笹食えど 腹は減るなり 風利辺島(作者 沙雪海都
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●腹が減ったら笹を食え
「うぅぅ、腹減ったぁ~……」
「そだなぁ~……」
 男が二人、亀といい勝負の歩みで道を行く。腕をだらりと下げ、背は曲がり猫のようだ。窪んだ眼に覇気は無く、今にも倒れてしまいそうに見えた。
「……おぉ、あんなところに!」
 一人がつと声を上げ、少ない体力を絞り出して駆ける。道の片隅に青く伸びる野草を、遅れてもう一人の男がまじまじと見下ろす。
「これ、食えんのかぁ?」
「わがんね。でも、『あれ』よりはましだぁ~」
 細骨に皮が張り付いたような腕を伸ばし、野草を乱暴にむしり取る。根についた乾いた土がぽろぽろと零れるそれを、躊躇うことなく口に放り込もうとした――その時。
「ダメですぞダメですぞーそんなものを口にしては!」
「うごぉっ!?」
 曲がった背骨にズン、と重い一撃が突き刺さり、ぐにゅっと腹側に反った体はびたんと地面に叩きつけられた。男の口から白い泡が噴き出してくる。
「ひぃ……出たぁ!?」
「そんなもの食べても体に良くありませんぞ!」
 そう叫ぶのは、一丁前に服を着たゴボウ――否、ゴボーだった。
 いつの間にか男達の背後に集まっていたゴボー達。それがささっと、モーゼに割られた海のように道を開く。その奥からのそのそ歩いてきたのはパンダだった。
「そうだよー? 君達はー、これを食べないとー」
 パンダは手に持っていた『それ』を男達の口の中へぐいぐいと捻じ込もうとする。
「う……ふぐ、おごぉ……」
 口を割られ、笹をずるずる呑み込まされる男は白目を剥いた。
「皆、笹、食べようねー」
 笹を執拗に薦めるパンダ。悪の掟にまた一人、地に伏していく――。

●笹推しパンダに鉄槌を
 ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)は今日もグリモアベースに立つ。
「皆さん! お忙しいところ恐縮です! 新しい『悪夢』のお話をさせて頂きたいと思います!」
 そう呼び掛けると、手隙の猟兵達が集まり、耳を傾ける。
「『グリードオーシャン』にてコンキスタドールに支配された島の解放をして頂きたいんです」
 ロザリアが予知で視た島――風利辺島(かざりべじま)の民は、あるコンキスタドールの支配に苦しんでいた。
 風利辺島は田園風景が広がるのどかな島だった。集落もぽつりぽつりとあり、島の様子から『サムライエンパイア』の世界から落ちてきたらしいことが伺えた。
 それが、ある悪の掟を民に叩きつけたコンキスタドールにより、破壊された。
「島の人達は『笹しか食べてはいけない』というとんでもない掟で縛られています! 言い出した本人はパンダだからいいかもしれませんが、人間はとっても困ります!」
 今、島の人々は、どうにかこうにか笹を口にし、生き永らえているのだとか。当然、これまでに倒れた者も多い。
「ですから、島の人達を助けて、ついでにコンキスタドールもやっつけてしまいましょう!」
 声を高らかにロザリアは言う。
「作戦の概要です! まずは、満足な食事ができていない島の人達に、皆さんの料理を振舞ってください!」
 島の人々を料理で癒す。民を救い、猟兵達の味方となってもらえれば、島や敵に関する情報を得られるかもしれないし、武力としてもわずかながら力を貸してくれる、というようなこともあるだろう。
「それが終わったらいよいよ敵との戦闘になるかと思います! 一応、敵の外見だけはわかりました! こんな感じです!」
 ロザリアが『ぐりもあのーと』を広げる。二つのページに描かれていたのは、ハニワのような顔をしたゴボウのような何かと、愛くるしいパンダの姿だった。
「こちらは『ヤマゴボー星人』、もう一方は『のんびりパンダのハイバオ』と言うそうです。この他の情報はちょっとわからなかったのですが……もしかしたら、島の人達が教えてくれるかもしれません」
 パタリ、とロザリアはノートを閉じ、前を向く。
「この島に平和を取り戻しましょう! 皆さん、宜しくお願いします!」


沙雪海都
 沙雪海都(さゆきかいと)です。
 しばし島開拓を続けるかもしれません。

●フラグメント詳細
 第1章:冒険『グルメにうるさい客』
 お腹を空かせている島民達に、美味しい料理を振舞ってあげてください。
 フラグメントのタイトルは気にしないほうがいいと思います。
 猟兵達が作ってくれた料理ならきっと食べてくれることでしょう。
 金銭的なお礼は期待できませんが、彼らができることなら力になってくれるのではないでしょうか。
 私の料理系知識は人並み以下です。わからないものは頑張って調べます。何卒。

 第2章:集団戦『ヤマゴボー星人』
 ゴボーです。
 第1章での成果によって猟兵達に有利な状況が作れるかもしれません。
 この章では海賊(1章で助けた島民の中にいれば)のユーベルコードによる支援が期待できます。

 第3章:ボス戦『のんびりパンダのハイバオ』
 パンダです。
 第1章での成果によって猟兵達に有利な状況が作れるかもしれません……が、戦力としては無理なので情報面です。

●MSのキャパシティ
 合わせプレイングはお受けできません。申し訳ないです。
 ゆったりペースで進行予定です。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『グルメにうるさい客』

POW●『パワフルな料理』:豪快な調理や味付けで、この世界の食材の美味しさを最大限に引き出す
SPD●『繊細な料理』:調理方法、味付け、食材……。様々なものにこだわって食通でも唸る一品を作る
WIZ●『独創的な料理』:完成した、この世でたった一つの料理だ。初めてだがきっと喜んでくれるだろう…
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


宇賀神・麻樹
何か美味しそうな料理か。
いくつか用意してみるか。
豚バラ肉巻き卵の簡単ポトフに鶏肉とブロッコリーの簡単アヒージョ。とうもろこしたっぷりのカレーピラフ。チーズ入り照り焼きハンバーグ。たくさん用意してみたぞ。

足りなければいくらでもおかわりしてくれていい。量あるからな。
お腹がいっぱいになったなら、ヤマゴボー星人とパンダのハイバオについて島の人達に詳しく聞いてみる。強さはどのくらいなのか、彼らの目的は何なのか、分かる範囲でいい。
また、何か気になった事があれば教えて欲しいと頼んでみる。

UCのキュアミュージックが島民にも効果があるなら使用して体力回復にトライしてみる。効果ないなら無使用。


●美味しい料理に歌声を添えて
 時がゆったりと流れていそうな田舎っぽい集落の外れに、宇賀神・麻樹(音速のギタリスト・f29256)は現れた。
「はー、着いた着いた」
 やってきた世界はグリードオーシャン。降り立つ陸地は全て島だと言うが、海岸からは距離があるようで、麻樹の周囲に海は見えない。
 人の通行のために整地された一本道。起伏のある平原に藪や森。見渡せばそんなところだ。
 一人、大自然の中に放り出されたような恰好だが、そこはグリモア猟兵にしっかり導かれている。まだ経験の少ない麻樹だったが、不安を感じる要素はなかった。
 やるべきことは見えている。準備も入念にしてきた。
「……さっさと向かうか」
 両手にパンパンに膨らんだ袋を持ち、さらに背中のバッグにも。島民のために持てるだけの料理を持って、麻樹は集落へ入っていく。

 来訪客は珍しい。麻樹の姿を見つけ、島民が二、三、寄ってくる。
「おめぇさ……なんでまたこんなところへ……?」
 覇気がなく、顔が青白い。思ったよりも事態が深刻そうだったため、麻樹は即座に行動に出る。返事をするのもまどろっこしく、島民達が訝しそうに見つめる中、どさどさと荷物を地面に置いた。
「アンタら、満足にメシも食えてないんだろ? ほら、たっぷり持ってきてやったぜ!」
 器に入った調理済みの料理を半ば強引に、手当たり次第に押し付けていく。豚バラ肉巻き卵の簡単ポトフに鶏肉とブロッコリーの簡単アヒージョ、とうもろこしたっぷりのカレーピラフ。チーズ入り照り焼きハンバーグなどなど。ついでに割り箸やプラスチックのスプーンなども添えておいた。
「こ、これは……」
「俺はアンタらを助けに来たんだ。ああ、金なら要らないぜ? ま、ちょっとばかし、この島にいる『ヤツら』について聞きたいことはあるけどな」
「あ、ああ、そうかあ……しかしなあ……」
 麻樹は、まだどうにも煮え切らない島民達の態度が気になった。親切の押し売りで迷惑がられているのでは、という思いがふと頭を過ったが、手を付けぬまま不安そうに互いの顔を見合わせる様子で、ある結論に行き着いた。
 彼らは縛られているのだ。悪の掟に。笹ではないものを食べて、その後ひどい目に遭わされるのではないのか、と。
 ここにはゴボーやらパンダやらの姿はない。
(見えないところで食べる分には問題ないだろうに……それだけ深刻、ってことかよ)
 麻樹の心に怒りの炎がふっと生まれる。だが、今はまだその炎を育てる時ではない。目の前の事態の解決の一手、それは。
「あー……ヤツらのことなら心配ないぜ。俺や、後から来る俺の仲間が、ヤツらを絶対にぶっ潰す……必ずだ。その証拠に」
 麻樹はスゥっと大きく息を吸い込むと、突如アカペラで歌い出した。
 麻樹はKirschblüte(キルシュブリューテ)というバンドのギタリストだが、自身で作詞作曲もこなし、歌唱力がある。加えて猟兵の力、ユーベルコードを発動させれば、その歌は島民達に力と勇気を与えていく。
「おぉ……! おめぇさの歌、なんだか不思議と元気が出るぞ」
「あぁ、あいつらのことも何とかしてくれるなんて、なんてありがてぇ……!」
 口々に感謝の言葉を述べ、涙を流す者も出てきた。歌声につられて他の島民達も続々と集まってくる。
 そのうち、麻樹が渡した料理もパクパクと食べるようになった。
「うめぇ……うめぇなあ……何日ぶりだあ……!」
 美味しい料理を食し、また涙を流す。麻樹は確かな手ごたえを感じ、陰でガッツポーズを決めていた。
 心なしか血色も良くなったような島民達に、麻樹はこれから立ち向かうべき敵について聞いてみた。
「なあ、ヤツら……ヤマゴボー星人とパンダのハイバオってのは、何をしようとしてるんだ?」
「さぁなぁ……ここは集落と自然以外なーんもねぇ。何がしたいのかさっぱりだ」
「そう、か……ならもう一つ。ヤツら、強いのか?」
「ああ……オレらじゃ全然歯が立たん。その、ヤマゴボー星人だかってのは、数もうんと多いしなあ」
「あいつら、すげー硬ってぇんだぁ……でも、頭にある髪の毛みてーな茎の部分は、柔らかかった気がすんなぁ」
「ああ、頭に実がついてんだけんど、ゆらゆら揺れてるの、見たことある」
「へえ、なるほど」
 貴重な情報を得たな、と麻樹は心に留めておく。
「他にも何か思い出したことがあれば教えてくれ。さぁ、料理はまだまだあるぜ。おかわり自由だ!」
 麻樹は荷物がすっかり空になるまで、島民達に料理を振舞っていくのだった。
大成功 🔵🔵🔵

フェリリアンヌ・カステル
【POW】
わたくしの魔眼がここを指し示しているようですわ
「上手くいけば金儲けに繋がる」と!
それで、わたくしは一体なにをすれば……料理ですの?

あら……あらあらあら。困りましたわね
わたくし、料理を作ろうとするとなぜか毎回暗黒物質が生まれてしまいますの

ここは発想の転換ですわ。わたくしが作れないのなら皆様に作らせればいいのです
バーベキューセットを持ち込み、皆様と一緒にBBQですわ
肉厚なサーロインに、色とりどりの野菜! 魚介類もありましてよ!
ついでにマシュマロも用意しましたわ

今後もバーベキューがしたくなったら商人フェリリアンヌに取り次いでくださいまし!(ウインク)

※アドリブ描写&他PCとの絡み歓迎


●目利きの商人
 金あるところにこの商人あり。フェリリアンヌ・カステル(怪奇人間の冒険商人・f26579)が集落を訪れていた。
 一目見ただけでわかる。質素な集落だ。富をたんまり貯め込んでいるようには見えないが――商人にとって財とは現物の金銭のみにあらず。
 そう、これは未来への投資。この場所で築いた人との繋がりが、巡り巡って財を成す。
「わたくしの魔眼に狂いはありませんわ……ここで上手くいけば、きっと金儲けに繋がりますわ!」
 フェリリアンヌの信念は揺るがない。今回の作戦内容にはいくらか懸念もあったが、そこは秘策を用意してある。
「では、参りましょう」
 大きな荷物を運び、フェリリアンヌは島民達の元へ行く。


 島民達の元に着くなり、フェリリアンヌは荷物を解体、開けた場所でガシャガシャと道具のセッティングを始めた。
「のぅ……何をしてるんだぁ?」
 フェリリアンヌが取り出す物は島民達にとって見慣れないものばかり。恐る恐る近づき、声を掛けてくる。
「これはバーベキューセット……皆様と一緒にバーベキューという料理を作るためのものですわ」
 自信ありげな表情で島民達に説明するフェリリアンヌ。これこそが秘策だ。
 というのも、フェリリアンヌは料理が得意ではない。グリモア猟兵から話を聞いた時は頭を悩ませたものだ。
(わたくしが料理を作ろうとすると『なぜか』毎回暗黒物質が生まれてしまって……それでは島の皆様に喜んでいただけませんわ。でも、これなら)
 そう、自分で作ってダメなら、島民達に作らせればいい。今回の作戦は島民達に料理を食べさせて癒せればよく、それを『誰が作ったか』までは重要ではないのだから。
「準備ができましたわ!」
「準備ができたって言ってもなぁ……これ……」
「使い方がわからなければ教えて差し上げますわ! さぁ皆様、こちらへ!」
 フェリリアンヌは島民達を呼び集め、バーベキューセットの使い方、そしてバーベキューの作り方を教え始めた。
 そこは商人。島民が見たこともないものを簡潔に教えるのが上手かった。
 いくら優れた道具でも、その良さを伝えられなければ客に買ってもらえない。商品の売り込みにも長けていなければ商売は成り立たないのだ。
 商人の経験を活かし、フェリリアンヌはバーベキューの魅力を存分に伝えていた。最初は話半分、という風に聞いていた島民達の目が次第に輝いていくのがよくわかった。
「そんなウマいんかぁ……なら、やってみるかぁ」
「是非どうぞですわ! 材料も肉に魚に野菜に、存分に取り揃えていますわ!」
 一押し肉厚なサーロインに、野菜も色とりどりに揃えてある。魚介類も鮮度は抜群だ。島民達は各々好みの物を手に取り、串に刺し、火に当てる。
 じゅわぁ、じゅわぁと肉や魚が焼け、香ばしい匂いが漂ってくる。野菜はじっくり炙る者もいれば、空腹に耐えかね生のまま食べる者もいた。人それぞれ違った楽しみ方ができるのも、バーベキューの良いところだ。
「うめぇなぁ、このバーベキューってのは……!」
「あぁ、それに、料理ってこんなに楽しかったんだなぁ!」
 笹しか食べることができなかったため、台所に立つ機会もほとんどなくなっていた。料理の楽しさを思い出し、島民達に笑みが広がっていく。
 フェリリアンヌのバーベキューはこれに終わらない。
「皆様、デザートも用意してありますわ!」
 取り出したのは白くてふわふわ、マシュマロだった。これまた、島民達とは縁がない物だ。
「そのままでも十分美味しいのですけど……これをこうして」
 一つつまんで串に刺し、慎重に火を当てていく。少し経つと表面がほんのりカラメル色に変わっていく。
「このくらいでいいですわね……さぁ、見ててくださいまし」
 デモンストレーションに、まずはフェリリアンヌが自身で食べてみせる。端を噛み、焼けたマシュマロをゆっくりと口から離していくと、にゅ~っとマシュマロがとろけて伸びた。
「おぉ、すっごいもんだぁ!」
「父ちゃん! あれやりたい!」
「ふふふ、楽しいですわよ?」
 様変わりしたマシュマロに子供達も興味を持った。甘いマシュマロを見て、焼いて、食べて存分に楽しんでいく。いつしか笑い声が上がるようにもなり、島民達に活気が溢れてきた。
「こんなの、初めてだぁ。ほんと、ありがとう」
「礼には及びませんわよ。今後もバーベキューがしたくなったら、商人フェリリアンヌに取り次いでくださいまし!」
 パッチリとウインクを決めてみせるフェリリアンヌ。猟兵としても商人としても、今回の作戦は上々の結果だった。
大成功 🔵🔵🔵

大神・狼煙
ロクに飯も食えないとは……

貧民街育ち故に、共感して涙がぶわっ……

つっても、ハイカロリーや濃厚な味だと内臓が拒否反応する可能性もあるし、ここは雑炊かな?

米を煮込んだら味噌と醤油で味をつけて、バターを溶かし込みながら椎茸、シメジ、舞茸をちぎっていれつつ鮭のほぐし身を投入

ゆっくり煮詰めて米がふんわりしたら完成


敵の情報としては、やはりパンダについて聞いておきますか

パンダって確か雑食性で、笹のみならず、肉、魚も食べてたはずですけど……この島のパンダ、笹しか食べないんですか?

内臓も肉食動物のそれなのに?

しかも配下はゴボウ?

そのゴボウの連中、旬を迎えてますか?これからの季節、煮物が旬になりますからね……


●狼煙のお手製雑炊
「白い米も食えねぇで、こんな味気の無い笹ばかり……もう、こんな生活耐えられね……」
「だなあ……なんにもする気起きねぇ……」
 無気力な会話だ。コンキスタドールの掟は島民達の体も心も蝕んでいる。
「ロクに飯も食えないとは……くぅぅ、その辛さ、よくわかりますよ……!」
 大神・狼煙(コーヒー味・f06108)は人目も憚らず涙していた。彼自身、貧民街育ち故、空腹がどれほど耐え難いことかは身を以って知っていた。
 砂埃に塗れ、一欠片のパンが手の中にあることにこの上ない喜びを覚え――今は小さな喫茶店を経営しているが、訪れる客には何一つ不自由なく、一時の幸せな時間を噛み締めてほしいとも思う。
「……んぁ? どした、兄ちゃん」
「泣くでねぇ、泣くでねぇよ」
「そんな……自分達も辛いのに、見ず知らずの人間を気に掛けるなんて……!」
 元々人と人とが助け合うようにして生きてきたコミュニティだ。その輪の中に入れば皆同じなのだろう。
 感極まった狼煙は、腕を振るい、最高の料理を作り届けることを心に決めた。

 知り合ったついでに、すぐ近くだと言う男の家の台所を借りた。薄ら被った埃を払い、気を引き締める。
「さて、何を作るか……つっても、ハイカロリーや濃厚な味だと内臓が拒否反応する可能性もあるし……」
 胃や腸の働きが普段より弱っている可能性は大いにあった。そんな体にも優しい料理は。
「ここは雑炊かな? 色んな物を放り込めるし、何より量を作りやすい」
 荷物から使う材料と調理器具をいくつか取り出し、それからもう一つ、前準備として火を起こす必要があった。
 ツマミを一捻りすれば火がつく文明の利器はこの島には無い。慣れない火打石の扱いにてこずりながらも何とか火が起きた。
 冷たい井戸水を鍋で火にかけ、その間に米を研ぐ。水が沸騰してきたところで米を投入し、程よく熱が入ったところに味噌と醤油で味をつけていった。
 島民達にも馴染みの味付け。そこへバターの風味を加え、味わいに深みを与えていく。
 一通りの味付けが終わり、今度は具材。椎茸、シメジ、舞茸は一口サイズに、乱雑にちぎって入れた。
 そして最後に鮭のほぐし身を容器からぱらぱらと満遍なく鍋に加えて、もう一煮込み。
 出来上がるまでに、狼煙は使わせてもらった台所の片付けに入る。
 事件を終わらせた暁には、綺麗な台所をまた使ってもらえるように。そんな願いも込めて。
 「……そろそろかな」
 やることもなくなり、狼煙は鍋の蓋を開けてみた。米はよく火が通りふんわりと。湯気が立ち昇り、いい香りが鼻腔をくすぐる。
「……よし、完成です」

 炊き出しのような形で、狼煙は雑炊を振舞う場所と整えた。風に乗って流れる香りにつられ、台所を貸してくれた男を含め島民達がぞろぞろと集まってくる。
「量はありますからね。順番にお願いしますよ」
 我先に、と殺到してもおかしくない状態ながら、島民はきちんと一列に並んでいた。狼煙は碗についだ雑炊を一人ずつ優しく手渡していく。
「はぁぁ……生き返るべ……」
「温けぇ……身に染みるなぁ……」
 一口、雑炊を食べた島民達は皆、がつがつと一心不乱に雑炊を掻き込み、腹を満たしている。餓えていたから、だけではない。そこには狼煙の、島民達を救いたいという気持ちもあったからこそ、その味は島民達の体に染みた。
「兄ちゃん、ありがとう、ありがとう……こんなうめぇもん食わしてもらって」
「いえいえ、口に合ったのなら何よりです。……ところで、この島をこんな状態にしているパンダについてですが」
「ああ、何でも聞いてくれや。俺らにわかることだったら教えるべ」
 狼煙の雑炊に満たされた島民達は心底好意的だ。
「パンダって確か雑食性で、笹のみならず、肉、魚も食べてたはずですけど……この島のパンダ、笹しか食べないんですか?」
「どうだかなあ……おめぇ、あのパンダが何か食べてるとこ、見たことあっか?」
「いんや、ねぇなぁ……ここらに来る時は大概笹持ってっけど、あれも別に自分が食べるために持ってるわけじゃねぇみてぇだし」
「だなぁ……俺らを叩くか、口に突っ込んでくるかのどちらかだもんなぁ」
 島民達はそれぞれの記憶を辿りながら、パンダについての情報を出していく。
「なるほど……ということは、そもそも『パンダが何か食べるところを見たことがない』というわけですか」
「そうなるなぁ。でも、魚は食べてねぇかもなあ。あのパンダ、ちょっと山のほうにいった笹薮のほうに住んでっけど、あの辺りは川も流れてねぇしなぁ」
「そうなんですか?」
「あぁ。住処を直接見たわけじゃねぇけど、あの近くには仲間のゴボウもわんさかいるし、まちげぇねぇよ」
 敵のアジト、とも言うべき場所が、ひょんなところから転がってきた。これは一つ、今後の戦いに役立つかもしれない。
「ふむ……そういえば、その配下のゴボウなんですが……旬を迎えてますか?」
「旬? いやぁ、どうだか……手足生えたゴボウだしなぁ……」
「そもそも食えんのかぁ……? ま、腹壊したら俺らが看病してやっから、何でも試してみればいい。『男は度胸』って言うしなぁ」
「度胸試しでも手足生えたゴボウかじるのは、俺は勘弁だぁ!」
 狼狽える男の様子に、どっと笑い声が起きた。雑炊でいつしか、笑う元気を取り戻していた。

 果たして件のゴボウ、もといヤマゴボー星人は旬か否か――狼煙の楽しみが一つ増えたようだった。
大成功 🔵🔵🔵

八岐・剛牙(サポート)
 竜神の悪霊×神器遣い、42歳のおっさんです。
 普段の口調は「気さくなおっさん(おら、お前さん、だ、だべ、だべさ、だべ?)
真剣な時は 竜神(我、お主、言い捨て)」です。

 日常・冒険では気さくな感じで一般人に話しかけたり、コミカルな感じな行動をとります。
 集団戦・ボス戦では竜神口調となり竜神の威厳を見せながら前衛に立ち、敵に神罰を下すと言う気持ちで敵と戦います
両肩、両手、両足、尻尾に有る竜の頭はコブみたいな物でユーベルコードを使うと八岐大蛇の本能が解放されて手足の様に操る事が出来ます。


●生きる力は笑いから
 肩を落とし、項垂れて座り込む男がいた。掟に締め上げられ、満足に食事ができていないのだから当然だ。弱った心を侵食していく闇が曲がった体から染み出ているようで、男の存在に一層の影を落としている。
「お前さん、どうしたべ?」
 そこへ現れたのが八岐・剛牙(竜神の悪霊・f28093)だった。肉付きのいい体をどーんと男の横に落とす。
「どうもこうもねえ……。腹が減りすぎて、なーんもできねぇよ……こんなんがずっと続くんなら……はは、もう死んじまうしかねぇか……?」
「おいおい、死ぬなんて変なこと言うんじゃねぇ。死んじまったら、それこそ奴らの思うつぼだべ」
「でもなぁ……」
 気持ちがどん底に沈んでいる男は一つ言葉を吐き終える度に大きなため息を漏らす。
 さりげなく男の状態を聞き出していた剛牙だが、ここの島民とはまるでかけ離れた外見にも関わらず、するりと男の間合いに入り、違和感なく会話している。剛牙の元々の口調もあり、島民達にとっても親しみやすいキャラクターをしていた。
 沈黙がややあった。言葉を継がない男を待ちながら、剛牙は他の島民達の様子にも目を向ける。
 未だ、下を向いている者達がいる。皆、一様に影の世界にいるようだった。
(腹を満たせばいいってもんでもねぇべなぁ……よし、ここはいっちょおらが)
 剛牙を始め、猟兵達は島民達に料理を振舞うことで元気づけ、元凶となるコンキスタドールを倒す、というところまでが今回の作戦となる。所謂アフターケアには関わらないため、コンキスタドールが消えた後の生活は島民達が自分で取り戻していかなければならない。
 中には、今の状況を引きずってしまう者も出るかもしれない。そうした者を一人でも減らすため、剛牙は動いた。
 転がっていた笹を拾う。島民達が食べずに捨てたものだろう。
(ははぁ……これは、酒のつまみにもならねぇべ)
 主食とするなど言わずもがな、である。
「お前さん、ちょっとおらのこと見てるべ」
 男に声をかけ、剛牙は笹を自分の頭上に放った。
「よっ、ほっ」
 ほぼ垂直に跳んだ笹を、剛牙は自分の額の上に立てた。ゆらゆらと揺れる笹を、バランスをうまく取りながらキープする。
「おぉ、やるなぁ」
 男は顔を上げ、剛牙の芸の最初の客になっていた。
「まだまだ、こんなもんじゃねぇべ。よっ……そらっ」
 剛牙は首を上に振って笹を飛ばし、今度は出っ張った自分の腹の上に立てた。ぽよんと小さく跳ねたところを捉え、器用に腹の上に立てバランスを取る。よたよたと動きながらも笹は落とさない。
「……ははっ、なーにやってるさおめぇ、器用にも程があるべさぁ」
 腹で笹を受け止める、という剛牙の珍技に男は思わず吹き出していた。
 笑う、という行動は、男の中に眠っていた生きるエネルギーを湧き上がらせた。たった一つ笑っただけで、男が色を取り戻しているのがよくわかった。
「あんれまぁ、よく肥えた腹だぁ! 凄いねえ」
「おじちゃん、面白い!」
 道中で披露した腹芸に、他の島民達が集まってきた。皆、元気を失っていた者達だが、剛牙の芸に声を出さずにはいられない。
 そうして、剛牙は島民達の中に眠る生きる力を蘇らせることに成功していた。
 島民達の様子に変化が出たことを確認した剛牙は、腹の上の笹をぽんと跳ね上げ手でキャッチ、一芸披露を終えて、改めて声を掛ける。
「皆、何か腹に入れたくなってきたんじゃねぇべか?」
「そういえば……腹減ったなぁ」
「辛すぎて、腹が減ってるのも忘れてたあ」
「腹が減ってるのを忘れたら、それこそ死んじまうべ。ようし、おらがとっておきを出してやるべ」
 剛牙が島民達に配って歩いたのは味の染みた牛肉が白米に乗った――そう、牛丼だった。
「どこかの世界じゃ、早くて安くて旨いって評判だべ。さぁ、食え食え」
 剛牙に勧められ、島民は牛丼を口に運ぶ。
「うめぇ……。これが、生きてるってことだよなぁ」
「んだ。人間、笹食って生きんのは無理だあ」
 口々に話しながら牛丼を食べ、そして人間であることの意味を取り戻していく島民達。島民達に纏わりついていた影は、島民達自身の生きる力によって払われていく。
「ありがとうなあ。これ食べたら、ここで負けちゃいけねぇ、って気持ちになったべ」
「そりゃあよかっただ。お前さんやこの島にいる人には、おら達がついてる。皆で、奴らに勝つんだべ」
 島民達が元気になった姿が、次は剛牙を含め、猟兵達の力になる。


 猟兵達は次の戦いへ。コンキスタドールとの直接対決だ。
成功 🔵🔵🔴


第2章 集団戦 『ヤマゴボー星人』

POW ●大地の加護(ゴボー・ホリ)
非戦闘行為に没頭している間、自身の【周囲の時間の流れ】が【緩やかになり】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
SPD ●大地の民の祭(ゴンボ・ヌキ)
技能名「【ダッシュ】【逃げ足】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
WIZ ●大いなる大地の恵み(ヤマゴボー・ヨーシュ)
【紫色の果実】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を紫色に染め】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ヤマゴボー星人とは
 ヤマゴボー星人。彼らは時に尖兵となり、時には防衛部隊となって、パンダのハイバオに従っている。
 ハイバオが拠点とする笹薮にいる間は、敵を近づけぬよう笹薮の周囲の警戒に当たっていた。
「敵の姿は発見次第報告するのですぞー!!」
 声を上げ、気を引き締めるヤマゴボー星人。ハイバオを討つには、彼らのガードを突破しなければならない。
 幸い、島民達の情報から、猟兵達にとって有利な状況も生まれている。
 一つ、頭の茎部分は柔らかい。そこを狙えば、攻撃はいくらか通りやすいはずだ。
 そしてもう一つ、相手の拠点の話から、ヤマゴボー星人の防衛範囲に関する情報がもたらされた。これを念頭に置けば、猟兵達の行動が先に気づかれ、作戦が失敗に終わることはないはずだ。
 島を苦しめる元凶を叩くため、猟兵達よ、いざ行かん――。
宇賀神・麻樹
ヤマゴボー星人のいそうな場所を探し見つけたら、問答無用で戦闘開始。彼らの柔らかいところを狙って攻撃する。ある程度弱ってきたら、パンダの事について聞いてみる。弱点とか目的とか聞き出せそうなことを尋ねてみる。答えを聞き出せればヨシ、聞き出せなければ仕方ない。その場合は有無を言わさず剣の舞で串刺しだ。

ヤマゴボー星人を攻撃して、島民達を守るように動く。ヤマゴボー星人について何か知ってる島民がいないか尋ねてみる。ただのパンダの手下でわらわら攻撃してくるだけか、何か役割持ちなのか。まあ、どの道倒す事に変わりはないんだが。前回頭に実があると聞いたのでそこを重点的に攻撃。

◆アドリブ・絡み歓迎


●所詮、標的の価値しかなかった
 コンキスタドールの拠点、それは笹薮だった。
 そこへ赴く猟兵達。ヤマゴボー星人は防衛に当たっており、その姿は容易に発見できた。
「アンタらはここまでだ。これ以上近づくと、戦いに巻き込まれるぜ」
 麻樹は数人の島民達に声を掛け静止する。猟兵達のために、と道案内を買って出てくれた者達だ。
「わ、わかった」
 島民達は麻樹の言葉に従い、その場で立ち止まる。
「あのヤマゴボー星人、何か役割でもあんのか……?」
 それぞれがただの一個体であれば片っ端から倒せばよい。逆に、もし何らかの役割があるのであれば、その役割が重い個体――すなわちリーダー格を叩くことで瓦解する。
 戦闘方針が変わってくるのだ。気にかかるところだったが、
「それは、わかんねぇな……皆、同じに見えるもんなぁ」
 色よい返事は得られなかった。
 相手は一般人。目ぼしい情報を持っていなくても、仕方がないと割り切るしかない。
 麻樹は気持ちを切り替える。
「……ま、どの道倒すんだ。リーダーがいようがいまいが、関係ねぇ」
 麻樹はニヤリと笑い、ヤマゴボー星人へと突っ走った。

「……! 敵ですぞ!」
 警戒に当たるヤマゴボー星人が声を上げる。他のヤマゴボー星人達も麻樹の存在に気づき集まってきた。
「ハッ、テメェらの弱点は割れてんだよ!」
 麻樹は右腕を突き出し、開いた手のひらから力の効果範囲を導き出す。
「こんだけ集まりゃ十分! 天より来る剣よ! 汝の敵を打ち払え!!」
 力強く叫ぶ。麻樹に半径63メートルの円陣が地面に描かれた。そこに召喚され浮かんだのは両刃の魔法剣。それらはまるで意志を持つかのように円陣内部をくるくるひゅんひゅん、ワルツでも踊るかのように舞いだした。
 刃の軌道は幾何学模様を複雑に描く。その中でも麻樹の意思を反映し、わずか数センチほどしかないヤマゴボー星人の頭上の茎をザクリ、ザクリと的確に斬り落としていた。
「おほおぉぉぉ!! それは! それはダメですぞぉぉぉ……」
 茎を失ったヤマゴボー星人は白目を剥いて奇怪な悲鳴を上げる。やがてへなへなと倒れ、動かなくなった。
 白い地肌を晒すヤマゴボー星人がそこかしこに転がっていた。乱舞する魔法剣を掻い潜って麻樹に接近するのは容易ではない。
「大地の力、ナメてはいけませんぞー!!」
 後方に控えていたヤマゴボー星人達が麻樹の攻撃範囲に足を踏み入れてきた。皆、一様に頭を振り、紫色の果実に勢いを与えていた。
「いきますぞー! ヤマゴボー・ヨー――」
「その話も聞いてんだよなあ!」
 ヤマゴボー星人達の動きが攻撃の準備行動であることは予想がついた。麻樹は自ら接近してヤマゴボー星人達を濃密な刃の嵐に呑み込んだ。
 掻っ切られた紫色の果実から汁が飛散する。果実と同じ紫色の汁は、広く範囲を染めればそれがヤマゴボー星人達の拠点となるが、飛沫はまばらで十分な効果を発揮できていない。
 故に、麻樹に一気に押し戻され、特攻も失敗に終わった。
 両腕、両足を魔法剣で地面に固定された、何とも無残な姿のヤマゴボー星人達に麻樹は問う。
「おい、テメェらの親玉のパンダ、そいつの目的は何だ?」
「も、目的……ですぞ? そんなの、敵であるあなたに言うわけありませんぞ……!」
 たとえ四肢をもがれようとも絶対の忠誠はハイバオに。敵ながら天晴な奴だった。
 これ以上何を聞いても答えは同じだろうと判断し、麻樹は問いかけをそこで切り上げる。
「……そうかい。ま、期待しちゃいねぇ。さっさと死にな」
 麻樹は新たなヤマゴボー星人達を倒しに向かう。その後ろで、地面に磔にされたヤマゴボー星人達を魔法剣の雨が串刺しにした。
大成功 🔵🔵🔵

フェリリアンヌ・カステル
あの人たちの笑顔を守りたいという気持ちが半分、さもしい金欲が半分……なんて、ね
さぁ、行きましょうか

敵の大体の位置は把握済みですのよね?
でしたら新技を試してみましょうか
笹薮に紛れてひっそり近づき、発見される前に【ナイトエンド・スノーフレーク】を使いますわ
暗闇の中、逃げ惑うゴボウたちを一方的に狩らせていただきます
うふふ。今日は魔眼の調子が良いみたいですわね
わたくしが求めているもの――あなたたちの居場所も、はっきりと分かりますわ
便利な眼でしょう?

……このゴボウもなにかの商売に使えないかと思っていましたが
うーん、悩ましいですわね
保留としておきましょうか

※アドリブ描写&他PCとの絡み歓迎


●求むるものは今ここに
 猟兵が世界を渡り人々を救う理由は千差万別。
 ただ、人を救いたいと願う者もいる。ただ、強い敵と拳を、刃を交えたいと求める者もいる。
 利他的でも、利己的でも、何でもよいのだ。
 さて、フェリリアンヌはと言うと。
「あの人たちの笑顔を守りたいという気持ちが半分、さもしい金欲が半分……なんて、ね」
 悪戯っぽい笑みを浮かべる。人の幸せを切に願い、そして自分に正直だった。

 島民達の情報から敵の位置は割れている。まさしく、その通りの場所に群れていた。
「せっかくですし、新技を試してみましょうか」
 新しい試みはリスクがつきものだが、情報戦で利を得ている。ならばちょっとの冒険をして使ってみようということだ。
 笹薮は広範囲に広がっている。広大で優秀な拠点になり得そうではあったが、それはどこかに『穴』が開くリスクも伴う。フェリリアンヌはヤマゴボー星人達の視界から漏れた笹薮の端から侵入し、接近を試みる。
 距離が詰まり、ヤマゴボー星人達の姿が次第に大きくなる。近づきすぎて発見されては元も子もない。フェリリアンヌは機を見定めた。
『そして、全ては闇に閉ざされて――』
 反響するようにフェリリアンヌの声は広がった。笹薮の内に、外に、空間を包み込むように「暗」の魔力を含有した雪華が降った。
「……!? 敵襲なのですか!? これでは見えませんぞ!!」
 一切の光が存在しない暗闇だ。ヤマゴボー星人達はフェリリアンヌの姿はおろか、自分の手さえも見ることができない。
 一度体の向きを変えてしまうと、完全に方向感覚が失われてしまう。どこまで続くかも一切わからない闇の中。無暗に足を踏み出せば、奈落の底まで落ちそうな感覚に囚われていた。
 故に、ヤマゴボー星人達はただ立ち尽くすしかない。恐怖に縛られた心では、一つ足を踏み出すこともままならないのだ。
 そんな無限の闇に刃が伸びた。「暗」と「冷」の魔力を宿す魔剣『ディープ・ブルー』。ザクリと一太刀。
「ぎゃああああ!!!」
 無の中で刻まれたヤマゴボー星人達が悲鳴を上げた。それが一層恐怖を掻き立てる。
「な、な、な、何が起こっているですぞ!?」
「うふふ……知りたいのでしたら、お教えして差し上げましょう」
 暗闇の中をすいすいと、日の下にいるかのようにフェリリアンヌは進んでいた。この暗闇において、フェリリアンヌも金色の双眸は機能しないが――彼女には第三の眼というものが存在する。
 自らが求めるものの在処を示す魔眼――暗闇を凌駕し、フェリリアンヌが今、最も求める敵の姿を鮮明に映し出す。
「今日は魔眼の調子が良いみたいですわね」
 ヤマゴボー星人達の存在が輝いていた。声の振動までもが薄ら透けて見える。
 真実を知りたがっていたヤマゴボー星人を見つけ、丁寧に真正面へ立つと、ひゅっ、と撫でるように魔剣を下ろした。
「あぎゃあぁぁ! これは……斬られてます……ぞ……」
 細い円筒状の体は倒れた後、わずかに転がっていた。命を奪われた体はもうフェリリアンヌが求めるものではなく、ふっ、と第三の眼の視界から消える。
 余計なものを綺麗に取り除いてくれるあたり、実に便利なものである。
(……このゴボウもなにかの商売に使えないかと思っていましたが)
 ざくざくとヤマゴボー星人を刻みながら考えを巡らせる。標的が全く動く気配なく、討伐は片手間で事足りた。
 ヤマゴボー星人はヤマゴボーであり、星人だった。星人がいささか余計にも見える。
(うーん、悩ましいですわね……保留としておきましょうか)
 ひとまずの結論に到達したその瞬間も、フェリリアンヌはざくりとやっていた。
大成功 🔵🔵🔵

火土金水・明
「それでは、防衛にあたっている相手から倒していきましょうか。」「このゴボウは食用に転化できればいいのですけど。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃方法は、【高速詠唱】で【破魔】と【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【全力魔法】の【コキュートス・ブリザード】を【範囲攻撃】にして、『ヤマゴボー星人』達を纏めて【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでもダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。


●魔術師、謙虚に顕現す
「なるほど、もう一押し、というところですか。それでは、防衛にあたっている相手から倒していきましょう」
 戦地に新たな猟兵、火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)が姿を現した。戦況をものの数秒で把握し、自らがすべきことを的確に判断する。
 迎撃と防衛。ヤマゴボー星人のほとんどはそのどちらかに就いている。そして防衛布陣は猟兵達の出現を受けて、より濃密になりつつあった。
 削らねば強固な壁となる。明は動く。交戦の間を縫って布陣の中核を目指した。
「一人、抜けていきましたぞ!」
「わかっておりますぞ!」
 猟兵達と衝突しているヤマゴボー星人には明を止められない。後方にいる防衛戦力へ託していた。
「我、求めるは――」
「……!! させませんぞー!!」
 手をかざし、詠唱を始める明へ、即座に反応したヤマゴボー星人が頭の茎についた紫色の果実を振り飛ばした。房になった果実は剛速球の如く空気の壁を突き破る。
「――」
 明の詠唱は止まら――いや、止まった。詠唱速度と攻撃速度、スピード勝負に見えた攻防は突然の中断を見た。
 止まらないのはヤマゴボー星人の攻撃であった。水平軌道で飛来する果実は予定通り明へ着弾、と思われたが、その色を弾けさせることなく陽炎のように揺らいだ明の体を突き抜けた。
「残念、それは残像です」
 明の実像が果実の軌道の真横に出現した。詠唱のフェイントをかけ、ヤマゴボー星人の攻撃を誘発し、回避。攻撃直後の隙を突き――。
『我、求めるは、冷たき力』
 再度の詠唱が一瞬にして完成し、一面に氷の矢が降った。明を中心に魔力を極限まで濃縮された絶対零度の氷雨矢がヤマゴボー星人の芯に突き刺さる。
「うごっほほおぉぉ!!」
 頭の茎を貫き脳天へ矢が突き刺さったヤマゴボー星人は奇天烈な断末魔を残していた。
 一矢必殺の超魔法はさらに倍化の悪夢を見せた。ヤマゴボー星人を射抜き倒すに留まらず、地表へ氷床を広げる。
 氷床は時にヤマゴボー星人を蝕んだ。またある時は地面に付着した果汁を覆い、ヤマゴボー星人達の地の利を奪う。
 矢はさらに迎撃陣営をも巻き込んで、猟兵達の侵攻をさらに勢いづける一手となる。
「少しでもダメージを多く与えて……次の方に繋がれば」
 明の思いは、確実に猟兵達の勝利の礎となった。
大成功 🔵🔵🔵

大神・狼煙
ヒャッハーゴボー狩だぁ!!

どこからともなく取り出したチェーンソーを振り回し、真正面から突っ込んでいく暴挙

敵陣の位置、捜索範囲には見当がつくのなら、自分が発見されるであろう位置も分かる

索敵範囲ギリギリの位置で騒ぎ立てて、敵の注意を引きつけたらその背後に呼び出した戦闘機からナパーム弾を投下

笹藪を焼き払う

さて、近くに水辺はないんでしたね?

あなた方の親分はどうなってますかね?

あからさまな挑発で焼けた藪へ救助に向かい、自ら焼きゴボウになるならよし

消火のために水汲みを始めたなら、その列に沿って戦闘機から絨毯爆撃

後々についても、笹や竹は地下で全部繋がってるから、一部焼け残れば十分


拠点が割れるって大変ですねぇ


●笹薮焼けて山河なし
「ヒャッハーゴボー狩だぁ!!」
 狼煙は世紀末な奇声を発していた。手にはけたたましく唸るチェーンソー。滅多矢鱈に振り回しながらヤマゴボー星人達の群れへ真正面から突っ込んでいく。
 自らの位置を知らせるように騒ぎ立てての特攻など暴挙に等しい。誰もがそう思う。現にヤマゴボー星人達もそう思った。
「まだいましたぞ! あそこに見える人影は、まさしく敵ですぞー!!」
 武器を手に喚き散らしているのだ。敵ではなくて何であろうか。狼煙を敵と認めたヤマゴボー星人達は物凄い速さで近づいてきた。
 策略通りに集まってくるヤマゴボー星人達を前に、狼煙はほくそ笑む。
 ヤマゴボー星人達とは可能な限りの距離を取った。それこそ、狼煙の存在が確認できるかどうかというギリギリのラインまで。黙っていればカカシと間違われていたかもしれないが、騒いだことで自分を発見させた。
 ヤマゴボー星人達が狼煙の元に辿り着くまでの時間、それが狼煙に与えられた猶予だ。ならば、距離は取れるだけ取ったほうがいい。
「あなた方の親分は、随分とこの島の人々をいじめていたようですねぇ……」
 眼鏡の奥の瞳が、細く鋭く吊り上がる。
『逃すわけねぇだろうがよ……!』
 うぅぉん! エンジン音が遠のいていた。二つの翼を持つ影がヤマゴボー星人達を越え、笹薮へ向かっていた。
 ひゅるる……真っ黒な物体が、影の主――戦闘機から投下された。
 ぶぉおん! マグマのような真っ赤な爆煙が笹薮の中で一気に膨らみ破裂した。ハリウッドのアクション映画でも類を見ないような爆薬量だ。笹薮は火の海に呑まれ、炎は勢いを増して拡散していく。
「あわわわわ! 何をするですぞー!?」
 振り返ったヤマゴボー星人達は煌々と燃え上がる笹薮を目の当たりにし、血の気が引いたような反応を見せた。狼煙へ背を向け燃え盛る笹薮へ引き返そうとする。
「おっと、これでは笹薮が燃えてしまいますね。さて、水は……そういえば、こんな話を聞きましたよ。この辺りに、川は流れてないと」
「そ、そんなことどうでもいいから早く助けないとですぞー!?」
 狼煙の挑発もまともに聞けないほどにヤマゴボー星人達は狼狽していた。主を思うヤマゴボー星人達は次々に炎の中に飛び込み、炭になる。
「我々まで燃えてしまってはどうしようもないですぞ! 水! 水を!!」
 パニック状態の中でも少し頭が回るヤマゴボー星人がどこかへ水を求めようとしていた。それに続けと追いかけるヤマゴボー星人達を、さらに狼煙の戦闘機が追っていた。
 一列に並んだヤマゴボー星人達をバパラ、バパララと機銃の砲火で一掃していく。
「これで親玉まで一掃できていれば万々歳ですが……それはさすがに高望みというものですかね……それにしても」
 狼煙はぷすぷすと煙を上げる、かつてヤマゴボー星人だった炭片を見遣る。
「拠点が割れるって大変ですねぇ」
 うそぶく狼煙の姿はティータイムでも始めるかのように優雅だった。
大成功 🔵🔵🔵


第3章 ボス戦 『のんびりパンダのハイバオ』

POW ●てしっ
単純で重い【もふもふ前足】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD ●もぐもぐ
【噛みつき】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【習性と味】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ ●もふもふ
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【パンダのぬいぐるみ】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ケルスティン・フレデリクションです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●のんびりしてたら結構燃えた
 笹薮は無残に焼かれていた。それでも、どうにかこうにか鎮火させたことでごく一部、火災を免れていたようだった。
「あーもう、ひどいなー」
 どす、どすと巨体を揺らしてやってきたのはこの島のコンキスタドールの主、のんびりパンダのハイバオだった。
 ハイバオの白黒の体はやや黒色の面積が多かった。地毛のみならず、白毛が煤けてみすぼらしく変色していた。
 笹薮の鎮火に動いていたのもまた、ハイバオだ。そのせいでいくらか余計な体力を消耗してしまっている。
「僕の住処をこんなにしてー……許さないぞー」
 マスコットのようなほんわかした存在だが……体から滲み出る邪悪なオーラはまだ消えていなかった。
宇賀神・麻樹
パンダを探して笹薮の中を進む。結構燃えてしまってるみたいなので、足元に注意して進む。
「パンダ怒り狂ってないといいんだがな。」
自分の餌なのか島民達の餌なのか、どちらにしても重要な笹薮がここまで燃えてしまっては普通怒る。焼けてない辺りを重点的に探して見つけたら
「お前が親玉だな、覚悟しろ!」
と攻撃に移る。剣の舞を重点的に使用。パンダに剣の舞を降らせる。
もし他の猟兵が同行していたら、共に戦ってパンダを弱らせていく。体力が少し消耗しているようなのでユーベルコードは惜しみなく使う。
「お前の目的は何だ?」
聞いた所で手加減はしないが一応聞いてみる。答えがあるならヨシ、ないならただ倒すのみ。

アドリブ・絡み歓迎


大神・狼煙
でやがったな熊と猫のキマイラ野郎!!

雑食性が草食気取りやがって!

食い殺してやるずぇえ!!


ヒャッハー民アピールして挑発しつつ、敵のUCに合わせて飛びかかる

パンダはあまり二足歩行しない以上、パンダパンチは猫パンチ風のフックか、叩き下ろす一撃のはず

放たれた瞬間に飛んでくる拳に突っ込み、すり抜けて獣毛を掴み、入れ替わるようにして背後をとる

狙うは首だが、剛毛に阻まれるなら耳を喰いちぎり、後続の猟兵に繋ぐ

叶うなら、UCをもう一発地面に向けて空打ちさせたい

一撃目で地形が破壊されるぶん、もう一発撃たせてならしておけば、続く猟兵も戦いやすい……はず?

最後は反撃を喰らう前に首をへし折るか、頭を蹴り飛ばして離脱


●毟られて齧られて貫かれて
 地面には笹炭が広がっていた。踏めばパキリと音がして若干ではあるが、荷重バランスが崩れる。
 麻樹は足元に注意しつつ、敵の領地へ踏み込んでいく。
「こりゃよく焼けてるぜ……例のパンダとやら、怒り狂ってないといいんだが」
「それはどうですかねえ。ほら、焼いた張本人、ここにいますし」
 狼煙が後に続く。悪びれる様子はなく、軽口を叩くように答えを返す。
 そうして少し進んでいくと、猟兵達が探し求める主がいた。
「お前達だなー? 僕の住処を燃やしたのー」
 ハイバオの登場だ。麻樹の心配はおそらく現実のものとなっているのだが、ハイバオの雰囲気も、語り口も、もう一つ覇気を感じない。
 しかしこの島を牛耳るコンキスタドール。油断はできない。
「お前が親玉だな? 島民達をあんだけ苦しめたんだ……落とし前、つけてもらうぜ。覚悟しろ!」
 遠慮はいらない。麻樹は弾丸の如くスタートダッシュをかけた。
 時同じく、狼煙も変貌する。
「でやがったな熊と猫のキマイラ野郎!! 雑食性が草食気取りやがって! 食い殺してやるずぇえ!!」
 ヒャッハー!! と奇声混じりに飛び掛かっていくのは挑発行為も含んだものだ。ハイバオがもし怒り狂っているようなら、単純な戦局としてはもちろん、狼煙の思惑からしても有利になる。
 最初の攻撃を繰り出したのは麻樹だった。
「天より来る剣よ、汝の敵を打ち払え!」
 繰り出した魔法剣による斬撃乱舞は先の戦いを経てさらに強力に。射程もさることながら、その濃密さはより強く。対象も一体であるが故に、麻樹は全力をハイバオにぶつけていた。
 剣が躍る。四方八方、十六方、六十四方、足りない足りない、全然足りない。
 まさに『ありとあらゆる』角度から刺し貫き削ぎ抉る。
「うわあああー、やめろー、やめるんだなー!!」
 振り払おうとハイバオはもっさりした動きでもふもふの前足を振り回すが、全く振り払えていない。背負う葛籠も無残に刻まれ、跡形も残っていなかった。
「みんなー、起きて僕を助けてー!!」
 ハイバオは呼び掛ける。それに応えるのは猟兵達に倒し尽くされたヤマゴボー星人達の成れの果て。戦場で死亡した対象をパンダのぬいぐるみに変えることができる――が、ヤマゴボー星人も炭であったが故にぬいぐるみ化したところで耐久力はなく、あっけなく斬り刻まれた。
「そういえば先程、『お前達』と言っていましたが……あれは正しくありませんねえ。ここを焼いたのは私個人の行動ですから」
「なにー!?」
 言わなければバレぬものを、あえて詳らかにする狼煙。それでハイバオの怒りは頂点に達した。
 思惑通り――いや、十二分と言っていい状況だ。
(……パンダはあまり二足歩行しない以上、パンダパンチは猫パンチ風のフックか、叩き下ろす一撃のはず)
 怒りに任せたハイバオの一撃は狼煙の読み通り、頭上に高々と振り上げられた前足から放たれた。獲物を押し潰す一撃。まさに獲物である狼煙はあえて突っ込み、大振りとなった攻撃の隙を狙った。
 笑ってしまうほどに容易な作業だった。ハイバオの前足は空気を潰すだけで、狼煙はすり抜けてその裏に回る。せっかくなので、と加速のために掴んだハイバオの白毛をそのまま毟り取っていた。
『お前、強そうだな……血ィくれよ』
 飛び掛かるとすかさず首をがぶりと一撃。毛ごと首周りの肉を食っていた。
「いたいいたいいたいんだなー!!」
 首の肉を持っていかれたハイバオが途端に暴れ出し狼煙を振り払おうとしたので、その望み通りに狼煙は背中を蹴り飛ばして離脱、麻樹に託す。
「丁度火傷をしていた箇所だったんでしょうね。いい焼け具合でしたよ」
「そんな報告されて俺はどんな顔すりゃいいんだっての!」
 冗談交じりの言葉に笑みが零れてしまうほど、彼ら二人の理想的な展開に事が進む。ドンと蹴られて前のめりになったハイバオへ、麻樹は魔法剣を束ねて串刺しにした。白毛が雪のように散ってハイバオの肉が刻まれる。
「お前の目的は何なんだよ、一体」
 睨みを利かしながら、麻樹は問う。
「なにって……笹を食べさせて嫌な思いをさせてやるんだなー。僕が味わってる思いを、皆にも味わわせてやるんだなー!」
 怒りの矛先を麻樹に向けてぶぅんと前足を振り回したが、麻樹は軽く避けていた。
「何でしょう……自分で嫌なものを食べておいて他者に押し付けるとか……八つ当たりですか? バカですか?」
「バカとはなんなんだなー!!」
 大振りの攻撃をなおも続けるハイバオ。その全てを狼煙に見切られていた。今から殴りますよ、と宣言してから殴りかかっているようなものだ。実にわかりやすい。
 さてもう一仕事、と狼煙は身を屈める。もちろん「あえて」である。
「まあ、それが真実でしょうし、謝る気はないですけど」
「うるさいうるさーい!!!」
 今日一番の大振りパンチが降ってきた。それをひょいっ、と体を一つ分真横にずれてかわすと、狼煙は跳び上がる。
 ずどん!! と地面に突き刺さった拳は真っ黒い炭を弾き飛ばして地面を破壊した。それはハイバオの足元も例外ではなく、崩れたところへハイバオの体が沈んでいく。
 両者の動きは実によく噛み合い、狼煙の跳躍最高点がハイバオの眼前に来るところだった。
「うるさいのはあなた自身ですよ……っと!」
 足を振り出しての回し蹴りがスパコーン! とハイバオの頭にクリーンヒット。まさに足版あっちむいてホイだった。向かせたというほうが正しいが。
「ふぎゅう!!」
 ハイバオはマンガみたいな呻き声をあげて仰け反っていた。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

草野・千秋(サポート)
最後の敵が現れましたか!
微力ながらお助けしますよ
悪があるところこの断罪戦士ダムナーティオーあり!
僕なりの正義で敵を倒してみせましょう(ぐっ)

基本は攻撃スタイルですが歌で回復や支援も出来ますよ
こう見えて歌い手やってまして自信はあります
銃撃もできますが(スナイパーなどで)
どちからというと怪力での接近戦が得意です
接近戦となればその場にあったUC、2回攻撃、怪力、グラップルで戦うでしょう
敵攻撃は激痛耐性、盾受けで耐えたり
第六感、戦闘知識でかわして
味方に被弾しそうならかばうそうとします
味方を守れなくて何がヒーローですか
ふう……みなさん大丈夫でしたか?
お助けになれたのなら幸いですよ
公序良俗に反する行動NG


●黒き戦士の力
「最後の敵が現れましたか! 僕も微力ながらお助けしますよ!」
 駆けつけてきたのは草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)。戦いは佳境を迎えていた。
 ヒーローは遅れてやってくる。千秋は拳を握り締め、力強く宣言した。
「むむむ、また新しいのが来たんだなー……」
 ハイバオは攻撃を受けた頭を押さえながら立ち上がってきた。千秋もかなりの長身だが、それを二回りほど上回る巨体が立ちはだかる。
 しかし千秋は怯むことなく、レンズの奥からハイバオを睨み返した。
『僕は僕の正義を行う、例え世界が滅んでも!』
 いついかなる時でも自分の正義を貫くという千秋の強い意志が力に変わり、彼に漆黒のメカニカルなスーツを与えた。起動を示すかのようにスーツに走る赤いラインが光り輝き、背中にある翼が広がった。
 正義を執行する真の姿だ。
「そんな正義、僕がぺしゃんこに潰してやるんだなー」
 ハイバオの体が大きく反った。天高く伸びた右の前足が千秋に影を落とす。
「てぇーいっ」
 のんびりパンダだけに掛け声ものんびりだったが、振り下ろされる右足は重い衝撃を孕んでいた。
 だが、千秋は悪から決して逃げない。すかさず盾を取り、むしろ自ら向かっていくようにして受け止めた。
 ずん、と地面に埋まってしまうのではないかと思うほどの衝撃が千秋を襲う。実際足元が数センチ沈み込んだが、誓った正義の思いはハイバオの攻撃を受け切れるほどに強かった。
「この島の人々を……この世界を、守れなくて何がヒーローだ!」
 エメラルドの輝きを放つ千秋の双眸。そこには確かに正義の炎が燃えていた。
 ハイバオの攻撃を受け切った千秋は反撃とばかりに盾で前足ごと巨体を押し返した。前足を弾かれた巨体はそのままよろけるように後方へ。
『天の裁きをお前に!』
 『gladius damanatorius』――彼が持つヒーローソードでハイバオの巨体を袈裟に斬りつけた。
「ぎゃああ!! 痛い! 痛いんだな!!」
「もう一撃!!」
 振り下ろしきった剣をさらにもう一度振り上げ、怪力を発揮し力任せに逆方向から斜に振り下ろす。
 それは丁度、ハイバオの体にXの文字を刻むように。
 白い体毛が鮮血に染まって無残に散った。刻まれた傷は深く、ハイバオの体ががくんと落ちた。
成功 🔵🔵🔴

フェリリアンヌ・カステル
あなたを倒せばわたくし……たちの道は開けるのです
覚悟はいいですか、圧制者さん?

魔剣《ディープ・ブルー》の力を解放します
極氷の衝撃波で吹き飛ばし、凍てつかせ、その勢いのまま斬り込んであげますわ
パンダの攻撃は、強化された敏捷性を活かし、出来る限り回避することを心がけます
血の一滴も恵むつもりはありませんわ。わたくし、安い女ではありませんから

味わいなさい
これが――肉を食べた者の力ですわ!!

※アドリブ描写&他PCとの絡み歓迎


●暗! 冷! 肉!
 島の解放は島民達を救うに留まらず。
 このグリードオーシャンでは異常気象のためか、グリモア猟兵の予知が十分に発揮できないことがある。
 故に猟兵は一つ一つ島の事件を解決し、グリモアの使用範囲を広げてきたのだ。
「あなたを倒せばわたくし……たちの道は開けるのです」
 フェリリアンヌの言葉にはそういう含みもあった。情けは人の為ならず、である。
「覚悟はいいですか、圧制者さん?」
 フェリリアンヌは魔剣《ディープ・ブルー》の力を解放する。「暗」の魔力、そして「冷」の魔力。二つの魔力を持つ魔剣は人を魅了し、その思念は長く年月を経る上で蓄積していく。
 思念はやがて、怨念へ――フェリリアンヌはその怨念をも纏って自らの力とした。完全なる魔剣の制御。それこそが、力の解放を成立させる。
 剣身に吹雪が渦巻いた。フェリリアンヌは大気を斬りつけ、渦巻く吹雪を衝撃波に乗せて放つ。白く輝く吹雪が三日月状の広がりを見せてハイバオへと襲い掛かった。
「や、やめてほしいんだよー!」
 別の猟兵の攻撃を受けたばかりだ。さらに刻まれるのを恐れ両の前足で体を庇った。無数の小さな雪粒が密集する前足の黒毛の中に食い込み傷つけ、大きな裂傷を負わせた。
「うわあああ、もう、やめてって言ってるんだよー!!」
 やけっぱちのようにハイバオは叫び特攻する。フェリリアンヌの元へ巨体を揺らし、大口を開ける。小さいながらも牙がしっかり揃っており、肉食の性質を表していた。
「パンダは本来、肉や魚も食べるともお聞きしましたし……それが本性、ということですわね。ですが……遅いですわ!」
 ガチン、ハイバオの牙が鳴る。フェリリアンヌの体を捕まえ食らおうとしたが、伸ばした両の前足も空を切り、噛みつく牙は上下でぶつかるだけだった。
「血の一滴も恵むつもりはありませんわ。わたくし、安い女ではありませんから」
 怨念を纏ったフェリリアンヌは高速移動でハイバオの魔の手から逃れていた。噛みつくことも、触れることさえ許さない。
「うぐぐぐぐー」
 ハイバオは歯噛みする。フェリリアンヌはどこだと見回していたが、その姿はすでにハイバオの真後ろにあった。
「味わいなさい。これが――肉を食べた者の力ですわ!!」
 島民達の弾けるような笑顔が脳裏によぎった。彼らとまた食事を共にすることができれば、それは猟兵としても、商人としてもこの上ないエンディングだ。
 高く掲げた魔剣に最大限の力を溜める。全てをこの一撃に。
 肉を食べた者は――強い。
 フェリリアンヌの振り下ろした剣圧は暴風を巻き起こした。槍のような螺旋状の冷気の衝撃波がハイバオの元へ――。
「わ――はがっ!」
 振り向き、フェリリアンヌの姿を認めた時には、衝撃波の槍がハイバオの腹を貫いていた。冷たい風が腹の大穴を抜けていく。
 しかし、ハイバオがそれを冷たいと感じることはもうない。
「に、く……うらやまし、いんだ、よぉ……」
 パンダとしての本質を断末魔の中に混ぜて、ハイバオの体は崩れて消え去った。
大成功 🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年09月27日
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