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悪夢の晩餐会

#ダークセイヴァー #辺境伯の紋章 #番犬の紋章 #地底都市

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●宵闇知らぬ地下世界
 かつてあったとされる地上との交流も絶えて久しい。
 それは地底都市として栄えたこの街でも同じことであった。
 門番でもあり、領主でもある吸血鬼が地上への路を塞いだのは、果たして何時の事であったか。
 地上の様子を知るものは、今の時代には居ないに等しい。
 ――故に、彼らは知らないのだ。
 地上に吸血鬼達に抵抗する者達が居るという事実を。

●黒き招待状
 門番でもあり、領主でもあるという吸血鬼が開く晩餐会。
 その日は、閉ざされたこの地が開かれる数少ない日だ。
「嗚呼、遂に届いてしまった」
 男の手にあるのは黒い招待状。
 領主の主催する晩餐会へは、数人の街の人間が招待されるという。
 しかし、この招待状が届いて晩餐会へと赴いた者が戻ってきたという話は聞かない。
 彼らがどうなったかなど、考えずとも住民たちにとっては想像するに容易い。
 この黒い招待状は、この街の住民たちにとっては死刑宣告所と同義のものだ。
 ……往きたくはない。
 しかし、往かなければさらに過酷で凄惨な仕打ちが待っているだろう。
 それに比べれば……と、重い腰を上げて、招待状を手にした男は準備を始めた。

●晩餐会への誘い
「黒い招待状って、如何にもって感じよね」
 手の中の黒い封筒をくるりと翻し、フィーネ・ルーファリア(森の守護者・f27328)は猟兵達に向きなおる。
「招集に応じてくれて感謝するわ。
 いきなりだけど、皆はダークセイヴァーの地底都市の話は色々と聞いてるわよね」
 ダークセイヴァーで発見された数多くの地底空洞に存在するという地底都市。
 そこは地上と同様に吸血鬼に支配されているようで、吸血鬼の支配から逃れようとしている地上よりもさらに酷い有様である都市が多く存在している。
「今回は、その地底都市のひとつに行ってもらいたいの」
 曰く、その地底都市はかつて地上との交流はあったらしいのだが、それも絶えて久しくなるという。
 それは支配している吸血鬼が『門番』としての役割も担っているからだ、とフィーネは語る。
「吸血鬼ディンドルフ……彼を倒さない限り、地底都市の人々はその恐怖に怯えたまま暮らすことになるわ」
 ディンドルフは年に数度、晩餐会と称し外の世界との交流を図っているらしい。
 しかし、その様子は地底都市の人々には届かない。
「ディンドルフは晩餐会を開く時、必ず『黒い招待状』を地底都市の住民に送っているみたい。
 何のためか、なんてことは言わなくても分かるとは思うけどね」
 あまり考えたくはないことでしょう、と苦虫を噛み潰したような表情をするフィーネは、一つ被りを振ると改めて猟兵達に向きなおった。
「ディンドルフは『番犬の紋章』の力で強力になってるわ。
 それこそ、あの『同族殺し』をも一撃で屠ることが出来るくらいはね」
『番犬の紋章』は、猟兵達が持ち帰った『辺境伯の紋章』を調査することで知ることが出来たものの一つだ。
『辺境伯の紋章』同様に、寄生した者に対し強力すぎるほどの力を与えることの出来る寄生虫型オブリビオンとのことらしい。
「あまりにも強すぎるけど、弱点もないわけじゃない。
 ディンドルフに力を貸してる『番犬の紋章』こそが弱点……というか、そこの攻撃以外は恐らくまともに攻撃は通らないと思った方がよさそうね」
 それはかの吸血鬼の上腹部に存在するのだとか。
「鳩尾のちょうど下くらいかしら?
 真正面から向かっていくのも一つの手かもしれないわね」
 そこは人間の急所のひとつでもある場所に近い。
 それゆえに敵も護りやすい場所でもある。
「ディンドルフを倒したら地底都市の住民達が貴方達を持て成してくれるかもしれないわ。
 ただ、その前にそこに行く道を『掃除』してからお願いね」
 フィーネ曰く、どうやらディンドルフの『お零れ』を狙っているオブリビオンが巣食っているらしく。
 その連中を倒さなければ住民達の安全が確保されないとの話である。
「その後のことはみんなに任せるわ。
 ただ、あの場所にいても他のオブリビオンに襲われるのは時間の問題だと思うから、出来れば地上の様子を教えてあげてほしいかな。
 そして出来れば近くの地上砦に全員を避難させた方がいいかもしれない」
 幸い、地底都市の近くの地上砦が彼らの受け入れを表明している。
 領主であるディンドルフが地上との交流を図っていたにも拘わらず、彼らは地上の様子の一切を知ることがなかった。
 それは彼の吸血鬼の徹底した情報統制の末だったのだろう。
「地底都市の人達を助けるためにも、みんなよろしく頼むわよ」
 そう告げるフィーネの手の中のグリモアが輝き、猟兵達を送り出す。
 グリモアベースに1人残されたフィーネは、ペーパーナイフで手にしていた黒い封筒の封を開けるのだった。


綺朔
 犬はゴールデンレトリバーが一番好きです。
 どうも、綺朔(キサク)です。
 仔犬もさる事ながら、成犬もとても可愛いです。
 モフりたい。

 さて、2作目の今回はダークセイヴァー、『地底都市』に赴いていただきます。

●第1章 ボス戦『吸血鬼ディンドルフ』
 悪食の吸血鬼、ディンドルフとの戦闘です。
 詳細はフィーネの語った通り、『番犬の紋章』により非常に強力になっています。
 まともな攻撃は通らないと思って間違いはありませんが、唯一『番犬の紋章』のみ例外です。
 ちなみに、その場所はOPでもフィーネが言及している通り、『上腹部(鳩尾の下あたり)』にあります。
 なお、今章にはプレイングボーナスを設定しております。
 プレイングボーナス:『番犬の紋章』を狙う。

●第2章 集団戦『悪食ネズミ』
 ディンドルフの『お零れ』を狙って巣食っている害獣オブリビオンです。
 小型犬くらいの大きさのネズミで、数はやたらと多いです。

●第3章 日常
 ディンドルフを退け、ネズミ退治をしてくれた猟兵達に住民たちが料理をふるまってくれるそうです。
 また、住民達は地上のことについて全く知らないようですので、話をしてあげれば興味を持って聞いてくれるでしょう。
 特に料理や食べ物に関心があるようです。
 その上で、地上の人類砦への避難を呼びかければ、受け入れてくれやすくなります。

●リプレイ執筆について
 各章共に状況説明を兼ねた断章追記後のリプレイ執筆となります。
 プレイングは随時受付ますが、断章追加のタイミング等によっては返却する可能性もありますためご了承ください。
(その場合はお手数ですが再送いただけますと幸いです。)

 その他については綺朔のマスターページをご参照ください。

 それでは、皆さんの素敵なプレイングお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『吸血鬼ディンドルフ』

POW   :    ダンスタイム
自身が【敵対心】を感じると、レベル×1体の【吸血鬼の犠牲者】が召喚される。吸血鬼の犠牲者は敵対心を与えた対象を追跡し、攻撃する。
SPD   :    ミラータイム
【対象のユーベルコードを複製すること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【対象と同じユーベルコード】で攻撃する。
WIZ   :    ディナータイム
【「犠牲者の肉のスープ」】を給仕している間、戦場にいる「犠牲者の肉のスープ」を楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアンネリーゼ・ディンドルフです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●血濡れの晩餐会
「猟兵達がついに地底都市(ここ)を見つけましたか」
 食事に興じていたこの地底都市の支配者である吸血鬼、ディンドルフは猟兵達の気配を察しふとその手を止めた。
「ふふ、これは盛大な持て成しをしなければいけませんね」
 晩餐会の途中の調度良い余興となるであろう、此度の猟兵達の招かれざる来訪に、ディンドルフは心が踊る。
 そして、猟兵達の血の味は如何程に甘美なるものかと、その身を震わせる。
「嗚呼、非常に愉しみだ」
 不敵に笑みを浮かべる領主たる吸血鬼は、招かれざる客を迎えるための準備を始めるのであった。
七那原・望
・アドリブ歓迎

やっぱりそういう用途ですか。吐き気がしますね。

【Laminas pro vobis】に敵の極限の苦しみの望んで攻撃力を高めます。
アマービレでねこさん達を召喚。【多重詠唱】【結界術】【オーラ防御】で迫りくる犠牲者を包みましょう。
また、オラトリオを使い、犠牲者を掴み取ったり結界の中で拘束したりして身動きを封じます。

【第六感】と【野生の勘】で敵の行動や攻撃を【見切り】、回避や対処を。

隙を見つけたら【全力魔法】を【クイックドロウ】【咄嗟の一撃】【誘導弾】【スナイパー】【乱れ撃ち】で放ち、あらゆる角度から上腹部を何度も執拗に穿ちます。

もっと苦しみなさい。生まれた事に後悔しながら果てなさい!


リーヴァルディ・カーライル
…生憎だけど、悪趣味な晩餐会は無期限休止よ
主催者が今日、ここで消えてしまうんだもの

UCを発動し"怪力、御使い、韋駄天、盾、破魔"の呪詛を付与し、
大鎌を武器改造し●破魔の魔力を溜めた手甲剣に変化させる

…成る程、私の術を模倣するユーベルコードなのね

…だけど、無駄よ。業を模した処でお前にこの術を扱う事は出来ない

…さあ、吸血鬼狩りの業を知るがいい、ディンドルフ

今までの戦闘知識と第六感を頼りに敵の殺気を捉え、
敵の攻撃を●オーラで防御する浮遊●盾で受け流しつつ、
残像が生じる早業の●ダッシュで攻撃を回避して切り込み、
紋章に向けて手甲剣を●怪力任せに突き刺し、
限界突破した魔力を爆破して傷口を抉る2回攻撃を行う



 地底都市へと繋がっている吸血鬼の居城。
 そのホールには『黒い招待状』により招集された地底都市の住民達が、まるで見世物のように捕らえられていた。
 その様子に何か嫌なものを感じた七那原・望(封印されし果実・f04836)は、目隠しをしていても分かるほどに嫌悪を示し、ほぼ同時に現地へと到着したリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)もまた顔を顰めて同じく嫌悪の感情を露わにする。
「ようこそ、猟兵諸君、我が晩餐会へ」
 大仰な仕草で猟兵達を出迎えたディンドルフが指を鳴らすと、虚ろな目をした犠牲者の女性達が猟兵達の前に立ちはだかった。
「さあ、盛大に『饗(もてなし)』て差し上げましょう!」
「お生憎様、晩餐会はもうお開きの時間よ」
 ユーベルコード【吸血鬼狩りの業・千変の型(カーライル)】により、呪詛を纏ったリーヴァルディが韋駄天の呪詛の力を使いディンドルフに迫り得物である大鎌を振り被る。
 しかし、その攻撃はディンドルフに届くことはなく、彼を守るように立ち塞がる犠牲者達により止められてしまう。
「よろしいのですか?彼女たちは『人間』ですよ」
 攻撃を仕掛けてくる二人に対して投げられる、ディンドルフの嘲笑を含む問いかけ。
 犠牲者達は確かに人間だ。
 いや、人間『だった』、と言った方が正しいか。
 彼らは本当ならば、既に死んでいなければならない存在のはずだから。
「ああ、やっぱりそういう用途でしたか」
 犠牲者達がディンドルフを守るのは、死してなおその肉体と魂を弄ばれ続けている所為であって、決して彼女達の本心ではない。
 そのことに望が気付いたのは、彼女達に嫌がっているような気配を感じたからだ。
 常より目隠しをしており、視覚以外の五感が他人よりも鋭い望だからこそ気付いたその真実に、望はさらなる嫌悪を催す。
「吐き気がしますね」
「……まったく、その通り」
「おや、お気に召しませんでしたか」
 それは残念、と大袈裟に肩を竦めるディンドルフ。
 その言葉から明らかに傲慢で不遜な様子を察した望から赤い光が生じる。
「わたしは望む……あなたの極限の苦しみを。
 彼らと同じ苦しみを味わいながら死んでください!」
 ユーベルコード【Laminas pro vobis(ラミナスプロヴォヴィス)】により生まれた赤い光の中から、鈴の付いたタクト、共達・アマービレを取り出した望はそれを一振りする。
 どこからともなく現れた多くの魔法猫が犠牲者達を取り囲み、彼女たちを閉じ込める。
「犠牲者さん達の相手はわたしに任せてください!」
「……ん、わかった」
 そう短く返事をして、リーヴァルディが韋駄天の呪詛を使用して再度ディンドルフに近付く。
 得物である大鎌を改造し、破魔の呪詛を付与した手甲剣に変化させて、ディンドルフの上腹部の『番犬の紋章』を直接狙う。
「あなたのその術を使わせていただきます」
 ディンドルフの手に現れたのは、リーヴァルディの持つものと全く同じ盾。
 それはリーヴァルディの使用したユーベルコード【吸血鬼狩りの業・千変の型(カーライル)】そのものだった。
「……成る程、私の術を模倣する術を使うのね。
 だけど、それも無駄なこと」
 彼女の業は、吸血鬼狩りの業。
 模倣したところで吸血鬼であるディンドルフにはその力を扱うことはできない。
 それに――
「隙あり、です」
 犠牲者達の相手をしていたはずの望が、ディンドルフの隙を狙ってエクルベージュ色の影を飛ばす。
「何…!?」
 ディンドルフの意識の外からの攻撃は、確実に彼の吸血鬼の弱点たる『番犬の紋章』を穿つ。
 幾度となく繰り出されるその連撃に乗るように、リーヴァルディもまたディンドルフに対し手甲剣を繰り出す。
「ぐっ…ふふふ……」
「何が、可笑しい」
「ああ、やはりあなた方猟兵はこうでなくては……」
 小さく呻き呟くディンドルフは次の瞬間、がばりと勢いよくその身を起こし。
「我ら吸血鬼の仇敵、人類共の希望……!
 さあ、私を愉しませてください!」
 狩られる側は飽くまでも自分ではない、と宣言するかのようにディンドルフが高らかに声を上げる。
 地底都市の支配者たる吸血鬼ディンドルフを狩るための猟兵達の戦いは、まだ始まったばかりだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

純真邪神・幼淫魔姫ピュアニカ
UCについてはシナリオ【ミート!ミート!ミート!】参照
アド歓
纏め歓

「いつ来ても居心地の良い世界だねー♪」

「ご馳走してくれるのー?わー!ありがとー♪」
「ぷはーおかわりー!♪」
「ぷはーおかわりー!♪」

「全部ぴゅあにちょーだいっ!」

髪で鍋ごと掴み、一気に飲み干します。
「ごちそうさまー!あー、おいしかった♪」

「じゃあ、次はぴゅあがご馳走する番だねー♪」

召喚
「遠慮しないで全部食べていいんだよー?」
歓待を受けた礼として純粋な好意で勧めます。

戦闘は自分の力を増幅する為に紋章の捕喰を目的に。
他の眷属の召喚、歌や踊りでの強化と弱体、魅了を中心とした状態異常のバラ撒き。
髪や状態異常での拘束と弱点を狙って戦います。



 さて、時は少しだけ遡る。
「いつ来ても居心地の良い世界だねー♪」
 純真邪神・幼淫魔姫ピュアニカ(永遠に無垢なる幼く淫らな魔貌の邪神姫・f30297)が吸血鬼の居城に転移したのは、仲間の猟兵達よりも少し前のことだった。
 その理由は……。
「猟兵にもこの私の趣向をわかってくれる方がいるとは驚きですね」
「しゅこー?
 うーん、ぴゅあはむずかしいことよくわかんないけど、おいしいものはだいすきだよー♪」
 幼い見た目を大いに活用して、ピュアニカはディンドルフを油断させていく。
 それもまた彼女の作戦のうちなのか、単なる素の姿なのかはさておくとして、ディンドルフが敵であるピュアニカに気を許そうとしているのは確かである。
「こちらのスープも是非お召し上がりを。
 新鮮な肉を使っているので、非常に美味ですよ」
 ディンドルフがパチンと指を鳴らすと、虚ろな表情のメイドが現れ、主人であるディンドルフとピュアニカの前に、湯気の立つスープを出す。
「わー、ありがとー♪
 ちなみにだけどー…何のお肉か聞いてもいいのかなぁ?」
 にこにこと笑みを浮かべながら首を傾げてピュアニカは訊ねる。
「ふふ、哀れな子羊の肉ですよ」
「……そっかー、子羊さんのお肉なんだねー?」
 哀れな子羊……それが何を意味するのか。
 ピュアニカは直ぐに理解したが、顔には出さずにスープを飲み干し。
「ぷはーおかわりー、ってダメかな?」
 要求される『おかわり』に、ディンドルフは嬉しそうに頷きと共にメイドに新しいスープを出すように命じる。
「ありがとー♪」
「ええ、おかわりはいくらでもありますよ。
 さて、あなたのお仲間が到着したようですね」
 食欲が旺盛な客に嬉しそうに笑みを浮かべるディンドルフは、ピュアニカ以外の猟兵達の気配を察し出迎えに向かおうとする。
「あなたはどうぞ、ゆっくり召し上がっていてくださいね」
「うん♪」
 未だ食べ続けているピュアニカを残し、ディンドルフは席を外す。
 この時のディンドルフにはまだ、この後に何が起こるかなど、知る由もなかった。
△▽△▽
 ディンドルフは人類共の希望である猟兵達を縊り、それを見せつけることにより猟兵達が如何に無力であるかを示すつもりでいた。
 しかし――
「あれー?遠慮しないで全部食べていいんだよー?」
 この幼い娘……正確には『邪神』であり『淫魔』のピュアニカは、ある意味で吸血鬼であるディンドルフよりも上位の存在だった。
 純真無垢なその心は、時に如何なる悪意にも勝る。
ユーベルコード【【召喚】邪神謹製・骨付肉果実の軍勢(サモン・イーヴィル・ミートフルーツレギオン)】により召喚された骨付肉型のソレの数は優に300体を超えていて。
一撃で屠られるが、数だけは多いその全てがディンドルフへと群がり、彼の吸血鬼の行動を封じていた。
『次はぴゅあたちがご馳走する番だねー♪』
 その言葉に何が出てくるかと心躍らせていた先ほどまでの自身を叱り付けてやりたい。
 ディンドルフがそんな風に思うのも無理はないだろう。
「ほらほらー♪そーれっ! イーヴィル・クリエイショーン♪」
『ヴァ―……』
 さらに召喚される骨付肉型のソレが狙うのは、ディンドルフの弱点である『番犬の紋章』。
 幼くも愛らくピュアニカはそれらを指揮するが如く、無邪気に歌い踊る。
 その異常な光景とも言える様子の中心にいるディンドルフは、無邪気ゆえの狡猾さを身を以て味わうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フリージア・プロトタイプ
…招待状を送った人々は、どうした

…正直に言うと、この晩餐会とやら自体は私は善悪を定められない
人だって、家畜を食用とし特別な席で振る舞いもするだろう
それは、生命の循環なのでは…と考えていた

…だが、お前や私のような半端なモノが生命の循環を乱すことも
彼らの尊厳を穢すことも赦されはしない
異物は異物の手で、消え去れ吸血鬼

刀を抜き放ち、正面から敵へと斬り込む

召喚された彼らは…生きているのか?
わからない以上、殺せはしない
峰打ち、手足での打撃で捌きながら本体へと向かう
突破の為なら犠牲者達の攻撃はある程度受けても仕方ない

アナタ達が奴の犠牲者なら、その怒りもこの拳に乗せよう
UCを発動、紋章目掛け渾身の一撃を放つ


メフィス・フェイスレス
・アドリブ歓迎
・UCの秘密の設定参照。可能ならプレイングに反映

ええ、本当に美味しいスープね。狂いそうになる程に
だから一層アンタを惨たらしく殺したくなったわ

・彼女は例外を除いて何でも喰う大食漢
だがそれはその「例外」から興味を逸らす抑制行為に近い
生きた人を喰らうのは禁忌だが人の死肉を喰らうのは不承ながら行う事があった
猟兵になってから久しく「それ」は口にしていなかったが
理性で嫌悪しても、狂気はその味を楽しんでいた

スープの後は主菜でしょ?スープよりも食いではなさそうだけど

・UCで取り込んだ記憶に怒りながら爆発的に増強した戦闘力と「骨身」の「貫通攻撃」で無理矢理紋章の防御を貫き、紋章を「飢牙」で「捕食」



 群がる骨付肉型の謎の物体達から何とか逃れたディンドルフは、精神的にも肉体的にも困憊しきっていた。
「この私が…あの方に選ばれた、この私が貴様ら人間共に負けるはずなど……!」
 圧倒的優位に立っていたはずの吸血鬼は、口惜しそうに猟兵達を睨みつける。
 そんなディンドルフを横目に、メフィス・フェイスレス(継ぎ合わされた者達・f27547)はスープの大鍋へと歩み寄り、そして。
「……本当においしいスープね。狂いそうになる程に」
 一口、スープを口にしたメフィスがディンドルフを振り返る。
「ああ、そう…そうでしょうとも! 
 これは私が自ら丹精込めて手作りした特製ですからね
 やはり――」
「だから、一層アンタを惨たらしく殺したくなったわ」
 饒舌に語りだしたディンドルフの言葉を遮るようなメフィスの言葉は感情がこもっておらず冷え切っていた。
「ディンドルフ、私からもアナタに一つ質問を」
 メフィスの後に一歩踏み込んだフリージア・プロトタイプ(冷たい両手・f30326)はディンドルフに問いかける。
「……招待状を送った人々は、どうした」
「さて、どうなったでしょうか」
 フリージアの問いかけに対し、惚けるような口振りで答えるディンドルフの目の前に虚ろな表情の犠牲者達が現れる。
 人も家畜を食用として特別な席で振舞う事を知っているフリージアは、この晩餐会に対する善悪を定められていない。
 それは正しく彼女が憧れる『生命』というものの循環だ。
 しかしこの状況は、ディンドルフの催すこの『晩餐会』はどうだろうか。
「彼らは、生きているのか?」
 彼ら、というのはディンドルフの目の前に現れ、彼を守るように立ちはだかる犠牲者達。
「彼らが生きていようが死んでいようが、あなた方には関係のないことでは?」
 関係ない、果たしてそうだろうか。
 犠牲者達が生きているのか死んでいるのか、判らない以上殺すことは出来やしない。
「確かに関係のないことかもしれない。
 だが、彼らの尊厳を穢すことだけは赦されはしない」
 ゆっくりとフリージアが黒鋼ノ刃を鞘から抜き放ち、その刃をディンドルフへと突き付ける。
「異物は異物の手で、消え去れ吸血鬼……!」
 フリージアは犠牲者達を殺さない程度にいなしながら、正面からディンドルフへと斬り込んでいくのだった。
△▽△▽△▽
 一方その頃、メフィスは大鍋に入っていたすべてのスープを飲み干していた。
 ユーベルコード【愛(アイ)】により犠牲となりスープへと成り果てた犠牲者達の記憶がメフィスに一気に流れ込んでくる。
 地底都市での日々は光の見えない闇の日々。
 そして届いた一通の黒い招待状は、彼らにとっては死刑宣告と同義で。
 その絶望は計り知れず、遂にはその絶望にも疲れ――
「ああ、それほどまでに」
 あまりにも辛く重いその感情に、メフィスは涙を流していることにも気付かずに一歩、また一歩とディンドルフとの戦闘を続行しているフリージアに加勢すべく、その歩みを進める。
「スープの後は主菜と相場が決まってるでしょう?」
 ユーベルコード【愛(アイ)】により爆発的に増強した戦闘力は、それが人間の血肉であれば最大限の力が発揮される。
 そしてメフィスが口にしたスープはまさにそれそのものだった。
「っ、犠牲者達!私を守――」
「殲滅対象を認識、固定。紫電を放出、右腕へ収束…完了。猛る雷鳴にて滅されろ、吸血鬼!」
 ディンドルフの目の前に迫ったフリージアのユーベルコード【code:Demolish-紫電之剛拳(コードデモリッシュ・シデンノゴウケン)】の渾身の一撃がディンドルフを襲う。
「かはっ!」
「それだけで済むとは思わないことね。
 彼等の絶望と無念をあなたも味わいなさい」
 メフィスの身体から飛び出す骨刃がディンドルフの『番犬の紋章』へと突き刺さり、その命を啜る。
「……ぐっ、この私が」
「絶望の味を噛み締めながら死になさい」
 絶対的強者の敗北は、彼の者にとっての絶望でしかない。
 しかし、裏を返せばそれは彼の者に支配されていた人々にとっては一縷の希望ともなり得る物だ。
『番犬の紋章』をメフィスの牙により捕食されたディンドルフは、彼女の骨刃により全ての『生命』を啜られ、物言わぬ異体へと成り果てたのだった

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『悪食ネズミ』

POW   :    白骨を作る黒い波
【餌に対して集団集中攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
SPD   :    鼠算式
【仲間を呼ぶ鳴き声】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
WIZ   :    感染させる牙
【仲間を犠牲にしてでも噛み付く牙】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●地底都市へ
 ディンドルフを討ち果たした猟兵達は、館の中から地下への入口を探し出した。
 暗い地下へと続く階段を降っていくと、淡い光が見えてくる。
 どうやら土壁に生えている苔が光を発しているようで、薄暗いながらも行動するに支障はないほどの明るさはあるようだ。
 そんな地下坑道を下へ下へと降っていく猟兵達を窺うような何対もの視線。
 恐らくはディンドルフのお零れとやらを貰っていたオブリビオンだろうそれらは、先へと進む猟兵達の動向を伺っているようにも見受けられる。
 彼奴等をこのまま放置しておけばどうなるか、それは想像するに難くないことだろう。
 ここで駆除するのが得策かと武器を構えれば、その敵意を感じたか小犬ほどの大きさのネズミがその姿を表したのだった。

※現在の状況※
 現在地点は地底都市へ向かうための地下坑道の、やや開けた場所です。
 薄暗いながらも行動するには支障がない程度には明るいので、光源等は特に必要ないでしょう。
 敵の『悪食ネズミ』はどこからともなく湧いて出てきていますが、皆さんが処理しきれない程の数ではありません。
 大きさは小型犬程、ディンドルフのお零れを貰っていたのでそこそこ太っていますが動きに影響はないようです。
 現在は空腹状態なので、皆さんのことは『餌』と認識しています。
 なお、ここの『悪食ネズミ』は全て駆除せずとも先に進めますが、全て駆除した方が後の住民の説得に有利になる可能性があります。
 
七那原・望
結構潜んでいそうですね。
オブリビオンではあるようですし、情け容赦なく全て駆除してしまいましょうか。

相手のユーベルコードに関してはわざと使わせてしまいましょう。
仲間を呼んでくれれば呼んでくれただけ、多く駆除出来ますから。

【果実変性・ウィッシーズアリス】を発動し、ねこさん達と【多重詠唱】【全力魔法】【範囲攻撃】の幻覚を放ち、ネズミ達が同士討ちするように仕向けましょう。

更にアマービレで呼んだたくさんのねこさん達との【全力魔法】【範囲攻撃】やオラトリオ、セプテットの【一斉発射】【乱れ撃ち】で出来るだけ仲間を呼ばせつつ次々と【蹂躙】していきましょう。

まだいるのでしょう?全て駆除するからどんどん来なさい。


メフィス・フェイスレス
あいつのおこぼれを貰った程度で捕食者にでもなったつもり?
自分から獲物を狩る事もしなかった、下賤な畜生の癖に

・「先制攻撃」でUCを発動。群れを分断するように放ってある程度数を減らす

この程度じゃ全部は仕留めきれないか、数だけは多いし
でもこちとらアンタ達みたいな群れる奴の相手は得意でね

・UCの第二効果を発動。敵を沼に沈め、或いは「飢渇」を触手状に形成して捕らえて根こそぎ「捕食」する
・それでも自身に向かって身体に喰い付いてきた敵はUCの強化を乗せた「経戦能力」「激痛耐性」でものともせず、「血潮」の「毒攻撃」及び「肉体改造」で全身に形成した捕食器官や「骨身」で迎撃する



 姿を現した悪食ネズミたちの数は計り知れない。
「結構潜んでいそうですね。」
 七那原・望(封印されし果実・f04836)がそのような感想を持ったのも当然とも言えるだろう。
 この場に姿を現している悪食ネズミ達はその一部だろうことは、周囲の獲物を狙う獣の気配からも察せられる。
「あいつのおこぼれを貰った程度で捕食者にでもなったつもり?
自分から獲物を狩る事もしなかった、下賤な畜生の癖に」
 望と同時にこの場に着いたメフィス・フェイスレス(継ぎ合わされた者達・f27547)がそう漏らすのは、彼女が真の捕食者故か。
 ディンドルフのおこぼれ、といってもこの悪食ネズミはあの悪夢の晩餐会の会場から運良く逃げ出した人間を襲っていた。
 それでも猟兵でもない、ただの人間がこの数のネズミに襲われれば、骨も残さずに喰われ尽くされてしまうだろうことは、メフィスも分かっている。
 もっとも、ディンドルフもそれを狙っていたのかどうかを確かめる術はもうないのだが。
「この先の人たちのためにも、全て駆除してしまいましょう」
「それもそうだな
 ……喰らいつけ!」
 メフィスがユーベルコード【銛楔を放つ(センケツヲハナツ)】で作り出した400を超える牙の生えた黒い球が悪食ネズミ達を襲う。
 たとえネズミが躱そうとも、その黒い球はタール状へと変化し周囲に沼を作り出し、ネズミ達を呑み込もうとする。
『――!』
 断末魔の叫びのような耳障りな悪食ネズミの鳴き声に、メフィスと望は一瞬顔を顰めて耳をふさぐ。
「仲間を呼ぶつもりですか。」
 ならば、と望がすかさずユーベルコード【果実変性・ウィッシーズアリス(トランス・ウィッシーズアリス)】を発動し、現れた4匹の猫と共にネズミ達に幻覚を見せる魔法を放つ。
「仲間を喰ってる?」
「ネズミ達に同士討ちをさせるように幻覚を見せているんです。
 他のネズミが彼らにとって美味しそうな餌に見えているはずですよ」
 それでもこれは一時凌ぎに過ぎないことを理解していない望ではない。
「ねこさん達、ネズミ退治のお時間ですよ!」
 次の一手として、望は「共達・アマービレ」を一振りし、さらに魔法猫を呼び出す。
「ねこさんはネズミの天敵ですから」
「なるほど、考えたね」
 ふふんと胸を張る望に、メフィスは感心する。
「ならば私は猫達の邪魔をしないように敵の数を減らしていくとしよう」
 メフィスが発動しているユーベルコード【銛楔を放つ(センケツヲハナツ)】の第二効果を追加発動し、悪食ネズミだけを「飢牙」を生やした「飢渇」の触手が捕食していく。
 しかし、それでも果敢にも二人に対し挑んでくる悪食ネズミはいるもので。
 そういったネズミ達は、望のエクルベージュ色の影や「銃奏・セプテット」による銃撃、メフィスの毒の血液や彼女自身の手により屠られていったのだった。
「まだいるのでしょう?全て駆除するからどんどん来なさい。」
 望のその挑発に呼応するかのように、奥から新たな悪食ネズミ達が姿を現す。
 この場の悪食ネズミを全て駆除し尽くさんとする望とメフィスは、新たな対象達と対峙するのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リーヴァルディ・カーライル
…番犬は討ち果たした。後はお前達を掃討すれば、
この地に住まう人達を脅かすものはいなくなる

…そして、此処ならば人の目を気にする必要も無い
…普段ならば使わない術の実験台になってもらいましょうか

敵の攻撃は全身を魔力を溜めた呪詛のオーラで防御して、
大鎌に吸血鬼化した自身の生命力を吸収させてUCを発動

…さあ、出番よ。その力を解放しなさい、過去を刻むもの

吸血鬼ディンドルフのUC【ダンスタイム】をコピーして、
吸血鬼化し限界突破した第六感により殺気や敵意を捉え、
過去に自身が狩った吸血鬼達を乱れ撃ち敵をなぎ払う

……お前達なら外法の術で操っても、
鼠の餌になっても心が痛まないもの

…さあ。踊りなさい、吸血鬼共



 番犬を討ち果たし、残るはこの場にいる悪食ネズミたちを掃討すればこの先の地底都市に住まう人たちを脅かすものはいなくなる。
 ならばやることは一つ、とリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は周りの状況を改めて確認する。
 ……この場にいるのは、敵であるオブリビオンとそれらと戦っている他の猟兵たちのみ。
 つまりは、人の目を気にせずに、敵を屠ることだけを考えればいい。
「……普段ならば使わない術の実験台になってもらおうかしら」
 クスリと笑みを浮かべて、リーヴァルディが大鎌の刃を自身へと向ける。
「……限定解放。その魂を喰らい、力と成せ……血の骸装」
 黒き刃の大鎌「過去を刻むもの」に吸血鬼化した自身の血を吸わせ、ユーベルコード【限定解放・血の骸装(リミテッド・ブラッドレムナント)】を発動させる。
「…さあ、出番よ。その力を解放しなさい、過去を刻むもの」
 迸る圧倒的な力の前に、悪食ネズミたちが後退るのを、リーヴァルディは許さない。
 先程「過去を刻むもの」が変化した手甲剣が貫いた、吸血鬼ディンドルフのユーベルコード【ダンスタイム】をコピーし、そして。
「さあ、踊りなさい、吸血鬼共!
 お前達が外方の術で操った者たちのように、今度は私があなた達を操ってやろう!」
 本来ならば吸血鬼の犠牲者達が現れるはずのそのユーベルコードにより現れたのは、過去にリーヴァルディが狩ってきた吸血鬼達。
 模造だとしても、それらは悪食ネズミたちを蹂躙するには十分な力を持っていて……。
 現れた吸血鬼達は逃げ惑う悪食ネズミを根刮ぎ屠り尽くしたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フリージア・プロトタイプ
こいつらは…吸血鬼の『おこぼれ』を狙っている。という奴らか
…こいつらも、命の循環で見れば自然に準じてるのだろうな
だが―

お前達も、あの吸血鬼と同じだ
オブリビオンである以上、命の循環にお前達の居場所はない
…人と機械の入り混じっている私もお前等と同じようなものだろうが
さあ、お前達も異物は異物の手で。ここから消え去れ

向かって来るネズミを片っ端から刀で斬り捨てていく
オブリビオンである以上、先の犠牲者達の時のような躊躇いはいらない
数だけは多いな…囲まれないよう、動きをよく見て捌かなければ

群れで固まっているところを見つければUCを発動
居合の一閃で横薙ぎに斬り払う
群れで固まっていれば好都合だ
一気に薙ぎ払う



 『命の循環』、それは機械として生まれ育ったフリージア・プロトタイプ(冷たい両手・f30326)にとっては理解できないものの一つだった。
 いや、自然におけるそれのことは、知識としては確かに理解している。
 人間を含む動物たちは、他の者の『命』を奪わなければ生きていけない。
 だからこそ目の前のネズミ達も、その『命の循環』で見れば自然に準じているのだろう。
「だが……お前達も、あの吸血鬼と同じだ」
 人類の敵であるオブリビオンとして存在する以上、悪食ネズミ達がフリージアの考える『命の循環』の中には存在してはいけない。
「さあ、お前達も異物は異物の手で。
 ここから消え去れ!」
 自身を彼らと同じ『異物』と捉えるフリージアの言葉を解さずに向かってくる悪食ネズミ達を、彼女は片端から刀で切り捨ていく。
 目の前の敵がオブリビオンである以上、先程相対した吸血鬼の犠牲者達のような躊躇は見せず、囲まれないように敵の動きをよく見ながら向かってくるネズミ達をフリージアは屠る。
 そんなフリージアに対し、臆する様子も見せずに悪食ネズミ達が集団で彼女を狙う。
 その様子に、フリージアは一度刀を鞘へと納め、そして。
「刃、及び鞘へ紫電を帯電。紫電の閃きにて潰えろ」
 居合の一閃、横薙ぎで斬り払われたネズミ達は塊となり襲いかかったのが災いし、斬られた分だけでなく後続達もまとめて紫電の閃きにより一掃される。
「お前達もオブリビオン……異物でなければよかったのだがな」
 誰にともなく呟かれたフリージアの言葉に応えるものはなく。
 ただただ粛々と残りのオブリビオンたる悪食ネズミ達を、フリージアは駆逐していくだけであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

純真邪神・幼淫魔姫ピュアニカ
ミートフルーツ達を引き連れたまま〜♪

吸血鬼さん死んじゃったんだ〜♪
じゃあ、その身も魂も絶望も、ぴゅあの髪で捕喰してあげるね〜♪
UCで吸血鬼さんの等身大フィギュア作成♪

極めて本物に近いレプリカを知性強化し生命を吹き込むよ♪
同時に化術肉体改造で更に強化&こっちのが好みだから美少女化♪
本物を超えたオリジナル眷属、美少女吸血鬼ディンドルフちゃん完成♪
ミートフルーツ達(食べると恍惚の表情のまま即死)も戦わせ、ディンドルフちゃんに指揮を任せ【ミラータイム】で【鼠算式】をコピー♪
隠れてる他のネズミさん達もおびき寄せ、集団戦術で同士討ち♪
全部食べて美少女眷属に変えてあげるからね〜♪
これがぴゅあの神罰だよっ♡



 悪食ネズミ達と戦っている猟兵達に少し遅れて追いついたのは、純真邪神・幼淫魔姫ピュアニカ(永遠に無垢なる幼く淫らな魔貌の邪神姫・f30297)とディンドルフ……によく似た美少女だった。
「ディンドルフちゃん、ミートフルーツ達と一緒にネズミ退治してくれないかな♪」
『それがピュアニカ様の望みとあらば』
 恭しくピュアニカに対し頭を下げるその美少女がディンドルフに似ているのも当然であろう。
 ディンドルフとの戦闘の後、ピュアニカは彼の吸血鬼の身も魂も絶望も、『吸血鬼ディンドルフ』という存在を構成する全てを彼女の髪により捕食し、ユーベルコード【【純真邪神の権能】レプリカ・クリエイション(イーヴィリティ・レプリカ・クリエイション)】によりピュアニカ好みの美少女へと作り変えたのだから。
 本物と言っても差し支えないその模倣体はピュアニカの眷属として新たに生命を吹き込まれ、さらに高みへと昇華され本物を超えたといっても過言ではない。
『――!』
 悪食ネズミの仲間を呼ぶ声をディンドルフのユーベルコード【ミラータイム】により真似たディンドルフ(模倣)の声に呼応するように、悪食ネズミ達もまた仲間を呼ぶ鳴き声を上げる。
 それらに呼ばれどこからともなく現れる悪食ネズミ達は、まさに鼠算式に増えていき瞬く間にピュアニカ達を取り囲む。
「わぁ、どこから出てきたんだろうね?
 ネズミさん達もみーんなぴゅあの眷属にしてあげなきゃ♪」
 ミートフルーツ達が恍惚の表情を浮かべながら食べられる様を横目に見ながら、楽しみだなぁ、と笑う幼き姿の淫を司る邪神には悪意というものは存在しない。
「それそれー♪
 きゃはは、たーのしー♪」
 自身の髪を自在に操り、悪食ネズミ達を捕食していくピュアニカは無邪気にはしゃぐ。
 ネズミ達の攻撃をものともせず、むしろ向かってきたネズミ達はピュアニカの髪の餌食となり逆に捕食されていく。
「ふふ、これがぴゅあの神罰だよっ♡」
 クスリと幼いその姿に似合わぬ妖艶な笑みを浮かべるピュアニカの周りには、悪食ネズミの死体すら残らないのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 日常 『明日また、笑うために』

POW   :    元気の出る美味しい食事を作る

SPD   :    できあがった料理を皆へ振る舞う

WIZ   :    盛りつけや花を飾って食卓を彩る

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●地下からの解放
 ディンドルフの打倒、それは彼の吸血鬼が支配した地底都市へと猟兵達が入ったことで人々に知られることとなる。
 到底叶わぬと諦めていた支配者からの突如の解放、それは彼らのとってどれほどの吉報だったろうか。
 領主の館からここまでの道中の『掃除』も為されたと知らされると、人々はさらに歓喜に沸いた。
 だが、支配者たる領主『吸血鬼ディンドルフ』の打倒の報せは近いうちに他の吸血鬼達にも知られることだろう。
 彼らがまたここを支配することがあれば、今度は守りきれるかどうかはわからない。
 幸い、この近くの人類砦が彼らを受け入れてくれる、とのことだ。
 歓喜に沸き、猟兵達をもてなそうと準備を始める彼らはその事を知らないが、それでもここから一刻も早く脱したいという思いはあるようだ。
 しかし、その前に一時の休息を味わいながら、彼等に地上の様子を語って聞かせるのも悪くは無いのかもしれない。

※現在の状況※
 猟兵の皆さんのおかげで、門番であり領主のディンドルフが倒され、地上への道中のネズミ退治も終わりました。
 地底都市の人々は外の世界からやってきた皆さんを一目見ただけで、ディンドルフとネズミ達が倒されたことをすぐに理解しています。
 しかし、今のままだといつまた吸血鬼に襲われるか分からない状況にあります。
 地底都市の住民は皆さんに対してとても感謝していますので、今のうちにこの場を脱して人類砦へと退避するように進言すれば聞き入れてくれる可能性は大いにあります。
 さらなる危機を回避するためにも、地上への様子を伝えてあげてください。
七那原・望
せっかくです。美味しいものは多い方がいいですよね。

【望み集いし花園】を発動し、アマービレで呼んだねこさん達にお願いして多めに果物を取ってきてもらいましょう。

たくさんあるので遠慮せず食べてくださいね。

【歌】と【踊り】で場を盛り上げつつ、みんなに一時の休息を楽しんでもらいましょう。

しばらく楽しんで落ち着いて来たら頃合いを見て切り出します。

地上には人類砦という人間が自分達で統治する場所があります。
人間が統治する以上、ヴァンパイアの支配もありません。
絶対に安全とはいかないですけど、地底より暮らしやすいと思いますし、空気も美味しいし、何より自由です。
だからこれが終わったら地上を目指しませんか?



 せっかくだから、美味しいものは多いほうがいい。
 そう考えた七那原・望(封印されし果実・f04836)は、ユーベルコード【望み集いし花園(ガーデン・オブ・カルポス)】で作り出した花園に「共達・アマービレ」で呼び出したたくさんの魔法猫達を送り込む。
 望の持つ黄金の林檎に触れた、抵抗しない相手を招く花園にはたくさんの果物が実っている。
 望や他の猟兵たちにとっては馴染み深い果物でも、この地底都市の住民たちにとっては珍しいもので、魔法猫が持ってきたたくさんの見たこともない果物に、住民達は恐る恐る手を伸ばし、口に運ぶ。
「なんだコレ、こんなに美味いものは食べたことがねえ!」
「この狭っ苦しい地下で、こんなに美味い果物が食べられるなんて……
 ああ、生きててよかった」
 ある者は初めて見るその食べ物に驚き、ある者はその美味しさに顔がほころび、またある者はその事に感謝のあまり涙を流し。
「皆さん、たくさんあるので遠慮せずに食べてくださいね」
 その様子に嬉しくなりながら、望は得意の歌と踊りで場を盛り上げる。
「ああ、本当に俺たちは開放されたんだな」
 住民たちがようやく得られた安寧が一時のことであろうとも、それは彼らが待ち望んでいたものに違いはなかった。
 その安寧がこの先も続くようにするためには、地上にある人類砦への避難が不可欠だろう。
(しかし、それを切り出すにはまだ少し早そうですね……)
 彼らにもう少し、この幸せな時間を味わってもらいたい。
 共に歌って踊る住民達に望はそう感じて、今しばらくのひとときを楽しむことにした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

純真邪神・幼淫魔姫ピュアニカ
ディンドルフの複製体をもう一体創って、元の男の姿のまま縄で拘束して連れて来て〜♪頭上に巨大なぴゅあの黄金製美少女フィギュアを召喚♪
そのまま押し潰して領民の目の前で公開処刑【神罰】するよ〜♪

この土地はぴゅあが支配するね〜♪

UCと公開処刑の効果でこの土地はぴゅあの国の領土に♪領民は魅了してぴゅあの信者になったよ〜♪
もし他の所へお引越しするんだったら持ち運びやすい大きさのも出してあげるから絶対忘れずに持っていって毎日ちゃんとぴゅあへの信仰を捧げてね〜♪

パーティが終わるまで像を背にして歌唱ダンス演技♪
領民もディンドルフちゃん♀もミートフルーツ達も、皆で黄金像を囲んで朝まで一緒に歌って踊って騒ご〜♪



 一方その頃、地底都市の広場では純真邪神・幼淫魔姫ピュアニカ(永遠に無垢なる幼く淫らな魔貌の邪神姫・f30297)が作り出したディンドルフの複製体が縄で拘束され、桀にされていた。
 集まった地底都市の住民たちは今から何が始まるのか、不安と怪訝が入り混じった様子で事の成り行きを見守っていた。
「はいはーい、みんな集まってくれてありがとー♪
 これからわる―い吸血鬼さんをぴゅあが処刑するからねー♪ちゃーんと見ていてね♪」
 ピュアニカのユーベルコード【【召喚】純真なる黄金像(サモン・ゴールデンピュアニカ)】により、ディンドルフの複製体の頭上に巨大な黄金製のピュアニカの像現れた。
 そして一瞬の後、そのピュアニカの像が落下し彼の吸血鬼(複製体)を圧し潰したのだ。
「ぴゅあたちのおかげで悪い吸血鬼はいなくなったよ♪
 みんな、安心していいからね♪」
 自分たちがディンドルフを倒したことをわかりやすくアピールするためのそのショーは、大成功を収めたといっても過言ではないだろう。
 事実、この広場にきている住民たちはディンドルフを倒したとのピュアニカの言葉を信じ、またその幼い見た目に反する豊満さという矛盾を孕んだ姿に魅了され瞬く間にピュアニカの虜となったのだから。 
「皆の信仰がぴゅあの力になるんだよ〜♪ これから毎日拝んでね〜♡」
 他の猟兵から地上には人類砦と呼ばれる吸血鬼と戦う人類の組織がある、と聞いていた地底都市の住民達だが、生まれ故郷であるこの地を捨てることが出来ないと考えた者も多くいる。
 それに地上の人類砦を目指している者たちはすでに地底都市を後にしていて、もうこの地底都市には残ってはいない。
 故にこの広場に集まっているのは、地上を目指すという選択をしなかった者たちばかりだった。
「この土地はピュアの支配する土地だからね♪
 みんながちゃんとぴゅあに信仰を捧げてくれたら、ずーっと守ってあげるよ~♪」
 新たに信者となった領民たちは、新たな支配者であるピュアニカを歓迎し、ディンドルフの複製体(♀)、ミートフルーツ達とともに黄金像を囲んで朝まで歌い踊り明かしたのだった。

△▽△▽△▽△▽

 こうして一つの地底都市が猟兵達の手により救われた。
 地底都市の全ての住民が地上を目指したというわけではないが、これ以降この地底都市に吸血鬼をはじめとするオブリビオンが侵攻したということはなく。
 ただ唯一の神を信仰するだけで、オブリビオンの脅威から逃れられるという地下の楽園の噂がまことしやかに広がっていくのみであった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年12月08日


挿絵イラスト