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地下水路に響く快楽と恐怖のハーモニー

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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●予知
 仄暗い空、その町は陰鬱とした空気が支配していた。
 それもこれも、その町に張り巡らされた地下水路に原因がある事は町人のすべてが把握していた。しかし力無き者たちは抗う術を知らない。
 今日も今日とて町から人が消え、地下水路からは甘美な嬌声と恐怖の悲鳴が響き渡る。

●グリモアベースの一角
「よぉ、猟兵。仕事をしてかないか」
 心なしか元気のない声で猟兵を呼び止めるのはエコリアチ・ヤエ(多重人格者の戦場傭兵・f00287)だ。原因は一つ。なんとも後味の悪い予知をしたからだ。
「場所はダークセイヴァーと呼ばれる世界。排除して欲しいのはとある町の地下水路に救うオブリビオンだ」
 町からは近頃、日夜問わず人が地下水路に攫われていく事件が起こっている。
 しかしこの町も例外なくヴァンパイアに支配されている。そのため抗う術も意志もなく、ただただ次は自分や家族、大事な人かもしれないという不安に駆られながら日々を過ごしているという。
「すでに犠牲者は多数。男女問わず子供から中年までの者たちが攫われているようだ」
 攫いやすいであろう老人が狙われないのには理由がある。
 そこに蔓延っているのは、苦悶や快楽等の感情エネルギーを搾り取るスレイヴ・スクイーザーと名付けられた触手のオブリビオンと、ジャック・ザ・カーニバルと呼ばれる肉を食らう亡者のようなオブリビオンなのだ。どちらにしても生命エネルギーが溢れる年代を色好みしていた。
「人を町から攫っていたのはジャックだ。人を攫い、触手共が感情エネルギーを喰らっていた者と交換し、それの肉を喰っている。何故そうするかはこの流れで色々想像つくだろう、敢えて俺からは触れないでおく」
 これも後味の悪さの一因だ。他にも伝える情報があるため、話を先に進める。
「こいつらの居場所は先にも言ってるように地下水路だ。しかし詳しい場所が特定できなかった。まずは地下水路を探索し、敵の居所を発見してくれ」
 通路に敵がいることはないようなので戦闘にはならないだろう。地下水路の中、広場や部屋のようになっている場所などをねぐらにしてる可能性が高い。
 探索の際暴れまわってもオブリビオンは逃げる事はなさそうなので、探す方法はそれぞれに一任される。
「すでに犠牲になった者たちを助けることはできねぇが、このままにしておく訳にもいかねぇ。頼んだぞ」
 この事件、決して誰かに感謝されたりする事はないだろう。それでも世界を跨ぎ事件解決に動いて欲しいと述べる。
 そうしてグリモア猟兵はその力で猟兵たちをダークセイヴァーの町へと送り出した。


鬼騎
 第1章、探索。
 第2章、触手。
 第3章、南瓜。
 このシナリオ上記の構成となっております。シリアスです。
 そこそこエグめの内容も書いてくと思いますので、そういうのが苦手な方はよければその旨をプレイングに一言追記お願いします。
 助かる人間もいませんのでハッピーエンドにはなりません。あらかじめご了承ください。
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第1章 冒険 『地下水路』

POW   :    濡れるのも構わずとにかく走る

SPD   :    隠し通路や扉を探してみる

WIZ   :    水の流れや光を頼りに出口を探す

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

戒道・蔵乃祐
ヴァンパイアの眷属ですか

快楽のために無辜の民を虐げ、生きるために感情を搾り尽くして肉を喰らう
上位者としての傲慢と、弱肉強食のヒエラルキーですね
出来過ぎた共生関係だ

触手も南瓜も吸血種も。この世界では害獣と同列の駆除・殺処分対象ということなのでしょう
少なくとも、僕の中ではそう感じました

◆探索
暗視技能を活用。忍び足で、眷属達に察知されない内に巣を見付けてしまいたいですね

聞き耳を立てて、食事の音が聞こえないか探りつつ下水の壁を調べます

今までの犠牲者達は、生かしたままで巣に連れ去られていた

意識があれば全力で抵抗しますよね。きっと。死に物狂いで…。
剥がれた爪や血痕の跡から眷属を追跡します
決して逃しません。



 外からの光がほぼ入らない地下水路。そこを敵に悟られぬよう気配を消し、物音を立てぬよう進むのは戒道・蔵乃祐(荒法師・f09466)だ。
 その巨体に似つかわしくないと思われる動きかもしれないが、足音や武具の擦れる音などを消しながら進むのは熟練の技。また筋力も相当に必要なことである。
「弱肉強食のヒエラルキーですね。しかしそれもここまでのことです」
 この世界での強者はヴァンパイアだ。その眷属は何をしようと無罪放免。抗う力があるものも居なかった世界。
 しかしそれもこれまでの話。今やそのヴァンパイアや眷属たちを狩る者たちが現れたのだ。
 ここに居るとされる触手も南瓜も、そしてこの町を支配しているとされる吸血鬼も、蔵乃祐は等しく駆除、そして殺処分対象と考えていた。これ以上好き勝手にはさせない。
 敵を葬る為にも、まずは敵の居所を探さねばならない。
 今までの犠牲者たちは生かされたまま連れ去られたという。つまり地下水路の壁や床などに何かしらの痕跡が残っていてもおかしくないということだ。いくら町全体として抗うことがないとはいえ、自分自身が連れ去られれば必死の抵抗ぐらいはするだろう。
 五感のすべてを鋭く尖らせ探索を続ければ、ほどなくして落ちた剥がれた爪と、床に染み込んだ血痕を発見する。この調子ならば他にも痕跡はいくらでもあるだろう。
 蔵乃祐は仄暗い地下水路で細心の注意を払いつつ、痕跡を辿っていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ペイン・フィン
・・・・・・すでに何人も犠牲になっているのか。
・・・・・・悲しい、ね。

地下水路を探索。技能はSPDで。
痕跡を【追跡】したり、その痕跡から【情報収集】していこうか。
あとは【第六感】に【暗視】あたりも使えそうかな?
見つけた痕跡は、なるべく他の猟兵と共有。
手分けして先に進もうかな。


氷魚・晴天
あまり、関わりたくないような話だけど、止めたいね。
微力だけど、僕も頑張ろう。

まずは地下水路を探索だね。
物音、声を聞き逃さない様注意して、隠し通路や扉が無いか【第六感】に任せてアタリを付けてこう。
それに自分が【物を隠す】時は、どう、どこに配置するか考えながら探したら上手く見つかるかな、見つかるといいね。
あと、作った霧の動きを感じ取る『薄霧魄眼』も空気の通り道を見つけるのに役立つかもしれないから、発動させておくよ。

ともあれ、あんまり陰湿な場所に長居したいわけじゃないし。うん、気が乗らなくてもとっとと終わらせたいからね、全力で臨んでこう。

アドリブ、連携描写歓迎。


シェラフィール・ディー
「まったく…嫌な事件、ですね…」
ついでに場所も不快で不潔です。そうであれば、ここでもお掃除ですね。ええ。
「大きな場所ということは流れの集中している地点でしょうか…さて…」
【刻印呪眼:邪視徘影】
瞳を赤く輝かせ、自らの影より呼び出した黒く、ギョロつく瞳をいくつも備えた触影。
その瞳がスカートの中を―――……
「まったく」
……自らの影よりそのまま蹴りだし。逃げてゆく様を見送って五感を共有。
悍ましきモノ同士。風に淀むより大きな【呪詛】の残滓を辿る事も出来るでしょう。
より大きな不浄が溜まる場所が、おそらくは……。

【アレンジ、絡み等も歓迎です】



「まったく……嫌な事件、ですね……」
 生活に使われるための地下水路。とはいえオブリビオンが巣食っているということもあり、地下水路は掃除どころの状態ではない様子に、シェラフィール・ディー(オニキスロード・f03454)は軽いため息を漏らす。
 可愛らしいメイド服に身を包むシェラフィールは、ここではまずオブリビオンのお掃除が必要ですねと気持ちを入れ直す。
「うん、あまり関わりたくないような話だけど、止めたいね」
 続いて声を発したのは、氷魚・晴天(空の青き透・f12827)だ。すでに何人もの犠牲が出ていると聞き、微力だとしても頑張ろう。そういった心持ちで、この地下水路へと降りてきていた。
 晴天は奔放な雰囲気をもつケットシーだ。戦闘よりも探索を好むような性格の晴天にこの事件はとても重く感じる。しかし、それでもやらねばならない時が猟兵にはあるのだろう。
 とはいえこのような陰湿な場に長居したいわけがなく。晴天は素早く事件を解決できるよう、注意深く辺りをよくよく見渡していく。
「……悲しい、ね」
 二人よりも少し前を先行していたペイン・フィン(“指潰し”のヤドリガミ・f04450)は、犠牲者が出ているという事にその心を痛めていた。
 しかしその心の動きが、本当に心を痛めているのかは……自分自身でさえ確証を得られない。
 時折襲い来る悲鳴や拷問、相手に苦痛を与えたくなる衝動。それらが無いと自己意識が薄れゆくような感覚に陥る。それらはペインが拷問器具の1つ、指潰しのヤドリガミだからなのか。
 肉体を得た今でも抜けない感覚は度し難くも感じるが、これも性分と今を過ごすしかないと諦めてもいた。

 しばらく進むと一行はT字路へと行き当たった。
「大きな場所ということは流れの集中している地点でしょうか……さて……」
 シェラフィールは探索をするにもどちらへ進むべきかと思案していると、ペインが右方面を指差した。
「あそこ。痕跡だ」
 指差した先にあるのは壁にうっすらとだが残る引っかき傷だった。しかしこの傷跡、近づいてみると不自然な点に気づく。ぷっつりと途中で途切れているのだ。
「調べてみよう」
 晴天は空気の通り道を見つけるのに役にたつかもしれないと発動させていた、霧の動きを感じ取ることができるユーベルコードを利用する。それをこの傷がある壁付近に寄せると、僅かながらだが空気の流れを感じることができた。おそらく隠し通路だろう。
「隠し通路……でも開かないみたいだ」
 ペインは押したり引いたりしてみるものの、通路があると思われるあたりの壁を動かすことができずにいた。
「ではシェフィにお任せを」
 そうシェラフィールが述べると、赤いギョロリとした瞳をいくつも備えた触影が彼女の影から起き上がり、そして……スカートの中を覗こうとした。
 触影は素早くシェラフィールにより影から蹴りだされ、そのまま逃げるようにして空気が流れ出ている壁の隙間へと滑り込んでいく。
 触影により反対側からしか動かすことができなかった壁のギミックは解除することに成功した。

 目の前にはさらに暗く、不穏な空気をまとった通路がまっすぐと伸びていた。その狭い通路には壁のあらゆる位置に引っかき傷や血痕が残されている。
 触影を通路に先行させ、意を決め一行はこの通路へと歩みを進めていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

リーヴァルディ・カーライル
…ん。これ以上、犠牲者が出る前に手早く済ませよう
たとえ間に合わなくても、遺骨の一つだけであっても…
それが、今を生きる者の慰めになる時が、きっとある…

事前に地下水路の入り口周辺を捜索
第六感を駆使して些細な存在感も見逃さず見切り
攫われた人間が直前まで身につけていた物や
怪物の痕跡が残されていないか探し出す

目当ての物品を発見したら、自身の生命力を吸収させて【吸血鬼伝承】を応用
物品に追跡の呪詛を施して一時的に蝙蝠化した後、持ち主の元へ飛ばす
私自身は、魔力を溜めて怪力化した脚で時に壁や天井を走り抜け、
時に変身しながら暗視を頼りに蝙蝠の後を追う

…入口に【常夜の鍵】を仕込んでおいたから、帰りの心配はいらない



「……ん。これ以上、犠牲者が出る前に」
 リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は複数ある入口の一つから地下水路へと降り立つと、素早く吸血鬼伝承を発動させる。
 するとその力はてのひらに握っていたあるものへと伝わり、それは小さな複数の蝙蝠へと変化した。
 リーヴァルディが握っていたもの。それは事前に地下水路の入り口周辺を探索し見つけ出した、被害者と思われる者の毛髪だ。
 おそらく抵抗をした際に髪を強く引っ張られたか何かしたのだろう。緩くウェーブがかかる赤髪の長毛は少しの束となり落ちていたのだ。
 その拾い上げた髪にリーヴァルディの生命力をほんの少し吸収させることで、本来は自分自身を強化するための技を拾い上げた髪へと応用。
 髪が変化した蝙蝠はリーヴァルディが施した追跡の呪詛により、持ち主の元へと向かい飛び立っていく。
「たとえ間に合わなくても……」
 リーヴァルディは決意を胸に地下水路の道を飛びゆく蝙蝠を追いかけ始める。入り口には帰るための布石も仕込んである。振り返る必要はない。
 たとえ誰一人救出が間に合わないとしても、せめて遺骨の一つだけでも取り戻すことができればと考える。
 たった一つ、たったそれだけでも。
 これから先も生きて行かねばならない者たちの慰めになる時がきっとあると、そう信じて。

成功 🔵​🔵​🔴​

テリブル・カトラリー
POW
感謝されないのなら好都合。
凄惨な光景等、見慣れたものだ。が、看過はできない。
一刻も速く、この事件を終結させよう。

暗闇ならマシンヘルムの暗視装置を起動。

水路をダッシュで移動。
分かれ道等は視力と暗視、聞き耳を使用し周辺の情報収集。
血痕や引き摺った後、もしくは埃の積もり具合等、
何かが通った後がないか調べ怪しい方向へ進む。

UCは爆破による破壊工作は使用せず、あくまで自身が通った後に一定間隔をおいてロボ爆弾を設置、既に通った道はこれで分かるだろう。



「感謝されないのなら好都合だ」
 テリブル・カトラリー(女人型ウォーマシン・f04808)は片手でヘルムを操作し、暗視装置を起動させる。ほとんど光の入らない地下通路だが、テリブルの着用するマシンヘルムはそのわずかな光を拾いあげ増幅することで視野の確保が可能となる。
 他にも色々な機能が搭載されているヘルメットだが今ここでは必要がないため、機能を絞って稼動を続ける。
 凄惨な光景などもはや見慣れたものなのだが、それは放っておいても良いということにはならない。
 テリブルは一刻も早くこの事件を集結させるため、その体の機能をフルで活用しながら、地下水路を駆ける。
 周囲の状況全てを事細かに情報収集し、通った道には一定間隔でロボ爆弾を設置していく。これで来た道がわかる上に何かあった際には活用することも可能だろう。
「ここは……」
 水に濡れることも厭わず痕跡を探し、たどり着いたのは鉄格子に阻まれた通路の一つ。
 普通ならここで引き返すのかもしれないが、テリブルはその鋭い観察眼により鉄格子の一部が変色していることに気がついた。
 その変色した場所に手をあてがい、少し動かしてみれば簡単に鉄格子の一本が外れたではないか。もともと間隔が広めに取られていた鉄格子はこの一本を抜き取れば、人間が簡単に通れるほどの幅となる。
 何度も触れられたことで変色し、錆びつくこともなく簡単に外れる鉄格子。何度もこの抜け道のような場所が使われているという証拠ではないか。
 テリブルはさらに用心を重ねながら、この鉄格子の先へと進んでいった。

成功 🔵​🔵​🔴​

桜雨・カイ
犠牲になった人は助けられなくても、今捕らえられた人は間に合うかもしれない、という期待を込めて地下水路におります

分かる範囲でいいので地下水路の地図を事前に確認
水路を進みながら「錬成カミヤドリ」で錬成体で周囲あちこちを叩いてみて
奥が空洞(隠し扉)になっていないか調べてみます
(見つけたら後に来る人の為に目印をつけておきます)

隠し通路では引きずった跡や血のにおいなどを探りながら進みます。
触手の動く音などが聞こえたら、敵は近いです。気配を隠しながら進みましょう



「まだ間に合う人もいるかもしれない。そのような期待と持つことは、決して悪いことではない……ですよね」
 桜雨・カイ(人形を操る人形・f05712)は受肉した人の身と、本体である操り人形とともに、この地下水路へと降り立っていた。
 操り人形は常に人ともに在る物。人形だったカイにとって人は切っても切り離せない存在だ。
 そのため助けられる人がいればと少しでも期待をもつ心境は当たり前といったところなのかもしれない。
 この地下水路に降りる前、カイは事前に町で地下水路の地図を探し、その構造を確認していた。その地図に記載されていた図と、行く道を頭の中で照らし合わせながら道を進んでいく。
「……このあたり、おかしい感じがします」
 ふと、気になる一角があり、カイはその周辺を念入りに観察していく。事前に確認した地図ではこの辺りに細い横道があるはずなのだが、それが見当たらないのだ。
 簡単には見つからないと考えたカイは物量作戦でいくことに決め、錬成カミヤドリのユーベルコードを発動させる。何体もの操り人形が出現し、壁一面に並ぶ。その人形たちは壁を叩いて壁の向こう側が空洞になっていないかを手当たり次第確認し始めた。
 その空洞はすぐさま見るけることができ、隠し通路への道を阻んでいた扉も簡単なギミックですぐ開けることができた。
 この隠し通路がわからなくならないよう壁と床にに大きく印を残し、カイはこの道へ足を踏み入れる。
 この先にいる敵を倒すことで、どうか犠牲となった人々の魂に安寧を。そしてこれから先、町で生きる人々にいくばくかの希望を届けるために。

成功 🔵​🔵​🔴​

アイシス・リデル
うん、大丈夫
これ以上、誰かが悲しむようなことは止めなきゃ、ね
それが猟兵のお仕事だし、わたしも、そうしたいから

こういう場所での行動は得意、だよ
冷たい水は慣れてるし、暗いところはわたしの目で照らせるもんね

追跡体のわたしたちで、地下水道を探索するよ
地下水道をねぐらにしてるなら、必ず、痕跡はある筈だから
流れてくる血とか、攫われた人たちが身に付けてたものとか
体の一部とか、ものを食べるなら排泄物だってあるかも、ね
それらを辿っていけば、きっと、オブリビオンに辿り着ける
あなたたちが奪っていって、もういらないって、ゴミのように棄てたもの
あなたたちを追い詰めるのは、そういうものだよ



「これ以上、誰かが悲しむようなことは止めなきゃ、ね」
 アイシス・リデル(下水の国の・f00300)はその特異な体により、普段から下水道に住み着く生活をしている。そのためこのような、冷たい水、暗い通路での行動は得意中の得意であった。
 ランタンのような暖かな光を灯す燈火の瞳はあたりを淡く照らす。
 ふと小さな何かがその光の中を遮っていった。
「いってらっしゃい、わたし」
『いってきます、わたし』
 それはアイシスの体から分裂した小さいアイシス。それらは複数生まれ、壁へ水へとその体を這わせ周囲を探索しはじめる。ユーベルコードにより生み出される追跡体なのだ。
 地下水道のような場所をねぐらいにしているならば、必ず痕跡があるはず。
 構造やこの場の空気に慣れているアイシスは痕跡があり得そうな場所を次々と確認していく。すると、それはいとも簡単に見つけることができた。
 ここは通路と通路の間にあるほんの少し広めの空間。その空間には通常の通路とは違う、本来は壁であったろう場所に通り道が存在していた。
 瓦礫に遮られた道だが、アイシスならば隙間を通り向こう側へ行くことが可能であろう。
 そしてその向こう側には、今もなお言い知れぬ匂いを放つそれは町人の服や装飾品の残留品が見て取れた。
 誰かが悲しむことは止める。それが猟兵の仕事であり、アイシス自身もそうしたい事だから。
 痕跡を辿り、アイシスは通り抜けた向こう側の、さらにその奥へと進んでいった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリア・ティアラリード
下水道を一人、悲壮とも言えるような【覚悟】を決めた顔つきで進みます
粘つくような饐えた…だがどこか甘い下水道の空気
ヤエさんの予知を聞いた瞬間、オブリビオンの正体が分かってしまった
御苑家の聖騎士と讃えられるも暗黒面に堕ち、袂を分けた父親
その彼が残した悪夢のような魔法生物

……他の猟兵とは違う。
『あれ』が下水道のどこにいるのか、私には【先頭知識】で良く分かるのだから
下半身が水で濡れようが一切気にせず自らを【鼓舞】し【勇気】を持って進みます
あのおぞましい父の遺産を、この世界から消し去るために【ダッシュ】し駆け抜けて…!

POW/ソロ希望



 この地下水路をなんとも言えぬ覚悟を決めた壮絶な様子で進む一人の少女がいた。
 それはアリア・ティアラリード(エトワールシュバリエ・f04271)だ。一人の年若い少女が纏うものとは思えないその雰囲気で、この地下水路の空気を切り裂くように彼女は存在していた。それは多重人格者だからこその空気なのか、はたまた別の何かがあったのか。
 しかしそのような事すらどうでも良いと切り捨てる形相で、アリアは地下水路を先へ先へと進んでいく。
「あそのおぞましい父の遺産を、必ずこの手で……!」
 実はグリモア猟兵から事件のあらましを聞いた際に、アリアはそのオブリビオンの正体をはっきりと確信していたのだ。
 それは御苑家の聖騎士と讃えられるも暗黒面に堕ち、袂を分けた父親。その彼が残した悪夢のような存在。
 自らの服が濡れようが一切気にすることはない。濡れることでしか進めないような道も先に待つオブリビオンを必ずや駆逐するために迷うことなく突き進んでいく。
 アリア自身は他の猟兵とはその覚悟が、果たさねばならない勤めが違うと自負していた。
「待っていなさい。必ずや!」
 全ての種を破壊し、世界から消し去るために。
 アリアは敵の居所を求め、地下水路を駆け抜けていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

秋月・信子
・WIZ行動宣言

暗闇の地下水路を懐中電灯の灯りを頼りに侵入すると先住者の鼠達が散った
奥から流れてくる腐敗臭が混ざり合った澱んだ空気が漂い、目を細めてハンカチで口元を押さえた

奥に奥にと進むと、水路の上でネズミ達が浮かんでいる…否、何かの上に集っていた
(何か手ががりになるかも…)
彼女が近づくと鼠達が散っていく
鼠達が去った後に残ったのは――

「これって、まさか…っ」
それは奥から漂い流れてきた腐敗臭の元か、鼠に齧られ骨が剥き出しになった人間の上半身だった
目を見開きながらそれを呆然と眺めると、口から内蔵に夢中となり逃げ遅れた肉片塗れの鼠が飛び出し堪えきれず吐瀉した

兎も角、遺留物を辿れば出口が見つかるだろう



 地下水路の暗い壁に明るい光がチラチラと映し出される。それは秋月・信子(魔弾の射手・f00732)が持ち込んだ懐中電灯の明かりだ。
「……何、これ」
 あまり空気の流れがよくないこの地下水路にたまに漂う匂いに、信子は顔をしかめ、口元をハンカチで覆い隠した。
 今生活の場となっているUDCアースと呼ばれる世界ではあまり嗅ぐことのない、なんとも言い難い匂いだ。不慣れな者にはきつく感じるのだろう。
 他の猟兵も探索しているはずだが、それらが忍び音を立てていないのはわかる。だがそれにしてもこの地下水路は異様なほど静かだ。
 手元の明かりを頼りに地下水路を進んでいくと細い横道が見えてくる。
「これって、他の猟兵……よね」
 その細道の横の壁には他の誰かが記したのであろう真新しい印。
 足元を照らせば誰かの足跡が細身の奥へと続いており、さらに明かりに照らされたのはネズミと思われる物の死骸。それも一片の肉も残らずバラされ、砕けた骨だけが散乱している。
 それままるで子供がおやつを食べ、そのゴミを辺りに撒き散らしてるかのようなぞんざいな様子で。
 信子は込み上げてくる嫌悪感や嘔吐感を飲み込みつつ、ともかくその細道を進むと心を決めた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルーク・アルカード
保護者のウェルシェ(f06945)と一緒に探索。

【心情】
……狭くて暗くて嫌な臭いでいっぱい。
マフラーで鼻を覆って探索。

【探索】
ウェルシェの後をついていく。
刀で壁や床を叩いたりして隠し部屋がないか確認。
音がおかしい場所は調べてみる。
反響で調べる場合は咆吼を使ってみる。

地面の埃とかも確認。
変にすり減ってたり無くなってたりしたら、服の裾か尻尾を引っ張ってウェルシェに教える。

【補足】
基本的にあまり喋りません。


ウェルシェ・セイボリー
ルーク(f06946)と共に探索。

【心情】
既に犠牲者が出ているのは悲しいですが、これ以上犠牲者を出さない為にも必ずオブリビオンは討ち取りましょう。

※犠牲者には『祈り』を捧げます。

【探索】
光源のランタンを用意し探索。オブリビオンの痕跡は見逃さずに『追跡』を成功させましょう。

壁などに隠し通路が無いかチェック。

※壁の一部に違和感がないかや水路の構造などから不自然なスペースの壁がないか等をチェック。

探索中にオブリビオンを見つけたら、すぐには戦わず他の猟兵との合流を優先。

【希望描写】
ルークとはぐれない様に手をつなぐ。

※ルークは尻尾を掴んでくるかもしれませんがの場合はちょっとだけビクっとさせてください。



 ひやりと冷える地下水路に揺れる影がふたつ。
 背丈が大きい影が掲げるランタンの灯りはあたりを怪しく照らす。その影らはオブリビオンの痕跡を逃さぬよう、じっくりとあたりを見渡しながら地下水路を進んでいく。
 ランタンを掲げている影の持ち主はウェルシェ・セイボリー(人狼の聖者・f06945)。そのウェルシェの後を小さい歩幅でついていくもう一つの影。それはウェルシェよりも幾分も背丈の低い人物、ルーク・アルカード(人狼の咎人殺し・f06946)だ。
 二人とも白い毛並みをもつ人狼の猟兵だ。此度は二人一緒にオブリビオン退治へと出向いてきている。
 二人はランタンの灯りを頼りに痕跡を辿り、空気が淀む道を進む。ルークはこの地下水路に蔓延する嫌な臭いから逃れるため、顔の半分をマフラーで覆い隠した。
 ルークはその生い立ちもあってか、口数は非常に少ない。探索を進める間もほぼ会話がないのだが、この二人の間柄は沈黙が重くなるようなものではなく、それで一切問題はないのだ。
 痕跡を辿りどんどん奥へと進んでいくと、道はだんだんと細くなり、脇道がいくつも現れる。二人ははぐれぬよう手を繋いで慎重に道を進んでいく。
「これ以上の犠牲者を出さないためにも、必ずオブリビオンを討ち取りましょう」
 ルークはウェルシェのその言葉に小さく頷く。ウェルシェはルークの手を引きながら思う。今度こそ守るべきものを守るために。猟兵のこの力はそのためのものなのだということを。
 探索を続けていると突如感じた感覚にウェルシェは体を強張らせた。それはルークがウェルシェの尻尾を強めに握った衝撃だったのだが、ルークが何か知らせたいことがあるのだ。
 ルークが見つめる先は一本の脇道。その道をじっくり観察すると床に何かを引きずったような跡が見える。
 二人は互いにアイコンタクトを送り、頷く。気配を消しながらゆっくりとその道を進むと、その先には蝋燭の光に照らされた広場があった。
 スレイヴ・スクイーザーという触手が人々の感情エネルギーを吸い取り、ジャック・ザ・カーニバルが感情エネルギーが枯渇した人間の肉を喰らう場所。その広場の光景が目に入り、ここが目的の場所だと確信を得る。
 それらがいる広場は様々な通路へとつながっている通路の合流地点のような場所であった。他の猟兵たちもあらゆる道からここへ辿り着くだろう。
 二人は繋いでいた手を離し、敵に気付かれぬよう、ゆっくりとした動作で戦闘体制へと移行する。
 オブリビオンを掃討すべく、タイミングを見計らい、その広場へと駆け出していった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『スレイヴ・スクイーザー』

POW   :    テンタクル・スクイーズ
【美味なる極上 】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【おぞましくのたうつ肉色の触手】から、高命中力の【感情を吸収する数十本の触腕】を飛ばす。
SPD   :    スラッジ・スキャッター
【全方位に汚濁した粘毒液 】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    ブレインウォッシュ・ジャグリング
【幹触手の先端 】から【暗示誘導波】を放ち、【洗脳】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 その広場は一定の間隔で壁や背の高い燭台に設置された蝋燭の灯りで、妖艶で歪な光景が照らされていた。
 攫われてきたのであろう子供から中年ほどの年齢層の町人たち。
 それらが触手たちに抱かれ、ある者はその触手に愛撫され嬌声をあげ、ある者は骨ごと体を締め上げられ呻き声をあげている。それらは全て感情エネルギーを搾取するための強制行為であった。
 このような光景の中に、突如弱々しい悲鳴が響く。その悲鳴の主は広場の中央、感情エネルギーを搾り尽くされた様子の女。その女は生きたまま南瓜頭のオブリビオンに腹を齧られ臓物を引きずり出されていたのだ。
 これ以上ただ見過ごす訳にはいかない。広場に通じる通路に各自身を隠していた猟兵たちはそれぞれの獲物を手に広場へと躍り出た。
 敵の襲来にオブリビオンたちは即座に反応し、南瓜頭を囲むように触手たちは町人を抱えたままの状態で戦闘体制へと入る。
 まずはこの触手、スレイヴ・スクイーザーの殲滅だ。触手に抱えられている町人たちは全員生きてはいるのだが、焦点が合わず、涎や血を垂れ流す状態は目を背けたくなるほどの様子だ。すでに救出することは叶わないように思われる。
 猟兵が第一にやらねばならない事はこの触手を倒し南瓜頭への活路を開くこと。ただそれのみである。
ベラドンナ・ベルティネッリ
うわ、気色悪いわね。
……助けられそうなら助けていいけど、もう完全にダメな町人は、せめて痛みを感じずに逝かせてあげる。
鋼糸で首を一断ち、それで終いよ。
後は触手ね。なんか変な汁飛ばしてきそうだし、ちょっと近寄りたくないから【死の嵐】でバラバラになるまで切り裂くわ。
もっと具体的に言えば、【見切り】で避けながら【範囲攻撃】で切り裂いて、町人は救出可能か判断して【早業】で助けるか止めを刺すか。乱戦になった時は【野生の勘】を頼りにするって感じかしら。

「悪いわね、生きられる見込みのない者を助けられるほどの余裕はないの。」
「それにしても、キツイわね、この臭い。鈍い人がうらやましいわ。」



「うわ、気色悪いわね」
 あまり表情を変えず、広場を見渡すのはベラドンナ・ベルティネッリ(ブラックドッグ・f02642)だ。
 戦場で拾われ戦場で育ったベラドンナだが、このような光景は育ってきた戦場とはまったく違うものであった。
 ベラドンナは己の近くに近づいてきたスレイヴ・スクイーザーと、現状捕虜となっている町人の様子を見定める。
 捕まっている町人はまだあどけなさの残る少女だ。焦点の合わぬ虚ろな瞳、紅潮する肌、やせ細った身体。正気を保っているかどうか、また、助け出したところでそれが救いとなるのかどうか。
「これ以上考えこむ余裕はないようね」
 眼前に迫り来る触手を確認し、鋼糸を手に構える。
 どのみち迫り来る触手を排除しないことには、抱きかかえられている町人をどうにかすることもできないのだ。戦いながらこの町人が助かるのかどうか、ベラドンナは思案することにした。
 先に仕掛けてきたのは触手のほうだ。うねり迫り来る触手の攻撃だが、ベラドンナはその動きを予想し、体を横にずらし避ける。
 その無駄のない動きにより、ベラドンナは即座に反撃へと繰り出す。避けた状態から体をひねり、巧みな手捌きで攻撃のため伸びきった触手を複数同時に断ち落とした。
 ベラドンナの攻撃により触手は怯むかと思えば逆に体を震わせ、自身を中心とした全方位にむけ、酷く混濁した粘り気のある液体を撒き散らし始める。
 またその動作と同時に、抱えられている町人も体を震わせ、身体を仰け反らせる。特に何かされたわけでない。しかし、すでにそう反応するよう、身体に教え込まれているのだ。
「あなた、もうダメそうね。いいわ、すべてを終わらせてあげる」
 ベラドンナが構えるはユーベルコード、死の嵐。瞬時に放たれる鋼糸の斬撃は、周囲にいる全ての者を切り刻む。
「痛みもなく、これで終いよ」
 鋼糸の斬撃を受けた触手と町人の肉塊はごろりと床へと転がった。
 今この場にいるベラドンナにできること。それは敵と戦い、町人を解放することのみ。
 鋼糸を手に、ベラドンナはまた次に向かうべき敵を補足した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
事前に防具を改造して誘惑の呪詛を自身に付与
先に自身を洗脳する事で敵の暗示を防ぐ

…ん。無粋な魔物ね
何の対策も立てずに、お前なんかの前に立つと思った?

暗視を頼りに触手の動きを見切り、
大鎌を怪力任せになぎ払い武器で受けカウンターを狙う
第六感が汚濁液等の危険を感じたら回避行動を行う

吸血鬼化した生命力を吸収させて【限定解放・血の波濤】を応用発動
力を溜めた防具の呪いを増幅して解放、別々の対象に2回攻撃を行う
触手は街人を開放し、別の触手の傷口を抉る同士討ちを命じ、
街人は魅了で痛みを消したり、理性を取り戻したりできないか試みる

…少しだけ、待っていて
今、貴方達をこんな目にあわせた奴に、代償を支払わせてやるから…



 リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)はその大鎌を手に広場へ躍り出た後、二体のスレイヴ・スクイーザーを相手取っていた。
 その触手らが抱える町人は大人になる直前といった年頃の女性と、中年の男性だった。女性は体中を触手で絡め取られ、男性は触手に肉や骨を締め上げられる。
「必ず……必ずこのその代償を支払わせてやるから……」
 触手を傷つければ傷つけるほど、町人たちから無理やり感情エネルギーが搾取されていく様子にリーヴァルディは必ずこの触手たちを殲滅すること固く誓う。
 なんとか一撃で触手を倒すことができないかと苦心しているタイミングで、触手の一体がこちらに向け粘つく触手を伸ばしリーヴァルディへと絡みついてきた。それは攻撃という行為ではなく、動きの阻害とともに肌を撫でてリーヴァルディに対してからも感情エネルギーを搾取しようという考えのようだ。しかし――。
「…ん。無粋な魔物ね」
 その行動はリーヴァルディにとってまったく効果を表さない。誘惑の呪詛を防具へ刻み、自分自身に対して誘惑を付与する効果を乗せており、このような行動に対して事前に対策済みだったのである。
 肉色の触手が放つ感情を吸収する触腕が伸ばされたとしても、前提となる感情を与えることができなければ全くもって意味がない。
 しかしこの状態、敵とこちらの距離が近く、なおかつ動きが止まった瞬間であったことをリーヴァルディは逃すことはない。
「……限定解放。薙ぎ払え、血の波濤……!」
 リーヴァルディは周囲にまとわりつく二体の触手に一気に呪詛を放つと、敵は互いに互いの身体を触手で貫き、消滅していった。それはヴァンパイア化した自分の生命力を防具に吸収させ、誘惑の呪詛を増幅し、触手にぶつけ同士討ちを命じた事による結果だった。
 これで町人が解放されるかと思った矢先、女性の体はその生命力を失い、事切れてしまった。手遅れだったのだろう。
 しかしもう一人、男性のほうは体中に損傷を負いつつ、命からがら生き延びていた。
 すぐにその町人を戦場の端へと移動させ、応急処置などを行う。生き残ることが彼の救いになると信じて。

大成功 🔵​🔵​🔵​

氷魚・晴天
 惨い事するなあ……そういう生態なんだろうけど。
 
【残像】を残すような脚捌きで肉薄、人々の爪痕の【傷口を抉る】ように刃を振るう。
 血溜まりに武器の滝晒しの水滴を【属性攻撃】として馴染ませ、咎人殺しとしての技「鉄香綴輪」を順次発動させて、動きを封じていく。
 縛り付けてる触手を斬り飛ばして、町民たちを【盗み攻撃】するみたいに解放していくよ。
 もし、まだ助けられそうな人がいたら、安全な所に【物を隠す】ように隠しておく。

 にしても、本当の極上の感情ってのを知らないのかな。反吐が出るね。
 んん、いや、これも彼らからしたら『極上の感情』ってやつなのかな。嫌になるなあ、全く。
 殲滅しよう。

アドリブ絡み歓迎。


秋月・信子
Pow行動

「あ…あぁ…ひ、ひど、い…酷すぎる…」
眼を背けたくなる程の生き地獄を目の当たりにして恐怖を覚えてしまいました
彼ら…いえ、奴らはきっと、被害者を救出しに来た私達の感情も”エサ”にする狙いがあったのかもしれません
「そうは…させやしない!」
『勇気』を振り絞り、恐怖の感情を振り払うようにユーベルコード【紅蓮の魔弾】を発動
(助けてあげたいけど…この様子じゃ、もう手遅れ…)
『破魔』の力を宿す銀の銃弾を装填し、『属性攻撃』で聖と炎の力を増幅した魔弾をイメージし、町人を盾にしようとする触手に銃口を向けます

(あなた達に私が出来るのはコレで楽にすることだけです…ごめんなさい)

共闘、アドリブはお任せします



「あ……あぁ……ひ、ひど、い…酷すぎる……」
 秋月・信子(魔弾の射手・f00732)は広場のその凄惨な光景を見て、すぐさま目を背けたくなる衝動にかられる。すでに数体の触手が撃破され、中には助かった町人も確認されたが、その様子は本当に助かったと言って良いのかどうか疑問視されるほどの状態であったことも思い出し、身震いをする。
 それは普通の生活を送るものなら誰でも恐怖して当たり前の光景なのだ。
「本当に、酷い事をするなぁ」
 氷魚・晴天(空の青き透・f12827)は奴らはそういう生態なのだろうと思えば、オブリビオンと我々が対立していることにも道理が通ると納得をする。
 二人はすでに助けられた者の悲惨な状態を見ても、それでも助けられる者がという考えが頭の片隅から離れずにいた。たとえそれがエゴイストだと非難される事になったとしても、だ。
 しかしそのような考えさえ吹き飛ばしたのは、こちらに襲いかかろうとしてくる二体の触手だった。
 それらの触手が抱えこむ女性たちの体は、あらゆる箇所から惨たらしく触手が肉を貫き、死直前において長い苦痛と恐怖を与えられ続けていた。触手から引き剥がせば、ただそれだけで彼女たちには死が待ち受けているのは明白であった。
 二人は無言でそれぞれ得物を構え臨戦態勢を整える。助けられぬのならばやることはただ一つだ。
 先に動いたのは晴天だ。絶えず水滴を纏う滝晒しと呼ばれる刀を手に地を蹴った。
 素早い動きで触手の一体に肉薄すれば、敵はその動きに対処しきれず攻撃を外し、晴天の刀の一撃をまともに食らう。
 続けて触手の追撃を受ける前に晴天はユーベルコード、鉄香綴輪を発動させた。すると晴天が斬りつけた触手の傷口から漏れる血飛沫に刀が纏っていた水滴が染み渡る。その血液は棘がついた巨大な車輪の形を帯び、二体の触手に飛来し棘で貫くことでその動きを一時的に封じることに成功した。
 好機。信子は己の勇気を振り絞り、ハンドガンを両手で握り、晴天により動きを封じられた触手に対して向ける。その照準は触手と、そして町人を撃ち抜く位置に合わされる。
「魔弾、装填完了」
 助けてあげたかった、しかしそれが叶わない今。信子にできる事はこうすることのみ。銀の弾丸が込められたハンドガンを今一度握り直し、心を決めた。
「今助けてあげるよ。セット……ファイア!」
 素早く二度の銃声が響き渡る。2体の触手とそれぞれ抱えられた町人に向け撃ち放たれた弾丸は炎の軌道をえがく。
 その弾丸に撃ち抜かれた町人と触手に炎は広がり、抗うことを許さぬままその体を燃やし尽くしてゆく。
「せめて聖なる炎に抱かれ……安らぎを」
 見事な連携により苦戦することなく敵を倒した晴天と信子は次の戦闘相手を見定める。
「色々と嫌になる戦いだね、全く」
 この場にいる全てのオブリビオンを殲滅し、町人を解放すべく、二人は再び武器を構えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

戒道・蔵乃祐
!!!!!!
下衆どもが!!!!
此処は地獄とみまごう奈落の刑場そのものだ

この様な鬼畜の所業を天がお許しになる筈がないのに!!
何故天罰は下らず魑魅魍魎が此処まで蔓延る!

完全に理解した
この世界には神も仏も居らず、
威光すら地の底には届かないということか

ならば僕は心を殺し鬼となろう
地獄の獄卒そのものであれば。心は、きっと耐えられる筈だから


毘紐天動輪、円月!!

両腕の籠手に仕込んだ戦輪を早業、クイックドロウ、先制攻撃、2回攻撃で投擲
念動力で軌道を制御しつつスナイパーで幹触手の先端を斬り飛ばす、なぎ払いの範囲攻撃
亡骸、重傷者は可能な限り避けます。が、

やむを得ない場合は、敢えて悪の汚名を被ってでも事を為します



「この下衆どもが!!!!」
 怒号と共に戦場を舞うのは戒道・蔵乃祐(荒法師・f09466)の戦輪だ。ユーベルコード、毘紐天動輪。
 蔵乃祐が切り結ぶ印契を向けた敵に向かい飛んでいく戦輪は、こちらに向けて触手を伸ばすスレイヴ・スクイーザーの複腕を切り落とす。
 戦輪は円を描き蔵乃祐の手元へと戻ってくるが、すぐさま第二撃目の指示を繰り出し戦輪を制御する。
「破ッ!!!」
 その激しい攻撃は止まることを知らず。敵に飛来する第二撃目も見事狙い通りの触手を切り裂き、触手の体からはあらゆる汁が吹き出している。
 しかし敵を倒すための決定打には至らない。それもこれも、敵はその腕に抱える町人を盾にしており、核心をつくことができずにいるからだ。
 蔵乃祐が戦っている触手に抱かれるのは、まだ母に甘えるような年頃の幼い少女。
 焦点が合わず、一切の力が抜けた、白くやせ細ったその痛ましい姿。
 そして触手が傷つくたびに体を弄られ、感情エネルギーを絞り取らされるその姿を見て、蔵乃祐は心底から怒り狂っていた。
「この地に蔓延る魑魅魍魎どもめ、神仏の罰は下らねども……この鬼が必ずや討ち滅ぼしてくれる!」
 このような鬼畜の所業を行う者どもが蔓延るこの世界には神も仏も居ないと、蔵乃祐はそう完全に理解した。
 ならば弱き己の心を鬼に染め、地獄の獄卒として此処よりも深く奈落の刑場そのものへ突き落とすことを誓う。
 飛び交う戦輪を一度手元にもどし、心を決めて再び敵へと向かわせる。
 それは少女の心の臓と重なる敵の核心へと切り掛かり、その胸を切り裂き、突き抜けた。
 触手と少女は悲鳴に似た音を発しながら床に崩れ落ち、絶命した。
 固く口を結ぶ蔵乃祐だが、拳を強く握り、前を向く。まだこの広場には下劣な触手どもが蔓延っているのだ。
 蔵乃祐は戦輪を手に、この場にいる全てのものを滅するべく足を踏み出した。

成功 🔵​🔵​🔴​

ペイン・フィン
・・・・・・なんだろうね。
見慣れてるけど、それ以上に、変な感じがするよ。

真の姿を解放。
血霧のようなモノを纏った、何歳か幼い姿になる。
同時にコードを使用。
装備している全ての拷問具を複製、展開して、攻撃していこうかな。
潰し、砕き、引っ掻き、切り裂き、電気で、炎で、重さで、毒で、
触手を1つ1つ、潰していこうかな。

・・・・・・攻撃時、なるべく町人に攻撃が行かないようにするよ。
もう救えないのは、そうかもしれないけど、
なら、尚更、これ以上傷を付けたくはないから、ね。

・・・・・・そして、目からいつの間にか流れてた血涙に触れて、呟くよ。
もしかしたら、これが、同族嫌悪なのかな・・・・・・?



 戦場である広場に突如広がるのは血のような霧。それが収縮する場にはペイン・フィン(“指潰し”のヤドリガミ・f04450)が立っていた。それは地下水路を捜索していたときよりも何歳か幼い姿へと変貌しており、それは解放されたペインの真の姿であった。
 ペインの真の姿が解放されると同時に、ユーベルコードが発動される。
 ナイフ、指潰し、鎧砕き、スタンガン、蒼い炎を纏う焼きコテ、鉤爪がついた猫鞭、罪の重さにより重量の変わる置石、毒――ペインが装備する全ての拷問具が複製され宙に浮いて展開される。
 その光景はまさにここが地獄也といった様子であった。
 その拷問具は一人の青年を抱え苦しめ続けるスレイヴ・スクイーザーへと一斉に飛びかかる。
 うねる複数の触手は拷問具によりあらゆる責め苦を受け、ひとつずつじわじわと破壊されていく。
 拷問具の目的は殺すことなく長く責め苦を味あわせるものである。
 たとえ複数同時に展開したとしても、その威力は低く、触手自体がまさに生きながらにして地獄の苦痛を味あわされているのだ。
 敵も全方位に粘液毒を撒き散らすものの、その程度では何重にも複製された拷問具の攻撃を削ぐことはできない。
 次々と拷問具を展開し触手を責め続けるペインだが、なるべく町人に攻撃が当たらぬよう細心の注意を払っていた。
「もう救えない、それは見てわかるのだけどね」
 せめてもの手向けとして、その体をこれ以上傷つけたくはないというペインの配慮であった。
 度重なる拷問具の攻撃により触手は徐々にその体積を減らし、やがて触手が死に絶えると、それを追うかのようにして抱えられていた青年も息を引き取った。
 動かなくなった死体を見て、ペインの頬にはいつの間にか流れ出た血の涙が伝う。
「これが……同族嫌悪、なの……かな……」
 その言葉はまだ戦場として騒ぎの起こる広場に搔き消える。血涙をぬぐい、拷問具を操りながらペインは次の敵を探し求める。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルーク・アルカード
ウェルシェ(f06945)と共闘。

【心情】
触手……うねうねしてて気持ち悪い。
全部切り落としてもいいんだよね?

【戦闘】
自分の血を武器に与えて処刑執行形態に。
『殺気』を正面から叩きつけながら『ダッシュ』で背後に一気に回り『2回攻撃』を繰り出しながら相手の『傷口をえぐる』ように攻撃。
武器の損耗は気にならないので、愛用の刀でひたすら攻撃。

【補足】
相手の触手に巻き付かれたり、ボコボコにされたりの苦戦描写歓迎です。
遠慮なくお願いします。

処刑執行形態の形状はお任せします。


ウェルシェ・セイボリー
基本はルーク(f06946)と共に戦闘。

【心情】
救出はもう無理でも助けたい気持ちは変わらない。

その人達をかえしてもらうぞオブリビオン共!

逃がしはしない……今日ここでお前達を処刑してやる!!

【戦闘】

咎力封じを使ってスレイヴ・スクイーザーの動きを封じるように動きます。

普通に拘束するだけでは敵の姿的に効果は薄そうですね。

触手を巻き込むように拘束を試みます。

一度で動きを封じられなくても素早く『2回攻撃』を狙ったり、仲間が攻撃して与えた『傷口をえぐる』ように縛り上げて、より拘束の効力をあげてみましょう。

【補足】
かなり敵に対して怒りが込み上げているので、口調は怒り気味で希望です。



 年頃の少女と中年の女性はスレイヴ・スクイーザーの触手に絡みとられ、感情エネルギーを搾り取られていた。
 痩せこけてその輪郭はわかりづらいものの、その女性たちは見れば血の繋がった親子だろうと言うことがかろうじてわかる。
 しかしその女性二人はまるで触手を自ら求めるように絡みついており、すでにあらゆる面において助けられないことは明白であった。
「助けられないとしても、その人たちはしっかりと返してもらうぞオブリビオン共!」
 ウェルシェ・セイボリー(人狼の聖者・f06945)は吠えると同時にその手にする拘束具を触手に向けて放つ。ユーベルコード咎力封じをより確実にするため、触手をしっかりと巻き込めるよう位置を見定める。
 たとえ一度で縛り上げることができずとも二度三度と狙いをつけ拘束を試みるが、触手が放つ粘毒液のせいもあってか、拘束できる時間は短い。
 しかしその短い間でも拘束することによりルーク・アルカード(人狼の咎人殺し・f06946)は己の力を発揮し、無駄なく攻撃を仕掛けていく。
「触手……全て切り落とせばいいんだよね」
 ルークは妖刀、血晶刀・金盞華を抜き、刀を握らぬ己の掌を切り裂いき、己の血を妖刀にたっぷりと吸わせ力を込める。すると妖刀はみるみるうちに形を変え、血で形成された刃は刀の細さのまま鋸状に変形し、チェーンソーのようにその刃が回転し始めた。
 その鋸状になった刀で敵の触手を一撫ですれば回転する刃は肉片を撒き散らし、簡単にその触手を切り落とす。
 その破壊力に対し刀身自体の脆さがあるものの、ルークは一切気にせず刀を使い目の前に並ぶ二体の触手をまるで木の剪定をするかのように次々と削ぎ落としていく。
 己の血ならまだまだあると考えるルークは、未だ組織の中で使われる捨て駒の意識が抜けないからなのだろう。
「ルーク! 拘束が解ける、離れなさい!」
 ウェルシェが与えた拘束が解かれることを感じルークへ忠告するも、ルークは拘束を離れとんできた触手を避けることなく攻撃を仕掛け続ける。
 攻撃を受けながらも瞳孔を開き、ただひたすら刀を振るう姿に、ウェルシェは敵を止める方が早いと考え再び拘束具を放つ。
 再び二体の動きが止まった瞬間、ルークの刀は町人ごと大きく敵を切り裂き、その生命にトドメを刺した。
 この周囲に生きるものはウェルシェとルークだけとなり、白い毛並みを返り血と自らの血で汚した状態のルークはようやっと動きを止めた。
 ウェルシェはルークの様子を伺いつつ、触手と町人の死体を引き剥がす。
 次の動きを見極めるためあたりを見渡せば、スレイヴ・スクイーザーの数もあと数体のみだ。スレイヴ・スクイーザーとの戦いはあと少しで幕を閉じるだろう。
 

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シェラフィール・ディー
アリアと協力

「いらっしゃっておりましたか」
主人の姿を認め、合流致します
とはいえ、軽口を叩ける状況ではない、ですね
「なるほど、聞いた通りの様相……これが―――」
少なからず、因縁浅からぬ手合い
とはいえ、これはあくまで数のうちの一つ…
余計な感情は抑えましょう。南瓜頭への道を切り開くためにも
「……助ける事は叶いませんが、これ以上の犠牲を出さない事は可能です。ここで切断致します」
長刀にて抜き打ち構え。向かい来る触手を迎撃しつつ、【湖鳴剣】
納刀鍔鳴りのフォース発露にて触手の機先をわずかにズラし隙を作りましょう
…少々のダメージも絡みつく不快な触手気にしている暇も惜しい状況
「あとは、お願い致します。お嬢様」


アリア・ティアラリード
シェラフィールと連携

うねる触手が、犠牲者の発する苦悶と恍惚の声と共に私を襲って
しかし一度でもこれを…暗黒面へ堕ちた父の遺産を目にしてしまえば
私の体は反射的に【ダッシュ】し【捨て身の一撃】もかくやと言う程に全力で突撃
絡み付く無数の触手が、私の制服をズタズタに切り裂こうが全く気にせず
淫らに絡みつき私を新たな快楽の虜にしようとする触手も囚われの犠牲者も
一度に【2回攻撃】《無稽剣》でX字に切断
今の私に出来る事は…これだけ…だから…

「……」

皆と協力し、およそ目に付く全てを斬り伏せた後
その場に立ち尽くす私はどんな顔をしていたのでしょうか
俯く私を、背後からそっと優しく抱き止めてくれたのは…シェフィちゃん…?



「いらっしゃっておりましたか」
 そう声をかけたのはシェラフィール・ディー(オニキスロード・f03454)。声をかけた相手は主人であるアリア・ティアラリード(エトワールシュバリエ・f04271)だ。
 このような場において主従関係が揃うというのは心強いところではあるが、悠長に会話を楽しんでいる状態ではない。
 眼前にいる二体のスレイヴ・スクイーザーはそれぞれ男と女の町人を抱え込んでいた。
 囚われている体は触手により覆い隠され確認することはできないが、男女ともにうわずった声を漏らし続けていることから、どのような感情エネルギーを搾取されているかは明白だ。
「なるほど、聞いた通りの様相……これが―――」
 シェラフィールは少なからず因縁のある敵だが、主人のことを思えば己はこの場で冷静でいなければと意識をはっきりとさせる。
 横をみれば主人であるアリアは歯を噛みしめ、ただならぬ剣幕で触手を睨みつけていた。
「父の遺産……必ず……必ず殲滅をっ!」
 アリアは半ば我を忘れたように、防衛を一切無視した状態で触手に向かい走り込んでゆく。
「お嬢様っ! くっ、援護にまいります!」
 一足遅れシェラフィールはアリアの後を追いかけながら幻魔刃に手をかけ、全力で追いかける。
 二体の触手の間合いに入ろうかというタイミングでシェラフィールはアリアを追い抜き、刀を触手に向け振るう。その一撃は見事触手の一本を斬り落とすが、追撃はせずそのまま刀を納刀した。
 それはユーベルコード、湖鳴剣とづけられた技。居合抜刀による鍔鳴りから広がるパラライズフォースを放ち、敵を麻痺させる技だ。
 見事な流れで敵の動きを封じた状態ですぐさまアリアが追いつき、その腕を大きく上げ、振り下ろす。それはユーベルコード、無稽剣と名付けられた技。
 無手から放つフォースセイバーにより二体の触手と囚われの町人は斜めに大きく切断されるが、アリアは続けざまにもう一撃、初撃とは反対の傾斜を描いた軌道で再び放つ。
 その攻撃により触手と町人の体はX字に大きく肉体を切断され、その肉片は床へと落ちた。
 床には触手の液体と、人の血が広がり、地面に吸い込まれていく。
 その光景を目にしたアリアはその場に立ちすくみ、これで本当に良かったのかと自問自答する。
「今の私に出来る事は……これが……」
 アリアが俯いていると、背後からそっと優しく抱きとめられ、人の温もりを感じた。
「シェフィちゃん……?」
 今はまだ戦場、ほんのわずかな時間だが、その温もりはアリアの気を持ち直させるには十分なものであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アイシス・リデル
……ごめんなさい、間に合わなくって
もうおしまいにするから、ね

はやい動きは苦手だけど、ブラックタールの身体を活かして戦う、ね
のびたりちぢんだり、天上を利用して上を取ったり攻撃をかわしたり
それにわたしは毒耐性があるから、粘毒液をかわせない人がいたらかばって盾にもなれる、よ
まだ息のある町の人たちにも攻撃が届かないようにしないと、ね

……できる限り、つかまった町の人たちは傷つけたくないの
難しいってわかってても、まだ助かる人がいるかも、って思っちゃうから
心の傷に効くかはわからないけど、生まれながらの光で治療してみる、ね

そのためにも、あなたたちはもう、いらないから



 広場の一角、部屋の角において床や壁、天井を利用し跳ね回る何かがあった。それはゴムのような伸縮性と弾力性をユーベルコードにより自身に付与しているアイシス・リデル(下水の国の・f00300)だ。
 アイシスは早い動きは苦手だという自己意識があるため、スレイヴ・スクイーザーとは真向に対峙せず、その体の特性を活かして不規則な動きで敵の動きを封じて攻撃をしていく戦闘スタイルを選択したのだ。
 今アイシスが対峙している触手が抱える町人は青年だ。その青年の両腕と片足は触手に握りつぶされあり得ぬ形に何重にも折れ曲がっている。
「……ごめんなさい、間に合わなくて」
 その惨たらしい状態にアイシスはそう呟く。もしかしたら……もしかしたらあと幾分か早くこの場に来ることができたならば、何かが違ったかもしれない。
 仲間の動きにより他の町人が救出されたことは伝わってきたが、それは本当に奇跡のような確率だったのかもしれない。
 おそらく町人を抱える触手の生命活動が止まった時、そのまま男性も死んでしまうであろう。せめてその遺体を回収し、大事な人のもとへと返してあげるために。アイシスは決着をつけるべく勝負を仕掛けた。
 触手がまき散らす粘毒液はアイシスの毒耐性の前にはただの粘つく液体でしかない。敵の粘毒液を潜りながら壁などを利用し、スピードを乗せた殴打を繰り返し始める。
 それも無差別に攻撃しているわけではない。できるだけ町人には攻撃を当てぬよう、なおかつ触手の根本近くへと攻撃を集中させ、体の芯へとダメージを蓄積させているのだ。繰り返し行われる攻撃に徐々に触手の肉片が飛び散り、その体積が削り取られていく。
「あたなはもう、いらないから。倒れて」
 壁から弾かれ飛び、勢いをつけたアイシスはここ一番の強打を触手の背後へと叩き込んだ。すると触手の動きが止まり、重力に引かれゆっくりと地面へと倒れこんだ。
 跳弾をやめてたアイシスは触手に近づき、触手と町人の生命活動が停止されたことを確認する。
 見渡せばこの触手が最後の一体。
 残る敵は広場の中央に立つカボチャ頭のオブリビオンのみ。
 オブリビオンを倒し、町人を地上へと連れていくため。猟兵たちは武器を握りなおした。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『ジャック・ザ・カーニバル』

POW   :    汝、肉に別れを告げよ
戦闘中に食べた【肉】の量と質に応じて【炎が活性化し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    ヘルファイアゴースト
レベル×1個の【髑髏】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
WIZ   :    ジャックブレイズ
対象のユーベルコードを防御すると、それを【頭頂部の炎に映し出し】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はネフラ・ノーヴァです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 触手により感情エネルギーを搾り尽くされた人間の肉を生きたまま喰らっていた南瓜頭のオブリビオン。ジャック・ザ・カーニバル。
 その南瓜頭は表情を変えず、先ほどまで臓物を喰らっていた人間を手に立つ。体を人間の鮮血で濡らし、南瓜頭の中の炎を燻らすその姿はこの場の支配者に相応しいともいえる風格ではあった。
 その佇まいから猟兵たちは敵のただならぬ力量を感じ取る。舐めてかかればこちらも言いたい目を見ることは間違いなさそうだ。
 この場にいる被害者たちを弔い救うべく、この南瓜頭を必ずや倒さねばならないだろう。
 猟兵たちはそれぞれの得物を手に、ジャック・ザ・カーニバルを取り囲んだ。
リーヴァルディ・カーライル
…ん。確かこいつ、肉を喰らうほど強くなるはず…
さっきまで食事していた事を考えれば、油断して良い相手じゃない

他の猟兵と連携して包囲し、改造した防具の魔力を変更
第六感を強化して敵の殺意の存在感を見切り回避優先で行動
肉を食べる素振りを暗視が捉えたら、怪力頼りに大鎌をなぎ払い妨害する

…っ。これ以上、お前に食べさせるものなんて、一つも無い…!

敵が隙を見せたら一瞬、吸血鬼化して【限定解放・血の獄鳥】を発動
生命力を吸収して魔力を溜めた魔法陣の呪詛を黒鳥に纏わせ、
敵に突撃させた後、自爆して傷口を抉る2回攻撃を行う

その後、救助活動を行い助けた人の容態を確認
まだ息がある人は【限定解放・血の聖杯】を使用する



「……ん。確かこいつ、肉を喰らうほど強くなるはず……」
 リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は今までダークセイヴァーのあらゆる敵を討伐してきた経験から、ジャック・ザ・カーニバルに対し、最大限の警戒を行う。
 このジャックというオブリビオンは肉の量と質に応じて戦闘力が強化され続ける厄介な敵なのだ。ジャックの手にぶら下げる死体となった女性を見れば臓物がほとんど食べ尽くされていた。
 これはまずい。肌でその危険を察知し咄嗟に飛び退けば、ジャックが凄まじい速さで飛び込み拳を床に叩きつけた。すると今しがたまで居た床はひび割れ、陥没する。
 リーヴァルディは防具に仕込む魔力を変更していたことに胸をなでおろす。この速度とパワーでこられると思考していると反応がついていかないであろうことが予測される。
「キャキャキャキャキャキャ」
 それは不快なジャックの金切り声。手にする死体がどうなろうと御構い無しに、猛スピードで突撃を繰り返してくる。
 なんとか直撃を避け攻撃を回避したらり、手にする大鎌で攻撃をいなすものの、防衛一方で攻撃の隙が見当たらない。
 じわじわと体力を削られ、なんとか踏ん張り続けると、一瞬の隙がジャックに生じた。
 それは頭頂部の炎を大きく燃やし、なにかをうつしだそうとする行動だった。どうやら激しく動くとこの炎の揺れが生じて技が使えない模様。
 一瞬だが動きを止めた瞬間、リーヴァルディは敵の動きよりも早く攻撃へと転じた。
「……限定解放。呪いを纏い翔べ、血の獄鳥…!」
 リーヴァルディにかけられた呪いが具現化した魔法陣が展開する。その魔法陣を召喚された黒炎の不死鳥が中をくぐり、その呪いの力を己の身にまとわせ敵へと突撃する。
 それは突撃による攻撃に加え、突撃後に爆発することによる多重攻撃だ。
 爆煙から姿を現すジャックは未だ平然としているが、その手にしている人の死体はそういうわけにはいかない。犠牲者には申し訳ないがこれならば以降、肉を食らうことによる能力増加の効果は薄れるだろう。
 リーヴァルディは再び大鎌を構え直し、再び次なる隙を伺っていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

ペイン・フィン
真の姿の解放を継続。
血霧を纏った、幼くなった姿なのは変わらず。
コードも継続・・・・・・、しようとしたところで、違和感。
流れ出る血の涙が仮面を濡らし、無地のそれを赤く染める。
・・・・・・ここで、新たなコードに覚醒し、発動する。

今まで食われた者の怨念が、
なぶられ苦しめられてきた者の憤怒が、
そして、何も出来なかった自分の悲しみが、
血霧に混ざり、色を黒に染め上げる。
・・・・・・後は、拷問具、“黒曜牛頭鬼”をただ振るう。
何度も、
何度も、
何度でも。
・・・・・・ああ、ほんと、酷い話だね。
無力感から、新しいコードが生まれたというのに、
それでも出来るのは、人を傷つけるだけ。
・・・・・・ただの、偽善だよ。



 真の姿を解放したまま、ペイン・フィン(“指潰し”のヤドリガミ・f04450)はジャック・ザ・カーニバルに立ち向かっていた。
 スレイヴ・スクイーザーを倒した拷問具複製による攻撃をジャックに対しても仕掛けようかと思ったところ、ふと自身の体の違和感に気づく。
 先ほどしっかりと拭ったはずの血の涙が再び溢れ出し、無地の仮面を伝い流れたのだ。
 それと同時にペインは体の奥底から血潮が煮えたつのがわかる。
 今まさにユーベルコードの覚醒が行われた瞬間であった。
「……辛い、けど、そうも言ってられない、ね」
 それは苦しみ死んでいった者の怨念、そしてなお今も虐げられる被害者の憤怒。
 何もしてやれなかった非力な者の己の血を代償とし、己の身体能力を極限状態まで引き上げた。
「キェェェェェ」
 ジャックは他の猟兵からの攻撃を振り払い、そのままペインへと向かい髑髏の形をした炎をばら撒く。そのひとつひとつがまるで意思を持つかのように襲いかかってくるが、身体能力が極限まで上昇しているペインは難なくそれを避けた。
 ペインが動くたびに尾をひく血霧には、怨念、憤怒、悲しみが混ざり、その色を黒く染め上げている。
 そしてペインの手には拷問具、黒曜牛頭鬼。
 その拷問具をもって、ペインはジャックに殴りかかる。避けられても、当てられても、何度も、ひたすらに腕を振るいあげ、殴りつける。
 ペインは戦いながらもさらに深い悲しみに苛まれ続ける。
 人を助けれられなかった無力感から生まれた力で、また何かを傷つけている。
「っぁあ!」
 それでもペインにできることは、ただひたすら拷問具を振るい戦うことのみ。それがただの偽善だと、そう思ったとしても。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルーク・アルカード
ウェルシェ(f06945)と参加。

【心情】
……ちょっとだけ体がいたいかも?

この南瓜頭の首を落とせば良いんだよね。
首を落とすのは何度もやったことあるから上手にできると思うよ。
いっぱい落とせば大人に褒めてもらえるの。

【戦闘】
『ダッシュ』で接近し、『2回攻撃』を繰り広げ相手に手傷を負わせる。
その後、『傷口をえぐる』ようにユーベルコードを叩きつける。

【補足】
苦戦描写歓迎です。
怪我を顧みずに攻撃に徹しています。


ウェルシェ・セイボリー
ルーク(f06946)と共に戦闘。

【心情】
後はお前だけだな南瓜野郎……犠牲者を俺達の前で食い続けるとか神経逆撫でしてくれるな。
逃がしはしない、犠牲者の為にもお前を処刑する!!


【戦闘】
UC・葬送斬首で攻撃を行う。

強敵相手に通用するかは……正直難しいですが、こいつにはこのUCを使って処刑したい。

素早く接近し『2回攻撃』、味方が『傷口をえぐる』ことが出来る様に傷口を作ることに専念しましょう。

【補足】
UCで生み出すギロチンは刃自体に持ち手も付いているイメージです。
また、攻撃時は首以外もちゃんと狙います。

※戦闘しながらでもルークのことを気にかけたりしている描写も可能なら欲しいです。



「決して逃しはしない! 数多くの犠牲者のためにも必ずお前を処刑する!!」
 ザン! という音とともにジャック・ザ・カーニバルの肉体が切れる音が手応えとともに伝わってくる。
 ウェルシェ・セイボリー(人狼の聖者・f06945)は聖光で生成されたギロチンの刃を操りジャックへと何度も攻撃を仕掛けていく。
 そのギロチンは巨大な鉈のように手持ち部分も付いており、それをふるうごとに空を切る音が響き渡る。
 ウェルシェとジャックが斬り合い殴り合う横からさらに攻撃を仕掛けるのはルーク・アルカード(人狼の咎人殺し・f06946)。
 ルークの手には処刑執行形態が解除されている状態の血晶刀・金盞華が握られる。その刀身は使用者の血を吸い形つくる。ここまで何度も敵を切りつけてきているが、一切の刃こぼれも見当たらず、切れ味は抜群だ。
「……首を落とすのは、上手にできる」
 殺しの道具として生きてきたルークにとって、何かの首を落とすということは日常茶飯事のことであった。また殺せば殺すほど、褒められたことが記憶から蘇る。
 先の戦いで自身の怪我や返り血などで白い毛並みが血で汚れているが、本人は少しだけ体が痛い気がする程度でいた。
 本人がそのような状態なためか、またしても捨て身の姿勢で戦闘に挑んでしまっていた。
 ジャックの繰り出した拳がルークの体へと直撃し、体の中から骨が砕ける音が聞こえる。
 それでもルークは止まらない。刀を振るい終えた瞬間ユーベルコードを発動、刀を処刑執行形態へと変形させせチェーンソーのような刃へと変形させ、斬り下ろしたのと同じ軌道で今度は斬り上げる。
 その攻撃は見事ジャックの肉体を斬り裂き、ジャックのほうが一旦跳びのく。態勢を整えようと、先の猟兵との戦いで焼け焦げた死体をジャックは無造作に噛み切り咀嚼した。
「ルーク、次は私が仕掛けます。下がりなさい」
 それは強い意志をもった口調。ウェルシェはギロチンを手にジャックへと肉薄する。
 無論ルークを心配しての制止でもあるが、人の肉を喰らうあるまじき冒涜を見せられ、ウェルシェは怒り心頭なのだ。
 しかしウェルシェは戦闘において冷静さも失わない。ジャックの繰り出す攻撃を避け、ギロチンを振るう。
「その首差し出せ!!」
 手に伝わる肉を裂く感触。しかし浅い。
 かなりの強敵だ。幾度となく肉を裂かれてもジャックはその強靭な肉体で平然としながら、こちらに向け攻撃を仕掛けてくる。
 功を急げば必ず痛手を負うだろう。ウェルシェはルークをこれ以上無茶な特攻はしないようジャックを牽制し、他の猟兵たちの攻撃へと合わせていく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

テリブル・カトラリー
助かった者がいるか。
無事であれば良いが、
まぁ、それは私が案じて良いものではないだろう。
今は、他にやるべき事がある。

目立たない用隠れて周辺の地形、及び味方と敵の位置情報等を収集。
(視力、暗視、情報収集、地形の利用使用)

態々地下を根城にしていた輩だ。
私達が来た道以外にも逃走用の通路を隠しているか、
無くとも逃走を図る可能性もある。
逃がしはしない。此処で必ず殺す。

ロボ爆弾を操縦、全ての脱出路に配置。
奴が逃走を図るならば、そこを爆破し敵を吹き飛ばし、道を塞ぐ。

また片腕を射出機能内蔵の腕に換装し、ロボ爆弾を装填。
機をみて狙い撃ち、当たったら爆破し、
追撃にアームドフォートの砲撃と再装填した爆弾射出で二回攻撃


桜雨・カイ
…………。
これ以上町の人達を苦しめないで下さい。
(亡くなった人達へ)遅くなってすみません。

髑髏の炎の数は多いですが、これは「錬成カミヤドリ」の錬成物で対処します。合体させないよう炎をちらしながら攻撃します。
敵の強い攻撃がきたら「オペラツィオン-」で受けます(味方が攻撃された時はかばう)
無効化しても衝撃や痛みはあるかもしれませんが、こんなものここにいた人達の苦しみにに比べたら…っ。これ以上誰も傷つけさせません。

共闘OK



「助かった者がいたとしても、我々が無事に帰らねば意味がないな。やるべき事をやろう」
 テリブル・カトラリー(女人型ウォーマシン・f04808)は片腕を射出機能内蔵の腕に換装しこの場に立つ。この腕によりテリブルはロボ爆弾を装填し敵へ撃ち出すことが可能となる。
「これ以上の被害を食い止めるためにも、必ず成し遂げましょう」
 またその横には桜雨・カイ(人形を操る人形・f05712)が本体のからくり人形に薙刀を持たせ、立っている。
「私が前にでます。援護をお願いできますか?」
「無論、まかせてくれ。だが無茶はするな。逃げられる心配もしなくていい、すでにこの広場につながるすべての入り口に爆弾を設置済みだ」
 すでにテリブルの高い情報収集能力により猟兵が通った道のみならず、隠し通路もすべて把握済みであり、通路すべてに遠隔操作が可能な小型ロボを向かわせ設置。そのロボは爆弾にもなる高性能な代物である。
「なるほど、心強いですね。では参ります」
 カイはそれを聞き、ジャック・ザ・カーニバルへ向け攻め込んでいく。
「あぁ此処で必ず殺す」
 絶対に逃がしはしないと固い決意でテリブルもジャックへ向け攻撃を仕掛けるタイミングを見計らう。
 ジャックは他の猟兵から受けた傷を戦闘能力を上昇させることで帳消しにしようと目論む。
 しかしそれをカイは許さない。からくり人形を操作し鋭く突き出した薙刀により、ジャックの行動を妨害する。
「キシャァアアア」
「威嚇しても無駄だ」
 テリブルはその腕からロボ爆弾を発射、見事ジャックの頭部にヒットさせ爆発させれば、南瓜部分が大きく破壊される。
 さらに追撃としてAMRアームドフォートの砲撃も食らわせる。これはテリブルの体に携行している型浮遊移動砲台だ。
 カイが操る薙刀は敵との距離が必然的に取られるため、カイと敵の距離を考えずに爆弾や銃撃の攻撃が使え、相性が抜群といった様子だ。
 テリブルが再び爆弾を装填しているとき、ジャックが放った炎の攻撃がテリブルへと向く。テリブルより早くその動作に気づいたカイはジャックとテリブルの間に滑り込み、その炎を生身の体で受け止める。
「っおい!」
 まさか庇われると思っていなかったテリブルはその様子に慌てるものの、カイが攻撃を受けた次の瞬間、からくり人形からその炎が排出され、生身も本体も無傷であることがすぐに判明する。
「驚かせてくれるな」
「……すいません、問題ありませんのでまた攻撃を仕掛けていきましょう」
 一切のリスクが存在しない戦いなどありはしない。またたとえ攻撃をうまく受け流せなかったとしてもその程度の痛み、被害者たちの苦しみに比べたら問題になどならないのだ。
 これ以上誰も傷つけさせないために。
 ジャックはところどころ肉体が破壊され始めてきているが、まだまったく動じていない様子だ。
 猟兵たちはジャックを取り囲み、まだまだ攻め続けていく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

氷魚・晴天
ご飯の最中、失礼するね。
 その炎。吹き消してあげるよ。

 水滴を帯びた刀、滝晒しで、傷口に水を含ませるように切りつける。それ以上、誰かを食らう前に【盗み攻撃】で誰かの体を奪い、【残像】を生むような【早業】で【傷口をえぐる】【二回攻撃】の【属性攻撃】「霜花瘡雪」を発動。
 炎は【第六感】でどうにか凌いでみせよう。

 形見になりそうなものが残ってたら、探して持っていこう。
 何も、無いよりは良いはずだから。

 アドリブ、連携、大歓迎です!


秋月・信子
SPD行動

「この世界では…人は奴らの家畜、なのね。」

まだ真の姿に変身はできないが、力を引き出すように瞳を蒼く輝かせた
「形象(イメージ)…開始(スタート)」
静かに呟くと、ユーベルコード【魔銃、解凍(デビルズ・エニー・アザー・ウェポン)】を発動するべく有効な魔銃をイメージし、それを作るべく影が構えているハンドガンに集まって粘土のように魔銃を形成していくハンドガンを触媒に『武器改造』された魔銃は『ジャック・ザ・カーニバル』の炎を打ち消すべく『破魔』の力を有する銀の銃弾に「邪悪な炎を浄化する水」の力を付与させた「聖水の魔弾」が装填されている
「これで…悲劇を終わりにしてあげる。」

(アドリブ、連携歓迎です


アイシス・リデル
真似されちゃうなら、攻撃にはユーベルコードを使わない方がいい、ね
……うん。攻撃には、使わないよ

わたしはそうやって、武器だけで戦って時間稼ぎ
大変だけどやってみせる、よ
その間に、周囲の遺体や動けない町の人たちを、収集体のわたしたちでこっそり、回収するよ
ごめんなさい。くさくていや、だと思うけど……少しだけ、わたしたちの中で我慢してて、ね

あなたをこれ以上、強くなんてさせない
あなたにはこれ以上、食べさせない、よ
この人たちはみんな、大切な人たちのところに帰るんだから



「こんな悲劇、終わらせるよ……必ず!」
 秋月・信子(魔弾の射手・f00732)は他猟兵とジャック・ザ・カーニバルの戦いを見て、一つのイメージを掴む。それはジャックに対抗しうる武器のイメージ。
「形象(イメージ)…開始(スタート)」
 それはユーベルコード、デビルズ・エニー・アザー・ウェポン。手にしていたハンドガンを触媒に敵に有効な魔銃を作り出す力だ。
「この世界では人間は奴らの家畜……そんなの間違ってるよ!」
「まったくその通りだね、生まれながらにして誰しも自由なんだ、仕留めよう」
 氷魚・晴天(空の青き透・f12827)は刀、滝晒しを構える。
 二人はジャックへと突撃していった。
 そんな中、別の動きをするのはアイシス・リデル(下水の国の・f00300)だ。
 周囲に散らばる遺体や、助かったが身動きが取れない町人の回収を始める。
 アイシスの体から分裂した小さいアイシスたちは抵抗しない対象を吸い込むことができる収集体だ。その収集体の中は異空間になっており、アイシスが集めた屑や廃品等が積まれるる集積所となっていた。
「ごめんなさい。くさくていや、だと思うけど……少しだけ、わたしたちの中で我慢してて、ね」
 それは遺体を無事に回収するという魂胆だけでなく、ジャックによって散らばる遺体を食べられないようにという配慮もあった。
 ジャックの能力をこれ以上あげる事も阻止し、遺体などを大切な人へと帰すため。
 また敵はユーベルコードを真似してくる可能性を考慮し、サポートに回る事を決めたのだ。
 それらをすべて回収し終えた後にはアイシスも敵の攻撃に加担しにいく。
 大きなダメージを与えることができないとしても、他猟兵たちが攻撃する準備を整える時間稼ぎぐらいはできるだろうという判断だ。
 アイシスがジャックの元へと向かった頃、信子と晴天はジャックを追い詰め始めていた。
「ギシャァアアアア」
 南瓜頭は吠え、大きく後方へと下がる。その頭は大きく削れ、炎の力が弱まっているのが見て取れる。
 それは信子の攻撃。破魔の力を有する銀の銃弾に、邪悪な炎を浄化する水の力を付与させた聖水の魔弾による銃撃だった。
 二撃、三撃と撃ち込まれる弾丸はジャックの体を破壊し貫通していく。
 しかしジャックのダメージはこれだけでは済まされない。
 晴天は水滴を帯びた刀でジャックを斬りつけるべく肉薄する。近寄られないようジャックは髑髏の炎を撒き散らすが、それらはすべて晴天によって斬り捨てられる。
 晴天が攻撃の間合いに入った時、ジャックは衝撃に身構えるも、晴天の攻撃はまず遺体を引きずる腕に向かった。
 その予想外の動きにジャックは対応できず腕を斬り落とされる。それにより動きが止まった瞬間、再び晴天の攻撃が放たれ、ジャックの体を斬りつけた。
「……! 回収する、よ」
 アイシスはその行動を見て即座に収集体を分裂させ、ジャックから解放された遺体も回収する。
 これで猟兵たちは何も気にする事なく、ジャックを叩きのめせば良いだけとなった。
「よし、いくよ。霜花瘡雪!」
 それはジャックを刀で切りつけた際、その傷口に刀の水を残すことによって発動できる晴天のユーベルコード、霜花瘡雪。傷口に残された水が霜の花が開くような氷結の棘刃となり、その傷口をさらにえぐる多段攻撃だ。
「ガァアア」
 ジャックは大きく跳びのき、猟兵たちから距離を取る。ここまでに蓄積されたダメージの蓄積により体が蝕まれてきているのだろう。最初ほどのパワーも勢いも無くなっている。
 猟兵たちはとどめを刺すべく、再び距離を詰めていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シェラフィール・ディー
アリアと連携

「その炎、瞬きの間も燃え上がらせは致しません」
贄とした命の分だけ燃え上がる炎。一刻も早く絶やさねばならぬモノです。
お嬢様の突撃、突進の眩いフォースの光の影
火炎が吹き飛び、その炎がまた揺らめく間を与えぬ飛び込み。空中で抜刀

【胡蝶剣】……普段は三重の残像にて惑わす刃が、一点。
嗤う南瓜頭に刻まれた傷にダメ押すように殺到し――。
威力を集中。攻撃力を重視する突進速度をそのまま乗せた一太刀を見舞います

…どうせ後先考えずに力を使い切った方もいらっしゃるでしょう
抱き抱え、残り火で焼かれぬようには御守りしておきます


アリア・ティアラリード
シェラフィールと連携

「これ以上、皆さんを冒涜することは許しません!」

シェフィちゃんに支援をお願いすると、南瓜頭を改めて睨みつけ
次の瞬間【早業・先制攻撃・ダッシュ】で全力で突進します
数十もの髑髏炎でこの身が焼かれるのも一切気にせず突っ込んで!

凄まじい劫火を蹴散らし【吹き飛ばし】中から飛び出してくるのは
それまでの制服姿ではなくメローラ・フレームと言う名のビキニアーマー
同時にフォースセイバーを突撃槍に変形させながら《真の姿・光煌刃衝角》を発動!
フォースフィールドと【衝撃波・範囲攻撃】で一気に火炎を吹き飛ばし
【怪力・捨て身の一撃】を南瓜頭に叩き込んで…!

ごめんなさい、シェフィちゃん…後はお願いしますっ



 ジャック・ザ・カーニバルはかなりの痛手を負っている状態だ。肉体はあらゆる箇所が裂かれ、頭の南瓜は三分の一ほどになっている。
 しかも能力を強化するための肉も失った状態だ。もはや決着がつくのも時間の問題。
 シェラフィール・ディー(オニキスロード・f03454)とアリア・ティアラリード(エトワールシュバリエ・f04271)は肩を並べジャックの前へと立ちはだかる。
「これ以上、皆さんを冒涜することは許しません! シェフィちゃんよろしくね」
 アリアはこれ以上の被害を食い止めるためにジャックを倒す決意を固める。
 アリアはシェラフィールに援護を一方的に頼み、そのまま勢いをつけてジャックの元へと肉薄する。
 むろんジャックもただ見ているわけではない。髑髏の炎を撒き散らし、アリアの行動を阻害しようとするものの、アリアは炎に行く手を阻まれてもそのまま炎へと飛び込んだ。
 しかしその光景を見ていたシェラフィールは動揺することなく、アリアのあとをついてジャックへと突撃していく。
 炎に飛び込んだアリアが劫火の中から飛び出してきた姿は先程までの服装ではなく、メローラ・フレームと名付けられたビキニアーマーを身にまとった姿であった。
「ガアアアアア」
 ジャックは威嚇の声をあげ腕を振るいその爪でアリアに襲いかかろうとするが間に合わない。
 アリアはフォースセイバーを突撃槍に変形させながら炎と煙を纏い、突撃。
 真の姿・光煌刃衝角を発動させ、広範囲に届く衝撃波を纏ったフォースフィールドを飛ばし、炎を消し飛ばしながらジャックに強烈な一撃を叩き込んだ。
 しかし強烈な攻撃は大きな隙ができる。
 ジャックが拳で反撃しようとしたところで、シェラフィールによる時間差攻撃が放たれる。
「させません」
 それは胡蝶剣。本来は三重の刃の残像によって繰り出す攻撃だが今回放たれた一撃は一刃の斬撃のみ。しかしそれは一点集中により殺傷能力が増している攻撃であった。
 先にアリアが叩きつけた攻撃箇所に重ねるようにシェラフィールの一太刀が決まる。
 しかしシェラフィールは追い討ちはかけず、捨て身の攻撃で力を使い切ったアリアを抱きかかえる。
「どうせ後先考えずに飛び込まれたのでしょう」
「ごめんなさい、シェフィちゃん……」
 シェラフィールとアリアはその場から後方へと飛び退いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

戒道・蔵乃祐
喰い足りないのなら、思う存分に喰らえ!!餓鬼!!

恫喝で気炎を揚げ。見切り、ダッシュ、ジャンプで一足飛びに南瓜の懐へ飛び込む
激痛耐性、火炎耐性のオーラ防御でフォースオーラを纏い。怪力とグラップルで南瓜にヘッドロック
顎を引きちぎる様に抉じ開け、剛腕を力任せに口へ突き入れる

破魔の属性攻撃を付与した火界呪を、直接体内に流し込む、気合いと覚悟を込めた捨て身の一撃。
諸共に燃えろ!火界呪一切方焦熱処!!
炭化して砕けるまで締め続けます

これで許されるとは、思っていない
それでも。僕にはこの程度の事しか出来ない。

何時かこの世界の救済を望めど、今はこの身と浄炎を以て供養の弔いとしたい。
それが、只の自己満足だとしても。



 ぶすぶすといぶられるジャック・ザ・カーニバルの頭部の炎。
 その炎はジャックの生命力なのだろう。その火はほとんど消えかかってしまっている。
「貴様の生もここまでだ畜生め!」
 啖呵を切ったのは戒道・蔵乃祐(荒法師・f09466)だ。
 弱っているジャックに一足飛びに懐へと飛び込めば反撃を許さない速度でジャックの頭を強引に掴み、胴と腕で挟み込みジャックの頭部を固定し締め上がる。
 さらにその顎を引きちぎらんばかりの力でこじ開け、蔵乃祐の拳を口の中にねじ込んだ。
 ジャックはその拘束から逃れようともがき炎を燃やし、爪で蔵乃祐の腕を引っ掻き回す。
 しかし蔵乃祐は激痛に耐える強靭な精神と火炎耐性のオーラを纏うことでジャックを逃さない。
「力が足りぬか。ならば思う存分に喰らえ餓鬼めが!!」
 ねじ込んだ拳に力を集める。発動させるのはユーベルコード、火界呪。
 それは破魔の属性を付与し、ジャックの体内へと直接不動明王の地獄の炎を流し込む。
 敵ごと己も炎に包まれる捨て身の一撃。だが蔵乃祐は決してその手を離さない。
「諸共に燃えろ!火界呪一切方焦熱処!!」
 蔵乃祐はジャックが……ジャックであったものが炭と化し崩れ落ちるまでその身を焦がしながら炎を燃やし続けた。
 自己犠牲をすればその罪が許されるというものではないとは思っているが……。
「僕にはこの程度の事しか出来ない……」
 何時かこの世界の救済を望めど、今はこの身と浄炎を以て供養の弔いとしたいと蔵乃祐は考える。それがたとえ、ただの自己満足だとしても。

 日の届かない地下水路で行われた猟兵たちの戦いはこれにて幕を閉じた
 希望者は町へと向かい、奇跡的に生き延びた人の介抱や、犠牲者の遺体を遺族の手へと渡しにゆく。町人たちは未だヴァンパイアの支配下であり、町の空気が晴れることはない。
 しかしそれでも、この戦いが人々の解放への道のりの一歩だということは間違いない。
 それぞれ思い思いの事を尽くし、猟兵たちは帰路についた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月11日


挿絵イラスト