荒ぶる布地〜夏の忘れ物〜
#UDCアース
タグの編集
現在は作者のみ編集可能です。
🔒公式タグは編集できません。
|
「というわけで、今回はとある少女が邪神を呼び出してしまう事が予知されました」
人首・椿(傷と記憶は刻むモノ・f06124)はコロリと電子巻物を広げると、UDCアースのとある学校を示した。
「彼女の名は獅子堂梨緒。学校ならではの儀式で邪神を呼び出してしまうようなのですが……」
学校のどこで、どのようにやらかすのかが分からなかったようだ。その辺の情報は現地で収集するしかない。
「幸い、呼び出される敵の姿は確認できたのですが……」
ふと、椿は目を逸らして。
「なぜか強制的にメイド服姿にされるようですよ。次は下着姿、次は全裸と、状況が悪化するようです」
……どうしてそうなった?
「詳しくは……私にも……儀式の完遂を阻止した場合に、先遣隊として召喚される敵がメイド服でしたから、そういう、事かと……」
顔を覆って耳まで真っ赤になる辺り、意図的に予知しなかったのかもしれないが、椿を責める猟兵はいなかった。
「と、とりあえず、情報収集の為にまずは潜入の必要がありますが、こちらの学校は……小学校から大学?までの一貫性の学舎になっておりまして、未成年は制服、十八歳以上は私服で大学生として活動すれば怪しまれることはないでしょう」
どっちかってーと、周りに一般学生や教員がいる、学校という環境の中でメイド姿でメイド服を倒すという訳の分からない状況を、怪しまれずに行うというカオスを乗り切らなければならない方が大変そうだ。
「そ、それではみなさま、ご武運を!」
赤面を隠すようにして、椿は刀を振り回しながら猟兵達を見送るのだった。
久澄零太
夏も終わって、今度は残暑に焼かれる……
はっ!もう始まってる!?
皆様やっふぉい、久澄です
細かい事を気にしなければ『ネタ依頼』
色んな意味で覚悟が必要です
腹を括ってから挑んでね⭐︎
初回は六日執筆予定だから、五日の深夜までにプレくれると嬉しいな!
第1章 冒険
『UDC召喚阻止』
|
POW : UDCの発生原因となりそうなものを取り除く
SPD : 校内をくまなく調べ、怪しげな物品や痕跡がないか探す
WIZ : 生徒達に聞き込みを行い、UDCの出現条件を推理する
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アリス・セカンドカラー
お任せプレイング。お好きなように。
汝が為したいように為すがよい。
認識を略奪する結界術せっとおーん☆これで私を含めた猟兵達はぬらりひょんみたいにしれっといても誰にも気にされない存在になったわ♪あ、認識はされるし会話もしてもらえるわ。ただ、“誰であるか”を気にされなくなるってことね。
で、ワンダータルパストーカーで目耳を増やすわ。読心術と第六感で儀式の場所と時間を情報収集するわ。
つか、獅子堂梨緒ちゃん見つけたら楽園の不可思議な住人達を一匹憑依(降霊)させておけば確実か。
ふーむ、学校ならではの儀式ってーと派生も含めたコックリさん系統の降霊術かしらねぇ?
四季乃・瑠璃
緋瑪「まだ高3だし、普通に制服で良いよね」
瑠璃「実際高校生だしね」
UCで分身。
召喚者判明してるので、瑠璃がスマホ(魔術回路内蔵)から教職員のPCに【ハッキング】して、学年や所属(部活や委員会)等、データとして保存してある情報を全て【情報収集】。
その後、その情報元に緋瑪と瑠璃で手分けして実際に同クラスの生徒や部活の人間から、変わった様子とか最近学校やクラスで流行ってるコト(こっくりさんとかおまじないとか何か噂とか)を【コミュ力、言いくるめ】で【情報収集】。
その情報を元に儀式を特定して潰し(爆破)にいくよ
瑠璃「後々下着、裸にされるのが問題だけど…」
緋瑪「目撃者全員不可抗力で消せば問題無いよね♪」
夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・アド/絡◎
■行動
何やら変わった事件が起きそうですねぇ。
最初の難関は『制服の用意』でしょうかぁ。
年齢的には『制服』が必要ですが、サイズの方が?
所々露出の怪しい状態で、何とか着てみるしか無さそうですぅ(遠い目)。
何とか中に入れましたら【饒僕】を使用し『女神の僕』を召喚、窓の外等の屋外から、建築物等の位置関係の把握と、見られる&聞き取れる範囲で[情報収集]をお願いしますねぇ。
『事件発生』→『現場への行き方が不明』では、どうにもなりませんので。
私自身は、人の集まる場所で噂話に聞き耳を立てましょう。
何か発生しましたら、其方へ向かいますねぇ。
猟兵が原因、という可能性も高そうですが。
ニィナ・アンエノン
UDCアースの制服って可愛いよね!
にぃなちゃん大好き☆
とゆー事で、高校の制服で潜入だ!
にぃなちゃん背ぇ低いからイケるでしょー。
でも学校ならではってなんだろう?
授業?部活?お昼休みの購買部戦争?
とりあえず全部参加して青春を謳歌してみよっかな!
そんで親切な子がお世話焼いてくれたら、そこから【情報収集】出来るかも。
それとも【忍び足】で職員室に潜入して、ユーベルコードで【早業】の【ハッキング】してパソコンを調べちゃう?
制服を【防具改造】して【迷彩】機能とかつけちゃえば楽かな。
あ、もしかして男の子に抱きついたりして【誘惑】した方が早い?
ま、とりあえず獅子堂ちゃんの事調べれば何かは分かるはずだよね!
黒木・摩那
信者?や猟兵達?をメイド服にする邪神って、どんだけ奉仕されたんでしょう。
そして、さらに下着にして全裸とか。
そんなスケベ邪神は断固して許せません!
儀式は絶対に止めないとね。
さて、調査です。
現役学生なので、潜入自体は制服でよいとして。
儀式のやり方がわからないのが困りました。
いろいろな可能性を考えて調査してみます。
まずUC【影の追跡者の召喚】で尾行するとして。
その軌跡もスマートグラス上でトレースします。
歩いた跡が召喚のサインだった、もありますし。
あとは梨緒さん自身の人となりも知っておきたいですね。
こちらは周辺の人に聞いてみます。
メイド服とかに愛がある人なんでしょうか。
満月・双葉
強制的にメイド服姿になるのなら、最初からその恰好をしていれば問題ない(どやアホ毛)
え、制服指定?面倒くさい学校ですねぇ
所でナゼ学校でメイド服?
憧れか?憧れなのか?
まぁいい、校内を調べて歩きましょう
とりあえず怪しいと【野生の堪】が囁くものは大根で破壊して歩きます
後始末は組織が何とかするでしょう
あと何か変態がくっついてきた予感がしますが、それも始末すれば何とかなるでしょう
ミーシャ・アレクセア
下着…姿…ですか
それは断じて許し難し、監禁してとくと眺めねば
…というのはまぁぶっ殺されそうですからやめておきましょうか
双葉の下着姿を眺めていいのは私だけです
UDCなんぞに見せてたまりますか
そもそも色気のないのを着ているんですから先に着替えさせなくては
双葉を発見するのはたやすい
あちらから匂いますが念の為
きらきら毛先が光っているジト目の眼鏡を見ませんでしたか?
または、いつの間にか爆破されていたり
ちなみに何が壊されていました?
あと最近七不思議的な変な噂聞きませんでしたか?
目的ついでに仕事もしておきましょう
アリス・トゥジュルクラルテ
メイド服、可愛い、から、いい、です、けど…下着、とか…は、裸、とかは、ちょっと…。
き、きっと、早い、解決、したら、大丈夫、です!
アリス、学校、初めて、来た、です。
制服も、初めて、です。ちょっと、制服、大きい、かも…。
学校、ならでは…。
学校、には、怪談、とか、七不思議、とか、ある、本で、読む、した、です!
そういうの、ある、聞き込み、する、です!
あとは…オカルト、研究、する、部活、とか?探す、です。
聞く、しながら、読心術、で、梨緒さん、探す、です。
もしも、見つける、したら、説得、する、です。
邪神、危ない、です。
呼ぶ、したら、あなたも、学校、いる、人も、死ぬ、かも、ですよ?
それで、いい、です?
セプテンバー・トリル
なるほどなるほど。今回は学校への潜入任務ですのね。
では、いつも通りのワーキングドレスで参りましょうか。
え?ダメ?私は学校内で工事をしているごく普通の土木作業員ですわよ?
どこにも不自然な所はないと思うのですけど…
そこまでダメ出しされては仕方ありませんわねぇ。
【WIZ】連携・アドリブ歓迎
ではUC【下請け要請】で作業員を召喚しましょう…学生服姿で。
私は上空の【サーベイヤー】で皆さんの情報収集の報告をまとめてますから、後はよろしくお願いしますわ。
さてさて、サーベイヤー。あなたも報告のまとめを手伝ってくださいな。
他の猟兵の方達の動向もチェックするように。
…危なくなったら逃げますから。
白石・明日香
とりあえずどこにいるか探さないとな。
目標の特徴や普段いそうな場所とかを聞き込みで聞いておき。
それをもとにして追跡するか。
それが外れても怪しげな儀式をやるとしたら、校舎裏や空き教室といった人気のない所と相場は決まっている。あ、トイレも探してみるか。とにかくダッシュでしらみつぶしに探そう。学生服で迷彩も忘れずに。
そんで見つけたら儀式に使われそうなもの、蝋燭やら魔法陣やら10円玉やらを片端から破壊するとしよう。
うん、探し物はめんどくさいな!
テティス・ウルカヌス
いちご君と
綺麗なテティスです
「いちご君と一緒に学園生活……
これは付いていくしかないですね!」
(学園生活を脅かす邪神は許せないですね!
私もいちご君の任務に協力しますね!)
早速、高等部の制服に着替えて学園に潜入です。
「いちご君……
じゃなかった、いちご先輩。
その男子用の学生服、似合ってますよっ」(赤面
転入生として学校に潜入して、学園内の調査をおこないますね。
「あ、あの、いちご先輩……
二人で一緒に調査するのに不自然じゃないように……
こ、恋人のふりをして学校を見て回りませんかっ!
あっ、あくまで調査のためですからね、調査のため!」
顔が熱くなるのを自覚しつつ、いちご君と腕を組んで学校をくまなくデートします。
彩波・いちご
テティスさんと
「邪神召喚阻止のため、潜入捜査になります。大丈夫ですか?」
…ちょっとだけ、任務関係ない学園生活だったら楽しそうだとは思いますけど、ね
というわけで、男装して、綺麗なテティスさんと一緒に学園潜入
「学生服姿は着慣れないですけど…似合ってるならよかったです」
一応男なので、似合わないと悲しいものはありますしね…我ながら似合う自信はないのですが
それはともかくペアで動きやすいように…
「恋人の振り…ですか?」
さすがにちょっと照れ臭いですけど、理にはかなってますし
「わかりました。今から私たちは恋人同士ですよ」
腕を組みながら、2人で調査していきましょう
…単なるデートにならないように、一応気を付けて…
涼風・穹
……UDC召喚儀式は本人にその気はなくても条件さえ満たしてしまえば成立してしまう場合もあるからな…
獅子堂梨緒って娘もその儀式を意図的にやっているなら兎も角、もし偶然の産物だとすれば調査も難しいかもしれないな…
取り合えず学内でメイド服が絡みそうな部活や集まりを調べてみます
コスプレやサブカル関係、メイドものの好きな文芸部やゲーム部辺りからかな
する事が無ければ第四の壁の向こう側に毒電波送信
メイド服のスカート丈はロングとミニどちらが好みですか?
ところで今回はメイド服を脱がすと即下着のようですが半脱ぎの状態や破れた個所から肌や下着が見えている状況のような、全て脱がす前の状態にも浪漫があると思いませんか?
「……UDC召喚儀式は本人にその気はなくても、条件さえ満たしてしまえば成立してしまう場合もあるからな……獅子堂梨緒って娘もその儀式を意図的にやっているなら兎も角、もし偶然の産物だとすれば調査も難しいかもしれないな……」
さぁやってまいりましたUDC学園(学園側に配慮して仮名)!シリアスフェイスな涼風・穹(人間の探索者・f02404)は、椿の情報をもとに、メイド服を探しに行くのだが。
「……マジか」
まさかの敷地に入る前に白い目に!何故か?
「学園祭開催……だと?」
そう!この学園は今まさに学園祭に向けての準備中。であれば定番の出し物としてお化け屋敷、ライブ、そしてメイド喫茶などに学生が備えていてもおかしくない。
「まずいぞ……こうなってくると、部活やサークルだけじゃ間に合わない……」
各クラスの中に、メイド喫茶をやる店があろうものならそちらの調査も必要になってくるが、いかんせん今は準備期間。どこが何をやるかなど、わかるわけがない。
「メイド服のスカート丈はロングとミニどちらが好みですか?」
……おい、なんで唐突にこっちを見る?
「ところで今回はメイド服を脱がすと即下着のようですが半脱ぎの状態や破れた個所から肌や下着が見えている状況のような、全て脱がす前の状態にも浪漫があると思いませんか?」
待てぇや!現実逃避すんな仕事しろ!!
「うるせー!ノーヒントでどこにあるかも分からないメイド服なんか探してられっか!!この学園一貫性のマンモス校なんだぞ!?」
そこなんだよねー。調査範囲がアホみたいに広いんですよ今回。ただ、被疑者(?)の梨緒はJKだってことはわかってるから、人からアプローチすればよかったんじゃないかなー。
「メイド服とか下着とか言われたら、服の方を調べるだろうがッ!そっちに突っ走るのが男の浪漫だろぉう!?」
駄目だこいつ完全に暴走してやがる……。
「で、ミニ?ロング?」
人による。生足見せた方がいい人もいるし、肌を見せない人もいる。巨乳が似合う人もいれば貧乳が似合う人もいるのと同じだろう。
「ふっ……貴様、絶対領域の存在を忘れ」
ッドゴーン!!
「……変態の気配」
満月・双葉(時に紡がれた星の欠片・f01681)……いきなり大根を投げるんじゃねぇ……!
「強制的にメイド服姿になるのなら、最初からその恰好をしていれば問題ない……って思ってたけど、そもそもナゼ学校でメイド服?憧れか?憧れなのか?」
赤い生地に黒のレースをあしらったメイド姿で、ピンッとドヤアホ毛してから、丸まって?マークを作るアホ毛を揺らし、双葉が学園祭のお知らせを確認。
「なるほど……こうなってしまうと、校内を歩き回って、勘を頼りにぶん殴ってしまった方が早そうですね……あと」
すっと、新手の大根を構えて。
「何か変態がくっついてきた予感がしますが、それも始末すれば何とかなるでしょう」
と、警戒する背後数十メートル地点。
「下着姿ですかそれは断じて許し難し監禁してとくと眺めねばというのはまぁぶっ殺されそうですからやめておきましょうか双葉の下着姿を眺めていいのは私だけですUDCなんぞに見せてたまりますかそもそも色気のないのを着ているんですから先に着替えさせなくては……」
全部一息で言い切ったミーシャ・アレクセア(堕天使・f08032)か……確かに変態だわ……ただな。
「ん?何ですか私は双葉を見守るので忙しいんですが?」
「ちょっとムショまで来てもらおうか」
悪目立ちすると、守衛さんに捕まるんですわー。
「く、その手を離しなさい、私には双葉の下着姿を眺めるという使命が……!」
ミーシャがログアウトしたところで、次にやってきたのは。
「ここから先は邪神召喚阻止のため、潜入捜査になります。大丈夫ですか?」
「いちご君と一緒に学園生活……これは付いていくしかないですね!」
(学園生活を脅かす邪神は許せないですね!私もいちご君の任務に協力しますね!)
本音と建前が逆になってるテティス・ウルカヌス(天然系自称アイドル・聖なる歌姫・f12406)と、その失態を華麗にスルーして微笑む彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)……リア充共がっ!!
「いちご君……じゃなかった、いちご先輩。その男子用の学生服、似合ってますよっ」
「学生服姿は着慣れないですけど……似合ってるならよかったです。テティスさんもかわいらしいですね」
「はぅ……」
学生服に身を包んだ二人は、高等部の学生として……待て待て待て!?
「どうしました?」
「あれ、私なにか間違えましたか!?」
いやテティスは別にいい。いちご、お前……!?
「一応男なので、似合わないと悲しいものはありますしね……我ながら似合う自信はないのですが、どこか変ですか?」
お前が!男装してるのが!すでにおかしい!!
「……さすがにそういうお仕事の時くらい、私だって男性の服を着ますよ?」
なん……だと……!?女装しか受け付けない特殊な嗜好なのかと思ってた……!
「ちょ!?私には私の事情があってですね!?」
「あぅあぅ……」
こっちで騒いでる間に、おろおろし始めたテティスはいちごの関心を奪い取るように、その腕に抱きついて手を重ねた。
「あ、あの、いちご先輩……二人で一緒に調査するのに不自然じゃないように……こ、恋人のふりをして学校を見て回りませんかっ!あっ、あくまで調査のためですからね、調査のため!」
「恋人のふり……ですか?」
真っ赤になったテティスに釣られて、むず痒い心持のいちごは目を逸らして頬をかきつつ。
「さすがにちょっと照れ臭いですけど、理にはかなってますし……わかりました。今から私達は恋人同士ですよ」
「え、えっと、じゃあどこから行きましょうか?」
ぎゅーっと抱きしめてくるテティスの圧力から伝わる熱に、いちごは遠くを見るようにして。
「ひとまず、高等部から行きましょうか。私たちも、高校生なわけですし……」
かくして二人は、校舎へ向かって身を寄せ合い歩んでいく……このリア充共がっ!(二回目)
「何やら変わった事件が起きそうですねぇ」
夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)だ!毎回ぶっ飛んだUC使ってハチャメチャやるけど、なんやかんやで事件解決に対しては真面目なるこるだ!今までのメンツに比べたら遥かにマシな行動を……目が死んでる!?
「服が……なかったものですから……」
あっ(察し)。
「とりあえず、無理やり来てみた結果がこちらですぅ」
るこるといえば、ダンッムキュッドンッで表現できる(個人的感想です)質感凄まじい体の持ち主。それを一般的な女学生に合わせた制服に詰め込んだ結果、胸元は半分ほどボタンをはずしてリボンで繋ぎ止めてあり、スカートはギリギリ見えるか否か、というところまで持ち上がってしまっている。ハッキリ言って、ギャルい。
「個人の体格の問題なら仕方がない、と生徒指導の先生にも許可はいただけましたがぁ……視線を感じますぅ……」
まぁ、男女問わず見るだろうねぇ。
「ちょっと目立ちすぎましたかねぇ……」
人差し指だけ伸ばして腕を地面と水平に上げると、そこに小鳥が整列して留まる。
「ひとまず、調査そのものはこの子たちにお願いしましょうかぁ」
飛び立っていく小鳥たちを見送って、るこるは一先ず校舎の位置関係の把握もかねて、学園の中心へと向かっていくのだった。
「まだ高三だし、普通に制服で良いよね」
「実際高校生だしね」
外から調べるるこるに対して、四季乃・瑠璃("2人で1人"の殺人姫・f09675)と緋瑪は中から調べる方針。もちろん目指すは職員室……が、見える中庭のベンチ。
「名前が分かってるんだから、先生のパソコンからデータ抜いちゃえば一発だよね」
「公的機関だからガードは固いけど、私達にかかればちょちょいのちょい♪」
瑠璃がスマホを通して引っこ抜いた個人情報を、瑠璃の頭にあごを乗せた緋瑪がのぞき込んでみると。
「あれ、この子結構ヤバくない?」
「部活も委員会もなし、内申も最低クラス……」
「素行不良のヤンキーかな?」
こうなってくると、ちょっと厄介なのが。
「本人について直接聞いたら、怪しまれるかな?」
「喧嘩売ろうとしてるヤンキーだと思われたらヤダねぇ……」
そもそも、ここまで酷いと孤立している可能性も出てきて、クラスメイトに話を聞いても何も引き出せない可能性もあるが。
「よし、じゃあ私はヤンキー、緋瑪は儀式?で分担」
「はーい!」
かくして、一旦姉妹は別行動をとることに。
「信者?や猟兵達?をメイド服にする邪神って、どんだけ奉仕されたんでしょう。そして、さらに下着にして全裸とか。そんなスケベ邪神は断固して許せません!儀式は絶対に止めないとね」
ところ変わってこちらは黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)。こっちもJK、潜入そのものは難しくない。で、問題はここから。
「儀式のやり方が分からないのが困りました……むしろ、なんで分からなかったのでしょう?」
普通、グリモア猟兵が予知した時点で儀式の内容くらいはわかりそうなものである。だというのに、何故今回の予知には引っかからなかったのか。
「学校ならでは、っていうのも気になるんですよね」
怪談が多く語られるこの場所で、ならではの儀式となると可能性の幅が広すぎる。となれば手近な情報は。
「まずは梨緒さんの人となりを……」
「っぎゃぁあああ!?」
「えっ」
目の前を、わかりやすいリーゼントのヤンキーがすっ飛んでいった。
「今時あんな人いるんですね……じゃなくって!」
喧嘩だろうか、などと曲がり角の向こうを覗いてみたら。
「お姉さま!」
「妹よ!」
瑠璃と鉢合わせ、腕を広げた摩那めがけて、吊るし上げていたヤンキーを放り捨てた瑠璃が飛び込んでいく……なお、瑠璃の方が年上なのは秘密だ!
「こんなところで辛味の同志に会えるなんて……あれからどうですか?」
「うん!デスソースは順調に進化を続けてるよ!!」
この二人、壮絶な辛党という謎の共通点があるんだよね……。
「それで、なんで喧嘩?絡まれたんですか?」
叩きのめされて痙攣するヤンキーを見遣る摩那に、瑠璃が言うことには。
「同じタイプっぽい人と『お話』してたんだけど、どうやら梨緒って子、ものすごく喧嘩の強い不良みたいだよ。いわゆるスケバン?とかなんとか。この辺り一帯の支配者っぽい」
「なんでそんな人が邪神召喚を……?」
考え込む摩那だが、その思考がまとまる前に瑠璃が外を示して。
「とりあえず、屋上にいるのを見かけたらしいから、そっち行ってみようか」
「ですね。まずはご本人を見つけない事には始まりませんし」
などと、スパイシーシスターズが動く裏側で。
「はい、今日はここまで……」
「んー……終わったー!!」
なーんでニィナ・アンエノン(スチームライダー・f03174)は普通に授業に参加してるんですかねぇ!?
「学校ならではってなったら、授業も部活もお昼休みの購買戦争も参加して、青春を謳歌するっきゃないでしょ!」
おい、仕事しろよ。
「ニィナ、あんた弁当?」
「うんにゃー?にぃなちゃんは購買派だよー?」
あちゃー、と言わんばかりに眉間にしわを寄せて、クラスメイトが購買のある方を示し。
「今日って確か限定三十個のカスタードまんの日じゃなかった?早くいかないと、そっち目当てで来てた人が買えなくって違うの持ってったりするから、そもそもお昼が無くなっちゃうよ?」
「なんですとぉう!?」
カスタードまんと昼飯抜きの両方に反応して、ニィナはサブバッグに詰め込んであった財布を引っ掴むとビシッと敬礼。
「不肖にぃなちゃん、いざ購買戦争へ行って参りまする!!」
「いてらー。ま、だめだったらあーしのサンドイッチ分けてやっから、怪我しないようにねー」
ひらひらと手を振るクラスメイトに見送られて、いざ購買へ飛び込んではみたものの。
「おぅ……既に混んでいる……」
戦争って表現されるくらいだから、そりゃーねぇ?これを回避するため、たいていの人は一個前の休み時間の時点で昼食を買っておくものである。
「いっくぞー……待ってろよ、カスタードまーん!!」
―――
――
-
「で、見事に敗北してきたと」
机に突っ伏して、しくしくめそめそしているニィナの頭をクラスメイトがぽむぽむ。
「あ、でも代わりにお友達買ってきたよ!」
「買われてきたよ!!」
「そもそも売り買いすんなし!?ていうかあんた誰!?」
購買で合流してきた緋瑪がニィナと並んで敬礼。
「自分は緋瑪であります!」
「我々はカスタードまんを求める同志なのであります!!」
と、ここまで言ったところで緋瑪がニィナ同様溶け落ちて。
「でも一回も食べた事ないんだよぉーう……もちもちでー甘くてーって有名なのにー……」
「本当それねー……あ、獅子堂って誰?」
『ぶっふ!?』
突然のニィナの質問に、クラスメイトが噴き出し、むせてしまう。
「ちょ!?」
「購買でさー『最近獅子堂がいないから安心して買い物できる』って言ってる人がいてさー。誰?ってなるじゃん?あれなの?お金がぎっしり詰まった鞄持ってきて、これ全部、釣りはいらねぇ……ってやる人なの?」
渋い男性だと思っているのか、低い声真似をするニィナに対して、クラスメイトは遠い目である。
「知らないとか、あんた幸せだね……あいつはいろんな意味で伝説」
「「?」」
ニィナと緋瑪が顔を見合わせて、首を傾げると隣のクラスメイトは片手を天に、片手を胸に。
「獅子堂様こそが、私達の救世主なの……!」
「ここ、小学校から持ち上がりの学校じゃん?だからあーしみたいなバカも普通にいるんだけどさー、そも授業に出てこないようなヤンキーもふっつーにいるわけよ」
自分の世界に入ってしまったクラスメイトに代わって、ニィナにサンドイッチを恵んでくれた友人曰く。
「だから昔はむしろヤンキーしかいなくて、そこら中で喧嘩して、タバコ吸って、ヤッてってぶっ飛んだ学校だったわけ。それを入学初日っからヤンキーのヘッド潰して回って、あっという間に大人しくさせちゃったのが獅子堂」
「ちなみに私たちと同級生!おかげで三年間、平穏無事に終われそうだよ~」
マイワールドから現実に帰ってきた友人の話を聞いて、ニィナはほへー……と感心しているようだが、緋瑪の方は若干もやっと。
(瑠璃が言ってた話となんか違うな……誰彼構わず襲いかかってくるヤバい人って言ってなかったっけ……)
単純に、不良しか狙ってないって話なのだが、緋瑪の頭ではそこまで理解できなかったようだ。
「む、今どこかで馬鹿にされた気がするー……」
おっと、次に行こうか。
「なるほどなるほど。今回は学校への潜入任務ですのね。では、いつも通りのワーキングドレスで参りましょうか」
などと、セプテンバー・トリル(ゼネコンのお姫様・f16535)はいつもの作業ドレスで参戦なんかするから……。
「すいませーん、これお願いしまーす」
「はいはいお任せあれ……骨組みが既に甘いですわね。ここ、ボルトをきちんと留めておかないと、何かの拍子に崩れますわよ?」
入口のアーチで手伝いを頼まれたり。
「これってどうしたら……」
「縛りがちょっと物足りませんね。普通の蝶結びでも十分かもしれませんが、せっかくならこっちを軸にして、このように巻き付けてから、ここを通して縛っておくと、ロープ同士の摩擦で支えあってくれて強風でも飛ばされませんの。でも、実際に縛ってあるのはこの一点だけですから、片付けは簡単なんですよ」
教室の窓から垂らす横断幕を任されたり。
「こっちこっち!ステージをこの辺りでお願いします!」
「流石に私一人では厳しいですわね……皆さん、お仕事のお時間ですわよ!」
『ヒャッハー!ステージの組み立てだぁ!!』
「……あの喫茶店に行き過ぎて、うちの作業員さんが機械骸骨さんの影響を受けているような?」
調査に使うはずだったUCを野外ステージの設営に使うことになったり、などなど。猟兵っていうか、完全に大工だと思われてしまっている。
「ふぅ……やはり何かを作るというお仕事はやりがいがありますわね……」
完成したステージで電源の確認を行っている学生たちを見守りながら、差し入れのお茶を飲んでいた時だった。召喚した作業員が、セプテンバーに問う。
「で、お嬢。お探しの娘は見つかったんですかい?」
「……サーベイヤー!」
完ッ全に忘れてたなお前!?
「わわわ忘れてなんていませんわよ?」
既にぐるぐるの髪を、更に指先でくるくるしながら目を逸らすセプテンバーは測量ヘリを呼び出すと、ピックアップワイヤーに掴まって機内にあがる。
「少なくとも、学内に怪しいところはありませんでしたわねぇ……サーベイヤーのデータにも、地下の空洞や隠し部屋の類は確認されていませんし……」
首を捻ったところで答えは出ない。なんやかんやで学園中を駆けずり回って工事……。
「調査ですわ!」
はいはい、調査調査。とりあえず、見て回ったところに怪しい場所はなし。
「引き続き、測量をお願いしますわね。あと、他の猟兵の方達の動向もチェックするように……危なくなったら逃げますから」
セプテンバーは知っている。こういうノリの依頼は、大体被害はオブリビオンより猟兵が出すものだと。
「そのためにも、常に監視を……」
とか言ってたら、アラートが鳴り響く。
「ど、どうしました!?え、ろっくおん……?」
戦闘機でも飛んでるのか?と周りを見回すが、何もなく。
「まさか……!」
「怪しいヘリ……」
「とりあえず、落としちゃおっか!」
屋上から瑠璃&緋瑪が狙ってますねー。
「あの、あれって猟兵側の機体じゃ……」
「でもほら、目立つなって言われてたし」
「ヘリに乗ってる時点で、仮に味方だったとしてもあっちが悪いよね☆」
一緒にいた摩那の制止空しく、手榴弾がセプテンバーめがけてシューッ!ニィナ?一緒にいたけどきらきらした目でヘリを眺めてるだけで何もしてないね。乗り物を前に、ライダーの血でも騒いだのかな?
「いやぁあああ!?上昇!サーベイヤー!急上昇なさい!!」
咄嗟に高度を上げて回避、空中で爆ぜた爆弾にあおられて、機体が揺らぐものの事なきを得たセプテンバーがほっと胸を撫でおろした時だった。ガシャン、装甲を何かがぶち抜いた音がする。
「何事ですの!?」
身を乗り出して見つけたのは、大根だった。
「え、大根、え?」
思考が追い付かない建築お嬢。脳裏によぎるのは、喫茶店のメイドがこんなの持ってたなって淡い記憶と、あれでもこれ確か敵に投げつけたら爆は……。
ッドン!!
「あぁああああれぇええええええ!?」
「……ミーシャめ、まさかヘリまで持ち出すなんて」
金髪であったがために、双葉にストーカーと勘違いされて撃墜されたセプテンバーは無事に(?)校庭に落下、爆発四散するのであった……。まぁ、次章には元気になって、修復されたヘリと共に帰ってくるでしょう。
「……で、私が過労死待ったなしなんだけど、これ補填あるのよね?何かボーナス出るのよね?」
何言ってんだアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)?
「確かに認識阻害の結界張るって言ったわよ?都合の悪いことはごまかされるようにするって言ったわよ?でもこれ割に合わなすぎないかしら!?」
みんなも不思議に思ってたんじゃないかなー、猟兵達が『何故か』学生達とお友達だったり、『何故か』ヘリが飛び立ったり爆発したりしても誰も気にしなかったりしたことが。
「全ては私が張る、ギャグ補正の結界のおかげ……ただ、バカ騒ぎされるとそれを維持する私に負担が来るんだけど……」
じーっと何かを要求する目をこちらに向けてくるアリスだが、悪いな。その辺は俺関係ないし、ほかの猟兵が勝手にやってることだし、ボーナス出せないんだわー。
「くっ、けち臭い管理官ね……」
まぁいいわ、と区切りをつけて、アリスが指を鳴らせば燕尾服のウサぐるみ小隊が召喚される。
「獅子堂梨緒ちゃんを探して、発見したらその後を追いなさい。別に何か仕掛ける必要はないわ、儀式の詳細を調べるためにも、泳がせないといけないもの」
『うさー!』
学内に散っていくウサぐるみを見送って、アリスは一人思案する。
「ふーむ、学校ならではの儀式ってーと派生も含めたコックリさん系統の降霊術かしらねぇ?でも、だとしたら仲間が三人は必要よね。そうでなくても、どこかの教室にいるはずだし、なにより椿ちゃんが予知できないわけがない……」
椿からあがった情報は一人分だけ、さらに学内は既に猟兵達が隈なく探し回っている。
「まさか、学生しか知らない、ドマイナーなお呪いでもあるっていうの……?」
アリスが何かに気づきかけている頃、もう一人のアリスこと、アリス・トゥジュルクラルテ(白鳥兎の博愛者・f27150)は。
「メイド服、可愛い、から、いい、です、けど……下着、とか……は、裸、とかは、ちょっと……き、きっと、早い、解決、したら、大丈夫、です!」
この後襲い来るのであろう恐怖?を前に、自らを鼓舞していた。
「アリス、学校、初めて、来た、です。制服も、初めて、です。ちょっと、制服、大きい、かも……」
きょろきょろと、周りを見回しながら歩くさまは学校見学に来たお子様のようだが、やや袖を余した制服が、彼女もまた高校生なのだとイメージを植え付ける。いやまぁ実際年齢的にはJKなんですけどね!!
「学校、には、怪談、とか、七不思議、とか、ある、本で、読む、した、です!そういうの、ある、聞き込み、する、です!あとは……オカルト、研究、する、部活、とか?探す、です」
ふんすふんす、きゅっと両手を握り、気合十分に向かったオカルト研究部。学園祭とあって、この学園に関する七不思議や言い伝えをまとめた展示がなされており、自分の考えは間違いではなかったのだと、思いっきりドアを開けて。
「お話、聞かせる、欲しい、です!」
『リア充よ、滅べ』
「……何か、儀式、する、です?」
アリスを出迎えたのは、額にRBの文字が刻まれた黒サバトの集団。彼らがぐるぐる回る中心には蝋燭の上に吊るされて、火あぶりにされるハートチョコが……。
「迷える子兎よ……汝にもRBのお導きがあらんことを……」
「あーる……びぃ?」
アリスが首を傾げていると、いちごとテティスがご来店。
「あ、すみません、外で恋占いしてるって書いてあって来たんですが……」
「私たちの相性も占っていただけませんか?」
『ぐぁああああ!?』
「ぴぃ!?」
カップルが部屋に入った途端、サバト集団が発狂。バタバタと倒れ伏していく……。
「リア充だ……リア充だ……!」
「やめろ、ここできらきらするんじゃない……浄化されてしまう……!」
「みんな……よく頑張ってくれた……ここから先は俺が」
「はーいいらっしゃーい!」
「ぶぼっふ!?」
学園らしく?木製バットで殴りかかろうとした穹(ていうかおめー黒サバトに混じってたのか)をボスらしき男子学生が弾き飛ばし、テティスといちごを席に着かせる。
「アタシは部長の御釜よ、よろしく。当部活はあらゆるオカルトにつながるモノを集めたごった煮……占いは当たるも八卦、当たらぬも八卦。そんな意見もあるんだな、くらいに話半分に聞いてちょうだい」
「ど、どきどきしてきました……」
「よろしくお願いします」
そわそわするテティスの横で、ピンと背筋を張って緊張するいちご。二人に、小さな黒板とチョークが渡される。
「その黒板はウィジャボードの仲間。学内を漂う無数の霊に意思を伝えるもの……そっちのチョークは人骨でできたチョーク。霊的存在に訴えかけるキーアイテムよ」
「人の、骨、です……!?」
話を横で聞いていて、怯え始めたアリスに、穹が違う違う、と手を振って。
「そういう設定だよ。あの人、筆跡鑑定から相手の内面を見抜くプロだから、雰囲気だけだって」
「そう、です?」
つーか、穹お前ここに詳しいな。
「サブカルが怪しいと踏んでたら、いかにも儀式を知ってそうな部活があったからな。そしたら案の定、ビンゴ」
既に話を聞き終えてメモを取っていたのか、紙きれを見せる穹。それを横からアリスがのぞき込んでみると、地味に厄介な『お呪い』が書かれていた。
「急がないと、間に合う、なくなる、です!」
「そうしたいのは山々だが、是だよ」
穹が示したのは、儀式の概要。
学園の四方に時計を描き、逢魔ヶ時に立ち止まることなく逆走する。
一周したら自分の胸に刃を突き刺す。
そうすれば、過去をなかったことにして、やり直すことができる。
ただし、時計が不完全だったり、消されてしまったりすると、時戻しが中途半端になる。
「どう見ても自殺させるための内容だろう?これを信じる奴がいるとは思えない……ってことは、だ」
ちらと、穹は御釜を示して。
「部長が本当の儀式のやり方を隠してる可能性がある。もしくは……」
「梨緒さん、自殺、する、しても、やり直す、したい、くらい、追い詰める、されてる、です?」
「叶わないなら死んだ方がマシだって思えるような願いを持ってる可能性もあるな。なんにしても、部長が全てを語ってくれなきゃ分からない」
ちらと、穹が視線を御釜に戻すと。
「うーん、最低!」
「「えっ」」
いちごとテティスにとって、よろしくない占いの結果が出たようだ。
「あなたたちの相性は最低ね。このままいくと破局するわよ!」
「な、え、どうして……」
「理由は、聞かせていただけますか?」
半ば放心状態のテティスに代わり、いちごが身を乗り出すと、その眉間に御釜の指先が添えられて。
「大体あんたのせいね。あなた、隠し事を色々してるでしょう?それは社会的なものかもしれないし、個人的なものかもしれない。さすがに中身までは分からないけれど、二人の関係に響く隠し事ね。そしてそっちのあなた」
「は、はいっ!」
急に話を振られて、テティスがビクッ。反射的にいちごの腕にしがみつきながら耳を傾けると。
「あなたはあなたで、裏表があるんじゃないかしら?人に見せる側面と見せられない側面。そういうのって、ギャップ萌えになる事もあれば、幻滅される事もあるのよ?あたし的には、別れたくないなら二人ともきちんとお腹を裂いて話すことをお勧めするわ」
「割るんじゃないんですね……」
力ない苦笑を浮かべる二人に対して、御釜は優しく微笑んで。
「とはいえ、占いは万能じゃないの。あくまでも、そうなるかもしれない、って程度にとらえて、仲良く話し合いなさい。そもそも、この占いが当たってない可能性だってあるんだから」
カップルを見送り、道具を片付けていると、アリスが御釜の前へ。
「部長さん、嘘つく、してる、です」
「何よいきなり~あ、あたしが男なのに女口調だから?困った子ね☆」
ウィンクする御釜はじっとアリスの眼を見た。
「儀式、嘘、教える、したです」
「嘘じゃないわよ?穹ちゃんに教えたのは、この部活に代々伝えられる、この学園に隠されたお呪い。失敗したらあの世行きの、一世一代の恋のお呪いなの!」
「……誰か、恋愛相談、する、された、ですね」
「やーねー、何も話されてないわよ」
けらけらと、笑って手を振る御釜を射抜くように、アリスが見つめて。
「儀式、やり直す、しか、書く、ないです。恋、関係、ないです」
「……」
初めて、御釜の笑みが止まった。
「獅子堂、梨緒、さんです?」
「さぁ、ね」
ついに目を逸らした部長の眼が、穹と重なる。
「聞かせてくれ。もし本当なら獅子堂が死ぬ。儀式が違うのなら、邪神が呼び出される事になる。本当は何をする儀式なんだ!?」
「邪神とか、何言いだすのよ穹ちゃん。私はなんにも……」
「コイツを見ても同じ事が言えるのか?」
部室の入り口に立っていたのは、白石・明日香(十字卿の末裔・f00254)だった。その服は泥にまみれ、手には土で汚れた懐中時計。
「どうしたんだそれ?」
「儀式の中身なんか見当もつかないからな。怪しいところは虱潰しに捜索してたんだ。そしたら、校舎裏に明らかに最近埋めた形跡があったんで、掘り起こして来た」
穹に怪訝な顔をされて、明日香がそれを机に置くと、御釜は表情を歪ませて。
「アンタねぇ!自分が何をしたのか分かってるの!?」
「わかんねぇからここまで来てやったんだよニューハーフ。邪神かどうかはさておき、俺がこうして儀式に必要な要素をぶっこ抜いてきたんだ。もう成功はしないんだろう?だったら話せよ。全部説明したら埋めなおしてきてやっからよ」
歯噛みして、震える御釜に、アリスが問うた。
「梨緒さん、恋してる、ですね。部長さん、応援、する、したい、です。だったら、聞かせる、欲しい、です。アリス、恋したい、です。だから、恋、してる人、応援する、したい、です……!」
「……なんてこと、ないわよ」
ついに、御釜が折れて力なく椅子にもたれかかってしまう。
「学園の東西南北に懐中時計を埋めて、その手前に穴を掘るの。そして逢魔ヶ時……午後四時ぴったりに一周するように、反時計回りに走り切る。その時、誰にも気づかれちゃいけないってルールがあるの。これを達成すると、その子は行方不明になるって言われてるわ。それは、過去に飛んでしまったからだって……」
「……アリスラビリンスか?」
ぼそり、明日香が呟く。穴と時計は、ウサギ穴を暗示させる。そこから縁がつながって、達成した人物がアリスラビリンスへ偶然召喚されてしまったのだとすれば、それを『成功した』と勘違いするのも無理はない。もちろん、単にUDCに殺されたか、犯罪に巻き込まれた可能性もあるが。
「だとしたら、タイムリミットは結局午後四時……残り三十分か!」
「急ぐぞ。姿を見られちゃいけないってルールがあるなら、既に隠れてる可能性もある!」
明日香を筆頭に猟兵達が走り出す……。
「どうしてこうなった?」
双葉はぼんやりと呟く……水色の、背中がバックリ開いたメイド服姿で。
「綺麗……私の眼に狂いはなかった!!」
「次はこっちの黒いのを……」
「あのー、なんで僕がメイド服を合わせられているんでしょうか……?」
「メイド服で歩いてたから」
実はヘリを撃墜した後、学生に捕まって教室に連れ込まれてしまった双葉。なんでも、メイド喫茶をやると決まっているのに、一人だけ服を合わせるタイミングで姿見えないのだとか。
「あの、これシースルー過ぎません?」
「いいのいいの、気にしないで。本人の希望だから」
布っていうかレースを多用していて、事実上の露出が多い服を渡され無表情のままにアホ毛だけが不安そうに揺れる。しかし、周りはそんな双葉を待ってくれない。
「はいこれヘッドドレス」
「靴はこっち」
「下着はこれで……」
ズバボボン!
「今の音なに!?」
「変態が爆発しただけです」
すぐそばで、しれっと混ざって透き通った下着を渡そうとしていたミーシャが口に大根を突っ込まれ、黒炭と化していた。
「そ、そうなんだ……あ、次これねー」
「ほぼ下着では!?」
双葉のツッコミに、女生徒も苦笑。
「だよねー。さすがにこれはやりすぎた」
「チッ」
ドゴォッ!
「それで、どうしてこんなにメイド服を?」
「ちょっと、頼まれててね」
舌打ちしたミーシャの顔面に大根を叩きつけ、爆風で廊下に吹っ飛ばしてから首を傾げる双葉に、女学生はため息を零す。
「よりによって、先生が好きとか言い出すヤンキーがいてさぁ」
「へー」
背の高いヤンキー女子が教師に恋をしたなどと、どっかの漫画みたいな話だなーと、聞き流そうとした時だった。
「そいつ獅子堂っていうんだけど、衣装合わせの前にどっかいっちゃってさー」
「ふーん……ふぐぇ」
スルーしてんじゃねぇといわんばかりに、カエルさんが双葉の首をぐきぃ。
「その獅子堂さんは、このクラスなのですか?」
「そうだよ?」
焦げをハンカチで拭ったミーシャが確認すると、さらっと返ってきた割と重要な情報。
「今彼女はどちらに?」
「分かんない。急にどっか行っちゃって……」
「ちなみに……いつ頃でていったんですか?」
「いないって気づいたのは、一時間くらい前かなー……」
双葉が捻じ曲げられた首を治しつつ、カエルさんの方を見遣る。首を横に振るあたり、近くに気配はないらしい。
「戻ってきてない……てことは、探しに行くしかありませんね」
と、双葉が着替えようとすると、女生徒に肩ポムされて。
「実は悪ふざけで執事服も作ったんだけど……」
「あの、僕は用事が……」
「はいはいメイド服脱ぎましょうねー」
「おい待て変態、僕に触るんじゃ……みゃぁああああ!?」
双葉が着せ替え人形にされている頃。明日香、アリス(ウサギ)、穹の三人は梨緒を探していた。
「学園の外周にいるのは確かのはずなんだけど……」
「でも、学校、敷地、広い、です」
「ていうか、どこから走り始めたか分からない以上、今どこにいるのか見当もつかないぞ?」
一見、追いかけて走ればいいだけに見えるが、まず純粋に時間制限があること、そして相手がどこを走っているか分からないこと、何より時間をかけてしまえば儀式が完了してしまうこと、と問題は山積みである。
「くそ、手分けして走るしか……」
明日香が舌打ちした、その瞬間である。
「ぴゃっ!?」
アリスの頭にウサぐるみが落ちてきた。
『はぁい、セカンドの方のアリスよ。探し物は梨緒ちゃんでよかったかしら?』
「見つけたのか!?」
「ぴぃ!?」
アリス(セカカラ)の声で話すウサぐるみに穹が急に近づいたりするから、アリス(ウサギ)がずざっと後退。
『儀式ってのが気になってたのよ。校舎の中ならみんな探してたし、なにより、学校ならではって言われて、私はてっきりコックリさんやエンジェルさんかと思ってたんだけど、そんなにメジャーなやつなら、椿ちゃんが予知できないのが不思議じゃない?』
「まぁ、確かにな……実際、儀式は校舎の外周を走るとかいうわけの分からないやつだったし……まさか?」
明日香が片眉をあげると、ウサぐるみがどやうさっ!
『あなた達がいる地点から向かって西、時計で言ったら九時の地点を通過したところね』
「じゃあ、北、向かえば、間に合う、です!?」
しかし、アリス(ウサギ)が振り返った先には、ごった返す学生達。
「流石マンモス校……!」
買い出しか下校か、行きかう学生で道が完全に塞がれてしまっており、とても進めるような状況ではない。
「前、全然、進む、ない、です!」
ぴょんこぴょんこ、跳ねたところで何も見えないアリス(うさぴょん)が他の道を探そうとするが、小鳥がパタパタ。
『大丈夫ですよぅ、既に追手はついてますからぁ』
「この鳥しゃべった!?」
穹が驚くのも無理はないだろう。何せこの鳥は。
「私の眷属ですからねぇ」
動けない、道が分からない、だから間に合わないなんてオチを想定していたるこるは学園中に鳥を飛ばしていた。もちろん。
「見つけた!」
「瑠璃、いくよ!」
「あなたはこちらに!」
「ほいきた!」
途中で屋上に移動して、そこから学園を見回していた猟兵達にも。
「「せーの!」」
瑠璃と緋瑪が手をつないで屋上から降下、地面に激突する寸前に緋瑪が瑠璃を上に投げ、緋瑪だけ消滅し瑠璃は衝撃を緩和して着地。再び姿を現した緋瑪と走り出し、摩那はニィナを抱きかかえてヨーヨーを手すりに絡め、降下用のワイヤー代わりにして下へ。
「ちょいとごめーんネ」
「あ、ちょっと!」
しかし、降下途中でニィナは摩那から飛び降りて。
「にぃなちゃん、通りまーす!」
「ふぎゅ!?」
「緋瑪!?」
さっき消えたのを確認していたからか、緋瑪を足場にして大ジャンプ。狙うはもちろん……。
「獅子堂ちゃん、かくほー!!」
「うわっ!?」
前を走っていた、長身の女生徒の背中。飛びついて、地面に押し倒す形で取り押さえる。その数メートル先には、小さな穴と何かが埋められていると思しき土溜まりがあった……。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『フライングメイド服』
|
POW : メイド格闘術
自身の【布地 】を代償に、【自身が憑依する一般人】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【肉体言語】で戦う。
SPD : 萌えメイド拡散術
召喚したレベル×1体の【憑りつかれた一般人メイド達 】に【ケモミミ】【モフ尻尾】【萌え口調】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。
WIZ : メイド普及術
非戦闘行為に没頭している間、自身の【憑りついている一般人 】が【普及活動や奉仕活動している間】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
イラスト:猫月みらい
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「くそっ……あと少しだったのに……」
地面を殴る獅子堂梨緒。その目元には、雫が伝う。
「ていうかお前ら何なんだよ!?」
「うーん、正義の味方?」
「このままいくと、あなたはとんでもないものを呼び出す事になっていたんですよ」
「むしろ感謝して欲しいくらいだよねー?」
「まぁ、そっちにも事情はあるんだろうけど、諦めてくれる?」
長い金髪の女生徒を助け起こそうとして、猟兵が手を振り払われたところで、ほかの猟兵達も駆けつけてくるなり、どうにか間に合った気配を感じて胸を撫でおろした。
「何も起こってない……間に合ったんだな」
「ふぃー、さすがにひやひやしたぜ」
「犠牲、ない、です?よかった、です!」
「何がよかったもんか……」
座り込んでしまった梨緒は、額に腕を当てて下を向く。
「終わっちまった……これが最後だったのに……」
「あのぅ、どうしてこんなことをしたんですかぁ?」
「場合によっては、私達全員が力を貸すわよ?」
続々と駆け付ける猟兵に、ちらと一瞬だけ目を向けた梨緒は、再び俯いて。
「お前らに俺の何が分かるんだ……」
「ほほう、まさかの俺っ娘でし」ドゴォ!
「……告白、しようとしてたんですよね?」
余計なことを言いかけた変態を殴り飛ばし、アホ毛を揺らす猟兵が歩み出る。
「クラスの人に聞きました。理由あって、好きだと言えないと。でも、先生が異動するかもしれないって聞いて、追い詰められてたって話も」
「なっ……!」
本当に、一部の人にしか話していなかったのだろう。驚愕に目を見開く梨緒の眼を、じっと見返して。
「でも、だからこそ、ちゃんと正面から向き合って……」
「皆さん何やってるんですのー!?」
話の途中で、校舎の中から別の猟兵の悲鳴がする。みれば、廊下を全力疾走して逃げる猟兵の後を、浮遊するメイド服が追いかけていった。
『えっ』
全猟兵が呆気にとられる中、出遅れたが故に安全だった猟兵が二人。
「皆さん大変です!」
「校舎の中でメイド服が暴れて、無理やり『着られ』てるんです!!」
『はぁ!?』
びみょーに間に合ってなかったらしく、中途半端に儀式が成立したのだろう。一先ず眷属めいた何かが湧き出してしまったようだ。まずはこいつらを片付けないと話が進まない……猟兵達は再び校舎の中へ飛び込んでいった。
※参加すると、『強制的にメイド姿にされます』。不思議なことに、回避プレとか無敵UCとか、何の役にも立ちません。ちなみに、皆さんは一般人としては扱われないため、敵UCの参考にどうぞ。
なお、戦場は校舎内になるため『学舎を利用したプレ』の場合はボーナスがつく……んだけど、たぶんいらないと思う。せっかくだから、『メイドっぽいロール』でもボーナスを……いらない?そっかー。
次回執筆は八日の予定。七日の深夜までにプレくれると嬉しいな!
四季乃・瑠璃
緋瑪「わたしを踏み台にしたー!?」
瑠璃「某三連星みたいな台詞だね、緋瑪」
UCで分身
とりあえず、手あたり次第
通常の感知式ボムや【範囲攻撃、属性攻撃、爆撃、蹂躙】焼夷式ボム(ナパーム)、炎の魔術を付与したK100による銃弾【ドロウ、属性攻撃、早業】でメイド服を撃ち落とし、吹き飛ばし、焼き尽くしていくよ。
え?学校の被害?…きっと、現地のUDC組織がなんとかするよねっ
瑠璃「おねぇさま、愛情たっぷりのオムライスをどうぞ♪」(折角のメイド服なので(?)メイドムーブ)
緋瑪「あ、美味しそう…って、瑠璃、このオムライス…」
瑠璃「ケチャップの代わりにデスソースを使ったオムライスだよ」
緋瑪「危なかった…」
アリス・セカンドカラー
お任せプレ。汝が為したいように為すがよい。
go down the rabbit hole♡【妄想を決めてハイになる】(降霊/ドーピング)
召喚した霊を降霊しドジっ娘メイドバニーさんに化術で変身☆
ギャグ補正結界術を『うさぎの穴』で補強。中身パンピーでも気にしないでやらかしそうなのがいるので、そういう輩は『うさぎの穴に嵌って抜け出せなくなる(慣用句)』神罰で無力化狙いましょ。
おっと御主人様お召し物が汚れているわ、と早業の早着替え化術でフライングメイド服をアリスの妄想メイド服に着せ替えて回収。結界術でクリーニング『うさぎの穴』を文化祭の出し物っぽく造ってお洗濯☆
非戦闘行為には非戦闘行為で対抗よ♪
涼風・穹
メイド服を強制装着されて冥途鎧(めいどがい)になりました
……まあ色々と抵抗はあるけどコスプレ扱いされるだけだろう
それにメイド服を着ていれば『風牙』を持ち込んでもそれ程目立たないしな…
既にフライングメイド服に着られている方がいれば、《空斬裂破》でメイド服だけを斬ります
女性相手ならかつてない程の剣の冴えを披露します
解放しても服がない状態で放置するのも問題なので、空き教室にでも隠れて貰い服飾部等から服を調達して届けるか、ロッカー等希望する場所まで送ります
……なお、フライングメイド服の影響により近接戦闘能力が大幅に上がっていますが、戦えば戦う程着用しているメイド服の布地が破れていくという誰得な状況に…
アリス・トゥジュルクラルテ
本当に、メイド服、なった、です!ミニスカート、恥ずかしい、けど、可愛い、です!
…違う、です!捕まる、した、人、助ける、です!
梨緒さん、話、したいし、早い、しないと、下着、される、です!
ロクローくん!手伝う、して!
(どこからともなく現れる白いワニ)
ロクローくん、敵、食べる、して、もらう、です。
(服まずい。肉食いたい。でもアリスに怒られるから、まじめに働くかって目のロクローくん)
アリス、UCで、戦う、ない、人、眠る、させて、結界術で、守る、です。
みんな、眠る、してたら、きっと、操る、できる、ない、です、よね?
学生、みんな、守る、ので、猟兵の、みんな、安心、して、戦う、して、ください!
セプテンバー・トリル
メイド服を着ているのが一般人の生徒さん達となると乱暴な手は使えませんわね
【WIZ】連携・アドリブ歓迎
という訳で、UC【霧幻抱擁】を起動して、まずは霧で姿を隠すとしましょう
あ、霧の組成は以前にも使った麻痺毒にしますわ。後遺症もなく無害ですし
中身を麻痺させてもメイド服が無理矢理に動かしそうですが、それでも多少は動きが鈍るでしょう
後は【螺旋剣】による【鎧砕き】でメイド服だけを破壊します
ふふふ、メイド格闘術?それなら私も故郷の義兄様から習ってますわ。カレンデュラ公国流ですけどね
戦闘が終了しても霧を維持して姿は隠したままでいますわ
グリモアの予知が嫌な事を言ってましたしね
ええ、断章でも隠れてますとも!
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
メイド姿ですかぁ?
まあ、サイズさえ合えば普段と然程変わらないですねぇ。
……サイズさえ合えば。
一般の方々の居る屋内、というのが厄介ですねぇ。
建物ごと潰すわけにも参りませんし。
出現地点は『儀式の場所』か『中心点』が怪しいでしょうかぁ?
最初は『中心点』、違ったら『他の方の目指してない場所』へ向かいますぅ。
『F●S』3種を展開、憑依前の遠くの『服』は『FRS』の[砲撃]で対処、『既に憑いた個体』は、肉体言語を『FSS』で防ぎつつ『FBS』と『刀』で斬って対処しますねぇ。
『校庭』等の開けた場所に出たら【乳焔海】を使用し[範囲攻撃]、視界内の『服』だけを対象に纏めて焼き払いますぅ。
白石・明日香
元からメイド服なオレにスキはなかった!
え?いつ着替えたって?皆がメイド服に気を取られている間にだよ。
さてこれで心置きなくメイド服を切り裂けるな。
さあ、招かれざるお客は退場してもらおうか!
残像でかく乱しながらダッシュで接近!敵の肉体言語は依り代の動きを見切れば回避はたやすい。
間合いに入ればこちらのもの。部位破壊の要領で怪力、2回攻撃、属性攻撃(炎)、鎧無視攻撃でメイド服だけをたたき切る!
とりあえずひたすらメイド服を切り裂けばいいのだな?オレ以外のすべてを!
ニィナ・アンエノン
告白?そんなの儀式に頼らなくたって、呼び出して気持ちを伝えればいいよ!
断られたら?
服の2,3枚も脱ぎながら、今きゃーって叫んだらどうなっちゃうかなーってもう一押しすれば大丈夫☆
……と、コイバナはまた後かな?
そんじゃちょっと学園を守る戦いに挑んでくるね、メイド服で。
うわぁ、飛んでるなぁ一般人の皆!
でもそれはメイドの仕事じゃないよね、にぃなちゃんが教えてあげる!
とゆー事で学園祭の準備を流用して【早業】でテーブルコーディネート!
席につかせて中華まんを給仕しちゃおう!
中がめっちゃ熱いから楽しむにはにぃなちゃんみたいに特殊な訓練が要るかも?
行動速度が遅くなったら、【鎧砕き】で皆のメイド服脱がしちゃえ☆
彩波・いちご
テティスさんと
「あぶな…いっ?」
飛んできたメイド服に襲われ、庇おうとしましたが間に合わず、2人してメイド服に着られてしまいます
「狐の耳…おそろいって……えー?」
いえ、ものすごく可愛いですけどっ
メイド服も狐耳も、ものすごく可愛いですけどっ(迫られて赤面
「わ、私も可愛いです…か?」
「こんっ」
…あ、私まで語尾が、こんっと狐言葉に…私元々狐なんですけどね…
可愛いテティスさんですけど、そのままにしておくわけにもいきませんし、このメイド服は敵ですしっ
「すごくよく似合ってて勿体ないですけどっ、メイド服倒さなくてはーっ」
テティスさんを傷つけないようにメイド服だけ溶かすようにっ
【異界の浸食】でスライム召喚ですっ
黒木・摩那
メイド服は、梨緒さんが好きな先生に合わせるために仕込んだ、ということですかね。
ということはメイド服が好きなのは邪神ではなく、その先生ということでしょうか……
なんて罪作りな。
今は事情はおいといて。
このフライングメイド服をなんとかしないと。
もう大参事じゃないですか!(そっと男子勢から目を逸らし)
って、自分もメイドになってる!!
では、今回は手近な箒を使ってお掃除剣で戦います。
箒で相手の攻撃を【武器受け】しつつ、懐に【ダッシュ】。
接近したところをUC【サイキックブラスト】で気絶させていきます。
長引かせると服が無くなって大変なことになりそうなので、早めに倒してあげましょう。
テティス・ウルカヌス
いちご君と
綺麗なテティスです
「なっ、なんですかっ、この格好!?」
いきなり飛んできたメイド服に『着られ』てしまい制服姿からメイド服姿にっ!?
それも、頭に狐の耳、お尻に狐の尻尾までっ!?
「……これ、いちご君とお揃いですね。えへへ」
け、けど、喜んでばかりもいられません!
「あの……いちご先輩……
この服、どう……でしょうか……こん?」(真っ赤になりつつ、語尾は『こん』
あ、いちご君がメイド服になってるのはそれはそれで似合ってますね。
「ふふ、いちご先輩もかわいいです、こん♪」
けど、このメイド服はUDC。
いちご君のスライムに溶かしてもらい……
「って、溶かされたら……
きゃああっ」
下着姿で悲鳴をあげるのでした。
稲荷・こん子
・方針
アド/絡み◎
・行動
「日向ぼっこして寝てた…のではないのです!」(涎ふきふき)
メダルチャレンジ再び(?)
と思ったけど対象を誰にしようか判らず、手に持ったまま悩むこん子
そこにフライングメイド服が襲来しメダルと触れ…
「フライングメイド服になってるです!」
そして誰かに着て貰いたい欲があるけど、ギリギリ堪えて行動
そのまま校舎をウロウロし、間違って他の猟兵に襲撃されない様に立ち回る
「わわっ、この姿だと大変なのです!」
なんとなく、るこるさんの気配を察知し、向かうかも?
依頼をこなせれれば
あとの描写はお任せなのです!
・可なら
憧れのるこるさんに着て貰いたいけど、無理なら他の猟兵、一般人でも楽しそうなのです!
満月・双葉
よし、メイドはいかなるものかア○バで確認してから来たから問題ない
お望みの攻撃はこちらでしょうか??
肉体言語で語るのは得意だよ君
思う存分語り合いましょうねお客様
もーえもーえきゅん★大根で御座いますーケチャップで絵でも描きましょうか??
変態喜ぶな写真撮るな鼻血吹いて倒れていろ…!
それにしても告白かそうか
青春とやらだね
僕には関係ない話ですけども命かける必要あるもんだとは知らなかったなー(棒)
ミーシャ・アレクセア
ふっ、メイドとは即ち主の身の回りの世話をする者
そんな訳で双葉、お召し物はこちr(爆発)
コーヒーは家で飲んでいるでしょうしマンゴーラッシーでも如何ですかお嬢様?
ええい邪魔なメイド服ですね
いや、双葉の服のことではないですよそっちも邪魔ですが今はそういう事では無くてですね
取り敢えずメイド服を切り捨てて仕舞いましょう
誤射はしませんよ誤射は
ちゃんとメイド服を切り捨てますって
ボスさんが出てくる前に裸になってもいいじゃないですかどうせ
ええい肉体言語で語り合えと言うならしますけど取り敢えず今邪魔しないで貰っても?
メイド服切るので忙しいんですよ!
ちっ、しゃーねーですねチクショー
「あぶな……いっ?」
飛来するメイド服からテティスを庇おうとするいちごだが、痛みはない。なにせ。
「……これ、いちご君とお揃いですね。えへへ」
狐耳尻尾のメイド姿になっていたのだから……いや待って、その耳尻尾どこから生えた!?今回の敵にそんな能力あったっけ!?いやあったわ、マジか。
「あの……いちご先輩……この服、どう……でこん?」
「狐の耳……おそろいって……えー?」
いちごもテティスも狐メイド状態……どうしてこうなった?
「ど、どうで、こん?」
両手の親指に中指と薬指を添えて狐を表現しつつ、こんこんと迫るテティスに、頬を染めて耳をぱたりと寝かせたいちごがそっと顔を背けて。
「いえ、ものすごく可愛いですけどっメイド服も狐耳も、ものすごく可愛いですけどっ」
依頼を達成させなくてはという責任感と、フォックスメイドなテティスを眺めていたい欲求とが入り混じり、ぐるぐると渦を巻くいちごの思考の果てに、彼が絞り出した言葉は……。
「わ、私も可愛いです……こんっ?」
よりによってそっちいっちゃったかー……。
「ふふ、いちご先輩もかわいいでこん♪」
「「こーんこん♪」」
二人が作った、手遊びの狐がキスをする。触れ合う指先の感触に、二人そろって固まって見つめ合い、かぁぁ……わかりやすく真っ赤に染まって。
「いいいいけませんこん!私達は今、UDCに乗っ取られているのでこん!」
「そそそそうでしたこん!この服は敵なんでこん!!」
冷静になった途端に、羞恥心がぶわっとあふれ出してしまったパターンだな、これは。
「すごくよく似合ってて勿体ないですけどっ、メイド服倒さなくてはーっこん」
ぬっちょぉ……いちごの手から緑色の粘液めいた何かが召喚される。
「テティスさんを傷つけないように、メイド服だけ溶かすようにっ」
いちごの意思を読み取ったのだろう。スライムっぽいそれは人の手を形作り、「任せときな旦那ァ!」と言わんばかりにサムズアップ。かーらーの。
「ひやぁあああ!?」
「なんでー!?」
二人まとめて飲み込んだ。いちごの絶叫に「服だけ狙えばいいんだろ?」って顔っぽい仕草をしたスライムの中、シュワァ……。
「あ、すごい。ちゃんと敵だけを溶かすんですね……」
などと、自らへの誤射が発生していないことに感心していたテティスだったが、その敵ってーのが今回の厄介な所で。
「って、溶かされたら……きゃああっ」
「な、なにも!何も見てませんから!!」
下着猟兵二名、一丁上がり。「ふっ、いい仕事したぜ」って雰囲気でスライムが帰り、残された二人はお互いの姿を直視しないように制服を着ようとするのだが。
「あれ……私たちの制服がありません!?」
「まさか持っていかれました!?」
少なくとも見える範囲に脱がされたはずの服はない。慌てて近辺を探すいちごとテティス……くくく、実にいいチュートリアルになってくれたものだ。
「ど、どういうことですか……?」
「ていうか記録してないで服をくださーい!!」
うずくまって身動きが取れなくなったテティスの代わりに、いちごが手を伸ばしてくるが、残念ながら渡す服はないし、仮に渡しても意味がない。
「ど、どういうことですか……?」
あのメイド服、戦った相手に置き土産をするんだよ。
「「?」」
首を傾げる二人でもわかるように、一言でまとめると……『フライングメイド服以外を着ると服が弾け飛ぶ』呪い。
「「えー!?」」
さーてそうとは知らずに戦い続けている猟兵達の様子を見てみようか。
「メイド服を強制装着されて冥途鎧になりました……まあ色々と抵抗はあるけどコスプレ扱いされるだけだろう。それにメイド服を着ていれば『風牙』を持ち込んでもそれ程目立たないしな……」
穹の眼が死んでる!?
「まさか自分が着る羽目になるとは思わなかったんだよ……!」
強制メイド服と聞いて、眼福依頼だと勘違いしていたな?残念だったな、これはネタ依頼なんだよぉ!!
「くそぉう!」
崩れ落ちた穹に、影が落ちる。見上げれば、虚ろな目をした学生メイドが拳を握り。
「お帰りくださいませ、ご主人様」
「あっぶねぇ!?」
咄嗟に転がった跡に、撃ち込まれた拳によるクレーターが残る。袖口が引き裂かれるのも構わず、再び振りかぶられる拳を前に、穹は低く刃を構え、柄を地面に向けて。
「一刀……」
床に向かって鞘走り、翻す刃は人体の中心を駆け上がる。股座から脳天まで駆け抜けた切っ先は、されど血には染まらずに。
「両断!……なんつって」
得物を鞘に納めれば、真っ二つにされたメイド服が左右に落ちて、レースの下着が露わに。崩れ落ちる少女をそっと受け止めた穹だったのだが。
「大丈夫かい、お嬢さん?」
「ふぇ……きゃぁああああ!?」
「ふんごっふ!?」
思いっきり顔面にグーパンぶち込まれて逃げられた。
「何故だ、俺は助けようとしただけなのに……!」
そりゃー、意識が戻ったら下着姿でメイド服着た男に抱かれてるんやぞ?自分の姿よりお前に身の危険を感じるって。よーし次を見に行くぞー。
「わたしを踏み台にしたー!?」
「某三連星みたいな台詞だね、緋瑪」
ジャンプ台にされたことでぷんすこする緋瑪をなだめつつ、二人がメイド服のスカートをバサバサ揺らすと、中から大量の爆弾が……ってどこに仕込んでんのさ!?
「隠しポケットのあった学生服がどっか行っちゃって……」
「出すにはこれしかないんだよねー」
で、転がった爆弾の数々を?
「「シューッ!超☆イクスプロージョン!!」」
やりやがった!?ランダムに蹴り飛ばされる爆弾は校舎内の狭い廊下の中、ピンボールの如く跳ねまわり、そこら中の教室やら階段やらに潜り込んで大爆発。狭い空間で爆発が連鎖したことで爆風が吹き荒れて、憑依していないメイド服が焼き消されるが。
「やっぱり出たわね……」
こういう時、周りの被害だけならまだしも、利用されてる一般人もろともやっちまう猟兵が出るんだろうなーって思ってたアリス(セカカラ)。こんなこともあろうかと、敵に対して保護の結界を張るというわけの分からない行為が功を奏してしまった。
「実質人質を取られてるって、分からないのかしらね……まぁいいわ。こんな時こそ、これね」
ててーん、アリス(二色目)はニンジンと懐中時計を取り出して。飛来するメイド服に着られながら、校舎の外にあった穴から飛び出した霊を取り込んで……。
「ドジっ娘メイドバニーさんに変身ですぅ☆」
やめろー!!ただでさえ同じ名前のアリスがいるのに、特徴を混ぜてややこしくするんじゃねぇ!!
「あ、口調はノリでやっただけだから、今後はちゃんといつものしゃべり方だから安心していいわよ」
なーんだそっ……問題はそこじゃない!
「アリス、呼んだ、です?」
今出てくるんじゃねぇアリス(オリジナルウサギ)!今アリス(変身バニー)もいて特徴が被っててややこしいんだから!!
「しょうがないわね。じゃあちゃっちゃと片付けて私は休憩に入りましょ」
アリス(フェイクバニー)が両手を頭の上でピコピコ。うさ耳を表現すると、瑠璃緋瑪姉妹の足元に穴が開いて。
「落ちる!?」
「でも私達飛べるんだよねー」
「逃げられると思うてか☆」
にゅっ、もきゅっもきゅっ、ごくん。
「「きゃー!?」」
穴が伸びて姉妹を食った……だと?
「二人とも、どうなる、した、です!?」
おろおろするアリス(ウサバード)に、アリス(ラビットゴースト)はウィンクしながら別の校舎を示し。
「天国行よ」
で、どういうことかってーと。
「すごいよ緋瑪!貴重な食材がたくさん!」
「学校の調理室に飛ばされたみたいだねー……あむあむ」
しれっとチョコレートをつまみ食いしてる緋瑪の傍ら、瑠璃が何か調理し始めた。
「何作ってるの?」
「せっかくメイド服だし、オムライス作ってあげようかなって」
「おー!」
緋瑪は瑠璃の作る昼食に期待して、冷蔵庫に入っていたケーキを頬張りながら完成を待つ。席についていた彼女に瑠璃が持ってきたのは、艶やかな卵に、ケチャップで緋瑪の似顔絵(自画像ともいう)が描かれた一品。
「おねぇさま、愛情たっぷりのオムライスをどうぞ♪」
「あ、美味しそう……」
どこから食べようか、などとオムライスを前にスプーンでフラフラする緋瑪だったが、ふと脳裏をよぎるのは調理風景。冷蔵庫には甘いお菓子が入っており、調理台にはこれみよがしにチョコレートやクッキーが置いてあった。だが、瑠璃は何と言っていた?『貴重な食材』とか言ってなかったか?
「瑠璃、このオムライス……」
「チキンライスにケチャップの代わりに特性デスソースを使ったオムライスだよ。ここすっごいよ!リーパーに、スコーピオンに、ブレスやエックスもあってね!?」
「危なかった……」
瑠璃が嬉々として羅列しているものが、世界記録レベルの唐辛子の略称だと察した緋瑪は背筋に冷たいものを感じたという……さて、そろそろアリス(×2)の方に視点を戻そうか。
「本当に、メイド服、なった、です!ミニスカート、恥ずかしい、けど、可愛い、です!」
いつの間にかメイド服になってた関係で、自分の服が変わった事に気づいてなかったアリス(ウサウサメイド)は鏡の前でくるくるふわり。その背後で、虚ろな目をした学生メイドが、お茶会の準備を……。
「……違う、です!捕まる、した、人、助ける、です!梨緒さん、話、したいし、早い、しないと、下着、される、です!」
この時の彼女はまだ知らなかったのだ、メイド服着た時点で、下着姿までは確定しているということを……。
「ロクローくん!手伝う、して!」
にゅっ……廊下の水道の下から出てきたんだけど、こいつ今までどうやって隠れてたの……?
「ロクローくん、ワニ、です。水、あるとこ、どこでも、来る、してくれます」
何そのどっかのホラー映画みたいな出現……しかし、アリス(羽兎)の友人って事はまさかそんな展開にはなるまい。
「ロクローくん、敵、食べる、して、もらう、です」
「……」
ねぇ、あのアルビノゲーター、思いっきり生徒の方見てるんだけど?服じゃなくて人間の方を狙ってない?
「大丈夫、です。ロクローくん、服、まずい、肉、食いたい、でも、アリス、怒る、するから、まじめ、働く、するか、て顔、してるです!」
途中で精いっぱいの低い声でアテレコまでしてくれたが、それ人間の方を食おうとしてるってことじゃねーか!?このワニ本当に大丈夫なんだろうな!?
「まぁ、いざとなったら私が何とかするわ」
アリス(ウサ肉)……!
「待って、今私の表現おかしくなかったかしら!?」
「アリス、戦う、ない、人、眠る、させて、結界術で、守る、です。みんな、眠る、してたら、きっと、操る、できる、ない、です、よね?」
「どうかしらねぇ……」
その両手を胸の前で組み、喉を振るわせて響かせるはララバイ。穏やかな歌声は響きに欠けて、音が拡散しづらいものだが、広く伝うその旋律は、胸元を彩るリボンが音色を空間に伝播させる影響かもしれない。ゆっくりと、意識を失って崩れ落ちる学生メイド達……だが。
「あー、やっぱりね」
アリス(洗濯機装備)の前で、再び学生メイドが動き出す。
(どうして……!?)
歌い続ける故に、発言ができないアリス(ディーヴァ)の表情に驚愕が浮かぶが、タネを割ればシンプルな話。
「あっちは憑依で操られてるんですもの。端から意識なんてあってないようなモノってわけね」
アリス(洗濯機設置)は桃色バニーなメイド服を構えれば、復帰直後で動きの鈍いメイドにロクローが噛みつき、デスロール……と、見せかけて転倒させ、すぐさまアリス(バニースーツウェポン)が肉薄。
「ナイスゲーター!……おっと御主人様お召し物が汚れているわ」
バサリ、一瞬のはためきと共に学生メイドのそれがバニーメイド服に早変わり。奪い取ったフライングメイド服をそのまま洗濯機にぶち込んで。
「ここから先は、学園祭らしくマジックショー☆洗濯機に入ったメイド服が……」
ぐるんぐるんぐるんぐるん……ちーん。
「はいっ、バニースーツに早変わり♪」
「すごい、です……!」
ぱちぱち、学生メイドの無力化を確認し、子守唄を止めて拍手するアリス(鳥と兎の給仕さん)だったが、パァン!
「ぴっ!何、音、したです?」
振り向くと、学生メイドが学生ランジェリーに……。
「ぴゃっ!?アリスさん、脱がす、したです!?」
「いやいやいやいくら私でも動けないパンピーに手を出す趣味はないわよ!?」
アリス(セカカラ)はしばらくアリス(トゥジュクラ)から警戒されていたとかなんとか……。
「メイド服を着ているのが一般人の生徒さん達となると、乱暴な手は使えませんわね」
比較的常識枠(?)のセプテンバーは学生メイドに追い詰められ、教室の隅に背を預けていた。
「しかし、ならば服だけを切り捨てればよいだけのこと……」
螺旋剣を床に突き立てて、高速回転と同時に巻き上げられるのは粉塵にあらず。教室という小さな空間を瞬く間に埋め尽くした麻痺毒を以て、学生メイド達を無力化しながら、濃厚な霧の中でこそこそ。痺れて崩れ落ちる学生達の背後に回って。
「できる限り、姿を認識されないようにしておかないと巻き添えを食う気がしますわ……」
「チェーストー!!」
「ほらぁああああ!!」
背後から迫りくる斬撃を螺旋剣で受け、その刃の峰にそって削り取るように斬撃をいなした先にはクラシックメイドな明日香。
「む、なんだ猟兵か。メイド服だから敵かと思ったぞ」
「あなたもメイド服でしょう!?」
セプテンバーのツッコミに、明日香はくっ!と歯噛みして。
「そうなんだよ……俺はこのオチに対抗すべく、ちゃんとクラシックメイド服で来たんだ。飾りっけなし、清潔感と動きやすさを何よりも重視した実用性の塊のメイド服でな。だというのに、気が付いたらふりっふりのメイド服にされていたんだ……!」
たとえメイド服だろうと、改めてメイド服にされてしまう……それが、UDCの恐ろしいところ……。
「ただの理不尽じゃありませんか!?というか意味ありますのそれ!?」
セプテンバー、余計なことを詮索する奴は長く生きられないぞ?
「ひょえっ!?」
「とにかく!こうなったらメイド服を皆殺しにするしかない!レッツ・デストローイ!!」
「ちょ、中身は一般人ですわよ!?」
麻痺毒で肉体は動かずとも、既に学生メイド達はメイド服支配下の人形でしかない。ゆらり、起き上がる学生メイド達が……。
「お帰りなさいませ、ご主人様」
「は?」
お茶会を始めてしまった。構わず切り捨てようと刃を振るう明日香だが、その斬撃は鎧に阻まれたかの如くはじかれる。
「なんっ!?」
「あー……」
セプテンバーは頬をぽりぽり。空間全体に麻痺毒を充満させてあるんだもの。そらー敵さんは自己防衛のUCを優先するよねって話である。
「お前のせいかー!」
「私は悪くありませんわよー!……というか」
すちゃ、セプテンバーも螺旋剣を構えて。
「単純に、ご奉仕とやらが終わるタイミングを見計らって斬ればよいだけなのでは?」
やべぇ、セプテンバーと明日香の二人で、刃物を振りかざして見守る中、学生メイド達が着々と茶会の準備を進めるという奇妙な構図が完成してしまった……。
「告白?そんなの儀式に頼らなくたって、呼び出して気持ちを伝えればいいよ!断られたら服の二、三枚も脱ぎながら、今きゃーって叫んだらどうなっちゃうかなーってもう一押しすれば大丈夫☆」
廊下から物騒な話が聞こえてくるが、梨緒を放置するわけにもいかないため、安全そうな教室まで誘導中だったニィナのようだ。教室の中の物騒な雰囲気に気が付くと、彼女をそこに待機させて。
「……と、コイバナはまた後かな?そんじゃちょっと学園を守る戦いに挑んでくるね、メイド服で」
「メイド、関係あるの……?」
取り残された梨緒の呟きは、ニィナには届かなかった。
「ひゃほーぃ!みんなで何やってるのー?」
「こいつらの支度が終わるのを待ってるのさぁ……」
絶対許さねぇ……と言わんばかりに、殺意マシマシな明日香。その向こう側でギュインギュイン言ってる剣を構えてにこやかにスタンバってるセプテンバー。そんな二人に見守られながら、何事もなかったかのように茶会の支度をする一般メイド……それに対してのニィナのコメントがこちら。
「うわぁ、飛んでるなぁ一般人の皆!」
確かに頭のねじぶっ飛んでると思うけど、彼ら彼女らは悪くないんだ、悪いのはメイド服なんだ……!
「でもそれはメイドの仕事じゃないよね、にぃなちゃんが教えてあげる!」
ササッとテーブルクロスを敷きなおし、何故か小さな竹ござを敷く。すると窓をカチ割り、Z17モデルのバイクがアグレッシブお邪魔します。シート下の収納スペースを開くと、中から携行式蒸し器が……。
「中がめっちゃ熱いから楽しむにはにぃなちゃんみたいに特殊な訓練が要るかも?でも美味しければよかろうなのだー!!」
湯気をくゆらせる、どう見ても高温なカスタードまんを、学生の口に押し付けるニィナだが、食べない。そらそうだ、麻痺してて口が動かないもの。
「あのー、そのままだと火傷させてしまうのでは……?」
「えー、美味しいのにー」
はぐ、結局自分で食ってるニィナだが、ここからがえぐい。
「ま、今のうちにメイド服脱がしちゃえばいいよね☆」
「なっ!?」
目の前で背中側の留め紐を解き始めるニィナに、明日香は開いた口がふさがらない。
「待て待て待て!そんな無防備に近づいたら……」
「もー大丈夫だってー」
けらけらと、ニィナは笑いながらカスタードまんを二人に投げ渡して。
「それ食べないと、まともに動けないもん♪」
「「は?」」
訳が分からない二人だが、口にした瞬間。
「あっちゅいでしゅわ!?」
「ぎゃぁあああカスタードがぁあああ!?」
クリームの類って、アホみたいに熱くなるから……思いっきり噛みついてしまったセプテンバーと、ちまちまかじってたら中身を押し出してしまった明日香が大惨事……でもまー、普通に動くためには必要な負傷だった。
「にぃなちゃんの食卓では、熱々のカスタードまんを食べた人しか動けないのだ!!」
実際、敵は行動速度が遅くなったのだが、これのえぐいところは。
「くそ熱くて誰も食えない事じゃないだろうな?」
ちげーよ、明日香。とりあえず八つ当たり気味に涙目でこっちに刃物を向けるんじゃない。仮に食ったとしても、それは学生であって、その肉体を操作してるメイド服は食ってないから、どうあがいても行動が遅くなるんだって。
「事実上の必中デバフって事か……」
「それならあっふ、誰も傷つけずにあちゅっ、解放できますわね!」
何とか完食したセプテンバーもいそいそ、学生を脱がしにかかり。
「……なぁ、これ状況だけ見たら俺たち危ない集団なんじゃ」
「それ以上は……」
「言わないお約束☆」
何かに気づいてしまい、半眼になる明日香に対して、諦め顔のセプテンバーとウィンクで誤魔化すニィナなのだった。
「メイド服は、梨緒さんが好きな先生に合わせるために仕込んだ、ということですかね。ということはメイド服が好きなのは邪神ではなく、その先生ということでしょうか……なんて罪作りな」
パァン!ため息を零す摩那の後ろで、何かが弾ける音がする。
「あれはあれでギルティなような、ただの被害者のような……」
などと、判断に迷うのがこちら。
「メイド姿でしたらぁ、サイズさえ合えば普段と然程変わらなかったんですよねぇ……サイズさえ合えば」
パァン!メイド服と下着姿を行ったり来たりしているるこるです。まぁ、ちょっと考えればわかることなのだが、学生服に関してはボタンを開けたり、フックを緩めたりすれば調整が利いた。しかし、メイド服はお仕事用のものであり、コルセットやリボンでキュッと纏めるものであるほか、生地そのものがゆったりしてなかったりするわけで。パァン!
「なんですかこの全自動メイド服破砕機は?」
「私に聞かれても困りますぅ!」
メイド服がるこるに襲いかかるものの、胸と腰が収まりきらずに爆発四散を繰り返すという悲劇。その度にるこるは下着姿になってしまい、身動きが取れない事態に。しかもその都度、まぁ、ほら、何がとは言わないけど『揺れる』から、摩那の眼もだんだん死んできアィッダァ!?
「余計な事言ってると、次は喉を貫きますよ?」
箒は人の眉間を打ち付けるものでもないと思うんだ……!
「ひゃあ!」
「どうしました!?」
振り返った摩那が見たもの、それは……!
「ぎっちぎちじゃないですか!?」
奇跡的にメイド服に納まったるこるだった。
「こ、この一枚だけ強度が桁違いなような……」
「私の力なのです!」
「こん子さん?何があったんですかぁ?」
聞き覚えのある声にるこるが問えば、フライングメイド服になってしまった稲荷・こん子(七変化妖狐・f06041)が語ることには。
「日向ぼっこして寝てた……のではないのです!ちょっと道に迷って出遅れて、メイド服を発見したのですが……」
ほわんほわんほわんこんこーん……。
「はっ!寝過ごしたのです!!」
校庭の片隅、芝生の上で丸まって日向ぼっこしていたこん子が目を覚ますと、遠くで一緒に転移してきた猟兵達が追いかけっこをしていた。
「みんなで遊んでるのです?私も混ざるのです!!」
で、追いかけてったらなんか真面目な話してて、物陰で見守ってたら眷属が湧き出してしまい。
「このままでは大変なのです……こん子も戦うのです!」
しかし、メダルを構えたのも束の間。背後からメイド服に襲われて。
「フライングメイド服になってるです!」
まさかの、着られる前に憑依してしまうという事故。自身が服になってしまったことで、オブリビオンの自我に引っ張られて、誰かに着られなければならない義務感に襲われるものの、それでは敵と何も変わらない。必死に理性で抑え込んでいたら。
「あ、あそこのカップルが危ないのです!?」
テティスといちごが襲われている場面に遭遇。本物のフライングメイド服に襲われる前にテティスの身を包み、彼女を敵のメイド服から守った……のだが。
「むむむ、このメイド服、着た人を支配しようとするです!そんなことは許さないですよ!!」
などとメイド服の呪詛とこん子の妖術がぶつかり合い、その余波でいちごが巻き添えを食って狐耳尻尾が生えるという怪奇現象が起こってしまった。UCは引き合う特性があり、本来ならテティスしか狐の耳尻尾が生えないのだが、いちごにも生えてたのはそういう経緯があったりする。が、ご存じの方は知っての通り。
「きゃぁああ!?溶けてる!?私溶けてるのですー!?」
はい、いちごによって服が溶かされてましたね。しかし。
「安心しな嬢ちゃん、俺が溶かすのはメイド服だけ……嬢ちゃんの本体はメダルだろう?そっちは残るから大丈夫だ」
「スライムさん……いい人なのです?」
呼び出された異形と、憑依中の狐というある種の異形同士、意思の疎通ができていた。
「むむむ、服がほとんど溶けてきたのです……今なら、えーい!!」
で、妖術でメイド服を乗っ取り、溶けた『体』を術で補って今に至る、と。
「というわけで、絶対に破れないメイド服の完成なのです!」
「なるほどぉ……」
みちっ……弾け飛びそうで耐えている、極限状態のるこるが、ついに行動を開始する。
「出現地点は、儀式の場所か中心点が怪しいでしょうかぁ?」
「でも、儀式の場所となると、さっきの校舎裏ですよね?」
るこるがメイド服を着たことで、彼女に向かっていたメイド服は近場の学生に着られて、直接襲撃を仕掛けてくる……!
「廊下では展開が難しそうでしたが、単に進むだけなら敵ではありませんねぇ」
狭い空間では浮遊武装はその機動力が死に、邪魔でしかないのだが、るこるはこれを逆手に取り、八枚の浮遊盾を横一列にして。
「すごい、壁代わりにしてブルドーザーみたいに……」
「メイドさんもメイド服も押し流しちゃうのですー!」
「まずは外を目指しましょう。この学園そのものを範囲としているのなら、その中心の校庭が怪しいですからぁ」
しかし、外で待ち構えていたのは、校舎という壁がなくなったことで、四方八方から迫りくるメイド服。視界を埋め尽くすそれを前に、るこるにも冷や汗がたらり。
「一応、全て焼き払うことはできますがぁ……」
密集したものをまとめて焼き払ったりしたら、急激な酸化現象により爆発の可能性がある。少なくとも、校舎のすぐそばでやらかすわけにはいかない。
「でしたら、ここからは私の出番です。あ、盾を借りますね」
片手に盾を掴み、片手を空けた摩那。一斉に迫りくるメイド服めがけて、その手から放たれるは雷撃。
「電撃で焼いても、キリがないのではぁ?」
「というか、焼けてないのです?」
「えぇ、私の目的は、帯電ですから」
バチィ!!耳をつんざく音とともに、周囲のメイド服が弾かれていく。敵と盾に同じ電荷をもたせて、それによって発生する地場で吹き飛ばしたのである。
「道が開いたのです!」
「急ぎましょう、これだっていつまでもつか分かりませんから!」
猟兵達が駆け抜けて、メイド服が迫るたびに摩那の電撃が光る。迫る布地をかき分けて、たどり着いた校庭の中心。メイド服の積乱雲の中、るこるは両目にブイサインを当てて。
「私の視界は豊饒の女神の手のひらの上。流れる今を汚す者共に、今こそ裁きを与えましょう……」
カッ!るこるの眼から乳白色の光が放たれて、その視界に入った物から白き炎に焼かれて灰と化していく。瞬く間に焼き払われていく様に摩那が拳を握り、こん子が(霊体だけど)ぴょこぴょこ跳ねたのも束の間。
「これで全て焼き払いますねぇ……あっ」
背後のメイド服を焼こうと振り向いたせいで、摩那の服が燃え尽きて、慎ましやかなものを包む下着姿に。
「わー!?なんで私まで焼くんですかー!?」
「す、すみませぇん、敵を殲滅しようとして……」
慌てて目を逸らそうとして、自分のメイド服も視界に入った途端、大炎上。
「わふっ!?」
服が燃え尽きて、憑依が解けたこん子がるこるの頭に落ちてきた。
「えぇっと……敵は全て焼きましたからぁ、結果オーライ?」
「私はよくなーい!!」
「よし、メイドはいかなるものかア バで確認してから来たから問題ない」
「ふっ、メイドとは即ち主の身の回りの世話をする者。そんな訳で双葉、お召し物はこち」
「望みの攻撃はこちらでしょうか?肉体言語で語るのは得意だよ君」
やったら布面積が少ないメイド服を取り出したミーシャの顔面に爆ぜる大根を叩きつけ、赤のメイド服から黒のメイド服に着替えた双葉はパンパンと手を払う。その背後から迫りくる学生メイドの腕を肩越しに掴み、片足を払って頭から落としつつも受け身が取れるよう肩から床にたたきつけ、背中に衝撃を逃がして投げ飛ばす。
「思う存分語り合いましょうねお客様」
「ええい邪魔なメイド服ですね。いや、双葉の服のことではないですよそっちも邪魔ですが今はそういう事では無くてですね」
逆サイドから迫る学生メイドに対し、すれ違いざまに表面を掠めるようにしてメイド服だけを切り捨てるミーシャは舌打ち交じりに刃を翻し、双葉に憑りついたメイド服を狙うがこちらは大根で食い止められた。
「おいコラ何すんだ変態」
「誤射はしませんよ誤射は。ちゃんとメイド服を切り捨てますって、ボスさんが出てくる前に裸になってもいいじゃないですか」
双葉を脱がす事に執着するミーシャだが、仲間割れを狙うメイドが来れば互いの得物を弾いて反転。ミーシャの刺突がメイド服の結び目を貫きハラリ、双葉の大根が爆ぜてメイド服だけを吹き飛ばして。
「もーえもーえきゅん★」
双葉が無表情のまま、両手でハートを作ると大根の果汁が更なる爆破を引き起こして、起き上がろうとした学生メイドを下着姿に。完全に倒れた学生を見下ろして、机の中から新手の大根を引き抜いた双葉が、今なお自分たちを包囲する学生メイドに睨みを利かせる。
「大根で御座いますーケチャップで絵でも描きましょうか?」
「双葉ー、もう一回もえもえやってくださーい」
「変態喜ぶな写真撮るな鼻血吹いて倒れていろ……!」
「あぁっ!店長から借りてきた高級カメラが!!」
撮影していたミーシャが大根で爆破されてしまった。黒焦げの彼女に、更なるメイドの手が……。
「ええい肉体言語で語り合えと言うならしますけど取り敢えず今邪魔しないで貰っても?メイド服切るので忙しいんですよ!私には双葉の下着姿の記録を残す使命が……!」
「それにしても告白かそうか、青春とやらだね」
「ちょっと双葉!?ヘルプ!ヘルプです!!」
たかられて、メイド山に埋もれて消えていくミーシャを眺めて双葉はふと、遠くを見つめる。
「僕には関係ない話ですけども命かける必要あるもんだとは知らなかったなー」
「なんですかそのストレートすぎるスティックリードは?え、まさか双葉も恋を?許しませんよ?ミーシャ許しませんよ!?」
「あ、今大根投げたら一網打尽にできる……!」
ひゅっ、チュドーン!!
「なにするんですかー!?」
敵もろとも爆殺されて、周りに散らばるのは下着姿の学生とミーシャ。
「よし、敵と変態、同時に処理できふぶっ!?」
やりすぎじゃボケェ!とカエルさんからツッコミをいただく双葉なのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『水禍』
|
POW : タネマシンガン
レベル分の1秒で【スイカの種】を発射できる。
SPD : 特注角材
【角材】が命中した対象を切断する。
WIZ : 西華
自身の装備武器を無数の【スイカ】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
イラスト:更科 雫
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「満月・双葉」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
学園内からフライングメイド服が排除されて、一時の安寧が訪れた……なーんて、なると思ったかね諸君。
「ちょ、服が弾けるんだけどどういうことかしら?」
「下着、恥ずかしい、です……!」
奴らの置き土産、それは服が消し飛ぶ呪い……猟兵達は肌を晒したまま戦わなくてはならないのだ……!
「やれやれ、余計なことをしてくれたものだ……」
「な、なんだ……スイカ!?」
今回の邪神、水禍(以後、まどろっこしいためスイカ表記かもしれない)がついにその姿を現す……なぜか、手にはパッドがいっぱいくっついた水着のトップスを握って。
「もしかしてぇ、変態さんですぅ?」
「違う!!」
猟兵の当然の疑問に、スイカは怒号を張り。
「私は梨緒によって呼び出された妖精……彼女は、過去の取り消しを求めたのだ」
ふと、スイカは未だ強烈な日光を降り注がせる太陽を見つめて。
「彼女はな、あの見た目ではあるが、正義感が人一倍強かった。だからこそ、虐げられている生徒を見過ごせなかったのだよ。しかし、それこそが彼女の悪夢の始まりだった……」
「不良を打ちのめして、平和を築き上げて『しまった』からこそ、自身もまた不良の頂点であり続けなければならなかったんですね」
「そんな……じゃあ、あの人は……」
狐耳を揺らす猟兵に、スイカは頷く。英雄とは、時に歴史の犠牲者であるように、梨緒もまた学園の平穏と引き換えに自らの青春を失ったのだ。
「だが、彼女の担任はその辺りを察していてね。どれだけ邪険に扱われようと、彼女を見捨てなかった。他の教師が、嫌悪か、恐怖か、どれほど距離を取っていようとも、ね」
「その人にとって、先生はたった一人の味方だったのですね!」
「でも、メイド趣味って……」
キラキラおめめの猟兵と、半眼ジト目の猟兵が並ぶと、スイカは苦笑。
「いや、メイド服は彼女の最後の希望だよ。まさかヤンキーのトップが女の子らしい恰好をするわけにはいかない。だが、学校のイベントであれば『空気を読んで仕方なく』という言い訳が通る」
「外聞の為にこの時を待ってたことかな」
「そこで突っ込んでくる奴、みーんな爆破しちゃえばよかったのにー」
それができるのは猟兵だけだし、仮にできてもするべきではない。つーか余計な大惨事を起こしてどうすんだって話だが、それは置いといて。
「で、なんで水着持ってるんですか?」
何故か黒焦げの猟兵の問いに、スイカはため息。
「君達が儀式を邪魔しなければ、今までの全ての過去を改竄できたんだ……だが、中途半端な儀式になったせいで、私には、梨緒最大の恥辱の修正しかできない……」
「てことは、それ、梨緒さんの……?」
一度、彼女の衣装の合わせをした猟兵が察した。ぺちゃぱいをごまかすために、パッドを詰め込んでふっかふかに緩かったであろう水着。ということは。
「いかにも。せっかく思い人と海に出かけたのに、見得を張ったばかりに上が流されて、いろんな意味で恥ずかしい想いをしてしまった梨緒の、最大のトラウマ……それこそが、『梨緒、ひんぬー発覚事件』……!」
「あ、これもう嫌な予感しかしませんわ……」
絶対に巻き込まれたくないと、物陰に潜んでいたのに問答無用で下着姿にされてしまった猟兵、即席プレハブに立てこもるの図。
「私はこれを梨緒に届けることで、今一度自信を与えて過去を乗り越えさせなくてはならない。邪魔をしてくれるな、猟兵。すべては彼女のためなのだ……!」
「あのさ~、それ、むしろトラウマを刺激した挙句、あの子を晒し者にしちゃうんじゃ……」
「黙れ!君達が邪魔さえしなければ、全てうまく行っていたんだ!……これ以上、無用な戦いをするつもりはない。さらばだ!!」
凄まじい素早さで逃げていくスイカ。突然の逃走に猟兵達は呆気に取られてしまったが。
「追えー!あいつが梨緒の所に辿り着いたら、いろんな意味で終わっちまうぞ!?」
とある猟兵の叫びを以て、ランジェリーイェーガーによる追跡が始まる……!
※お察しの通り、参戦時は必ず下着姿、更にスイカに攻撃を仕掛けると『猟兵を傷つけずに無力化する』という、紳士的な目的の為に、先制攻撃として下着を奪われます。その際、皆さんには【BS恥ずかしい】が付与されます。
全裸で殴り掛かると、スイカは「貴様、さては変態だなッ!?」と敵意剥き出しで、アホみたいな戦闘力で相手をしてくれますが、攻撃のたびに隠せなくなる(意味深)のため、【BS恥ずかしい】が追加されるほか、周りにはメイド服の憑依が解け、うろうろしてる学生がいます。もちろん全裸を目撃されると、【BS恥ずかしい】が追加されます。このようにして、【BS恥ずかしい】が四つたまると、皆さんは『恥ずか死』を迎えます。
逆に、スイカが梨緒のもとに到達してしまってもアウトってことを考えると、恥ずか死のリスクを背負ったまま戦い続けることで、ヘイトを稼ぎ足止めするってこともできます。
猟兵の連携、創意工夫がモノを言いますね。ちなみに、服を着ることはできません。何故なら、まだメイド服の呪いが残っているから……
次回執筆は十日の予定。九日の深夜までにプレくれると嬉しいなー……まぁ、内容が内容だから、何が起こっても大丈夫!って気持ちが固まってから参加をご検討ください
アリス・セカンドカラー
汝が為したいように為すがよい。
ふむ、過去の改竄か……先にこっちでやっちまえばいいんじゃね?
マイルールで創世の概念、『混沌』或いは『虚無』の伴侶『変化』の概念神としての真の姿を解放。
『変化』の権能(神罰)をもって世界から『梨緒、ひんぬー発覚事件』を略奪捕食し、集合的無意識を介して分霊(式神使い)を梨緒さんに降霊しての化術でナイスバディに♪
あ、読心術で梨緒さんの理想の体型を読んでそれを反映しておくわ。
『力(胸)が欲しいか?』
これで水禍の目的を略奪出来る筈。
で、本体は多重詠唱罠使いでの魔術的無限回廊トラップ結界術に水禍を捕らえて時間稼ぎするわ。パンピーはフロア移動トラップで安全な現実に締め出します。
蒼汁権現・ごずなり様
地獄への道は善意で舗装されている。
呼ばれた気がしたゾナ☆
(弾け飛ぶ蒼汁カーと身体に巻いた蔦。見えてはいけない場所を絶妙の隠す小玉山田ビット。だが、意に介さないアホ神)
え?呼んでないから帰れとな?まぁ、そうカリカリするでない、我の蒼汁でも飲んで心落ち着けるがよかろう。(一種の神罰により“気絶や狂気に逃げることは許されない”)
何?いらぬとな?遠慮はいらぬゾヨ(ゴッド・クリエイションで蒼汁に痴性強化で生命を吹き込み自動給仕)
うむうむ、のたうち回る程に喜んでもらえて嬉しいゾナ。スターゲイジー蒼汁パイと蒼汁ゼリードイード(うなぎの蒼汁ゼリー寄せ)もオマケしてあげるゾナ☆(なお、すべてアホ神の善意である)
セプテンバー・トリル
貴族の子女が裸体を晒すなんて出来る訳ないでしょう?!
となれば直接攻撃ではなく、間接的な援護に徹しましょうか
【WIZ】連携・アドリブ歓迎
なので、まずプレハブに籠ったままUC【緊急支援要請】を発動
召喚した【ディビジョンズ】を「私をプレハブごと運ぶ」「スイカの進路を妨害する」「一般人の人払い」の3チームに分けます
私は校舎外で【ナックルダンパー】を召喚し、コクピットに鍵をかけて籠ります
400tダンプトラックの高所視点(校舎の三階くらい)から指示を出しつつ、シェードガラスで外部の視線をシャットアウトしますわ
人払い組は恐竜の形態になって、特に出歯亀を容赦なく撃退するように
後は仲間にお任せですわー
フェリクス・フォルクエイン
アドリブ&連携歓迎
「服を着ることが出来ない? だったら、服を着た姿に変身すればいいじゃないですか」フェリー・アントワネット
「という訳で、お待たせしました! ご存じ、安心安全健全ごく普通の四拍子揃った聖騎士の僕が加勢します!」
開幕UCで変身
「いやぁ、こういう時変身系UCが輝きますよね。行きますよ、エミリア」
サキュバス姿の愛馬を伴い、下着を奪われた場合エミリアにはペガサスになって貰います
「健全な僕に死角はありません。UCに制限時間もありませんから変身が解けて全裸とかもないですし」
殴りかかると危険っぽいので、攻撃面では男の娘砲で遠距離攻撃に徹します
「ラッキー何とかも起きないでしょうし、勝ちましたね」
白石・明日香
下着姿は設定資料参照だよ。
全裸になるのなら替りは敵に求める。簡単な話さ。
奴の種マシンガンの種を下着代わりとする!
攻撃をオーラ防御と激痛耐性で耐えた値を身にまとうのだ!(錯乱)
なんか今回のキーパーソンが空気になっているのような気がするけど
気にするなよ。貧乳は貧乳の愛しさがあるし
さて、野郎の裸は見たくないからさっさとスイカ割だ。
怪力、2回攻撃、属性攻撃(雷)、鎧無視攻撃でたたき切ってくれる!
ふう、眼福でございました。野郎はいらんけど。
アリス・トゥジュルクラルテ
きゅうう、下着姿、恥ずかしい、です!
ロクローくん、あの、スイカ、食べて!
(実がある。美味そうだな。って目のロクローくん)
恥ずかしい、ので、UC、ロクローくん、強化、して、アリス、飛ぶ、して、梨緒さん、ところ、行く、結界術、守る、です!
梨緒さん!
…下着、なのは、気、しない、ください…!
梨緒さん、後悔、ない、ように、ちゃんと、気持ち、言う、する、方が、いい、思う、です。
だめ、でも、言う、しないと、前、進む、ない、です。
だから、スイカ、なんか、頼る、必要、ない、です!
自分の、気持ち、自分の、言葉、伝える、ください!
きゅう…疲れた、です…。
(恥ずかしさと疲れで倒れてロクローくんに背負われ退場)
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
まあ『元々着用している品(=アイテムで所持/本日着用は『黒レース系』)』な分、サイズの心配をしなくて良いのは助かりますが(ぷるぷる)。
『FSS』『FBS』のビーム部分を『FCS』で『濃い色』に変換、私の『見えてはいけない場所』周辺に配置し『服以外の理由で見えない』状態にすることで『見られる率』を低下させつつ[恥ずかしさ耐性]で耐え、攻撃面は『FRS』を主体に討伐に回りますねぇ。
そして、ギリギリまでは[砲撃]で追い詰めつつヘイトを集め、『恥ずか死』寸前になるか、場合によっては『クロスカウンター』で【刻讐】を使用、あまりな『恥辱』を『攻撃回数強化』に回して一気に狙いますぅ。
ニィナ・アンエノン
スイカかぁ、もーちょっと早い時期だったらなぁ……
ま、季節外れのスイカ割りと行こうかな☆
にぃなちゃんの下着はめっちゃ薄いスポブラとスパッツみたいなもんだし、こんなんでランニングしてる人もいるから大丈夫!
張り切ってスイカを撃っちゃえ……うわっ、脱がされた!?
どうせ裸になるならもっといい雰囲気が良かったのに!
とにかくバイクを【操縦】してスイカを追っかける!
生徒に見られたらポーズを決めて【パフォーマンス】しとく!
にぃなちゃん髪長いから良い感じに隠れて全年齢向けになるんじゃないかな?
追い付けたらバイクから飛び降りてユーベルコードで攻撃!
のし掛かって足止めだ!
3恥ずか死を目指してがんばろー☆
四季乃・瑠璃
瑠璃「スイカに塩をかけると甘くなるけど、スイカにデスソースかけても甘くなるのかな?」
緋瑪「試したくないなぁ…ってコトで、一口どうぞ!」(2章で作ったオムライスをスイカの口(顔面)にシュート)
UCで分身
飛翔翼で高速飛行しながらスイカを追いかけてオムライスを御馳走し、美味しく(?)頂いて(悶えて)る間に機巧大鎌の機巧を利用した高速斬撃でスイカ割り!
オムライス御馳走するのは攻撃じゃないから下着取られないよね!
え?劇物だし、攻撃だろって?…地の文にもいつもお世話になってるお礼として、オムライス(殺辛)を御馳走しないとね♪(ニッコリ)
後はボムの爆炎(煙)で裸を隠しながらスイカ割り(爆砕)で追い詰めるよ
満月・双葉
海の悪夢か…
ふむむ、恋路とはそうも難しいのか
恋愛なんかしない面倒だ
ところで、うーん、これは効率的に相手を動けなくする有能オブリビオン
だがスイカだ美味しそ…はっ
これは如何すればいい、変態を盾にすれば良いなよし解決
ミーシャ逝ってこい
僕は【闇に紛れて】コーヒー淹れておくから水出しだから時間かかるんだよね
【援護射撃】?出来たら大根でするし、隙を付いて【咄嗟の一撃】で大根でかちわるから
それにしてもどうして世の中にはこうも変態が多いのか…
ま、僕は捨て駒で大丈夫
おねーちゃん、あと頼んだ
ミーシャ・アレクセア
なんですか、私のナイスボディーを楽しみたいと
趣味のいいスイカです
存分にどうぞ
その代わり双葉のをみたら来世まで祟ります見ていいのは私だけ
無論、貴方の盾が私が拝命した…んー、とはいえ健全な青少年には刺激が強すぎますのでこう、髪の毛でいい感じに隠れませんかね???
種の乱射ですか、直線的ですね!
素早く動けば裸も視認できず…
変態だなだと?何を今更
双葉限定変態ですとも?
ま、引きつけるだけ引きつけるとしましょうか
スイカはね、斬るもんじゃ水禍さん
割るもんです
黒木・摩那
スイカの話聞いていたら、梨緒さんのためにスイカを全力応援したくなります。
が、そこはUDCがいうことですから、話半分以下で聞くべきでしょう。
それか、何か罠貼ってるとか。
やっぱりスイカは割りましょう。
ただ下着、ましては全裸は困ります。
恥ずか死は阻止せねば。
服が着られないのなら、物陰に隠れて攻撃します。
一刻も早く倒して、服を取り戻すのよ。
ドローン『マリオネット』を上空に滞空。スマートグラスと同期します。
そこ狙いを付けてUC【紫電翔剣】で魔法剣『緋月絢爛』を飛ばして、狙撃します。
テティス・ウルカヌス
いちご先輩と
綺麗なテティスです
「うう、いちご先輩……
こ、こっち見ないでください……」(赤面
まさか、いちご君の前で下着姿に……
さらに大勢の男子生徒たちにまで見られちゃうなんて……(涙目
「け、けど、いちご先輩のお仕事を手伝うために、あのスイカさんの注意を引きつけてみせますっ!」
いちご君をお手伝いしようとしますが、スイカさんの角材でブラとショーツが斬り裂かれ、いちご君や全校生徒の前で全裸にされ……
「あっ、いちご……君!?」
私の裸を隠すためにいちご君が抱きしめてくれて……
って、この感触はっ!?
「きゃっ、きゃあああっ!」
全裸のいちご君の……その……あれがそれして、真っ赤になって悲鳴を上げるのでした。
彩波・いちご
テティスさんと
下着姿のままで…気まずい
今日は男装だから下着も男物で落ち着きませんし…そもそもテティスさんの下着姿もチラチラと視界に…
うぅ、他の人に彼女のあられもない姿見せたくありませんし、何か着るものは…
なんて考えてたら、テティスさんが先に動いて
「ちょっと、待って……あっ」
下着を剥かれたのを目撃して、…下着に隠された部分も見えてしまって(赤面
でも、他の人に彼女の裸を見せるわけにはっ
何とか隠そうと、スイカを押しのけて慌てて彼女を抱きしめますっ
…ん、なんか、感触がおかしい…私の下着もいつの間に奪われたんですかっ!?
あ、いえ、これは、その、テティ素さんごめんなさい、でも離れたら見えちゃいますからぁ!
稲荷・こん子
・方針
アド/絡み◎
・行動
「どうにかして止めないとでs…わぷっ!」
慌ててスイカを止めようと駆けだし…コケる
コケた瞬間、手に持つメダルが宙に飛び
モノや人に、くっついたり剥がれたり、はたまた武器などに弾かれたりで、謎のコンボが発生(?)
「はわわ~!」
最終的にはpad水着に憑依、padは捨てれそうなら剥がす
そのまま逃げられそうなら逃げ、無理そうなら、ジタバタして時間を稼ぐなどの抵抗をしてみる
「これさえどうにか出来れば、梨緒さんを傷付けない気がするのです!」
猟兵の誰かが装着してた場合(もしくは逃げた先の人に装着後)は、大人しく協力
依頼終了後、梨緒さんを慰め(?)れないか考えてみるです
涼風・穹
……獅子堂の好きな担任が独身の男性教師だったなら別に若かろうが年配だろうがまあ好きにすれば良いとは思うけど、既婚者だとか実は女性でしたみたいなややこしいオチがあるんじゃないだろうな…?
今こそ《贋作者》の真価を見せる時…
金属壁を作り出して水禍を足止めしつつ周囲から見られないようにして攻撃を仕掛けます
……しかし水禍にこれだけは言っておきたい
男女問わず人前で相手の下着を剥ぎ取って全裸を晒させるとは随分といい趣味をしているな
実は獅子堂と同じようなトラウマを持つ方を量産でもするつもりなのか?
戦い以外では良識の最終防衛線として《贋作者》でおぼんやトレー等を作り出して配り自分や周囲の方の大事な部分を隠します
――ザザーン……ザザーン……。
「はっ」
双葉が目を覚ますと、広大な海の波打ち際に寝転がっていた。地面は砂浜ではなく小石が広がっており、長いこと寝ていたのか体中が痛む。
「よぉ、目が覚めたか?」
「……あなた、誰ですか?」
知っているはずなのに、分からない。だが、それは双葉のことを知っているようだった。
「少しばかり、聞いてくれ」
「僕の質問は無視ですか」
勝手に話を進められるのは癪だが、だからと言って何かできるわけでもない。下着姿を隠すように、膝を抱えてさらに翼で自分の体を包む。
「今回は、楽な仕事のはずだったんだ。扱う案件がトチ狂っててな。日に日に悪化する状況の中、猟兵ですら投げ出すと……違う意味で、『すぐ終わる』と思っていたんだ」
「どこかの最前線の話ですか……?」
話を聞いただけならば、ダークセイヴァーか、アポカリプスヘルか……猟兵が追い詰められる事も少なくない環境が広がる世界を思う。ただ、UDCアースでスイカを追いかけていた自分にどうしてそんなことを……。
「うっ……」
何故だろう。戦闘の記憶がない。自分は戦場にいたはずだ。顕現した邪神を追っていてはずだ。それがなぜ、こんなにも穏やかな海辺で寝ていたのだろう。
「無理すんな。すぐに帰れるさ、だから今は忘れておけ」
「……はい」
考えることをやめて、耳を傾ける双葉に、それは語り続ける。
「だが、お前たち猟兵は違った。数が減るどころか、状況が進行する度に、じわじわ増えてきやがった。まるでその状況こそが、目当てだったかのようにな」
戦いに生きる価値を見出す者ばかりが集まってしまう程、危険な戦場……目の前のそれは、そんな戦場に身を置くものなのだろうかと、双葉がちらと見上げた時だった。
「なーんで全裸にされるってなった途端にまた増えるかなぁ!?」
「……」
双葉の眼から、光が失われた。
「あなた、まさか……」
「聞いてくれてありがとうよ。なに、ちょっと叫びたかっただけなんだ」
こちらのセリフはロクに聞かず、それが歩き出すと迎えの舟が来たようだ。黒い着物に身を包んだ船頭が導く姿を見た時、気づいた。目の前の海に流れはあるのに、波がない事に。
「これ……もしかして、川?」
「じゃあな、俺は一足先に退場だ……」
後ろ手に手を振り、それは去っていく。川の向こうへと……。
――――――
――――
――
「はっ」
双葉が目を覚ますと、そこは学舎の中だった。ガンガンと響く頭痛に顔をしかめて、周りを見回せば死屍累々と転がる全裸の猟兵達……そして、彼らを背にして刃を握る者は。
「くっ、手強い……でも、僕もまた負けるわけにはいかないのです。聖騎士の誇りにかけて……!」
フェリクス・フォルクエイン(人間の天馬聖騎士・f00171)、しかもシリアスモードだった。その身に纏うは謎の光のみ。胸と股間を聖なる輝きが包み隠し、健全を体現している。
「!?」
何故か変態系ネタ依頼に聖騎士を名乗る性騎士がいることに驚き、硬直する双葉はゆっくりと、記憶をたどっていく……。
「ふむ、過去の改竄か……先にこっちでやっちまえばいいんじゃね?」
▼あなたにその権限は認可されていません。
「なんでよ!?」
スイカが動き出した直後、世界意思からストップがかかったのがアリス(セカカラ)である。いやさすがに今回は止めるよマジで。
「何をしても許される……それがネタに逝き、ネタに死す我らネタ枠の民でしょう!?」
限度があるんじゃわい。歴史改竄、一般人への肉体改造、どちらも重大な違反だぞ分かっているのか!
「くっ、私は悪くないわ!ていうか違反なんてあったの!?」
薄暗い部屋の中、卓上ライトが照らす机の上。届いたばかりのカツ丼を片隅に置いて、不満というより驚愕の方が強い顔をするアリス(違反者)。
「その表現何とかならない?切符切られたみたいでいやなんだけど……」
じゃあ分かりやすくアリス(ネタ)でいくか。とにかく貴様は許されない行為を働こうとしたのだ、恥を……知る必要まではなかったわ。次は気を付けてね、次なんてないけど。
「まぁ、ここまで来たら仕留めるかしくじるかで事件終了よね……あ、これもらっていい?」
取り調べ風の壁?さっき発泡スチロールにグレースプレーしただけのやつだから盾にはならんぞ?
「いいのいいの、これの複製が欲しいだけだから」
お前変なもの欲しがるよな……あ、出口はそっちね。そう、そこの第五の壁って書いてあるやつ。
「ただいまー」
「……え、アリス、お前今どこから出てきた?」
気が付いたら後ろに立っていたアリス(ネタ)に驚きを隠せない穹。そんな彼の前に広がるのは無数の金属板。
「これぞ我が『贋作者』の真骨頂、厚さを極限まで薄く引き絞り、鉄板の組み合わせで視界と進行を阻むフルメタルラビリンス!もちろん作ったのは俺だから、こっちは道に迷うことはない!俺に続けー!!」
「何故でしょうか、盛大な死亡フラグが建った気がするのですが……」
摩那は穹を見送り、金属板の壁に背を預けて機を窺いながら、スイカの言葉を反復中。
「スイカの話聞いていたら、梨緒さんのためにスイカを全力応援したくもなりますが、そこはUDCがいうことですから、話半分以下で聞くべきでしょう……それか、何か罠張ってるとか?やっぱりスイカは割りましょう」
摩那板をきっかけにUDCとの和解の道が生まれたかと思ったが、そんなことはなかった。やはり邪神と人は相いれあっぶね!?
「今、妙な事、言いましたか?」
凄まじい笑顔で魔法剣突き刺してくるのやめて!?
「まったく、こっちは忙しいんですから余計な事言わないでくださいよ」
などと摩那が隠密性に長けた浮遊機を飛ばし、眼鏡に撮影された映像を同期させると。
「私の道を阻むとはいい度胸だ……覚悟はいいか、猟兵!」
「くっ、まだまだぁ!」
角材構えたスイカと、右手に刀を、左手にお盆(オンザ急所)を構えた穹が対峙しており、スイカの手には布が増えている……。
「何やってんですかあなたはー!?」
「下着を奪われたから、残ってた構築可能体積で最後の砦(意味深)を作った」
無駄にキリッと決め顔をする穹だが、結局片手が使えない上に、『突く』槍とかならまだしも、『振るう』刀で常に片手が股間の前にあるって、動きづらくない……?
「ふ、刀は振るうだけじゃない。かの有名な人斬りの偉人の中にも、突きを必殺剣とした人が……」
「遅いわぁ!!」
カァン!!スイカの角材による打撃が的確にお盆を襲う!!甲高い音を立ててガードに成功したかに見えたが、その衝撃は背後に隠されていたものまで見事に貫通しており。
「ば、かな……」
穹は膝から崩れ落ちていった……。
「ここまでか……だが、スイカ。お前には一つだけ言っておきたい……」
「何かね?」
遺言くらいは聞いてやろう、とでも言わんばかりにスイカが振り返ると、首から下をビクンビクンさせながら、眼光だけは研ぎ澄まされたミスマッチな穹が問う。
「男女問わず人前で相手の下着を剥ぎ取って全裸を晒させるとは随分といい趣味をしているな。実は獅子堂と同じようなトラウマを持つ方を量産でもするつもりなのか?」
「……若人よ、君は世界を知らないようだ」
背を向けて、スイカは空を見る。
「君達人類は、自国のためを思うがゆえに、正義の名のもとに他国の人類を虐殺する。自国の人類を殺せば、犯罪者となるのにな。覚えておくといい。正義とは、同時に悪なのだよ」
「カッコつけてるけどやってることは変態じゃないですかー!!」
物陰で一人、摩那はツッコむ。
「私は一体何を見せられているんですか!?」
いや知らんがな、勝手にお前が見てただけやし。
「これ以上付き合っていられません!一刻も早く倒して、服を取り戻すのよ」
揺れない胸の前でグッと拳を握り、自らに喝をいれた摩那は浮遊機を通してターゲットをロック。念動力を糸のように紡ぎ、自身から浮遊機を中継にしてスイカへとレールを敷いた。
「戦闘能力はかなり高いようですが、死角からの高速の一撃を叩き込めば……!」
敵直上まで一気に滑らせて、音を立てずに飛行する魔法剣。その切先をスイカに向けて。
「これで……!」
「私が油断しているとでも思ったのかね?」
急降下するその刃は、黄色い小さな花弁の群れに弾かれた。細くなった角材をスイカが振るえば、跳ね返された得物は摩那のもとへと落下し、天井を花弁が覆いつくす。
「視界が通らぬ迷宮の中、不意打ちを警戒しない方がおかしな話だろう」
「きゃー!?」
どっさぁ。上から落ちてきた花弁に摩那が飲み込まれて、花弁は流水の如くスイカのもとへと帰っていく……。
「って、あれ?痛くない?」
傷がない事にきょとりとした摩那だったが、ぱさっ。なんか落ちた。
「って、私の下着ー!?」
奪い取ろうにも、姿が見えないから切り刻まれたんだね……。
「どどどどうしてくれるんですかー!?」
スイカに聞いて。
「安心なさい……時間を稼げたぶん、準備は整ったわ」
アリス(ネタ)!お前今まで何を……。
「とくと見よ、これぞ学園ならではの結界罠、無限回廊ならぬ無限廊下!」
廊下がどこまでも続く、発泡スチロール製の取り調べ室感漂う殺風景な一本道に!!
「まぁ、五分はごまかせるでしょう」
五分って短いと思う人もいるかもしれないけど、ゲーム的には五ターンくらい敵が黙るから、準備を整えるには十分なんやで。まぁ、そんなに長々と記録残さないけどな!!
「そして、邪神だったら私だって呼べるのよ……目には目を、歯には歯を、スイカにはスイカね……あ、もしもし、えぇ、えぇ、ちょっと来てくれるかしら?」
邪神って、スマホで呼べるんだ……。
「呼ばれて飛び出て我参上ゾナ☆」
わー、ストローな手足が生えた、スイカタイヤの瓶に、ピンクい蒼汁に浸かった蒼汁権現・ごずなり様(這い寄るごにゃーぽ神・f17211)が降臨したぞー……。
オ マ エ か !
「え?呼んでないから帰れとな?まぁ、そうカリカリするでない、我の蒼汁でも飲んで心落ち着けるがよかろう」
その蒼汁が一番の混沌の原因なんだよぉ!!ていうかこっちじゃなくてあっちのスイカ狙えやぁ!!
「仕方ない奴ぞな。お土産用蒼汁を残していくから持っていくといいぞい」
かくして、ごずなり様は『夏の蒼汁三点セット』を残して、蒼汁カー(瓶っぽいアレ)で廊下を走っていく……はい、アリス(ネタ)、お中元だって。
「何故私に渡すのよ?」
うるせぇ蒼汁の使徒だろう!?責任もって持ち帰れやぁ!!さーてごずなり様の後でも追ってみるか……。
「見つけたぞな、スイカの同志よ!!」
「なんだ貴様は……?」
全裸にスイカの蔓だけ巻き付けて、際どくなると山田柄のスイカが隠すというギリギリアウトな邪神に、邪神の方のスイカもこの表情……見えない?詳細は現地の猟兵に聞いてくれ。
「ふ、我が使徒からスイカの邪神に手土産を振舞ってほしいと頼まれたんだぞい」
ごそごそ、蔓しか巻き付いてないはずの体をまさぐると、何故か小包が出てくる。
「スターゲイジー蒼汁パイと蒼汁ゼリードイード、そしてスイカ蒼汁シャーベット。夏の蒼汁三点セットぞな!!」
ごずなり様の権能により、自我を抱く蒼汁のお中元がスイカの口を狙う!!
「いや、私スイカだから味わうも何も……まッッッず!?」
これはひどい……植物を以てしても耐えきれない劇物、それが蒼汁……あまりの名状しがたい味覚への冒涜に、ゴロゴロとのたうつ(転がる)スイカ。その姿をあざ笑っているようで、本当に善意でやらかした邪神ごずなり様はスーイカカカ!
「うむうむ、のたうち回る程に喜んでもらえて嬉しいゾナ」
「消え失せろこの外道がぁあああ!!」
カッキィイン……笑っていたごずなり様に、スイカの角材がフルスウィング!!
「ぞーなー!?」
ごずなり様は輝けるスイカとなったのだ……。
このあとスイカはもう少しだけ廊下をさまようから、その間に戦闘外の猟兵を見てみようか。
「貴族の子女が裸体を晒すなんて出来る訳ないでしょう!?」
事前にリスクは説明されていたのに来てしまった犠牲者、セプテンバーさんです。清純派の白(意味深)な彼女は即席プレハブ小屋に納まるなり、呼び出した作業員に運ばせて校舎の外までどんぶらこっこ、どんぶらこっこ……。
「番号!三番!!」
『1』
『2』
『3』
『1』
『2』
『3』
以下略。
「第一班はこのまま私を校庭待機中のナックルダンパーまで搬送!二班はスイカの妨害!三班は人払いを命じます。以上、解散!!」
この後、二班は指揮者本人が戦場にいない関係で路頭に迷うのだが、それはまた別のお話。
「一先ずこれで安心ですわ……」
そんなことはつゆ知らず、校舎三階の高さに位置するコクピットに引きこもり、シェードガラス(日差し除けのための、色付きのガラス。車の窓が真っ黒な車ってあるやろ、あれや)に視線を阻ませて、さーて指揮を執りますわよーなどと周りを見て気づく。
「……何も、見えませんわね」
戦場が校舎の中ってーことは、スイカと猟兵が同じ視点、つまり三階で追いかけっこしてないとなーんも見えない。安全圏から戦うなんて、都合のいいことはできないのが戦場というものである。
「ま、いいですわ。一班、二班は連結合体、恐竜でも再現して、一般生徒の人払いをお願いしますわー」
そして自分はシートに沈み込み、一足先に休息をとる建築おぜう。
「あとは他の猟兵の方が何とかするでしょう」
などと安心できないのがこの手の依頼なんだよなー。
「きゅうう、下着姿、恥ずかしい、です!ロクローくん、あの、スイカ、食べて!」
羞恥心のあまり、ぎゅっと目をつぶってロクローくんこと白ワニの背にしがみつき、少しでも人々の視線から姿を隠そうとするアリス(シリアス)。
「う、アリス、シリアス、です?」
アリス(ネタ)と対比するならこれかなって……んなこたどうだっていいんだよ!
「はうっ、そう、でした!」
「どっせぇえええい!!」
無限廊下をぶち破って飛び出したスイカを、「実がある……うまそうだな」などとそれがスイカって野菜だってことはよくわからないが、何らかの実だから食える、そんな気がするって雰囲気のロクローはおめめキラン☆……こいつの行動原理、食欲なんだろうか?
「ロクローくん、行って……!」
パキ、ペキ、鼻先から順に伝うように、肉体を高質化させた白ワニは尾の先端まで金属の鱗で身を包む。鋼鉄の塊と化した肉食獣はその背にウサギ少女を乗せたまま、校舎の廊下を走り始めた。狙うは先を行く獲物、スイカである。
「ふっ、自らの姿をさらさぬよう獣に頼るか。だがその程度の浅知恵では、私は止められ……」
最後の一足で飛び上がり、大口を開けて食らいつかんとしたロクローだったが、一歩届いておらず頭から廊下に落下。その衝撃で体がエビぞりになり、アリス(シリアス)は背中から投げ出されてしまい。
「ロクローくん、足止め、お願い、です!」
「私を素通りしただと!?」
すぐさま跳ね起き、食らいつこうとするワニを打ち据えて、想定外の事態にアリス(シリアス)を見送るばかりのスイカ。一方彼女の目的は最初からスイカなどではない。体格に対して、やや小さな翼を広げて、投げ出された慣性で風に乗り、滑空。スイカを置き去りにして目指したのは。
「梨緒さん!」
「なんか飛んできたぁあああ!?」
まっすぐ飛んでくるアリス(ウサギ)を受け止める梨緒。色々と驚愕は入り乱れたようだが、最初に来たのは。
「なんで下着……?」
「……下着、なのは、気、しない、ください…!」
あぅあぅ、必死に我慢してここまで来たのに、そんな直接聞かれてはメンタルがもたない。真っ赤になって胸と腰を隠していたアリス(うさうさ)だったが、恥ずかしさ故の涙で潤んだ瞳で、じっと梨緒を見て。
「梨緒さん、後悔、ない、ように、ちゃんと、気持ち、言う、する、方が、いい、思う、です。だめ、でも、言う、しないと、前、進む、ない、です。だから、スイカ、なんか、頼る、必要、ない、です!自分の、気持ち、自分の、言葉、伝える、ください!」
「それができたら苦労しないんだよぉおおお!!」
まぁ、そうよね。できないからあれこれ手回ししてたわけだし。
「ていうかスイカってどういうこと?」
「あ、その、スイカ、邪神、で……!」
そこから先は口下手なアリス(ラビット)が違う意味であぅあぅすることになるのだが、視点は再び戦場に戻るんですよねー。
「うう、いちご先輩……こ、こっち見ないでください……」
「大丈夫です、何も、何も見てませんから……!」
下着姿で気まずい空気に包まれてしまったテティスといちご。一先ず廊下に座り込み、背中合わせになることで自分たちの姿を見ないようにしながら、窓の向こうの学生達に姿を見られないようにして、対抗策を練る。
「服を着られないとなると、せめて隠せるだけの布でもあればいいんですが……」
ちらと、いちごが保健室か家庭科室でもないものかと視線を動かせば、その端には教室より先に色白の肌とそれを包むレースとリボンの布地が……。
(って、私は何を!?)
視界に入ってしまうのだから、つい目でその先を辿っていた自分に赤面するいちごはグッとまぶたを閉じて、煩悩を断とうとするが、意識するほど目に焼き付いたものが逆に色濃く浮かび上がる。しかし、そんな悶々とした空気は一瞬にして冷やされた。
「中で映画の撮影やってるってマジ?」
「集団で走ってるのを見たって奴もいるし、外にはこの恐竜の置物だぞ?なんかすげーことやってるって。窓から見てても怒られないなら、中も大丈夫っしょ」
「あ、でもやっぱり、立ち入り禁止になって……」
建築おぜうが派遣した作業員のうち、暇してた二班が校舎内までは学生が来ないよう、作業中のテープを張っておいてくれたものの、逆にそこから先で何があるのか、興味を持つのも学生という名の子どもの性である。で、目にしたものが。
『あっ』
下着姿で、肌を寄せ合う男女。
「さーせん……」
「ごゆっくり……」
「あの、馴れ初めとか聞いても……」
「「おいバカそっとしておけ!!」」
仲良し三人組に見られてさーッと血の気が引くいちご。男子生徒に見られて頬がカーッと熱を持つテティス。うーん、対照的。
「どーけぇえええ!!」
まぁ、うん、スイカさんは待ってくれないよね。
「いけない、後ろにはまだ……!」
せめて学生達が逃げる時間は稼がなくてはならない。その正義感から、テティスが立ち上がる。
「恥ずかしい……け、けど、いちご先輩のお仕事を手伝うために、あのスイカさんの注意を引きつけてみせますっ!」
「あ、すみません、本番前なので外にっ!!」
テティスが覚悟を決めたことで、学生側の状況を察したいちごが慌てて追い立てて、すぐさまテティスのフォローに入ろうとするが。
「邪魔だっ!」
パァン!!
「て、テティスさーん!」
敵の攻撃が直撃し、彼女が倒された……と思ったら、下着がするっとなくなっており。
「テティスさん!?」
一回目とは違う意味で悲鳴を上げてしまういちご。見てはならないと両手で顔を覆うものの、そのままではスイカもテティスも見えず庇うことができないと気づいて指の隙間からチラッ。
「テティスさんの肌、白くて……ってぇ!?」
じっと眺めているのは自分だけではない。具体的には、校舎の外から中を見物していた学生たちが「え、あれどうなってんの?」とざわざわ。このままではテティスの上半身だけとはいえ、素肌(意味深)が見物の学生達にさらされてしまう。
「えっと隠せるもの隠せるもの……!」
「あっ、いちご……君!?」
ぐるぐると思考が渦を巻くいちご。辿り着いた答えが。
「ほら、あの、私も男ですから……!」
たとえさらされたところで、そこまでの痛手にはならない自分の裸体(上半分)で生徒たちの目からテティスを隠す事だった。彼女を抱きしめつつ、窓側に背中を向けることで身長差の関係で完全ではないものの、彼女の姿を衆目に晒す事だけは防いだいちご。ただし、ここからがまずかった。
「私の裸を隠すためにいちご君が抱きしめてくれて……」
くにっ。
(って、この感触はっ!?)
(……ん、なんか、感触がおかしい……妙に人肌のぬくもりが生々しいような……)
「って、私の下着もいつの間に奪われたんですかっ!?」
「きっ……!」
自分の体に触れていたモノに気づいて、悲鳴をあげそうになったテティスの口を、いちごがあわてて塞ぐ。
「駄目ですよ大声なんて出したら!外の人たちはこれを映画の撮影か何かだと思ってるみたいなんです。ちょうど窓のおかげで全部は見えてませんから、このままそーっと教室の方に逃げ込んで……!」
いちごの意図を察したテティスがコクコク頷き、二人はさもそういうシナリオであるかのように一番近くの部屋へと向かおうとするのだが。
「あの、その、いちご君の……その……あれがそれして……!」
「すみません……私も……男ですから……!」
背筋に走るむず痒さに、瞳を潤ませて震えるテティスと、そんな彼女を見てはならないとぎゅっと目を瞑って進むいちご。二人がすぐそばの部屋……保健室に入り、衝立の陰に隠れてどうにか観衆の視線からは逃れ切ったと、安堵したその瞬間、ぷにっ。
「……あの、テティスさん、違うんです。落ち着いてください、ほらよく見て、触れただけですから問題は何も……あ、ごめんなさい、よく見てだなんてそれこそ……!」
「きゃぁああああああああ!?」
その日一番の悲鳴が校舎を覆いつくし、学園祭には素晴らしいホラー映画が放映されるという噂が学園中を席捲したとか。
「スイカに塩をかけると甘くなるけど、スイカにデスソースかけても甘くなるのかな?」
「試したくないなぁ……ってコトで、一口どうぞ!」
試したくないって言いながらスイカ相手にデスライス(瑠璃特製オムライス)をスイカに投擲する緋瑪。若さゆえに、言ってることとやってることがかみ合わないのだろうか。直撃して真っ赤に染まったスイカが大激怒。飛行ユニットで追跡してくる姉妹目掛けてクルっと反転して。
「食い物を粗末にするんじゃない!たとえどんなに不味い料理だとしても、味覚のない私にダメージなど……辛ッ!?」
辛味って、味じゃなくて痛覚らしいよね。
「瑠璃の料理って、蒼汁?とかいうのと同レベルなんだね……」
「緋瑪、あとでちょっとお話しよっか?」
「ひょえ!?」
緋瑪が久々に見た瑠璃の突き抜ける青空のような笑顔を前に凍り付いた瞬間、スイカが通過。後には下着から髪留めに至るまで奪われた瑠璃緋瑪姉妹が……って野郎!やりやがったな!?髪留めまでかっさらわれたら俺も見分けつかねぇぞ!?
「ねぇ、攻撃してないのに下着とられたんだけど……」
「私オムライス投げただけだよー?」
片手と太ももで隠しつつ、ボムをスタンバイしてスイカを追跡する姉妹からジト目を向けられても困る。
「まさか、私のオムライスは劇物とか、言わないよね?」
わーお、瑠璃色のスマイル……でも、これは真面目に俺は悪くない。
「「なんで?気に入らない理由だったら爆破するよ?」」
何故そこでユニゾン……緋瑪が『投擲攻撃』したからやろ。
「あっ」
「緋瑪……やっぱり後でお話しようか?」
「いやいやいや待って、落ち着いて、私がやったのは、そう!プレゼント!プレゼントであって攻撃じゃなかったんだよ!!だから悪いのは地の文!」
「そっかー……じゃあ、地の文にもいつもお世話になってるお礼として、オムライスを御馳走しないとね♪」
おい待て、なんでそこで緋瑪の言い分を認めるんだ?やめるんだ瑠璃、さすがにそれはアカ……コフッ!?
「スイカかぁ、もーちょっと早い時期だったらなぁ……ま、季節外れのスイカ割りと行こうかな☆」
にぃなちゃんは廊下の隅っこで、不思議な空間にオムライス詰め込んでる姉妹を横目に、バイクでスイカをチェイサーなのでっす☆しかしそっかー、仕留め損ねると本当に下着とられちゃうんだね……でも、にぃなちゃんの下着はめっちゃ薄いスポブラとスパッツみたいなもんだし、こんなんでランニングしてる人もいるから大丈夫!
「つまり、恥ずかしがらなければ恥ずかしくないのだっ!」
ふふ、我ながらドヤッと決まってしまった……恥ずかしさに身もだえたりしなければ、狙いだって狂わないからね。にぃなちゃんがお仕事を完遂しちゃうぞ☆
「よーく狙ってー……」
念動で浮遊させた銃を、背中の部分をにぃなちゃんの視線に重ねるように浮遊させて、直線状にスイカが来たら……。
「バーン!!」
よーし決まったぁ!タイミングも位置も完璧、にぃなちゃん大勝利!!
「ぷっ」
って思ってたのに、スイカの種を吐きつけられてレーザーを食い止められちゃった!?あれ……しかもスイカさん、こっちに向かって……。
「うわっ、脱がされた!?どうせ裸になるならもっといい雰囲気が良かったのに!」
急に振り返って不意打ちで下着ドロボーなんて、卑怯モノー!!にぃなちゃんだって急ブレーキからのクイックターンで、絶対に逃がさないんだからねー!!って、あれ?窓の外に人だかり?これは求められてる?にぃなちゃん、ファンサを求められてる?
「ぶいっ☆」
決まったッ!!片手を腰に当ててボディラインを強調しつつ、片手はブイサインで目元に添えてウィンクしながらいたずらっぽくてへぺろ……これは、決まった!!
「あーでもこの格好でやるのやっぱ恥ずかしぃいいいい!!」
にぃなちゃん、髪長いから風で体に張り付いてライダースーツみたいにはなってるけど、自分は何も着てないってわかってるからにゃー……およ?
「どうにかして止めないとで……わぷっ!」
ありゃ、なんかちっちゃい子が転んじゃって、キラキラしたのが飛んでってー。
「む、飛び道具か!」
スイカさんの居合斬り……居合棒?が炸裂!天井と床の間をキンコンケン、チャイムみたいな音で弾かれてるから、なんかの金属かな?
「服が駄目なら、浮遊盾を衝立にするしか……!」
プルプルしながら黒いビーム……光って黒くなったっけ?ま、とにかく暗幕みたいなので自分を隠してるるこるちゃんがスイカさんの前に立ちはだかるーんだ、け、ど。そこにさっきのメタリックなのが吹っ飛んで、サッとるこるちゃんが暗幕で自分を包んで、下着取られてもいいように身構えたタイミングだったもんだから、まーた打ち返されちゃったのね。
「ちぃっ!」
ありゃっ!?避けた!?
「はわわ~……目が回るのです~……」
……あの子、まさかスイカさんが避けた時、水着に引っかかってそのまま憑依しちゃってない?
「はっ!これさえどうにか出来れば、梨緒さんを傷付けない気がするのです!」
「く、貴様!何をする!!」
パッドをぽいぽい投げ捨てて、身軽になって飛び立とうとしてる……。
「放すのですー!」
はたから見たら、フライングメイド服に続いて、フライングビキニトップスだね……そしてこのチャンスを逃すニィナちゃんではなーい!
「そのまま押さえて、いっくよー!」
バイクから、フライハーイ!かーらーの。
「かくほー!!」
スイカを両脚でがっちりホールド!締め付けながら上に座って抑え込んじゃうもんね!!
「何だろう……この、乗りづらいバランスボールみたいな……」
なんて、にぃなちゃんが評価に困ってたら、るこるちゃんがすっごい笑顔でこっち見てるんだよねー。
「うふふ……今まで脱がされてきた猟兵の方々の羞恥心、そしてさりげなくこの交戦で下着を奪われた私の恥辱……その全て、今こそお返ししますぅ……」
何あれかっこいー!浮遊砲台が連結したら、勝手に弾帯が装填されちった!気になるのは、どんどん弾帯が伸びてることかな?
「装填される砲弾の数は、今まで私たちが受けてきた恥辱の度合いに比例しますぅ……」
さっきから一階と二階をぐるぐる回って追いかけっこしてー、にぃなちゃん含めて何人か学生さんにも見られてー……あれ、結構えぐくない?
「自分の行いを、反省してくださいぃ!」
ズガガガガガガガガ!!
「あ、そっか。それでその後フェリクスさんが盛大にフラグを建てて、回収していったんですよね」
はっ!俺生きてる!?……こほん。双葉の回想シーンが終わると、フェリクスとスイカが剣と角材で鍔迫り合い、フェリクスの光線銃から光学兵器の散弾がバラまかれてスイカの花弁が防ぎ、お互いを斬り払うことで距離を取る。
「フラグって言わないでくださいよー!」
敵を目の前にして半泣きになるフェリクスだが、その登場シーンってのが。
「服を着ることが出来ない? だったら、服を着た姿に変身すればいいじゃないですか……フェリー・アントワネット」
フェリクスはどっかの名言みたいなことを言うや否や、その身を光で包み込み。
「という訳で、お待たせしました! ご存じ、安心安全健全ごく普通の四拍子揃った聖騎士の僕が加勢します!」
まさかの、女性水着姿に変身する暴挙。なお、彼を一般的な聖騎士にカウントしてはならない。本物の聖騎士の皆さんに、女性水着姿を強要する風評被害が発生してしまうからだ。
「いやぁ、こういう時変身系UCが輝きますよね。行きますよ、エミリア」
サキュバス姿の愛馬が、おー!と拳を突き上げ背中を預けてくる。二人並び、謎の銃っぽい武器、男の娘砲を構えたフェリクスだが、スイカまでの距離がすげー開いてる。
「健全な僕に死角はありません。UCに制限時間もありませんから変身が解けて全裸とかもないですし、何よりこうして距離を取っておけば、水着を奪われる心配もありません!」
なんかもー死亡フラグしか建ってないけど、最期までお付き合いいただきたい。言ってる傍からほら、フェリクスの舞い散る薔薇の花弁に混じって黄色いスイカの花弁が混じってるだろ?
「え、あ、本当ですね……って、ん?」
たらり、フェリクスの頬を冷や汗が伝う。
「きょ、距離を取っていれば安全ですよね……?」
問おう、お前が挑んだ戦場に、そんなぬるい場所があったか?
「エミリア!急いでここから逃げ……」
愛馬を庇って突き飛ばした直後、荒れ狂うスイカの花弁がフェリクスの水着を襲う。
「愚かな……私が近接戦闘しかできないとでも思っていたのかね?」
「く、ま、まだです!」
全裸になり果てたフェリクスだが、その胸元と腰回りを、薔薇の花弁から放たれる謎の光が覆い隠す……。
「聖騎士フェリクス・フォルクエイン、その信仰の輝きを以て今一度刃を振るいましょう!!」
「馬鹿な、全裸のまま戦おうというのか……!?この性騎士がぁあああ!!」
「僕は聖騎士ですってばぁあああ!!ていうか、なんでこの光も胸を隠すんですか!?僕は男なんだから下だけで大丈夫ですよ!?」
スイカと薔薇の花弁が舞い散る中、大口径光線銃と花弁の指揮を執る角材タクトが舞い踊る。
「で、そこから聖騎士っぽいセリフとか戦闘が乱舞して、かっこいい方のフェリクスさんの活躍があってから、援軍が来たんですよね?」
「そうでしたね……って、待って、なんで僕の聖騎士ロールの記録が省略されてるんですか!?」
「ふう、眼福でございました。野郎はいらんけど」
フェリクスが銃撃戦に持ち込み足止めしていた一方、女性陣の下着姿を堪能してきた明日香が既に何かを達成したかのように額を拭う。
「俺はもう満足だ……さーて、スイカをぶった切って帰るとするかぁ!!」
黒いレースで縁取られ、やや肌の色が透けて見える機動性重視の下着に身を包んだ明日香。誰が何と言おうと機動性重視です、ええ。
「何なら証明してやろうか?」
「あ、ちょっと!?」
フェリクスの前に飛び出して、背後から迫りくるレーザーに対し、身を捻りながら跳躍。螺旋を描きながらスイカめがけて飛び掛かり、彼女の体を撫でるようにすり抜けて、レーザーが空間を駆け抜けていく。背を逸らし、たわわな胸を強調して背面を通過していくレーザーを見送って、花弁がそちらに対処した瞬間に合わせて抜刀。深紅の刀身を自らの回転に合わせ、スイカの縞模様に叩きつけようとしたその刹那。
「速いな、だが遅い!」
ぷっ、一発の種を刃の切っ先に当てられて、軌道がそれた隙に、すれ違いに下着を奪われる。支えを失ったことで、肉の枷と化した胸が重力に捕まり、無防備に床へと叩き落されてしまう明日香だが。
「まだまだぁ!」
「貴様に恥じらいというものはないのか!?」
自らの恥部を隠そうともせず、片手で跳ね、つま先から着地するなり床を蹴って肉薄。二撃目の斬撃を振るう明日香。しかし、スイカは一瞬の膨張から、スイカの種を弾幕に彼女をは弾き返してしまった。
「何という変態……やはり、性騎士と同時に出てくるのは痴女しかいないのだな……」
「僕は聖騎士ー!!」
「くく、くくく……」
フェリクスの叫びを塗りつぶす、明日香の微笑み。ノーガードのまま直撃を食らい、もはや立ち上がるのも困難なはずだが……。
「全裸になるのなら代わりは敵に求める。簡単な話さ」
跳ね起きた彼女は、その身を赤黒いスーツに包まれており。
「何を身に纏おうと呪詛で弾き飛ばされるのなら、お前の種を身に纏えばいい!!」
「なん……だと!?」
そう、明日香の身を包むものの正体。それは、種に付随した僅かな果汁が明日香の瑞々しい肌に対して、『発射直後の最大初速による、高圧で』撃ちつけられることで皮膚と種の間に真空状態を発生させて吸着した、種の鎧。
「隠すモン隠れてるなら、何もビビる必要はねぇ。覚悟!」
「チィ……!」
振るわれる刃、迫りくる熱線。二つ同時に相手にしていては、キリがないと割り切ったのだろう。角材の全てを花弁に変換し、種をショットガンにばらまいて。
「どこ狙ってやがる!?」
明日香にその身を切り裂かれ、熱線に逆皮を焼かれながら。
「貴様ら二人に決まっているだろう……!」
飛び散る種は花弁にぶち当たるなり軌道を変えて、戦場全体を跳弾し、全方位から一斉に猟兵達を打ち据える。
「ガハッ!?」
既に一度直撃を食らっていた明日香が倒れ伏し、ギリギリ踏みとどまったフェリクスだったが、彼もまた満身創痍であった。
そして現在、互いの得物を打ち合う……と見せかけて、スイカは角材を花弁に変えてフェリクスの剣を回避。続く光線銃に風穴を開けられながらも、彼を花弁で包み込むと投げ飛ばし、脳天から床に叩きつける。
「……あれ、大事なことを忘れてる気がする」
全ての記憶を辿ったはずなのに、何かが足りない。その最後のピースは……。
「もう少しなんでしょう、双葉?ならば、ここは私に任せなさい」
「海の悪夢か……ふむむ、恋路とはそうも難しいのか。恋愛なんかしない面倒だ」
「私の犠牲を完全に無駄にする気ですね!?」
ミーシャが真面目な話をしてるのに、全く関係ない事を考えていた双葉、アホ毛がピコピコして「ハハハ」と乾いた笑いを表現しながら。
「ところで、うーん、これは効率的に相手を動けなくする有能オブリビオンだが、スイカだ美味しそ……はっ」
その時、アホ毛に電流が走る!
「変態を盾にすれば良いなよし解決。ミーシャ逝ってこい」
確かに変態相手だとヘイト高かったけどさぁ!?さすがに酷くないか!?これにはミーシャだって怒るんじゃ……。
「無論、貴女の盾は私が拝命した……」
やるんかーい!?
「くっ、まだいたのか……!」
「なんですか、私のナイスボディーを楽しみたいと?趣味のいいスイカです、存分にどうぞ。その代わり双葉のを見たら来世まで祟ります。見ていいのは私だけ……」
スイカの前に立ちはだかるはミーシャ。不敵に笑い、髪をかき撫でると……自ら下着を脱ぎ捨てただと!?
「な……貴様、変態か……!!」
「変態だと?何を今更。双葉限定変態ですとも?……んー、とはいえ健全な青少年には刺激が強すぎますのでこう、髪の毛でいい感じに隠れませんかね?」
三つ編のブロンドを解いて前に垂らし、最低限の隠蔽を施したミーシャは背後の双葉を想う。
(さぁ、行きますよ双葉……!)
で、その本人はってーと。
「水出しだと時間かかるんだよね……」
近くの教室の中で、何故かコーヒーを淹れていた。外で剣戟と肉が裂ける音、果実が割れる音が響いているが、双葉は淹れたばかりのコーヒーを口に運び。
「苦い……」
うぇえ……舌を出し、アホ毛もしょんぼり。だが、その刺激で思い出した。何故自分は『戦闘開始と同時にぶっ倒れた』のか。
「それにしてもどうして世の中にはこうも変態が多いのか……」
やれやれ、首を振りながら、カーテンを体に巻き付けて『原因』を呼ぶ。
「おねーちゃん、あと頼んだ」
顕現するは白いワンピースに身を包み、双葉と同じ七色の翼を持つ美女。その手にはフルートが握られており……そう、『握られて』いる。なんで持たずに握ってるかって、前に呼び出した時にそれで双葉の事をぶん殴ったからだよ。
「ほら、おねーちゃん、僕ちゃんと隠してるから、露出狂じゃないから」
大雑把にまとめると、姉貴に任せようとして呼んだら、「あんたなんで下着姿で学校うろついてるのよこのド変態!!」とお仕置き(という名のフルート撲殺事件)が発生していたのだ。
「……」
まぁ、いいでしょう。とため息を残し、姉貴が廊下に出ていくと。
「ん、なんだ貴さ……」
「あ、お義姉様。お久しぶりで……」
ドゴォッ!バキャァッ!!
「……終わった?」
そーっと双葉が物陰から廊下を覗いてみると、頭に巨大なたんこぶを作ったミーシャと、スイカの果汁溜まりに沈んだビキニが遺されていたという。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
最終結果:成功
完成日:2020年09月10日
宿敵
『水禍』
を撃破!
|