●
「はろー! みんながダークセイヴァーで活躍してくれた結果、ダークセイヴァ―各地の地底に、広大な都市が幾つもあることがわかったよ」
グリモア猟兵のベッキー・ウッドは、集まった猟兵たちに説明を始める。
「地底都市では、力を持たない人々が吸血鬼に支配されながら生活をしている。この人々は地上の存在を知らず、吸血鬼の理不尽な圧政に怯えながら、日々を過ごしている。
彼らを何とかして助けてあげたい。
幸い、幾つかの人類砦が、移住者の受け入れを表明している。
だから今回は、地底都市の一つに行き、地底で生きる人々を地上へ連れ出してほしい」
だが。地底都市への侵入は容易ではない。都市の入口は、門番によって守られているからだ。
「今回行ってもらう地底都市の門番の名は、断罪者『エリアル』。戯れに人をさらい、拷問し、断罪と称して無実の罪で殺す――邪悪な性根のオブリビオン」
このエリアルの実力は決して侮れない。
「エリアルはもともとの力に加え、寄生虫型オブリビオン『番犬の紋章』を自身の背中に張り付け、自身を強化しているんだ」
エリアルが繰り出すのは、犠牲者の霊の召喚など悪趣味な技だが、その攻撃の威力は番犬の紋章の力によって、極めて高くなっている。
さらに紋章はエリアルの体を非常に頑丈にしている。なので、エリアルにダメージを与えることは極めて難しい。
「けど――番犬の紋章を攻撃すれば、エリアルにもダメージを与えることができる。
だからするべきなのは、エリアルの背中にいる寄生虫型オブリビオン『番犬の紋章』への集中攻撃」
エリアルの背中の紋章に、攻撃をあてるには、如何すればいいか? 知恵と技を駆使せねばならないだろう。
エリアルを倒した後は、地底都市内に侵入し、都市の中にいるオブリビオン兵士を倒し、そして都市内の人々に地上への脱出を勧めることになる。
「門番のエリアルは本当に強敵。だけど、人々を救うためにも、しっかり対策を練って挑んでね。皆の武運を祈ってるよ!」
●
暫く時間が経過し。猟兵たちは、隠された地下都市の入り口に着いていた。
壁の所々に光る苔が繁殖していて、地底内をぼんやり照らしている。
地面には――大量の死体。
その死体たちの中央に立つのは、ほっそりとした肉体と中性的な容貌の青年。
青年――オブリビオンにして断罪者『エリアル』は死体の一つを踏みにじり、猟兵たちに体を向けた。
「やぁ。――これらのことなら、気にしないで。すべて罪人の死体だから。例えばこの娘、ちょっとナイフで肌を掻いただけなのに、地面を血で汚した。だから、処刑したんだ」
さわやかに笑みつつ、説明するエリアル。
一方。猟兵たちの目は、エリアルの背中に、拳大の、こぶのような膨らみがあるのを、確認する。
その背中のこぶが、エリアルの弱点たる寄生虫型オブリビオン『番犬の紋章』。
「なに? お前たちはボクの邪魔をするの? なら死んじゃえ」
無邪気な声音に殺気を漂わせるエリアルの前で、猟兵たちはそれぞれ戦闘の構えをとった。
支倉みかん
支倉みかんです。ご閲覧ありがとうございます。
今回は地底都市に侵入し、そこに住む人々を救うのが目的です。
第一章は、入口を守る、残虐にして理不尽なオブリビオン、断罪者『エリアル』との戦いになります。
エリアルは、背中についた寄生虫型オブリビオン『番犬の紋章』により強化されています。
番犬の紋章にダメージを与えることで、戦闘を有利に進めることが出来ます。
番犬の紋章はエリアルの背中にあり、拳大のこぶのような形をしています。
第二章は、地底都市に侵入しての戦闘シナリオ、
第三章は、地底都市内に住む人々と交流し、地上へ誘う日常シナリオになります。
どうぞよろしくお願いします。
第1章 ボス戦
『断罪者『エリアル』』
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POW : 彼らはどうすれば助けられると思う?
対象への質問と共に、【自身の愉悦の記憶】から【惨たらしく殺された犠牲者の霊】を召喚する。満足な答えを得るまで、惨たらしく殺された犠牲者の霊は対象を【怨嗟の呪い】で攻撃する。
SPD : 断罪者の嗜み
自身の身体部位ひとつを【拷問器具】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ : 救われなかった者達
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【引きちぎられた誰かの手足】で包囲攻撃する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠エンティ・シェア」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
久瀬・了介
間違えるな。殺すのは俺だ。殺されるのは貴様だ。
オブリビオンは殺す。全て殺す。
その衝動をヴォルテックエンジンに込め、生じた高圧電流を全身に漲らせ肉体の【リミッターを解除】。生体の【限界を突破】した【早業】で【ダッシュ】し、敵の拷問器具の間合いから逃れつつ攻撃。
ハンドキャノンの弾丸に【呪詛】を込め、UC【犬神】使用。呪いの込められた【呪殺弾】を、【スナイパー】技能で敵の横を掠める様に発射。
呪詛をやどし、【誘導弾】と化して自在に軌道を変える弾丸は狙った箇所を【追跡】し決して逃さない。
空中で反転した弾丸で背中の「番犬の紋章」を撃ち抜く。
反撃を早業で回避しつつ連射。オブリビオンは必ず殺す。
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久瀬・了介は、黒髪の合間から覗く赤い瞳で、エリアルを睨んだ。
はたしてエリアルは己の右腕を鋸に変化させ、了介へ駆けて来る。
「不遜な目だね――顔を切り刻んであげるから、死ぬといいよ」
「間違えるな。殺すのは俺だ。殺されるのは貴様だ」
敵の言葉を、了介はきっぱりと否定。
念と衝動で、体に埋め込んだヴォルテックエンジンを起動。莫大な電流を体内に流す。
エリアルは眼前に迫っていた。肩を裂かんと振るわれる鋸。
了介は咄嗟に後ろに跳ぶ。電流がもたらす生体の限界を突破した動きで、鋸を回避。
エリアルは追撃をかけてくるが、了介は体に電流を流し続け、さらに加速! 一撃一撃が必殺の威力を持つ斬撃の全てをかわし、了介は敵から距離をとる。
「オブリビオンは殺す。全て殺す」
了介の声は低く、眼差しは冷徹。了介はハンドキャノンの引き金を弾く。弾丸を次々に連射!
無数の弾丸はエリアルに当たらず、その体の横を通過していった。
「外れたね。けど当たったって大したことは――」
エリアルの嘲笑交じりの言葉を、了介は遮る。
「食らいつけ」
【犬神】の力で、弾丸に込めていた呪詛を発動。何発もの弾丸の軌道が反転、エリアルの無防備な背中めがけ飛ぶ!
果たして弾丸のうち五発が、エリアルの紋章へ命中。
「ぐ……!」
エリアルの口から洩れる悲鳴。エリアルは振り返る。その顔には、痛みと憎悪が混じっていた。
了介は敵の視線を受け止める、瞳に今まで以上に殺意をこめて。
大成功
🔵🔵🔵
七那原・望
理不尽ですね。そんな理由で殺すなんて。
わざわざ地面を血で汚させるような事をしたお前の方が、何万倍も罪深いのです。
【果実変性・ウィッシーズアリス】を発動し、ねこさん達の【多重詠唱】【全力魔法】で相手の精神に揺さぶりをかける幻覚を見せ、こちらの認識を阻害。なおかつ相手の冷静な判断力を奪います。
【第六感】と【野性の勘】で相手の動きや攻撃を【見切り】、回避を。
気配を殺しながら相手の背後に位置取り、アマービレで呼んだ更なるねこさん達と【多重詠唱】【全力魔法】【スナイパー】【一斉発射】で敵の背中の紋章を狙い撃ち、【暗殺】します。
更に敵がこっちを向く前にセプテットとオラトリオによる【一斉発射】で追い打ちを。
●
七那原・望は、目隠しを付けた顔を、エリアルに向けていた。
「女の子が血で地面を汚したから罪人といいましたね……地面を血で汚させるようなことをしたお前の方が、何万倍も罪深いのです」
幼げな声に滲む嫌悪の情。
エリアルが片腕を鞭に変形させた。そのタイミングで、望は翼を大きく広げる。
「わたしは望む……ウィッシーズアリス!」
【果実変性・ウィッシーズアリス】を発動。自分の衣服が変化したのを感じつつ、望は声を上げる。
「ねこさん、お願いなのです!」
「「にゃー!」」
答えたのは、望の足元に現れた猫四匹。
次の瞬間、鞭を振り振ろうとしていたエリアルの表情が歪む。
「なっ……何かが肌の上を這って……!」
猫四匹の魔術がエリアルにとって不快な幻を見せているのだ。
エリアルは猫達に鞭を振るが、幻のためか動きが粗い。鞭は猫に当たらず、地を削る。
その隙に、望は敵の背後へ。白いエプロンの裾を靡かせ、鈴付きのタクトを一振り。さらに沢山の猫を呼び出した。
「「なーお♪」」詠唱を始める猫達。宙に現れる大量の魔力の矢。
望はさらに超大型の銃を操り、射撃! エクルベージュ色の影も、エリアルへ跳びかかる。
魔力の矢と銃弾がエリアルの紋章を貫き、影が同じ個所を傷けた。
苦痛にふらつくエリアル。攻撃は確かに効いた。
「痛いですか? でもお前の罪にふさわしい罰は、こんなのものではないのです」
タクトの柄をぎゅっと握る望。望を応援するように、猫が高らかに鳴いた。
大成功
🔵🔵🔵
リーヴァルディ・カーライル
…地面を血で汚したから処刑した、ね
…覚えておきなさい。その傲慢がお前の敗因になると…
過去の戦闘知識から敵の気合いや殺気の残像を暗視して見切り、
敵の攻撃を怪力任せになぎ払う大鎌のカウンターで迎撃
直撃する攻撃は魔力を溜めたオーラで防御した隙に回避
…確かに速くて重い。だけど無駄よ、お前では私を倒せない
…その証拠を今から見せてあげるわ。お前の生命でね
第六感が好機を捉えたら地面の血痕に干渉しUCを発動
背中の紋章に向け生命力を吸収する血杭を乱れ撃ち、
闇に紛れて紋章を狙撃して傷口を抉る2回攻撃を行う
…死者を助ける事は誰にもできない
私にできるのは彼らの無念を晴らす事だけ
…さあ、今度はお前が裁かれる番よ、断罪者
●
黎明礼装を纏ったリーヴァルディ・カーライルは、犠牲者らの死体に一瞬だけ視線を落とす。
そして眼前の敵のエリアルへ顔を向け直した。
「地面を血で汚したから処刑した、ね……覚えておきなさい。その傲慢がお前の敗因になると……」
ごく微かな声で言うと、黒い大鎌『過去を刻むもの』を両手で構えた。
エリアルは己の腕を棍棒に変え、殴りかかってくる。
リーヴァルディは紫の瞳の目を細め、攻撃の軌道を見切る。鎌の刃で棍棒を払う。
手に痺れと痛みを感じるリーヴァルディを、さらなる打撃が襲った。
リーヴァルディは再び鎌で攻撃を弾くが――打撃の威力は先ほど以上。たまらず体勢を崩してしまう。
「ハハハハハハッ、断罪の時間だッ!」
哄笑し、棍棒を大きく振り上げるエリアル。
リーヴァルディは表情一つ変えず、
「無駄よ、お前では私を倒せない……その証拠を今から見せてあげるわ。お前の命でね」
鎌を持つ手を動かす――と見せかけ、【限定解放・血の魔棘】を発動!
少し離れた位置の犠牲者の死体。その死体の血が動いた。
血は魔杭に形を変え、リーヴァルディの意志に従い飛ぶ。魔杭がエリアルの背中の番犬の紋章を貫いた!
完璧な不意打ちに、エリアルは背中をのけぞらせ、前のめりに倒れる。地に転がるエリアル。
リーヴァルディは冷徹な瞳で敵を見下ろす。立ち上がろうとするエリアルに鎌の刃の切っ先を向け、
「まだ生きているのね……さあ、今度はお前が裁かれる番よ、断罪者」
大成功
🔵🔵🔵
エウロペ・マリウス
相変わらず、この世界のオブリビオンには嫌悪感しか抱けないね
行動 WIZ
戦闘中は、【空中浮遊】にて【空中戦】で行うよ
敵は包囲攻撃だからね
少しでも避ける範囲を広げておこうか
【オーラ防御】と【結界術】で防御も強化
目に見える急所がある相手ならば、この魔術が最適かな
氷の【属性攻撃】で強化した【誘導弾】で攻撃
当たりさえすれば、問題ないよ
「廻る骸。潰滅へ向かう刻の輪唱。杜絶せし氷の抱擁。刻み、停滞する生を嘲笑え。骸は刻の中で嘲笑う(スケレトゥス・テンプス)」
急所である紋章に付加された頭蓋骨の懐中時計が時を刻み度、
進行し続ける凍傷で壊死していく恐怖と痛みに苦しむといいさ
●
「引き裂いちゃえ!」
耳障りなエリアルの声に応じ、地に転がる死体たちの手足が千切れた。猟兵達へ飛ぶ大量の手足。
エウロペ・マリウスは冷静に呟く。
「かなりの傷を負っているのに、まだそれだけの力は残っているんだね。でも対処は可能、問題ないよ」
踵で地面を叩くと、ふわり宙に浮きあがる。
手足はエウロペを追って飛ぶが、エウロペは左右に旋回、手足を避ける。
「よけれないように囲んじゃえ!」
エリアルが命じると、空飛ぶ手足はエウロペの周囲を取り囲んだ。
手足は一斉にエウロペを襲いかかるが、アルブム・ロサの黒煙が白薔薇へ変化。薔薇が手足を阻み、エウロペを守る。
防御しつつ、エウロペは唇を動かした。
「廻る骸。潰滅へ向かう刻の輪唱。杜絶せし氷の抱擁。刻み、停滞する生を嘲笑え。骸は刻の中で嘲笑う(スケレトゥス・テンプス)」
詠唱が完了すると、宙に髑髏が出現。懐中時計を咥えた髑髏は、手足の間をすり抜け、エリアルの背へ。そして紋章へ貼りついた。
「こ、これは?!」
エリアルの顔が急速に青ざめる。張りついた髑髏が冷気を発し、紋章を、そしてエリアルを凍えさせているのだ。
「懐中時計が時を刻む度、進行し続ける凍傷で、壊死していく恐怖と痛みに苦しむがいいさ」
淡々と告げるエウロペ。
エリアルは髑髏を剥がそうともがいていたが、エウロペの力はさらにエリアルを冷やす。もがくエリアルの動きが鈍くなり――やがて、凍え切ったエリアルはその場に崩れ落ちた。
エリアルの命が完全に尽きた確認し、エウロペは視線を地底の奥に向けた。
「さあ、先を急ごう」
エウロペは仲間と共に歩き出す。多くの人々が囚われているという地底都市の内部に向かって。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『地下牢の看守』
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POW : 『やぁ、きみは新顔だね。心より歓迎するよ』
いま戦っている対象に有効な【拷問器具】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
SPD : 『ふふ、きみの顔は靴底の泥を落とすのに最適だね』
【足】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
WIZ : 『きみは元気がいいね、なかなか楽しめそうだ』
【手錠】【鉄鎖】【劇薬入り注射器】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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門番を突破し、地下都市へと進んだ猟兵たち。
彼らを迎撃しようと現れるのは、緑色の貌にくちばしをもつ『地下牢の看守』たち。
「侵入者を確認! 侵入者を確認! そっ、総員、迎撃準備を整えたまえ」
「い、言われるまでもなく整っているとも」
「そ、そうだね。ピンチはチャンス。ここで撃退すれば、私達の武勇の証明になるだろう」
勇ましい言葉を口にする看守たち。
だが――猟兵たちは気づく。看守たちの声がうわずっていることに。足が震えていることに。看守たちは門番を倒されたことに動揺しているのだ。
一方。都市の建物の中から窓越しに、看守と猟兵たちを見ているものがいた。
彼らは、オブリビオンに今まで支配されてきた都市の人々だ。突然起こった事態に困惑し、怯えながらも様子を伺っている。
「いったい何が起こって……」
「こ、これっ。看守様のしていることを詮索しては重罪だぞっ。看守様たちのおっしゃるままにしておればいいっ」
そんな会話が建物の中から聞こえてくる。都市の人々はオブリビオンの理不尽な圧政によって、恐怖と服従を心に刷り込まれてきたのだ。
しかし看守との戦いを通して、都市の人々に猟兵たちの強さと活躍を見せることができれば、彼らに勇気と希望を与えられるだろう。そうすれば、戦闘後の彼等との接触もうまくいくに違いない。
彼らを地底都市から解放するためにも――看守たちを打ち倒せ、猟兵よ!
七那原・望
3種類全てを受けなければユーベルコードは封じられない。
それなら劇薬以外は敢えて受けてもいいかもです。
彼らに近い立場から逆転してみせれば彼らに強い希望や反逆の意思を抱かせられるはず。
【果実変性・ウィッシーズガーディアン】を発動。
【第六感】と【野性の勘】で敵の行動を【見切り】、【踊る】ように攻撃を回避しつつ敵の攻撃に合わせて【咄嗟の一撃】で剣を飛翔させたり、【魔力を溜めた】蹴りでの【カウンター】を。
希望を抱くのです。生きている限り。
わたし達はあなた達をその支配から解き放つ為に、希望を与えるために来たのですから!
勇気を出して求めるのです。圧政のない明日を!
あなた達の希望が、あなた達を救うのです!
●
猟兵達の先頭に立つ七那原・望は詠唱の声を響かせた。
「わたしは望む……ウィッシーズホープ!」
力を発動させ召喚したのは、勝利の果実。
一方、看守たちは望が力を使ったのを見て、浮足立った様子ながら攻撃を開始。望に手錠や鎖が飛んでくる。
望はあえて回避行動をとらない。ガチャリ。手錠が腕を拘束し、鎖が上半身に巻き付く。
その時。都市の住民同士が会話する微かな声が、望の耳に届いた。
「あの人も殺され……」「黙ってなさいっ」
望は建物内の住民達へ声を張る。
「わたしは殺されたりしないのです。――希望を抱くのです。生きている限り。わたし達はあなた達をその支配から解き放つために来たのですから!」
望は黒き妖刀と白き聖剣を飛翔させる。勝利の果実により強化された刃で、己を縛る鎖と手錠を断ち切った。
自由を取り戻した望は、花飾り付きのブーツを嵌めた足に力を籠め、看守達へ駆ける。
看守達は今度は注射器を投げてくるが、望は上体を捻り、軽やかに回避。
望はさらに前進。敵との距離を一気に詰め、片足をあげた。
足に魔力を込め、看守の胴体を蹴りつける! どさり、看守の一人が倒れる。
周りの看守達が望に跳びかかろうとするが、望が飛翔させた双剣が看守たちを、切る!
看守たちの攻撃が止んだ。望は住民たちに呼びかける。先程より大きな声で。
「勇気を出して求めるのです。圧政のない明日を! あなた達の希望が、あなた達を救うのです!」
住民達の多くが、望を見つめてくる。望の行動と言葉が届いたのだ。
大成功
🔵🔵🔵
リーヴァルディ・カーライル
…門番が討たれた時点で互いの力量差は明らかなのに、
逃げるでも人質を取るでもなく向かってくる…
…どうやら敵は相当、浮き足立っているみたいね
…罠で無いならば好都合
何も出来ないまま骸の海に葬送してあげるわ
UCを発動し吸血鬼化した自身の生命力を吸収させて魔力を溜め、
敵の攻撃やUCを銃撃で撃ち落とすカウンター用に、
3体の銃魔を闇に紛れて自身の周囲に配置
…お前達を逃せば、それだけ早くこの地の異変に気付かれる
…一匹たりとも逃すわけにはいかない。殲滅するわ
空中戦機動の早業で武器改造した6体の銃魔を、
第六感が捉えた敵の殺気や気合いに向けて切り込み、
傷口を抉る"死刺弾"を乱れ撃ち敵陣をなぎ払う
…当然の結果よ
久瀬・了介
雑兵だろうと腰が引けていようと、オブリビオンである以上容赦はしない。
奴らは必ず滅ぼされる存在だという事を人々に知らしめてやろう。
【雷人】発動。電磁場に身を包み空中へ。【早業】の高速飛行能力で拷問器具をかわしつつ、敵全体に放電を撃ち麻痺させる。
「ヴォルテックエンジン」に怒りの衝動を込め高圧電流を生み出し「アンプリファイア」で更に増幅。虐げられた人々の怒りと苦しみを思い知らせてやる。
【リミッター解除】した電力をユーベルコードに乗せ、本来微弱な放電の威力を、敵を焼き付くすまでに【限界突破】させる。
高圧電撃による【属性攻撃】【範囲攻撃】。雷の嵐で看守をなぎ払う様で、人々に俺達猟兵の力を見せ付けよう。
●
久瀬・了介の視線の先には、猟兵の攻撃により一層動揺する看守達。
「雑兵だろうと腰が引けていようと、貴様らがオブリビオンである以上、容赦はしない――『発雷』」
了介は断固と意思のこもった声で言い、【雷人】を実行。体の周りに黒い雷を発生させる。
電磁場に身を包んだ了介は宙に浮かび、飛翔。
看守達は弓矢を召喚し了介を狙撃するが、了介は加速し矢を回避。
敵の攻撃に対処しつつ、了介は看守どもを睨む。
(虐げられた人々の怒りと苦しみを思い知らせてやる)
その怒りの衝動が、体に埋め込んだヴォルテックエンジンを起動させる。体内を流れ出す高圧電流。電流を、首に取り付けたアンプリファイアが増幅。
敵の攻撃を避け続けつつ、了介は赤の瞳の目を見開き、敵を撃ち滅ぼす機を伺っていた。
リーヴァルディ・カーライルは紫の瞳で周囲を観察していた。
「……罠は仕掛けられていない……力量差は明らかなのに、無策で向かってくる……どうやら敵は相当、浮足立っているみたいね……好都合」
そして、【限定解放・血の銃魔】を発動させる。リーヴァルディのマスケット銃『吸血鬼狩りの銃・改』が銃魔へと変化。
銃魔はリーヴァルディの生命力を吸収、蝙蝠の翼を生やし宙を動く。
看守たちが、リーヴァルディに顔を向けた。矢を飛ばし、あるいは鞭で打ちかかってくる。
「……無駄よ。……何も出来ないまま骸の海に葬送してあげるわ」
そして発砲音。リーヴァルディが己の周りに配置した銃魔三体が一斉に射撃、看守たちの矢や鞭を尽く撃ち落とす。
リーヴァルディは顔を上げ、紫の瞳で上空の了介にアイコンタクト。敵の多数の注意が自分に向いている、今が好機だと。
了介はリーヴァルディの合図を受けとると、掌を下方の看守達へ向ける。大きく息を吸い、
「一切の容赦はしない。焼き尽くす……!」
放電! 限界までに増幅された電が嵐の如くに吹き荒れ、看守どもを襲う。
了介の雷は複数の看守達の命を即座に奪い、また多くのものを指一本動かせないまでに痺れさせた。
「リーヴァルディ、今のうちに追撃を!」
「ええ……了解よ……確実に仕留めるわ」
了介の要請に応じ、リーヴァルディは銃魔たちを操る。
六体の銃魔が敵の群れへ接近、痺れて動けない看守達への一斉射撃を開始。
敵の急所をめがけ放った死刺弾が看守に命中。弾丸から飛び出た無数の棘が看守たちの体を抉り――次々に命を奪っていった。
二人の範囲攻撃は、敵の数を確実に減らした。
「……当然の結果よ。……このまま一匹たりとも逃さず、殲滅するわ」
自分の戦果を誇るわけでもなく、無感情な声で告げるリーヴァルディ。
「ああ、殲滅する。奴らは必ず滅ぼされる存在だと、住人に知らしめるためにも」
小さく応えながら、己が内の怒りをさらに燃え立たせる了介。
敵群にさらなる被害を与えんと、力を容赦なく使い続ける二人を、住民達は見ていた。その顔には、驚き、未知への不安、そして希望。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
エウロペ・マリウス
散々好き勝手過ごしてきたんだ
キミ達には、相応の罰が必要だね
行動 WIZ
戦闘中は変わらず【空中浮遊】にて【空中戦】で行うよ
【属性攻撃】の氷属性による火力強化を
【高速詠唱】で手数を
【誘導弾】で命中率を高めて、周りへの被害を抑えるために
【オーラ防御】と【結界術】で防御も強化
手錠やら鎖は、昔を思い出させるから好きになれないから
極力回避しようか
相手が集団ならば、こちらも物量で押させてもらおうかな
「闇穿つ射手。無窮に連なる氷葬の魔弾。白き薔薇を持たぬ愚者を射貫く顎となれ。射殺す白銀の魔弾(ホワイト・フライクーゲル)」
ボクは人を安心させるような戦いが出来ないから
ただ、周りの被害を最小限に抑えるようにしないと
●
エウロペ・マリウスはクラルス・アルブスの裾をなびかせつつ、空中を飛行する。
エウロペの目に映るのは、建物内の窓から猟兵の活躍を注視する住人たちの姿。
彼らの顔を観察すれば、看守に対する恐怖がまだ残っているのが分かった。
エウロペは看守達に体を向けなおす。
「住民のみんなの顔を見れば、キミ達がこの都市でどう振舞ってきたか、想像がつくよ。散々好き勝手に過ごしてきたんだ。キミ達には相応の罰が必要だね」
看守達はエウロペの言葉を聞いたか、一斉に鎖や手錠を投げつけてくる。
エウロペは鎖を見て、嫌なことを思い出したかのようにぴくりと眉を動かした。
(極力避けたいけれど……避けると住人がいる建物にあたる可能性があるね……なら)
素早く思考を巡らすと、エウロペは自分の前にオーラと結界を展開、大量の手錠や鎖を弾き返す!
エウロペは、
「キミ達が数を頼みにするのなら、こちらも物量で押させてもらおうかな」
そう言うとファタ・モルガナ・ビブリオテーカを取り出し、明瞭な声で唱え始める。
「闇穿つ射手。無窮に連なる氷葬の魔弾。白き薔薇を持たぬ愚者を射貫く顎となれ。射殺す白銀の魔弾(ホワイト・フライクーゲル)」
看守達はエウロペを止めようと再び鎖を投げようとするが、それより早く詠唱が完了。
現れるのは、四百を超える魔弾。魔弾は看守達へ降り注ぐ!
魔弾は看守達の身を撃ち抜き、内包された概念で凍て付かせ――彼ら全ての命を終わらせた。
敵は全滅。戦闘は猟兵たちの勝利に終わった。エウロペは周囲を見回す。
「生き残っている敵はいないし、猟兵のみんなの損傷は軽微。都市の住民にも被害はないみたいだね」
自分たちの行動の結果を確認し、うん、と小さく頷く。
エウロペは仲間に顔を向けた。
「それじゃ後は――住民のみんなを地上に誘わないとね」
大成功
🔵🔵🔵
第3章 日常
『猟兵、語り部になる』
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POW : 懇々と語る
SPD : 朗々と語る
WIZ : 粛々と語る
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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猟兵たちは、地底都市を支配していたオブリビオンたちを殲滅することに、成功した。
次にするべきことは住民達に話をし、地上――受け入れを表明してくれている人類砦への移住を勧めること。そのために、猟兵たちはまず住民達を広場に呼び集める。
猟兵たちが「看守達との戦闘中、猟兵がかけた言葉」や「圧倒的な強さを見せたこと」、「住民に被害がでないよう配慮したこと」が、功を奏した。住民達は素直に広場に集まってきてくれた。
とはいえ、不安な顔をしている住民も多い。住民達は地上や猟兵の事を今まで知らずに生きてきたのだから。
猟兵たちは今から彼らに『地上への移住』を勧めなくてはいけない。
彼らが安心して地上に移住するためには、どんな風に話をすればいいか。
地上に住むメリットや地上の楽しいことを話してもいいだろう。あるいは今後の地上での生活に役に立つ知識を伝えてもいいかもしれない。
話し出そうとする猟兵に、住人達は若者も老人も子供も、みな真剣な顔を向けていた。
七那原・望
地上は地底よりも時間の流れを感じやすいのです。
朝は明るくて、夕方は空の色が赤くて、夜は暗いのです。
地上の人達は空の明るさに合わせて生きているのです。
それから地上は開けているので、開放感がありますし、空気も此処よりずっと美味しいのです。
この中で暮らすよりはずっと身体にも良いと思うのです。
人類砦にはあなた達を虐げる存在はいません。仮にそういうヴァンパイアが現れても、みんなで一丸となって抵抗します。
だからあなた達は地上に出たら、ヴァンパイアに屈しない意思を、幸せに生きようとする思いを持つといいのです。
後はそうですね……趣味を見つけてみるのはどうです?
趣味の為に生きるのはとっても楽しいのですよ?
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七那原・望は地底都市の住民達に、軽く自己紹介。次いで地上の世界の存在と、自分達が地上への移住を勧めに来たことを説明。
地上を知らなかった住民達は互いに顔を見合わせた。先程の戦いで猟兵達を信頼し始めているが、未知の場への移住には不安があるようだ。
「地上は地底よりも時間の流れを感じやすいのです」
望は穏やかな声で語る。地上の朝は明るく、夕空は赤く、夜は暗く、空の明るさに合わせ人々が生きていると。また開けた地上の開放感や空気の美味しさをとりあげ、
「地上の暮らしは身体にも良いと思うのです」と微笑んだ。
分かり易く要点を掴んだ望の説明を、住民達は熱心に聞いていた。望は続ける。
人類砦では皆を虐げる存在はおらず、仮にヴァンパイアが現れても、一丸となり抵抗すると。
望は声に真剣さを混ぜ、
「だから、あなた達は地上に出たら、ヴァンパイアに屈しない意思を、幸せに生きようとする想いを持つといいのです」
住民の多くが感銘を受けたらしい。「はい!」と力強い返事。
だが。地上にも吸血鬼が出ると聞き、顔を曇らせる者も。
望は彼らを落ち着かせるため、話を変えた。
「後は、趣味を見つけてみるのはどうです? 趣味の為に生きるのはとっても楽しいのですよ? 例えば好きな食べ物を見つけたり……」
望がいうと、子供の一人が「地上にはどんな食べ物があるの?」と聞いてきた。
その答えとして、望がこの世界にある果物の話をすると、子供は思わず涎をたらす。それを見て、他の住民達が声を上げ笑った。
大成功
🔵🔵🔵
エウロペ・マリウス
行動 WIZ
アイテムの野営道具『アスクラピウス』を展開
いきなり完全回復させると混乱に拍車がかかるだろうから、
まずは【救助活動】しつつ、【料理】と【医術】で心身共にケアを行い、自身の存在の説明を済ませる
ある程度、落ち着きを取り戻したら、回復魔術使用
「豊穣の調律者。繰り返す死への拒絶、盲愛の癒し、訪れる生命の凱歌。謳い、咲き誇れ。清浄なる魔力の調和(クラルス・コンコルディア)」
氷で創られた桜の花弁が舞う中、
地上の人類砦という希望の存在を伝え、移住を勧める
ただ、絶対の安全は約束されていないことは忘れずに伝えるように
「それでも。このまま地下に留まるよりは、ボク達猟兵の手も届きやすいはずだよ」
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エウロペ・マリウスは仲間が説明している間、簡易な野外病院、アスクラピウスを展開していた。
移住について考えこんでいる住人達のために、エウロペは温かいスープを用意する。
「まずこれをどうぞ。後、怪我のある人や、体調が不安な人は、できる範囲で治療するから言ってね」
まず心身のケアが大事と、スープを振舞い、またてきぱき住民の怪我に応急手当を済ませるエウロペ。
その手際の良さに、住民たちは尊敬の目を向けてくる。これなら「力」を使っても大丈夫、とエウロペは判断。呼吸を整え、
「豊穣の調律者。繰り返す死への拒絶、盲愛の癒し、訪れる生命の凱歌。謳い、咲き誇れ。清浄なる魔力の調和(クラルス・コンコルディア)」
エウロペは氷の花弁を降らせ、花弁に触れた住民達を一気に癒しきる。
「痛くなくなった!」「体が軽い!」住民達は感嘆。
住民達の信頼を獲得したエウロペは、説明を始める。
移住する先は人類砦で、この世界の人々にとって希望の場所なのだと。
目を輝かせる住民達に、エウロペは鋭い声色で言う。
「ただ、ヴァンパイア達に狙われる可能性はある。絶対の安全は約束されていないのは、留意してほしい」
思わず黙る住民達。エウロペはあくまで冷静に続けた
「それでも。このまま地下に留まるよりは、ボク達猟兵の手も届きやすいはずだよ。だから皆には、移住することを勧める」
そのエウロペの話しぶりに誠実さを感じたようだ、住民達は真剣な表情になり、互いに相談をし始める。
しばらくの後、住民達の一人が、皆を代表して発言する。私達は移住することに決めました。どうかよろしくお願いしますと。
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住民達は移住のための身支度を整えるべく、いったん建物に引き返す。俄かに騒がしくなる地底都市。
そんな中、住民の一人、幼い子供が猟兵達に近づいてきた。
「猟兵さんたち、ありがとー!」
舌足らずに礼を言う子供、その瞳は希望できらきら輝いていた。
大成功
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