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水底からの誘い(作者 白妙
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●怪談其の七
 その小学校のプールに、夜忍び込んではいけない。
 青いリボンの『魚売りの少女』に、魚を勧められるから。
 黄泉の国で獲れた真っ赤な魚はとても美味しいけれど、口にしたが最後。あっという間に水底に引き摺り込まれ、二度とこの世に戻って来られないのだ。
 だから。
 七不思議巡りをするなら、ここだけは真相を確かめてはならない。

●10:50 PM
「……そう言われると確かめたくなるよね~」
 数人の男の子が、暗い廊下を蝋燭で照らしながら歩んでいた。
「ほんとほんと」
「だって、音楽室のピアノとか花子さんを押さえて、こんなのがトリなんだもん」
 気になってしょうがないじゃん。パタパタと靴音を響かせながらも、互いにそんなことを言い合う。
「やっぱ蝋燭立てちゃおうよ。あそこにも」
 そしたら、本当に出るかもよ? 一人がそう呟けば仲間内から無邪気な笑い声が打ち上がる。
 その残響は闇へと響き、無人の校舎に掻き消えていくのだった。

●グリモアベースにて
「怪談絡みのオブリビオン案件でござる」
 そう口にしたのは、四宮・かごめ(たけのこ忍者・f12455)だ。
「今夜、UDCアースのとある小学校に、そこの生徒達が忍び込むでござる」
 目的は、肝試し。
 この学校に伝わる七不思議。その場所を真夜中に訪れ、火を灯した蝋燭を置いて行く。ただし七つ目であるプールに蝋燭を灯した時、とてつもない災厄が巻き起こる。だから、そこにだけは蝋燭を立ててはならない。そういう触れ込みだ。
「家庭科室で飛び回る包丁。体育館の生首バスケ。校庭の落武者。定番が揃っているその学校の怪談の中で、ひとつ浮いたものがあるでござる」
 それが『魚売りの少女』。
 真夜中にプールを訪れると、青いリボンを付けた少女に黄泉へと引き込まれるという。
 そして七不思議巡りの過程で蝋燭を置いていくという行為そのものが、七番目の怪談である『魚売りの少女』の召喚儀式に相当するらしい。
「生徒達がプールに蝋燭を立てた時、完全復活した邪神が召喚されてしまうでござる」
 肝試しのメンバーは六年生の男子が4人。今は六つ目の蝋燭を立て終わり、校舎内を移動している。
 彼等に会い、七つ目の蝋燭を立てないように説得するというのが、今回の依頼だ。

 儀式は既に半ばまで進行している。それでも邪神復活を不完全なものに出来るのならば、やる価値はあるだろう。
「あるいは儀式そのものを妨害するというのも有効でござる」
 邪神召喚までの時間を大幅に遅らせられれば、仮に生徒達がプールに辿り着いたとしても、彼等は何も無いと判断して帰宅するだろう。
 具体的には蝋燭を見つけ、その火を消すなどだろうか。
「事件の背景に邪神教団などの黒幕の気配は、今のところ感じられないでござる。ただ、儀式が相当進んでいる点にだけはお気をつけて」
『魚売りの少女』以外の六つの怪談が嘘八百であったとしても、今夜ばかりはそうもいかない。召喚儀式による魔力の高まりに触発され、思わぬ怪奇現象が猟兵達を襲うかも知れないのだ。心の備えはしておいた方が良いだろう。

「あとは……そうそう。UDCと本格的に戦闘になった時でござるが」
 UDCは学校外から召喚される存在。いわば部外者だ。
 つまり、日本の学校の何処に何があるのか。どう使うのか。そう言った物事に対して理解が薄い可能性が高いのだ。
「知っていれば少しだけ戦いが楽になるかも知れませぬ」
 勿論、正面からぶつかるのも良いだろう。どちらにせよ、オブリビオンは明確な世界の敵。夜のうちに学内から駆逐しなければならない。
「準備が整った方から転送を行いまする。どうかお気をつけて」
 そう言ってかごめは学内の地図を猟兵達に渡すのだった。





第3章 ボス戦 『魚売りの少女』

POW ●シロイバケツノナカミ
命中した【白いバケツ】の【中に入っている赤い魚のヒレ】が【毒針】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
SPD ●ユレルアオイリボン
全身を【青いリボン】で覆い、自身の【持っている赤い魚の量】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
WIZ ●アカイサカナノオイシサ
【赤い魚の美味しい料理】を給仕している間、戦場にいる赤い魚の美味しい料理を楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
👑11

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はピオネルスカヤ・リャザノフです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●2:00 AM
 オブリビオンを討伐した猟兵達。
 彼等のうち一人がプールサイドに侵入した時。
 背後で、ちゃぷ、と水をすくう音が聞こえてきた。
 振り返ればそこには、白いバケツを持った少女の姿があった。
『……赤い魚、いかがですか?』
 彼女が第七の怪談の正体にして、邪神『魚売りの少女』だ。
 青いリボンを揺らし、猟兵達に向けて首を傾げる。
『それとも、調理しますか?』
 一見、無害な存在にも思える。
 だが猟兵は少女の真っ直ぐな瞳の奥に、ある妄執が燃えているのを感じ取った。
 ――逃がさない。そんな無言の圧力。
 そして、バケツの中で泳ぐ魚達の鰭が、ほんの一瞬だが、歪に尖ったのも見た。
 被害者がこの危険な魚を口にするか、それとも殺されるまで、彼女は地の果てまでも追いかけて来るだろう。
 この小学校を偽りの七不思議から解き放つため、猟兵達は動きを見せる――。



☆★☆MSアナウンス☆★☆
 第三章についても猟兵の皆様は転送される場所を『小学校内であればどこでも』指定する事ができ、オブリビオンとの戦闘もそこから行えるものとします。