイントでライフルを狙いところだが、動くキャバリアが持つ武装を的確に狙うとなると――。
 摩那が思案していると、どこからともなくキャバリアの群れが現れる。キャバリアの型式や武器はそれぞれ違う。あのオブリビオンマシンの、かつての仲間か。
 敵のキャバリア部隊が一斉に動き出す。摩那はサポートグラスの下で静かに計算しつつ、ヨーヨー『エクリプス』を握る。
「ボスは待機で、残りは真っ直ぐこちらに向かってくる、と」
 まず先頭のキャバリアの頭部カメラを狙う。視界を失ったキャバリアの脇をすり抜け、続くキャバリアの膝を粉砕し。回るヨーヨーを踏んで転ぶキャバリアを踏み越え――。
「最後のあなたには協力してもらいます」
 大きく勢いをつけてヨーヨーを投げる。狙いは1つ。支援機の胴にヨーヨーを巻きつけ、その勢いを利用し、後ろに立つオブリビオンマシンのライフルを狙う。
「何ッ!?」
 死角からの一撃に、オブリビオンマシンの手からライフルが零れ落ちる。
「さらに!」
 ヨーヨーのワイヤーを通して【サイキックブラスト】による高圧電流を流す。古のキャバリア部隊が、眩い閃光の中に飲み込まれる。

 しばしの静寂。決着はついた、のか?
 クロムキャバリアの闘争はまだ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティエル・ティエリエル
SPDで判定

真新しくなっても負けないぞー☆

空中からビームを撃ってくるなら地上で回避を続けてチャンスを窺うよ!
「殲禍炎剣」を恐れて高度を下げたら反撃だ♪
キャバリアでぴょーんとジャンプして【スカイステッパー】でどんどん登っていくよ!
撃ち落とそうとしてくるけどタンタンターンと踊るようにステップを踏んで装備してたレイピアでぐさっと貫いちゃえ!

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



「真新しくなっても負けないぞー☆」
 オブリビオンマシンは姿を変えた。一方、ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)は、いつも通り元気に飛び回っていた。

「ティエル・ティエリア・ティエリエルが相手だ! 名を名乗れ!」
 ティエルは小さなレイピアをオブリビオンマシンに向け、決闘を申し込む。
「名は故郷に置いてきた! 我らが次に名乗るときは自らの国を興したときだ!」
 オブリビオンマシンは名乗ることなくティエルにライフルを向ける。
「わー! すごい、本物だー☆」
 ティエルは興奮して飛び回る。広場の中央にある王の像の台座に、王の名前は刻まれていなかった。その代わりに、王の名が刻まれていない理由が記されていたのだ。
 本物による本物の英雄譚。ティエルが満足したところで、改めて2人の決闘が始まる。

 オブリビオンマシンが空を舞う。この世界で不用意に飛び回れば『殲禍炎剣』によって撃ち落とされる。だが熟練のパイロットは撃ち落とされないギリギリのラインを見極め、自在に飛び回る。それが出来ない未熟なパイロットは、ただただ地上を逃げ回るしかない。
「わわ、思ったより早く飛び回ってるよ! 頑張れライオンくん!」
 ティエルのキャバリアのコクピットで、ライオンくんの肉球が頑張ってペダルを踏む。空からの一方的な攻撃に、ティエルのキャバリアは地上で回避に専念する。敵はずっと飛んでいられるわけではない。しばしの辛抱だ。
「ええい、ちょこまかと!」
「へへーん。全然余裕だぞー☆」
 歴戦のパイロットも、飛行時間の浪費に焦りを覚える。ライオンくんは、そろそろ作画が変わりそうなくらいキャバリアの操縦技能が高まっている。

「あれ? 狙われてない?」
 気付けば、舞い上がる砂煙で地上は覆われていた。そしてオブリビオンマシンは攻撃を中断して、空中で静止している。
「それじゃー反撃だ! ぴょーんとジャンプしてどんどん登っていくよ!」
 ティエルのキャバリアが砂煙の中から飛び出す。
「そこか!」
 飛び出してきたキャバリアに、ライフルからのビームが飛ぶ。
「来たよ! タンタンターン!」
 ティエルの合図。ライオン、くんが、動ーく。キャバリアは空中で華麗なステップを踏む。
「いっくぞー!」
 最後に、ようやくティエルの出番だ。全身の力で思いっきりレバーを引く。

 いつもより大きいティエルのレイピアが、敵を貫く――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

全ては移ろいゆくもの、ならば、終わらせましょう、闘争を。
今日が変わる日よ。
ワンダーラビットに式神使いでUDCを降霊させて自動操縦。
私は公園全体に結界術を張って市街地に万が一の流れ弾がいかないように備える。
破壊の衝動を捕食し、闘争の理由を略奪し、森羅万変の権能(神罰)をもちてオブリビオンとしての在り方を『変化』させてしまいましょう。



「全ては移ろいゆくもの、ならば、終わらせましょう、闘争を」
 アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)は公園全体を結界で包む。
 これで一般人が流れ込むことも、再び敵が逃げ出すこともない。
 アリスは兎のぬいぐるみを投げる。それは空中で巨大化し、スーパーロボットとなってオブリビオンマシンの前に立ちはだかる。

「ああ、終わらせよう。そして、新たな闘争へ!」
「そうはならないわ。今日が変わる日よ」
 このまま普通に戦ったところで、この男の精神はまた骸の海から舞い戻って闘争を繰り返すことだろう。だが、それを止めるのが猟兵の仕事だ。
 まずは、ワンダーラビットの自動操縦でオブリビオンマシンを物理的に抑える。そこからが、アリスの本当の戦いだ。

 アリスはユーベルコードの力でオブリビオンマシンの精神に入り込む。先程まで見ていたクロムキャバリアの風景に、広場にあった彫像によく似た男がいる。
 その男の闘争の理由を軽くつまんでみる。まず最初にとある男との出会い。そこから、故郷を守るため。故郷を滅ぼした敵を倒すため。自分たちの国を作るために。それから、それから――。
「キリがないわね。これがクロムキャバリアって奴かしら」
 本人の分の闘争を潰しても、周りからいくらでも闘争が流れ込んでくる。次第にアリスの概念も闘争を求め――。
「――と、いけないいけない。引っ張られるところだったわ」
 時折引き込まれそうになりながら、攻撃目標を定める。敵の闘争の急所となる部分は、こいつの相方のもう1人の男か。ここの概念を『破壊』しよう。このオブリビオンを最も強く現世に縛り付ける要素を消して、繰り返す闘争の流れから切り離す。

「王様は私に出逢って、いろいろあって国を作って幸せに暮らす。これからあなたに起こるのはそういうストーリーでどう?」
「いやアリスちゃんはちょっと」
 アリスの権能の攻撃に、男は抵抗に意志を示す。
「何? 私じゃだめ?」
「アリスくんならまあ」
「アリスくん、とは」 
 アリスの【森羅万変】の中で、オブリビオンとしての在り方が少しずつ『変化』してゆく。無限に続く闘争の輪が綻ぶ。闘争に囚われていた男の心に、1つの小さな出口が出来る。

 さあ、改めて終わらせましょう、闘争を。

大成功 🔵​🔵​🔵​

緋薙・冬香
なるほど、そのライフルが憑代だったのね
変わらない争いの日々を変えるため貴方たちは戦ったのでしょう
そして建国の偉業を成した
それは紛れもない事実で、そして昔のお話

歪められてこの世に彷徨い出てきたのなら
私の鉄の雪ですべて撃ち抜いてあげる

どこかの誰かに運んできてもらった『ラヴィーネ』を受け取って
「さぁ!勝負よ!」
真っ向からいきましょうか!

【血統覚醒】で身体強化
ラヴィーネをフルパワーで支えながら
【美女の重火器】発動
「雑でも威力は変わらないのよ!」
バリアを張って突っ込んでくるなら
その上から叩きつけてあげる!
銃身が焼き付くまで撃ち出したニードル弾で押し返すわよ
「サービスよ!全弾持っていきなさい!」



「なるほど、そのライフルが憑代だったのね」
 強い意志を宿したキャバリアとそのライフルを見て。緋薙・冬香(針入り水晶・f05538)は、目を細める。

 変わらない争いの日々を変えるため貴方たちは戦ったのでしょう
 そして建国の偉業を成した
 それは紛れもない事実で、そして昔のお話

 歪められてこの世に彷徨い出てきたのなら
 私の鉄の雪ですべて撃ち抜いてあげる

 深い息を吐く冬香。その後ろから、ガトリングガンを持ったキャバリアが現れる。
 見たところ、キャバリアは通常の量産型。その手にしたガトリングガンは、キャバリアにつけるにはだいぶ小型に見える。あれで戦おうというのか。
 オブリビオンマシンの見ている前で。冬香はキャバリアからガトリングガンを受け取る。ウィンクだけの礼を受け取ると、キャバリアはそのまま戦線を離脱する。
 古の王のキャバリアに立ち向かうのは、銀の愛銃を構える生身の女。
「さぁ! 勝負よ!」
「勝負? キャバリアには……、乗らんのか?」
 目の前の女は武器を構えてはいる。が、相手が持っているのはただの歩兵用兵装。それで、それも1人で、キャバリアとやり合おうというのか?
「時代は変わる。いつまでも同じスタイルじゃいられないでしょう?」
「ただの女が、わけのわからんことを!」
 キャバリアによる戦争。男と男の闘争、そして友情。それは至高にして変わらぬ!

 怒りの叫びから、まずライフルによる牽制。冬香は姿勢を低くしてそれを潜り抜け、距離を詰める。
 小さな敵にライフルは適さない。オブリビオンマシンはライフルを下げ、突進の構えを見せる。
 直線的な攻撃の動きに入れば、回避行動は取りづらい。冬香はこのタイミングで攻勢に出る。【美女の重火器】、『雪崩』の名を持つガトリングガンから怒涛のニードル弾が放たれる。
「覚悟しなさい! 雑でも威力は変わらないのよ!」
 銀の弾丸が蒼いバリアを引き剥がし、中にいるキャバリアの勢いを奪い取る。突進は止まるも、ガトリングガンも止まる。
 至近距離で止まった1機と1人。
「やりおる! だが!」
「サービスよ! 全弾持っていきなさい!」
 キャバリアがライフルを上げようとしたところで、真紅の瞳に覚醒した冬香の最後の1発が、ライフルの銃身に突き刺さり――。

 あの女から、溢れる力は何だ?
 そうか……、 これが……、 猟兵……。
 ならば、自分は既に、過去の――。

 不吉な気配を纏っていた蒼いライフルが砕け、『モノアイ・ゴースト』が纏っていた力が霧散する。そこにはただ、『ブレイジング・バジリスク』の色をしたキャバリアが残される。
 嵐のような闘争が過ぎ去り。物言わぬ彫像が猟兵たちを見下ろしていた。

 ミッション終了。
 あとは忘れる前に、あの中でずっと寝ているパイロットを叩き起こすとしよう。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月13日


挿絵イラスト