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鉱石が照らす未来

#アルダワ魔法学園 #戦後

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#アルダワ魔法学園
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#戦後


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●今夜は課外授業
「皆さん、今夜は迷宮に行きますよ!」
 どよめく教室。
「猟兵の方々が同行しますから、皆さんも責任を持って行動して下さいね」
 一気に歓声が沸く教室。やれやれ、と教師は思いつつ。

「えー夜行くのかよー、めんどくせー」
「ヴァン君、授業態度をしっかりしないと単位が取れませんよ」
 教師に名指しされたのは、ヴァンという少年。他より若干年上に見える彼は、入学直後から割と問題を起こしているらしい。
「いいよ別に、夜に出かけるぐらいだったら単位落とした方がマシだっつの」

「やいヴァン、暗いのが怖いのかよ!」
「別にそんなんじゃねぇ!」
「ちょっと喧嘩やめなよ男子ー」

 教師はため息をついた。

●グリモアベース
「というわけですの。課外授業に積極的でない彼の更生も兼ねつつの迷宮探索を、皆様にお願いしますわ」
 別宝・魔純(暗黒のヒーラープリンセス・f29415)は、ふぅ、とため息をつきながら猟兵達に説明をする。

「まず、迷宮入口には【光石】と呼ばれる鉱石のエリアがありますわ。そこで光石のランプを灯したランタンを作ってから、さらに奥に向かうそうですの。光石は触れた人によって色が変わるそうで、どんな色の光になるか楽しみですわね」

 わたくしならピンクかしら、と呟きつつ、思い出したかのように魔純は続ける。
「その後のエリアは迷宮故に未知数ですけれど、災魔──オブリビオンが出るのは間違いないですわね。まぁ、皆さんにはヴァン様のひねくれ……もとい、少々曲がった性格を正して頂くのも協力してもらいますわ」

 どうやらヴァンは問題行動で何度か停学などの処置をされているらしく、余計に反抗的になっているようだ。

「立派な魔法の使い手ですのに……彼の氷の魔法はなかなかの物ですのよ。というわけで、迷宮探索のお手伝い、お願いしますわね。いってらっしゃいまし」

 猟兵と生徒の、夜の課外授業が始まる。


椿油
 椿油です。よろしくお願いします。
 今回は供給がやや少なく見えるアルダワのシナリオです。

 第1章では、光石を使ったランタン作りです。採掘用のツルハシは学校側が支給してくれますが、UCなどを使用して掘っても構いません。綺麗なランタンを作りながらヴァン君と交流しましょう。

 第2章では夜の森林迷宮を探索します。ヴァン君の性格を掴む事が1章で出来ていれば、ひょっとしたらヴァン君に対して適切な行動が出来るかもしれません。

 第3章ではオブリビオンとの戦いになります。勿論、他の生徒達も協力をします。ヴァン君がきちんと参加するかどうかは、猟兵の皆さん次第です。

 皆さんの熱いプレイング、お待ちしております。
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第1章 日常 『鉱石を灯して』

POW   :    明るさ重視で作る

SPD   :    軽さ重視で作る

WIZ   :    デザイン重視で作る

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アクアリィ・ローゼ
アドリブ、連携歓迎

ランタン作り…力仕事は得意ではないのですが、ツルハシ……出来るでしょうか。
ヴァン様、にお手伝いをお願いしてみても良いかもしれないですね。
こういう時に男性の方は頼りになりますものね。
素直にお願いすれば、聞いて頂けるかもしれませんわ。

光石は淡い緑に光るかな、と思いますわ。
石を手に入れたら色々な花を模したりして、綺麗なランタンを作りましょう。
なかなか難しいですが、細かい作業は好きなので頑張ります。

迷宮探索、私もお仕事としては初めてなので…生徒の皆様と一緒に成長できれば、と思いますわ。



「ランタン作り……力仕事は得意ではないのですが」
 重そうなツルハシを見つめるアクアリィ。
「(出来るでしょうか……)」

「ったく、結局来るのかよ迷宮に」
 ヴァンは悪態をついている。
「あっ、貴方がヴァン様ですか?」
「ん?あぁ何だ、猟兵の先生かよ。何だよ」
「お手伝いを、お願い出来ますでしょうか?」
「……何だ、先生全員が力持ちってわけじゃないんだな」

 すっと華麗にツルハシを振るヴァン。
「ありがとうございます、ヴァン様」
「さっ、様付けしなくていいっての!別にそんなガラじゃねーし」

 光石の欠片をアクアリィが手に取ると、淡く、緑に光った。
「ヴァン様は、何色に光りましたか?」
「……水色か?コレ」
「綺麗ですね。さぁ、一緒にランタンを作りましょう」

 細かく削り、花のような模様になるよう掘っていく。
「俺さ、先生ってパワーイズジャスティスみたいなそういう奴ばっかだと思ってた」
「皆さん個性豊かで、色んな方がいらっしゃいますわ」
「ふーん……あのさ、一つ先生にだけ言っていい?」
「はい、何でしょう?」
「……俺、暗い所怖いんだ」

 赤面しながら小声で語るヴァンを見て、少し微笑んだアクアリィ。
「ランタンがあるので大丈夫ですわ、それなら一緒に参りましょう?」
「ほかの生徒に言うなよな!」
「言いませんとも」

 出来上がったのは、淡い緑色の花柄ランタン。繊細なノミさばきが上手くいったようだ。
 ヴァンの水色のランタンは粗削り、というか少し適当さが垣間見えつつも、ちゃんとランタンとして仕上がっていた。
「ランタン作ったんだ、怖くない怖くない……!」
 彼の暗闇恐怖症は、少々深刻らしい──。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
お任せプレ。お好きに。

なるほど、暗所恐怖症。まぁ、闇というのは未知という本能的恐怖の根源だしね。恐れる心を持つのはいいことよ。それによって齎される慎重さは命を護ることにも繋がる。
でも、闇はまたすべてを優しく掻き抱いて受け入れ安眠を齎すものでもある。
というわけで、念動力で鉱石を掘ってランタンが出来たらヴァンくんを結界術の中に連れ込んで闇の良さを情熱的に教えてあげるわ♡
こう見えてもカウンセリング(医術/催眠術)の心得はあるのよ?
ついでに、新たな世界への扉を開く“魔法の鍵”で心の鍵開けをし、魂を略奪して私好みの男の娘としての“性癖”の目覚めさせましょ♪
未知への恐怖と好奇心、大事なのはバランスよ♡


家綿・衣更着
SPD
つまり生徒達に肝試しを…え、違う?

光石、変幻自在なおいらは万色なはず!(白色)
…どうっすか明るいっすよ!(明るさ重視のランタン作成)
ヴァン君の光石も奇麗っすね。

戦いに興味あるかな?
「おいらは石で仲間に伝えておいた罠を使い、敵を分断してリーダーを!」
【化術】でオブリビオンとの戦いをミニチュアサイズで再現。ヴァン君に尊敬されるようアピール。
授業っぽく敵から身を守る方法、逃げ隠れる方法や、石で危険を仲間に伝える方法も伝授。

「皆の事も教えてっす。得意な事、苦手な事。敵を知るのも、己を知る事も大事っす」
他の生徒も含めて【コミュ力】で会話し【情報収集】。

迷宮内では【第六感】利かせ周辺警戒怠らない



「(なるほど、暗所恐怖症)」
 アリスは彼の態度に納得する。
「闇というのは未知という本能的恐怖の根源だしね。恐れる心を持つのはいいことよ。それによって齎される慎重さは命を護ることにも繋がる」
「う、うす」
 ヴァンは落ち着いて頷く。
「でも、闇はまたすべてを優しく掻き抱いて受け入れ安眠を齎すものでもある」
「本当ですかそれ」
「本当よ?後で試してみましょうか」

 アリスは念動力で掘り進める。光石はビビッドピンクに変わった。

 衣更着は、一瞬肝試しと勘違いしたものの、光石を掘り進めていく。
「光石、変幻自在なおいらは万色なはず!」
 白色に変わったのを見つつ、まぁカラフルに光ったら凄いっすよねと思いながら明るさを重視した眩しいランタンを作っていった。

「ヴァン君の光石も綺麗っすね」
「別に、ただの水色だし」
「そうっすか……あ、じゃあヴァン君は戦いに興味あるかな?」

 化術を使い、オブリビオンとの戦いを小さく再現する衣更着。
「おいらは石で仲間に伝えておいた罠を使い、敵を分断してリーダーを──!」
「おぉ、すげー……」
「そして、敵の攻撃から身を守ったり逃げたりするには、こうっす」
 岩場に隠れたりなど、様々な戦い方を伝授していく。

「へぇ、猟兵ってそんな機転効くのな。俺なんか頭の方は全然だし」
「頭だけじゃないっす、重要なのは皆を守ったり敵を倒そうとしたりする心っすよ」
「それっぽい事だけど、重要だよな……やっぱそういうの」
「皆の事も教えてっす。得意な事、苦手な事。敵を知るのも、己を知る事も大事っす」

 生徒達は次々と手を挙げる。
「私、雷の魔法が得意!」
「僕はびっくりするとあらぬ方向に魔法飛んでいっちゃうなぁ」
「俺、剣技使えるー」

「なるほどっす!参考になったっすよ」

 ヴァンは他生徒と絡むのが苦手だからか、そそくさとランタンが完成していたアリスの所へ向かった。
「……さっき言ってた試すって、何ですか結局」
「あら、今からやってみる?それじゃあ出発♪」
「えっ」

 黒いの結界を開き、中に入る二人。
「わっ、暗っ!」
「大丈夫、落ち着いて。貴方は寝る時だって怖がっているわけじゃないはずよ」
「そ、そりゃあ、そうですけど……」
「さぁ、ゆっくり、落ち着いて深呼吸してみて」
「すー……はー……あれ、意外と……平気?」
「でしょ?それに、目も慣れてくる」

 ついでに、とアリスはUC《不可思議なる沼への誘い》を発動。
「未知への恐怖と好奇心、大事なのはバランスよ♡」
「は、はぁい」
 トゲトゲしさがいくらか抜けた、ヴァンだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アリス・トゥジュルクラルテ
【ハウンド】
ヴァンさん、暗い、怖い、です?
アリス、男の人、ちょっと、苦手、です。
あ、話、する、のは、大丈夫、ですよ?
触る、される、苦手、です。
でも、頑張る、して、直そう、してる、です!
ハルナさん、協力、して、くれる、です。
今回、その、お礼、一緒、来た、です。
だから、ヴァンさん、一緒、頑張る、です!
戦う、ちょっと、苦手、です、けど、ハルナさん、一緒、なので、大丈夫、です!

石、綺麗、です…!
うう、つるはし、重い、です…。
が、頑張る、です…!
わ、アリス、髪、同じ、色、なった、です!すごい!
ヴァンさん、水色、綺麗、ですね!
ハルナさんも、綺麗!
ふふ、楽しい、ですね♪
きっと、怖い、ない、ですよ!大丈夫!


茅場・榛名
『ハウンド』

「森林《夜》…嫌いじゃない。今日はローブを持ってきて正解だった」
暗所での活動に適した黒ローブを着て任務に臨む
理力…魔法に関しては詳しくはないけど、採掘ぐらいなら
問題なく行えるだろう
「力に自信のない者はいるか?私が掘ってやる!
正直に言えば魔道具のクラフトは得意ではないから…」

光石の色?見当もつかないね…赤か青か、また別の色か…
まぁ使えるなら何色でもいいけど。自前のライトもあるから
必要ではないし…でも持っていくしかないか
「それじゃ行きますか。間違っても逝くんじゃないよ」
ヴァンは…まぁボクがいなくてもいいだろう
ボク口下手だから変に壁作られてしまいそうだし…
そこは任せるしかないな。



 たどたどしく話しかける、もう一人来たアリス。
「ヴァンさん、暗い、怖い、です?」
「まぁ……」
 肯定するヴァンに、アリスは続けて頑張って話す。
「アリス、男の人、ちょっと、苦手、です。あ、話、する、のは、大丈夫、ですよ?触る、される、苦手、です」
「ん、そっか。じゃああんまり先生には触らないでおくよ」
「でも、頑張る、して、直そう、してる、です!ハルナさん、協力、して、くれる、です」
「ハルナさん?」

「ああ、ボクだよ。夜の森林……嫌いじゃない。今日はローブを持ってきて正解だった」
 黒いローブを纏った彼女が、榛名だ。

「今回、そのお礼、一緒、来た、です。だから、ヴァンさん、一緒、頑張る、です!」
「……ん。先生も俺も、頑張ろう」

 彼は当初よりは軟化しただろうか。ヴァンは榛名と一緒にアリスの採掘を手伝う事にしたようだ。
「うう、つるはし、重い、です」
「手伝うよ」
 榛名が一緒に手を握り、ヴァンは振り下ろすポイントを良い意味で適当に教えた。
「さて、こんな感じだろ。先生のは何色になったんだ?」
「わ、アリス、髪、同じ、色、なった、です!」
 薄いピンクに光る光石。

「(さて、ボクの光石は何色に光るだろうか……見当もつかない)」
 金色に光った、榛名の光石。
「髪の色と近くなるのか、いや違うな……。ちょっと目立つな、これ」

「ヴァンさん、水色、綺麗、ですね!ハルナさんも、綺麗!」
 ヴァンの髪の色は至って普通のブラウンである。

「それじゃ行きますか。間違っても逝くんじゃないよ」
「きっと、怖い、ない、ですよ!大丈夫!」
「ああ、これだけカラフルなら───夜の森も、綺麗かもな」

 ヴァンは思っていた。これだけ俺の怖がりを直そうとしてくれるなんて、よっぽど親切な猟兵が集まったんだな、と。
 ──いや、違う。猟兵は大体みんな、親切なんだろうな。

「……先生、何かあったら手を握るのは……ダメだよな?」
「ボクなら、構わないけれど」
「じゃあ、ハルナさん、お願い、します。ごめん、なさい、です、ヴァンさん」
「アリス先生、何があったかは知らないけど……一緒に克服できたらいいよな」
「……はい!頑張り、ましょう!」

 こうして一向は森へ向かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『森林迷宮』

POW   :    森の中を体力勝負で進む。植物を切り拓き、災魔が出れば排除する。力押しで乗り切ろう。

SPD   :    森の中を素早く駆け抜ける。ちんたらしていたら、危険は増すばかり。速いに越したことはない。

WIZ   :    森の中を知識を活かして進め。どんな危険が、どんな障害がありえるのか。事前に分かれば、対応できる。

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●森林を進む
 さて、森は何が起こるか本当に分からない。突然夜行性の鳥が飛び立つかもしれないし、目の前を虫が飛んで行くかもしれないし、足元に何かげじげじした物が通りかかる可能性だってある。
 それら含めて、ヴァンは夜の森に行きたくない。そう思っていたが、これだけカラフルなランタンを持っていくなら、行けるような気もしてきた。

 しかし、恐怖症が一夜で無くなるなら苦労はしない──そう思う心も、多少せめぎ合ってはいた。その闇が、寝ている時と同じだとしても。

「(怖くない、怖くない──)」

 怖いと思うから、余計怖くなるんだ。そう思いつつ、ヴァンは怖くないと心で唱える。だが、意識し過ぎも、意外と怖くなるものである……
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すが良い。

恐れることを怖れることなかれ。
悲しむに哀しむことなかれ。
怒りに憤ることなかれ。
良いのよ、怖くても。恐怖を失えば慎重さも失い、その先に命を失うでしょう。
でも、過剰な恐怖は身を固くして行動を遅らせる。そんな時は深呼吸。目を慣らして観察よ。闇への恐怖は未知への恐怖、観察によって既知へと変えれば自然と薄れるわ。
恐怖を未知を暴く慎重さに転ずることがさえできれば、きっとあなたは大成するわ♡
うまくできたらご褒美になんでもお願いを叶えてあげる、ええ、なんでもね♪(スカートちらちら)

森の攻略は感応能力(第六感)で危険を察知し、念動力や神罰で排除しながら進むわ。



「良いのよ、怖くても」
 つい、恐怖を意識し過ぎていたヴァンに、アリスは話しかける。
「恐怖を失えば慎重さも失い、その先に命を失うでしょう。でも、過剰な恐怖は身を固くして行動を遅らせる」
「はい」
「そんな時は深呼吸。はい、吸って……吐いて」

 大きく深呼吸をしたヴァン。少し落ち着きを取り戻した。
「後は目を慣らして観察よ」
 未知の恐怖を、観察によって既知へと変える。それこそが闇への攻略法。

「恐怖を、未知を暴く慎重さに転ずることがさえできれば、きっとあなたは大成するわ♡」
「本当すか!」
「うまくできたらご褒美になんでもお願いを叶えてあげる」
「がっ頑張ります!」
 ちらちらされるアリスのスカートを見ながら、ヴァンは嬉しそうに答えた。

「(さて、森の脅威も排除しなくちゃね)」
 ヴァンの力はUC《GET A GLORY》で密かに強化してあげた。後は他の人にも守ってもらえば大丈夫だろう。がさがさ出て来た大きいワームは念動力で場外に飛ばし、蜘蛛の大群は一気に叩き潰した。

「観察、観察……」
 周囲を見渡すヴァン。
「(思ったより……ランタンあれば、昼と変わらないな。ちょっと暗いだけで)」

 木々だって、昼より暗く見えるだけで、昼とはほぼ変わらない。それに気づいた事で、少し前進したようだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

家綿・衣更着
【第六感】利かせ周辺警戒怠らない

「ヴァン君」
叫び対策しつつ、肩ポム
「気を楽にっすよ?」

あやかしメダルを渡しユベコ発動
「脅かす側として、どんな怖いものからも守れると太鼓判っす」

「恐怖に勝つ【催眠術】…自己暗示を伝授っす」
災魔に敗北したら世界は滅ぶ。
守りたいものを守れない恐怖は、闇より上だろう?
災魔も過去から現れる、ある意味お化け。でも魔法は通じるよ。
闇より怖いものだって倒せる。なら、闇とだって戦い、倒せる。

「どんな『敵』でも戦うには仲間が重要っす。誰だって得手不得手はある。弱点を補い長所を生かし合えるよう、少しずつでも仲良くしたほうがいいっす」
その気があれば【コミュ力】で他生徒との仲を取り持つ



「ヴァン君、気を楽にっすよ?」
 ヴァンの肩をポンと叩き、安心させる衣更着。そして、メダルを渡した。
「えっと、これは?」
「あやかしメダルっす。脅かす側として、どんな怖いものからも守れると太鼓判っす」
 UC《あやかしメダル「打綿狸の衣更着」》を発動した衣更着。これで、悪除けの結界がヴァンに張られた。

「あと、恐怖に勝つ(催眠術の)……自己暗示を伝授っす」
 ぴと、とヴァンの額に手を当てる衣更着。

 ──災魔に敗北したら、世界は滅ぶ。守りたいものを守れない恐怖は、闇より上だろう。
 災魔も過去から現れる、ある意味お化け。でも魔法は通じるよ。闇より怖いものだって倒せる。なら、闇とだって戦い、倒せる──。

「……なるほど」
「どんな『敵』でも、戦うには仲間が重要っす。誰だって得手不得手はある」
「仲間……」
「弱点を補い長所を生かし合えるよう、少しずつでも仲良くしたほうがいいっす」
「分かりました、先生!」

 ヴァンは、他の生徒に声をかけてみる事にした。
「な、なぁ?お前って防御魔法とか、得意だったよな」
「そうだけど、それがどうしたの?ヴァン君」
「皆……っていうか、俺を守ってくれたり、する?」
「当たり前じゃない!クラスメイトだもの」

 ほっとしたヴァンは、その後も色んな生徒に話しかけてみる事にした。
「一緒に災魔に魔法仕掛けてやろうぜ」
「おう、ヴァンも一緒にやってくれるのか!頼もしいな!」
「ヴァン君、前とちょっと雰囲気変わったね」
「べっ別にいいだろ!」

「(そう、その調子っすよ、ヴァン君)」
 微笑ましく見つめる、衣更着であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アクアリィ・ローゼ
アドリブ連携歓迎

だいぶ緊張もほぐれたようですわね…これだけ人がいれば恐怖も薄れるのでしょう。
【暗視】で先の道を確認し、対処できないような危険が無いか確認しますね。
夜なので梟さん等夜行性の【動物と話す】事でも調べられそうです。

怖いものは怖い、でも仕方ないと思うのです。
必要なのはどうしたら怖さに縮こまらずにいられるようになるのか。
怖いからこそ注意深くなる、用心するという事にもつながりますもの。
この短期間で状況を確認し、切り替えることが出来るようになったヴァン様はきっと強くなれますわ。


アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

うんうん、いい感じね♪
衣更着さんのアドバイスで他の生徒とも交流を始めたヴァン君は確実にいい方向に変化しているわ。
ではでは、うまく出来たので約束通りにご褒美をあげないとね♡
休憩時間にでも。
時間なら心配ないわ、結界術『うさぎの穴』の異空間の中でなら僅か数分で数時間の体験が出来るもの☆
さぁ、なんでもヤッてあげるわ、願いを言ってごらんなさい♪ふふ、なんなら天国に導いてあげてもいいのよ♡(スカートひらひら)
ま、今決められないなら学園に戻ってからでも大丈夫よ☆
では、残りの行程も油断なく慎重に頑張りましょうか。


茅場・榛名
『ハウンド』

さて…ここまで士気が高ければ恐れる事はないだろうさ
周囲警戒ぐらいしか、やることがなくなってしまったね。
喧嘩が始まったら私はこのローブを脱ぎ、敵の敵意を自分に向けさせる…
いわばタンクの役割になる。今のうちに癒術が得意な者や
攻め手との連携を密にしておくべきかね

ヴァンは氷術に長けていたんだっけか。なら攻め手の役割を任せよう
他の生徒たちにも長所を聞いて戦略・戦術を練っていこう
すぐ起こるであろう戦闘に備えておくのは大事だ。
“備えあれば患いなし”とはよく言うだろう?
何、不安に感じる人もいるだろうが誰一人として死なせない戰をするさ
なぜなら私は『傭兵小隊ハウンド隊長』なんだからな


アリス・トゥジュルクラルテ
【ハウンド】

大丈夫、ですよ、ヴァンさん!
ロクローくんも、来る、して、くれた、です!
(いつの間にかいる白いワニ)
ロクローくん、夜、淡く、光る、です。もしも、うっかり、灯り、壊す、しても、ロクローくん、そば、いる、すれば、大丈夫、です!

動物と話す、野生動物、急に、動く、ない、ように、説得、する、です。
アリス、虫、怖い、ない、ので、怖い、なら、追い払う、ですよ?
動物、怖い、です?
ロクローくん、怖い、ない、ですよ?吠える、ない、です。強い、かっこいい、です!悪い人、だけ、食べる、です。
ヴァンさん、悪い、ない、ので、大丈夫、ですよ!
もちろん、ハルナさんも、食べる、ない、です!



「だいぶ緊張もほぐれたようですわね……」
 大勢の猟兵先生に囲まれ、ヴァンが打ち解け始めているのを見て、アクアリィは安心する。
 暗視を使って、先の危険を確認しつつ、アクアリィは進む。
「ホーゥ、ホーゥ」
 丁度、梟が鳴いていた。せっかくなので森の状況を聞いてみる事にした。
「この先に危険はあります?」
「ホーゥ(デスワームが寝てるよ、気をつけな)」
「……凄い名前ですわね」

 デスワーム、一体何なのだろう?

 榛名は周辺を警戒する。
「ここまで士気が高ければ恐れる事はないだろうさ」
 今のうちに、連携の確認を取る。ヴァンが氷の技を使う事をふと思い出した。
「ヴァン、キミには攻め手を任せていいかな?」
「うす!」
「自信が出て来たようで良かったよ。さて、他の生徒達は何が出来るか、今のうちに連携の確認を取ろう。癒し手は後ろに、防御魔法等が使えるなら前にも出れるようにしておくんだ」
「はい、分かりました~!」
「了解ですっ!」
 剣や攻撃魔法の使い手が、前に出れるような隊列構成を作っていく。

 そして榛名と共に歩くアリスは、白いアルビノのワニを連れてきていた。
「大丈夫、ですよ、ヴァンさん!ロクローさんも、来る、して、くれた、です!」
「ロクローさん?」
 光るワニを見て、驚くヴァン。
「ロクローくん、夜、淡く、光る、です」
「へぇ……そんなワニいるんすか」
「もしも、うっかり、灯り、壊す、しても、ロクローくん、そば、いる、すれば、大丈夫、です!」
「成程、ありがとうございます!」
「アリス、虫、怖い、ない、ので、怖い、なら、追い払う、ですよ?動物、怖い、です?」
「いや、動物は大丈夫なんですけど……何かワームとか出るらしくて、この森」

 アクアリィは、デスワームもその一種なのだろうか、と思いつつヴァンの話を参考にしていた。
「(寝てるなら問題ないですわね、刺激さえしなければ)」

「ロクローくん、怖い、ない、ですよ。吠える、ない、です。強い、かっこいい、です!悪い人、だけ、食べる、です」
「ふむふむ」
「ヴァンさん、悪い、ない、ので、大丈夫、ですよ!もちろん、ハルナさんも、食べる、ない、です!」
「そりゃあ良かった、もしかしたら食べられるかもって思ってたんで」
「ヴァンさん、自分、悪い、思う、ですか?」
「まぁ、ちょっとはワルしてたかなって……今は先生のお陰でちょっと落ち着いてきたから、大丈夫ですけど」

 厳密には、ワルしてたと悪い人は少し違うのだが──生徒達は、それぞれ陣形を自身の手で確認していく。

「俺も攻め手仲間達と、連携取らないと!」
 ヴァンがやる気になっている所に、他の生徒も続く。
「そうだぜヴァン、俺の剣技に続いてみろよ!」
「いやいや、凍らせるのが先だろ?」
「防御魔法使ってからがいいんじゃないかな」

 そしてスカートチラリという報酬を見せていたアリスは、ヴァンの成長に納得する。
「(うんうん、いい感じね♪ヴァン君は確実にいい方向に変化しているわ。ではでは、うまく出来たので約束通りにご褒美をあげないとね♡)」

 そろそろ森を抜けるであろうその少し前に、皆は一旦休憩を取った。
「ちょっと、ヴァン君いいかしら?」
「あっ、はい」
 アリスに誘われたヴァン。UC《覚醒バニーさん》を使いスローな時間の結界に導かれ、顔を赤らめるヴァン。今なら何でもアリスへの願いは叶うだろう。
「さぁ、なんでもヤッてあげるわ、願いを言ってごらんなさい♪ふふ、なんなら天国に導いてあげてもいいのよ♡」
「そ……それじゃあ……胸に埋まってもいいですか!!」
「そんなに豊満って程じゃないけど。それでもいいのなら、どうぞ♪」
「失礼します!!」
 アリスの胸の中にダイブすると、ヴァンは天国かのような表情を見せた。
「あぁ~……鼻血出そう……」
「ふふ、もうちょっと大胆な感じかと思ってたけど」
「これ以上の大胆が思いつかなかったです……ああ幸せ……」

 数時間分のもふもふを堪能した所で。結界から出たヴァンは、やたらとほわほわした顔をしていたが、森をこれから抜けるのだ。一気に気を引き締めた。
 ──さぁ往こう!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 集団戦 『宝石人形』

POW   :    キリング・カタナ
【超連続攻撃の日本刀】が命中した対象を切断する。
SPD   :    九九死殺戮刀
自身の【胸元の宝石】が輝く間、【日本刀の攻撃回数が9倍になり、更にそ】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    神隠しサプライズ
【胸元の宝石を輝かせる】事で【全身が透明化し、高速移動が可能になる状態】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

ふむ、生徒達の手前いつも通りにヤるわけにはイかないわねぇ。
式神使いで召喚した妖刀型東洋妖怪の薄墨爛漫桜を手に目を瞑る。
時間感覚が引き延ばされる程の深い集中に潜り、己の最大のパフォーマンスを発揮する神懸かり(降霊/ドーピング/リミッター解除/限界突破)。
研ぎ澄まされた感覚(第六感/読心術)は、透明化されようともその気配(存在感)を逃すことはない。
後の先(カウンター/早業/先制攻撃/略奪)を取る居合い斬りで透明化した宝石人形を斬り伏せましょう。
ああ、生徒達は結界術で護ってるから手を出すだけ無駄よ。ま、今の私を前に少しでも意識を他所に移すのは自殺行為だけど。


家綿・衣更着
アドリブ歓迎

「災魔!落ち着いて、力を合わせて戦うっす」
【第六感】で敵察知したら生徒達に戦闘準備を指示、高所等【地形の利用】可能な有利地形あれば移動。
生徒達を【化術】幻影で【迷彩】し、うかつに前に出ないよう指示。
自身は周辺の草か蔦で頭上にランタン固定し前に。

敵が来たら【化術】で【おどろかし】注目を集め【挑発】。敵を一か所に誘導し生徒が攻撃しやすくする。
自身も手裏剣【乱れ撃ち】で攻撃し、敵攻撃は【見切り】ストールを盾に槍に【カウンター】。

敵は手数が多く速度も早いので、防御を固め連射できる攻撃で近づかせず、高誘導か範囲の魔法で倒すようアドバイス。
まずそうなら渡したメダル中心にユベコで大きめ【結界術】



 アリスは妖刀【薄墨爛漫桜】を手に取り、目を瞑って集中状態に入った。深いゾーンに入っているアリスには最早、世界が遅く見えるほどであった。
『ヤラセナイ……』
 宝石人形達は胸元を光らせ、透明状態に移行する。
「無駄よ」
 UC《薄墨爛漫桜》を発動したアリスは、居合い斬りで宝石人形を一刀両断。宝石の欠片が場に飛び散る。
『イヤァァァァ!?』
「さ、次の相手はどの子かしら?」

『ツヨクナイ……?』
『セイトジャ ナカッタシ……』
 宝石人形達は怯え始めた。


「災魔!落ち着いて、力を合わせて戦うっす。アリスさんが先陣切って引き付けていてくれてるっすよ」
 衣更着は生徒達を引き連れ、ちょっとした丘になっている所へ移動した。そして化術を駆使し、生徒達を迷彩し発見されづらくする。
「うかつに前に出ちゃ駄目っすよ」
「はい!」
「分かりました!」

 衣更着自身はランタンを頭に蔓で縛りつけ、前線へ進む。

『ナンカキタ!』
 衣更着は化術で分身や小さい衣更着と大きい衣更着を作ったりして、宝石人形の興味を引く。
『フエテル!』
『チッコイ!』
『メンコイ!』
 いつの間にか群れて来た宝石人形。胸元を光らせて興味津々に分身達を攻撃する。
「残念、それは残像っす!」
 手裏剣を連発し、生徒達へ近づけさせない。

「よし、防御魔法出してくれ!」
 ヴァンが他の生徒に指示を出すと、幾人かの生徒が防御魔法を展開した。
「ヴァン君、やっちゃって!」
「おう!俺の永遠の氷結の力……喰らえ!!」
 ヴァンは氷魔法を展開し、広範囲に氷の柱を発生させる。
「やるじゃねぇかヴァン!俺たちも行くぜ!」
「雷落とすよ!」
「刃の衝撃波喰らえ!」

「(うんうん、上手い事範囲攻撃出来てるっすね!)」
 衣更着がヴァンに密かに伝えていた作戦も成功だ。
『チョットォ……イタイワァァァ!!』
「生徒達に攻撃はさせないっす!」
 ストールを使って応戦する衣更着。

 アリスは超速攻撃を放ちながら呟いた。
「ああ、生徒達は結界術で護ってるから手を出すだけ無駄よ♪」
「いつの間に!流石っすね」

 衣更着自身も、ヴァンに持たせたメダルを使って結界術を発動させられる。イザとなったらダブルの結界で生徒を護れるのだ。
『キィーーッ!!』
 怒る宝石人形であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アリス・トゥジュルクラルテ
【ハウンド】

ヴァンさん、良い顔、なった、です!
きっと、大丈夫、ですよ!

戦闘、では、ロクローくん、ヴァンさん、そば、いて、危ない、時、だけ、助ける、です。
アリス、結界術で、守る、しながら、医療用具箱、使う、して、医術で、ケガ人、手当、する、です。
ケガ人、多い、時、子守唄で、守る、しながら、回復、する、です。
大丈夫、ヴァンさんも、ハルナさんも、みんな、守る、です!

敵、倒す、できたら、ヴァンさん、ハルナさん、頭、なでる、です。
お疲れ様、です。頑張る、だった、ですね。えらい、です!
あ、アリス、触る、大丈夫、です。男の人、から、触る、される、だけ、苦手、です。
なので、大人しく、なでる、される、ください!


茅場・榛名
さて。そろそろ私も行こうかね。もうこそこそする必要はないな!
ローブを脱ぎ捨てて、いつもの剣士の衣装になる。要は重ね着だが。

「雑魚共。武器なんか捨ててかかってこい」
と。軽く『挑発』して敵意を引き受けて、『残像』を用いて攻撃は回避。
その間に別動隊が殴る。いつものパターンだ。
私にとっては慣れた戦術だが、油断してはいけない。
友軍に手を出されるようではタンクの意味がない。
ちゃんと敵を注視しておかねば。
「この後飯でも奢ってやろうと思ってるんだ。
さっさと終わらせて帰るぞ」



「ヴァンさん、良い顔、なった、です!きっと、大丈夫、ですよ!」
 アリスも結界術を発動する。もはや、生徒の守りは万全と言えよう。
「さて。そろそろ私も行こうかね」
 ローブを脱ぎ捨てた榛名。いよいよ榛名も戦闘の時だ。

「雑魚共。武器なんか捨ててかかってこい」
 榛名が挑発すると、宝石人形達は一斉に榛名へ襲い掛かる。
『ノゾミドオリニ……シテヤルヨォ!!』
『アタイラニ……ヤラレタイカイ!?』
「(思った通りだな)」

 榛名が囮になりつつ回避を行っている間に、ヴァン達は攻撃魔法を仕掛ける。
「喰らえ、氷結吹雪!」
「いっけー、雷撃放射!」
「真紅の炎を受けてみろ!」

『チベタイ!!』
『シビレルゥ!!』
『アツイヨォ!!』

「よっしゃ、決まったぜ!」

 あくまで榛名は攻撃を引き受けて敵視を稼ぐタンク。その為にも、榛名以外に攻撃が行ってはいけない。

『アッ、アソコニイルヨ!!』
 宝石人形の一人が丘を指さす。
「(む、気づかれたか……手出しはさせない!)」
 榛名はUC《ソードスキル・紅蓮斬》を発動し、炎の刃で次々と切り裂いていく。

『アツゥイ!!』
『モットアツクナルヨォ!!』
『アーッツイツイツイ!!』

「ふん、攻撃はさせないさ。この後飯でも奢ってやろうと思ってるんだ。さっさと終わらせて帰るぞ」

「みんな、怪我、ない、ですか?」
「今の所は平気です!」
「大丈夫、ヴァンさんも、ハルナさんも、みんな、守る、です!」
 医療用具箱を手に持ち、アルビノワニのロクローと共に丘の上で待機するアリス。
「お気遣いありがとうございます!」

 あらかた片付いた所で、アリスがヴァンを撫でてくれたので、ヴァンは問う。
「頑張る、だった、ですね」
「あれ、触るのって……」
「あ、アリス、触る、大丈夫、です。男の人、から、触る、される、だけ、苦手、です」
「あぁ、そういう……」

『キィィィ!』
『ナンカ、ムコーカラトンデクルゥ!!』
『イライラスルゥ!!』
「(数も減って来たようだな)」

 榛名が遠くを見つめると、最後に数体が残っていた。

「ここにいる奴らと、あれで終わりのようだな。最後まで気を引き締めてかかれ!」
 榛名の鼓舞に、生徒たちとアリスは高揚した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

さて、このまま片付けてもいいのだけど。
ま、教導のお仕事だし生徒達にも経験を積ませないとね。
一時的に私の力を貸してあげるから頑張りなさい。
GET A GLORYでユーベルコード並に高めた技能を、それぞれの生徒の適正に合わせて付与するわ。
いざとなれば早業の先制攻撃で結界術を張ってサポートするつもりだけど、今のあの子達ならそこまでのピンチに陥る事はないでしょう。
彼我の戦力差を正確に図り引き際を見極め撤退を判断するのもまた実力の内よ。一時的とはいえ、猟兵の力に触れたのなら災魔との力の差も実感出来るでしょう。
あ、貸した力に勘違いして調子に乗る子はおしおきよ☆



「さて、このまま片付けてもいいのだけど。ま、教導のお仕事だし生徒達にも経験を積ませないとね」
 アリスはUC《GET A GLORY》を発動し、生徒達に己の技能を強化して与える。

「これは……?」
「一時的に私の力を貸してあげるから、頑張りなさい」
「よ……よし、行くぞお前ら!!」

ヴァンを先頭に、丘から降りる生徒達。
「うぉぉ!!念動力のチカラってすげぇぇ!」
 念動力で、ブンブンと宝石人形を振り回す男子生徒。
『イヤァァァヤメテェェェ!!』

「凄く早く唱えられる!これが猟兵先生のチカラなの……!?」
 限界突破し、炎の誘導弾を高速詠唱する女子生徒。
『モウ……アタシタチノライフハ ゼロヨォォ!!』

「アリス先生のチカラ……喰らえぇぇ!!」
 ヴァンは氷の全力魔法による神罰を最後の宝石人形に喰らわせた。氷漬けになった宝石人形。全ての宝石人形が動かなくなったのを見て、生徒達は一斉に喜びの声を上げた。

「ありがとうございます、先生方!」
「ヴァン君もちゃんと更生されたし!」
「なっ、余計な事言うなよ!てか何だよ更生って!」

 こうして、猟兵先生の特別授業は終わりを迎えたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月02日


挿絵イラスト