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仇を捜し彷徨く路

#アポカリプスヘル #【Q】 #ストレイト・ロード #仁医の条件

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 アポカリプスヘルに、ハルトロック――岩山にしがみつくような小さな拠点の噂が流れるようなったのは、極最近の事だ。
「腕利きのデッドマンの闇医者がおるってな」
 頑張っとるんやなぁとぽそりと呟いて、各務・瞳子(七彩の聴き手・f02599)は猟兵達に向き直る。
「で、ハルトロックを目指す人らが出てきて、まあ、人や物の往来が増えるんは何処も歓迎やさかいな、最寄りの拠点まで、道路を造ろうって話になったんや」
 つまり、「アポカリプスヘルの拠点間の交通網を復活させる」一環と言えるだろう。
 ハルトロック自体が僻地に在り、最寄りの拠点でさえ相当に距離がある。所謂『お隣さん』は荒野の只中に在り、岩山から下りた先は延々と荒野を渡る事になる。丈高い藪が繁っている為、方向性を見失い易く、道の有無で遭難の率も段違いとなるだろう。
 道路は、マカダム舗装(砕石舗装)という、砕石をローラーで圧し固めた工法で舗装される。
「アスファルトとかコンクリートとかは、まだ資材の確保も難しいさかいな。それに、上等な舗装道路が完成したとして、道路警護の人員なんて割かれへんし。ある程度『壊される』事も想定済みなんよ」
 喩え何度壊されても、補修を諦めなければ、やがて道は定着するだろう。
「正に、千里の道も一歩から、やね」
 猟兵達には、危険や障害のない交通ルートを策定し、道路敷設の為の整地を依頼されている。
「ハルトロックのある岩山はまあ、細い山道はあるんで、問題は主に荒野の方やね。棘のある藪が生い茂っとるし、毒沼とか大岩とかな、後は地盤が脆くなっとる処もあるさかい、上手いこと障害を排除、回避して欲しいんよ」
 何より、1番大きな障害は、オブリビオンの一群だ。
「実は、荒野には病院の廃墟があるんやけど……残らず医療物資が運び出された後のもぬけの殻に、オブリビオンが棲み着いてしもたんよ」
 ルイス・ラドヴィッジ博士――恋人の仇を探す科学者で、フラスコチャイルド兵である量産兵子『ジャックス』を数多く率いている。
「昼間は、荒野を彷徨って『恋人の仇』を捜してるようや。けど、オブリビオンやさかいな、誰もが仇に見えて殺してしまうんや」
 今はまだ、オブリビオンと遭遇した一般人はおらず、被害は出ていない。だが、それも荒野に道路が開通すれば……。
「犠牲者が出る前に、彼らを骸の海に、還したってな」
 ある程度荒野を切り拓けば、オブリビオンの一群に遭遇するだろう。
「量産兵子『ジャックス』の武装は簡素なもんやけど、劣勢となればなる程、そこからの捨て身の一撃は強力や。数も多いし、油断せんとってな」
 量産兵子『ジャックス』の戦線を崩していけば、ルイス・ラドヴィッジ博士の姿も捉えられるだろう。
「きっと、博士は最初に『恋人の仇を知らないか』て訊いて来るけど……どう答えても、戦闘になるんは変わらへんやろね」
 そうして、自身の怨念そのものと言える『燻り狂えるバンダースナッチ』を召喚し、更には、『アリスズナンバー』と呼称する戦闘用フラスコチャイルドを量産するようだ。
「ユーベルコードのコピーもやってのけるさかい、しっかり作戦立てて挑んでな」
 荒野一帯が平和となれば、早晩、2つの拠点は、舗装道路で繋がる。
「アポカリプスヘル復興の為にも、皆、宜しゅう頼むで!」


柊透胡
 こんにちは、柊透胡です。
 今回は、「【Q】アポカリプスヘル拠点間の交通網を復活させる」のシナリオです。
 ハルトロックの闇医者は拙作「仁医の条件」の彼ですが、今回は登場しませんし、リプレイを読まなくても差し支えありません。

 第1章は冒険「荒野を切り開け」。ハルトロックから最寄りの拠点に至る交通ルートを策定し、障害を取り除きましょう。ハルトロックのある岩山を降りてからは、荒野を突っ切る事になりますが、棘のある藪が生い茂り、毒沼や大岩、地盤が脆い箇所あるようです。
 第2章は「量産兵子『ジャックス』」との集団戦です。ある程度、荒野の整地が進むと、オブリビオンの一群と遭遇します。問答無用の開戦となりますので、敵の戦線を切り崩していきましょう。
 第3章はボス戦「ルイス・ラドヴィッジ博士」。量産兵子『ジャックス』の数を減らすと、博士の姿を捉える事が出来ます。最初に「恋人の仇を知らないか」と尋ねてきますが、どう答えようと「彼女は今、泣いているんだ!」と燻り狂えるバンダースナッチを召喚します。(召喚してから戦闘開始ですが、リプレイの戦闘描写は、それぞれ選択したユーベルコードの能力に即します)

 今はまだマカダム舗装の敷設しか出来ませんが、交通網の復興が進むにつれ、より強固な道路も造れるようになるでしょう。頑張って下さいね!
 それでは、皆さんの熱いプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『荒野を切り開け』

POW   :    道路を敷く為、荒れた地面の整地を行う

SPD   :    鋭い調査や直感によって、周囲の危険を避ける

WIZ   :    知恵や知識によって、最適な交通ルートを割り出す

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 岩山の拠点、ハルトロックは、一時期、流行り病で壊滅の瀬戸際にあったという。
 拠点の危機に立ち上がったのが、長く余所者と敬遠されてきたデッドマンの闇医者で――最初こそ警戒され、軋轢が生じたものの、治療が功を奏し、拠点が救われたという経緯がある。
 名医の噂は、瞬く間に広まり――ハルトロックと最寄りの拠点を結ぶ道路の敷設計画が持ち上がった。
 起点は、ハルトロックの岩山の麓。まずは、荒野を横断するルートの策定と道路敷設の為の整地を。
 礎成らずして、如何なインフラも成り立たぬ――猟兵達の健闘を祈る。
阿紫花・スミコ
「まかだむ、まかだむね。前にやったあれだろ?」

要するに岩を砕いて運べばいいんだ。ボクとダグザにはもってこいの仕事だよ!
スミコは、スーツケースから、からくり人形ダグザを取り出すと、その巨大なこん棒で岩を砕きはじめる。
人形を遣えば運搬もらくらくだ。

それと同時に周囲の調査も忘れずにやっておく。時々、調査用ドローン「イーグルアイ」を飛ばし、周囲の地形を調査、サーマルスキャナを用いて、生物の接近などに注意を怠らないようにする。

「ボクのいたダークセイヴァーは、自然は豊かな場所だったけど、闇に包まれた世界だったからね・・・なんにもないこの世界だけど、お日様の光を受けていられるっていうのはいいことだ。」



「まかだむ、まかだむね」
 うーんと小首を傾げる阿紫花・スミコ(ガジェットガール・f02237)。聞いた事はあるけれど、耳慣れない言葉というか。
「……ああ、前にやったあれだろ?」
 思い出した。冬の頃、やはりアポカリプスヘルで舗装道路を造った事がある。その時も、マカダムだった。耐久性に優れ、且つ安価であり、近代舗装の源流となった工法だ。
「要するに、岩を砕いて運べばいいんだ。ボクとダグザにはもってこいの仕事だよ!」
 勢いよくスーツケースを開けば、巨大な棍棒を手に、からくり人形「ダグザ」が立ち上がる。
 ――――!!
 これでもくらえ!! とばかりに、手近の大岩を粉砕。ダグザの膂力ならば、砕石の運搬だって楽々だ。材料を現地調達し易いのも、マカダム工法の長所だろう。
 同時に、周囲の調査も忘れない。ダグザに砕石を頼む間、調査用ドローン「イーグルアイ」を飛ばしては周囲の地形を調査、或いはサーマルスキャナで生物の接近に注意を払う。
 今の所、異常無し。オブリビオンの影すら窺えない。
「良い天気だなぁ」
 ドローン越しに白っぽい青空を見上げ、黒い瞳を細めるスミコ。ほんの数週間前と比べても、降り注ぐ陽射しの強さも和らいだだろうか。
 ――生まれ故郷が、脳裏に浮かぶ。
(「ダークセイヴァーは、自然は豊かな場所だったけど、包まれた世界だったからね……」)
 翻って首を巡らせても、荒涼とした野が広がるばかり。それでも。
 お日様の光を受けていられるっていうのは――きっといい事だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メルフローレ・カノン
連携アドリブOK

アポカリプスヘルの道づくりのお手伝いですね。
私のできることでお手伝いします。

舗装自体は砕石と機械で行うようですので、
私は可能な限り道也作業の危険を取り除くお手伝いをしましょう。
ユーべるコードで【祝福の光】を用意したので、
空を飛んで高いところから眺めてルート上の危険を察知します。
ついでに[第六感]も生かします。

植物や怪物など排除できるものは私が
メイスや剣を使って排除します。
岩や倒木など片づけられるものは
[怪力]を生かして除去して道を通してもらいましょう。
大岩とか魔物の巣とかは迂回路を探し、提案しましょう。

もう一つ、舗装作業している人たちに危険が及ぶなら
[かばう]でまもりましょう。



「今回は、道づくりのお手伝いですね」
 今日もメルフローレ・カノン(世界とみんなを守る……かもしれないお助けシスター・f03056)は、出来る事を頑張るべく荒涼の地に起つ。
(「舗装自体は、砕石と機械で行うようですので……」)
 神よ、私に祝福の光をお与えください――メルフローレの信仰と正義の心に応え、神々しき光が少女の全身より溢れる。軽やかに飛び立った。
 まず、最短ルートを妨げる障害物が無いか、上空より確認する。
「まあ、無い筈はありませんよね」
 最初から、メルフローレの第六感が警報を鳴らしているのだ。一望するだけで、危険な箇所はあちこちに。
 早速、作業を開始する。
 棘薮の一帯は剣で斬り払い、ゴロゴロと転がる岩は膂力任せにメイスで砕いていく。除去した障害物は、一所に固めて置けば、敷設の作業もやり易くなるだろう。砕石ならば、道路の材料にもなる。
「このポイントの迂回路は、後で提案ですね」
 流石に、大岩や毒沼は下手に触らない方が良いか――丁寧に、偵察と活動の記録を書き留めていくメルフローレ。
(「次は、『守り』ませんと」)
 本格的な敷設作業が始まるのは、猟兵達の整地の後だ。一般人の安全の為にも……メルフローレの決意の眼差しが、オブリビオン彷徨う荒野の奥を凛と見据えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ノインツィヒ・アリスズナンバー
……ルイス博士、か。
こればかりは、私ちゃんでもマジにならないといけねえな。
アリスズナンバーの生みの親、か。私ちゃんはあの人が死んでから生まれたから、データベースでしか知らないけど。

いや、今は目の前の整地だよね☆
私ちゃんは私ちゃんの出来る事を精一杯、やるだけだもんね!

とりあえずやるべきことは、UCを起動して、見た感じの交通ルートを割り出すよ☆
後は念動力を使用して、大岩とか邪魔になりそうなものを端っこに避けておくね☆
地盤が脆そうな場所に退けておいて、危険を無くすのもいいかも!

……今回の依頼は、私ちゃんには少し、辛いかもしれない。
けど、向き合うべき時なんだろうねえ。



(「……ルイス博士、か」)
 グリモア猟兵からその名前を聞いた時、ノインツィヒ・アリスズナンバー(90番目のアイドル・f29890)は、きっと真顔になっていただろう。
(「……うん。こればかりは、私ちゃんでもマジにならないといけねえな」)
 遺伝子操作によって造られ、超能力を操るクローン人間――フラスコチャイルド。その一端である『アリスズナンバー』は、今も生産が続いている。ノインツィヒは文字通り『90番目』だ。
(「私ちゃんは、あの人が死んでから生まれたから、データベースでしか知らないけど……アリスズナンバーの生みの親、か」)
 ともすれば、強張る頬をパーンと叩いた。
「いや、今は目の前の整地だよね☆ 私ちゃんは私ちゃんの出来る事を精一杯、やるだけだもんね!」
 まず行うべきは、交通ルートの割り出しだろうか。先行した猟兵が奥の方へ向かったので、ノインツィヒはハルトロックの麓から順々に。
「10秒間脳の演算速度6倍で、1分昏倒……効率的にどうなんだろ、これ」
 猟兵として、アポカリプスヘルでの活動も初めてならば、アルジャーノンエフェクトの使い所にも頭を悩ませる。まあ、すぐにユーベルコードにも馴れるだろう。
「……あ、こうやったら上手くいくかも!」
 念動力を援けに地盤が脆い箇所へ障害物の岩を移動させれば、地盤増強も兼ねて一石二鳥?
「……あれ、上からの加重で、余計に崩落しそう?」
 まあ、一見して危険と知れば、ルートを外れてわざわざ近付く者もいないだろうし。迂回路はしっかり取っておこう。
(「……今回の依頼、私ちゃんには少し、辛いかもしれない」)
 せっせと作業に勤しみながらも、ノインツィヒはどうしても、来るべき対峙に思いを馳せてしまう。
 それでも、向き合うべき時だと思うから。少女は1歩1歩、交通ルートを定めては辿っていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

シホ・イオア
ふーん、道を作るんだね。
妖精的にこっそりお手伝いしちゃおう☆

「輝石解放、ゴールド! おいでませ、妖精のお宿!」
作業をしている人たちが体を伸ばして休めるように
進路の先に屋根のある建物を用意しておいたり
夜中に道を作っておいたり
毒沼に橋を渡して置いたり
邪魔にならない程度に色々作ってみよう。
こう、ばれないようにこっそりと……
作るだけだから整備とか調整は必要だけど
時間は短縮できるんじゃないかな?



「ふーん、道を作るんだね」
 ふわりふわりと浮遊する光の球――その正体は、聖者特有の光を放つシホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)。きょろきょろと首を巡らせる。
 舗装道路の敷設開始は、整地とオブリビオンの掃討が終わった後だ。故に、ハルトロックの岩山の麓周辺に、人影は無い。先に整地作業を進める猟兵達は、既に荒野の奥へと向かっている。 
「じゃあ、妖精的にこっそりお手伝いしちゃおう☆」
 まずは、労働環境の改善の為に。
「輝石解放、ゴールド! おいでませ、妖精のお宿!」
 岩山の麓に出現したのは、平屋建ての家屋。広さは8坪程で、それなりの人数が身体を伸ばして休めるだろう。シホのユーベルコードの賜物だ。
「後は……」
 シホの「マイ・キャッスル」は、「建物」であれば極めて精巧な偽物を造る事が出来る。「建物」即ち「屋根及び周壁を有する建造物」であるならば、色々と作れるだろう。
(「工夫すれば、毒沼に橋を渡したりも出来そう?」)
 造った建物に対して、更なる整備や調整は必要だろうけれど、工期の時間短縮が期待出来そうだ。
 でも、「妖精的」にお手伝いするのもシホの拘りたい所であるから。ばれないようにこっそりと……夜中に作業するのも、良いかも知れない?

 ――翌朝。(猟兵を含めて)人々は、一夜にして出来上がったと思われる様々の施設に、目を白黒させたとか。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『量産兵子『ジャックス』』

POW   :    スラッシュ
【刀】が命中した対象を切断する。
SPD   :    デスパレート
敵を【捨て身の一撃】で攻撃する。その強さは、自分や仲間が取得した🔴の総数に比例する。
WIZ   :    ブースター
【危険な薬物の入った注射器】が命中した対象を治療し、肉体改造によって一時的に戦闘力を増強する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 荒野の整地の進捗は順調だ。
 だが、歴戦の猟兵達は確かに察知している――オブリビオンの気配を。
 『彼ら』が荒野の廃病院を根城としたのは、極最近という。昼の間、『博士』は『恋人の仇』を捜して荒野を彷徨っている。彼の盾たるが「量産兵子『ジャックス』」達だ。
 従順な兵士たるべく量産されたフラスコチャイルドであるが故に、雑兵として粗雑に運用された子供達。オブリビオンとして還ってきた今も、その武装は刀1本と簡素なものだ。だが、劣勢となればなる程、捨て身の一撃は侮れぬ。何より、数こそ力の典型であれば。
 『博士』が在る限り、彼らが止まる事は無いだろう。
 そして、『博士』を止める為に、まずは、ジャックスの数を減らさねばならない。
 問答無用の開戦まで、後少し――。
御園・桜花(サポート)
不得手なものはたくさんあります
直接的な攻撃も
火も
言葉と想いを交わせぬことも

そこに在る以上
望みを持つのはそこに在るものの権利で義務
それが互いに反する願いであるならば
戦って互いの妥協点を見いだすのもまた当然

同じく界を渡る者と言うのなら
私達とオブリビオンに何の違いがありましょう
私達の違いは
骸の海の意思に沿うか
今在る世界の意思に沿うか
それだけだと思うのです

滅びをそのまま受け入れられる者は多くなく
転生が叶う世界も限られる
それなのに貴方の転生を願いそれを囁く私は卑怯者なのでしょう

それでもいつか貴方の望みと私達の望みが寄り添えるよう
貴方の転生を望みます
そのために
誠心誠意今の私の全力を尽くさせていただきます



(「あの廃病院に、またオブリビオンが……」)
 それは、ある種の偶然であるのだろう。
 御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)が、この地で尽力したのは夏の頃。1度は掃討したオブリビオンが、また形を変えて顕れようとは。
「医療物資は、全て運び出されたのですね。良かった……」
 ――不得手なものは、沢山ある。
 直接的な攻撃も。火も。そして、言葉と想いを交わせぬ事も……。
(「そこに在る以上、望みを持つのはそこに在るものの権利で義務です。そして、それが互いに反する願いであるならば……戦って妥協点を見出すのもまた当然の事」)
 目の前のフラスコチャイルド兵達は、恋人の仇を捜す者に率いられているという。だが、オブリビオンで在る限り、その願いは、世界の破滅に繋がっている。
(「同じく界を渡る者でありながら、私達とオブリビオンの違いは、今在る世界の意思に沿うか、或いは骸の海の意思に沿うか……きっとそれだけ」)
 アポカリプスヘルにも、転生は在るのだろうか……この世界の理をさて置いても、桜花が転生に希望を見るのは、桜の精の性であろうか。
「私は、卑怯者かもしれません」
 それでもいつか、双方の望みが寄り添えるように、桜花はオブリビオンの転生を願う。誠心誠意、今の桜花の全力を尽くす。
 ――我は精霊、桜花精。呼び覚まされし力もて、我らが敵を討ち滅ぼさん!
 荒野に桜吹雪が渦を巻く。己が意志の力を纏い、桜の精はフラスコチャイルドの一群へ飛翔する。

成功 🔵​🔵​🔴​

メルフローレ・カノン
遭遇したオブリビオンを排除して街道の危険を取り除きます。

まずは『博士』にたどり着くためフラスコチャイルドと相対します。
しかし……
生身の兵士を作り出せる異世界の技術はすごいと思いますが
それを使い捨てというのは少々複雑な気分ですね。
でも、立ちはだかる敵は払いのけなければなりませんね。
それでは……全力で行きますよ!

私の得物はメインがメイス、サブが剣で、
[怪力][力溜め]の上で、[なぎ払い][2回攻撃]で沢山の敵を攻撃し
大軍に立ち向かいます。
さらに、【神の無限なる聖剣】で目前の多くの敵を吹き飛ばし、
『博士』への道を切り開いていきましょう。
「神よ、その奇跡の刃を、私にお貸しください」



 遭遇したオブリビオンを排除して、街道の危険を取り除く。正にその為に、メルフローレ・カノンは此処に居る。
 けれど……。
(「生身の兵士を作り出せる異世界の技術はすごいと思いますが……それを使い捨てというのは、少々複雑な気分ですね」)
 量産兵子『ジャックス』達が構えるのは、刀1本。武装にも彼らの境遇が透けて見えて、メルフローレは痛ましげに眉根を寄せる。
 それでも、立ちはだかる敵は、掃わなければならない。
「それでは……全力で行きますよ!」
 愛用のメイスとグラディウスを構え、クレリックの少女は、或いはパラディンらしく勇ましく突撃する。
 ――――!!
 左右に二閃、可憐な外見に違う膂力が、少年兵をなぎ払う。
「神よ、その奇跡の刃を、私にお貸しください」
 のみならず、巻き起こった衝撃波は、神の無限なる聖剣――数多を巻き込み、吹き飛ばさんと。
 刀を振り被りながら敢え無く薙ぎ倒される様に、憐憫を覚えずにはいられなかったが、『博士』への道を切り拓くべく、前へ前へと進み続けるメルフローレ。
 『博士』が在る限り、彼らも止まれないのだから。

成功 🔵​🔵​🔴​

シホ・イオア
従順かー、説得は無理なんだろうな。
オブリビオンになる前なら試してみたかったけど。
今は、眠らせてあげよう。

彼ら、空中戦には対応してるのかしら?
上空から弾幕で制圧しつつ連携を崩した敵を各個撃破していこう。
「輝石解放、ルビー! 愛の炎よ、舞い踊れ!」
ガトリングの弾幕とともに周囲に炎を展開。
隙を見せた敵に収束攻撃を行う。

あ、整地の時は姿を見せないようにしてたんだっけ。
……ここは隠れようがないからしょうがないよね。

連携アドリブ歓迎!



「従順な少年兵かー」
 ふわりと浮かぶ光の球――シホ・イオアは、上空よりジャックスの一群を見下ろす。
「説得は……無理なんだろうな」
 もし、オブリビオンになる前であれば、試してみたかったけれど……今は、眠らせてあげよう。
(「彼ら、空中戦には対応してるのかしら?」)
 フェアリーの少女が携えるのは、宝石剣エリクシア。だが、その小柄から、魔法弾が雨あられと降り注ぐ。マジカルガトリング砲を仕込んだブーツは、制圧射撃も接射もこなす逸品だ。
 シホの魔法弾で傷付いた仲間に、急ぎ薬液入りの注射を打つジャックス達。それは治療であり、肉体改造。
 ――――!!
 悲鳴地味た咆哮を上げて、ドーピングされた少年兵は、次々と刀をシホへ投擲する。
「キャッ!」
 思わず悲鳴を上げた。力任せの投擲は、或いは命中すれば只では済まなかっただろうが、狙いも粗削り故に、小さなフェアリーの体躯を精々掠めるに留まった。
「輝石解放、ルビー! 愛の炎よ、優雅に舞い踊れ!」
 寧ろ敵が空手となった事態こそ好機であれば、シホの周囲に、数多の炎が浮かぶ。燃え上がる中に輝くのは、愛を表すハートマーク。 
(「……あ、整地の時は姿を見せないようにしてたんだっけ」)
 90に近い愛の炎を自在に操り、投擲で体勢を崩したジャックスへ、次々と攻撃を収束させていく。
「……まあ、ここは隠れようがないからしょうがないよね」
 あっさり、妖精的援護に見切りをつけて、シホは上空よりジャックスを各個撃破に勤しんだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

阿紫花・スミコ
「やれやれ。労働の後にはデザートだろうに。」

口を尖らせながら、無手のまま、ちょいちょいと手招きをする。

(敵さんの獲物は刀か・・・だったら、間合いには気を付けないと。)

舌なめずりをすると、腰に手を当てる。
スペースシップワールドの技術を使った光学迷彩ガンベルト・ガンハイダーの迷彩を解除する。
黄金に輝く精霊銃・アヴェンジングフレイムを素早く銃を引き抜くと腰だめに構え、引き金を引くと同時に撃鉄を左手ではじく。

ファニングショット・・・!

刹那に発射された六発の弾丸は炎を帯びて敵に襲い掛かる!

シリンダーから空の薬きょうを落とすと、ワイヤーギアで、ワイヤーを発射。巻き取りと蒸気の力で素早く距離を取る。



「やれやれ。労働の後にはデザートだろうに」
 退くを知らぬかのように、ジャックス達は次々と押し寄せる。口を尖らせた阿紫花・スミコは、無手のまま、更に煽るようにちょいちょいと手招きをする。
(「敵さんの得物は刀か……だったら、間合いには気を付けないと」)
 既に、猟兵達に葬られた量産兵子の数も少なからず。だが、劣勢からの捨て身の一撃こそが、最も危険であれば。
「いくよ!」
 舌なめずりして腰に手を当てたスミコは、ガン・ハイダーの光学迷彩を解除。忽然と現れた黄金の精霊銃「アヴェンジングフレイム」を引き抜くや、腰だめに構える。
 ファニングショット――!
 引鉄を引くと同時に撃鉄を左手で弾く。刹那に発射された6発の弾丸は、炎を帯びて襲い来るジャックス達を撃ち貫いた。
 ――――!!
 一撃六殺、だが、更なる捨て身の斬撃がスミコに迫る。
「……っ!」
 寸での所で、ワイヤーギヤを発射した。大岩に穿ったワイヤーの巻取りと蒸気の力で、豪速の刀を擦り抜け距離を取る。
(「うわぁ、ぎりぎり……」)
 内心で冷や汗を掻きながら、シリンダーから空の薬きょうを落とす。だが、次なる射撃に臨むスミコの表情は、先程と変わらぬ強気を浮かべていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ノインツィヒ・アリスズナンバー
量産型フラスコチャイルド……ハハッ。あの博士、私達だけじゃなくこんな物に手を出したか。
アリスズナンバーだけじゃご不満ですか?博士。
その名を捨てた身ではあれど、アンタは此処で潰す。
だから、退けやジャックス共。

敵の捨て身の攻撃に対してUCを発動。
数の攻撃に乱打で対抗する。寿命が減ろうが知った事か。
また、【パフォーマンス】を応用して一撃を見切りつつ、【怪力】【無差別攻撃】で敵をぶん投げつつ数を減らす。
数の多さで掛かろうが、こっちにだって一騎当千の猟兵がたくさんいる。

さあ、終わらせようぜルイス博士。
遅れながらのカーテンコールの始まりだ

アドリブ。絡み歓迎



「……ハハッ。あの博士、私達だけじゃなくこんな物に手を出したか」
 量産型フラスコチャイルド兵を目の当たりにして、乾いた笑いが込み上げる。
「アリスズナンバーだけじゃご不満ですか? 博士」
 呼び掛けに応える声はなく、元より期待などしていなかったが、ノインツィヒ・アリスズナンバーの眼が、これまでになく剣呑に細められる。
 90番目のアリス――その役目は、オブリビオンと化した姉妹を破壊する「カウンターナンバー」。
「まあ、そういうの全部捨ててアイドルになったけどね!」
 確かに握り締めた拳のメリケンサックは、可愛くデコられていて、アイドルを激しく主張しているけれど。
「アンタは此処で潰す」
 カラリとした声音が一転、決意の言葉は冷え冷えとして。
「だから、退けやジャックス共!」
 捨て身の斬撃に、真っ向から受けて立つ。踊るようなステップが、突貫を紙一重で躱した次の瞬間。
 ――――!!
 力任せに少年の身体を掴む。多を巻き込むようにぶん投げた。
「これが乙女のォ……拳じゃああ!!」
 灰の双眸がギラリと輝くや、ノインツィヒの拳が空を裂き、乱打がジャックスを打ち据える。
 堪え切れず1体が崩れ落ちれば、息つく間も置かず、次の兵子に殴り掛かる……乙女根性フルブースト☆ 寿命が減ろうが知った事か!
 喩え、敵の数が多かろうが、此方の猟兵だって一騎当千。怯む道理はない。
「さあ、終わらせようぜ、ルイス博士」
 吼えるような叫びは、果たして、彼に届いたか。
 遅ればせながら、カーテンコールの始まりだ――!!

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ルイス・ラドヴィッジ博士』

POW   :    復讐の狼煙
【手に持ったタブレット】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、手に持ったタブレットから何度でも発動できる。
SPD   :    グリムコード「サモン・アリスズナンバー」
レベル×1体の、【目】に1と刻印された戦闘用【量産型フラスコチャイルド】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ   :    彼女は今、泣いているんだ!
対象への質問と共に、【自身の怨念】から【燻り狂えるバンダースナッチ】を召喚する。満足な答えを得るまで、燻り狂えるバンダースナッチは対象を【燻り狂える顎】で攻撃する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠アハト・アリスズナンバーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 彼は、静かに佇んでいた。
 右手に持つのは、タブレット。情報を収集しているのか、戦闘中にも拘わらず、画面に指を走らせる。
「……君達は」
 そして、猟兵達を見据えると、平板な声音で問い掛ける。
 ――僕のアリス……恋人の仇を、知らないか?
 誰かが何か答えたかもしれないし、何の応えも無かったかもしれない。
 何れにしろ、オブリビオンの反応は、唯1つ。
 ――――!!
 轟く咆哮。突如顕れた燻り狂えるバンダースナッチは、文字通り、燻り狂える顎をガチリと鳴らす。
「彼女は今、泣いているんだ!」
 オブリビオンと化したルイス・ラドヴィッジ博士の目には、総てが仇に映る。如何な答えを得ようとも、怨讐の念が消える事は無い。
アルファ・ユニ(サポート)
『前線に出るのは得意じゃないな、ユニ文化系女子だから』
『そういうの、興味無いな』
オブリビオン前では冷静無慈悲なダウナー系だが仲間の前では口調など変わらずとも友好的。
思ったことはハッキリ口に出す性格。仕事人間でストイックな思考。

サトリの力を持つ右眼や精霊による情報収集、洗脳音波による潜入調査を得意とする。
戦闘では主に後方支援。アイテム"クローネ"で仲間の思考を繋いだり、2種類の精霊を展開し卓越した戦術指示をするオペレーター。
周囲の音を圧縮して"クラハライツ"による援護射撃を行うこともある。

トンファーや時魔法を駆使し前線でも戦える。知識に貪欲
文化系女子は自称。



「恋人の仇討ちね……そういうの、興味無いな」
 気怠そうにオブリビオンの影を見やり、アルファ・ユニ(愛染のレコーディングエンジニア・f07535)は熱の無い口調で呟く。
 今回の『仕事』が、道路敷設の障害となるモノの削除であれば、過去の亡霊の事情など、斟酌する余地はない。
「残念、キミはお呼びじゃない」
 アルファの『回答』に応えたか、襲い来るバンダースナッチの喰らい付きは、その軌道を見切って回避した。
「前線に出るのは得意じゃないな」
 一応、改造トンファーは持ってきているけれど、やむを得ない備えであるだけで。
「だって、ユニは文化系女子だから」
 まあ、今回はサポートだ。博士もバンダースナッチも他に任せて、残るフラスコチャイルド兵相手に、時間稼ぎしていればケリが付くだろう。
 ――オペレーションデルタ、パンデモニウム。
 前髪を掻き分け、紅の右眼を露にするアルファ。更には監視の精霊を召喚するや、『博士』と隔てるように、量産兵子をぐるりと包囲する。
 ――――!!
 思考や意識を歪めるアルファの紅い視線に晒され、フラスコチャイルド兵が悲鳴を上げれば、忽ち主の衣服から飛び出したサムヒギンが喰らい尽くす。それは、正しく伏魔殿の光景であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

メルフローレ・カノン
※アドリブ連携OK

オブリビオンを排除して街道の安全を確保します。

恋人の仇を探すというなら、
彼にも事情があるのでしょうが……
すでに正気は失っているようですね。
であれば、私達で止めてあげないといけませんね。
というわけで……全力でいきますよ!

私の得物はメインがメイス、サブが剣で、
[怪力][力溜め]の上で攻撃します。
召喚した敵は[なぎ払い]で吹き飛ばして身を守り
博士への道を開きます。
あとは、手に持つタブレットを狙ってみましょう([武器落とし])

敵の攻撃は[武器受け][盾受け][オーラ防御]【無敵防御】で防ぎます。
これをコピーしても敵は運用しにくいでしょうし。
ピンチの人がいれば[かばう]で守りましょう。



(「恋人の仇を探すというなら、彼にも事情があるのでしょうが……」)
 眉根を寄せ、小さく頭を振るメルフローレ・カノン。オブリビオンとして蘇った時点で、既に正気を喪ってしまっているだろう。
「であれば、私達で止めてあげないといけませんね」
 右手にメイス、左手にグラディウスを構え、足止めされたフラスコチャイルド兵の脇を駆け抜ける。
「全力でいきますよ!」
 細腕に違う膂力に任せた重撃が唸りを上げる。標的は、『博士』が手にするタブレット。武器落としの要領で、引っ掛けるようにメイスを叩き付ける。
 ガツゥッ!
「え……!?」
 精密機器と思えぬ強かな手応えに、思わず黒の瞳を瞬いた。ユーベルコードを受け取めてコピーする媒介であり、或いは「復讐の狼煙」の象徴であるが故か。タブレットと思えぬ頑丈さが、メルフローレの一撃を受け止める。
 尤も、博士とて、ユーベルコードを乗せぬ攻撃を返す術はない。攻撃にユーベルコードを使わないようにした、メルフローレの作戦勝ちと言えようか。
 ――――!!
 ジャバウォックの攻撃は無敵城塞の超防御モードで凌ぎながら、メルフローレは駆け寄って来る猟兵達の姿を認める。
 歳も近い彼女達の盾となるべく、巡らせた光の障壁で敵を押し返した。

成功 🔵​🔵​🔴​

阿紫花・スミコ
「・・・こいつがボスってことかな?」

舌なめずりしながら、皮張りのスーツケースに手を伸ばす。
中から出てきたのは1体のからくり人形。名前は「ダグザ」。
ダグザは巨大なこん棒を持ちながら静かに起き上がる。

「頼むぜ相棒!」

棍棒による攻撃。リーチを生かし、懐に入られないように。周りに猟兵がいるようであれば、協力して、敵の隙を伺う。

スピニング・スイープ・・・!

操り糸を強く引き上げるように引っ張ると、ダグザの腰部の歯車が軋みを上げ、上半身が高速回転を始める。
高速回転をしたダグザはそのこん棒を持ったまま回転し、敵を巻き込んでいく!

「・・・どんな事情があるか知らないけど、ボクらもここで引くわけにはいかないんだ!」



「……こいつがボスってことかな?」
 博士の付近まで駆け寄って、阿紫花・スミコは挑戦的に舌なめずり。皮張りのスーツケースに手を伸ばせば、中から1体のからくり人形が起き上る。からくり人形の名前は「ダグザ」。
 対するは、博士の周囲に、ジャックスとは又異なるフラスコチャイルドが何十体と顕れる。アリスズナンバー――瞳に数字を刻んだ愛らしい少女達は、能面のような無表情で猟兵達の前に立ち塞がる。
「頼むぜ、相棒!」
 だが、スミコは怯む事無く操り糸を繰る。そうして、静かに立ち上るや、巨大棍棒を構えるダグザ。長柄の如き棍棒はリーチも長い。懐へ入られぬように立ち回りながら、フラスコチャイルドの少女らを薙ぎ倒していく。
「今だ!」
 スミコが操り糸を強く引き上げるように引っ張るや、ダグザの腰部の歯車が軋みを上げる。
 スピニング・スイープ――!
 棍棒を持ったまま上半身を高速回転させるダグザの強連打に、博士も諸共に敵群を巻き込んでいく。
「……ッ!」
「どんな事情があるか知らないけど、ボクらもここで引くわけにはいかないんだ!」
 猟兵として、現在を喰らうオブリビオンは、けして看過出来ないのだから。

成功 🔵​🔵​🔴​

シホ・イオア
貴方の悲しみと怒りが伝わってくるよ。
でも、怨念に捕らわれ無差別に破壊をもたらすなら止めないとね。
貴方の行いを、恋人は悲しむでしょうから。
彼女は、今の貴方を見て泣いているんです。

「輝石解放、ルビー! 愛の炎よ、妄執に捕らわれた心に灯をともせ!」
浄化と精神攻撃のスキルを使い言葉とともに彼の怨念へと叩き込む。
数発を囮に使って誘導した炎を使うとか
隙があるなら収束させてうつとか状況に応じて変化をつける。
敵の攻撃は残像と空中戦を使って回避。

いつか、貴方の中の恋人が笑ってくれますように。

連携アドリブ歓迎!



 オブリビオンの、博士の悲しみと怒りが、伝わってくる――。
(「でも、怨念に捕らわれ無差別に破壊をもたらすなら、止めないとね……貴方の行いこそ、恋人は悲しむでしょうから」)
 シホ・イオアは、憐憫の眼差しで『博士』を見詰める。
「彼女は、今の貴方を見て泣いているんです」
「うるさいうるさいうるさい!!」
 聖者とは、ただ生きてそこにいるだけで、人々を救い癒やす者。だが、過去の亡霊であるオブリビオンにとっては、その慈愛すら憎悪を掻き立てるのか。
 ――――!!
 バンダースナッチの怒れる咆哮が轟く。燻ぶる白煙を噴きながら、大顎がフェアリーの小柄を食い千切る――否、それは残像だ!
「輝石解放、ルビー! 愛の炎よ、妄執に捕らわれた心に灯をともせ!」
 すかさず、シホが放ったハートを秘めた炎が数多に宙を舞う。数発の飛来を博士は嘲るように躱すも、本命は数十発を収束させた大火球。
「うぐ……っ! ああぁぁっ!!」
 だが、その愛の炎が博士の身体を燃やす事は無い。浄化すべきは、彼の怨念なのだから。
「いつか、貴方の中の恋人が、笑ってくれますように」
「――!?」
 切なる祈りの言葉に、愕然と瞠目するオブリビオン。だが、その口を開く前に――歌声が、響き渡った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ノインツィヒ・アリスズナンバー
どうも、博士。
No.90。報告に来ました。
仇……オウガ・オリジンは消滅。全ては終わりました。
だからもう、おしまいだ。

バンダースナッチの攻撃に対してUCを発動。
そのまま【歌唱】しつつ敵の動きを止めて【怪力】による【カウンター】を狙うよ。バンダースナッチを集中的に攻撃する。
博士、もうやめにしませんか。

あんたが復讐の為に、私達を作った。
私達は、時間はかかったけど仇を討った。
もうそれでいいじゃないですか。
こんな事しても……貴方の恋人は、私達のマザーは、アリスは帰ってこないんですよ。
脳髄だけ培養槽に浮かばせて、あれがあんたの望んだアリスの姿なんですか。

それでもだめなら、博士を討つ。

アドリブ。絡み歓迎



 アリスズナンバーネットワークに接続。カウンターナンバーによる申請――完了。
(「面倒なしがらみから、旅立ったつもりだったんだけどな」)
 拍子抜けする程あっさりと、ネットワークは『カウンターナンバー』を、ノインツィヒ・アリスズナンバーを認証した。
 否、『アリスズナンバー』と名乗る時点で、ノインツィヒは『90番目』である事を放棄していなかったのだ。事実を突き付けられたような心地に、少女の唇に苦笑が浮かぶ。
 この歌を、この場の平和の為に捧げます――。
 それは文字通り、命を賭けた平和の歌。ほんの数小節のアカペラで、猛り狂うバンダースナッチの敵意と殺意を無力化し、ノインツィヒはルイス・ラドヴィッジ博士の前に立つ。
「どうも、博士。No.90。報告に来ました」
 既に満身創痍の彼に、淡々と、告げる。
「仇……オウガ・オリジンは消滅。全ては、終わりました」
 猟兵となったからこそ、視えた真相が在る。生まれ育った世界から出る事なく果てた『彼』ではけして知り得ぬ答えを、『90番目』は粛々と示す。
「あんたは復讐の為に、私達を作った。私達は、時間はかかったけど仇を討った……もうそれでいいじゃないですか」
 博士、もうやめにしませんか――その応えは、バンダースナッチの咆哮。溜息混じりに、無造作に、握った拳が大きく開いた顎に叩き込まれる。
「こんな事しても……貴方の恋人は、私達のマザーは、アリスは帰ってこないんですよ」
「何を馬鹿な……彼女は今でも、泣いているんだ!」
「脳髄だけ培養槽に浮かばせて、あれがあんたの望んだアリスの姿なんですか」
「うるさいうるさいうるさい!!」
 ノインツィヒとて、判っている。目の前に在るのは『過去』。世界の外に排出された時の骸は、棄てられた時分から変わる事は無い。変わりようが、無い。
 拳に力を、エネルギーを充填する。切り込むような一撃が、白衣纏う身体を貫き――少女は黙祷を捧げるように、瞑目した。

 斯くて、アポカリプスヘルの人々には、依頼の完遂が報告され――程なくして、2つの拠点を結ぶ道路の敷設工事は、始まるだろう。
 ――想いは目に見えぬもの。当事者の記憶に残れば、それで充分だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月12日
宿敵 『ルイス・ラドヴィッジ博士』 を撃破!


挿絵イラスト