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剣鬼だってパフォーマンスしたい!

#カクリヨファンタズム

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#カクリヨファンタズム


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●刀でプロレスしてるからこれはプロレスである。
「勝者! 彼岸花のおゆうーーー!!!」
 会場に響き渡るアナウンスの声に、プロレスリングの上で高々と拳を上げている女性が一人。
 彼女の足元には彼岸花が咲き乱れ、倒れている敗者を栄養分として吸い上げている。
 主催者である剣鬼・彼岸花のおゆう。彼女はただただ、マイクパフォーマンスをやりたいだけで刀を振るった。
 幾人もの剣客を斬り、美しいマイクパフォーマンスを見せては住民たちを狂わせるのが彼女のやり方だ。
 そうして今宵もまた、一人の最強王者によって住民たちは狂ってゆく。

 カクリヨファンタズムの一角で行われている剣客プロレス。
 刀と刀を打ち合ってマイクパフォーマンスを決めれば勝ちという戦いが、最近とてもアツいのである。
 マイクパフォーマンスさえ決まれば刀と刀で打ち合わなくても良いのだそうだ。
 ならば何故、刀を使用するのだろうか。それについては誰もツッコミを入れないから、このままなのだそうで。

 そして新たな大会が始まり、今宵もまた、新たな挑戦者がプロレスリングにあがる。
 刀を携え、パフォーマンスを意識して、ツッコミを放棄して……。

●刀がありゃなんでもいいらしい。
「……というのが見えて、カクリヨファンタズムでの予知と確認。大至急、誰でもいいからツッコミ入れて来てくれ」
 予知の内容を説明した上で、そんな事を口にする木々水・サライ(《白黒人形》[モノクローム・ドール]・f28416)。グリモアベースに集めた猟兵達がツッコミをしてくれると信じて、彼は予知の内容を説明したのだそうだ。
 刀さえ持っていればプロレスリングに上がれて、刀を見せつけるパフォーマンスでさらに盛り上がり、刀を打ち合ってマイクパフォーマンスが良ければ勝者となって……とりあえず、刀さえ持っていればプロレスの出場権が得られるそうだ。
「どうやら主催者の剣鬼、殺し合いついでにプロレスの上でマイクパフォーマンスしたさにリングを作って、住民達を巻き込んで刀を打ち合ってるっぽい……。なんでプロレスなんだよ……なんで剣道じゃダメなんだよ……」
 彼の嘆きが主催者に届くはずもなく、さめざめと泣きはじめた。グリモア猟兵でなければきっと、今頃はすっ飛んで行ってツッコミを入れているに違いない。
 なお今回、大人数大会というだけあって3回戦に分けられる。組んず解れつの大収容人数の一回戦、一回戦をくぐり抜けた者達による第二回戦、そして勝ち続けて残った者達の最終決戦。主催者もこの大会には参加しているらしく、あまりにも強いことで有名なため、三回戦での戦いになるだろうとサライは言う。
「……ちなみに、一回戦では害のない住民もいるから助けてやってくれ。たぶん、ツッコミ入れたら……元に戻るんじゃ、ないかなあ……」
 なんだか遠い目で宣言したサライ。住民を助けることも第一優先でと伝え、彼は猟兵達を戦地もといプロレス会場へと送り込む。


御影イズミ
 閲覧ありがとうございます、御影イズミです。
 たぶん、ギャグシナ。たぶん。

 MSページ、並びに以下の章説明をよくお読みください。

●第一章:冒険シナリオ。
 操られた住民達がプロレスに参加!
 皆それぞれが刀を持ってアピールを繰り返しています。
 プレイングボーナスは「ツッコミを入れる」 or 「パフォーマンスでアピール」

●第二章:集団戦シナリオ。
 骸魂に飲み込まれてオブリビオン化した妖怪達が勝利を突き進んでいます。
 ここで食い止めるために戦わなければなりません。
 プレイングボーナスは「ツッコミを入れる」 or 「敢えて狂気を演じる」

●第三章:ボス戦シナリオ。
 こんな大会を開催したボスとの一騎打ち。
 なおボスはツッコミを入れられると駄々っ子になります。
 マイクパフォーマンスしたいんだもん。
 プレイングボーナスは「敢えて狂気を演じる」 or 「マイクパフォーマンスでアピール」

 皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『妖怪プロレスリング』

POW   :    大迫力の肉弾戦!

SPD   :    華麗な空中殺法!

WIZ   :    試合を彩るマイクパフォーマンス!

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アイン・セラフィナイト
うんうん、流石カクリヨファンタズム。すごいプロレスだね。(?)

じゃあボクもパフォーマンスをしようかな。さてと……じゃあこの『天星虚杖』をサンラ●ズパース並に構えて、と。

……え?剣じゃない?剣だよ?……剣だよ?(『殺気』)

剣(杖)を構えてドーン!!相手の剣の物質組成を解析してパーン!!どう!!ボクの剣強いでしょ!!強いよね!!?(『殺気』)

このボクに!!勝てる妖怪なんて!!誰一人存在しないんだから!!!(ヒール的パフォーマンスの『リミッター解除』。いつもと雰囲気が違う)

さてと、次の相手は誰かな?この剣(杖)があればなんでもできるんだからね…‥?(『殺気』)(杖をぶんぶんしている)



●これは刀だって言ってるので刀です
「うんうん、流石カクリヨファンタズム。すごいプロレスだね」
 プロレス会場にやってきた一人の猟兵、アイン・セラフィナイト(全智の蒐集者・f15171)。ニコニコした笑顔は会場の中央で繰り広げられている戦いに向けられている。
 一つの試合が終わった。次の試合は挙手制となっているのだろうか、レフェリーが観客席に向かって募集をかけた。ざわつく観客の中、アインはすぐさまスッと手を挙げて参加を表明した。もちろん、刀(杖)を片手に。
「おいおい坊主、そりゃぁ刀じゃないから」
 無理だ、と言おうとしたレフェリー。しかしレフェリーはその先を言うことはできなかった。なぜならば、アインの構える天星虚杖がその言葉を紡ごうとしている喉へと向けられているからだ。とてつもない殺気が、アインからにじみ出ているのがわかる。
「これは刀だよ? ね?」
 アインのとても良い笑顔が、レフェリーに向けられた。ついでに、刀(杖)を握る手にも力が込められた。命の危険を感じたのだろうか、それともその殺気を押し返すことができなかったのだろうか、レフェリーはアインの出場を許可した。
 会場に上がれば、先ほどの試合を勝ち残っていた一般の妖怪がアインの相手となった。通常の妖怪相手であればそこまで力を出す必要もないし、少し昏倒させればこの狂った空気からも解放されるだろう。そういうことなので、アインは容赦なく刀(杖)を振るう。
「あは、ははは! あっはっはっは! どう!! ボクの刀(杖)強いでしょう!? 強いよね!!」
 まるで悪役《ヒール》と言わんばかりに笑い声を上げ、そこまで力を出してないがめちゃくちゃ強い風が吹くほどに振るわれる刀(杖)は、一般妖怪の刀を瞬時にもぎ取って物質組成を解析して花火のように散らした。そんな様子に観客達も若干恐れを抱いている様子なのだが、リミッターの外れたアインから放たれる殺気がそれを許さない。
 観客達はアインの素晴らしさと恐ろしさを称えるように歓声を上げ、アインのアピールを褒めちぎる。マイクをどこかから投げ込まれると、アインは刀(杖)を振り上げて更なるアピールを観客たちへと見せつけた。
「このボクに! 勝てる妖怪なんて!! 誰ひとり存在しないのだから!!!」
 大声を上げたアインに同調する観客達の唸り声。更なる強者を求むと言わんばかりのアピールに、誰もが声を震わせたのだった。
 ―――そこにいたのは本当にアイン・セラフィナイトなのだろうか? この場に彼を知るツッコミ係がいないので、真相は闇の中……。

成功 🔵​🔵​🔴​

大豪傑・麗刃
アドリブ歓迎

なるほど刀を持ってパフォーマンスをすればいいのか。
よろしい。わたしの得意分野なのだ。最高のパフォーマンスを見せてやるのだ。

ということで。
わたしの装備はサムライブレイドが2本。これをもってやるパフォーマンスといえば

剣舞

まずはかの信長公も愛したとされる伝統の熱……敦盛!
これを扇ではなく刀で舞う。

人間五十年、下天のうちをくらぶれば、夢幻の如くなり
 
次は本格的な剣舞。中国でやるような激しい奴。
そして最後は剣を呑むパフォーマンス!

場合によってはあえて一度失敗し『変態的衝動』につなげることも。

実はマイクパフォーマンスのネタが思いつかなかったから苦肉の策というのはネタ者としては絶対に内緒なのだ!



●マイクパフォーマンスが思い浮かばなかったから苦肉の策を
「なるほど、刀を持ってパフォーマンスをすればいいのか」
 観客席から眺めていた一人の猟兵、名を大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)。最初ここに訪れた時は何をすれば良いのか分からず、とりあえず案内されるがままに観客席から中央のプロレスリングを眺めていた。そうして一つの試合を見終わって、何をどうすればよいのか理解したという形だ。
 ならば次は自分が参戦しよう。そう思った麗刃はサムライブレイド2本を手に、参戦権を得る。中央のプロレスリングに上がって相手を確認。相手はこの舞台の狂気に当てられてしまった一般の妖怪のようで、あまり力を使いすぎては殺してしまうのは火を見るよりも明らか。
 そこで麗刃がとった手法は、剣舞によるパフォーマンスを交えた戦闘方法だ。剣舞であれば隙のない動きを用いて、一般の妖怪を傷つけないように伸すのもお安い御用。始まりの合図が鳴らされると、麗刃は敦盛と呼ばれる能の基礎とも呼べる舞を披露した。本来であれば扇を用いて舞を披露するのだが、今回は刀がなければ舞台に立てない。故にサムライブレイドを扇に見立てて優雅な舞を披露する。
「人間五十年、下天のうちをくらぶれば、夢幻の如くなり……」
 優雅な舞は見る者を釘付けにさせた。麗刃の相手である一般妖怪も、一瞬その舞に見惚れて刀を落としそうになるほど。だがこれは勝負であり、どちらかが倒れなければ終わりがない。故に一般妖怪は正気を取り戻すと、すぐに刀を振り下ろして麗刃から一本取ろうとする。
「ふっふっふっ、甘いのだ!」
 相手の刀が麗刃の頭上に振り下ろされる寸前、彼は演舞の内容を切り替えた。本格的な剣舞、中国舞踊を用いたパフォーマンスで相手の刀を払い、相手ごと押しのけた。この突然の切り替わりには、周囲の観客も驚きの声を上げた。優雅な舞を見ていたかと思えば、突然激しい舞に切り替わる……これこそが麗刃の持てる最大級のパフォーマンスなのだ。
(実はマイクパフォーマンスのネタが思いつかなかったから苦肉の策というのは、ここだけの話なのだ)
 そう、実際にはただマイクパフォーマンスで披露する芸が思い浮かばなかったからこんな流れを作り出しているだけ。言わなければ誰にもわからないので、これは麗刃の心の内に秘めておく。
 そしてフィニッシュだと言わんばかりに、麗刃はサムライブレイドを口にいれ……するりするりと飲み込む。一歩間違えれば大惨事になるであろうパフォーマンスには、先程まで大歓声だった観客達も静かに見守り、息を呑む。
 しばらく後に引き抜かれたサムライブレイドは全くの無事だし、麗刃も無事だ。敢えてミスをすることも選べたが、既に観客達の心を掴みっぱなしなのでそのまま無傷で終わらせる。
 そんな高低差の激しい驚異のパフォーマンスには、観客席から最大級の歓声が届けられた。

成功 🔵​🔵​🔴​

地籠・陵也
【アドリブ連携大歓迎】
剣でプロレスは剣道じゃないのか……そうか……かといって武術大会でもないのか……

じゃあ剣でプロレスとは何なんだろうか?(ツッコミどころか加速するボケ)

とりあえず、剣ならなんでもいいんだよな?
じゃあ【指定UC】で【浄化】と【破魔】の力を注ぎ込んで剣を作って挑もうか。
これなら別にルール違反じゃないだろう?ライトセイバー的な奴だし。
というワケで、相手の攻撃は【武器受け】で、【拠点防御】の応用でその場から防戦といこう。
それで相手の動きを見て覚えた(【学習力】)上で、隙を狙って【カウンター】をしかけて【部位破壊】の要領で刀を折る。多分骸魂の邪念はこの剣に込められてると思うから……



●これは刀(ライトセイバー)なので刀です。
「剣でプロレスは剣道じゃないのか……そうか……かといって武術大会でもない……」
 観客席から得体の知れない格闘場を眺めている男、地籠・陵也(心壊無穢の白き竜・f27047)。最初に話を聞いたときは一体どんなものなのだろうと妄想を膨らませていたが、現場にたどり着いてもよくわかっていない。むしろどんどんボケが加速してしまっているのが彼の現状だ。
 刀でプロレスとは何なのか。もはやそれは無我の境地、悟りの最奥へ至るようなものなので、理解してはいけないし、理解しようと考えてはいけない。だが陵也にとっては気になる要素の一つなのか、頭から離れない様子。
「……とりあえず、剣ならなんでもいいみたいだな?」
 参加ルールを確認した陵也は参加権を得るためにすぐさまユーベルコード『【昇華】解放を刻みし聖光の楔剣』を発動させ、浄化の力を込めた形見の杖に魔力を込めて剣を作る。さながらそれはビームサーベル、ライトセイバーという名称で知られるものと成った。
 刀(ライトセイバー)を片手に壇上へ上がろうとするものの、レフェリーにやっぱり止められる。それは刀ではない、ビーム出してるだけの杖に過ぎないというのがレフェリーの反論である。
「……?? ここにあるのは刀(ライトセイバー)だぞ? 何を言っているんだ……?」
 正気か? といった目線をレフェリーに投げた陵也。穢れを祓う純粋な目線に対してレフェリーも反論が出来なくなり、陵也へ参戦権を渡す。純粋とはなんとも驚異である。
 壇上に上がれば狂気に当てられた一般の妖怪が刀をブンブン振るい、陵也に対してその力を示そうとしていた。陵也は素早く相手のどこを狙えば良いのかを把握し、まずは相手の攻撃の流れを確認するために一度挑発の姿勢をとって相手に攻撃を促す。
 流石に一般の妖怪なだけあって、そこまで戦闘力はない。構えもズボラで、振りも甘い。刀(ライトセイバー)で相手の刀を振り払っては突いて距離を取り、再び相手の攻撃を待つ。何度も同じような動きで相手の動きを覚えた。
 隙だらけの戦い方には、カウンターを入れる隙をいくつも発見出来た。なので再度距離を取って相手からの攻撃を待ち、振り下ろしの一瞬で相手の刀を刀(ライトセイバー)で的確に叩き折る。本来ならば陵也の刀(ライトセイバー)は折るよりも消滅の方が正しいのだが、何故か今回は空気を読んで叩き折ってくれた。
 叩き折った時の衝撃は一般の妖怪に耐えられるものではない。刀(ライトセイバー)の余波を受け、対戦相手はそのまま倒れた。
 ……別に刀に骸魂の邪念が入っているわけではないのだが、陵也はそれを盛大に勘違い。次から次へとやって来る対戦相手の刀を、己の刀(ライトセイバー)で叩き折り続けたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

祝聖嬢・ティファーナ
WIZで判定を
※アドリブ歓迎
f03588紬雁紅葉と協力

『フェアリーランド』の壺の中から風の精霊と聖霊を呼んで「プロレスなら武器は厳禁なんだよ!」と“ツッコミを入れ”ます♪
風の精霊で声を大きく広範囲に届けて貰います☆彡
他にもリングから落ちた選手(住人達)と猟兵の怪我人には『祝聖嬢なる光輝精』で怪我を治して『シンフォニック・メディカルヒール』で状態異常を癒やします♪
治し癒しながら“七色こんぺいとう”を配って甘味で心身の疲労を労います☆彡

「ムリと無茶はダメだからね〜!♪」
「避難所と治療院は此方で〜す!☆彡」
声を届ける風の精霊と治療している生命の精霊と聖霊に「頑張ってくれて、ありがとうね☆」と言います


紬雁・紅葉
f02580ティファ―ナと同行


手名椎・足名椎を支度

残像忍び足でするりとりんぐの上へ

善玉悪玉あるそうですが
頓着の無い刀狩り
勝てると思った無謀な猛者は
四の五の言わずかかって来ませい!

来た端から破魔風属性衝撃波UCを以て範囲ごと薙ぎ払い吹き飛ばし武器落とし

敵の攻撃は躱せるか見切り
躱せるなら残像などで躱し
さもなくば破魔衝撃波オーラ防御武器受け等で防ぐ
何れもカウンター破魔風属性衝撃波UCを以て範囲ごと薙ぎ払い武器落とし吹き飛ばす

【ツッコミ】
"剣神"布都主の御託宣です…
"ぷろれす"?そんな物に吾が出番があるか!!
組み打ちなら手力男(たぢからお)にでも頼め!!

※アドリブ、緊急連携、とっさの絡み、大歓迎です※



●なぜ誰も突っ込まないのかと言われたらツッコミが不足しているからである
「こらこら~~! プロレスなら武器は厳禁なんだよ~~!!!」
 ユーベルコード『フェアリーランド』から風の精霊と聖霊を呼び、精霊達の力を借りて大きな声で会場内にツッコミを入れたのは祝聖嬢・ティファーナ(フェアリーの聖者×精霊術士【聖霊術士】・f02580)。
 その隣には二振りの刀、号 『手名椎・足名椎』を構えて参戦権を得た紬雁・紅葉(剣樹の貴女・f03588)の姿もあった。ティファーナのツッコミが効かなかった場合に備え、彼女は舞台に立つつもりだ。
 ざわめきの止まらない会場内に対し、ティファーナは勝ち誇ったような顔をする。しかしそれも束の間、狂気に落ちている観客達の声はすぐにリング上の戦いを応援する声へと変わった。
 ツッコミはあんまり効かなかった……としょんぼりするティファーナは、紅葉におずおずと申し訳なさそうにお願いする。
「ダメだったあ……。じゃあ、えっと、お願いしてもいい?」
「ええ、もちろん。負傷者の手当はお願いしますね?」
「もちろん! あ、でもでも、強く戦っちゃダメだからね!」
 ティファーナの念押しにしっかりと言葉を返した紅葉は、隣に残像を残して音もなくリングへと上がる。その素早い動きには誰もが驚きの声を上げ、レフェリーさえも突然の参加に一瞬ひるんだ。
 大きな声で挑発を促した紅葉は、まず最初に勝ち進んでいた一般妖怪をユーベルコード『手名椎・手長』で吹き飛ばす。破魔の力が乗せられた大きな風は、妖刀・手名椎を伝って周囲の観客達をも吹き飛ばすかのように発せられた。
「あわわ~~! 危ないですから、皆さんしっかり座席に捕まってくださいね~!」
 ティファーナの掛け声が風で飛ばされそうになる観客達へと届けられる。下手すれば、彼女の看護が選手以外にも届けられてしまいそうだ……。
 なお、これは紅葉にとっては前座に過ぎない。一人一人を相手にするなど時間の無駄だと、大声で宣言を上げた。
「勝てると思った無謀な猛者は、四の五の言わずにかかって来ませい!!」
 その言葉に挑発を受けた一般の妖怪達は、何人もが刀を手に一斉に乗り込んでくる。しかし、先ほど外から見ていた人数よりも上がってくる数が少ない。どうやら先に述べたティファーナのツッコミが功を奏したらしく、気弱なタイプの妖怪はツッコミだけで壇上に上がることを止めることが出来ていた。
「さあ、私がすべてを相手しよう!」
 大きく振り上げた二振りの妖刀は、再び大きな風を巻き起こす。風によって吹き飛ばされた機材が宙を舞い、レフェリーや観客達にもぶち当たっているのがよく見える。そのためティファーナは生命の精霊と聖霊を呼び出して、緊急治療を手伝ってもらうように指示。ありとあらゆる治療手段を用いて、観客達の怪我を癒した。
 その間にも紅葉の戦いは止まらない。襲いかかってくる妖怪達の刀を素早く見切り、残像を用いて後ろを陣取って妖刀を振り払い衝撃波として全員に攻撃を与える。強襲にはオーラによる防御や武器による弾きを利用して回避手段を取り、薙ぎ払って吹き飛ばす。彼女の一手一手が、妖怪達に焦りを与えていた。
 そんな猛攻の中だったが、ふと、紅葉は動きを止めた。何かを受け取ったようで、静かな声を発する。
「……剣神、布都主の御託宣です…」
 紅葉の言葉が紡がれる。布都主は元々彼女の故郷に奉られた神であり、紅葉はその神を奉った御社の巫女として選ばれていたため、託宣を受け取ることができる。そんな神が突然、こんな状況下で御託宣を与えるとはどうしたのだろうか? それは……そう、ツッコミのためである。
「"ぷろれす"? そんな物に吾が出番があるか!!」
 剣を使うから剣神の出番。なんて思われがちだが、こんなプロレスでも剣道でもないただの児戯に、自分の出番はない。ただそれを言うためだけに御託宣を与えたようで。怒り心頭でもある様子。
 ポカンとした表情の一般妖怪達。そんな様子に目も呉れず、紅葉は御託宣の儀を終えた瞬間に一気に全員をなぎ払い、全員を壇上の外へと押し出した。
「はいはい~! 避難所と治療院はこちらで~す!」
 ティファーナの声が会場内に響き渡る。気づけば会場内に立っていたのは紅葉とティファーナだけで、会場内にいた観客、対戦相手、レフェリー全員がティファーナの避難所へと逃げていたのであった。

 こうして猟兵達は一回戦を勝ち抜けた。
 二回戦目、更なる激闘が待っている。
 そう、ツッコミ不足という更なる激闘が……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『『剣客』雪だるま』

POW   :    雪だるま式に増える
自身が戦闘で瀕死になると【仲間】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    抜けば玉散る氷の刃
【その手でどうやって持つんだかわかんない刀】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    雪合戦
レベル×5本の【氷】属性の【雪玉】を放つ。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 次の相手は、雪だるま達。
 彼らの腰には刀が携えられており、どうやら彼らも参加者のようだ。

 だがしかし、可愛いと侮るなかれ。
 彼らは無尽蔵に増え続けてしまう雪だるま。
 ポンポン増えては刀を携え、猟兵達に切りかかる。

 ぽえーぽえーと鳴く可愛さに、侮るなかれ。
 奴らは気づけば、増えている。

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 以下プレイングボーナス
 「ツッコミを入れる」
 「狂気を演じる」
アイン・セラフィナイト
(ある程度落ち着く)
【WIZ】
雪だるまの刀使いか。可愛いけど、刀の腕前は他の妖怪たちと比べるとすごいみたいだ……ね……って刀使わないの!?雪玉!?
っていうかその腕で刀持てるの!?いやそんな目で見られても……
刀が脅威っていうか、増えることが脅威っていうか……。

UC発動、イフリートと次元の穴を召喚、飛んでくる雪玉ごとじりじりと炎で炙っちゃおう。(『属性攻撃・全力魔法・範囲攻撃』)
……あ、観客のこと忘れてた。まあ大丈夫だよね。妖怪だし。(?)

全く……刀で戦う気がない人とプロレスするなんて本当にあり得ないよ。ちゃんと刀構えてから戦おうね?ね?(刀(杖)を構えながら)



●刀(杖)構えてから戦おうね?
 二回戦へと進んだアイン。その手にはやはり刀(杖)。一回戦ではだいぶハッスルしていたが、二回戦に進んだことである程度は落ち着いたのだろうか、相手をしっかり見据えることができた。そして、雪だるまに入れたいツッコミを入れる。
「いや、雪だるまが刀持てるの!?」
 至極当然のツッコミ。だが刀の使い方については主催者も何も言ってないので、使えると言えれば使える判断なのだろう。そもそもアインの刀(杖)が主催者からツッコミが無く通ってる時点で、そのあたりはガバガバなのだ。
 アインがリング上に立った瞬間、突然ぽえーぽえーと鳴いて雪玉を投げてくる雪だるま達。可愛らしいだけが取り柄の雪だるまなのだが、既にオブリビオンとして生まれた時点で情けなど無用。なのでアインはユーベルコード『聖霊結晶具現:大火精の浄火』を使用し、イフリートと次元の穴を召喚。炎属性の魔法を広範囲に広げ、飛んでくる雪玉を炎で炙って溶かしつつ、雪だるまを攻撃する。……よく見ると、飛んでくる雪玉が刀の形をしている気がする。
「えっ、そんなのアリ!? アリなの!? ねえ聞いてないよ!?」
 レフェリーに向けて抗議の声を出すのだが、訴えは却下。そもそもな話、誰も言ってないのでアリだし、主催者も何も言わないのでアリである。
 幾人もの雪だるまから投げられる雪玉は鋭さを増し、よりアインへのダメージを与えようと弾幕を張る。これらを炎属性の魔法とイフリートの身体の炎でガードし、次元の穴から発射される金炎で弾幕に穴を開け、開けた空間を通り抜けて雪だるまに素早く近づいては刀(杖)で斬り(殴り)かかり、雪だるまに最後の一撃を確実に当てる。その行動を雪だるまがいなくなるまで、増殖されないように注意を払いながら繰り返した。
 なお観客達は飛び散る炎を頑張って避けているので、被害はない。一部焦げが発生している者もいるが、それはまあ、会場の熱狂で燃えたものとする。
 そうして相手をしていた雪だるまを全て倒し、三回戦への切符を入手するアイン。レフェリーの声が会場に響き渡ると、アインはビシッ!と刀(杖)を向けて観客達にアピールをする。
「まったく……ちゃんと刀構えてから戦おうね?」
 アインはビシッ、と刀(杖)を観客席に向け、アピール(強い威圧)を放つ。そのアピール(威圧)もあってか、誰もが『いやそれ杖じゃん』とツッコミを入れずに、アインから目線を逸らすように押し黙っていたのだった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

地籠・陵也
【アドリブ連携歓迎】
(開幕雪玉が顔に当たる。【氷結耐性】ですぐに顔を振って取り除き)
レフェリー。今雪だるまたちが雪玉を投げてきたがこれは刀じゃないんじゃないのか?(【結界術】で防ぎながら)
え、刀なのか?
俺の刀(ライトセイバー)は最初違反扱いにしようとしたのにアレはいいのか?
アレを刀というなら参加者全員が刀と言えば何でもOKにしないとルールの正当性がないんじゃないか??
(全く怒ってはおらず純粋な疑問の眼差しで悪気なしに何でもアリに持っていこうとするドラゴニアン)

というワケで、そっちが刀(雪玉)ならこっちは刀(光の雨)だ。
【多重詠唱】で結界を維持しつつ【指定UC】をどーん!
この攻撃、中々痛いぞ?



●刀(雪玉)VS 刀(光の雨)
 二回戦、陵也の番がやってきた。リングに立つや、開始の合図が鳴る前にぽえーぽえーと鳴いてる雪だるま達が一斉に陵也の顔めがけて雪玉を投げてきた。刀のような形をしている雪玉は結界術で防いではいるものの、ドスッと綺麗に陵也の額に刺さり、彼の熱で徐々に溶け始めていた。当たったことによって嬉しさが爆発したのだろうか、雪だるま達がぽえーぽえーと鳴きながらピョンピョン跳ねる。
「……レフェリー、今雪だるま達が雪玉を投げてきたが、これは刀じゃないんじゃないのか?」
 ダラダラと額に刺さった雪から流れる水を払いながら、レフェリーへ純粋な疑問を投げる陵也。レフェリー曰く、刀さえ持っていれば出場可能なので問題ないとのこと。そして陵也の刀(ライトセイバー)が違反扱いになりかかった件については、最初刀に見えずほぼ杖だったからとのこと。そもそも刀(ライトセイバー)なので問題ないのだが。
「そうか……刀(雪玉)が許されるのなら、コレも許されるわけだな?」
 そう言って陵也は結界術を維持したまま、ユーベルコード『【昇華】神罰顕現・虚数光華』を発動させ、詠唱と共に刀(光の雨)を呼び起こす。刀(光の雨)は一直線に雪だるま達へと走り、一部の雪だるまを溶かした。
「「「ぽええーーー!!??」」」
 それは卑怯だろーーー!! と言わんばかりに鳴き出した雪だるま達。しかし、刀(光の雨)を呼び起こした当の本人は穢れのない純粋な眼差しを向けつつ、雪だるま達にこう答えた。
「お前達が雪玉を刀と言ってるのなら、俺のコレも刀だが……?」
 刀(光の雨)は陵也を中心に、リング上、果ては観客席にまで及ぶ。観客達には逃げてもらっていたので被害はなかったが、雪だるま達はリング上をべちんべちんと跳ねながら逃げ惑っていた。無論、狭いので刀(光の雨)の攻撃範囲から免れることは出来なかったのだが。
 やがて最後に残った雪だるまが『よくも仲間を!』と言わんばかりにぽえぽえ鳴いて陵也に刀(雪玉)を投げつけてきたが、勢いがほとんどない。陵也も陵也で刀(光の雨)をだいぶ撃ち尽くしたため、最後の一撃は刀(ライトセイバー)で斬りつけた。
 レフェリーの勝者宣言が入り、無事三回戦への切符を入手した陵也。しかし刀(雪玉)が未だに納得いかない様子の彼は、しばらく首をひねり続けていた……。

成功 🔵​🔵​🔴​

祝聖嬢・ティファーナ
WIZで判定を
*アドリブ歓迎
f03588紬雁紅葉と協力

「あ♪雪だる…ま…、可愛く無い…、何か変で怖い…☆」
と言って『フェアリーランド』の壺の中から風/火/生命/戦乙女・聖霊・月霊を呼んで『クリスタライズ』で姿を隠して紅葉も隠すなら一緒にと聞きます♪
『エレメンタル・ピクシィーズ』で風/火に属性攻撃を『神罰の聖矢』で聖霊と戦乙女に聖攻撃を仕掛けます!☆
「気を付けて!雪だるま、何てウソだからね!氷だよ!きっと!」とツッコミます♪
敵の避けれない攻撃は『月世界の英霊』で空間飛翔して避けて、敵のUCに『月霊覚醒』で封印/弱体化を仕掛けます☆
『叡智富める精霊』+『神聖天罰刺突』で苛烈な猛攻を仕掛けます!


大豪傑・麗刃
なるほど相手は瀕死になると増えるらしいのだ。ならば対策はひとつ。

瀕死にしなければよいのだ。

なのでわたしは倒さないようにしながら無力化する手段をとる。実際に敵の数を減らすのはSPD・WIZ連中に任せるのだ。
ギャグ世界の住人で無敵状態となり、敵にわたしを好き勝手攻撃させ、攻め疲れさせると。そうして疲労困憊に陥った敵を他の人が攻撃してくれれば良いと。
重要なのは、敵さんがわたしへの関心を失い他に行くのを防ぐこと。そのために敵さんへのツッコミ?

きみたち!
出番があと数か月早いのではないかね?
(この世界のわれわれの世界が季節同じかとか知らん)

あと狂気を演じてもいいのか。

くぁwせdrftgyふじこlp;@:


紬雁・紅葉
f02580ティファ―ナと同行

羅刹紋を顕わに呆れ笑み
引き続き手名椎・足名椎使用

先制UC発動

雷属性を攻撃力に
氷属性を防御力に
付与

残像忍び足で正面からゆるゆると接敵

射程に入り次第破魔雷火属性衝撃波UCを以て回数に任せ範囲を薙ぎ払う

敵の攻撃は躱せるか見切り
躱せるなら残像などで躱し
さもなくば破魔衝撃波オーラ防御武器受けUC等で防ぐ

窮地の仲間(特にティファ―ナ)は積極的にかばい援護射撃


友人からぷろれすの事は聞き齧っておりますが…
関節技は?所謂投げ技は?突き蹴りは?

その体でどうやってぷろれすするんですか!?

さっさとりんぐあうとなさいませ!

※アドリブ、緊急連携、とっさの絡み、大歓迎です※



●この雪だるま、可愛くないしそもそも季節が早いのだ。
「……なんか、変で怖い…・・☆」
 ぽえーぽえーと鳴きながら周囲を取り囲み始めた雪だるま達に対し、容赦ない一声を浴びせたティファーナ。この雪だるま達、鳴き声は良いのだが、顔がなかなかに厳ついせいで絶妙に可愛くない。仕方ない。
 増え続ける雪だるま達に対し、紅葉は眉根を寄せる。そりゃそうだ、その姿にはもうツッコミどころしかないのだから。
(友人からぷろれすのことは聞き齧ってはいますが……そもそも、彼らは関節技や投げ技はどうなるのでしょう??)
 一応ここはプロレス会場。刀を持っての出場ではあるが、プロレスを行う会場だ。関節技や投げ技、足蹴りや突きを行うことも可能。だが雪だるまとなれば手はあっても足はない。いや、そもそも手も枝なので関節なんて、無い。
「そもそも、きみらは出番があと数ヶ月早いのではないか??」
 首をかしげては、ぽえーぽえーと鳴いている雪だるまに正論を投げた麗刃。そう、今は雪の季節でもなんでもないし、なんなら雪はすぐに溶ける気温だ。そんな麗刃の正論に対してよく溶けないものだなと、紅葉も関心を寄せる。
 だがティファーナは雪だるまが溶けないのはまた別の要因があるからではないかとツッコミを入れる。そう、雪ではなく氷ならばすぐに溶けることはない。だからきっと、雪だるまと称した氷なのだとツッコミを入れた。
「雪だるまなんてウソじゃないかな? 多分氷だよ! きっと!」
 ビシッ!と指を差し、雪だるま達に困惑の表情を与えたティファーナ。ぽえーぽえーと鳴く雪だるま達の表情は、なんだか悲しそうにも見えた。雪だるま達が嘘じゃないよと悲しそうにゴロゴロしている隙に、三人はそれぞれ攻撃の準備を行う。
 麗刃は増殖の条件に気づいたようで、瀕死にさせないように敢えて雪だるま達への無力化の対策を取る。ユーベルコード『ギャグ世界の住人』を発動させて無敵状態となり、ティファーナと紅葉の二人には雪だるま達が疲労困憊になった隙に攻撃を行うように伝えた。
「紅葉、一緒に隠れる?」
「そうね、お願いできる?」
 ティファーナはユーベルコード『フェアリーランド』を発動させて数多の精霊達の力を周囲に張り巡らせたあと、別のユーベルコード『クリスタライズ』の力によって紅葉と共に姿を消す。隙が生まれるまでは、麗刃に攻撃を引き受けてもらうようだ。
 麗刃はユーベルコードによって無敵にはなるものの、身動きがとれないため仁王立ちのままリングの中央にふんぞり返っている。雪だるま達は刀(雪玉)をぶん投げては無敵状態の麗刃が倒れないことに腹を立て、更に刀(雪玉)をぶん投げるという負のループへと陥った。ちなみに、雪だるま的にはこれはパフォーマンスを行っているらしい。
「いやいや、それは刀のパフォーマンスじゃないだろう! 雪玉の形が刀だからこれは刀っていうのはナシだぞ、きみたち!」
 ぽえー?と首をかしげる仕草を行っている雪だるま達。麗刃のツッコミによって、そうかそれもそうだなと納得した様子で、背に下げていた刀を取り出した。が、雪玉を投げすぎた影響なのか、あるいはティファーナが先に呼び寄せていた火の精霊達の影響なのか、雪だるま達の身体は当初よりも小さくなっているのがよくわかる。既に背に下げていた刀を持てるほどの力は、彼らには残されていないのだ。
 麗刃は大きく笑い声を上げた。無力化に成功した証として、ティファーナと紅葉に知らせるために。
 ティファーナが『クリスタライズ』の効果を解き、紅葉が素早く妖刀『手名椎・足名椎』で雪だるまに斬りかかった。麗刃の予測通り、一撃で薙ぎ倒すと雪だるま達は増殖せず消滅する。しかし雪だるま達は簡単には倒れない、まだ戦えると言った様子で背の刀を放り投げ、刀(雪玉)を準備する様子が伺えた。
「ならばこちらも、相応のお相手をしよう。弐の式……来たれ!」
 紅葉のユーベルコード『トリニティ・エンハンス弐式』が発動。彼女の氷の魔力は防御へと転換され、雷の魔力は刃を伝って攻撃力を増す。更にはティファーナの精霊達による強化も施され、完全無欠の巫女へと変化した。その両腕の刀から繰り出される一撃一撃は、会場を震わせるほどに重い。
「さっさとりんぐあうとなさいませ!」
 紅葉の重い一撃がぶち当たれば、リングの外へと飛び出して砕け散る雪だるま。刀(雪玉)の投げ過ぎにより体の面積が縮まり、復旧が出来なかったのが原因である。
 一方のティファーナはまた別の攻撃用のユーベルコードを連続して放ち、燃え盛る火炎、吹きすさぶ風を用いて火炎の竜巻を発生させて閉じ込め、輝く月と眩い光によって目を眩ませ、聖なる力を纏う無数の槍で雪だるま達を突き刺した。紅葉が落としきれなかった雪だるま達を確実に仕留め、徐々にその数を減らしていった。
「……あ、狂気を演じるのを忘れていたのだ」
 そう言って麗刃は無敵化が解けた直後に、意味不明な言葉を述べる。それが観客に受けたようで、どっと笑いが起きた。これにはギャグを心得ている麗刃も満足だ。

 そうして猟兵達は三回戦への切符を手に入れる。
 最後の相手はこの意味不明なプロレス会場を作り出した主催者。
 刀を用いるプロレスなどという、ツッコミどころしかない空気を作り出した者が相手だ。
 心して、戦わねば。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『剣鬼『彼岸花のおゆう』』

POW   :    悪鬼剣『彼岸花』
【血を滴らせた大太刀『三途丸』】が命中した対象を切断する。
SPD   :    悪童の爪
【鬼としての力を解放した左手】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【血の臭いと味】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ   :    鬼神妖術『羅生門』
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【血で作られた紅の斬馬刀】で包囲攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はガイ・レックウです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ジェイミィ・ブラッディバック
【共闘アドリブ不採用OK】
待たれよ(スーパーヒーロー着地)
プロレスのバトルロイヤルは乱入こそが華
この私も飛び入り参加だ(頭からバケツ被ってる)
謎の覆面脱サラレスラー、マスクドJがな!

見よ我が愛刀、月光丸(お土産の木刀)を!
喰らえ必殺…月光ローリングソバットォ!(木刀使わずグラップルで回し蹴り)

(カウンター喰らう)
ぐはっ!? 私が沈むだと!?

(UC発動)
「立ちなさいなマスクドJ」
(金髪縦ロールスーツ姿でナイスバディだが頭から紙袋被った女が乱入)

あ、貴方は…私の上司、マスクド部長!?
「いいえ、私は昨年昇進した…謎の覆面社長、マスクドCEOですわ!」
(この後2人で滅茶苦茶剣鬼に対してグラップルした)



●立ち上がれ、マスクドJ!
 いよいよ三回戦。ここでようやく、主催者である彼岸花のおゆうとの決戦が始まる。
 おゆうは既にリングイン。様々なマイクパフォーマンスで観客達を賑わせ、刀を振るっては強気のアピールを見せて次なる参加者を待っていた。
「待たれよ、彼岸花のおゆうとやら」
 おゆうのマイクパフォーマンスの合間、静かな声が会場内へ響き渡る。リング上にいるおゆうも、周りの観客達も、声の主はどこからだと辺りを見渡して探そうとする。
 そんな中、会場がゆっくりと薄暗くなり……一つ、スポットライトが会場の一点を明るく映し出す。
「プロレスのバトルロイヤルは乱入こそが華。この私も飛び入り参加をさせていただこう」
 スポットライトが映し出した人物は、頭からバケツを被っておりその表情が伺えない。目の部分だけ横一文字に切り裂かれ、赤い眼光を見せているのがわかる程度。その人物は、自らこう名乗ったのだ。
「謎の覆面・脱サラレスラー……マスクドJがな!!」
 マスクドJもとい、ジェイミィ・ブラッディバック(脱サラの傭兵・f29697)。彼はいつの間にか三回戦への切符を入手しており、一番手として名乗りを上げていた。……が、マスクドJになったきっかけがこの会場の狂気に当てられたのか、それとも自ら狂気を演じることになったのか、それは本人にしかわからないこと。
「マスクドJですって!? なによ、刀はどこにあるのよ!」
「ふっ、案ずるな。私の愛刀は、今、ここに」
 そう言って彼が指を鳴らすと、会場の天井を突き破ってひと振りの刀―――月光丸(お土産の木刀)が舞い降りた。月光丸(お土産の木刀)は静かに主に握られるのを待ち、月のような柔らかな輝き(スポットライトによる反射光)を放っていた。
 挑戦権は確かにある。と納得した様子のおゆうは、マスクドJに向けてアピール用の刀を向ける。その刀の腕を見せてみろという挑発に、マスクドJは素早く月光丸(お土産の木刀)を手にリングへ上がり、開始の合図と共に技を放つ。
「喰らえ……必殺!! 月光ローリングソバットォ!!!」
 月光丸(お土産の木刀)手に繰り出したローリングソバットが、おゆう目掛けて繰り出される。もはや刀関係ない。だが誰もツッコミを入れる人がいないので、これはアリなのだ。仕方ない。
 勢いのある月光ローリングソバットをおゆうは刀の峰で軽々と受け止めて、カウンターと言わんばかりに思いっきりロープへと吹き飛ばし、月光丸(お土産の木刀)もろとも大太刀『三途丸』で叩きつけた。
「ぐはっ!? 私が……沈む、だと……っ!」
 たったの一撃でマスクドJは落ちた。おゆうの実力を計算出来ていなかった彼の敗北……そう思われたのだが、麗しい声が辺りに響き渡った。
「立ちなさい、マスクドJ」
 マスクドJが目を覚ませば、そこにいたのは金髪縦ロールのスーツ姿な紙袋の女性。―――ユーベルコード『かつての部下の失態は私が片を付ける』の発動により、やってきたジェイミィの前の職場の上司だ!
「あ、貴方は……上司、マスクド部長!?」
「いいえ、私は昨年昇進した……謎の覆面社長、マスクドCEOですわ!」
 突然現れた上司もといマスクドCEOに対しマスクドJは驚きの声を上げる。前の職場の上司との回線は確かに切ったはず……と狼狽えるが、なんと彼は緊急回線を削除し忘れていた。故に彼のピンチを緊急回線から聞きつけ、マスクドCEOが駆けつけたのだ。
「さあ、まだ敵は残ってますわよ、マスクドJ!」
「マスクドCEO、我々の力ならば剣鬼を手折ることも容易い!!」
「ちょっとちょっとぉ!? 聞いてないわよそんなのー!」
 二人のマスクがやってくるなんて、誰が想像しただろうか。おそらくおゆうさえも予想外の出来事だ。そんなことを気にすることもなく、マスクドJとマスクドCEOのグラップルは、おゆうへと大ダメージを与えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

地籠・陵也
【白竜と白猫】アドリブ歓迎
……ところで思ったんだが、このプロレス、ちゃんとパフォーマンスできているだろうか。
できていない気がしたんだ。なので俺は今回パフォーマンス重視で頑張ってみようと思う。(唐突)
なのでまずは敵の攻撃は敢えて【オーラ防御】だけで防いで……

ん?どうしたエインセル。(耳打ちされて)
……ふむふむ?いいんじゃないか、きっとみんながあっと驚くぞ。
よし、俺たち二人で最高のパフォーマンスを見せてやろう!

というワケで防御交代、エインセルがUCを使うのに合わせて【指定UC】。
幾何学模様を描く色の違う刀が乱れ飛ぶの、結構綺麗なパフォーマンスだと思わないか?
え?どっちも刀だぞ……?(純粋な視線)


エインセル・ティアシュピス
【白竜と白猫】アドリブ歓迎
(最初は子猫の姿で)
にゃーん?ねえねえりょーや、ぱふぉーまんすってなーに?
みんなをわーっとよろこばせること?だからみんなぷろれすでわーっていってるんだ、へー!
それじゃぱふぉーまんすがんばるのはとってもだいじだよね!

……にゃーん?ねえねえりょーや、ぼくいいことおもいついた!(人の姿になって耳打ちでごにょごにょ)
これならきっとみんなよろこぶよ!
にゃーん!がんばる!

よーし、ぼうぎょこうたいだー!
ぼくが【結界術】でこーげきふせいで、【指定UC】でおかえしにゃーん!
りょーやのユーベルコードといっしょにおそらにかたなでいろいろなもようをおえかきするぞー!
みんなよろこぶといーなー♪



●竜と猫の幾何学パフォーマンス!
「……そういえば、パフォーマンス、ちゃんと出来ているだろうか……?」
 ふとここまでに至る自分の活動を振り返り、どんな行動を取っていたか思い出す陵也。刀(ライトセイバー)を振るったり、刀(光の雨)で雪だるまの雪玉(刀)に打ち勝ったりとしてはいるが、その中でパフォーマンスと呼べるものは……残念だが、無い。
「にゃーん?? ねえねえりょーや、ぱふぉーまんすってなぁに~??」
 初めて聞いた言葉に反応した陵也の足元に居る白猫……もとい、エインセル・ティアシュピス(生命育む白羽の猫・f29333)。彼はプロレスを初めて見たのだが、本当にこれが初めてのプロレスで良いのだろうか。良いのだろう。飼い主である陵也が連れてきたのだから。多分きっとおそらく、エインセルにこんなプロレスを見せたことについては、後で双子の弟に叱られるのだろう。
 陵也はリングがよく見えるように、白猫状態のエインセルを抱き上げる。一人の女性が刀を振って、マイクを持って何かを喋っているのがよく見えた。
「パフォーマンスというのは、周りにいる観客を喜ばせる行動のことだ。ほら、あそこに居る人もああやってパフォーマンスで観客を楽しませているんだ」
 そう言って陵也が差した先にいるのは、主催者である彼岸花のおゆう。彼女のもとに挑戦者がまだ来てないためか、マイクパフォーマンスで観客達を賑わせているようだ。
 観客を楽しませること、というのを理解したエインセルはパフォーマンスを頑張ること=お客さんを喜ばせることと完全に理解。そして、何かを閃いたのか突然人の姿に切り替わる。
「ねえねえりょーや、ぼくいいことおもいついた!」
「ん? どうした、エインセル」
 ごにょごにょと耳打ちをしている二人。そんな二人の様子は、薄暗くておゆうには見えていないのだろう。ある程度のやりとりを終えると、二人揃って合意を取る。
「これならきっとみんなよろこぶ!よ!」
「いいんじゃないか。きっと、みんながあっと驚くぞ。俺たち二人で、最高のパフォーマンスを見せてやろう!」
「にゃーん!がんばる!」
 そうして陵也とエインセルは同時にリングへと上がる。陵也の手には刀(ライトセイバー)。一応、参加の決まりとして刀を持っていなければならないので、エインセルには刀(槍)を持っていてもらうことに。
 新たな挑戦者におゆうはマイクを放り投げ、二人に大太刀・三途丸を向けた。楽しませてもらうことでこのリングは熱くなり、観客達は更なる狂気へと導かれる。それを高らかに宣言すると、彼女は血で作られた紅の斬馬刀を数千本展開させた。
 斬馬刀の展開には観客達から歓声が一気に湧き上がる。その中には悲鳴も混じっているような気もしたが、おゆうにとってはそれは関係ない。飛翔している間にマイクパフォーマンスを行うことが、彼女のやり方なのだから。
(そういえばあのマイクはどこから投げられて、どこへ飛んでいくのだろう)
 ふと陵也はマイクの行方が気になった。投げられては投げ込まれるマイク、それは自分たちにも使えるのだろうか。なら今から自分たちが行うパフォーマンスのついでに、マイクでのパフォーマンスもありなのではないか? 様々な考えが頭の中に駆け巡る。
 同時に斬馬刀も会場内を駆け巡る。陵也とエインセルの行動を遮るように、あらゆる幾何学模様を描いては観客達を賑わせ、リング上の機材をぶち壊しながらもどんどん増え続ける。
 そんな大惨事が招かれているにも関わらず陵也もエインセルも防御を続けている。回避ではなく、その身に刃を受け続けていた。それはもちろん、反撃を行うための大事な動作の一つだ。
「にゃーん!ぼうぎょするよー!」
 そう言って発動するのはエインセルのユーベルコード『伝承を模す白羽の猫』。それは防御した相手の力を吸収し、放出することで同じ力を発動できるコピー系ユーベルコード。ザクザク切られる猫の体からは光が溢れ、同じ刃の雨を作り出す。
「忘れるな、こっちにも刀があることを」
 次いで発動したのは陵也のユーベルコード『【昇華】魔を斬り祓う生命の光剣』。雪だるま戦でも出た、刀(光の雨)だ。これも斬馬刀と同じく幾何学模様を描きながら飛び回る光の雨であり、幾重にも重なった模様に観客達は驚きと賞賛の声を上げる。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ! アンタ達のそれは、刀じゃないでしょう!?」
 刀ではないことに異議を申し立てる彼岸花のおゆう。持っていた三途丸をブンブン振り回し、抗議の意思を表したのだが……。
「え? どっちも刀だが?」
「かたなだよー?」
 純粋無垢な白い竜と白い猫には、抗議の意思がまったく通じなかった。それどころか陵也の目線は綺麗だろう?と訴えかけるような目。確かにエインセルのコピーした斬馬刀と、陵也の刀(光の雨)が描いている幾何学模様は綺麗なものだ。おゆうも空に浮かぶ模様については文句は言えない。
 だが、それとこれとは話が別だと大太刀・三途丸で斬りかかってきたおゆう。それを上手く遮るように、二つの刀は幾何学模様を描き続けたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

祝聖嬢・ティファーナ
WIZで判定を
*アドリブ歓迎

「ホントにパフォーマンス?剣撃/乱撃じゃないの?♪と呟きます☆」
『フェアリーランド』の壺の中から風/戦乙女・聖霊・月霊を呼びます♪
『クリスタライズ』で姿を隠して『エレメンタル・ピクシィーズ』で属性攻撃を『神罰の聖矢』で聖攻撃を仕掛けます!
敵の攻撃は『月世界の英霊』で避けて、敵のUCを『月霊覚醒』で封印/弱体化を仕掛けます♪
『聖精月天飛翔』でWIZを強化して『叡智富める精霊』+『神聖天罰刺突』で苛烈な猛攻を仕掛けます!

『祝聖嬢なる光輝精』で怪我を治して『シンフォニック・メディカルヒール』で状態異常を癒します☆

「戦乙女、天使!闘争に明け暮れる問題児に“天罰”を!」と言う


大豪傑・麗刃
(やたら低め渋めの声で)アニキ!
(プロレスのマイクパフォーマンスはこの言葉から始めるのが伝統らしいのだ!え?相手は女性?都合の悪い事は忘れよ!)
プロレスってのはプロのレスリングだろう。レスリングって刀使うものだっけ?
まあいいや。それもまた個性なのだ。でもどうせならこんなのはどうだろう。

(と取り出したのはドクロマークにDANGERとか書かれた箱!)

どっかの世界じゃプロレスで火薬で爆発とかやってるらしいじゃないか。やってみない?

(んで相手の刀を箱で受け止めるか、あるいはなんかの原因で激高して箱をリングに叩きつけるかして)

あ。

(爆発オチ発動!)

……だめだこりゃ。(黒焦げでアフロで口から黒煙出しつつ)



●爆発オチなんてサイテー!
「……ホントにパフォーマンス? 剣撃とか乱撃じゃなくて?」
 いくつかの試合を見ていたであろうティファーナは、ポツリと呟く。パフォーマンスよりも打ち合いの方が強くなってないか?という疑問が浮かび上がった故のつぶやきなのだという。
「アニキィ! いや、この場合はアネキィ! そもそもプロレスとはプロのレスリング……レスリングって刀使うっけ?」
 先ほど共闘した男、麗刃がその呟きに反応を示す。麗刃も麗刃でティファーナとは違うツッコミを入れたが、それに反応する者はいない。ツッコミを入れるべき相手が既に壇上に上がっているため、こちらの言葉が聞こえていないのだから。
 ならばと麗刃はどこかから飛んできたマイクを使い、再びアネキィ!!と挑発の言葉を仕掛ける。彼岸花のおゆうは新たな挑戦者に喜びの表情を示しており、すぐに麗刃を壇上へ上げた。
 彼が上がる前にティファーナはユーベルコード『フェアリーランド』を発動させ、壺の中から精霊達を呼び出しつつ、別のユーベルコードで姿を隠して飛び回る。麗刃が戦っている隙に、持てる力で援護射撃を行うようだ。
「そういえば」
 壇上に上がった麗刃は、何かを思い出したように手を叩いてゴソゴソと荷物を漁り始めた。おゆうもティファーナも彼の突然の行動に驚いたが、それよりも麗刃が取り出したものに更なる驚きの声を上げた。
「ちょっ、ちょっとぉーー!? アンタ、なんてもん取り出してんのよ!!!」
「?? どっかの世界じゃ、プロレスで火薬で爆発とかやってるらしいから」
 あっけらかんと言い放った麗刃が手に持っていたのは、髑髏マークにDANGERと大きく書かれた箱。麗刃の言葉通りなのなら、それは火薬の詰められた箱なのだろう。どこで手に入れたとか、どうやって収納していたとか、様々なツッコミはあるだろうが、誰からも飛んでこない。姿を消して隠れているティファーナでさえ、声なき声で笑っている。
 さあどうしたものか、これでおゆうの刀は麗刃に当てることはできない。かと言ってティファーナは隠れているために居場所を特定することができない。おゆうの行動は、今完全に制御されてしまった。詰み状態である。
 これこそが最高のショーだと言わんばかりに、ティファーナはありとあらゆる攻撃用ユーベルコードを動き回りながら放ち、精霊達の力も借りて更におゆうの動きを封じ込めた。攻撃の軌道が読まれ始めたところでおゆうの刀がティファーナの身体を切り裂くが、それも回復用のユーベルコードで即座に修復するため、痛手にはならない。
「お、おおー、すごいのだ。いろんなところからいろんなのが出てきている……」
 箱を両手に掲げたままの麗刃は、ティファーナの猛攻にちょっぴり驚いている。こちらに攻撃が当たることはまずないが、おゆうの攻撃はちまちまとかすり始めてきた。
 このままではギャグを披露できないまま爆発オチが確定しまう! と焦りを抱いた麗刃は、ティファーナとおゆうの猛攻の合間を縫っておゆうへと近づく。一歩、また一歩と手に汗握る攻防(?)が繰り広げられていた。
 ティファーナもまた麗刃の様子に気づいたらしく、猛攻を行いながらも徐々におゆうから距離を離し始めた。流石に爆発に巻き込まれるわけにはいかないし、彼が爆発に巻き込まれたあとに回復するのも役割の一つだと判断したためだ。
「ああ、もう!! ちょこまかちょこまか、邪魔ったらありゃしない!」
 おゆうの怒りが三途丸を通して伝わってくる。ブンブンと大きく振り回される刀は見境なく、近づく者をすべてを切り落とさんとしていた。当然近づいた者は、三途丸に切り落とされるわけで……。
「あ」
 三途丸によって切り落とされた箱が、真っ二つ。それに呼応するように麗刃のユーベルコード『爆発オチ』が発動、自爆から火薬へと誘爆が発生してリングのど真ん中で爆発が起きた。なお観客席は不思議な力で守られているため、無事だ。
 自爆するしかねぇ!! という麗刃の声も聞こえたような気もするが、その真実を知る者はいない。既に麗刃もおゆうもリング上でノックアウト状態だからだ。ティファーナは急いで麗刃に回復処置を施して立ち上がらせ、これ以上の深追いは危険だと判断してこの戦場を去った。

 残っているリングには大きく黒ずんだ跡が残されていた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レイ・アイオライト
……なんであたし呼ばれたの。(アインに)

いやまぁ良いのよ……剣鬼っていうからには相当な刀の使い手だろうし。
さて、と……(『謎の仮面』を被る)

あたしは謎の忍者R、アンタと戦いに来たわ!(マイク片手に)
謎の忍者Rは、強者を打ち砕き、弱き者を救うために戦う正義の忍者!行くわよ、アンタの刀、まるごと叩き折ってやるんだから!

あたしの愛刀、『篠突ク雨』がアンタの血を吸いたがってるわ!(正義の忍者とは)

刀の真名解放、【血刀蓮華】の力をほんの僅かに解放して、刃を振り抜くわ。間合いから届かないと思わせたところに『だまし討ち・暗殺』よ!

……で、これで終わり?な、謎の忍者Rは絶対に負けないわ!

……終わり?



●謎の忍者R、ここに見参!
「……なんであたし、呼ばれたの??」
 小首を傾げる彼女の名は、レイ・アイオライト(潜影の暗殺者・f12771)。どうやら途中で来れなくなった、アイン・セラフィナイトに代理をお願いしたい! と懇願されてしまったらしい。問題としてはこの場所がとんでもないカオスに満ち溢れているということなのだが、アインはもちろんそれは事前に説明している。刀を持たなければ参戦できないことも、パフォーマンスを行えば有利に働くことも、全てレイに話している。
「まあ……うん、剣鬼って言うからには相当な刀の使い手だろうし、いいんだけどね」
 仕方ないか、と小さく呟いたレイ。しかしこれからどうパフォーマンスに持ち込もうかと考えている最中、プロレスについて思い出す。そういえば、プロレスラーって仮面被っている人もいるなぁと考えを巡らせている。
 そして、レイがその手に取ったものは……。

「さあ、挑戦者はいる!? いないならまた今期も私が一番取っちゃうわよ!」
 マイクパフォーマンスで観客を楽しませ、同時に挑戦者に挑発を仕掛ける彼岸花のおゆう。ブンブンと大太刀・三途丸を振り回しては己の力を見せつけ、マイクパフォーマンスでは観客の心に揺さぶりをかけている。
「残念だけど、アンタの優勝はここで潰えるわ! 悪意を含んだそのパフォーマンス。このあたしが成敗してくれる!」
「誰っ!?」
 おゆうは声の主を探すべく、辺りを見渡す。そして観客席のある一点、立ち上がっている少女の姿をスポットライトが照らし出す。
「あたしは謎の忍者R! アンタと戦いに来たわ!!」
 ビシッと指を差し、正々堂々と勝負宣言を仕掛けてきた謎の忍者R。先ほどのおゆうのマイクパフォーマンスに合わせるように観客たちを沸き上がらせたところで、彼女は椅子を蹴って壇上へ。
 愛刀『篠突ク雨』が謎の忍者Rの手に収められると、それを片手で突き上げて大きく宣言する。
「謎の忍者Rは強者を打ち砕き、弱き者を救うために戦う正義の忍者! あたしの愛刀『篠突ク雨』もアンタの血を吸いたがってるわ!」
 正義の忍者とは一体何なのだろうか。それはツッコミが不足しているせいでこの場にいる誰もわからない。ただ確実にわかるのは、これから始まる戦いがカクリヨファンタズムの未来を決めるということである!
「さあ、行くわよ!アンタの刀、まるごと叩き折ってやるんだから!」
「それはこちらのセリフよ!!」
 刀と刀、篠突ク雨と三途丸が打ち合う。鋼のぶつかる音は観客達に更なる興奮を与え、衝撃は火花となってリングに散る。次々に繰り出される一手が相手に届かないことは、時が過ぎる毎に身に染み渡る。
 そこでおゆうは、己の鬼となった左手を解放。力を増幅させ、刀の攻撃に見せかけて左手による攻撃をも混ぜはじめた。これには謎の忍者Rも卑怯だと罵ったが、プロレスなので何の問題もないとレフェリーに窘められてしまった。
「そっちがその気なら……!」
 謎の忍者Rは一度距離をとり、篠突ク雨の力をほんの僅かに解放。ユーベルコード『血刀蓮華・篠突ク雨』を発動させて、刃を振り抜いた。おゆうはその距離から届くわけないと嘲笑っていたが、謎の忍者Rは小さく笑う。
 それは、フェイント。本来の刃の筋ではなく、見せかけの刃。ひと振りの刃に気を取られている隙に謎の忍者Rは間合いを詰め、おゆうの視界から外れてだまし討ちと暗殺のダブルコンボを食らわせた。
 一瞬の静寂。その後、おゆうはそのまま倒れ伏した。様々な戦いが積み重なっていたことにより、謎の忍者Rの攻撃の筋を読めなかったことが一番の敗因。倒れたおゆうを見下ろして、謎の忍者Rはほっと一息。
「……で、これで終わり、よね?」
 ちらりと周囲を確認すると、観客達が何かの一言を! と言わんばかりの目を見せていた。いわゆる勝利インタビューのようなものを待っているのだろう。一瞬だけ言葉に詰まったが、謎の忍者Rは右腕を高く上げてリングの中央で勝利宣言を述べた。
「な、謎の忍者Rは絶対に負けないわ! また何かあったら、あたしを呼ぶことね!」
 アール!アール!と何度も褒め称える声が会場内に響く。無論、こんなことになるとは思っていなかった謎の忍者R―――もとい、レイは小っ恥ずかしくなってしまった。
 終わりの宣言が入ると、素早くレイは戦場を離脱。今日の出来事は記憶から消そうにも、何度でも蘇ってしまうだろう。

 謎の忍者R。彼女の武勇伝は、後にカクリヨファンタズムに一部のファンが誕生するきっかけとなったことは、レイは知る由もなかった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月02日


挿絵イラスト