6
車線上の怪異

#UDCアース #感染型UDC

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#UDCアース
🔒
#感染型UDC


0





「おいゴルァ!! 危ねえじゃねえか――」

 国道の外れ。畑に囲まれた道路で車を走らせていた男性は、車を急停車させた直後に怒号を響かせた。

 夜更けの道路上に人影が飛び出してきたことで、男性はひどく肝を冷やした。

 車のヘッドライトに照らされたのは、目の前に飛び出してきた女性の姿。女性は運転手の男性に対してなぜか微笑みかけると――。

「ぎゃあああああああああ!!」

 女性はその細い両腕でフロント部分をつかみ、車体を持ち上げた。

 笑みを絶やさない女性は、フロント部分を歪ませるほどの力を見せ、男性が乗った車を軽々と畑の上へ放り投げた。


「男性はその女性の存在を警察の方々に訴えたのですが、信じてはもらえなかったようです」

 ノア・ローズタレット(ローズマリーの誓願・f02701)は、UDCに襲われた末に逃げ延びた若い男性について、一通り説明した。

 それこそが新種『感染型UDC』の狙いであるとノアは語る。

 人々がUDCの噂を共有することで発生する精神エネルギー。感染型UDCは、それを糧にすることで配下のUDCを無数に増殖させることができる。手を打たなければ、次の大量発生は世界規模の数になる恐れがある。

 ノアは第1発見者である男性にも被害が及ぶことを把握し、グリモアベースに招集された猟兵たちに協力を求めた。

「まずは、第1発見者である男性の周囲に発生するUDCを掃討してください。その後、男性から初めに接触したUDCとの遭遇場所を聞き出し、そこへ向かってください。そこに首魁のUDCがいるはずです」

 目指すUDCの行く手は、怪奇現象によって変貌した空間が待ち構えているはずだと、ノアは猟兵らに警戒を促した。


夏雨
 感染型UDCの大量発生を食い止めましょう。

●全体の流れまとめ
●1章
 UDCが男性の前に現れた直後に駆けつけることができます。
 UDC配下たち×15体を倒しましょう。

●2章
 ただの田舎の道路が怪奇現象により変貌している。異空間を攻略して先へと進みましょう。

●3章
 (オープニング画像の)女性型サイボーグ、セリアナとの対決になります。

 個性豊かな猟兵の皆さんの参加をお待ちしています。
21




第1章 集団戦 『ヒトガタクライ』

POW   :    あれもおいしそう
【口から人形の手足を離す事】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【対象を噛み砕く為の鋭い牙】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    とおぼえオルゴール
対象のユーベルコードに対し【オルゴール音の混ざった歪な遠吠え】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
WIZ   :    ごりごりがりがり
戦闘中に食べた【人形の手足】の量と質に応じて【全身が錆に覆われ】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 謎の怪力女性に車ごと襲われて以来、男性はいつも通勤のために通っていた道を避けるようになった。

 夕方も過ぎ、日も落ちた帰宅途中の道路。
 例の遭遇場所、その付近のスクラップ置き場を遠目に眺めながら、男性は交差点の信号機に従って車を停めた。その瞬間、車の前を影が横切り、男性の表情は一気に青ざめる。

 人通りの少ない場所で、信号待ちをしているのは男性の車1台のみだった。男性はしばらく固まっていたが、気のせいかと思いかけた直後のこと――。

 ――ウゥ…ヴ…ゥ。

 奇妙なうめき声が聞こえると同時に、四方からの圧力を受けて車体が揺れ始める。

 双頭の異様な姿で、幾つもの犬の頭が車の窓ガラスに押し付けられる。一様にマネキンのような手足をかじりながら、化物の視線は車内の男性に釘付けになっていた。

 男性は逃げ場を失い、ひたすら絶叫することしかできずにいた。
鵜飼・章(サポート)
僕は鵜飼章…旅人だ
何かの縁でここにやってきて
状況は大体解っている
だからさりげなくその場に溶けこみ
依頼をいい感じに進める行動言動をするよ
シリアスでもギャグでも皆に合わせます

可能さ…そう
UC【空気を読む】があればね
(読めない時もあるよ)

僕にできる事は技能一覧を見てほしいな
これ以外の事は大体できないと思ってくれて構わない
特に苦手なのは労働と力仕事だよ
できないからやらないとは言ってない
装備アイテムを使えば割とどうにかなる
きみが僕をなんとかするんだ

困っているきみ…
この依頼心情系ですか?
全部捏造でいいんじゃないかな
描写された内容が真実とは限らない…
僕、謎なので

つまり全部お任せだよ
アドリブアレンジ大歓迎です



 ガリガリ、ゴリゴリ――。

 一様に等身大の人形の手足をかじり続ける異形のUDCたち。牙がこすれる音に混じって、車内の男の絶叫が漏れ聞こえてくる。

 車を揺らし続けていた一群だったが、その注意を引きつける存在が現れる。

 くわえていた人形の手足に次々と突き刺さったのは、医療用のメスやハサミ。

「さぁ、おいで――」

 UDCのブリキのように鈍い光を帯びた目が、そうつぶやいた鵜飼・章の姿を捉えた。

「――もっと面白い遊びをしよう」

 くわえていた人形の部品をゴトゴトと落とす複数のUDCは、章に向けて踏み出す。

 数体が章を瞬時に取り囲もうと動くと、黒いマントを翻した章は、メスやハサミを鋭く放った。

「ギャンッ!?」

 その体に刃を突き立てられ、UDCからは連続して悲鳴があがった。
 UDCは章の早業によって怯み、目の前の1体は人形の足を取り落とす。章はわずかな間に行動を起こし、地面についた人形の足を蹴り上げようと構えていた。章によって蹴り飛ばされた足は1体の顔面に直撃し、その拍子に章は包囲を掻い潜る。

 流れるような動きで牙をむくUDCらをかわし、章は再度武器を放とうと身構えた。しかし、放たれた直後のメスやハサミはUDCの能力によってはね返される。

 金属板を弾くオルゴールのような歪んだ音と共に、UDCの遠吠えが響き渡る。ユーベルコードを相殺しつつ、UDCの1体は章へと迫る。

 1体が章の喉元に食らいつこうとしたが、次の瞬間にその体は切れ味鋭いメスの餌食となった。頭だけが転がり落ちる間にも、別のUDCが章を狙う。

 わずかな差で襲いかかるUDCを制する章は、その鼻先目掛けてハサミを突き放った。UDCのアゴを貫通させたハサミごと地面に突き立て、章は荒々しくとどめを刺した。

 章の双眸はより冷徹さを増し、

「――一緒に壊れるまで遊ぼうか」

 対峙するUDCらを揺るぎない殺意で圧倒した。

成功 🔵​🔵​🔴​

スピレイル・ナトゥア(サポート)
精霊を信仰する部族の巫女姫です
好奇心旺盛な性格で、世界をオブリビオンのいない平和な状態に戻して、楽しく旅をするために戦っています
自分の生命を危険に晒してでも、被害者の方々の生命を救おうとします
技能は【第六感】と【援護射撃】と【オーラ防御】を主に使用します
精霊印の突撃銃を武器に、弾幕を張ったり、味方を援護したりする専用スタイルです(前衛はみなさんに任せました!)
情報収集や交渉のときには、自前の猫耳をふりふり揺らして【誘惑】を
接近戦の場合は精霊の護身用ナイフで【捨て身の一撃】を繰り出します
マスター様ごとの描写の違いを楽しみにしている改造巫女服娘なので、ぜひサポート参加させてくださると嬉しいです!



 UDCらは乱された陣容を立て直し、再度猟兵らを取り囲もうと動き出す。そこへスピレイル・ナトゥアの銃が火を吹き、UDCらに向けて弾丸の雨を撃ち込んだ。

 アサルトライフル型の武器を駆使するスピレイルは引き金を引き続け、弾幕を張ることでUDCらを翻弄した。

 すばやく立ち回るUDCの1体は、停車したままの男性の車付近に駆け出す。スピレイルはその1体を追撃しかけたが、射線上に車があることで撃つのを中断した。それを見通していたかのように、車に駆け上がった1体は瞬時にスピレイルへと飛びかかった。

 接近戦を制しようとするスピレイルの右手には、ナイフが握られていた。スピレイルはそのナイフの一刀で対象を斬り伏せ、更に車の影から飛び出す1体からすばやく距離を取った。ためらうことなく飛びかかったもう1体は、スピレイルの鮮やかなナイフさばきによって仕留められる。

 力の差を見せつけるスピレイルだったが、UDCの攻勢が緩むことはない。スピレイルの隙をついて襲いかかろうとした瞬間、その目の前を揺らめく炎が照らす。

 UDCの動きに一瞬目を見張ったスピレイルは、反射的にその場に炎の精霊を召喚した。複数の火の玉がスピレイルの周囲に揺らめき出すと、

「ふぅ……驚かせないでください」

 スピレイルは嘆息しつつも、UDCの1体に精霊の力によって延焼が広がっていく様を冷然と眺めていた。

 必死に地面を転がる1体は炎に全身を包まれ、わずかな間に黒炭と化した。

 宙に浮かぶ火の玉、複数の炎の精霊は、UDCとスピレイルの間を隔てるように揺らめいて対抗する。

 スピレイルはUDCらに銃口を向けつつ、徹底的に応戦する意志を示した。

「用があるのはあなたたちの親玉です。邪魔をするなら、ここで灰になってもらいましょう」

成功 🔵​🔵​🔴​

九十九折・在か
☆性格
強い=偉いの考えのもと
自身の力を示して対象との上下関係を測る
オブリビオンは猟兵が守る民間人に手を出す邪悪として扱う


☆戦闘
警戒:WIZ
可能なら敵の口部を狙って攻撃
人形の手足を叩き落す

敵が他の猟兵へ気を取られている隙を狙い
車の周囲に残る敵へ接近・襲撃
初手は散弾銃
車に当てぬよう留意しつつ
車が逃げやすいようフロント部にいる敵を吹き飛ばす
「よう、駄犬共!私と遊ぼうぜ?しへへ」
接近してきた敵はバス停による【気絶攻撃】
応戦しつつ車から敵を引き剥がす為、移動を試みる


敵をある程度引き付けたらUC使用
変身後は蹄で踏み潰したり、角を振り下ろして粉砕したり
豪快に暴れる


改変・アドリブ大歓迎です



 猟兵らの攻撃に圧倒されながらも、UDCは戦況を巻き返そうとする。その1体が、隙を突いて車体の影から襲いかかろうとする動きを見せた。しかし、銃声が響くと共に、わずかに体を覗かせていたUDCの頭は吹き飛ばされる。

 銃撃の音でパニックを起こした男性は、発進させた車をそばの電柱にぶつけて停車させた。

「しへへ……まあ、いいや」

 九十九折・在かは停車した車を見てそうつぶやいたが、とにかく車からUDCらの注意をそらそうと声をあげた。

「よう、駄犬共! 私と遊ぼうぜ? しへへ」

 『極楽』という文字がかすれたバス停を槍のように持ち、片手には散弾銃を構えた在かは、鋭く伸びた歯をむき出し、不敵な笑みを浮かべていた。

 在かはUDCがくわえている人形の手足を狙い、次々と撃ち落としていく。敵の注意を自身に向けるため、絶え間なく攻撃を繰り返していると、UDCらは唸り声をあげて在かを注視し始める。

 怒りを露わにした様子のUDCは、在かを集中的に狙って突撃していく。

 在かはバス停を武器として軽々と振り回し、UDCらを寄せ付けない。鋭く尖ったバス停の根本部分を槍のように利用し、UDCの1体を突き飛ばすと同時に葬ってみせた。

 在かを追い詰めようと立ち回るUDCの動きは活発になるが、在かは怯むどころか更に口角をあげた。

 攻勢を強めるUDCに対し、

「えらくてつよいオウジャの姿、見せたげる!」

 その言葉の直後に、在かの周囲には激しく紫電と煙が巻き起こる。白煙の向こうで在かのシルエットが不自然に膨張したかと思えば、踏み鳴らす蹄の音が響く。

 在かは、巨大な角を持つヘラジカの姿へと変身を遂げていた。4メートルは超えるであろうヘラジカの在かは、その姿でUDCらを蹂躙していく。巨大な角で相手の体を突き飛ばし、蹄で相手を踏み潰そうと暴れ回る在かによって、戦闘は混迷を極めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユキメ・サリディア
あらら、大変なことになってるねー
とにかく男性の安全を確保しなきゃね

選択UCで数体の人形を車に張り付かせに行かせよう
結果術とオーラ防御で護らせるね

残りの人形はUDCへの対処
人形、一発で消えちゃうけど……
結界術+オーラ防御で多少は耐えられる、かな?

UDCへ邪魔するように纏わりつかせて、その間に妖刀の啼蟲で呪詛による毒使いで斬り付けて侵食
恐怖を与えてやりましょうかね


ハルピュイア・フォスター(サポート)
絶望を与えるのがわたしの仕事…。
無表情で口調は事実を淡々と告げます

【暗殺】が得意です
また【迷彩】【目立たない】【闇に紛れる】【地形の利用】など使用して隠密にまた撹乱しながらサポート行動

回避は【残像】で、怪我は厭わず積極的に行動

武器;首にマフラーの様に巻いてある武器『零刀(未完)』は基本は両手ナイフだが鞭や大鎌など状況に合わせて形を変貌させ使用

他猟兵に迷惑をかける行為はしないが、デザート系は別問題…奪います

後はおまかせでよろしくおねがいします



「あらら、大変なことになってるねー」

 ユキメ・サリディアは状況を把握しつつ、車内で震えるばかりの男性の安全を確保しようと動く。

 ユキメは何百という数の小型の依代人形を召喚し、一部の人形たちを車の下へ向かわせた。人形たちは車を守るようにその周囲を囲み、結界術を張ることで守りを固めた。

 更にユキメは無数の人形たちを操り、残るUDCらのせん滅に乗り出す。

「絶望を与えるのが私の仕事……」

 ハルピュイア・フォスターは、首に巻いた真っ赤なストールをなびかせて、

「――ここで消してあげる」

 己の役目を果たそうと、淡々と戦闘行動を開始した。

 ハルピュイアの特殊なストールは2本のナイフに変化し、ハルピュイアは両手のナイフでUDCらを駆逐しようと斬りかかった。人形たちを操るユキメも加勢し、群れを成して襲い来る人形に加え、ハルピュイアは残像を見せるほどの速さで相手を翻弄する。

 ごりごり、ガリガリ、バリッ――。

 戦闘が激しさを増す中で、UDCが何かを噛み砕く音が一層辺りに響いた。
 2体のUDCの異変が2人の目に止まる。ボロボロと剥がれ落ちていく皮膚の下はサビに覆われ、異様な姿へと変貌していく。血走った両眼と唸り声がより増した凶暴性を物語り、獲物である猟兵らへ襲いかかる。

 瞬時に身をそらしたハルピュイアは目の前へと迫ったUDCの横面を斬りつけた。しかし、飛び退いた直後のハルピュイアの片足を、もう1体の鋭い牙が捕える。激痛に襲われたのも束の間、ハルピュイアに噛み付いたUDCは、ユキメの妖刀によって首元から寸断された。

 ハルピュイアと目配せし合ったユキメは、妖刀の刃を翻すと、

「じゃあ、そろそろ仕上げだよ」

 まとわりつく人形を蹴散らしつつ、最後の1体になるまで足掻くUDC。ハルピュイアは羽根型の投げナイフを連続で放ち、UDCの注意を自身へ向けさせた。UDCがハルピュイアの攻撃に気を削がれた瞬間、ユキメの妖刀が閃く。

 確実に相手を葬ろうとするユキメの刃は、UDCの体を一刀両断してみせた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 冒険 『フロントライン・ハイウェイズ』

POW   :    力こそパワー!火力に物を言わせて車両もろともブッ倒す

SPD   :    速さこそ正義!車両の合間を素早く進み、死角から倒す

WIZ   :    知力こそ最強!乗り捨てられた車両や敵の装備を利用して倒す

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ひとまずUDCを駆逐した猟兵らは、調査を続けた。

 ひとり車内で縮み上がっていた男性からUDCの女性の目撃場所を聞き出す。すると、男性は交差点から遠目に見えるヤード、スクラップ置き場を指し示した。スクラップ置き場の付近で、例の女性に遭遇したと男性は語った。

 猟兵らはその情報を頼りに、道路沿いのスクラップ置き場を目指した。歩いて向かえる距離にその場所はあったが、次第に濃い霧が立ち込め始める。不自然に発生した霧は、あっという間に周囲の景色を覆っていく。

 濃霧が少し晴れたかと思えば、明らかに景色が変わっていた。猟兵らは高速道路のど真ん中にいたのだ。そして間もなくして、何かの走行音が近づいてくる。それは猛スピードで迫る大型トラックの音で、無限に続くように思われる数が道路を走り、霧を抜けてやって来る。

 トラックが道路を埋め尽くし、猟兵らの進路を阻むように絶え間なく走行を続けている。

 殺人的なスピードのトラックに加え、トラックには機械兵器が搭載されている。近づく者に反応し、銃撃などを行うことが確認できる。

 走行してくるトラックとは逆方向にスクラップ置き場があるはず。この怪異を切り抜け、霧を越えた先にUDCの首魁が待ち受けている――。
ユキメ・サリディア
うわっ! 危ない!
これじゃあ先に進めないよ……

さてどうしまようかね~
って辺りをきょろきょろ
見つかるのは乗り捨てられてる車両
……これ、使えるかな?
って、言っても私は免許持ってないし、持てないから運転できないけど
じゃあどうするって?
人形に動かしてもらおー
一台につき20体くらい付ければ進ませるだけならできるんじゃない?
複数台で暴走トラックに突っ込ませちゃうよ!
足を止められたのなら、今度はトラックの武装に張り付かせてドカドカ撃ってもらおうかな
他に暴走してくるトラックにも同じように突っ込ませて道を無理矢理作っていってみるよ



「うわっ! 危ない!」

 ユキメ・サリディアはすぐ脇の非常駐車帯へ飛び込んだ。

「これじゃあ先に進めないよ……」

 道路に沿って猛スピードで走行する大型トラックの車列。トラックは駐車帯まで侵入することはないが、そこから抜け出すことも進むことも容易ではない。それほどまでにトラックが二車線を埋め尽くしている。

 ユキメは打開策を練りながら駐車帯の周囲を見回した。駐車帯の隅には、廃車寸前の乗り捨てられたトラックがあった。

「……これ、使えるかな?」

 運転ができる訳ではないが、ユキメにはある考えがあった。

「お人形さん、行って!」

 ユキメが召喚し操る依代人形たちは、駐車帯のトラックを大勢で持ち上げ、道路を走るトラックの横腹へと突っ込ませた。衝突させた反動によって弾き飛ばされる車体と共に、人形たちも消滅する。激しくぶつかあり合った車体同士で多くのトラックを巻き込み、玉突き事故のような状態になって続々と停車していく。

 ユキメは、トラックが輸送しているコンテナの上へと登った。平坦なコンテナの上を進もうとするユキメだったが、すべてのトラックのコンテナの淵には砲台兵器が搭載され、無数の砲身が一様にユキメへと向けられた。

 ユキメは顔色を変えることなく、冷静に砲台からの攻撃に対処する。すべての砲撃をかわす構えで走り出したユキメは、砲身を斬り落としてはコンテナからコンテナへと飛び移り、敢然と道路の先へと進んでいく。

 絶えずユキメへの砲撃は続くが、ユキメが召喚した何百という人形たちも身代わりとなる。砲台は動くものすべてに反応するようで、ユキメの周囲を固める人形に反応しては、目まぐるしく砲身を動かす。

 車列の切れ目がよく見えるほどに、駐車帯からしばらく離れた位置まで進んだユキメ。背後を振り返れば、その倍の数はあったはずの車両は、4台だけになっていた。コンテナを伝って駐車帯まで戻ることは無理な状況だ。そして濃い霧の向こうから、またもトラックの車列が現れ向かってくる。

 飛び移るトラックがない場所まで進んだユキメは、やはり簡単には進めないことを思い知る。そう考えつつもユキメは人形を操り、次に衝突させるトラックを前方へと運ばせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シアン・ナアン
『まずは自分を壊しちゃお!世界もどーせ壊れてるから!』
『自由こそ真の秩序……』
『シアン難しい話わかんなーい☆』

◆口調
コロコロ変わり、ぐちゃぐちゃである

◆行動
戦闘、遊び、調査等何をするにも分身を使って活動する
分身も意識があり区別がつかない
死に対して一家言ある
行動指針に一貫性がなく都度変わる

爆発物好き、派手好き

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、怪我や死ぬことも厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為は多分しません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動は恐らくしません。
 つまりはだいたいおまかせ。よろしくおねがいします!!



 ユキメにならって、シアン・ナアンはコンテナの上から向かい来るトラックの車列を確認した。

「そこまで難しくなさそうだね☆」

 その一言に続いて、シアンは自身にそっくりの分身を複数体生み出す。

「ぜーんぶぶっ壊しちゃえばいいんだよォ!!!!」

 号令となるシアンの一言と共に、5体の分身はトラックの目の前へと踊り出た。

 シアンの分身たちは無防備な状態に見えたが、間近に迫ったトラックとの間に、前触れもなく爆発を引き起こした。連続で自爆した分身たちは、先頭のトラックの運転席部分を吹き飛ばし、前輪を破裂させた。そこでまたも玉突き状態に陥った光景が広がる。

 爆発の衝撃で走行不能となった先頭車両によってせき止められ、トラックは行き場を失った。

 強制的に停車させたトラックのコンテナの上を進もうとするシアンだったが、コンテナに備え付けられた武装兵器は機能を保っていた。

 シアンは自身の武器であるサブマシンガンで兵器を破壊しようとするが、

「ええーい、めんどくさいっ!! ――」

 無数の砲身によって銃撃に晒される中、シアンは再度分身を生み出す。

「ぜーーーんぶぶっ壊しちゃえぇ!!!!」

 シアンは分身たちを先行させ、コンテナごと兵器を爆破していく。トラックを豪快に吹き飛ばしつつ、シアンは半壊したトラックの車列の中を走り抜けていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユキメ・サリディア
ちゃんと進めはしたけど、先はまだあるなぁ
この場に立ち往生してても危ないままなだけだし、着実に進んでいこう

さて、今度はどうしようか?
さっきと同じってのも芸がないというか、対策とかされそうだし

要は暴走して走るトラック群を止めればいいんだから……
大太刀の『嗄涙』を抜いて構えて
選択UCを使うよ
進む先に向けて、大太刀を振り抜く

進行先にいたトラックを斬り裂きつつ
その跡には木々を咲かせてしまおう
これなら、後続のトラックも引っ掛かるかもしれないでしょ

……でもすぐに枯れちゃうから、先は急ごうね
まあ、枯れても残骸が邪魔してそうだけれども



 遠くから響くエンジン音を感じつつ、ユキメ・サリディアはその先を見通そうとするように濃い霧の壁を見つめる。

 「さて、今度はどうしようか?」と一瞬思案したユキメだったが、大太刀を構えて次の一陣に挑む態勢を整えた。

 再度エンジン音を響かせ、二車線を塞いで後続する車両がユキメのいる場所へと猛スピードで走行してくる。大太刀を構えたユキメは、怯まずに振り抜く姿勢を見せた。横薙ぎに放たれたユキメの一太刀は、真紅の波動となってトラックの正面に向かい、先頭を走っていた左右の車体を粉砕した。

 ユキメの一撃によって停止させられた車両は、そのまま後続の車両をせき止める。再度コンテナの上に飛び移ったユキメは、コンテナ上の兵器からの射撃に備え、続け様に攻撃を放った。

 放たれた真紅の波動はコンテナごと兵器を破壊し、その砲身はことごとく削られる。ただ破壊することのみに集中し、ユキメの攻撃はより派手に、大胆さを増していく。また、ユキメが放った波動の跡から急速に木々が成長し始め、大木が車両を次々と飲み込んでいく。

 ユキメはコンテナを突き破るほどの勢いで成長した木々の間を、跳ぶようにして進んでいった。急速に芽生えた生命の息吹は、終わりを迎えるまでの時間も短い。生い茂っていた枝葉は秒速で変化を見せ、すべてが枯れていく。ユキメはそれを知りつつも、次のトラックの郡をせき止める一助になることを期待した。

 車列と木々の間を抜けた先には、1台だけ離れた場所に停車しているトラックがあった。そのトラックは不自然なエンジン音を響かせたかと思うと、変形を始めた。トラックから二足歩行型の兵器へと姿を変え、ユキメの前に立ち塞がる。突き出した巨大な砲身から、弾丸を連続で撃ち出し始めるが、ユキメは咄嗟に車体の影に退避した。

 コンテナやアスファルト、枯れた木々を撃ち抜いては砕き、兵器の足元には薬きょうがばらばらと散らばっていく。

 歩行機能を備えているとはいえ、トラックから変形した兵器の機動力は大したものではない。兵器の動きからそう見込んだユキメは、打って出る。

 芽生えた生命の生気をその身に宿し、ユキメは急激に戦闘力を飛躍させていた。自身の能力を存分に引き出し、銃撃をかい潜るユキメは兵器の下へと突き進んだ。

 大太刀を振り上げたユキメは、勢いに任せて相手の機体を斬りつけた。鋭い一太刀が深々と亀裂を刻み、一歩後退した兵器は原型をとどめることができずにくずおれた。

 霧の壁と道路の間がより縮まったことをユキメは実感したが、3台のトラックがゆっくりと霧の向こうから現れる。

(「対策とかされそうだな、とは思ってたけど――」)

 ユキメは更に3台のトラックが変形を始めるのを認め、思わずため息をこぼしそうになった。 

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユキノ・サーメッティア
なんかすごいことになってるのだにゃ

最初から空中浮遊で浮いておくのですにゃ
そのまま浮いていれば砲塔に気を付けてればいいしね

飛んでくる攻撃も3つの浮遊盾の盾受け+オーラ防御で防ぐんだけどにゃ
第六感と残像で避けるのと、盾による防御をしながら、相手の攻撃を学習力で見極めながら隙を見つけるにゃ

銃撃を盾に受け止めさせつつ、衝撃波と鎧無視攻撃で選択UCを
ぶっ放すのだにゃ!
2回攻撃でもう一発をおまけに送ってやるのですにゃよ

お静かにさせたら
お代りが来る前にさっさと前に進んでいくにゃよ


鯉澄・ふじ江(サポート)
怪奇ゾンビメイド、16歳女子
誰かのために働くのが生きがいの働き者な少女
コイバナ好き

自身が怪物寄りの存在なので
例えどんな相手でも対話を重んじ問答無用で退治はしない主義

のんびりした喋り方をするが
これはワンテンポ間をおいて冷静な判断をする為で
そうやって自身の怪物としての凶暴な衝動を抑えている
機嫌が悪くなると短文でボソボソ喋るようになる

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し
自身の怪我は厭わず他者に積極的に協力します
また、例え依頼の成功のためでも
自身の矜持に反する行動はしません
 
何でもやります、サポート採用よろしくおねがいします!

(流血、損壊系のグロ描写やお色気系描写もOKです)


ニニニナ・ロイガー(サポート)
ど〜も~
要請を受けて参りました、UDC職員のニニニナとドビーちゃんっす。
よろしくっすよ〜

そんなわけで、どんな触手がご入用っすか?
長い触手に太い触手、幅広触手に細触手。
鋸歯つきのゴリゴリ削れる触手にヒトデみたいな手裏剣触手、
ドリル触手に粘着触手に電撃触手その他色々行けるっすよ。
あるいは溶解液を吐く触手とかご所望っすかね?
麻痺触手に毒触手に石化触手になんなら自白用の催眠触手とか…
後は耐熱耐冷耐衝撃触手に再生触手なんかもOKっす。

マニアックな所だと按摩触手に美肌ローション触手、電脳アクセス触手とかも便利っすね。
あ、触手本体は見えないようになってるので、
一般人が狂気にとか気にしないで大丈夫っすよ~。



 ――なんかすごいことになってるのだにゃ。

 3台のトラックが変形する様を眺めながら、ユキノ・サーメッティアは心中でつぶやいた。

 空中浮遊の能力を発揮するユキノは、スクラップと化したトラックの上に一時とどまる。

 トラックから砲身を備えた二足歩行型の兵器に変わる姿に対し、ユキノは3つの盾を備えた。浮遊する特殊な盾を駆使するユキノは、宙を滑るように兵器へと接近していく。

 3つの砲身はユキノに狙いを定め、連続で攻撃を放つ。ユキノは集中する攻撃を淀みない動きで回避していくが、避け切れない攻撃は周囲を浮遊する盾が受け止めた。3つの盾はユキノを守るために周囲を浮遊し続け、あらゆる攻撃に耐え抜いてみせた。敵の攻撃パターンを探りながら、ユキノは反撃の機会を窺う。

 ユキノが兵器3体の注意を引きつける中で、

「機会では〜話し合いは通じませんねぇ」

 ユキノの後に続いて出撃した鯉澄・ふじ江はつぶやいた。

「仕方ありません〜――」

 ふじ江は短めの太い銃身を備えた拳銃を構えていた。拳銃型でありながら散弾を放つことができる仕様で、ふじ江の華奢な姿からは連想し難い重厚な銃。その引き金を引くと共に放たれた銃弾が、兵器の1体をけん制し、攻撃を中断させた。

 散弾を食らうと共に、兵器の1体はふじ江を標的として捉え、機体の向きを変える。降り注ぐ銃弾を避けるため、ふじ江は大きく体をそらした。しかし、わずかな差で銃弾が体をかすめ、ふじ江のメイド服の一部を裂いた。

「では~このメイド服なら~どうでしょう?」

 ふじ江は瞬時の着替えを可能にするユーベルコードを発動し、まるで映像が切り替わるようにふじ江の姿は変化した。

 今までとは異なるメイド服の装いを見せつけるふじ江。メイド服というよりは、水着そのもののマイクロミニスカにビキニ姿――極限まで空気抵抗を減らし、布地の少なさに比例して、より軽快な身のこなしを実現することに特化させたふじ江の装備なのである。

 急加速するふじ江は銃撃をかわし、疾風の如く相手の兵器へと接近した。機体の真下へと踏み込めば、長く前方に突き出した砲身からの攻撃は届かない。踏み潰されないように立ち回りながら、ふじ江は機体の関節部分を狙って真下から攻撃を集中させた。

 ふじ江の攻撃の影響を受け、1体は幾重にも火花を散らし、完全に動きを停止させた。地面に倒れ込む機体を避けようと、ふじ江はその範囲外へと滑り込むように退避した。

 もう1体の砲身がふじ江へと向けられたが、その機体の動きはどこかスムーズとはいえない。機体全体を眺めれば、あちこちに穴を空けられた跡があった。その穴は徐々に増え始め、機体の損傷を進行させていく。

「よしよし、ドビーちゃん。そのままバラバラにしちゃってくださいっす」

 機体に穴を空けていたものの正体は、ニニニナ・ロイガーが操る不可視の触手だった。ドリルのような形状に硬質な無数の触手が機体の上を這いずりうごめき、すでに機体は穴だらけにされていた。

 真下の標的へ射撃を向けることは困難である弱点を認めたユキノは、その両手に力の奔流を集中させていく。

「ヴァントフルート――」

 地水火風の力――融合、反発を繰り返すそれぞれの力を操るユキノは、強大化する力を両手の中で練り合わせるようにしていた。その力を制御したうえで、ユキノは攻撃を続けるもう1体の真下へと飛び込むと、

「フランメヴィント……行っけー!」

 増大し切った力は凄絶な破壊力を発揮し、機体の真下で大爆発を巻き起こした。巻き込まれた2体は機体の大部分が吹き飛ぶほど損壊し、ユキノの攻撃は確実にとどめを刺した。そして――。

 気がつけば、周囲を覆っていた濃霧は晴れ、元の田舎の道路の風景に戻っていた。猟兵たちは、いつの間にかスクラップ置き場のヤードの前までたどり着いていた。UDCに襲われた男性は、この付近でUDCの女性に遭遇したと語っていた。

 スクラップ置き場の奥から響く物音が何を意味するのか――その正体を確かめるため、猟兵らは歩みを進めた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『『微笑む』セリアナ』

POW   :    微笑んでお別れ
【全武装の一斉発射】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    躾の時間
【手にした鞭】から【躾の一撃】を放ち、【痛みや恐怖、あるいは快感】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    賑やかに行きましょう
レベル×5体の、小型の戦闘用【機械兵器】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠チガヤ・シフレットです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 スクラップ置き場の奥に立つ人影――。

「……ここまで来てしまったのですね」

 機械の体を月明かりの下に晒した彼女は、猟兵たちを前にしても微笑みを絶やさず――。

「恐怖と苦痛の中でお別れするとき……あなたたちはどんな表情を見せてくれるのでしょう?」

 UDCである女の背後、廃棄された車両の上などには、無数の影がうごめいていた。子犬ほどの大きさの蜘蛛(クモ)型の兵器の群れが、スクラップ置き場を埋め尽くそうと動き始めた。
ユキメ・サリディア
【虚】
なーんか、不気味な笑顔だね……
それにモゾモゾわらわらしてる子グモが多いってのも
不気味さに拍車がかかるというかなんというか?

私は子グモやらの細かい子達の対処をメインにするね
UCで人形を作り出し、誘導弾で一つ一殺の相打ちのつもりで行かせるよ
人形の作成は雷海護札だから、品切れはないからね~

自分の護りは封護験束を媒介にして結界術で遮断
人形の対処が遅れて近寄られたら、啼蟲を振って追い払いつつ
隙を見て人形を追加
そもそも、半分ほど減ったら追加させていくつもりだけれどね


ユキノ・サーメッティア
大人ヴァージョンの解放状態で行こう
「来てあげたことでですよっと」て皮肉返し

空中浮遊のまま、空中戦
無数の子グモの対処は任せつつ、私は女性本人を狙う
UCを使い、巨躯の鎧を纏ったままに接近を試みる

一斉発射は一手に引き受ける様にするよ
3つの浮遊盾を前方一ヶ所に纏めてオーラ防御させて盾受け
自分への影響がない様に、鎧の巨剣を交差させて盾のように
そのまま斉射されて行く中を無理矢理に突き進んでいくね!

十分に接近したら
盾代りにしてた剣を振り抜いて体勢を崩すために衝撃波を発生
よろけている間に鎧無視攻撃の2回攻撃で斬りつけるよ



(「――クモのせいで、不気味さに拍車がかかるというかなんというか?」)

 大量のクモ型兵器を背にした女性型のサイボーグ、UDCであるセリアナ――ユキメはその笑顔にわずかに戦慄しつつも、一斉に動き出した兵器への対処を優先する。同程度の数の依代人形を召喚し、クモ型兵器を破壊するために指示を出した。

 ユキメと共に異空間を乗り越えてきたユキノ・サーメッティアは、自身の真の姿を露わにした。

 ユキノの姿は普段の11才児の姿からは様変わりし、蠱惑的な魔女そのものの容貌で大人の色香を放つ。

「そう、もうお別れだね――」

 ユキノは妖艶な笑みを浮かべながら、セリアナに対して一言返した。

「お別れの時間はもうすぐそこだよ……私たちが来てあげたことで、ですよ」

 魔力の奔流が陽炎のようにユキノの足元から沸き立ち始めたかと思えば、強烈な輝きを放ってユキノの周囲を覆った。次第に弱まった輝きの向こうには、3メートル近い巨大な鎧が出現していた。

 自在に浮游するユキノは、鎧の前に浮かび上がった。胸部のプレートを外した部分――ユキノは鎧の中に収容され、空っぽの胸部内に収まった。

 頭から爪先まで装甲に覆われ、小型の機動戦士さながらの姿で大剣を構えるユキノは、その切っ先をセリアナに向けた。

 無数のクモ型兵器に匹敵する数の依代人形をユキメは差し向け、突撃する両者は互いに潰し合う。

 人形たちが維持する戦線を突破しようと、攻撃を繰り返す兵器たち。セリアナの兵器を蹴散らし、薙ぎ払う鎧姿のユキノ。接近しようとするユキノに対し、サイボーグのセリアナは機械音を響かせ、両腕、胸などを変形させ、全身の武装を解放した。上半身から突き出した複数の銃身から射撃を開始し、セリアナは一斉掃射を仕掛ける。

 自ら射線上に進み出たユキノだが、ユキノの意思によって宙を移動する盾がセリアナからの銃撃をすべて弾いた。ユキノは浮遊する盾を駆使し、絶えずクモを蹴散らして接近しようとする。銃撃を弾くユキノを追い詰めるべく、セリアナは更に攻勢を強める。

 セリアナの頭部はパキパキと音を立てて変形し始め、パーツの1つ1つがパズルのように分離し、組み合わされ、頭部から突き出した砲身が現れる。その砲身からはより強力なビーム砲が放たれ、同時に周囲は閃光に包まれる。

 目が眩むほどのビームの光は、ユキメの注意を逸した。その一瞬の間にも地面を這うクモたちは一斉にユキメの下へと迫り、ユキメの人形たちの戦線を崩しにかかる。しかし、ユキメは機敏な動きで刀を振りさばき、抜かりなくクモたちに対処した。周囲のクモを次々と切り捨てたユキメは、更に依代人形を召喚することで、クモたちをけん制する。

 一方で、ユキノはセリアナのビーム砲を真正面から受け止めた。大剣を盾代わりにしたユキノは、衝撃によって押し込まれるほどだったが、ユキノは瞬時に攻撃直後のセリアナを狙う。

 砲身形態から元の状態の頭部に戻りかけていたセリアナに向けて放たれた衝撃波は、凄まじい勢いで地面をえぐる。その衝撃でセリアナを吹き飛ばすが、セリアナはかろうじて態勢を保つ。そこへ畳みかけるユキノはセリアナへと襲いかかり、大剣を振り抜いた。その勢いは何者にも止められず、地面諸共セリアナを打ち砕いたかのように見えた。

 ユキノの攻撃と同時に吹き飛ばされた多くのクモたちは、統制を失い欠けている動きもあったが、ユキメもユキノも反撃に備え、武器を構える手に力を込めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


--------------------------------------
※トミーウォーカーからのお知らせ
 ここからはトミーウォーカーの「真壁真人」が代筆を担当いたします。
--------------------------------------
水心子・真峰(サポート)
水心子真峰、推参
さて、真剣勝負といこうか

太刀のヤドリガミだ
本体は佩いているが抜刀することはない
戦うときは錬成カミヤドリの一振りか
脇差静柄(抜かない/鞘が超硬質)や茶室刀を使うぞ

正面きっての勝負が好みだが、試合ではないからな
乱舞させた複製刀で撹乱、目や足を斬り付け隙ができたところを死角から貫く、束にしたものを周囲で高速回転させ近付いてきた者から殴りつける
相手の頭上や後ろに密かに回り込ませた複製刀で奇襲、残像やフェイントで目眩まし背後から斬る、なんて手を使う
まあ最後は大体直接斬るがな

それと外来語が苦手だ
氏名や猟兵用語以外は大体平仮名表記になってしまうらしい
なうでやんぐな最近の文化も勉強中だ



「水心子・真峰、推参」
 UDC『微笑む』セリアナへと向け、水心子・真峰は静かに足を踏み出した。彼女に反応し、残るクモ型兵器が動き出さんとする。
「さて、真剣勝負といこうか」
 空中に、百に迫る数の太刀が出現する。真峰の本体たる『水心子真峰』と同じ形をした太刀の一本を手に取り、真峰は抜刀した。手近にいたクモ型機械が、一瞬のうちに真っ二つになって地に落ち、美しい切断面を晒す。

「一斉に掛かりなさい!」
 真峰の危険さに気付いたか、セリアナはクモ型機械へと指示を下した。
 スクラップの影に隠れていたクモ型兵器達が、
「ならば、こちらも数で相手をしよう」
 スクラップ置き場に、鞘の落ちる音が響く。
 ユーベルコードによって複製された無数の『水心子真峰』が、ひとりでに鞘から抜け出たのだ。
 何人もの見えざる真峰がいるかのように、太刀の群れは宙を舞い、クモ型兵器へと斬り掛かっていく。

 もはや障害もなく接近する真峰に対し、セリアナは鞭を鋭く振るい、その首を撃たんとする。
 だが、触れれば精神をも犯す一撃が届くよりも早く、不意に真峰は手にしていた『水心子真峰』を投げつけた。
 余裕を持ってそれを弾こうとしたセリアナだが、太刀はそれをひらりと避けると、頭上から斬り付けて来る。
「しまった……!!」
 真峰が手にしていた太刀もまた、念動によって動く複製の一つに過ぎない。
 セリアナは咄嗟に鞭を振るい、飛来する『水心子真峰』を薙いだ。僅か一撃で、太刀が曲がり、地面へと叩き落された複製体が消え失せる。
「大した膂力だな」
 だが、投げつけた太刀に注意が向いていた間に、真峰はとうに動いていた。
 スクラップを蹴り、セリアナへ向けて跳ぶ真峰の手に、クモ型兵器を斬り捨てた『水心子真峰』の一本が飛び込んでくる。
 握りしめた太刀を、真峰へ鋭く振り抜いた。
 セリアナの鞭を握った腕が切り飛ばされ、着地ざまの横一閃が胴を薙ぐ。
「く……!」
 即座に破損部分の修復に取り掛かるセリアナ。
「だが、その機械の身体が持つエネルギーも無尽蔵ではなかろう」
 真峰は背後に迫っていたクモ型機械を斬り捨てる。笑みをたたえたままのセリアナの表情が、険しさを増したように真峰は思った。

成功 🔵​🔵​🔴​

神楽坂・神楽
恐怖と苦痛の中でお別れするとき、か。
お主の目的は、自身の噂を広め力を得ることであろう。
ここでわしらを倒してしまっては、わしらからは噂が広まらなくなってしまうぞ?

もし、わしらを死なぬ程度に痛めつけるというのであれば――それはよほどの力量差がなければできぬこと。
ただわしらを倒す以上に難しいが、果たしてお主にそれができるかのう?

全身を覆った《氣》で敵の攻撃を防御しつつ接近。
敵の全武装の一斉発射に合わせて、UCで背後に瞬間転移。
《氣》を集束した蹴りを放ち、その身体を叩き折ってやろう。

お主の心も身体も、お主が今まで蓄えた力も全てわしの刻印が喰ろうてやる。
安心してわしの一部になるが良いぞ。



 だが、彼女はひたすらに、そのパーツを蠢かせていく。
「恐怖と、苦痛を……」
「恐怖と苦痛の中でお別れするとき、か」
 神楽坂・神楽は、その言葉に違和感を覚えつつ言う。

「お主の目的は、自身の噂を広め力を得ることであろう。ここでわしらを倒してしまっては、わしらからは噂が広まらなくなってしまうぞ?」
「あなたたちを倒し、また他の人たちから噂を広めて貰えばいい……」
「わしらが帰らねば、また新たな者たちが攻め寄せる。噂を広めることなど出来ぬぞ」
「あああ……? ああああッッ!!」
 神楽の言葉に、セリアナは混乱したような様子を見せたかと思うと奇声をあげた。その様子でも、顔に浮かぶ笑みだけが変わらないのがいっそ恐ろしい。
「まともな言葉は通じんか」
 呟きながら、神楽は悠然と足を踏み出した。
 セリアナも人に近い外見だが、UDCという存在だ。
 その根源は定かならざるものだが、理性よりもUDCとしての本能的な性質……あるいは狂気の方が上回っているのだろう。
 神楽の眼前で、セリアナの全身のパーツがパズルめいて動き、ビーム砲の砲身を形作っていく。
「もし、わしらを死なぬ程度に痛めつけるというのであれば――それはよほどの力量差がなければできぬこと。ただわしらを倒す以上に難しいが、果たしてお主にそれができるかのう?」
「アアアアアアッッッ!!」
 セリアナから放たれた光弾が、神楽に直撃する。だが、その弾ける光の向こうにあった光景は、セリアナを驚愕させるものだった。
「なかなかじゃが、その程度ではのう」
「……!!」
 神楽の帯びた《氣》は、彼女の体を守り抜いていた。神楽の守りを貫かんとしてか、セリアナの体を構成するパーツが、音を立てて変形していく。
 やがて現れる姿は無数の砲身を持つものだ。
 もはや人間型とすら言い難い異形の形態へと変わったセリアナの全砲門に光が宿り、そして光は破壊の力として撃ち出された。
「今ッ!」
 瞬間、神楽の体がかき消える。ユーベルコードの力によってセリアナの背後へと飛んだ神楽の足に気が集中。
 振り抜かれた足が、セリアナの中枢部を蹴り砕く。
 スクラップを、そしてクモ型兵器を焼き溶かしながら荒れ狂わんとした光は不意に止んだ。
「お主の心も身体も、今まで蓄えた力も、全てわしの刻印が喰ろうてやる。安心して、わしの一部になるが良いぞ」
 神楽の言葉を受け、セリアナの姿は消えていく。
 やがては、彼女の存在にまつわる噂も消えていくのだろう。
 事件を解決した神楽たち猟兵は、UDC組織に連絡を取って後を任せると、現場を後にするのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年04月08日


挿絵イラスト