霊乱! 女学園島(作者 卯山
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●自由を愛する校風です
 広々とした校内には白や桃色の胡蝶蘭が咲き、穏やかに吹く風に揺れている。
 本校舎の白壁はよく磨かれ、学校というよりは芸術ホールのように見えるほどだ。
 裏庭には咲き誇る花々の間を縫うように石畳が敷かれ、ところどころにお茶会でも開かれていそうな丸テーブルと椅子が並んでいる。
 ここは、私立麗蘭(れいらん)女学園。
 UDCアースの地方に建つ、名門お嬢様学校……だった。

 時は流れ、その土地はグリードオーシャンに落下し、この学校にもコンキスタドールの侵略の手が伸びる。そして──、
「うふふ……、自由、自由こそ至高ですわ!」
「お花を活けましょう、この髑髏の眼下にね!」
「クケケケケケケケケケケケケケケッ‼‼‼」
「お茶会を開きましょう! 樽のコップにお紅茶を入れて乾杯ですわ!」
「武道館に向かいましょう、カトラス道とラッパ銃道、海賊さん方の技術から新しい武道を作り出すのですわ!」
「さあ、踊りましょう海賊さん! フフッ、学園内で不純異性交遊よー!」
「ケケケ、ケケカカカカカカカカカカッ‼‼‼」
 生気のない肌の色をした女学生たちと、バンダナを巻いた粗末な海賊服の骸骨たちが自由の限りを尽くしていた。
 その光景を校舎の屋上から睥睨する男が一人。
「ビバ、フリーダム!」
 水色の髪に海賊帽を乗せた男は、配下の幽霊船員と、この地で従えた女学生のリビングデッドがハシャギ回っている光景を眺めて、うんうんと頷いていた。
 男は何よりも自由と冒険を愛し、海に繰り出した。そして海に敗れ名を失った大海賊の『船長』としてコンキスタドールになり甦った。
 かつて求めた自由からはどこかが歪んでしまった放埓な光景に笑い、男は眼下の配下たちに叫ぶ。
「さあ、次なる船出の時は近い! 俺たちは自由だ! 気儘に、自儘に、広き海を行く者こそが我ら海賊だァ! 俺たちはこの女学園島から外海に侵略の手を伸ばすッ!」

●麗蘭女学園島
「なんだか楽しそうな学校ですね!」
 火霧・塔子(火炎瓶のヤドリガミ・f16991)は集まった猟兵に元気印の笑顔を見せる。
「今回、皆さんに赴いていただくのは、グリードオーシャンが島の一つ、麗蘭女学園島という島です」
 女学園なのか、島なのか? どこかから疑問の声があがった。
「どうも元はかなり大きな敷地を持つお嬢様学校で、その敷地がぴったりグリードオーシャンに落っこちてきたようですね。元々の名前は麗蘭女学園というのですが、今は海賊や女学生の霊たちが乱痴気騒ぎをしています。麗蘭というか霊乱ですね!」
 騒ぎ回る霊たち。彼女たちは今回打ち倒すべき敵でもある。
「校内でハシャギ回っている、霊──女学生たちは正確にはリビングデッドのようですが……、彼女たちも歴としたコンキスタドールです! 生前は学園に通うお嬢様たちだったのですが、修学旅行中に乗っていたクルーズ船が沈没し、お亡くなりになってしまったそうです……」
 塔子は沈痛そうな表情を浮かべる。
「いざ修学旅行! という状況で亡くなったばかりに、自由に遊ぶぞー! という欲求が妄念となり、さらにそこに自由を愛する海賊の気を当てられて、ネジのブッ外れたテンションになってしまっているようですよ!?」
 お嬢様というのは往々にして抑圧されて育つものでもある。その反動もあるのかもしれない。
「そして、海賊の霊の方ですが、彼らはコンキスタドールになった船長が呼び出した人たちみたいです。それで、その船長もコンキスタドールになるに当たって精神がひん曲がりしてしまったようでして、彼こそこの放埓の元凶のようです」
 海賊は自由を愛するものかもしれないが、過酷な航海には統制も必要不可欠だ。しかし、今の彼らにはそうした理性は感じられない。
「船長さんは本校舎の屋上に陣取り、配下たちの遊び回る姿をお酒片手に眺めています。なんだか偉そうですね! 皆さんには何より、彼の首を取りにいっていただきます!」
 もちろん、その過程で女学生との戦闘も避けられないだろう。だが、リビングデッドというだけあって彼女たちは時間をおけば復活して増える。やはり、事の元凶を叩くのが一番だ。
「とにかく、まずは学園敷地内をドカーンと突破して、本校舎屋上の船長のもとへ向かってください! ファイトです!!」
 言うや返事も待たず、塔子はグリモアを輝かせる。
「……あっ、そういえばこの島はすり鉢状の地形になっていて、島の中心にある校舎は海抜0メートルよりも下みたいなんですよね。もし、外周部の地形が崩れるようなことがあったら、海水が流れ込んでくるかも……なーんて、そんなことは起こらないとは思いますけどね! では頑張ってきてくださいねー!!」


卯山
 初めまして。
 新たにMSになりました卯山(うやま)と申します。

 1章では女学生のリビングデッドを蹴散らしながら学園を突っ切って、中心にある本校舎を目指していただきます。描写は校内に入ってからになります。ちなみに、入口は校庭に通じる正門と、裏庭につながる裏門があります。でも、塀をブッ壊そうが地中から突入しようがOKです。一般的な学校にある施設はだいたい存在するので、こんなところを通りたいと希望がありましたらプレイングに書いてください。
(ただし、グリードオーシャンの文明は大航海時代レベルなので、ハイテクな施設は形骸化してます。PC室とか)

 2章は海賊のボス、『船長』と戦っていただくことになるでしょう。

 3章は……不明です。
 なんだかグリモア猟兵の塔子が不吉なことを言っていますが……?

 ともあれ、よろしくお願いします。
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第1章 集団戦 『『女学生』のリビングデッド』

POW ●ナイトメアランページ
自身が戦闘で瀕死になると【『女学生』のリビングデッド】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD ●断末魔の瞳
【元居た世界への未練の籠った瞳】を向けた対象に、【死亡時の記憶を五感を伴う夢として見せる事】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ ●「死がふたりを分かつまで」
【生前所属していた武道系部活動の道具】で武装した【恋人と、その後輩たち】の幽霊をレベル✕5体乗せた【レベル✕2隻の幽霊船】を召喚する。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


備傘・剱
花園系お嬢様学園が、破奈ZON系汚状様学園にランクアップって、色んな意味でアレな状況だよなぁ…
ビバ、FreeeeeDON!

って事て、俺も混ぜてと、乱痴気騒ぎに突撃する形で青龍撃発動!
さぁさぁ、衝撃波、呪殺弾、誘導弾、頭の上の一足りないのダイス攻撃とブレス攻撃、水弾による広範囲飽和攻撃と爪による接近戦で蹴散らしてくれるわ

あ、逃げだす奴には結界術で足止めして、殲滅完了
攻撃はオーラ防御で防ごう

汚状様方、おじさんと一緒にダンスでもどう?
はは☆ナンパじゃないよ?
ただ単に強制成仏させに来ただけだから、心配してね

と言うわけで、高速移動で学校に近づきつつ、正門まで突撃してあげよう

アドリブ、絡み、好きにしてくれ


●ブッ込みの青龍
「花園系お嬢様学園が、破奈ZON系汚状様学園にランクアップって、色んな意味でアレな状況だよなぁ……」
 ヤンキー夜露死苦な当て字を脳内で浮かべながら、校門前で備傘・剱(絶路・f01759)呟いた。
「天よ、祝え。青龍、ここに降臨せり!」
 剱が前傾姿勢を取れば、ギュルリ! とその背に添うように空気から抽出された水分が渦巻いた。
「踊り奏でよ、爪牙、嵐の如く!」
 水は流れて剱の頭部と両腕を覆い、青き龍の爪牙となりて彼の体を鎧う。そして──、
「ビバ、FreeeeeDOM!」
 剱は飛ぶように駆け、突撃した。
 正面突破で、校門を抜ける!
「侵入者、侵入者です!」
 敷地入ってすぐの校庭で、お紅茶盛り(未成年なので酒盛りはできないのだ!)していた数十人の青白い肌をした女学生のリビングデッドたちが反応する。
「殿方が一人で、この麗蘭女学園に突撃とは、新手の奔放なナンパですの!?」
「はは☆ ナンパじゃないよ?」
 笑顔一つと共に大きく上方に跳ぶ剱。身に纏った水の牙から高圧の水弾が校庭に放たれる。
「キャアァァッ!?」
 広範囲に放たれた水弾は一発一発が的確に女学生たちを捉える。直撃した者は体を砕かれて、新鮮な血肉とは違うボロボロとした土くれのような破片を散らし、周囲に立っていただけの者も衝撃波に転がされる。
「ただ単に強制成仏させにきただけさ。やれ、一足りない」
 剱の頭にしがみついていた生き物が、水弾に続きダイスを降らせる。
「あ、あれは、妖怪、一足りないではないですか!?」
「ヒィ!」
 眼鏡をかけた文化部っぽい女学生が、その正体に震える。
「くっ、体勢を立て直すのよ!」
 何人か反応が良かった女学生は頭上からの攻撃を、瀟洒な白レースの日傘で防いでいた。日傘って盾になるかだって? 自由な彼女たちはそんな常識には捕らわれない!
 彼女たちは片眼を手で隠し、もう片眼で空中の剱を睨んだ。
「ガボッ!」
 その眼が暗い海の蒼に輝くと、剱は突如、絶息感に襲われた。そこにないハズの水で肺を埋められる感覚に血中の酸素が滞る。
 断末魔の瞳。彼女たちの瞳は己の死因を力ある錯覚に変えて、敵に押し付ける。この場合が、溺死。
 しかし、しかしだ。
「……ふうっ、息が詰まるね」
 ゴッ! と剱の水爪から、見えない圧が吹き荒れた。
 青龍は水を司る。イマジナリな海水すらも剱は御したのだ。
「汚状様方、おじさんと一緒にダンスでもどう?」
 女学生たちの中心に降り立った剱が爪を振るう。
 青いオーラを帯びた爪撃は、彼女たちの攻撃ごと周囲一帯を薙ぎ払った。
大成功 🔵🔵🔵

神代・凶津
ほお、名門と言うだけあって中々に見事な学園だな。
・・・幽霊共がめちゃくちゃ乱痴気騒ぎしているが。
「・・・元凶を退治して彼女達の魂を解放します。」
おうよ、相棒。
幽霊退治は俺達の専門分野だからな。
いっちょ、派手に行こうかッ!

裏門から裏庭を突っ切って、目的地である本校舎の屋上に向かうぜ。

遭遇した幽霊やリビングデッドは霊鋼の薙刀でなぎ払ってやるッ!
破魔の霊力を纏った薙刀で徐霊されたい奴から、かかってきなッ!
相棒の巫女服は呪詛耐性が施されてるからある程度の呪詛攻撃も気にする必要がねえな。
敵に囲まれたら【千刃桜花】で纏めて斬り刻んでやるぜッ!


【技能・なぎ払い、破魔、徐霊、呪詛耐性】
【アドリブ歓迎】


●桜舞い、蘭が散る
 鬼面の巫女が裏門から校内に入ると、そこには大ぶりな胡蝶蘭を中心に季節を問わず様々な花々が咲き誇っていた。
「ほお、名門と言うだけあって中々に見事な学園だな」
 優しく甘い花の芳香が漂い、目にも鮮やかな光景。しかしそこでは、
「うふふ、見てくださいな。花冠を編んでみましたの! これを……」
「ひゅう! 白いしゃれこうべにはやはり色の濃いお花が似合いますね!!」
 数人の女学生のリビングデッドたちが海賊っぽい髑髏を庭から摘んだ花でデコっていた。
「……幽霊共がめちゃくちゃ乱痴気騒ぎしているが」
「元凶を退治して彼女達の魂を解放しましょう」
 仮面の神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)が呆れとも、戸惑いともつかないツッコミを入れると、少女巫女の桜が静かながら強い意志を示した。
 その声に、女学生たちが反応する。
「あら? 客人とは珍しい。しかも、鬼面に巫女服スタイルで来校とは!? これはフリーダムポイントが高いです!」
 しかも、なんか謎の琴線に触れてしまったらしい。
「素敵な仮面ですね。わたくしにもかけさせていただけませんか? わたくしもなかなか似合う自信があるのですが!」
 おかっぱの女学生が前に出てワクワクと目を輝かせながら手を伸ばしてきた。
「はっ!」
 しかし、凶津はその提案を一笑に付し、
「生憎、俺には相棒がいるんでね!」
 一つの人体に二つの意志を乗せて駆けだした。その両手には紫桜色の霊気逆巻く薙刀! 裏庭を突っ切る構えだ。
「あら、残念。ならば力づくといきましょう!」
 立ちはだかる数人の女学生──、否、胡蝶蘭の花々の中からさらに現れる数十人の女生徒! 無数の女学生の魔手が凶津に迫る。
「あなた方が一人か、二人か分かりませんが、それ以上の数で以て圧殺ですわ!」
「しゃらくせぇ!」
 体ごと捻るようにして振りかぶった凶津の薙刀が振われ、その半円形の軌道に嵐が吹き荒れる。
「ぎゃあっ!?」
 薙ぎ払われた女学生たちが吹き飛んでいく。地に落ちたその体はピクリとも動かなかった。リビングデッドは時間をおけば復活するという情報があったが、その気配もない。
「幽霊退治は俺達の専門分野だからな。破魔の力で徐霊されたい奴から、かかってきなッ!」
「なっ、なんて天敵なっ!?」
 慌てふためく女学生たち。その瞳から溺死の幻が生まれ、桜の方に向けられるが、
「けほっ」
 彼女の口から漏れるのは、飲み物が変なところに入って噎せたような小さな咳のみ。
 破魔の力は守りに転ずれば、呪詛への耐性にもなる。桜を呑みこむには女学生たちの呪いは単純に出力が足りていない。
「さあ、いっちょ、派手に行こうかッ!」
 凶津の掛け声に合わせて薙刀がほどけ、桜の花びらになり渦を巻く。
 桜の嵐が吹きすさび、花弁の刃と風圧が周囲の蘭の花びらと共に女学生たちを舞い上げる。
 彼らの進撃を止められるものはいなかった。
成功 🔵🔵🔴

マジョリカ・フォーマルハウト
おんながくえん…
おじょうさまがっこう…
しゅうがくりょこう…?

何れも全く耳にした事がない単語じゃ
生まれてこのかた深海から出た事がなかったからの
わしの想像と大分違う…
まあ恐らくはこの島の地域性が特異なのであろう
ほれ、そこのけったいな扮装をした小娘共よ
お嬢様学校とやらを案内せぬか

ほう、ここが体育館…
貴様はここで恋人と共に部活とやらに励んでおったと…
…んん?
女学園とは女子の園であろ?
その辺りどうなっておるのか詳しく教えよ(興味津々

成程災難であったな
だがそれはそれ、これはこれよ
UCを発動し魔法剣で敵を包囲、殲滅するぞ
実戦も不慣れ故無謀な戦いはせぬわ
魔法の箒に乗り【空中浮遊】で逃げながら屋上とやらへ参ろう


「おんながくえん……、おじょうさまがっこう……」
 魔法の箒に乗ったマジョリカ・フォーマルハウト(みなみのくにの・f29300)が窓から体育館に侵入し、その二階通路にフワリと降り立った。
「何れも全く耳にした事がない単語じゃ」
 深海生まれ深海育ち系魔女には馴染みのない施設や制度、文化。それらをマジョリカは興味深そうに眺める。
 眼下では部活に励む女学生たちがおり──、
「キェェェッ! カトラス道では相手を斬って、持ち物を略奪したら一本としますわ
!」
「鉤爪道は……、ええ、略奪したら技ありにしましょう!」
 海賊服に着替えた彼女たちは大海原的新機軸武道の開発に勤しんでいた。
「わしの想像と大分違う……」
 まあ、この島の地域性が特異なのだろうと納得するマジョリカ。良かった! これがスタンダード女子高像だと誤解しなくて良かった!
「はっ、何奴です!」
 二階通路のマジョリカの存在に気が付いた女学生たち。彼女たちは敵襲を理解すると周囲に冷気を渦巻かせ、白く薄ぼんやりとした海賊船を呼び出した。
(生前の後輩や恋人を呼び出すと聞いておるが)
 女子高の生徒たちの恋人とは? と興味にかられ、幽体の顕現を待つマジョリカ。
 幽霊船の甲板に現れたのは、百合ィな感じの女学生や他校の男子校生、この島で出会い絆を育んだと思われる『船長』の呼び出した骸骨船員まで、多種多様な人々だった。
「愛の形も自由というわけかのう」
「その通り! 皆さん、やってしまいますわよ!」
 女学生と幽霊たちの手には、バットやボール、テニスや卓球のラケット、絵筆やキーボードといった生前の部活道具が武器として握られている。さっきまで持っていたカトラスとかの方が強そうなのはナイショだ!
 それらの道具がマジョリカに向かって投擲される。
「若くして亡くなるとは、災難であるが」
 マジョリカは悠然とした態度で腕を振る。すると三桁に届く数の魔法剣が出現。
「だがそれはそれ、これはこれよ」
 それらの魔法剣が投射され、幾何学模様を描く軌道で一本につき何個もの部活道具を打ち払い、攻めに回された剣は甲板に突き立っていく。
「キャア!?」
「あっ、逃げましたわ!」
 その隙に、マジョリカは箒に乗って宙に浮かび、何本かの魔法剣を並走させながら窓の外に飛んで行った。
 体育館の外壁に沿うようにして、翔び進むマジョリカ。本校舎に近づくと窓から女学生たちが上体を出し、包丁を向けてきた。
「侵入者め、お待ちなさいな!」
「かていか部、というヤツか?」
 マジョリカは箒の柄を青空に向け、飛翔軌道を上方に変える。上に逃げるマジョリカに包丁は届かず、逆に並走させていた魔法剣をマジョリカが落下させたことで彼女たちはその切っ先の餌食となった。
「さて、このまま屋上に一直線じゃ」
成功 🔵🔵🔴

化野・花鵺
「女学園ンンン?それは妾のためのぱらいそかっ!」
狐、目をかっ開いた

「せぇらぁかのぅ、ぶれざぁかのぅ。せぇふくに貴賤なしじゃ、ふふっ」
狐、ご機嫌だった

「よっしゃぁ、せぁらぁミニスカ黒タイツとな!なかなか分かっておるではないか!」
狐、呵呵大笑した

「此度の妾はとても機嫌が良くてな?そのせぇふく、妾がトルソーごと燃やしてやろうぞ」
「フォックスファイア」の狐火に破魔属性乗せ生者も死者も区別なく焼き尽くす
敵の攻撃は野生の勘で避け衝撃波で弾きオーラ防御で受ける

「妾が良いことをしてやろう。もそっと近う」
狐、誘惑+略奪でカップル引き裂いて先に恋人倒す悪辣発揮

「やれ楽しや、次は何が来るかのぅ」
狐、にんまり嗤った


●制服萌え燃え
「女学園ンンン? それは妾のためのぱらいそかっ!」
 校舎の中に入り込んでいた化野・花鵺(制服フェチの妖狐・f25740)が、早足に廊下を進む。屋上に行くべきハズなのだが、きっと彼女には彼女の目的があるのだろう。
「せぇらぁかのぅ、ぶれざぁかのぅ。せぇふくに貴賤なしじゃ、ふふっ」
 そう言って、人の気配のする教室を開けると、
「温暖な気候のこの地ですが、そこであえて制服を着崩さないという反骨もまた自由ですわよね」
「とはいえ、クーラーも動かないのは難ね。スカートの丈くらいは上げてしまおうかしら?」
「よっしゃぁ、せぁらぁミニスカ黒タイツとな! なかなか分かっておるではないか!」
 いた、制服姿の女学生だ! 6人もいるぞ!
「な、なんですの、いや本当に何しに来たんですの、このお狐さんは!?」
 興奮し呵々大笑する侵入者に、女学生たちが怯える!
「と、とりあえず、敵ね、お覚悟!」
 教室の窓を壁ごとブチ抜き、幽霊船の船首が現れて、そこから幽霊たちが降りてくる。女学生と幽霊たちは剣山を両手に装備した。どうやら彼女たちは華道部らしい。
 対するご機嫌狐、花鵺の周囲には無数の炎が浮かび上がる。
「そのせぇふく、妾がトルソーごと燃やしてやろうぞ」
「あんなに喜んでいたのに燃やすの!? 愛情表現が自由過ぎるわ!?」
 両手剣山のボクシングスタイルで襲い来る幽霊たち。花鵺は椅子、机と脚をかけて跳び、教室後ろのロッカーに着地して狐火を放つ。
「ああぁぁぁぁぁっ」
 火炎を正面から食らった幽霊たちが溶けるように消滅していく。だが、
「ふん、食らいなさい!」
 幽霊の後ろから現れた女学生の一人がロッカーを蹴り揺らし、そこから跳び降りた花鵺に三人の女学生が剣山を突き立ててくる。
 花鵺は剣山の針先が肌に触れる前に霊符を取り出し、オーラを展開して押し止める。
(幽霊が盾になり、女学生が攻める布陣かのぉ。ならば)
 野生の狐のように女学生の股下を抜けて、花鵺は廊下に出る。そして、霊たちに背を向けると、スカートの裾を小さく持ち上げて太ももと尻尾を晒し、耳をピコピコと動かす。
「妾が良いことをしてやろう。もそっと近う」
 花鵺が蠱惑的な視線を幽霊たちに送ると、内一人がビクリと反応した。
「キツネ、ミミ、カワイイ……」
「ああ、トオル!?」
 女学生の生前の恋人と思しき男子が即座に落ちた。こいつケモミミ属性だ!
「シッポ、モフモフ、イヤシ」
 さらにカワイイ動物好き系後輩女子たちも釣られて廊下に出てきた。
「ちょっと、ショーコ、ミカ!?」
「ふむ、これで防壁は削れたの」
 幽霊が離れていき、教室の女学生たちの守りが崩れる。
 直後、ありったけの狐火が教室に叩きこまれ、室内は焼却炉のように燃え盛った。
「やれ楽しや、次は何が来るかのぅ」
成功 🔵🔵🔴

鳶沢・成美
何というか、お嬢様たち鬱屈していたんですね……
まあ、幽霊系統の敵なら”破魔”の術があるし、やってみますか。

【冥門案内ノ法】で”範囲攻撃”して現世からおさらばしてもらいましょう
まあ打ち水みたいなもんですかね、効果は幽霊バイバイだけど。
つまり敵が幽霊を呼び出しても、その片端からどんどん送り返せます。

範囲が広まれば、僕が戦闘力の高まる場所が増えて、
逆に敵の行動範囲は狭まるし、いいことずくめですね。

アドリブ・絡み・可


大神・狼煙
美少女を眺めていられる依頼かと思ったら、アンデッドハンティングだった……

くそぅ、全てあの海賊が悪い!

認識されない怨霊の軍勢を呼び出しつつ、単騎突撃に見える形で突っ込む

まぁ、圧倒的に数が多いから近づけないんだけども

こちらに注意を引いている間に、怨霊共が船の一隻をもっきゅもっきゅ

船ごと取り込み、乗っ取ったら隣の船にぶつけて増えた怨霊と共にモグモグさせて手駒を増やしつつ侵食

弓道部とか飛び道具使いそうなのもいるだろうし、船体をぶつける時は捕食前に相手の船に乗り込み、乗っ取りを優先

射撃を封じてからモグモグしてもらおう

戦力を十分に奪ったら、船を解体してバリケードに

どうせ蘇るのなら、時間稼ぎしないとね!


●大霊乱、昇華成仏、地獄絵図!
「ええい、そのタオルハチマキ、海賊のバンダナに変えてやりますわー!」
「片目を抉ってドクロ眼帯もつけてあげる!」
 校舎裏、鳶沢・成美(探索者の陰陽師・f03142)は、裁縫部なのか裁ち鋏やまち針を持った女学生たちに追われていた。
「何というか、お嬢様たち鬱屈していたんですね……」
 素早く走りつつもどこか緩い雰囲気を崩さない成美は、フック付きワイヤーを校舎の壁のへりに引っ掛け、縄を掴んで壁面を駆け上る。その背に裁縫道具の数々が投げつけられるが、成美は壁を蹴ってバク宙し、壁とは反対側にあった銀色の箱のような貯水槽の屋根に着地。懐から大型水筒を取り出した。
「冥門案内ノ法」
 水筒の中の濁った液体を地上の女学生たちにブチ撒ける。
 しかし、それも女学生たちの持っていた布束に阻まれる。
「ふふんっ、裁縫部は攻守万能なのですよー!」
 液体は布束から滴り地面を濡らしていく。そして、その水たまりからリビングデッドとは別種の霊気が立ち上り……、
「ん、これは……、キャアアアアアアアアアアァァァ!?」
 その霊気が触れるなり、女学生の体が空に溶けるように消えていく。
「アアアァァアッ、ナ、ナンデスノ、コレハ!?」
「何かと言われれば、まあ打ち水みたいなもんですかね。効果は幽霊バイバイだけど」
 液体を濁らせていたものの正体は霊符を焼いた灰。破魔の力は陰陽師の十八番だろう。
「しかし、こうも数が多いと大変ですね」
 屋根から飛び降りた成美はなんとはなしに貯水槽の方を見る。
「ああ、こういうものもあるんですか」
 成美は大量の霊符を取り出した。

 一方、校庭にはリビングデッドらしく復活した者たちとさらなる増援が集まり、十数名の女学生が待機していた。
「逃がしてしまった殿方は『船長』が仕留めてくれるでしょう」
「私たちは新たな敵勢に備えるのよ!」
 その背後には女学生と同数の幽霊船が控えている。
 それを校門陰から覗くは……、
「美少女を眺めていられると思ったら、アンデッドハンティングだった……」
 喫茶店を経営者、大神・狼煙(コーヒー味・f06108)だ。
「くそぅ、全てあの海賊が悪い!」
 狼煙、屋上方向を睨み、そのまま校庭に向けて走り出した。
 目つきの悪いアラサー男性、女学園に侵入!
「言い方に悪意を感じる! 私は変態じゃないんですよ!」
「来ましたわ! 敵は単騎、ふん縛って、鮫の餌にしてやりましょう!」
 女学生と幽霊たちは木刀や、弓、薙刀などの武道用具を構え、立ちふさがる。
 狼煙は携行式断頭台を振り回し、その鋏で女学生を捉え、切断していく。
(よし、怨霊共はちゃんと仕事をしているようですね)
 彼の狙いは、自身が女学生の注意を引いている内に、自身にしか見えない霊たちに幽霊船を乗っ取らせることだ。
 しかし……、
「射てェ!」
「くっ!」
 元弓道部の霊が放った矢が狼煙の肩に突き刺さる。
(武道系部活の娘たちは一筋縄ではいきませんね……、このままでは)
 それなりの質も伴う数の力に狼煙は押され、校庭の砂に膝をつく。
「うふふふ、射撃部、構え! トドメを刺してやりなさい!」
 向けられるライフルの銃口。絶体絶命に思えたその時──、
 ゴギュルガッッッ!!! と校庭の各所から水柱が突き上げ、女学生たちを巻き込んでいった。
「アアアアアア、ナ、ナニガ……」
「ポンプ設備は死んでましたが、スプリンクラーから放つことくらいならできるものですね」
 水柱を縫うようにして現れたのは成美。彼は受水槽にありったけの霊符の灰を混ぜて、その水をスプリンクラーの配管から放ち範囲攻撃をしたのだ!
「ふう、助かりましたよ。さて、そろそろ怨霊共も仕事を果たした頃でしょう」
 破魔の水柱に慌てふためく女学生と幽霊の間を抜けて、狼煙たちは制圧をかけていた幽霊船の側面の縄梯子を登る。
 船は奪い取った。さあスーパー狼煙タイムが始まるぞ!
「ァァァァァァァァァァァァ」
 甲板では水しぶきに巻き込まれ、怨霊たちが右往左往していた。
「あれぇ、ウチの怨霊も溶けかけている!?」
「え? なにかいるんですか?」
 召喚者以外に認識されないという性質が災いしたらしい。
「構うか、手ェ貸せ! 怨霊共!」
 召喚者にケツを叩かれ、怨霊たちが船を動かしだす。今度こそ攻勢の時!
「ォォォォォォォッ!!」
 怨霊の低い低い雄叫びが轟き、乗っ取られた幽霊船は手近な船に船首を叩きつける!
「きゃあ、なんて強引な!?」
 衝撃に揺れる船の上で女学生と幽霊たちは必至にマストや手すりにしがみ付く。下は冥門案内ノ法で彼女たちにとっては死の海と化している。狼煙の怨霊が船の間を乗り越えて、雪崩れ込み、校庭でありながら海上の移乗攻撃戦の如き戦いが始まった。
「もきゅもきゅしてやりなさい」
 怨霊は女学生たちを食らい、取り込んでいく。狼煙の口にした擬音に反して船上は酸鼻を極める地獄絵図の様相だ。
 陣取りゲームのように、次々と船が猟兵の占領下に置かれていく。
「あの目つきの悪い男だけでも……」
 半ば怨霊に飲み込まれた船でアーチェリーに矢をつがえ、狼煙に狙いを定める女学生。
 しかし、ダンッ! と一跳びで数隻分の距離を飛んだ成美がバールのようなものでそのアーチェリーを撥ね上げる。
「いいですね。僕が戦闘力の高まる場所が増えてきました」
 その隙に狼煙がパチンと指を鳴らして怨霊に女学生を喰らわせた。
「そろそろ行きましょうか」
 成美が狼煙のいる船に戻り、その船は本校舎に向けて突き進む。他の占領済み幽霊船は互いに追突し、噛み潰し合い、残骸の山を形作る。それらがバリケードになり、残る敵船も狼煙たちの船に近づけない。
「それじゃあ、ザバーっとやっちゃってください」
 狼煙の指示で成美が船の後方部に破魔の水をかける。この船も元は幽霊の一部。幽霊本体よりは頑丈だが、それでも破魔の水が効いて消滅していく。
 後部がなくなった幽霊船は後ろにバランスを崩し、船首が持ち上がっていく。
「幽霊はあの世へ、僕らも行くべきところに行きましょう」
「ええ、女学生を配下に置く羨ま……けしからん『船長』とやらの所へ」
 二人は傾く船を駆け上がり、成美のワイヤーを屋上のフェンスに引っ掛けた。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵


第2章 ボス戦 『忘れ去られし大海賊』

POW ●この俺が相手をしてやるぜッ!
全身を【大海賊の船長たる威厳】で覆い、共に戦う仲間全員が敵から受けた【攻撃と、自身や手下達が相手に与えた攻撃】の合計に比例し、自身の攻撃回数を増加する。
SPD ●叩き落とすぞ野郎共ォ!
【魂なき手下達の幽霊を呼び出し、共に行う】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【呼び出す手下達の人数が多ければ多い程、そ】の協力があれば威力が倍増する。
WIZ ●錨を上げろ野郎共ォ!
【カトラスとラッパ銃、フック付きロープ】で武装した【命令に忠実に動く、魂なき手下達】の幽霊をレベル✕5体乗せた【海賊船、レベル×1隻】を召喚する。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は鳴海・静音です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


神代・凶津
オラァッ!ここが屋上かッ!
見つけたぜ、てめえが親玉だな。
てめえを倒してこの乱痴気騒ぎを終わらせてやるぜ。
雷神霊装でいくぜ、相棒ッ!
「・・・転身ッ!」

屋上を縦横無尽に高速移動しながら破魔の雷撃を纏った妖刀の斬撃の放射でなぎ払ってやる。
呼び出した手下共々、消し飛びやがれッ!
生憎と集団戦術にも心得があってね。
敵集団の行動を見切って隙を付いて斬撃の放射を弾幕の如くぶちこんでやるぜ。

悪いが、てめえらの冒険はここで終わりだあッ!


【技能・破魔、なぎ払い、集団戦術、見切り、弾幕】
【アドリブ歓迎】


化野・花鵺
「…合格ぅ!」
「海賊のせぇふくってぇ、ドクロ帽とカトラスとソールがガッシリした編上ブーツかなって思うんだよねぇ。水兵さんならデッキシューズでもいいけどぉ」
敵をじっくり眺めていた狐、親指たてた

「イイモノ見せてもらったお礼にカヤ頑張って仕事するぅ…剣気招来急急如律令!」
「剣気招来」で範囲内の幽霊船と幽霊をまとめて攻撃
敵からの攻撃は野生の勘で避け衝撃波で弾きオーラ防御で受ける

「此方は任せよ。妾は陰陽師、雑霊退治は得意中の得意ぞ。破魔の剣に切り裂かれ消えるが良いわ、ホーホッホッホ」
狐、ご機嫌に高笑った

「…もぉ終わりぃ?カヤせぇふくならまだまだお代わり行けるのにぃ」
狐、ツヤツヤした顔で妄言吐いた


大神・狼煙
ひゃっはー!!新鮮な親玉だぁ!!

アポヘル感満載のヤベーバイクに乗って突撃

敵はこちらを屋上から突き落とすべく配下と共に突っ込んでくるはず

衝突した瞬間に自分から吹き飛び、更に相手の後退させる力も利用して一気に距離を取りながら、吹き飛ぶ際に着火したライターを残していく

何故か?

ガソリンが詰まった車体を、敵が軍勢で突進して来たら、ひしゃげてぶっ壊れるでしょう?

そこに火を投擲するとね、タンクの燃料に引火して大爆発するわけですよ

こっちは吹き飛び様にワイヤー繋いだナイフを校舎の壁に打ち込んでぷらーん


敵が何人配下を呼ぼうと、吹き飛ばすか、丸焼きにできるはず

某火炎瓶のヤドリガミもよくやる(偏見)し、いけるいける


鳶沢・成美
幽霊系統を呼び出す……か、なら冥門案内ノ法といきたいところですが灰を溶かした水が心許ない
ならば召喚術なら召喚者を倒すのがセオリーかな? というわけで、直接攻撃しちゃいましょう
まずは”目立たない”位置から【火雷神道真】で味方に当たらない様に調整して
”フェイント”を交えつつ”誘導弾”の様に”追跡”させて攻撃
これなら雷の礫の電撃で”マヒ攻撃”も狙えるでしょう
そして容赦をせず”2回攻撃”で2回目の【火雷神道真】
僕は基本、遠距離攻撃の人なので悪しからず

アドリブ・絡み・可 ””内技能


備傘・剱
これまた、(物理的に)腐ったお嬢様受けしそうな奴が出てきたな
…いや、攻め、か?
お前さんは、どっちだ?

ま、なんにしても、やる事は一つだな
弾幕代わりに誘導弾と衝撃波を放ちつつ、ワイヤーワークス投擲、ロープワークで縛り上げるぜ
その一瞬の隙をついて、ダッシュで接近しつつ、結界術で捕縛
その後、念動力で少し浮かせて、死に体になった所に神罰付きの麒麟閃を叩き込むぜ

色んなオブリビオンを見てきたが…
女の趣味の方がここまでよろしくない奴は見た事、あんまりないな
なにか?
生きてる女だと目線を合わせられないそっち系とか言わないよな?
…だとしたら、うん、なんか、ごめん
美形がもったいねぇなぁ

アドリブ、絡み、好きにしてくれ。


マジョリカ・フォーマルハウト
ふむ、彼処が屋上で良いのか?
分かりやすい海賊の声がする故違いないわ
柵等に囲まれているやもしれぬが
魔法の箒で【空中浮遊】すれば奇襲も楽々よ

奴が他の猟兵を相手取っている隙をつき
UC【ホエール・スプラッシュ】で先制攻撃を仕掛ける
潮吹きの水流の勢いで屋上から落としてやれば只ではすまなかろ
配下を呼び出す間を極力与えず押し流す
召喚されても全員纏めて土左衛門にしてやるわ
海賊ならばこの程度の荒波慣れておろう

幽霊が飛行する可能性も考慮はしておくが
わしは全て高見の見物よ
ほう、中々の見晴らし
時に海賊よ…その酒はいくらだ?
万一にも未成年の手に渡っては良くないであろう…と魔女が申しておる
戦利品として戴いてやってもよいぞ


●或る海賊団の長の話
 その『船長』に名はない。
 もちろん生前は名前を持っていたのだろうが、コンキスタドールとしての彼に名乗るべき名はない。
 屋上には海賊旗が突き立てられている。しかし、その旗に船団のシンボルは描かれていない。
 いくら視界を向け、瞳の焦点を合わせようとしても、無個性なドクロマークが揺らいで見えるだけで明確な像を結ばない。
 それはコンキスタドールとして歪められる前、『己』を奪われまいとした男の最後の矜持だったか──。

●猟兵VS海賊船団
「オラァッ! ここが屋上かッ! 見つけたぜ、てめえが親玉だな!」
 扉を吹き飛ばしフェンスに囲われた屋上に神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)が現れる。
「来たか。ガールズだけでは異邦者の足止めできなかったか。まあイイさ」
 屋上で椅子代わりの宝箱に腰を下ろしていた『船長』は、ワインの入った宝杯を手から放り、立ち上がった。
「これまた、腐ったお嬢様受けしそうな奴が出てきたな」
 次いで、扉のなくなった入り口をくぐるは備傘・剱(絶路・f01759)。
「……いや、攻め、か?」
「……マンケン? とやらのガールズにも聞かれたことがあるが、そりゃあ何かのスラングか? まあ俺は略奪を為す海賊だからな。受けか攻めかなら、攻めだろうさ」
「ほう? 攻めですか!」
 ドルンッ! と音が響うと、棘付きオフロードホイールの世紀末カスタムバイクが宙を飛ぶ。フェンスを越えて屋上にドリフト着地したのは大神・狼煙(コーヒー味・f06108)だ!
「ひゃっはー!! 新鮮な親玉がいるぞぉ!!」
「……屋上に二輪で乗り込むとは」
「とんだヤンキーっぷりだな。狼煙さんっていつの世代だ?」
(見た目年齢)最年長者のヤンチャぶりに桜は白い眼を向け、剱もヤレヤレと首を振る。
「これユーベルコードですから! 戦闘手段だから良いじゃない!? 逃封殺葬って言うんですよ!」
 この流れだとヤンキー当て字にしか見えないぞ!
「ン、フリーダムゥ! 骨のある野郎がいるじゃねぇか!」
 むしろ敵からの評価が高い。
「気にいったぜ、テメェ等。イイだろう、俺の船団が相手をしてやろうじゃねぇか!! 錨を上げろ野郎共ォ!」
『船長』が床に突き立てられた旗を抜き、振り上げる。すると、校舎を左右から挟むように何隻もの幽霊海賊船が虚空から出現した。そして、それに留まらず──、
「アァ? 合体してやがんのか!?」
凶津が鬼面の口から声をあげた。幽霊船は互いにぶつかり、溶けあい、左右に一隻ずつ、校舎に匹敵するサイズの大型船に合体再誕した。
「アアアアァァァッ!」
「ウオオオオッ!」
 呻き声というには威勢の良い低音を響かせながら、骸骨姿の幽霊船員たちがフック付きロープで屋上に乗りこんでくる。
「さあ、やろうぜ異邦人共! 誰にも、俺達の自由は阻めねぇ!」
 屋上に集う猟兵と幽霊船団、決戦が始まる──。

●激流、海の者の戦い
「……合格ぅ!」
 ──というところで、空気を読まない声が上空から割り込んだ。敵も味方もそちらを見れば給水タンクの上に遅れてやってきた化野・花鵺(制服フェチの妖狐・f25740)がいた。
 たぶんこの娘、制服の女学生と戯れていて遅れてきたぞ!
「海賊のせぇふくってぇ、ドクロ帽とカトラスとソールがガッシリした編上ブーツかなって思うんだよねぇ。水兵さんならデッキシューズでもいいけどぉ」
『船長』にグっと親指を立てる花鵺。
「ほう、なかなかに良い趣味をしてんじゃねぇか、フォックスガール。なんなら俺の船に来ねぇかい?」
「ええ~、でもカヤ、他にももっと色んなせぇふく見たいしぃ」
「そりゃあ残念……っとォ!」
『船長』が後頭部を守るように、カトラスを後ろに回す。直後、バヂンッ! とカトラスの腹に雷の礫がハジけた。
「伏兵がいたか。フォックスガールは囮ってわけかい」
(たまたま目立っている人がいたから、こっそり撃っただけなんですけどね)
 花鵺が立つ給水タンクとは別方向にある大型室外機の陰に潜むは、鳶沢・成美(探索者の陰陽師・f03142)だ。指弾で飛ばす用の礫を手中に、幽霊の隙間を通し『船長』を狙える射線を探る。
(幽霊系統を呼び出すなら、冥門案内ノ法といきたいところですが灰を溶かした水が心許ない)
幽霊船の方に成美がチラリと目を向ければ、そこにはまだ甲板で控えている幽霊が無数にいる。一度に屋上に乗り込むと身動きが取れなくなるので待機しているのだろう。
「ふむ、いつまでも船から兵力を補給されては面倒じゃ。彼方は任せよ。妾は陰陽師、雑霊退治は得意中の得意ぞ」
 とうっ、と跳んで剱たちのもとにやってきた花鵺が宣言する。
「……では、もう一隻は私たちが受け待ちます」
「俺たちは、集団戦術にも心得があってね」
 それに答えたのは桜と凶津だ。
 花鵺は左手、凶津は右手の船に、跳躍していく。
「では、屋上の霊は私が」
 ハンドルを回し、エンジンを吹かせながら、狼煙は幽霊の軍勢とその奥にいる『船長』を見据える。そして、フルスロットル突撃ッ!
 校舎に不似合いなヤベーバイクが突き進む!!
「好きに侵略しな、叩き落とせ、野郎共ォ!」
 真っ向から激突するは幽霊の軍勢。『船長』は号令以外の指揮を放棄していたが、統制のない突撃でも群の力はモンスターバイクに負けず劣らず。バイクの前面と幽霊軍勢の先陣が双方、ひしゃげ潰れる。
 狼煙自身はその衝撃に、早々に後方へ吹っ飛んでいた。しかし──、
「ふむ、良い具合の潰れっぷり、ですね」
 吹き飛びながら、着火したライターをサイドスロー。
「ガソリンが詰まった車体を潰して、火を投擲する。するとね、タンクの燃料に引火して大爆発するわけですよ」
 すっ飛ぶ狼煙からの解説。しかし、危機を察しても幽霊たちは後ろが詰まっていて逃げられない。直後、宣言通りの大・爆・発ッッッ‼‼‼
 幽霊たちは爆発に巻き込まれ、骨粉になって四散していく。ついでに狼煙も爆風でさらに飛んで行ったが、あると便利なワイヤー付きナイフを校舎の壁に突き刺してぷらーん。
「某火炎瓶のヤドリガミもよくやる(偏見)し、いけるいける」
 その爆発戦術はたいていろくなことになってないけどな。
 ところで、吊り下がった態勢で狼煙が校舎の窓を見ると──、
「キャアアアアッ!? NOZOKIですわ!」
「変態よ、変態が現れたわ!?」
 校舎内にはまだ女学生がいた。しかも、そこは更衣室のようで、お嬢様らしい品の良い白い下着姿の女学生たちがいた。女学生はロッカーを投げつけてくる。ロッカーだって広義の部活道具だ!
「ラッキィ、じゃない、マズイですね!?」
「まったく何をしておるのだ」
 空飛ぶ箒にまたがり、狼煙を掬いあげる影あり。深海の魔女、マジョリカ・フォーマルハウト(みなみのくにの・f29300)だ。
「ふむ、彼方が屋上で良いのか? 分かりやすい海賊の声がする故、違いないわ」
 狼煙をチクチクした箒の穂の部分に乗せて上空へ飛翔するマジョリカ。
 フェンスを越え、さらに高みに浮遊すると、上空から『船長』に右手を向ける。
深海魔女の手から放たれるのは、鯨の潮吹きすらも超える塩水の奔流!
「ほう、海の魔女もいるかい!」
 カトラスを握る船長の腕が霊力を蓄えて隆起する。力任せに振るわれた縦一閃は奔流を斬り開く。
 だが、その間も水流は留まることなく放たれている。一回斬った程度では止まらない。
「チィ……ッ! 流され……」
 ジリジリと後ろに押し込まれていく『船長』。けれど、
「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!」
 その前に立ったのは幽霊船員たちだった。鋒矢の陣を築き、水流を受け流していく。
「お前ら……」
「海賊ならばこの程度の荒波慣れているというわけか」
 荒れ狂う水流──ホエール・スプラッシュを放ったまま、マジョリカは感心したように頷く。彼女は『船長』の背後で流されず残っていたワイン瓶に目をやった。
「時に海賊よ……その酒はいくらだ? 万一にも未成年の手に渡っては良くないであろう……と魔女が申しておる。戦利品として戴いてやってもよいぞ」
「ハッ! 強欲な魔女だ。海の魔女、俺たち海賊が一番嫌いなヤツだぜ! 荒波を鎮めてくれる海の女神様なら酒を捧げてでも、俺たちの船団についてもらうんだがな!」
「そうか、譲る気はないと。残念じゃ。……おい、覗きの、何か出せる物はないか?」
「え、ああバイクなら出せますよ。……覗きの、はやめてくださいよ」
 マジョリカの要請に応じて、逃封殺葬で再びバイクを呼び出して空中騎乗。
「よし、では行ってこい」
 マジョリカ、ホエール・スプラッシュの激流にバイクを狼煙ごと乗せてシュート!
「えあああああああああああああああ!?」
「ウオオオオオオンン!?」
 バイクの質量が水流に乗せられて幽霊の陣形をクラッシュ。水のおかげで爆発こそしなかったが、激突した幽霊はフェンスを突き破って校庭へ落っこちていく。
「水死の死因は溺死だけでなく、岩礁への激突死も珍しくない。海賊なら知らぬハズもあるまいよ」
「そういうことでしたら僕も」
 目立たないように気配を消していた成美が背後に偉大なる学問家であり政治家、天神とも怨霊とも言われる偉大な存在の影を揺らめかせ、雷を帯びた礫──火雷神道真(ライジーン)を水流に混ぜていく。
「ルオオオオオオオオオオオン!?」
 石紛れの水流に幽霊船員が次々と吹き飛ばされ、『船長』の守りが削れていく。

●船上の戦い1──陰陽師が模様を描いたら
「イイモノ見せてもらったお礼にカヤ頑張って仕事するぅ……、剣気招来急急如律令!」
 花鵺の跳躍は敵船まで届いていなかった。しかし構わず、彼女は呪文を唱える。すると、数百の破魔の剣が疾く現れて、それが足場となった。
「その身で味わうが良いわ、破魔の力を」
 刀身に花鵺を乗せる剣以外が、五つの集合に分かれて船を取り囲む。
「アァ?」
 幽霊船員はラッパ銃に弾を込める。撃ち落とせないかと思ったようだが、もう遅い。
「切り刻まれて、消えよ」
 花鵺が腕を振って合図を出す。それが始まりだった。五つの集合に分かれていた剣がそれぞれ、他の集合に向けて直線に射出される。
 描かれるのは──、五芒星!
「ギャアアアアアアアアアッッッ!!?」
 それは刃の雨嵐だった。嵐の海を進む海賊すら耐えられぬ剣風剣雨。剣の集合は別れ、集まり、曲がり、進み、五芒星からさらに複雑な陣を描いていく。
 剣の軌道の隙間を埋めるように、花鵺本人も乗っていた剣を掴んで甲板に降り立つ。
「ホーホッホッホッ!」
 幽霊のカトラスを左手の霊符で受け、右の剣で浄化斬撃を食らわしていく。四体、五体と斬り祓ったところで、花鵺はピクリと何かに気が付いて、天を仰いだ。
「……もぉ終わりぃ?」
 言うや、手に持っていた剣を浮かべて、再度騎乗して幽霊船から翔び去っていった。
「ウォォ?」
 まだ残っている幽霊たちは「まだオレらもいるぞ?」と首をかしげる。
 しかし、彼らは知るべきだった。陰陽師が模様を描いたならばそこから何かが現れると思うべきと。
 直後──、
 破魔の剣の軌道でできた幾何学模様から巨大な剣が召喚され、幽霊船は真っ二つに断ち割られた。
「カヤせぇふくならまだまだお代わり行けるのにぃ」
 ツヤツヤ顔で狐は学校に戻っていった。

●船上の戦い2──無数に勝る二にして一
 雷を引きながら跳んだ凶津は一跳びで幽霊船のマスト上に着地した。そして、その場で、天に向かって無名の妖刀を掲げる。
 空に黒く濁った雲が渦を巻いていき──、
「決めるぜ相棒ッ!!」
「転身ッ!!」
 二人の叫びと共に、黒雲の渦から雷がマストに落ちる。雷光はそのまま収束し、凶津たちを覆った。
 雷神霊装。
 紫桜色の輝きはマスト先で光り、セントエルモの火の如しだ。しかし、その存在は船の加護とは対極に位置する。
「落雷注意ってなッ!」
 妖刀を突き立てる態勢で凶津が甲板上に落下する。破砕の落雷と化した突きの衝撃に幽霊船員たちが薙ぎ払われていく。
「アアアアアアアアアアア!!」
 衝撃に耐えた幽霊たちがカトラスを手に凶津を取り囲み、殺到する。しかし、凶津は切り払いの一回転。後方半周には雷の放射による斬撃を飛ばし、前方半周の敵は実態の刃で切断する。
 さらに、あえて凶津は敵の大群の中に飛び込んでいく。ラッパ銃が向けられるが、幽霊は散弾を撃てば見方も巻き添えになる。その躊躇の隙をついて、凶津は次々に骸骨の首を落としてしゃれこうべに変えていく。
「ガアアアアアアアッ!!」
「うおッ!? まだまだ、来るか!」
 優勢なのは凶津の方だが、幽霊は勢いまかせに次々と突撃してくる。いくらで強い個が相手でも呑んでしまえば圧殺できるのが数の妙だ。
「船内へ!」
 桜の足が船内へ続くドアの中へ駆ける。幽霊たちも追うが、下手に数が多いばかりに入り口で互いにぶつかり、そこで詰まってしまう。ただ敵に群がる幽霊たちに秩序はなく、そこが隙となる。
「なっちゃねぇなッ!」
 甲板下から声が響き、今度は下方から上方への逆さ雷が昇り、幽霊を穿つ!
「悪いが、てめえらの冒険はここで終わりだあッ!」
 二心同体の力が雷撃の形で四方八方に放たれ、烏合の海賊船に大穴を開けて落としていく。

●海賊の自由
「これはマズいぜ!? あの深海アマ!」
 部下たちが吹き飛ばされていく中、『船長』は水流を抜けて、高みから見下ろすマジョリカにフリントロック銃を向けた。
 しかし、そこに剱の鋼鉄製のハンマーが飛んでくる。
「叩かず投げるか、自由闊達な戦闘スタイルじゃねぇか!」
「こういう使い方もできるんでね」
 剱の腕にはブレスレット型のワイヤー収納器がはめられており、それがハンマーの柄と結ばれている。伸びるワイヤーが『船長』の体に絡もうとする。
「海賊の俺にロープワークで挑むか!」
『船長』はカトラスの柄尻でワイヤーを止め、それを引くことで反対に剱のバランスを崩そうとする。剱も負けじと腕を揺らしてワイヤーを動かし、時に『船長』の周囲を駆け回ることでワイヤーを宙で舞わせる。
 地味ながら、互いの技巧が真っ向からブツかる戦いだ。
「色んなオブリビオンを見てきたが……、女の趣味の方がここまでよろしくない奴は見た事、あんまりないな」
「あァ? デッドのガールズのことを言ってるなら、あいつらは兵力さ。もちろん気に入ったヤツがいたら、囲うのもやぶさかじゃねぇがな。最初はお堅いヤツばかりだったが、今は自由を心に燃やしたイイ女になってきたしなァ」
 カトラスでワイヤーを切断すると見せかけて峰でワイヤーを下方に叩いて引っ張ることで、剱にたたらを踏ませる『船長』。しかし、収納器からワイヤーを伸ばし余裕を持たせることで自由を得て退く剱。
「生きてる女だと目線を合わせられないそっち系とか言わないよな?」
「んだとコラァ!? これでも船団の長やってんだ、女に困ったことなんかなかったよ! 昔はな!」
「昔、ねぇ」
 剱は口の端を上げて笑う。
「ずいぶん、今は『不自由』しているようだな。美形がもったいねぇなぁ」
「テメェ、言いやがったな……に!?」
 挑発に激昂しかけた『船長』だが、突如、身動きが取れなくなりサッと体が冷える。ワイヤーには拘束されていないのにだ。
「ワイヤーで結界を描かせてもらったぜ。──来たれ、麒麟!」
 ワイヤー収納器を外し、剱がダッシュ! 『船長』に接近しダン! と左足で床を踏みしめれば念動力で『船長』の体がわずかに浮く。
「我が身に宿りて、疾走せよ。この地、汝を妨げるもの、一切無し!」
 左足を軸足に高速の後ろ回し蹴り──麒麟閃(ライジングスラスター)が放たれる。空気摩擦で帯電した踵が『船長』のどてっ腹に突き刺さる!
「ご、ッハ……!!?」
 ゴロゴロと床を転がり血を吐く『船長』。そこに高みからマジョリカのスプラッシュが放水される。
「ヌオオオオオン」
「オオ、オオオオオオオオオオ、センチョ、マモ」
 再び、身を挺して自分たちのリーダーを守る幽霊船員たち。海賊の耐水能力が押し流す水撃を阻む。
「これを使うと良いぞ、深海の魔女よ。陰陽師二人の特別性じゃ」
 優位ながらもあと一歩攻めきれないマジョリカに、剣気に乗って帰ってきた花鵺が布袋に包んだ灰を持ってきた。
「ふむ、なるほど。これはありがたい。あとで礼に薬をやっても良いぞ」
「礼なら、ぜひせぇふくを着て」
「それは却下しよう」
 花鵺は頬を膨らませつつも、灰を水流に混ぜる。
「ないならば、作ってしまえ、冥門案内ノ法ですね」
 下の方で花鵺から提供された霊符で灰を作った成美が親指を立てる。
 ここには水も、他の陰陽術使いもいる。材料ならあったのだ。
 浄化の激流が幽霊の体を溶かし、『船長』ごと押し流す!
「ヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲン!!」
「クソッタレがァ!?」
 水圧がフェンスを止めるボルトを引きちぎり、もろともに幽霊と『船長』を屋上から叩き落とす。
(俺たちの航海はここまでなのか……)
『船長』の脳裏に在りし日の航海の様子が浮かぶ。それが走馬灯だと理解することは容易かった。しかし──、
「マモル、センチョウヲ……」
 幽霊船員の誰かがそう呟く。ギリギリ屋上のヘリに手をかけた幽霊が、他の幽霊の手を取り、手と手を結び、統制の取れた動きで人間ロープと化す。最後の一人が『船長』の腕を掴み、限界を超えた力で船長を跳ね上げる。
「おま、え……らァ!?」
『船長』が屋上の床に投げ出されるのと、破魔の力にもはや形すらなくした幽霊船員たちが地面のシミになったのは同時だった。
 浄化の力を受けて己の在り様を取り戻したのか。幽霊の最期の動きは、かつての航海の日々、荒天の苦難や漂流の危機を船員一丸になって乗り越えた際の、秩序だった組織的な動きだった。
 自由と秩序。
 魂なきハズの幽霊たちの死に様が、いたずらに放埓を求めた男の瞳に、再び船長の威厳を宿らせる。
「まだだ、俺達の航海は終わらねぇ。あいつらも蘇らせて、俺たちは真に自由な海を行くんだァ!!!」
「戻ったか、これは油断できん」
 再三、マジョリカが手から海水を放つ。されども『船長』はそれをかわし、フック付きのロープを魔女の箒に投げ絡める。
「高みの見物はそこまでだ! 魔女!」
「くっ」
 ロープが引かれて箒はバランスを失い、屋上に落下する。そこにカトラスの斬撃が迫る。
「危ないの!」
 花鵺の霊符の束が展開されて、マジョリカを守る盾になる。しかし、幽霊のカトラスを防いだ霊符も『船長』は紙束そのままを引きちぎるように切り払い、もう片方の手でマジョリカと花鵺をまとめて殴り飛ばす。
「ぐぅ……っ」
「次は……、チマチマ石ころ投げてやがるヤツが嫌いやがったな」
『船長』の視線が室外機横の成美の方に向く。
「僕は基本、遠距離攻撃の人なので……」
「つまらねぇことを言いやがる。だが、一人ずつ確実に殺ってやんぜ!」
 カトラスを油断なく構え、成美に突進する『船長』。そこに天から割って入る影──否、雷光あり!
「船を落として戻ってきてみりゃあ、大変なことになっているじゃねぇかッ!」
 霊装を身に纏う凶津が妖刀でカトラスと打ち合う。そのたびに、妖刀を覆う紫の光がハジけて、刃こぼれするように欠けていく。
「長くは持ちません」
「そういうことだッ! やってくれ、タオルの兄ちゃん!」
 少女と鬼面は成美に後を託す覚悟で、大ぶりな一撃をカトラスに叩きつけ、『船長』を後退させる。距離ができた瞬間、残りの雷を収束させてスパークさせる。
「雷も払えず、荒海を征く海賊が務まるかよォ!」
 その電撃すらも全開の『船長』は弾き掻き消す。だが、雷が晴れた正面には退避した凶津に変わり、成美が指弾の照準を合わせていた。
「道真さんよろしくー」
 あくまでマイペースに、されど高速で弾かれる礫。雷光が尾を引き、『船長』の額を割らんと迫る。
「くぅッ!?」
 すんでのところで『船長』は首を振って礫をかわした。
「外したなら、今度こそ終いだぁッ!」
「いえ、今の一撃は二回攻撃です」
 ゾワッと悪寒が走り、背後を向く船長。後方、離れた位置にいたのは──剱!!
 外したと思われていた雷の礫に対して、剱の後ろ回し蹴りが突き刺さる。
 曰く、UDCアースが九州、菅原道真を祀る太宰府天満宮には善政で世を治める王者の印として麒麟像が奉納されたという。
 火雷神道真麒麟弾(ライジーングスラスター)。
 蹴り返された礫は電光を撒き散らしながらレールガンのように加速して、動く暇すら与えずに『船長』の胴を抉りぬいた。
『船長』を名乗り、部下たちに呼び慕われた男の上半身と下半身は泣き別れになり、その両方が屋上の床に落ちた。

●※ちゃんと生きてました。ワイヤー付きナイフってすごい
「うおおおおおおおおおおおお!!!」
 校内をモンスターバイクで疾走する、やっていることはドチンピラ、狼煙。しかし、彼は遊んでいるわけではない。
「『船長』のところへは行かせません!」
 バイクを追い回すは女学生のリビングデッドたち。狼煙は彼女たちを引きつけることで増援が向かわないようにする縁の下の力持ちムーブをしていたのだ。
 しかし、女学生たちの脚がピタリと止まる。
「あれ、私たちは何を……」
「まあ、廊下で鬼遊びなど、いけませんわ!」
 どうやら彼女たちも正気に戻ったらしい。それに伴って彼女たちの体はボロボロと崩れ、魂は天に昇っていく。
 廊下の隅にバイクを止めた狼煙は安心したように息を吐いた。
「ふぅ、どうやら終わったようですね」
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵


第3章 冒険 『猛毒生物に対処せよ!』

POWちょっとした毒なら平気! 普通に拾って集める
SPD直接触らず駆除できるように工夫をこらす
WIZしゃらくさい、魔法や術で広域殲滅だ
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●断章──船出の時、脱出の時
「ま、だ……、終わっちゃ、ねぇぞォ!」
 体がちぎれて上半身のみになった『船長』は傷口から灰のように崩れていく体で屋上を這う。
 その先にあるのは最初に『船長』が座っていた宝箱。それはなぜか激戦の中でも流されることなく、そこに重々しく置かれていた。
「メガリスです!」
 猟兵の誰かが言った。
 しかし遅かった。ひとりでに蓋が開くと出てきたのは小さなマストの模型だった。弱弱しい手で『船長』はそれを屋上の床に刺した。
「予定より、少し早くなったが……、船出の、時、だ」
 直後、ゴゴゴゴゴゴゴッ! と地鳴りのような音が響く。そして、女学園の敷地であり島そのものである大地がひび割れ、崩れていく。グリモア猟兵は言っていた。この島はすり鉢状の地形をしており、校舎は海抜0メートルよりも下にあると。海水が勢いよく校内に流れ込んでくる。
『船長』は校舎を水没させ猟兵を巻き添えにするつもりかと思われた。しかし、違う。
 校内にいた猟兵には校舎が変形し、窓が周囲の壁に呑みこまれていく様子がよく見えただろう。屋上ではメガリスのミニチュアマストが巨大化し、海賊旗を掲げて帆を広げた本物のマストに変じていた。
 そして、校舎は流れ込む海水に浮かび上がる。
 そう、この校舎そのものが海賊船だったのだ。
「さんざん……奪ってきた。今更、奪われる、ことに……、文句を言うつもりは、ねぇさ。だが、この船はせめて……、出港させ、る。乗っていくとイイさ。俺たちを倒した異邦人共…………」
 その言葉を最後に『船長』は息絶え、体が灰になり崩れていった。
 メガリスの力か、船は風も受けずに自動操縦で進んでいく。進行方向の岩肌が大きく崩れ、外洋への道を開いた。

……異常な海流や気象が荒れ狂うグリードオーシャンでは、正しく『船長』と呼べる者がいなければたちまち沈没してしまうだろう。この出向は自爆と同義だ。船が外洋に出る前に脱出しなくては猟兵といえど命はない!
 グリモア猟兵は島の外周部の無事な陸地で皆の帰還を待っている。
 そこまでの道は水没し、岩場や背の高い建物の屋上が突き出ているのみだ。一方、海も海流が渦巻き、さらにこの島の近海に住んでいた強毒性の大クラゲや海蛇、イカやタコ、さらには毒はないが狂暴な鮫が流れ込んできている。
 なんとか退路を確保し、脱出せよイエーガー!!!
神代・凶津
乗っていかねえよッ!?
やべえぜ、相棒ッ!
こんなまともな船長もいない『メガリス船』、沈没するのは時間の問題だぜッ!?
早く脱出しねえと御陀仏だが、島中水没し始めてやがるッ!
落ち着け、相棒ッ!
こういう時こそ落ち着くんだッ!
「・・・凶津がまず落ち着いて。
式、召喚【鬼乗せ船】」

よっしゃ、この船に乗って脱出だ。
この船は式神だから式神使いの技能を使って航海が可能だぜ。
たとえ風や波が無くても進むってもんよ。
渦巻く海流を見切って進み、障害物になる海生物やなんかは乗組員の鬼霊達の大砲の弾幕で排除だ。
ぶちかませ、野郎共ッ!

とっととトンズラと行こうぜ相棒ッ!


【技能・式神使い、見切り、集団戦術、弾幕】
【アドリブ歓迎】


鳶沢・成美
空を飛ぶかワープすれば簡単だろうけど
そんなユーベルコードは持ち合わせがないわけでして……しかたない船で行こう
〔枯野〕出しますか一応記紀にも記載のある由緒ある大型丸木舟です
亀さん(〔あの日助けて頂いた〕)に安全そうなルートの誘導を頼んで海に
【精霊助力ノ法】で僕の精力をそこらへんにいる
(海とか島とか学校の)精霊さんに支払って支援を受け乗り切りましょう
〔元気ガンガンドリンク〕で元気を補充しつつ荒れた海を越えましょう

アドリブ・絡み・可


●船で行く
 メガリスの力で起動した女学園船が大海原へ舵を取る。
「やべえぜ、相棒ッ! こんなまともな船長もいない『メガリス船』、沈没するのは時間の問題だぜッ!?」
 神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)は大慌てで、その体である鬼面が上下左右に揺れる。
「早く脱出しねえと御陀仏だが、島中水没し始めてやがるッ!」
 彼の言う通り、すり鉢状の島は既に大部分が水に呑まれていた。無事なのは点在する岩場を除けば、すり鉢の"ふち"にあたる外周部のみだ。
「落ち着け、相棒ッ! こういう時こそ落ち着くんだッ!」
 危難においても相棒、桜への思いやりを忘れないナイスガイお面、凶津。しかし一番慌てているのは彼に他ならない。
「……凶津がまず落ち着いて。式、召喚【鬼乗せ船】」
 凶津が上にズレて露出した口元から、桜の声が響く。
 すると、海賊の幽霊船とは別種の和風な木造船が、荒れる水面に現れた。流石に校舎が丸ごと船になった女学園船や、合体幽霊海賊船よりは一回りも二回りも小さいが、それでも多くの鬼を船員とする立派な船だ。
「良い船ですね、船員もいて。では僕も。──枯野」
 鳶沢・成美(探索者の陰陽師・f03142)は破れたフェンスから屋上のふちに立ち、そっと模型船を海に落とした。水に浮かぶや模型船はグングン大きくなる。同じ名を持つ由緒ある船は航海の後、薪となりて塩を500籠分も焼いたという。こちらも負けず劣らず立派な大型丸太船だ。
 二人はそれぞれの船に飛び乗った。
 とそこで、二隻の船の前に大きな亀が現れた。成美がある日助けたという亀だ。
「彼が大型船でも通れるルートを案内してくれます」
 亀の先導で二隻の船が陸地を目指す。
「この船は式神だからな。たとえ風や波が無くても進むってもんよ」
 凶津が指示を出すと船がひとりでに動きだす。船員の鬼たちも刀を脇に置いてのんびりしたものだ。
「水の精霊さん、風の精霊さん、ちょっと助けていただけませんか」
 成美は己の精力を土地の精霊に分け与えることで、その力を貸してもらうことができる。学校敷地に流れ込み渦巻いていた海流が船の周りだけ静まり、どこからともなく吹く風が帆を打って船を前に進める。
 文字通りに順風満帆に陸地に近づいていく。しかし、それも半ばまで来たというところで。
「ああ、分かりました水の精霊さん。来ますよー」
 精力を捧げているせいで、だるーんとしていた成美がドリンク剤を片手に重い腰をあげ、亀に避難するように手でサインした。
 次の瞬間、船の進路に大きな波。波はそのまま崩れるが、その流れを乗りこなし飛翔する有毒海蛇の群れ!
「おおっと、来やがったか。やっちまいなッ、鬼共ッ!」
 水没にはちょっとビビるが敵を前にすれば勇ましい凶津。控えてきた鬼に号令をかければ、彼らは、雄雄雄雄雄雄雄雄雄雄雄雄ォッ!! と雄叫び、大砲を撃ち放っていく。海上で咲く砲弾の爆風が海蛇を退け、爆炎を抜けてきた海蛇も鬼たちが妖刀の峰で打ち払っていった。
 続き、第二波が高々と立ちあがり、今度は水の壁となって立ちはだかる。
「とっととトンズラと行くんだ、相棒ッ!」
 大きく薙刀を振りかぶる桜の腕。鬼たちが波に大砲を放ち、それに合わせて薙刀から雷状のエネルギーが解き放たれる。その雷が宙で砲弾に着火し、炎雷撒き散らす爆発が起こる。
 鬼船猛進。
 自然の猛威も何するものぞ。爆発で空いた大穴を潜り、波の向こうに船は進む。
 そして、いよいよ陸地も近くなってきたというところで──、ガゴンッ。
「ンンッ?」
「あっ、どうも岩礁に乗り上げたみたいですね」
 精霊を通して把握した情報を成美が告げる。地形がすり鉢状になっているということは外周部に近づけば、それだけ水深は浅く、地面が近いというわけだ。そういうことも起こりうるだろう。
 二隻の木造船は海上で動きを止め、そのまま傾きだした。
「オオオオオオッ!? これってマズくないか? 相棒! タオルの兄ちゃん! 沈んじまうんじゃねぇかッ!?」
「……凶津、だから落ち着いて」
「でも、これは確かにまずい……というわけでもなさそうですね」
 成美が何かに気が付いたように、船の周囲を見渡した。
 すると船の周囲に光輝く人型のようなものが複数、舞っていた。体の線は細く、下半身はふわりと広がっている。明確な像を結ばないため体と衣服の境界はハッキリしないが、おそらくスカート姿なのだろう。
 その人型が近づくと傾きかけていた船がわずかに浮かび、水中の岩礁を乗り越えるように前に進みだした。
「学校の精霊さんが助けてくれたみたいですね」
 成美はその正体を理解したようだ。
 この島に人々は住んでいない。それはこの女学園と共にグリードオーシャンに落下してきた人々は全滅してしまったということだろう。あるいは、女学生のリビングデッドたちは修学旅行中に乗っていたクルーズ船が沈没して亡くなった少女たちの妄念から生まれた存在だった。あれが感情が暴走した負の側面だとすれば──、
 この暖かな光を浮かべる少女精霊は、自分たちのように海難で亡くなる人が出ませんように、という女学生たちの想いが形を得た存在なのかもしれない。
「……ありがとうございます、皆さん」
 歳のほども近い桜の胸に去来した思いはどのような感情だったか。
 二隻の船は精霊たちに送られて大地に辿り着く。
 振り返り学園の方を見れば、学校の精霊たちは空の青の中に消えていた。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

化野・花鵺
「カヤは泳ぐの得意ぃ。陸の河童って言われてたぁ」
頭が残念な狐、深海適応と水中機動ですいすい泳いだ

「困った時はせぇふく頼みぃ…じゃじゃん」
「妄想世界『せぇふく』」使用

「これはこの前UDCに行ったとき救急特集で見たぁ!海上保安庁特殊救難隊の潜水装備ぃ!これで40mくらいまで潜れるしぃ、誰か1人は窒息しないで一緒に運んであげられるかもぉ。誰かカヤと行くぅ?」
狐、コテンと頭を倒した

「ぶぼぼ、ぶぼぼぼ、ぼーっぼっぼっぼ」
毒耐性とダイビングナイフ、衝撃波で毒海月を退けた狐、潜水装備のまま高笑った
ついでに食べられる魚も狩った

「今日はせぇふく三昧で最高だったぁ。みんなも食べるぅ?」
狐、脱出するなり魚を焼いた


大神・狼煙
あの火炎瓶、物の見事にフラグ建ててやがった……

飛ぶ、泳ぐがリスキーなら歩くしかない

ながーい機械龍を呼び出し、頭八つのオロチ形態で攻撃回数重視

機械龍の身体を足場から足場への橋渡しとして海を渡る

一気に陸地まで延ばしてもいいんだけど、基点が船だと落ちる気がするんで地道に

水に浸からなきゃ安全な気もするが、この辺の生き物が跳ばない保証はない

海を渡る間に突っ込んできたら、足場を繋いでる頭以外の頭で迎撃させる他、そもそも複数の足場に頭を乗せておかないと流されゆく船に引っ張られて海に落ちる可能性や、この辺の海域の生物に足場を破壊される場合にも対応できる

あとはもー、胴体の連結と分離を繰り返して渡ればいけるはず


備傘・剱
おいおいおい、船と運命を共にするのが船長ってもんだろうが?
船長が船残して先に逝ってどうするよ

そうは言ってももういない、か
なら、墓標は残して、俺は、さっさと帰らせてもらうぜ
雷獣駆、発動!
障害物は全て排除して、空に向かって飛び出すぞ
…逃げ遅れた仲間がいたら、途中で拾っていこう
念動力を使えば、回収は簡単だろう
多少乱暴な扱いは…まぁ、事態が事態だからな、笑って許せ

あのメガリス、本来なら、お宝としてもらっていきたい所でもあるが、流石に、命には代えられないわな
あの船も、船長の奴を追って、骸の海に刻まれるのだろうかなぁ…

アドリブ、絡み、好きにしてくれ


●陸海空を行く
「おいおいおい、船と運命を共にするのが船長ってもんだろうが? 船長が船残して先に逝ってどうするよ」
 本校舎屋上改め、今は甲板になった床の上で備傘・剱(絶路・f01759)が呆れたように息を吐く。トドメを刺したのは剱自身だが、そんなことはどこ吹く風だ。
 一方、大神・狼煙(コーヒー味・f06108)は怨めしそうな顔で
「あの火炎瓶、物の見事にフラグ建ててやがった……」
 グリモア猟兵への恨み言を吐いている。グリモア猟兵は泳げないとのことで陸地で皆を待っているよ。頑張って帰ってきてね。
「さて、墓標は残して、行くとするか」
「そうですねぇ。しかしどうやって戻りましょうか?」
 二人が思案していると、トコトコと化野・花鵺(制服フェチの妖狐・f25740)がやって来て、流れ込んだ水で荒れる水面を指差した。
「カヤは泳ぐの得意ぃ。陸の河童って言われてたぁ」
「干からびてそうな異名だな」
「頭に水でもかけたら良いんですかね?」
「困った時はせぇふく頼みぃ……じゃじゃん」
 制服マニア、ナチュラルに制服を召喚。ポン! と出てきたのはオレンジと黒のカラーの潜水服だ。酸素タンクやフィンなどの道具もフル装備の高機能潜水セットである。
「これはこの前UDCに行ったとき救急特集で見た装備ぃ! 四十メートルくらいまで潜れるしぃ、誰か一人は窒息しないで一緒に運んであげられるかもぉ。誰かカヤと行くぅ?」
 男たち、顔を見合わせて、
「海はなぁ……」
「リスキーですよねぇ」
 言外に拒否の姿勢を示す。
「え~、じゃあカヤは一人でいくぅ、とーう!」
 そのまま花鵺は軽いノリで海流が渦を巻き、凶悪毒性生物がひしめくという海にザプーンと飛び込んで行った。
「じゃあ俺も、さっさと帰らせてもらうぜ。──雷獣駆、発動!」
 剱の額から麒麟の角が生え、そこから黒雷が迸って空を焼く焦げ臭い香りが辺りに漂う。黒雷は剱の体を覆い、その体に飛翔能力を与える。
「どうする、狼煙さん? 一人くらいなら運べるが。まあ、多少乱暴な扱いになるが」
「空もリスキーな気がするんですよねぇ」
「そうか。じゃあ俺は行くぜ。こいつは長くは持たないんでね。また陸で会えたら会おう」
 バイクで突撃していたとは思えない慎重な狼煙の意見を受け、剱は空に向かって飛んで行った。
「飛ぶ、泳ぐもリスキーなら歩くしかないですよね。転移門解放……転送」
 残された狼煙は転移門を開き、そこから古代機械兵器・機巧竜を呼び招く。出てきたのは、頭八つのながーいオロチ型機械竜だ。
 機巧竜は狼煙の命を受けて、頭の内五つを屋上に突き刺したり、窓枠に引っ掻けるなどして、女学園船に体を固定する。残り三つはそれぞれ海から突き出た大きめの岩に牙を突き立てて、首をその岩場までの橋とした。
「一気に陸地まで延ばしてもいいんだけど、基点が船だと落ちる気がしますしね」
 そう言って狼煙は機巧竜の首に足を乗せた。
 陸海空、三人の猟兵がそれぞれのルートを行く。果たして一番安全な道はどこなのだろうか……?

 妖孤、海を行く。
 一度水中に飛び込めば、海流の驚異が牙を剥く。建造物や坂、崖の多い土地に水が流れ込み、水の流れが複雑化しているのだ。
 さらには赤みがかったクラゲやら、蒼いタコやら、言葉はなくとも体で「俺ら危ない生き物だぜ」と主張する水性生物たちが機雷のようにプクプカ浮かんでいる。
 果たして一番安全な道は……とか言ったけど、逆に海中が一番危険なのは火を見るより明らかだ!
「ぶぼ? ぶぼぼぼ、ぼーぼっぼ」
 圧縮酸素の入ったタンクからレギュレーターを通して息を吸い、ガボガボと泡を吹く花鵺。海流に流されながらも救助用のダイビングナイフを抜き、腕を引き絞る。
「ぼぼぼぶ! ぶぼぼーぼっぼ!」
 何言っているか分からないけど、放たれる突き! 押し出された海水が水圧の槍になり、クラゲやタコが吹き飛ばされ、互いに追突し、水中のビリヤードと化して流されていく。
「ぶぼぼ、ぶぼぼぼ、ぼーっぼっぼっぼ!」
 酸素の無駄使いなど気にせずに高笑い狐。なんかヤベーのが来たと思って周囲の魚も思わず逃げだした。
「(魚ぁ! 食べられるのっ!)」
 花鵺は海流に振り回されつつ、逃げる魚を追い回す。たっぷりと肉を蓄えたウツボに狙いを絞り、潜水服の狐は海中を泳ぎ進む。
 途中、沈んだ建物の中にウツボが逃げる。水圧で割れた窓から内部に潜入するウツボを追って花鵺も中に入れば、そこでは学習机や椅子、ベッドや文房具が水に漂っていた。
「(ここは……、寮かのぉ)」
 校舎よりも一部屋一部屋が小さく、どこか生活感が感じられる空間。今はもう人っ子一人いないが、かつてはここで暮らし、学校に通っていた少女たちがいたのだろう。
 憐れ、逃げる際中、ウツボは窓のない部屋に入ってしまい出入り口を抑えた花鵺にナイフで刺し捕まえられた。
 獲物も取って上機嫌に花鵺は水で満たされた屋内から脱出しようとする。しかし、そこで新たな獲物を発見する。それは──、
「せぇふく!」
 漂っていたのは紺のセーラー服や白い体操着。海水でヨレヨレになっていたが、花鵺は悦び勇んでそれらを確保していく。
 制服、きっとそれは誰かがここで学生として生活していた証であるのだろう。

 機竜、陸を行く。
 慎重に機巧竜の首の上を歩き、狼煙は船からまず一つ目の大岩にたどり着いた。足で蹴って崩れないか確認してから、岩に乗り移る。
「船も流されて行っていますね」
 固定していた機巧竜の首を伸び切っている。竜に頭を引き抜くように指示を出し、その首を縮めさせて引き戻す。狼煙の周囲に戻ってきた五つの首は連結・分離を繰り返して向きを変える。今度は首二本をひとまとめにして遠くで水中から突き出た鉄塔に噛みつかせ、残りの頭も建物の屋上や岩塊に絡めてアンカーにする。
「地道に行きましょう」
 次の目標地点である鉄塔を目指し、やや上りの勾配がついた首の道を進む狼煙。しかし、地道に行けば安全に帰還できるかといえば、そうは問屋が卸さない。
 鉄塔のそば、打ち付ける白波に紛れて巨大な魚影が飛んだ! 海が一番危ないと言ったな。あれは嘘だ。飛翔するは鮫、体長十メートルを超える海難パニックの王、人喰い鮫だ!!
 鮫がメタリックな竜の首に乗り上げ、腹滑りで狼煙の方に突っ込んでくる。龍牙の楔は鉄塔から外れることなく足場が崩れることはなかったが、首は一本道。左右に逃げれば海へ真っ逆さまだ。
「シャァァァァァァァァァァァァク!!」
「この海域の魚、狂暴過ぎません!?」
 百メートル、五十メートル、二十五メートル、脅威が迫る。龍にも劣らぬ鮫の鋭牙が狼煙に喰らいつく──その直前だ。
 右方向から竜頭が複数、鮫に突っ込み、獰猛な魚類を還るべき海に向かってコースアウトさせた。
「いやまあ、読んでいましたけどね、生き物が跳ばない保証はないと」
 それらは機巧竜オロチ形態の他の頭部。機巧竜は道であり、アンカーであり、そして何よりも攻撃手段なのだ。
 鉄塔までたどり着いた狼煙は機巧竜を繰り、あくまで安全に島の外周を目指す。

 麒麟、空を行く。
 弾ける黒雷が空気をビートし、金属臭いオゾンを発生させながら、剱は空を駆ける。
 剱の纏う電力は生体電流を体内のバッテリーに溜め込んだものだ。スペースノイドの技術なのだろうか? 彼の体に埋め込まれた技術の高さが窺える。
 背中に設置された緊急特殊推進ユニットが推進力を生み、前へ前へと飛び走る。
 と、そこで向かいの空に黒い点々が見えた。剱の飛行速度をもってすれば、たちまち距離が縮まり、その正体が見える。
 それは目打ちのように尖った口先を持つダツの群れだった。黒い光を散らす剱に興味を持ったか、眩しさに怒りを覚えたか、ただ進路が被っただけか、ダツは海面から放物線を描く軌道で剱に向かってくる。
「障害物は全て排除するだけさ」
 突っ込んでくる群れの脅威に、剱は余裕を持って臨む。
「駆けよ雷獣! 森羅万象、万里一空、全ては汝が望むがままに!」
 瞬間、加速。
 気が付けば、剱はダツの群れの彼方にいた。遅れて──バズンッッッ!!! と重くも鋭い雷鳴が響き渡り、ダツたちが痙攣しながら海に落ちていった。
「少し、乱暴だったかな?」
 幻獣が駆けるは理を超えた速度の世界。理外が己の理であるがの如くだ。
 流石の速度で、剱は真っ先に陸地に辿り着いた。
「さて、あいつらはちゃんと帰って来られるのかね」
 草地に移動して木陰に腰を掛けて、潮風を感じながら他二人の帰還を待つ。
 自分がやってきた方角を見れば、外洋の水平線に向かう女学園船が見えた。
「あのメガリス、本来なら、お宝としてもらっていきたい所ではあったが」
 突き刺したものを船に変えて、自律航海機能をもたらすメガリス。なかなかどうして興味を惹かれる秘宝だ。
「でも流石に、命には代えられないわな」
 宝箱に入った小型の状態ならともかく、大型船のマストサイズになった状態では巨人でも持ち帰りは難しいだろう。
「あの船も、船長の奴を追って、骸の海に刻まれるのだろうかなぁ……」
 そんな未来を想像しながら、もう帰るだけだとスキットルに入った蒸留酒を呑んでいると陸と海の境界である崖に機械製の竜の首が突き刺さった。
「おや、早いですね。負けてしまいましたか」
「お先してるぜ、狼煙さん」
 次いで、戻ってきた狼煙を剱は念動力で崖上に引き上げる。
 と、そこで濡れて重くなった布の塊が陸地に打ち上げられた。それらは全て制服でその下から出てくるのはもちろん花鵺(+ウツボ)に他ならない。
「今日はせぇふく三昧で最高だったぁ。あっ、みんなもウツボ食べるぅ?」
「おっ、ちゃんと調理すれば、酒のあてによさそうな魚だな」
「ここに来ることももうないでしょうからね。帰る前に食事としますか」
 そうして、三人はテレポートまでの時間、現地の魚で食に興じるのであった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

マジョリカ・フォーマルハウト
わしにとって海賊船とは常に沈没しているものであった
此のようにして組み上がるとは思わなんだ
お嬢様学校の財力恐るべしよ

ふむ…忌むべき存在ではあるが骨のある男だったな
伊達に大海賊の名を冠してはおらぬか
その根性嫌いではないぞ
良かろう、この船使ってやろう

毒を備えておるとはいえ海洋生物を無闇に殺傷はせぬ
奴らも縄張りを荒らされ怒っているのであろう
大人しくしておれば危害は加えぬ
ほれ、道をあけよ
【威厳】をもって【動物と話す】で呼びかける

聞かぬ愚か者へはUC【ねむれぬよるに】で【範囲攻撃】
暫く寝ておれ
毒や大怪我を負った味方がいれば傷を癒す目的でも使用

此れから続くあてなき旅路に思い馳せ
船出とは…よいものだな、船長よ


●そして女学園船は大海原へ行く
 島の地面だった岩々が海面に落下していく。
 大きく崩れて外洋への門のようになった地形を抜けて、女学園船は広く大きく果てしない海原に出た。島の影は小さくなり、反対に水平線はどこまでも続いている。
 船首と呼べるのかも分からない屋上の先端に一人残っていたのは、
「ふむ……忌むべき存在ではあるが骨のある男だったな。伊達に大海賊の名を冠してはおらぬか」
 マジョリカ・フォーマルハウト(みなみのくにの・f29300)はこの船の本来の船長になるハズだった男のことを思う。
「その根性嫌いではないぞ。良かろう、この船使ってやろう」
 最期に船長としての威厳と気概を取り戻した男のことを認めて、マジョリカは船に乗ることを選んだ。
 ゆっくりとゆっくりと船は進む。
 進路上にはヒトデや貝、エイなどの有毒生物が流れてくる。
「無闇に殺傷はせぬ。お主たちも縄張りを荒らされ怒っているのであろう。大人しくしておれば危害は加えぬ。ほれ、道をあけよ」
 海の魔女の言葉は海洋生物たちの聴覚に、あるいは耳持たぬ生き物には体を圧する威厳という形で、伝わっていく。元より鉄筋とコンクリートと船だ。並みの生物なら激突しても船体よりその身の方が傷ついてしまうだろう。生き物たちは道を譲っていった。
 外洋に出れば徐々に空気は冷え、打ち付けるように風が吹きすさぶ。波は高く、時折、甲板である屋上にまで飛沫が降りかかるようになってきた。
 いつしか日が落ちて、空は深い濃紺に沈んでいく。
 船は大きく進路を曲げ、何処かへ進み行く。
「どこを目指しておるのだ?」
 訊けども船に答えは返す口はなく、舵輪すら存在しない船体には指示を聞く耳もない。船の意志は船にしか分からない。
「むっ」
 大波に紛れ、いつの間にか船の周囲にはウヨウヨと紫の鱗の巨魚の群れが取り囲んでいた。未知の構造物たる女学園船を睨んでいる。
「愚か者め。夢を見よ」
 マジョリカが空に手を伸ばせば、暗い藍の天蓋に光点が浮かぶ。光点は緩やかに流れ、残光が線を引く。手も届かない天の彼方を旅する星々は地上からではどこか穏やかに見え、海と対を為す宙というもう一つの世界を遊泳する蛍のようだった。
 星を数えながら瞼を閉ざす天体観測の夜のように、巨魚たちは眠りに落ちていき海底へ消えた。
 遮る障害物はどこにもなく、しかし船を揺さぶるほどに大海原は荒れている。
 だが、その波も次第に穏やかに戻っていく。いや波だけでなく──、
「……戻ってきておったのか?」
 船がたどり着いたのは意外にも女学園島だった。大地が見えなくなるほどの大回りの航路で、出港地点から島の反対側にグルリと回ってきたのだ。
「一人で行くということか」
 マジョリカが船の中心であるメガリスのマストに手を当てる。
 本格的に外洋に出れば、そこは危険極まる荒海だ。準備もなく漕ぎ出でれば命に関わる。だからこそ、女学園船は死出の旅路になるかもしれない海路を単身進むことを選んだのだろう。
 マジョリカは女学園船の意を汲み、箒に乗って下船する。
 島では先に陸地に辿り着いていた猟兵たちの焚き木が燃えていた。
 振り返れば女学園船は再び大海へ前進を始めている。
 マジョリカは自分が同道できない、あてなき旅路に思い馳せる。順当に行けば船主のいない女学園船は遠からず海の藻屑になってしまうだろう。だけど、もしかしたらどこか違う島に辿り着き、また他の猟兵やコンキスタドールに発見される未来もあるかもしれない。現地人のいる島に辿り着けば、ひょっとしたら再び学び舎として使用される可能性も。
「船出とは……よいものだな、船長よ」
 そうして、猟兵は帰路へ、船は旅路へついていった。
成功 🔵🔵🔴

最終結果:成功

完成日2020年09月26日
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴