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そのファックスを打ち破れ!

#キマイラフューチャー #出版部収録リプレイ

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#キマイラフューチャー
#出版部収録リプレイ


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「来てくれてありがとう。またオブリビオンが現れるわ」

 猟兵達の拠点「グリモアベース」
 そこに集った猟兵たちに、ボーリャ・コータス(ミレナリィドールのシンフォニア・f02027)は口を開いた。
「場所はキマイラフューチャー。遠い未来かもしれない、キマイラ達の楽園よ」

 今回現れる怪人は、いい意味で自由でカオスなキマイラ達の風土を侵食し、自らが望む方向に歪めようと文化侵略を引き起こそうとしている。その方法は……。

「様々な動画なんかを使って、語尾にファ……ファックスってつけるブームを引き起こしているわ。すでに一部のキマイラは洗脳されて、語尾にファ……ファックスってつけたり、なにか失敗した時なんかにファックス! って言ったりしてるわ」
 それ、なにか問題なんですか? というピュアな質問に反論しようとして、ボーリャは口ごもる。
「だって、その、意味も知らないで、ファ……ファックスファックス言うのって、よくないわよね……」
 顔を赤くしてようやく絞り出したその言葉に、一部からこいつただのむっつりかよという視線が向けられる。
 居住まいを正してボーリャは続けた。
「ともかく、怪人は純情なキマイラ達をそそのかして子供も下ネタみたいなことをやらせようとしているわ。そしてそれが浸透してしまえば、同じ手で次はどんな過激な影響を与えようかエスカレートするかもしれない。災厄の芽はここで摘み取らないといけないの」

 方法は猟兵の得意な方法で構わない。ブームには新しいブームをぶつけて打ち壊して欲しい。
「あと、ブームに合わせた独創的な別の語尾を流行らせることで、怪人のブームにさらに打撃を与えることができると思うわ」
 目論見を邪魔し続ければ、怪人はなんらかのアクションを起こすだろう。それを手がかりに本拠地も分かるかもしれない。

 ボーリャは猟兵たちに頭を下げた。
「現場までは、私が責任を持って貴方たちを送り届けるわ。
 転移の維持のために、現地での行動は貴方たちにすべて頼ってしまうことになる。
 ふざけた事件に思えるかもしれないけど、怪人にキマイラ達を扇動するノウハウを積ませてしまうわけにはいかない。
 ……お願い。どうか、悲劇を止めて」


斑鴉
 ご無沙汰いたしております。斑鴉です。

 なんとなく偉大な先人たちに腹を切って詫びないといけない気がしてきましたが、
 痛そうなのでやめておきます。
 というかファックスってもう通じなかったりするのかな……?

 皆さまのプレイング、お待ちしております。
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第1章 冒険 『ファッションで敵を誘き寄せろ』

POW   :    【P】といえばパンク!

SPD   :    【S】といえばセクシーorスタイリッシュ!

WIZ   :    【W】ワイルドだろ~?

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

神羅・アマミ
え?ファックスって語尾はいかんのか?
妾、JSじゃからよくわかんないにゃー。
フフフ…ファックス!

とは言え語尾自体をどうにかしたいとあらば、木を隠すなら森の中じゃよー。
つまり「シックス」でも「タックス」でも「エキノコックス」でも「シネマコンプレックス」でも何でも「○ックス(伏せ字は逆に危険だ!)」という派生形を量産してやれば、結果的にファックスは薄れるわけじゃろ?
フフフ…ファックス!
確かにこれは癖になる。

そんなわけで流行の動画ネタを露骨にパクりつつ「ハッ!語尾にファックスなぞ古い古い!」と雑な配信を粗製乱造。
そこで住民たちがむしろ「なんか語尾つけるの恥ずかしくなってきたな」と呆れてくれたら御の字。



「え? ファックスって語尾はいかんのか? 妾、JSじゃからよくわかんないにゃー」
絶対に分かってる口調で言いながら、
神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)は自らガラクタから組み上げた愛用の端末のアプリを起動する。
「フフフ……ファックス!」

作戦は単純だ。
「シックス」「タックス」「エキノコックス」「シネマコンプレックス」
「デトックス」「デラックス」「ツールボックス」「プークスックス」などなど。
あえて明らかに生まれ始めた流行に後乗りしたと分かる動画を作って作って公開しまくる。そうすると「またこれかよ」とユーザーは離れ、ムーブメントは急速に勢いを失っていく。
かつて芽生え始めた家庭用テレビゲームという市場をたった数年で崩壊させた社会現象。それをたった1個人の力で再現しようというのだ。

アマミは丁寧に丁寧に丹精こめて「雑な」動画を量産していく。
あえて似たようなアバターに似たような言葉を喋らせ、次々と動画を投稿していく。
もともと嘘情報動画の配信はお手の物だ。
逆に動画に侵食されたか、操作ミスが混じるとつい「ファックス!」と口走ってしまうこともあった。
「フフフ……ファックス! 確かにこれは癖になる」
この単語を選びだした怪人のセンスに若干共感することもあったかもしれない。
しかし仕事は仕事だ。新しいネタをアバターに喋らせながら、アマミは冷静に動画をチェックし、より雑に見えるよう編集していく。そして投稿。

効果はまたたく間に広がっていった。
またこういうのかよ、と、どれを見ても同じと思えば興味も消える。関連動画の閲覧数は激減し、ブームの伸びは明らかに頭打ちになる。
その裏で悪い笑みを浮かべる羅刹の少女の存在は、まだ明らかになっていなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鈴木・志乃
あんましこーゆーの(やり方)もどーかと思うんだけどさー
(何かを大量印刷している)

さて、大空を舞って空から紙をばら蒔きますか
人目引くし、何が落ちてきたんだろうって皆見るでしょ
もしくは一件一件おうちを回ってポストにインしていく
学校とか会社とか、大勢いそうなところは先にめぼし付けておいて
優先的に回るよ~

【紙の内容】
・ファックスの意味(ファクシミリじゃないやつ)
(色んな意味で)えげつないイラストでも付けとく
・ところで関西弁っていいよね
関西弁女子まじ天使
関西弁男子は今時モテる!
クールに見られがちな貴方に、関西弁でギャップ萌えを狙え!
関西弁は可愛いと思いますか? 緊急アンケート結果
しとやか関西弁講座



キマイラフューチャーの探索を重ね、やっと発見したレトロな地下室。
うぃーんという音とともに下から放たれる青い光を顔で受けながら、
鈴木・志乃(ブラック・f12101)は口を開いた。
「あんましこーゆーのもどーかと思うんだけどさー」

志乃の前で、電子化が進みに進んだこの地域で紙に印刷できるというレアなプリンタが断続的に印刷物を吐き出している。
キマイラフューチャーという文化の沼に頭までどっぷりと浸かりきった志乃だからこそ知っている、動くのが奇跡のようなレトロなレア機材が保管されている地下室。
志乃のもう一つの顔である配信者『ブラック』として真正面から動画で殴り合う方法もあった。
しかし今回はあえて別の方法を使う。
表の顔ではできないような手段に訴えるからだ。

そして印刷した紙を抱えて、キマイラフューチャーの空にオラトリオの翼を広げ、志乃は天空を駆ける。
巨大パブリックビューイング。コンコンコンの定番の密集地。ダンスや音楽、食べ物などパフォーマンスのための広場。キマイラ達が集まる場所はすべて頭に入っている。
そういった場所の上空で、志乃は印刷物をぶちまけた。
「ファックス! ファックス! ファーックス! ん、なんだこれ?」
流行りのフレーズをシャウトしながら踊っていたパフォーマーの頭にA4用紙が落ちてくる。
そこに書いてあったファックス(通信機じゃないほう)が意図することを見てパフォーマーや一緒に叫んでいた聴衆の表情が固まった。ちなみにその内容を端的に表したイラストはプリンタ内蔵のポリコレAIの判断により印刷拒否されていた。
あまりそういう方面に興味が薄い層も、プリントに書いてある文字列にインスピレーションが降りたように貪るように見つめ始める。
「せやねん! おお、この端的に同意する喋りやすい言葉、めっちゃいいぞ!?」
「ちゃうねん! なんでこんな角を立てずに否定できるの!?」
「知らんけど! 語尾にこれつけるといい気がする! 知らんけど!」
関西弁の柔らかく人情を伝える言葉を、食い入るようにキマイラ達が自分の口で声に出していく。
そこにもうファックス! と口にする者はいなかった。

印刷物を見ていたキマイラの一人が、ふと我に返ったように空を見上げる。
「ん、これ書いたの、もしかして……ん?」
しかし彼は確証のない思いつきは言葉にせず、再びチラシに目を戻した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナズヴィ・ピャー
ふむ、ファックス…FAX?
旧時代の遊技場で流行ったとされるアレですかね

無理に変更せず、遊びを交えて塗り替えてしまいましょう
町中に「FAX(ファックス)」と書いた紙を貼って…(ぺたー
「FAX→FAT」といった感じに一文字ずつ変えて意味合いを変えていく遊びにしてしまいましょう

さらに動画も配信 題して「達筆遊戯」
終始無表情+無言

「FAX(ファックス)」と書いた紙を見せる
「FAX(ファックス)→FAT(肥満)」(書き足し
「FAX(ファックス)→FAT(肥満)→MAT(マット)」(書き足し

最後に
「達筆遊戯で頭の体操」
「出来る奴は多くを語らない 筆談の時代到来」
「君も筆を持って町に出よう」



「ふむ、ファックス……FAX?」
どことなくレトロな単語に、
ナズヴィ・ピャー(不忠犬ナズ公・f03881)は首を捻った。
「旧時代の遊技場で流行ったとされるアレですかね」

キマイラフューチャーで発掘される、様々な過去の遺物。
その中の、旧時代の映像記録に残されていた不思議な遊びがある。
「魔法的なバナナ」と題される、前の言葉を少しだけ変えて、リズムに合わせて新しい言葉にしていく遊びだ。
複雑な再生動作を要求される映像記録は住民キマイラたちからは見向きもされず、たまたまなにかの弾みで世界を渡り、ニョホホランド・マギ&スチームテック社の倉庫に積まれていたのを見たことがあったのだろう。ナズヴィはこの遊びを利用して、ファックスという言葉の裏の意味を書き換えることにした。

準備はさして大変ではない。
FAXと大きく書かれた紙に、動画のアドレスと配信日時を添えて目立つところにばらまくだけだ。
そして当日、動画「達筆遊戯」が配信される。
流行の言葉を使った謎めいた宣伝、そして猟兵による配信ということで注目度は抜群。
軽快なリズム音楽に合わせて画面中央の机に座るナズヴィが「FAX」というホワイトボードの一部を消して、「FAT」に書き換える。次に「MAT」に。
無表情かつ無言のミレナリィドールによるシュールな映像に当初キマイラ達は困惑したが、そこはパフォーマー達の世界。アーティストとして勘のいい者から順に動画の面白さを理解していく。
「TAX!? なにか分からない……分からないけど、すごく邪悪な響きだ!」
「SAXってあれだよね、金ピカなストローのおっきいやつ!」
と叫んだキマイラは横に居たストリートミュージシャンのキマイラに後頭部をどつかれる。
「MATってさっきも出たけど、なんか怪獣を攻撃してくれそうな名前だ!」

「達筆遊戯で頭の体操」
「出来る奴は多くを語らない。筆談の時代到来」
「君も筆を持って町に出よう」
そんなエンドロールで30分足らずの動画が終わると、キマイラ達は次々と部屋を飛び出して集まり、自分たちも同じゲームをやってみようと使えそうな道具が出てくるコンコンコンの情報を交換し始める。
新しいブームは確実に怪人たちの流したブームを過去のものにしようとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御狐・稲見之守
ふむ、せっかくであるし逆に連呼してみようか。その内誰かが「やめないか!」とか言ってくれそうじゃが……返って伝播しそうな気もする。まあ良い。

フフ…ファックス、ファックス。みんなファックスし続けろ。激しく、もっと激しく、原稿をデータに読み取って、用紙とトナーをこすり合って、用紙が紙詰まりするまでファックスし続けろ。いずれは…お前だ! いつもいつも脇から見ているだけで人を弄んで! 許せない! ワシの命に代えてもオブリビオンだけは! ファックス! 大人ってやつは!

とまあ動画で怪人に宣戦布告しておくのじゃよ。……ところで動画配信ってどうやるんかの? 



「ふむ。せっかくであるし、逆に連呼してみようか」
御狐・稲見之守(モノノ怪神・f00307)は熟慮の上で方針を決めた。
なぜあえて怪人側の戦略を後押しするアクションを選択したのか。
技能を超えた本能としての第六感が告げたのか、長く土地神として人々を見守っていた経験が囁いたのか。稲見之守はこの場では語らなかった。
「……ところで動画配信ってどうやるんかの?」

一から機材と四苦八苦すること数日。
その間にあった血と努力、涙と友情とブルースクリーンの話はここでは語られない。
稲見之守が最期の画面をタップして、彼女の動画がネットの海に投じられる。
初投稿で見栄えも構成も凡庸、だが拙いとはいえ猟兵が挙げた動画だ。
鯖をむさぼるようにアクセスが集中して数日もたてばミリオン殿堂入りが当然。
しかし彼女の動画は明らかに視聴の伸びが鈍かった。
「フフ…ファックス、ファックス。みんなファックスし続けろ。激しく、もっと激しく! 原稿をデータに読み取って、用紙とトナーをこすり合わせて、A4用紙が紙詰まりするまでファックスし続けろ!」
稲見之守の動画を見つめるキマイラ達の顔にはうんざりした色が見て取れる。
多くの猟兵の活躍によって確実に下火になっていた怪人たちのファックスブーム。それをあえて拙い動画でまた取り上げることで、視聴者たちの食傷感が高まりに高まる。「期待したのにまたこれかよ、古いって。さすがにもういいよ」と。
ファックスという素材では、猟兵の動画ですらこの有様だ。
計算か本能かは分からない。
しかし稲見之守の動画が、ファックスブームに最期のとどめを刺したのは間違いなかった。

「いずれは…お前だ! いつもいつも脇から見ているだけで人を弄んで! 許せない! ワシの命に代えてもオブリビオンだけは! ファックス! 大人ってやつは!」
最後の言葉に込められた挑発に、事件を仕組んだ怪人は唇を歪める。
おそらくすぐに次の手を打ってくるだろう。それが事件を進展させる鍵になる。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『大頭頭ズ』

POW   :    x形拳
【様々な生物や機械、自然現象等を模した拳法】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    i極拳
【健康体操のようにも見える連続した攻撃動作】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    n卦掌
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【大地の中を走る気の流れの噴出点(龍穴)】から排出する。失敗すると被害は2倍。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


ファックスブームを消し去った動画を削除しようと不正アクセスを始めたアドレスを猟兵たちが感知する。カウンターハックへの対策は甘い。すぐに物理住所が割れた。
怪人のアジトに急行した猟兵たちを、手下と思しき謎のオブリビオン達が迎え撃つ……!
鈴木・志乃
刷るの大変だったんですよ
いい加減にしてください

……敵は飛べそうにないね
オラトリオの羽を展開し、UC発動
空からの攻撃を試みるよ【地形の利用】
【歌唱】の【衝撃波】で皆吹っ飛んじゃえ

集団戦だから囲まれないように気を付けないとね
おおっと危ない【第六感】【スライディング】【オーラ防御】
拳法ね……でも、基本の型は必ずあるはず
音に耳を澄まして、次の攻撃はどう来る?

それ、【見切った】よ

接近されたら毒を塗った光の鎖で【武器受け】【カウンター】【毒使い】

(健康体操な動きにちょっとムカついたので
対抗するように【パフォーマンス】的動きで
のらりくらりと攻撃を避けたり
敵の動きを【誘惑…ならぬ誘導】してみる)



「あのチラシ刷るの大変だったんですよ。もういい加減にしてください」
天使の翼を翻して誰よりも速く怪人のアジト上空にたどり着いたのは
鈴木・志乃(ブラック・f12101)だ。

しかしカウンター対策がザルだったわりに怪人側の迎撃も速い。
アジトへの出入り口と思しき扉から、
巨大な被り物のような頭部の手下怪人たちが一斉に姿を表す。
その怪人、大頭頭ズはアジトの上を飛んでいる志乃を確認すると、
なぜか4×4に整列し、音楽をかけてゆっくりと体操を始める。

上から見下ろしてるだけじゃ何もできないだろう。
そういった言外の挑発を感じ取った志乃は、怪人を挑発しかえすように
パフォーマンスで鍛えた飛翔ブレイクダンスを見せる。

あるいはその行動に誘導しようとしていたのか。
大頭頭ズは健康体操から流れるような動作で3人組を作り、
掛け声とともに二人が組んだ手を踏み台に3人目が大きく空に跳躍。
上空の志乃を掴んで引きずり降ろそうとする。

だが。
「それ、見切ったよ」
音楽と動きのリズムの流れからその行動を予期していた志乃は
あっさりとのらりくらりとその攻撃をすべてすり抜ける。
「今日、機嫌悪いから。加減とか出来ないから」
そして大きくオラトリオの翼を広げ、落下で隊列を崩している怪人たちにシャウトを放つ。
ユーベルコード:天使の叫び(エンジェルシャウト)
音声による衝撃波は周囲の建造物に反響して互いに干渉しあい、
元々の振幅の何倍にも達する大きな波となって襲いかかった。

一瞬の静寂の後、視界を覆うアスファルト製の埃が風に流されると、
そこにはもう動かなくなった16体の怪人が倒れ伏していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神羅・アマミ
リアル住所が2秒で割れるとか(※個人の体感です)セキュリティザルにもほどがあるじゃろ…
それで変な被り物した集団!コイツら知っとるぞ!アレじゃろ!住人が洗脳されてるとかいう流行りの!
無垢なる人々を利用する怪人にふつふつと怒りを露わにしつつも。妾盾キャラじゃし。とにかく被り物をひっぺがすことに専念しようかのー。

コード『特機』のビットが集団戦に加え手加減には丁度いい塩梅じゃろ。被り物が割れるとか取れるようになるレベルを徐々に調節すればいいんじゃからな。

アジトを無事制圧したらそこから怪人を煽る動画を配信したいのー。
「見てるか怪人!何がファックスだ馬鹿馬鹿しい!悔しかったら出てこいやァー!」とか言って。


ナズヴィ・ピャー
【アドリブ多めのコミカル山盛り】
台詞は達筆遊戯仕様

達筆遊戯vsFAX拳
ふむ、アレは…
…FAX拳の構えですね(適当

当機に格闘で挑もうとは天晴れ
凄く痛くしてやりm
・書いてる最中にイイ感じのが直撃→吹っ飛び→退場(色々崩れて埋もれ


よい子の皆!
変身ヒーローの変身中や書き物をしている時に攻撃しちゃ駄目だぞ!
ナズヴィとの約束だ!
でもやっぱいいや!
約束しないでいいよ!
ナズ公、ガチギレしてるしコワイ!
アイツらはもう手遅れだ!

代筆 「博士」


数分後に戦線復帰(再起動
・前言撤回(格闘でどうたら
ジャガーノート呼出からの大暴れ
ガチギレ状態で大暴れ(こわいかお
掴んで振り回したり叩き付けたりお見せ出来ない残虐ファイト



開かれたアジトの扉に、2つの猟兵の影が飛び込んでいく。

「リアル住所が2秒で割れるとか、セキュリティザルにもほどがあるじゃろ……」
片方の影、神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)がぼそりと漏らす。
確かに不自然だ。
よほど怪人は追い詰められていたのか、あるいは別の……
ふとよぎった考えを打ち消すように、通路の奥から
アジトの前で吹き飛ばされたのと同じ手下怪人がわらわらと押し寄せてくる。
「コイツら知っとるぞ!」
怪人を見たアマミが叫ぶ。
「アレじゃろ! 住人が洗脳されてるとかいう流行りの!」
流石に近くの住民が操られているかも知れない怪人を殲滅するわけにはいかない。
アマミはくるっと回転すると、20を超えるソードビットを呼び出した。
ユーベルコード:特機(トッキ)
「妾盾キャラじゃし!」
自身は黄金の鉄の立て看板である自称盾キャラとして敵の攻撃を引き寄せつつ
ソードビットで手加減しながら、怪人の頭部を破壊して洗脳を解こうという作戦だ。

もう一方の影、ナズヴィ・ピャー(不忠犬ナズ公・f03881)は終始無言だった。
やる気がないとか、そういった理由ではない。
ファックスブームを過去に消し去るために編み出した動画、
自身は一切無言無表情でリズムに合わせてフリップに文字を書いて表現する「達筆遊戯」の生放送として配信中だからだ。
傍らに浮く撮影ドローンの動作は順調。伝説のシュール動画の生放送、
しかも怪人のアジトで生中継となれば突発ライブでも関心は否が応でも高まっていく。
やがてナズヴィの前にも怪人が現れ、構えを取る。
『ふむ、アレは……』
その構えを見てナズヴィはフリップにマジックを走らせる。
『……FAX拳の構えですね』
無言無表情だと案外ボケって伝わりにくい。自覚ある人は気をつけよう。
ナズヴィは臨戦態勢の怪人を前に、背中に山積みしてきたフリップから一枚引き抜き、再びマジックを走らせる。
『当機に格闘で挑もうとは天晴れ。凄く痛くしてやりm』
そして書いてる最中に思い切りふっとばされた。
ナズヴィの体はアジト通路の壁をぶち破って、パラパラと落ちる砂煙の奥に消えていく。
i極拳を放った怪人が「あれ? なんかマズいことした?」と言いたそうな表情の頭で自分の拳をじっと見る。
多くの動画視聴者もフリーズしたまま放送事故の画面を見続ける。
突如画面が「しばらくお待ち下さい」というテロップと花畑の映像に切り替わり、文字が流れ始める。
『よい子の皆! 変身ヒーローの変身中や書き物をしている時に攻撃しちゃ駄目だぞ! ナズヴィとの約束だ!』
放送事故を察したナズヴィの保護者(?)である「博士」が生放送に割り込んで
ナイスボートモードに切り替えたのだ。
『でもやっぱいいや! 約束しないでいいよ! ナズ公、ガチギレしてるしコワイ! アイツらはもう手遅れだ!』
再び画面がドローンのカメラに戻ると、再起動したナズヴィが激怒の表情で仁王立ちしていた。
無表情しか知らない視聴者の一部がガチでびびる。漏らしたのもいた。
固まった世界の中でナズヴィだけが動き、魔導アーマーを呼び出し、登場する。
ユーベルコード:魔導蒸気式ジャガーノート
魔導と蒸気と暴力が詰まった魔導アーマーに搭乗し、ナズヴィは残虐の限りを尽くす。
動画にモザイクがかかる直前、隣で必死に手加減してた戦っていたアマミの愕然とした表情をカメラは見逃していなかった。

そして死亡した怪人は光の粒となって消えていく。
住民に被り物をかぶせて洗脳したタイプではなく、もともとそういう姿で世に戻ってきたオブリビオンだったのだろう。
「妾、別に手加減せんでよかったのじゃな……」
肩を落としてアマミがつぶやく。
しかしこの通路を守る手下怪人はもう残っていない。
黒幕のいる深奥まで、あとわずか。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

神羅・アマミ
あまりにあっけなく割れるアジト、歯ごたえのない雑魚…つまり、ファックスブームを利用して猟兵たちを逆に罠にかけることが怪人の狙い!?
あまりに遠大すぎる馬鹿らしい計画じゃが…迂闊に乗った妾たちも阿呆みたいじゃなかろうか!?
ゆ、ゆるせねー!

こうなると、ボス怪人は既に妾たちの動向を把握し、また隠しカメラ等で戦力を冷静に観察・分析している可能性がある。
だが、妾は手加減をしたことが功を奏するかもしれん。
あくまで手の内を全て曝け出さず、同じコード『特機』のワンパターンで手下どもを蹴散らして行こう。

最深部に何が待ち受けているかはわからんが、不意打ちや奴の有利な位置取りはさせぬよう警戒を怠らず進むが吉じゃな。


御狐・稲見之守
動画作るのはじめてじゃった。おかげで動画初投稿のスタンプもろたゾ! ……ってあーッ、動画が通報されておる!? それが怪人のすることかー!

【WIZ】UC七星七縛符、腹が立ったので一方的に殴られる痛さと怖さを教えてやろう。動きを縛ったのちそのふざけた顔面にグーパンくれてやるんじゃよ。歯ぁ喰いしばれ、そんな怪人修正してやる!

(なんか怪人の頭にモザイクかかるぐらいまでいてこまして)
うむ、暴力はいけないな。



通路を進み、「怪人室」と書かれたネームがついている
恐らく最後の扉だろう豪華な出入り口前に広がるスペース。
手下怪人最終防衛隊が布陣するその直前で。

「あーッ、動画が通報されておる!? それが怪人のすることかー!」
御狐・稲見之守(モノノ怪神・f00307)がスマホを見ながら奇声を上げた。
ファックスブーム打倒のために作った初動画。やはり初めては心に残るもので
数日間の努力を反芻しながらその結晶たる動画を何回もリピートし、
コメントを胸に刻みながらアジトを進んでいたのだ。
そしてここにきての違反通報。黒幕怪人が通報したという証拠はないが、まぁ間違ってはいないだろう。
とりあえずこの怒りは目の前の手下どもにぶつけると決めた。
稲見之守は憤怒の相もあらわに、指の隙間に7つの符を挟む。
ユーベルコード:七星七縛符。
放たれた7つの符が光の軌跡を描きながら手下怪人の手足に張り付き拘束する。
とてもとてもいい笑顔で、稲見之守は手下怪人の前に立つ。
「一方的に殴られる痛さと怖さを教えてやろう! 歯ぁ喰いしばれ、そんな怪人修正してやる!」
「これが、若さかっ……でも人外ロリバ……ぐあああああ!?」

動けない怪人の顔面にグーパン入れ続ける稲見之守の横で
神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)は浮かない表情を浮かべていた。
決して残虐ファイトに引いていたわけではない。さっきも見てきたし。
(あまりにあっけなく割れるアジト。歯ごたえのない雑魚……まさか、ファックスブーム自体が猟兵を釣るための罠!?)
ずっと感じていた違和感。その正体を、アマミはそう結論づけた。
「あまりに遠大すぎる馬鹿らしい計画じゃが……迂闊に乗った妾たちも阿呆みたいじゃなかろうか!?」
本当のところは、この奥にいる黒幕怪人にでも聞いてみないとわからないだろう。
そのためにも、ここを突破する必要がある。
わらわらと襲いかかる手下怪人。
アマミが選択したのは先ほどと同じユーベルコード:特機(トッキ)
黒幕怪人は手下を捨て駒に猟兵の戦闘を観察しているかもしれない。
だからあえて多くの手を見せず、先ほどと同じ手加減ゴリ押しという選択だ。
もちろん新手の奇襲も喰らわないよう周囲の警戒も怠り無い。

そして手下の数は少しずつ減っていく。
「うむ、暴力はいけないな」
殴り疲れて満足した稲見之守がモザイク処理が必要になった怪人を床に落とす頃には、周囲に敵はいなくなっていた。

最後の扉がゆっくりと開いていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『リア充どもは爆発しろ怪人』

POW   :    リア充は爆破する!
予め【リア充への爆破予告を行う】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    リア充は爆破する!!
【リア充爆破大作戦】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    リア充は爆破する!!!
単純で重い【嫉妬の感情を込めて】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアルル・アークライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「ファーックス! ファーックス! ファーックス!!」
開いた扉の奥、豪華な椅子にどっかり座る怪人が叫ぶ。
「リア充は爆破する! どうせ猟兵とかリア充のかたまりなんだろ!?
美形ばっかだし14日のバレンタインには誰かにプレゼントワタシたりするんだろ!?
もう恋人になりましょうとか告白しあってる奴らもいるんだろ!?」
怪人は頭の爆弾を何度も何度も振り乱す。
「そんなやつらはオレサマが直々にファックスしてやる! リア充は爆発だ! RB!」
神羅・アマミ
お粗末な作戦…お粗末な雑魚…もしや、全てはお粗末なボスのIQが引き起こした結果ということか…?
恐ろしく狡知に長けた怪人は存在せず、警戒する必要もなかったとしたら、珍しく真面目に決めた妾の労力とは一体…
ゆ、ゆるせねー!

「返しやがれー!妾の貴重なシリアス分、返しやがれー!」
彼女の中で守れなかった大切な何かが音を立てて壊れた!
コード『緞帳』を発動、半泣きに近い鬼の形相で真っ先に殴りかかる!
最早ヤケクソ、相討ち上等!
いっそアジトそのものを大爆発に巻き込み全てをなかったことにしてやる!

「なにがファックスだ!バカ!ボケー!オタンコナス!死ね!死ねーッ!!」
思いつく限りの幼稚な罵倒と共に殴りつけていきたい。



「お粗末な作戦……お粗末な雑魚……もしや、全てはお粗末なボスのIQが引き起こした結果ということか……?」
爆弾頭バンギングする怪人を前に、
神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)の握った右手に力がこもる。
「恐ろしく狡知に長けた怪人は存在せず、警戒する必要もなかったとしたら、珍しく真面目に決めた妾の労力とは一体……」
そしてなにかがぷちっと切れた。
「ゆ、ゆるせねー! 返しやがれー! 妾の貴重なシリアス分、返しやがれー!」

そしてアマミは実年齢よりさらに対象の低い
聞くに堪えない罵詈雑言を吐きながら爆弾怪人に特攻していく。
「なにがファックスだ! バカ! ボケー! オタンコナス! 死ね! 死ねーッ!!」
決して理想と現実の落差に精神が耐えきれなかったわけではない。
ユーベルコード:緞帳(ドンチョウ)
怒りに任せてあえて暴言を吐きながら特攻することで、身体能力を向上させる能力だ。

しかし怪人も黙って殴られるつもりはない。
ユーベルコード:リア充は爆破する!
常日頃から無差別に見境なくリア充爆破予告を行っているため、
能力増強は常時カンストしている。

交錯は一瞬。
双方の理屈を超えた一撃が繰り出され。
片方の感情の爆発がもう片方を上回り。
吹き飛ばされたのは怪人だった。

「ファックスの前に伝書鳩のフン落とされろ、バーカ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナズヴィ・ピャー
【アドリブコミカルもーりもり+達筆遊戯】
(モザイク量産でやや落ち着いた)
ふむ、「博士」に似た雰囲気の爆弾頭が登場ですね
どうも当機を褒めているようです(都合の良い解釈
ありがとうございます
貴方もキモいですね(褒めているつもり

はて、当機は何をしにここに来たのやら…
FAXが達筆遊戯で不意打ちでキモいのが出てきて…
つまり此奴が元凶ですね(確信+すごくこわいかお
部下の責任を取ってもらいましょう

引き続きジャガーノートで粉砕
まずは両手に持ってたモザイク投げつけ+接近
避けられる前提で歩幅調整しつつ大ぶりの平手撃ち
からの一気に突進+捕獲
掴んだまま地面にこすりつけつつダッシュ
もみじおろしにしてやりましょう



(ふむ、「博士」に似た雰囲気の爆弾頭が登場ですね)
立ち上がった怪人を前に、フリップにマジックを走らせるのは
ナズヴィ・ピャー(不忠犬ナズ公・f03881)だ。
(どうも当機を褒めているようです)
バレピン2枚完成おめでとう。
それはそれとして『達筆遊戯』はまだ継続中らしく
無表情で口を開かず、怪人とドローンカメラ双方に見えるようフリップを立てる。
『ありがとうございます。貴方もキモいですね』

「オレサマがキモいとか関係ねーんだ! カップルは! リア充は! すべて爆発しろ! ファーックス!」
器用に爆弾頭に青筋を立てる怪人を尻目に、ナズヴィは天井を見上げる。
(はて、そういえば当機は何をしにここに来たのやら……)
なにが起きたかを振り返ってみる。
アルダワの怪しげな会社で煩悩と欲望の限りをぶち込まれた設計で作られ、「私立探偵ダニー”ザ・バリトン”」にハマり、13年間静かだったわりに思い返すと実はいろいろなことがあって……
FAXが達筆遊戯で不意打ちでキモいのが出てきて……
さっき思い切り殴られたのを思い出して、死んだ目がギラリと輝く。
『つまり此奴が元凶ですね』
ナズヴィはマジックを走らせる。
『部下の責任を取ってもらいましょう』

ユーベルコード:魔導蒸気式ジャガーノートを再召喚。
まだ持ってた部下怪人だったものの一部を爆弾怪人に投げつけると(動画には「博士」がリアルタイムでモザイク処理をかけている)
盛大に蒸気を吹かしながら怪人との距離をつめる。
ユーベルコード:リア充は爆破する!! でリア充爆破大作戦をカウンター発動する怪人の腕をかいくぐって体を捕まえ、掴んだまま地面にこすりつけつつ……
「おい、馬鹿やめろ!?」
怪人の叫びを無視してダッシュ。
「あああああああああああああ!?」
悲鳴はずいぶん長いこと続いた。

妙に赤いもみじおろしを床に残して、ナズヴィはドン引きしてるドローンカメラの向こうの視聴者にむけてスチームアーマーの親指を立てた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

轟・富士王
リア充を許さないというけれど、少子化対策としてリア充のみなさんにはバンバン子作りしておじさんの年金を支えてもらう必要があるんだよね。

もし女性の猟兵さんがいたら、事前に相談して許可出そうだったらカップルっぽい振りしてリア充っぽく振る舞って囮になるよ。
悲しいけどこれ演技なのよね、おじさんは非リア充なのよねー。

んで、リア充爆破大作戦を開始しようとしたら飛閃・流れ星で怪人の懐へと潜り込むよ。
爆破したらあんた自身も巻き込むことになるよ、それでもいいなら爆破してごらんよ。
……とかなんとかで囮として怪人を引きつけるよ。さあ今のうちにデカい一撃をお見舞いしておくれ!


鈴木・志乃
……頭痛が痛い

【目立たない】場所でこっそりUC発動
現れた【生物】で敵の意識を【誘惑】
私にとって戦いやすい場所……翼で飛べる拓けた場所等に誘導してしまいましょう【地形の利用?】

誘惑してる隙に、水の属性を纏った踵落としでも脳天から食らわせますか【属性攻撃】
事前に靴には毒もぬりぬり。効く体かは分かんないけどね【毒使い】

爆破予告なんて言わせねーよ?
マイクで爆音シャウトの【衝撃波】攻撃だ
他の猟兵が巻添え食らわないように気を付けるね
一応このマイク、指向性あるんだけど……さてはて

【第六感】と【見切り】【スライディング】で攻撃避けて
鎖の【武器受け】で【カウンター】狙っていく
かすりそうなら【オーラ防御】



「リア充を許さないというけれど」
轟・富士王(テキトーおじさん・f03452)は目の前の惨劇から目をそらしながらつぶやいた。
「少子化対策として、リア充のみなさんにはバンバン子作りして、おじさんの年金を支えてもらう必要があるんだよね」

富士王は周囲の女性猟兵と協力し、リア充カップルを装って囮になるつもりでいた。
非リア充の自分を韜晦しながら、そんな演技をしようと思っていた。
しかし周囲に女性の猟兵は多いがみんなヒャッハー系のやつらばかりで、声をかけられそうな人材は見つからなかった。

「……頭痛が痛い」
鈴木・志乃(ブラック・f12101)がそんな感想をこぼしたのは、黒幕の怪人に対してだろうか。それとも周囲の惨状に対してだろうか。
それでもやることはやらねばならない。
「さあ、心と向き合う時です」
ユーベルコード:うつしかがみ
戦場で死亡した誰かを、敵が最も嫌う生物に変えて操る技だ。
死体はちょうどそこに光に帰らなかった手下怪人の慣れの果てがある。
もちろん爆弾怪人が最も嫌う生物はリア充……だと思ったら、なぜか死体は爆弾怪人自身の姿に変化した。
もみじおろしから復活した爆弾怪人が、志乃が操るコピーと取っ組み合いを始める。
当初の予定ではこの隙に怪人を開けた場所におびき寄せるつもりだったが……
2つの誤算があった。
1つは開けた場所を作るには建物の天井をぶちやぶるくらいしか方法がないこと。
もう一つは、思い切りガチで本気になった怪人がコピーを瞬殺してしまったこと。
自分の姿を見せつけるという最高に不愉快な思いをさせた志乃に、怪人のギラついた目が向いた。

ここで様子を見ていた富士王が動いた。
「さあ、星になってみようか!」
ユーベルコード:飛閃・流れ星
50ミリセカンドで流星となった富士王自身が死角から怪人に飛びつき、その勢いのまま上昇して天井をぶち抜いてまた落ちてくる。
がらがらと崩れてくる老朽化していた天井の破片の中で、怪人を押さえつけたまま富士王がニヤリと唇を歪める。
「さあ今のうちにデカい一撃をお見舞いしておくれ!」

天性の勘と見切りで瓦礫の雨をかいくぐりながら、志乃はすでに天使の翼で飛び上がっていた。
「一応このマイク、指向性あるんだけど……さてはて」
砂煙っぽい空気の中、大きく息を吸い込んで。
マイクによる爆音シャウトの衝撃波を放つ。
破壊の波は位相による干渉でピンポイントに怪人の内部だけに激しくエネルギーをぶちまけた。
「爆破予告なんて言わせねーよ?」

再び吹き飛んだ怪人が、足を震わせながら立ち上がる。
決着まで、あともう少し。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

御狐・稲見之守
よくもワシの動画を通報しおったな、お前は戦いの意思を生む源じゃ! 生かしてはおけない!

[WIZ]UC狐火、フフ…フォックス、フォックス! 死ぬまでフォックスし続けろ!

そうかそうか、お前はずっと待っていたのじゃナ……なにをって? バレンタインチョコじゃろ!! プレゼントもじゃ。楽しいバレンタインを待ってたのじゃろう。しかしワシはチョコのかわりに黄泉の国への引導を渡してやろう。



ボロボロになりながらも、なお明確な世界への悪意を持って立ち上がる爆弾怪人。
御狐・稲見之守(モノノ怪神・f00307)がその前に立ちはだかった。
「よくもワシの動画を通報しおったな、お前は戦いの意思を生む源じゃ! 生かしてはおけない!」
乱を呼ぶのはオブリビオンの性。それにしても今回の怪人が起こした事件は、企み一つ一つが猟兵たちの神経を逆なでしていった。
それも、もうすぐ終わる。

この期に及んで、もはや問答は無用。
怪人が構えるのはユーベルコード:リア充は爆破する!!!
単純で重い嫉妬の感情を叩きつける技だ。
対する稲見之守は20を超える狐火を生み出す。
ユーベルコード:狐火(フォックスファイア)

「ファーックス! ファックス! ファックス! ファーーーックス!!」
「フフ……フォックス、フォックス! 死ぬまでフォックスし続けろ!」
突撃してくる怪人に狐火が襲いかかる。
13発だ。21発のうちの13発この狐火を受ける前にたどり着けば、あの猟兵に嫉妬の一撃を叩きつけられる。
怪人はそう見切っていた。
だから最短距離を測り、変幻自在に動く狐火をくぐり抜け、時にはあえて一発受けて他の狐火をかわし、稲見之守に肉薄する。

「そうかそうか、お前はずっと待っていたのじゃナ」
迫る怪人を前に、稲見之守が一人うなずく。
「……なにをって? バレンタインチョコじゃろ!! プレゼントもじゃ。楽しいバレンタインを待ってたのじゃろう」
「知るかぁぁ! オレサマは独りだっていいんだ! みんなオレサマと同じになるならな!」
ここまで怪人に直撃した狐火は8つ。そしてもう稲見之守と怪人の間に狐火は残っていない。
「これで終わりだぁぁぁ!」
「しかしワシは、チョコのかわりに黄泉の国への引導を渡してやろう」
そう言ってくるりと身を翻した稲見之守の背後に狐火があった。
しかも残りの5個を複数合体して強化してある狐火だ。
驚愕に目を見開いた怪物に、最後の狐火が襲いかかる。
「ファ……ファッ……」
そして、また一体の怪人がキマイラフューチャーから消滅した。

ファックスなどと濁さずに、本当にしたかったことを素直に言葉にしていれば、あるいは違う救いがあったのかもしれない。
崩れた天井から差し込む日光を見上げ、稲見之守はそのアジトを後にした。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月14日


挿絵イラスト