地底都市解放戦と死の旋律の誘い(作者 七転十五起
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 グリモアに新たな予兆が浮かぶ。
 それはダークセイヴァーに存在する地底都市を猟兵達に知らしめることとなった。
「あたいもびっくりだよっ! あのダークセイヴァーの地下に、こんな広大な都市が存在してるわけだからねっ?」
 レモンは目を瞬かせながら、任務の概要を説明し始めた。
「以前、辺境伯の紋章を付けたオブリビオンを討伐してもらったことがあったけど、その紋章の出処が、この地底都市のさらに地下深くに生息しているっぽいよっ!」
 そう告げるのは、グリモア猟兵の蛇塚・レモン(蛇神憑きの金色巫女・f05152)。
 頭の上で輝くレモン型のグリモアから、予知の映像が映写機のように投影されている。
「ダークセイヴァー各地には、こういった広大な地底空洞が存在していて、そこには幾つもの地底都市が存在することが分かったよっ! そこには吸血鬼だけじゃなくって、地上と交流を絶たれて、もはや地上の存在を知らない人々が奴隷として暮らしていることも分かったよっ!」
 なんでも、地上よりも過酷な隷属を強いられている人々は、地下の世界こそが自分の住む世界の全てだと吸血鬼に思い込まされているのだという。それをいいことに、吸血鬼たちは絶対的な支配体制を築き上げ、日々、地底都市の人々を虐げているのだという。
「今回の任務は、みんなの力で地底都市のひとつを解放してほしいんだよねっ? まずは地底都市へ侵入するために『門番』を斃す必要があるんだけど……」
 ここで、レモンの顔が曇る。
「この『門番』が超強くてねっ!? あの『同族殺し』を一太刀で屠れる程の、凄まじき手練れだよっ! しかも、お腹に付いた『番犬の紋章』っていう寄生虫型オブリビオンによって更にパワーアップ! 紋章以外のダメージはろくに通じない強敵だよっ!」
 闇雲に攻撃しても無駄ということか。
 して、肝心の門番の情報は?
「この『門番』は『死響楽団』っていうオブリビオン楽団の一人だよっ! 彼女の武器は『フューネラルピアノ』っていう、怨霊を操る『葬送』の楽士っぽい! 常にピアノを引いているから、お腹は常に皆から隠れる形になるよっ! 攻撃の際には、一工夫必要かもねっ?」
 どうにかして、此方へ振り向かせなくてはならないというわけか。
 そして、そのあとは?
「地底都市を守るオブリビオン兵士達を撃破して、援軍が来る前に人々を説得して地上へ連れてゆけば任務完了だよっ! 地底都市の人に地上の楽しいことを教えてあげれば、興味を示してくれるかもっ?」
 幸いなことに、人類砦『ドンザキア』が地底歳の人々の受け入れに名乗りを上げている。地上へ脱出できたら、ドンザキアの使者に彼らを引き渡そう。
「それじゃ、みんな! 地下に潜む黒幕に辿り着くためにも、まずは目の前の地底都市を解放しようねっ!」
 レモンのグリモアが輝き、猟兵達をダークセイヴァーの地下空間へ誘う……!


七転十五起
 ダークセイヴァーに新展開です。
 よもや地下に都市が存在していたとは……!
 辺境伯の紋章を配布した者達が潜む深層へ向かうためのも、まずは第一歩を。
 なぎてんはねおきです。

●概要
 第一章のボス戦からクライマックスです。
 とんでもなく強いオブリビオンが地底都市の『門番』として立ち塞がります。
 今回はお腹に付いている『番犬の紋章』への攻撃以外は全て通りません。
 ピアノを演奏するオブリビオンのお腹を、如何にして猟兵側へ向けるかが鍵です。

 第二章の集団戦は、地底都市を守護する兵士達との戦闘です。
 兵士達には紋章は存在せず、通常戦闘で十分に撃破が出来ます。
 なお、ここでの活躍次第で、地底都市に住む人々に勇気を与えることができれば、第三章でプレイングボーナスが発生します。

 第三章の日常は、主に隷属された人々を地上へ連れてゆくための説得です。
 地上での楽しいことや珍しいことを、面白おかしく語って下さい。
 彼らにとっては世界の概念が完全に破壊されるような話ばかりでしょう。
 ですが、第二章までの活躍を見せれば、信用してくれるかもしれません。

 それでは、皆様の想いの籠もったプレイングを、お待ちしております!
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第1章 ボス戦 『『死響楽団』クラヴサン・チェンバロ』

POW ●首吊り死体のメトロノーム
レベル×1tまでの対象の【首 】を掴んで持ち上げる。振り回しや周囲の地面への叩きつけも可能。
SPD ●生者を操る魂のディスコード
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【敵に憑りつき体の自由を奪う怨霊 】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
WIZ ●骸の海へと旅立つ者へのセレクション
対象への質問と共に、【武器「フューネラルピアノ」の響板 】から【無数の怨霊】を召喚する。満足な答えを得るまで、無数の怨霊は対象を【ピアノのボディに閉じ込め様々な葬送方法】で攻撃する。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は幻武・極です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


七那原・望
地上の存在すら知らないのですよね。ここの住人は。
生まれてから死ぬまで、ずっと飼われ続けて……解放しないとです。

【果実変性・ウィッシーズアリス】を発動。【動物使い】でねこさん達にお願いして、【全力魔法】の幻覚を敵に掛けてもらいます。

【第六感】と【野性の勘】で敵の動きや攻撃を【見切って】回避します。

幻覚の内容はピアノに危害を加えられるようなものはどうです?
ピアノが遠くへ吹き飛ばされるにしろ、横から破壊されるにしろ、無反応を貫くのは厳しいはず。

敵がこちらに向いたタイミングで【咄嗟の一撃】【クイックドロウ】【スナイパー】【全力魔法】をねこさん達と共に【一斉発射】して、敵のお腹の紋章を全力で叩きます。


 ダークセイヴァーに存在する巨大な地下空洞。
 そこには、大小様々な地底都市が建設されており、いずれも吸血鬼の支配下で人々が隷属している。
 地下への入り口に侵入する七那原・望(封印されし果実・f04836)は、地下で暮らす人々へ想いを馳せる。
「地上の存在すら知らないのですよね。ここの住人は。生まれてから死ぬまで、ずっと飼われ続けて……」
 ダークセイヴァーの地上も吸血鬼達による加虐が目に付くが、それでも猟兵達の活動によって、吸血鬼の支配の手が届かない人類圏……通称『人類砦』が誕生した。
 だが、地下で暮らす人々はそれすら知らないで、地下でその生涯を終えてしまっているのだ。むしろ、虐げ続けるのが当然だと思い込んでいるかもしれない。
「……そんなの駄目なのです。絶対に解放しないとです」
 目元が布で覆われているため、七那原の表情は読み取りにくい。
 しかし、その語気は確かに使命感に満ちていた。
 8歳の少女が、猟兵として全力で地下都市解放を心に決めた瞬間である。

 かくして、薄暗い地下通路を抜けた先には、巨大な空間と城壁都市のような大きな街が存在していた。
 だが、巨大な門の前には、ピアノを弾き語る女性が待ち構えているではないか。
「……『死響楽団』がひとり、クラヴサン・チェンバロ。この地底都市の門番をやってるわ」
 ポロロン、と指先で鍵盤を奏でる門番。
「あなたが、猟兵? まだ子供じゃないの。随分と可愛らしいお客さんだこと」
 鍵盤を叩く門番の指先の数が次第に増えてゆき、気が付けば流れるようなメロディーが奏でられ始めた。どことなく不安感を煽られるような旋律は、まるで『葬送』を想起させる。
「悪いけど、余計なことをしないでほしい。地底都市は地上と交流を絶ったの。ここの人間は、地上を知る必要はないわ」
「そんなの、間違いなのです!」
 門番の言い分に、七那原は抗議の声を上げた。
「人間は、本来、何処までも自由なのです。体の一部を封印されたわたしが言っても説得力ないかもですが、ここの人々が地上のことを知ることだって自由なのです」
「自由というなら、わたしが彼らを好き勝手に扱うことも自由よ。彼らのようにね?」
 ピアノの隙間から、どろりと泥のようなナニカが這い出してくる。
 それは悪霊であった。怨嗟の声を漏らしながら、ピアノの音色に操られている。
 よくみれば、門の周囲には処刑されたと思しき遺体が無造作に転がっている。
 門番が音色を響かせる度に、死体はドロドロに融解し、その形は悪霊の不定形となって地面を這い回り始めた。
「生者を操る魂のディスコード、あなたも拝聴してほしいわ」
「あなたは死者さえも冒涜するのですね。だったらこっちも容赦しないのですー!」
 門番に対して怒りを露わにした七那原は、すかさずユーベルコードを発動させた。
「わたしは望む……ウィッシーズアリス!」
 ユーベルコード『果実変性・ウィッシーズアリス(トランス・ウィッシーズアリス)』により、4匹の猫達が召喚された。
「ねこさん達、あの門番を懲らしめてほしいのです」
「「みゃ~!」」
 4匹の猫は、それぞれが強力な魔法使いだ。しかも、精神操作……催眠術が得意な猫達なのだ。
 悪霊達は七那原と猫達に憑依しようと這い寄ってくる。
 しかし、猫達が全力で展開した催眠魔法は、悪霊たちと門番の視界を阻害して、七那原達が何処にいるのかを解らなくさせてしまった。
「ふむ、わたしの視界を遮ったのね。でも、音の反響である程度の場所はわかる」
 門番は、かの同族殺しを一撃で屠れるほどの実力をもつと言われる。
 故に、戦闘の勘は一流の猟兵並に鋭い。
「なかなかやるのです……!」
 視界が塞がれた状態なのは、七那原も門番も同じ状況。
 七那原は全身で悪霊の気配を感じ取り、その憑依攻撃を上空へ羽ばたいて回避してみせた。
 門番も空に逃げられるとお手上げのようで、初めてその表情を悔しそうに歪めた。
「それはちょっと困る。この悪霊、そこまで高く浮遊できないから」
 でも、と門番は言葉を継いだ。
「攻撃が届かないのは、そっちも同じ。あなたはわたしの紋章を狙わない限り、わたしに傷ひとつ負わせられないわ」
「だったら、ピアノに危害を加えられるようなものはどうです?」
 七那原は空中でパンッと手を叩く。
 その合図で、猫達はさらなる幻覚を門番に見せ始めた。
「え、ちょっと、わたしのピアノを食べないで……!」
 猫達は幻覚で、無数の芋虫が門番のピアノをバリバリ齧る悪夢を見せ始めたのだ。
 これには門番も焦り、椅子から立ち上がって必死に芋虫を追い払おうと狼狽する。
「やっぱり、無反応を貫き通すなんて無理ですよね? あなたにとって、ピアノは武器であり、相棒でもあるのでしょうから」
 門番の反応に手応えを感じた七那原は、空中で魔力を練り上げる。
 彼女の傍らで宙に浮かぶ銃奏・セプテットへ魔力がなみなみと注がれてゆく。
「止めて! ピアノを喰い壊さないで……!」
 遂に、門番はピアノを守るべく、そのお腹の紋章を七那原に見える位置まで移動してしまう。
「今なのですー。ねこさん達、準備はいいですか?」
「「にゃ~!」」
 七つの異なる銃で構成された超大型合体銃の銃口に魔法の光が灯された次の瞬間!
「いざ祝砲を、高らかになのですー」
「「うにゃ~!」」
 1人と4匹の一斉砲火が、門番のお腹の紋章へ殺到!
 そのまま爆炎を上げてピアノごと吹っ飛んでゆく門番!
 悲鳴すら上げることも出来ずに、門番はいきなり大ダメージを被った。
 七那原の見事な作戦の勝利である。
大成功 🔵🔵🔵

シホ・イオア
そこのおねーさん、地底の人々を助けに行きたいからここを通してね?
人々を虐げる都市を作るなんて、悪いことをしちゃメッだぞ。

「輝石解放、ルビー! 愛の炎よ舞い踊れ!」
残念だけどその音楽はシホの炎のダンスには合わないみたい。
敵を包囲するように炎を展開してお腹の辺りを狙って炎を誘導していこう
浄化の力を使えば怨霊にも対抗できないかな?
できるなら捕まったふりをしてピアノに近づくよ
ピアノに入るってことは彼女の正面に行ける可能性が高いからね。
そこなら全力・収束・破魔・神罰の一撃を当てて見せるさ。

連携アドリブ歓迎。


「そこのおねーさん、地底の人々を助けに行きたいからここを通してね?」
 シホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)がふわりきらきらと宙を舞う。
「人々を虐げる都市を作るなんて、悪いことをしちゃメッだぞ」
 右の人差し指をピンと立て、膨れっ面で門番を諭してみせた。
 これに門番は僅かに口端を吊り上げるのみ。
「あらまあ。今度は小さな妖精さん? 猟兵って色んな種類がいるのね?」
 感情の起伏の少ない声で、門番は言葉を継ぐ。
「でも、あなたの言い分は飲めないわ。彼らを助けに行く? 無駄よ、彼らは地上を知らないし、知ったところで地上で暮らしてゆく知識もないわ」
 だから、と門番は青薔薇が敷き詰められた棺桶型の楽器『フューネラルピアノ』の響板から無数の怨霊を召喚する!
「門番であるわたしが、あなたを『葬送』してあげるわ。」
 悲愴な音色を奏でれば、無数の怨霊が音色に合わせてシホを掴み掛かろうと襲ってきた!
「骸の海へと旅立つ者へのセレクション、気に入ってくれるかしら?」
 質問とともに解き放たれた怨霊がシホを強襲!
 これにシホはユーベルコードで対抗。
「輝石解放、ルビー! 愛の炎よ、優雅に舞い踊れ!」
 宝石剣エリクシアから真紅の宝石が生み出されると、宙に浮かぶ宝石から81個の火の玉が生み出されてゆく。その火の玉の中心部には、愛を象徴するハートマークが浮かび上がる。
「愛の炎で怨霊を浄化しちゃうよ!」
 掴み掛かる怨霊の手を愛の炎が打ち破る!
 黒いヘドロのような怨霊は、たちまち燃え盛って灰舞ってしまう。
「残念だけど、その音楽はシホの炎のダンスには合わないみたい」
 怨霊を無作為に浄化して焼き払うも、門番は涼しい顔だ。
「どんなに悪霊を追い払おうと、わたしには火傷ひとつ負わせられないわよ」
 お腹に寄生するオブリビオン『門番の紋章』が、彼女を無敵の門番に変えているのだ。
 シホは怨霊を焼き払いながら空中を飛び回りつつ、打開策を考える。
(門番のお腹が見える場所へ移動するには……そうだ!)
 思い浮かんだ作戦を実行するべく、81個の炎をひとつに束ね始めるシホ。
「ピアノごと全部燃やしちゃえば関係ないよね?」
「無駄よ。あなたはまだ、わたしの質問に答えていないもの」
 門番のユーベルコードは、質問者の満足の得られる回答が得られるまで、回答者を攻撃し続ける。
 シホはたちまち炎ごとヘドロのような怨霊の手腕に覆われて、そのまま青薔薇が詰まった棺桶型のピアノの響板に押し込まれてしまった!
「さあ、選んで頂戴? 火葬・土葬・水葬、鳥葬や花葬なんていうもの揃えているわ」
 怨霊がシホに様々な葬送様式を試みようと準備を進めてゆく。
 すると、響板の中の青薔薇がたちどころにメラメラと赤い炎をあげて燃え始めたではないか。
「そう、オーソドックスに火葬を選んだのね。それじゃ、あなたに鎮魂曲を……」
 門番が鍵盤を叩こうとした次の瞬間だった。
「それはおねーさん自身に奏でたらどうかな!?」
 響板の中の炎が一点に寄せ集まり、その炎の中に愛の刻印が浮かび上がる!
 この炎は、シホのユーベルコードだ!
 響板の中から真紅の宝石とともにシホが飛び出した!
「ピアノに入るってことは、おねーさんの正面に行ける可能性が高いからね? そして、それは実現したよ!」
 シホの作戦にまんまと乗っかってしまったことに気付く門番は酷く狼狽する。
「まずい、お腹を守らないと……!」
「そうはさせないよ! 81個分の聖なる愛の炎で吹っ飛んじゃえ!」
 フェアリー特有の小柄な身体で門番のお腹の前へ潜り込むと、超至近距離から紋章目掛けて愛の爆炎を発射!
 KABOOOOOOOOOOOOM!!!
「また吹っ飛ぶのぉ……!?」
 愛の炎に身を焼かれ、門番は剥き出しの地表の岩壁に叩き付けられたのだった。
大成功 🔵🔵🔵

箒星・仄々
闇の世界の更に地底で
虐げられている皆さんを
何としても救出したいです

音楽は心を優しく包むもの
死者を傀儡にするなどもっての外です!

摩擦抵抗操作
高速滑走で間合いを詰めます

敵攻撃に対して
その旋律から次の音≒攻撃を予測し
華麗なドリフトで回避

チェンバロさんかピアノ
或いはピアノが置いてある地面
のどれかをぺろ

摩擦を喪いピアノが滑り出したり
指が鍵盤を滑り弾けなくなります
どちらにせよ
その体はピアノへ向いていられなくなるでしょう

丸見えのお腹の紋章へ魔力の音色

風が祓い
炎が滅し
水が砕きます

終幕
チェンバロさんの安寧を願い鎮魂の調

ピアノなく響くこの旋律は
兵士への宣戦布告であり
囚われの人々の心へ染み入る勇気となることを願って


紅葉・智華
※アドリブ・連携歓迎
※妹(f12932)と参戦

「地下都市というのは浪漫の塊だけど、オブリビオンは――(眼鏡を外しつつ)屠るのみで……屠るのみ」(注意された)
さて、作戦は不本意だけど華織が陽動して弱点を此方に向けてくれるとの事。妹を危険に合わせたくないけど、逆はできないから……はぁ……。
さて、【目立たない】場所で『唯射』(スナイパー、鎧無視攻撃)を構える。そして、華織がうまくやった瞬間に、トリガーを引く。

「華織、無理はしない事」
「【選択UC】なんて二つ名を泣かせたくはないからね」


紅葉・華織
※アドリブ・連携歓迎
※姉(f07893)と参戦

「ところでお姉ちゃん、語尾やめよっか?」
作戦としては、本命がお姉ちゃん。私は気を引き付ける為の陽動。案の定お姉ちゃんは反対してるようだけど、私には狙撃する手段がないんだから仕方ないもんね!(開き直り)
【選択UC】(ダッシュ、鎧無視攻撃)で一気に接敵(運が良ければ一太刀浴びせられたらなあ、ぐらいの気持ち)、後は遅延戦闘。お姉ちゃんが本命の弾丸を叩き込むまでの時間稼ぎ。

「ヤッホー、オブリビオン。大人しく逝ってネ?」


 黒猫魔法楽士の箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は珍しく憤っていた。
「音楽は心を優しく包むもの。その音楽で、死者を傀儡にするなど……もっての外です!」
 目を細めて門番を睨みつける箒星を同意するのは紅葉・智華(紅眼の射手/自称・全サ連風紀委員・f07893)だ。
「その通りだね、仄々さん。音楽は本来、人々を癒すべき存在なんだ」
「お姉ちゃん、音楽に造詣深かったっけ?」
 智華の妹である紅葉・華織(奇跡の武術少女/シスコン師範代・f12932)が首を傾げる。
 これに智華は苦笑い。
「いや、とりわけ詳しいってわけじゃないけども。でも、亡くなった人を冒涜するために音楽があるわけじゃないことだけは言えるよ」
「ま、それはそっか! 華織はあいつを斬れれば何でもいいや!」
 彼女は妖刀【月華】を鞘である秘鞘【月煌】から抜き払うと、刀と鞘の変速二刀流の構えを見せる。
 箒星は紅葉姉妹に告げた。
「闇の世界の更に地底で虐げられている皆さんを、私は何としても救出したいです。お力を貸してくださいませんか?」
 智華は頷くと、そっと赤いフレームのメガネを外した。
「地下都市というのは浪漫の塊だけど、オブリビオンは――屠るのみであ……」
「ところでお姉ちゃん、その語尾やめよっか?」
 苛烈なる妹のツッコミ!
 智華はメガネを外して猟兵モードになるとエセ軍人口調になるのだが、華織はこれを酷く嫌っているのだ。
 出鼻を挫かれた智華は咳払いひとつした後、改めて門番へ口上をやり直した。
「いずれにせよ、オブリビオンは屠るのみだ!」
「えっちな服着た破廉恥な門番めー! その首、置いてけー!」
 華織が怒鳴りながら真っ先に門番へ飛び掛かる!
 巻き上がる土煙!
「背中ガラ空きィッ! 大人しく逝ってネ、オブリビオン?」
 大上段から斬撃と打撃が門番の肩甲骨目掛けて振り下ろされた。
 ユーベルコード『赤枝流剣術【唯寄斬】』での縮地めいた疾駆は、最大で3.8kmを8秒弱で駆け寄るほど高速移動を実現する!
 つまり最高速度は秒速約480m!
 慣性の法則も働き、攻撃の衝撃は如何なる鎧も無意味にする!
 打撃音が土煙の中から轟き、続けざまに打撲と風切り音が聞こえてきた!
「おりゃー! これでどうだー!」
 散々攻撃を仕掛けた華織は、土煙の外へ飛び出した。
 土煙が収まれば、そこには傷ひとつない門番の姿があった。
「いくら攻撃しても、わたしには通用しないわよ」
「うっそ、首を跳ねて頭を潰した感触があったのに?」
 華織はうんざりした表情を門番に見せた。
 だが、これは演技だ。
(しめしめ、お姉ちゃんはさっきの乱戦の合間に、上手く隠れたようだね? 私には狙撃する手段がないんだから仕方ないもんね! だから頑張って、お姉ちゃん♪)
 紅葉姉妹は、妹が敢えて無駄撃ちと分かっていても派手に暴れて注意を惹き付け、姉が門番の腹を隠れた場所から狙撃するつもりだ。
 すこし離れた場所でY1-SAW[M's/2]超長射程アサルトウェポン改【唯射】のスコープを覗く姉は、妹の無茶振りに気が気でない様子。
(華織、無理はしない事……。作戦は不本意だけど華織が陽動して弱点を此方に向けてくれないと、私は狙撃できない。妹を危険に合わせたくないけど、逆はできないから……はぁ……)
 無鉄砲な妹を持つと気苦労がしれないな、と内心で愚痴をこぼしながら、智華は気配を消して、ただその時を待つ。
 対して、箒星は華織の攻撃が不発と見るやいなや、自身の身体を丁寧に舐め始めた。
 その間に門番は『生者を操る魂のディスコード』を奏で始めた。
 ピアノから漏れ出た怨霊が周囲に転がる死体に憑依し、泥のような身体へと変化させる。
「華織さん、もう一度暴れてくださいませんか? チェンバロさんは私がなんとかしましょう」
「分かったよ! それじゃ、もうひと暴れするよ!」
 箒星と華織が弾丸のように戦場を駆け抜けてゆく。
 その行く手を怨霊が阻む。
「どけどけどけーっ!」
 華織は刀と鞘で舞うが如く怨霊を薙ぎ倒しながら前へ突き進んでいき、箒星がその合間をスルスルと縫ってすり抜ける。
「怨霊さんにも物理法則が通じるのですね」
 箒星の身体は今、ユーベルコード『猫の毛づくろい』によって摩擦軽減が限りなくゼロになっている。
 故に床を滑って高速で移動できる上に、怨霊に掴まれてもつるんっとすり抜けてしまうのだ。
 あっという間に箒星は門番の足元へ到着!
「ちょっと失礼しますよ~」
 ピアノの脚に爪を立てて動きを止めると、素早く門番の両方の靴の裏をペロペロ。
 更にピアノの脚部の地面に接している部分もペロペロ。
 すかさず箒星がピアノから離脱すると、門番に変化が現れた。
「ちょっと、ピアノが勝手に前に進んで、きゃぁっ!?」
 打鍵した力でピアノ本体が前方へびゅーんっと勢いよく滑り出し、それを追いかけようと椅子から立ち上がった門番もまた、靴の裏の摩擦軽減によって盛大に転倒してしまった。
 瞬間、仰向けに転んだ門番の腹が丸見えになった。
 ここで動いたのが、智華だ。
(よし、今だ! 華織が稼いでくれた時間と、仄々さんの基点で反撃のチャンスが生まれた!)
 愛銃【唯射】の銃口を門番の腹に向け、狙撃手はトリガーを引き絞る。
(紅眼の射手(クリムゾン・シューター)の二つ名を泣かせたくないからね。決めさせてもらうよ!)
 放たれるは百発必中の魔弾。
 ユーベルコードの域まで達した射撃技術は、あらゆる埒外の存在を撃ち抜くのだ。
「もらったぁ!」
 マズルフラッシュが十字に瞬く!
 周囲に蔓延る怨霊達をヘッドショット!
 同時に門番の腹の紋章を寸分違わず打ち抜き、その激痛をもってして行動不能に陥らせた。
「お姉ちゃん、ナイス! 大好き!! 愛してる!!!! 抱いて!!!!!!!」
「ほら、華織も仕事して!」
 妹の愛の告白に、姉はまんざらではない気持ちに浸りつつも攻撃を促す。
「では華織さん。トドメを合わせましょう」
「オッケー、仄々さん! 一緒に門番を殺しちゃおうネ!」
 箒星は鋭い尖端の両刃細身の魔法剣『カッツェンナーゲル』を鞘から抜くと、精霊に届ける歌を謳い上げる。
 その祈りの歌は地底にも通じ、魔法剣に炎・水・風の三属性が同時に宿った。
 2人の猟兵の身体は弾丸のように飛び出すと、門番の前を交差しながら互いに刃を奔らせた!
「風が祓い、炎が滅し、水があなたを砕きます!」
「剣とは即ちただ寄って斬るのみ――迷わず逝けばいいと思うよ」
 Xの字を描くように、地面ごと2人は門番の腹を掻っ切ってゆく。
 それは紋章もクロスに刻まれることを意味し、寄生していた紋章型オブリビオンが奇声を上げながら爆散した。
 すると、門番の体が急に土気色に変わってゆくではないか。
「あ、あぁ……! 生気が、力が、失われて……うぐっ!」
 地面をみっともなくツルツル滑りながら藻掻く門番に、もはや無敵の力は残されていない。
(今なら何処を狙っても、オブリビオンを殺せるはず!)
 智華は次弾装填すると、再び照準を門番に合わせる。
 狙うは、門番の頭だ。
「迷わずに逝け、オブリビオン!」
 銃声と共に、門番の頭が弾け飛んだ。
 同時に、棺桶型ピアノも不協和音を立てながら爆発!
 怨霊も消滅したのを確認した猟兵達は、自身らの完全勝利を確信した。

 地底都市へ続く巨大な門が開く。
 その傍らで、箒星が竪琴を力強く掻き鳴らしていた。
「ピアノなく響くこの旋律は、チェンバロさんへの鎮魂の葬送曲であり、地底都市を占拠する兵士への宣戦布告であります。この音色が、囚われの人々の心へ染み入る勇気となることを願って」
 箒星の奏でる音色は、次第に勇壮な凱歌へと変わってゆく。
 それは、救済を知らせる地底都市の市民への希望の調べであった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴


第2章 集団戦 『闇に誓いし騎士』

POW ●生ける破城鎚
単純で重い【怪物じみた馬の脚力を載せたランスチャージ】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD ●屠殺旋風
自身の【兜の奥の邪悪なる瞳】が輝く間、【鈍器として振るわれる巨大な突撃槍】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ ●闇の恩寵
全身を【漆黒の霞】で覆い、自身が敵から受けた【負傷】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 地底都市に警鐘が鳴り響く。
「侵入者だ! 門番が倒されたぞ!」
「馬鹿な!? 同族殺しさえ一撃で屠れるほどの実力を持つ門番が、殺されただと?」
 地底都市で人々を虐げていた黒騎士団に衝撃が走る。
 市民も侵入者の一報に不安そうに声を漏らす。
「騎士様、どうか我らをお守り下さいませ……!」
 外の世界を知らない上に、隷属が当然だと洗脳されている市民。
 黒騎士団に助けを乞うのは、仕方のないことであろう。
 だが、黒騎士団に反発する一部の市民にとっては朗報だ。
 その彼らの顔に希望の色が差し込む。
 これを見逃さなかった騎士団長が、反発派の市民達へ言い放った。
「貴様らの手引、のはずはないだろうが、念の為だ! 普段から反発しがちな貴様らを広場に集めて処刑する! 見せしめだ! おい、伝令だ! 各隊長は外に出ている奴隷で怪しい奴を片っ端から広場へ連行しろ! 侵入者の撃退も怠るな!」
「ハッ! かしこまりました!」
 伝令係が馬を走らせてゆく。
 騎士団長は赤く発光する眼で、まだ見ぬ敵に歯噛みする。
「くそっ! どんな奴らか知らないが、此方は地の利と数で有利だ! 捻り潰してやるぞ、侵入者! ええい、耳障りな曲だ!!」
 門から聞こえてくる勇壮な凱歌が、黒騎士団長の苛立ちを更に加速させた。
箒星・仄々
この暗き地で絶望と諦観で占められたお心に
希望の光を輝かせてあげたいです

処刑阻止
市民の安全を第一に行動

魔法の迷彩で姿隠し忍び足で広場へ
風の魔力で音を操作
足音や息遣いが漏れぬ様にします

捕えられた人々を出来るだけ庇える位置で顕現
団長さんらしき方を含めて魔法の矢

リーダーが狙われたら
指示が混乱するでしょうし
そちらの防御に手が割かれるはず

その機に烈風や炎で戒めから解放し
民を逃がします

その後は先程の勇壮な凱歌を奏で
人々を鼓舞しながら魔力の矢

漆黒を炎の輝きが滅し
霞を風や炎で吹き飛ばして恩寵を打ち消しながら
出来るだけ単体へ火力集中し
増強&回復前に各個撃破です

終幕
黒騎士さんへ鎮魂の調

解放知らせる凱歌もまた奏でます


七那原・望
背中の翼で【空中戦】。宙を舞うプレストの上にはアマービレで呼んだねこさん達を【騎乗】させます。常にランスチャージの射程範囲外を位置取ります。

この手の洗脳は正直お手上げなのです。出来ることは、呼び掛ける事くらい?

その騎士達はあなた達を護りませんよ。今理不尽にも処刑されそうだった市民が何よりの証拠です。

ねこさん達の【全力魔法】【オーラ防御】【結界術】で処刑されそうな市民を始め、見つけた市民達は全員護ります。

攻撃回数を重視した【全力魔法】【Lux desire】の【乱れ撃ち】で騎士達を【蹂躙】します。

必ずあなた達を助けます。だからどうかわたし達を信じてください。

あなた達は幸せに生きるべきなのです。


 地底都市に足を踏み入れた箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は、演奏を止めて隠密行動に移行した。
 合流した七那原・望(封印されし果実・f04836)とともに、都市の中心部へひっそりと進む。
 その道中で、反発的な市民の処刑を行う話を警備している騎士から盗み聞きした2人は、早速、市民の救出作戦を練り上げてゆく。
「この暗き地で絶望と諦観で占められた市民の皆様のお心に、希望の光を輝かせてあげたいです」
「絶対に助けるのです。ですが、あの手の洗脳は正直お手上げなのです。出来ることは、呼び掛ける事くらい?」
 ここの市民にとって、地底都市の限られた区画が世界の全てであり、黒騎士団は自分達を虐げる存在でありながら、何かあったときは真っ先に頼らざるを得ないほどの弱者だ。
 猟兵の存在ですら、彼らにとっては『異分子』に見えてしまいかねない。
 七那原の懸念に、箒星は言葉を返す。
「それでも、諦めずに声を掛けましょう。市民の皆様はただ知らないだけなのです。私達のような猟兵の存在も、地上の世界も。理解していただければ、きっとここからの脱出に従ってくれるはずです」
「そうですね。わたし達が諦めたら駄目なのです。では、作戦を始めましょう」
 2人は二手に分かれて行動を開始した。

 作戦内容は、七那原が地底都市の上を飛んで騎士団の注意を集めている間、箒星が広場に集められた市民達を救出するというものだ。
 七那原は自身の純白の翼を広げて宙へ羽ばたく。その後ろを自律して飛翔する機械掌『機掌・プレスト』が追尾する。機械掌の上には、鈴の付いた白いタクトである『共達・アマービレ』で呼び出した数多くの魔法猫を乗せている。
 すると、市街地を警らしていた騎士団が上を見上げてどよめいた。
「侵入者が“空”を飛んで攻めてきたぞ!」
「おのれ、此方に飛び道具がないことを何故知っているんだ!?」
 黒騎士団は騎馬戦術と突撃槍による戦術しか持たないため、空を飛ぶ七那原には手を出すことが出来ず、ただひたすら地上で威嚇行動をするしか出来ない。
「止まれ、猟兵! 近寄るなら……この槍を投げ付けるぞ!」
「そんな巨大で重たそうな突撃槍を投げたところで、わたしに届くはずがないのですー」
 念の為、敵のランスチャージの有効範囲外を維持しながら飛行しつつ、黒騎士団の注意を作戦通り集める七那原。
 そんな騎士団の背後を、水と炎の魔力で光の屈折率を曲げて光学迷彩めいた視覚阻害魔法を纏った箒星が通過していった。彼の足音と息遣いが聞こえないように、風の魔法で音の振動の伝わり方を操作する徹底ぶりだ。さすがは黒猫の魔奏剣士、面目躍如の隠密行動である。
 箒星が素通りしてゆく最中、すれ違う市民達は、頭上を羽ばたく七那原の姿に驚愕していた。
「この街以外にもオラトリオがいたのか!?」
 痩せ細ったオラトリオの壮年男性は、自分以外の同種族を生まれて初めて見たのだろう、目を見開いて口を大きく開けて呆然としていた。
「一体、何処から来たっていうの……?」
 人間の少女は、自分達の限られた世界の外があるなんて想像も付かず、突如姿を表した七那原へ恐怖の眼差しを向けている。
「騎士様、はやくあれを追い払って下さい! 嗚呼、恐ろしい!」
 少女は黒騎士の傍に近寄ると、地面に額を擦り付けて懇願した。
 その言葉に、少女の近くへ軟着陸した七那原が諭すように告げた。
「残念ですが、その騎士達はあなた達を護りませんよ。今、広場に連行されて、理不尽にも処刑されそうな市民の存在が何よりの証拠です」
「あ、あれは、騎士様に歯向かうから……!」
 少女にとって、この世界は隷属が絶対で当然。
 反抗すれば処刑されることも当たり前だと思っている。
 なにより、目の前に自分の理解を超えた存在が居る事に、少女の表情は硬直してしまう。
 七那原は、目の前の、自分よりも一回り大きいであろう少女へ毅然と言い放った。
「あなた達はこの騎士達に騙されているのです。わたしはこの都市のずっと上、地上からやってきました。わたしは、あなた達をここから解放するためにやってきたのです」
「地上……? じゃあ、ここは、地上じゃないの?」
「そもそも、ここは地底なのです。地上は、空も風も雲もあります。こんな暗く岩石だらけの天井が空だと言い張る世界ではないのです」
「そ、そんな……!」
 少女は七那原の言い分が嘘だと思えなかった。だからこそ、その場でへたり込んで絶望してしまう。
「お、おい、騎士様? あの子の言うことは、本当なのか?」
 オラトリオの壮年男性が狼狽しながら黒騎士に問うた。
「俺達は、空は岩肌ばかりだと信じていた! だとしたら、俺達は、何のために……?」
「決まってるだろう? お前達はただの『道具』だ」
 黒騎士は、はっきりと市民の生命の価値を否定してみせた。
 オラトリオの男性の胸に、初めて怒りの感情が込み上げてくる。
「ふざけるな……! 俺の妻も息子も、お前達に連行された! それは今まで、仕方がないことだと思っていた! でも、本当は間違いだった!」
「そうなのです。おじ様、あれが騎士達の本性なのです」
 アマービレを振るう七那原のもとへ、頭上から魔法猫達が飛び降りてくる。
 魔法猫達は騎士達の前に立ちはだかり、狼狽える市民達を守らんと威嚇し始めた。
「フゥゥゥーッ!」
「ウニャアァーッ!」
 魔法猫の威嚇行動が、市民達を守るオーラ結界となって騎士達の行く手を阻む。
 騎士達は突撃槍を構え、七那原と魔法猫達を見据えた。
「フンッ。別に隠すようなことでもないからな。此処の市民の生死なんて、足元の小石未満の価値でしかない」
 騎士が乗る漆黒の馬の蹄が、路上の石を七那原へ向けて蹴飛ばした。
 封印された目元の布地は彼女の視力を塞ぐため、小石を視認できない。
 だが、彼女の『目』なら周囲に沢山存在しているのだ。
「猫さん達! お願いなのです!」
 それを七那原は魔法猫達の結界の力を借りて弾き返す。
 彼女は自分の背中を見詰めているであろう市民達へ、黒騎士達へ顔を向けたまま語り掛けた。
「必ずあなた達を助けます。だからどうかわたし達を信じてください。あなた達は幸せに生きるべきなのです」
「勝手な真似は許さないぞ! 総員、突撃陣形! ゆくぞ!」
 部隊長らしき黒騎士を先頭に、凄まじい勢いで七那原へランスチャージを敢行しはじめた。
 それを前に、七那原は手元に黄金の林檎のような勝利の果実である『真核・ユニゾン』を掲げた。
 七那原は願った。市民達の幸福を。黒騎士達の殲滅を。
 強く、強く、心から願う!
「全ての望みを束ねて……!」
 黄金の果実が眩い光を放ち始める。
 七那原の願望に呼応し、ユーベルコードとなって黒騎士達へ殲滅の烈光の奔流を解き放つ!
「Lux desire(ルクス・デザイア)!」
「「グワアァーッ!?」」
 攻撃回数を強化したユーベルコードは、全方位から迫る黒騎士達を馬ごと容赦なく蒸発させてゆき、市民達を守り抜いていった。

 一方、箒星は警備を上手く掻い潜り、広場に到着した。
 そこは、日頃から黒騎士団に反抗的な態度を取る市民達が一同に連行され、今にも処刑が執行されそうな状況であった。
「もう一刻の猶予もありませんね。こういうとき、私に暗殺の心得がないのが悔やまれます……」
 処刑場である広場は目と鼻の先。忍び寄れば手近な騎士の背後も取れそうだが、箒星は暗殺の技能を持ち合わせていなかった。
「仕方がありません。ここは正義の味方らしく、堂々と飛び出しましょう」
 懐中時計から蒸気機関式竪琴へボタンひとつで変形させると、猫の身軽さを活かして高々と跳躍!
 そのままジャカジャカジャンッと弦を掻き鳴らした!
 広場のヒカリゴケの街頭の上によじ登ると、箒星は黒騎士団を見下ろして叫んだ。
「そこまでです! 今すぐ市民の皆様を解放して下さい! さもなくば、猟兵である私が、あなた達を討ち倒します!」
 突如現れ、街頭の上で決めポーズをする黒猫のエントリーに、市民達は大混乱!
「喋る黒猫!? なんで黒猫が二足歩行で喋ってるの!? おかしいと思いませんか、騎士様?」
「知るか! 俺にも分からん!」
 騎士団長らしいオブリビオンが声を荒げる。
 次の瞬間、騎士団長の頭を火・水・風の三属性の魔法矢の束が撃ち抜く!
 箒星の早業、ワザマエ!
「アバッ!?」
 頭を撃ち抜かれた騎士団長が落馬!
 騎士団長は即死!
 箒星に慈悲はない!
「騎士団長!? そんな、あっけなさ過ぎる!」
「信じられない! 騎士団長が一撃で殺されたぞ!?」
 狼狽える黒騎士達へ、ヒカリゴケ街頭の上から容赦なく400本以上の魔法矢を浴びせてゆく箒星!
「生半可な傷では強化と治癒をされてしまいますので、その頭と心臓を狙い撃たせていただきますよ~」
 弦が音色を奏でる度に、騎士達の断末魔がコーラスとなって広場に轟く。
 全身を漆黒の霞で覆う黒騎士も現れるが、急所攻撃を狙う箒星の前にはまるで刃が立たなかった。
 更に、漆黒を炎の輝きが滅し、霞を風や炎で吹き飛ばすことで霞の恩寵を打ち消しているのだ。
 目の前でバタバタと倒れる黒騎士団を目の当たりにした市民達は、次第に箒星へ声援を贈り始める。
「いいぞ、黒猫ォ!」
「もっとぶっ殺しちまえ!」
「あたし達を奴隷として扱き使った報いだ!」
 魔法矢の嵐が止み終わった広場には、黒騎士団の亡骸が至るところに転がっていた。
「さあ皆様。地上へ逃げましょう! あなた達を受け入れてくれる『人類砦』ドンザキアの使者さんの元へ、今からご案内します!」
 箒星は黒騎士達への鎮魂曲を奏でながら、市民達の脱出準備が整うのを待つ。
 その間に、七那原が救出した市民達とも合流。
 箒星と七那原は、市民達を率いて門の外へと行進してゆく。
「では、景気付けに勝利の凱歌でも奏でましょうか」
「わたしは歌うのですー」
 箒星の演奏に、七那原の幼く繊細な高音域の声が加わる。
 そこへ市民達の合唱が加わり、お祭り騒ぎとなりながら、無事に地上へ脱出していった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

紅葉・智華
※アドリブ・連携歓迎
※妹(f12932)と参戦

「今度は私が陽動するからね。流石に市民の数が多いと射線確保が面倒だし」
という訳で、【ダッシュ】で接敵しつつ一番近い黒騎士に『刹那』で連射(2回攻撃)、【串刺し】して【零距離射撃】。敢えて目立つやり方でトドメをさして、相手の意識を私に向けさせる。
「まず一つ。さあ来いお前ら。私を止めてみせろ!」
攻撃が集中してきたとしても、【選択UC】(第六感、見切り)で回避。なんなら、空いている手を硬質化して殴ってもいい(グラップル)し、華織が投げている手裏剣も、私の仕業のように振る舞う。
「――さてと。次は誰が相手してくれるのかな?」


紅葉・華織
※アドリブ・連携歓迎
※姉(f07893)と参戦

「雑兵相手なら、手裏剣の方がいいカナ」『おい待――(月華、鞘に納められる)』「うん、静かになった。さて、行くよ――!」
縮地っぽい【ダッシュ】で接敵しつつ、一体一体を【暗殺】できるように立ち回る。今度はお姉ちゃんが逆に目立ってくれるから、こっちは手早くやる事だけを考えればいい筈だよね。
『炎蛇』『煌刃』『驟雨』を【投擲】。燃えたり光ったりするヤツだけど、手元ではそれが出ないように制御すれば、寧ろ私が隠れる事ができる。
「――さぁ、て。次はどの騎士にしよっカナ? どれでも一緒か」


シホ・イオア
うーん、市民の人達を保護しないと戦いにくいよね。
フェアリーランドに匿いたいところだけど
洗脳されてい人を説得するのは時間がかかりそう。

……なら強制的に分断しちゃおうか。
「輝石解放、ゴールド! おいでませ、妖精の城!」
上空から俯瞰して騎士と市民の間に城壁とか隔てるものを作って街を大改造☆
馬が引き返せないような細い道とかもいいよね。

戦闘での訳ありは囮になりそう。光ってるし目立つからねー。
戦闘方法は空中からのガトリング砲とチャクラムによる遠距離戦が基本。
残像でかわしながらの接近戦も行ける。

できれば市民達に寄り添って癒しになりたいな。
シホの光はそのためのものだしね。

連携アドリブ歓迎。


 紅葉・智華(紅眼の射手/自称・全サ連風紀委員・f07893)と紅葉・華織(奇跡の武術少女/シスコン師範代・f12932)、そしてシホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)は、広場の市民解放の知らせを聞き、行く先を変更した。
 3人は市民がどれとして強制労働をさせられている施設へ向かっていた。
 そこに行けば、必ず多くの奴隷達が居るはずだからだ。
 道中、智華は華織に作戦内容を告げた。
「今度は私が陽動するからね。流石に市民の数が多いと射線確保が面倒だし」
 装備を04-MV[P/MC]マルチロールアサルトウェポン【刹那】に持ち替える智華。
 この【刹那】は、銃剣のように銃身下部全体がブレードになっているため、近接戦闘も可能である。
 華織は姉の言葉に頷くと、持っていた妖刀『月華』を鞘に収めた。
「だったら、相手は雑兵だよね? 雑兵相手なら、手裏剣の方がいいカナ」
『ちょ待――ッ!』
「うるさい妖刀はしまっちゃおうネ? ……うん、静かになった」
「それ、喋るの? シホには声が聞こえなかったけど?」
 不思議そうに収められた妖刀を、浮遊しながら見詰めるシホ。
 そして、彼女も作戦を提示した。
「うーん、市民の人達を保護しないと戦いにくいよね。フェアリーランドに匿いたいところだけど、洗脳されている人を中で説得するのは時間がかかりそう」
 説得の間、シホの行動が制限されるのもネックだ。
 シホはしばし逡巡すると、なにかをハッと閃いたようだ。
「……なら強制的に分断しちゃおうか。2人はそのまま、昨作戦通りに。シホは救出する市民と黒騎士達の分断を試してみる! 先に行くね!」
「了解、シホさん。気を付けて」
「いってらっしゃーい、妖精さん!」
 紅葉姉妹の声を背に受けつつ、まずはシホが施設内へ侵入した。
「こういうとき、空が飛べるフェアリー種族は便利でいいよね!」
 施設の屋根を飛び越えれば、地上では奴隷達が棒を手で押してグルグルとひたすら周囲を回っていた。何というベタな仕打ち!
「お前ら、止まるな! お前たちの動力が、美味いワインを作るためにブドウを絞る圧搾機を動かしているんだ! それすなわち、隣の都市の領主様への捧げものを作るために貢献できているんだ! これほど光栄な仕事はないぞ!」
「「ありがたや! ありがたや! がんばるぞー!」」
 洗脳された市民達は、一心不乱に棒を押してグルグル回り続ける。
 更に地下にあるというワイン工場で、本当にブドウを絞っているかどうかも怪しいのに。
 シホはその惨状に目を細めた。
「もう見てられない! 輝石解放、ゴールド! おいでませ、妖精の城!」
 シホがユーベルコード『マイ・キャッスル』を発動させた瞬間、施設がまるごと金ピカのお城へ作り変わってしまった!
 異変に気が付いた黒騎士達が城から飛び出し、屋根の上を見上げた。
「敵襲! 敵襲だ!」
 黒騎士の伝令ラッパが鳴り響くと、続々とシホの足元へ馬に乗った黒騎士たちが集結してくる。
 だが、彼らに対空武装はなく、どんなに突撃槍の攻撃回数が増えたところで攻撃が届かず、彼らはただ地上で威嚇を繰り返すまでだ。
「ちょうどシホが囮になれば、あの2人も動きやすいかな? それじゃ、張り切って頑張るよ!」
 突如、シホのブーツに仕込んだマジカルガトリングが、地上の黒騎士達に向かって火を噴いた!
 炸裂する魔法弾が黒騎士達を木っ端微塵にすれば、逃げる黒騎士達はあっという間に袋小路へ追い込まれてしまう。
「馬鹿な! この道は行き止まりなんてなかったはず!」
「残念でした! シホのユーベルコードで、この周囲の区画もいじらせてもらっちゃいました!」
 馬で行動する敵を想定して、あちこちに袋小路を作成しておいたのだ。
 あとは、溜まった黒騎士達を、シホがルミナス・リングでスパスパと切り刻んでしまう。
 これを繰り返し、金色の城内の黒騎士を減らして、紅葉姉妹が哨戒しやすいように場を整えてゆく。

 一方、紅葉姉妹は金の城へ突入を開始。
「敵は攻撃回数を9倍にして殴ってくる。だったら――見えた」
 智華は物質の動きから未来を計算したかのように、突撃槍の殴打から身を翻して回避した。
 バックステップ中にトリガーを引き、銃口から十字の炎と光が瞬く!
 智華の撃ち込んだ銃弾は、黒騎士達の金属鎧を穿ち、急所を貫いて死に至らしめた。
 続け様に今度は前方に駆け出し、手近な黒騎士へ肉薄!
 鎧の隙間に銃下部のブレードを滑り込ませるように刺突すると、そのまま零距離で連続発砲!
 けたたましい金属音と火花が間近で飛び散れば、黒騎士は仰向けのまま吹っ飛んだ!
「まずは2つ! さあ来いお前ら。私を止めてみせろ!」
 智華の挑発に、黒騎士達はまんまと怒りを露わにした。
「小癪な! 頭数と手数で押し込め!」
「敵はたった1人だ! 殺せ!」
 突撃槍の連続殴打が智華を襲う!
 しかし、銃弾と斬撃の他に、時折交じる飛び道具に黒騎士達は悩まされた。
「あいつ、手裏剣も扱うのか!」
「あ、バレちゃいましたか」
 露骨に智華が気まずい表情を浮かべる。
 だが、この手裏剣は妹の華織が投げ付けているのだ。
 ユーベルコード赤枝流武術【射扇】は、華織の存在に気付いていない射程内の敵に対して、手裏剣などの飛び道具で攻撃するとほぼ確実に命中するのだ。
 そして、囮の智華がまるで自分が投擲しているかのように演技していたのだ。
 たちまち押し寄せる黒騎士達は、手裏剣で急所を撃ち抜かれて即死してしまった。
「うん、静かになった。さて、お姉ちゃん、次、行くよ――!」
「まって、華織。こっちこっち」
 智華が手招きする先には、大勢の奴隷達が牢の中で無気力に過ごしていた。
 2人は牢の鉄格子を破壊すると、事情を説明した。
「……というわけで、この場内の黒騎士全員を退治したら戻ってきますので」
「もう少し待っててネ? 全員ぶっ殺してくるから」
 奴隷達の安否を確認した紅葉姉妹は、今度は騎士の詰所を狙うことにした。
「――さぁ、て。次はどの騎士にしよっカナ? どれでも一緒か」
 手元で『炎蛇』『煌刃』『驟雨』を弄びながら、姉が詰所に入る瞬間を待ちわびる華織。
 そして、智華は詰所の扉を蹴破ると、容赦なく銃弾を詰所内にばらまいてゆく。
 硝煙の気焔が智華の気分を高揚させる。
「――さてと。次は誰が相手してくれるのかな?」
 智華はいつになく上機嫌で引き金を引いた。

 紅葉姉妹の強襲によって、奴隷達を虐げていた黒騎士達は全滅した。
 シホは城内に戻ると、奴隷達のケアを開始した。
「お願い! シホ達を信じて! この都市の上に、広い世界があるんだよっ!」
 その呼び掛けに困惑の色を見せる奴隷達。
 だが、シホはぞの体を聖なる光で輝かせると、彼らの態度は一変した。
「せ、聖者様だ!」
「聖者様が御降臨されたぞ!」
「実在したんだ、聖者様は!」
 ダークセイヴァー世界において、聖者はある種の奇跡の象徴だ。
 暗闇で覆われた世界を光で満たすため、聖者は生まれながらにして全身が光輝いているのだ。
「できればみんなに寄り添って、癒しになりたいな。シホの光はそのためのものだしね」
 シホはティーパーティセットを用意して人々の腹を満たし、シホの背後から溢れる虹の輪ことオーバー・ザ・レインボーが生まれながらの光をより輝かせる。
 光を浴びた奴隷達はたちまち元気になって、シホの言葉に耳を貸すようになったという。
成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

轟木・黒夢(サポート)
『私の出番?それじゃ全力で行くわよ。』
 強化人間のヴィジランテ×バトルゲーマー、18歳の女です。
 普段の口調は「素っ気ない(私、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、偉い人には「それなりに丁寧(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格はクールで、あまり感情の起伏は無いです。
戦闘では、格闘技メインで戦い、籠手状の武器を使う事が多いです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


雲母坂・絢瀬(サポート)
ややおっとりめ、マイペース系関西弁女子ね。
臨機応変な柔軟さがモットーなんよ。
スキルやUCは使い時にはしっかり使うていく方針。
【見切り】【残像】【敵を盾にする】【フェイント】で相手を撹乱しつつ、間合いを詰めてからの【なぎ払い】が基本戦術やろか。
後は相手を【体勢を崩す】【武器受け】からのUCとかやね。
ヒットアンドアウェイ大事やね。
たまには【挑発】してもええかも。
UCは基本的には多数相手に【雪払い】【剱神楽】、とどめには【千霞】【天狼】、牽制や巨大な敵相手には【白灼の殲刃】、無力化狙う時は【火光】【三弁天】【鬼薊】ってとこやね。まあ柔軟に、やわ。
基本お任せのアドリブ大歓迎でよろしゅうお願いします。


アス・ブリューゲルト(サポート)
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
いつもクールに、事件に参加する流れになります。
戦いや判定では、POWメインで、状況に応じてSPDの方がクリアしやすいと判断したら、そちらを使用します。
「隙を見せるとは……そこだ!」
UCも状況によって、使いやすいものを使う形です。
主に銃撃UCやヴァリアブル~を使う雰囲気です。剣術は相手が幽霊っぽい相手に使います。
他人の事は気にしない素振りを見せますが、基本、不器用なので、どう接したらいいのかわからない感じです。
ですが、合せるところは合せたり、守ってあげたりしています。
特に女性は家族の事もあり、守ってあげたい意欲が高いです。
※アドリブ・絡み大歓迎、18禁NG。


神楽坂・神楽(サポート)
「貴方が今回のターゲットですね」
「それでは、捕まえさせてもらいます♪」

格闘技で戦うUDCエージェントです。
身に纏った10層の覇気を活用し、調査や戦闘を行います。
研ぎ澄まされた一撃は、防具、肉体、魂といった外殻を無視し、敵の存在そのものを打ち砕きます(鎧無視攻撃)。
敵を倒せたならば、両手の刻印で分解・吸収します。

「このまま骸の海に還すだなんてもったいないですから」
「貴方の力、私が使ってあげます♪」


フルム・サーブル(サポート)
余裕があるときや敵に憐れみを感じる場合は基本通りの穏やかな口調
余裕がなかったり、敵がえげつなくて怒りを感じるような場合は
「敵には」の口調です

でもあまりキャラぶれは気にしないので
公序良俗に反しない限りは好きに扱ってください

技能は【力溜め】【怪力】【グラップル】【シールドバッシュ】【カウンター】など
セットされているもの(サバイバル用にばらつきがあります)
を活用し、小さい体で戦場を飛び回りながら
優雅(自称)な戦いをします
どうみてもそのスタイルは脳筋です

武器は鍵(バトルアックス)や杖(バールのようなもの)をメインに使いますが
選択されたユーベルコードによっては拳一つでの戦いも可能です


 主だった重要な施設に収容されていた奴隷や市民達は、先行していた猟兵達がすでに救出した。
 あとから乗り込んだサポート猟兵達は、地底都市内に未だ残っている市民の捜索と救出、並びに黒騎士達の掃討に動き出した。
「私の出番? それじゃ全力で行くわよ」
 轟木・黒夢(モノクローム・f18038)は淡々とした口調で地底都市西部を捜索中だ。
「人手が足りなすぎるわね。みんな、手伝ってくれるわよね?」
 轟木は手にしたAI搭載ゲーム機にコマンド入力すると、額に数字の『1』と刻まれた戦闘用ゲームキャラクター達が生成・出力される。その数、80人!
「索敵と市民の捜索をするわよ。急がないと、他の地底都市から援軍が来るかもしれないわ」
 彼女の言葉に同意を示したのは雲母坂・絢瀬(花散る刃・f23235)だ。
「せやなぁ。敵さん、こないな事になって救援を求めないわけないやろ」
 おっとりとした関西弁から繰り出された言葉は、オブリビオンの動向を的確に言い当てた。
「せやから、こっからは時間との勝負やな。手早くサクッと済ませて離脱せんと」
 雲母坂が目に付く民家を片っ端から扉を叩き、中にいる市民を説得しては避難させてゆく。
「ここにいたら、一生自由なんて実現せぇへんって。せやから今、地上へ避難すれば晴れて自由の身なんよ」
「そ、そんなことが本当に……! わかりました。すぐに支度をしましょう」
「おおきに。護衛は黒夢さんのゲームキャラが護衛してくれるんやて。これで安心やな?」
 市民をゲームキャラ達に引き渡した雲母坂は、轟木と合流して進捗状況を確認する。
「街の西部の居住区はこれですべて見回りました。あとは……」
「噂をすれば、やな?」
 2人の前に黒騎士達が列を成して現れた。
「おのれ賊め! この場で粛清してやるぞ! 総員、構え!」
「「応っ!」」
 騎士団が一斉に突撃槍を構え、その兜の奥の邪悪なる瞳が瞬いた。
 瞬間、突撃槍の殴打が9倍に跳ね上がり、目にも留まらぬ早業で2人を撲殺せんと突撃してきた。
 しかし、轟木のバトルキャラクター達が盾となって黒騎士達の猛攻を受け止め、別方向からの一斉攻撃が雪崩となって敵を飲み込む。
 次々と落馬をする黒騎士を、轟木の強烈なパンチが鎧内部へ衝撃を通して絶命に追い込んでいった。
 すかさず雲母坂も妖魔殺しの刀『蘇芳一文字』の鯉口を切ると、居合の構えで突撃を待ち構えた。
「無塵流……秘伝の陸『三弁天』」
 ユーベルコードの域まで高められた退魔剣術は、神速の三連撃を敵群へ放つ!
「ひいっ!」
 機動力を鈍らせる足への峰打ち居合が壱!
「ふぅ!」
 攻撃速度を鈍らせる腕への峰打ち居合が弍!
「みぃ!」
 判断力を鈍らせる脳天への峰打ち居合が参!
 そして、全て命中して前後不覚になった敵へ、雲母坂は大きく真横に振りかぶった。
「此れで、終い――!」
 最大膂力から放つ真一文字の大斬撃が、黒騎士達の鎧ごと胴体を切り裂いていった!

 ほぼ同時刻、地底都市の東部では、3人の猟兵達が黒騎士達と戦闘を繰り広げていた。
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
 銀の長い髪をなびかせるサイボーグ青年ことアス・ブリューゲルト(蒼銀の騎士・f13168)は、両足に内蔵されたサイボーグ用レッグウェポンで、突進してくる漆黒の馬の脛を蹴飛ばしてへし折ってみせた!
 馬は折れた足をかばいきれずに大転倒、騎乗していた黒騎士は全身を強く床に叩き付けて動かなくなってしまう。
「隙を見せるとは……そこだ!」
 アスがサングラス越しに騎士団を睨みつけると、自身のフォースが念力となって敵を空中に浮かべてしまう。
「な、何が起きているッ?」
「身体が動かない……!」
 念力で全身の自由を奪われた黒騎士達はパニック状態だ。
「さて、始めるとしよう。……貴様の最後の幕引きをな? フンッ!」
 アスは突き出した右手をグッと握り込むと、空中で浮かんでいた黒騎士達と馬が一瞬で1つの塊に圧縮されてしまった。
 その傍らで、神楽坂・神楽(UDCエージェント・f21330)は自身の得意とする気功を用いて、黒騎士達へワンインチパンチを繰り出す。
「鎧なんて無駄ですよ♪ それっ!」
「ガハッ!?」
 放たれた気功の一撃によって、黒騎士の肉体が鎧の中で爆散!
 絶命して崩れ落ちる黒騎士達を、神楽坂は両手の刻印で分解・吸収し始める。
「このまま骸の海に還すだなんてもったいないですから。貴方の力、私が使ってあげます♪」
 これにより、神楽坂はユーベルコートを使用するエネルギーを得ているのだ。
「それじゃ、残りはダイジェスト版で片付けちゃいましょう♪」
 神楽坂が言葉を発した刹那、一気に6体の黒騎士がその場から消滅!
 仲間の黒騎士達は、目の前で起きた現象に理解が追い付かない。
「どういうことだ! まるで時間が止まったかのように……」
「実際は超加速のたぐいなんですけどね?」
「ヒッ……!」
 いつの間にか神楽坂が自身の背後に立っているではないか。
 彼女のユーベルコード『時空操作Ⅲ』は両手で分解・吸収したオブリビオンの質と量に比例して、瞬間移動や時間加速の力を獲得し、戦闘能力を向上させる事ができるのだ。
 そのまま目の前の黒騎士を両手で分解・吸収した神楽坂は、次なる獲物を求めて残像を残しながら地底都市東部を駆け巡る。
「まずいぞ! このままでは全滅の憂き目に立たされてしまう!」
 黒騎士団の一部の部隊長は、近隣の地底都市まで退却するよう団員に命令した。
 しかし、その行く手を妖精さんが阻むのだった。
「こんな可愛らしい妖精さんを無視して何処へ行こうっていうのかい?」
 小さな妖精さんことフルム・サーブル(森林の妖精さん・f03354)は、ガッチガチのブリガンディを着込んだ屈強な戦士だった。
「お前のような妖精さんがいてたまるか!」
 黒騎士の部隊長が開口一番にツッコミを入れてしまうほど、フルムからは強者オーラが立ち上っていた。
 これにフルムはショックを受けたようで、敵から浴びせられた言葉を嘆いていた。
「それはあんまりだね? 自分はあくまでちっちゃくてかわいい妖精さんであり、森と花々を始めとする美しいものが大好きで、こんなにも儚い存在だというのに」
「その台詞を吐く妖精は、屈強な全身鎧を着込んだりはしないはずだが?」
「それこそ、見た目で判断するのは良くないと思うよ? 儚いからこそ、頑丈な鎧で身を守らないと」
「おまえ、さっきから矛盾してばっかだな!?」
 部隊長はフルムの言動に、いい加減に堪忍袋の尾が引きちぎれそうだ。
「もういい! 茶番には付き合いきれん! 総員! このままランスチャージで突破するぞ! 相手は小さい妖精1匹だけだ!」
「「応ォォッ!」」
 雄叫びとともに、黒馬の嘶きが地底都市に響く。
 そして、土煙を立てながら一斉にフルムへ槍を構えたまま突進してくる!
 これに対して、フルムはうんざりした様子で身構えた。
「はぁ……。これだけ言ってもまだ分かってくれないのかい? 仕方がないな、僕がどれだけ“儚い”か、実践で思い知らせないといけないね」
 フルムは徒手空拳のまま、腰を低く落として呼吸を整える。深く息を吸い、丹田に力を溜め込み、息を止めた。
 騎馬隊の突撃まで、あと3秒!
「これなら如何かな? 妖精さんパーンチ!」
 それは数瞬の出来事だった。
 フルムの突き出した渾身の正拳突きは、突っ込んできた黒馬の頭部を一瞬で肉塊に変え、拳圧は黒騎士の着込んだ鎧をたやすく破砕させ、内部の肉体と骨格はいとも簡単にえげつないほど圧潰させ周囲へ飛び散らせてしまった。
 そして、あとから聞こえる衝撃音。
 拳が音を置き去りにし、半径30cmの物体をコンマ1秒ですべて粉砕せしめてしまったのだ!
 傍らから見たら、フルムの目の前で突然、突っ込んできた黒騎士達が爆発四散したようにしか見えないだろう。
「……ほらね? 僕が“何かをする前に”みんな消えちゃうんだ。なんて僕は儚い存在なんだろう……」
 フルムは自身の存在の罪深さを思い知って悔やむが、実際は恐るべき腕力があらゆる物体を視認できないレベルの速度で破壊してしまっただけである。
 脳筋なんて称号はおこがましい。
 フルムは――ただの破壊神であった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴


第3章 日常 『猟兵、語り部になる』

POW懇々と語る
SPD朗々と語る
WIZ粛々と語る
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 かくして、地底都市は壊滅した。
 猟兵達は地上へ向かう道中、市民達へ『地上とはどんな場所か』と尋ねられた。
 自生するヒカリゴケが明滅する洞窟を無言で延々と歩くだけでは精神が参ってしまうし、彼らはそもそも、自分達の住む都市の上に誰かが住んでいるなんて考えたこともなかったのだ。期待と不安が入り交じるのは当然だろう。
 猟兵達は気晴らしに、地上での生活や風習、文化などの『楽しいこと』を市民達へ語り始めた。願わくば、のちの彼らの生活の役に立つように。
七那原・望
どんな場所か、ですか……
難しい質問なのです。なるべく不安を取り除くような事を教えたいですけど、地上といえどダークセイヴァーですからね……

地上には色んな花が咲いてるのです。
可愛い花から綺麗な花まで、見ているだけで楽しいのですよ。
それに、花から取れる種を植えれば自分で花を栽培する事もできるのです。
自分で育てた花は他の花よりも可愛く見えるはずです。

花と言えば、お誕生日ですね。
地上も裕福ではないですから、そこまで盛大には出来ないですけど、1年に一度、その日に生まれた人に祝福をして、その日に生んでくれた人に感謝をする文化があるのです。
思いを込めた花束は大事な人へのお誕生日プレゼントにピッタリなのです。


シホ・イオア
歩き疲れた人はシホのフェアリーランドに入ってね。
シホが運んであげる。
中でお茶会とかしててもいいよ。

地上かー。
夜と闇に覆われているけど地底よりは明るいよ。
風もふくし雨も降る。地底よりも変化が多いんじゃないかな。
食べ物も今よりは増えると思うよ。

とにかく気分を明るくするために
悪戯っぽく頭にのせてもらってお話したり
歌を歌ったり光りながら飛び回ったり
悲しみを慰めたり、と色々やる。


箒星・仄々
地上も決してバラ色ではありませんが
ドンザキアの皆さんと力を合わせ
よりよい未来を創り上げていけると信じます

そして私達猟兵がそのお手伝いをさせていただきます
この地の暗黒をいつか必ず晴らします


文化と言えば音楽
チェンバロさんの邪なそれではなく
楽しく心躍るもの
心を奮い立たせたり癒すもの

童謡や歌謡曲など奏で歌い披露し
そして共に歌います

これからの世界に胸踊らせる道行きのエールとして
そしてこれからの生活の心の糧になることを願って

…考えてみると
ドンザキアの皆さんにとっても
歌は大切かも知れません

歌うことでで心を一つにし
吸血鬼へ抗じて
よりよい未来へ歩み続けていく為に
ドンザキアの町歌(?)とかあるといいかもです


 地底都市から出発して、どれほど経ったであろうか。
 まだまだ地上まの道程は長く、人工的に掘られた地下通路を延々とヒカリゴケが照らす。市民達にも疲労の色が見えた頃、猟兵達はようやくドンザキアの使者達と合流した。
「お待ちしておりました。ここからは私達が地表までご案内しましょう」
 地底以外で初めて人間を見た市民達は、本当に地上が存在することに驚いた。
 だが、流石に長い間歩き続けたため、一度休憩を挟む必要がある。
 やむなく、猟兵達はヒカリゴケが群生する大空洞で小休止をすることになった。
「歩き疲れた人はシホのフェアリーランドに入ってね。シホが運んであげる。中でお茶会とかしててもいいよ」
 シホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)は、市民達を小さな壺に触れさせて中に吸い込んでゆく。壺の中はユーベルコード製のフェアリーランドになっており、シホいわくお茶会のための飲食物が用意されているそうだ。
 地底都市では粗末な食事しか経験したことない市民にとって、シホの誘いは非常に魅力的だった。しかもいつでも出られるため、勇気を出して中を探索した青年が、興奮気味に飛び出してまくし立てた。
「すごかった! 美味そうな食べ物や綺麗な景色ばっかりだ!」
 彼の言動に、市民達の多くは自ら進んで壺の中へ吸い込まれてゆく。
 特にお年寄りや病気を患っている市民は優先的に収容されていった。
 残ったのは、比較的体力に余裕があり、総じて好奇心旺盛の若い男女達。
 みな、猟兵の言う地上という場所がどんな場所なのか、知りたくて仕方がない様子。
「地上には何があるのかしら? どんな場所?」
 少女の質問に、七那原・望(封印されし果実・f04836)が答えた。
「どんな場所か、ですか……。難しい質問なのです」
 封印された目元のおかげで表情は読み取りづらいが、七那原は内心困惑していた。
(なるべく不安を取り除くような事を教えたいですけど、地上といえどダークセイヴァーですからね……)
 人類砦が誕生したとはいえ、地上は未だヴァンパイア達の支配下だ。
 更には異端の神々も存在しており、それらの襲撃に人類砦は日々晒されている。
 正直、地上も完全に安全とはまだまだ言い難い状況である。
「地上かー。夜と闇に覆われているけど地底よりは明るいよ」
 そんな考え込む七那原に代わって、シホが少女に返答した。
「風も吹くし雨も降る。地底よりも変化が多いんじゃないかな。食べ物も今よりは増えると思うよ」
「風に、雨? それは何かしら?」
「あ、そっか。そもそも、風と雨を知らないのかぁ……えーっと、改めて説明すると難しいね……。まず風っていうのは――」
 シホは風と雨の根本的な質問に四苦八苦しながら少女へ伝えた。
「……というのが、風と雨、つまり気候ってことなんだけど」
「ち、地上って変化が目まぐるしいのね……」
 気候ひとつにとっても、地底で暮らしていた少女にとっては衝撃の事実たったようだ。
 そこへ、考え込んでいた七那原も少女の質問に答えた。
「地上には色んな花が咲いてるのです。可愛い花から綺麗な花まで、見ているだけで楽しいのですよ」
「花? それってヒカリゴケとは違うのかしら?」
「いいえ、全く別なのです。花は赤、白、黄色、ピンクなどさまざまな色があるのです。葉っぱは緑色で、大小さまざまな形をしていますよ。ああ、花は木にも咲きますね。桜の花や梅の花に桃の花、ハクモクレンにキンセンカ、アカシヤからは蜜も取れちゃうのですよ」
 七那原の回答に、少女は信じられないと言わんばかりに口をあんぐり開けていた。
 ヒカリゴケはただ光るだけで、色彩など皆無。少女にとっての植物といえば、ヒカリゴケとキノコの類だけだったのだから、もはや少女の想像の域を軽く超えてしまっていた。
「それに、花から取れる種を植えれば自分で花を栽培する事もできるのです。自分で育てた花は他の花よりも可愛く見えるはずです」
「すごい! 私、やってみたいわ!」
「ドンザキアの方々に頼めば、種を分けてくださるはずなのです」
 七那原の言葉に、先導する人類砦の使者が無言で頷いてみせた。
 そういえば、と七那原は言葉を継ぐ。
「花と言えば、お誕生日ですね。地上も裕福ではないですから、そこまで盛大には出来ないですけど、年に一度、その日に生まれた人に祝福をして、その日に生んでくれた人に感謝をする文化があるのです。思いを込めた花束は、大事な人へのお誕生日プレゼントにピッタリなのです」
「素敵ね……! 私、はやく地上に出て、花を見てみたいわ!」
「楽しみが増えてよかったですー」
 瞳を輝かせる少女の反応に、七那原の口元が優しく綻んだ。
「文化、ですか。花以外にも、地底と地上は文化の違いが大きそうですね」
 箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は、おもむろにカッツェンリート(ねこのうた)と呼称する蒸気機関式竪琴の弦を爪弾いた。
「文化と言えば音楽ですね。本来、音楽とは門番だったチェンバロさんの邪なそれではなく、楽しく心躍るもの。そして心を奮い立たせたり癒すものです」
「そういや、あんたは街中で演奏したり歌っていたよな……」
 利発そうな青年が箒星に声を掛けた。
「確かに、門番のピアノの音色は、俺達からしたら処刑の合図でしかなかった。自ら楽器を手にしたり、ましてや歌おうだなんていう気力さえ湧かなかった」
「さぞ辛い日々を送られたことでしょう。心中お察し致します」
 箒星は青男へ向けて軽く会釈をして目を閉じた。
 それは、市民達の今までの苦しみに対して理解を示そうという、箒星なりの言動であった。
 竪琴の音色が音階を形成し、複数のコードを循環させたメロディへ発展してゆく。
 そのメロディは、地上で暮らす者ならば誰もが知っている童謡であった。
「皆様の疲れた心と体、私の歌と演奏で是非、癒やして差し上げたいのですが、如何でしょうか?」
「それなら、わたしも歌ってみたいのですー」
 七那原も箒星同様シンフォニアだ。
 実際、彼女の歌声はユーベルコードの域に達しており、様々な事象を引き起こすことができる奇跡の歌声である。
「だったら、シホも歌うよ! みんなを元気にするためなら頑張っちゃうからね!」
 青年の頭の上にちょこんと腰掛けたシホは、聖者特有の輝きを全身から放ちながら歌声を紡ぎ始めた。
「LaLaLa~LaLaLa~♪ WowWowWow♪ WowWowWow♪」
 シホの歌声に七那原のコーラスが加わる。その瞬間、ユーベルコード『愛唱・希望の果実(コーラス・オブ・デザイア)』が彼女の歌声となって大空洞に反響する。
「La~♪ La la la~♪ La la la la la~♪」
 透き通った高音域は、まさしく天使の歌声。実際七那原はオラトリオであるので、これは正真正銘の天使の歌声だと断言できる。ここに箒星の軽快なアルペジオから繰り出される叙情的なメロディと力強い歌声が加わると、火・水・風の魔力が空中で花火めいた大輪の菊の花を次々と咲かせていった。
 降り注ぐ三原色魔力が市民達の頭上に降りかかると、不思議と彼らの疲労感が吹き飛んでゆくではないか。
 七那原のユーベルコードは猟兵のユーベルコードを一時的に進化させる効果を持っているため、箒星のユーベルコード『シンフォニック・キュア』が強化されたのだ。
「う~ん、これはシホまで元気になっちゃう! 今なら空中錐揉み三回転飛行だって出来ちゃうよっ! それ!」
 元気よく大空洞の天井までシホは上昇すると、そのままグルグル回転しながら急降下!
 そのアクロバティックな飛行は、フェアリーとは思えないほどの豪快さ。
 見る者の目をたちまちに釘付けにしたシホは、音楽に合わせて光の尾を曳きながら元気に飛び続けた。
 猟兵たちのパフォーマンスに、市民達からは惜しみない拍手が送られる。
 と、ここで箒星から、ドンザキアの使者へ提案があると申し出があった。
「……考えてみると、ドンザキアの皆さんにとっても歌は大切かも知れません。歌うことでで心を一つにし、吸血鬼へ抗じて、よりよい未来へ歩み続けていく為にも。是非、ドンザキアの歌とかあるといいかもです」
「なるほど……。それは名案ですね。みなの心の拠り所になるような、素敵な歌を作りたいものです」
 使者の言葉に、市民達も賛成の意を表した。
「黒猫さんの音楽を聞いていたら、あたしも楽器が弾きたくなってきたんだけど……」
「オレ、地上に出たら歌ってみたい! 小さな聖者様や天使様のように、みんなを元気付ける歌を歌うんだ!」
「街を花で満たしたらキレイだろうなぁ」
「地上って、案外悪くないのかもな?」
 猟兵達の働きかけにより、市民達は地上への不安はすっかり取り除かれたようだ。
「これからの世界に胸踊らせる道行きのエールとして、そしてこれからの生活の心の糧になることを願って」
 ポロロン、と箒星は弦を弾く。
「よろしければ、もう一曲、如何ですか?」
 箒星の提案に、市民達はもちろん、七那原とシホも笑顔で頷いた。

 こうして、無事に地上へ脱出した猟兵達と市民達。
 猟兵達は、人類砦ドンザキアに迎い入れられた彼らの新たな生活を守ると誓う。
 いつか、この世界の地下に巣食う、真の巨悪を見付け出すその日まで、猟兵達の戦いは続く。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年09月21日
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵