#ダークセイヴァー
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●御伽噺なんて嘘っぱち
その騎士は、姫君のために裏切ったのだという。
いやいや、女王のために。
いやいや、病床の令嬢のために。
いやいや、道ならぬ恋の末に。
様々な言い伝えはあれど、すべての物語は同じ一文に終わる。
「今ではその誇りも燃え尽きて、ただ、戦うために剣を磨いているのです」
そんな数々の言い伝えが残る村。
その村から人が消えた。余りに突然の事だった。
仮に誘拐だったとしても、脅迫する相手すらいやしない。
いるとすれば……。
●冒険譚はいかが?
「大変大変、大変だよーっ!」
今日も脚立の上でぴょんぴょん跳ねるメッティ・アンティカ(f09008)。ぶかぶかのローブのポケットにはカイロが入っている。とてもあったかい。
「今度はダークセイヴァーだよ! 村人がオブリビオンに攫われたんだ!」
「ダークセイヴァーのあるお城に、騎士が住んでいるっていうのがその村では有名な話でね。色んな騎士に関する御伽噺があるんだ。だけど、突然その騎士が村に降りてきて……村長さんをぱっと切って、怯える村人を全員連れ去ってしまったんだ。
僕が思うに、元々騎士なんていなくって、そっくりなオブリビオンが現れたんじゃないかと思うんだけど……とにかく、一刻も早く村人を救い出さないと!」
メッティが丁寧に立地を説明する。
城には本物と見まごうような蝋人形があるという。まずはその城の中で、人質を探して貰いたい。
城の中を粗方探索し終わったら、次は薔薇の咲き誇る庭。野薔薇で編まれた背の高い迷路の中に、人質が逃げ出して隠れているかもしれない。
村人は全員で10。縛られているのは腕だけなので、歩き回る分には自由。
騎士に気付かれる前に逃がしてしまえば後顧の憂いはないだろう。
「騎士が何の目的で村人をさらったのかとか、そういうのは判らないけど……騒がしくすると気付かれやすくなっちゃう。だから、気を付けて探してね。あんまりうるさくすると、騎士が様子を見に降りてくるかもしれない」
そうなれば、人質の命は絶望的になるだろう。
くれぐれも気を付けて、とメッティは念を押し――お願いします、と一礼して、掌にグリモアを具現させた。
key
こんにちは、keyです。
今回はちょっとややこしい冒険です。
●目的
人質を救出せよ!
●警戒レベル
0から始まって10まであります。
0~3:気付かない。或いは村人が騒いでいるのだろうと思う。
4~9:気付く。村人を探しに降りてきて、少数の犠牲者が出る。
10:うるさくてたまらないので人質を皆殺しにする。この時点で見つかっていない人質は全て死亡する。
警戒レベルは以下の条件で増えます。
荒っぽい探索だとどんどこ警戒されますのでご注意下さい。
●警戒増加数
「大きな声での会話:1」
「大きな家具を動かす:2」
「家具を壊す(迷路を探る音は含まれません):3」
「戦闘行為(爆破など):5」
通常の声で話すなど、人質同士でも出来るような事では警戒度は増加しません。
では、気を付けて。
宜しくお願いします。
第1章 冒険
『蝋人形の館』
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POW : 館にある物を片っ端から引っ繰り返してでも手掛かりを見つける
SPD : 館を隅々まで調べ、仕掛けや隠し通路を見つけ出す
WIZ : 館に隠された仕掛けや謎を解き明かし攫われた人や潜む敵を見つけ出す
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
猟兵たちが飛んだ先は、城の城門前。
まるで招き入れるかのように、城門は開かれている。
この広大な敷地で、君たちは猫のように無辜の民を探し出さなければならない。
【警戒レベル:0】
デナイル・ヒステリカル
どういった意図の元の行動であれ、オブリビオンが関与していて現地の方に被害が出ているのならば猟兵の仕事です。
余裕があれば騎士の伝承について情報を集め、今回の件との関連性を見つけておきたかったのですが……
そんな暇はありませんね。今は人命が最優先です。
自分に光学迷彩テクスチャを張り付けて周囲の景色に溶け込み、物音を立てぬように慎重に拐われた人を探します。
闇雲に探索しても徒に時間を消費するだけです。
館内部の情報を集積して記憶領域に仮想マップを作成し、村人の隠れていそうな場所に目星をつけて行動しましょう。
シホ・イオア
城門が開かれているって村人達に逃げてみろって言ってるみたいだよね
見張りなり仕掛けなりあるんじゃないかな?
時間があれば調べて「封印を解く」「破魔」で解除を試みる
でも、まずは村人の保護が優先だから
先に探しに行くよー
城内や庭にネズミとかいたら話しかけて情報収集
聞くのは村人や人質についてと
食料庫とか食堂とか水源とか地下室とか近づけない場所とかだね
子供とか狭い場所にも隠れそうだからそこも注意
蝋人形は調べて「封印を解く」「破魔」かな?
敵の可能性もあるから要注意かも
光ってるので移動時は布被って低空飛行
救助者を見つけたらフェアリーランドへの避難を提案するよ
開いている扉を見上げ、まるで逃げてみろと言っているようだとシホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)は思う。村人が逃げ出したという情報はなく、つまり、罠の可能性があるというところまで思考は行きついている。
「どうですか?」
「うん、目立った罠はないみたい……封印されたものとか、そういう魔術的なものもナシ」
静かにシホが門を調べるのを見ながら、デナイル・ヒステリカル(架空存在の電脳魔術士・f03357)は己に光学迷彩テクスチャを張り付けていく。その姿が徐々に周りの景色に混じり、薄れ――やがて見えなくなって、声だけになる。
「うん、やっぱり門には何も……って、あれ?」
「あ、います。いますよ、見えないだけです」
「なんだあ。先に行かれたのかと思った」
ほっ、とシホが胸をなでおろす。
「じゃあシホはネズミたちに人質の事聞いてみるね。お腹が減って食堂にいる人もいるかもしれない。そっちはお願いね」
「はい、任せてください。大体のマッピングなら十数分もあれば終わります」
「うーん、便利」
自分にも頭の中に地図を作る確実な手段があればいいのになあ、と思いながら、発光する体を隠すために布をかぶってシホは飛んでいく。それを見送って、デナイルも城への侵入を開始した。
デナイルは静かに城内へと侵入する。古びた扉がわずかに音をたてたが、カギは何処にもかかっていないようだった。
「(人質が逃げない事を知っているかのようだ)」
何か弱みでも握っているのか――単純に恐怖で支配しているのか。デナイルは更に別の部屋に入り――驚愕した。
蝋人形が、1、2……たくさん。まるで生きているかのような造形で佇んでいる。
「これは……もし隠れていても判らないな」
余りにも精巧な蝋人形は、人質が紛れていても違和感がない。驚かせてしまわないようにと、慎重に慎重を重ね行動する。
「え、地下室?」
ちうちうと鳴くネズミ。食堂には誰もいなかったが、シホは確実な情報を手に入れていた。ちうちう。この城のどこか忘れたけど、地下室があるみたーい。そこから時々人間の香りがするーの。とても最近なーの。あと、上の階は怖い人がいるーの。
「ふむふむ、成る程……」
家具を動かすようなものならば、音に気を付けなければなるまい。シホは頷いたが、褒美をねだるネズミたちに囲まれて、渋々持っていたお菓子を渡すのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
コエル・フーチ
城門が開いているのに人質が自分で出てこないってことは、なにか出れない理由があるってことだな。自由に歩き回れるって話だし
隠し扉かなんかで、道が塞がってるのかもだな、ただ迷子になってるだけかもだが
まずは、そこに当たりをつけて調査してみよう
【情報収集】と【聞き耳】でおかしな場所がないか、人質の声が聞こえないか調べてみる、静かにな
それでも見つからなかったら【第六感】だ
結局最後に役に立つのは経験からくる直感だよな
木目・一葉
仕事に取り掛かる
「御伽噺は、御伽噺のままだからこそ良いのだ」
こんな形で利用されては、ただの悪夢だ
だが何故御伽噺を利用したのか
余興か、それとも本当に逸話の騎士の成れの果てか
あと的は何時から城にいたのか
【SPD】館を調べ、仕掛けや隠し通路を見つける
事前に村で御伽噺の確認と館の情報を【失せ物探し】で見つけ、【情報収集】だ
仕掛けと隠し通路の記載があるかもしれない
この情報は仲間と共有
館へ侵入したら【忍び足】で【目立たない】よう移動し、得ている情報から仕掛けと隠し通路を探す
人質がいたら【礼儀作法】と【コミュ力】で説明し、更なる館内の情報も得る
もし人質が我々から離れる場合は『影の追跡者の召喚』で追跡しておく
「これが此処の地図だ」
城内のテーブルを借りる。特に障害もなく侵入した木目・一葉(生真面目すぎる平凡な戦士・f04853)とコエル・フーチ(指先の熱・f08889)は二人、蝋人形に囲まれながら地図を囲んでいた。一葉が斬られた村長の家から取ってきた、城の地図である。村長は確認するまでもなく落命しており、残りの人質が気にかかる。
「まずは隠し通路と隠し部屋だな。それから地下。――そら、不自然なスペースがある」
コエルは地図を指先で辿り、とんとんと叩く。書かれ方が不自然だ。ダークセイヴァーの者から見ればただのデッドスペースと判断されそうな、微妙なライン。
「そうだな。此処から然程遠くない部屋だ、調べに……? どうした」
「いや、……呼吸のような音がする」
頷いた一葉がコエルに問う。コエルは耳を澄ます。まるで、呼吸を何かに塞がれて、それでも息を吸いたいともがくような、すう、すう、とした音が……
「……」
振り返れば蝋人形の群れ。もしかして、もしかすると。
「もしやだな……おい、この人形を探るぞ」
「何かあるのか?」
「人質がいるような気配がする」
「! なんだって……!」
二人は捜索を開始する。手触り、呼吸、目の動き、それらを一つ一つ確認してゆく。
たった一部屋なのにも関わらず人形の数が多いのは、此処が使用人部屋で、使用人を模した蝋人形が多い故だろうか。
そしてほどなく。
「いた……! じっとして、今助ける」
「……! ……!」
苦しいのだろう。目をぎょろぎょろとさせ、蝋に口を塞がれて、人質は二人いた。幸にも適度に蝋を張られていただけだったために、二人はすぐに蝋をはがしにかかる。どうか静かに、とジェスチャを繰り返しながら。
「ぷ、はあ……!? げほっ、げほっ!? う、うわ、うわあああああ……!」
「しっ、静かに!」
助け起こした男の大声に、コエルは思わずその口を塞ぐ。
「あまりうるさくすると騎士が降りてくる。……恐ろしいことが起こる、判るな?」
やりたくはないが、脅しを交えて男に語る。男は口を塞がれたまま、こくこくと頷いた。
「こっちも蝋をはがしたよ。でも、安心したのか気を失ってる」
一葉が示した女に、男が素早く駆け寄る。ぎこちなく腕を伸ばし、女を抱きしめて泣いていた。
「わたしの……わたしの、妻です……どうしてこんな事に……!」
「……どうして、というと、蝋人形にされる間の記憶は?」
「ありません……気が付いたら全く動けず、呼吸もままなりませんでした……互いに近くにいるのだけが、救いで……これも騎士様の仕業だとすれば、あまりにもむごい……!」
「……その女性(ひと)は気を失っているだけだ。暫くすれば意識を取り戻すと思う。……なんとかなって、良かった」
「ありがとうございます……ありがとうございます……!」
男は泣きながら、何度も何度も一葉とコエルに頭を下げるのだった。
「隠し部屋は仲間に任せるか?」
「そうだな。この人たちを放ってはおけない。奥さんが目を覚ましたら外に出そう。追跡者をつける」
無事に人質を救出した二人。
騎士にとっては戯れなのだろうか。生きている人間を蝋張りにして、飾り物にする。そんな戯れは許しては置けない。
【警戒レベル:1】
【人質残り:8】
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
フェルト・フィルファーデン
あらあら、悪い騎士様もいるのね……ええ、いけないわ。騎士は民を守り、救う者よ?だからね……悪い騎士様は懲らしめないと。
【SPDで判定】
誰も死なせないために、声を抑えて慎重に、手早く探しましょうか。
こういうお屋敷は地下へ繋がる隠し階段があるのが相場だと聞いたわ!
本棚や燭台などの仕掛けがありそうな場所や絨毯や家具の下
他には不自然な空気の流れがないか調べるわね!
もし家具を動かす必要がある時は後回しがいいかしら?
もし人を見つけても驚かせないように慎重に!大声をだしてしまうかも。
優しく、わたし達が正義の騎士で悪い騎士を懲らしめに来た、と伝えて落ち着かせるわ。落ち着いたら拘束を解いて逃げてもらうわね!
アメリ・エルヴィユ
城門を開いたままにするなんてどういうつもりなの?
何かあるのかしら…気を付けて行きましょう
人質を無事に救出することが目標よ
行動する時は安全の確保を優先するわ
声や物音、気配は極力抑えて隠密ね
身を潜めたり、クリスタライズでやり過ごしながら着実に探索していくわ
まずは観察、最近使われた形跡や物語に関係ありそうなものは要チェックね
仕掛けや謎を解き明かすヒントになるかもしれないわ
村人はまず安心させてあげたいわね
こちらの指示に従ってもらえるように事情を簡潔に話すわ
気が付かれる前に逃げましょう
逃げたあと、見つかっていない人質がいる場合は、村人に話を聞いてみるわ
次の救出の手がかりにしたいの
「城門を開いたままにするなんて、どういうつもりなのかしら」
「まるで出られるものなら出てみろ、とでも言いたげだったわね……悪い騎士様だわ。いけないわ、騎士は民を守り、救うものなのに」
アメリ・エルヴィユ(アタラクシア・f10001)とフェルト・フィルファーデン(某国の糸遣い・f01031)は二人、仲間から共有された隠し部屋のある部屋へと向かっていた。城は判りやすい構造をしているが、広い。広い城というのは良い事ばかりではない。このように人質を捜索する際は、特に。
フェルトが興味ぶかそうにアメリに問う。
「さっきのはやらないの? 透明になる……」
「クリスタライズね。あれはやる度に疲れるから。それこそ騎士やその部下――いればだけど――そいつらが降りてこない限り使わないと思うわ」
「あら、そう……」
「……何を期待してるの?」
「だって、消えるなんて不思議だわ?」
フェアリーはふわふわ飛びながら、不思議不思議と首を傾げる。置いていきそうになったアメリは、その首根っこを掴んで問題の部屋へと踏み入る。
「此処ね」
「此処なのね? ……風の流れがあるわ、随分と古い隠し部屋なのかしら」
フェルトはフェアリーゆえに、風の流れを人間型種族よりも鮮明に感じ取ることが出来る。ゆえに判る。風が流れて、出口のないこの部屋のどこかへ消えている。風をなぞり、そっと床に降りた。どうもこの辺り……そう、この切れ目の……
「あ」
「あ」
アメリは人間型種族であるが故に、フェルトよりも広い視点でモノを見る事が出来る。ゆえに判る。フェルトが降り立った隅っこに、明らかに扉状の切れ込みが入っている。
――……! ……!
気配がする。何かを言っている。アメリは仕方なし、どん、と床を叩いた。
「誰かいるのね? 開けるわよ?」
「大丈夫よ、わたし達は正義の騎士。悪い騎士を懲らしめに来たの」
フェルトは力になれないので、アメリの後ろで待機する。扉が開いたら、村人に静かに、という係だ。と、いま自分の役割をそう認定した。
アメリが扉に手をかける。わずかな切れ込みに指を食い込ませれば、そこが引き口となり。引き口を引いて床を持ち上げ――
「あ……」
「しーっ、静かに!」
フェルトが飛び込むように言う。子どもが一人座り込んで、地下室――というより、穀物入れのような場所――から二人を見上げていた。
「大丈夫? 怪我はない?」
「な、ないよ、大丈夫。妖精さんたちは……」
「そう。正義の騎士よ」
アメリがフェルトの例えを借りて言う。猟兵だといってもきっと彼にはピンとこないだろうから。扉を慎重に開き切って、子どもの腕を戒めていた縄を切る。
「もう大丈夫よ、悪い騎士は此処にはいないわ」
「そうそう! 怖くて隠れてしまったのね。怖かったけど、もう大丈夫よ」
「うん、僕、とにかく怖くて……でも……」
「……でも? もしかして、お友達がいるのかしら」
子どもが何かを渋るとき、友人がどうこう、というのは最早定番ともいえる。アメリは片眉を上げ、つとめて優しく、話してちょうだい、と言う。
「……他の子も隠れてるんだ。別の部屋の地下なんだけど……僕も追いかけて隠れようとしたら、家具が動いて塞いでしまったんだ」
「家具が動いて。まあ! なんてこと」
「お願い騎士さん、他の子を助けてあげて! きっと出られなくて暗くて、怖がってるんだ!」
「……判ったわ。あなたは取り敢えず、先に城の外に逃げなさい」
「ええ! 必ず助けて見せるわ!」
アメリとフェルトは頷いて、子どもを出口まで案内する。そして他の猟兵に、家具が動く方式の隠れスペースがある事を共有し、己らも捜索に当たるのだった。
【警戒レベル:1】
【人質残り:7】
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ザザ・クライスト
【狼の巣】で参加
「突然だが、任務だ。隠密にさらわれた村人たちを救出する」
【POW】しらみつぶしに捜索する
移動は「忍び足」や「聞き耳」を駆使して慎重に
オレの「視力」なら手がかりを見逃さないぜ、たぶんな
「シフレット曹長、何か見つかったか?」
「リィ、そっちはどうだ?」
戦闘は極力避けるが、やむを得ないなら【ブラッド・ガイスト】を使ってから「先制攻撃」
「リィ、連中を黙らせろ!」
なんでこの顔ぶれで潜入なんたよ? 荒事専門じゃねェか!
痕跡を残さないよう注意
サーチドローンも必要に応じて使って探索する
「どこまで犠牲を押さえられるか、厄介な任務だぜ……」
ボヤいても始まらんがなァ
リィリィット・エニウェア
【狼の巣】で参加
正規構成員じゃない協力者だよー
チガヤ・シフレット(f04538)さんが所属してる縁だね
チガねえと呼んで懐いています
静かにこっそりと……?
向いてない気がする……なーんて
これでも学園の生徒だから、基本的なダンジョン探索技術は知ってるよ
●SPDで挑戦
とにかく静かにだね
どうしても家具を動かした利しないといけない時は気休めかもしれないけど
クッションを噛ませたりして音が出にくいように工夫する
主にチガ姉たちのお手伝いをして裏方に回るよ
「あたしが爆破以外の役に立つと思う?」
とか言いつつちゃんと手伝うよ
チガヤ・シフレット
【狼の巣】で参加
リィは妹分みたいな感じで可愛がり
さて、何やら急に救出依頼だとか何だか……。
私はぶっ壊したりする方が得意なんだがなぁ?
まぁいいさ、人質を助けてから敵をぶっ壊すとしよう。
【SPD】
一応、気を付けて静かに。抜き足差し足ってやつか?
くまなく探し回ろう。
ザザが虱潰しにやってくれてるから、情報を共有しつつ、だな。
やっぱりこういう場合は地下なんじゃなかろうか。あるかな地下室?
怪しげなところとかあれば【鍵開け】してちょっくら捜索、と。
人質を見つけたら、外までは送ってやるか。
「隠してある秘密やお宝でも見つかればいいが、なかなかな見つからんなぁ」
「おっと、リィちょっと手伝ってくれ。爆破以外でな?」
「家具を動かすタイプの隠しスペース、ね」
「ぶっ壊すとはいかなくとも、まあ私ら向けの情報である事は確かさね」
「そうだね。どかーんと出来たら楽だったんだけど……」
「それは勘弁してくれ。というか、このメンツ……明らかに荒事向けじゃねぇか……?」
ザザ・クライスト(人狼騎士第六席・f07677)、チガヤ・シフレット(バッドメタル・f04538)、リィリィット・エニウェア(迷宮は爆発だ・f13106)。【狼の巣】の3人は、同じく人質を捜索していた猟兵からの情報により、件の部屋に向かっていた。家具を動かすタイプの地下スペースともなれば、かなり広い地下スペースになるのだろう。3人なら動かして止めて、救出するのもそう難題ではない。
ザザが頭を抱える通り、難題は皆の気性にあるのだが。どうみても戦闘寄りです、ありがとうございます。
しかし戦闘はご法度だ。騎士に気付かれれば人質の命はない。
「どこまで犠牲を抑えられるか。厄介な任務だぜ……」
ぱたり、とザザの尻尾が不安げに揺れる。
「と、此処じゃないかい?」
「此処だね。食堂を出て最初の角を左に曲がって、真っすぐ言って突き当りを右。うん、ここで間違いない」
「よし、突入するぞ」
「爆破していい?」
「こら、リィ」
チガヤが制止する。えへへ、とリィリィットは笑い、判ってるよと続けた。
「これでも基本的な探索技術は心得てるよ。だいじょーぶだいじょーぶ」
「ほんとかよ……行くぜ」
木の扉は古くなると音が鳴る。その音で警戒する騎士ではないが、慎重には慎重を期す。最初に少し、次に少し、更に次に大きく開いた部屋の扉。そこは客間に使われていたようで、ベッドに本棚、机にチェストと定番の家具が揃っていた。
「……誰もいないねぇ」
「そうだね。まあ、地下に隠れてるんだけど」
「どの家具が動くのか聞くのを忘れたな。ローラー作戦になりそうだ。リィ、シフレット曹長。いけるか」
「あいよ、任せて。動かない家具があればそいつがアタリだ」
「うんうんっ、チガ姉の言う通り! 取り敢えず全部動かしてみよう」
「ああ。布を噛ませるのを忘れるなよ」
家具を動かす音がする。リィリィットは爆破が得意だという割に、クッションを噛ませるなどの頭脳プレイを発揮している。探索技術を心得ているというだけはある。
多少音をさせながら、部屋の家具を動かしていくと、一つだけ押しても引いても動かないものがあった。ベッド脇のチェストだ。
「さて、アタリが出た訳だ」
「ああ。曹長、どうだ?」
「こういうのは鍵があるんだ、ちょっと見てみるよ。そうそう、こういう感じでね……」
と、チェストの引き出しを引いて中を覗き込むチガヤ。あれやこれやしていると何かに感づいたようで、チェストの引き出しを迷いなく開き、奥に手を突っ込んでごそごそとした。
――かちり。
「アタリ」
「おー、さっすがチガ姉!」
「リィ、下がってろ。動くぞ」
リィリィットがザザに言われるまま後ろに下がると、チェストがゆっくりと動き出した。ず、ず、ず。殺しきれない音が鳴る。すると埃のかかっていない床が現れた。切れ目がくっきりと残り、地下に出入りした人間がいる事を示している。
「大丈夫だよ、私たちは助けにきたんだよー。だからじっとしててねー?」
リィリィットが気休めに声をかける。聞こえていれば、開けて叫ばれる事もない。
開けるぞ、とチガヤが一言述べて、躊躇いなく扉を開ける。
「きゃあ……!」
「しーっ。静かに。な?」
チガヤが人差し指を唇に当てる。地下のスペースには女児が二人、抱き合って座っていた。
「……二人だけか? 親はいねェのか」
「うん、……私たち、二人だけ。もう一人、男の子がいたけど……」
「あ、その子なら大丈夫だよ。わたし達の仲間が助けてくれて、先に村で待ってるって」
「本当? ……うっ、ぐす、」
女児は幼く、二人とも十かそこらだ。幼い瞳が潤んで、涙が滲む。
「おっと、おい、泣くなら静かにな? 騎士さんが降りてきちまうからよ」
「おいおい、ザザ。子どものあやしかたがなってないよ?」
「るせェな、俺はそういうのは苦手なんだよ……!」
チガヤがザザをからかっているのを尻目に、リィリィットが子どもたちを取り敢えず立ち上がらせ、腕の拘束を解く。
「だから、二人も村で皆を待っててくれるかな? 村は今は誰もいないけど、すぐに皆帰ってくるから。門まではわたしやこのおじさんとお姉さんが送ってあげるからさ」
「誰がおじさんだ誰が」
「子どもからみたらおじさんですぅー」
ちなみにザザよりチガヤの方が年上なのだが、女性の年齢について言及すると過去に殺されるので此処は“お姉さん”としておく。
チガヤは膝を折って、子どもたちの顔を見つめる。雫が頬を伝っているのを見て、指でそっと掬い取った。
「……という訳だ。大丈夫かな?」
「うん、……私たち、待ってる」
「城から村の道は判る?」
「うん、……ほんとはいけないって言われてたんだけど、いつも遊んでたから」
「ずっと誰もいなかったのに、あの真っ黒なの、突然現れたの」
「突然、……そう。じゃあ、行こうか」
どうやらオブリビオンはずっと潜んでいた訳ではないらしい。
子どもたち二人を救い出し、三人は門まで彼らを警護する。
子どもたちが村へ帰るのを見届けて、三人が見据えたのは薔薇の迷路。
さて、厄介な任務になりそうだ。
【警戒レベル:3】
【人質残り:6】
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 冒険
『薔薇の檻』
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POW : 気合とパワーで追跡する
SPD : スピード重視で追跡する
WIZ : 賢く効率的に追跡する
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●迷路という怪物
屋内の探索を終えた猟兵たちは、次に外を見据えた。
どの窓からも見える、手入れされていない伸び放題の薔薇迷路。
時期がくれば野薔薇が咲いて、美しくも見えるだろうが――今は訪れたものを飲み込むおそろしい怪物のようにも感じられた。
人質は残り6人。
これ以上警戒される前に、彼らを見つけ出さなければならない。
【警戒レベル:3】
【人質残り:6】
コエル・フーチ
城の中はあらかた探し終わったし、あとはこの薔薇の迷路だな。
手入れされてなくて薔薇が伸び放題だな……出口までのルートが無事に繋がってるかも怪しいぞ
でもま、屋外迷路っていうんなら空から見れば捜索が捗りそうだ
【目立たない】ように飛びながら【聞き耳】【第六感】を頼りに探していこう。
人質を見つけたら大声を出さないように注意。
助けに来たと説明して「フェアリーランド」に入ってもらい、迷路を脱出だ。極力静かにいくぞ。
ぴりぴりと空気が張り詰めている。騎士に警戒されている、と今ならはっきりと知覚できる。コエルはフェアリーという生まれをフルに活用して、空からの捜索を行う事にした。
「伸び放題だな……手入れする者がいないなら仕方ない事か。しかし、出口までのルートが無事に繋がってるかも怪しい」
その分、隠れるにはもってこいだといえばそうだろう。村人の半数以上が此処に逃げ込むのも無理はない。
「――む」
勘を頼りに空を舞う。コエルの目に――そら、入ってきた。出口らしき場所でまごついている男性が一人。
「このっ……どけよ……!」
「おい」
「なん……!? うわ」
「静かにしろ。これ以上騒ぐと騎士が降りてくるかも知れない」
高度を下げて男に声をかけ、間髪入れずに体当たりするように口を両手で塞ぐ。もごもごと戸惑っていた男だったが、コエルの言葉に恐怖を感じたのか、こくこくと頷いた。
「あ、あんたは……?」
「猟兵だ。騎士に捕らえられた村人を探している。既に室内の人質は村に帰っているはずだ」」
「そうか……俺も帰りたいのはやまやまなんだが、出口はこの有様でな」
「ああ。だからこの壺にお前を保護する。中は快適だぞ」
「へ? 壺?」
きょとんとする男に、小さな小さな壺を差し出すコエル。そうだ、と頷いて。
「この中にいれば安心だ。我々が全力をもって保護しよう」
「ほ、本当か? 騎士に怯えなくても良いんだよな……?」
「ああ。次に外に出たときは迷路の外、そこから城の入り口までは護衛しよう」
恐る恐る男が壺に触れる。すると、するり。男の姿が霞のようになって、壺の中に消えた。
「よし、次を探すか」
コエルは唇に手をやり――今は煙草を吸っていなかったのだった、と思い出し、手持無沙汰に飛び立った。
【警戒レベル:3】
【人質残り:5】
大成功
🔵🔵🔵
木目・一葉
我々が敵に誘われたのではないか
そんな疑問を抱いてしまう
【WIZ】
園内の人質は、動き回るか隠れるか、野薔薇に埋め込まれてるかのどれかだ
地図と目前の薔薇園を照合、隠れやすい位置とその最短ルートを予測
最短ルートで【忍び足】と【地形の利用】で足音をたてず、【目立たず】に移動
また人質側からの接近と、野薔薇内に埋め込まれてる人がいたときに【第六感】で気付けるよう常時警戒
隠れてる者には背後から接近、大声をあげぬよう口を塞いでから【コミュ力】で説明
動き回る者には気付かれない距離から『影の追跡者』を放ち、追跡ルートから移動先を予測
先回りして待ち伏せ、隠れてる者と同様の対応を行う
先回りが困難なら仲間にお願いする
「酷い迷路だ……」
これではまるで、自分たちが迷った側のようだ。いや、人質という餌で、己が騎士に誘われたのではないかと、そんな気さえしてしまう。
一葉は音もなく迷路を歩き、人質を探していた。蝋人形にされかかっていた村人がいたのだ、、危険な状況にある村人がいないとも限らない。まるで影のように歩き、注意深く周辺を探る。
迷路とは本来出口を目指し、抜け出すものだが、村人はそうとは限らない。迷って歩き回り、行き止まりで隠れている者もいるだろう。敢えて一葉は勘の反対をせめて、行き止まりを目指す。
「……!」
音もなく立ち止まる。誰かが近付いてくる気配がしたのだ。敵意は……ない。同業者か、人質か…目立たないように相手と鉢合わない位置へ移動し、息を潜める。
「(――村人か)」
頼りなげに歩いている女だった。古びた服にエプロン姿、長い髪には野薔薇の葉が絡みついている。焦っているのか一葉に気付かずに通り過ぎたところで、一葉は彼女の背後に忍び寄り、一息に手を伸ばし、口を塞いだ。
「ん!? んん! んんーーーっ!」
「静かに! 僕は猟兵だ、あなたたちを助けに来た」
「ん……? んん?」
人語が通じる、と判った瞬間、女の身体から力が抜ける。涙に濡れた瞳が一葉の姿を認めようと動いている。口を塞いだまま彼女の身体を反転させ、向き合う。
「怪我はないか? 騎士に気付かれたらまずい、どうか静かに」
「……」
こくり、と頷いたのを確認して人質から手を離し、戒めを解く。女は言われたとおり静かに――否、無言で一葉を不安げに見た。
「先刻も言ったけれど、僕たちはあなた達を助けに来た者だ。僕のほかにも数人いて、既に室内に隠れていた人には村に帰って貰っている。…あなたは一人か?」
「……ええ。何人かで行動していたのだけれど、この迷路で、みんな気が動転していて、誰が何処に行ったのか……」
「……そうか。ではあなただけでも、城の入り口まで送り届けよう。そこから村までは帰れるか?」
「はい。道なら判ります。子どもたちを迎えに何度か来ましたから……」
「成る程。じゃあ、こっちへ」
一葉もまた一人、人質を助け出し。城の入り口まで送り出したのだった。
振り返れば聳え立つ城。彼らを攫って連れてきた騎士は、上階で何を思っているのだろうか。
【警戒レベル:3】
【人質残り:4】
成功
🔵🔵🔴
デナイル・ヒステリカル
かなり警戒されてしまったようです。
拐われた方の安全を考えると、極めて慎重に救出するか……もしくは荒っぽくても極めて迅速に救出するか、二択です。
館の窓から見えた範囲のマップを作成して他の猟兵へと伝えます。
少しでも多くを助けるために。
人質が移動した跡が残るはずです。
どんな小さな痕跡も見逃さずに収集し、音を立てないように慎重に追跡します。
彼らは怯え、弱っているはず。慎重に行動したとしても僕らの方が早い。
必ず追い付き、助けます。
※他の猟兵の方と連携して動きます。アドリブ歓迎です。
シホ・イオア
おお、手持ちのお菓子が減ってしまった……
今度は鳥さんがいたら話を聞いてみよう
シホだと目立っちゃうけど
彼らなら空を飛んでても違和感ないだろうしね
お菓子を対価に人質の所へ飛んでもらえたらうれしいな
方向が分かればそちらを目指して追跡するだけ
迷路に仕掛けがあって閉じ込められている人がいるかも
迷路が動いた跡とかは分かりやすそうだし
地面の痕跡には注意を払っておくよ
探索方法は通常移動と野ばらの隙間を探して入り込む、
飛んで壁を乗り越えるの3パターン
最後のは騎士が動き出してからの最終手段だね
動けない人とかもいるだろうし
そろそろ騎士も気が付きそう
なので見つけた人質にはフェアリーランドへの避難を強く勧めるよ
「シホのお菓子が減ってしまった……」
「ま、まあまあ……貴重な情報を手に入れたんだから。……それにしても、だいぶ警戒されてるみたいだね」
空気がひりついている、とデナイルは周囲を見回す。彼よりも背の高い薔薇迷路、村人はあと何人いるのだろう。デナイルは歩き回って得た室内のデータ、それから窓から見た範囲のマップを作成し、他の猟兵へと共有していた。
その結果、二人の猟兵がそれぞれ二人の村人を救出しているのだが、それは今は彼のあずかり知る所ではない。データがせめて役に立てばと思いを馳せるだけ。
「次は鳥さんに話を聞いてみるよ。ちょっと待っててね」
シホは鳥たちを呼び寄せるため、座っていたデナイルの肩から降りて、秘蔵のお菓子をぱらぱらと地面に撒く。悲しいが仕方ない。人質のためだ、仕方ない。
ぴよぴよと狙い通り小鳥が寄ってきて、大地のお菓子を啄む。そこを狙ってシホが突撃インタビュー。
「ねえねえ、この迷路で人をみなかった? 迷ってる人とか、埋まってる人とか」
ぴよぴよ、ちちち。
小鳥たちは言葉を交わし合う。そういえば何か見たなー。人間がいっぱい来て、此処に来たようなー。ばらばらになって動いてー、迷ってた人もいたりー。というか此処、出口が塞がれてたりー。さっきから動かないのもいるけど、案内しようか?
「あっ、うん。お願い」
「何か判ったんですか?」
「うん、人質はやっぱり此処にいるみたい。それで、動いてない人間がすぐそこにいるって」
「大変だ、すぐに行こう。道は判ります?」
「鳥たちが案内してくれるよ。早く早く」
二人は大慌てで鳥の後を追う。ぴよぴよ、ちちち。鳥たちが案内した先では、人質らしき男が行き止まりにうずくまっていた。
どうやら生きてはいたが疲労困憊だったよう。デナイルが助け起こして介抱し、慎重な交渉の末、シホのフェアリーランドに保護をして、なんとか一人を救出。
――次の人質捜索のため、シホは泣く泣く次のお菓子をまくのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
フェルト・フィルファーデン
酷いものね。手入れする者も、花を愛でる方もいない、放置された薔薇園というのは……
【WISで判定】
これ以上警戒されないように慎重かつ迅速に参りましょうか。
UCで妖精兵士達を呼んでの人海戦術を行うわよ!
本来は戦闘用なのだけれど、今回は索敵がメインね。
5体1班で合計15班を作り、迷路を進むわ。さあ、わたしについて来て!
窓から悪い騎士様が見ているかもしれないから、低空飛行で慎重に。こういう時小さな妖精の体は便利よね!
片方の壁に沿って進み、分岐毎に3班向かわせるわ。更にその先に分岐があったら1班づつ別れなさい。行き止まりなら分岐の地面にX印をつけて帰ってきて。
誰か見つけたらすぐわたしに報告を。お願いね?
「全く、酷いものね」
誰かさんと同じ感想をもらすフェルト。手入れする者がいない庭園ほど、見るに堪えないものはない。自然のまま赴くまま、伸びて生えて枯れていく。剪定されたものだけが美しいという訳ではないが、中途半端に切り揃えられた植物は哀れだと思う。
空気がひりついている。これ以上騎士に気取られるわけにはいかない。フェルトは“命ず。我らが敵をその命を賭けて葬り去れ”で数十体の小型からくり人形を作り出した。
「5人で1班を作って。そうそう……さあ、わたしについてきて!」
フェルトが導くは、さながら妖精の軍隊である。足取り揃えてついてくる騎士たちを、分岐ごとに3班曲がらせる。更に分岐があれば1班ずつ別れ、行き止まりなら分岐の地面に目印を。
城の庭だ。広いと言えど、薔薇迷路にも限度はある。フェルト自身は壁に沿って進み、回り道ながらも出口を目指して飛行していた。
すると。
かしゃかしゃ、と鎧の音がする。振り返れば妖精兵士が一人、慌ててフェルトを追ってきていた。
「どうしたの?」
問うと、兵士はジェスチャであわあわと伝える。人を見つけたが、壁の中。――壁の中?
「たいへん! すぐに行きましょう!」
フェルトが妖精兵士に案内されてついた箇所。迷路の壁から腕が生えていた。――違う。迷路の壁に埋め込まれた人間が、腕だけだして力尽きていたのだ。
「ちょっと、大丈夫!? みんな、力を貸して!」
此処からは総動員である。分岐から戻ってきた妖精兵士も手伝って、うんとこどっこいしょ、と人質を引っ張る。けれど、なかなか抜けない。
「わたし達じゃ駄目ね…… 誰かを呼ばないと」
【警戒レベル:3】
【人質残り:3】
成功
🔵🔵🔴
ザザ・クライスト
【狼の巣】で参加
【POW】根気良く慎重に追跡する
「侮ってたらしい。二人とも慣れてるじゃねェか」
シフレット曹長とリィリィットの二人は探索の機微に通じている
【巣】のチョイスだけあるってコトかよ
むしろオレのほうが足を引っ張りかねないぐらいだ
「忍び足」「聞き耳」「クライミング」などを駆使して「追跡」を続行
他の猟兵からの情報も活用しつつ、ひとつずつクリアする
コンバットナイフで邪魔な枝や蔦などを切り取って前進だ
前方が不明瞭な場合はサーチドローンGHOSTも活用する
「第六感」「野生の勘」が危険を感知すれば二人にも注意を促す
「曹長、リィ、キナ臭い感じだ。警戒しろ」
さっきのようなガキを犠牲になんてできるかよ…
リィリィット・エニウェア
【狼の巣】で参加
これ以上警戒されるわけにはいかないね
小声で静かに、忘れないように行こう
●SPDで挑戦
他の猟兵さんたちとも協力して
手分けして薔薇園をじっくりと回りましょう
あと、体格の小さい子なら薔薇の垣の隙間にいるかもしれないので
注意を払うよ
枝が折れたりしてたらBINGOだね
徘徊オブリビオンに出くわしたらそれはそれでいい気がする
引き付けておけば、人質が狙われることもないし
薔薇は要らないなあ
「あたしは花より爆破だよー」
いや、薔薇型爆弾もいいかも?
チガヤ・シフレット
【狼の巣】で参加だ
リィは妹分みたいな感じで可愛がり
無事に何人か助けられたし、この調子で行こうか。
こうやってこそこそと入り込んで人質救出とは……正義の味方ぶるのは大変だなぁ?
【SPD】
薔薇迷路とか、焼いたり伐ったりしてしまえば早いだろうが。アウトだろうな。
しかたない、可能な限り急いでいくとするか。
ザザがドローンも飛ばしてるようだし、その辺の情報をあてにしながら、どんどん進もう。
一応、足元を見て足跡とかないか調べつつ行くか。
騎士なら足跡はでかいかもしれん、それはよけようか。
村人が歩き回ってるなら、その足跡でもあれば……いいなぁ?
「二人とも、なにか見つかったか? 薔薇でも摘んで土産にでもするか?」
妖精の導きを得た【狼の巣】の面々。ザザが邪魔な木と蔓をナイフで切り落とし、リィリィットとチガヤが二人で引っ張り出す。
他の人質の捜索に回るという妖精と別れた狼たちは、引きずり出した女性を介抱していた。
「曹長、どうだ」
「気を失ってるだけだけど……起きたときに叫ばれたら面倒だね。転んで突っ込んだならともかく、騎士に突っ込まれたショックで気を失っているとしたら……」
「ていうか、敵も悪趣味ー。なんで女の人を迷路に突っ込んだりするんだろ?」
「さァなァ。オブリビオンの考える事なんて、予測したって無理だろ」
「そうだねえ。いっそ迷路を焼き払ったら……なんて思ったけど、それはさすがに無理か」
埋められた村人が見つかった以上、迷路を安易に切り拓いたり焼き払ったりは出来ない。巻き込んでしまったら救いに来たのに元も子もない。ザザは周辺を探索するドローンを飛ばし、三者三様に女が目醒めるのを待つ。
「……う、ん……」
「! チガ姉!」
「ああ」
女がわずかに身じろいだ。チガヤは注意深く彼女の口元に手を置き、その声を抑える。何度かうなされるように唸り、女は僅かに目を開いた。
「………」
「大丈夫かい?」
「……此処、は」
「もう大丈夫だよ。あたし達はみんなを助けに来たんだ」
「……私……そう、私、あの騎士に……騎士に、突然……!」
震えだす女。チガヤは、しー、と己の唇に指を当てた。静かにのサインに、女はまだぼんやりとしているのか、声をあげずに震えている。ザザが傍にしゃがみ込み、簡単に女の脈と体温を見る。
「……脈はやや速いが、正常値だな。特に騎士に何か細工をされた訳でもなさそうだ」
「もー、ザザさん! そこはね、手をぎゅっと握って大丈夫だぜって」
「俺に何を期待してんだお前は……」
リィリィットとザザのやりとりに落ち着いてきたのか、すみません、と繰り返して女は徐々に震えを収める。起きようとしたので、リィリィットが支えて上半身だけ起こさせる。
「……私は、一人で逃げてきたんです。子ども二人が迷路の方へ逃げていってしまって……それを追いかけて……」
「――騎士も追いかけてきた?」
「ええ……私は捕まって、まるで苛立ちを解消するかのように私を茂みの中へ……そのまま出口へ行ってくれたのは幸いでした、子どもたちに何かあったらと思うと……思うと……!」
「ああ、落ち着いて。いま子どもさんは探しているし、私たちが助けた中にいるかも知れない。あんまり騒ぐと騎士が降りてくるから、心配だろうけど落ち着いて。な?」
「うっ、うう……はい……」
「おいリィ、曹長。どうやらビンゴだぜ」
女の脈を診てからはドローンの操作をしていたザザが、二人に声をかけた。リィリィットを残してチガヤが女から一旦離れ、ザザに歩み寄る。
「子どもか?」
「ああ。二人だ。直ぐ先の行き止まりでママを待ってるな」
「敵は」
「いねえ。まだ上階でごゆっくりしてくれてるらしい」
「よし、行こう」
「ままぁっ……!」
「ああ、二人とも……! 無事だったのね……!」
「まま、怖かったよぉ……!」
道中は特に敵もおらず、しかし他の村人を見つける事もなく――もっとも、彼ら3人以外は既に村か壺の中なのだが――すんなりと子ども二人が隠れる行き止まりへ着くことが出来た。母親の呼び掛けで出てきた子どもたちは、壁の中に隠れて息を潜めていたらしい。
「本当に、なんとお礼を言ったらいいのか……!」
「いいんだよ。アンタらこそ災難だったね」
「もう大丈夫だからね! 城の入り口まではあたし達もついてるから」
「ああ。そこからは自力で帰って貰わなきゃいけねェが……」
「大丈夫です。もう歩けますし」
「まま、支えるー」
「まま、大丈夫?」
「……この子たちも、いますから」
そういってはにかんだ女に、三人は笑い返す。
言葉通り城の入り口まで護衛し、他の猟兵と合流するため再び城の中へと入っていく狼たち。
どうか彼らに武運をと、女は心中で祈りを捧げ――子ども二人を連れて、荒れ果てたが活気の戻った村へと足を向けるのだった。
【警戒レベル:3】
【人質残り:0】CLEAR!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『異端の騎士』
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POW : ブラッドサッカー
【自らが他者に流させた血液】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【殺戮喰血態】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD : ブラックキャバリア
自身の身長の2倍の【漆黒の軍馬】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ : フォーリングローゼス
自身の装備武器を無数の【血の色をした薔薇】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●我不知、我不思
人質がもう残っていない事を確認し、上階へと進行した猟兵たち。
領主が使っていたのだろう、一番重厚な扉の奥でそいつは待っていた。猟兵を見ても何を言うでもなく、何かを思うでもない。
機械的な瞳。人を虫か埃かとしか思っていない瞳。
騎士はゆっくりと立ち上がると、刃を抜いた。最早語る事はないということか。それとも、語れない理由があるのか――いや。オブリビオン相手に、そのような詮索は無用だろう。
デナイル・ヒステリカル
見るからに騎士然とした外観ですが、どんな目的であれ彼が村人を誘拐したのは事実。
2度と同じ事件を起こさないため。
そして何より、オブリビオンを骸の海に再び葬るのは猟兵の役目です。
ここで打倒しましょう。
突出した強さを持つ個体には中途半端な威力の牽制は通じ難いと判断します。
先制攻撃を仕掛けるにしても、強力な一撃が必要と考えました。
ホルスターからスマートガンを抜いて照準を定め、装填してある弾丸の全てを撃ってオブリビオンの体勢を崩します。
ユーベルコード:ラスト・ワン・ショットをスマートガンに装填し、本命の射撃へと繋げましょう。
後続の味方が有利に成るように、剣を握る腕を撃ち抜きます。
コエル・フーチ
【WIZ】
村人を攫って、殺すでもなし、何か要求するでもなし
ただ弄んで、何がしたかったんだ?
まるで誰かが村人を助けに、自分を殺しに来るのを待ってるみたいだ
……なんて思うのは御伽噺が過ぎるか
どっちにしろ、敵はやる気だな
私もずっと静かにしてて、ストレスが溜まってたんだ、思う存分やらせてもらうよ
【高速詠唱】で『熱線の雨』を装填したダブルバレルのショットスピリッツを構え
2つのトリガーを引き【2回攻撃】で『熱線の雨』の熱【属性攻撃】だ
【念動力】で敵の動きを阻害した後に、更に時間差【フェイント】を入れた
105本×2発の熱線の【誘導弾】が騎士を集中攻撃する
知ってるか?御伽噺は「めでたしめでたし」で終わるんだよ
騎士は一人、剣を抜く。デナイルはそれを見ながら、騎士の見目からは遠く離れた存在だと考える。
どんな目的があるのか――何がしたかったのか――推し量れるものはいない。けれども、村人を誘拐したという事実、そしてオブリビオンであるという事実を踏まえれば、倒さない理由はないのだ。
ホルスターからスマートガンを抜き、残弾を確かめる。全弾装填ではないが、相当数ある。これで十分だ。
「殺すでもなし、要求するでもなし……ただ弄んで、何がしたかったんだろうな」
隣で浮遊するコエルが一人問う。
「偶然ですね。僕も同じことを考えていた」
「誰もが思う事だろう。――まるで、御伽噺の悪役のようだな」
なら、それを助けた猟兵は、さしずめ王子様というところだろうか。ますます判らなくなってくるが、それを考えたところで詮無い事。
「ずっと静かにしててストレスが溜まってたんだ。思う存分やらせてもらうよ……!」
「援護します!」
コエルが舞う。デナイルは弾を残さずスマートガンから撃ち放ち、騎士を狙う。騎士は急所を剣の腹で守り、硬い音が絶え間なく響いた。
「―――」
コエルが詠唱を終えるのに、数秒もかからない。妖精にはおよそ似合わない、ダブルバレルショットガン――精霊銃を構え、一気に二つのトリガーを引いた。熱線の雨が更に熱を帯びて、騎士へと降り注ぐ。
―――!
騎士の背後から吹きあがる、血液のような赤色の花弁。雨に貫かれ、その威力を減衰しながら焼け焦げて、落ちていく。
「すごいな……」
デナイルはそのまぶしさに目を細めながら、己も愛銃に弾を込める。電子精霊に、およそ愛銃が焼け焦げそうな電流を込めて――コエルが二発目の熱戦の雨を撃った中、その電流弾を放った。“対単体決戦能力充填コード”。デナイルのラスト・ワン。
熱線の誘導弾に、薔薇の花びらは熱線を殺しきれず焼け落ち、騎士はその鎧で受ける事となる。あちこちが溶けるように焼け落ち、剣がわずかに欠ける。
――チュインッ!
「!」
突如、剣を持つ騎士の腕が跳ね上がった。ように見えた。雨の中の一滴、真っ直ぐに放たれたデナイルの電流弾が騎士の腕を狙い撃ったのだ。――それで剣を取り落とす騎士ではないが、反射的に腕を抑えて後退する。
「ほう。やるな、お前」
「一応、これくらいはね……そっちの雨には遠く及ばないかもしれないけど」
「当たらない百発より当たる一発さ。――さて。御伽噺を終わらせるとしようか。」
――知っているか? 御伽噺というのは、めでたしめでたしで終わるんだよ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
シホ・イオア
語る必要はないでしょう
村長の命を奪い村人たちをさらった時点で
彼の終焉は決まったのだから
輝石解放、ルビー!悪しきものを焼き尽くせ!
接近戦になったら軍馬のお腹の下にいけないかな?
シホの大きさだと良い盾になりそう
敵の攻撃は残像と見切りで回避
近接攻撃は炎の属性攻撃と鎧無視攻撃でダメージ上乗せ
フェルト・フィルファーデン
あらあら、どうしてこんな事をしたのか聞きたかったのだけれど……意味は無さそうね。……貴方の命、ここで散らしてあげる。
本当の騎士の強さをわたしが教えてあげるわ!
UCを使い、わたしと騎士達(絡繰人形)の技能をフル活用して戦うの。
まずは双剣、大剣、鉄槌の騎士で【先制で鎧無視の2回攻撃】をお見舞いするわね。反撃には槍盾、執事の騎士による【盾受けからのカウンター】で返すわ。
馬に乗ったら馬の足を弓矢の騎士が【呪詛】を乗せた矢を使い【スナイパー】で狙い撃って機動力を奪いなさい。
わたしは騎士達を【鼓舞】して反動を【激痛耐性】で耐えるわ。頑張って……!
最後は騎士全てで総攻撃よ。真なる騎士の力、思い知りなさい!
木目・一葉
何故、何も語らない
何故、城門を閉めなかった
何故、人質をとったのか
その無言すらも『敢えて』なのか
いや、今は気持ちを切り替えるときだ
「いざ、参る」
・戦闘
僕が狙うは敵のUC封印
まず前衛に立って壁役となる
斧で攻撃を【武器受け】し、また柱等の障害物を【地形の利用 】で盾とする
敵が最も気付きにくいタイミングで『影の追跡者の召喚』を放つ
この影の追跡者が接触したら、真の姿を解放し『影人の罪過』で動きを拘束する
更にその影の追跡者から連続で『影人の縫い針』を放ち、UC封印を狙う
この騎士、もしかして人質を解放する我々の姿に、御伽話の騎士の姿を見ようとしたのだろうか?
かつての自分の姿だから?
だが、もう真実は分からない
片腕を撃ち抜かれた騎士は、反対側の手で剣を持った。血液のような赤い液体が、銃創からばたばたと落ちる。空を一撫ですると、馬のいななきが城中に響き渡る。漆黒の軍馬が現れ、騎士は騎乗する。
「ふうん。オブリビオンにも痛みとかあるのかしら」
シホは余り興味なさそうに呟いた。そう、あれは敵。もう終焉の決まった敵。自分たち猟兵によって、もうすぐ骸の海へ返される敵なのだから。
「どうしてこんな事をしたのか聞きたかったのだけれど……意味はなさそうね」
同じことを思ったのだろう。フェルトも呟いて、妖精型の絡繰人形を持ち出す。二人の前に立つ一葉が、頷いた。
「盾は僕が。二人は攻撃に専念を」
「ええ」
「わかったわ。……さあ! わたしの騎士たち、その力を奮う時よ!」
漆黒の騎士が再び薔薇の花弁を舞わせる。渦を巻くように流れ、猟兵たちを切り刻むそれを、一葉は斧を持ち盾になり、引き受ける。
「(この騎士は――)」
――人質を解放する自分たちの姿に、御伽噺の騎士の姿を見ようとしたのだろうか。かつての自分の姿を、見ようと? ……いや、判らない。彼が語らない以上、余計な詮索は無用という事か。
「この程度の薔薇、わたしの騎士にはきかないわ! だって、わたしの騎士は最強なのだもの! そして、わたしは絶対に、屈しないのだから!」
高らかにフェルトが謳い上げ、騎士を鼓舞する。反動として古傷が開き、痛みを伴って血が流れる。けれど彼女は屈しない。そう宣誓したのだから。――双剣を持ったもの、大剣、鉄槌を持ったものが、軍馬に跨りこちらに駆けてくる騎士に飛び掛かる。がつん、がつん。小さくても侮るなかれ、その鋭さは本物だ。騎士が手に持った剣で応戦する。
「今よ! 弓兵!」
フェルトが命ずると、弓の精霊騎士たちが一斉に弓を弾き、矢を放つ。放物線を低く描く矢は、軍馬の足を一直線に狙う。矢が刺さった痛みで馬の上体が持ち上がり、嘶きが響き渡る。フィルファーデンの騎士たちは、更に攻勢を強め、騎士を叩き潰してしまおうとそれぞれに武器を奮う。
だが、騎士も攻撃されるばかりではない。剣を奮って騎士を両断し、叩き落とす。馬と共に駆け、盾となる一葉を押しつぶさんと跳躍する。
「シホさん、準備を――!」
叫んだ一葉の己に、軍馬の蹄が突き刺さる。一葉はかろうじて斜めにいなして、一気に後方へ跳躍した。びりびりと両腕が痺れるが……仕込みは上々だ。
「影よ! 仇なす業を縫い付けよ!」
ぴりっと空気が張り詰めて、軍馬の姿が掻き消える。騎士はかろうじて着地したものの、何が起こったのか判らないでいた。
「悪いけど、技は封じさせて貰ったよ……! あなたはこれで、ただの騎士だ」
「あなた、それ……」
「大丈夫。シホさん!」
一秒、二秒、三秒。一葉の寿命がかりかりと薄い爪で削られていく。それでも彼女はそうすることを選んだ。吹き飛ばされた瞬間に影の追跡者を放ち、騎士のユーベルコードを封じたのだ。
「判ってる! 輝石解放……! ルビー! 悪しきものを灼き尽くせ!」
声は騎士のすぐそばから。軍馬の腹の下に潜り込んでいたシホが、炎を解き放つ。それは愛だ。燃え盛るような愛の炎だ。20と1つの炎は舞い踊り、騎士にまとわりついてその鎧を通じて皮と肉、骨を熱する。
「騎士たちも続いて!」
フィルファーデンの騎士たちも、一斉に騎士に躍りかかる。皮を裂かれ、肉を叩かれ、骨を抉られ、たまらず後退する漆黒の騎士。
「あと少し……!」
叫んだのは誰だったのか。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ザザ・クライスト
【狼の巣】で参加
他の猟兵とも共闘
「騎士サマのお出ましだ。油断するなよ!」
【POW】前衛・盾役として行動
【ブラッド・ガイスト】で火力を上げて銃撃
「援護射撃」を余念なく「挑発」して「おびき寄せ」るぜ
味方へ攻撃を「かばい」ながら、バラライカで「武器受け」する
「奴の攻撃は任せとけ。曹長、デカいのを喰らわせてやれ!」
「リィ、奴の足を止められないか? あのスピードは厄介だ」
薔薇の全周攻撃に刻まれるも不敵に笑う
「さしずめ薔薇の騎士か」
「何も知らないし考えないだと? テメェは何のために生きてやがる!?」
吠えて「零距離射撃」をぶち込む
「この程度寝ていられるか。まだまだァッ!」
不屈の闘志と「覚悟」で踏みとどまる
リィリィット・エニウェア
【狼の巣】で参加
ついに決戦だね、ってか爆破我慢してたから手が震えてきたよ!
思う存分ぶん殴ってやろう
と、いってもあたしは支援支援。
ザザさんとチガねーさんが戦いやすいように支援射撃するよ。
このガジェットでね!
さぁ、こいつには何が効くのかな?
爆発物だといいんだけどなー
このユベコ、支援に向いてない気がするけど、咄嗟の機転で色々使えるから
いいのかな……?
ガジェット案
鎧にくっつくガラクタ(重くて動作を阻害する)
大量の障害物(馬で移動しにくくなる)
送風機(薔薇の花びらを撒き散らして邪魔する)
チガヤ・シフレット
【狼の巣】で参加。
やぁっと暴れられるな!!
体中の武器が待ちきれなくて暴発しそうだったぞ。
さぁ、派手に決めて行くとしよう!
両手足の義手義足から兵器を起動。
ガンガンに銃撃していって押し込もう。
最前線はザザに任せて、中距離あたりからの【一斉射撃】で始めよう。しょっぱなからフルスロットルだ!
その後も手を緩めずに撃ち込みまくろう。
相手に隙があれば一気に間合いを詰めてどでかい一撃ぶち込んでやろう。
せっかくリィの援護を貰えるんだ、遠慮なく攻めていくぞ。
っと、爆破に巻き込まれない様にだけは気を付けないとな。
もちろん、こちらも援護はするぞ。ワイヤー打ち出して奴の動きを阻害するのとか狙ってみるか。
「リィ、曹長、いくぜ!」
「うん!」
「判ってる! もうぶっ壊していいんだよなぁ!」
【狼の巣】の面々は一気に攻勢をかける。ザザは盾役として前に立ち、騎士と相対す。
「こいつの攻撃は任せとけ。曹長、デカいのを喰らわせてやれ!」
「オーケイ! やぁっと暴れられる!」
言うとチガヤは両手両足の武器を全解放。銃弾をたらふく食わせてやろうと、騎士にぶっ放す。
「リィ、巧くやれるか?」
「うーん、やってみなきゃ判んないけど、やってみる! ガジェットショータイム!」
リィリィットは頷くと、手の中にガジェットを呼び出す。が、使い方が判らないのがガジェットというもの。ヘンテコな形をしたそれを、ひねったり、ねじったり、叩いてみたり……
「うおっ!」
その間、ザザは騎士の振るう剣と踊る。隙あらばバラライカから弾丸をばらまき、挑発する。浅くザザの身を掠めた騎士の剣が、どくん、と脈打った。
「へへ……お前もそういうクチかよ……!」
笑うザザ。騎士の剣が禍々しく変容して、殺戮と捕食に特化した形をとる。だけれど、それは彼だけの専売特許ではない。
「バラライカ、頼むぜ……!」
愛銃に己の血を吸わせるザザ。するとその銃もまた、どくんと強く脈打った。禍々しい形状に変化する愛銃。そう、つまり、お揃いという訳だ。
「ザザ!」
チガヤが声を上げる。騎士が軍馬を召喚し、ふらふらと跨ったのだ。先人の努力の賜物か、その動作は精彩を欠いている。しかしまだ戦えると騎士は剣を振り、軍馬と共に駆けんとした。
「やらせるかよォッ!!」
ザザが無謀にも前面へ滑り込む。馬と真正面からかち合い、行かせまいとバラライカを哭かせる。肉を銃弾に抉られ、苦しげに首を奮う軍馬。
「こいつも喰らいな!」
更にチガヤが援護射撃して、軍馬と騎士を踏みとどまらせる。チガヤの寿命もまた、この行動によって一秒二秒と削られているが、それを気にする彼女ではない。どうせ倒れるなら前のめりで、だ。
「うーん、えーっと……あ、こうか!」
そこにちょっと能天気な声が割り込んだかと思えば、鉄塊が真後ろから飛来し、軍馬にとりついた。
「なんだァ!?」
「ごめんごめん、時間かかっちゃった!」
「リィ! あれは……」
「うん、敵にくっついて動きを阻害するタイプだね!」
「成る程ね……ザザ、今だ!」
「わかってらァ! 曹長、揃えろ!」
「了解!」
折角のリィリィットの援護を無碍にする訳にはいかない。ザザとチガヤはこれで最後だというように、それぞれの愛銃愛機から弾丸をばらまく。
突き刺さり肉を割く弾丸。軍馬と騎士は一層苦しみ、いななきとともに上体を持ち上げると――横にどう、と倒れた。
軍馬の姿が消えていく。ザザがゆっくりと歩み寄り、騎士を見下ろす。
「――何も知らない、何も考えない。それじゃァいけねェよ。お前は一体、なんのために生きてンだ」
彼らしくもなく、静かに述べて――バラライカが、哭いた。
「いやあー、大変な敵でしたね!」
「それは騎士がか? ガジェットがか?」
「えへへ、どっちも」
おどけて笑うリィリィット。チガヤはこのやろうとその頭をわしわしと撫でる。
「ザザさん、大丈夫?」
「あァ、これくらいならどってことねェよ。……村人ンとこにでも顔を出すか?」
「そうだな。彼らが無事か確かめておく必要がある」
「あたしもさんせーい!」
頷き合う三人。リィリィットは薔薇の花の塊と化した騎士を振り返り、少し黙すると――置いて行かれそうになったので、慌てて二人を追いかけた。
薔薇の騎士が何を思っていたのか。何を考えていたのか。それは誰にも判らない。
けれどただ一つ言えるのは、この物語は終わったという事。
めでたし、めでたし。
大成功
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