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射干玉ドールマター

#アポカリプスヘル #ヴォーテックス・シティ

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#アポカリプスヘル
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#ヴォーテックス・シティ


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「黒い髪の女たちを探せ! まだ近くにいるはずだ」
 華やかな街と対になった裏路地に野卑なレイダーの声が響き渡る。彼に捉えられた年端もいかない少女が叫んだ。
「放して!」
「黙れッ!!」
「きゃあッ――」
 頬を張り倒された少女はぐったりと動かなくなり、それを見ていた別のレイダーが舌を打つ。
「おい、商品に傷をつけるなよ」
「だってこいつらが暴れるから――」
「これからこいつらを売り付ける依頼主は可愛い顔してそういうのには目ざといんだよ。どうせ元の姿なんてわからないもんに改造しちまうくせにな。おい、そっちは何人捕まえた?」
「こっちは3人だ」
 少女を捕らえた鎖と枷を見せ、また別のレイダーが答えた。
「あと14,5人くらいか?」
「ああ、早く見つけないと約束の時間に間に合わなくなっちまう……ん?」
「どうした」
「いや、見られてたような気がしたんだ。逃げた女かもしれない。ちょっと見てこよう」

「――だめ、他の子たちは捕まっちゃったみたい」
 他の皆が逃げ込んだ倉庫の中へと駆け込んだ少女は、絶望の色に目を染めながら膝をついた。
 その場にいるのは十数名の少女ばかり。
 いずれも黒髪で、年は十二歳から十八歳ほど。人身売買のブローカーの元から逃げて来たのだ。不安そうに抱き合い、震えている。足首にはタグがつけられており、これから売られる先の顧客名が刻まれていた。
 野猫団、と。

「さて、急を要する事件だ」
 サク・スミノエ(花屑・f02236)は手早く説明を始めた。アポカリプスヘルに存在する悪徳の都「ヴォーテックス・シティ」。その名の通り、悪名高いヴォーテックス一族の支配する不夜城では道理をわきまえない無惨な事件が連日のように起きている。
「端的に言うと、人身売買の現場を押さえて売られそうになっている奴隷たちを解放してほしい。奴隷はいずれも黒髪の少女で、夜猫団というオブリビオン化したレイダー一味に売り飛ばされることになっている」
 何でも彼らは無垢な少女ばかりを買い取り、その体を改造して好みの姿へと造り替えて愛玩道具にしてしまうのだそうだ。
「逃げ出した少女のうち、4人はレイダーに捕まっている。残りの15人の少女が隠れている倉庫からふたつほど区画を北に移動した辺りの路地裏付近だ」

 現場の地図を表示した立体映像の一部が赤い丸で囲まれる。一方は入り組んだ路地、もう一方は巨大な倉庫の片隅。
 前者には4と8、後者には15と数字が表示されている。そして両方のちょうど中間点を移動する光点とともに3と出た。
「4と15が奴隷の少女、8と3が人身売買のブローカーであるレイダーの人数だ。ここで全てを解放または討伐しきれなくともまだ後にチャンスはあるが、できるだけ多くをここで助けられるのが望ましい」

 もし救出しきれなかった場合でも、彼女たちを買うつもりだった野猫団との戦闘時に助けられれば十分に間に合うはずだ。
「それと、気になる情報がある。この野猫団たちをさらに裏で操るオブリビオンの気配……改造した愛玩道具は自分たちで消費するのみならず、どうやらさらに上納する相手がいるらしいな。一応、心に止めておいてくれ」
 説明を終え、猟兵たちをアポカリプスヘルへ送る準備が整った。乾いた砂嵐の支配する無法の巨大都市へと、跳ぶ。


ツヅキ
 プレイング受付期間:公開時~9/16 8:30迄。

 期間内に届いたプレイングはできるだけ採用します。多少のオーバーは問題ありませんので、遠慮なくお送りください。
 2章の受付は1章完結から一両日中に開始します。タイミングは雑記に記載しますのでそちらをご確認ください。

 共同プレイングやサポートは歓迎です。
 一緒に参加される場合は冒頭に呼び名とIDをご記載ください。
 1章のみのご参加や飛び入りもご遠慮なくどうぞ(人数には融通が利きますので、飛び入りで継続参加者の方を押し出してしまうようなご心配はありません)

 リプレイは内容ごとに幾つかの班に分けて数人ずつ描写します。単独行動の方が書きやすい場合は1人のみの描写になる可能性があります。

●第1章
 19人の少女を救出してください。ここで助けられなかった少女や倒しきれなかったレイダーは次の章にも登場します。
 基本的に行ける場所は1つのみです(例えば、先に路地裏のレイダーを倒してから倉庫に向かうといったプレイングは時間が足りなかったと判定されます)

●第2章
 野猫団との集団戦闘になります。

●第3幕
 黒幕のオブリビオンとのボス戦になります。
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第1章 冒険 『セーブ・ザ・スレイブ』

POW   :    レイダーを腕力で成敗する

SPD   :    逃走経路を探し、秘密裏に奴隷を逃がす

WIZ   :    自身もあえて奴隷となり、現地に潜入する

👑7
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

空桐・清導
・路地裏側に向かい、POWで挑みます。

どちらに行くべきか、かなり悩んだ。
けど、何時売り飛ばされるか分からない子達を先に助ける。
倉庫にいる子たちは他の猟兵に任せて、目の前に集中するぜ。

「そこまでだ、レイダー共!」
そう声を上げることで視線をこちらに集中させる。
一瞬ひるんだ隙に[力溜め]し、サンライザーの[一斉射撃]を行う。
全弾が[誘導弾]なので、敵を一気に薙ぎ払う。
UCを発動し、残党がいればぶっ飛ばす。
「もう大丈夫だ、キミ達を助けに来た!!」
まずはそう言って彼女達を安心させるぜ。
彼女達を抱え、空を飛んで安全な場所まで移動する。
風圧とかの危険物は[オーラ防御]で防ぎ、
彼女達の飛行中の安全を確保する。


春乃・結希
レイダーと戦えればどこでも

黒髪の女の子を狙うなら…私の髪も囮に使えるかもしれない!
今日のために念入りにお手入れしておきますっ

ずりずりと大剣を重そうに引き摺りながら敵の前へ
あっ…こ、こないでください…
これが、見えないんですか…うーんっ(持ち上げようとしてふらつく

みたいな演技で、敵が油断して間合いに入るのを誘います
いや…さわらないで…!(『with』を振り上げる)【怪力】【重量攻撃】
…って言ったやないですか

逃げようとしたり、女の子を盾にするような動きを見せたら
『wanderer』の出力を全開に踏み込み、瞬時に間合いを詰め、蹴り飛ばす
どうかな。私の髪
あなたのお客さんも気に入ってくれそう?


メイスン・ドットハック
【WIZ】
ヴォーテックス・シティとは随分物騒なところじゃのー
しっかりレイダーも倒して、君等も救出してやるけーのー

倉庫に向かい少女達を救出する
UC「隠れ家への小道」で電脳空間に少女達を収納し、レイダー達に捕らわれないようにする
電脳空間には食料・シャワールーム・ベッドなどを予め用意しておき、少女達が安心できるような空間を提供する

捕らわれた少女は他の仲間が助けにいっておるから安心しておけばいいのー
そう言って、捕らえられた仲間を心配している少女を落ち着かせて電脳空間に入ってもらう
それでも向かおうとする少女は他の猟兵に任せる

レイダーの戦闘の場合は二足歩行戦車を出して蹂躙する

アドリブ絡みOK


雨咲・ケイ
なるほど、まさにこの世界を象徴するような
ミッションといえますね。
それにしてもヴォーテックス一族ですか……。
そちらも気になるますね。

【WIZ】で行動します。

8人のレイダー側に向かいます。
チャイナドレスを着用して女装し、
敵を狭い路地に誘き出しましょう。
一応、性別以外は条件を満たしていますしね。

敵が乗ってきたら【カウンター】を仕掛けます。
こういう時の台詞は
「かかりましたね!アホが!」
でしたでしょうか。

オーラを纏った体術と【サイキックブラスト】で攻撃。
敵の数が1人になったら【グラップル】で締め上げて
黒幕の名前や居場所といった情報を聞き出しましょう。

アドリブ歓迎です。


黒木・摩那
ヴォーテックス・シティとは、またひどい街もあったものです。
少女を攫って奴隷として売り飛ばすとか、何をどうあってもダメです。
レイダーを撃退して、少女達を救い出してみせます。

レイダーの数の多い、少女達が捕まっている方に行きます。
奴隷は黒髪が条件とのこと。
同じ色の髪ですから、逃げた少女の振りしてレイダーに捕まります。

少女達と一緒になって安全を確認してから、UC【墨花破蕾】で自分と少女達の拘束を黒蟻に変換して解放。
そのまま黒蟻達にレイダーを襲わせます。

それでも反撃してきたら、ヨーヨーで【武器落とし】して【念動力】で回収してから、【なぎ払い】ます。

タイミングよければ他の猟兵と挟撃できそうですね。


故無・屍
…フン、きな臭ェ依頼だ。

この世界は『こういうモン』だ、状況の事情だのガキ共の末路だのどうでもいい。
そういう仕事だからやる、それだけだ。
…誰かと重ねてなんざいねェよ。


自分は倉庫側に対応。
UCによる技能に加え目立たない、偵察の技能にて
逃走経路を確保しつつ隠密に動き救助活動にて少女達の救出に動く

見張りのレイダーが居る場合は暗殺、早業にて気付かれる前に始末する
アイテム『アビスウォーカー』を使用し、
救出できた少女達を荷台に乗せ、荷台を覆い隠して
運転、運搬、逃げ足の技能にて確保しておいた逃走経路にて撤退。
少女達の足のタグは斬り離して回収する

…俺を信じろとは言わねェ。
ただ、『マシだと思う方』をお前らで選べ。


幻武・極
やれやれ、ここの奴らは相変わらず人身売買とか粗暴なことをしてるよね。
とりあえず、まだ捕まっていない方はどうにかなるだろうから裏路地の方の救出に行くかな。

トリニティ・エンハンスⅡで状態異常力を強化して
氷漬けにしたり、感電させたりしてレイダー達を無力化させていくよ。

ボクはキミ達に用があるんじゃなくて、その取引先に用があるんだよ。
紹介してくれないかな?



「ん、しょ……っと」
 その漆黒の大剣はあまりにも重く、見るからに非力そうな少女には振るうどころか持ち上げることすら敵わわぬように思えた。
(「まあ、もちろん演技なんですけどね……」)
 春乃・結希(withと歩む旅人・f24164)の思惑通り、裏路地から走って来たレイダーたちは結希の艶やかな黒髪に気付いた途端、色めきだった。
「――あれ、もしかして逃げ出した奴隷か?」
「いや……でも、あの黒髪なら上玉だ。高く売れる。さらっちまえ!」
 目の色を変えて駆け寄ってくる彼らに、結希は怯えたような顔を見せた。慌てふためき、剣を引きずる手に力をこめる。
「あっ……こ、こないでください……これが、見えないんですか……うーんっ」
「へへ、お嬢ちゃんにゃそんなん使うのは無理だって。それにしても、いい剣だな。おい、こいつももらっちまおうぜ」
「いや……さわらないで……!」
 汚い手が『with』に触れようと不用意に近づいた瞬間、持ち上がるわけのない大剣がレイダーたちを薙ぎ払い、跳ね飛ばした。
「ごふっ――」
 男たちはものの見事に吹き飛び、背中から壁に激突。
「……って、言ったやないですか」
 軽々と剣を掲げた結希は、半目になって呆れた表情を浮かべた。
「よ、よくもッ――ぎゃふん!」
 向けられた銃の引き金が引かれるより先に、その性能を余すことなく発揮する『wanderer』。瞬きの間に勝負は決まっていた。ふわりと宙を舞った髪が肩に落ちるまでの、ほんの僅かな時間。間合いは一気に詰まり、見事に蹴り飛ばされたレイダー達は今度こそぴくりとも動かない。
 念入りに手入れしてきた髪に指先を絡め、結希は小首を傾げて尋ねた。
「どうかな。私の髪、あなたのお客さんも気に入ってくれそう? って、もう聞こえないか」

「……どうやら、見張りの類はいねェようだな」
 故無・屍(ロスト・エクウェス・f29031)の気配は完全に断たれ、倉庫の周辺を偵察する姿は誰の目にも止まらなかった。
「早く乗れ」
 荷台を布で覆った改造トラックを親指で示すと、身を寄せ合った少女たちは戸惑うように顔を見合わせる。
「あ、あの……どうして私たちを……助けて下さるんですか?」
「理由なんぞない。そういう仕事だからやる、それだけだ」
 屍は軽く鼻を鳴らし、「急げ」と彼女らを促した。
(「そう、この世界は『こういうモン』だ。だから……誰かと重ねてなんざいねェよ」)
 どうでもいい、とまるで自分に言い聞かせるように繰り返す。状況の事情だとか、ガキ共の末路だとか。
 そんなのは、関係ない。
「お願いです、他にも捕まってしまった子たちがいるんです。助けてあげてください」
 縋りつかんばかりに懇願する少女の肩をメイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)はなだめるように叩いた。
「大丈夫。そちらには他の仲間が助けにいっておるから安心しておけばいいのー」
「本当ですか?」
「ああ、こちら側にレイダー達が現れないのがその証拠じゃ」
 メイスンは微笑し、倉庫の壁に設置型の電脳窓を開いた。驚く少女たちに軽く説明する。この中は安全な電脳空間で、中には食料やシャワールーム、それにベッドなどが用意してあるから自由に使ってくれて構わない――と。
「にしても、このような事件が日常茶飯事だとは、ヴォーテックス・シティとは随分物騒なところじゃのー」
 改めてメイスンは肩を竦める。
 少女たちはおそるおそる窓に近づき、ひとりずつ中へと吸い込まれるように消えていった。
「とにかく、きな臭ェ街だな。誰も信じられなくなるのも無理はねェ」
 ふと、倉庫の隅に残った少女と屍の目が合った。こちらを睨みつけるように立ち尽くしている。
 屍は顎で彼女自身を示した。
「嫌ならここにいたって構わねェよ。ただ、『マシだと思う方』をお前らで選べ」
「――――」
 ぎゅっと服を握りしめ、しばらくの間俯いて考え込んだ後で少女はたっと駆け出すとトラックの荷台に飛び乗った。
 屍は倉庫の中に誰も残っていないのを確認し、荷台を覆い隠す。不安そうに見守る少女たちのタグを足から斬り離し、別に回収しておく。
 脱出経路の確認を済ませ、電脳窓を片付けていたメイスンに運転席から声をかけた。
「そンじゃ、先に行く」
「気をつけてーのー」
 少女たちを乗せたトラックが走り去った後で、メイスンはやけに大きなバイクの排気音を聞いた。最初はレイダーかと思ったが違うようだ。
「これは『KIYOMORI』の出番かのー?」
 レイダーでなければその正体はひとつしかない。
 少女たちを買い取って愛玩道具に改造しているという野猫団。その一味が駆る二輪型装甲単車による爆音が近付きつつあった。

「わたしたち、どうなっちゃうんだろう……」
 もう二度と少女たちを逃がさぬように、レイダーたちは4人をまとめて自分たちが包囲する輪の中に拘禁していた。
「ほら、おとなしくしてろ!」
 投げ込むように連れてこられた5人目の少女が輪の中に倒れ込む。
「あなたも捕まってしまったの?」
「……ええ。あなたたちを助けるために、ね」
 長く美しい黒髪に隠れていた横顔に微笑を浮かべ、黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は厳重に鍵のかかった拘束具をいともたやすく黒蟻の群れへと変えてしまった。
「きゃ……」
「しーっ。駄目ですよ、大声をあげちゃ。あなたたちの拘束を解いてあげるから、私がいいと言うまで動かないでください」
「逃げられる?」
「もちろんです。でも、タイミングが大事。そして、それはすぐにやってきますよ」
 摩那の予言通り、レイダーたちが浮足立つまでそう時間はかからなかった。敵の数は8人。だが、そのうちの2人が持ち場を離れたのだ。
「追え、絶対に捕まえろ!」
 チャイナドレスのスリットから覗く白い大腿が男たちを誘うように見え隠れする。
(「効果覿面ですね」)
 雨咲・ケイ(人間の學徒兵・f00882)は内心呆れつつ、できるだけ本隊から引き離すために走る速度を上げた。
 相手はケイがただの少女だと思って油断している。
「そういうの、自滅への一歩ですよ」
「え?」
 捕まえた、と手を伸ばしきったレイダーの顔面に高圧電流の塊が叩き付けられた。
「かかりましたね! アホが!」
「あがっ……――」
 予想外の反撃に受け身すら取れず、地面を転がる。
 もうひとりの足元を払い、態勢を崩したところに関節を決めて背後から首筋を締め上げた。醜い呻き声が耳を穢すのも構わず、尋ねる。
「黒幕は誰です? できれば居場所も」
「し、知らねえ……」
「嘘おっしゃい」
「ぐえっ!」
 更に締めると、泡を吹きながら喚くように漏らした。
「ほ、ほんとうだ。俺たちの商売相手は野猫団っつうマフィアみたいな連中で、そいつらの上に誰がいるのかなんて知らねえ……た、ただ……噂は聞いたことがある。前に野猫団のやつらが上客だと言って自慢していた……黒衣の無感情な女――……」
「それは、ヴォーテックス一族とは無関係なのですか?」
「知らねえ、知ら……」
 がくりと意識を失ったレイダーの体を離し、ケイは立ち上がる。
「黒衣の女……一体、どんな目的で改造された少女たちを……?」

「そこまでだ、レイダー共!」
 突如として裏路地に響き渡った快声に、裏路地に残る6人のレイダーたちが気を取られた刹那。
 空桐・清導(ブレイザイン・f28542)は身に纏う真紅の機械鎧から熱き炎を解き放った。隙をつき、渾身の力を溜めての奇襲攻撃である。
「う、うわあっ!!」
 慌てふためき、誘導弾から逃げ惑うレイダーたちを次々と氷嵐や稲妻が襲った。ありとあらゆる自然災害を操りし、幻武・極(最高の武術?を追い求める羅刹・f00331)による魔術拳である。
「やれやれ、ここの奴らは相変わらず人身売買とか粗暴なことをしてるよね。まさか、ボクたちを前にして逃げられるとでも思った? だとしたらとんでもない勘違いだよ」
「ちっ――」
「無駄だ、もう逃げ場はない!!」
 清導の全身が黄金のオーラに包まれている。握りしめた拳が輝き、身動きできずに目を見開いたレイダーを思いっきりぶっ飛ばした。
「もう大丈夫だ、キミ達を助けにきた!!」
 驚いている少女たちを安心させるように破顔し、人数を確かめる。
「4人か。ここにいるのはこれで全員だな?」
「は、はい……他にもまだいっぱいいるけど、逃げられたのかどうか……」
「心配ない、そちらにも俺たちの仲間が向かってる」
「ほ、ほんとう?」
 ぱっと、少女たちの顔に希望が差した。
「ああ」
 極が頷き、戦いに巻き込まないよう彼女たちを下がらせる。
「そっちは彼らに任せておけば問題ないよ。ふたりとも、特製の脱出手段を持ったひとたちだからね。空桐だっけ? ここはボクが抑えるから、いまのうちに彼女たちの脱出を頼むよ」
「任せてくれ!」
 清導は軽々と4人の少女を抱え、地上を後にした。
「きゃあっ」
「大丈夫、目をつむって。すぐに安全なところまで届ける!」
 これだけの速さで空を飛べば風圧もかなりなものになるはずが、少女たちには何の影響も及ぼさない。
 ――気だ。
 清導の清冽なるオーラが障壁となって彼女たちの身を守っているのであった。
「くそっ、てめぇらよくもやってくれたな!?」
 怒り心頭なのはレイダーたちの方で、商売道具を持ち逃げされた怒りに打ち震えている。極はやれやれと肩をすくめ、挑発的に言い放った。
「ボクはキミ達に用があるんじゃなくて、その取引先に用があるんだよ。紹介してくれないかな?」
「ほざけ、このガキ――!!」
 だが、真っ先に飛びかかったレイダーたちは氷嵐の洗礼を受けて氷漬けとなる。仲間の無惨な姿に難を逃れた者たちの口から情けない悲鳴が上がった。
「ああっ!?」
「人を見た目で判断するその行為、感心しないな」
「てめぇ……ッ!!」
 怒りに我を忘れ、後先考えずに飛びかかろうとしたレイダーの動きが不自然に止まる。なんだ? 足や背筋がなんだかむず痒い――?
「ひっ……、あ、蟻だと!? や、やめろ、痛い、噛み付いてきやがる……!!」
 くすくすと笑う声に目を向ければ、黒蟻達を従えた摩那が物陰から悠然と歩き出して来るところだった。
「これは、あなた達が少女を拘束するのに使った道具が変換されたものです。自らの罪は自らの身で贖いなさい」
「このォ――!!」
「悪足掻きですね」
 宙を迸るヨーヨーがレイダーの顎を砕き、銃を落とす。それは摩那が軽く指先を動かしただけで彼女の手に回収され、丸裸にされた男はそのまま薙ぎ払われて動かなくなった。
「あ……」
 その時、どこからか聞こえたバイクの音に倒れ伏したレイダーたちの表情が変わる。
「この排気音、や、野猫団の連中だ……!! 取引現場に来ない俺たちを制裁しに来たんだ……!!」
「そんなに怖いのかい、野猫団って奴は?」
 極の質問にレイダーは怯えたように頷いた。
「さ、さっき紹介しろって言ってたな……そんなもん必要ねぇんだよ。あいつらは損得でしか動かない。一見だろうが常連だろうが利害が一致すりゃあ組むし、しなくなりゃあ始末するだけなのさ」
 ごくりと息を呑み、告げる。
「いいか、一度しか言わねえ。生きて帰りたかったら、あの可愛い顔に騙されるなよ……!!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ワイルドにゃんこ』

POW   :    にゃんこ爆砕拳
単純で重い【肉球】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    にゃうザンドアーツ
自身の【瞳】が輝く間、【にゃんこ真拳】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    ワイルドハント
【敵の真の姿を模したビハインド】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「まったく、いくら猟兵相手とはいえ情けない有り様ですにゃあ」
 次々とバイクで駆け付けた野猫団の数、およそ十数匹。裏路地の至るところに伸びているレイダー達と武器を構えた猟兵を交互に眺め、「お手上げ」だとばかりにふかふかした肉球を見せつける。
「しかも奴隷たちにも逃げられてるし……ん? でも黒髪の子がまだいるにゃん!」
 獲物を見つけた途端、彼らの目の色が明らかに変わった。
「きっといい玩具になるにゃ。こんな風に――」
 野猫団の一匹が鎖を引くと、繋がれた先で微かな鳴き声がした。
 首輪。
 四つん這いになって、目も耳も口も潰された黒い耳と尾を持つ獣。
 否、と誰かが首を振った。
 あれは人だ。
 身も心も弄られ、愛玩用に改造された憐れな奴隷の成れの果て。
「二手に分かれるにゃ! 黒髪の子を捕まえるのと、邪魔なやつを倒すのと」
「了解にゃー!!」
 彼らの駆るバイクは二輪型装甲単車――特殊な重力制御によって地面のみならず、足場さえあれば垂直の壁だろうが天井だろうが走れる機動力に優れた代物だ。
 故に、戦場はこの街中の全て。
 辺りを見渡せばそこら中に乗り捨てられたクルマやバイクが転がっている。鍵はかかっていないようで、すぐに動かすことができそうだ。あれらを利用するのもひとつの手だろう。あるいは何かしらの“足”があれば、互角以上に戦うことも難しくはない。
「さあ、勝負だにゃん!」
 一斉に散開し、フルスロットルで駆け巡る野猫団は関係のない街人を戦いに巻き込むことも躊躇わない。裏路地を超えて大通りに飛び出した彼らから逃げ惑う人々の悲鳴が、戦いの始まりを意味していた。
空桐・清導
少女達を送り届けてから、野猫団達の元にやってくる。
デカい猫が二足歩行していることに少し驚く。
しかし、こいつらは彼女達を改造し、売り飛ばす悪党だ。

「これ以上、てめーらの勝手は許さねえ!」
そう叫ぶと共に、ブレイヴ・ドライバーが光を放つ。
「超変身!ブレイザイン・アクセルモード!!」
各装甲がスライドし、光が漏れ出す。
サンライザー、マイティ・リアクターはブースター状に変形する。
(長くはもたねえ。まずは頭数を減らす!)
超高速で動き、野猫団を鋭さと長さを増した
ブレイジング・レザーで[なぎ払う]。
こいつは刃と炎[属性攻撃]の[2回攻撃]だ。
相手の攻撃は[気合い]で避け、
当たりそうな攻撃は[オーラ防御]で弾く。


幻武・極
やれやれ、この世界には武術を扱うにゃんこがいると風の噂で聞いていたんだけどがっかりだよ。
そんな物に乗っていたら武術なんて使えないじゃん。
どうしても武術を使おうとするなら二人乗りをするしかないよね。
ただ、バイクを武器としてウィリーによる攻撃なんて芸当してくれたら話は別なんだけど無理だよね。

さて、磁場形成を使うかな。
被害者の人たちにはオーラ防御のオーラを飛ばしておいて磁場形成の影響を受けないようにしておくよ。
さて、同極同士が押し合い、対極が引かれ合う空間でバイクをコントロールし続けられるかな?
ボクは引かれ合ったにゃんこを次々と倒していくかな。


エリー・マイヤー(サポート)
どうもエリーです。
手が必要そうなので、手を貸しに来ました。
【念動力】で解決できる事なら、お任せください。

とりあえずバリア張りつつ、
【TK-B】で衝撃波ぶち込んだり、
【TK-G】で敵を纏めて掴んで振り回したり、
【TK-J】で周囲の敵を串刺しにしたりもできますよ。
後は物を動かしてバリケード作ったり、
砂を動かして目くらましにしたり、
本棚を動かして敵を潰したり…
まぁ、環境に応じてどうとでもって感じですね。
飛び道具を持たない敵なら、
持ち上げて無力化したりもできますよ。
【アルジャーノンエフェクト】は、瞬間風速が欲しい時にでも。

えっ、殴り合いですか?
そういう野蛮なのはちょっと…


スピネル・クローバルド(サポート)
『お姉ちゃんに任せておいてね♪』
 妖狐のクレリック×アーチャーの女の子です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、兄弟姉妹には「優しい(私、~君、ね、よ、なの、なの?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は温厚で人に対して友好的な態度をとります。
滅多に怒る事はなく、穏やかです。
怖そうな敵にも、勇気を持って果敢に挑む一面もあります。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「やれやれ、君らにはがっかりだよ。せっかくこの世界には武術を扱うにゃんこがいると風の噂で聞いていたっていうのに……」
 幻武・極(最高の武術?を追い求める羅刹・f00331)は心底から深い息を吐き出し、暴走団と化した敵陣を冷ややかなる眼差しで眺めた。
「どういう意味にゃ?」
「わかんないかな。そんな物に乗っていたら武術なんて使えないじゃん――ってことだよ」
「にゃにゃにゃ!!」
 極が軽く拳を打ち合わせた途端、歪んだ磁場の影響で野猫団たちは面白いように体勢を崩した。まるで氷の上を滑るかのようにハンドルが利かない。
「な、なんにゃー!?」
「それじゃヒント。重力を操作しているのなら、辺り一帯の磁場を支配すればどうなる?」
 得意げに極は笑み、丁寧に教えてやった。
「さて、同極同士が押し合い、対極が引かれ合う空間でバイクをコントロールし続けられるかな?」
「おにょにょにょにょ!!」
「そら、一丁上がり」
 頼みのバイクが逆に枷となった状態の彼らを蹴り落とし、殴り倒すことはあまりにもたやすかった。
「そっち、いったよ」
「はい、いつでもどうぞ」
 エリー・マイヤー(被造物・f29376)は表情ひとつ変えないままに呟き、敵を探知したソナーからの情報を元にバリアを張り巡らせる。
「殴り合いみたいな野蛮なのは苦手なので、触らずにやらせてもらいますね」
 ――テレキネシス。
 見えない力に捕らえられた野猫団がバイクから引きずり降ろされ、突如として背中から血を噴いた。不可視なる槍による、不可避の突穿。
 衝撃波によって地面へと叩き付けてやった余波の砂埃が、エリーの咥える煙草の紫煙を揺らめかせていった。
「こ、こいつ念動力使いにゃのか……!?」
「端的に言えばそういうことですね。他にもいろいろとできますよ」
 ふわりとエリーの背後にあった乗り捨てのバイクが持ち上がり、路地を駆け抜けようとしていた野猫団の道を塞ぐように投げ出される。
 当然、それを避けようとブレーキをかけたところに死角から鮮烈なる矢雨が降り注がれた。
「当たりました!」
 狙撃を成功させてなお、スピネル・クローバルド(家族想いな女の子・f07667)の所在を野猫団たちはまるで掴めなかった。
(「ふふ、闇討ち成功♪」)
 ひっくり返った車体の背後に身を潜ませたスピネルは次の矢を番え、更なる攻撃の機会をうかがっている。
 一方の野猫団はどこから狙っているのかも分からない狙撃手の存在に足止めを食らっていた。
 前にはまるで感情の読めないサイキッカー、そして戦場のどこかにはまるで気配を感じさせない狙撃手の存在。
「や、やばいにゃん……逃げるにゃん……!!」
「そうはいきませんよ!」
 すかさず、スピネルは退路を塞ぐように矢を放った。大きくしなった聖樹の大弓から発射されたそれは悲鳴を上げて逃げまどう野猫団のお尻へと次々に突き刺さる。
「うにゃーっ!!」
「往生際が悪いですね。とっとと大人しくなりなさい」
 言い終えるより早く、エリーは転がった敵をまとめて掴むと立て続けに投げ込んでひとつどころに積み上げてしまった。
「にゃたたたた……よ、よくもこけにしてくれたにゃん……!! こうなったらビハインド、相手の真の姿を暴いてやっつけてやるにゃん!!」
「――そうはさせるか!」
 間一髪で戦場へと舞い戻った空桐・清導(ブレイザイン・f28542)が、仁王立ちとなって敵の目論見を阻んだ。
「早かったね」
 極に頷き、親指で示した空には銀灰色の揚陸艦が街に巨大な影を落としている。
「仲間が助けた少女たちを引き受けてくれた。これで存分に戦える。これ以上、てめーらの勝手は許さねえ!」
 目まぐるしい輝きを放ち、ブレイヴ・ドライバーが起動。瞬く間に各装甲がスライド、変形しつつ清導の全身が見えなくなるほどの光を放つ。
「いくぞ!!」
 ブースター化した部位から轟炎を吹き、超高速で一気に距離を詰めた。
(「長くはもたねえ。まずは頭数を減らす!」)
 更なる加速。
 ――そして、構えたブレイジング・レザーが辺り一帯を巻き込んで嵐のように敵陣を薙ぎ払った。
「にゃ、にゃんのこれしき……!!」
 腐っても野猫団である。
 その拳を磨き、生きるか死ぬかの瀬戸際を生き抜いてきた矜持が彼らにもある――あった。過去形なのは、敢え無くその斬撃と炎の前に屈して毛皮を焼かれながら逃げ回るはめになったからである。
「わあっ!」
 余波で吹っ飛んだバイクから街人を庇ったのは磁場の変容から彼らを除外するために極が飛ばしておいた気膜の盾だった。
「だから言ったんだよ、そんな物に頼らないで己の拳を信じればよかったのに。それとも、今から2人乗りでもする? ああ、それともバイクを武器としてウィリーで突撃なんて芸当を見せてくれるのなら話は別だけど、無理だよね」
「ぐ、ぐにゅにゅ……そこまで言うならやってやるにゃあ!!」
 真正面から待ち受ける極に向かい、前輪が宙に浮いた。
 だが、そこまでだった。
「狂った磁場でそんなことをしたら――」
 当然、バランスを崩してスリップしたまま壁に激突して終了。
「こうなるよね、そりゃ」
「デカい猫が二足歩行しているだけでも驚きなのに、バイクまで乗りこなすとはな。まだまだ俺の知らないことが世界にはたくさんあるんだな」
 清導は纏っていた気膜を解き、改めて初めて見る存在に目を見張る。返す返すも、その悪辣さとは裏腹にぬいぐるみのように愛らしい外面をした奴らであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

春乃・結希
はー……話に聞いた通り、可愛い顔して良い趣味してますね……
私は束縛が嫌いだから、誰かの自由を奪って玩具にするなんて、最低の趣味に思えます
あなた達みたいな、可愛い見た目の相手と戦うのは苦手やったんですけど
今はぶっ飛ばしたい気持ちでいっぱいです

楽しそうなので車で追いかけることにします
今日はあなたが私の相棒だね
ちょっと無理させるかもやけど、頑張ろうね!

『works』に乗って峠で鍛えたドラテクをここで発揮です【リミッター解除】【運転】
私たち相性いいかも!うちの子になる?

追いついたらドリフトしつつ急停止し車の外へ飛び出し
その勢いのまま『with』を叩き付ける【重量攻撃】
どう?私なかなか速くないです?


メイスン・ドットハック
【WIZ】
随分と趣味の悪い物に乗っておるのー
それなら僕も遠慮することなく全力でいけるのー

揚陸艦ロストリンクに搭乗して参戦
先に保護した黒髪の女性達の避難場所の提供も可
機動戦も空中浮遊しながら高速移動をし、AI制御の誘導ミサイルやビーム砲で敵やワイルドハントを確実に狙撃していく

ある程度敵が集まったらUC「美しき原初の紫水晶空間」を発動して、やけに曲道が多いアメジスト迷宮に閉じ込め、オブリビオンの過去を透明化してじわじわと消滅に追い込む

もうなんでここにいることも思い出せんじゃろー。外道なことも忘れてもいいから、さっさと消えてくれのー

仮に一般人を迷宮に巻き込んでもただの宝石迷宮なので問題なし

アドリブ可


雨咲・ケイ
おぉ、本当に猫の一団なのですね。
ですが、もふもふな外見であっても
外道とあらばこちらも全力で葬らせて頂きますよ。

【SPD】で行動。

にゃうザンドアーツですか。
中々興味深い技を使いますね。

【退魔集氣法】を使用して、高速移動で
敵の攻撃を回避。
回避困難な攻撃は【盾受け】で防ぎ、
そのままアリエルを輝かせて
【目潰し】を仕掛け、更に【カウンター】で
おまけの【シールドバッシュ】を放ちます。
攻撃が止まったら、体術と衝撃波による
【2回攻撃】で攻めましょう。
囲まれないよう、常に敵の配置に
気を配りながら戦います。

やはり、私のよく知るもふもふの戦士には
遠く及ばないようですね……。

アドリブ歓迎です。


故無・屍
…まさか猫そのものが出て来るたぁ、少しばかり予想外だな。
手前ェらの所業だのはどうでもいい、仕事を受けた以上は斬るだけだ。

道端のバイクを使用し運転、追跡の技能にて追従、
アイテム【黒影】を伸ばして相手を捕獲し
体勢を崩すの技能にて車体から引き摺り落とし単車を奪う

落とした敵にはUCを使用して捕縛、
後から尋問出来るようにしておく

こっちの車体の方が都合が良さそうなんでな、使わせて貰うぞ。

改造された奴隷に対しては、
可能であれば動物と話すにて意思を聞く

それでも生きることを望む、もしくは元に戻る見込みがあるならそのまま救出対象へ、
それが不可能である、死を望むのであれば
早業、暗殺にて苦しませることなく止めを刺す


黒木・摩那
改造された奴隷の姿を見るに、野猫団のかわいい容姿なんて吹っ飛びます。
人をそんな姿に改造するなんて、
絶対に許せません!
全員、叩き切ってあげます。

魔法剣『緋月絢爛』で戦います。
相手は黒髪が目当てなので、ここは逃げます。

ドローン『マリオネット』を上空に滞空。
スマートグラスと連携して周辺地形を把握します【情報収集】。

その上で、ヨーヨーを使って、建物の間を擦り抜けたり、
加速エンジンで【ジャンプ】【ダッシュ】を駆使して、街中を駆け回ります。

防御は【第六感】とスマートグラスのセンサーで対応します。

相手がこちらを捕まえようと、集まってきたところでUC【風舞雷花】で一網打尽です。



 ヴォーテックス・シティ。
 その名が現わすのは救いのない街。力のない人間の命など紙屑と同じく踏みにじられて当たり前の、仁義なき無法地帯。
 力だ。
 生き抜くためには力がなければならない。故に野猫団は拳を磨き、凄惨な内部抗争を繰り返しながらも勢力を拡大し続けてきた。
 なのに、何故――?
「お、追いつかないのにゃ!?」
 フルスロットルでバイクを駆っているはずの野猫団がついに弱音を吐いた。雨咲・ケイ(人間の學徒兵・f00882)は肩越しに振り返り、挑発するように尋ねる。。
「ほら、こっちですよ。捕まえて奴隷にしてやるのではなかったんですか?」
「とっくの昔に全速力にゃー!!」
「ふう……やはり、と言いますか。私のよく知るもふもふの戦士には遠く及ばないようですね……この程度の高速移動にも着いてこられないとは」
 呆れたようなケイの吐息にまで籠る、無謬とも思われし退魔の闘氣。
「くっ、こうなったら相打ち覚悟で突っ込むにゃ!!」
「――と、破れかぶれの戦略に頼る辺りが甘いのですよ」
 呆気なく盾によって弾かれた拳がハンドルから離れた。その隙を逃さなかったのは盾――即ちアリエルの方だ。
 ケイの闘氣に呼応したそれは太陽のように輝き、追跡していた野猫団たちの視力を一瞬にして奪い取る。
「にゃうザンドアーツ、中々興味深い技ですね。願わくば、互いに忌憚なき状況において手合わせを願いたかったものです」
 そのまま盾ごと相手の顔面に突っ込んで動きを止めたケイは涼しげな顔で髪をかき上げ、黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は靴に取り付けたジュピターを起動。
「どんなにかわいい容姿をしてたって、改造された彼女たちの姿を見たら全部吹っ飛びますものね」
「そういうことです」
 ケイは頷き、関節を決めた状態から急所に衝撃波を撃ち込んでやる。さすがの歴戦の野猫団も為す術があるまい。
「全員、叩き切ってあげます」
 爪が手のひらに食い込むほどに握りしめ、摩那は敵を見据えたまま地面を蹴った。音もなく滞空するマリオネットからの情報さえあれば、どれほど狭く入り組んだ場所であろうと摩那の障害にはなり得ない。
「さあ、鬼ごっこしましょう。捕まえられるものなら捕まえてごらんなさい」
 罠にかけるのだ、この外道らを。
「待つのにゃ!!」
 己の欲に忠実なる彼らは獲物たる摩那しか目に入らない。それが取り返しのつかない敗因になるとも知らずに。ヨーヨーを駆使し、バイクの入れない路地へと入り込んでしまった摩那を見覚えのある姿の影が追ってきた。
「まだ大丈夫……十分に、対応可能!」
 絶え間なく分析結果を表示するスマートグラスを指先で軽く押し上げ、摩那はビハインドの魔の手からすり抜ける。
「今よ――!!」
 路地を抜け、引き付けた敵との距離が全てオールグリーンになった。スマートグラスの照準が合ったことを知らせる電子音と同時に緋月絢爛が彩りに満ちた雷花と綻ぶ。――乱舞。雷電の花嵐へと引き摺り込まれた野猫団はたまらずバイクを投げ出し、情けない悲鳴を上げた。
「にゃにゃにゃにゃー!!」
「この程度、奴隷たちの味わった屈辱と苦痛に比べればそれこそかわいいものです。――春乃さん!」
「おっけーです。さあ、いくよ!」
 一発でエンジンを甦らせ、春乃・結希(withと歩む旅人・f24164)は慣れた手つきで素早くギアをチェンジ。
「にゃ!?」
 後方からぐんぐんと近づいてくる得体の知れない車に、野猫団の間で動揺が走った。
「いったい誰が乗ってるにゃ!?」
「どうも! あなたたちが探してた黒髪の女の子です。どう? 私、なかなか速くないです?」
 ほとんど手入れされていないはずの車体でありながら、結希の要求に全力で応えてくれるのが愛おしい。
「ほんま、気が合うね。このままうちの子にしちゃいたいくらい」
 まるで頷くかのように振り切れる速度計。結希は一気にハンドルを回し、ほとんど壁に接触するぎりぎりを攻めて敵の前に躍り出た。
「うそ!? なんでこんなに運転がうまいのにゃ!?」
「あはは、峠で鍛えたドラテクがこんなところで役に立つとは。おかげさまで、あなた達みたいな最低の趣味を持った輩を心ゆくまでぶっ飛ばしてやれますね」
 開いた窓からにっこりと微笑みかけた結希は見事なドリフト技術で彼らの前を塞ぎ、有無を言わさず斬りかかった。
「ひっ――」
「そうだ、まだ私を改造して玩具にしたいと思ってたりします?」
 結希は敵を粉砕した『with』を大切そうに撫で、可愛らしく首を傾げてみせた。
「でも、残念ですね。私は束縛が嫌いだし、なにより『with』のものやから。だから、わかってくださいね? では、さようなら」

「にゃ、にゃんたることにゃ……!!」
 死屍累々の仲間たちを前にして、残る野猫団の面々は恐怖に慄いた。強い。強すぎる。彼らとて弱肉強食の世界に生きて来たが故に知っている。
 敗者に未来はないのだと。
「ひっ!」
 その時である。
 彼らの携帯端末に一本の連絡が入ったのは。
『ドウシマシタ? 街ガ騒ガシイデスネ。私ノ友達ニナニカアッタノデスカ?』
「い、いいいいいいやそんにゃことはございませんですにゃ!!」
 野猫団の頭領と思しき猫は全身の毛を逆立て、首を振る。
『ナニカアッタノデスネ……』
「ぎくう!?」
『ワカリマシタ。友達ノタメナラ私モ力を貸シマス』
 それきり、一方的に通話が切れる。
「そ、そんにゃ……あのお方が来る……!? に、逃げるのにゃー!!」
 だが、頭上から落ちかかった影に顔を上げればそこにはメイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)の搭乗する揚陸艦ロストリンクの端正なる艦体があった。
「あいつらです!」
 救助された少女たちが野猫団に気付いてざわめいた。
「ふむ。あやつら、随分と趣味の悪い物に乗っておるのー」
「追いつけますか?」
「無論じゃ。ゆくぞ、ロストリンク」
 上空から無慈悲に降り注ぐ一連の誘導ミサイルやビーム砲による攻撃は仲間を失った野猫団たちを心胆から凍らせしめた。
「ど、どこまで追ってくるにゃん!? にゃ、にゃはー!!」
 逃げ切れない。バイクごと爆炎を上げて燃え尽きるもの、盾にしたビハインドごとビームに貫かれて倒されるもの、さまざまに倒されてゆく。
「……あっちは派手にやってやがるな」
 故無・屍(ロスト・エクウェス・f29031)は手近にあったバイクを弄り、エンジンが掛かったそれに跨って走り出した。
「にゃ!?」
「おっと、逃がすかよ」
 難なく追走する屍の足元から伸びた黒影が相手のバイクに乗り移り、そのまま一気に鎖と化した。屍が軽く合図を送るだけでバイクから引き摺り落とし、身動きできないようにきつく縛める。
 屍は主を失って空馬のまま走るバイクのハンドルを捕まえ、ひらりと身軽に乗り移った。
「にゃ!?」
「近くで見ると、マジで猫そのものだな……少しばかり驚いた。野猫団の名は伊達じゃねェってわけか」
「にゃ、にゃんで追いかけてくるにゃ! うちの負けでいいから見逃すにゃ!!」
 微かに舌打ちし、屍は速度を増して敵に並走する。
「手前ェらの所業だのはどうでもいい、仕事を受けた以上は斬るだけだ」
 ちら、と屍の視線が上空に向かう。
 野猫団は気付いていないのだろうか? 自分たちがいつのまにか魅惑的に煌めくアメジスト迷宮へと誘い込まれている事実に。
 やがて、周囲を洞窟のような一面の紫世界に取り込まれてようやく慌てた声を上げるのだった。
「にゃ、にゃんにゃのだここは!?」
 ぞっとするほどに美しい原初の紫水晶たちは道を聞かれど、答えはすまい。
「で、出口がないにゃ!!」
「いいや、ちゃんとあるのー。ただし、ひとつだけじゃがのー」
 メイスンはバイザーに覆われた両目を細め、気だるげに腕を組み合わせた。
「まあ、たどり着くより先に全ての過去ごと消滅する方が早いじゃろうて。そろそろ自分の名前も思い出せなかろー?」
「えっ、あれっ? あ、ああああ――っ!?」
 頭を抱え、透明化する記憶とともに消えてゆく悲鳴を、メイスンはコンソールに頬杖をついてあくびをしながら聞いていた。
「討伐終了したのー。そちらの元少女たちも救出するなら避難場所の提供ができるが」
「いや、その必要はねェ」
 バイクを止め、元少女らの前に立った屍は再び確かめる。
「いいんだな?」
 掠れた声で彼女は頷いた。
 生きることを望むか、あるいは死を望むのか。屍にはわかってしまう。彼女たちもまたかつての名を失った玩具でしかないということ。もはや元には戻れないことを。
「――」
 こういう時、なんと言って送ってやるのが相応しいのだろうか。苦しむことなく一瞬で逝かせてやった骸を前にして屍は無言のまま、剣を納めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『『フラスコより溢れし災厄』実験体参拾五式』

POW   :    世界ノ全テヲ幸福デ満タシマショウ
【物質・非物質を問わず強制同化する汚泥】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【をレベルm/分の速さで侵食する腐海と化し】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
SPD   :    大丈夫、分カリ合エナイ筈ガアリマセン
命中した【対象と強制結合し、再生力にも秀でた性質】の【レベルの二乗本の不定形で悍ましい触手】が【生命体・非生命体を問わず洗脳する肉塊】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
WIZ   :    如何シテ私ニ酷イ事ヲスルンデスカ?
【自身のレベルm半径内を満たす腐海の汚泥】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、自身のレベルm半径内を満たす腐海の汚泥から何度でも発動できる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は黒玻璃・ミコです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 生まれて初めて見たのは、薄暗い研究室に並ぶ番号のついた姉妹(実験体)たちの虚ろなる姿だった。
 産声は割れるフラスコの音。
 求めたのは母の温かな乳ではなく、己を生み出した者の穢れし血潮。
 所詮は無理な話であったのだ。
 世界を蝕む災厄を浄化するためにつくられた人造物は皮肉なことに、それ自体が災厄となって世に放たれた。
 その名を『実験体参拾五式』――人の心の分からない人造の供物。だから彼女は“友達”と出会えて嬉しかった。
 皮肉なことに、野猫団が欲望のままに改造した元少女たちのみが、同じ人造物として三拾五式と分かり合うことができたのである。
 初めて知った友愛の情は、彼女に戦う動機を与える。
「友達ノ仇ハ、私ガ取リマス」
 歴戦たる野猫団を窮地に追い込むとは、余程の手練れであるようだ。念には念を入れ、あれを使うことにしよう。
 全高20mはあろうかという超大型なる多肢型戦車。
 前に野猫団が殲滅した工廠から持ち去った、凶悪なる代物だ。三拾五式はタールのような体を機械の隙間から電子回路にまで侵入させ、操作の支配権を掌握。
 見事、起動に成功。
 しかし、ヴォーテックス・シティはこの世界において最大級の不夜城都市だ。砂漠や荒野とは違い、これだけの巨大な戦車が乗り込めば確実に建造物への被害が見込まれる。
 ――ダカラ、何デスカ?
 友達のためなら、そんなものはいくら壊したって構わない。
 どれだけの人間の命が失われたって私の知った事ではない。
 人間も、無機物も。
 三拾五式にとっては塵芥も同然の存在だから。
 大切なものは唯一、同じ人造物である友達だけ。

「う、うう……あのお方が来てしまうのにゃ……ひいい……!!」
 後ろ手を鎖化した影で拘束された野猫団の頭領が、息絶える前に言い残した言葉がある。
「あのお方?」
 猟兵が問い返すと、彼は怯えた瞳で全身を震わせた。
「よくは知らないにゃ……荒野で運び屋を襲っていた時に、ひとりでさまよっていたあのお方を偶然見つけて……もう少しで殺されるというところで、なぜかうちの奴隷たちを気に入ってくださって……おかげで助かったのにゃ……」
 それからというもの、野猫団は改造した奴隷の献上と引き換えにあのお方――三拾五式、というのが便宜上の名称であるらしい――の存在を盾に勢力を拡大していったのだという。
「ど、奴隷を殺したなんて知ったら……あのお方は絶対に許してくださらないにゃ……! たとえ奴隷がそれを望んだのだとしても、あのお方には絶対に理解できにゃい。あれは化け物にゃ!!」
 化け物、と罵りながら消えてゆく。オブリビオン・ストームによってオブリビオン化した元レイダーの末路であった。
 そして、最後の敵はもうすぐやってくるだろう。
 破壊と殺戮を厭わぬ人造の申し子。
 ふと振り仰いだ空には、ヴォーテックス・シティを象徴する『髑髏と渦巻』の紋章旗。無法者が幅を利かせる一方で、連れてこられた奴隷たちが泥水を啜りながら必死に生きてもいる悪徳の都。

 ひとつ言えるのは、三拾五式にとって両者の違いはないということだ。
 何らかの対処をしない限り、この街に甚大な被害が出るのはまず避けられない未来であった。
空桐・清導
POWで挑みます。

戦車を止める。攻撃は任せた。
他の猟兵にそう伝えて街の外に出る。
「わかってる、キミだけが悪いわけじゃない。」
彼女は友達を守りたいだけだ。
「けど、キミの望みは多くの人を泣かせてしまう。
だからオレは、キミを何としても止める!」
そう宣言すると共に炎があがる。
「共に往くぞ!光焔勇機!」
UCを発動し、巨大ロボが巨大戦車を押し返す。
汚泥に触れ、痛みが走るも[気合い]で耐える。
「俺達が、守るんだぁ!!」
[限界突破]し、街から更に遠ざける。
「ココなら!超弩級必殺!ギガブレイズ・ブラスター!!」
[力溜め]し、胸部から炎を放って焼き尽くす!

また、助けた子達の生活が安定するまで彼女達を守りたいです。


黒木・摩那
壊れるのがヴォーテックス・シティならば、壊れてもいいのでは?と思わなくはないですが、悪徳の都と言えど、普通に人の生活はあります。
やはり放置しておくわけにはいきません。

ヨーヨー『エクリプス』で戦います。
多脚戦車はその脚をヨーヨーで縛り上げることで、移動できないようにします。
そして、UC【トリニティ・エンハンス】で【炎の魔力】【風の魔力】をヨーヨーに付与。炎の旋風で周囲の汚泥もろとも焼き払います【なぎ払い】、

理由はともあれ、オブリビオンが改造奴隷と友情を結ぶことができたのであれば、友達の仇であるという点については受けて立ちます。



 黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)の指先から伸びる、超可変式たるヨーヨー型武装――『エクリプス』。
「例の三拾五式、でしたか? 襲撃まで時間があまりないようですね」
 どうします? と眼鏡越しの茶色い瞳が空桐・清導(ブレイザイン・f28542)を見た。
「壊れるのがヴォーテックス・シティならば、壊れてもいいのでは? と思わなくはないですが――」
「止めてみせる」
 清導は地平線の彼方に見ゆる鋼色の単独行を見据えて言い切る。摩那は最初から分かっていたと言わんばかりに微笑し、彼の隣に肩を並べた。
「そうなりますよね。悪徳の都と言えど、普通に人の生活はあります。いきますか?」
「――ああ。俺たちがあれを足止めるから、攻撃は任せた」
 清導の言葉に他の猟兵から頷きが返る。
 あとは、有言実行するのみだ。
「聞こえるか!?」
 街の外へ駆け出した清導は憚ることなく、あらん限りの大声を張り上げた。
「アレハ……?」
 多肢型戦車を操る三拾五式の方でも気が付いたようだ。外装に取り付けられたカメラが清導の姿を拡大して画像と音声を拾い上げる。
「邪魔シナイデ下サイ、ソレトモ貴方ガ猟兵ナノデスカ?」
「そうだ! けど、わかってる。キミだけが悪いわけじゃない」
 これは、嘘偽りのない本心。
 結局の所は倒すしかないと分かってはいても、それでも伝えたかった。ただ化け物を駆逐するのではなく、事実を承知した上で、それでも誰かを救うためにぶつからざるを得ない戦いがあるということを。
「キミの望みは、たとえ悪意なくとも多くの人を泣かせてしまう。だからオレは、キミを何としても止める!」
 ――熱い炎が清導の全身を覆うと同時に、巨大なるロボットが三拾五式の戦車と真っ向から組み合った。
「共に往くぞ! 光焔勇機!」
「!!」
 初めてこれほどまでに巨大な敵と遭遇した三拾五式の動きが、まるで驚いたように止まった。
「足元がお留守ですよ」
 敵の注意が自分から逸れた隙を摩那は決して見逃さない。
 瞬く間に戦車の死角になる下方へと滑り込み、その脚をヨーヨーのワイヤーで雁字搦めに縛り上げてしまった。
「前、中、後肢……全テ稼働不能。力尽クデ断チ切リマス……!」
「無駄ですよ。このヨーヨーはそう簡単には解けません。その汚泥ごと、薙ぎ払ってあげましょう」
 戦車の隙間という隙間からあふれ出す汚泥に対し、摩那の指先からワイヤーを通じて充填された魔力が風と火の魔術を編み上げる。
「……理由はともあれ、オブリビオンが改造奴隷と友情を結ぶことができたのであれば、友達の仇であるという点については受けて立ちます。さあ、燃え尽きなさい!」
「熱イ、アア……!!」
 肢に絡みつくヨーヨーから巻き起こる炎の旋風が、鋼の戦車越しに三拾五式を容赦のない高熱によって炙り出した。
「俺達が、守るんだぁ!!」
 汚泥の浸食による苦痛も限界も乗り越え、清導は一気に巨大戦車を街から十分に離れた場所まで押しやることに成功。
「勝負、あったな―――? ココなら! 超弩級必殺! ギガブレイズ・ブラスター!!」
 圧倒的な火柱が荒野のただ中に迸った。
 清導は拳を突き出し、ここに誓う。
「キミとは違う方法で、俺たちはあの子たちのためにできるだけのことをするよ。それだけは、言っておきたかった」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レイン・ファリエル(サポート)
『さぁ、貴方の本気を見せて下さい』
 人間のサイキッカー×ダークヒーロー、15歳の女です。
 普段の口調は「クールで丁寧(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、機嫌が悪いと「無口(私、アナタ、ね、よ、なの、かしら?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は落ち着いてクールな感じのミステリアスな少女です。
人と話すのも好きなので、様々なアドリブ会話描写も歓迎です。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


クレア・ベルディモード(サポート)
かわいい忠犬系お嬢様。
ギャグやお色気シーンの被害者要因。
割とひどい目にあっても健気に頑張ります。
天然でボケて、常識でツッコミをするタイプ。
勉強は出来る方なので、知識面ではそれなりに。
礼儀作法はお手の物、内心はともかく自信に溢れた笑みを浮かべ貴族らしく振舞う事は出来ます。
戦闘面ではいまいちですが、精神面ではどんなにボロボロになりながらも折れない鋼メンタルです。
貴族としての矜持もあり、庶民を守る義務と責任の為に無茶をすることも。

ヤラレ役、あるいは周囲を称賛する役大歓迎。
正直、貴族より農民が向いてる。


ギャレット・ディマージオ(サポート)
●設定等
ダークセイヴァー出身の冷静沈着な黒騎士です。
オブリビオンに滅ぼされた都市で自分だけが生き残った過去を悔い、人々を守ることを重視して行動します。

●戦闘において
「及ばずながら、手助けさせて貰おう」
「貴様の相手は、この私だ!」
「なんと強力なユーベルコードだ……! (解説) 直撃すれば一たまりも無いぞ!」

・牽制攻撃
・敵の攻撃から他の猟兵や一般人を守る
・敵の攻撃を回避してカウンター
・ついでに敵の強さを解説する
など、防御的・補助的な行動を得意とします。

メイン武器は「黒剣」です。

他は全てお任せします。
別の猟兵との交流や連携等も自由に行ってください。
どうぞよろしくお願いします。



「あっ、敵の動きが止まりましたよ! さあ、私たちも参りましょう……ってきゃわー!? じっ、地面が腐海になったァァ!?」
 クレア・ベルディモード(駆け出し猟兵・f05060)は目の前の荒野が三拾五式の汚泥によって底なし沼のように変貌してゆくのに驚愕を隠せない。一緒にいたレイン・ファリエル(クールビューティー・f17014)の袖を掴み、ぶんぶんと人差し指を振り回した。
「レ、レインさんほらっ!? 見て下さい、じじじ地面があ~っ!!」
「落ち着いてくださいクレアさん。こちらからうっかり突っ込んでいかない限りは、それほど恐れる必要はありません」
「そ、そうですよね……って、今度はクレアさんが粘液塗れになってるー!!?」
「ええ、これはダーク・ヴェンジャンス。私の戦い方は――こうです」
 レインは薄っすらと微笑んだまま腐海に足を踏み入れ、浸食する汚泥から逆に生命の源を抜き取ってしまった。
「ナラバ……!」
 それに対抗した三拾五式はレインの情報から読み取ったダーク・ヴェンジャンスの性質を自らの汚泥へと複製し、反撃に出る。
「ああっ!!」
 思わず、クレアが叫んだ。
「なんとぉ! お互いに相手から生命力を奪い合う消耗戦だー!!」
 彼女の実況通り、敵に傷つけられるほど強化されてゆくユーベルコードの応酬は互いを容赦なく削り合う激しい戦いの様相を見せていた。
「すごい……両者一歩も引きませんね、ギャレットさん?」
「ああ、ふたりともなんと強力なユーベルコードだ……! 片や、自身の負傷に比例した強化と生命吸収。片やそれを複製し、何度でも発動できるとは。どちらが最後まで立っているかまるでわからんぞ!」
「ええ……すごく見応えのある戦いですね。私たちも加勢しましょう!」
「無論だ。既に敵の攻撃は見切った」
 マントを翻し、黒剣を引き抜いたギャレット・ディマージオ(人間の黒騎士・f02429)は堂々と敵に正面から躍りかかった。
「新手デスカ……!」
 当然、そのまま斬りかかってくると予想して差し向けた触手が空を切る。
「何故!?」
「見切った、と言ったろう? この程度の牽制に翻弄されるとは、まだまだ経験が足りん!」
 紙一重で触手を躱したギャレットの剣が弧を描き、体を反転させつつカウンターとなる一撃を多肢型戦車の脇腹へと刻み付けていった。
「対象に結合を強い、洗脳する肉塊と化す触手か。こちらの裏をかいたつもりだろうが、甘いというもの」
「ナラバ……!!」
「あら? 私のことを忘れないで下さいね。ずっと、この機会を待っていたのですから」
 三拾五式の意識がギャレットに引き付けられた――両者の均衡が崩れた瞬間を沈着冷静なる令嬢のレインが見逃すはずもない。
「クレアさんも。お手伝いしてくださるかしら?」
「もっ、もちろんです! 私だって貴族の端くれですから!」
 まだ使いこなせているとは言えないけれど、共に戦場を乗り越えてきた無銘の剣。降りかかる汚泥は、敢え無くギャレットの黒剣に薙ぎ払われる。
「貴様の相手は、この私だ!」
 ――漆黒の剣閃が汚泥を切り開き、
「たあぁっ!!」
 ――無銘の一振りが、動力部を貫いて。
「さぁ、もう眠る時間ですよ」
 ――大量の粘液が三拾五式の視界を覆い、残る生命力を根こそぎ奪うべく逆浸食を開始する。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

春乃・結希
私も、人の心がわからないんです
理解したつもりでも、相手が本当はどう思ってるかなんてわからない
それが怖くて…私はこの大剣を選んだ
『with』の為なら、『with』と一緒なら、世界なんてどうでもいいって
そう思ってしまうこともあります
…あなたが友達を大事に思ってるの同じだよ

UC発動
脚がある機械の弱点は、接合部分って聞いたことあります。けど…
貴方と私なら、どこでも叩き潰せますよね【鎧無視攻撃】【怪力】
翼の羽撃き、『wanderer』の踏み込みより一瞬で加速
速度も乗せて叩きつける【重量攻撃】

洗脳なんてされない
私の心は『with』が護ってくれるから【勇気】
あなたと私の、大切な相手への想い
どっちが強いかな


雨咲・ケイ
哀しい存在ですね…。
ですが、あなたがオブリビオンである以上
この世界から消えてもらわねばなりません。

【POW】で行動。

まずは多肢型戦車の動きを止めます。
戦車の攻撃を回避しつつルミナスから
サイキックエナジーの【衝撃波】を放ち
脚を破壊していきます。

参拾五式に対しては接近戦を仕掛けます。
【オーラ防御】を展開した上で
敵の放つ汚泥を衝撃波で相殺しながら
間合いを詰めていきます。
自身の受けたダメージや腐海の浸食は
スノーホワイトの薔薇の【浄化】で凌ぎます。
こちらの間合いに入ったら【破魔】の力を乗せた
銀霊縛鎖を【投擲】して僅かでも【捕縛】し
【魔斬りの刃】を放ちます。

せめて骸の海で真の友に出会える事を
祈りましょう。



「損傷甚大……アクセス不能領域、拡大中……」
 他肢型戦車の装甲は熱で剥げ、動力部は度重なる攻撃によって少なくない損害。浸食する粘膜に塗れながらも、三拾五式には退くという考えが欠落しているように思えた。
「マダ、デス……アノ街ゴト、貴方タチヲ破壊シマス……!!」
 吐き出された大量の汚泥は、しかし雨咲・ケイ(人間の學徒兵・f00882)の放つ気膜とルミナスの腕輪より迸る衝撃波によってその目的を果たさぬ前に跳ね除けられる。
「哀しい存在ですね……」
 ケイは、立て続けに襲い来る汚泥と対峙し続けた。
「ひとつだけ、いいですか? この世界には、貴方の求めるものは存在しない。だからせめて、これから向かう場所では真の友に出会えるよう、私は祈ります」
「!!」
 がくん、と戦車の脚が頽れる。
 いつの間に――? 汚泥を払い除けるばかりかと思われたケイの衝撃派は、脚部を破壊して戦車の動きを止める事に成功していた。
「デモ、マダ反対側ノ脚ガ――」
「――と、思いますよね? でも……そんなの、『with』と私にとっては関係ないんです」
 ほんの僅かに翼の羽搏く音がした刹那、激しい衝撃が巨体を揺らした。
「ナ……、何ガ……」
 損傷部位は右側面。
 粘液で視界の狭まったカメラが追った先に、大剣を構える春乃・結希(withと歩む旅人・f24164)がいた。
 蒸気魔導による加速を可能にする『wanderer』、それにより一気に接近した結希は速度と重量の乗算による破壊的な一撃を敵に与えたのである。
 ――私も、人の心がわからないんです。
 砂埃を上げて横倒しになる戦車を見据え、結希は無意識のうちに『with』へと指を這わせる。まるで子供が寂しさを紛らわせるためにいつもどこへでも毛布を持ち歩くのを思い起こさせるような、幼い仕草だった。
「理解したつもりでも、相手が本当はどう思ってるかなんてわからないから。それが怖くて……私はこの大剣を選んだ」
 『with』の為なら、『with』と一緒なら。
 その他の世界が色褪せて見えてしまうほどに。どうなっていいと思ってしまうほどに、大切で。
「この気持ちは、あなたが友達を大事に思ってるの同じだって……私は思うんです」
 胸に『with』を抱き、三拾五式を真っすぐに見上げる。
「――!!」
 放つ触手はしかし、結希を逸れて脇に突き刺さるばかりだった。
「照準ガ……壊レテ……!!」
 ならばと物理的な排除にかかろうとした戦車の砲台を絡めとった銀鎖がある。それは敵に触れた途端に破魔の力で緊縛し、攻撃を一瞬だけ遅らせた。
「はッ――!」
 足元に散った白薔薇の花弁が、汚泥にケイの進む道筋を示してくれる。浄化された地面を蹴り、手刀に宿した魔斬りの刃を操縦席目がけ、渾身の力で叩き込んだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

故無・屍
…フン、あの猫が言ってやがった元締めか。
面倒な玩具を持って来たようだが関係ねェ、終わらせるだけだ。


手前ェの『友達』とやらを斬ったのは俺だ。
友愛を求めるって感情そのものは否定しねェがな、体を作り替えられるってのは「そういう事」なんだよ。

UCにて侵蝕する汚泥そのものを断ち切り無効化
手前ェの言う幸福とは相容れねェ。

また触手を突き刺された味方に対してもUCを使用し救出
分かり合える筈もねェ。


残像にて戦車の真下に潜り込み、怪力、体勢を崩す、捨て身の一撃にて横転ないし行動不能を狙い、
串刺し、鎧砕きにて心臓部を刺し貫く

…俺が手前ェを殺すのは、仕事だからだ。


――骸の海でなら、友達の一人くらいは見つかるだろうよ。


メイスン・ドットハック
【SPD】
強制的に繋がって友達とかありえんのー
まー、話してもわかる奴ではないし、ここは破壊してやるのが筋じゃろーのー

二足歩行戦車「KIYOMORI」に搭乗して参戦
電脳魔術によるホログラムデコイを巻きながら、本体を隠すように触手や砲撃を攪乱させて命中率を下げる
戦車に来てもレーザー砲ユニットの射撃で叩き落して、接続させないようにする

相手の戦車の攻撃が一段落ついたところで、UC「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」を発動して戦車を巨大化、大魔王第一形態の電脳体を呼び出して一斉砲撃を敢行

やっぱり大火力で一気に圧すのが一番じゃのー!

巨大戦車故に的は大きいので、遠慮なく攻撃を繰り出す

アドリブ絡みOK



「ほー、あれが例の化け物とかいう奴かのー?」
 メイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)の搭乗する二足歩行戦車「KIYOMORI」は操縦席を守る装甲を破壊され、その身を晒した三拾五式の姿を捉えていた。
「あー、あー、聞こえるか? これからわれを破壊してやるけえのー。どうせ何を話してもわからんのじゃろ? あーでも、これだけは言っとこうかのー」
 喋っている間にも、ホログラムデコイの準備が完了。
「友達というのは双方向的な繋がりがあってのものじゃからのー。強制的な関係はいかんのー」
「!」
 本体を隠すように巻かれたデコイに阻まれ、三拾五式の触手はメイスンにまで届かない。
「モウ一度!」
「無駄じゃ」
 メイスンはレーザー砲ユニットの発射許可を与え、ホログラムをすり抜けた触手を薙ぐように焼き切った。更には、両者の合間へと跳び込んでいた故無・屍(ロスト・エクウェス・f29031)の振るう剣閃が触手のみを残さず断ち切る。
「手前ェの『友達』とやらを斬ったのは俺だ」
 屍は着地と同時に、無機質に発光する金色の瞳を見据えた。
 アレが、あの猫の言っていた元締めの“化け物”。その形容は屍の古い記憶を呼び覚ます。『バケモノ』――。
「貴方ガ?」
 そうだ、と屍は頷いた。
「面倒な玩具まで持ち出して、ご苦労なこったな。友愛を求めるって感情そのものは否定しねェがな、体を作り替えられるってのは『そういう事』なんだよ……!」
 瞬く間に斬り伏せられ、無効化する触手と汚泥に三拾五式が目をみはる。屍とて、相手の論理を理解するつもりなどこれっぽっちもない。分かり合える筈もない。
 人造物と屍。
 近くにあるようで、最も遠い存在。
「見失ッタ?」
 残像に目が眩んだ敵の死角。戦車の真下へと潜り込んだ屍は奥歯を噛み締め、人の身を超えた怪力によってそれを強引に持ち上げた。
 あまりにも捨て身な、一か八かの奇襲である。
 横転し、行動不能に陥った三拾五式に狙いを定めたメイスンは彼の大魔王の電脳体を呼び出して一斉砲撃の構え。
「――ッ」
 咄嗟に操縦席から這い出そうと足掻いた三拾五式の唇から、真っ黒な体液が吹きこぼれた。投げ捨てた戦車の上に跳び乗った屍の黒刃が、三拾五式の心臓を後ろから一突きに貫いている。
「……俺が手前ェを殺すのは、仕事だからだ」
 果たしてそれは彼の本心からの言葉だろうか。どこか赦しを与えるような、深く染み渡る声色――それを、人は優しさと呼ぶのではなかったか。
「よし、そこを退くのじゃ」
 メイスンの合図に屍は剣を引き抜き、巻き添えを食わないように出来るだけの距離を離れる。
「――骸の海でなら、友達の一人くらいは見つかるだろうよ」
 呟きをかき消す数多の砲撃は辺りの荒野ごと抉り、巨大なクレーターを幾つも刻み付ける。なにしろ大きな的だから、遠慮なくぶっ放してやるだけで当たるわ当たるわ。
「やっぱり大火力で一気に圧すのが一番じゃのー!」
 ゴーグルを上げ、操縦席から身を乗り出したメイスンは不意に聞こえた歓声に振り返る。そこには、戦いの行方を見守っていたヴォーテックス・シティの住民が喜びの声を上げているではないか。
「調子がよいのー」
 中にはどう見ても悪人面が混ざっていたので呆れる他ないが、兎にも角にも、犠牲者が出なかったのでよしとしよう。祝砲を浴びながらロストリンクへ帰艦したメイスンはAI自動操縦に切り替え、力いっぱい伸びをした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年09月23日
宿敵 『『フラスコより溢れし災厄』実験体参拾五式』 を撃破!


挿絵イラスト