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ババア☆フェスティバル

#カクリヨファンタズム #ババアフェスティバル

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#カクリヨファンタズム
#ババアフェスティバル


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●ババアによるババアのためのババアが用意した祭り、開幕!!
 前回、ハロウィンとクリスマスとお盆と甲子園と、なんか持ち込まれてその他もろもろが混ざったカオスな大会がカクリヨファンタズムで行われた。
 あれから数日が経ち、平和なもんだなと思っていたところ。またしても村中に大音響で響き渡る声が。
「ヒェッヒェッヒェッ! なんだいなんだい、ひょろっちい若造達がゾロゾロと! ひょろっちくて見てらんないね!」
 突如村に現れたババアと、それに従うババア河童の集団。一体何が起こってるんだろうと思ったのも束の間、村のみんなが突如出てきた奇妙な霧によってババアに変わってしまった!
 子供も大人も男でも等しくババアとなってしまい、各地の家々で悲鳴が響き渡る! 男でもババアになってしまっているのだからなんとも恐ろしい力だ!
「ヒェッヒェッヒェッ! これで人数は揃ったねぇ!」
 仕掛け人のババアは、村の中央で高笑いを続けている。
 一体何が起こるのだろうか……?!

●もうわけがわからない
「大至急ツッコミ役はカクリヨファンタズムに向かってくれませんか。大至急。もう私の説明聞かなくていいレベルの速度で」
 真剣な顔で、けれどツッコミを抑えきれないという顔をしている男、金宮・燦斗(《奈落を好む医者》[Dr.アビス]・f29268)。前回、大変カオスな大会を予知して、報告書を読んだときにはもう二度とこんな馬鹿げた予知は来ないだろうと思っていたのに、またこんな珍妙行列の大会が行われる予知を見てしまってツッコミを抑えきれないというのが本音だそうだ。
「大人も子供も男もババアになってしまった上に、ババア夜行なんていう珍妙な百鬼夜行を行って、ババア同士の相撲を行おうなんていう馬鹿げた大会がまた起こるそうなんです。なので、ええ、大至急ツッコミを入れてきてくれませんか。ツッコミによる村人の生死は問いますが、主催者の生死は問いません」
 またしても起こりそうになっているツッコミ不足の恐怖。なぜこんな事が起こっているのかなんて、この場にいる誰にもわからない。
 燦斗が言うには、向かった先ではババア夜行はババアがババアではない者を脅かしているそうなので、それを耐え忍ぶのだそうだ。なお、ババア夜行の脅かし側として入ることも可能だが、入った場合は間違っても仲間を脅かさないようにと注意された。そりゃそうだ。
「相撲につきましては、そうですね……。ツッコミを入れればババアに変化した村人達を元に戻せるかもしれませんね?」
 やはりこの世界ではツッコミが大事なのだろう。些細なことでも良いからツッコミを入れ、カクリヨファンタズムを守ってくれと願われた。
 再び始まる狂気の宴、ツッコミに回るかボケに回るかは貴方次第……。


御影イズミ
 閲覧ありがとうございます、御影イズミです。そしてツッコミ系シナリオ第二弾です。
 はろはろクリスマス☆お盆の甲子園ではご参加いただきありがとうございました。
 今回もカオスはウェルカムです。ツッコミもウェルカムです。

 MSページ、並びに以下の章説明をよくお読みください。
 なお今回のシナリオに関してはどの章でもプレイングボーナスが「ババアになりきる」 or 「ツッコミを入れる」です。

●第一章
 冒険シナリオ。
 フラグメントでは百鬼夜行になってますが、今回行われるのは「ババア夜行」。
 その名のとおりババアが大名行列みたいに並んで進んでます。タダの恐怖。

●第二章
 集団戦シナリオ。
 ババア河童と相撲を取るシナリオ。若々しいけどババアです。河童の世界では。
 普通に戦うも良し、相撲をとって戦うも良し。お好きな方をどうぞ。

●第三章
 ボス戦シナリオ。
 こんなカオスを生み出した最恐ババアを討伐しに行きます。
 もちろんババアVSババアを演じるも良し、なんでこんなことをした!とツッコミ入れるのも良し。

 皆様の素敵なプレイング、お待ちしております。
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第1章 冒険 『百鬼夜行肝試し』

POW   :    怖さなんか気合いで乗り切るぜ!

SPD   :    怖いのは嫌だから走り抜けるよ!

WIZ   :    驚かせる側を逆に驚かせてやろう!

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

伊敷・一馬
不採用含め全て歓迎だ!
SPD対応。止まらず駆け抜ける事こそジャスティーイ!
(なおボケ倒れる模様だべ)

ツッコミ不在の恐怖、私は重々承知している。故にここは私が文字通り一肌脱がねばなるまい。半永久的に輝く美の極致、ツッコミの一番星として!
(ツッコミさん、この人だべ)

まずはそこ逝くババァよ!怖かったろう、醜いしわくちゃのババァになって。
元がなんなのか分からんが、私の美しきY字バランスにより浄化されるがいい。
上を脱ぎUC発動、素晴らしき筋肉を見せつけるぞ!
(ババァに失礼過ぎるとかツッコミはしないのかとか上半身だけの変化じゃY字バランス意味なくねとかお前浄化技能ないだろとか色々と追い付かないべ!)


ジェイミィ・ブラッディバック
※アドリブ・絡み歓迎です
【POW】
カクリヨファンタズムは初めて行くんですよねぇ、どんな世界…(絶句)

…まさか少子高齢化が深刻なまでに進行している世界だったとは(誤った認識)。これは確かに世界が崩壊します。ババアポカリプスです。
ええと…この行列はなんでしょうか。高齢者女性層の顧客を軽視した企業への抗議デモか何かでしょうか。違いますかそうですか。

脅かしてきたお婆様はクレーム対応の要領で宥める方向で参りましょうか。…あぁ落ち着いて下さいお婆様、お気持ちはご理解しますがどうか冷静に。

しかし何故老婆をプッシュするのか理解に苦しみます。ゴリ押しは一歩間違えるとマーケティングの失敗を招く恐れがあるのですが。


エインセル・ティアシュピス
【アドリブ連携大歓迎】
にゃーん!?おばーちゃんがいっぱいだー!
ぼくこのまえカクリヨファンタズムにあそびにいったときによーかいのおばーちゃんがあめだまさんくれたんだ。
でもこのおばーちゃんたち、そのおばーちゃんとはちがってちょっとこわそう……

でもおばーちゃんはねこがすきってりょーやがいってた!(飼い主の謎知識)
よーし、ねこのすがたにもどって【指定UC】でねこたちといっしょにおばーちゃんについていくぞー!
ひゃっきやこーならぬひゃくねこやこーだー!
ねこがたくさんいるとあにまるせらぴーになるってりょーやいってたし、あにまるせらぴーで【浄化】したらおばーちゃんにされたようかいさん、もとにもどらないかな?


遠吠・狛
なにこの惨状!
あっちみてもこっちみてもオババしかいないんだけど?!

こんなオババまみれ、いったい何の意味があるん……?!
っていうか、そもそもなんでオババ?!

あとめっちゃこっち脅かしてくるんだけど!めっちゃ見てくるんだけど!
うちなんかオババに悪いことしたっけ?してないよね……?!

これだけオババに凄まれたら、それはそれで怖いっていうか……!
っていうか、こんなん耐え忍べるかー!

って感じて【狂気耐性】で正気を保ちつつ、オババ夜行に突っ込みいれてみるん!

絡み、アドリブ大歓迎だよ!


藤崎・美雪
【WIZ】
アドリブ連携カオス叩き込み大歓迎

(ババア夜行の行列を見て遠い目)
あー…これはひどい
グリモア猟兵が急かすのもわかるな
珍妙なんてレベルじゃない
泣く子も黙る…どころか裸足で逃げるだろコレ
というかお近づき申し上げたくないわ

まあ、そんなことも言ってられんのでツッコミだ
これ以上の大惨事は防がねばならん

だいたいなぜババア限定なのだ
ジジイとかではだめなのか
妖怪の世界にも多様性はあるだろうが
一方的にババアを押し付けるんじゃないよ

最後には面倒になって後頭部をハリセンツッコミ(まさかの物理)
脅かし役の猟兵を巻き込んだらスマヌ
何、これは紙のハリセンだ
まだ鋼鉄製ハリセンを持ち出さないだけ優しいものだろう?


瀬堀・秋沙
ババアをババアたらしめる要素は何か。年齢ではない。姿でもない。
…人にそう呼ばれた時に、初めてそうなるのよ。

オジサン(魚)もオジサンと呼ばれたからつまりオジサン(魚)なのであって学名で呼べばオジサン(魚)は成り立たず。この理論は恐らく正しいと猫は思うにゃ。

姿はババアであろうとババアと呼ばれなければつまりババアではなく、脅されている以上私はババアではなくババアと発声される前にその失礼な喉を殺っちまえばババアにならずに済むのではないかにゃ?
バベルの塔がなぜ崩壊したか、ネコは真理に近付いた気がするにゃ。
にわか哲学者の私は、敢えて行列をこう呼ぶにゃ…
さっきからうっせぇのにゃ、ババア!

※アドリブ歓迎にゃー



●ツッコミとボケの猟兵隊、大集合!
 たった今カクリヨファンタズムで行われているババアしかいない百鬼夜行、通称『ババア夜行』。主催者のババアの不思議な力によってババアに変えられた住民達が練り歩き、犠牲者を増やそうとババア特有の金切り声を上げて列を成している。
「いやこれ、泣く子も黙るっていうか……裸足で逃げるだろ」
 そんな行列に対して呆れた声を出す猟兵、藤崎・美雪(癒しの歌を奏でる歌姫・f06504)。ハチャメチャに遠い目をしている。そりゃあ、こんな光景を目にしてしまえば誰だって遠い目になってしまう。仕方ないことだ。
「あっちみてもこっちみてもオババしかいないんだけど?! いったいなんの意味があるん……?!」
 ババアの行列を見渡しては驚きの声しか出ない遠吠・狛(野生の狛犬・f28522)。ババアの行列に意味を見出そうとしたが、どう考えたって意味はなさそうだし、なんなら眺めているだけで威嚇の声を上げられているのだ。怖い。
「にゃーん!? おばーちゃんがいっぱいだー! すごーい!」
 そしてこちらはババアの行列に純粋に驚いているのはエインセル・ティアシュピス(生命育む白羽の猫・f29333)。以前、同じカクリヨファンタズムで出会ったおばあちゃんには優しくしてもらったことはあるのだが、ここにいるババア達には優しくしてもらえないし、なんなら怖いという感情を植えつけられている。
「……まさか、少子高齢化が深刻なまでに進行している世界だったとは……」
 こちらは初めてカクリヨファンタズムにやって来たという猟兵、ジェイミィ・ブラッディバック(脱サラ傭兵・f29697)。実際そういう世界ではないのだが、初めて見たカクリヨファンタズムがこんな異質な光景なのだから勘違いされても仕方がない。本当はこういう世界じゃないです。ババアのせいでこうなっただけです。
 四人の猟兵達がそれぞれババア夜行に対して様々な感想を上げている中、ゴソゴソと何かを準備する猟兵が二人。
「仕方ない……ここは、私が文字通り一肌脱がねばなるまい」
 す、と四名の前に出たのは伊敷・一馬(燃える正義のひょっとこライダー・f15453)。何を準備しているかと思ったが、何も準備はしていないようだが……?
「ババアをババアたらしめる要素は何か。年齢ではない。姿でもない。…人にそう呼ばれた時に、初めてそうなるのにゃ」
 そしてこちらは、前回のはろはろクリスマス☆お盆の甲子園でも色々と持ち込んでカオスを作り出した猟兵、瀬堀・秋沙(都の果ての化け猫船長・f29290)。既に彼女の左腕にはクーラーボックスが備えられている。何を持ち込んできたのだろうか、一体。
 ともあれ猟兵達はそろい踏みだ。早い内にこのババア共をなんとかしなくては、カクリヨファンタズムがツッコミ不足によって崩壊してしまう。それだけは本当に、本当に避けなくてはならないのだ。

●ババアって名前だからババアになる。
「良いか、ババア共! お前たちはババアという名称をつけられたからこそ、ババアとなってしまったのだ!」 
 ババア夜行の流れに向かって大声を上げたのは秋沙だ。その隣には美雪もいる。ただ、美雪の目線はババア夜行よりもむしろ、秋沙の持っているクーラーボックスに向けられている。これは一体何に使われるのだろう。そう思っていた矢先、秋沙はクーラーボックスを地面に置いて、蓋を開け……。
「この魚を見よ! これはオジサンという名前の魚! 学名で呼ばれず、最初にオジサンと呼ばれた故にオジサンとなってしまった哀れな者だ!」
 いきなり高らかな宣言を上げた秋沙は、クーラーボックスからいくつかの魚を取り出してババアの行列に見せつける。その声に反応した行列のババア達はなんだなんだと近づいて、魚をじっと見つめ……ぎゃいぎゃいと秋沙を叱りつけ始めた。叱る内容については、ババア特有の入れ歯のない状態で喋られたよくわからない言葉なので割愛。
「いや、それを言うだけにそのクーラーボックスあるんかい!!」
 秋沙が作り上げたこの状況に、思わず美雪がツッコミを上げた。ビシッ、と裏拳でツッコミを入れるのを忘れないように。
「にゃんと、美雪ちゃんはわかっておらぬな。名前というのは大切なもの。この理論は間違いなく正しい、猫はそう思う」
「いやそうだけど!! 理論上はそうかもしれないけど解決策としてはなんにも役に立ってないよ!?」
 そう、美雪の言うとおり解決策としては何も役に立っていない。ただ魚を突きつけては魚の名前を呼んだだけである。それがどんな解決策になるのかと問われれば、本来は誰も答えられないだろう。けれど、秋沙はこう答えたのだ。
「姿はババアであろうとババアと呼ばれなければババアではなく、現状脅されているので私はババアではなく。そしてこのババア達にババアと発声される前に失礼な喉を殺っちまえば、我々はババアにならずに済むのにゃ」
 なんとも非道な攻略法ではあるが、理にかなっているので大正解ではある。確かにそうだけどさあ!と声を上げた美雪が行動するよりも先に、秋沙は集まってきたババア達の喉を素早く切って発声を押さえ込んだ。
「結局物理的解決じゃないかーー!!!」
「にゃっはっはっ。誰が平和的解決だと言ったかね」
 ふんぞり返る秋沙の足元には、喉を切られて発声ができなくなったババア達。後に外側であるババアの部分が剥がれ落ち、呪いが解けて元の住民たちに戻ったのは言うまでもない。これには秋沙も、にんまりと良い笑顔。
「あーもぉー! 私だってツッコミのためだけにコレを用意したわけじゃないんだけどなーー!!!」
 美雪の手にはツッコミ用のハリセン。紙製なので大きなダメージは与えられず、与えたとしてもちょっとした昏倒状態になるだけだ。しかし彼女のツッコミ度合いに応じて力が強くなっているのか、ババア達は3,4人まとめて何十メートルという距離を吹っ飛んでいた。
 やがて一部の行列が二人のボケとツッコミによる強硬手段で吹き飛ばされ、住民たちは元通りになったのだった。

●見よ! 素晴らしいこの筋肉!
 続いては一馬と狛のペアが、別の行列を押さえ込もうとしている。ぎゃいぎゃいと叫ぶババア達が練り歩き、狛をめちゃくちゃ脅かしてくる。
 狛が一生懸命ツッコミを入れて住民を戻しても、すぐにババア行列に戻されてしまいどうしようもない。そんな中、一馬が準備を終わらせたのか、行列の中へと入り込もうとする。
「あっ、ちょ、一馬……?!」
 狛が止める言葉も聞かず、一馬は行列の中にいる一人のババアに声をかける。その様子はまるでイケメンが女の子に声をかける洒落た雰囲気なのだが、一馬のひょっとこ頬っ被り面と対峙するババアという絵ヅラがあまりにもリアリティが強すぎて、良い雰囲気のはずなのだが何かがズレてしまっている。
「そこ逝くババアよ、何処のどなたかは存ぜぬが怖かったろう。醜いしわくちゃのババアになって……」
 手を差し伸べながらかける言葉、まさにイケメンだなぁ、と遠い目の狛が眺めている。これでババアが元の住民に戻ってくれたら良いのだが、流石に効力が薄いらしく戻る様子はない。
 なんてことを考えていたら、突然一馬が赤ジャージを脱ぎ始めてしまったため、狛は思わずツッコミを入れてしまった。
「いやいやいやいや!! なんでそこで脱いだ!? っていうか今のやり取りで脱ぐ意味はあった!? ないよね!? あれぇ!?」
 そう、脱ぐ意味なんて全くない。全くないのだが、一馬にとっては素晴らしくも美しいY字バランスのある筋肉を見せつけることで浄化できると信じていた。信じることは正義である。
 一馬のユーベルコード『美しき肉体変化』は、まさに今の現状を明るく照らすものだ。そんな肉体美があんまりにも眩しすぎて、狛の顔が遠い目から虚無へと落ちてしまった。
「ふっ、この素晴らしい筋肉ならば、ババアの呪いもイチコロだべ!」
「いやババアに筋肉を見せるだけで呪いが解けたら苦労しないよぉ!!??」
 あんまりにもアレな状況にツッコミを入れたのだが、一馬のポーズは狛のツッコミよりも強力だった。何故かババア達は素晴らしくも美しい筋肉のオーラによって呪いが解かれ、元の住民達へと戻っていったのだ。そんな事実は住民達は知りえないため、ある意味セーフではある。
「なんでだあぁーーー!!??」
 こんな単純なボケが通用するとは思ってなかった狛の大声が、行列の途切れたババア夜行の中に響き渡った。

●ねこねこクレーム処理班。
「にゃーん、ちょっとこわい……」
「よしよし、大丈夫ですからね、エインセルさん」
 一方こちらはババアの行列が怖くて、ジェイミィの足にしがみついているエインセル。前に会ったおばーちゃんよりも大きな声で怒鳴られるし、叩かれそうになるしでとても怖い。
「しかし、この行列はなんなのでしょうね……? 高齢者女性層の顧客を軽視した企業への抗議デモ……というわけではなさそうですし……」
 ふむ、と軽く行列を見渡して情報を整理するジェイミィ。普段から顧客の情報を確認して懇切丁寧な対応を行う者としては、この状況も何か企業への怒りが爆発したのではないかと考えていたが、どうやら違うようで。聞こえてくる言葉から情報を推察しようにも、入れ歯の外れた喋り故に全く何も聞き取れない。不便である。
 そこへふと、エインセルが何かを思い出したようだ。ピンと耳と尻尾を立て、ぽんと手を叩く。
「そうだ! おばーちゃんはねこがすきって、りょーやがいってた!」
 りょーやというのはエインセルが猫の頃からの飼い主であり、今も一緒に旅をすることがある。そんな飼い主からの知識を思い出したエインセルは、ジェイミィのすぐそばで猫の姿に戻る。
「わぁ。エインセルさん、どうしたんですか?」
「おばーちゃんはねこがすき! それなら、ぼくとぼくのおともだちで『あにまるせらぴー』してあげようとおもって!」
 そうしてエインセルはユーベルコード『羽根子猫の天国』を発動。羽の生えた子猫達がにぃにぃと鳴き声を上げ、ジェイミィの足元にたくさんやってきた。抜け毛がすごいが、それよりもジェイミィはふと思いつく。大人数を相手するのではなく、子猫らによるアニマルセラピーを行い、誘導で一人ずつクレーム対応をしていけば時間はかかっても確実な対処ができるのではないか?と。
 その対処ならば行けるだろうと、エインセルに作戦の詳細をわかりやすいように説明。ジェイミィの説明はまさに顧客への丁寧な対応そのもので、子猫のエインセルでも理解が出来るものだった。
「それじゃあ、ぼくたちはおばーちゃんたちにあにまるせらぴーをしてくるね!」
「はい。それでは私はクレーム対応本部を設置しますね」
 そうしてジェイミィは近くに落ちていたボロ机と椅子を借り、板に大きく『クレーム対応本部』と書いて机のそばに置く。エインセルが呼び出した子猫達に誘導されたババア達が一人、また一人、クレーム対応本部にやって来る。
 ババア達の怒りの混ざった脅しを受けながらも、ジェイミィは華麗に対応する。それは今までの経験を活かした対応処理で、どのババア達も怒りが収まれば脅すこともなくなって元の姿へと戻る。
 一方でエインセルのアニマルセラピーも効果が出ていた。クレーム対応をする必要のないババアは、抱き心地の良い子猫を撫でたり抱いたりわしゃわしゃしたりするだけで心が癒されているようで、ただそれだけで元に戻る。やはり猫は正義なのである。

 こうしてババアによるババアの行列、ババア夜行は終わりを告げた。
 だが、忘れてはならない。猟兵達の前にはまだババアの手先と、この騒動を引き起こした張本人のババア本体が残っているのだ。
 焦ってはならない。ツッコミによってババア夜行が終わりを告げたのだから、この先もツッコミは必要だ!
 往こう、猟兵達! カクリヨファンタズムの未来はどっちだ!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『蝦蟇河童』

POW   :    跳躍浴びせ倒し
単純で重い【跳躍からのボディプレス】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    蝦蟇突っ張り
【張り手】が命中した対象に対し、高威力高命中の【舌の攻撃を交えた連続の張り手】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    蝦蟇ベロ攻撃
【口】から【鞭のような長い舌による巻き付けや投げ】を放ち、【痛みや拘束】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ジェイミィ・ブラッディバック
【アドリブ共闘歓迎、不採用OK】
相撲は生憎と明るくないのですが、知っている格闘技でお相手をば。
UCを実行。音声出力をリアルタイムかつ外部アナウンスに。

**以下、スクルドシステム音声**

さぁ青コーナー、ジェイミィがリングイン!カクリヨファンタズム特設スタジアム全体に響く観客の「ジェイミィ!ボンバイエ!」のコール!もはやプロレスですが相撲は英語でスモウレスリング、何も問題はありません!さぁゴングが鳴った!お互い睨み合うがおっと河童が怒涛の突っ張り、しかしこれを読んでいるジェイミィ!…あの黒いエルボーガードはまさか!?ダッシュからの…ウエスタンラリアット炸裂ゥ!今の彼はブレーキの壊れたダンプカーだ!



●始まりのリングイン
 次に始まるのは、ババア相撲。
 蝦蟇が相手だが、相手をする蝦蟇達は見た目は若いが中身はババアというツッコミどころ満載のババアだ。ババア夜行にいたババア達よりもはるかに攻撃的なババアである。これ、重要。
 そんな蝦蟇ババア達によって繰り広げられるババア相撲。土俵の上では蝦蟇ババア達が四股を踏み、張り手を以て突き飛ばして勝利を得ているのが見えた。

 ジェイミィもまたそんな参加者の中の一人であり、既に準備をしている。ユーベルコード『S.K.U.L.D.System』を起動させ、音声出力を最大限に生かすように調整、リアルタイムかつ外部アナウンスへと切り替えてから土俵へと上がる。
 一人の蝦夷ババアがそんなジェイミィを見つけ、四股を踏む。威嚇と言わんばかりに大きく踏んでいるのだが、ジェイミィには関係がなかった。それどころか、ジェイミィは相撲の構えではなく、別の構え方をとっている……。
「相撲は生憎と明るくないので、私の知っている格闘技でお相手をば」
 周囲にいた観客達はS.K.U.L.D.Systemにより熱い雰囲気を持ち始め、ジェイミィ!ジェイミィ!とコールを叫び続ける。気づけば土俵はカクリヨファンタズムの特設会場へと変化しており、先にいた相撲観客以外にも様々な観客が会場内に現れ、ジェイミィを応援する声が響く。
「これは相撲じゃないだろう!? 反則、反則だ!!」
 目の前にいた蝦夷ババアが行司に対し意見を述べるも、それを遮るのはS.K.U.L.D.Systemからの音声。相撲は別称スモウレスリングと呼ばれるもので、特設会場とはいえ現在行われているのは間違いなく相撲。なので何ら反則行為などではない、と声高々に告げられた。
 ―――なお、ジェイミィの構えは相撲ではなくプロレスの構えを取っているのだが、それについてのツッコミは……残念だが、ない。
 ならば勝てばよかろうなのだという蝦夷ババアは構えを取り、ゴングの音と共に思いっきり突っ張りを放ってきた。連続突っ張りによる攻撃はジェイミィの身体を一気に土俵際まで追い込むが、素早く蝦夷ババアの後ろへ回り込み距離を取る。怒り任せに振り返って連続突っ張りを与える蝦蟇ババアは、ジェイミィのその行動に意味が有ることに気づいていない。
 4度目の振り返り。その瞬間、ジェイミィは相手が振り返って攻撃するよりも早く、地を蹴って勢いを付け……思いっきりラリアットの構えで蝦蟇ババアの顔を叩きつける。振り返ってすぐに突っ張りをしようとした蝦蟇ババアはその予想外の行動を避けることはできず、ラリアットが直撃したために脳震盪を起こしそのまま地に倒れ伏した。
『勝者ァ! ジェイミィ・ブラッディバーーーーック!!』
 S.K.U.L.D.Systemによる勝者名の読み上げは、会場内の観客全員の興奮を爆発させた。大きな歓声は会場内を震わせ、ジェイミィの勝利を祝い続けていたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

エインセル・ティアシュピス
【アドリブ連携歓迎】
にゃーん、おすもーってどういうのだっけ?
ぼく、おすもーのことぜんぜんわかんにゃいや……

んーっと、んーっと、とりあえずかえるさんみたいなかんじにおててのばしてはーい!っておしあいっこしたらいいのかな。
うーん、おされないようにするなら【結界術】しないとすぐとんじゃうから、それでおされるのがまんしながら【指定UC】でおっきなおててをはーい!ってしたらいいのかなー?
とってもおっきいおててだからいいかんじにおすもーできるとおもうよ!にゃーん♪

のこったのこったー!っていえばいいんだよね?
にゃーん!のこったのこった!のこったのこったー!
(【破魔】を乗せながら指定UCで張り手しまくる子猫)



●のこったのこったー!
 一方別の土俵では、可愛らしいエインセルが相撲についての悩みを見せていた。
 飼い主からの知識も無ければ、今ここで教えてくれる人はいない。どうしたらいいのだろうと思い悩んでいた。
「おすもーってどういうのだっけ? ……ぼく、おすもーのことぜんぜんわかんにゃいや……」
 ぷぅ、とほっぺを小さく膨らませるエインセル。そんな中でも蝦蟇ババア達は土俵の上で相撲を続けている。見てから覚えようと思ったエインセルはギリギリまで土俵に近づき、おすもーのお勉強を始めた。
 最初はしゃがんで二人でにらめっこして、真ん中の人がはっけよーい、のこったを言って。そしたら思いっきり腕を伸ばしてべしべし叩いたり押し合いっこしたりして、倒したりお外に出したりすればいい。
 ちなみに蝦蟇ババア達が土俵を固めるための塩を投げている様子も伺えたが、エインセルには塩を投げているということ自体分かっていない。何かを投げているなー程度にしか考えていないので、今回は本当に相撲の基礎の基礎のみのお勉強である。
「んーと、んーっと。かえるさんみたいに、おててのばしておしあいっこしたらいいのかな?」
 相撲の知識を取り入れたエインセルは早速やってみたくなったそうで、土俵の上に上がった。蝦蟇ババアが何か言ってきたが、頭の中で繰り返し相撲のやり方を思い出しているエインセルの耳には全く届いていない様子。そのせいで更にギャアギャア言われているのだが、やっぱり気にしていない。
 すぐに押されて飛んでしまうのを抑えるために結界術を発動させ、小さな手では押せないだろうからとユーベルコード『邪霊を廃せし聖なる猫拳』で大きな猫の手を呼び出す。これでエインセルの相撲スタイルが完成。
 行司による合図と共に、エインセルは前へ出る。べしべしと巨大な猫の手で蝦蟇ババアを叩きつけ、グイグイと土俵の外へと追いやろうとしている。破魔の力による攻撃が効いているのか、蝦蟇ババアは反撃しようにも一瞬の麻痺状態が続いているようだ。
「にゃーん! のこったのこったー!」
 ―――純粋無垢な子がやる相撲というのも、なかなか残虐なものである。ツッコミをする者がいないと、ルールを教える者がおらず余計に無垢な残虐性が増してしまうものだ。
 一方的に叩きつけ、一方的に押し込められ、一方的に土俵を追い出された蝦蟇ババア。無論反則技などは使っていないため、エインセルの勝利。勝利なのには間違いないのだが行動が遺憾であると怒りを顕にした蝦蟇ババアは、なんと土俵外から舌を伸ばしてエインセルを捕まえようとしてきた。
「にゃーん!? わるいことしたら、めーなんだからね!!」
 再び大きな猫の手が蝦蟇ババアを叩きつける。エインセルに舌が届く寸前で押しつぶされた蝦蟇ババアは、その一撃で見事に撃沈。二度と土俵に上がる様子もなく、その場で伸されてしまったのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

瀬堀・秋沙
日本のお家芸、SUMOUにゃ?
ならば土俵で戦ってやるにゃ、私の土俵でにゃ…
さあ、ゴング鳴らすにゃ!

初っ切のフルコース+オマケをご馳走するにゃー!
塩撒く代わりに岩塩で殴りかかり(反則です)
拳を握り込んでの張り手だにゃー!(パンチで反則です)
ついでにけたぐりって足技あるにゃ?サマーソルトからのシャイニングウィザードとか美しくないかにゃ?(反則)

跳躍からのボディプレスとは中々の反則だにゃ、あ、行司さん軍配貸してにゃ?
浮き球にはスマッシュと相場が決まってるにゃー!(テニヌで反s)

最後は肘打ち(ry)と見せかけて、必殺スマッシュ猫パンチ!これぞまさに、猫騙しにゃ…(違います)

※アドリブ乱闘お任せにゃー!


遠吠・狛
オババ行列が終わったと思ったら、蝦蟇と相撲!

もうわけがわからないんだよ?!

でも勝負を挑まれて逃げたとなれば狛犬女子の沽券にかかわるからね!
どんとこいだよ!

四股名は「狛乃犬」とかにしよっか、ノリノリだね!

小柄ながらに四股踏んで。
構えて見合ったらはっけよい!

突っ込んでくる相手の勢いを【オーラ防御】で殺して、がっつり組み合うね!
細腕に見合わずの【怪力】で掴んだ相手の回しを持ち上げて、蝦蟇を浮かせたら、そのまま一気に【吹き飛ばし】で土俵の外へとぶん投げるよ!

蝦蟇がかろうじて土俵に残ったら、追い打ちをかけるようにUC【神滅咆哮】を浴びせかけて土俵から落とすね!

ごっつぁんでした!

絡み、アドリブ大歓迎だよ!



●化け猫と狛犬、準備開始。
「ふむふむ、日本のお家芸……なるほど、SUMOUか!」
「いやオババの行列が終わったと思ったら蝦蟇と相撲ってもうわけがわからないよ!?」
 クワッ!と目を見開いて土壌を見る秋沙。それに対し狛は思わずツッコミを入れたのだが、相撲という勝負を挑まれることによって狛犬女子の血が騒いだようだ。
 しかしそんな中でも奇策を忘れないのが秋沙。ピコン、と何かを閃いては狛へとこっそり耳打ちする。
「ふっふっふ、狛ちゃんや。私に一つ策があるのだが、聞いていかないかい?」
「策??」
 果たして秋沙が思いついた策とはなんなのか? そして、狛はこのボケの流れに飲み込まれてしまうのか? 彼女達の準備は、もちろん万端である。

●SUMOU、開催。
 行司の声で土俵の上の蝦蟇ババア達が思いっきりぶつかり、一瞬のうちに相手をはじき飛ばすのが見えた。倒れた蝦蟇ババアは倒れたまま起き上がることはない。それを確認した残った一匹の蝦蟇ババアが土俵の上から降りようとしたとき、その声は響いた。
「残念、まだまだ相手は残ってるよ~!」
 土俵の上に立っているのは秋沙と狛……もとい、四股名・狛乃犬。彼女達は蝦蟇ババアに対し、変速的な2対2の勝負を持ちかけてきたのだ。
「ふっふっふっ。まさか私の土俵に立てないということはあるまいにゃぁ?」
 ニヤリと笑みを浮かべた秋沙。その手には何か、大きな塊が見えるのだが……蝦蟇ババアには秋沙の手元は見えていない。狛乃犬の姿もあってうまく隠しとおせているようだ。
 挑発を受けた蝦蟇ババアはもう一人の蝦蟇ババアを呼び寄せ、その申し出を受け入れた。2対2の変速級の相撲だが、行司もそれはそれで盛り上がるから良いと判断したらしい。秋沙と狛乃犬、二人揃って四股を踏み、構えて見合って……行司の合図とともに、素早く秋沙が仕掛けた。
「とりゃー! まずは塩を撒くのを忘れずにー!」
 その手に持っていた岩塩を振りまいた。開始の合図の後に振りまくのはもちろん反則なのだが、秋沙にその言葉は通用しない。岩塩によって一人の蝦蟇ババアの目を奪うことは出来たが、もう一人は奪えなかった。
 目が正常な蝦蟇ババアは素早く秋沙に突っ込んでくるが、それを取り押さえたのは狛乃犬。オーラによる防御で勢いを殺し、ガッチリと組み合った。これで目が正常な蝦蟇ババアは狛乃犬との相撲を行うことに。
「おっとっと、やっぱり強い! でも負けないよっ!」
 狛乃犬は細腕に見合わない怪力を発揮すると、蝦蟇ババアの回しを思いっきり持ち上げる。地につかない足をバタバタさせているのを尻目に、狛乃犬は勢いをつけて蝦蟇ババアを吹き飛ばした。
 勢いは良かったし、角度も問題なかった。だが最初に秋沙が撒いていた塩がストッパーの役割を果たしてしまったため、蝦蟇ババアは土俵の淵にギリギリ踏みとどまってしまった。
 蝦蟇ババアは、反撃を行おうと前に出たが……目に見えぬ圧倒的な力が、蝦蟇ババアに降り注ぐ。狛乃犬のユーベルコード『神滅咆哮』によって、狛乃犬の口から発せられた咆哮が衝撃波となって蝦蟇ババアに降り注いだのだ。
 これにより、狛乃犬の勝利が確定。行司は高らかに狛乃犬、もとい狛の勝利を宣言した。
 一方の目がしみている蝦蟇ババアの方はというと、秋沙が相手をする。彼女に『正論』という言葉もないし、『反則』の言葉もない。そのため、思いっきり握り締めた拳で蝦蟇ババアを殴った。なお、これは秋沙曰く張り手である。
 張り手でひるんだところで、素早く足を狙ってけたぐり。サマーソルトで相手が怯んだところに、シャイニングウィザードの強烈な一撃。これも彼女曰く張り手である。
 ぶっ倒れたところで思いっきり跳躍し、ボディプレスを打ち付ける秋沙。なおこれも張り手だ。起き上がった直後、秋沙は何かを思いついたのか行司の方へと声をかけた。
「あっ、行司さん軍配貸して?」
 一体何に使うのかと問われれば、何も答えずにウィンクを返した。蝦蟇ババアに近づいたかと思えば素早く軍配を振り上げ、その頭に強烈なスマッシュを打ち付ける。そう、まるでテニスのラケットを振るってボールを打つように。
 一瞬行司が反則で秋沙を止めようとしたものの、ここまで来たら彼女はもう止まらないし止められない。最後の一撃だと言わんばかりに肘打ちを構え、蝦蟇ババアに突撃する。……が!
「ふはははー! これぞ猫騙し!にゃ!」
 肘打ちが決まる寸前、秋沙のユーベルコード『必殺!超速秋沙パンチ!!』が発動。魔力が全身を強化したかと思えば、その強化された力による猫パンチが炸裂する。肘打ちの構えとはなんだったのか。それはフェイントなのかもしれないし、本当に打ち込もうとしたけれどやっぱり猫パンチのほうで終わるのがかっこいいと思ったのかもしれない。
 これが秋沙式相撲、もといSUMOUなのである。行司も観客もポカンとしていたが、ドヤ顔の秋沙と狛を見ていると、むしろこれも一つの相撲なのだと納得してしまったのだった。
 ―――ツッコミ不足の恐怖は、今日もまた続く……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

藤崎・美雪
【WIZ】
アドリブ連携カオス大歓迎

いやチョットマテ!!
猟兵と言っても私は完全に支援専門でな
相撲を取れる程の腕力や体力は皆無なのだよ
…実際勝てる気しない(ぼそり

なぬ、それでもいいから相撲を取れ?
や、やむを得ない…

とりあえずテレビで相撲を見た時の知識を必死に思い出して
それっぽい構えをして…

始まった瞬間に目の前で両手を叩いて猫だまし
怯んだ隙に「歌唱、優しさ」+【スリーピング・シープ】
私の代わりにもふもふ羊と相撲を取るがいいよ
ただし羊にじゃれつかれたら問答無用で寝るけどな!!

なぬ、卑怯だと?
卑怯も何も、なぜババア相撲になるのかが謎過ぎだ!
全員纏めてツッコミたいぞこれ!!
(鋼鉄製ハリセンでスパーン!!)


ベルベナ・ラウンドディー
そもそも相撲は神事で女人禁制、ルールなど知ったことか
時間もないしババアら全員カモンカモン
まとめてクライマックスしてやんよ!

私のターン!ドロー  




…ップキック!(という名称の【ブレス攻撃・焼却】
ドラゴニアン相撲じゃ問題ありません、次!土俵破壊!(ユーベルコード発動)
最近の相撲は力士の大型化が進んで土俵が狭いって不評なんだから破壊するくらいで丁度いいんですっ!
次!どすこい宮司アタック!ババアのアタマに宮司のアタマをダンクシューっ!超エキサイティン!
戦闘力が強化済みならスリーポイントも狙えちゃうぜ!



うるせえ!美少女1人もいねえ世界なんてマジメにやってられっか!
さっさとラスボス出て来いよオラオラぁ!



●さっさとボス出てこいや!
「う、相撲か……!」
 土俵へとやってきた美雪。彼女の顔は少し引きつっており、どうしたものかと悩みの表情を見せていた。というのも、彼女自身が支援専門の猟兵なため相撲ができるほどの腕力や体力が無いという現実が、ここに来てハッキリと押し寄せてきていたのだ。
 猟兵とは言え、専門が様々。美雪もこうなることは予想外だったため、悩みに悩んでいた。
「それなら、私が前に出ましょう」
 そんな美雪に声をかけてきたのは、ベルベナ・ラウンドディー(berbenah·∂・f07708)。グリモア猟兵から話を聞いて駆けつけたものの、先の行列は既に終わっていたため相撲からの参戦となった。あらゆる訳のわからなさを押しのけ、彼は冷静に美雪の横へ。
「あ、えっと、いいんですか……? あの土俵に立つってことはつまり、あの、カオスに飲み込まれることになりますけど……」
「構いませんよ。私もある部分にツッコミを入れたくて駆けつけただけなので」
 ベルベナが服を緩めつつ、土俵へ上がる。蝦蟇ババアは来いよ小僧!その腕へし折ってやる!と言わんばかりに挑発の姿勢を取っている。そんな挑発には目も呉れず、ベルベナは土俵上の、そして周囲に居る蝦蟇ババア共に向けて逆に挑発する。
「女人禁制の相撲大会、ルールなぞ知ったことか。時間もないし、ババア共全員カモンカモン!!」
「いやいやいや!! そもそもババアが相撲って時点でおかしいから!! そこツッコミ入れて!!」
 まとめてクライマックスにしてやろう!と言う挑発を取り、蝦蟇ババア全員を相手取るベルベナ。そんな彼に美雪は思わずツッコミを入れてしまった。もうめちゃくちゃだよ!という顔を無理矢理押さえ込みつつのツッコミだったが、美雪はベルベナの戦いを見守りつつ、彼に何かあったら支援を行うことにした。
「私のターン!」
 ベルベナが高らかに宣言。カードを引く動作をするかと思ったら、突然のドロップキック……という名称の焼却ブレスが発動。本人がドロップキックと言っているのでこれはドロップキック。間違いない。ベルベナ曰くこれはドラゴニアン相撲では問題がないので、問題がない。間違いない。
 その後ベルベナのユーベルコード『気勢炸裂』が発動し、殺気と気合の爆発が彼の足元を粉々に砕いた。土俵が木っ端微塵になり、広々とした会場へと作り替えられるのがよくわかった。最近の土俵は力士の大型化が進んでしまって狭いということなので、丁度良いのだろう。
「いや良くないでしょ!? これ土俵の縁まで吹っ飛んでるからダメなのでは!? えっ、いいの!?」
 美雪のツッコミも爆発的に冴え渡る。これは普通の相撲ではないので土俵が吹っ飛んでも問題ない。既に多対一という時点で普通の相撲ではないのだから……。
 次にベルベナが取った行動は、なんと行司を引っつかんだ。そして迫り来る蝦蟇ババア達の頭に対し、思いっきり、力強く、バスケのダンクシュートのように叩きつけていく。頭と頭のぶつかるいい音が会場内に響き渡る。
「行司さんは普通の人だから叩きつけちゃダメェーーー!!??」
 美雪のツッコミも虚しく、ガンガン叩きつけられていく蝦蟇ババア達。地に伏し、起き上がらぬその姿はまさに相撲に敗北した者達の姿である。
 だがベルベナ一人を相手にすると負けると判断したのか、一部の蝦蟇ババア達は美雪に狙いをつけた。戦闘力のない、支援係である彼女を狙うことで戦力を削ぐつもりなのだろう。
「うっ、私か……! こうなりゃ私もヤケクソだ!!」
 美雪は素早く相撲の構えを取り、駆け寄ってくる蝦蟇ババアの目の前で猫だまし。怯んだ隙にユーベルコード『スリーピング・シープ』を発動させて、もっふもふの羊の大群を呼び寄せた。
「さあ! 羊達と相撲を取るがいいさ! まあ羊にじゃれつかれたら問答無用で寝るけどな!」
 『スリーピング・シープ』の発動に気づいたベルベナが、ズタボロの行司を放り捨てて、一斉に駆け寄ってくる蝦蟇ババア達を引っつかんで羊の群れに放り込む。眠りに誘われるババア達の中、卑怯だという声が聞こえてくるのだが、これを美雪とベルベナはバッサリと切り捨てる。
「卑怯もなにも、そもそも何故ババア相撲になるのかが謎すぎだ!! 全員纏めてツッコミ入れてやろうか!!」
「っていうかココ、ババアしかいねぇのかよ!! 美少女1人もいねぇ世界なんてマジメにやってられっかよぉ!!」
 鋼鉄のハリセンをブンブン振り回して威嚇する美雪と、美少女が世界に存在しなくてだいぶ鬱憤の溜まっているベルベナ。
 なお、ババアによる最悪の時間はまだまだ続くのであった……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『最恐・妖怪ババア』

POW   :    千歳たる年の功
全身を【見るからに凶悪な攻撃的オーラ 】で覆い、自身の【これまで生きてきた年月】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD   :    スーパーBBAチョップ
【触れた者を畏怖させる禍々しく邪悪な妖力 】を籠めた【死角への瞬間移動による接近から続く手刀】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【戦おうとする意志】のみを攻撃する。
WIZ   :    老人会強制加入の呪
攻撃が命中した対象に【突然の耐えがたい腰痛や膝などの痛み 】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【身体の急激な老化とそれに伴う体調不良】による追加攻撃を与え続ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ミカエラ・マリットです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



「なんだい、やっぱり若造は変えても若造のままかい」

 行列、相撲を乗り越えた猟兵達の前に、尋常ではないオーラを放つババアが一人。
 ババアになった原因がこの大物のババアであることは一目瞭然だ。

 しかし何故、誰も彼もをババアにしたのか?
 それを問えば、反応はこう返ってくるだろう。

「最近の若造共は貧弱すぎて、アタシ達の方がよっぽど元気さねぇ。それに老人会の人数が少なくなっちまって、めっきり楽しくないのさ」

 楽しくない。ただそれだけで、大人も子供も男性もババアに変えたのだという。
 なお男性をジジイに変えなかったのは、ジジイはジジイで厄介なところがあるからなのだという。 
 老人になってしまえば皆同じだと伝えても、ババアは答えることはなく。
 ただただババアによるババアだけの老人会が欲しかったのだと。

「でもそれも、全部アンタ達がぶっ壊してくれたせいさね。どう落とし前つけてくれるんだい?」

 落とし前がどうとか知ったことではない。
 世界が崩壊するからとか、そういうのは各々で違うだろう。
 だが確実に言えるのは、ただ一つ。

 ―――このババア、残しておくとまたやらかすぞ!!
エインセル・ティアシュピス
【アドリブ連携歓迎】
みんなすきでよわいんじゃないって、りょーやもりょーがもいってたもん!
ほんとはもっとおそとであそびたいけど、びょーきででられないひともいるし、つらいことがあってげんきになれないひとだっているんだよ!
なのにそんないいかたしちゃめーだよ!

にゃーん!ぼくおこった、ぷんすこぷんのぷくぷくぷーだよ!!
おばーちゃんだってほんとはやさしいひとのはずなのに、こんなひどいこといわせるむくろだまさんひどいよ!
【式神使い】で【指定UC】するよ!
にゃんげいざー、てつだって!『ああ、悪いことをする妖怪はお仕置きだ!』
こうげきはぜんぶ【オーラ防御】と【結界術】でとめて【破魔】の【レーザー射撃】にゃーん!


藤崎・美雪
【WIZ】
アドリブ連携大惨事大歓迎

いやいやいや!
そもそも無理やり若者や男性をババアに変えても無理があるから!!
むしろ突然ババアになってすぐ順応出来たら、それはそれで怖いわ!

あと、元気すぎるババアって、それはそれで妖怪扱いされるから
あ、既にあなたは妖怪か

あなたが楽しくないだけなら、あなた自身が楽しくなればいいのだよ
「歌唱、優しさ」+【幸福に包まれしレクイエム】で
あなたがあなた自身を楽しむことが幸福であると思い込ませてやろう
…こういう歌じゃないんだけどなー(遠い目)

それでもまだゴネるなら
最終手段、鋼鉄製ハリセンによるツッコミ(物理)だ
ババア祭りは強制終了だ
諦めて骸の海でお茶をすすっているがいいよ



●ぷんすこぷんのぷくぷくぷー!
 ババアにどう落とし前をつけてくれるのかと問われても、答えぬ者がいる。それどころか、反論をする者達が多いだろう。この場にやってきたエインセルと美雪は、ババアに対してツッコミを入れる者達だ。
 病気や諸事情によって外に出られない者がいるからそんなことを言ってはいけないと怒りを見せるエインセルと、若者や男性がババアに無理矢理変えられた時点で順応できたら怖いわ!!とツッコミを入れる美雪。双方、ババアに対してのツッコミ力は十分な様子。
「にゃーん! ぼくおこった! ぷんすこぷんのぷくぷくぷーだよ! みゆきもそーだよね! ぷんすこぷんのぷくぷくぷーだよね!」
「え? あー……えーと、まあ、ぷ、ぷんすこぷんのぷくぷくぷー、かなあ」
 年齢的にも少し恥ずかしがりながら答えた美雪。純粋な子供であるエインセルを前にあまり恥ずかしがるわけにはいかないと思ってはいるのだが、ぷんすこぷんのぷくぷくぷーとはっきり言うのは、やはり少々気恥ずかしい。
 そんな様子の二人に対し、ババアはビクともしない。それどころかキセルに火をつけて煙を吹かし始めたではないか。これこそが年長者の余裕というものなのだろうか。多分違うと思うのだが。
「はっ、なんだいなんだい、また軟弱そうな若者が。アタシゃね、消えゆく老人会のために身を粉にしてババア集めてんだ。若者共にはわからんだろうけどねぇ!」
「いやわかりたくないんですけど!? わかりたくないから私達ここにいるんですけどぉ!?」
「そーだそーだー! わかりたくなーい!」
 美雪の冴え渡るツッコミと、それに同調するエインセル。ババアはキセルを放り捨てると、やかましい!!と大声を張り上げる。ババアのそれは、まさにリミッターの外れたババア、すなわちエインセル風に言えばぷんすこぷんのぷくぷくぷー状態である。
 ババアはまずツッコミによって戦力を削がれる前にと、美雪に向けて掴みかかる。美雪は一瞬のうちにババアを突き放すことには成功したのだが、少しずつ身体に異変が訪れていた。
(うっ、これは……腰痛、関節痛……っ!?)
 本来ならば老いとともにやってくるその痛みは、まだ若い美雪にはつらいものだ。音は鳴らないもののキリキリと悲鳴を上げ、美雪の身体を蝕んでいる。まさに今、美雪もババアへと成ろうとしているのだ。
「にゃーん! みゆきをいじめちゃ、めーだよ! にゃんげいざー、てつだって!」
 エインセルは素早くユーベルコード『式を統べる白猫術士』を使用し、自身の持つスーパーロボット『鋼鉄猫帝ニャンゲイザー』を召喚。エインセルの思念を通じ、ニャンゲイザーはババアと美雪の間を素早く引き離す。
 ババアの攻撃を結界で止めながら、エインセルはババアの視線を誘導すべくレーザーによる射撃を乱射し始めた。
「ありがとう、エインセル! 次はこっちの番だよ!」
 そうして美雪はニャンゲイザーに防御されつつ、歌声を響かせる。ユーベルコード『幸福に包まれしレクイエム』を発動させ、歌を聞いた相手に全身が脱力するほどに幸福に満ちた感情を与えるもの。主催者のババア以外には確実に聞いているようなのだが、この主催者ババア、幸せというものをとうの昔に忘れているのだろう。とにかくキレまくっては辺りにその感情をぶつける、とんでもない害悪へとなっている。こうなってしまえば美雪の歌は届くことはないだろう。
「……そっかー……じゃあもうコレの出番かー……」
 そう言って美雪が取り出したのは、最終手段・鋼鉄製のハリセン。これを出すのは本当に本当の最終手段としていたかったのだが、歌で幸せにならない以上はこうするしかないのだ。と、だいぶ前から美雪は言い聞かせておいた。そうでなければツッコミ疲れで自分がノックダウンしてしまう可能性が高いからだ。
 鋼鉄製のハリセンをぶんぶん振り回して物理的ツッコミでババアを追い詰めている美雪と、スーパーロボットを操りながらレーザーでババアを追い詰めているエインセル。
 二人の猟兵のツッコミは、まだまだこれからも続くのだ……!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ジェイミィ・ブラッディバック
ご老人、私は悲しいです。
確かに老人会の人数が減ってしまえば、話をする人もいなくなり痴呆の加速にも繋がるでしょう、ですが、しかしそこで老人を増やしてしまうのは如何なものかと。年金の負担、労働人口の減少……カクリヨファンタズムの社会は破綻してしまいます! それをさせるわけには参りませんよ!

えぇい、この私の関節にガタが来ているですと!? ウォーマシンにも有効とは! ですが! 私には! これがあるッ!! (【指定UC】詠唱台詞を高らかに叫び自分自身に斜め45度の手刀を叩き込む)

そう、私はこう仰せつかった! 貴方にツッコミを入れろと! であれば! この手刀で! 貴方の老化した細胞を修理してみせます!!!



●ツッコミを入れろと誰かが言ったから入れるのだ
 ババア夜行ではクレーマー処理班として、ババア相撲では華麗なる相撲(プロレス)を披露してきた男、ジェイミィ。しかしながらこれまでの彼はツッコミというよりはボケをメインに徹してきたので、そろそろ真面目にやれ!と怒られる気がしていた。
 なので彼は今回はツッコミに回る。そのために準備してきたユーベルコードだってあるのだ。そんな思いでジェイミィはババアの元へと歩き出す。
 ガシャン、ガシャンとウォーマシン特有の足音がババアの耳に入ると、ババアはいきなりジェイミィに向けて罵詈雑言をぶん投げてきた。
「なんだい、今度はロボットかい。やれやれ、最近の若いもんは動きたくないからといってなんでもロボットにやらせがちだねぇ」
 実際ジェイミィは誰かが操っているわけではないのだが、ババアからすればロボット=怠けるためのもの、らしい。
 そんなねじ曲がった思想を変えるのもまた自分の役目だと言わんばかりに、ジェイミィはババアに負けないレベルの声量で反論を示した。
「ご老人、私は悲しいです。ロボットはただ怠けるためにあるのではない。老人の会話の相手になったり、歩行を補助したりするものだってある。老人を増やすことだけが老人会を救うことではないのですよ!!」
 ごもっともな意見。だがババアはそんな意見には聞く耳持たず、ジェイミィを壊してやろうと言わんばかりに掴みかかってきた。ババアの腕力は見た目よりも強く、僅かにジェイミィが押されそうになる。
(ここで私が負けてしまえば、カクリヨファンタズムの社会は破綻してしまう……!!)
 彼は何も世界を救うためだけにババアと戦っているのではない。少子高齢化が加速した場合、年金の負担、労働人口の減少、その他様々な重荷が若者に課せられてしまい、世界の破滅よりも先に社会の破滅が待っている。
 サラリーマン気質の抜けていないジェイミィにとって、それがどんなに恐ろしいことかはよくわかる。支えるものがいるからこそ世界は回っているのであり、皆がババアへと変化させられた状態では支えるものがいなくなってしまい、最終的に世界の破滅となるのだから。
 絶対に阻止しなくてはならない。その気持ちでババアと取っ組み合いをしているのだが、突如としてジェイミィの体に異変が訪れる。関節という関節に痛みが生じ、腰にもひどい痛みが現れ始めた。どうやらババアの掴みかかりによってババアの呪いが発動し、ジェイミィにも老化現象が訪れているようだ。
「くっ、ウォーマシンであってもババアになるだと……!? それだけは、阻止ッッ!!」
 ババアとの取っ組み合いから距離をとり、私にはこれがある! と言わんばかりにユーベルコード『株式会社UAI社訓第三条』を発動させるジェイミィ。発動と共に何処からともなく、会社の朝礼のような声が聞こえてくる……。
「それでは皆さんご唱和ください! 株式会社ユニバーサル・アーマメンツ・インダストリー社訓第三条! 困った時は斜め45度!」
 斜め45度から放たれる手刀を自分自身にぶち当て、腰痛と関節痛を治療した。斜め45度、すなわちビジネスにおけるお辞儀の中でも最敬礼と呼ばれる、感謝の気持ちや謝罪の気持ちを込めたお辞儀の角度である!!
 感謝の気持ちと謝罪の気持ちを込めた手刀はジェイミィ自身に力を与え、一時的な戦闘力の増強にもなった。退職したとは言えども、その心はサラリーマン。過去の経験が生かされているのだ!!
「私はこう仰せつかった。貴方にツッコミを入れろ、と。であれば私は!! この手刀で!! 貴方の老化した細胞を修理してみせましょう!!」
「アタシをロボットか何かと勘違いしてんじゃないよ小童がぁ!!」
 手刀を構え、勢いよくババアに突撃するジェイミィ。その手はしっかりと45度に構えられ、治療の意思を見せている。

 ―――ジェイミィの手刀が、世界をを救うと信じて!

成功 🔵​🔵​🔴​

遠吠・狛
このオババ……ただものじゃない?!
オーラに少し怯みつつも、負けてたまるかと気合を入れなおして!

オババとわたしとどっちが元気か勝負なんだよ!
若さっていいよね、って絶対言わせてやるんだから!

両手も地面について野生の獣走りで【ダッシュ】して、オババと間合いを詰めるよ!
接敵したら、オババの攻撃は【オーラ防御】で防ぎつつ、【グラップル】で、突きと蹴りの連続攻撃を見舞うね!
そしてそこからの大ぶりの一撃で相手の大技を誘うよ!
大技は【野生の勘】で、ぎりぎりでかわして、相手の体勢が崩れた所で勝負を決めるね!
UC【神罰鐡拳】をオババに叩き込むんだよ!

これが若さの力なんだよ!

絡み、アドリブ大歓迎だよ!



●若さの力VSババアの力
 怒りに満ちた攻撃的なババアというのは、常識のある人々ならばあまり近づきたくないというのが本音でもあり、狛もまた同じような感情を持っていた。今回のババアのオーラはかなり強烈なもので、広い範囲にババアのピリピリした空気が漂っている。
 ここで負けてならないと頬を軽く叩いて気合いを入れ直し、ババアの前に立ち塞がる狛。ビシッと指を差して大声でババアへ宣言、もとい挑発を仕掛けた。
「オババとうち、どっちが元気か勝負しようじゃない!」
 若さとは良いものだということを知らしめるため、ひいてはババアの戦力を削ぐために敢えてこのような挑発を取った。ババアであることが全てではない、若いことも素晴らしいのだという発言に、ババアの眼がギラリと光る。
「何言ってんだい、若造が! アンタ達はその若さで、アタシらのための金を投げつけときゃいいんだよ!」
 なんかとんでもない答えが返ってきた。なおこれはこのババアだけの持論なので、すべての老人がこう考えているわけではない。念のため。
 声と共に飛ばされる攻撃的なオーラが、ババアの生きた年数を示すようにどんどん辺りを覆い尽くしてはババアに超人的な力と飛翔能力を与えていく。本来ならば、こんなババアいてたまるか! というツッコミが入りそうなものなのだが、残念ながらツッコミは不足している。
 狛犬一族の姫御子である狛は、そんなオババの強化を見てこれから始まるであろう戦闘に興奮を抑えることが出来なかった。両手を地に付け、野生の獣と同じ走り方でダッシュしてババアとの間合いを詰める。
 宙を舞うババアは狛から離れようとするが、狛の野生の勘が丁度良いタイミングに働いたことで彼女のジャンプのみでしがみつくことが出来た。ババアは振り払おうと力を得ている腕で狛を叩き続けるが、彼女は振り払われないように必死にしがみつきながらも淡いオーラで防御していた。
 そして、ババアの致命的な弱点とはどこかと探る。無論それは、歳を重ねていくごとに痛みが強くなる関節部分だ。関節の間にある軟骨がすり減ることで関節痛が起きるため、ちょっとでも動かせば痛むのは確実。狛は的確に関節を叩き続けて、確実なダメージを与えていく。
「この、バカモンが! 老人には優しくと教わらんかったんかい!!」
「オババは老人っていうかオブリビオンじゃん! 何一つ間違ったことしてないもんね!」
 べーっと舌を出して更に挑発をする狛。そんな狛に腕を伸ばし、生きた年数に比例した飛翔力を操り加速をつけて地面へと叩き落とす。ただ、ババアは目が悪いためか地面と現地点の距離を測れていない。そのため地面までの距離がそこまでなく、狛へのダメージはかなり抑えられた。むしろ地面に降りた今だからこそ、狛に好機が訪れた。
 狛のユーベルコード『神罰鐵拳』。彼女の拳に神気が集まり、その腕を防御する篭手が装着される。ババアが空へと飛ぶ前に素早く地面を蹴って距離を詰め、一撃をお見舞いした。
「これが、若さの力なんだよっ!!」
 彼女の大声に反応するようにババアへの一撃は空を震わせ、大地をも震わせ、地に亀裂を生じさせたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

瀬堀・秋沙
だからクs…というのははしたないにゃ、固形排泄物ババアと呼ばれるのにゃクソババア!
世代間交流、これ大事だにゃ。妖怪も猟兵も、外見年齢超越してるけどにゃ。

という訳で、『幽霊海賊団』を使って世代間交流に『ジジババどころか寿命なくなった人たち(亡霊)』と、『というか船』を追加するにゃー。
こやつらに老化も体調不良もあるまい、お化けは死ななくて病気も何にもないからにゃ!

で、他の世代すら大事に出来ないババアに、老人会の仲間を労われるにゃ?自分が楽しくなければ老人会にすら文句言いそうな気がするにゃ?

そんなババアには…頭上から年齢的にはババアな幽霊船をメテオストライクだにゃー!
プチっと潰れるにゃ?



●だからクソババアと呼ばれるのだ
 圧倒的な威圧を周囲に撒き散らしているババアは、無論秋沙の前にも現れる。だが、クリスマスに正月を、サンタになまはげを、ハロウィンにバレンタインを持ち込んできた秋沙にとっては、ババアでさえもその力の材料となる。
「だからクs……というのははしたないにゃ。固形排泄物ババアと呼ばれるのにゃクソババア!」
 はしたないとは、なんだったのだろうか……。
 大声で挑発しつつ、秋沙はユーベルコード『幽霊海賊団』を発動させて幽霊船から寿命がなくなった人たち(※亡霊)と船を戦場に追加する。というのもババアの力は若者やロボ、同族の老人と言った生きているものに有効のものであり、既に亡霊となっている者達には老化も体調不良も全て関係ない。
「それじゃ、老人会始めようかね。ほれ、ババアはお茶用意!」
「なんでアタシがお茶汲みなんだい! そういうのは若者の仕事じゃろうが!」
「ほほー、他の世代さえ大事に出来ないババアに、老人会の仲間を労われるにゃ?」
 秋沙の言葉と共に、じぃ……と亡霊達がババアに視線を向けた。無数の頭蓋骨が向ける目は、そこに目があるわけではないのに見られている感覚が凄まじい。その感覚に一瞬だけババアはたじろいだものの、素早く反論の意志を見せつけた。
「こういうババアは他人を労わるよりも自分の楽しさしか考えんのにゃ。このままでは例え老人会が復旧したとしても、自分が楽しくなければ老人会にさえ文句言いそうな気がするにゃ~」
 やれやれと肩をすくめる秋沙に、ババアは憤慨する。自分が楽しむ目的を作って何が悪い、という声と共に秋沙に掴みかかろうとしてきた。それを阻むように亡霊達が秋沙の前に出て、ババアの手を掴み逆に亡霊達の中へと押し込む。先ほど秋沙が言ったように亡霊達は既に死んでいるのだから、ババア化の呪いは亡霊達には効かない。
 それどころか亡霊達はババアを担ぎ上げ、胴上げをし始めた。最初から優勝はお前だ! と言わんばかりに上げられるババアの身体は、猟兵達の攻撃に加え、亡霊達の勢いもあってか大分疲労がたまっている。ぜーぜーと喘鳴音が聞こえてきたが、秋沙は知らんぷり。
「それじゃあ最後の仕上げ! 海賊船、いっくよー!!」
 隣に配備しておいた幽霊船をがっちり持ち上げ、思いっきりジャンプしてからババアのいる地点へと叩き落とす。天から地に落ちるその姿は、まさに流星。亡霊達をも巻き込んではいるがそもそも亡霊なので、二度死ぬことはない。この攻撃で死ぬのはババアのみだ。
 良い感じに海賊船が突き刺さり、ババアの悲鳴が上がる。それと同時にババア化の呪いが消滅したのだろうか、外にいた住民達の姿が元に戻って行くのが見えた。

 これにてババア☆フェスティバルは閉幕。
 カクリヨファンタズムに束の間の平和が訪れたのであった。

 ……たぶん。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月02日


挿絵イラスト