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邂逅の果てに紡がれし、世界崩壊の言の葉(作者 北瀬沙希
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●カクリヨファンタズム・某所
 ――それは、幾星霜の時を超えての男女の再会から、始まった。

 無数の蓮の葉が浮かび、月が映し出されている池のほとりで。
 純白の鎧に身を包んだ青年の退魔騎士は、赤きドレスの吸血鬼の少女と邂逅する。

 この世界に流れ着き、幾星霜。
 再会は決して叶わぬと思っていた青年の前に、懐かしき記憶と寸分たがわぬ姿で現れた少女を見て、
 青年は思わず少女を強く抱きしめ、耳元で囁く。

 ――ずっと、ずっと待っていた。
 ――もう、離さない。

 青年の囁きに対し、少女が耳元で何かを囁く、
 青年が小さく頷くと、青年の姿が霞のように掻き消え、少女に吸収された。

 恋焦がれた少女に吸収された青年は、己が心が満たされていくのを感じ。
 思わず、少女の口を借りて言の葉を零す。

 ――時よ止まれ、お前は美しい。

 それは、吸血鬼の少女との永遠を願い、紡いだ言の葉。
 だが、その言の葉を紡いだ瞬間。

 ――ガラガラガラ……。

 少しずつ、しかし激しく地を揺らしながら。
 大きな音を立てて、世界が……崩れ始めた。

●グリモアベース
「……やりきれねぇな」
 グリモアベースの片隅で、目を伏せ大きくため息をつくグリモア猟兵森宮・陽太。
 彼のため息交じりの呟きを聞きつけ、集まってきた猟兵たちを前に、陽太はグリモアが齎した予知を話し始める。
「カクリヨファンタズムで世界が崩れ落ちそうになっている。なんとか崩れ落ちる前に食い止めてほしいんだが……まずは話を聞いてくれねえか?」
 妙に歯切れ悪く話す陽太に、その先を促すように猟兵達が頷いた。

「今回の世界崩落のきっかけは、青年退魔騎士が、かつて手にかけた吸血鬼の少女の骸魂と再会したことからだ」
 そう前置きして陽太が語る伝承は、UDCアースの一角に伝えられていた、青年退魔騎士と吸血鬼の少女の伝承。

 遥か昔、ふとしたきっかけで偶然出会ったふたり。
 最初はお互い戸惑っていたものの、数度の邂逅を重ねるうち、退魔騎士は少女に惹かれ、吸血鬼は青年に恋焦がれるようになっていた。
 だが、その相容れぬ立場故、退魔騎士が恋心を押し殺して吸血鬼を斬り……ふたりの恋は終わりを告げた。
 それは悲恋の伝承として長年伝えられてきたが、いつしか失われてしまい。

 ――ふたりは生きるための糧を得られなくなり、幽世へ逃れた。

 退魔騎士は幽世へたどり着いたものの、吸血鬼は失意と負傷が原因で死して骸魂に。
 以後、退魔騎士は吸血鬼との楽しい思い出を胸に、数百年の時を過ごしてきたが、つい先日、骸魂と化した吸血鬼が退魔騎士を発見、再会。
 ひとつとなった満足感から、退魔騎士は永遠を願う言の葉を零すが。
「……それがまさか、世界の崩落を招く言の葉とは思わんかったんだろうな」
 だから、一刻も早く止めてほしい。
 そう告げた陽太に対し、猟兵等は各々の想いを胸に頷いた。

 現在、世界はその端から急速に崩れ落ち、いずれふたりをも巻き込んで完全に崩壊してしまう。
 世界崩落を待つふたりの下に辿り着くためには、まず蓮の花や葉が随所に浮かび、煌々と輝く月が水面を照らす荒れ狂った池を抜けなければならない。
 普段は静謐な池なのだが、世界崩落の余波で荒れ狂っているため、抜けるためには一工夫必要だろう。
 池の対岸まで渡り切ったら、待ち受けるのは狂気の笑みを浮かべ、世界崩落を受け入れるかのように静かに佇んでいる吸血鬼の少女。
 ふたりの想いに寄り添い、事の次第を説明すれば理解を示してくれるかもしれないが。
 それでも、世界崩落を止めるためには……吸血鬼の少女を骸の海に送るしかない。
「……辛いけどよ、それしか世界崩落を止める方法はねえんだ」
 断言する陽太だが、その表情は苦悩に満ちていた。

「想いってのは尊いかもしれねえがよ、カクリヨファンタズムって世界はひとつしかねえんだ。何を、誰を尊重するのか……それぞれが答えを出した上で臨んでくれ」

 ――それは、世界のためなのか。
 ――あるいは、青年退魔騎士のためなのか。
 ――もしくは……骸魂の吸血鬼の少女のためなのか。

 誰のためなのか、何のためなのかは、それぞれ異なるだろうけど。
 確実なのは「骸魂を倒さなければ世界が滅ぶ」ことだけ。

「皆には苦しい選択を強いるが……ふたりのこと、頼んだぜ」
 喉の奥から無理やり絞り出すように告げながら。
 陽太は愛用の二槍で転送ゲートを描き、猟兵たちを送り出した。


北瀬沙希
 北瀬沙希(きたせ・さき)と申します。
 よろしくお願い致します。

 カクリヨファンタズムで、言の葉により世界崩壊が引き起こされようとしております。
 猟兵の皆様、時を止める言の葉により引き起こされている世界崩壊を止めて下さい。

 プレイング次第ですが、心情寄りになる可能性が高いです。

●本シナリオの構造
 冒険→ボス戦→日常です。

 第1章は冒険です。
 本来ならば蓮と月影が調和する静謐な池も、崩落の余波で激しく荒れております。
 随所に浮かぶ蓮の葉をうまく利用すれば、素早く通り抜けられるでしょう。

 第2章は吸血鬼の少女とのボス戦です。
 青年と少女の思い出に関わるようなアプローチをして下されば、プレイングボーナスが与えられます。

 第3章は日常です。
 詳細は第3章開始時に。

●青年退魔騎士(西洋妖怪)
 ある吸血鬼の少女と相思相愛であったにもかかわらず、立場の違いから止む無く少女を斬りました。
 その後、存在を忘れ去られた彼はカクリヨファンタズムに落ち延び、少女の思い出を胸に生きていましたが、数百年後に少女と再会したことが今回の事態を引き起こします。
 本来は生真面目な性格であり、退魔騎士としての使命にも忠実ですが、少女への愛は本物です。

●吸血鬼の少女(西洋妖怪)
 青年退魔騎士に恋焦がれていましたが、青年に斬られたのを機に別れることになりました。
 その後、カクリヨファンタズムに向かうも、失意と負傷が祟り辿り着く前に死亡、骸魂と化しました。
 本来は気弱な少女ですが、骸魂と化した際に正気を失い、世界を永遠の闇と赤い雨で閉じ込めることを願っています。青年とひとつになっても、その想いはおそらく変わらないでしょう。

●プレイング受付開始日時について
 全章、冒頭へ導入文を追加した後、受付開始。
 締め切りはマスターページ及びTwitterにて告知致します。

 なお、本シナリオはゆっくり目の運営になると思います。
 また、サポートプレイングとおまかせプレイングは採用せずお返しさせていただきます。

 全章通しての参加も、気になる章のみの参加も大歓迎です。
 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『蓮華と月の池』

POW勢いのままに通っていく
SPD周囲を探りながら通る
WIZ敢えてゆっくり進んでいく
👑7 🔵🔵🔵🔵🔵🔴

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●カクリヨファンタズム・蓮の花咲く池のほとりにて
 転送された猟兵達の目にまず入ったのは、視界を覆い尽くさんばかりの大きな池だった。

 蓮の花が咲き乱れ、無数の葉が浮かび、水面に月を湛える澄んだ池。
 それは、普段なら静謐を保ち、ただ静かに美しく、水面に月明かりを煌めかせながら存在しているのだろう。

 ――しかし、崩落の余波で、池の水面は激しく波打ち、荒れている。

 池の対岸には見えるのは、赤いドレス。おそらく、吸血鬼の少女の骸魂だろう。
 一刻も早く少女の下に向かいたいが、荒れる池が猟兵達の行く手を遮っている。

 池の縁に沿って迂回できないこともないが、かなりの時間を要するだろう。
 どうにか池を渡って最短距離で向かえないか……そう考えた猟兵達の目に入ったのは、蓮の花と連なる無数の葉。

 岸に最も近い葉に試しに乗ってみると、波に揺られはするものの、思ったより頑丈で沈まない。
 この頑丈さなら、ウォーマシンや巨人が乗ったとしても簡単には沈まないだろう。橋や飛び石代わりに利用するには十分だ。

 猟兵達は、岸に最も近い蓮の葉に足を乗せ、渡り始める。
 ――一刻も早く、青年と少女の下に辿り着くために。

※マスターより補足
 第1章は、波打ち荒れる池を渡り、青年と少女の下に向かっていただきます。
 POW/SPD/WIZは一例ですので、自由にプレイングをおかけくださいませ。

 導入では蓮の葉をつたって渡る前提ですが、もちろん別の方法を試していただいても構いません。
 ただし、水面は激しく波打っておりますので、それだけはお忘れなきよう。

 ――それでは、良き邂逅のための行動を。
鹿村・トーゴ
んー…確かにやるせない
敵同士って解ってんのに好きあったり…
好きあってんのに結局は手にかけて死に別れたり、てなァ
この二人みたいにきれいな話じゃねーがオレにも似たよーな事あったし

それに
出逢えたと思えばこんな事態なんてなァ
あのお嬢さんも静かに狂っちゃったのか…切ないねえ、上手くいかないもんだ
や、同情ばっかしても始まんねー

蓮を渡って、か
【地形の利用】で足場を確認しながら助言通り蓮から蓮へ確実に
距離があれば縄をくくり付けたクナイを【念動力/ロープワーク/投擲】活用、手近の蓮に刺し少し寄せて飛び移る
あんまりにも荒れてたり次の蓮まで距離があるときはUCも使って荒れた波の頂点と蓮を飛び継いで進むよ

アドリブ可


●己が苦い記憶を同情の糧として
「んー……確かにやるせない」
 荒れた水面に目をやりつつ、どこかやりきれない感情を胸の裡に抱えながら、鹿村・トーゴ(鄙村の外忍・f14519)は大きく息をつく。
「出逢えたと思えばこんな事態なんてなァ……」
 決して相容れぬはずのふたりが出逢って恋に落ち、しかし別れを余儀なくされ。
 幾星霜の時を経て、幽世で再会を果たしたものの。
 ――それが世界崩落の危機を招くとは、誰が予想しえただろうか?
 そして、もうひとつ。
「あのお嬢さんも静かに狂っちゃったのか……切ないねえ」
 上手くいかないもんだ……と愚痴るように零しながら。
 トーゴは水面に目を凝らした。

 足場となり得る蓮の葉の位置を、目を凝らしてつぶさに確認し。
 助言通りに大きな蓮の葉を慎重かつ軽快に、かつ確実に渡り歩いてゆく。
 それでも、時折一度の跳躍で届かない程、葉と葉の間隔が開いていることもあるけれど。
 トーゴは慌てず騒がず縄付きのクナイを取り出し。
「ていっ!!」
 狙いの葉の近くにある蓮の茎にクナイを投げつけ、突き刺す。
 念動力も併用して確実に当てられたクナイと縄は、離れた蓮の葉に渡るための手掛かりとなり。
 二、三度軽く縄を引いてクナイが抜けぬことを確かめた後、トーゴは蓮の葉を蹴って飛び、縄を手繰り寄せつつ一気に飛び移った。

 飛び移りながら、トーゴはこの池の対岸にいるであろう2人に想いを馳せる。
「敵同士って解ってんのに好き合ったり……好き合ってんのに結局は手にかけて死に別れたり、てなァ」
 トーゴもふたりとよく似た経験をしたことがあるが、伝承ほど綺麗な話ではない。

 ――それは、拭えぬ苦い記憶として、今も心に焼き付いているから。

 トーゴは、気づかぬうちに恋心を抱いていた幼友達を自らの手にかけたことがある。
 その行為に、責や咎は誰にもなかったのだけど。
 幼友達の墓を前にし、初めて己が本心に気づいたその時。

 ――全てが手遅れであったことを、悟ってしまったのだ。

 傷心のうちに村を出奔し、様々な世界を彷徨う今。
 あの時の傷が癒えたかどうかは、トーゴ自身にもわからないけど。

 ――だからこそ、あのふたりを手遅れにはしたくない。

 その想いに至ったところで、ふたりに感情移入しすぎたと気づき、大きくため息をつくトーゴ。
(「や、同情ばっかしても始まんねー」)
 少し情を移し過ぎたか、と軽く反省するも、それでも確実に対岸への距離は詰まっていた。

 対岸が近づくに連れ、水面の荒れはより激しくなり、大きく波打つようになる。
 ――それは、崩れ落ちる世界の嘆きなのか。
 やがて波はトーゴの背丈を超える高さに達し、クナイを投げようものならトーゴごと呑み込んでやると大きな咢を開いて待ち構えている。
 ――ならば。
「寄せの術……うかみの渡り足、ここへ」
 小さく呪を唱え、さて行くかな? と呟き波に足を踏み出せば。
 不思議と足裏が丸く形を変え、波に足を踏み入れたとしても決して呑まれぬ水蜘蛛のようになる。
 波に取られぬ足を手に入れたトーゴは、波の頂点や蓮の葉を軽やかなステップと共に飛び継ぎ、一気に対岸に接近した。

 やがて池を渡り切ったトーゴは、波の頂点から一気に飛び降り、対岸へ着地。
 足裏をもとに戻しつつ、地に足をつけたトーゴが目にしたものは――。
大成功 🔵🔵🔵

アカネ・リアーブル
立場の違いから、斬らざるを得なかった吸血鬼…
悲しいです
種族や立場というものはどうしても超えがたい壁です
敵対しているのならばなおのこと
悲しい結末を迎えたお二人がせっかく二人一緒になれたのです
祝福したいですが…

お二人に声を届けるためにも
カクリヨファンタズムをお救いするためにも
まずはこの蓮の池を渡らなければなりません
荒れ狂う蓮の葉の上を歩いて渡りまして
葉の端まで来ましたら【スカイステッパー】でジャンプ
空中をジャンプしながら先へと進みます
ダンスで鍛えた体幹と空中戦を駆使して先へ先へ
届かなければ蓮の葉に着地して再びUC発動
飛行能力の補助も受けながら蓮の池を駆け抜けます

…今はただ、一刻も早くお二人の許へ


●悲しき結末の果てに待つものに終止符を
 荒れ狂う池の水面に目を落としながら、アカネ・リアーブル(とびはねうさぎ・f05355)は対岸で待つであろう青年と少女に想いを馳せながら、荒れる池の水面を見下ろしていた。

 ――その荒れる水面は、崩れ落ちつつある世界があげる悲鳴か。
 ――それとも、嘆く誰かの心の裡を表しているのか。

「立場の違いから、斬らざるを得なかった吸血鬼……」
 水面に映り揺れる己の姿を見て、悲しいです、と目を伏せるアカネ。

 種族や立場というものは、当事者たちが許容していたとしても、周囲の環境が超えがたい壁となって立ちはだかる。
 ましてや、ふたりが生きた年代を考えれば、それは立場だけでなく、お互いの思想すら縛る強固な束縛となり得る。
 ――お互いの種族の立場が「敵対」ならば、尚の事だ。
 アカネ自身も、オラトリオに覚醒したことが原因で殺されかけたことがあるため、種族の違いによる悲劇は身に染みるほど痛感している。
 ――だからこそ、ふたりには幸せになってほしいのだけど。
「悲しい結末を迎えたおふたりが、せっかく一緒になれたのです」
 本来なら駆けつけ、ふたりの新たな門出を祝福したい。
 だが、それは……決して叶わない願望であることも、わかっている。

 ――祝福の果てに待つのは、世界の崩落なのだから。

 だから今は、ふたりのところへ向かおう。
 ふたりに声を届けるために。
 この世界――カクリヨファンタズムを救うために。
 そのためには……。
「……まずは、この蓮の池を渡らなければなりません」
 改めて心を引き締めたアカネは、池の縁に接した蓮の葉にそっと足を下ろした。

 見た目以上に荒れ狂う水面の影響を受けているのか、足を下ろした蓮の葉は激しく揺れている。
 波に揺れる蓮の葉の上を、転ばぬ様慎重に歩いて横断し。
 葉の端に辿り着いたら、丈夫な葉の縁に足をかけ、虚空へジャンプ。
 身体が自然落下を始めたら、空中を強く踏みしめつつもう一度ジャンプ。
 ダンスで鍛えた体幹と空中戦の経験を頼りに、何度もジャンプを繰り返しながら巧みに身体のバランスを取りつつ、次の葉に降り立つ。
 徒歩とジャンプを繰り返し、確実に連なる蓮の葉を渡り歩き、少しずつ対岸へ近づいてゆくけれど。
 対岸が近づくにつれ、水面の荒れは激しさを増してゆき。
 池の中央付近でアカネが蓮の葉から空へジャンプした、その瞬間。
 ――ザバーン!!
 空中を踏みしめさらに高く跳ぼうとしたタイミングで水面が激しくうねり、アカネの頭上を超す高波となって襲いかかる。
 アカネも波から離れるように跳ぼうとするが、大量の水が頭上から落ちてくる方が早く。
「きゃっ!」
 大量の水に押し流されてバランスを崩し、落下する。
 この荒れる状況で波にのまれたら、猟兵とて無事では済まないが。
 アカネは水面に叩きつけられる寸前に背中の翼を羽ばたかせ、難を逃れた。

 そのまま近くの葉に降り立ち、小休止するが、長くは止まってはいられない。
 全てが手遅れになる前に、辿り着くためには……。
(「……今はただ、一刻も早くお二人の許へ」)
 移動を再開したアカネは、その後も何度も虚空を踏みしめ、空を舞い、荒波をものともせず蓮の葉をつたって渡り切った。

 無事対岸まで渡り切ったアカネは、翼を羽ばたかせながら、ゆっくりと地に足を下ろす。
 そこでアカネが、目にしたものは――。
成功 🔵🔵🔴