5
水底からの誘い

#UDCアース #学校の怪談 #プール #触手

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#UDCアース
#学校の怪談
#プール
#触手


0




●怪談其の七
 その小学校のプールに、夜忍び込んではいけない。
 青いリボンの『魚売りの少女』に、魚を勧められるから。
 黄泉の国で獲れた真っ赤な魚はとても美味しいけれど、口にしたが最後。あっという間に水底に引き摺り込まれ、二度とこの世に戻って来られないのだ。
 だから。
 七不思議巡りをするなら、ここだけは真相を確かめてはならない。

●10:50 PM
「……そう言われると確かめたくなるよね~」
 数人の男の子が、暗い廊下を蝋燭で照らしながら歩んでいた。
「ほんとほんと」
「だって、音楽室のピアノとか花子さんを押さえて、こんなのがトリなんだもん」
 気になってしょうがないじゃん。パタパタと靴音を響かせながらも、互いにそんなことを言い合う。
「やっぱ蝋燭立てちゃおうよ。あそこにも」
 そしたら、本当に出るかもよ? 一人がそう呟けば仲間内から無邪気な笑い声が打ち上がる。
 その残響は闇へと響き、無人の校舎に掻き消えていくのだった。

●グリモアベースにて
「怪談絡みのオブリビオン案件でござる」
 そう口にしたのは、四宮・かごめ(たけのこ忍者・f12455)だ。
「今夜、UDCアースのとある小学校に、そこの生徒達が忍び込むでござる」
 目的は、肝試し。
 この学校に伝わる七不思議。その場所を真夜中に訪れ、火を灯した蝋燭を置いて行く。ただし七つ目であるプールに蝋燭を灯した時、とてつもない災厄が巻き起こる。だから、そこにだけは蝋燭を立ててはならない。そういう触れ込みだ。
「家庭科室で飛び回る包丁。体育館の生首バスケ。校庭の落武者。定番が揃っているその学校の怪談の中で、ひとつ浮いたものがあるでござる」
 それが『魚売りの少女』。
 真夜中にプールを訪れると、青いリボンを付けた少女に黄泉へと引き込まれるという。
 そして七不思議巡りの過程で蝋燭を置いていくという行為そのものが、七番目の怪談である『魚売りの少女』の召喚儀式に相当するらしい。
「生徒達がプールに蝋燭を立てた時、完全復活した邪神が召喚されてしまうでござる」
 肝試しのメンバーは六年生の男子が4人。今は六つ目の蝋燭を立て終わり、校舎内を移動している。
 彼等に会い、七つ目の蝋燭を立てないように説得するというのが、今回の依頼だ。

 儀式は既に半ばまで進行している。それでも邪神復活を不完全なものに出来るのならば、やる価値はあるだろう。
「あるいは儀式そのものを妨害するというのも有効でござる」
 邪神召喚までの時間を大幅に遅らせられれば、仮に生徒達がプールに辿り着いたとしても、彼等は何も無いと判断して帰宅するだろう。
 具体的には蝋燭を見つけ、その火を消すなどだろうか。
「事件の背景に邪神教団などの黒幕の気配は、今のところ感じられないでござる。ただ、儀式が相当進んでいる点にだけはお気をつけて」
『魚売りの少女』以外の六つの怪談が嘘八百であったとしても、今夜ばかりはそうもいかない。召喚儀式による魔力の高まりに触発され、思わぬ怪奇現象が猟兵達を襲うかも知れないのだ。心の備えはしておいた方が良いだろう。

「あとは……そうそう。UDCと本格的に戦闘になった時でござるが」
 UDCは学校外から召喚される存在。いわば部外者だ。
 つまり、日本の学校の何処に何があるのか。どう使うのか。そう言った物事に対して理解が薄い可能性が高いのだ。
「知っていれば少しだけ戦いが楽になるかも知れませぬ」
 勿論、正面からぶつかるのも良いだろう。どちらにせよ、オブリビオンは明確な世界の敵。夜のうちに学内から駆逐しなければならない。
「準備が整った方から転送を行いまする。どうかお気をつけて」
 そう言ってかごめは学内の地図を猟兵達に渡すのだった。


白妙
 白妙と申します。
 今回の舞台はUDCアース。学校の怪談に紛れた邪神召喚儀式を阻止し、その後召喚されてくる不完全な邪神と眷属を駆逐するのが目的です。

●第1章【冒険】
 七不思議巡りをする少年たちを家に帰るように説得したり、学内を巡って召喚儀式を妨害したり、調査をしたり。
 既に召喚儀式は半ばまで進んでいるため、行く手には怪奇現象が立ちはだかるかも知れません。
 少年たちは小学六年生の仲良し四人組。小学校最後の夏の思い出作りに、七不思議巡りに繰り出しました。
 好奇心旺盛なリーダーを筆頭に、完全制覇に全員が乗り気です。

●第2章【集団戦】
 召喚途中にある邪神が、無数の配下『??????????』を呼び寄せてきます。
 学校中で彼等と戦い、殲滅に追い込みましょう。

●第3章【ボス戦】
 邪神『??????』と決着を付けます。

●補足(2章、3章について)
 敵の全オブリビオンはこの世界の学校機関に不慣れです。
 学校であることを活かしたプレイングには、プレイングボーナスがつきます。

 一章のプレイング受付開始は公開直後。二章以降は断章投下後となります。宜しくお願いします。
80




第1章 冒険 『UDC召喚阻止』

POW   :    UDCの発生原因となりそうなものを取り除く

SPD   :    校内をくまなく調べ、怪しげな物品や痕跡がないか探す

WIZ   :    生徒達に聞き込みを行い、UDCの出現条件を推理する

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

朱酉・逢真
心情)ひ、ひ。やァ、活きがいいねぇ。無謀で、無知で、向こう見ずだ。かわいいねェ。このまンま邪神が起きちまって。ちびども・その他が殺されちまったって、それはそれ。ヒトの選んだ末路よ、かわいいこったと思うンだが。マ・敵が《過去》だもンなぁ。猟兵として斃さにゃアな。
行動)眷属《虫・鳥・獣》どもをたっぷり学校中に撒き散らす。こいつらは俺の延長だ。《獣・鳥》は学校中を走り回ってマッピング。《虫》は、ひひ、ちびどもへ向かえ。暗い廊下の影から虫の群れが押し寄せりゃ、たまらずどっかに逃げ込むだろう。その部屋に俺は居て、『眠り』の《毒》を《煙管》で吹き付けよう。寝たら他の猟兵に任せるさ。俺は生き物に触れんでな。



「わーい!」
「待ってよー!」
 夜の校舎に歓声が響き、闇を揺れる蝋燭が窓ガラスを白く煌かせる。
 七不思議巡りに訪れた四人の少年が、プールに向けて一斉に廊下を駆け出したのだ。
「ひ、ひ。やァ、活きがいいねぇ」
 そんな彼等を遠くから眺めながら笑みを浮かべるのは朱酉・逢真(朱ノ鳥・f16930)。
 夜の学校特有のスリルに身を任せる少年達は、逢真から見ても本当に活き活きとしていて、楽しそうだった。
「無謀で、無知で、向こう見ずだ。かわいいねェ」
 ――そんな少年達の行きつく先は、破滅。
 自らの手で恐ろしい存在を目覚めさせようとしている事に、少年達が気付くことは決して無い。
「それはそれ。ヒトの選んだ末路よ、かわいいこったと思うンだが」
 今回の怪談の正体が幽霊の類ならば兎も角、それ以上に敵意に満ちた存在である事を逢真は知っている。
 七不思議巡りを終えた時、巻き起こる災厄の魔の手は彼等だけでなく、より多くの人々にも及ぶだろう。そうなれば、放ってもおけない。
 逢真の周りで、闇が動いた。

 校舎内を駆けていた少年達だが、ふと全員が足を止める。
 微かな違和感と共に、耳が様々な方向から音を拾ったのだ。
「鳥の羽音?」
「何か走ってる音もする」
「……待って、なんかざわざわ聞こえる!」
 前方の廊下。その奥の闇に注がれた四人の目に……信じられない光景が飛び込む。
 それは、暗い廊下を埋め尽くしながら此方に迫る、蠢く黒い波だった。
「――逃げろ!!」
 仲間の一人の声に弾かれるように、四人は後方へと駆け出した。同時に黒い波も少年達を追う。
 キチキチと音を立てて迫る圧力を背に、少年達もまた捕まるまいと息せき切って腕を大きく振り、無我夢中で校舎内を逃げ回る。
 もう何処をどう走ったのかもわからなくなった頃、曲がり角に差し掛かろうとしたリーダー格の少年が、咄嗟に叫んだ。
「角を曲がったところを飛び込め!!」
 全員が最寄りの教室に飛び込む。
 一拍遅れて黒い波が隆起と沈降を繰り返しながら目の前の廊下を通り過ぎた。
 次第に遠ざかっていく音。
 やり過ごした。そう思い少年達が胸を撫でおろした時。
 吐息のような音に続いて、白い何かが四人の鼻を撫でる。
「えっ……」
 たちまち四人は意識を飛ばされ、その体は壁を背にゆっくりと崩れ落ちた。
「……」
 傍の闇から姿を現したのは、逢真だ。
 ぷかぷかと烟管をふかす逢真の傍に、四つ足の何かが静かに近寄る。
 その正体は、何やら口に紙を咥えた、獣だった。
「ひひ、ご苦労さん」
 逢真が受け取ったのは学内の地図。果たしてそこには紅いチョークで幾つか印が示してあった。
 逢真は自らの眷属を学内に大量に放っていた。虫達を使い少年をこの教室までおびき寄せ、眠らせる。その間に鳥と獣達が走り回り、学内をマッピングさせていたのだった。
「マ、敵が『過去』だもンなぁ」
 そこで大人しくしてな。そう言って逢真は獣を連れ、教室を出て行く。
 残された白い煙が渦を巻き、秋初めの夜の空気に融けていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

琴平・琴子
忘れ物を取りに来た後輩の振りして
彼らに一緒に帰ってもらおうと頑張ります…
は、早く彼らを見つけないと
怖…くないですからっ
別に怖いわけじゃないですからっ

お、お兄さん達何をしてるんですか…?
プール?肝試し?
は、早く帰ろう…?
だって家庭科室から包丁が飛んで来てたよ!?
こ、こっちに来て追い掛けてきてたもんっ!
包丁こっち来てる!

彼らに被害が及びそうならUCで動けないのを利用し
その場にへたり込み動けない振りで弱いことを装い誘導し、そのままカウンターで打ち向かう

彼らに恐怖で動けない事を教えれば一緒に校門の外まで帰ってくれればいいのですが…



 ぱた。ぱた。ぱた。
 静まり返った夜の校舎を、一人の少女が歩いていた。琴平・琴子(まえむきのあし・f27172)である。
「は、早くあの子達を見つけないと……」
 琴子は生徒の捜索を行っていた。少年達と会い、一緒に家に帰ってもらう事が彼女の目的である。そのためには学内の何処かに居る彼等を見つけなければならないのだが……。
「怖……くないですからっ」
 暗い学内。そこはたった一人で訪れた琴子にとって正直な所……不気味な場所であった。
 慎重に……慎重に。周囲を警戒しつつ一歩ずつ歩む琴子の足元で、ぎい、と。古い床板が甲高い軋みを上げた。思わず肩を跳ねあがらせてしまう。
「……別に怖いわけじゃないですからっ」
 自身に言い聞かせるようにそう呟き、お守り代わりの防犯ブザーを小さな手で、ぎゅっ、と握り込む。すると少しだけ胸の内で勇気が湧いて来るのを、琴子は確かに感じるのだった。
 深呼吸一つ。改めて琴子が探索を開始しようとした、その時。
「う、うぅん……」
 すぐ脇にある教室から声がした。
 琴子がその教室を恐る恐る覗き込めば、入り口近くの壁に、探していた四人の生徒達が寄りかかっていた。
 どうやら今まで眠り込んでいたらしく、怪我らしい怪我もしていない。
(「良かった……無事だったんですね」)
 心細さが引いて行くのを感じつつも、琴子は少年達に優しく話しかける。
「お、お兄さん達、何をしてるんですか……?」
「俺達、肝試しにプールに行こうとして……それから……あ、あれ?」
「プール? 肝試し?」
 琴子の姿は少年達の目には可愛らしい下級生に映っただろう。迷いを見せる彼等とは対照的に、琴子は自分が此処に来た目的をはっきりと伝える。
「私、忘れ物を取りに来たの。だから、はやく帰ろう?」
「でも……」
「だ、だって家庭科室から包丁が飛んで来てたよ!? こ、こっちに来て追い掛けてきてたもんっ!」
 その言葉に思わず振り返る少年達。彼等の視線の先には――家庭科室。
 ぴかり。そこで何かが閃く。
 学校の七不思議の一つ。家庭科室の空飛ぶ包丁であった。
「――包丁こっち来てる!」
 悲鳴にも近い琴子の声と同時に少年達は一斉に駆け出した。その場に残されたのは……恐怖の余り地面にへたりこんだ姿の、琴子。飛来する包丁は動けない琴子の方にみるみる迫り――。
 次の瞬間。カラン、と包丁は乾いた音を立て、廊下の床板の上に落下していた。
 無敵城砦。心が揺るがぬ限りあらゆる攻撃を防ぐ、琴子の無敵の護りだ。琴子は動けない風を装い、ターゲットを自身に引き付けていたのだった。
 おそるおそる戻って来た少年達はへたりこんだままの琴子の周りに急いで集まり、怪我が無いかを確かめようとする。琴子もようやく無敵城砦を解除し、視線だけで自身が恐怖で動けない事を少年達に伝えた。
「急いで出ようぜ!」
「そっち持って!」
 七不思議を実際に目の当たりにした今、少年達が出来る事はこの場を立ち去る事だけだった。急いで琴子を背負い、そのまま脱出を開始する。
 この場所を訪れた時とは違う温もりを感じながら、琴子は彼等と共に校門を出るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

轟木・黒夢(サポート)
『私の出番?それじゃ全力で行くわよ。』
 強化人間のヴィジランテ×バトルゲーマー、18歳の女です。
 普段の口調は「素っ気ない(私、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、偉い人には「それなりに丁寧(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格はクールで、あまり感情の起伏は無いです。
戦闘では、格闘技メインで戦い、籠手状の武器を使う事が多いです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 ゆらり。
 闇の中で橙色の灯が揺れる。
 体育館の入口前。そこに七不思議巡りの過程で生徒達が置いた蝋燭――その正体は邪神復活の為の儀式の一端――は、校内の魔力の高まりと共に、その揺らめきをより激しくしていた。
 そこへ、足音が近付く。
「……ここね」
 やがて姿を現したのは、轟木・黒夢(モノクローム・f18038)の、すらりとした白い人影であった。
 彼女は邪神召喚儀式を阻止するため、数分前に校内の探索を開始。その後すぐに、屋外にあるこの蝋燭を発見したのだった。
「……」
 立ち止まり蝋燭の灯を見つめる黒夢。彼女の表情は淡々としておりその考えは読み取れないが、実際は風の吹く屋外でも燃え尽きずに揺れ続ける蝋燭の不自然さを感じ取り、様子を観察していたのだった。
 とはいえ蝋燭自体は何の変哲もないものだ。どうやら周囲に伏兵の気配も無いらしい。
 これを吹き消すだけで召喚儀式を遅らせることが出来る。
 生徒達が校外に出る時間を稼ぐことも、出来る。
 意を決して黒夢が蝋燭へ向けて屈みこもうとした、その時。
 ドォン!
 館内から音が響いた。思わず扉の方に首を向ける。
 ドォン! ドォン! ドォン!
 続けざまに同じ音。まるで何かをドリブルするように。
「……」
 消灯と施錠が行われた深夜の体育館で、誰かがバスケットボールを衝いている。
 ――見たい。見てみたい。正体を確かめたい。
 理性の上げる制止の声を振り切るように、そんな感情が黒夢の胸中に湧き上がる。
 だが同時に――黒夢の鋭い聴覚が違和感を拾った。
「……バスケットボールじゃない」
 黒夢は聞き逃さなかった。衝かれているモノがバスケットボールほどの弾力を持たない『何か』であることを。
 刹那、黒夢の脳裏に、此処に来る前に聞いた言葉が蘇る。
 ――体育館の生首バスケットボール。
 あれは常ならぬ存在。儀式を邪魔するものを阻む――怪異。
 そう黒夢が気付いた時、館内の音はぴたりと止んだ。
「……」
 黒夢は扉の方を見ずに蝋燭の前で屈みこみ、そして。
 ふ。
 静かに吹き消した。
 灯りが消え、暗闇が訪れる。
 消えた蝋燭の前で一人物思いに耽るように佇んでいた黒夢だったが、やがて彼女は踵を返し、この場を立ち去るのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『パープルテンタクルズ』

POW   :    押し寄せる狂気の触手
【触手群】が命中した対象に対し、高威力高命中の【太い触手による刺突】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    束縛する恍惚の触手
【身体部位に絡みつく触手】【脱力をもたらす触手】【恍惚を与える触手】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    増殖する触手の嬰児
レベル×5体の、小型の戦闘用【触手塊】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●1:03 AM
 邪神召喚儀式は猟兵達の手で散々に寸断され、その完遂を先延ばしにされた。
 七不思議巡りの少年達も無事帰宅させる事が出来た今、後顧の憂いは無い。
 猟兵達は迎撃の準備を整え、待つ。

 深夜一時を回った頃、異変が起こり始めた。
 それまで静まり返っていたプールの水面から、水飛沫と共に無数の太い何かが飛び出したのだ。
 それは、紫色の触手だ。優に5メートルは越えようかという長さの触手が、水面から月に向かうように伸びている。
 水底で蠢く怪物の名は『パープルテンタクルズ』。ぬらぬらと絡み合う触手の塊のような姿のUDCである。
 触手に捕らえられた人間は狂気に陥り、やがて異界に引き摺り込まれてしまうのだという。
 同時に校舎のあちこちでも窓ガラスが割れる音が響き、そこからも蠢く触手が這い出している。どうやら学内のあちらこちらに数体ずつ、分散して召喚されているらしい。
 ただし、その総数は決して多くはない。この点は召喚儀式を一度は阻止した猟兵達に分がある。
 今ならば、合流される前に各個撃破も可能だろう。


☆★☆MSアナウンス☆★☆
 第二章、第三章について、猟兵の皆様は転送される場所を『小学校内であればどこでも』指定する事ができ、オブリビオンとの戦闘もそこから行えるものとします。
琴平・琴子
少年たちと別れた校門前
見送った後に見える校庭には
校舎に不釣り合いな触手
近寄らないでくださいませ
お前が触れて良い体では無くてよ

此方に向かい来る触手群の気持ち悪さよ
触れられる前に嫌悪の対象にし体勢を崩させる
絡み取って、締め上げてしまいなさい

触手が狂気に陥る?
異界に引きずり込まれる?
御冗談を
――此方は不思議の国に落とされてデスゲームを経験した身ですから
そんな狂気、ちぃっとも怖くなくってよ

動く触手にはもう動かない様に棘で締め上げ、切り裂いて差し上げましょう
そうしたらほら、もう動きたくても動けないでしょう?



 学校の正門に立つ琴平・琴子。彼女は先程この場所で、七不思議巡りの少年達の帰宅を見届けた。
 校舎から脱出後……全員の体調に異常が無い事を確認した後、琴子と少年達は当たり障りのない会話を幾らか交わし、互いの親交を深めた。
 そして最後に少年達は琴子に手を振り返し、歩いて帰って行ったのだ。
 自身等も怖い目に遭ったばかりの筈なのに、琴子の危機に真っ先に駆けつけ、その後も彼女の体調を心配してばかりだった少年達の懸命さは忘れられない。そして、去り際の笑顔も。
 最後まで諦めない心は、尊い。
 今は誰もいない夜道を眺めながら、琴子は改めてそう思うのだった。
「さて」
 後ろを振り向いた琴子の視界に飛び込んで来たのは、学校の校庭。
 そして、無機質な校舎を背に、ぐにゃぐにゃと蠢く塊のようなもの。
『パープルテンタクルズ』。
 そのおぞましい姿は、この学び舎という場には不釣り合いな存在としか言いようがない。
 音も前触れも無く、『パープルテンタクルズ』が琴子に対して、その無数の触手を伸ばし始めた。
 揉み合いながら押し寄せる触手は琴子を包囲するように迫り、徐々にその距離を縮めていく。
 やがてぬらぬらとした触手が、琴子の目と鼻の先にまで迫った、その時。
「近寄らないでくださいませ」
 ぴしゃり、と。
 静かな、しかしはっきりとした良く通る声が夜闇に響いた。
 同時に触手が動きを止める。
「お前が触れて良い体では無くてよ」
 その拒絶の言葉を琴子が言い終わった時、宙を漂っていた『パープルテンタクルズ』の巨体が、がくん、と傾いた。
 ズズゥン――……。
 そのまま音を立てて校庭に墜落する『パープルテンタクルズ』。よく見れば、そのぬらぬらとした紫色の体表を、細く尖った何かが覆っていた。
 ……棘だ。足元から生えた無数の茨が触手を絡め取り、締め上げている。
 地面に引き倒された『パープルテンタクルズ』を、琴子は無感動な表情で睥睨していた。
 ――触れただけで人を狂気に陥れる?
 ――獲物を異界へと引き摺り込む?
「御冗談を」
 琴子が潜り抜けて来た、不思議の国のデスゲームの数々。
 その恐ろしさに比べれば、そんなもの、たかが知れている。
「――そんな狂気、ちぃっとも怖くなくってよ」
 経験済み。故に恐怖とは無縁。だが一方で、決して慣れることの無いであろう情動が胸の中を荒れ狂うのを琴子は止められない。縛り上げられながらもうじゅうじゅと抵抗を試みるその姿に対して湧き上がる、吐き気を催すような感情だ。
 あの姿をこのまま見続けたなら。
 あの触手に少しでも肌を撫でられたら。
 もし儀式の阻止に失敗して、あの少年達が巻き込まれていたとしたら――。
 瞼をやや伏せた琴子の緑色の瞳が最後に映していたのは――純粋な、嫌悪の情だった。
 全ての触手を封じられた『パープルテンタクルズ』に対し、琴子は最後の言葉をかける。
「――ほら、もう動きたくても動けないでしょう?」
 抵抗を試みるかのように『パープルテンタクルズ』が蠢くも、棘はその動きを、ぎしり、と押さえ込み。
 ブチブチブチブチィ!!
 ――次の瞬間、バラバラに引き裂いた。
「……」
 校庭を転がる肉塊と化したオブリビオンはすぐさま紫煙を上げる液体となり、あちらこちらで校庭の砂に吸い込まれていった。その様子を、琴子は表情一つ変えずに見下ろす。
 校門での異変に反応した他の『パープルテンタクルズ』達が集まって来るが、彼等もまた地面から生い茂る大量の茨に動きを封じられた。
 彼等が家路を辿る事は、二度となかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

虚偽・うつろぎ
アドリブ連携等ご自由にどぞー

敵がいる所ならどこでも良いかな
いきなり敵のど真ん中に転送されるのが最高だね
自爆の基本は場所代問わず躊躇なくない速攻で自爆することさ

登場即自爆
とにもかくにも速攻で自爆することが最優先
自爆さえできれば台詞も活躍もいらぬ!

ただ自爆するためだけに現れる存在

技能:捨て身の一撃を用いてのメッサツモードによる高威力な広範囲無差別自爆

射程範囲内に敵が1体でもいれば速攻で自爆する
自爆することが最重要
なので敵がいなくても自爆するよ
近づかない動かない一歩も動かず即自爆
大事なのはスピード
そう、スピードなのですぞー

捨て身の一撃なので自爆は1回のみ
1回限りの大爆発
自爆後は爆発四散して戦闘不能さ



「大事なのはスピード。そうスピードですぞー」
 虚偽・うつろぎ(名状しやすきもの・f01139)はそう語っていた。
 兵は神速を貴ぶ、という言葉があるが、それは彼にこそ当てはまるのかも知れない。『ただ自爆するためだけに現れる存在』という自己評価を下して憚らない彼は、それでも転送場所については幾つかの注文を付けた。
 自分は一歩も動かず即座に爆発すること、なるべく相手を巻き込むことがベストであること……などがそれだ。
 果たしてそんな彼が投下されたのは……満々と水を湛えた、プールのど真ん中であった。
 満月に照らされた水面に黒々と『う』の字が映り込んだのも、その周囲で天に向かってうじゅるうじゅると蠢いていた無数の触手が反応を示したのも、ほんの一瞬の出来事。
 着水すら待たず。カッ!! とうつろぎの体から幾条もの光が迸ったかと思えば。
 ドゴォォォォォォン!!!!!
 次の瞬間、凄まじい轟音が響き渡る。
 巻き起こる爆炎がプールの水を割り、学校の上空に巨大な水柱を出現させた。
 自爆攻撃が、炸裂した。
 まさに一瞬だった。躊躇いを全く感じさせないうつろぎの捨て身の一撃は、復活儀式を続ける邪神を護衛するように水中に集結していた全ての『パープルテンタクルズ』達を無差別に巻き込み、その体を比喩抜きに破砕したのだ。
 そして勿論、うつろぎも無傷という訳にはいかない。彼の黒い粘性の体は無数に四散し、綺麗な噴水を形作る。
 ぼとぼととプールサイドに落下する大量の紫色の肉塊。さらにその上にうつろぎの四散した身体がべちゃべちゃと降り注いだ。
 静寂が訪れた後も辺りを漂う水煙が爆発の威力の程を物語る。プールの水面は未だに激しく波打ち、月明かりを絶えずキラキラと照り返していた。
「……」
 タールの体を持つうつろぎはこの程度では死なない。しかし、先を目指すだけの体力もまた残されていない。
 事実上の戦闘不能。
 それで良い。と彼は思う。
 何故ならこれこそが即爆即殺の殺戮術『切宮殺戮術』の当然の帰結にして、真骨頂であるからだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

燈夜・偽葉(サポート)
★これはお任せプレイングです★
『ぶった斬ってあげます!』
妖狐の剣豪 × スカイダンサー
年齢 13歳 女
外見 黄昏色の瞳 白い髪
特徴 長髪 とんでもない甘党 柔和な表情 いつも笑顔 胸が大きい
口調 元気な少女妖狐(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?)

性格:
天真爛漫年下系ムードメーカー(あざとい)

武器:
刀9本
黄昏の太刀(サムライブレイド)を手に持ち
場合によっては念動力で残り8本を同時に操る

ユーベルコードはどれでもいい感じで使います

敵の動きは見切りや第六感を生かして回避
避けられなければ武器受けで対処します

多彩な技能を持っていて、問題に対していい感じで組み合わせて対処します


グロリア・グルッグ(サポート)
おおっと戦闘案件ですか。いいですよ、受けて立ちます。
死と隣り合わせな星の海で鍛えられた騎兵の強さを教育して差し上げましょう。
覚悟しろよおまえら~?

二足歩行型戦車エンジェルに騎乗して戦闘です。
騎兵が戦車の操縦に長けているのは確定的に明らか。
ガン積みした戦車ミサイルランチャーから一斉発射で大量のミサイルをぶっぱします。
ミサイルには電脳魔術でハッキングを仕掛け、超高精度かつ常識外れの誘導弾にして敵にぶつけましょう。
弾切れになっても問題ありません。
天使の抱擁でミサイルを補充しつつ、さらに火力を高めたミサイルを敵にぶっぱなしましょう。
戦場における絶対正義……それは超火力……。
火力こそパワーなんですよ。



 どぼーん。
 戦闘の余波を受け、校内のプールで高い水柱が上がる。
「わ、すごいです!」
「おー、派手に行きましたねー」
 その様子を、転送されたばかりの燈夜・偽葉(黄昏は偽らない・f01006)とグロリア・グルッグ(電脳ハッカー・f00603)が、校舎の窓からバッチリ見ていた。
 現在、猟兵達は校舎外を中心に布陣している。対して偽葉とグロリアが今立っている場所は学校の廊下。彼女達が校舎内に巣食うオブリビオン達を撹乱する形になるだろう。
「これが今回の討伐対象ですか。なるほどなぁ」
 先に気配を察知したグロリアが窓から視線を外し、廊下の奥の闇を見遣れば、偽葉もまたそれに倣う。
 そこから……にちゃり、と異音が響いた。
 狭い廊下を埋め尽くすようにしながら、紫色の触手の塊『パープルテンタクルズ』が、こちらに近づいて来る。
「わぁ……なんだか近付くのを躊躇っちゃいますね」
 普段から柔和な笑顔を崩さない偽葉だが、生理的な嫌悪感を喚起する敵を前にして、流石に眉が下がり気味だ。
「解析のし甲斐はありそうなんだけどなぁ……色々と」
 グロリアの反応はやや薄めだ。蒼い瞳をぱちくりとさせ、触手の動きを見ているようでもある。
 そんな二人の気配を察知したのか、『パープルテンタクルズ』は、二人に向けてうじゅうじゅと触手を伸ばし始めた。
「いいですよ、受けて立ちます」
 先に腹を決めたのはグロリアだった。
「死と隣り合わせな星の海で鍛えられた騎兵の強さを教育して差し上げましょう」
 そう啖呵を切り、自身の搭乗する戦闘用二足歩行型戦車『エンジェル』の車体を、がしゃり、と敵に向けた。
 偽葉もまた鞘鳴りの音と共に太刀を引き抜けば、その刀身は鮮やかな黄昏色を示し、偽葉の瞳にもまた普段の明るさが戻る。
「――ぶった斬ってあげます!」
 その声を合図に、迎撃戦が開始された。

「くっ!」
 偽葉が僅かに体をずらせば、その位置を凄まじい速度で触手が行き過ぎる。
 触手を用いた多彩な連続攻撃を、偽葉は廊下という地形を生かし、敵を一方向に絞る事で凌いでいた。
 持ち前の鋭い直感を用いて迫る触手を掻い潜り、回避し切れなかった分は太刀で受け流す。まさに達人技だが、それでも偽葉の体は次第に後方へと追い詰められつつあった。やがて廊下が尽き、上下階へと続く階段が横手に見えた、その時。
「――お願いします!」
 しゅん、と下の階へと逃れ去る偽葉。
「了解。ロックオン完了」
 別の声がしたかと思えば、閃光。
 ――そして、轟音。
 気付いた時には、『パープルテンタクルズ』は肉塊と化して辺りに飛び散っていた。
 上階で待ち構えていたグロリアの戦車に満載された多弾頭ミサイルランチャーが、一斉に火を噴いたのだ。
「後続、来ますっ!」
「おらおら~」
 偽葉の声が響くと同時に、グロリアは再び発射スイッチを押し込む。
 電脳魔術でハッキングされた弾頭は通常ではありえない曲がり方を見せて廊下を一直線に飛び、超高精度のホーミング弾となって後続の『パープルテンタクルズ』達を深く穿つ。心なしか威力も上がっている気がする。
「騎兵が良ければ天使のご加護がある……超火力こそは戦場における絶対正義なんですよ」
 グロリアの砲撃により大きく押し込まれた『パープルテンタクルズ』達に突っ込むように、偽葉が再び階段を駆け上がって来た。
 触手を撃ち出す『パープルテンタクルズ』達。だが偽葉の動きは先程よりも格段に速くなっていた。
「――貴方の動き、読めていますよ!」
 手元の一本に加え、今度は八本の刀を宙に舞わせ、迫る触手をことごとく防ぎ切り、斬り払い、さらに距離を詰める。
【剣よ、動きを読んで】――一度でも攻撃を当てた相手の反射、思考、動き。その全てを把握するユーベルコードによる効果だ。
「斬ります!」
 至近距離まで近寄り――一閃。
 上下に綺麗に両断された『パープルテンタクルズ』の体はたちまち紫の煙と化し、校舎内の篭った空気をさらに重く染める。
「このまま各個撃破に入ります! どうか続いてください!」
「了解。覚悟しろよお前ら~」
 階段を騎乗したまま一気に駆け下り、敵を射線に捉えるグロリア。
 偽葉の脇を駆け抜けたミサイル群は再び敵群に着弾し、巻き起こる爆発は二人の侵攻ルートを明るく照らし出す。
 反撃を開始した彼女達によって校舎内をうろつく『パープルテンタクルズ』達が完全に駆逐されたのも、そう時間が経ってのことではない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

朱酉・逢真
心情)ムラサキのでけぇ線虫かィ。これ、どっかいっこから生えてるンかね? それとも何本かが絡んでるンかな。ひひ、ほぐしてる時間はねえか。
行動)プール上空に送ってもらおう。そのまま《鳥》に乗って空中にいる。うねうねのカタマリが大量に出てきたら、うちのに協力してもらって相殺しよう。ぱぱっと相殺したら、《虫・鳥》の群れについばみかじりつき食いつくしてもらわァ。メシだぜ、おまえたち。



 静まり返ったプール。
 その水面を、ちゃぷ。とあちらこちらで水紋が広がったかと思えば、そこから一斉に触手が湧き出して来た。
 うねうねのカタマリ。もとい『パープルテンタクルズ』が再召喚されたのだ。
「ムラサキのでけぇ線虫かィ」
 その光景は、プールの上空を巨大な鳥に乗って旋回する朱酉・逢真の目には、果たしてどのように映っただろうか。
「これ、どっかいっこから生えてるンかね? それとも何本かが絡んでるンかな」
 そう呟く逢真の表情には忌避感は感じられない。むしろ普段扱い慣れているものの構造を冷静に観察しているようにすら見える。
 逢真の存在に気付いた『パープルテンタクルズ』達が、その触手を伸び上がらせて捕らえようとするが、自在に宙を舞う鳥の動きを前に空を切る。
「ひひ、ま、どのみちほぐしてる時間はねえか」
 逢真のその言葉と同時に、遠くから微かな音が響き始めた。音が次第に大きくなるにつれ、やがてそれは何かの羽音と知れた。
 ……虫だ。月明かりを閉ざす程の大量の虫たちが飛来したのだ。その威容、伝説の蠅王もかくや。
 プールに集結した虫達は、逢真目がけて伸び切った触手に一斉に取りつく。
 たちまち体表を漆黒に染め、全身を喰われる痛みと毒に悶え始める『パープルテンタクルズ』達。急いで水中に逃げ込もうとするが。
「メシだぜ、おまえたち」
 プールの塀の上で無数の光が灯り始める。
 それは、鳥達の目であった。数え切れない程の鳥達が藻掻く触手へと殺到し、『パープルテンタクルズ』の巨体を数の力でプールサイドに引き倒す。
 鳥や虫が線虫相手にする事など、最初から決まっていた。
 逢真はそれを少し手助けしただけなのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セシル・エアハート
ここは、体育館か。
あのゴール…皆でバスケットしたら楽しいだろうな。
…それに。こんな所でも違和感なモノは来るんだね

…って危ないな。そんな気持ち悪い塊を投げつけないでよ。
第六感を利用して攻撃を見切っていく。
指定UCで敵を混乱させ、体育館の2階のフェンスや天井にジャンプして空中浮遊しながら追いかけっこ同然でおびき寄せていく。
悔しかったらもっと早く捕まえるんだね。

もう逃げ場がない。
体育館の隅にて追い詰められて捕らえられる。
でも、これも計算の内。
まんまと引っかかったね。
その汚らわしい触手を跡形もなく切り裂いてあげる。
ああ、気を付けて。
この花びら達、結構痛いよ?


※アドリブOK



 学内のオブリビオンは駆逐されつつある。最後の一押しをするべく、セシル・エアハート(深海に輝く青の鉱石・f03236)が無人の体育館に降り立った。
 海の宝石を思わせる藍色の瞳で周囲を見渡すセシルは、ふと壁に掛けられたバスケットボールのゴールに目を止める。
「あれを使って皆で遊んだら、楽しいだろうな」
 昼間であれば多くの生徒達が此処でスポーツに興じているだろう。思わずそんな楽し気な光景を思い浮かべ、セシルは思わず目を閉じる。そんな光景も、猟兵達の守る平穏あっての事だ。
 ふと、何かの気配に気づいたセシルが目を開ける。
 秋の空気が籠り、ひんやりとした館内。その闇の中で、何かが動いた。
 ……『パープルテンタクルズ』だ。
「……こんな所でもUDCは現われるんだね」
 無機質な建物と木の床。そのどれにもそぐわない異質な姿の怪物を前に、セシルは思わず声を眉を顰める。
 その時『パープルテンタクルズ』が触手の塊を放った。セシルは咄嗟に射線を見切り、身を躱す。
「……って危ないな。そんな気持ち悪い塊を投げつけないでよ」
 だが、なおも『パープルテンタクルズ』は自らの嬰児を次々生み出し続けている。このままでは包囲されてしまうだろう。
「しょうがないな……これを使おう」
 セシルがそう呟いた瞬間、彼の得物がみるみるうちに色とりどりの薔薇の花弁と化し、辺りに吹き散らされていく。『パープルテンタクルズ』が見せた隙を突き、セシルは宙を蹴ってひらりとフェンスを越え、2階に飛び乗る。
「悔しかったらもっと早く捕まえるんだね」
 セシルの挑発に反応するように動きを激しくする『パープルテンタクルズ』。
 花吹雪の舞う体育館内で、追いかけっこが始まった。

 その優れた身体能力を活かして体育館内を逃げ回っていたセシルだったが、遂に追い詰められてしまった。
 体育館の隅を背にしたセシルに『パープルテンタクルズ』が迫る。その汚らわしい触手をセシルに伸ばそうとした時。
「引っ掛かったね――ああ、気を付けて」
 この花びら達、結構痛いよ?
 セシルがそう呟くと同時に、それまで辺りを舞っていた花弁が、一斉に触手の体表に切り込んだ。
『――!!』
 思わぬ痛みに『パープルテンタクルズ』が身を捩る。
 セシルは体育館内を移動し、逃げられないこの場所に誘導していたのだ。
 ごぉ、と巻き起こる、花の嵐。
 色とりどりの花弁は『パープルテンタクルズ』の巨体を微塵に切り裂き、後続の触手塊すらも巻き込む。
 花嵐が止んだ時、その場所には何も残っていなかった。
 静まり返った館内で、ふぅ。と一息つくセシル。
 彼の手により、学内の『パープルテンタクルズ』は完全に駆逐されたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『魚売りの少女』

POW   :    シロイバケツノナカミ
命中した【白いバケツ】の【中に入っている赤い魚のヒレ】が【毒針】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
SPD   :    ユレルアオイリボン
全身を【青いリボン】で覆い、自身の【持っている赤い魚の量】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
WIZ   :    アカイサカナノオイシサ
【赤い魚の美味しい料理】を給仕している間、戦場にいる赤い魚の美味しい料理を楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はピオネルスカヤ・リャザノフです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●2:00 AM
 オブリビオンを討伐した猟兵達。
 彼等のうち一人がプールサイドに侵入した時。
 背後で、ちゃぷ、と水をすくう音が聞こえてきた。
 振り返ればそこには、白いバケツを持った少女の姿があった。
『……赤い魚、いかがですか?』
 彼女が第七の怪談の正体にして、邪神『魚売りの少女』だ。
 青いリボンを揺らし、猟兵達に向けて首を傾げる。
『それとも、調理しますか?』
 一見、無害な存在にも思える。
 だが猟兵は少女の真っ直ぐな瞳の奥に、ある妄執が燃えているのを感じ取った。
 ――逃がさない。そんな無言の圧力。
 そして、バケツの中で泳ぐ魚達の鰭が、ほんの一瞬だが、歪に尖ったのも見た。
 被害者がこの危険な魚を口にするか、それとも殺されるまで、彼女は地の果てまでも追いかけて来るだろう。
 この小学校を偽りの七不思議から解き放つため、猟兵達は動きを見せる――。



☆★☆MSアナウンス☆★☆
 第三章についても猟兵の皆様は転送される場所を『小学校内であればどこでも』指定する事ができ、オブリビオンとの戦闘もそこから行えるものとします。
朱酉・逢真
そのままプールサイドに降りて、無防備に近寄ろう。くれるってンなら貰ってやるさ。ヒレの針が刺さって、そっからどれほどの毒が流れ込んだって構いやしねえ。たとえそいつが邪神の手製で、神を殺せるモンだったとしてもだ。《毒》に分類されンなら、《俺》を害するこたァできんよ。
くっついてる魚を握って溶かす。この《宿(*からだ)》は邪神をも溶かす病と毒の結晶だ。おかげでヒトにゃ触れんでね、苦労してるよ。さあ眷属ども。《獣・鳥・虫・魚》の群れよ。馳走の時間だぜ。
俺の眷属だ、毒は効かん。てめぇのおかげで、こいつら強化されてッしなァ。さァさ、カミサマが来たんだ。もてなしとくれよゥ。ひ、ひ。



 プールに備え付けの階段を降り、つかつかと歩む朱酉・逢真。不完全ながらも復活を果たした邪神目指して歩む彼の佇まいは、無防備そのものであった。
 逢真の足音に振り返った『魚売りの少女』も白いワンピースを中心とした軽装である。やがて正面から向かい合った二人の様子は傍から見れば、それこそ敵同士と言うよりは、物売りと通りすがりの客と言った方がしっくり来る。
「貰おうか」
『はい……どうぞ』
 逢真よりもやや背の低い『魚売りの少女』が両腕で白いバケツを胸元まで差し上げれば、月明かりに輝く水の表面で、金魚にも似た深紅の魚が、ちゃぷちゃぷと泳いでいた。
「毎度」
『はい……お買い上げ、ありがとうございます』
 逢真が掌を出せば、ぽちゃん、と音を立ててバケツから赤い魚が跳ね、そして――。
 ざくり。
 鋭利に変形したヒレが、一瞬で逢真の白い肌を深く突き刺した。
『……。どうして』
『魚売りの少女』の瞳が驚愕に見開かれる。だって、あの魚の鰭には毒が……。
「毒の類で俺を害するこたァできんよ」
 顔色一つ変えずに逢真が口を開いた。逢真の権能。それはあらゆる毒の源泉。毒に分類されるものならば全て、彼に流し込まれた時点で子供騙しに成り下がる。たとえそれが邪神の手で作り出された猛毒だとしても
 逢真が手に力を込めれば、握られた魚は骨ごと溶かされ、原形を留めない状態で地面にぼたぼたと落下した。
「この《宿(からだ)》は邪神をも溶かす病と毒の結晶だ。
 ――おかげでヒトにゃ触れんでね」
 苦労してるよ。逢真のあっけらかんとした語り口が目の前の現実を補強する。
『……!』
 地上から、空から、水中から。
 ありとあらゆる場所に生まれた気配に、少女が動揺を見せる。
「俺の眷属だ、毒は効かん。てめぇのおかげで、こいつら強化されてッしなァ」
 気付けば逢真の瞳には、其処にあるべき白目が無かった。金縛りにあったように『魚売りの少女』は青ざめた表情のまま喉を震わせる。
 下界の者を平伏させる神威。従わざるを得ない神格の一端。
 知らずにやった事とはいえ、少女は自らの手でその力を増してしまったのだ。
 同じ毒使いにしても、次元が違い過ぎる。
「さァさ、カミサマが来たんだ。もてなしとくれよゥ。ひ、ひ」
 響き渡る逢真の笑い声。押し寄せる無数の眷属達。息を呑む少女。
 少女の手から白いバケツが落ち、大きな音を立ててプールサイドを転がった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

琴平・琴子
プールサイドに向かえばちゃぷりと跳ねる赤い魚
足元で鳴くふくよかな猫の使い魔の「お前」の瞳は輝いている
何、お前あれを食べたいのですか
お腹壊しても私は知りませんが
どうしてもと言うなら、お食べ
私は食べませんよ
知らない人からの食べ物は食べたくないですし

「お前」が鳴いて食事をおびき寄せる
「お前」、本当に底を知らない食欲ですね
食べる時に食べておきたいからそんなにふくよかなのですか?
そんなんだから、お料理が間に合っていませんね?

その隙に兵隊たちを召喚
もう食事を作らせないために赤い魚を中心に切り裂き無駄にし
少女目掛けて発砲指示

寝転がり、幸せそうに眠る「お前」を見つめる
幸せそうなお顔ですこと



 秋の涼し気な風を肌で感じながら、深緑色のプールサイドを歩む琴平・琴子。
 彼女の足音に反応するように、ちゃぷり。と音が響く。
 闇の中に浮き上がる白い人影『魚売りの少女』。見れば彼女の手に持つバケツの中で、赤い魚が波紋を広げていた。
『赤い魚、いかがですか?』
「……」
 問いかける少女に対し、押し黙る琴子。邪神を前に彼女は意志を強く持ち、返すべき言葉を慎重に探そうとしていた。
 その時、にゃお。と声がした。聞き慣れた声。
 足元を見れば、琴子と少女の間に挟まれるように……福々しい見た目の猫がいた。
 琴子の部屋に住みついている猫。その名も「お前」である。
「何、お前あれを食べたいのですか」
 その激しい鳴きっぷりから、琴子は「お前」の言いたい事をすぐに察する。
 目をらんらんと輝かせて琴子を見上げる。食ベサセロ。思わずそんな尊大な声が聞こえてきそうだ。
「お腹壊しても私は知りませんが、どうしてもと言うなら、お食べ」
『あの、魚……』
 気心の知れた仲である。琴子は「お前」とトントン拍子に話を進める。一方の『魚売りの少女』は完全に蚊帳の外だ。
 琴子は瞳を閉じると、少女の持つバケツに向け、その小さな顎を、くい、としゃくった。
「私は食べませんよ。知らない人からの食べ物は食べたくないですし」
『あの、調理……』
 ……ハッキリとした物言いであった。気付けば戦いの趨勢は完全に一匹の猫に委ねられてしまっていた。
 そして「お前」はただの猫ではない。琴子の使い魔である。みゃお、と一声優しく鳴けば、魚達はバケツの縁へぴちぴちと寄って来る。
 次の瞬間、キラン! と瞳を光らせたと思うと、疾風の如く魚に飛び付き、その肉を蹂躙してしまった!
「「お前」、本当に底を知らない食欲ですね。食べる時に食べておきたいからそんなにふくよかなのですか?」
『あの……』
 なおもバケツから魚を掴み出し、片っ端から食べていく「お前」。少女からすれば思わぬ伏兵である。なんとかして少女がバケツから「お前」を引き放そうとするも。
「一斉射撃準備良し! ……放て!」
『……わわっ!』
 逆に鉛球をご馳走された。
「御免あそばせ」
 巻き起こる硝煙の中で優雅にスカートの端を抓む琴子。毒入りの食事を振る舞われるのはやっぱり嫌なのだった。
 やがて硝煙が完全に晴れた時、そこには少女の姿は無く、代わりに穴の開いた白いバケツと……器用にヒレを避けて完食し、プールサイドで食後の睡眠を取ろうとしていた「お前」の姿だけがあった
 傍に寄り、屈みこむ琴子。
「……幸せそうなお顔ですこと」
 愛猫の満足そうな寝顔を優しい表情で見守る。
 つやつやとした毛並みが、煌々と降り注ぐ月明かりを照り返していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神薙・焔(サポート)
●一言でいうと
元気なセーラー服ガジェッティア(帝都桜學府に編入) with ガトリングガン

●外見
燃えるような赤毛、猫っぽいよく動く緑の目、自身ありげ
クセのある髪を飾り気のないカチューシャで纏めている
セーラー服、スカートの下はスパッツ
小柄でスポーティ。ふとももが健康的、胸は巨

●性格
強気で自信家、理系女子。普段は見せないが寂しがり屋
動物好き、大食い。またゲーム好きで腕前もなかなか

一人称:二人称:三人称=あたし:あなた:〇〇ちゃん/くん/さん

●戦闘
ガトリングガンでの拠点防衛や援護、接近戦では焔を纏ったバルディッシュで戦う
重い一撃と範囲攻撃を使い分け、感情の昂ぶりで心臓の焔が燃え上がる



 轟音と共にガトリングガンからバラ撒かれる弾丸が、夜空を切り裂き飛んでいく。
 高い拠点防御のノウハウを持つ神薙・焔(ガトリングガンスリンガー・f01122)は、二階の教室に陣取り、窓からの射撃を行っていた。
 赤熱したガトリングの砲門の先には、未だ夜も明けぬ漆黒の空と。
『赤い魚、いかがですか?』
 全身を蒼いリボンに身を包み、空中で巧みな回避運動を続ける『魚売りの少女』の姿があった。
「いらないわよ! 返り討ちにしてあげる!」
 焔の返答に呼応するように、ガトリングが再び火を噴こうとした――その時。
 しゅん。
「っ! またっ!」
 凄まじいスピードで飛翔する『魚売りの少女』に、ガトリングの照準が振り切られた。
 突入するつもりならばそうはさせまいと、焔の紅い髪の下で碧の瞳が素早く動く。
 銃架代わりに床に突き立てた三日月斧を中心に、その巨大な砲身をぐるりと回し、再照準。
 果たしてその先にいた『魚売りの少女』もまた、ぴたりと動きを止める。
 互いに攻め切れない焔とオブリビオンの少女。二人は教室の窓を挟み、幾度も牽制と回避の応酬を繰り返していた。
『お魚、いかがですか? それとも調理しましょうか?』
「……手持ちの食材の方がよっぽど良いわ。それに、本気で売りたければ近くに来なさいよ」
 あくまで強気な焔の返答に『魚売りの少女』は首をふるふると振るが、立ち去る気配は無い。どうやら彼女はありとあらゆる手段を使い、手元の魚を焔に魚を食べさせたいらしい。
 大抵の七不思議と同じく、邪神の行動原理もまた他者には理解できないケースが往々にしてあるが、少なくとも彼女の執念の強さは世界を滅ぼすに足るものではあるようだ。
「……良いわ。ならばこっちから買いに行ってあげる!」
 膠着した戦況に埒を開けるため、焔は即座に陣地を捨てる決心を固める。
 三日月斧を引き抜き窓から跳躍。二階から落下しながらもその身に宿す9つの封印を順々に解いていく。
 焔が校庭に着地する寸前、何時の間にか胸に赤々と燃えていた心臓を中心に、凄まじい火の手が上がった。
「――心臓の代わりに脈打つ私の焔、あなたに避けられるかしら!」
 焔の感情の昂ぶりに呼応するかのように荒れ狂う炎は四方を焼き、空中に居た『魚売りの少女』すらも巻き込んだ。
『!』
 炎に巻かれて体勢を崩し、大きく高度を下げる少女に――セーラー服を翻しながら焔が迫る。
「はぁっ!!」
 体の横に引き絞った三日月斧を一振り。焔を纏った薙ぎ払いを繰り出した。
 少女は辛くも体を引くが、髪とリボンの一部を断たれて、同時に凄まじい炎を叩き付けられる。
 墜落。
「……もう一撃!!」
 急いで立ち上がり、逃れ去ろうとする少女。彼女の手元で揺れる純白のバケツに向けて、焔はぐるりと小柄な体を一回転。その勢いを重い刃先に伝えるようにして、再度踏み込み、もう一閃。
 置き土産とばかりに放たれた焔の紅い斬撃はバケツを真っ二つに立ち割り、その中にいた魚ごと黒く焼き焦がしたのだった。
 

成功 🔵​🔵​🔴​

ネピア・ドットヤード(サポート)
活発で元気いっぱいなスーパーヒーロー。
一人称は僕、口調はです、ます調に「!」が大体ついてます。

両親を4年前に亡くし、兄と二人で生きてきた経験から、家庭や命を奪う敵には容赦しません
正義を重んじ、悪い事は許せない性分です。楽しいとはしゃぐ年相応の一面も。

サイキックゴリラパワーで粉砕すれば全て片がつくと考えてる脳筋思考です。
よく使うUCは【勇気の証明】【勇気の奔流】。
勇気の奔流を使うと身長165cmの爆乳女子になります。
徒手格闘のほか、学ランを変形させてマントや盾にしたり、ネピアセンサーで周囲の状況を読み取ることもできます。

戦闘でも日常系でもどんなシナリオでも参加OKです。
よろしくお願いいたします。


火奈本・火花(サポート)
人探しや潜入を得意とする、UDC組織所属のエージェントです

■平時
『大切な人達の光の為に、私達が闇に立ち向かいましょう』
普段は礼節を弁え、理知的で物腰穏やかな対応を心掛けます
世間一般に「紳士的」とされる態度と相違ありません

■戦闘時
『我々は人類を邪悪や狂気から守る。その為には冷酷を貫く事も厭わない』
UDCや関連団体に相対した時は、非情に徹します
一人称は誇りをもって「我々」と呼称します

■行動傾向
日常・冒険:変装や演技、Dクラス職員や組織の支援を駆使した情報収集が得意です。自らの身を削る事にも躊躇しません
戦闘:機動部隊との連携を基本に、火器や状況を利用した奇襲・速攻を得意とします。ヤドリギは奥の手です



 唸りを上げて白いバケツが横殴りに迫る。
 交差するのは、赤いオーラを纏った左フック。
 衝撃と同時に攻撃を阻まれ、反動で体勢を崩す怪異『魚売りの少女』。
 比較的小柄な彼女に向けて追撃の右腕を大きく振りかぶっていたのは、さらに小さな体つきの少女だった。
「――必殺、ネピアパンチ!」
 ネピア・ドットヤード(サイキックゴリラパワー妹系幼女・f20332)の渾身の右ストレートが、『魚売りの少女』の顔面へと一直線に飛ぶ。
 直撃、と思われた瞬間。
 さっ! と咄嗟に顔面に構えられたバケツにクリーンヒット。ブリキがへこむ音を響かせ、勢いで少女は後方へ後ずさる。
 さらなる追撃を狙うネピアだったが。
「!!」
 ネピアの鋭い知覚が辺りに飛び散る敵意を察知した。急ぎ後退するネピア。
 次の瞬間、ネピアがたった今居た場所に、ばしゃあ、とバケツの水が飛び散り、同時にそこからびちびちと音がし始めた。
 バケツの中に居た魚達がパンチの衝撃で跳ね、そのまま猛毒を備えた針をネピアに突き立てようとしていたのだ。
「それずるーい!!」
 卑劣な戦法に、ぷんすこ! という擬音が聞こえて来そうな反応を見せるネピア。数分前に校舎内の廊下に降り立った彼女は、『魚売りの少女』に遭遇すると同時、殴り合いを挑んだ。
 パワーで勝るネピアだが、『魚売りの少女』は防御の度に毒魚を撒き散らして立ち回りを有利にする。一進一退の攻防は、徐々に『魚売りの少女』の方へと傾きつつあった。
『あなたも、赤い魚、一匹いかがですか?』
 優位を勝ち誇るでもなく、自身の行動原理である魚売りを繰り返す少女の様子は、ユーモラスを通り越して不気味ですらある。彼女を学外に出したが最後。会う人全てに魚を売りつけ――毒殺していくだろう。
 このままだと多くの人々が犠牲になる。そう思い直した時、ネピアは自身の身体から再び力が湧き上がるのを感じた。
「……この世界に助けを求める人がいる限り! 絶対に!! 負けるもんかー!!!」 
 その叫びと共にネピアの体は赤い光に包まれ、大きさを急速に増していく。
 やがて光が収まると同時に――ばさり、と鮮やかな赤いマントが翻った。
 果たしてそこには、身長が20センチほど伸びたネピアの姿。成長途上とも言えた体つきは今や抜群のプロポーションを誇っている。自信ありげな表情で腕を組み、闘気に満ち溢れたその姿は、戦神さながらと言ったところだろう。
「仕切り直し! さぁ、行くよ!」
 バケツを構え直す『魚売りの少女』にネピアはそう言って一歩踏み出し。
 次の瞬間、疾駆。そのまま激突した。

「……強いですね」
 物陰で二人の戦いを見つめながら火奈本・火花(エージェント・f00795)はそう呟いた。
 あの小さな体躯の何処にそんな力があったのかと思う程に、一撃一撃がとてつもなく重い。加えてあの爆発力。
 まだまだ粗削りだが、それでもある種の安心感すら感じさせるその個人戦闘力は、まさにスーパーヒーローと呼ぶに相応しい。出所はわからないが、サイキックゴリラパワーという名前の由来を察する火花であった。
 目前のネピアは『魚売りの少女』を押し返していく。だが火花もUDCエージェント。"彼等"の恐ろしさを知り過ぎる程に知っている。
 確実な決着にはあと一手欲しい。そう判断した火花は、号令を下した。
「――突入です」

「せいやー!」
『!』
 リーチの伸びたネピアの拳を往なす『魚売りの少女』。
 勢いで後方へと仰け反った時。
 どん、と、背中をぶつけた。
 僅かな逡巡。こんなところに壁は無い筈。振り向こうとした――刹那。
 ――ドゴォン!!
 先程とは比べ物にならない衝撃。
 華奢な体が吹き飛んだ。ネピアの脇を抜け、廊下の床板をごろごろと前転。その先の闇には……銃口を向けた人影。
 即座に乾いた発砲音が連続して響き、銃弾が少女の腕と胴を容赦無く叩く。
『……!!』
「よく頑張りましたね、ネピアさん」
 人影が穏やかな声でネピアに話しかける。暗闇を真っ直ぐ貫く赤い瞳――火花だ。
「流石はUDCエージェント! はやーい!」
 いつしか廊下の両方向から迫り始めたのは、火花麾下の機動部隊"四葉のクローバー"。先程少女を襲った衝撃は、彼等の息を合わせたシールドバッシュであった。火花と協力して挟撃の手筈を整えていたネピアは、その展開速度に喝采を送る。
「お粗末様です――さて」

 どうしてくれましょうか。

『魚売りの少女』へと意識を向け直した火花。彼女が口を開いた時、その響きは一転していた。
 ……否、纏う雰囲気すらも様変わりしている。
 職業意識か。それとも別の要因が絡んでいるのか。いずれにせよ、たった今まで物腰柔らかだった火花の瞳の中に、狂おしいまでの攻撃性をネピアは垣間見た。
『――!』
 その時、蒼いリボンを翻し、弾かれるように『魚売りの少女』が廊下の窓へと身を躍らせる。
 その動きを予想していたかのように火花は拳銃を素早く構え、連射。
 反動の少ない銃撃は冷酷なまでに少女を幾度も捉え、穿つ。
「――はあっ!!」
 逃がさないとばかりにネピアもまた必殺のキックを放つ。
 かち上げ気味の蹴撃は脚を直撃。少女に苦悶の表情を上げさせるも、跳躍の勢いを殺し切るには至らない。
 派手にガラスの割れる音が響き。次いで転倒音。駆け去る足音。
 すぐさま窓に取りつき校舎の外に身を乗り出すネピアと、その隣で拳銃を外に向ける火花。二人の視線の先にUDCの姿は既に無い。
「逃げちゃった……?」
「いいえ、ネピアさんが時間を稼いでくれたおかげで、包囲が完了しました」
 地上を歩いて学校を脱出する事は困難でしょう。火花はそう言って優しい笑顔をネピアへ向ける。
 あちこちでぱらぱらと足音が響く。"四葉のクローバー"が再展開を開始したのだろう。
「……なんにせよ、勝利は近いね!」
「そうですね……一応、発生源からも逃げられないようにはしましたが」
 笑顔で勝利のVサインを決めるネピアの横で、火花は割れた窓の外、月の光に照らされた校庭の奥へと視線を向ける。そこでは学校のプールが水面を揺らしていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

クレア・フォースフェンサー
先程の子らが意図せずおぬしを呼び出してしまったのであれば、丁重にお帰りいただくのが筋であろうな

じゃが、原因となった『魚売りの少女』なる怪談は聞いたことがない
いったい何処から出てきた話なのであろうな?
邪神教団は関与しておらぬとのことじゃが、よもやおぬし自身が噂をばら撒いたのかの?
そうならば、しばらくはこちらに来たくなくなるくらい、痛い目に遭ってもらわねばならぬのう

あのバケツと魚は面倒そうじゃな
まずは刀身を伸ばした光剣で斬り払おう
あやつが新しいものを出す前に加速機能で距離を詰め、UCの力を込めた光剣で斬り伏せようぞ

そのバケツと魚はいくらでも出てくるようじゃの
砂漠にでも行けば、重宝されたであろうに



 満身創痍の『魚売りの少女』。
 彼女が行きついた場所は、学校のプールだった。とはいえ、今は無人だ。
「――先程の子らが意図せずおぬしを呼び出してしまったのであれば、丁重にお帰りいただくのが筋であろうな」
 待ち構えていたクレア・フォースフェンサー(UDCエージェント・f09175)以外には。
『……』
 月明かりの中、対峙するクレアと少女。
「じゃが、原因となった『魚売りの少女』なる怪談は聞いたことがない」
 魚売りの少女。七不思議としては珍しいラインナップと言える。それはクレアにとっても同様であった。
『……』
「邪神教団が関与していないとなれば、いったい何処から出てきた話なのであろうな?」
 これまでの多くのUDC案件の背後には、邪神を崇拝する組織の存在があった。
 邪神召喚の手順は多岐に渡る以上、教団の助け無しに召喚が成功したケースも存在するが、それらのケース――偶発的邪神召喚――とて、偶然に大きく左右される。
 従って今回の事件にも何かしらの原因があると考えた方が、可能性としては高いのだ。
「よもやおぬし自身が噂をばら撒いたのかの?」
 まぁ、返答は期待しておらぬが。クレアがそう付け足した直後……少女がその小さな口を開いた。
『……お兄ちゃんが、病気なの』
「!」
 静まり返るプール。
『……』
 少女は口を閉ざし、それ以上言葉を続けようとしない。だがクレアには、その言葉が嘘であるとは思えなかった。
(「……戦前の生徒の霊が邪神を呼び寄せたとか、そんなところかのぅ」)
 どうやら『魚売りの少女』は、根も葉もない噂という訳でもなかったらしい。
 その地域で起きた歴史や出来事を世代を超えて伝える、学校と言う存在。
 生徒達はそれらをベースに多少の変質を加えつつ『七不思議』を生み出す。
 詳しい経緯はさておき、時にはそれらが、過去がこの世界に滲み出す切欠を作り上げる事もあるのだろう。
 それはこの小学校だけでなく、他の学校もまた然り。
「……ならばまずはおぬしから、痛い目に遭って貰うとしようかのう」
 暫くはこちらに来たくなくなる程に。
 そう呟いたクレアの手には、既に光を放つ剣があった。
 反射的にバケツを構える『魚売りの少女』。だが、その程度の反応を見切るのはクレアにとって容易い。
 次の瞬間、光剣が閃く。
 ただしその狙いは少女ではなく、手元の白いバケツ。
『!』
 予想外の長射程から斬り払われたバケツは少女の手から離れ、あたかも還されたかのように虚空へ消し飛んだ。
「そのバケツと魚はいくらでも出てくるようじゃの」
 これまでの報告から推して、『魚売りの少女』は何度かバケツを失っている筈だ。このバケツは幾つ目なのだろう。と言うより、どこから持って来たのだろう。やはりプールからだろうか。謎は深まるばかりだ。
 もっとも、バケツを取りに行く隙を与えるつもりはクレアにはない。
 トンッ、とプールサイドに軽い音を残し。
「――」
 次の瞬間、少女の目の前に現れた。
 至近距離。
『……!』
 概念すらも還す静かな一閃が、少女の胴を一文字に斬り裂く。
 クレアが光剣を振り抜いた時、既に少女は光の粒子となって霧散していたのだった。

●3:30 AM
 静寂を取り戻した学内で、コツリ、と音が響く。
 クレアが後ろを振り向けば、校舎の時計が午後三時半を打っていた。
 都合4時間半に渡る猟兵達の戦いが、今終わりを告げたのだ。
「……」
 もう一度プールを見遣るクレア。仄暗さを湛えた水面は波一つ無く、煌々と輝く月を映していた。
 クレアは踵を返し、プールサイドを去る。
 天と地に浮かぶ二つの月が、彼女の背中を見送っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年09月25日


挿絵イラスト