5
水に満たされる学園

#UDCアース

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#UDCアース


0





 アリスラビリンスの戦争、迷宮災厄戦を終えた猟兵達は改めて他の世界へと目を向けると、各世界の状況に少しずつ変化が生じていた。
 UDCアースでも、新たな事件が起こり出していたようで、グリモアベースにてグリモア猟兵達が多数新たに予知している。
「滋賀県某所の高校にて、UDC怪物が召喚されようとしているのを確認したわ」
 その1人、セレイン・オランケット(エルフの聖者・f00242)が猟兵達へとそう告げる。
 今回の1件は、その学校における七不思議による怪異が招いたこととされる。
 なんでも、その高校の別館で、いつの間にか床が濡れているという出来事が頻発していたという。
「学校側も色々な調査を行っていたのだけれど、原因はつかめずじまいだったそうよ」
 水道管の水漏れだろうと片付けられたのだが、生徒達の中でその都市伝説に尾ひれがついていく。
「何かが原因となって、UDC怪物を生み出してしまうわ」
 この別館、基本的には移動教室として利用されることが多く、理科室、調理実習室、被服室、美術室、音楽室や、文化系の部活が利用している。
 床が水浸しになる場所は主に水場となる調理実習室や理科室。トイレなどがほとんど。
 それと合わせ、床に何かが突き刺さった跡が確認されているのだが……。
 この別館を調べて何かが残っていないか確認する他、出入りする頻度の高い関係者に事情聴取など行うと、この状況について何かわかるかもしれない。
「まずは、UDC怪物発生の原因を突き止めて、阻止しましょう」
 出来れば、事前に防ぐことができればいいのだけれどと、セレインは憂慮しながらも、猟兵達を現地へと送り出すのである。


 UDCアース、滋賀県某所の高校。
 猟兵達はUDC組織の仲介される形で、別館の調査を開始する。
 その高校は琵琶湖のほとりにあり、穏やかな水面を臨みながら授業を受けることができる。
 現地の高校生の様子を目にしながらも、猟兵達は問題の別館の調査を開始する。
 別館は3階建てで、20程度の教室がある。1、2階に水を使った教室が集まり、3階にはトイレや教員の準備室などに水道がある程度だ。
 水浸しとなっている状況が多いのは、放課後から朝にかけてとのこと。
 UDC組織から得た事前情報を元に、猟兵達はこの1件について調査を開始する……のだが。
 ぴちゃ、ぴちゃ……。
 別館内で響く水の音。その感覚は少しずつ短くなっていた。


なちゅい
 猟兵の皆様、こんにちは。なちゅいです。
 当シナリオを目にしていただき、ありがとうございます。
 UDCアースのとある学園にて、UDC怪物が召喚されてしまいますので、この討伐を願います。

 第1章:冒険シナリオ、学園内の調査を行い、UDC発生の原因を突き止め、阻止を願います。
 第2章:集団戦シナリオ、ボスが呼び出す「呪われし精霊『アンウンディーネ』」の集団の討伐を願います。
 第3章:ボスシナリオ、死神名乗る鮫人『ディアブロ・グリーパー』の討伐を願います。
 なお、第2、3章では、学園であることを活かしたプレイングにはボーナスがつきます。

 第1章は11日22時からの一括執筆を考えております。
 11日22時地点で一定数のご参加があれば執筆開始、人数が揃っていない状況でしたら延長しての受付予定です。
 参加状況によって執筆状況は前後することがあります。予めご了承くださいませ。詳しくはマイページやツイッターもご確認くださいませ。

 章間はプレイングの幅を広げる為の情報を加筆します。
 その最後に、次の締め切りに関しまして記述させていただきますので、ご確認の上でプレイングを頂けますと幸いです。
 なお、第1章に断章執筆の予定はありません。

 それでは、行ってらっしゃいませ。
145




第1章 冒険 『UDC召喚阻止』

POW   :    UDCの発生原因となりそうなものを取り除く

SPD   :    校内をくまなく調べ、怪しげな物品や痕跡がないか探す

WIZ   :    生徒達に聞き込みを行い、UDCの出現条件を推理する

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


(11日22時からの執筆予定でしたが、参加者受付を続行いたします。
この先状況が整えば、執筆開始いたします)
(12日13時半地点)
冒険シナリオで5名様参加の状況ですが、
第1章であることもあり、参加受付を続行しております。
追加の参加者が来られたタイミングor12日22時に執筆を開始いたします。
黒柳・朔良
学校の七不思議に纏わる怪異はよくあるものだが、勘違いや見間違いから発生したものがほとんどだ
これも初めはその類だったのかもしれないが、噂というものは時に真実を隠してしまうもの
噂が噂を呼び、それが何らかの作用によって儀式へと変化していったのかもしれないな

選択UCを使用して影人形たちに別館全体調査をしてもらう
なにか違和感があれば教えてくれ
私自身は床に何かが突き刺さったような跡についてを調査する
貫通しているようならば影人形をおくりこんで、どこに通じているのかを調べてみよう

それにしても何が刺さってこんな跡ができるのだろうか
学校には不釣り合いな跡にも思うが、それが分かれば敵の正体もわかるかもしれないな


ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
[WIZ]

ここは聞き込みね。
生徒たちや用務員さん、いれば夜の警備員さんに水浸しになった件で些細なことでも気になることがないか確認しましょう。
ええ、なけなしの[コミュ力]の出番よ。

特に今回の件が始まったころに何か変化がなかったか、が気になるわ。
何かを変えたか何かが変わったから怪異が起きたんじゃないかしらね?


フローライト・ルチレイテッド
WIZ分野でー。

せっかくなので学生服と言うものを着てみようかとー。
そんなわけで、学生さんっぽい格好で調査です。

一回着てみたかったとかそーいうのも。
事前にUDCの人から話を通せるなら、入っていいようにしておいて貰いましょう。

おにーさんおねーさんに、中学校とかその辺から取材に来た風で話を聞いてみます。

【野生の勘】でなんとなく話を聞いてくれそうな人を探して、【誘惑、コミュ力、存在感】で
グイグイと押しつつ【情報収集】しましょー(※本人に他意はないです)。

そもそも学校というもの自体に興味があるので、その辺りも含めて色々聞いてみましょう(※キマフュー生まれの為)。

所でUDCの学校は全部に七不思議が…?


薙沢・歌織
【WIZ】
UDCアースは文献で調べる機会が幾度もありましたが、直接の来訪はこれが初めてです。雄大な湖のほとりの学校に、今一体何が…?

【礼儀作法】は忘れないように。急を要す場合を除き、廊下は静かに歩きます。
高校の学生や教師から、別館について聞き込み調査をし【情報収集】。主に今まで濡れたことがある場所や、水気が全くないところでも濡れたりすることはなかったか、湖に変化はなかったか、突き刺さったものの形状を見ていないかを聞き、また教師の方から学園の水道の配管構造の図がないか聞いてみます。
【聞き耳】で、事件に繋がる噂話が聞けないかも試してみましょう。

集まった情報を整理し、UDCの出現位置を推測します。


テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可

UDCの復活を阻止しなければなりませんね…
しかしなぜ水浸しになるのでしょうか…?そのあたりを捜索しつつも何か見つかれば良いですね…

うぅ…しかしわたしまで水浸しになるのは良くないです…【全てを凍てつかせる小さな妖精】を使って水浸しな床を凍らせつつも何か見つからないか探してきてもらいましょうか…!


ガルムゼノン・フェンリル
【一応SPD行動】
ふむ、学校で怪奇現象か。
ありがちではあるけど、ここは好奇心に身を任せて探索してみようかな?

まずは出入りの多い人物…生徒や先生に聞いてみて、異変がなかったか調べてみようか。
前は探索者として行動してたし、勘は効く方だと思うからね。

水音がするとか言ってたっけ?
特に何かなかったらプールや家庭科室とか、水道が通っているであろう箇所の異変を調べてみようか。
UDCの召喚陣とかあったら破壊しておこう。ないに越したことはない無いけども……。

セレイン嬢の予知を聞いて嫌な予感がたが…気のせいだと思いたいな……。

アドリブ改変歓迎!




 滋賀県某所にある琵琶湖のほとりに建てられた高校。
 ここでUDC怪物が出現する予知を受け、猟兵達は調査の為に出向く。
「ふむ、学校で怪奇現象か」
 全身がダークブルーの毛並みに包まれた人狼、ガルムゼノン・フェンリル(月をも砕く蒼狼拳士・f01970)はありがちなものではあると印象を口にする。
「ここは好奇心に身を任せて探索してみようかな?」
 ガルムゼノンはこの調査に胸躍らせていた。
 折角だからと、UDC組織に用立ててもらった学生服を着用したフローライト・ルチレイテッド(重なり合う音の色・f02666)。
「似合ってるかなー」
 一度学生服を着てみたかった彼は、窓ガラスに映る自分の姿を見つめていていたが、仲間達の言葉に獣耳をぴこぴこと動かす。
 キマイラフューチャー出身であるフローライトもまた学校というものに興味津々になりながらも、今回の調査に当たるようだ。
「それにしても、UDCの学校は全部に七不思議が……?」
「学校の七不思議に纏わる怪異はよくあるものだが、勘違いや見間違いから発生したものがほとんどだ」
 表情に乏しく、普段は無口な黒柳・朔良(「影の一族」の末裔・f27206)だが、フローライトの問いかけを受けて仲間達に自らの考えを語る。
 今回の事件も始めはそうした類だったのかもしれないが、噂というものは時に真実を隠すこともある。
「噂が噂を呼び、それが何らかの作用によって儀式へと変化していったのかもしれないな」
 果たして、今回の1件は何が原因なのか……。
 金髪オッドアイの少女の姿をとるヤドリガミ、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)も情報に乏しい現状では確定ができず、どうしたものかと考えている。
「雄大な湖のほとりの学校に、今一体何が……?」
 魔法学園世界出身の黒髪女性、薙沢・歌織(聖痕宿す魔法学園生・f26562)はこれまで、UDCアースを文献で調べる機会は幾度かあったそうだが、直接の来訪は初めてのこと。
 情報を集めてこの学園で何が起きるのか、歌織は見定める構えだ。
「ともあれ、UDC怪物の復活は阻止しなければなりませんね……」
 ウサギの耳と尻尾が付いたキマイラの男の娘、テフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)は予知された事件の要因を取り除くべく、仲間と共に別館の調査を開始するのである。


 予め、フローライトがUDC組織の所属員を介して、学校関係者に話を通したことで、今回の調査に当たる猟兵達は敷地内へと入っていく。
 高校生からすれば、目を引きそうな集団ではあるが、世界の加護により違和感を与えぬ猟兵としての力が働き、ほとんど見向きもされていないようだった。
 高校生からすれば、やや年下のフローライトはではあるのだが、高校に溶け込んで気分よく調査に当たる。
「少し離れた中学校から取材に来たのだけれど」
 フローライトは【野生の勘】で何となく話を聞いてくれそうな人に目星をつけて。
「ねえねえ、別館の水浸し事件について何か知りませんか?」
 【上目遣い】で【存在感】を示すフローライトに、女子高生達はもうメロメロ。
「なんかずっと、水が落ちてる音が聞こえるんだよね」
「ずっと聞こえてくるから、もう慣れちゃったな」
 彼の【コミュ力】も相まって、なすがままに知っていることを彼へと伝えていた。
 また、ガルムゼノンも聞き込みを行う。
 別館へと出入りの多い生徒や教師へとガルムゼノンは状況について尋ね、異変がないかと調べに当たっていた。
 そんなUDCの一般人と交流をはかる仲間達の姿を目にしながらも、ヴィオレッタも聞き込みを行うことに。
「ええ、なけなしの【コミュ力】の出番よ」
 小さく溜息をつくヴィオレッタが聞き込みを行うのは、別館を使用する生徒達や水浸しを掃除する用務員、そして現場を発見することの多い夜の警備員だ。
 すでに現場は痕跡が残るのみ。直に現場を目にした人達ならより詳しい状況を知っているはずだ。
「些細なことでも、気になることがあったら教えてほしいの」
 現場となる水浸しはほぼ同じような場所にできていたことが多かったとのこと。
 主に別館の1階がメイン。揺れた床にはチョークで円が描かれていたのだとか。
「……そう、円には呪術用のナイフが突き立てられていたのね」
 ただ、その警備員の言葉に、ヴィオレッタは違和感を覚えていた。
 また、ヴィオレッタは今回の事件が始まった頃、何か変化がなかったと尋ねる。
 水浸しとなる事件の前から、稀に水漏れ自体はあっていたそうなのだが、それが顕著になったのは水道管工事の後かららしい。
「手抜き工事でもあったのかしら?」
 この状況によって怪異が起きたのではとヴィオレッタは推察していたが、それだけではない。
 なんでも、水浸しとなった場所には、何かが突き立てられた跡が残っていたのだとか。
「どんな跡か、具体的に教えてもらえるかしら?」
 ヴィオレッタはさらに情報の精度を高めようと、聞き込みを続けていく。

 歌織もまた学校を歩き回りながら、情報収集を行う。
 その際、彼女は【礼儀作法】に重きを置き、基本的に廊下では静かに歩くよう心掛ける。
 また、学校関係者には彼女は丁寧に接して心象を良くしていたことで、男性だけでなく、女性教諭にも好感を抱かれた歌織は事細かな資料の提示も学校側から提供してもらっていた。
 それは、学園の水道の配管構造の図。彼女は別館の利用状況とも照らし合わせて。
「見たところ、水浸しは同じ場所で起こっているようですね」
 ほとんどが1階の水場が存在する理科室、調理実習室、トイレで起こっている。
 その全てで、水が滴る音が聞こえることも、歌織は確認していた。
 琵琶湖のほとりに建てられたこの高校の立地も合わせ、歌織は総合的に情報を集める。
 その際、彼女は学生達の噂話にも【聞き耳】を立てて。
「なんでも、オカルトじみたことをしているらしいって……」
「サブカル研が外部の講師を招いてるって? 冗談でしょ?」
「外部講師……」
 その言葉に、歌織は強く反応していたのだった。


 また、直接別館の現場へと出向いて調査に当たるメンバー達も。
 学校側の許可を得てそれらの立ち入りを止め、一行は理科室、調理実習室、男女トイレをそれぞれ捜索する。
 ぴちゃ、ぴちゃ……。
 どこからか聞こえてくる水の滴る音を耳にしながら、テフラは周囲を見回す。
「しかし、なぜ水浸しになるのでしょうか……?」
 その要因を探るべく、テフラは一つずつチェックしていく。
 壁や天井を見回すが、そちらには水が満たされた様子はないが……。
「うぅ……、わたしまで水浸しになったりしないでしょうか……」
 下手に突いて、例えば水道管の水が噴射するなどすれば、全身水浸しになってしまう。
「妖精さん……頼みましたよ♪」
 そうしたことにならないようにと、テフラは呼び出した小さな妖精に調査を託す。
 その妖精は触れるだけで全てを凍てつかせる。水の滴る音も途中で止まってしまっていた。
 テフラは五感を共有する妖精の視点で調査を進めていたのだが、気になるのは床に開いたいくつもの穴。
 それらは円を描くように開けられているようにテフラには見えたのだった。

 聞き込みを程々で切り上げたガルムゼノンは、現場の調査に重点を置くことにしていた。
「前は探索者として行動してたし、勘は効く方だと思うからね」
 ぴちゃ、ぴちゃ……。
 ガルムゼノンが気にかけていたのは、水音だ。
 彼は別館だけでなく、念の為とプールや外の園芸用の水道などもチェックしていたが、水浸しの現場はやはり室内のみ。
 稀に2階のトイレや美術室も現場になっていたが、そちらは数えるほど。それを考えれば、どうも水道管の水漏れだけではない気がして。
「ん、これは……」
 一通り調べたガルムゼノンは、調理実習室にうっすらと残るチョークの後を見つけて。
 それは床に開いた穴と繋がっているように見えた。
「嫌な予感が……気のせいだと思いたいな……」
 ガルムゼノンには、それがUDCの召喚陣にしか感じられないのだった。

 その召喚陣らしきものは、ユーベルコード【影の支援者】を使用した朔良が召喚した影人形も発見していて。
「この穴……何が刺さってこんな跡ができるのだろうか」
 女子トイレを調査していた朔良だったが、床に開いた穴はさほど深くはないことを確認する。
 ここに描かれたものもまた、穴は円を描くように数か所開いていた。
「学校には不釣り合いな跡だな」
 明らかに人為的なものを感じる朔良。
 床が水浸しになるのは、これに必要だからなのか、あるいは召喚した結果か……。
「ん、これは……」
 朔良は影人形が穴の一つに残っていた金属片に気付く。
 それらは、ナイフのような長く細いものとみられる。
 ぴちゃ、ぴちゃ…………。
 そこで、水の音が止まって。
「おおおおおおおおっ!!」
「なんだ……?」
 何かの叫び声を耳にした朔良は影人形を操り、男子トイレへと向かわせる。
 そこにいたのは、儀式を行っていたと思われる男性。彼がオカルト研の招いたという外部講師だろう。
 トイレの床には突き立てられていた数本のナイフとチョークが魔法陣を描いている。
 そして、その魔法陣はびっしょりと濡れており、何者かがそこから飛び出したのが窺えた。
「くく、遅かったな……」
 観念したその男は邪神教団の一員だと自供し、両腕を上げた。

 状況を確認する間に他のメンバー達や、連絡を入れたUDC組織の者達も駆けつけてくる。
 幾度も魔法陣を描いていたその男は警備員も兼ねており、この別館にて召喚儀式を幾度も試していたらしい。
 水が滴る音は召喚した水の形をした小さなUDC怪物が形を保てず崩れ、水浸しの床はその跡だったようだ。
 しかし、この男は今、召喚を成し遂げてしまったらしい。
「不完全だが、召喚はなしえた。後はあいつが全てやってくれる……」
 男の視線は窓の外へと向けられる。
 猟兵達は男をUDC組織の者達へと託し、すぐさまこの場から逃げた召喚されたUDC怪物の行方を追いかけるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『呪われし精霊『アンウンディーネ』』

POW   :    ドロドロ抱擁
【直接抱き着き】が命中した対象に対し、高威力高命中の【鍾乳石化する体液】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    ドロドロ噴射
自身の身体部位ひとつを【鍾乳石化する体液を噴射する散水ノズル】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ   :    ドロドロ降雨
【鍾乳石化する体液】を降らせる事で、戦場全体が【鍾乳洞】と同じ環境に変化する。[鍾乳洞]に適応した者の行動成功率が上昇する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 UDCアース、滋賀県某所の高校。
 別館にて床が水浸しとなる事件は、水道管の不調を偽装し、高校内部へと入り込んでいた邪教集団の一員によるものだった。
 そいつはオカルト研の外部講師として、また夜は警備員として高校に入り込み、幾度も別館にて幾度もUDC怪物の召喚を試みていた。
 これまでは失敗も多く、呼び出してもすぐに滴る水と化してしまう程度のモノしか呼び出せなかった教団の男。
 しかしながら、猟兵達がこの事件の解明に取り掛かり始め、ようやく主犯であるこの男を取り押さえたかと思いきや、男は勝ち誇った顔でこう語る。
「不完全だが、召喚はなしえた。後はあいつが全てやってくれる……」
 猟兵達はすでにUDC怪物の召喚が完了したことを知り、男をUDC組織の者達に預けて逃げたそのUDC怪物の行方を追う。

 幸いにも、まだ敷地の外には出ていなかったそのUDC怪物は体育館の裏手で猟兵達は発見に至る。
「気づかれたか、思った以上に早かったな……」
 そのUDC怪物は鮫の獣人を思わせる姿をしていた。
 死神名乗る鮫人『ディアブロ・グリーパー』は死神の鎌を携え、こちらを威嚇しながらも、さらなる召喚を行おうとしていた。
 先程、教団の男は不完全と言っていた。つまり、このUDC怪物はまだ完全に召喚がなされていないのだろう。
「俺が完全な状態でないことも承知の上か」
 大きく跳躍して猟兵から距離をとるディアブロ・グリーパーは手前へと多数の精霊を呼び出してきた。
 それらは、元々水の精霊ウンディーネであったはずの者達。しかし……。
「「アハハ……、アハハ……」」
 本来、透き通っていたはずの水の身体は石灰色のドロドロの粘液と化してしまっている。
 呪いによって自我を失った彼女達……呪われし精霊『アンウンディーネ』はただ人に害なす存在と成り果て、生物もろとも周囲を鍾乳石と化していく。
 青空の下であるが、彼女達の力ならばこの場に鍾乳洞を造り上げることなどわけないだろう。
「俺が完全体となるまで、そいつらを相手にしてろ」
 ディアブロ・グリーパーはその間に自らの魔力で魔法陣を地上へと描き、残る自らの力を呼び出して召喚を完遂させようとする。
 それを阻止するためにも、手早くアンウンディーネの群れを討伐してしまいたいところだ。
 幸いと言うべきか、ここは学校。戦場となったこの場所を上手くいかせる手段があれば、アンウンディーネの殲滅をうまく進めることができるかもしれない。
「「アハハ……、アハハ……」」
 狂った笑いを繰り返すアンウンディーネを見据えた猟兵達は構えを取り、その殲滅へと当たるのである。

(第3章は早ければ、15日夜からの一括執筆を考えております。
 15日22時地点で一定数のご参加があれば執筆開始、人数が揃っていない状況でしたら延長しての受付予定です)
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
学校ということは直線状の廊下があるわね。
鍾乳洞になったとしても形状そのものは変わらないはず…であるなら。

敵の攻撃は[見切り]あるいは[オーラ防御]でなるべく直接触れないようにするわ。
鍾乳洞化されたのなら鍾乳洞の柱も最大限利用する。

そして敵を集めたところでユーベルコード【ブルー・インフェルノ】。
【蒼炎】属性の【電離プラズマ】を、直線上に放って敵全てを焼き尽くしてあげるわ。


ガルムゼノン・フェンリル
やはり、あのチョークで書かれた模様は召喚陣だったか……!
それに、鎌を構えた『アイツ』には見覚えがある…!『俺』の番を傷付けた張本人……ッ!!
アイツを殺る前に、先ずはこの小娘達をどうにかせねば…ッ

教室に身を隠しながら視認できた個体を装備したライフル銃などを駆使して牽制射撃し、校庭に誘導出来たりしないだろうか?そのまま数をある程度纏めて、一掃出来れば良いのだが……!
校庭へ誘き出した小娘連中を仕留めきれなかったら、氷の属性攻撃で衝撃波を撃ち込んで足留め!

氷狼の力を甘く見るなッ!!
【冰牙暴穿】……フロゥズ・ヴィトニル!!!

完全に石化する前に、俺の拳で粉砕してやる!!

アドリブ、共闘諸々大歓迎!


テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可

UDC発見!でもこのままだと逃げてしまいます…
不完全とは言え一般人に被害が出るのはよろしくありません!
まずはあのドロドロした…ごくり…じゃなくて倒さなければ!!

粘液状であれば【全てを凍てつかせる小さな妖精】で凍らせて動きを止めましょう!あとは【魔法の杖【ラビット・ラビッツ】】で粉々に砕いちゃいましょう♪
…うぐっ!?しまった…背後から抱き着かれて…このままじゃ…
このままやられるぐらいなら妖精さんは他の猟兵さんの支援させて…
あとは…わぁぁぁっ…!?
(複数匹に抱き着かれ包まれて鍾乳石として背景と同化してしまう)


フローライト・ルチレイテッド
アドリブ連携歓迎でーす。

指定UCを展開しつつ戦闘しましょう。
【野生の勘】で相手の位置を把握しつつ、【早業】と【地形の利用】を駆使して無用の攻撃を避けつつ、指定UCで飛んでくる相手の攻撃の時間を遅くし
ます。
乾いて目詰まりする類なら時間を進めてもいいんですが、まぁ本体ですしねぇ。

あと、学校なら廊下の曲がり角とか別室とかも多いですし、そういうのを使って立ち回りましょー。こちらのカードは音の波ですので。


同時に【情熱】に任せ、【楽器演奏、歌唱、パフォーマンス、範囲攻撃、催眠術、浄化、精神攻撃】を駆使して
楽曲を演奏。この人達の呪いを浄化しにかかります。

呪いによって変わってしまっているのなら助けましょう!


黒柳・朔良
七不思議の正体が本当に邪神召喚の儀式だったとはな
この別館で儀式を行っていたという外部講師はUDC組織が然るべき措置を取るだろう
邪神が完全体となるまでに何とか仕留めたいところだが、まずは呼び出されたアンウンディーネの相手をしなければ近づくことさえ出来ないか

数には数を
選択UCを使用して影人形たちをけしかけるとしようか
まずは障害物の多そうな教室に敵を誘導する
机や椅子も移動させられるようなら、敵の動きを阻害できそうな位置に移動させよう

こちらは影さえあれば影人形はいくらでも出せる
障害物の多いこの場所は影も多いということだから、私にとっても非常に都合がいい
悪いが邪神の元へ通させてもらうぞ


薙沢・歌織
【WIZ】
邪教集団の一員を取り押さえても、UDC怪物を倒さなければこの高校は…。急ぎましょう。

蒼海の指輪が鈍く輝く…まさかあのオブリビオンの素体は水の精霊!?
魔法は精霊と共にある存在。それを元に戻れないまでに汚すやり方は許せません…!

ミラージュオーブの【オーラ防御】で鍾乳石化の雨から身を守りながら【精霊が誘う幻想世界】を発動。蒼海の指輪の【天候操作】と聖痕の【浄化】の力でドロドロの雨に干渉して元に戻させると共に雷雲を呼び、オブリビオン達を雷で打ち抜きます。
接近戦では【範囲攻撃】主体。氷魔剣の【マヒ攻撃】で凍結させ、緋炎剣の【炎属性攻撃】で急激な温度変化を起こして大ダメージを狙います。




 猟兵達は別館にて召喚儀式を行っていた邪教集団の一員を確保したが、召喚したUDC怪物が逃げ出しており、その行方を追う。
「やはり、あのチョークで書かれた模様は召喚陣だったか……!」
 走りながらダークブルーの毛並みの人狼、ガルムゼノン・フェンリル(月をも砕く蒼狼拳士・f01970)は嫌な予感が現実になったと表情を強張らせる。
「七不思議の正体が本当に邪神召喚の儀式だったとはな」
 モノトーン調の服装をした黒柳・朔良(「影の一族」の末裔・f27206)がその召喚を儀式を完遂させた外部講師はUDC組織がしかるべき措置を取るだろうと語る。
「邪教集団の一員を取り押さえても、UDC怪物を倒さなければこの高校は……。急ぎましょう」
 長い黒髪を揺らし、薙沢・歌織(聖痕宿す魔法学園生・f26562)も濡れた地面をたどって逃げた敵を追う。
 程なく、一行は体育館の裏手でUDC怪物と遭遇して。
「気づかれたか、思った以上に早かったな……」
「UDC発見!」
 鮫の獣人を思わせる姿をしたディアブロ・グリーパーを視界に捉え、褐色肌のウサギのキマイラ、テフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)が叫ぶ。
「でもこのままだと逃げてしまいます……不完全とは言え一般人に被害が出るのはよろしくありません!」
 テフラがなおもディアブロが逃げるかと考えたのだが、立ち止まったそいつはこちらを鋭い目つきで値踏みするように見回してくる。
「鎌を構えた『アイツ』には見覚えがある……!『俺』の番を傷付けた張本人……ッ!!」
 どうやら、そのUDC怪物はガルムゼノンにとって因縁の相手らしい。
 ただ、敵は冷めた表情で何かを呟いて
「俺が完全体となるまで、そいつらを相手にしてろ」
 そいつが呼び出したのは、石灰色の人型……アンウンディーネの群れ。
「「アハハ……アハハハ……」」
 見た目は人魚のような姿をしたそれらは全て、狂った笑い声をあげており、自我を感じさせない。
「……まさか、あのオブリビオンの素体は水の精霊!?」
 歌織は『蒼海の指輪』が鈍く輝いたことで、その存在について認知する。
 それは、UDC怪物の力によって呪われてしまった水の精霊達だった。
「魔法は精霊と共にある存在。それを元に戻れないまでに汚すやり方は許せません……!」
 歌織は変わり建てた精霊達を強引に使役するUDC怪物の手口に怒りを覚える。
 しかも、ディアブロは自らが完全体となる為の時間稼ぎ程度にしかアンウンディーネ達を使っていないのだ。
「完全体となるまでに何とか仕留めたいところだが……」
 朔良は奥で悠然と召喚儀式に着手するディアブロ・グリーパーの手前へと立ちはだかり、ただ笑う歪んだ水の精霊達を見回して。
「相手をしなければ近づくことさえ出来ないか」
「まずはあのドロドロした……ごくり……じゃなくて、倒さなければ!!」
 テフラが気の迷いとも思える呟きを発したのはさておき
「アイツを殺る前に、先ずはこの小娘達をどうにかせねば……ッ」
 召喚を行うディアブロに並々ならぬ敵意を燃やすガルムゼノンだが、アンウンディーネ達は周囲へと体液をぶちまけて地面を鍾乳石へと変えていく。
 頭に角を生やしたキマイラの少年、フローライト・ルチレイテッド(重なり合う音の色・f02666)は敵の攻撃に備え、背に光の翼を展開して一旦体育倉庫裏から退避していく。
「学校ということは直線状の廊下があるわね」
 金髪のヤドリガミ女性、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)は藍と紫の瞳で校舎を見つめる。
 学校という立地を最大限利用しようと考えるヴィオレッタを含めた猟兵達は校舎での戦いに勝機を見いだし、そちらへと向かっていくのだった。


「我が力を、主たる我が声に応えよ……」
 ディアブロ・グリーパーは新たな魔法円を描き、何やら召喚を開始している。現状は不完全な状態である為、完全なものとする為に召喚を自らの手で行っているのだろう。
 出来るだけ早く止めたいところだが、鍾乳洞の如く変化していく体育館裏では立ち塞がるアンウンディーネの群れが優位となる状況は覆せぬと猟兵達は考えたようだ。
 この場は一時、猟兵達も戦略的後退を選び、アンウンディーネから逃れる形となる。
「力さえ戻れば……」
 この状況を十分に生かし、ディアブロは体育館裏から動かず、自らの力を取り戻す儀式を続けるのである。
 
 事件発生後にUDC組織による立ち入り規制もあって、猟兵達は高校の敷地内から関係者がいなくなった校舎へと向かっていく。
 朔良は障害物の多い教室へとアンウンディーネ達を誘導していく。
 敢えて、校舎上層階の教室へと向かったのは朔良1人。
 仲間が分かれたことで敵はかなり分散していたが、それでも5~6体が朔良の方へと向かってくる。
 それらが教室へと入ってくるまでの間、机や椅子を入り口へと集め、敵の動きを阻害しやすい位置へと移動させていく。
 丁度日暮れ時とあって光が差し込み、多数の影ができて朔良にとっては非常に都合の良い状況だ。
「数には数を。影人形たちをけしかけるとしようか」 
 影さえあれば、影人形はいくらでも出せると、朔良は机や椅子から多数の影人形を呼び出す。
「「アハ、アハハハハ……」」
 校舎に笑い声を響かせたアンウンディーネ達は目につく相手へと直接抱き着こうとする。そうして、彼女達は抱き着いた相手を鍾乳石化させる体液を発するのだ。
 だが、影人形達がデコイとなってくれ、朔良はほとんど狙われることがない。
「悪いが、通させてもらうぞ」
 朔良はまだ動くことができる多数の影人形を一斉にけしかけ、アンウンディーネの体を刃で切り裂いていく。
 敵は影人形へと1体ずつ抱き着くが、鍾乳石化が追い付かず。1体、また1体とその体が崩れ落ち、石灰色の液体の塊と成り果てていくのだった。


 ヴィオレッタ、テフラ、歌織の3人が20体弱の敵を引き付ける形となる。
「「アハハ……、アハハ……」」
 体育倉庫でもアンウンディーネ達は鍾乳石化する体液を使っていたが、校舎内でもそれを雨の様に降らせることで徐々に廊下を鍾乳洞の如く変化させていく。
 歌織は『ミラージュオーブ』で【オーラ防御】を展開してその雨から自らを守り、鍾乳石化を防ぐ。
「精霊よ、司る事象の幻想を此処に映し出せ!」
 その状態で、歌織はユーベルコード【精霊が誘う幻想世界(インビテーション・トゥ・ファンタズム)】を発動させる。
 所持する『蒼海の指輪』の【天候操作】に加え、『聖痕』の浄化の力を合わせてドロドロの雨に干渉していく。
 アンウンディーネが行使するのは呪いとはいえ水の力だ。
 それさえ浄化できれば、降ってくるのはただの雨に過ぎない。
 さらに、歌織は雷雲を廊下の頭上へと呼び寄せ、アンウンディーネ達を雷で撃ち抜いていく。
 それでも、鍾乳石を利用して威力を軽減させる敵もおり、さらに廊下の鍾乳洞化を進めるアンウンディーネ達である。
「鍾乳洞になったとしても、形状そのものは変わらないはず……であるなら」
 ヴィオレッタもまた【オーラ防御】を展開し、【見切り】も合わせてなるべく敵の体液に降れぬよう立ち回る。
 徐々に太くなっていく鍾乳洞の柱。それを利用して相手の発するドロドロ噴射も避けながら、ヴィオレッタは仲間から少し離れて敵を引き付ける。その数は10体ほど。
「「アハハ、アハハハ……」」
「まだ……、もう少し……」
 詠唱を続けながら時間を稼ぐヴィオレッタ。
 仲間から少し離れ、引き付ける敵全てが集まった所で頃合いと判断したヴィオレッタはユーベルコードを発動させる。
「全てを焼き尽くす星界の炎よ」
 ヴィオレッタの手から放たれるのは、蒼炎の力を持つ電離プラズマ。
 瞬きの暇の後、一直線に電撃が放たれ、呪いの水で構成されたアンウンディーネ達の体を次々に弾け飛ばしていく。
「……まあ、こんなものかしら」
 ついてきていた敵を全て倒したヴィオレッタは途中まで一緒だった2人の猟兵の元へと向かう。

 テフラは途中まで歌織と行動していたが、相手の雨を避ける為に後方へと下がっていく。
「粘液状であれば、凍らせて動きを止めましょう!」
 そうして、5体を引き付ける形となったテフラは少しずつ下がりながらユーベルコードの準備を進めて。
「みーんな凍らせてきてください! 妖精さん……頼みましたよ♪」
 悪戯妖精は楽しげに飛び回り、次々にアンウンディーネ達を凍り付かせていく。
 そこに、『魔法の杖【ラビット・ラビッツ】』を手にしたテフラが迫って。
「粉々に砕いちゃいましょう♪」
 彼は凍り付いた敵の体を1体ずつ、衝撃を加えて破壊していく。
 しかし、4体を砕く間に氷をも鍾乳石化させて取り込んだ1体がテフラの背後へと回り、彼の体へと抱き着いてしまう。
「アハハ、アハハ……」
「……うぐっ!? しまった」
 徐々に自らの身体が鍾乳石化していくのを感じたテフラは、自由になっている妖精を敢えてこの場から逃れさせて。
「このままやられるぐらいなら、妖精さんは他の猟兵さんを支援させて……」
「「アハハ、アハハ……」」
 そこへ、曲がり角から3体がやってくる。どうやら、まだ別行動をとっていた敵がいたらしい。
「あとは……わぁぁぁっ……!?」
 それらの敵に抱き着かれ、体液で塗り固められたテフラは鍾乳洞内の石と同化してしまう。
 時間差で自身の相手の片付けた歌織が駆けつける。
「まだいたのですね……!」
「「アハハ、アハハ……」」
 鍾乳石と化した仲間を視認した歌織は敵が近づいて来たこともあって接近戦に臨む。
「相手が水の体を持つなら、これで」
 『氷魔剣クロセル』を手に取った歌織は【マヒ攻撃】を伴ってこの場のアンウンディーネの身体を凍結させていく。
 そこで、テフラの妖精もまたアウンウンディーネの体を凍らせる手助けをして。
「今です!」
 そして、すぐさま歌織は『緋炎剣アメノホアカリ』へと武器を持ち換えて【炎の斬撃】を浴びせかけていく。
「「アハ、アハハハハァァ……」」
 急激な温度差によって体を維持できなくなったアンウンディーネ達は、溶けるように鍾乳洞となった廊下へと沈んでいった。
 追ってきた敵を討伐したのはいいが、今なお召喚を続けるUDC怪物の討伐も優先せねばならない。また、鍾乳洞化した周囲の呪いを解くのも少しばかり骨の折れる作業だ。
「ともあれ、皆さんと合流を……」
 テフラを元通りにすることも含め、彼女は仲間の手を借りるべく悪戯妖精を引き連れて他メンバーの援護へと向かうのだった。


 ガルムゼノン、フローライトの2人も10体強の敵を引き連れていた。
 途中でガルムゼノンが教室へと転がり込んだガルムゼノンに対し、光の翼を羽ばたかせるフローライトは【野生の勘】で相手の位置を把握しながら廊下の周回を続けていて。
「「アハハ、アハハハ……」」
 追ってくるアンウンディーネは腕をノズル化させて体液を噴射してくる。
 フローライトは【早業】と【地形の利用】を活かし、無用の攻撃を避けて。
「進む針止まらない 現在は過去に変わる 未来がもう止まらない……」
 時に、彼はユーベルコード【時を駆ける翼-Shining Wings-】を本領発揮させて。
「羽広げ、飛んでゆけ!」
 すると、フローライトの近くまで飛んできた体液の動きがゆっくりとなる。
 彼はさらりとそれを避けてから追ってくる敵を見据えて。
「乾いて目詰まりする類なら時間を進めてもいいんですが、まぁ、本体ですしねぇ」
 どう攻略するかをフローライトが考えている間に、教室へと潜んでいたガルムゼノンが『A-75アサルトライフル』で【牽制射撃】を仕掛け、距離をとろうとする。
 すると、半数がガルムゼノンを追って近づいてきていた。
「よし、このまま引き付けて……!」
「「アハハ、アハハハハ……」」
 笑い声は校舎を出たガルムゼノンを追いかけ、さらにドロドロの体液を噴射してくる。
 それを避けた彼は牽制射撃を続け、ある程度アンウンディーネが纏まったところで仕掛ける。
 反転した彼は拳に力を込めて思いっきり降りぬくと、【氷の衝撃波】が飛んでいき、追ってきたアンウンディーネ達の足元を凍らせる。
「氷狼の力を甘く見るなッ!!」
 動けぬ相手へと近づいていくガルムゼノンは追ってきた敵全員を纏めて捉え、全身から吹き荒れる猛吹雪を発して。
「冰牙暴穿……フロゥズ・ヴィトニルッ!!!」
 凍った足元を鍾乳石へと変え、近づこうとしてくる敵はガルムゼノンの体をも石と化そうとしてくる。
 対し、ガルムゼノンは完全に石化する前に、雹の牙で敵の凍った体を次々と粉砕していく。
「ア、ハハ、ハ……」
 アンウンディーネの石化より早く敵を倒したガルムゼノンは体のあちこちが石になってはいたが、動けない程ではない。
「待っていろ……ッ!」
 討伐すべき敵が力を取り戻そうとしている。
 ガルムゼノンはすぐさま体育館裏へと戻ることにしたのだった。

 一方で、敵を一度廊下の曲がり角でやり過ごしたフローライトは別室へと一度身を顰めて。
「「アハハ……ハハ……?」」
 ここまで追ってきた敵を纏めて捉え、フローライトはダブルネックギター『蛍灯』を構えて。
「こちらのカードは音の波だよ」
 廊下を鍾乳洞へと浸食するアンウンディーネ達が近づいてきていたことを再確認し、彼は楽曲の演奏を始める。
「呪いによって変わったのなら、助けてあげます!」
 元々精霊だった相手に丁寧語で接するフローライトは【情熱】に任せて弦をかき鳴らし、声を上げた。
 持ち前の歌を高い【楽器演奏】や【歌唱】力で披露するフローライトは【パフォーマンス】力も活かし、アンウンディーネ達の目を留める。
「まだまだいきますよ」
 【全ての相手】の【精神に働きかけ】、彼は歌によって【魅了する】。
 持ち歌を披露し続けることで、アンウンディーネの呪いを【浄化】していたのだ。
「さあ、元の精霊の力を取り戻してください!」
「「アハ、ハ……あ、ああ……」」
 壊れた笑い声が止まり、精霊達は元の姿を取り戻していく。
 だが、一度オブリビオンと成り果てた存在は現世には留まるだけで害となる。
「「あり、が……と……」」
 水の精霊達はフローライトに感謝を示しながらも、蒸発するようにその姿を消していったのだった。

 それぞれ、追ってきたアンウンディーネを撃退した猟兵達。
 石化したテフラや仕掛けたガルムゼノンを治療しつつも、メンバー達は再び召喚儀式を続けるディアブロ・グリーパーがいる体育館裏へと戻っていくのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『死神名乗る鮫人『ディアブロ・グリーパー』』

POW   :    ソウルリーパー
【携えた死神の鎌】が命中した対象を切断する。
SPD   :    シャークスバイト
自身の身体部位ひとつを【ホオジロザメ】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ   :    バッドソウル
【不完全な形態の邪神】に覚醒して【グロテスクな見た目の鮫型邪神】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ガルムゼノン・フェンリルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 襲い来るUDC怪物アンウンディーネの群れを高校の校舎内にて討伐した猟兵達は、手早く態勢を立て直して体育館裏へと戻っていく。
 そこでは、召喚儀式を進めるキマイラ型の鮫人の姿があった。
「その様子だと、皆やられたようだな」
 思った以上に早く自らがけしかけたアンウンディーネの群れを討伐され、ディアブロ・グリーパーは儀式を完遂させることができなかったようだ。
 その力は未だ完全なものには程遠く、召喚が不完全な状態のまま。
 だが、ディアブロはまだ世界を崩壊に導こうとする凶悪な邪神となることを諦めてはいない。
「確かに、俺の力はまだ全盛のものに至ってはいないが……」
 この鮫のキマイラは死神を名乗っており、死神の鎌を振るって相手を切り裂いてくる。
 また、頭や腕などをホオジロザメの頭部へと変形させて相手に食らいついてくる他、全身をグロテスクな鮫型邪神へと変貌して戦闘力を高めてくることもあるようだ。
「貴様らを屠るだけの力は十分にある」
 先程のアンウンディーネとは違い、ディアブロは周囲を鍾乳洞に変化させて自らの力を高めるなどということはしない。
 しかしながら、邪神となろうとする敵の力は不完全ながらも非常に強大だ。
 先程の戦い同様、学校という場をうまく利用して戦うことで、有利に立ち回ることができるだろう。
「いくぞ、猟兵。俺の力をみるがいい……!」
 死神の鎌を振りかざし、向かい来るディアブロ・グリーパー。
 この男が完全なる邪神となるのを阻止すべく、猟兵達は自分達に有利な校舎側へと引き付けつつ、交戦を開始するのである。

(第3章は早ければ、19日夜からの一括執筆を考えております。
 19日22時地点で一定数のご参加があれば執筆開始、人数が揃っていない状況でしたら延長しての受付予定です)
神樹・桜花(サポート)
性質:如何なる時も微笑を浮かべ、或いは無表情で、淡々としている。たとえ肉の身を切り裂かれようとも理性的に振る舞う。
基本的に効率を重視しているが、倫理的に問題のある行動はなるべく避ける(それ以外に選択肢が無い場合はその限りではない)。


設定したUCを状況に応じて使用する


リーヴァルディ・カーライル(サポート)
※【限定解放・血の化身】による分身体
怪力任せな振る舞いは品が無いと感じる
吸血鬼流の礼儀作法に則り冷笑を浮かべた高慢な人格

…ふふふ。次はどんな世界かしら?
あの娘の分まで楽しまないとね

はぁ…思いの外、煩わしいものね
太陽の光というのは…

陽光は闇属性攻撃のオーラで防御して、
状況に応じた吸血鬼能力を使用する

・第六感に訴えて暗示を行う魅了の呪詛
・蝙蝠や狼を操り情報収集をする眷属召喚
・残像のように存在感を消し闇に紛れる霧化

…等々。戦闘では蝙蝠化や霧化で敵の攻撃を避け、
魔力を溜めた蝙蝠を弾丸の如く乱れ撃ち、
敵の傷口を抉る遠距離攻撃主体で闘う

あら、もう終わり?意外と脆いのね?

それじゃあ終わりにしましょうか?


アト・タウィル(サポート)
『どうも、アトです。』
『ふふ、それはどうも。』
『私にできることなら、なんなりと。』

ねじくれた魔笛≪Guardian of the Gate≫を携え、ふらっと現れる女性。性質は大人しく、いつも笑顔を浮かべているが、その眼は深く開いた穴のように光を写さない。大体平常心で、驚くということがあまりない。その代わり、空気は読むので、必要に応じて驚いたふりなどはする。

戦闘では、魔笛を用いてUCを使う。音楽系はもちろん演奏で、サモニングガイストもそれに合わせて現れる形。ミレナリオ・リフレクションでは、相手のUCが剣などを使う場合は必要に応じて武器としても使う。

後はお任せします、自由に使ってください




 滋賀県某所、琵琶湖を臨む立地にある高校の体育館裏。 
 この地へと潜伏していた邪神教団の男が召喚したUDC怪物、死神名乗る鮫人『ディアブロ・グリーパー』。
 完全な邪神となることを目指す彼だが、状況が悪かったのか不完全な形で召喚されていたようだ。

 少し時を遡って。
 調査の結果召喚された敵を追ってこの場までやってきていた猟兵達は、即席で敵が呼び寄せたアンウンディーネに追われる形で校舎の方へと向かっていた。
「力を取り戻さねば……」
 その間に、ディアブロは中途半端な状態の我が身を取り戻すべく自らの手で儀式を完遂させようと魔法陣を描いていく。
 そこに、サポートとして駆けつけた3人の猟兵達がディアブロを見据えて。
「今回の相手はあなたでしょうか?」
 瞳を閉じ柔和な笑みを浮かべた神樹・桜花(神桜の一振り・f01584)が相手へと問いかける。
「まだ増援がいたとは……」
 これ以上、アンウンディーネを呼び出すことはできないらしく、ディアブロは大鎌を携えて応戦の構えを見せる。
「どうも。どうやらUDC怪物……邪神の類が今回の相手のようですね」
 こちらも落ち着いた態度で笑みを浮かべるミレナリィドール、アト・タウィル(廃墟に響く音・f00114)。
 敵を視認したアトはねじくれた魔笛『魔笛≪Guardian of the Gate≫』を携え、淡々とUDC怪物と対する。
「夕暮れ時……丁度いい」
 ユーベルコード【限定解放・血の変生】による分身体として参戦するリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は、本体の分まで楽しめそうだと笑う。
 いずれも微笑みを湛える猟兵達に、ディアブロはやや不快感を示して。
「ならば、俺も現状で迎え撃たざるをえまい」
 儀式の手を止めたディアブロは猟兵達を撃退すべく、大鎌を手に向かってくるのである。


 大鎌を振り上げて迫ってくるディアブロ・グリーパーを迎え撃つのはリーヴァルディだ。
「ふん、はああっ!」
 重量感を感じさせる大鎌の刃が空を切る。
 その身を蝙蝠と化して大鎌の直撃を避けていたリーヴァルディの分身体は頃合いを見て人の姿へと戻り、魔力を溜めた蝙蝠を弾丸の如く乱れ撃つ。
「思ったより大したことないのね」
「ならば、今のまま邪神の力を覚醒させれば……」
 リーヴァルディに煽られたこともあり、ディアブロは自らの姿を一時的に変貌させる。
 鮫人の姿から邪神の力をとろうとするディアブロだが、力が不完全な状態での強引な覚醒によってややグロテスクな見た目へと変貌してしまう。
「おおおおお!!」
 だが、それによって戦闘力を高めた彼は素早くリーヴァルディを切りつけてくる。
「……ふん、やるじゃないのよ」
 蝙蝠化が間に合わず、血を迸らせるリーヴァルディ。
 敵はさらに桜花やアトにも凶刃を振りかざす。
 数度切りかかられて傷を負うアトは痛みにも平然としながら魔笛を鳴り響かせる。
 その旋律が奏でるのは、【狂気の操り人形(クレイジー・パペット)】。
 戦場で死亡、または気絶した対象を操るユーベルコードだが、この場にはまだ倒れた者はいない。
 アトは何かを予感して、笛の音を響かせ続けていた。
 一方で、戦闘に入ったことで表情を無くした桜花もまた、傷つきながらも理性的な振る舞いを続けて。
「総て命は刹那に咲くが故に美しい――――」
 彼女の太刀『神桜一振』は無数の花びらへと変わり、ディアブロへと浴びせかかっていく。
 だが、寿命を削ってまで猛攻を仕掛ける異形となった敵も止まらず、その凶刃は桜花の体を血に染めて。
「……あなたの儀式を、止められれば」
 一度は倒れる桜花だが、なおも桜の花びらを舞わせて。
 旋律を響かせ続けていたアトが桜花の意を組み、彼女の優雅さを損なわぬよう触手で操作していたのだ。
「くっ、これは……!」
 倒したはずの敵がなおも浴びせかけてくる桜の花びらに、ディアブロもまた怯んでしまう。
 ただ、虚を突くのは一時的なこと。また、触手での操作を長らく続けることは本人の意に反するだろうと、アトは桜花を連れてこの場から退く。
「皆が来たみたいね」
 最初は楽しむ気だったリーヴァルディもこの場は因縁持つ仲間に託すことにし、戦線を離脱していくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
体育館裏に呼び出し…ある意味お約束かしら。

他の皆が戦っている間に、[忍び足]しつつ体育館の屋根の上に[クライミング]で登る。
[迷彩][目立たない]で気づかれないように屋根の上に隠れましょう。
そして集中したらユーベルコード【千里眼射ち】で撃ち抜いてあげるわ。

「サメの頭も屋根の上まで届くかしら?」


フローライト・ルチレイテッド
アドリブ連携歓迎です。
学校といえばアレを使わないと!

UC【BuildUp forcE】を使用、設営妖精達の【メカニック】技術を借ります。
そして【真っ赤な夜】と放送設備をリンク。

後は指定UCを使用、【情熱】的に【楽器演奏、歌唱、浄化、範囲攻撃、精神攻撃】を駆使して楽曲を演奏。

校内放送を使って学校中に曲を流します。

後は【野生の勘】と【地形の利用】で階段等を飛び回って攻撃をかわしつつ【パフォーマンス】を続けます。

歌詞カード

素敵な明日はどこ? 夢の叶う場所は?
ぼくらは探すよ 手探りでも諦めずに
朝焼けを越えて 闇の海を渡り
ぼくらは向かうよ まだ知らないアルカディアへ
(Bメロ~サビ=詠唱部分)


ガルムゼノン・フェンリル
お前が…お前が!燎を…俺の番を傷付けたッ……!
今回ばかりは容赦はせん!貴様の命で彼女の痛みを償わせてやる!!

戦闘は見切り、野生の勘、フェイントなどを使いながら防戦。
隙をみて氷属性の2回攻撃や衝撃波でダメージを狙おう。

(異世界で同じ姿の自身がディアブロに殺される幻視を見て、意識が一瞬飛びそうになる)
……いや、これ以上彼女と同じ辛い思いをする人を増やしてなるものか!

持っている銃火器などの携行武器や弾丸を全て捨て、身軽になったら肉薄するべく接近する!

ディアブロ…ここで斃れてもらうぞ!
喰らえ、【崩月・蒼牙凍爆拳】ッ!!!

二度と俺たち猟兵の前に姿を見せるな!骸の海へ消えるがいいッ!

【ソロ描写・討伐希望】


黒柳・朔良
不完全な状態とはいえ、このままやつを放っておくわけにはいかない
ここで仕留めておくことが、今後のためにもなるだろう
幸い、私たち猟兵は、先程のアンウンディーネ戦で校舎内で戦っていたが、やつはそうではない
その差はかなり大きいだろうな

選択UCで存在を消し、校舎内の物が多そうな教室で待ち伏せる
奴が教室の近くを通ったら、そのまま飛び出して暗殺特化の武器に変えた鴉丸で喉元を狙おう
それだけでトドメをさせるとは考えていない
一矢報いてすぐ様その場を離れよう

警戒すべきは死神の鎌だが、私がどこにいるかわからなければそれを振るうことは出来ないだろう
自身の影を使いながら見当違いの場所への攻撃を誘導するのもありだな


薙沢・歌織
召喚された鮫人のオブリビオン…私も猟兵の一人として、貴方を骸の海へと還す使命があります。…覚悟なさい!

…あの覚醒が示すのは、オブリビオンの邪神への進化に対する強い執着心でしょう。
【魔力溜め】からUC【我が身に宿れ、炎の女神】を発動、こちらも能力を強化して飛翔し対抗します!
遠距離からは強化エレメンタルオーブと精霊銃による【炎属性攻撃】の【誘導弾】を放ち、頃合いを見て緋炎剣での【ダッシュ貫通突き】で接近戦に持ち込み【炎属性の2回攻撃】で攻めます。
敵の攻撃の癖は【学習】し、緋炎の翼の飛翔能力と【ダッシュ】で避け、消耗を誘いましょう。避けきれない場合に備えて、地霊盾で盾受けする準備もします。




 アンウンディーネを倒した猟兵達が体育倉庫の方へと戻ってくると、改めてディアブロ・グリーパーは召喚儀式を進めようとしていた。
 しかしながら、そいつの身体にはすでに傷がついており、一戦交えた後だと一目で分かる
「その様子だと、皆やられたようだな」
 ただ、この場に駆けつけた猟兵は3人だけと、アンウンディーネ交戦前と比べれば少ない。
 一定の働きは見せたかと、ディアブロは僅かに微笑んでいた。
「見た目だけだと、私達が体育館裏に呼び出されたようにも見えるわね」
 改めてこの場を訪れた希望の宝珠のヤドリガミ、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)はそれなら、ある意味でお約束とも感じる。
 しかしながら、実際は、人気のいないところへと移動したディアブロを、猟兵達が追いかけた形だ。
「不完全な状態とはいえ、放っておくわけにはいかないな」
 普段、影として立ち振る舞う黒い瞳、黒髪の黒柳・朔良(「影の一族」の末裔・f27206)が小太刀を手にする。
 ここで仕留めておくことがUDCアースの今後の為となるのは間違いないと、朔良は疑わない。
 幸い、朔良が校舎内でアンウンディーネと戦っていた間、サポーター達がディアブロを抑えていた。
 それもあって、状況は朔良が思っていたよりは悪くない。
「来い。お前達も今のままで倒してみせようぞ」
 ディアブロの力は不完全ではあるが、サポーターメンバーを退ける力を持っている。
 本来の力を取り戻し、さらに邪神にまで進化すれば、簡単には手が付けられない存在となるのは確実だろう。
「……私も猟兵の1人として、貴方を骸の海へと還す使命があります」
 召喚された鮫人のオブリビオンを見据え、和洋折衷の制服を纏う薙沢・歌織(魔法学園の術剣士・f26562)は周囲に『エレメンタルオーブ』を浮かび上がらせて。
「……覚悟なさい!」
 合わせて『精霊銃』を手にし、歌織はディアブロへと牽制射撃を始めたのだった。


 体育館裏から再び校舎の方へとディアブロ・グリーパーを引き付けつつ交戦する猟兵達。
 まずは歌織が前線に立ちながら交戦するが、校舎での交戦を希望するメンバーもおり、歌織は身を引きながらそちらへと敵を引き付けながら交戦していた。
 ところで、最初にディアブロの前へと姿を晒したのは3人のみだったが、交戦を考えていたのが彼女達だけだったわけではない。
「学校といえば、アレを使わないと!」
 銀髪に1本の角を生やしたギタリストの少年、フローライト・ルチレイテッド(重なり合う音の色・f02666)は放送室へと向かっていた。
 UDC組織を通して学校関係者から手早く鍵を借りたフローライトは放送室の機器の電源を入れ、ユーベルコードを使う。
「俺達は 創り出す 行くぜ 創れ歌え 心のままに いつもいつでも 信じる想いのまま♪」
 フローライトが呼び寄せたのは、モノづくりに長けた設営妖精軍団。
 それらはフローライトの要望通りに【メカニック】技術を駆使して、放送設備と野外用スピーカーポッド『真っ赤な夜』をリンクさせる。
「あとは……」
 そして、フローライトはさらにユーベルコード『Arcadia』を使い、校内のスピーカーを通して校舎内だけでなく高校の周囲にまで自らの弾き語りを響かせる。
 ――素敵な明日はどこ? 夢の叶う場所は?
 ――ぼくらは探すよ 手探りでも諦めずに。
 フローライトの【演奏】と【歌】。
 校内のどこかにいるディアブロに精神攻撃を仕掛ける彼は状況が整ったところで放送室を出る。
 ――朝焼けを越えて 闇の海を渡り、
 ――ぼくらは向かうよ まだ知らないアルカディアへ。
 【情熱】敵に弾き語りを行うフローライトは【浄化】の力も使い、アンウンディーネが呪いによって鍾乳洞化させた場所を元のように戻していった。

 その歌が響く校内で、UDC怪物と猟兵の交戦は激化する。
 鮫型の邪神へと覚醒し、飛躍的に能力を高めたディアブロ・グリーパーに対抗すべく、歌織は【魔力溜め】からユーベルコードを発動させて。
「炎の女神よ、我が器を依り代に現世へと降り立て!」
 黒い髪は赤く染まり、背に緋炎の翼を宿した歌織は飛翔し、能力を高めて対抗していた。
「……あの覚醒が示すのは、オブリビオンの邪神への進化に対する強い執着心でしょう」
 まずは距離をとりつつ、歌織は炎の女神となったことで強化『エレメンタルオーブ』と『精霊銃』から【炎属性】の【誘導弾】を放って敵を傷つける。
「『影』は確実に獲物を仕留める」
 距離を詰めようとすれば、教室内へと潜伏していた咲良が強襲する。
 飛び出した彼女は暗殺特化の武器に変えた小太刀『鴉丸』で、ディアブロの喉元を狙う。
 首を軽く切られた敵は大鎌を振り上げる。
 朔良も相手の鎌を警戒するが、存在感を消した彼女をディアブロは捉えることができない。
「やはり、私がどこにいるか分からないようだな」
 敵は朔良を牽制して攻撃こそすれど、その狙いは当てずっぽうだったようだ。
 また【忍び足】を駆使して体育館の屋根の上へと【クライミング】で登っていたヴィオレッタは【迷彩】も使い、【目立たない】よう隠れる。
 体育館裏での交戦も考えていたヴィオレッタだが、再び校舎側へと戦場が移動していたことで、合成弓『射貫き打ち抜く鋒矢』を構えて集中し、好機を待つ。
「……今よ」
 廊下で交戦を続ける仲間と敵。
 ヴィオレッタは【千里眼射ち】で姿を視認したディアブロ目がけて矢を射放つ。
 矢は一直線に空を飛び、廊下の窓ガラスを貫通してさらにディアブロの腕と腰に突き刺さる。
 鮫となった頭でヴィオレッタのいる体育館の方を睨みつけようとするディアブロだが、さすがにすぐ彼女へと食らいつくとはいかない。
「さすがに、サメの頭もここまでは届かないようね」
 ヴィオレッタはなおも矢を番えて集中し、次なる好機を待つ。
 ――手を伸ばせ…… 手を伸ばせ……。
 ――手を伸ばせ…… 手を伸ばせ……。
 そこに、歌いながら、翼を羽ばたかせたフローライトが迫る。
「おのれ、小細工を弄しおって……!」
 力で引き抜いた矢を投げ捨てたディアブロは大鎌を振り回すが、歌い続けるフローライトは【直感】でその軌道を見切って避けていく。
 さらに階段へと相手を誘導した彼は、鮫の頭となった敵に食らいつかれぬよう飛び回る。
 ――掴んだ手の中光る星の欠片♪
 ――希望と祈りを抱いて夢の果てへ♪
 【パフォーマンス】を続けるフローライトへと気を取られるディアブロへ、朔良や歌織も苛烈に攻め立てる。
 合間を見て、素早く迫る朔良はさらに敵の首へと斬りかかり、すぐさまその場を離れる。
 そして、朔良は自らの影を使い、ディアブロを見当違いの方向へと誘導して攻撃を避けていく。
 そこで、『緋炎剣アメノホアカリ』へと武器を持ち換えた歌織が【ダッシュ】で【切りこむ】。
 一太刀浴びせた歌織は刀身に【炎を纏わせ】、【連撃】を浴びせかける。
「こざかしい連中め……!」
 思い通りに戦いが運ばず、多少の苛立ちも感じさせるディアブロは、増大させた力で卓越した大鎌捌きをみせ、合間に鮫の牙で噛みついて体力回復もはかってくる。
 緋色の翼で飛翔する歌織は『地霊盾』で敵の攻撃を防ぎながら癖を【学習】し、空中を【ダッシュ】して相手の消耗を誘うのだった。


 激しい交戦は一進一退。
 猟兵達も、UDC怪物も一歩も引くことなく己の最善手を相手へとぶつけていく。
 校舎内を移動しながらの戦いの中、やってきたのは1人の獣人だった。
「待ってくれ! そいつは、俺がサシでやる……!!」
 大声で叫んだ青い毛並みの人狼、ガルムゼノン・フェンリル(月をも砕く蒼狼拳士・f01970)がこの場の仲間達へと呼び掛ける。
 猟兵達はディアブロ・グリーパーがガルムゼノンの因縁の相手だと察し、頷いて身を引く。
「お前が……お前が! 燎を……俺の番を傷付けたッ……!」
 そして、ガルムゼノンが入れ替わりで進み出て、目の前の鮫の獣人を並々ならぬ形相で睨みつけた。
「……なんだ、お前は?」
 相手はとぼけているのか、それとも不完全な召喚で記憶がなくなっているのか、素知らぬ顔をしてみせる。
 それがガルムゼノンにより強い憎悪と怒りを抱かせて。
「今回ばかりは容赦はせん! 貴様の命で彼女の痛みを償わせてやる!!」
「良くは分からんが、そちらが1人で戦うなら臨むところ」
 この場のメンバー達は支援の手を止め、ガルムゼノンのタイマン勝負を見届けることに。
 ディアブロは一度元の姿へと戻り、死神の鎌で相手をする構えだ。
 一方、ガルムゼノンは両腕のガントレットで近接攻撃を仕掛ける。
 しばし、両者は己の武器を振るい、衝撃波を飛ばし合う形で力を探り合う。
 相手はこれまでの戦いからも近接攻撃を得意としているのは、これまで戦っていた猟兵達も知るところ。
 ディアブロが大振りの一撃で切りかかると、それを【見切った】ガルムゼノンは【野生の勘】で身を屈める。
 そこからジャブで相手に【フェイント】を仕掛け、相手が軽く避けたところで【氷を纏わせた】フックからのアッパーを【連撃】として叩き込む。
 多少怯むも、ディアブロもかなりの強者。瞬時に態勢を整えて刃を振り下ろす。
 避けたはずのガルムゼノンだったが、胸部から腹部に刃が届き、赤いモノが飛び散った。
 そこで彼の脳裏にフラッシュバックしたのは、異世界での交戦。
 自らと同じ姿をした獣人がディアブロの刃に切り裂かれる幻視を垣間見て、ガルムゼノンの意識が飛びそうになる。
 しかし、彼は強く歯噛みして、白くなりかけた視界を現実へと強引に引き戻す。
「……いや、これ以上彼女と同じ辛い思いをする人を増やしてなるものか!」
 身軽になる為に、ガルムゼノンは持っていた銃火器など、携行武器や弾丸をその場へと全て捨て、相手に向かって前方へと跳躍する。
「ディアブロ……ここで斃れてもらうぞ!」
 相手へと肉薄したガルムゼノンは氷塊を発して、敵の足元を凍り付かせて。
「くっ……!」
「喰らえ、【崩月・蒼牙凍爆拳】ッ!!!」
 ガルムゼノンは波導を己の拳へと集めていき、それを凍てつく凍気へと変えていく。
 膨大な力に、さすがにディアブロも目を見張る。
「二度と俺たち猟兵の前に姿を見せるな! 骸の海へ消えるがいいッ!」
 傷ついた腹部へとガルムゼノン渾身の一撃を受けたディアブロ・グリーパー。その身体が少しずつ凍り付いて。
「か、完全な力が、あれば……おの、れ……!」
 全身を完全に凍り付かせたUDC怪物は内側から砕け散る。
 その欠片は一片たりとも残ることなく、溶けて消えていった。

 UDC組織の所属員と共に、事後処理を進める猟兵達。
 先程のフローライトの校内放送もあり、鍾乳洞化した校内は元の姿を取り戻す。
 校内での事件は主犯である悪漢が取り押さえられたとの情報が流れ、学校関係者も事件の解決に安堵していたようだ。
 そして、ディアブロ・グリーパーを撃破したガルムゼノン。
 彼はそれを報告したい相手がいるからと、一足先に現地から去っていったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年09月21日
宿敵 『死神名乗る鮫人『ディアブロ・グリーパー』』 を撃破!


挿絵イラスト