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記者、学校内チェイス、事件藤燈森學院→スパイ

#サクラミラージュ #幻朧戦線 #スパヰ甲冑

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#スパヰ甲冑


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「それでは諸君……首尾はどうかな」
「はい、滞りなく」
「私たちの準備も問題なく進んでおりますわ」
「俺たちは常日頃から鍛錬を積んでおります。慌てる必要もございませぬ。……貴様も椅子を揺らしてないで何か報告を――」
「えー? 分かってるっしょー? 俺様采配ミスとかしないしぃ」
「情報共有は密に行いたまえ、首尾は」
「上々っすよ。まあ、開催までは無事辿り着けるんじゃないっすかね」
「……含みのある言い方をされますね」
「いつもの事ですわ。やれ重要情報があると言えば今日の昼食がチキンカレーだ、などと」
「重要っしょ、メニューにカレーとしか書いてなかったんだぜーあのおばちゃん」
「うむ、肉の種類は重要であるな」
「話が脱線しています」
「――油断は禁物だ」
 取り留めもない話へと移りかけた話題を、最奥の人物が遮った。
「これは、我らが最後の任務。絶対に失敗は出来ない」

「我らが学び舎『藤燈森學院』の名を外部へと知らしめる交流会――いや、取り繕わず言おう」
 そして、彼は告げる。

 ――百回目の学園祭だ、と。

「警備、及び機材管理――汀崖城・遊鳥」
「ああ」
「企画審査、及び実行――火穂月・暁」
「はい」
「広告、及び外部宣伝――野芥子・琥鐘」
「あいっす」
「皆、各々に成功のため、励んでほしい」
 それぞれが返事し、次々と部屋を辞していく。
 そして、最後に野芥子が扉を閉めたその後。
「……、はあ」
「書記!!」
 ここまで黙っていた書記が、パチン、と室内の電気を点けてから溜息を吐いた。
 藤燈森學院、紫漣会第百代会長――白津佩・清鷹。
 その人が発した怒声に、書記の彼は両耳を手で塞いでいた。
「何ですか、そのため息は! 文句があるというのですか!!」
「……まあ」
 と渋々と言い、白津佩へと問いかける。
「なんですか、今の小芝居」
「気分だ、やってみたいだろ」
「少年感出さなくていいんすよ」 
「そ、……っすか」
 なんでこんな濃いトコに来ちゃったかな。と境遇を嘆いていると、「それで」とその傍らにいた生徒が声を発していた。
 副会長――烏簾羽・鉄だ。
「白津佩様の記録はちゃんとできていますか」
「会長の記録じゃなくて議事録っすよね?」
「ええ、当然文字だけでなく、麗しいお姿を映像にも当然記録しているでしょうね」
「……」
 それは冗談だろうか、と思いその眼を見てみると結構なマジなもので、へたくそな愛想笑いを引っ込めた。
 記念すべき百回目の外部交流会だ。激務に溜まった疲労でネジが飛んでしまっているのだろう。
 そう思う事にして何も言わず、彼は今にも睡魔に負けそうになりながら、議事録に〆の記載をする。
 八ヶ宮・恭史。
 最後に、書くかどうか悩みながら記入したのは、書記の名前欄だった。


オーガ
●スパイを探し当てて、追いかけて、戦います。

各章に断章を挟みます。

好きに書きますので、お好きにプレイングください。
よろしくお願いいたします。
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第1章 日常 『春秋庭園譚』

POW   :    金木犀を楽しむ

SPD   :    庭園を散策してまわる

WIZ   :    桜を楽しむ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 汀崖城・遊鳥にとって秘密とは、あってはならないものだ。
「あのブン屋め、我が校の警備が不十分である可能性があるだのと、それも外部者はまだ立入禁止だぞ……」
 荒波の中の巌を思わせる大柄な生徒は、肩を怒らせながら控え所へと向かっていた。
「挙げ句、隠し事だなどと、っ――!」
 その時、目端に映った金髪に思わず振り替える。廊下の向こうにいたのは見知らぬ女子生徒だった。
 息を吐いた鋭い瞳は、しかし流水を思わせる冷静さを湛えている。窓ガラスに映る自らの顔を見る。別段、おかしな表情も無い。ハッタリかと、熱を帯びた考えが瞬く間に冷えていく。
 仕事が山ほど残ってる。警備からの報告、搬入物品の在庫管理、品目精査。いくら手があっても足りない。
 自らの不快になど構っている場合ではないのだ。

 火穂月・暁にとって秘密とは、隠さねばならないものだ。
 燃ゆるような気の強さの眦を決して彼女は机に向かう。そこにあるのは会場利用の申請書、それに付随する企画書などの書類の山だった。
「まあ、否定はできませんわね」
「何か仰いましたか?」
「いいえ、始めましょう」と暁は書類に目を通し始める。運営できるとは思えない提案書に僅かにこめかみが引くつくが抑え込む。
 記者に問われた実行委員会の旨味。言うまでもなくこの会全貌を把握出来ることだろう。どういった案が可決され、何が否決されたか。その配置まで全て網羅できる、いやしなければ立ち行かないのだが。確かに利益を受けている事には間違いがないだろう。
 来る日に向けて、貪欲な笑みを溢しそうになりながら彼女は次の提案書に目を通し始めた。

 野芥子・琥鐘にとって秘密とは、誰かが知っているものだ。
「お疲れー」
「ホント疲れますよ、なんすかアイツら。笑顔でお腹刺してくるんすよ」
 部下の泣き言、黄土色の髪を掻いて相槌を打ちながら、ついさっき捕まった取材に、意識を馳せる。
「あっちもこっちも探りばっか入れてきて、直接な妨害が少ないのはラッキーじゃん」
「外的要因が少ないのに例年通りの進み、って詰られるんすよ。」
 あらぁ、地獄耳なこと、と返す。確かに例年より『事故』は少ない。むしろ記念日であるゆえに多くなる想定だったにも関わらずだ。
 まあ、それを知っているというのは作為的な行動の痕が見え隠れするが、ともかく。
 それでも、進みが早いわけではない。外部交渉を担当するここでもはっきりと理解していた。
「内外からの遅延作戦かあ、祝百回目くらい楽させてくれーぃ……」
 面倒くさい事が起きてるなあ。と大量の張り紙のある黒板へと彼は向かうのだった。

 白津佩・清鷹にとって秘密とは、暴きだすものだ。
 白磁の瞳を瞬かせて彼は愉快げに言う。
「で、テロ組織との関与が疑われてるんだけど……あの人部外者なのにちょいちょい入ってくるよね」
 書記が議事録を閉じたのを確認してから、彼はオフレコね、と言う。
「明らかに怪しいものを運び込むには、汀崖城の領分。人の流れと死角を確保するには火穂月の領分。総合的な情報拡散、偏向は野芥子の領分」
 無理に動かせばどっかしらで引っかかる、だが、確実に何かが動いている。
 バランスがずれればこの学院の歴史ごと崩れそうな状態でだ。そこには静な怒りが確かにある。
 記念すべき百回記念。己の人生を狂わすような重い歴史の日。
「ぶっちゃけ、誰だと思う?」
 彼はどちらともなく、そう言った。

 烏簾羽・鉄にとって秘密とは、目的を表すものだ。
 問に、少し押し黙ると艶めいた黒の髪を僅かに振るった。
「一年に一度しかない外部交流会を受け渡しに
。7日の開催期間があるとはいえ、あまり条件が良いとは思えないですね」
 その為に、実行委員会に入る。それだけ時間をかけてもリターンのある重要な取引。ならば、外部で行った方が良い。学内である必要は無いのだから。
 そう告げれば、他の二人も同様の考えなのか、頷いて返す。
「警備を強化してもらいましょう」
 テロが即時行われる可能性もある。警戒を厳に、と彼は提する。
「誰か、とは断言できないかと」

 八ヶ宮・恭史にとって秘密とは、示されないものだ。
「だから、自分で示させるしかないんじゃないすかね」
 まあ、わざわざ私がスパイです。と名乗り出すスパイがいるはず無いですけど。そう肩を竦めてから、ふと不安に襲われた。
「もしかしておれ疑われてますか?」
 些か早口に聞いたそれに帰ってきたのが否定で安堵する。
 この会の書記は、会議の不正防止で議事録を作成するための要員。実質運営に対して力の無い書記になって企てを起こす位なら、一般学生の方が自由が利く。ということだった。
 ふう、と彼は胸に手を当て、息を吐いた。

 という録音を手元にもつ記者は、小さな喫茶店にいた。
「盗聴じゃないですよ? 迷って入っちゃって慌ててるうちにレコーダー色んな所に落としちゃったけど親切な人が拾ってくれてたんです」
 まあ、そういうわけで、と彼女は自らの成果を開示して、賑わう通りの奥を手で示す。
「あちら、藤燈森学院、外部交流会会場でーす」
 私は出禁を食らってしまったので、手配書まであったんですよ、と記者は消沈したまま猟兵を送り出した。

●第一章

 春の花と秋の花が咲き乱れる庭園で、様々な出し物や屋台で賑わう学院祭の中でスパイを見つけてください。
 書けそうなものを書いていきます。

 よろしくお願いいたします。
祓戸・多喜
うーんつまり学院祭楽しんでくればいいのね?
ざっと聞いた感じじゃ見当つかないし動いておかしな所見つけるしかなさそうね。
そうと決まればサクミラ全力で楽しんじゃわないと!
…受験近いけど現実逃避じゃないんだから!

とりあえず出店で何か食べ物買ってから回る。
気合入ってるみたいだから当然一押しの何かはあるはずだし。
そんな感じで回りながらそれとなーく調査、つまみ出されるのはやだからあくまで慎重に!
春秋の草花楽しめるってことだから一番いい景色どこかしらと色々知ってそうな人に聞いてみてゴー!
しかしここに潜むスパヰの目的って何なのかな?
この場所かこの行事に何か秘密があるのか…分かんない!

※アドリブ絡み等お任せ🐘



「……ざっと聞いた感じ、よく分かんないのね」
 ざっくばらんと祓戸・多喜(白象の射手・f21878)は言った。
 身も蓋もない言い方だけれども、その通りだ。今のところ犯人の見当がつかないから調べて来てね、という事なのだから。
 というわけで。

「んーっ」
 多喜は、噛み締める美味しさに思わず、地面をだんだんと踏み鳴らした。
 その手にあるのは、紙に包まれた小振りなドーナツだ。
 栗とさつまいもを練った餡をドーナツに包んで揚げてある。ふんわりと、それでもしっかりとした甘さ控えめなドーナツの香りと、栗と芋の自然でかつ濃厚な甘味がねっとりと絡みつく餡が口の中で溶けて、あっさりと溶けていく。
 恐らく甘味自体もそこまで強くはない。それでも濃厚に感じるのは、生地に練り込まれた塩みのお陰か。
 聞けば、岩塩に漬けた桜の花を細かく砕いて生地に混ぜているらしい。そう言われると微かに桜の香りが感じられる。
 出来立ては生地の香りが、冷め始めると餡の香ばしさが。段階を踏んでそれぞれに味を引き立てる。
「食べ物だけでも、美味しそうなのが一杯……」
 絶賛満喫していた。
 最近、受験勉強で根を詰めていたからここぞというばかりに現実逃避がてらストレスを発散している……。
「って、別にそんなわけじゃないんだから!」
「おわっ……急にどうしたんですか、お姉さん」
「あ、ごめんなさい」
 急に声を出してしまったので、丁度通りかかった男子生徒に驚かれてしまった。すぐに頭を下げた時、運営委員の腕章を着けているのが目に入って
「えっと、春秋の草花楽しめるってことで楽しみにしてたんだけどつい目移りしちゃって」
 頬の熱が冷めないままに多喜は彼なら詳しそうだと尋ねてみる。
「一番景色が良いところってどこかしら?」
「そうですねえ」
 多喜の持つ包み紙に注がれる視線から背中へ手を逃がす短い間に、彼は答えを出してくれる。
「一番は中庭かな。目玉だし……でも一番混雑するので、朝の開会直後か、夕方がおすすめですよ」
「うーん、人混みはあんまり……あ、お約束な穴場とか知らない?」
「幾つか……ああ、でも結構カップルの溜まり場というか……本当に人気がないと思ったら、実はいたりなんてするとむしろこっちの精神が……」
「あー……うん、そうね」
 恐らく経験があるのだろう、煤けた瞳になる生徒に同情を覚えながら、受験前に変なダメージを負いそうな場所を除外する。
 いや、個人的理由ではなく。取引に使うにはそぐわないと感じたからというのが半分くらいはある。
 とその時生徒が手を叩いた。
「あ、紫漣会の本部の周りは穴場といえば穴場ですかね」
 と。
「流石にお膝元でイチャイチャする奴はいないですし、奥にあるので不便ですけど、結構凝った路樹造りですよ」
 実行委員は大体走り回っているから、意外と人通りはない。とのことだ。
「ふうん、一先ず中庭には夕方くらいに行って、それまでは散策することにしよっと」
「散策……」
「女の子が隠した物を覗こうとしないで」

「運営の本部、ね」
 と再確認しながら、それにしても、と多喜は思う。
 結構な人混み。スパヰの目的。というか、思惑が分からない。
 この場所かこの行事に何か秘密があるのか。
「うん、さっぱりね」
 多喜は、そう言って口直しに買った黒豆抹茶オレをストローで吸い上げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鎧兜・烈
アドリブ歓迎
なるほどな。つまりはフィジカル!!そういうことだな!

華々を眺めつつ、会場全てを駆け回ろう!汝、怪しい者は見なかったか?
むん、我だと? 一体何が怪しいと……いや、待て、本当に怪しいものでは、なんだこの屈強な男ども。
警備の生徒?取り調べ?
……逃げるぞ、脱兎のごとく! 怪力で振り切り、駆け抜けよう!

ふははは!我を捕らえられるものなら捕らえてみせよ!せいぜい存分に力を振るえる、人の来ない穴場にでも追い込むんだな!!

とまあ、逃げるだけとはいかないだろう!?彼らに我を追い込んでもらおう。人気の無い我を捕まえやすい穴場スポットに!



「つまりはフィジカル!! そういうことだな!」
 西洋の兜で顔を隠す男は、近未来的なスーツの上からでもはっきりと視認できる筋肉の流動を見せながら、頷いた。
 彼、鎧兜・烈(サイバー兜・f32056)はそうと決まればすぐさまに行動に移っていく。
 彼の考えはこうだ。
 ひとまず、校内全てを走り回れば怪しい奴の情報位は手にはいるだろう、である。
 みごとな脳筋。
 しかし、彼を止めるものはここにはおらず。学園祭の最中に、駆け出す筋肉が一人。
「優雅な華々だな!!」
 花を揺らす風となるのだった。

 とはいえ、ただ走り回っているだけというのも、情報の集まりは悪い。

「汝、怪しい者は見なかったか!?」
「ひぇ……!? い、いえ……ッ」
「ぬう、そうか!! すまないな!!」

「汝、怪しい者は見なかったか!?」
「お、え、なんだこのオッサン……」
「オッサンではない! 鎧兜・烈である!」
「え、ああ、はあ……いや、知らんけど」
「そうか! 邪魔したな!」

「汝、怪しい者は見なかったか!?」
「ああ、今見つけたとも」
「なに! それはどこ――うん?」

 烈が何人目かの生徒に話しかけた時に、違和感に首を捻った。
 いや、違和感というか。両脇に屈強な男が立ち、まるで今すぐにでも烈を取り押さえようとしているかののうで。
「まさか、我か?」
「そうだね、よく気づいたね……少し聴取を――」
「一体、我の何が怪しいと……」
「校内を走り回って、怪しい奴がいないかと聞き回る不審者の通報が多くてね、怪しいだろ?」
 言われてみれば、その通りである。
 完全に、不審者。
 両肩に手を置かれ、腕を捕まれている。
 どうしよう、と考える烈の頭に、ぽこんと妙案が浮かぶ。
「ふむ、……逃げるぞ、脱兎のごとく!」
「ッ抑えろ!」
「ムダムダァ!!」
 二人がかりで烈を押し倒そうとした生徒二人をゴバア!! と怪力で押し退けた烈が、そのまま自由の身に。そして一目散に駆け出した!
「ふははは! 我を捕らえられるものなら捕らえてみせよ!」
「くそ、抑えきれないか。――誘い込むぞ」
「ふはははは!」
 高笑いと共に、どこかへと連絡を取る彼らを後ろに烈は駆け出していく。
 だが彼らもただで逃してはくれない。考えうるなかで一番有利な場所。運営本部付近へと導く包囲網が敷かれつつあった。
 それこそが烈の妙案であることを知るのは、ただ彼一人である。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『學舎事変』

POW   :    広い構内を目のつく限り駆けずり回る

SPD   :    隠された部屋や場所、見逃しがちな場所も見逃さない

WIZ   :    まずは考え、動機や原因、目的を探り、迎え撃つ

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 一人、そこに佇んでいた。
 烏簾羽・鉄は、辿り着いた猟兵を一瞥するや否や、校舎へとその身を翻していく。
 まるで初めから、知っていたかのような判断の早さに一歩遅れて猟兵達は彼の後を追いかけるのだった。


 校舎を使った追いかけっこです。
 屋根とか廊下とか窓とかを使う場面です。
モース・レフレクソン(サポート)
ユーベルコード小型戦術ドローンを使用して、200を超える数のドローンで広範囲大規模索敵を行う…地形、生命反応、効率の良いルートなど必要であれば細かく情報を集めてみせる…。
俺は戦略だけでなく、魔法による知識は少しはある。もし、魔術的仕掛けやカラクリなど、ドローンによる調査結果から分析して仲間に伝えるとしよう。


水心子・真峰(サポート)
水心子真峰、推参
さて、真剣勝負といこうか

太刀のヤドリガミだ
本体は佩いているが抜刀することはない
戦うときは錬成カミヤドリの一振りか
脇差静柄(抜かない/鞘が超硬質)や茶室刀を使うぞ

正面きっての勝負が好みだが、試合ではないからな
乱舞させた複製刀で撹乱、目や足を斬り付け隙ができたところを死角から貫く、束にしたものを周囲で高速回転させ近付いてきた者から殴りつける
相手の頭上や後ろに密かに回り込ませた複製刀で奇襲、残像やフェイントで目暗まし背後から斬る、なんて手を使う
まあ最後は大体直接斬るがな

それと外来語が苦手だ
氏名や猟兵用語以外は大体平仮名表記になってしまうらしい
なうでやんぐな最近の文化も勉強中だ



「逃走か、だが予想範囲内だ」
 一目散。文字通り、猟兵の姿を一瞥のみで逃げの一手を打った内通者、烏簾羽にモース・レフレクソン(サイボーグの戦場傭兵・f06734)は既に打っておいた布石を『起動』させた。
 周囲から一斉に飛び立ち、情報をモースへと送る五百体弱の武装偵察用ドローン。それが彼の打っていた布石である。
 モースがその情報から即座に周辺地域の地図に、烏簾羽の逃亡ルートを割り出す、その刹那に、校舎へと駆け抜ける影があった。
 水心子・真峰(ヤドリガミの剣豪・f05970)だ。
 宝石のような輝きを持つ髪を、裂ききる風になびかせて駆ける彼女は、一度は見失った烏簾羽の背を捉えていた。
 床、だけでなく、壁や天井すらも足場とし、まるで毬が跳ねるようにして追い詰めんとする真峰に、烏簾羽は一瞬視線をこちらへと向け。
 直後、窓から飛んだ。
 肉体を強化する術を持っているのか。隣接する別の校舎へと、窓ガラスを割り滑り込んだ逃亡者を一切の躊躇いなく、真峰は跳んだ。
 四階の高さ。普通では恐怖に足を震わせる高さだ。真峰とて、ヤドリガミではあるがその本体は研ぎに研ぎ澄まされ、そのまま振るうことの出来なくなった透刃の刀。
 この高さからの落下も致命症足り得るが、その目に恐怖はなく――割れた窓から投げ放たれた苦無を捉えていた。
「――ッ!」
 眼球を狙い済ました投擲。黒い刃に真峰は体を捻る。空中にあって満足に回避行動を取れない瞬間を狙った一撃は、しかし、最小限の動きで軌道に添えられた脇差静柄、その鞘によって弾かれる。
 崩した体勢を、瞬く間に整えて割れた窓へと突っ込んだ真峰は、角へと消えた背を追う。
『――道案内を請け負おう』
 そんな彼女へと、声が掛けられた。
 人の気配はない。ただ、側に機械が浮き、真峰と並走している。
「……」
『猟兵だ、ドローンの情報からルートは絞れている』
 声はモースのものだ。ドローンを真峰に追従させて、通話を可能とさせている。
 と、真峰は、ほんの一瞬ちらりと機械を見つめて。
「どろおん」
 言葉をこぼした。
『……』
 真峰が反芻した言葉に、不理解の響きがあることにモースは何と言うべきかと言葉を一瞬詰め。
『……遠隔操作できる、機械……だ』
 一先ず、ドローンがどういうものか理解していないなら作戦遂行に障る。
 そう噛み砕いて言うと、真峰は得心がいったと頷く。
「式神か」
『……ああ、それでいい』
 モースは、微妙な齟齬を一切切り捨ててその認識で進めることにする。作戦に支障が無ければ問題はないだろう、と判断しての事だ。
 些末事と、頓着しないのは彼の性格もあってだろうが、飛ぶように駆ける真峰は、語りかける式神の声を聞きながらも、それでも追い付けない状況に歯噛みする。
 地の利があるとはいえ、それなりに経験を物語る体捌き。
 モースもそれをドローン越しに見つめる。だが、細かに解析し、その情報を彼の経験知識に照らし合わせると、逃亡に特化した動きだと分かる。
(――迎撃への警戒は必要ないか)
 この真峰という猟兵であれば、対処可能な範囲だろう。
 必要なのは、距離を詰めるアプローチ。
 ドローン映像で、烏簾羽が角を曲がる。
 複雑な建築様式のせいで入り組んだ校舎だが、既に地図は得ている。
 そして、これまでの逃走経路。
「曲がらず直進だ、回り込める」
『信じよう』
 真峰の視界。つなりは真峰と並走するドローンの視界から烏簾羽の背が消え、別のドローンの視界にそれを捉える。
「さて……最終地点はそこか。人払いをしておいた方が良いだろうな」
 モースは、多数のドローンを制御し、膨大な情報を整理しながら、次の手へと思考を巡らせていく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

百地・モユル(サポート)
熱血で好奇心旺盛
本が好きな小学生

正義感が強く困っている人は見過ごせない

UDCアース出身
技能の世界知識でほかの世界のこともわかるかも
あとボクが持ってる技能で
使えるのは…
情報収集、コミュ力、時間稼ぎ、救助活動、学習力、暗視、聞き耳あたりかな?
それに勇気と覚悟と気合い!

このあたりの技能を使って調べられることは調べたいし

もし力仕事とかで必要ならトリニティエンハンスやストロンゲストモードなどのパワーアップ系UCも使うよ

今日はここの世界か…どの世界も、ボクたちがちょっとずつ良くしていければいいね

アドリブ絡み歓迎


忠克・慎也(サポート)
どんな状況でも、出来ることをするまでだ。

一人称は俺、二人称はアンタ、多人称はアンタたち
黒スーツ姿がデフォルト、対人関係も常識ある方だと思うが、
メイン武器の大挟を始め、サブ武器の拳銃やワイヤー、グレネート弾を駆使する、暗殺者みたいなものだ。

前に出るよりも、裏方…潜入や現場の調査を好んでる。
隙あらば飴玉を齧ってることもあるが、交戦状態など命のやり取りになった場合は、趣好品は封印だ。
仕事とそうでない時は、はっきり分けたいからな。

必要があれば『咎人の牢晶』や『レプリカクラフト』で罠を仕掛けたり、
状況に応じて『獣狩りの銃声』でアシストしよう。

アドリブOK、成功のためなら多少の危険は厭わない。
宜しく頼む。



「――きたっ!」
 逃亡者である烏簾羽が壁を駆け抜け、目の前へと着地するのを見て、準備運動をしていた百地・モユル(ももも・f03218)は跳ねるようにして言う。
 ドローンからの声で先回りしていたモユルは、即座に駆け出していく。
「わわ、はやいなー! けど……負けない!」
 肉体強化しているのだろう烏簾羽に、しかし負けじとモユルは追従する。
 一見普通の幼い少年であるモユルは、その実サイボーグ化した肉体を持っている。通常生身が出せる力よりも何倍もの性能を駆使できる。
「――う、あ!?」
 リミッターをかけた状態とは言え、全力で走れる。この体となって暫くたっても、いまだに高揚してしまうモユルは、一瞬楽しさに油断を引き出してしまった。
 烏簾羽自身が、自ら進んで誰かを傷付けるような行動も、この学園祭を無茶苦茶にしようともしていない、という事にモユルの持つ正義感からくる同調も一役買ったのだろう。
 その隙を見抜いた烏簾羽がモユル目掛けて、数本の苦無を投げ放ったのだ。
 一瞬の硬直、だが、致命的な硬直。
 その苦無が、モユルへと到達する直前。頭上から降った銃声と共に、苦無が弾かれていた。
 屋上から見下ろす目。
 それを烏簾羽が見た瞬間、銃声が響き弾丸が近くの茂みへと飛び込んだ。と思えば、木々の間から矢が走り、烏簾羽の頬を裂く。
「な!!」
 屋上にいる慎也にも息を呑む音が聞こえるようだった。
 罠、警戒はしていたのだろうが、気付けないほどに周到に仕掛けられたそれに、焦りが生まれてきているのが手に取るように分かる。
「――くッ」
 硬直から戻ったモユルに、烏簾羽は追撃を放つ事はなかった。正面からぶつかれば敗北は必至。それを悟っているのだろう。一転して逃走へと身を翻した烏簾羽を、慎也は冷静に見下ろす。
 視線を切るためだろう再び校舎へと飛び込んだ烏簾羽の動き。
 そこから、行く先を思考し、屋上から足を運んでいく。
「……だよな」
 慎也は先回りしていた古い校舎へと入ってきた烏簾羽へと告げる。
「――っ、先回りですか。流石ですね」
 息を切らし、肩を上下させる烏簾羽は、一瞬諦めるように肩を落とし――直後、細い針を擲つ!
 同時に駆けた五本の針。その全てを素早く振るった鋏で打ち緒とした慎也は。
「危ないぞ」
 告げた。
 そして、その視線は床へと向かい。
 転がるのは、グレネード。爆薬により殺傷を撒き散らす小降りな球体が、直後、烏簾羽の眼前ではぜた。
 ボ――ッ! と耳を麻痺させる轟音。棚の書籍が千千に弾け、壁を削った粉塵が舞い散って視界を曇らせる。
 その中で、人影が揺れた。
「捕まえ……ッ」
 瞬間、モユルが追い付き、飛びかかろうとしたその寸前に。
「――!」
 違和感に気付いたモユルが、咄嗟に防御を固めた。全ての機能を防御へと集中させる専守状態。
 交差した腕へと、何かの拳が突き刺さった! だが、それはモユルの防御を崩せず、後退する。
 もう吹き飛んだが、何かの準備室と書かれていた場所。その中から、烏簾羽ではない、それよりも一回り大きなシルエットが粉塵の向こうに浮かんでいる。
 声。
 果たしてそれは猟兵達へと掛けられた声だったのか。
「さあ、――これで、終わりです」
 スパイ甲冑。
 幻朧戦線により与えられたのだろう武装に身を包んだ烏簾羽が、猟兵達の前に立ちはだかっていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『スパヰ甲冑』

POW   :    モヲド・零零弐
【マントを翻して高速飛翔形態】に変身し、レベル×100km/hで飛翔しながら、戦場の敵全てに弱い【目からのビーム】を放ち続ける。
SPD   :    影朧機関砲
レベル分の1秒で【両腕に装着された機関砲】を発射できる。
WIZ   :    スパヰ迷彩
自身と自身の装備、【搭乗している】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「さあ、――これで、終わりです」
 そう告げた彼の表情は、どこか安堵したようなそれだった。
「ひどい茶番、そうでしょう?」
 スパイ甲冑が、猟兵たちへと襲いかかる。

 第3章

 スパイ甲冑との戦闘です。
鎹・たから
ひとつ質問します
あなたは、学園祭は楽しくありませんでしたか?
スパイ活動ばかりで
あなたの学園生活はつらかったのですか?

此処に来るまでに少し祭をまわりました
たからは、お客として参加できて楽しかったですよ

その甲冑姿はちょっぴりかっこいいですが
ずっと目からビームはあまり受けたくありませんね
ダッシュで躱し、オーラの膜で防ぎます

飛翔し続けるなら撃ち落とすまで
攻撃に気付かれぬよう、あえて逃げる素振りで狙いを定め
雪風の渦を放ちましょう
【暗殺、念動力、衝撃波

墜ちた瞬間を狙って懐へ駆け込み
フォースセイバーで甲冑を斬り捨てます
【早業、切り込み、2回攻撃

捕まえたならば
これで彼は
苦しみから解放されるのでしょうか



 彼女は髪をゆらす風に目をつむった。
「倦〃」
 ああ、と声を吐く。
 息を吸った。匂いに色は無い。ただ音が奏でられていた。重い鉄を叩く必死な音。罅を別ち、立ち上がる音。
 閉じた暗い視界に腕を伸ばす。
 眼を開く。
 迫る光条がその指先を焼く、その一瞬前に彼女は身を翻していた。
 傍を、甲冑から放たれた光線が線を引く。
 彼方と此方の境を裂くように引かれた線は、文句のつけようのない直線を描く。焼け焦げる石造りの床の匂いにも眉一つ動かさず、その銀色の瞳が空に飛翔した甲冑を――学生を射抜く。
 柔らかな雪のような目だ。
 澄み切った冬の朝。触れ続ければ、その柔らかい心地よさが指先を悴ませるような温かな冷気が瞬く。
 視線が噛み合う数秒。腕を揺らす微かな風に、彼女はその眼を逸らさない。
 遠くに喧騒が聞こえる。
「……」
 鎹・たから(雪氣硝・f01148)は、目を細めていた。有象無象たる喧騒が、その一欠片たりとも意味を汲み取れぬ無数の声色が、無尽の彩りが、無色に近い極彩が。

 ――たからにはここちいい。

 だから、掌を広げた。腕を広げた。身体を広げた。
「さ」
 放たれた光線。腕を前に、右を上に、左を下に。水面に渦を作るように靡かせる。
「はじめましょう」
 広げたオーラに光線を、淡い光へと溶かしながら、たからは立つ。
 頬に光の残滓が熱の痕を残す。痛みが痛みだと訴えかける。耳の奥にそれを感じながら、気にはしない。
 力を抜いたように。
 まるで、彼女がここに居ようと、別の場所にいようと変わらないとばかりに。
 その足で、たからは彼の眼下に立った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エリカ・グランドール(サポート)
 サイボーグのシャーマン×電脳魔術士のエリカ・グランドールです。
 戦闘はあまり得意ではありませんが、周囲の状況を観察して違和感のある箇所を発見したり、敵の弱点を推測して隙を作り出すといった行動で皆さんをサポートしたいです。

※セリフ例
「今、何か光りました。ここに何かあるのでは……」
「あの敵の動きには規則性があるわ。うまく狙う事が出来れば……」

 冷静沈着と言う程ではありませんが、ビックリする事はあまりありません。
 あと、笑いのツボが良くわかっておらず「今の、どこがおもしろかったのでしょうか?」と、真面目に聞き返す事もあるようです。

 ユーベルコードは、エレクトロレギオンを好んで使います。


風見・ケイ(サポート)
風見慧、探偵です
なんて格好つけてみましたが、物語の名探偵とはほど遠く
時間をかけて観察すれば、私でも真実は見えるでしょうが
依頼の多くは素行調査や人探しに……猫探し
ということで、私は主に調査担当
元警察官の経験や伝手を活かしての『情報収集・失せ物探し・追跡』などはお任せください
今は猟兵ですから、少しくらいなら法よりお仕事優先です

私も鍛えてはいるものの、身体能力は常人の域を出ず
武力担当の二人(螢や荊)にならない限り、狙撃や怪力等は使えません
『拳銃』での『援護射撃』や一般人の『救助活動』によるサポート
緊急時は、ライターの火や煙草の煙の巨大化による牽制や攪乱
……無理して、他人の前で右腕を露出したくないので


月山・カムイ(サポート)
すいません、少々遅れましたが援護に参りました

既に戦いに入っている猟兵達の援護に入る形で参戦
集団戦なら攻撃のきっかけになるように、縦横無尽に切り結び
ボス戦なら他の猟兵がトドメを刺す為のサポートを行う
武器を切り裂く、受け止めたり逃がすべき相手を空を跳んで抱えて逃したり
上記の様な行動で現在戦っている猟兵が活躍出来るよう動かしていただければありがたいです

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


十字路・冬月(サポート)
 「どんなダンスが好き?あたしは何でもどんとこいさ!」
 隙あらば踊ろうとします。一人でも勝手に踊っていますが、できれば他の人とも踊りたい。

 心の声は保護者的存在(多分男性)の、いわゆるイマジナリーフレンドです。
 難しいことを考えることは苦手ですが、心の中で会話することで解決策を見出すことがあります。

 物欲はありませんが食欲はあります。料理はできません。
 子供も大好き。

 でも戦闘は苦手。負傷者の救出とか、皆との連絡役とかやりたい。
 それでも心のオカンに励まされつつ、誰かを守るために逃げはしません。
 
 他はお任せします。アドリブ歓迎!



 光条と化す。
 たからの声に応えるように、スパイ甲冑を纏う少年が宙を駆ける――と同時に、その姿がまさに光のようにかき消えていた。その素早さに、加速に姿を見失ったのか。
(いいえ)
 翠の瞳を見開いて、少女はそれを否定する。エリカ・グランドール(サイボーグのシャーマン・f02103)は、展開させた機械群へと指示を飛ばす。違和感。それを感じ取った瞬間に導き出した仮説の証明を即座に実行する。
(衝撃波が無い、校舎、速度と制御難易度の釣り合い、加速ではない――)
 一秒とも経たぬ刹那に思考が巡る。言語化するよりも早く、タスクを処理する脳が電脳へと術式を走らせる。
「アタリ」
 唯一、一言。エリカの放つ声。電脳を跳ね返す彼女の翠の瞳が射抜く。感知に暴かれた甲冑の座標。それはエリカの正しく背後、腕を広げれば触れられる場所。
 僅かな風が吹く。冷えたそれが頬を撫でる。硬質な礫が駆けた。
 ゾ、ガッ!!
 不可視の鎧腕がエリカの頭部を叩き潰すよりも早く、エリカへと振り下ろされた腕を迎撃へと向けた機械兵器が突撃する。自らの破損を顧みず、礫となった機械によって腕の軌跡が逸れた。床を抉る強烈な音。はね飛ぶ破片に少し肌を斬られ、血がにじむ。
 機械兵器に多重感知させた電脳のスクリーンに映し出された、甲冑の姿をエリカは怯むこと無く見上げていた。
「……っ」
 確実に知られている。焦りか、息の音とともに甲冑の足が一歩踏み込まれる。今度こそ、機械兵器に邪魔されない一撃をエリカへと繰り出すために!
 だが、エリカは少し首を傾げるだけだ。回避しようともしない。
「なるほど」
 一瞬の疑念に差し込まれたのは、エリカの声ではない。彼女よりも大人の声。冷静な女性のそれ。生徒が無意識にそちらへと視線を向けた。
 銃口。
 真っ直ぐに向けられた銃の黒い丸が、自らを睨んでいる。そこに添えられた細い指が躊躇いなく引金にかかり。
「く、っ」
 バンッ!! 淡白な、だが、それでいて人の命をたやすく撃ち抜く弾丸が、避けたその空間を貫いて消えた。続いて放たれる射撃。思わずに顔をかばいながら距離を取る甲冑の学生に、その射手は短く息を吐いてみせる。
 甲冑に当たらずに、弾丸が校舎からのぞく積み上げられた机に命中し、崩れ落ちる音が反響する。砂塵が舞う。
(どうやら戦いには不慣れ、ですね)
 風見・ケイ(星屑の夢・f14457)は、見えぬその敵の銃への対処に、素人の癖を見抜いていた。
 此方の動きを見定めようとする学生に、ケイは銃口を向けず、しかし、即座に発砲可能な構えで声を掛けていた。
「静かに動いても、見えていますよ」
 物音を隠し、回り込もうとした生徒を確かに視線で追う。
「透明化ですか、よくある手です。故に有用」
 と同時に、とケイは、巻き上がった土埃を口元から扇ぎ払って告げた。
「対処法も多くあるんですよ」
「……」
 風の視覚化。生徒自身の姿が見えなくとも、その周囲の風は動く。風が動けば埃も動く。至極簡単で、それ故にそれを覆すことは難しい。
 透明化は必殺の戦略たり得ない。その事実に生徒が歯噛みし、しかし、次の行動へと動こうとしたその寸前に。今まで口をつぐんでいたエリカが、その口を開いた。
「来たよ」
「……騙すというわけでもありませんが、やはり、こういう手は些か気が引けますね」
 エリカが発した言葉に、ケイは敵前であるというのに肩の力を抜いた。
 実際のところ、戦闘能力に秀でているわけではないケイにとって、その透明化は脅威たり得た。埃の動きを見て、その動きを推測して動く。もし全速力で飛びかかってこられれば、ケイは対処をしきれなかったはずなのだ。
 そんな事を知る由もなく。生徒はそのケイの動きに――それもまたケイのサポートであるとは気付かず――むしろ警戒を見せる。
 ダダ、ンッ――! 床を蹴る音。そして、駆ける刃が砂塵舞う薄影を切り裂いて迫る。
 黒燕が舞うように。剣撃が甲冑と鬩ぎ合い、冷たい空気に響く剣戟。火花が跳ねとぶ。
「すいません、少々遅れました」
 絶影。血を思わせる紅を浮かぶ刀を握る月山・カムイ(絶影・f01363)が数合の切り結びに、甲冑の生徒を弾き飛ばしていた。
「それじゃあ、私は周りの避難に戻るねっ!」
 そして、カムイの来た方向に立つ少女が手を振って背を向ける。
「ふふん、うん、あっちは任せて出来ることをやる、だよね」
 十字路・冬月(ダンス大好き!・f24135)は、心に響くもう一つの人格の声に答えて走る。足取りは軽く、踊るように。
 応援要請に駆けつけたカムイ。冬月は避難誘導、というよりもこの場所から人を遠ざける役目の最中に、彼の案内も請け負っていたのだ。
 エリカからの連絡と信号から最短距離で学園を突っ切った冬月は、まだまだ体力はあまり余っている。
「さあさっ! あたしと一緒に踊ってくれる人、大歓迎だよ!」
 戦場から生徒たち、参加者の目を逸らす。その為になら冬月は正しく適任と言えるだろう。溌剌な声と軽快なダンス。
 それに足を留め、意識を取られ、そして共に踊りだす生徒がいれば、それは一つのパフォーマンスショウだ。
 ステップを踏む、リズムを作る。手拍子が送られて、そのリズムに合わせて身体を動かして。冬月はこの瞬間が好きだ。この時間が、楽しい空間が壊される事が辛い。
(だから、お願いね)
 冬月は戦場へと残した仲間たちにエールを送る。
 全身であたしと一緒に、楽しんでと。
 宙を蹴り、舞い踊る。

 宙を蹴り、舞い踊る。
 縦横無尽に放たれる斬撃が、甲冑を確かに刻んでいく。カムイに大地も空も関係はない、ただ重力の方向が決められているだけ。もはや姿を隠すことをやめた甲冑が放つ弾丸を、真横へと空を蹴り飛ばし回避、更に、空中で身体を捻り、甲冑の頭上へと舞い上がっては天地逆さに重力に従うように、空気を蹴り飛ばして甲冑へと迫る!
 ザ、パ――!! 赤い鎧に真一文字の傷が開く。
 空へと飛ぼうとした生徒を追い迫る。真下から、文字通りに駆け上がるカムイに向けた機関銃が、幾何学模様を描くように跳ねたカムイが振るう剣閃に裂き切られて残弾が地面へ雨と流れていく。
「……っ」
「どこ見てんだ」
 一声、一閃。嵐刃荒ぶ。
 ギ――ゴァ!!
 生徒の更に上。翼も無く、翼にすら縛られぬ自由な空駆けるカムイ。その渾身の一撃が甲冑を流星のごとく地面へと叩き落とす!


 たからは、その姿を見ていた。
 細めた瞳に、星が瞬くように甲冑が駆ける様が映る。落ちた星に――
「ひとつ……、質問します」
 問いかけた。
 たからは常に彼に攻撃を加えていた。冷たい風が、その動きを封じていた。
 そしてついに、見えぬ雪風の渦が、立ち上がろうとする甲冑を絡め取り、縛り付けていた。銀の目に琥珀が揺れる。その向こうで、割れた甲冑の奥から生徒の顔が見える。
 睨む目に、それでも敵意とは呼べぬ決意が宿っている。
「あなたは、学園祭は楽しくありませんでしたか?」
 揺れた。その決意が、僅かに揺れたのをたからは確かに信じると決める。
「楽しかったですよ。私も参加してきましたから」
 笑顔にあふれていた。まあ、喧嘩も起きてはいたが、それも数ある喧騒の中の一色だ。
 だから、知りたい。これからする自らの行動は彼の救い足り得るのか。
「たからは、あなたが」
 今から穿つ穴は、苦しみを延々と繋ぐものになりはしないか。自問し、足元の見えぬ問に喉を嗄らしながら、声を鳴らす。
「この喧騒を心地いいと。思っている。そう思いたいのです」
 覗き込んだ銀に、彼の表情が見えた。
 瞬きをすれば、睫毛に着いた氷粒が煌めいた。
 それは、指摘ではない。ただ、そうあってほしいというたからの押し付けるような願いだ。傲慢を自覚しながらも、たからは、少年の瞳を見つめた。
 学園祭に愛着をみせたのであれば、本心は遠からずだろう。それでも、たからは敵でありながらも、寄り添う存在として、彼の心に傷を穿つ。
 彼が自らを肯定するために。
 故に答えは聞かない。雪風に動くことの出来ない彼の甲冑をフォースセイバーが切り裂いた。
 残骸と化した甲冑の中。生徒はようやく開放されたのだと、息を吐きたからを見上げた。
「その甲冑はちょっぴりかっこよかったですが」
 あなたには、少し派手でしたね。
 差し出す手に、生徒が触れる。冷えた指先に、たからのぬくもりが触れる。
「……ぼくも、そう思っていますよ」
 立ち上がり、彼は諦めたように少し笑って返した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年04月21日


挿絵イラスト