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空想の翼を羽ばたかせ(笑)

#UDCアース #UDC-HUMAN

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 誰にだって、そういう時期はある。
 失敗だって、誰にでもある。

 憧れを糧に、稚拙な模倣をする。
 自意識が少し肥大化して、本質をはき違える。

 それは本来、痛々しくも微笑ましい笑い話になるはずであった。

 なのに、どうして。

「メアリーちゃーん」
 気安く呼ばないで。
 馬鹿にしないでよ。
「続きまだー? みんな待ってるんだけどー?」
 その『みんな』って誰だ。
 待ってるってどういう風にだ。

 でも、何も言えなかった。
 元々話すのが得意じゃないから、画面の向こうにいたのに。
 そこにすら、私の居場所はなくなった。

 じゃあ、どこに行けばいいの?


「はい、UDC-HUMAN案件です」
 織戸・梨夜(ミズ・オルトロスの事件簿・f12976)は一同を見回すと、小さくため息をついた。
「改めて説明しておきますと、人間がUDCに変貌してしまう事件のことですね。何らかの理由で心が壊され、UDCに変貌してしまう……という流れのようです。原理はまだよく分かっていませんが」
 ここで特筆すべきは、心が壊れる理由が『邪神などに接触する』『ではない』ことであろう。
「このケースの特徴は、『人間によって心が破壊される』ことにあります。UDCの不条理ではなく、不条理な人間の諍いと言いますか……。まあ、各種ハラスメントをナチュラルに働く輩のせいと申しますか」
 『人間の屑』。その名称を、梨夜は敢えて避けたようであった。

「でもまあ、まだ救いはあります。『なりたて』なので、うまく倒せば元に戻せる見込みがあります」
 今回の対象はビルの屋上に立っているようである。その付近に猟兵を転移させれば、完全に定着する前に到着することが出来るだろう。
「浮遊霊めいた他のUDCも集まってますが、数だけなのでなんとかなるはずです。頑張ってください」
 つまり、まずは雑魚を蹴散らして、次に本命というわけだ。

「UDC-HUMANは……そうですね。変貌してしまった事情を踏まえて説得してみたり、中にいるはずの本体を傷つけないように立ち回れば、それだけ心を開いてくれるかもしれません」
 と。そこで梨夜は、少し考え込む仕草をした。
「……その、変貌に至った事情ですが。まあ、平たく言えば『いじめ』です」
 ――どこにでもある、胸糞の悪い話。


「変貌したのは吹田真理(すいた・まり)さん。中学三年生の女の子ですね。この子は消極的で、あまり友達もいない……まあ、暗い子です」
 休み時間は本を読んでいるような、昼休みにトイレの個室に籠もるような。
「彼女の趣味は小説執筆……今時流行りのWeb小説ですね。スマホでがんがん書いていたそうです」
 フリック入力でとか、ちょっと私には信じられないですね――パソコンで執筆している小説家は苦笑する。
「……内容はまあ、このくらいの年頃ならよくあるやつです。自分を投影したヒロインが、無敵の力を手に入れて、みんなにちやほやされる……。うん、まあ、メアリー・スーと言えば伝わりますか? 原義からは外れちゃいますが」
 メアリー・スー。本来は二次創作に使われる概念だが、ともかく『何をしても好かれる無敵キャラ』を指す。
「それだけならまあ、痛々しいけど微笑ましい話ですよ。将来枕に頭埋めて悶絶するだけです。……が」
 それは、隙になってしまった。

「クラスのいじめっ子に見つかってしまったんですね、ソレ。さんざんからかわれて、件の小説は裏サイトや匿名掲示板にも晒されてます」
 やられ役に、そのいじめっ子の名前をそのまま使っていたのもよくなかった。それが原因で特定され、真理は『いたぶってもいい体の良いおもちゃ』として扱われることになってしまったのである。
 匿名掲示板も同様だ。スレッドは大いに盛り上がっており、本名まで流れてしまっている。

 たわいもない妄想が原因で、真理はどこにも居場所がなくなってしまった。
 いじめっ子にとってはただの暇つぶし。
 それが、真理にとっては一生ものの傷になるとは思いもせずに――あるいは理解しながら。

「……あまりに不憫に過ぎます。。それに物書きの先駆者として、新人が潰されるのは我慢なりません。ですので、皆さんどうか、真理さんを助けてあげてください」
 元人間の人狼は、丁寧にお辞儀をした。


むらさきぐりこ
 お久しぶりなので初投稿です。
 今回はVS「UDC-HUMAN」、あと人間の屑(おしおきパート)となっております。

 三章仕立てです。

 一章は集団戦、二章はボス戦、三章は人間の屑をおしおきします。

 胸糞悪い話ではございますが、そういうのが好きな方は是非。プレイングお待ちしております。

『UDC-HUMANの情報』
 吹田真理(すいた・まり)。中学三年の女の子。
 いわゆる根暗と言われるタイプの子。引っ込み思案で友達が少ない。
 ネット上にWeb小説「貧弱少女メアリーは異世界転生して(中略)神になるようです」を連載していた。異世界転生してチートと逆ハーレムで無双する話。
 内容はお世辞にも上手くなく、いじめ描写がやけにリアル。主人公メアリーに自分を投影していた模様。
 クラスのいじめっ子をそのままやられ役で登場させたりさせたため、特定されてしまった。ネットリテラシーはその程度。

 元の小説は削除されているが、匿名掲示板や学校の裏掲示板に転載されてしまっている。
 学校では「メアリーちゃん」と馬鹿にされ、ネットでも炎上しまくっている。

 その現実に心を閉ざしてしまった。

『人間の屑』
 三章(おしおきパート)で改めて説明します。
 なお「あまりに苛烈すぎるお仕置き」は不採用あるいはマイルドになりますのでご注意ください。

『いじめっ子たち』
 クラスや同学年の女子たち。主犯はクラスの女リーダー。

『匿名掲示板』
 面白半分でからかっている連中。放っておいても飽きる。
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第1章 集団戦 『深淵に至る亡者』

POW   :    私は此処にいる・俺は待ってる・僕は望んでいる
技能名「【おびき寄せ】」「【誘惑】」「【手をつなぐ】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
SPD   :    僕は君の仲間だ・私はあなたと一緒・俺はお前と共に
敵を【無数の手で掴み、自らの深淵に引きずり込ん】で攻撃する。その強さは、自分や仲間が取得した🔴の総数に比例する。
WIZ   :    俺は幸せだ・僕は全部理解した・私は誰も赦さない
【妄執に魂を捧げた邪教徒の囁き】【狂気に屈したUDCエージェントの哄笑】【邪悪に巻き込まれた少女の無念の叫び】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 月のない夜だった。
 目の前にあるビルからは人気が失せ、そのくせ屋上からは忌々しい気配がする。

 そして。
 ビルを輪切りにするように、浮遊霊めいたUDCが漂っている。

「私は「僕は「俺は
「ここにいるよ「こっちに来て「助けて
「幸せだよ「理解したよ「許さない

 無数の腕が、脈絡のない言葉を叫びながら、あなたたちの行く手を阻んでいる。
 「同じ目に遭わせてやる」という本能だけを持った、そんな雑霊たちが。
シャルロット・テルミドール
※アドリブ共闘大歓迎

大体一年ぶりの現場ですが、上手く動けるか少々不安ですね。
でも、一人の少女が壊れてしまうのを、指を咥えて見ている訳には行きません。

まずは彼女の下に行くためにもお掃除いたしましょう。
【指定UC】、今回は両手を威力重視の斧に変形。
伸ばしてくる腕は切り落とし、誘惑は、私が【私】であるために被せられた【仮面】で耐えることにしましょう。
悲しいことですが、私は聖女の再現兵器。
貴方の誘惑は、【私】の本心には届いてないんですよ。

主は来ませり、死に逝く貴方たちに、神の救いがありますことを。
まだ生きている少女を救うため、ごめんなさい。斬って通ります。



 月のない、闇そのものの空を見上げる。

 非常階段を駆け上がる。
 すると、わらわらと腕の群れがやってくる。

『おお『おおお『おおおお
『私は『僕は『俺は
『ここにいる『ここにいるんだよ『待ってるんだよ

 ――本体がどこにあるのか見当も付かない。
 ふと気を抜けば引き寄せられる。甘美で悪辣な囁き。

 シャルロット・テルミドール(造られた伝説の聖人・f19186)は、ふうと小さく息を吐いた。
「主よ」
 瞬間、シャルロットの両手が巨大な斧へと変化した。
「――私に、この悪しき亡霊を打ち破る力を」
 一刀両断。斧の一撃で、腕の群れは面白いように霧散していく。
 底が見えないのなら、丸ごと切り落とすまで。

「主はきませり、主はきませり――」
 死してもなお弄ばれる哀れな魂に救いを。シャルロットは『心から』そう願う。
『こっちだよ『こっちにおいでよ『楽しいよ
「ごめんなさい。斬って通ります」
 ざん。
 シャルロットの心に、亡霊の誘いは届かない。たとえそれが偽物だとしても、真贋に大した意味はない。
 かくあれかし。
 そう願われた仮面の奥へ、腕の呪いは届かない。

 両手を斧に変えた少女は、屋上までの道を駆け抜ける。

 ――一年ぶりの現場、上手く動けるか少々不安でしたが。

 弱音を吐いてはいられない。立ち止まってはいられない。

「一人の少女が壊れていくのを、指を咥えて見ているわけにはいきませんから」

 ざん。
 腕の群れが霧散する。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アノルルイ・ブラエニオン
好きな事をして、誰かの目にとまって、友達になる…
そうなるべきだろうに、何でこうなるんだ!?
この世界もうカタストロフきてるんじゃないのか?!

文と音楽の違いはあれど私も表現者!捨て置けぬ!

(雑霊に)
黙ってリュートを弾きUCを発動する

石木さえも揺るがす我が音楽で
妄執にも嘆きにも狂気にすらも寄り添ってみせる
それが感情であるならば、サウンドソルジャーに制せないものはない

私は音楽であり、音楽はお前達
音楽を通じて我らは一つとなる

音楽が彼らに同調する頃には完全に動きは止まっているはず
音楽では殺せないなら弓矢の出番だ
【貫通攻撃】で射抜いてやる



『私は『俺は『僕は
『幸せ『理解した『許さない

 雑霊は喚く。老若男女、ありとあらゆる声が混ざり合った不協和音。
 何もかもがあるのに、何もかも調和が取れていない。

 そんな相手に、ウェーブがかった金の髪をなびかせて、エルフが走る。
 ――そう、エルフだ。尖った耳、浮き世離れした美貌、エキゾチックな衣装に、背中に背負った矢筒。
 だが何より目を惹くのは、その手にしたリュートであった。
 エルフとしてはひどく不釣り合いなはずなのに、やけにしっくり来ている。

 アノルルイ・ブラエニオン(変なエルフの吟遊詩人・f05107)は、群がろうとする手を見据える。
 そして、何も言わずにそのリュートをかき鳴らした。

 ――音が弾ける。弦が振るわせた空気が波となり、音となり、粒となる。
 それは相手の心に深く染みこみ、共振し、膨大な感情の波を引き起こす。

『あ『あ『あ
『  『  『  

 それすなわち魅了の音楽。
 妄執、嘆き、狂気。アノルルイにとってそこに大差はない。それらを抱くということは、『感情を持つ』という現象に他ならない。
 この音色が木石ですら蕩かすのであれば、雑霊などなにをか況んや。
 ――アノルルイは音楽であり、音楽とは雑霊である。既に一つと化している。

 完全に動きを止めた雑霊に向けて、アノルルイは弓を引き絞る。放たれた矢は、間違いなく目の前の標的を射止めて消し飛ばした。

 ――それにしても。

「好きな事をして、誰かの目にとまって、友達になる……そうなるべきだろうに、何でこうなるんだ!?」
 状況をクリアするや否や、アノルルイは嘆く。
 真理という少女に訪れた悲劇は、あまりにも度しがたい。
「この世界もうカタストロフ来てるんじゃないのか?!」
 いや、まあ。来てないというのが悲しいというかなんというかではあるが。
 ともあれ。
「文と音楽の違いはあれど私も表現者! 捨て置けぬ!」
 エルフは走る。ふんすと息巻いて、表現者の少女を救うために。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シホ・エーデルワイス
真理さんの境遇を聞き
依頼≪望まぬ力≫で救助した『詩帆』も
虐めで心が壊れ自殺した事を想う

ネットでの虐めは相手の顔や傷つく様子が見え無い分
エスカレートし易い…
そして…一度拡散した情報の削除は容易ではありません


詩帆:シホ、お願い。真理さんを助けさせて


もちろんです

謝罪や弁明の機会は無く
一方的に誹謗中傷され
歪められた自分がネットで拡散される苦しみ

見過ごすわけにはいきません

それに…私も詩帆が辿り着けなかった
ネットイジメに勝つ結末を見せたい

敵は…人の世の悪意…
ある意味オブリビオンよりも手強い
それでも抗う覚悟と立ち向かう勇気を忘れずに戦います


『聖銃』から破魔の祈りを籠めた誘導弾で範囲攻撃

どうか安らかな眠りを…



 銀の少女がビルを駆ける。

 ――シホ、お願い。真理さんを助けさせて。
「もちろんです」

 シホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)は、一見何も無い虚空に向けて話しかける。
 けれどそこには、彼女自身がいる。他人には極めて知覚しにくい、異世界の同位体とも言うべき存在が。

 その名を薄雪詩帆。
 彼女もまた、ネットのいじめが原因で自殺した過去を持っていた。
 故に、今回のケースは見逃せないのだろう。

 ネット越しの嫌がらせは顔が見えず、また同調が容易である。そうして広まった情報は、いつしか弄んでいるという自覚すらも当事者から奪ってしまう。『ただのネタ』に貶められてしまうのだ。
 謝罪も弁解も意味はない。ただひたすらに歪められた自分が広まっていく苦しみ。

 ――見過ごすわけにはいきません。
 それに、勝ちたかった。詩帆が勝てなかったネットいじめという現実に、今度こそ勝利したかった。

 今回の敵は人の悪意――それも無自覚な。
 ある意味オブリビオンよりもタチが悪い、人が社会動物である限りは消え去らないかもしれない宿痾。

 それでも。

 シホは二丁の聖銃の引き金を引く。
『私は『僕は『俺は

「どうか、安らかな眠りを――」
 射出された十字の火炎が、雑霊たちを容赦なく焼き切った。

成功 🔵​🔵​🔴​

四王天・燦
どいつもこいつも悪意を持たずに悪事を為した馬鹿者だよ
先ずは真理から説教するべく手を伸ばすんだ
って亡者の手が邪魔!
真理に必要なのは冷たい亡者の手ではないよ

神鳴抜刀
襲い来る腕を武器受けカウンターで斬る
斬っても切ってもキリがないってか

いったいこの世界にはどんだけの無念が渦巻いてんだか

亡者の戯言はお幸せに・負け犬めと狂気耐性をもって嘲笑いスルーかますが、少女の無念には顔を顰める
狂気感染せぬよう深くは考えないが、せめて慰めの稲荷符を深淵に投擲して無念を鎮めるぜ
妄執の呪縛に囚われた己自身を赦して成仏できるようにね

敵が弱ってきたら最後の仕上げ
伍式の火矢を炎の雨の如く降らせて範囲攻撃で一掃、火葬だ
南無阿弥陀仏



「ったく、どいつもこいつも!」
 神鳴の名を冠した刀が、蠢く手の群れをはじき返す。
 けれども、斬っても斬ってもきりがない。斬り捨てた端からまた湧いてくる――。
「真理に必要なのは、お前ら冷たい亡者の手じゃないよ」
 四王天・燦(月夜の翼・f04448)は吐き捨てるように言いながら、蠢く亡霊を斬って捨てる。

 今回の事件は、全く以て度しがたい。
 誰も彼も、悪意を持たずに悪意を為した。その結果がこれだ。
 善意が暴走した結果ですらない。塵も積もれば山となる。みんなが少しずつ悪意を持ち寄れば、人一人を致命的に貶めるには十分だ。 
 そして各人の悪意が些細なものだから、加害者だという意識すら生まれにくいのだろう。

 そしてまた、この雑霊たちも例外ではない。
『俺は『幸せだ
『僕は『全部理解した

「そうかいお幸せに。蒙昧な負け犬め」
 燦は『男の』声を斬り捨てる。こんな形になってしまった時点で、かける情けなど微塵もない。

 けれど。
『私は『誰も『赦さない
「――――」
 そんな、少女の声は。
 どんな姿になってしまっても、『女の子を見捨てる』というのは。

「まったく。いったいこの世界には、どれだけの怨念が渦巻いてんだか」
 燦は懐から霊符を取り出す。
「――御狐・燦の狐火をもって命を貫き焼き尽くせ」
 符がぼう、と神秘的な炎を帯びる。
 せめても安らかに、慈悲の炎で終わらせてやろう。

「――南無阿弥陀仏」
 放たれた炎は雨となって雑霊を焼く。それは一切の苦痛をもたらすことなく、腕と化した彼女らの無念を晴らしていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルルチェリア・グレイブキーパー
※アドリブ歓迎

全く、駄目じゃない
他人に特定される様な小説書いたら

ネットほど無法で危険な場所は無いのよ?
色んな人がアクセス出来る事の危険さを
もっと自覚しなくちゃいけないわ

それはそれとして煽る方もやりすぎよ
幾らやられ役のモデルにされたからって
ここまで追い込む事も無いでしょう?
文句の一つや二つ言わなきゃ気が済まないわ!

UC【サモニング・ガイスト】で古代の戦士を召喚!
炎と自慢の槍さばきで敵を蹴散らしなさい!
雑霊が幾ら強化されようと、戦士の霊には勝てないわよ!



『僕は『俺は『私は
『幸福だ『理解した『許さない

 どろどろに溶け合った声がする。様々な感情と狂気のスープ。もはや原形を留めていない何かの群れ。
 それは表に出た狂気を以て、猟兵たちに一矢報いんと自らを強化する。

「それがどうしたの!」
 ルルチェリア・グレイブキーパー(墓守のルル・f09202)は、古代の戦士を呼び出してそれに応える。
 それは槍の達人であり、炎の使い手だ。
「蹴散らしなさい! あなたたちがいくら強化しようと、この戦士の霊には勝てないわよ!」
 ルルチェリアのその言葉通り、槍と炎によって雑霊たちは瞬く間に祓われていく。

「まったく、駄目じゃない……他人に特定されるような小説を書いたら」
 進路が開けたことを確認すると、ルルチェリアはそうぼやいた。

 インターネットは閉じた場所ではない。むしろ世界中からアクセス出来る開けた場だ。
 今回の事件は、それを理解していなかった真理の手落ちである。それは間違いない。

 だが。
「煽る方もやりすぎよ……文句の一つも言わなきゃ気が済まないわ!」
 だからといって、つるし上げていい理由にもならない。
 やられ役にされたことが『先出し』だとしても、それは果たして相手の一生を潰すほどのものなのか。
 そしてそれに群がる連中も、自分のやっていることに気づいているのだろうか。

 憤懣やるかたなく、ルルチェリアは屋上に向けて一歩を踏み出した。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『メアリー・スーの怪物』

POW   :    これが僕の仲間達の力だ
演説や説得を行い、同意した全ての対象(非戦闘員も含む)に、対象の戦闘力を増加する【より深く洗脳する効果を含むオーラ】を与える。
SPD   :    どうだい、僕は誰よりも強くてただしいんだ
【この場にいる誰よりも強くなりたい】という願いを【自分を称えるように洗脳された犠牲者達】に呼びかけ、「賛同人数÷願いの荒唐無稽さ」の度合いに応じた範囲で実現する。
WIZ   :    僕をそんな眼で見るなッ!
自身が【侮りや敵意】を感じると、レベル×1体の【己を称えるように洗脳する悪霊】が召喚される。己を称えるように洗脳する悪霊は侮りや敵意を与えた対象を追跡し、攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は彼岸花・司狼です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ――ビルの屋上に立っていたのは、すらりとした少年であった。
『やあ、来たね』
 男性と女性の声が入り交じった、不思議な響きだった。
『僕はメアリー。この世界の――神さ』
 言って、彼/彼女は浮遊していた雑霊どもに手をかざす。すると、それはたちまち美しい美少年の群れへと変化した。
『ああ、メアリー様! 今日もお美しい……』
『バンザイ! メアリー様バンザイ!』
『なんですか、あれは。メアリー様にたてつこうと言うのですか……なんて不気味な……』

 それが吹田真理の考えていた、『メアリーの最終形態』であった。
 男女、善悪、生物を超越した神であり悪魔となる。
 無条件に彼/彼女を崇拝する美少年たちを侍らせ、嫌いな奴らには『背徳の悪魔』の烙印を押す。そうして都合の良い世界を見下ろしながらハッピーエンドを迎えるのだ。

 わざわざ空に浮いて、メアリーは猟兵たちを見下ろした。
『君たちも僕のしもべにならないか? 逆らうなら、あの女と同じ目に遭わせてあげる』
 ――いじめっ子をモチーフにしたやられ役は、最後まで世界を支え続ける罰を背負わされる。

 完全に、自分の世界に陶酔していた。
 それは端から見れば――。
アノルルイ・ブラエニオン
吹田真里はどこにいる?
彼女に届けたい歌があるんだ

キミのような完璧な存在には用がない
捧げる歌も必要ないし、歌の題材にもならないではないか

誰よりも強い奴なんてつまらないよ
強くない奴が、強くなろうとする過程ならともかくね

まあいい…事情が事情だ
キミに代わりに聞いてもらうしかないな
吹田真里にこの歌を捧ぐ!
(UCを使用して歌う)

『表現者のテーマ』
自分の心の奥に潜り込み
拾いあげた真珠を磨く
孤独な潜水夫 表現者達よ

創作に取り憑かれ
独り創り出す君達は

たとえ理解されず石を投げられようとも
どうか自分を信じて 表現し続けてくれ

君が拾った真珠は
いつか美しくなれるから

願わくは君が
いつか誰かと価値を分かち合えるように



『む?』
 『メアリー』は眉を顰める。取り巻きの少年たちも、その様子にざわめく。

 相対したアノルルイ・ブラエニオン(変なエルフの吟遊詩人・f05107)は、目を細めて言った。
「吹田真理はどこにいる?」
『は、はは! そんなものはどこにもいないさ!』
 メアリーは手で顔を覆いながらげらげらと笑う。おかしくてたまらないと言った風だ。
「彼女に届けたい歌があるんだ」
『歌? そんなものは僕がいくらでも奏でてやるよ』
 あくまで上から目線のメアリーに、しかしアノルルイは動じない。

「――キミのような完璧な存在には用がない。捧げる歌も必要ないし、歌の題材にもならないではないか」
『……は?』
 取り巻きの少年達がぎくりとし、ひそひそと囁き合う。
『何こいつ、無礼……』『自分の方がカッコイイとでも思ってるのかしらん……』『やだ……』

『誰が――用がないって?』
「誰よりも強い奴なんてつまらないよ。強くない奴が、強くなろうとする過程ならともかくね」
『僕を。完璧な存在たる僕が、モチーフにならないィ?』
 心底理解出来ないとメアリーが笑うが、アノルルイは気にした風もない。その様子に、メアリーはイライラし始めた。
 ――完璧な存在は褒め称えられ続けなければならない。
 心の底からそう信じ、メアリーは周りの少年達の『崇拝』を集める。

 この顔だけはいいエルフを叩きつぶさんと、

 アノルルイはリュートを奏でた。
「まあいい……事情が事情だ。キミに代わりに聞いてもらうしかないな。吹田真里にこの歌を捧ぐ!」
 その、たった一音で、心を鷲づかみにする。それほどまでに極まった技法だった。

「それでは聞いてくれ――『表現者のテーマ』」
 そして、アノルルイは歌う。華やかな顔と声で、軽やかにリュートを鳴らしながら。

 自分の心の奥に潜り込み 拾いあげた真珠を磨く
 孤独な潜水夫 表現者達よ

 創作に取り憑かれ 独り創り出す君達は

 たとえ理解されず石を投げられようとも
 どうか自分を信じて 表現し続けてくれ

 君が拾った真珠は いつか美しくなれるから
 願わくは君が いつか誰かと価値を分かち合えるように

 ――それは。
『いつか、いつかなんて来ないよ……!』
 確かに、中にいる少女に届いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

四王天・燦
馬鹿者だらけ
いじめっ子も、真理も、ぬるいアタシも

真理に呼びかける
なぜ【拠り所】たる物語に呪いを込めた?
やられ役の仕打ちは願いではなく呪いだ
一端の創作者なら『救われたい』って願いを込めて物語を紡ぎな、以上だ

メアリーに向けるは憐憫
物語を成立させられない歪で完璧な主人公だね

稲荷符から爆裂火球(範囲&火属性攻撃)飛ばして雑霊を掃討
説法が始まったら先制攻撃!
アークウィンド振るって旋風でメアリーを撃墜する
変身シーンでも攻撃が飛ぶのが現実だぜ

撃墜やカウンター時などでメアリーに届けば慈悲の聖剣で仕留める
真理にはお前の物語がどういう形であれ最後まで描かれるよう言っておくよ…被創作物にとって打ち切りは哀しいだろ?



 四王天・燦(月夜の翼・f04448)は独りごちた。
「馬鹿者だらけ」
 そんな感想しか出てこない。
 真理も、追い詰めたいじめっ子も、そして手ぬるい燦自身もだ。

 ――それでも、少女を見捨てるのだけは、したくない。

「哀れだね、メアリー」
『何だと?』
 男性のようで女性のような不格好な存在は、じろりと不機嫌そうに燦を睨めつける。
「だってそうだろう。アンタは完璧。だから物語を成立させられない」
『何を言っている! 僕は完璧なんだ! 物語なんてすぐに作ってみせるさ!』
「この意味がわかんないうちはお子ちゃまだよ、どこまでも」

 完璧とは、すなわち完結している。つまり話の生まれる余地がない。一人で足りているのなら、余分を作るには『完璧』という要素をなくさねばならぬ。
 物語の主人公としては不適合。それが『メアリー』だ。

『意味の分からないことをぐだぐだと……!』
 激怒したメアリーのオーラが膨れあがる。
 だが、その瞬間に燦は稲荷符を振るった。爆裂する火球がメアリーに放たれる。そしてさらに風の短剣を振るえば、一筋の烈風がメアリーを襲う。
『ああっメアリー様!』『変身バンク中に攻撃するなんて!』『なんて卑怯な!』
「変身シーンでも攻撃が飛ぶのが現実だぜ」
 たとえ美しかろうが男の言うこと興味はない――もとい、所詮取り巻きの戯言だ。聞き流す。

『この、醜い女がァアア!』
「その性根が醜いってんだよ!」
 完璧が聞いて呆れる。
 つまるところ、これは――

 敵の拳を潜って躱す。燦はすかさず、破魔の力を込めた剣を引き抜いた。
「――慈悲と赦しの稲荷巫女の名において、光集いて剣となれ――」
 『慈悲の聖剣(ナースウィッチ・セイバー)』を冠する非実在の剣が、メアリーの腹部に突き刺さった。

「――真理!」
 燦は叫ぶ。
「なぜ、拠り所たる物語に呪いを込めた?」
 メアリーは――真理は、怯えたような声を出した。
『の、呪い――?』
「ああ。やられ役にするって仕打ちは願いではなく、呪いだ」
 こうなってしまったのはいじめっ子が悪い。だが、そもそもは真理も悪い。
 敵役に貶めて憂さを晴らす。それは、細やかな復讐行為である。
「……一端の創作者なら『救われたい』って願いを込めて物語を紡ぎな。以上だ」
『あ、あ……』
 燦の叱咤に、真理は怯えた声を出す。
 ――駄目か、まだ。それでもこれは必要な処置なのだ。

「お前もだ、メアリー。どういう形であれ、お前の物語が最後まで描かれるよう言っておくよ」
『なん、だと……』
「登場人物なんだ。打ち切りは哀しいだろ?」
 聖剣が、完璧を模した怪物を引き裂く。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルルチェリア・グレイブキーパー
これが真理さんのメアリー・スーなのね
自己投影が強くて
読者を楽しませるキャラクターでは決して無いけれど
心を壊される理由にはならないわ!

真理さんが変貌してしまった事情を踏まえて説得

嫌いな相手に自分の書いた話が否定され
馬鹿にされたのはとても辛い事よ

だけど自分の世界に塞ぎ込んだり
仕返しなんて考えたりしては駄目

こちらが過剰に反応すればするほど
嫌いな相手を喜ばせてしまうのよ

どうか負けないで
自分の好きな事をどうでも良い人の為に台無しにしないで

【お子様幽霊たちの海賊団】で空飛ぶ海賊船を召喚
相手が召喚した洗脳する悪霊を
子供の幽霊達が銃撃と砲撃でやっつけて
メアリーを無力化させるわ
中の真理さんは狙っちゃ駄目よ!



 ――これが、真理さんのメアリー・スーなのね。

 なるほど、とルルチェリア・グレイブキーパー(墓守のルル・f09202)は納得した。
 確かにこれは理想の自己投影、そして歪んだ自己愛の権化だ。
 独りよがりの妄想で、読者を楽しませるためのキャラクターではない。

 だが、だからといって心を壊されていい理由にはならない!

「真理さん! 聞いて!」
 ルルチェリアが呼びかけると、メアリーはぎらぎらと目を輝かせた。
『僕を無視するな! お前も! 僕を侮るのか!』
 その姿からは、既に『完璧』という虚飾が剥がれかけている。けれどもまだその力は健在で、『侮り』をした相手を呪う悪霊を召喚する。
『――メアリー様を侮るなど』『許しがたい』『誅伐である』
 それは、姿だけならきらきらした美男の騎士であった。

「ああもう、あなたたちは引っ込んでて! ――ロイヤル・ルルチェリア号発進よ! キリキリ働きなさい!」
 ルルチェリアが号令をかけると、空飛ぶ海賊船が現れる。
『アイサー!』『イエス・マム!』『砲撃よーい!』
 するとそれに乗った子供たちの幽霊がわちゃわちゃと動きだし、砲撃で亡霊を相手し始めた。

「真理さん! 嫌いな相手に、自分の話が否定されて、馬鹿にされたのはとても辛いことよ!」
『何が……何が分かるの!』
 真理の影響が出やすくなっているのだろう。少女の口調でメアリーは応じる。
「私には分かりきれないかもしれない! だけどこれは確実に言える。自分の世界に塞ぎ込んだり、仕返しなんて考えたりしては駄目!」
『なんで、なんでよう……!』
「だって、こちらが過剰に反応すればするほど、嫌いな相手は喜んじゃうんだから!」
 そう。この手の加害者にとって、被害者とは『オモチャ』に他ならない。
 反逆心を見せれば見せるほど、相手の加虐心を擽るというのはよくある話なのだ。

「だから……どうか負けないで。自分の好きな事をどうでも良い人の為に台無しにしないで」
 創作という趣味を、こんな形で消費するなんて、悲しすぎるから。

『じゃあ……じゃあ……どうすればいいの……』
 真理の声は、怯えていた。どうしていいか分からずに。
 ルルチェリアは応えた。
「それは、一緒に考えましょう!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

シャルロット・テルミドール
※アドリブ共闘大歓迎

悲しい、そして虚しいですね。
今の貴女には、【私】と同じで何もない。
虚構と虚飾で固まって、本当の貴女が消えている。
それはとても悲しいことです。
世界は、貴女が今思っているより、優しく愛に溢れています。
本当の、正しい神の愛を、貴女にも……

主は来ませり

私の命なぞ、どうとでもなります。私は貴女を救いたい。
指定UC、時間を止めて、その間に、スティレットに変形させた両手で急所を貫く。
勿論その貫く急所はオブリビオンのものですよ。

戻ってこれたのなら、お話ししましょう。
聖書の話を。
神は皆を平等に愛していることを、貴女もまた、愛されてるからこそ、過ちを起こす前に、私たちに会えたと言うことを。



『こいつら……お前ら! 僕は神だぞ! 弁えろ!』
 メアリーの輪郭が歪むが、それでもすぐに形を取り戻す。
『はいメアリー様!』『不埒ものどもに死を!』『今日もお美しい!』
 それを美少年たちが褒めそやす。

 物語ならそれで完結していたのだろう。だが。

「悲しい。そして、虚しいですね」
 シャルロット・テルミドール(造られた伝説の聖人・f19186)は、はっきりと言い放った。
『ああ!?』
 乱雑に叫ぶメアリーを、シャルロットは怯むことなく見据える。
「今の貴女には何もない。虚構と虚飾で固まって、本当の貴女が消えている……それはとても悲しいことです」
 それは、シャルロット自身へ向けた言葉でもある。

 ――聖人としての人格を上書きされた少女。本当の自分は奥深くにしまい込んで、取り出せない。
 自分から逃げたのか、他人に強要されたのか、その違いはあれど。

 シャルロットは優しく微笑む。『聖女』として。
「世界は、貴女が今思っているより、優しく愛に溢れています。本当の、正しい神の愛を、貴女にも……」
『神はこの世に僕一人なんだよォ!』
 様々な意味で傲慢な発言をしながら、メアリーは目の前のシスターを黙らせんと、

「――主はきませり」
 けれど。その攻撃が届くことはなかった。
「主よ。この哀しき亡霊に、懺悔の時間を与え給え――」
 氷の弾丸がメアリーを射貫く。途端、彼の『時間』が停止した。

「汝の隣人を愛せよ――私は貴女を救いたい」
 己の寿命を代償にした時間停止。そんなことは意にも介さず、シャルロットは両手をスティレットに変化させた。

「真理さん。神は皆を平等に愛しているのです」
 それらはメアリーを貫く。中の真理を傷つけないように。
「――貴女もまた、愛されてるのです。過ちを起こす前に、私たちに会えたのですから。これも、お導きです」

 返事は、なかった。
 けれども、何も感じていないということは、ないのだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シホ・エーデルワイス
『詩帆』が真理さんの説得に専念できるよう
オーラ防御でかばいつつ【終癒】で真理さんを傷つけない様
敵を祓う


以下、詩帆

真理さん!何故小説をWEBで公開したのですか?
学校に馴染めず独りでいた貴女は
画面の向こうにいる人へ何を求めたのですか?

本当は…誰かに共感して欲しかったのでは?
自分の寂しい辛い想いを小説に籠め
救われる結末を書く事で自身も救われようとした

応援してもらえたら独りじゃないと自信が付くかもしれない

悩みを相談できる相手がいない貴女にとって
唯一の表現方法だった

私は…書き方次第では虐めに苦しむ人を励ませる小説が書けると思う

もう一度
私達と一緒に抗ってみませんか?

何故?
私も…引っ込み思案で虐められたから



 揺らぐ。『完璧で完全な存在』という定義が揺らぐ。
『おのれ……おのれええ……愚民ども……!』
 呻くメアリーは、端から見れば――やられ役のそれだ。

 それでもそんな侮りがあれば、メアリーは悪霊を呼び起こす。
 もはやこれはそういう機能だ。

 それに、シホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)は手をかざす。
「――怨嗟に喘ぎ苦しむものに安息を」
 浄化の光が悪霊を打ち払う。

 その隙に、シホに憑いている幽霊が形を為す。
 薄雪詩帆。シホの同位体であり、この状況を見過ごせなかった張本人である。

 詩帆は、真理に向けて必死に叫んだ。

『真理さん、どうして小説をWEBで公開したのですか?』
 メアリーの身体がぐらつく。けれども反応はない。
『画面の向こうにいる人へ何を求めたのですか? 学校では手に入らない、共感が欲しかったのではないのですか!?』
「――――それは」
 詩帆は呼びかけ続ける。
『自分の寂しくて辛い想いを小説にして、救われる結末を書けば、救われるんじゃないかって。応援してもらえたら自信が付くかもしれない……悩みを吐き出す、唯一の表現方法だったのでは?』

「……違う」
 『真理』は、悲鳴を上げた。
「違う、違う違う違う! 私は、ただちやほやされたかったの! こんなの私じゃない、ここは私のいる世界じゃない! だってみんな嫌い! みんなみんなみんな嫌い! 嫌い、嫌い嫌い、嫌い!」
 感情が決壊する。メアリーの姿がぼやけ始め、中にいる真理が見え始める。
 うずくまって、頭を抱えて、泣き叫んでいた。

 ――詩帆は、言った。
『もう一度、私達と一緒に抗ってみませんか?』
 真理は叫んだ。
「もう構わないでよ! なんでそんな必死なの! 馬鹿じゃないの!」

『何故? 私も……虐められたから。それで、こうなったから』
 詩帆は、定かではない自分の身体を示す。その意味を、真理は遅れて理解した。
「……それ、は……」

『戦いましょう。いじめと。いじめに悩む人たちを励ますものを書けると思うんです』

大成功 🔵​🔵​🔵​

虚偽・うつろぎ
アドリブ連携等ご自由にどぞー

なるほどなー
果てに行き着いた結果がこいつかー
うん、それはそれで良いと思うよ
僕がやることはただ1つ
盛大に吹き飛ばしてやることだけさー

登場即自爆
とにもかくにも速攻で自爆することが最優先
自爆さえできれば台詞も活躍もいらぬ!

ただ自爆するためだけに現れる存在

技能:捨て身の一撃を用いてのメッサツモードによる高威力な広範囲無差別自爆

射程範囲内に敵が1体でもいれば速攻で自爆する
自爆することが最重要
なので敵がいなくても自爆するよ
近づかない動かない一歩も動かず即自爆
大事なのはスピード
そう、スピードなのですぞー

捨て身の一撃なので自爆は1回のみ
1回限りの大爆発
自爆後は爆発四散して戦闘不能さ



 趨勢は決した。

『おのれ、お、のれ』
 メアリーはかろうじて顕現している状態だ。
 中の真理はなんとかして自らを覆うUDCの殻を外そうとしているが、メアリーがそれを拒んでいる。さしずめUDCとしての本能とでも言うべきか。

 さて、どうやって真理を救い出すべきか。
 真理を傷つけないよう慎重に行くべきだが、かといってかなりの長丁場になっている。
 流石の猟兵たちにも疲労が溜まっている。少しの判断ミスが嫌な展開を引き起こしかねない。

 最後の一歩を、どう踏み込むべきか。
 見えた停滞。それを打ち破ったのは、

 『うつろぎ』
 うつろぎだった。
 いや、なんていうか、そう表現するしかないというか。『うつろぎ』という縦書きの文字列が、唐突に空から振ってきた。
 そういう形状のブラックタール――虚偽・うつろぎ(名状しやすきもの・f01139)だと理解するまで、数秒の時間を要した。

 それで十分だった。

「なるほどなー、よく分からないけど分かったー。それでいいと思うよー」
 適当なことを言いながら、うつろぎにエネルギーが集まる。
「僕がやることはたった一つ。盛大に吹き飛ばすだけさー」

 誰も、何も間に合わなかった。
 今までのウェットな雰囲気とか、繊細な駆け引きとか、そういうの全てを無視した人災(テリブル)が降りかかる。

 どかん。

 平たく言うと、自爆。

「……ば、爆発オチなんてサイテー!」
 正気に返った真理がお約束のように叫んだ。
 メアリーはなんかいい具合に吹き飛ばされ、猟兵たちの説得によって自分を取り戻していた真理は、無事に生還することが出来たのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『人間の屑に制裁を』

POW   :    殺さない範囲で、ボコボコに殴って、心を折る

SPD   :    証拠を集めて警察に逮捕させるなど、社会的な制裁を受けさせる

WIZ   :    事件の被害者と同じ苦痛を味合わせる事で、被害者の痛みを理解させ、再犯を防ぐ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 こうして吹田真理は無事に救出された。
 UDCエージェントの手引きによって病院に搬送。しばらくは静養することになるという。
 だが、復学については――どうなのだろう。


「メアリーちゃん、登校拒否とかマジウケるんだけど」
 いじめっ子のリーダーであり、作中で名前を出された女生徒A(仮名)は、取り巻きたちと細やかに盛り上がっていた。
 授業をサボりながら、校舎裏で――まあ、あまり法律的にもよろしくない行為に手を染めている、立派な不良である。
「は? 登校と投稿をかけた? くっだらね、アホじゃねお前」
「スレの方も下火だし。掲示板のニートども、クッソつかえねー」
「ってかヤバくね? あんま追い詰めすぎて自殺とかしたら……」
「は? それが何?」
 取り巻きの懸念を、Aはつまらなさそうに切って捨てた。


 ――一方、掲示板。

>メアリーちゃん投稿止まった件
>やっぱ●●社員はクソだな!
>パパンに辞職させたのお前らだろふざけんな! 愛してる!
>というか吹田ちゃん入院してるってマ?
>ソース持ってこい
>つ醤油


 率直に言って、吹田一家は嬲り者であった。
 炎上による電話攻撃によって父親は会社を辞職させられ、自宅に突撃する者によって母親も精神的に病んでいる。

 ――この『人間の屑』どもに、制裁を。

(※あまりに苛烈すぎる場合はマイルドになるか、不採用となります)
アノルルイ・ブラエニオン
吹田真里は周り全てが敵になり孤独だった。その孤独を加害者にも味わってもらうとしよう

そうすれば、少しは人の繋がりをありがたく思えるようになるかも知れない…

1.人里離れた山奥に行き、UCを発動し『コボルト』を出現させ、巨大な穴を掘ってもらう

2.UCを発動し『ブギーマン』を出現させ、Aまたは主犯格の一人を攫わせる

3.攫ってきた加害者を穴の底に落とす。一週間の生存に最低限必用な物だけ下ろしてやる

4.一週間経ったら様子を見に来る
 心が折れてなかったら物資だけ与えて穴に戻す
 次に様子を見に来るのは二週間後。その後は段々と期間を長くする

5.必要に応じて他の者にも同じようにする


ルルチェリア・グレイブキーパー
※アドリブ歓迎

いじめっ子達の居る学校へ学生に扮して潜入
制服はUDC組織の方に手配して貰うわ

校舎裏辺りでいじめっ子達を見つけたら
UC【強制反省ビンタ】でいじめっ子達をお仕置きして反省させるわ

あんた達が真理さんをいじめたのね!問答無用よ覚悟なさい!
いじめっ子達皆まとめてビンタよ!
近づいて頬を打つべし!
≪第六感・野生の勘≫で反撃を躱して頬を打つべし!
右手を掴まれようと、私にはまだ左手が残ってんのよ!打つべし!

頬が痛い位何よ!
真理さんはもっと辛くて苦しかったんだから!
小説にやられ役で書かれたのも、あんた達が普段からいじめるからでしょう!
自業自得よ!

今度真理さんをいじめたら
ビンタじゃ済まさないからね!


四王天・燦
深夜
Aの部屋に忍び込む
スマホを盗み悪行の証拠を流出…させる寸前、鏡に映る私刑に酔った醜い笑みに戦慄し踏み止まる

読符で覗きながら催眠術で夢を操作
イジメ発覚から逮捕、友人が嗤ってネットに晒す悪夢を見せるに留める

侮るなかれ
壁一面に口紅で『見ているよ・呪われろ』など呪詛を記して驚かせるぜ

問題は吹田家と掲示板
真理の友人として戦う意志を両親に問う
第二の吹田家を出さない為、真理の名誉の為、一家が再び笑う為にも戦って欲しいと鼓舞
加虐に魅入られないよう注意

猟兵の財を活かして極上の弁護士を雇うぜ
電撃訴訟でお願いします!

お代は真理が小説を書ききる事
メアリーに願いを乗せて紡いであげな
案外、真理の想像力を買ってるんだぜ


シホ・エーデルワイス
掲示板を読み
状況は現在進行形で悪化していると
詩帆も含めて憤る


『詩帆』が掲示板のサーバーへアクセスし
誹謗中傷等の法に触れる悪質な利用者の個人情報と
訴訟で有利になる証拠を情報収集してもらい
他の猟兵と情報共有

証拠としては正規の手続きで入手が必要でも
場所や重要箇所が特定できている分
効率は良いでしょう


序でに詩帆が発信先を悪質な利用者自身のアドレスにしてメールを発信
着信履歴に残る時刻は未来日

内容は利用者の個人情報や犯した悪事の詳細
悪事の証拠を握られていると思わせる

詩帆:メシウマは終わりよ


真理さん
単純な力は
より強い力に潰されます

私達はメアリーさんが自分の弱さと向き合い受け入れて
真に強くなって欲しいと思います


シャルロット・テルミドール
※アドリブ共闘大歓迎

分かってはいるんです
本人たちには暇潰しでしかないことは
それでも…

電子の方は全く詳しくありませんので、そちらは他の方に任せましょう

宗教をこんな風に使いたくはないのですが…
こっちの世界での、私の教会の信者たちに協力をしてもらいます
いじめグループを拐ってきてもらって、懺悔室で石畳正座させ、そのまま説教ですよ
私、怒っての説教は長い自信がありましてね?
あ、ちゃんと聞いてないならこうですよ(足裏突き)
逃げるなら指定UCで止めて連れ戻します

今回は、貴女方のことも考えて説教で済ませます
ですが、あくまで”私は”です。
他の方がどうしようと介入しません
この結末は、貴女方が選んだものなのですから



 これは、本当に起こったのか定かではない風説として扱われている。
 いくら何でも荒唐無稽すぎる。いくら悪人への懲罰がスカッとするとはいえ、これではまるで中二病の妄想じゃないか、と。

 だが、猟兵(あなた)たちは知っている。
 これは、実際に起こったことだ。

 順を追って見ていこう。


 最初の異変は、ルルチェリア・グレイブキーパー(墓守のルル・f09202)によってもたらされた。
 件のいじめっ子グループは、いつも通り授業をサボり、校舎裏で時間を潰していた。
 そこに、同じ制服を着た見慣れない少女――ルルチェリアが現れたのである。
「あんた達が真理さんをいじめたのね!」
「……あぁ? 誰だオメ、」
「問答無用よ! 覚悟なさい!」
 パァン。
 容赦ないビンタが、いじめっ子の頬を叩く。あまりの出来事に女子達は反応が遅れるが、ルルチェリアは容赦しなかった。
 ぱん、ぱん、ぱん、ぱん!
 その場にいる全員の頬をぶつ。容赦なくぶつ。
「なっ、な、何すん、ぶべっ」
「頬が痛いくらい何よ! あんた達がしたことに比べれば、こんなの屁でもないわ!」
「くそテメ、メアリーちゃ、ぶべっ!」
 あのオモチャの何だ、と言いかけたところで、その邪心ごとビンタに打ち払われる。
 結果。
「痛い……痛いよぉ……」「うう、うわあああ……」「何をしたって言うんだよぉ……」
 いじめっ子達は泣き出した。
 ――が、謝罪の言葉はなし。
「……まだ駄目ね。続行お願い」
 ルルチェリアがそう通信機に伝える。
 懲罰は、まだ終わらない。


 ――ふと。
 少女は、自分がいつの間にか穴の底にいることに気がついた。
「は、ちょ――?」
 何だ、何だっけ。確かあの電波女に頬を叩かれて――まだ痛い――けちがついたから帰ろうとして――あれ?
「なんだよ、なんだよこれ……!」
 深い土の穴だ。登ろうにも登れず、日の光が差し込むのは短い間。
 食糧と水は最低限あるが、それだけだ。

 ――誰にも頼れない、一人の孤独を味わうがいい。
 アノルルイ・ブラエニオン(変なエルフの吟遊詩人・f05107)の懲罰は、そんな恐ろしいものであった。
 アノルルイは伝承の生き物を呼び出す。コボルドが穴を掘り、そこにブギーマンが攫った少女を入れ――これらの伝説を少女はもちろん知らない――一週間閉じ込める。
「一人の時間はどうだい。キミがいじめた少女と同じ境遇、その感想は?」
「……たすけて、ごめんなさい、ごめんなさい、わたしが、悪かった、からあ……」
 主犯格の一人は、自分を飾っていた全てをぼろぼろにしながら、懇願した。


 Aは、それでもまだ悠長に構えていた。
 どうやら自分が学校そのものをサボっていた時に、仲間達――馬鹿らしい、ただの取り巻きが痛い目を見たらしい。意味不明なメッセージが飛んでくるが、全部無視した。
 ――メアリーちゃんが復讐してくる? 出来るわけがない。
 掲示板に情報を流しながら、ニタニタとAは笑う。
 その笑みは、

 ――ひどいもんだ。
 部屋に忍び込んでいた四王天・燦(月夜の翼・f04448)は、その加虐に酔った姿を見て戦慄が走る。
 なんて、醜い。何をどう間違えれば、ただの少女があんな笑みを浮かべられるのか。
 燦のプランとしては『スマホの中身を流出させ、逆炎上させる』程度だったのだが、気が変わった。

 燦はAを催眠術で眠らせる。そして、読心の符を使いながら――

『Aさん。あなたを――で逮捕します』
「……は?」
 逮捕された。たかがメアリーちゃんで遊んでいただけで。
『前からやると思っていました』『私たち、あいつの言いなりになっていたんです』『酷い奴だ』『お前は人じゃない』『あいつを晒せ』『個人情報をぶち抜け』『自分のやったことだ』『次はお前の番だよ』
 みんながAを馬鹿にする。自分が真理にそうしたように、Aを突き放して囲んで叩いて――

「ひ、ゃああああああ!」
 Aは跳ね起きた。あまりの悪夢に脂汗をびっしょりかいている。
 ――ああ、なんだ夢か。ばかばかしい。Aはそう安心して電気をつけた。
「ひぎゃああああああああ!」
 悲鳴を上げた。

『お前を見ているぞ』『呪われろ』
 壁一面に、びっしりと。口紅で書かれたそんな言葉が――。


 ――さて。この件について、逮捕者が何人も出たことは記憶に新しい。
 掲示板での行きすぎた誹謗中傷によって、多額の慰謝料が吹田家に入ったのだ。この判例が出来たことで、今後の抑止力にもなるであろう。
 その裏には。

 シホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)と、同位体である詩帆は掲示板を見て憤っていた。
 『あまりにもあまり』である。
 ネットワークに強い詩帆が掲示板のサーバーへアクセスする。そして明らかに行きすぎた書き込みをピックアップ。相手のアドレスを引っこ抜き、そのまま個人情報なども詳らかにする。
 むろん、これでは違法な証拠物になるので猟兵同士で共有するに留める。どこを探ればいいか、アプローチしやすくするための措置だ。

 あとは正攻法に任せるとして――しかし、詩帆は一泡吹かせてやることにした。
『メシウマは終わりよ』
 引き抜いた情報には当然、メールアドレスなども含まれている。
 ――未来の自分から、過去の自分への警告が飛んでくる。
 未来のタイムスタンプを押されたメール、それも自分のアドレスから――『震えて待て』。
 いくらモニタ越しで他人事のように構えていても、こうなれば心穏やかではいられない。そしてそれを書き込めば書き込むほど『余人にも特定されるという泥沼』に落ちていくのだ。

 これらの処置をした後、シホと燦は引っ越す前の吹田家を訪れていた。
 慰謝料のおかげで生活はしばらくなんとかなる、と両親は苦笑していた。
「真理さん。単純な力は、より強い力に潰されます」
「……はい」
 シホが諭すように言うと、真理は穏やかに笑った。
「弱さを受け入れて、本当の意味で強くなれるよう、願っています」
「――はい」

 真理は燦に向き直った。
「何から何まで、ありがとうございます。お礼は……」
「いいよ。弁護士代は他から出てる。それより」
「……はい」
「お代は……そうだな。小説を書ききってやってくれ。メアリーに願いを乗せて、完結させてやるんだ」
「そ、それは……」
 真理は顔を赤らめる。――いくらなんでも、あれを続けるのは、恥ずかしい。
「ま、そうだな。難しいなら再構成でもなんでも。……これでも結構、真理の想像力を買ってるんだぜ?」
 あんなUDCを作り出すほどの想像力だ。――それもきっと、一つの才能だろう。

 こうして吹田家は遠くへ旅立っていった。


 ――そうして。
 最後のオチが待っている。

「よろしいですか。どのような理由があれども、人をいじめてはなりません」
 シャルロット・テルミドール(造られた伝説の聖人・f19186)は、聖女の顔をして訥々と語る。
 その前には――石畳の上に正座させられ、教会の信者に囲まれ、逃げ出せないいじめっ子グループがいた。
 二度目の制裁だろうが関係ない。既に足が痛くとも、逃げ出せない。
「復讐を容認するとしても一回きりです。複数人で群がって嬲り続けるなど、おおよそ人の行いではありません」
 長い、長い説教だ。既に足の感覚はない。
 逃げようとすれば足をつつかれ、それでも逃げようとすれば――いつの間にか元の場所に戻されていた。何を言っているか分からないが、時を止められたかのような。

「私は――今回は、このくらいで済ませましょう。貴女達の更生の機会を奪うわけにはいきません」
 いや、既に十分すぎる程の制裁を食らったのだが。そんなことを言い返す気力は、なかった。
「今後、誰かに何をされたとしても――それは、貴女達が招いた事態です。私は介入しません。因果応報、悪因悪果――よろしいですね?」
 弱々しく頷くことしか、出来なかった。


 都市伝説めいた『メアリー炎上事件』加害者への懲罰。
 これが、その顛末である。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年09月20日
宿敵 『メアリー・スーの怪物』 を撃破!


挿絵イラスト