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何時しかに日の昇る時の為に(作者 裏山薬草
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●吸い込まれる嘆き
 妖しき霧と苔の淡い輝きは閉塞された地下の中に於いても、地上と変わらぬ様相を映し出している。
 秘められし地下都市の中、人々は収穫した葡萄と蓄えた食料、そして昨年に仕込んだワインを並べ始める。
 この実りも、蓄えた美酒も口に届くのは極々僅か。その大部分がこの地を支配する者共に食い散らかされる――それでも命の血の一滴に等しい喜びは、寸での所で彼らを活かす。彼らの血と汗の労苦は搾取され続けるのだ。
 ほんの一時の一滴と引き換えに、何代にも渡る陰鬱な労苦と抑圧の日々が続いていく。
「――もしも」
 ある時、グラスに血の色の如き果実汁を注いだ誰かが嘆きと共に呟いた。
「もしも、みんながもっと平等で、幸せに暮らせる世界があったなら」
 ――誰かの嘆きは、少女の知らぬ曇り空は愚か、永きに渡り人々の知らぬ太陽にすらも届くことは無かった。

●籠か巣立ちか
「自由が必ずしも幸福とは限らないが、圧政と搾取の果てに滅ぶよりは良いだろう」
 グリモア猟兵スフィーエ・シエルフィートは、微かに銀灰色の瞳に長い前髪の陰りを見せながら唐突に語り出した。
「幸いにも、いきなり放り出されるような無責任ではないから安心してくれたまえ」
 自由の重みと責任を語りながらも、彼女は苦笑しつつグリモアを輝かせた。

「さぁ語ろうか! 舞台は深き闇と退廃の世界ダークセイヴァー、君達には秘められた地下に住まう民を解放して貰いたい!」

 ダークセイヴァーには秘められた地下都市が幾つもあるのだという。
 そこでは地上と殆ど変わらない環境で生活を送る者達がいる――尤も、それは吸血鬼などのオブリビオンに支配され続けている、という状況も同じことであるが。
 寧ろ地上の状況も一切知らず、閉塞された場所で圧政を受け続けている分だけ、彼らの方が不幸といえるかもしれない。
「よって君達には、門番を倒し地下都市へ侵入し、跳梁跋扈する兵を倒し、彼らを地上に誘い出して貰いたい」
 幸いにも地上の人類砦には彼らを受け入れる場所が幾つもあり、地下の民の生活について心配する必要はないとスフィーエは語った。

「まずは門番を倒すのだが、実に強力だ。真面に戦えば……そう、かの同族殺しですら一太刀で葬り去ってしまうだろう」
 そう言ってスフィーエは愉悦に満ち溢れた実にダークセイヴァーのボス格に相応しい、人の命を玩具としか思っていないような残虐な青年の姿を映し出す。
 同族殺しと呼ばれる強力なオブリビオンすらも容易く倒してしまうほどの実力を持つ上に、攻撃も殆ど通らないのだという。
 ではどう倒せば良いかと問う猟兵に、スフィーエはグリモアを手繰ると映し出す。
「唯一の弱点は……この『番犬の紋章』だ。そこを叩くしかない」
 そう言ってスフィーエは指し示す――毒々しいピンク色の長い前髪の下、隠された片目に埋め込まれた、檻の中に嘆きの声を挙げる人を象った紋章を。
 これこそが『番犬の紋章』と呼ばれ、そこを攻撃する他、門番に対して有効打を与えることは叶わないのだという。
「恐らく壮絶な死闘となるだろう。しかし彼を倒さなければ地下都市に入ることは叶わない」
 秘匿された場所を守る門番が弱い筈がない――苛烈な攻撃を潜り抜け、小さい紋章を撃つ。そうして漸く勝機が見える相手なのだと彼女は語った。

「その上で君達には、人民を虐げているオブリビオン兵を倒して貰いたい」
 門番よりは確かに弱いが、地下に住まう民を守りながらの戦いとなる。
 激戦の消耗もあるかもしれないが、数で押してくる雑兵を打ち倒し、地下の民を解放してやって欲しいと語る。
「そこでの戦いぶり次第では、地下の民に希望を与えることもできるだろう」
 勇気を与えるようにオブリビオンを倒すなど、華麗な活躍を行えば地下の民は猟兵を信じやすくなるかもしれない。
 それは地上に誘い出すにあたって有利に働くかもしれないと語った。

「終わったら丁度葡萄の収穫祭だ。それを楽しみながら地上に誘ってあげて欲しい」
 元々はこの地を支配するオブリビオンに捧げられるものだが、解放した以上は民だけのものとなるだろう。
 新たなオブリビオンが侵略の手を伸ばす前に――といっても多少の時間の余裕はあるが――宴に興じつつ地上に誘うことになる。
 地上に出れたとしてもすぐに生活が楽になる訳ではないかもしれないが、隷属を絶対とされた閉塞した場所よりば幾許かマシというものだろう。

「……彼らには確かに住む地を手放させることになる。それは確かだろう。だが……」
 一通りのことを語り終えたスフィーエは溜息を吐きながら、傍らの葡萄ジュースで喉を潤すと、ぽつぽつと語りを始めた。
 ここで猟兵達の視線にふと気づくと彼女はグラスを傍らに置き、グリモアを輝かせ戦場への道を作り上げながらこう締めた。
「隷属の苦しみ以外にない道よりは良いと信じるほかない。頼んだよ、闇の救済者<ダークセイヴァー>諸君」





第2章 集団戦 『アルカードの猟犬たち』

POW ●レグルスインパクト
単純で重い【渾身の力を込めた大剣】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD ●コープジェミニ
【二人がかりで息のあった連撃】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【癖と取り得る回避行動】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ ●ジフプロキオン
【純真無垢な子供のような表情で油断させる】事で【対象の油断を誘い、暗殺執行モード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11 🔵🔵🔵

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●地下都市への侵攻
 足を踏み入れた地下世界は、誰か何処かの魔力によるものか光源を確保するかのように妖しく淡く輝き視界を照らす。
 此処が地下であるというバイアスがあることを差し引いても、地上よりも感じる一種の閉塞感を肌に感じつつも猟兵は行く。
 この先に待ち受ける、虐げられた民を隷属から解き放つためにも。
 そうして猟兵達が辿り着いた先に広がっていたのは、現れたのは黒衣を纏った無数のオブリビオンだった。既に門番の戦死と侵入者の報告を知り、地下都市に待ち受けていたようだった。
 周囲の家屋には怯え切った民の気配と視線が強く感じられる――恐らくは避難しているのだろう。彼らを巻き込まぬように留意する必要はあるかもしれない。
 猟兵達の衰えぬ戦意に苛立つか、黒衣を纏う獣人めいた男達は挑発的に言葉を投げかける。
「随分とお疲れのようだな、ええ?」
「お疲れの所悪いが、もう一働きして貰おうか」
「そう……例外なく、我等に立ち向かう者には死、あるのみという教材になって貰わねばならん」
 ……確かに門番との激戦の後だ。
 猟兵達も多少の消耗はあるかもしれない――しかし、死と引き換えの隷属を押し付ける悪辣な者共を許して置ける筈も無い。
 怯え切った瞳に希望を齎す為に、猟兵達は今一度その身を奮い立たせるのだった。
四季乃・瑠璃
緋瑪「アハハ、死、あるのみだって♪」
瑠璃「私達にそれを言うんだね…良いよ、幾らでも相手になってあげる」
緋瑪「本当の死を教えてあげるよ♪」

「「さぁ、私達の殺戮を始めよう」」

【チェイン】で分身

敵の機先を制する様に接触式ボムと時間差で設定した時限式ボムによる爆破で連携を崩し、逆に瑠璃のK100による銃撃と緋瑪の機巧大鎌による高速斬撃で片方を始末し、もう片方も始末。
敵集団が分断を恐れて密になれば中心にボムを放ち、散れば二人で各個撃破して順次片づけていくよ

瑠璃「身の程知らずだね」
緋瑪「連携と殺しで私達に勝てると思った?」
瑠璃「悪いけど、一匹たりとも逃がさないよ」
緋瑪「皆殺しにしてあげる♪」


●上位互換
 歯向かう者には死、あるのみという此の言葉に堪え切れなくなったか緋瑪が噴き出した。
「アハハハハ! 死あるのみ……だって♪」
「私達にそれを言うんだね……良いよ、幾らでも相手になってあげる」
「本当の死を教えてあげるよ♪」
 引き続き自らの身を二つに分けながら、力を高めた瑠璃と緋瑪は一斉に言葉を向けた。
「「さぁ、私達の殺戮を始めよう」」
 駆け寄ってくるは二人一組、それを制するように瑠璃が爆弾を投げつければ、爆ぜる熱と衝撃がそれを崩す――かと思いきや、一瞬で左右に離れそれを躱し。
 瑠璃をそのまま一気に仕留めんと得物を振り上げるも、次の瞬間には彼らの片割れの方が逆に空を舞う。
 何故ならば時間差を置いて発動する爆弾が既に仕掛けられていたからだった――驚愕するもう片方へ目掛け瑠璃の拳銃が火を噴く。
 拳銃の枠を超えたマグナムの馬鹿げた火力が地を抉り、兵の一人を追い詰めて――その背後に、大鎌を振り上げる緋瑪の姿が其処に在れば。
 背後は死神が、前からは射手が――僅かな戸惑いは文字通りの命取り、鎌と銃弾の二つ衝撃合わさりもう片方の舞い上がった首はそのまま空で弾ける。
 一瞬の迎撃に戦意を煽られたか、別の雑兵が声を張り上げる。
「怯むな! 数ではこちらの方が上だ。連携し確実に仕留めるぞ! 我等の連携を……」
「「連携を?」」
 どうするって――そう問わんばかりに、数の利を活かすべく密集したが彼女達の得手の前ではそれは愚策に他ならず。
 収束する空気が反動をつけて爆ぜるように、集った雑兵達はすぐ様に投げ込まれた爆弾の火炎と衝撃の花が開き、舞い散る花弁のようにその身を飛び散らせた。
「なっ……!」
「身の程知らずだね」
「連携と殺しで私達に勝てると思った?」
 何故なら私達は二人で一人の殺人姫、連携と殺しはお手の物――この雑兵の連携も決して悪くはないのだが、相手が悪かった。
 立て続けという分散は個の力が及ばず、束ねた数の利は爆弾という範囲攻撃が薙ぎ倒す――最初から戦うこと自体が過りか。
「悪いけど、一匹たりとも逃がさないよ」
「皆殺しにしてあげる♪」
 ――投げ放たれる殲滅(ジェノサイド)の炎の華が、地下の暗きに鮮やかに開いていく。
大成功 🔵🔵🔵