8
山の怪異は、人の顔を……

#UDCアース #感染型UDC #マイ宿敵

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#UDCアース
🔒
#感染型UDC
#マイ宿敵


0




 UDCアースのとある山中を、1人の女性が歩いていた。
「あと……すこ、し……。」
 元々は修験者たちが通ったという、周りは木々に囲まれた険しい山道。
 地図によれば、そろそろ開けた場に出る……そして、そこからの眺めは良いという話だが、
「……あ、こんにちは。」
「あら、こんにちは。」
 いつの間にやら、前から現れたパーカーの女性。
 登山者のマナーとして挨拶を交わすと、相手の女性は笑みを浮かべて顔を覗きこんできた。
「あの……私の顔に、何か?」
「ふふ、珍しいなと思って。」
「何、が……。」
 ぺろり……女性の手が顔にのびたと思えば、何か薄いものを引き剥がされる感触。
 それをパーカーの女性は顔につけると……山を登っていた女性の顔で、
「良い顔よね?」
「……ひゃあああああああ!?」
 それを見てしまった女性は、まるで転げ落ちるかのように登山道を逃げていった……。

「……集まってくれたな。
 どうも、猟兵君たち……仕事の時間、である。」
 グリモアベースに集まった猟兵たちを見下ろす植物体、古野はどこか眠そうに言葉をかけていた。
 ずるりと蔦でできた手を掲げると、壁に広がるのは一人の女性がヒトガタのモノに囲まれた姿。
「君たちは……噂で広がるという、感染型UDCというものの話を、知っているだろうか?
 その一つが、この娘の広めた噂で……エネルギーを得てしまったのだ。
 とある山奥に、人の顔を剥ぎ取って、自分の物にする怪異がいる……というもので、な。
 これは、実際にUDCを現しているのだが……その前に、この娘を救ってほしい。」
 蔦の先がぼうっと輝くと、ゲートが開かれる。
 ゲートの先では、1人の女性を赤いヒトガタの浮遊物が取り囲んでいて、
「確か、黄昏秘密倶楽部といったか……その主神たるモノの分霊たちが、襲い掛かろうとしている。
 苦痛を尊し、とする教義の具現化だ……君らにも、苦痛が降りかかるだろう。
 だが、君たちであれば倒せると、信じている。
 まずは、あの娘を救い……その後は、噂の元となったUDCを、山の中で探してほしい。
 ……頼んだ、ぞ。」


ヨグ
 ヨグです、感染型UDCの物語をお送りします。
 まずは噂を広めてしまった女性を救ってください。
100




第1章 集団戦 『黄昏の救済・分霊体』

POW   :    あの浜辺でみんなが待っている。痛みを得た君を。
【輪郭の内側から押し寄せる血色の波】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を亡者の這い出る黄昏の浜辺に変え】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
SPD   :    その痛みが、君の生きている証。痛みこそ命の意味。
【子供のような笑い声と共に皆で踊り狂うこと】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【地形ごと黄昏の浜辺に取り込ん】で攻撃する。
WIZ   :    苦痛に満ちたあの浜辺で。さぁ、一つになろう。
【激痛を呼び覚まし、法悦に変える赤い雨】を降らせる事で、戦場全体が【輪郭の内側と同じ、苦痛に満ちた黄昏の浜辺】と同じ環境に変化する。[輪郭の内側と同じ、苦痛に満ちた黄昏の浜辺]に適応した者の行動成功率が上昇する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

テケリリケテルリリ・テケリリテケリャア
痛い。苦しい。動けない。何者かに縛られる嫌悪感
皮も肉も在り、ああ、この感情は八つ当たりだろうか
テケリャアと鳴いても治まる筈もなく、ただ血色の波に苛まれる
――酷く苛々する。あの緑色の所為だ。あの日のようだ。
――テケリ・リ!

怒りは限度を知らず膨らみ、爆発する事だろう
無尽蔵に巨大化し、ただの化け物として反旗する
怪力まかせに壊し、潰し、喰らっていく
這い出た亡者の攻撃など知るものか。再生せずとも細胞は増える

そのまま『基本形態』の大剣で薙ぎ払う
――此れで鎮まるとは思うなよ。ケテルリャア
貌を奪うなどお残しにも等しいおぞましさだ



「なんなのよ、これ……。」
 怯える女性を囲むように、ふわりと周囲に浮かび上がる赤いヒトガタ。
 その中に描かれているのは、黄昏時の浜辺で……人であったモノたちが、手招きしている。
「くひひひ……。」
「さぁ……こっちへ、おいで。」
 手招きと共に、彼らの背後から津波が押し寄せる。
「いや……いやぁ! 助けて!」
 ヒトガタの内から襲い来る血色の波に、為す術もない女性が頭を抱えてしゃがみこみ、
「テケリャア!!」
「……え?」
 突然の叫び声と共に、周囲に沸き上がる気配。
 恐る恐る目を開ければ……女性を守るように、紫色の不定形の肉が広がっていた。
「テケリ・リ!!」
 血色の波を弾き飛ばすように、怒りの声を上げた肉は大きく膨れ上がる。
 その名状しがたい光景に……女性は意識を手放していた。

(――酷く苛々する。)
 テケリリケテルリリ・テケリリテケリャア(ロード・ケテル・f16871)は苛立っていた。
(あの緑色の所為だ。あの日のようだ。――痛い。苦しい。……動けない。)
 この場へと転送したグリモア猟兵を一目見た時から、胸の内に浮かぶのは何者かに縛られる嫌悪感。
 それは怒りを呼び、怒りは肉体にも作用する。
「テケリャア!」
 不定形の肉体は無尽蔵に巨大化し、血色の波を弾き返していた。
 周囲に亡者が湧く黄昏の浜辺と化した中、テケリリの肉体はさらに盛り上がっていく。
「テケリャア!!」
 まとわりつく亡者共に千切られる肉体……しかし、傷の内側から新たな肉が盛りあがる。
 質量のままに壊し、潰し、喰らっていった。
「ケテルリャア!!」
 最後の叫びと共に、大剣へと肉体を変えて薙ぎ払う。
 周囲が元の世界へと戻った時、足元には泡を吹いて気絶した女性が転がっていた。
(――此れで鎮まるとは思うなよ。貌を奪うなど、お残しにも等しいおぞましさだ。)

成功 🔵​🔵​🔴​

カネリ・カルティエ
黄昏秘密倶楽部ですか、お噂はかねがね……苦痛こそ救済とはステキな教義をお持ちで。私も、痛いのは好きですよ、貴方がたとは解釈が違うようですが。
まぁ、痛みにかわりないですよね。私があなた方を救って差し上げましょう。あなた方も、もしその気があるのなら、私を救って下さいね。

SPD【妖精が潜む小箱】
細工箱の封印を解いて、血肉を貪る妖精を放つ。
痛い、ですか?

攻撃を受けることがあれば楽しくなって、くすくす笑ってしまうかもしれません

女性は危険なので【地縛鎖】でこの地の魔力を利用し、結界を張って保護を

もし目覚める事があれば精神的ショックを緩和する為に催眠術で落ち着いて頂きましょう。ただの怖い夢だったということで



「う、うーん……。」
「お目覚めですか?」
 小さく呻きながら意識を取り戻した女性を、穏やかな男性の声が出迎えた。
 ふと声の方を向けば、謎の文様を描いた紙で顔を隠した、カネリ・カルティエ(ブラックタールの探索者・f10978)の姿。
「え……今度は何!?」
 さらにその周囲を、子供のような笑い声と共に赤いヒトガタが浮かんでいる……女性が怯えるのは無理もない。
「おやおや、怖がらせてしまったなら申し訳ありません。では、」
 くるりと背を向けたカネリが指を弾けば、女性の周囲を鎖が巡る。
 ぼうっと暖かな光に包まれ……いつの間にか、周囲に響く笑い声は聞こえなくなっていた。
「これでいかがでしょう?」
「え、あ……。」
 これは夢だろうか……と頬をつねると、痛みが走る。
 あまりに色々なことが起きすぎていたが、一つだけ間違いない事は、
「ありが、とう……ございます。」
「ふふ……どういたしまして。」
 カネリが自身を護ってくれている事だった。
 そのまま周囲は黄昏の浜辺へと変わっていく。

 笑い声と共に足元から響く痛み……苦痛こそが救いと宣う、教義の体現。
「さて……黄昏秘密倶楽部ですか、お噂はかねがね。」
 くけけけ……と笑う声を聴きながら、浜辺の中で優雅に一礼するカネリ。
 くすくすと笑いながら顔を上げれば、踊り狂う人影が周囲を取り囲んでいた。
「苦痛こそ救済とは、ステキな教義をお持ちで。私も、痛いのは好きですよ。」
 そんな彼らを見渡し、大仰に取り出したのは……小さな細工箱。
「もっとも……貴方がたとは解釈が違うようですが。」
 複雑な組み木細工を解けば、内から飛び出すのは妖精たち。
 すぐに人影へと取り付き、妖精たちは小さな牙を突き立てる。
「まぁ、痛みにかわりないですよね。」
 くけけけ、くひひひ……きゃははは!
 周囲の笑い声が一層強くなり、カネリの身に響く痛みも増していく……しかし、それすらも心地よい。
「私があなた方を救って差し上げましょう。あなた方も、もしその気があるのなら……私を救って下さいね。」
 きゃは……あはは……。
 しかし、カネリが言い終える前に人影たちは喰らいつくされてしまった。
「ふむ……まぁいいでしょう。」
 再び細工箱を掲げると、妖精たちは満足げに集まってゆく。
 ぱたりと閉じられた時……周囲にはUDCアースの日常が戻っていたが、赤いヒトガタはまだ浮かんでいた。

成功 🔵​🔵​🔴​

虚偽・うつろぎ
アドリブ連携等ご自由にどぞ

邪神もそれに関するものも全てを消し飛ばーす
我が自爆は救済である
そう僕こそが邪神を救済する者さ

登場即自爆
そして即退場
自爆できれば台詞も活躍もいらぬ!
速攻で自爆することが最優先
1歩も動かず即自爆
それがジャスティス

何かいきなり自爆する怪奇現象
自爆という概念生物
ただ自爆するためだけに現れる存在
もはや災害である

技能:捨て身の一撃を用いてのメッサツモードによる高威力な広範囲無差別自爆

射程範囲内に敵が1体でもいれば速攻で自爆
自爆することが最重要
なので敵がいなくても自爆するよ
大事なのは自爆までのスピードさ

捨て身の一撃なので自爆は1回のみ
1回限りの大爆発
自爆後は爆発四散して戦闘不能さ



「お、終わり、ました……?」
 張られた鎖の結界から、女性が少し顔を覗かせる。
「あっははははは!」
「くけけけけけ!」
「ひゃ!? ……あっ!」
 しかし、背後から突如として響く笑い声に、思わず結界から外に出てしまった。
 気がつけば周りを取り囲む赤いヒトガタたちに、すっかり怯えて動けなくなってしまった。
「う、うそ……。」
「あはは……さぁ、僕らと一緒に。」
「や、やだ……助けて。」
「……君は隠れて居たまえよ。」
 トン、と女性が突き飛ばされ、結界の中へと戻された。
 驚きの表情のまま、女性が自分の居た場所を見れば、『うつろぎ』の4文字が目に入る。
「あなた、は?」
「うつろぎ式・切宮殺戮術『一爆鏖殺』。」
「きゃっ!?」
 女性の問いには答えることなく……虚偽・うつろぎ(名状しやすきもの・f01139)は自爆し、赤いヒトガタたちを吹き飛ばした。

「あ、あぁ……。」
 結界の中にいる女性に怪我はない……それどころか、風の1つも当たっていない。
 しかし……その視線の先には、ピクピクと痙攣している『うつろぎ』の文字。
「なんで……私のために、そこまで……。」
 女性の目から涙が1つ溢れる。
 ……そんなことは露知らず、うつろぎは自爆の満足感に包まれたまま、力の入らぬ身体を投げ出していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

高吉・政斗
アドリブ&連携歓迎)

(遠隔操作で二足型と一緒に移動中)
噂話はなぁ…すげぇ面倒くせぇだぞっ!?(経験者は語る)
…っと叱っても仕様がねぇし…ヒトガタもまぁまぁな数だしな。

(UC起動)

立ち回りは二足型のみで行動、コンキスタの多属性攻撃(全属性・対象の補足をランダムに有効な属性を探し撃ち、見つけたらその属性でまたコンキスタを撃ちまくる)と両腕のガトリングと片肩の主砲で。
(地形変化する前に攻撃したいが…まぁ変化しても良いか)

細かいアシストは俺が直で撃ち斃すとしてこの女、下手に動いたり動かなかったりすると邪魔だな。よし!コックピットに閉じk…もとい非難させておくか…ホレホレ、ノレノレ!


ナナシ・ナナイ(サポート)
『皆さん!このナナシ・ナナイが来たからにはもう安心やで!』

わいの本業は傭兵!金次第で何でもやるで!あ、猟兵としての仕事なら金は取らへんで。

戦闘で使う武器は基本『突撃銃型アサルトウェポン』や。ユーべルコードは指定したもんは全部使うで!高慢ちきな敵はとりあえず煽っとくわ。

戦う意思のない奴、殺しちゃいけん奴は銃床で殴って気絶させるで。堪忍な。

わいは基本ポジティブ思考や!明るく楽しく気楽に行くわ!でも空気は読むで。
この関西弁はキャラ付けやから適当やで。
誰でも名前+ちゃん呼びや!
あとはおまかせや!



 急に、がしっ……と背後から掴まれ、立たされる女性。
「う……な、なに?」
「噂話はなぁ……すげぇ面倒くせぇんだぞっ!?」
「ひえ!? ご、ごめんなさい!?」
 振り返らされれば2人の男が立っていて、しかも片方の背の低い方が怒ってる。
 高吉・政斗(剛鉄の戦車乗り・f26786)の声に反射的に謝り、涙目になりながら呟いていた。
「あう……き、今日は、なんなの……。」
「……っと、怒っても仕方ねぇか。」
「せやせや、このねーちゃんに言ったってしゃーないで。悪いのはあいつらやしな!」
 もう片方の男、ナナシ・ナナイ(ナニワのマンハンター・f00913)は安心させるように女性の顔を覗きながら言葉をかける。
「ねーちゃん、安心しとき! わいらが護ってやるからな!」
「ほ、本当に……?」
「ほんまもほんま、まじもんのまじで、やで!」
「……しっかし、ヒトガタもまぁまぁな数いるからな。」
 護りながら戦うというのは少し厄介だ……しかも、相手は戦場を別の世界へと塗り替えてくる。
 高吉はふと後ろにある自分の戦車を見上げ、
「よし! コックピットに閉じk……もとい非難させておくか。」
「お、ええやん! ほらねーちゃん、乗った乗った!」
「え、あ……だ、大丈夫なん」
「ホレホレ、ノレノレ!」
「きゃっ!」
 すっかり押し込み、高吉の後ろの席につかされる。
「へへ、安心しとき……わいらが倒したるさかい。」
 ナナシの声と共にバタン、と蓋が閉じられた時……あはは、という子供の笑い声と共に、赤いヒトガタが戦車を取り囲んでいた。

 ヒトガタの中に映るのは、黄昏色の浜辺。
「あはは……君もこっちに、きなよ……。」
 笑いながらこちらを手招きする人影が見えたと思えば、内側の浜辺から立ち上る血色の津波。
「ちっ! 地形を変えられる前に何とかしたかったが、」
「そうはいかんようやなぁ。」
 高吉の乗る戦車は人型二足歩行モードとなり、両腕のガトリングと肩の主砲を撃ちつける。
 しかし……戦車に乗る女性の見ている前で、ナナシは血色の津波に呑み込まれていった。
「あ、あの人……呑まれ、て。」
「あはは……これで、ひとり」
「……誰が、呑まれたって?」
 冷徹なナナシの声が響いたと思えば、ヒトガタの中の人影が銃弾に倒れる。
「お前ら亡者でも、心臓や脳を壊せば死ぬんだな。」
 亡者の這い出る黄昏の浜辺の中で、ナナシは亡者たちをライフルで正確に撃ち倒していた。
「内側は、あいつに任せよう。俺は外だ……Mrコンキスタ、起動!」
『Pod【Conquista】生成中……装着、完了。』
 システム音声と共に戦車の左手が仄かに紫に輝き、ロケットポッドが生成されていく。
 その射出孔をヒトガタたちへと向け、
「さぁ、パーティーの始まりだぜ!」
 一斉に撃ち放たれる、矢の形の誘導ロケット……それらがヒトガタに触れた時、大爆発が起きていた。

 爆風が収まったあとを見渡せば……何も、残っていなかった。
「ふぅ、終わったな。」
「……終わったな、やなーい!」
 バン! とメインカメラの横をぶっ叩く音と共に、ナナシがモニターに大写しになっていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 冒険 『恐怖山脈を踏破せよ』

POW   :    急峻な壁をクライミングする。

SPD   :    暴風吹き荒れる尾根を縦走する。

WIZ   :    雪崩や落石が集中する谷から攻略する。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「あの……ありがとうございます。すいません、なんか、大事に……。」
 助け出した女性は猟兵たちに頭を下げながら、邪神を見たという山の事を話し出した。
「えっと、ですね。その……私が彼女を見た場所、なんですが。」
 地名を聞けば、そこは今では雪で入山禁止となっている。
「今の時期、登る人はいないはず、です。あの……その、頑張って、ください。応援、してます!」
 ……厳しい山道になりそうだ。

 雪に包まれ、周りは木々に囲まれた険しい山道……そこを通り過ぎれば、開けた場所がある。
 場所は解るが、そこまで行くには雪に対する装備が必要だろう。
高吉・政斗
アドリブ&連携歓迎)

雪山で登攀か…こりゃFECTつれてくるの失敗したか?
でも散々コイツで戦ったんだ、たかが高い壁如き、突破してやんよ。

■融合状態(二足形態)
操縦席で動かすより俺自身がFECTになれば登りやすいしなウン俺って頭いい。(乗車からのUC起動)

行動的には…
1:ジャンプ
2:空中起動
3:適切な壁に「手→指」の順に突っ込み引っ掛ける
4:勢い良くジャンプ
5:空中起動…
(以下ループ)
…で登攀。

ただ闇雲に壁を掴むのは崩れそうで怖いから適切な登攀ルートの目印として、アンカー型主砲弾を生成、FECT_OSによる弾道計算で撃ち込みルートを作ろう。くそ!初めての試みだからマジでおっかねぇぞ(にやけ顔)



 高吉の前は雪で白く染まっている……今は止んでいるが、またいつ降ってくるか解らない。
「あー……話には聞いてたがな。」
 ここまでは車で入ってこれたが、ここからは登山道だ。
 乗ってきた戦車のFECTを置き、入山禁止の鎖をまたいで先を少し歩いてみると……思ったよりも傾斜のある道になっている。
「雪山で登攀か……こりゃFECTつれてくるの失敗したか?」
 普通に考えれば、戦車で山に入るのは難しい。
 しかし、FECTはただの戦車ではない。
「でも散々コイツで戦ったんだ。たかが高い壁如き、突破してやんよ。」
 FECTに乗り込み、ニヤリと笑った高吉の左眼が仄かに青白く光る。
 それと共にFECTが変形し、小さくまとまっていき……人の全身を包み込む、パワードスーツのようになっていた。
「よーし、良い感じだ。」
 高吉自身は全く身動きが取れないが、直接意思を読み取って動くFECTは、自身の身体より俊敏に動いてくれる。
 軽く鎖を飛び越え、高吉は登山道へと入っていった。

 それは、道というには少し厳しかった。
 下手に足を進めても、雪で滑り落ちかねない。
「よっ、と。」
 そんな道を高吉は少し跳び、道の横に立っている木を掴んで登っていく。
「俺自身がFECTになれば登りやすいな。ウン、俺って頭いい。」
 ちょっとした自画自賛の言葉が出るくらいには、気楽に上っていけた。
 ちらりと後ろを振り返れば、木々の間をただ白い坂が続いている。
「しかし……後から登る目印、つけといた方が良いな。」
 登るのは自分だけではないし、とFECTに計測と計算をさせていく。
 モニターに割り出されたのは、効果的にアンカーを撃ち込める場所。
「ん……結構厳しいな。だが、」
 勢いよく跳び上がり……肩から射出された真っ赤なアンカーが道に突き立っていく。
 これで、後から登る人は楽に来れるだろう。
「よっとっと!?」
 木に手をかけた時、重さに耐えられないのかぐらりと崖へと傾き、手が離れる。
 ギリギリで崖に指をかけ……何とか体を引き上げていた。
「あっぶねぇ……くそ! 初めての試みだからマジでおっかねぇぞ!」
 悪態をつく高吉だったが、その顔は恐怖ではなく、やり切った笑みへと変わっていた。
 戦場を駆ける戦車乗りにとっては、生きるか死ぬかの瀬戸際こそが自身の居場所なのだろう……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

モリ・ゴロプ
試作一号に乗って尾根を縦走するルートで行くわ。
キャバリアなら重量があるから飛ばされずにすむし、雪でも進める馬力があるし、寒さにもコクピットの暖房で対応できるから。
白一色の雪山だし、ユーベルコードで先の状況を調べたり、山のガイドブックで登山ルートを確認して迷わないように気をつけるわ。
(この辺は環境耐性でカバーするわ)
こういう極限環境での運用テストもテストパイロットの仕事だしね。
この仕事が首になって、またあそこに戻されるのだけはなんとしても避けないと。



 雪山の尾根伝いに登っていく、一機のキャバリア。
 横から吹き付ける風にも揺れることなく、一歩一歩確実に進んでいた。
「……これくらいなら、大丈夫ね。」
 その禍々しい、有機的なフォルムのキャバリアに乗っているのは、モリ・ゴロプ(消耗品・f16209)。
 拘束衣でコックピットに接続されながら、計器のデータを見回していた。
「外、こんなに寒いのか。」
 コックピットの中は、いくらか涼しいと感じる程度の快適な温度を保っている。
 凍える心配はないな……と尾根の先を見れば、脇の林へと降りる道が見えた。
「ここ、かしら?」
 ガイドブックを開きながら、モリは影の追跡者をその道へと放つ。
 見た限りでは雪に覆われてはいるが、登山道の一つには違いない。
 ガイドブックの地図と照らし合わせれば……尾根から降りて、その開けた場所へいくルートだ。
「そのようね……くっ。」
 キャバリアをその道へと向けた時、モリの顔が苦痛に歪む。
 直接繋がれた部分から流れ込む機体の情報……自分の肉体ではない、異物の情報。
「……まだ、大丈夫。」
 荒い息を吐きながら首を振り、目を開くと……一瞬浮かぶのは、白い病室。
「こういう極限環境での運用テストも、テストパイロットの仕事……。」
 仕事の内容を口に出し、意識を落ち着けながら一度目を閉じる。
 次に開いた時、目に飛び込むのはキャバリアのコックピット。
「また……あそこに戻されるのだけは、避けないと。」
 決意と共に繋がった機体である試作1号を操り、山道へと下りていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

我原・介司(サポート)
 人間のクロムキャバリア×オブリビオンマシン、35歳の男です。
 普段の口調は「男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」
フリーのキャバリアのパイロットで喫煙者です。恋人を失った過去があります。主に乗るキャバリアはシルバーレイズです

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「いやはや、山道を登るだけだと聞いたんだがな。」
 煙草を横咥えにしながらぼやく、我原・介司(フリーキャバリアパイロット・f30102)。
 我原のキャバリア、シルバーレイズのコックピットから見えるのは、真っ白な雪の積もった山道で。
「修行者だかが使ってた道だっていうが……お、これか。」
 傾斜のきつい道を見下ろせば……両側の針葉樹の林、その足元に立つ看板がモニターに映る。
 女性の言っていた分かれ道、ここから道を入れば、
「……問題のUDCがいたんだっけな。」
 改めて示された道を見れば……今度は登り道のようだ。
「また、厳しそうな道だな。まったく……山登りが趣味の人間は解らんな。」
 ため息と共に短くなった煙草を灰皿で消し、次を取り出して火をつけて……口に広がる紫煙の味に、思わず口の端が笑みの形に変わっていた。
「ま、あと少しのようだしな。よし……いくか。」
 これも仕事だと口の中で呟き、煙草の灰を一度灰皿に落として口の端に咥えてキャバリアの操作を続ける。
 軍人だった頃と変わらない鋭い眼光が、外部を映すモニターに注がれていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

城田・紗希
――なるほど、わかんない。(聞いたはずの説明が消し飛んでる)

まぁ要するに、雪山を踏破すればいいんだよね? (防寒具としてスキーウェアを着込んでゲートを通った)
雪崩とか落石の危険はあるらしいけど……まぁ、ウィザードミサイルで溶かすなり軌道変えればいいよね? (脳筋)
雪崩が面攻撃してきても、一点集中の鎧砕き、全力魔法でどうにかなるよね!

あとは、他の人のために…雪を固めればいいよね?
自分が沈まない対策は、あれ…えっと……缶けり? (※かんじきと言いたい)


テケリリケテルリリ・テケリリテケリャア
……ああ。肉体面での云々は問題ないのだが、この投げ場のない感情は如何様に解消すればいいのか。口調がおかしくなりそうで、たまらない
先程『壊した』ものを取り込みつつ壁面を『這い』登ろう。必要であればナイフとフォークをねじ込んで体を支える
肉体改造で『粘着性』を加えれば楽々だろうか。この山肌はひどく記憶を擽ってくる。懐かしさと忌まわしさの二重奏だ
――しかし彼女は大丈夫なのだろうか
私は如何にも、脳味噌が沸騰し易い

氷結耐性で寒気をものともせず往くのみだ。我々の強靭は『あの緑』が保証してくれる――チョコレートも未だに舌の上だ。
これも肉と認識して狂えば良い

Tekeli-li……装備も何も、埒外の怪物なのだよ?



「まぁ要するに、雪山を踏破すればいいんだよね?」
「ああ、そうだ。」
 スキーウェアを着込み、かんじきを履いた城田・紗希(人間の探索者・f01927)に対し、隣を歩くテケリャアは一部肌まで曝したドレス姿。
 当然ながら、サクサクと踏みしめる城田の足元はとても冷たいのだが、
「雪を踏み固めておこうと思って、あれ、えっと……缶けり?」
「缶けりというのか。」
「うーん、合ってるのかな?」
「よく判らんな。我々には必要のないものだ。」
 ちなみに、正解はかんじきである。
 首を捻っている城田の横では、テケリャアが滑るように進んでいく。
「寒くないの?」
「私にとって、雪や氷はむしろ懐かしささえ覚える。肉体面での云々は問題ない。」
 言葉と共に、ズルリと粘液質のモノが這いずる音が響く。
 スカートの膨らみの下は、のたうつ重い粘液質で、
「Tekeli-li……装備も何も、埒外の怪物なのだよ?」
「そっか、それなら問題ない……のかな?」
 わかんない、と首を捻りながら山道を進んでいた。

「しかし……ああしかし、この投げ場のない感情は如何様に解消すればいいのか。」
「んー、雪崩とか落石の危険はあるらしいけど……。」
 気が付けば……お互いの言葉はすれ違い、言い放たれていく。
 テケリャアが深く自身の思考へと這入っていき、生返事が多くなり……一人残された形になった城田は雪山を見上げていた。
「まぁ、何が降ってきてもウィザードミサイルで溶かすなりして、軌道変えればいいよね?」
 それでも横に問い掛けてみると、テケリャアは巨大なナイフとフォークを振り上げていた。
「え、ちょっと?」
「この山肌はひどく記憶を擽ってくる。懐かしさと忌まわしさの二重奏だ。……しかし、」
 ドン……と雪に突き刺さる、二振りのカトラリー。
「彼女は大丈夫なのだろうか。……私は如何にも、脳味噌が沸騰し易い。」
 湧き上がる感情のままに叩きつけられた力は思いのほか強く、遠くに地鳴りのような音が響いてきた。
「ね、ねぇ……これって。」
「ああ、心配するな。我々の強靭は『あの緑』が保証してくれる……チョコレートも未だに舌の上だ。」
 迫る雪崩を背に、呟くテケリャアは何ひとつ慌てる様子はない。
 慌てる私の方がおかしいのか? と思わせるほどに。
「これも肉と認識して狂えば良い。」
「……いやいや、よくわからないんですけど!?」
 迫りくる雪崩へと城田の詠唱と共に炎の矢が叩き込まれ、開いた隙間にテケリャアがするりと身体を這い伸ばす。
「まったく……肉を生みだすのだけは上手いのだな、あれは。」
「ひやああああああ!?」
 舌に感じる肉の味に全身の細胞が活性化、地面へと根を伸ばして身を支えたテケリャアに、城田は悲鳴を上げながら必死でしがみついていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『姿を奪う者』

POW   :    あなたの顔、いいわね
【触れた対象の仮面を剥ぎ取る繊手】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【仮面を被り、対象の記憶や知識、癖】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
SPD   :    わたしはただの通りすがり
レベルm半径内の、自分に気づいていない敵を【無力な一般人の姿】で攻撃する際、ほぼ必ず狙った部位に命中する。
WIZ   :    残念だけど……
【パーカーの下から仮面を取り出し、被って】から【対象の好む姿へと変わって拒絶の言葉】を放ち、【対象を精神的に傷つける事】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠アト・タウィルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵たちが各々雪崩を耐え、雪の中から這い出てくると……辺りは一面の銀世界に変わっていた。
 さてどうするか……と辺りを見渡した時、1人の女性が雪の中からパーカーを被った頭を出していた。
「ぷはっ!? ちょっと、さすがに死んじゃうかと思ったわよ、もう。」
 ……どうやら、雪崩によって流されてきたらしい。
 しかし、普通の人間が雪崩に流されて、無事で済むはずがない。
「私はただ、人の顔を見たいだけなのに。」
 ぶつぶつと呟きながら女性が身体を引き上げれば、開いたパーカーの下に見えるのはデスマスクのような白い仮面。
 泣いたり笑ったり、怒ったり……様々な表情の顔、顔、顔。
「だからさ……あなたたちの顔も見せてよ。じっくりと、ね?」
 ニヤニヤとフードの下で嗤う顔は、どこか見覚えのある人の顔のようで……。
テケリリケテルリリ・テケリリテケリャア
【真の姿】
必要だと言うならば『仮面』とやらを渡そう。しかし。その面は本当に【私】なのかと問われれば、文字通りの『仮面』に過ぎない。元から美貌など存在せず、あるのは不定形な『玉虫色』のみ。本能(いかり)に身を委ねて膨張し、奴の血肉を我がものと成すべきだ
カトラリー上手に扱って大食らい。たとえ相手が仮面を被ったとして、それが自分自身でなければ意味などないだろう
癖。癖はあるかもしれないが、肉体を改めて別の個体(モンスター)と変身(な)って魅せる
「さあ、のっぺらぼう。無形の落とし子を真似るには早いようだ――テケリ・リ!」
最後はもう言葉を忘れての物量。再度雪崩を起こすのも悪くない。周囲に猟兵がいなければ!



「ほう……貴様は、私の仮面が欲しいのだな、いや、ですね。」
「ええ、素敵なお嬢さん。あなたはなかなか、面白い顔をしているわ……。」
 ドレスを着て優雅な笑みを浮かべつつも、どこかちぐはぐな言葉遣いをするテケリャアに興味を惹かれたか、邪神は笑みを浮かべて近づいてくる。
 フードを被った華奢な女性にしか見えない姿が、いつの間にか目の前に。
「へぇ……。」
 テケリャアの顔から離れた繊手に掴まれていたのは……おおよそ人の顔とは思えない、玉虫色でスライム状の不定形。
「なーるほど、ね。あなたは思ったより人じゃないのね。」
「ああ、そうd……ね。真似られるなら、真似てみなさい。」
 言葉を交わしながら取り出し、それぞれ手にした一組のカトラリーは、テケリャアの身の丈に合わない巨大なもの。
 しかし、見る間にそれを持つのが普通のサイズに……不定形の、本来のショゴスロードとしての形へと変わっていった。
「それならそれで、私は構わないのだけど。」
 そんなテケリャアの前で、不定形の仮面をフードの下に被る邪神。
 どろりと身体が溶け、顔も溶けだし……粘液質の身体へと変わっていく。
「顔がないのはやっぱり、寂しいわ。」
「ふん……それは私のせいではないだろう。」
「ええ、そう……ね!」
 ドスン! と勢いよく突き立てられたカトラリーから身を躱し、ニヤニヤとした口だけが生み出された顔をフードの下から覗かせている。
「しかし、人以外にもなることは出来るか。」
「多少はね。でも……ああ、あなたは、南極のアレだったのね?」
 ふざけたような軽い口調に対する答えは、どろりとしていた身体へ突き立てられる巨大なフォーク。
「げふっ!?」
「……さあ、のっぺらぼう。無形の落とし子を真似るには早いようだ――テケリ・リ!」
 低級なモノによる軽口への怒りに任せ、テケリャアの身体が津波のように押し寄せ、邪神を押し潰す。
「テケリャアアア!」
「あはは……ちょっと、これは、洒落に。」
 不定形の身体に呑み込まれた邪神の目に映るのは、白い瀑布。
 暴れるテケリャアによって新たな雪崩が起こり……飲み込まれていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

高吉・政斗
(アドリブ連携歓迎)
よし到着!一番乗り…って訳じゃないか…すげぇ雪崩だわ。
スコープ越しで…少し…確認!よっしゃ!一気に突撃するぜ!

雪崩に巻き込まれてるこの邪神目掛けて跳躍し同時に踏み付け!
そのままガトリングや主砲や機銃で一斉掃射。
これじゃなんか物足りねぇな。(降車しオートモードに)
よし行くz…


暗い…あれ?暗すぎるぞ?いきなり…なんだ?
…あぁ俺…ひょっとして…そっか……
ここの世界結構好きだったんだよなぁ…
生まれた場所になんか似てたから…アレなんか聞こえr…



ぐっは!なっ!?このドローンは!?
なるほど、このシステムだけは気付かなかったぜ。サンキューなFECT。
さて奴の弱点は…よし!一斉掃射でいくぜ!


ロバート・ブレイズ(サポート)
『否定せよ』
人間の魔女 × 魔王
年齢 79歳 男
外見 184.6cm 黒い瞳 白い髪 色白の肌
特徴 立派な髭 投獄されていた 過去を夢に見る 実は凶暴 とんでもない甘党
口調 冒涜翁(私、貴様、~である、だ、~であろう、~であるか?)
気にいったら 冒涜王(俺、貴様、~である、だ、~であろう、~であるか?)

恐怖・発狂・誘惑などの精神的な攻撃に対しての異常な耐性を有しています。
否定する事で恐怖を与え、冒涜する事が多いです。実は凶暴なので近接戦闘が好み。
宜しくお願い致します。



 まっさらな白い道を愛機のキャバリア、FECTで乗り付けた高吉。
「よし到着! 一番乗り……って訳じゃないか、すげえ雪崩だわ。」
 白く埋まった道の先をスコープで覗けば、離れた先でオレンジ色のパーカーが雪から顔を出すのが見えた。
「確認! よっしゃ、一気に突撃するぜ!」
「うむ、否定しに行くとしよう。」
「うおぅ!?」
 独り言のつもりだったが、突然横から聞こえてきた同意に驚きの声を上げていた。
 目を向ければ、そこにいるのは老紳士、ロバート・ブレイズ(冒涜翁・f00135)。
「いつから居たんだ……?」
「これは異なことを……私は貴様の横をただ歩いていたにすぎない。」
「……あぁ、自分が気が付いてなかっただけか。」
「そうだと思うのなら、そうなのだろう。さぁ行くぞ、クカカ!」
 黒い覆面を付けたロバートが嗤いながら駆けていくのを見つつ、
「一発目はやっぱり、あれだよな。」
 そう呟いた高吉の操るキャバリアは、一足飛びに邪神へと飛び掛かっていた。

「ぺっぺっ……あーもう、雪に埋もれる趣味はないって」
「とりゃあああ!」
「げふっ!?」
 雪の上に見えたフードの女性へ向け、飛び蹴りをかました高吉のキャバリア。
 そのまま邪神を雪の中へ叩きつけ、さらに居たと思しき場所へと搭載火器をありったけぶち込んでいった。
「あれ、まさか……終わったか?」
 モニターを見る限り邪神の姿は見えないものの、雪の中にいても生きているとは考えにくいほどの弾丸を撃ち込んでいる。
「これじゃなんか物足りねぇな。よし、行くぜ」
 自動で、動くものへと弾丸を撃ち込むよう指示を出したキャバリアから降りようとした高吉の意識が、突然遠くなる。
「……ふふ、油断したようね。」
 最期の瞬間、見えたのはニヤニヤと嗤う邪神の口元だけだった。

 高吉の顔をした邪神がキャバリアの物陰から襲い来るのを、ロバートはあっさりと鉄塊剣で受け止めていた。
「ほう。人間を模倣するか、邪神である貴様が。」
「そんなに珍しい? 中にはいるでしょう、そういう邪神も。」
「カカ! ……戯言だ、茶番も甚だしい。人とかけ離れた貴様らが、人を真に理解できると考えるか!」
 そのまま弾き飛ばし、また邪神が物陰に隠れた頃……高吉は朦朧とした意識のまま呟いていた。
「暗い……あれ、暗すぎるぞ? いきなり……なんだ?」
 顔にかかる影に日は隠され、薄暗い世界が目の前に広がっている。
「あぁ俺……ひょっとして……そっか。」
 ……死後の世界、か。
「ここの世界結構好きだったんだよなぁ……生まれた場所になんか似てたから。……あれ、なんか聞こえ……」
「目覚めたかね?」
「ぐっは!?」
 そんな高吉の視界に広がる、正気を失いかねない形状の黒い覆面。
 また堕ちようとする意識が、ロバートの異様に落ち着いた声がかろうじて正気を掬いとめる。
「びっくりした……マジで死んだのかと。」
「ふん。つまり、貴様が死ぬにはまだ早いのだ。こ奴らもそうだと喧しい。」
「こ奴ら……?」
 だんだんと戻ってきた意識で見渡せば、高吉を護るように飛ぶドローンたち。
「なっ!? このドローンは!?」
「片割れに感謝せよ。貴様が死ぬのを許さぬのだ。」
「……なるほど、このシステムだけは気付かなかったぜ。サンキューなFECT。」
 キャバリアのFECTへと目を向ければ、待機状態へと移行したのが解った。
 その物陰からパーカーが目に映る。
「よし! 一斉掃射でいくぜ!」
「クカカ! 受け入れがたいモノを前にしたなら、否定こそが人の性よ。」
「ひやっ!? うわっ、ちょっ、やめ!?」
 弾丸に貫かれ、鉄隗剣で斬られ……それでもまだ邪神は逃げ回っていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

亞東・霧亥
【UC】
上っ面を剥ぎ取った先の深淵を覗くというのか?
「良いだろう。存分に堪能し給え。」と敢えて面を触らせる

以下、記憶の『一部』。
『豪奢な床に夥しい数の面の皮、玉座に妖槍で磔にされた俺。全ての種族の王族と貴族が集った謁見の間は惨劇の間となり、壁に埋め込まれた頭蓋と遺された瞳が国の終焉を見届ける。面の皮一枚にされ絶え間無い苦痛に怨嗟の声が響く中「愛しの貴方、次はどの面を下げますか?」と差し出された顔は・・・。』

どうした?まだ100人目だぞ。
俺の全てを覚えるんだろう?
面白半分で覗くんじゃねぇよ根性無しめ。
出直してきな!と殴り倒す。


モリ・ゴロプ
かつての恋人や友人や、家族達からの心ない言葉に心が再び壊れ、拘束衣を引きちぎらんばかりに暴れ、泣き叫ぶ。
その叫びに誘われるように影が現れて襲いかかる。
心から血を流し、口から絶望の叫びを上げる手負いの獣と化した彼女は誰にも止められない。
(アドリブ連携その他何でもありです。どんどん好きに動かして下さい)



「あー、酷い目にあった……ん?」
 どこかボロボロになって逃げてきた邪神が目をとめたのは、一機の禍々しいフォルムのキャバリア。
「……へぇ、これは面白そうね。」
 自身へと機銃の銃口が向けられようとするのも気にせず、ニヤニヤと嗤いながら懐から仮面を取り出して付け、その顔を上げる。
 その姿をキャバリアのカメラが映し……途端に機銃の銃口が震え、そのまま腕をだらんと落としてしまった。
「機械の中にいても聞こえるわ、あなたの心が上げる悲鳴が。ふふふ……、」

「なん……で……。」
 モニターに映る邪神の姿は、モリの母親のものだった。
 かつてはモリを守ってくれた人……かつて?
「う、ううん……今も、」
「まだ生きていたのね、この子は。」
「え、う、うん。生きてる、よ。」
 縋るように言葉を紡ぐモリを見上げる目は冷たく、忌々しげに言い放つ。
「まったく……この穀潰しが。」
「……え。」
 脳裏をフラッシュバックする光景……精神病院に縛り付けられ、鎮静剤で寝てると信じている母親がポロリとこぼした言葉。
 それと全く同じもの。
「あ、あぁ……。」
 過去の記憶の扉が開かれてしまった……それも、罵倒という紐をつけられた記憶が。
 昔言われた言葉が脳裏に溢れる、かつての恋人や友人が吐き捨てた言葉が。
 気持ち悪い、おまえの顔はもう見たくない、すぐに泣くな……ちっ、壊れやがった。
「あ、ああああああ!」

「あらあら、思った以上に効いちゃったようね。」
「おい、その辺にしておけ。」
 頭を抱えて蹲っているキャバリアを見下ろす邪神に、背後から言葉をかけたのは亞東・霧亥(峻刻・f05789)。
 ゆらりと振り向いた邪神の、心底楽しそうな笑みにつられそうになりながら、
「貴様は人の上っ面を剥ぎ取り、その先の深淵を覗くらしいな。」
「ええ、そうよ。人の持ってる記憶って、本当に面白いわ。」
「ふん、そうか。」
 気分がいいのか、そのまま答えてくる邪神に近づいていく亞東。
 どこか無防備に、警戒することなく。
「良いだろう、見せてやる。」
「へぇ……そう言ってくれる人は珍しい。」
 するりと繊細な指が顔を撫でたと思えば、邪神の手にあるのは1枚のマスク。
「あなたはこれまで、何を見てきたのかしらね。」
「存分に堪能し給え。……もっとも、」
 仮面をつけた邪神の耳に、懐中時計の針が進む音が響く。
「耐えられればな。」

「これ……は……。」
 追想の中、邪神の足下に並ぶのは人の顔……それは全てが引き剥がされた人の皮と解る。
 置かれた玉座に座るのは、妖しげな槍に貫かれ、貼り付けにされた亞東。
「創作……それにしては。」
 生々しすぎる……壁に埋め込まれた頭蓋から滴る血、漂う血なまぐさい鉄の匂いが。
 その頭蓋に残された瞳の1つと目が合うと、それはどう見ても人のもので……ぎょろりとこちらを見つめ返す。
「……これを体験した、というの……?」
 つまり、この部屋に響く怨嗟の声は、実際に亞東が見たこと。
 面の皮だけにされた苦痛に苛まれ、それを命じたモノへの声の中、玉座に恭しく語りかける女性の姿。
「愛しの貴方、次はどの面を下げますか?」
 手には何かが載っている……嫌な予感がする、それを見てはいけないと。
 しかし、これは亞東の記憶……針の進む音とともに目が開かれ、目に映ったのは

「うぅ……ああ、こ、コレハ……!」
「どうした? まだ100人目だぞ、俺の全てを覚えるんだろう?」
 懐中時計のヤドリガミ、亞東の記憶は人の経験したモノとは明らかに違っていた。
 それに気がつくこともなく、人の記憶として受け入れてしまった邪神は今、記憶に囚われて戻ってこない。
「やけにあっさり壊れやがったな。まったく……面白半分で覗くんじゃねぇよ、根性無しめ。出直してきな!」
「ぐはっ!」
 亞東の拳がおびえた邪神の顔に突き刺さり、思いのほか軽い体が吹き飛んでいく。
 雪の上に落ちると、その上から不気味な影がいくつも、耳障りな声で嗤いながらのしかかっていった。
「あぁ、これは……そっちか。」
「うるさいっ! 黙れ! 私に近づくな!」
 誰にいうでもなく、激情のままに叫ぶモリの言葉がキャバリアから響いている。
「落ち着かせたいところだが……ミイラ取りがミイラになりそうだな。」
 少し距離をとりながらキャバリアを見る亞東の後ろで、邪神は影に引きちぎられ、崩れて消えていた。

 それからしばらくして、街を歩く一人の女性が呟いていた。
「油断した、といえばその通りよね。ふふふ……、」
 フードの下で、口元が笑みの形に吊り上がっていった。
 その顔は、誰もがそう言うだろう……身近な誰かに似ている、と。
「人の記憶でやられるなんてね、私が。でも、面白かったわよ。」
 言葉を残し、いつの間にか消えていた。
 まるで、最初から居なかったかのように……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年03月10日


挿絵イラスト