悪徳の街で愛を弄ぶ者(作者 J九郎
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●愛の試練
 そこは、広大な円形のホールだった。かつては何らかのスポーツの競技場だったらしいそこはしかし、今は血なまぐさいコロシアムと化していた。
 そして、その円形闘技場の中央で、恋人同士らしい一組の若い男女が、怯えるように周囲を見回していた。
「突然さらわれてこのようなところに連れて来られ、どうしていいか分からぬといった顔だな」
 そんな二人を見下ろして。コロシアムの上部にあるガラス張りの観覧席に座る黒衣の男の低い声が響き渡った。
「安心するがよい。条件を満たせば、確実に元いた村へと帰してやろう。ただし、帰れるのは、殺し合い生き残ったどちらか一人のみだがな」
 そう言って男は堪えきれぬようにクックックッと喉を鳴らす。
「さあ、コロシアム内に設置してある武器なら、どれでも好きな物を使ってもらって構わぬ。いつでも始めたまえ。……ああもちろん、殺し合いたくないというのならそれでもかまわぬ。愛する者を助けるために、自ら命を絶つのもよいだろう。ただし、制限時間は30分だ。その時間を過ぎれば、飢えた『機餓獣兵』共が、お前達を一瞬の内に喰らい尽くすだろう。もちろん、ここから逃げようとしても同じことだ」
 黒衣の男は芝居がかった口調で、惑う二人をじっと見つめていた。
「親子が、兄弟が、夫婦が、そして恋人同士が。愛する者が生き残るために殺し合う。これほどの余興が、他にあろうか。さあ見せてくれ、お前達の愛を! そして人間の本性を!!」

●悪徳の都・ヴォーテックス・シティ
「『ヴォーテックス・シティ』をご存知でしょうか」
 エルシー・ナイン(微笑の破壊兵器・f04299)は、集まった猟兵達に、そう尋ねた。
「アポカリプスヘルに存在するその街は、悪と狂気の『ヴォーテックス一族』が支配する超・超・巨大都市。そしてヴォーテックス一族こそは、多くのレイダー・キングを従えるキング・オブ・キングスとも称すべき、華麗で巨大なる悪徳のオブリビオン一族なんです」
 そんなヴォーテックス・シティでは、昼夜を問わずレイダー達による悪徳と暴虐が繰り広げられているのだという。
「そこで今回みなさんには、この街へと乗り込み、苦しめられている奴隷達を救出してもらいたいのです。みなさんに向かってもらうコロシアムでは、奴隷同士……それも家族や恋人など、愛し合う者同士が、殺し合いを強いられています。まずは彼らの救出をお願いします」
 このコロシアムの支配者は『善悪の天秤を弄ぶ者』ダーク・レイダーと呼ばれるオブリビオンだ。
「ダーク・レイダーはかつては優秀な奪還者でした。しかし、資源不足を理由に病に倒れた恋人を見殺しにされたことで暴走し、レイダー・キングへと堕ちてしまったといいます。そんな過去故か、資源の強奪よりも極限状態での人の醜さを嘲笑う事を好んでいるようです。コロシアムでの悪趣味な試合も、その一環なのでしょう」
 コロシアムには、何組かの奴隷たちが捕らえられている。コロシアムに駆り出されたところを救出してもいいし、控室に軟禁されているところを救助するというのもいいだろう。
「奴隷達はダーク・レイダーの配下達が監視しています。彼らはオブリビオンではありませんが数が多いので、充分注意してください」
 だが、無事奴隷達を救出できても、それで終わりではない。自らの楽しみを邪魔されたダーク・レイダーは、配下のオブリビオンである『機餓獣兵』を追手に差し向けてくるという。
「『機餓獣兵』は、改造したバイクやバギーなどに乗って追いかけてきます。ヴォーテックス・シティ内でカー・チェイスを行うことになりますので、みなさんも敵の機動力に対抗する手段を用意していた方がいいかもしれません」
 ちなみにヴォーテックス・シティには、そこら中に鍵のかかっていないクルマが転がっているので、それを利用してもいいだろう。
「『機餓獣兵』を蹴散らすと、ダーク・レイダー自らみなさんを追いかけてくるはずです。彼は2本のマニュピレーターを搭載した改造巨大戦車に乗ってきますので、気を付けて下さい」
 ダーク・レイダーは、改造巨大戦車で周辺の建物を破壊しながら迫ってくるだろう。このモンスターマシンへの対抗策も、考えておくべきだろう。
「恐るべき街で恐るべきレイダーが相手となりますが、愛する者同士を殺し合わせようとするオブリビオンの悪行を許しておくわけにはいきません。みなさんの健闘を祈ります」
 そう言ってエルシーは深々と頭を下げ、転送の準備を開始したのだった。


J九郎
 こんにちは、J九郎です。
 悪徳の街での大乱闘の始まりです。

 第1章では、捕らわれた何組かの奴隷達をコロシアムから救出してもらうことになります。
 恋人や親子などの奴隷同士の関係はプレイングで指定していただいても構いません。
 もちろん、指定がなくても結構です。

 第2章では、『機餓獣兵』とのカーチェイスになります。
 敵の機動力に対抗するプレイングがあれば、プレイングボーナスが発生します。

 第3章では、モンスターマシンに乗った『善悪の天秤を弄ぶ者』ダーク・レイダーとの決戦になります。
 モンスターマシンに対抗したり、建物の崩壊から奴隷たちを救出するプレイングがあれば、プレイングボーナスが得られます。

 それでは、気合の入ったプレイングをお待ちしています。
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第1章 冒険 『セーブ・ザ・スレイブ』

POWレイダーを腕力で成敗する
SPD逃走経路を探し、秘密裏に奴隷を逃がす
WIZ自身もあえて奴隷となり、現地に潜入する
👑7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


雛菊・璃奈
【影竜進化】でミラ達、仔竜を影竜に進化…。
影への潜航能力でミラ達と共にわたし自身も影に潜ってコロシアムに潜入…。

駆り出された直後の仲の良い姉妹(姉は妹の為に自ら命を捨てようとする程)の奴隷を救出するよ…。
震えてる姉妹の足元の影を広げて姉妹を影へ収容…。
入れ替わりに一旦、わたしが影から飛び出して、黒桜の呪力解放【呪詛、衝撃波、なぎ払い、早業】による呪力を放ち、周囲のレイダーの配下をなぎ払うと同時に目晦ましを実施…。
場が混乱してる間に再び影に潜航して脱出するよ…。

わたしにも姉さんがいた…。
オブリビオンの侵攻時にわたしを逃がす為に戦って亡くなったけど…。
この子達には悲しい別れなんて絶対させない…!


●姉妹の影から
「お願い、私を殺して! そしてお姉ちゃんは生きてっ!」
「妹のくせに生意気なことを言わないで! そんなことできるわけないでしょ!!」
 コロシアムの中央で。まだ若い二人の女性が、涙を流しながらそう叫びあっていた。
「それよりもあんたはそこでじっとしてなさい! わたしがあんたを助けてあげるからっ!!」
 涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら、姉は近くに落ちていた短剣を手に取り、そしてその切っ先を自らの心臓に向ける。
「お姉ちゃん!? 自殺なんて馬鹿なことは止めてっ!!」
「うるさいっ!! あんたを生き残らせるには、これしか方法が……」
 震える手を叱責するように、姉が強くそう叫んだ時。
 突如、姉妹の姿がかき消えた。そう、まるで足元に広がる自らの影に、吸い込まれるかのように。
「!! なんだ、何が起きやがった!?」
 奴隷達が逃げ出さないように見張っていたダーク・レイダーの配下達が騒ぎ出し、“試合”の行われていたコロシアム内に一斉になだれ込んでくる。
「仲の良い姉妹のどちらにも、悲しい思いなんて、させない……」
 そこに、姉妹と入れ替わるように影の中から飛び出してきたのは、銀の髪と銀の尾をなびかせた妖狐の少女、雛菊・璃奈(魔剣の巫女・f04218)だった。
「!! てめえっ、どこから!?」
 驚くレイダー達に、璃奈は問答無用で呪力を纏い怪しく輝く『呪槍・黒桜』を薙ぎ払った。呪力が桜の花びらの形を取って舞い踊り、衝撃波と共にレイダー達を吹き飛ばす。
「我が家族たる竜達……闇の衣を纏いて仮初の進化を得よ……。お願いみんな、わたしに力を貸して……」
 レイダー達が大混乱に陥っている隙に、璃奈は影の中へとそう呼びかけた。すると影より、3匹の竜が出現して璃奈を包み込む。
「ミラ、クリュウ、アイ、行くよ……」
 普段は仔竜の姿の3匹は、璃奈のユーベルコードにより大きく成長し、加えて影と同化し潜航する能力を備えていた。その能力で、竜達は先ほど姉妹を救出した時同様、璃奈を影の中に飲み込んでいく。
(「わたしにも姉さんがいた……。オブリビオンの侵攻時にわたしを逃がす為に戦って亡くなったけど……」)
 助けた姉妹を伴って、影を操りコロシアムから遠ざかりながら。璃奈は自らの過去に思いを馳せていた。
 あんな辛く悲しい別れを味わうのは、自分だけで充分だ。
 だから、
「この子達には悲しい別れなんて絶対させない……!」
 璃奈はそう強く決意するのだった。
大成功 🔵🔵🔵

サエ・キルフィバオム
「こういうのって、自由を奪ってから”さあ見せてくれ”って言うから、なんと言うか悪趣味だよね~」

「そんなぁ、あたし何も悪い事してないよぉ?」
奴隷を脱出する為に、【演技】をして敢えて奴隷として潜り込みます
捕らえられる前に【魅惑星】を兵士にかけて、【誘惑】【コミュ力】【言いくるめ】で自分を助けてくれるように仕向け、更に【盗み】で鍵を入手して【鍵開け】で脱出できるようにしておきます

「よし、そろそろ頃合いかな♪」
脱出の機会を伺い、周囲の奴隷と共に脱出を図ります


●囚われて
「そんなぁ、あたし何も悪い事してないよぉ?」
 ダーク・レイダーの配下達に引っ立てられるように、奴隷達が囚われているコロシアムの控室に押し込まれているのは、サエ・キルフィバオム(突撃!社会の裏事情特派員・f01091)だった。
 潜入捜査を得意とするサエは、わざと奴隷として捕らえられ、そして見事コロシアムに潜入することに成功したのだ。
「ああん、乱暴にしないでぇ」
 突き飛ばされるように控室に押し込まれたサエが、よろけてレイダーの一人に倒れ掛かる。
「こら、もたれかかるな! てめえはここで“試合”が始まるまで怯えて待ってろ!!」
 レイダーは威圧するようにサエを突き飛ばす。だがサエはそのわずかな間に、目にも止まらぬ早業で、レイダーの腰に下がる控室の鍵をすり取っていた。
 控室の中には、既に2組4人の奴隷が捕まっている。
(「こういうのって、自由を奪ってから“さあ見せてくれ”って言うから、なんと言うか悪趣味だよね~」)
 心の中でそう呟いたサキは、自分を閉じ込めたレイダー達が遠ざかっていくのを確認すると、
「よし、そろそろ頃合いかな♪」
 おもむろ奴隷達に向き直り、笑顔で先程すり取った鍵を示して見せた。
「あ、あんた、それをどうやって!?」
 思わず大きな声を上げる奴隷達に、人差し指を唇に当てて静かにするように伝えると、手際よく入り口のドアの鍵を開けていく。
「さあ、今の内に逃げるわよぉ♪」
 そしてサキは、奴隷たちを連れて、控室から脱出していった。だが、
「おい、そこで何してやがる!!」
 どうやら、見張りとしてレイダーが一人残っていたらしい。その巨漢の男は、警棒を手にサキを始めとする奴隷達を威圧するように迫り寄ってくる。そして、
「さあ、こっちだ。今ならこっち側には俺以外にいねえ。早くしろ!!」
 奴隷達を控室に戻そうとするのではなく、むしろ彼らを守り先行するように、コロシアム内を先導し始めた。
「ふふっ、ありがと」
 サキが礼を言うと、男はいかつい顔を真っ赤にする。
 実はこの男は、先が捕まる前にユーベルコード【魅惑星】の力で、サキと運命の引力で結びつけられていた――端的にいうと魅了されていたのだ。
 こうしてサキと奴隷達はその男の先導の下、安全にコロシアムからの脱出に成功したのだった。
成功 🔵🔵🔴

法悦堂・慈衛
■WIZ

男女問わず愛嬌振りまく「誘惑」スキルでレイダーとして潜入。
試合前に監禁されとる奴隷の監視しとるレイダーに話しかけよか。

おや、こちらさんは恋仲のお二人さんか。
はは、見てみぃや、二人とも泣き腫らした目ぇして俺らを睨みよるで。
あと何時も過ぎれば殺し合うっちゅーのになぁ。
人の本質は自己愛、他者を犠牲にする痛みは一瞬や。
…だから、恋慕っちゅーのは素晴らしいもんなんやで、レイダーさん。

煙管でレイダーの顎を弾いて落とし、鍵を開けてお二人さんを連れて逃げる。
ん?怪我しとるやん。石長姫ちゃん、治したってや。
この極限の仲、よう二人とも我慢したな。偉いで。
互いのその手、離したらあかんよ?

アドリブ共闘歓迎


●潜入大作戦
 コロシアムの控室の一つでは、愛し合う一組の恋人同士が、怯えるように身を寄せ合っていた。二人は必死に周囲を見回して逃げ出す隙がないか探していたが、あいにくと出入り口にはしっかりと鍵が掛かっており、さらにすぐ外には、ダーク・レイダー配下の2人のレイダーが厳重に見張っている。
「おや、こちらさんは恋仲のお二人さんか。はは、見てみぃや、二人とも泣き腫らした目ぇして俺らを睨みよるで。あと何時も過ぎれば殺し合うっちゅーのになぁ」
 見張りのレイダーの一人――金色の髪の優男が、そう言って気安げにもう一人の黒装束のレイダーに話しかけた。
「人の本質は自己愛、他者を犠牲にする痛みは一瞬や」
 黒装束のレイダーが何も答えないのを気にもせず、金髪の男は話を続ける。
「……だから、恋慕っちゅーのは素晴らしいもんなんやで、レイダーさん」
 次の瞬間。
 金髪の男が懐から取り出した煙管で、黒装束の男の顎を強く弾いた。
「――!!」
 黒装束の男は声を上げることも出来ず、気を失ってその場に崩れ落ちる。
「ふう。なんとかうまくいったで」
 実はこの金髪の男――法悦堂・慈衛(法悦の求道者・f03290)は、レイダーに扮して潜入していた猟兵だったのだ。法悦の求道者を名乗る慈衛は、その持ち前の愛嬌を振り舞いて他のレイダーを魅了し、まんまとレイダーとしてコロシアムに入り込むことに成功していたのだ。
 慈衛は素早く黒装束の男が腰に下げていた鍵を掠めとると、控室の鍵を開ける。
「さあ、お二人さん。今の内や」
 そして、控室の中の恋人達に逃走を促すが、2人は中々動き出さない。まだ警戒されているのかと一瞬思ったが、どうやらそうではないようだ。
「ん? どないしたんかと思うたら、怪我しとるやん」
 よく見れば、女性の方は足に深い傷を負っているようだ。捕らえられ、ここに連れて来られる間に怪我をしたのだろうか。
「その怪我じゃ、うまく歩けんやろ。石長姫ちゃん、治したってや」
 慈衛は式神符を構えると、そこに記された祝詞を唱えた。すると符が光り輝き、その輝きの中から光の女神が姿を現す。そして出現した女神――石長姫が女性の足をそっと撫でると、たちまちその傷が癒えていった。
 それでも恐る恐る立ち上がる女性に男性が手を差し出せば、女性はその手をしっかりと掴んだ。その様子を、慈衛は穏やかな笑みを浮かべて見守る。
「この極限の中、よう二人とも我慢したな。偉いで。互いのその手、離したらあかんよ?」
 そう言葉を投げかけると、慈衛は二人を先導するように駆け出したのだった。
成功 🔵🔵🔴

ヘルガ・リープフラウ
・ヴォルフ(f05120)と
・救出対象の奴隷の設定はお任せ

愛する者同士の絆を引き裂き、戦わせ、命を奪う
しかもそれを見世物として嘲笑う……なんてむごい
以前ダークセイヴァーで遭遇した忌まわしい事件と同じことが、この世界でも行われているのですね
行きましょう。これ以上人々が踏みにじられることのないように

【雪割草の護り】を使用
ミスミソウをヴォルフに託し、姿を消して潜入
見張りをやり過ごしたり気絶させて排除しながら進みます

控室に囚われている奴隷を見つけたら、周囲に人がいないことを確認し姿を現し安心させます。
「大丈夫。必ずあなた方に自由を取り戻してみせますわ」
衰弱している人には優しさと慰めを込め治癒を


ヴォルフガング・エアレーザー
・ヘルガ(f03378)と

愛する者同士が引き裂かれ、心を折られ、殺し合う……
そんなものが『真実の愛』だと? ふざけるな!
ああ、そうだ。以前ダークセイヴァーでも同じことを嘯いた奴がいた
俺は認めない。歪んだ享楽で人を嬲り、それを『人の本性』と呼んで嘲る欺瞞を

行くぞ、ヘルガ。俺達の手でこの忌まわしき舞台に終焉を!

ヘルガのUCで姿を消し潜入
控室までのルートを確認し、退路を確保しながら進む

途中経路に見張りがいて回避不可能な場合は、不可視の状態で鳩尾を殴り気絶攻撃
騒がれないうちに縛り上げ猿轡を噛ませ、人目につかない場所に転がしておく

敵に発見され囲まれた場合は【獄狼の軍団】をけしかけ、敵の混乱に乗じて突破


●忌まわしき舞台に終焉を
 コロシアム内の通路を、ヴォルフガング・エアレーザー(蒼き狼騎士・f05120)とヘルガ・リープフラウ(雪割草の聖歌姫・f03378)が、息を殺して進んでいた。
(「愛する者同士が引き裂かれ、心を折られ、殺し合う……。そんなものが『真実の愛』だと? ふざけるな!」)
(「愛する者同士の絆を引き裂き、戦わせ、命を奪う。しかもそれを見世物として嘲笑う……なんてむごい」)
 隠密行動中ゆえ声を出すことはできないが、もしも声を出せていたら、2人とも心の底からそう叫んでいたに違いない。そして自分達も愛し合う夫婦という関係である故、その思いは声に出さずとも互いに共通している。
 それはまた、2人の共通の経験――以前ダークセイヴァーで遭遇した忌まわしい事件から来る思いでもあった。
 その時もオブリビオンは、ここにいるダーク・レイダーと同じような悪趣味な遊戯で、愛する者達を弄んでいたのだ。
「俺は認めない。歪んだ享楽で人を嬲り、それを『人の本性』と呼んで嘲る欺瞞を」
 思わず小声でそう呟いたヴォルフガングに、ヘルガも強く頷いた。
「行きましょう。これ以上人々が踏みにじられることのないように」
「ああ、行くぞ、ヘルガ。俺達の手でこの忌まわしき舞台に終焉を!」
 とはいえ、通路の先を覗いてみれば、そこには見張りに立つ複数のレイダー達の姿がある。いくら隠密裏に行動しても、これ以上は誰にも見つからずに進むのは至難の業だろう。
「ヴォルフ、これを」
 ヘルガが、自らの髪に咲くミスミソウを一輪摘み取り、それをヴォルフガングに手渡した。そして、静かに祈りの言葉を紡ぎ始める。
「息を潜めて、心安らげて。怖い魔物に見つからないように。雪の下で耐え忍ぶこの花の加護があらんことを……」
 詠唱が終わった時、ヴォルフガングとヘルガの姿は、周囲の光景に溶け込むように消えていた。それこそがヘルガのユーベルコード【雪割草の護り】の効果だ。ヘルガ自身と、ミスミソウの花を託された者、その双方を透明にすることができる。
 姿を消した2人は、うまく見張りをやり過ごし、奴隷達の囚われている控室目指して進んでいった。
 だが、先に進むにつれて見張りの人数は増えていき、次第にやり過ごすのは難しくなってくる。いくら姿を消していても、音や匂い、気配といったものは消すことができない。
(「止むを得んか」)
 ヴォルフガングは、相手に感づかれる前に素早く見張りの鳩尾に拳を叩き込んだ。そして、他の見張りが異変に気付く前に、次々と他の見張りも気絶させていった。
 動けなくなった見張りは、ヘルガと協力して素早く縛り上げ、猿轡を噛ませて空き部屋に放り込んでおく。
 こうして二人は、遂に奴隷が監禁されている控室に辿り着いた。そっと鉄格子の嵌まった窓から中を覗きこめば、囚われているのはどうやら母親と10歳くらいの男の子の親子のようだ。
 ヘルガは素早く周囲を見回し、誰もいないのを確認すると、透明化を解除した。そして、突然姿を現したヘルガに驚く親子を安心させるように、微笑みかける。
「大丈夫。必ずあなた方に自由を取り戻してみせますわ」
 先程気絶させた見張りが身に付けていた鍵で、ヘルガは控室の鍵を開けて部屋の中に入っていった。その間、ヴォルフガングは廊下に残り、周囲を警戒する。
「まあ、怪我をしているのですか。それでこんな所に閉じ込められて……さぞかし怖く、辛かったでしょうね」
 ヘルガは怪我をして立ち上がることができないでいる男の子を安心させるように腰を落として視線を合わせると、手早く応急処置を施していった。
 だがその頃、部屋の外ではヴォルフガングが思わず舌打ちをしていた。異変に気付いたらしい10名を超えるレイダー達が、こちらへと向かってきていたからだ。
「どのみち、この親子を連れてでは気付かれずに脱出するのは難しいか」
 ヴォルフガングは覚悟を決めると、剣の切っ先を向かってくるレイダー達へと向けた。
「忌まわしき魍魎共よ、己があるべき場所へと還れ! 何者も地獄の番犬の顎門から逃れる術は無いと知れ!」
 ヴォルフが声高にそう唱えると、剣から炎が迸り、さらにその火が地獄の火炎を纏った狼犬の群れへと変じていく。こうして召喚された獄狼の軍団は、一斉にレイダー達に飛びかかっていき、たちまちコロシアムの通路は怒声と悲鳴の飛び交う混乱の坩堝と化していった。
 その混乱の中を、ヴォルフガングとヘルガは、救出した親子をかばうようにして、駆け抜けていったのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵


第2章 集団戦 『機餓獣兵』

POW ●Carnivore Machine
戦闘中に食べた【生者の血肉】の量と質に応じて【餓獣機関の作用が活性化。機動性向上により】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD ●Code of Lykaia
【捕食と破壊を求める餓狼の如き様態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
WIZ ●Bestial Analyzer
【命を舐め取る獣舌と、獣牙による噛みつき】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【習性と味】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●飢えを満たすカーチェイス
「まさか、猟兵が紛れ込んでいたとはな。だが、我がコロシアムから無事に逃げ切れると思わぬことだ」
 捕えていた奴隷達に逃げられたダーク・レイダーは、クックックッと喉の奥で笑いながら指を鳴らした。たちまちコロシアムの格納庫のシャッターが開き、その奥に待機していたバイクやバギーが一斉に飛び出していく。
 そのバイクやバギーを駆っているのは、異形の存在『機餓獣兵』だ。
「機餓獣兵共は自らの飢えを満たす為ならば手段を選ばん。猟兵達よ、機餓獣兵の餌となるがよい。果たして奴隷達をかばいながら、どこまで戦えるかな」
 ダーク・レイダーはそう言ってほくそ笑むのだった。
シグレ・ホルメス
打って出て、敵を撹乱させるとしよう
【地形耐性、ジャンプ、早業、グラップル】で敵車輌に飛び移りつつ体術を叩き込み、敵の体を別の車輌に投げ飛ばし妨害する。

ふと敵の1体が咆哮を上げた方を見る
「ほう、骨のある奴もいるようだな」
餓狼の様な鬼気を放つその兵の車輌に飛び乗って対峙し、指でクイッと挑発する
襲いかかる敵の両腕を、前進し手首を素手で押さえつけて止める
顔と顔とをつき合わせ、【怪力】で押し止めながら己の口角が上がるのを感じる
「どうした、その程度か?ならば此方から行くぞ!」
両腕で抑えたまま、【早業】の膝蹴りを顎にぶち込む
怯んだ所にUC発動。三連撃を瞬時に打ち込み、頭部を叩き割る

さあ、次の相手はどいつだ?


●強襲
 バイクやバギーに乗り込み、次々とコロシアムから飛び出していく『機餓獣兵』達。
 と、突如その内一台のバギーが、明らかに不自然に蛇行を始めた。かと思うと、操縦していたはずの機餓獣兵がバギーから吹っ飛ぶように飛び出し、隣を走っていたバイクに激突し、そのバイク諸共転倒する。
「ふん、この程度か」
 バギーの運転席でハンドルを握りつつそう嘯いたのは、長い髪をなびかせたエルフの女性――シグレ・ホルメス(放浪者・f29335)だった。
 シグレは路上から驚異的なジャンプ力でバギーに飛び乗るや、機餓獣兵が反応する暇もないほどの早業でその腕を極め、そのまま車外へと投げ飛ばしたのだった。
 シグレの存在に気付いた他の機餓獣兵達が、バイクやバギーをシグレに乗っ取られた車両にぶつけようと試みるが、シグレは巧みなハンドル捌きでそれらをかわし、逆に車体をぶつけ返して相手を転倒させていく。
「SYAAAAAAAA!!」
 すると改造バギーを操縦する機餓獣兵のうち一体が、突如奇怪な叫びを上げた。シグレが目を向ければ、叫びを上げた機餓獣兵の姿が、捕食と破壊を求める餓狼の如き異形の様態へと変じていく。
「ほう、骨のある奴もいるようだな」
 まるで暴走したように周囲のバイクを跳ね飛ばしながら、一直線にこちらに向かってくるその機餓獣兵の駆るバギーの姿に、シグレの顔に獰猛な笑みが浮かんだ。
 そして、2台のバギーが激突する寸前。シグレはハンドルから手を離すと、一気にバギーの床を蹴り、宙へと身を躍らせた。そのままシグレは地面にではなく、相手のバギーの天井へと着地する。機餓獣兵はシグレを振り落とそうとバギーを激しく揺するように蛇行させるが、シグレは巧みにバランスを取りつつ、車内へと身を躍らせた。
「SYAAAAAAAA!!」
 威嚇するように叫ぶ機餓獣兵を挑発するように、シグレは指をクイッと曲げて見せる。
 その挑発に乗ったのかどうか。機餓獣兵はハンドルから手を離すと、鋭い鉤爪の伸びた両腕でシグレへと殴り掛かった。だがシグレは一切臆することなく、むしろ自ら前に出て、その両の手首を素手で抑えつけてその腕を止める。シグレはそのまま力を込めて機餓獣兵を押し込み、その餓狼の如き巨大な顎を持つ顔を正面から見据えた。強者との戦いに気分が高揚し、思わず己の口角が上がるのを感じる。
「どうした、その程度か? ならば此方から行くぞ!」
 言うなり、シグレは両腕を抑えたまま強烈な膝蹴りを、機餓獣兵の巨大な顎に叩きつけた。たまらず機餓獣兵の頭が大きくのけぞる。
「まだまだっ!」
 そこへ、シグレは駄目押しとばかりに腕を離すと、すかさず右跳び後ろ回し蹴りを叩き込んだ。
「畳み掛けるッ!」
 シグレの猛攻はそれだけでは止まらない。さらに左回し蹴りが、続けて右上段横蹴りが、機餓獣兵目掛け放たれる。
「GUAAAAAAAっ!!」
 その三連撃で頭部を砕かれた機餓獣兵の身体がぐらりと揺らぎ、バギーから転げ落ちていった。
「さあ、次の相手はどいつだ?」
 バギーの操縦権を奪い取ったシグレはそう言って、再び口角を吊り上げたのだった。
成功 🔵🔵🔴

雛菊・璃奈
見張りとかが使っただろう戦闘用バギーを拝借し、1章で助けた姉妹と仔竜を乗せてチェイス…。
わたし一人なら天照で走った方が速いんだけど、この子達がいるからね…。
仔竜達に姉妹の護衛をお願いしつつ、自身は運転しながら【九尾化・魔剣の巫女媛】の封印解放…。

バギーの周囲に魔剣を無限に顕現させ、追ってくる敵に対して【呪詛】を乗せた魔剣を斉射…。
敵のバイクやバギーを破壊して敵の足を潰しつつ、敵本体も纏めて攻撃…。
敵からの攻撃は【見切り、第六感】でタイミング良く回避したり、UCで強化したアンサラーによる反射【呪詛、オーラ防御、武器受け、カウンター】で攻撃を跳ね返してそのまま仕留めるよ…。

この子達はやらせない…!


●剣舞のチェイス
「やっぱり、追ってくるのね……」
 コロシアムで拝借した戦闘用バギーの後部座席に助け出した姉妹と、連れてきた3匹の仔竜達――ミラ、クリュウ、アイを乗せ、雛菊・璃奈(魔剣の巫女・f04218)はフルスロットルでバギーを走らせていた。ちらっとミラーに目を向ければ、背後から機餓獣兵達の駆る改造バイクや武装バギーが迫ってくるのが見える。
(「わたし一人なら天照で走った方が速いんだけど、この子達がいるからね……」)
 後部座席で互いに励まし合うようにしっかりと手を繋いでいる姉妹を横目に見た璃奈は、
「ミラ、クリュウ、アイ、2人をしっかり守ってあげて……」
 仔竜達に姉妹の護衛を託すと、しっかりとハンドルを握ったままユーベルコード【九尾化・魔剣の巫女媛】を発動させた。
「我らに仇成す全ての敵に悉く滅びと終焉を……封印解放……!」
 璃奈の全身を禍々しい呪力が覆い、その尾が九尾へと分かたれていく。魔剣の巫女媛と化した璃奈は、『妖刀・九尾乃凶太刀』を始めとした無数の魔剣群をバギーの周囲へと顕現させた。
「舞って、魔剣たち……!」
 璃奈の呪力を受けた魔剣達が、放たれた矢のように、一斉に追跡してくるバイクやバギー目掛けて飛んでいく。その狙いは、操縦する機餓獣兵ではなく、バギーやバイクのエンジンやタイヤだ。将を射んと欲すれば先ず馬を射よ――古から伝わる戦術の通り、動力やタイヤを破壊されたバギーやバイクが、その場で停止したり、勢いあまってスピンし他の車両を巻き込みつつ周辺の建物に激突したりしていく。
 そして、走行不能に陥った車両から飛び降りた機餓獣兵達を、第2波の魔剣達が、次々に切り裂き貫いていった。だが、食欲に突き動かされるままに本能で魔剣を回避した一部の機餓獣兵は、獣のように四足で大地を蹴って、璃奈の乗るバギーへと高速で迫ってくる。
「追いつかれるわけには、いかない……」
 飛びかかってきた機餓獣兵を、なんとか急ハンドルで回避しつつ、璃奈はバギーの守りのために残していた『魔剣アンサラー』を機餓獣兵目掛けて放った。そのアンサラーを、機餓獣兵が巨大な顎で噛み砕かんとする。だがアンサラーに秘められた魔力が、機餓獣兵の力を反射し、逆に機餓獣兵の顎を粉々に砕いてしまう。
「この子達はやらせない……!」
 こうして璃奈は、追手を魔剣で迎撃しつつ最速でバギーを飛ばし、ヴォーテックス・シティの街中を駆け抜けていったのだった。
成功 🔵🔵🔴

法悦堂・慈衛
■POW

おやおや、穏やかじゃない連中やなぁ。
機械っちゅーんはどーも愛らしさを感じにくくってなんともなぁ。
前衛向きじゃないんやけどちょろっと遊んでやろかね。

【煩悩切】【偏愛真言符】の武器で撃退しとこか。
薙刀は「なぎ払い」「武器受け」で逃げてる子らを「かばう」。
真言符は燃えるような愛で火が付く「属性攻撃」や。

一人で捌ききれんようなら、切り札やね。
エリザベスちゃん、いつもの三倍の血ぃ持ってってええからね。
ちょっとそこらのワンちゃん達を片付けてや。
吸血鬼の怪力やら牙でバキバキ倒して回ってくれるやろ。
俺?血ぃ無くなったら休むで?
あ、エリザベスちゃん怒らんで。しゃあないやん、許してや。

アドリブ連携歓迎


●吸血鬼の戦い方
「SYAAAAAAAA!!」
 耳障りな機械音の如き叫びを上げながら、バイクやバギーを駆って迫りくる機餓獣兵達。
「おやおや、穏やかじゃない連中やなぁ」
 救出した恋人達を守りながらヴォーテックス・シティを駆けていた法悦堂・慈衛(法悦の求道者・f03290)は、チラッと背後を見やって秀麗な眉をしかめた。
「機械っちゅーんはどーも愛らしさを感じにくくってなんともなぁ」
 できれば無視したいところだが、機動力に差がありすぎる。このままではすぐにでも追いつかれてしまうだろう。
「しゃーない。お二人さんはどっかに身を隠しとってや」
 恋人達にそう呼びかけると、慈衛は背後に向き直り、右手に愛用の薙刀『煩悩切』を、左手に霊符『偏愛真言符』を構えた。
「前衛向きじゃないんやけど、ちょろっと遊んでやろかね」
 そう嘯くと、慈衛は建物に逃げ込もうとした恋人達を狙う先頭のバイク目掛けて、煩悩切を薙ぎ払うように振るう。
 勢いよく突っ込んできていたバイクはその一撃をかわしきれず派手に転倒し、さらに後続のバギーを巻き込んで炎上した。
「まだまだや。燃えるような愛でさらに火が付くで!」
 続いて偏愛真言符を投じれば、符は後方から突っ込んで来ようとしていたバギーのフロントガラスに貼り付き、たちまち炎を発する。あっという間に火だるまになったバギーが炎を消そうとでたらめに走り回り、周囲のバイクやバギーに激突してさらに炎を広げていった。
 だが、機餓獣兵達は仲間が倒れても、更に続々と押し寄せてくる。さすがに、慈衛も1人では捌くのがしんどくなってきた。
「なら、ここらで切り札の出番やね」
 慈衛が偏愛真言符に念を込めると、ボウッと浮き上がるように気の強そうな美女が姿を現す。
「エリザベスちゃん、いつもの三倍の血ぃ持ってってええからね。ちょっとそこらのワンちゃん達を片付けてや」
 慈衛がそう頼むよりも早く、召喚された吸血姫は機餓獣兵へと襲い掛かっていた。見た目からは想像もつかない怪力で機餓獣兵を吹っ飛ばし、或いはその鋭い牙を機餓獣兵へと突き立てて。見る見る機餓獣兵達を戦闘不能に追い込んでいく。
「おー、さすがエリザベスちゃん、相変わらずの強さやな~」
 恋人達が逃げ込んだ建物を一応守るように立ちはだかって。けれども自分からは機餓獣兵と戦おうとはせずに一休みしながら、慈衛は呑気にそう口にした。ダンピールである慈衛にとってエネルギー源である血が尽きかけているのだから、休んでも仕方ないだろう。
「あ、エリザベスちゃん怒らんで。しゃあないやん、許してや」
 エリザベスに睨まれた慈衛は、そう言って軽薄そうな笑みを浮かべたのだった。
大成功 🔵🔵🔵

ヘルガ・リープフラウ
・ヴォルフ(f05120)と

放置された車の一つに助けた人質を乗せて脱出……といきたいのですが
この世界の乗り物、わたくし達には運転の経験がありません
同行者の中に運転が出来る人がいればお願いしたいのですが
もし他にいなければ、基本的な操作(アクセル、ブレーキ、ハンドルなど)を聞いて何とかしてみましょう

逃避行の中で歌うは【太陽の歌】
共に幸せを分かち合い、人々が望んでやまぬ未来への希望を尊ぶ歌
欲望のままに奪い合い、僅かな希望を踏み躙る輩には
この歌はただの綺麗ごとに聞こえるかもしれません
でもそれでいいのです
私欲に塗れた者共は、その欲に囚われ動けなくなるでしょうから

これで少しは足止めが出来ればいいのですが


ヴォルフガング・エアレーザー
・ヘルガ(f03378)と

ヘルガの歌で敵の初動は止められるだろうが、ひとたびボウガンや砲撃の引き金が引かれれば、その勢いまで殺せるかどうか……
それまでに距離が稼げれば良いが

後部座席や荷台で待機
範囲内に飛び道具の攻撃が飛んで来たら剣を一閃
風の属性魔法による衝撃波の範囲攻撃で撃墜
敵車両の追跡を目視出来たら、タイヤや動力部を狙って衝撃波を放ち機動力を削ぐ

万が一追いつかれ車両に乗り込まれた場合は、同乗者を極力前の座席に下がらせ最後尾で迎撃
受けた攻撃を激痛耐性で耐え抜き、噴き出した血を【ブレイズフレイム】の炎に変えカウンターで敵を焼き尽くし車外に突き落とす

これ以上、誰一人として傷つけさせるものか……!


●背徳の街に響く歌声
 ヴォルフガング・エアレーザー(蒼き狼騎士・f05120)とヘルガ・リープフラウ(雪割草の聖歌姫・f03378)は、救出した奴隷の親子と共に、走ってコロシアムから逃げ出していた。だが、背後からは機餓獣兵の駆るバイクやバギーの群れが迫ってきている。このままでは、追いつかれるのも時間の問題だろう。
 ヘルガは、道端に放置されたトラックを発見し、ヴォルフガングや親子達をそちらへと誘導していった。
「……とはいえ、この世界の乗り物、わたくし達には運転の経験がありません」
 まずは親子を助手席に載せながら、ヘルガはしばし考え込む。
「あなた方は、この車を操縦できますか?」
 一応親子に聞いてみると、
「動かし方は一応知っていますけど、実際に動かしたことはありません」
 母親が首を横に振りながら、そう答えた。
「ならば、わたくしに動かし方を教えてくださいませんか? そうすれば、操縦は私がいたします」
 ヘルガが自動車の基本的な操縦方法を教わっている間に、ヴォルフガングが後部の荷台に飛び乗る。
「動かせそうか?」
「ええ、なんとか。まずはこちらのアクセルを踏み込めば――」
 言いながらヘルガが思いっきりアクセルを踏み込めば、トラックは急加速で走り出した。だが、
「駄目だ、向こうの方が速い!」
 荷台から後方の様子を確認したヴォルフガングがそう叫ぶ。普通のトラックと、戦闘も想定に入れて改造されたバイクやバギーでは、やはり出力が違うようだ。
「でしたら、わたくしに考えがあります」
 そう応じたヘルガは、大きく息を吸い込むと、澄んだ声で歌を歌い出した。
『其は遍く世を照らす光。命育み、実り齎すもの。心重ね、詩を重ね、分かち合う喜びに祝福を』
 それは、共に幸せを分かち合い、人々が望んでやまぬ未来への希望を尊ぶ歌……【太陽の歌】だ。
 突然歌い始めたヘルガに、親子が戸惑ったような表情を浮かべる。この歌は、この親子には勇気や希望を与えることはあっても、それ以上の効果はないのだから当然の反応だろう。
(「欲望のままに奪い合い、僅かな希望を踏み躙る輩にはこの歌はただの綺麗ごとに聞こえるかもしれません」)
 ヘルガはそんなことを思いながらもさらに歌を紡いでいく。
(「でもそれでいいのです。私欲に塗れた者共は、その欲に囚われ動けなくなるでしょうから」)
 果たして、歌の効果は次第に明らかになってきた。追ってくるバイクやバギーの動きが、明らかに鈍り始めたのだ。その速度は、歌が始まる前の実に2割程度まで落ちている。
 この歌には、この歌の歌詞に共感し楽しめない者……すなわち愛と調和と生命を愚弄し、絆を嘲笑うような者だけの動きを鈍らせる効果があるのだ。
「これで敵の初動は止められるだろうが……」
 だが、後方を警戒するヴォルフガングの表情は険しいままだ。確かに歌の効果で、機餓獣兵と彼らが直接操縦する車両の動きは鈍らせることができるだろう。だがもし彼らが、ボウガンや銃を使ってきたら? 果たして矢や銃弾の動きまで、鈍らせることができるだろうか。
 そして、ヴォルフガングの不安は的中する。機餓獣兵の放ったバズーカ砲の複数の砲弾が、勢いを削がれることなく、煙の尾を引きながらトラックへと迫ってきたのだ。
「やられてたまるものか!」
 ヴォルフガングは荷台の上で立ち上がると、背負っていた『鉄塊剣』を構え、砲弾がトラックに追いつく前に一閃させた。
 剣より放たれた重い衝撃波が、砲弾を次々に切り裂き、トラックに至る前に爆発させていく。
「今のうちに、足を潰す!」
 続けて剣を振るえば、再び放たれた衝撃波が、今度は機餓獣兵の駆るバイクやバギーのタイヤを切り裂いていった。
「SYAAAAAAAA!!」
 だが、その攻撃に耐えきった機餓獣兵の内何体かが、金属をこすり合わせたような甲高い雄叫びと共に、アクセルを最大まで踏み込んだ。エンジンが焼け切るのも厭わずに、とにかくスピードを優先させることで、動きが鈍った分を打ち消そうというのだろう。実際、負荷に耐えきれずにボンネットやマフラーから炎を噴き上げながらも、狂ったような勢いで何台かのバイクとバギーがトラックへと急接近してくる。
 そして、負荷に耐えきれなくなった車体が爆発する寸前に、2体の機餓獣兵が大きく跳躍し、トラックの荷台へと飛び込んできた。
「ヴォルフ!!」
 ヘルガが思わず歌うのを止めて声を上げる。
「大丈夫だ。お前やその親子を絶対に傷つけさせはしない。だから、歌を続けてくれ」
 ヴォルフガングは、機餓獣兵を座席の方へは行かせまいと、立ちはだかるように剣を構えた。機餓獣兵達には、そんなヴォルフガングが格好の獲物に見えたのだろう。異常なまでに巨大な顎で、それぞれヴォルフガングの脇腹と太ももに噛みついてきた。
「ぐっ!」
 激痛に顔をしかめつつも、ヴォルフガングは何とかその痛みに耐えきる。異変が生じたのは、その時だった。ヴォルフガングから噴き出る血が、炎へと変じたのだ。
「!?」
 まるで地獄の業火の如きその炎は、瞬く間に機餓獣兵を包み込む。耐えきれず噛む力を弱めた機餓獣兵を、ヴォルフガングは素早く振り払うと、剣で薙ぎ払うようにして車外へと吹き飛ばした。
「これ以上、誰一人として傷つけさせるものか……!」
 ヘルガが歌を再開したことで、再び敵の動きは鈍っている。ヴォルフガングとヘルガは、このまま何とか逃げ切れるように、天に祈ったのだった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴


第3章 ボス戦 『『善悪の天秤を弄ぶ者』ダーク・レイダー』

POW ●『…共に往こう。この醜き世界を嗤いに。』
【剣の乱舞を交えた、大楯を用いる攻防一体の】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【従えている『恋人から造られた金属生命体』】の協力があれば威力が倍増する。
SPD ●『知ったような口を…。貴様らに何が分かる?』
自身の【戦闘力を増強】し、【従える金属生命体】が輝く間、【従える金属生命体・片手剣・大楯、其々】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ ●『苦しいか? 今の内に存分に『それ』を楽しめ。』
見えない【無数の手】と【恋人から造られた金属生命体】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は霧島・絶奈です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●モンスターマシン
 追跡してくる機餓獣兵達を、或いは振り切り或いは撃退した猟兵達は、あと少しでヴォーテックス・シティを脱出できるところまで辿り着いていた。ようやく見えてきたゴールに、わずかに気が緩んだ、その時。
 突如正面のビルが轟音と共に粉々に砕け散った。
 何事かと目を凝らせば、巻き起こった土煙を割るようにして、巨大な――あまりにも巨大な車両が、キャタピラがビルの破片を踏み砕く耳障りな音と共に姿を現した。
 元は土木作業用の重機だったらしいそれは、二本のシャベルアームをカマキリの鎌のように威嚇するように高々と掲げ、さらには車体前面にある巨大なドリルを高速で回転させつつ、猟兵達の前に立ちはだかる。
「フハハハハハ、恐かろう」
 そして、その車両の中から響き渡ったのは、先程脱出してきたコロシアムの支配者、『善悪の天秤を弄ぶ者』ダーク・レイダーの声だった。
「さあ猟兵共。見せてみよ、お前達の愛を、絆を、希望を。そんなものは、この私が全て打ち砕いてくれよう。この、モンスターマシンでなっ!!」
ヴォルフガング・エアレーザー
・ヘルガ(f03378)と

愛を、絆を、希望を見せろ、か
俺たちが以前戦った敵と同じことを言うのだな
そいつは「命を賭して愛の舞台を演じて見せよ」と綺麗事を言いながら、記憶を奪い心を操り…最愛のヘルガの心を壊したのだ!

無辜の他人を逆恨みし、見世物にして嘲笑った時点で
貴様は奴と…否、貴様を裏切った連中と同じクソ野郎に成り果てた
自分だけが不幸だと思いあがるな。虫唾が走る

【守護騎士の誓い】と勇気を胸に敵と相対
モンスターマシンは地形破壊で足止めし部位(動力部)破壊
敵UCには気合い、力溜め、激痛耐性、継戦能力で踏ん張り耐える

敵の急所を狙い鎧砕きの一撃
人の想いを踏み躙り絆を引き裂くその悪意を
俺は許さない、絶対に


ヘルガ・リープフラウ
・ヴォルフ(f05120)と

【奇しき薔薇の聖母】発動
茨を伸ばし落下する瓦礫を打ち据え砕きながら、
人々を守る壁を編み上げましょう

あの金属生命体が、かつての彼の『恋人』なのだとしたら
彼女は本当に、今の彼の姿を望んでいたのでしょうか

祈りと慰め、哀れみを込めて
薔薇の花弁を葬送の如く、手向けの花の如くに散らし
敵の遠隔攻撃に抵抗
ごめんなさい、わたくしはまだ死ねない
心壊され命まで奪われかけ、彼に怒りと絶望を刻んでしまった
あの日の弱さを、過ちを、二度と繰り返さないと誓ったから

無辜の人々に同じ悲しみを齎さぬように
理不尽な悪意に泣く人のないように
そして、二度と同じ過ちを繰り返さぬように

これで……終わりにしましょう


●悪意を打ち砕いて
「愛を、絆を、希望を見せろ、か。俺たちが以前戦った敵と同じことを言うのだな」
 ヴォルフガング・エアレーザー(蒼き狼騎士・f05120)は険しい表情を浮かべて、迫りくるモンスターマシンへと向き直りつつ、背負っていた『鉄塊剣』を抜き放った。
「そいつは『命を賭して愛の舞台を演じて見せよ』と綺麗事を言いながら、記憶を奪い心を操り……最愛のヘルガの心を壊したのだ!」
 その当時のことを思い出したのか、抑えきれない怒りの表情を浮かべたヴォルフガングを、しかしダーク・レイダーは嘲笑う。
「それで壊されてしまう愛など、所詮はその程度のもの。お前達の語る愛など、まやかしに過ぎぬことの証明だ」
 モンスターマシンのシャベルアームが振り上げられ、周辺のビルの壁を砕いた。同時にダーク・レイダーの周囲に纏わりついていた蛇の骨格の如き異形の金属生命体が車外に飛び出し、シャベルアームとタイミングを合わせるようにヴォルフガング目掛けて襲い掛かる。
「大地の恵みと生命を司る慈悲深き聖母様、どうかわたくしに、人々を守るための奇跡をお与えください……!」
 直後、ヘルガ・リープフラウ(雪割草の聖歌姫・f03378)がヴォルフガングの隣に並んだ。自ら白いベールと薔薇を纏った【奇しき薔薇の聖母】の姿へと変じたヘルガは、茨の蔓を伸ばし降り注ぐビルの瓦礫を打ち据え砕くと、たちまちのうちに茨の壁を編み上げていく。
「足止めのつもりか? 小癪な」
 茨の壁に行く手を遮られたダーク・レイダーはそう毒づくと、シャベルアームとドリルで茨の壁を破壊しようと、モンスターマシンを突進させた。だが茨の壁は破壊された傍から再び編み上げられ、モンスターマシンといえど容易には破壊できない。
「ならば行け、我が分身よ!!」
 ダーク・レイダーがそう指示を出せば、宙を舞う金属生命体が軽々と壁を飛び越えて、ヘルガへと襲い掛かる。
「あの金属生命体が、かつての彼の『恋人』なのだとしたら……彼女は本当に、今の彼の姿を望んでいたのでしょうか」
 きっとそんなことはないはずだとヘルガは信じたかった。だからこそ祈りと慰め、そして哀れみを込めて薔薇の花弁を金属生命体目掛けて放つ。それはまるで葬送の如く、或いは手向けの花の如く。薔薇の花吹雪が金属生命体に纏わりつき、その動きを封じていく。
「ごめんなさい、わたくしはまだ死ねない。心壊され命まで奪われかけ、彼に怒りと絶望を刻んでしまったあの日の弱さを、過ちを、二度と繰り返さないと誓ったから」
 かつてのダークセイヴァーでの忌まわしい記憶を振り切るように、ヘルガが毅然と手を振るえば、花吹雪は花弁の嵐となり、金属生命体を翻弄していった。
「そうやって、お前達も『彼女』を苦しめるのか! 奴らと同じように!!」
 モンスターマシンの出力を最大にしてドリルで茨の壁を貫きつつ、ダーク・レイダーが叫ぶ。だが、そんな身勝手な怒りは、ヴォルフガングの心を揺るがすことなどできない。
「無辜の他人を逆恨みし、見世物にして嘲笑った時点で、貴様は奴と……否、貴様を裏切った連中と同じクソ野郎に成り果てた」
 毅然とそう言い返したヴォルフガングの胸に宿るは【守護騎士の誓い】。愛する者や無辜の民を守護するというその誓いは、ヴォルフガングに自身の限界を超えた力を与えてくれる。
「自分だけが不幸だと思いあがるな。虫唾が走る!」
「無辜の人々に同じ悲しみを齎さぬように。理不尽な悪意に泣く人のないように。そして、二度と同じ過ちを繰り返さぬように」
 ヴォルフガングとヘルガが、同時に声を上げた。そしてヴォルフガングはモンスターマシン目掛けて、ヘルガは金属生命体目掛けて、仕掛けていく。
 ヘルガの放った薔薇の花弁は暴風の如く金属生命体を翻弄していた。ヘルガはそこへさらに、薔薇の蔓を鞭のように放つ。無数の茨が、蛇のような金属生命体へと絡みつき、その骨のような身体を締め上げていった。
「これで……終わりにしましょう」
 ヘルガがそう口にした次の瞬間、金属生命体の身体が切り裂かれたようにバラバラに砕け散っていく。
 そしてヴォルフガングは、ついに茨の壁を突破したモンスターマシンへと、果敢に突撃していった。
「うおおおおっ!!」
 ヴォルフガングが振るった剣が破壊したのは、モンスターマシンではなくその進路上の地面。地面を覆うアスファルトが粉々に飛び散り、すり鉢状に抉れた地面にモンスターマシンはブレーキが間に合わず、突っ込んでしまう。
「そこだっ!!」
ヴォルフガングは、なんとかキャタピラを猛回転させその窪地から脱出しようとするモンスターマシンのエンジンへと、今度は『鉄塊剣』を叩きつけた。たちまちエンジンが爆発を起こし、モンスターマシンの動きが停止する。
「おのれ、我が愛機を、よくもやってくれる!!」
 ダーク・レイダーはとうとう操縦席から飛び出すと、さらにモンスターマシンを破壊しようとするヴォルフガング目掛けて、大盾を前面に押し立てたタックルを仕掛けた。
「ぐうっ! だがまだだっ!!」
 モンスターマシン自体にも引けを取らないその重い突撃を、しかしヴォルフガングは気力を振り絞って耐えきる。全身が悲鳴を上げるが、構ってなどいられない。目の前のこの男は、なんとしても止めなければならない相手なのだ。
「人の想いを踏み躙り絆を引き裂くその悪意を俺は許さない、絶対に!!」
 ダーク・レイダーが次の攻撃に移る前に。ヴォルフガングは渾身の力を込めて鉄塊剣を振り抜いた。そして、ヴォルフガングの気合と想いの全てを乗せたその一撃は、ダーク・レイダーの着こんだ黒い鎧の胸部を、粉々に打ち砕いたのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

雛菊・璃奈
悲しいね…。愛する人を失う辛さは貴方もよく知ってるハズなのに…。
悲しい想いをする人を増やさせるわけにはいかない…。人の心を失った貴方は、ここで止める…。

【九尾化・魔剣の媛神】で真の姿解放…。
媛神の莫大な呪力を纏わせた黒桜の呪力解放【呪詛、衝撃波、なぎ払い、早業】による呪力を正面から叩き込んで敵マシンの動きを止め、アームの根元と関節部へ終焉の魔剣による顕現からの連続一斉斉射を叩き込んで破壊…。

後は媛神の呪力を使った呪力の縛鎖【呪詛、高速詠唱、全力魔法】でマシンごと本体、金属生命体を捕縛…。
神速で一気に近づいてマシンを駆けのぼり、凶太刀と神太刀の二刀で一気に斬り倒すよ…。

恋人の元で眠ると良いよ…


サエ・キルフィバオム
アドリブ絡み歓迎

「そのー、どうしてこんな酷いことをするんですかぁ?」
「皆、あなたの恋人を救えなかったことは、後悔してると思うんですよぉ……?」
【誘惑】【演技】【コミュ力】【言いくるめ】でダーク・レイダーの過去に触れつつ気を引き、”こんなことはやめるべき””あなたの大切な人もこんなことは望んでいない”と弱弱しく語り掛けます

「……つまり、なんて言おうとかつてのあなたの気高い心は失われているわけだね。だったら容赦しないよ」
相手が説得を小馬鹿にしたり、無下に扱われた場合は、十分に【因果速報】分の力を溜めたのち、逃げ回りながら【罠使い】【地形の利用】で仕込んでいた極細の糸で【だまし討ち】【暗殺】にでます


●妖狐達の舞
「まさか、モンスターマシンのエンジンをやられるとはな。だが、予備動力を使えば、まだ動くことはできる」
 先程猟兵にやられた胸元を抑えながら、ダーク・レイダーは操縦席でモンスターマシンの再起動を試みていた。
 そんなモンスターマシンの巨体の足元で。
「そのー、どうしてこんな酷いことをするんですかぁ?」
 小首を傾げて不思議そうにそう問いかけたのは、サエ・キルフィバオム(突撃!社会の裏事情特派員・f01091)だった。
「酷いことだと? 私はただ、教えてやっているだけだ。この世界がいかに醜く、人間がいかに愚かであるかを」
 その答えに、サエの隣に立っていた雛菊・璃奈(魔剣の巫女・f04218)が顔を曇らせる。
「悲しいね……。愛する人を失う辛さは貴方もよく知ってるハズなのに……」
 その言葉を受けるように、サエも続けて、
「皆、あなたの恋人を救えなかったことは、後悔してると思うんですよぉ……?」
 弱弱しい声で、そう語りかけた。
「黙れ! お前達如きに、私の怒りが、悲しみが、絶望が、理解できてたまるものか!!」
 2人の言葉に、激昂した声を上げるダーク・レイダー。だがそれは少なくとも、2人の話を聞いているということだ。話の通じない相手ではないのであれば、やりようはあると考えたサエは、さらに畳みかける。
「こんなことはやめるべきですよぉ。きっと死んだあなたの大切な人もこんなことは望んでいないはずですぅ」
 目尻に涙まで浮かべて見せて。サエは迫真の演技でダーク・レイダーの良心に訴えかけようとする。だが、その説得に対し、返ってきたのは嘲笑だった。
「クッ……ハッハッハッ。何を言い出すかと思えば。彼女がそれを望んでいるのかどうかなど、どうでもいい。これは私の意志であり、私の望みなのだ!!」
 そう叫ぶとダーク・レイダーは、モンスターマシンを再起動させ、目の前に立つサエと璃奈を轢き殺そうとする。
「……つまり、なんて言おうとかつてのあなたの気高い心は失われているわけだね」
 サエの声から弱弱しさが消え失せ、その瞳が醒めたようにモンスターマシンを見据えた。
「悲しい想いをする人を増やさせるわけにはいかない……。人の心を失った貴方は、ここで止める……」
 璃奈もまた、覚悟を決めたように静かに目を閉じ、精神を集中させていく。
「我が眼前に立ち塞がる全ての敵に悉く滅びと終焉を……封印解放……!」
 耳障りな音を立てて激しく回転するキャタピラが璃奈を踏み砕こうとしたその時。璃奈の狐の尾が九尾へと分かたれ、その姿が【魔剣の媛神】へと変じていく。
「何!?」
 ダーク・レイダーが驚愕したのは、璃奈が手にした『呪槍・黒桜』を一閃させた次の瞬間、キャタピラの金属製の履帯がバラバラになったからだ。いくら車輪が回転しても、履帯が破壊されてはモンスターマシンは動けない。さらに黒桜から放たれた呪力は、その車輪の回転すら抑え込んでいく。
「おのれ、ならば!!」
 ダーク・レイダーは金属生命体にサエを始末するよう命じると、自らはモンスターマシンのシャベルアームを操り、璃奈を屠らんと激しく振るった。
「完全に外道に堕ちたっていうなら、容赦しないよ」
 サエは後方に跳び、或いは左右に巧みに跳ね、蛇の骨格のような奇怪な金属生命体の攻撃をかわしていく。
 逃げ回るだけのサエを侮ったのか、金属生命体は一気にサエに飛びかかり、巻き付いて絞め殺そうとした。だが、
「その慢心、付け入らせてもらうよ」
 金属生命体の動きが、空中で停止した。いや、よく見れば周囲の建物の間に張り巡らされた極細の糸が、その全身に絡みつき動きを封じていたのだ。サエはただ逃げていたのではなく、あらかじめ仕掛けていた罠へと、金属生命体を誘い込んでいたのだ。
「これが因果速報って奴だよ!」
 サエのユーベルコード【因果速報】は、相手の油断や嘲笑を、サエ自身の力に変える効果がある。その増強された力で、サエはピンと張られた細糸――狐糸『舌端』に振れた。するとたちまち、糸に捕らわれていた金属生命体が、糸に切り裂かれ細切れとなって地面へと散らばっていく。
 一方、璃奈は振り下ろされるシャベルアームを流れるような動きで回避すると、自身の周囲へと顕現させた無数の『終焉の魔剣』をシャベルアームの付け根目掛けて放った。いくらパワーがあって強固なシャベルアームでも、関節部まで硬度が高いわけではない。次々に魔剣を突き刺されたシャベルアームは、根元からもげるように、ぐらりと揺らぐと、そのまま地面に落下していった。
 璃奈の猛攻はそれだけでは止まらない。魔剣の媛神と化した璃奈は増幅したその呪力でもって、キャタピラのみならずモンスターマシン本体をも呪縛していった。
「動けマシン! なぜ動かん!?」
 さすがのダーク・レイダーも、狼狽の声を上げる。その隙に璃奈は回転の止まったキャタピラの上に飛び乗り、そこからさらにモンスターマシンの本体へと跳躍。その巨体を駆け抜けて神速で操縦席へと迫っていった。
「恋人の元で眠ると良いよ……」
 そして振るわれた『妖刀・九尾乃凶太刀』と『妖刀・九尾乃神太刀』の二刀が、ダーク・レイダーの身体を十文字に切り裂いたのだった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

クレア・フォースフェンサー
この世界のオブリビオンはあの嵐により破壊された者がなるものと思っておったのじゃが、おぬしのようにオブリビオンへと堕ちてしまう者もおるのじゃな

おぬしの境遇には確かに同情すべきところもある
じゃが、おぬしがオブリビオンに堕ちる原因を作った者達は、苦渋の末にその決断をしたのであろう
翻っておぬしは、自らが悦びを得るために人々に苦しみを与えておる
情状酌量の余地は無いのう

光珠を展開し、敵の位置や行動を把握
光弓でモンスターマシンの破損部位を狙い、機能停止に追い込む
敵の動きを見切って接近し、UCの力を込めた光剣でもって斬り伏せる

おぬしは、今日というときには、いてはならぬ存在じゃ
ここからいなくなるのじゃな


●断罪の時
「この私が、こんなところで終わってたまるものか……」
 その身を十文字に切り裂かれたダーク・レイダーだったが、それでもまだ彼は、息絶えてはいなかった。モンスターマシンの操縦席のシートに深々と身を沈めながらも、その手は操作パネルをいじり続けている。
 遠のきそうになる意識をこの世への恨みと憎しみでなんとか繋ぎ止め、モンスターマシンを再度動かさんとしているのだ。
「この世界のオブリビオンはあの嵐により破壊された者がなるものと思っておったのじゃが、おぬしのようにオブリビオンへと堕ちてしまう者もおるのじゃな」
 そんなダーク・レイダーのいるモンスターマシンの操縦席を見上げつつ、そう呟いたのはクレア・フォースフェンサー(UDCエージェント・f09175)だった。
「猟兵が……また現れおったか!!」
 ダーク・レイダーが、クレアを見下ろしつつ憎悪の声を絞り出す。
「おぬしの境遇には確かに同情すべきところもある。じゃが、おぬしがオブリビオンに堕ちる原因を作った者達は、苦渋の末にその決断をしたのであろう。翻っておぬしは、自らが悦びを得るために人々に苦しみを与えておる。情状酌量の余地は無いのう」
 クレアの言葉に、ダーク・レイダーは狂ったような笑い声を上げた。
「クックックックックッ。いつ貴様如きにこの私が許しを請うた? この世界の全てを憎み、そして嘲笑う。もはやそれだけが、この私の存在意義よ!!」
 ダーク・レイダーは、モンスターマシンを動かしてクレアを撃退せんと試みる。モンスターマシンのエンジンは破壊されているが、予備動力で短時間なら動かせるようだ。だが、すでにモンスターマシンはキャタピラとシャベルアームが破壊されている。となると残された武器は……、
「刮目するがよい、モンスターマシン最後の切り札、ドリルミサイルを!!」
 次の瞬間、モンスターマシンの先端に備えられていたドリルが、クレア目掛けて発射された。
 だが、
「馬鹿者め、その動きは既に見切っておるわ!」
 クレアは、まるでドリルが飛んでくるのを予期していたかのように、余裕をもってその一撃を回避してみせる。
「今のをかわすだと!? 化け物かっ!!」
 ダーク・レイダーが驚愕に目を見開いた。だが、クレアがドリルミサイルをかわせたのは、偶然ではない。クレアを中心に展開した108つの『光珠』がセンサーの役割を果たし、ダーク・レイダーとモンスターマシンの動きを一挙手一投足に至るまでクレアへと伝えていたのだ。
 そして攻撃をかわしたクレアは、そのまま反撃へと移った。素早く『光弓』を構えると、モンスターマシンがこれまでの戦いで破損したシャベルアームの付け根やエンジン、キャタピラ目掛けて矢継ぎ早に光の矢を放っていく。
「ぐっ、おのれ!!」
 ダーク・レイダーは必死でギアを動かしアクセルを踏み込むが、クレアの攻撃で破損個所に更に損傷を負ったモンスターマシンは完全に機能を停止し、全く動こうとしない。
「こうなれば、仕方がない。死なば諸共といこうではないかっ!!」
 遂にダーク・レイダーはモンスターマシンを捨て、禍々しい黒剣と巨大な楯を構えると、操縦席から飛び出し一気にクレアへと斬りかかった。その気迫のこもった剣の乱舞は、ダーク・レイダーが万全の状態なら例えクレアが光珠の補助を受けていたとしても、到底かわしきれなかったに違いない。だが今のダーク・レイダーは、胸に大穴を穿たれ、更に身体を十文字に裂かれた満身創痍の状態だ。
「おぬしは、今日というときには、いてはならぬ存在じゃ。ここからいなくなるのじゃな」
 クレアは『光剣』でダーク・レイダーの黒剣を受け止めると、そのまま黒剣を跳ね上げ、そして袈裟懸けにダーク・レイダーを斬り伏せた。
「がはっ!! ―――よ、私を……助けてくれ……」
 最期にダーク・レイダーが漏らしたのは、かつて死別した恋人の名前だったろうか。
 仰向けに倒れたダーク・レイダーの上に、既に猟兵達に破壊されていたはずの機械生命体が、ゆっくりと抱きつくように降り立ち、そしてそのまま動きを停止した。
 その様はまるで、抱き合う恋人同士のようにも見えたのだった。
大成功 🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年09月24日
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