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祭夜天灯の彩(作者 志稲愛海
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●あかに燃ゆる夜
 紅が咲き、朱を潜り、赤を解き放つ。
 今宵のあかは一等深く、夜を支配する。
 だって今日は――そう、天灯祭なのだから。

 ゆるりと続く坂の石段を、沢山のあかが染め上げる。
 燃ゆるような紅き彼岸花が両脇に咲き誇る坂に並ぶのは、朱色の千本鳥居。
 そして天灯祭の夜、列を成し此処をそぞろに歩くのは、面を被った妖怪達。
 赤き炎灯る手持ちランタンを翳し、今宵限りの百鬼夜行は、数多の鳥居を潜って。
 辿り着いた社で、新しい炎を受け取るのだという。
 空へとそのいろを、想いや願いを込めて解き放つ為に。
 そして賑やかな祭りの広場へと戻ってくれば、夜空へと一斉にふわり舞い上がらせる。
 授けられた炎燃ゆる数多の天灯――ランタンを、空へと放つのだ。
 願いや想いをそうっと、燃ゆるあかに宿して。

 けれど……今宵灯る祭りのあかは、残酷なほどに世界を燃やし尽くす。
 想い焦がれた不死鳥と、遂にひとつになった竜神の少女が、全てを燃やすのだ。
 そしてその炎は、崩壊する世界をも彩る。
 そう――少女は口にしてしまったのだ。滅びの言葉を。

「時よ止まれ、お前は美しい」

●あかの崩壊
「滅びの言葉、か。崩壊を食い止めるべく、カクリヨファンタズムに向かってくれないか」
 筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)は集まってくれた猟兵達に礼を言った後、視た予知の内容を語り始める。
「骸魂は、生前に縁のあった妖怪を飲み込んでオブリビオン化する存在であるが。この世界の妖怪達にとって「大切な存在」が骸魂となって己の元へと戻り、自分とひとつになった事で心が満たされ、思わず「時よ止まれ、お前は美しい」と呟いてしまうという。しかし、これは世界の終わりを告げる「滅びの言葉」。世界が崩壊し始めたというのだ」
 この世界の妖怪達は皆長く生きている為、普段は明るく振る舞っていても、それぞれに後悔や、失った「大切な人」の思い出をいつまでも持ち続けているものも少なくはないと思われる。
 けれどその大切な存在が骸魂となり、自分とひとつになったことで、ついその妖怪は口にしてしまうという――「滅びの言葉」を。それにより、世界が崩れ始めたというのだ。
「そんなカクリヨファンタズムを元に戻す為には、崩壊の中心にある骸魂を倒し、一度はひとつとなった二体を引き裂かなければならない」
 その気持ちに触れれば、思うところがある者もいるだろうが――成さねばならぬ事。世界のためでも、妖怪のためでも、望まずに骸魂となった誰かのためでもあると……そう信じて。

「今回向かって貰うのは、『天灯祭』という祭りが行われる神社だ。千本鳥居が並ぶ緩やかな坂の石段の両脇には今の時期、燃える様に彼岸花が咲き誇っているという。そしてその千本鳥居を潜り抜けた先に、件の骸魂と妖怪がいるようであるが」
 この日、その神社では『天灯祭』という炎に纏わる祭りが行われていて。その祭事の為、社に容易に入れなくなっているのだという。
 けれどひとつだけ、社へと侵入できる手段がある。
「炎を授かる百鬼夜行に参加する事だ」
 それは、『天灯祭』の催しのひとつ。
 あかの彩り満ちる夜のそぞろ歩きを楽しむというものだ。
 面を被って列を成し、手持ちランタンを掲げ、神社へと炎を授かりにいく。
 この百鬼夜行に参加すればよいというわけである。
 しかし崩壊を始め、歪になってしまった世界。そう易々と社へは辿り着けない。
「崩壊する世界の影響か、元凶の妖怪の仕業か。千本鳥居が、無間鳥居へとその様相を変えていて。幾千の階段に幾千の鳥居が連なり、怪異が襲う坂と化し、立ち止まれば更に伸びてゆくのだという」
 幸い、手にしているランタンの炎を嫌がって、生じる怪異は襲ってはこないらしいが。
 彼岸花咲く道の両脇に佇む何かを、視ることくらいはあるかもしれないし、何も視えないかもしれない。
 けれども足を止めずに、幾千の階段を上がり幾千の鳥居を潜って。
 元凶のいる社へと向かって欲しい。
「そして社に居るのは、不死鳥の骸魂とひとつになった竜神の少女。彼女が滅びの言葉を口にしてしまったようだ」
 心に想い焦がれていた存在とひとつになり、彼女は満たされてしまったのだ。
 けれど放っておけば、暴走し、全てをその炎で燃やし尽くしてしまうというので。
 不死鳥の骸魂を倒し、少女から話して欲しいと。そういう内容の依頼である。

「無事に崩壊を止められたなら、『天灯祭』の続きを楽しんで帰還するのも良いだろう。社で授かった炎を、空へと飛ばす事ができる専用のランタンに灯して。願いや想いを込め、夜空に一斉に解き放つようだ」
 その景色はまさに幻想的で圧巻。
 想いや願いを託し、ランタンを空へ飛ばすのも良いし。
 数多の炎が空へと舞う光景を、ただ眺めるだけでも十分に楽しめるだろう。
 周囲には祭り定番の出店なども多数でているので、食べたり飲んだり遊んだり、幻想的な輝きの中、祭りの雰囲気を楽しむのも良いし。
 浴衣で参加する者も多く、自前のものは勿論レンタルも行なっているようだ。

「幻想的なあかに染まる『天灯祭』を楽しむ為にも、まずは骸魂の退治をよろしく頼む」
 清史郎はそう皆に改めて頭を下げた後。
 掌に満開桜のグリモアを咲かせ、猟兵達を様々なあかに彩られる夜へと送る。





第2章 ボス戦 『フェニックスドラゴン』

POW ●不死鳥再臨
自身が戦闘で瀕死になると【羽が燃え上がり、炎の中から無傷の自分】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD ●フェニックス・レイ
レベル分の1秒で【灼熱の光線】を発射できる。
WIZ ●不死鳥の尾
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル✕10本の【炎の羽】で包囲攻撃する。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


※お知らせ※
 第2章プレイング送信の受付は、【9/24(木)朝8:31】より開始いたします。
 それ以前に送信された分は流れてしまう可能性が高いのでご注意ください。
 追加情報を記載したOPを受付開始前日迄に掲載いたします。
 送信締切等のお知らせは、MS個別ページ等でご確認ください。
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●滅びの彩
 ――何て美しいんだろう。
 この社ではじめて目にしたあの時、そう思わず息を飲んで見入ってしまった。
 決して消えぬ、不死のあか。
 それは美しく眩くて……何よりも、あたたかく優しくて。
 これまで随分と長い間生きて来たけれど、出逢ったあの日のことは今でも忘れられない。
 そして毎日の様に、この社で、聖なる炎を共に守ってきたけれど。
 いつからか……その姿を見ることはなくなった。
 けれど、不死鳥は自ら焚死し、その灰から再生するのだと聞いたから。
 だからこの社で、聖なる炎を守りながらも待ち続けて。
 そして――帰ってきてくれた。
 でもやっぱり、ひとりは寂しかったから。
 だから今、とても私は満たされているの。
 あの日、目を奪われ、そして心通わせた炎と……ひとつになれたのだから。
 そして私は染めたい。この愛すべき幽世を、鮮やかで美しい、このいとしきあかで。
 ――時よ止まれ、お前は美しい。
 また離れるくらいなら。時なんて、止まってしまえばいい。

 幾重にも並び立っていた朱の鳥居を超えて。
 百鬼夜行が辿り着いたのは、聖なる炎が燃え盛る社。
 けれど今、眼前にある赤は――崩壊する世界を染め上げる、悪しき炎。
 そして燃えるように彼岸花咲き乱れる境内に在るのは、竜神の姿。
 心惹かれ通わせた不死鳥と……いや、骸魂と成り果てた存在と、ひとつになってしまった少女。
 天灯祭の夜、不死鳥と竜神の少女は、崩壊する世界を染めんとする。
 この幽世を全て燃やし尽くす、自分たちのあかで。
御剣・刀也
やれやれ
なんとも殺り難い。憧れ、親しんだ者が、帰ってきたと思ったら裏返っていたか
離れたくないって気持ちも分かるんだがな。せめて、一緒に輪廻の輪に送ってやる

不死鳥再臨で敵が二人に増えても、特に焦ることなく第六感、見切り、残像で攻撃を避け、グラップル、カウンターで零距離の間合いから日本刀の間合いに引き剥がし、勇気で反撃を恐れず本命の捨て身の一撃で斬り捨てる
「今度はそいつと一緒に、同じ時間を生きて行けると良いな。地獄の閻魔様が聞いてくれることを祈ってるよ」


 崩壊してゆく幽世を焦がす、あかのいろ。
 それは世界を全て燃やし尽くさんとする、悪しき骸魂の炎。
 いや……嘗ては、美しくも鮮やかな、優しいいろであったのだろう。
 竜神の少女が、心焦がれるほどのものなのだから。
 ――けれど。
 ……なんとも殺り難い、と。
 そう思わず呟きを落とすのは、御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)。
(「憧れ、親しんだ者が、帰ってきたと思ったら裏返っていたか」)
 もう、今在る彼女を呑み込んだ不死鳥の炎は……少女が惹かれたものとは、残念ながら違うものなのだ。
 むしろ、刀也の言うように、裏返ってしまった。
 妖怪を呑み込み世界を崩壊へと導く、骸魂として。
 それでも少女は、ひとつになりたいと願い、滅びの言葉を口にしてしまった。
 そしてその願いが叶った今、幸せそうに笑んでいるのだけれど。
「離れたくないって気持ちも分かるんだがな」
 刀也は躊躇なく、不屈の獅子の様に煌く日本刀を抜き放つ。
 ――せめて、一緒に輪廻の輪に送ってやる、と。
 彼女と、彼女が心惹かれた不死鳥を引き離すべく、握る獅子吼を振るう。
 大切な存在と共に在りたいという、その気持ちが分かるからこそ。
 けれど、刀也の一太刀を受けたフェニックスドラゴンはその羽が燃え上がらせ、炎の中から無傷の己を生み出す。
『私たちは、永遠に一緒なの……!』
 ……邪魔をしないで、と炎を滾らせながら。
 だが敵が二人に増えても刀也は特に焦ることなく、第六感を研ぎ澄まし見切り、残像で向けられた炎を避けて。
 一気に地を蹴って間合いを詰め、日本刀の間合いに引き剥がす。
 そして、反撃を恐れぬ勇気を胸に。
「今度はそいつと一緒に、同じ時間を生きて行けると良いな。地獄の閻魔様が聞いてくれることを祈ってるよ」
 ――この切っ先に一擲をなして乾坤を賭せん!!
『……! ぐッ』
 持てる力を振り絞り、敵へと上段から振り下ろすは雲耀の太刀――本命の、捨て身の一撃。
大成功 🔵🔵🔵

薬師神・悟郎
満たされたままで終われば良かったものの
災いを撒き散らすとは迷惑な
お前達のあかを染め直してやる

火には水が効くと思うが、これはどうだ?
味方に注意が向いた隙を狙い、UC発動
敵の行動阻害を狙い、属性攻撃による水と破魔を付与した特別製で継続ダメージを与えていく
簡単に抜け出せると思うなよ

攻撃は出来るだけ野生の勘、逃げ足で回避
回避不可ならオーラ防御、呪詛、環境耐性で防ぐ

弓を使い(地形の利用、スナイパー)
傷の深い部位を狙い暗殺の一撃
積極的に部位破壊も狙っていこう

昔からこうした類いのものに魅入られた者の末路は悲惨なものが多いが、最後までそれと共にいられることは少女にとって幸福かもな
ならば、俺はそれを叶えてやろう


 心惹かれた燃え盛るあかと、ようやくひとつになったのだという竜神の少女。
 不死の炎に包まれたその表情は確かに、幸せそうないろを宿しているけれど。
『私たちのあかで、全部燃やしてしたいの』
「満たされたままで終われば良かったものの。災いを撒き散らすとは迷惑な」
 それは薬師神・悟郎(夜に囁く蝙蝠・f19225)の言う通り、世界を燃やし尽くす災厄の彩でしかない。
 だから、そのいろでこの幽世の夜を染めんとしているのならば。
 ――お前達のあかを染め直してやる。
 悟郎はそう、燃え盛る炎を見据えて紡ぐ。
 世界を燃やさんとするあかを染め直して、この世界の崩壊を止めるために。
 そしてこの戦場に今在るのは、悟郎ひとりではないから。
 みんな燃やさんとフェニックスドラゴンが他の猟兵へと気を取られた、その隙を狙って。
「火には水が効くと思うが、これはどうだ?」
 ――捕らえろ。
『……!』
 座頭鯨の群れが刹那成すのは、泡粒の檻。
 冷たい夜の色が燃え盛る炎の行動を阻害し、水と破魔を付与した衝撃を折り重ねて。
「簡単に抜け出せると思うなよ」
 野生の勘を研ぎ澄まし、放たれる灼熱の光線を躱すべく身を翻す。
 それでも、避けきれぬ光線に焼けた焦げ臭さが鼻をつくけれど。
 それも守りの気や呪詛や耐性を以って受ければ、大した傷ではない。
 むしろ、敵の傷の深い部位を狙い番えるは、闇夜に紛れる黒い弓。
(「昔からこうした類いのものに魅入られた者の末路は悲惨なものが多いが、最後までそれと共にいられることは少女にとって幸福かもな」)
 ――ならば、俺はそれを叶えてやろう。
『く……っ!!』
 刹那、炎を裂くべく風を切り、唸りを上げて。
 影を縫うかの如く放たれた暗殺の一撃が、不死鳥の骸魂を的確に射貫く。
大成功 🔵🔵🔵

黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
右手に胡、左手に黒鵺の二刀流

一人は寂しいのはよくわかる。でも一つになれてうれしいっていうのは少しおかしな話だと思う。
結局それは一人じゃないか。
相手を瞳に映し映される嬉しさも、触れ合う温もりも無いなんて。
それはとても、とても寂しい。

UC月華で真の姿になり、より火炎耐性を上げる。
一気に距離を詰めマヒ攻撃を乗せた暗殺攻撃を仕掛ける。
マヒも暗殺を簡単に通るとは思わないがそれでも無いよりはましかな程度の考え。
敵の攻撃は第六感で感知、見切りで回避。
回避しきれないものは本体で武器受けで受け流し、カウンターを叩き込む。
それでも喰らってしまうものはオーラ防御、激痛耐性で耐える。


 一体どれだけの間、彼女がこの場所でひとり、待っていたのかは分からない。
 彼岸花が燃えるように狂い咲く、朱き鳥居が連なる先に在るこの社で。
 それに、黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)にはよくわかるのだ。
 一人は寂しい――その思いは。
 ……でも。
「一つになれてうれしいっていうのは少しおかしな話だと思う」
 だって、それは……結局一人じゃないか、って。
『私たちは、ずっと一緒よ』
 心惹かれた不死鳥とひとつになった眼前の竜神の少女は、一見すると幸せに満たされているように見えるけれど。
 でも、瑞樹の青い瞳に映るのは、彼女ひとりだけ。
 その身を包む炎は、少女が想いを寄せた、優しく清らかなものではもうないのだ。
 それは幽世の世界を燃やし尽くす、悪しき炎。
 それに、瑞樹はふるりと銀の髪を微かに揺らし、首を振って続ける。
「相手を瞳に映し映される嬉しさも、触れ合う温もりも無いなんて」
 ――それはとても、とても寂しい……って。
『寂しい……? 私が?』
 瑞樹の言葉に、そう反応を示すフェニックスドラゴン。
 刹那、月読尊の分霊を降ろし真の姿へとなった瑞樹は、より火炎に対する耐性を上げて。
 一気に地を蹴り距離を詰め、痺れる様な衝撃をを乗せた暗殺攻撃を仕掛けるべく、胡と刀に形を変えた黒鵺の二刀を振るう。
『……!』
(「マヒも暗殺を簡単に通るとは思わないが」)
 それでも無いよりはましかな、と。
 持てる手段は惜しみなく、燃え盛る炎に対しては第六感で感知し見切り、反撃の刃を振るう。
 不死の炎はそれでも激しく、瑞樹の身を燃やさんと巻き起こるけれど。
 守りの気を施し耐性をもって迎え討てば、少々髪や服が焦げた程度で止まる刃ではない。
 そして確かに、眼前の炎は鮮やかではあるけれど。
 彼岸花揺れる風景の中、瑞樹は思わずにはいられない。
 ひとつになれたと笑う少女の顔は、やはり何処か……いや、とても寂しそうだと。
大成功 🔵🔵🔵

トート・レヒト
【神玄世】
炎の羽とはまた触れたら熱そうだな
それらを切り開くように【巫覡載霊の舞】で羽を散らしながら、薙刀を振り回し突っ込んでいく
いくら戦闘になれてないからって俺も猟兵なんだ、このくらい!
サポートは相方がやってくれるだろうと信じて、スーツが焦げないよう羽を払いのけて

それにしても、聖なる炎が世界を滅ぼすなんて恐ろしい話だな
確かに鮮やかで美しいが、今じゃそれは万物を燃やす邪悪な火だ
次に生まれ変わる時は、守りの炎に転生できますよう

なんて言ってるうちに炎の羽に囲まれる
避けきれるか、と思っていいるうちに三嵩祇君が駆けつけて
わわっ、姫だっことか女子じゃあるまいし…!
はいはい、どうせ戦闘初心者ですよ


三嵩祇・要
【神玄世】

足手纏いになるまいと気が逸ってるのか知らんが
急に前に出始める相方に少し眉を顰めつつ
【クロックアップスピード】発動
機動力を生かして灼熱の光線は可能な限り回避
炎の羽は導雷針と雷電で蹴散らしつつ相方をサポート

ここまで来たら戦闘中に小言をいうより
どこまでやれるのか実戦した方が早い
お互いに

世界を犠牲にしてもいいと思える程の存在と出会ったなら
何を言っても無駄だろうな
そう思ってしまう程の理由があったんだろう
だがこっちも守らなきゃならないものがあるんでね

導雷針で炎の羽を撃ち落とし数を減らした箇所から
相方を抱えて包囲から抜け出す
あちち
少々焦げても我慢しろ
文句があるなら突っ込んでった自分を恨め


 ――やっとひとつになれた、わたしたちのいろ。
 不死鳥の炎に呑み込まれた竜神の少女は、この世界を染め上げんとする。
 幽世を燃やし尽くす、悪しきあかのいろで。
「炎の羽とはまた触れたら熱そうだな」
 幽世の夜に赤々と舞うのは、まるで周囲に咲く彼岸花の様に、炎に燃えて咲き誇る数多の羽。
 けれどそれらを切り開くように振われるのは、神霊体と化したトートが握る薙刀。
 不死鳥の尾から舞い落ちるそれらは、触れれば熱そうであるが……ならば、触れなければ良い話だ。
 手に握る得物を振り回し炎の羽を散らしながらも、トートは果敢に突っ込んでいく。
(「いくら戦闘になれてないからって俺も猟兵なんだ、このくらい!」)
 きっと相方が支援してくれるだろうと、そう信じて踏んで……スーツが焦げないよう羽を払いのけ、前へ前へと。
 そんなトートの姿を見遣りながら。
(「足手纏いになるまいと気が逸ってるのか知らんが」)
 急に前に出始める相方に若干眉を顰めるのは、三嵩祇・要(CrazyCage・f16974)。
 けれど敢えて何も言わず、パチンと指をひと鳴らしして。
 襲い来る灼熱の光線を、それ以上の反応速度とスピードをもって素早く回避していきつつも。
 戦場に舞う炎の羽を相方の期待裏切らず、握る導雷針で蹴散らし、じゃらりと雷電鳴らして振り払っていく。
 ……いや、小言のひとつも言いたいところではあるが。
(「ここまで来たら戦闘中に小言をいうより、どこまでやれるのか実戦した方が早い」)
 そう――お互いに、と。
 要もトートに続くように、相方を支援しながらも攻勢に立ち回る。
 習うより慣れろ、とはよく言ったもの。むしろ戦闘に慣れていないからこそ、どこまでやれるのか……それを互いに知る機会にもなるだろうと。
 要は相方へと向けていた緑色の瞳を巡らせ、今度は眼前で激しく燃える炎をその瞳に映し出す。
『もう、離れないわ』
 零れ落ちるように紡がれる、竜神の少女の言の葉。
 その姿は悪しき炎を纏いつつも、何処か幸せに満ちた様子で。
 ――けれど。
(「世界を犠牲にしてもいいと思える程の存在と出会ったなら、何を言っても無駄だろうな」)
 ……そう思ってしまう程の理由があったんだろう、要はそう思いつつも。
「だがこっちも守らなきゃならないものがあるんでね」
 少女が焦がれた不死鳥の炎を撃ち消してゆく。得物に纏わせ戦場を走らせる雷を以って。
 トートも燃え盛る眼前の炎のいろたちを、夜の如き黒の瞳にも舞わせながら思う。
(「それにしても、聖なる炎が世界を滅ぼすなんて恐ろしい話だな」)
 幽世の世界を彩るそれは確かに、鮮やかで美しいけれど。
(「今じゃそれは万物を燃やす邪悪な火だ」)
 その色が齎すのは、全てを肺に化す滅びの未来。
 だからトートはその邪悪な炎を振り払いながらも、願わずにいられない。
 ――次に生まれ変わる時は、守りの炎に転生できますよう、と。
 けれど……ひたすら前へと出ていたその足が、刹那ぴたりと止まる。
『染まればいい。貴方も、私たちのいろに』
 周囲を見回せば、燃え盛る炎の羽に囲まれていて。
 ――避けきれるか。
 スーツに燃え移らんとした炎を振り払いつつ活路を見出すべく、あかのいろを見遣るけれど。
「……!」
 鮮やかな炎が不意にそのいろを失い、そこから飛び込んできたのは――導雷針振るう、相方の姿。
 ……そして。
「わわっ、姫だっことか女子じゃあるまいし……!」
 ひょいっと抱え上げられ、思わずそう声を上げるトート。
 そんな相方にも構わず、要はあかの包囲から抜け出すべく地を蹴りながらも。
「あちち、少々焦げても我慢しろ」
 咄嗟に振り払ったものの、鼻につく焦げ臭い匂いに微か顔を顰めつつ、腕の中にいるトートへと視線を落とし続ける。
 ――文句があるなら突っ込んでった自分を恨め、と。
 そんな雷神の面纏う顔を、むうと見上げ、トートは拗ねた様に返す。
「はいはい、どうせ戦闘初心者ですよ」
 けれど、そうちょっぴりむくれていても。
 相方を燃やされるわけにはいかないし、自分も燃えるわけにはいかないのだ。
 だって、お互い――友達がいなくなってしまうから。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

硲・葎
三日月さん(f01960)と。秒速……ならば、こっちも秒速だね。まずは火炎耐性でバイクさんと三日月さんを守らなきゃ。
バイクさん、今回は君のスピードにかかってる。相手の攻撃は見切りとダッシュで回避したい。第六感を使わないと間に合わないかもだし、感覚を研ぎ澄まさないと。衝撃波で対抗。それで時間稼ぎして、UC発動したら一気に轢いてしまおう。
三日月さんが動きやすいように、おびき寄せを使いながら、彼岸花之葬で斬りつける。
「貴方の好きになんてさせやしない。同じ炎で焼かれて地獄に逝きなさい」
「相手とひとつになるよりは、私は一緒にその人のぬくもりを感じて、一緒の歩幅で歩いていきたいかな」


月隠・三日月
硲さん(f01013)と共に

【降魔化身法】で鎧を纏い、防御力を強化しておこう。多少の代償はあるけれど、何もなしに炎に巻かれるよりは遙かにマシだ。
私には火炎耐性がないから、防御はある程度硲さんに任せることになってしまうけれど……無茶はしないでおくれよ。仲間が大怪我するのは嫌だからね。
敵に隙が無いようなら、言葉をかけて動揺を誘えないか試してみよう(【恐怖を与える】)
「ひとつになるということは、ある意味永遠の別離と変わらないよね。だって、二度と相手のぬくもりを感じられないわけだろう」

不死鳥の骸魂……あの炎が本体なのだろうか。妖刀での攻撃なら、炎を斬ることもできるかもしれない。隙を見て一撃入れたいね。


 紅き彼岸花が咲き乱れ、幾重にも連なる朱の鳥居を潜り抜けた、その先。
 聖なる炎を授かるべくやって来たはずの社に今在るのは、幽世の夜を燃やし尽くさんとする激しいあか。
『全部、私たちの炎で染めたいの。だって……ほら、とても綺麗でしょう?』
 そんな、幸せそうに笑う竜神の少女の……いや、骸魂となり彼女を飲み込んだ不死鳥の炎を見遣りながら。
(「秒速……ならば、こっちも秒速だね」)
 ――まずは火炎耐性でバイクさんと三日月さんを守らなきゃ。
 そう一歩、敵の炎の攻撃に対抗するべく前へと足を踏み出すのは、硲・葎(流星の旋律・f01013)。
 そして降ろした魔をその身に宿し、鎧を纏い守りを強化しつつも。
(「多少の代償はあるけれど、何もなしに炎に巻かれるよりは遙かにマシだ」)
 月隠・三日月(黄昏の猟兵・f01960)は身体を蝕む毒の代償に、大人びてみえる表情を一瞬だけ微か顰めるけれど。
 自分を守る様に前に進む葎へと、黒の瞳を向ける。
 火炎に耐性がないため、防御はある程度、葎に任せることになってしまうが。
「……無茶はしないでおくれよ。仲間が大怪我するのは嫌だからね」
 ――葎に無茶はして欲しくない、そう思うから。
 三日月も燃え盛る炎の中、確りと敵を見据える。
 秒速で放たれるという、フェニックスドラゴンと成った敵の灼熱光線。
 それを躱す為の鍵は、そう。
「バイクさん、今回は君のスピードにかかってる」
 葎は戦場に喚んだAI搭載超大型バイク、通称バイクさんへと跨りつつも声を掛ける。
 そして相手の動きを見切り、バイクさんと共に戦場を駆け、攻撃を回避するべく。
(「第六感を使わないと間に合わないかもだし、感覚を研ぎ澄まさないと」)
『あかに燃やされればいいわ、何もかも』
「……!」
 敵の動きへと意識を集中させるけれど。
 骸魂とひとつになった炎は、隙などみせぬと言わんばかりに激しく燃え盛る。
 そんなフェニックスドラゴンへと、ふと言葉を投げたのは、三日月。
「ひとつになるということは、ある意味永遠の別離と変わらないよね。だって、二度と相手のぬくもりを感じられないわけだろう」
「相手とひとつになるよりは、私は一緒にその人のぬくもりを感じて、一緒の歩幅で歩いていきたいかな」
 その声にぴくりと微か反応を示した少女へと、そう葎も続ければ。
『……違うわ。ひとつになった私たちは、永遠に一緒よ……!』
 刹那、戦場へと放たれる灼熱の光線。
 けれどふたりの言葉に明らかに反応し、与えられた別離の恐怖と動揺のまま放たれたそれを、躱す事は難くはなく。
 躱せぬ攻撃は衝撃波で対抗しながら時間稼ぎをし、光線を放った隙を目掛け、一気にバイクさんで轢きにかかる葎。
 その重い衝撃に一瞬堪らず揺らぐも、再び炎を成さんとするフェニックスドラゴン。
 そんな敵を誘き寄せるように。
「貴方の好きになんてさせやしない。同じ炎で焼かれて地獄に逝きなさい」
 葎は言の葉を投げながらも、赤き刃の妖刀で斬りつけていく。三日月が、動きやすいようにと。
 そして燃え盛る炎に対抗しつつ、葎が敵の気を引いている最中。
(「不死鳥の骸魂……あの炎が本体なのだろうか」)
 ふと三日月が瞳に映すのは……少女の傍に在る、不死鳥の如き形をした炎。
 そして刹那、三日月が抜き放つのは――月隠に伝わる、常ならざる妖刀。
 葎が繰り出す彼岸花之葬の斬撃で生じた敵の隙を、決して見逃さずに。
 ――妖刀での攻撃なら、炎を斬ることもできるかもしれない。
『……!』
 炎操る竜神の少女の瞳が瞬間、大きく見開かれる。
 一気に踏み込んだ三日月が放った刃の閃きが、激しく燃ゆる悪しき炎を叩き斬るべく。
 骸魂と成った不死鳥を的確に捉え、見舞われたのだから。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

リカルド・アヴリール
ライナス(f10398)と
アドリブ歓迎

本当に戻って来たかもしれないが……
其れが本人かどうか、など知る術は無いだろうな

灼熱からライナスを守るべく
敵の動きを注視しながら、武器を構えようと
ふと、投げ掛けられた問いには少しの間を置いてから

機械には感傷も、感動も無い
だが、俺がもしも人間だと仮定するならば
お前が死んだ後の事を考えるのが、恐ろしくて堪らない
だから、死なせたくないと強く思うだろうな
……機械にあるまじき思考だとしても、其れは拭えない感情だから

UC:虐を発動
動きを止めた所を狙い
体勢を崩させる様に、確実に仕留めるつもりで
大剣を【怪力】を使い、動きを止めた相手へ全力で横薙ぎに振るう


ライナス・ブレイスフォード
リカルドf15138と

帰って来た、なあ
前もンな事言ってる奴見た事あっけど
ソレ、本当に元の奴が戻ってきてんのかよ?
そう頭を掻きつつも、隣のリカルドを見ればふと笑みを
なあ。もし俺が死んだ後しぶとく俺が戻ってきたらどうすんよ?

…出会った当初なら一蹴し合うだろうけどよ。こんだけ一緒に居りゃ惜しんでくれたりすんじゃねえの、とは口には出さねえけど
…ま、俺らしくねえけどな

答えには口元を緩めた後リカルドの首筋に歯を立て【偉大なる糧】
軽くなった身にて地を蹴り至近距離から『クイックドロウ』動きを止めるように『制圧射撃』を試みんぜ
機械なら喰う肉なんざねえだろが。ま、動きは止めといてやっからよ。後は確りやれよ?


 眩暈がするほど無間に連なるあかを、一緒に潜り抜け――辿り着いた先。
『……ね、素敵じゃない? 貴方と私のあかで、この世界が染まれば。きっと綺麗よ』
 満たされた表情で笑うのは、ひとりの竜神の少女。
 その身に、悪しき骸魂の炎を纏いながら。
 そんな姿を見遣り、揃いの梟の面を微か上げて。
「帰って来た、なあ。前もンな事言ってる奴見た事あっけど、ソレ、本当に元の奴が戻ってきてんのかよ?」
 そう、頭を掻きつつも口にするのは、ライナス・ブレイスフォード(ダンピールのグールドライバー・f10398)。
 リカルド・アヴリール(機人背反・f15138)は、そんなすぐ隣に在るライナスへと視線を向けてから。
「本当に戻って来たかもしれないが……其れが本人かどうか、など知る術は無いだろうな」
 言った後、夜の如き色の瞳に眼前の猛火を映し出す。
 その灼熱からライナスを守るべく。
 それから邪悪な炎纏う敵の動きを見据え、得物を構えようとした――その時。
「なあ。もし俺が死んだ後しぶとく俺が戻ってきたらどうすんよ?」
 見つめられ笑みと共に向けられたのは、そんな言葉。
 そしてライナスは細めた緑の瞳で隣のリカルドの姿を映し、そう問いを紡ぎながらも思う。
(「……出会った当初なら一蹴し合うだろうけどよ」)
 ……こんだけ一緒に居りゃ惜しんでくれたりすんじゃねえの、なんて。
 口には、出さないけれど。
 そして梟の面を少しだけ下げて、微か笑う……ま、俺らしくねえけどな、って。
 リカルドは、ふと投げ掛けられたそんな問いに、少しの間を置いてから。
 問うた彼の姿を見つめると、ひとつひとつ、言葉を紡ぎ答える。
「機械には感傷も、感動も無い。だが、俺がもしも人間だと仮定するならば」
 ――お前が死んだ後の事を考えるのが、恐ろしくて堪らない、と。
 今、こんなに近くにいるのに。
 いや、だからこそ……ライナスがいなくなると思うだけで、怖くて。
 死んだ時に、なんて、到底考えられないから。
 リカルドはライナスへと、こう言葉を続ける。
「だから、死なせたくないと強く思うだろうな」
 それは機械にあるまじき思考かもしれない。
 けれど、リカルドにとって、決して拭えない感情だから。
 そんな返ってきた言葉に、口元を緩めた後。
「……っ」
 ライナスが歯を立てるのは、すぐ隣に在る首筋。
 その滲むあかと鉄臭い匂いに、ふっと口角を上げてから。
『……!』
 トンッと軽い身のこなしで地を蹴った刹那、敵の至近距離で素早く抜いた拳銃の引き金を引くライナス。
 そして、燃え盛る炎纏う敵の動きを止めるように銃弾をぶっ放した後。
 微かあかが残る己の口元を舌で舐めてみせながら、ライナスはリカルドへと再び視線を戻し、笑う。
「機械なら喰う肉なんざねえだろが」
 ……ま、動きは止めといてやっからよ。後は確りやれよ? って。
 瞬間、自身の全機能を一時制限解除するリカルド。
 ライナスが動きを封じた敵を、壊すべく。
 繰り出された炎に衣服や皮膚が多少焼けようとも、向けられる衝撃に傷を追おうとも。
 敵が体勢を崩した隙を、リカルドは見逃しやしない。
 怪力をもって、握る大剣を全力で横薙ぎに振るう。
『……ッ!』
 避けようともライナスの撃ち出す制圧射撃でそれもままならない竜神は、穢れを帯びた凶刃の衝撃に大きく傾いて。
 リカルドは確実に仕留めるべく、敵を壊しにかかる。
 無間の朱の合間からみた、紅に佇む『いつか』が来るまでは。
 ライナスを一人にしたくないし――決して、死なせたくなどないから。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

フリル・インレアン
ふえぇ、やっと到着ですか。
あれ?でも、あの炎は良くない感じがしますね。
途中で道を間違えませんでしたか?
ふえぇ、やっぱりあそこで合っているんですね。
ということは、あそこにオブリビオンさんがいるんですね。

ふええ、あんなに速い光線を躱すなんて無理ですよ。
ふえ?美白の魔法を使うんですか?
あぁ、あれも有害な光になるんですね。
さすがユーベルコードです。
これで近づくことができますね。

時が止まってしまったら、いい思い出も作っていくことが出来なくなるんですよ。


 アヒルさんが被っているひょっとこのお面のおかげで、ツンツンこそされなかったけれど。
「ふえぇ、やっと到着ですか」
 歩いても歩いても、どこまで続くのか分からない無間鳥居を潜って。
 ようやく辿り着いた社で、そう息をつくのは、フリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)。
 鳥居の先にある社で、聖なる炎を授かる……そう、聞いていたのだけれど。
「あれ? でも、あの炎は良くない感じがしますね」
 聞いたものとは違いそうな、映ったそのあかのいろに、瞳を思わずぱちくり。
 ……途中で道を間違えませんでしたか? なんて、アヒルさんに訊いてみるけれど。
 首をふるふる振って、間違っていないという、ひょっとこアヒルさん。
「ふえぇ、やっぱりあそこで合っているんですね」
 その言葉に、フリルはそうっと視線を悪しき炎へと向ける。
 ……ということは、あそこにオブリビオンさんがいるんですね、と。
 そして歩みを進めれば――骸魂とひとつになってしまった、竜神の少女の姿が。
『みんな、私たちの炎で燃えてしまえばいいのよ』
 刹那、少女が秒速で繰り出さんとしてくるのは、灼熱の光線。
「ふええ、あんなに速い光線を躱すなんて無理ですよ」
 燃え盛る炎と放たれる光線に、フリルは思わずそう大きな帽子を押さえるけれど。
 ひょっとこの口でツンツンするアヒルさんに、ふと視線を向ければ。
「ふえ? 美白の魔法を使うんですか? あぁ、あれも有害な光になるんですね」
 展開するのは、『しっとり艶々なお肌を守る美白の魔法』!
「さすがユーベルコードです。これで近づくことができますね」
『私は今幸せなの。だから……時なんて、止まればいい』
 有害な光から肌をケアする蒸気を生み出しながらも。
 そう邪悪な炎滾らせ言った少女へと、フリルは紡ぐ。
 ――時が止まってしまったら、いい思い出も作っていくことが出来なくなるんですよ、って。
大成功 🔵🔵🔵