トランティアへの侵略者
●狙われた深海島
「あ、あの……た、助けて下さいっ!」
グリモアベースの一室に集まった猟兵達を前に、先日グリモア猟兵としての訓練を終えたばかりの深海人、アーニャ・クレサンジュ(ソング・フロム・アンダーウォーター・f26357)が切迫した様子で呼び掛ける。
「えっと、グリードオーシャンに深海島があるのは……皆さん、ご存じですか?」
グリードオーシャンに古くから住む先住民族・深海人。
彼らの中には海の中に沈む、貝や珊瑚で出来た都市がある『深海島』に住んでおり、その内の一つ……アーニャの故郷である『トランティア』がコンキスタドールの侵略を受けてしまうと言う予知を見てしまったらしい。
「こ、このままだとトランティアは壊滅して、多くの人達が……だから、皆さんの力が必要なんです……!」
もちろん自分も行きたいが、グリモア猟兵である以上は現地に飛ぶ事は出来ない。
故に、ここにいる猟兵達が頼みの綱と言う訳だ。
「み、皆さんにはゲートから直接、トランティアのある海域に飛び込んで欲しいんです」
いきなり海の中へ飛び込んで大丈夫なのかと思うやもしれないが、深海島からは空気の泡が常に大量に湧き上がっており、これを吸いながら潜れば水中適応の無い猟兵でも息が続くそうな。
また海中には、コンスキタドールの先遣隊である異形の海賊がトランティアへ向かっているため、水中戦で連中を撃退してもらいたいとの事だ。
「先遣隊を阻止したら、いずれコンキスタドールのボスがやってくるはずです。でも、それまで時間に余裕があると思いますから……」
その間、トランティアの人達に会ってきて欲しいとアーニャは言う。
島を守ってくれたと猟兵ともなれば、皆が大歓迎してくれる事だろう。
「そ、それでですね、ボスは部下が戻ってこないと知ったら痺れを切らして、自分からトランティアへ攻めにくると思います。そこを皆さんで迎え撃って下さい」
ただしボスはどのような攻撃を仕掛けるか分からないため、十分に警戒して欲しい。
アーニャはそう付け足した。
「コンキスタドールは既に攻め込もうとしているみたいですけど、今から行けばまだ間に合います。どうかトランティアを助けて下さい、お願いします……!」
アーニャの左手からイルカ型のグリモアが飛び跳ね、青白い光のゲートが開かれる。
……向かう先は海中、深海島トランティア。
コンキスタドールの侵略を阻止すべく急ぎ出撃せよ、猟兵!
NS
はいどうも、NS(えぬえす)でございます。
今回より三人目のグリモア猟兵・アーニャが参戦となります。
戦いの場はグリードオーシャン、今回もよろしくお願いします。
●目的
深海島『トランティア』に迫るコンキスタドールの排除。
第一章は海中にダイブしたところからスタートとなります。
トランティアから湧き出る空気の泡を上手く利用しつつ、現地に向かっている異形の海賊との水中戦を制して下さい。
なお海中だからと言って銃器や飛び道具が使えないなどと言う事は特にないので、その辺りは気にせずプレイングを書いて下さい。
第二章はトランティアに辿り着き、住民との交流タイムです。
詳細は章の導入を参照の事。
第三章はコンキスタドールのボス・謎の地獄宇宙海賊との決戦です。
場所はトランティア内での戦闘となります。
●ご注意
プレイング受付は章の導入部分を書いてからになります。
リプレイはいつも通り、ある程度集まってから少しずつ消化。
最低でも失効までには必ず仕上げる方針でやっていきます。
NSの調子が良く、早めに出来そうな場合は早めにお返ししたいと思います。
因みに今回の舞台はアーニャの故郷と言う設定ですが、単に話のフレーバー程度な物と考えていただければ幸いです。
それでは、深海島への侵略者を撃滅して下さい。
第1章 集団戦
『異形の海賊』
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POW : 欲シイモノハ何時ダッテ早イ者勝チサ
レベル分の1秒で【防御が極めて困難なマスケット銃による魔弾】を発射できる。
SPD : 早速オ宝拝見サセテ貰オウカイ
【回避が極めて困難なカトラスの斬撃】による素早い一撃を放つ。また、【戦場の空気や褒美を約束された高揚感】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : 残念ダケドアンタノ攻撃ハ効カナイヨ
全身を【物理攻撃を無効化する魔性の鱗】で覆い、共に戦う仲間全員が敵から受けた【負の感情と負傷】の合計に比例し、自身の攻撃回数を増加する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●海へ飛び込んで
猟兵達がゲートを抜けた直後、グリードオーシャンの海へとダイブする。
海中で目を開けてみると、空気の泡を定期的に噴き出す島がうっすらと見えた。
あれが話に聞いていた深海島トランティアなのだろう。
一行は空気の泡を吸い込みつつ、海中を進んでいく。
……それから少しすると、自分達の前方に複数の人影がトランティアへ先行して向かっているのが見えてきた。
おそらくコンキスタドールの先遣隊、異形の海賊であろう。
もしも奴らがトランティアに辿り着いてしまえば、すぐさま略奪と虐殺が始まってしまうに違いない。
急ぎ止めなければと思った矢先、突然向こうが反転してこちらにやってくる。
後を付けている事に気付いたのだろうか?
既に異形の海賊達は武器を手にしており、こちらを狩るつもりのようだ。
ならばこの場で奴らを返り討ちにし、トランティアへの侵略を阻止せねば!
オル・フィラ
故郷を守りたい、当然の願いでしょうね
やることはいつも通りです、邪魔な敵は全て撃ちます
潜るだけならやれますし、泡で息継ぎできるなら問題ないでしょう
近付いてくる海賊を【泥流弾】で迎撃します
泡をうまく利用すれば、海中で素早く動ける相手にも対抗できそうです
一時的に泡を遮蔽にして敵の攻撃を回避したり、泡越しに射撃して回避され難くしたりを試してみます
海流とかの影響も受けそうですが、その辺は勘を頼りに順応してみせましょう
目指すのは深海の都市、心が躍りますね
敵に先を越されるわけにはいきません、絶対に
●バトル・オブ・アンダーシー
(ここがグリードオーシャンの海の中、ですか)
ゲートを潜り抜けたと同時にトランティアのある地域の海上から直接ダイブし、海の中をオル・フィラ(Rusalka・f27718)が進む。
(これが任務でなければ、ゆっくりと海の中を見て回りたいものですが)
今はコンキスタドールの侵略を阻止しなければならない。
先遣隊を撃退すれば、少しだけトランティアで休息する時間もあるはずだ。
沸き上がる空気の泡を吸いながら前進していくと、視界に異形の海賊達の姿が。
そろそろ接敵するかもしれないと、オルは愛用のMUD-CPに手をかける。
すると異形の海賊達が素早い動きで反転し、こちらへとやってきた。
こちらに気付いたのだろう。
「得物ガノコノコト、アタシラノ後ロヘヤッテキタナ!」
「誰ダカ知ランガ、逃ガス訳ニハイカナイネ!」
「先ニアイツヲヤッチマウヨ!」
水棲生物の身体を持っているためか、相手は水中であるにも関わらず機敏だ。
異形の海賊の一体がカトラスを抜いて素早くオルに迫る。
向こうは丸腰だと見たのだろう。
「こちらに反撃手段がないと思ったようですが、それは大きな間違いです」
向かってくる敵に対し、オルは『泥流弾(マッド・フロウ)』を放つ。
例え水中とてユーベルコードであれば、その威力は地上にいる時と変わらない。
「ン? アイツハ何ヲ……ウグッ!? ア、ガガガガッ!?」
水中を駆け抜ける弾丸を見切れず、初弾が腕に命中すると同時に内部から激しく破壊を行い、無残に左腕が弾け飛んだ。
「ナ、何ダトッ!?」
「コイツ、只者デハナイ! 気ヲ付ケテ攻メルゾ!」
オルが一般人ではない事を思い知らされた異形の海賊達は、慌てて海中を動き回る事で泥流弾に当たらないようにしようと考えたようだ。
「少しは考える頭もあるようですね。ですが」
オルは空気の泡が多く吹き上がるポイントに行き、相手を誘う。
「逃ガスカ!」
それに釣られて異形の海賊がオルを追い、カトラスを振りかざす。
しかし泡に視界を塞がれた事で距離感を見誤り、斬撃は水中を虚しく切る。
「隙を見せましたね」
狙い通りとばかりに放たれた泥流弾が異形の海賊の頭を無慈悲に破壊する。
しかし、これだけでは終わらない。
「そこです」
続いてオルはあらぬ方向へと泥流弾を放つ。
……一体何のために?
「ナンダ? 一体ドコヲ狙ッテ……グハァッ!?」
なんたる事か、弾丸は海流に乗り異形の海賊の胸部を貫き爆散したではないか。
オルは泡の流れから海流も読み切った上での予測射撃を行ったのだ。
「排除完了。さあ、進みましょう。深海の都市、心が躍りますね」
敵を排除したオルは再びトランティアへ向けて進み出す。
彼女の視界の先には、海の中で輝きを放つ島が見えていた。
成功
🔵🔵🔴
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
それは大変ですねぇ。
参りましょう。
【遍界招】を使用し『首飾り型の水中適応用祭器』を召喚し着用、全身を薄い『膜』で覆い『耐水圧防御』と『水中呼吸』が可能になりますぅ。
そして『FBS』を四肢に嵌め『推進力』に使い水中での機動性を確保、交戦に備え『FCS』で『FRS』『FSS』の弾頭を『魚雷』に変更しておきますねぇ。
交戦の際は、出来る限り距離を取りつつ『FRS』の[爆撃]による[範囲攻撃]主体で対処しますぅ。
『マスケット』は『FSS』で前面を隙間なく覆い、同時に『FSS』分の『魚雷』を『爆風の盾』として『二重の防御』を固めて防ぎましょうかぁ。
後は、対処完了まで繰返しますねぇ。
楊・藍月
共闘希望
ユベコ初手起動
青き東洋龍として海を楽しく泳ぐ
嗚呼
この世界は良いな
四海と等しき素晴らしき世界だ
猟兵としては初仕事故
至らぬかもしれないが相応に力は尽くそう(常時海賊たちに雷を打ち続けてる
【全力魔法・鎧砕き】
口から雷撃咆哮(ライトニングブレス)を打ち続け敵の防御事破壊するよ
巨体を利用して他の猟兵をその体で庇い敵の視線から外させる
貴殿らは既に死人
唯滅びを齎す存在を我らは許すわけにはいかないんだよ
だから…済まないね
向ける感情は「慈悲」
死して尚世界を滅ぼす宿業に囚われた存在に対する祈り
彼等が躯の海に還れば静かに瞑目し黙祷して冥福を祈る
さて…海底都市にむかうとするか
少しだけ懐かしい気持ちになるね
●海中の激闘
二人の猟兵がグリードオーシャンの海に飛び込む。
一人は『豊乳女神の加護・遍界招(チチガミサマノカゴ・アマネクチヘノマネキ)』を使い、水中への適応を得た夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)。
もう一人は竜神飛翔で完全竜体へと変身した楊・藍月(四海竜王に連なるもの・f29478)だ。
「久しぶりの海中ですけど、やっぱりこの時期は気持ちいいですねぇ」
るこるが深海島に赴くのはこれがおそらく二度目となるが、まだまだ暑さが残る今の季節……暑さから逃れるのにはうってつけとも言えるだろう。
もちろん、今回も任務である事を忘れてはいない。
また四肢にはいつもの浮遊武装を装備し、水中の移動力もしっかり確保していた。
これなら泳ぎながら戦うより楽に戦えるはずである。
「嗚呼、この世界は良いな。四海と等しき素晴らしき世界だ」
青き東洋龍にその身を変えた藍月が悠々と海中を往く。
彼は竜神で、邪神より世界の自然を守護していた龍達の一角だ。
長らく力を失っていたが、紆余曲折を経て猟兵となった今……こうして世界の危機を救うために戦う事となったが、実は今回が猟兵としての初任務だったりする。
……とは言え、彼は緊張する素振りも見せず堂々とした様子のようだ。
「この海の下に深海人の住む島があるのか。興味深いね」
「私が前に行ったところは温泉が湧いていたりしたんですよぉ」
「なんと、海中に温泉が? ……この世界は俺の想像を大きく上回るようだね」
コンキスタドールとの遭遇を前に、軽く会話をしつつ海中を進んでいくと……
「……! 来ます!」
不意に何かが来る事に一早く気付いたるこるが警告する。
その直後、無数の弾丸が高速で海中を突き進み、二人を襲う。
先に発せられた警告もあってか、ギリギリのところで弾丸が掠めていく。
「く、先手を打ってきたか」
「そのようですね。藍月さん、行けそうですか?」
「こうして戦うのは久々故に、至らぬかもしれないが相応に力は尽くそう」
「分かりました。ですが無理は禁物ですよ?」
藍月は自分なりの覚悟を示すと、それを受けてるこるが頷く。
二人が視線を戻した先には異形の海賊達がマスケット銃を手に、こちらへ向かってきているのが見えた。
先の攻撃はあの銃から発せられたのだろう。
「……よし、では行くとしよう」
「はい!」
コンキスタドールの先遣隊を迎え撃つべく、二人の戦いが始まった。
「ミンナ、相手ハ少シバカリ出来ル奴ラノヨウダヨ!」
「マサカ……猟兵カ!? ダガ、ココデ奴ラヲ倒セバ!」
「ヨォーシ、ミンナ! 撃ッテ撃ッテ撃チマクレッ!!」
異形の海賊達がそれぞれマスケット銃を向け、二人に魔弾を連射する。
水中でも高速で飛ぶ魔弾だ、当たれば痛いどころではないだろう。
「こっちにはこう言うのもありますよぉ」
飛んできた魔弾に対し、るこるはFSSを展開し防いでいく。
そこへ更に藍月の巨体がゆらりと海中を泳ぎ回り、相手の注意を引き付ける。
「ナ、魔弾ガ防ガレタダト!?」
「……アイツ、アンナデカイノニナンテ速度ナンダイ!?」
「貴殿らは既に死人、唯滅びを齎す存在を我らは許すわけにはいかないんだよ」
藍月の機動力に驚愕する異形の海賊を前に、ライトニングブレスを撃ち込む。
相手の体の鱗は並大抵の攻撃を弾くほどの強度はあるが、かつて邪神より世界の自然を守護していた竜の力を持った藍月のブレスは易々と鱗を消し飛ばしていく。
「バ、バカナッ!? アタシラノ鱗ガ一瞬デ……ガアァァァッ!?」
「……済まないね」
消滅していく異形の海賊を尻目に、一言残す藍月。
例え討つべき敵であれ、死して尚世界を滅ぼす宿業に囚われた存在に対する祈りを向ける……それはまさに慈悲の心であった。
……どうか来世では真っ当な生命として生まれてくるように、と。
「わぁ、藍月さん……やりますねぇ。これは私も負けてられませんねぇ」
とても初陣とは思えない彼の力の発揮ぶりに感嘆しつつ、るこるも反撃に出る。
浮遊武装であるFSSのシールドを展開した状態から水中戦用の魚雷を放ち、水中で爆破させる事で爆風を起こし、相手の視界を奪う。
「何ッ!? 水中戦ノ装備ダト……」
「気付くのが遅すぎ……ですよぉ!」
「シ、シマッ……ウアァァァッ!?」
怯んだ隙を逃さずFRSで爆撃を行う事で広範囲にダメージを与えていく。
水中戦用装備であるが故、効果は抜群のようだ。
「ここまで順調ですね」
「ああ、このまま行けば倒せそうだね。このままどんどん攻めていこう」
「はい、どーんとやっちゃいますよぉー!」
例え海中であっても物ともしない二人の快進撃は続いていき、こちらにやってきた異形の海賊達は全て海の藻屑と消えていった。
「これにて対処完了、ですぅ」
「さて……海底都市に向かうとするか。少しだけ懐かしい気持ちになるね」
「藍月さん、海は懐かしいんですか?」
「ああ、それについては道すがら話すとしようか」
まだトランティア到着までは幾分か時間はある。
お互いの事を話しつつ、二人は更に海の中を進んでいくのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ミルセリア・カマンギル
「この深海、馴染む、馴染むで!」
本人(背後)も忘れていたが実はセイレーンである。
故郷が島落下で壊滅、その後身を寄せた場所がコンキスタドールに壊滅、流れ着いた孤島の館の親切な住人が惨殺と、第二、第三の故郷までも失なった豊富な故郷壊滅経験者でもある。
「故郷が滅んでもなんとか……あ、痛い痛いやめてやめてなんとかするから堪忍してえ!?」
「深海に適応してるんはこっちもや、いくで!」
というわけで深海特化型誘拐犯を中心に編成して、相手を誘拐するという概念攻撃や!
あとはくすぐり系拷問でもして敵の情報を洗いざらいゲロさせ……あ、こら、ほんまにゲロする奴がおるか!?
水中やから被害がぎゃああああああ!?
●斜め上の手段
「この深海、馴染む、馴染むで!」
得意げな顔で海中を進むのはミルセリア・カマンギル(深海の葬列探偵・f26294)。
その見た目からは想像も付かないやもしれぬが、彼女はセイレーンだ。
今更説明するまでもないが、セイレーンとは深海のソーダ水から生まれる美しき水の精霊であり、水中適応力を所持している。
故に、空気の泡に頼らずとも難なく行動出来るのは大きいと言えよう。
因みにミルセリアは故郷(おそらくサクラミラージュ)が島の落下で壊滅。
次に身を寄せた場所がコンキスタドールに襲われて壊滅。
その後流れ着いた孤島の館の親切な住人が惨殺されると言う、どう見ても疫病神に取りつかれていると思われても不思議ではないレベルの故郷壊滅経験者だ。
「確か故郷が危ないって出発前に聞いたんよな。……よしよし、ここはウチがバーンと解決したる!」
妙な自信を胸にミルセリアはトランティアへと向かう。
……その謎の不運ぶりが、向こうの島にも影響を及ぼさなければいいのだが。
それから少しすると異形の海賊達がこちらへやってくる。
当然のように、向こうは攻撃態勢に入っているのが見えた。
「む、アレやな。まあ故郷が滅んでもなんとか……あ、痛い痛いやめてやめてなんとかするから堪忍してえ!?」
早速、異形の海賊達から容赦ない攻撃が浴びせられて早くも涙目のミルセリア。
……本当に大丈夫なのだろうか?
「深海に適応してるんはこっちもや、いくで!」
ミルセリアがそう言うと、早速『犯人は俺たちだ!(ハンニンハオレタチダ)』を使い深海特化型誘拐犯を大勢召喚する。
「チッ、向コウモ数デ攻メテクル気カ!」
「ダガコチラノ方ガ上デアル事ヲ思イ知ラセテヤルヨ!」
散開し、深海特化型誘拐犯を迎え撃つ異形の海賊達。
……ここで奴らは大きなミスを犯していた。
深海特化型誘拐犯、つまりここは彼らのホームグラウンドでもあったのだ。
彼らは相手よりも素早く動き、手持ちの道具であっという間に次々と異形の海賊達を拘束していく。
「ナ、バカナ!? コノアタシラガ!?」
「よーし、みんなようやったで。ほんなら、次はこのままくすぐり系拷問でもして敵の情報を洗いざらいゲロさせたるんや!」
ミルセリアの命令を受けた誘拐犯達が拷問用(?)道具でくすぐり地獄を行う。
「ア、ヤメ、ヤメロ! ソコハヤメ……ゴ、ゴボボーッ!!」
思わぬ急所を重点的に攻められ、異形の海賊達は海中で嘔吐!
「あ、こら、ほんまにゲロする奴がおるか!?」
違う意味でゲロってしまったのを受け、ミルセリアは焦り出す。
尚も海中で広がる嘔吐!
「あああああ、水中やから被害がぎゃああああああ!?」
海中が阿鼻叫喚の地獄絵図となるも、なんやかんやで嘔吐により窒息死した異形の海賊達。
……少しばかりひどい事になったが、ミルセリアはやや疲れた様子でトランティアへと向かうのであった。
成功
🔵🔵🔴
不破・明憲(サポート)
●どのような依頼でも全力を尽くすのみですね。さあ、頑張りましょう。
●私は相手に何らかの形で触れることができれば「医術」を活かした「早業」で弱点を「見切り」、「鎧無視攻撃」を行使することが可能です。たとえそれがヒトの形をしていなくとも、「世界知識」の引き出しから弱点の判断を行います。防御行動は相手の攻撃を「見切り」、そして「早業」でもって行います。
●使うUCはその時の相手によりますが、基本は【触震】での強烈な一撃か、【クロクアップスピード】による翻弄作戦がメイン。あまりにも巨大であれば【ドルザ召喚】を使って戦いましょう。その時はドルザの近くで「空中浮遊」を用いて指示を出しましょう
●神速の神業
「水中戦は初めてですが、どのような依頼でも全力を尽くすのみですね」
グリードオーシャンの海へ深く深く潜っていくのは不破・明憲(ドクターノーフェイス・f21700)。
事件の現場には白覆面と白装束を身に着けてやってくる、ドクターノーフェイスとは彼の事だ。
今回は海の中と言う、おそらく彼にとって初めてであろう戦場ではあるが……いつも通り全力でやると言う姿勢は変わらない。
……明憲が海に潜って少しすると、遠目にトランティアの地が見えてきた。
「あれが話に聞いた深海島ですね。そして……」
視線を少し変えると、今まさに武器を手にしたコンキスタドールである異形の海賊達がこちらにやってくるのが分かった。
人型爬虫類のような外見に、彼は敵に幾分かの興味を抱く。
「なるほど、水中での動きは早そうですね。それにあの鱗、強度も高そうです」
冷静に分析をしていく最中、双方の距離は次第に近付いていく。
交戦開始まであと少しと言ったところだろう。
「……では、診察を開始するとしましょうか」
ググッと己の手、ドクターハンドを握り締める明憲。
彼の武器はこの両手のみ……いかにして異形の海賊達と戦うのであろうか?
「オラァ、ソノ白イ服ヲ赤ク染メテヤルヨ!」
異形の海賊がカトラスの斬撃を放つ。
海中であろうとも、その速さはかなりの物だ。
「むっ……!」
明憲は相手の初撃をギリギリで回避すると、素早く距離を詰める。
相手の至近距離にさえ入る事が出来ればこっちの物だ。
彼はまず真っ先に、相手の体に触れる。
「ナッ!?」
「ふむ、今ので大体分かりました」
突然体を触れられ困惑する異形の海賊と、相手に触れた後で素早く距離を取り、上がってきた空気の泡で酸素を確保する明憲。
「ク、何ヲ考エテルノカ知ランガ……死ネェ!」
訳も分からず、異形の海賊は再度カトラスの斬撃を振り下ろす。
だが、明憲はその攻撃を先程とは違って目にも留まらぬ速さで難なく避けた。
「何ィッ!?」
「水中で素早く動けるのはあなた達だけではないのですよ」
クロックアップ・スピードで高速戦闘モードに変身した明憲は魚のような速度で相手に近付き、右手を左上半身の鱗と皮膚の境目に深々と……突き刺す!
先程、彼が相手の体に触れていたのは弱点を早業で見切るためであったのだ。
少しでも触れてしまえば、大体の弱点は把握出来る。
それが闇医者でもある明憲の強みでもあった。
「ア、ガッ……!」
致命的な一撃を受け、紫色の血を吐き絶命する異形の海賊。
おそらくは弱点を貫かれたのだろう。
「人と左程変わらない構造だったのが幸いでしたね。さて、まだまだ行きますよ」
……一度弱点を知ってしまえば、後はそこを突くのみ。
明憲の診察は更に続き、異形の海賊達を海の藻屑としていくのであった。
成功
🔵🔵🔴
ジョゼ・オルランド(サポート)
エルフのパラディン×力持ち、27歳の女です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、宿敵には「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●深海人を守るために
「コンキスタドールは海の中でも見境なしか、全く度し難いな」
ジョゼ・オルランド(騎士・f29012)はコンキスタドールの傍若無人ぶりに呆れ半分、怒り半分と言ったところだ。
奴らの侵略を許してしまえば、トランティアに住む深海人の命が大勢奪われてしまうのは言うまでもないだろう。
(これ以上、私のような者が増えないためにも……奴らはここで討つ!)
かつてオブリビオンに故郷を、家族を、恋人を奪われたジョゼは血の滲むような努力の末、パラディンに……そして猟兵になった。
力を得た彼女は世界の敵を倒し弱き人々を守るために世界を巡り、戦うのだ。
「こうして空気の泡を吸い込みつつ潜るには慣れないが……やるしかないな」
ボコボコと沸き上がる空気の泡を吸いつつ、海の中を進むのはさすがに初めてと言うだけあって少しばかり苦戦している様子のジョゼ。
それでも、守るべき人々――今回は深海人達のために体を張る覚悟は出来ている。
……ジョゼが暫く潜っていくと、トランティアの地と異形の海賊達が見えてきた。
相手側もこちらに気付き、襲い掛かってくる様子だ。
「来たな。深海島の侵略、私達が止めてみせる!」
バスタードソードに手をかけ、ジョゼがより真剣な表情に変わる。
奴らは必ず倒すと言う決意を胸に、戦いが始まろうとしていた。
「オラオラ、アタシラノ動キニ付イテコレルカイ!」
異形の海賊がカトラスで斬り付ける。
回避が極めて困難な素早い斬撃だ。
「く、早い……ッ!」
相手の予想以上の速さに舌を巻くも、バスタードソードで受け止めるジョゼ。
そこへ別の異形の海賊が違う方向から攻めてくる。
「ドウシタドウシタ、防戦一方カイ!?」
反撃に出られないジョゼを前に調子に乗っているのか、相手は激しく攻め立てる。
慣れない水中戦と言うのもあるのか、思うようにいかないようだ。
「この……舐めるなァッ!」
だが、ここで多少の怪我は厭わず捨て身の反撃に出たジョゼの一撃が、異形の海賊の身を斬り捨てる!
こちらもダメージは少なからず受けたが、一人仕留めた手応えはあったようだ。
「何ダト!? コイツ……!」
思わぬ反撃で仲間をやられた事に動揺する異形の海賊。
「お前に聞きたい事がある!」
そこへすかさず質問と共に、賢者の影を放つジョゼ。
影は相手に命中し、拘束する。
「お前達のボスは何者か……言え!」
「ハッ、バカ言ウンジャナイヨ。ソンナ事言エルカ……グワアバババーッ!?」
真実を言えば影は解除されるが、それ以外の事を口にした事でダメージを受ける異形の海賊。
ボスは何者かと言う簡単な質問であるため、威力は更に上昇したようだ。
……結局、答えを言わなかった事で倒された異形の海賊であったが。
「まだ敵はいるようだな。ならば一匹残らず倒すのみ!」
情け無用のハンターと化したジョゼは次の獲物を討つべく、水中を行く……。
成功
🔵🔵🔴
楊・藍月
真の姿発動
といっても要するに青龍の姿のままだけどね
今回は仲間とも離れていこう
巻き込まれる事はないとは思うが念の為ね
…驚いた
枯れ静かに朽ちる身のつもりであったが
そんな我が身にも力を満たすのが猟兵とやらの力か(急激なレベルアップに全盛期の頃を懐かしむ竜神
襲撃者達よ
この大海の糧としてその在り方を全うせよ
UC発動
己を中心にあらゆる者達を引き裂く程の大渦
海の中の竜巻の如く
あえて暴走させ
【天罰・全力魔法・鎧砕き】により守りも破壊し海の循環と秩序を狂わせる存在全てを滅ぼしにかかる
今は躯の海で眠れ
何れまた命を宿し真に生誕する時が来るだろう
さて…そろそろアーニャ殿の故郷は見えてきたかな?(どんな処か遠目に観察
●青龍、再臨
さて、一度は異形の海賊達を倒し、仲間と共にトランティアへと向かっていた藍月であったが……
(流れを感じる……これは悪い流れ。まだ、奴らが残っていたのか?)
自分の後ろからやってくる気配のような物……即ち、新手を感じ取った藍月は一度その場に足を止める。
「すまない、先に行ってはくれないか。俺はまだ少しやる事が残っていてね」
すぐに追いつくからと仲間に告げると、彼はその場で反転し上昇していく。
するとどこからやってきたのか、異形の海賊達がこちらへ……今回は潜って進んでいるのが見えてきた。
先程とは立場が逆転と言った形になるだろうか。
(さて、力を取り戻しつつあるのなら……もう少し、解放してみようか)
藍月は内に眠る竜神の力の解放を試みる。
自分の中で、大きな何かがブワッと膨れ上がったような感覚。
今回初めて真の姿を解放したのだが、その姿は先程と同じ青龍の姿のままだ。
ただ、それでも……
「……驚いた。枯れ静かに朽ちる身のつもりであったが、そんな我が身にも力を満たすのが猟兵とやらの力か」
今まで以上に沸き上がる力を実感し、彼は全盛期の頃を懐かしむ。
……そうこうしている間にも、敵は待ってくれないようだ。
「襲撃者達よ、この大海の糧としてその在り方を全うせよ」
そう口にすると、藍月は襲撃者に立ち向かうのであった。
「クソッ、仲間ガ殆ドヤラレチマッタナ!」
「ダガ、アタシラダケデモアノ島ニ行ケレバ勝チサ!」
「アア! 上手クヤレバボスガ褒メテクレ……オイ、アレハナンダ!?」
潜り進んでいく異形の海賊達は信じられない物を見て驚愕する。
普通では考えられない、海中に竜巻が発生していたのだ。
その中心には……藍月の姿があった。
因みにこの竜巻は彼のエレメンタル・ファンタジアで発生させた物である。
「さあ、あらゆる者達を引き裂く程の大渦……耐えられるか?」
「ク、ソンナ竜巻ゴトキ……アタシラニハ……」
それでも果敢に竜巻へと挑む異形の海賊達。
恐れを知らないのか、武器を手に各々が仕掛ける。
だが……
「攻撃ガ……全ク通ジテナイ!?」
「ウ、ウアアァァァッ!? カ、体ガ、引キ裂カレテ……!」
「ナンナンダ、コイツハ!? コンナ奴ガイルナンテ、聞イテ……」
強固なはずの鱗が紙のように易々と粉砕され、引き裂かれ、竜巻に呑まれていく。
海の循環と秩序を狂わせる存在全てを滅ぼすメイルシュトロームが、コンキスタドールの尖兵を海へと還す。
これがかつて、邪神より世界の自然を守護していた竜神の力なのか。
「今は躯の海で眠れ。何れまた命を宿し真に生誕する時が来るだろう」
竜巻に呑まれ、跡形もなく消滅した異形の海賊達に藍月が語り掛けるように言う。
過去の残滓は骸の海へと消えていった。
彼女達は来世で真っ当な生を送れるのかは分からない。
……だが、せめてそうであって欲しいと彼は願うと、その身を反転し改めてトランティアへと向かう。
「さて……そろそろアーニャ殿の故郷は見えてきたかな?」
それから暫く進むと大きな島が見えてきた。
出撃前に聞いていた通り、トランティアは巨大な空気の泡に包まれ、貝や珊瑚で出来た大都市があるようだ。
「この島は海の下にあるものの、これ以上は沈んでいないのか。実に興味深いね」
深海人達との遭遇に期待しつつ、藍月はトランティアへ上陸するのであった。
成功
🔵🔵🔴
第2章 日常
『猟兵冒険譚』
|
POW : 切った張ったの大立ち回りなエピソード
SPD : 自身の技術や素質が活躍したエピソード
WIZ : 機転や閃き、頭脳で身を救ったエピソード
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●ようこそトランティアへ
猟兵達は異形の海賊を倒し、トランティアへの侵略を阻止する事が出来た。
この後は一度トランティアの人達に会ってきて欲しいと言う事で、一行は深海島へと上陸する……
「……おお、来た来た!」
「アンタ達、噂に聞いてた猟兵なんだってね!」
「海の中で戦っていたのをみんな見てたよ! この島を助けてくれてありがとう!」
なんと上陸地点の都市には、既に多くの深海人達が待ち受けていた。
彼らの話によれば海中での戦いに気付き、その様子を島から見ていたのだとか。
「しっかし、ここもコンキスタドールに狙われるなんて思わなかったな……」
「けどこうして猟兵の人達が助けに来てくれたのは幸運だったよ!」
「……ねえ、せっかくだからもっと猟兵さんの話とか聞きたいな!」
ここで深海人の子供が目を輝かせて言うと、周りもそれに同調する。
どうやら島を助けてくれたヒーローの到来に、皆が興味津々の様子である。
これは……どうやら避けられそうにないようだ。
ここにコンキスタドールのボスがやってくるまで、まだ時間はある。
ならばそれまでの間、この島の深海人達に猟兵としてのエピソードを聞かせてあげるのもいいだろう。
猟兵がいかに凄いのか、それを彼らに教えてあげるとしようではないか。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・アド/絡◎
■行動
お話、ですかぁ?
あまり武勇伝の心当たりは有りませんが、それで宜しければ。
まずは【愛柔園】を使用、『仔犬』『仔猫』等、もふもふとした可愛い『地上の動物』を沢山召喚しますねぇ。
宜しければ、この子達と遊びませんかぁ?
そして『鞄』から、何種類かの『手作りのサブレ』を取り出してお配りしつつ、先日の『迷宮災厄戦』で『お菓子の家』を再建した際のお話をしますねぇ。
その時に『警戒』についていただいたのが『この子達』、ご用意した『お菓子』と同じ種類の品がこちらの『サブレ』になりますぅ。
コンキスタドールの討伐後、場所がお借り出来ましたら、今度は『焼きたて』をご馳走しますねぇ。
●お菓子の家が多すぎる国の話
「お話、ですかぁ? あまり武勇伝の心当たりは有りませんが、それで宜しければ」
「それでも構わないよ。何せここに猟兵さんが来てくれたのは初めてだからね!」
トランティアの住民はとにかく猟兵の話が聞ければ何でもいいようだ。
彼らのわくわくするような視線がるこるへ一斉に向けられる。
(うーん、これはちょっと悩みますねぇ。何の話にすれば……あ、そうだ)
さてどうしたものかと考えたところで、早々に何かいいネタになりそうな話が浮かんだらしく行動に移る。
まずるこるは『豊乳女神の加護・愛柔園(チチガミサマノカゴ・モフモフノラクエン)』を使い、周囲にもふもふとした可愛い地上の動物を沢山召喚する。
「宜しければ、この子達と遊びませんかぁ?」
突然現れた動物達に住民達が『おぉ』と沸くと、各々が早速触れ合おうと試みる。
……中には仔猫を見て、魚の姿をした住民がこの子は大丈夫なのかと恐る恐る尋ねてきたりもしたが。
「それからですね、こちらもよろしければどうぞ」
続いてるこるは鞄から何種類かの手作りサブレを多く取り出し、配布していく。
水中戦を先程済ませてきたばかりだが、中身はもちろん無事である。
「それでは、別の世界で先月あった戦いについてお話しますねぇ」
そうして諸々の準備も終わり、るこるが本題に入る。
話す内容は先月行われた迷宮災厄戦についてだ。
このグリードオーシャンが他の世界から落ちてきた島で構成されていると言うのは彼らも熟知しているが、戦争と言う大きな戦いがあった事は初耳のようだ。
「……迷宮災厄戦があったアリスラビリンスには色々な国がありまして、その中にはお菓子の家が立ち並ぶ国もあったんです」
「お菓子の家!? すっげー! オレも行ってみたいなぁ!」
「あたしも、あたしもー!」
迷宮災厄戦の話からお菓子の家の国に流れを持っていく。
特にその話に食いついたのは、やはりと言うか子供達であった。
「お菓子の家を再建する事で、攻め込んでくる敵に対抗する任務に就いていたんですが、敵に洗脳された子供達が妨害をしようとやってきて……」
「そ、それでどうなったんだ?」
「はい、その時に警戒についていただいたのがこの子達……」
と、先に召喚した動物達に目を向け……
「ご用意したお菓子と同じ種類の品がこちらのサブレになりますぅ」
動物達のおかげで防衛も済み、お菓子の家も再建出来たと言う話を聞いて住民達はただ感嘆の声を上げる事しか出来ない。
猟兵は何でも出来る凄いヒーローだと言う事が分かったようだ。
「コンキスタドールの討伐後、場所がお借り出来ましたら、今度は焼きたてをご馳走しますねぇ」
るこるの発言に住民達が再度沸く。
配布されたお菓子が彼らの心を掴んだのもあるのか、それをまた食べられると言う事に住民達は期待の目を寄せるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
オル・フィラ
こんなに歓迎されると、気恥ずかしいですね
自慢できるような経験は、あんまりないですよ?
猟兵として戦い始めてから約3か月、まだ新人です
そういえば最初のお仕事も、賊から拠点を守る戦いでしたね
大抵の敵はこの銃で撃てば何とかなりましたが、そうはいかないことも多かったです
別の世界ではおにぎり食べたり、わんこと戯れたりしなければならず
この前の戦争では大きなりんごを食べたり、おにぎり食べさせたりしなければならず
どの戦いも、厳しく辛いものでした…
トランティアの皆さんのお話も聞きたいです
守る人たちのこと、少しでも多く知っておきたいですから
●これまでを振り返っての話
(こんなに歓迎されると、気恥ずかしいですね)
島に迫る危機を(ひとまずは)排除しただけで、こうも歓迎されるとは。
オルは想像以上の歓迎ぶりに少し気恥ずかしい様子だ。
「自慢できるような経験は、あんまりないですよ?」
「それでもお嬢ちゃんは修羅場を潜り抜けてきたんだろう? いつから猟兵として戦ってるんだい?」
「いつから、ですか。猟兵として戦い始めてから約3か月、まだ新人です」
僅か三か月ほどと聞き『おぉー』と住民達がどよめく。
まだ日は浅いものの、あれだけ戦える戦闘力の高さを彼らは見たばかりだからだ。
「そういえば最初のお仕事も、賊から拠点を守る戦いでしたね」
初出撃の事を思い返す。
確か農場を開拓出来るまで復興が進んだベースを、レイダーから防衛する任務が初めての仕事だったか。
あの時の事は今でも鮮明に覚えている。
そのアポカリプスヘルは『全てが崩壊し、水も貴重な乾いた世界である』と説明すると、住民達の間から『そんな世界があるとは恐ろしいな……』や『あっちじゃ俺達は生きていけそうにないな……』と戦々恐々の様子だ。
水と共に生きる深海人は渇きに弱いが故に、なのか。
「大抵の敵はこの銃で撃てば何とかなりましたが、そうはいかないことも多かったです」
「その時はどうやって切り抜けたの?」
「自分なりに頭を使って何とかしましたね。その時に学んだ事も多かったです」
経験を積む事で戦い方にも幅が出てきたのは確かだ。
ただ相手を撃つだけが全てではない、と言う事か。
「別の世界ではおにぎり食べたり、わんこと戯れたりしなければならず……」
「い、一体それはどんな世界なんだ……?」
オルが住民の疑問にも一つずつ丁寧に答える度、驚きの声が上がる。
島の外には殆ど出る事のない彼らには、あまりにも新鮮すぎる話だ。
「この前の戦争では大きなりんごを食べたり、おにぎり食べさせたりしなければならず。どの戦いも、厳しく辛いものでした……」
どうも食べ物関連の話が多いような気もするが、彼らはオルがこれまで戦い抜いてきた話を真剣に聞き入っている。
いずれにせよ、本人的にはどれも厳しい戦いであった事に変わりはないのだ。
「……と、こんなところでしょうか。あの、もしよろしければトランティアの皆さんのお話も聞きたいです。守る人たちのこと、少しでも多く知っておきたいですから」
「おおっ、俺達の事かい? いやあ、そう言われちゃあ話したくなっちまうな!」
「ちょっと、アタシが先だよ。この島の事なら大体は知ってるんだからね」
「ねえねえ、おねーちゃん。どんなことがききたいの?」
オルの問いに住民達が我先にと名乗り出て、街が騒がしくなり出す。
……これは彼らの話に耳を傾けるのは少し骨が折れそうだ。
(とは言え深海人の人達の事を知るのも大事ですし、これはこれで面白くなりそうですね)
さて、まず誰の話から聞こうか……そんな事を考えるオルであった。
大成功
🔵🔵🔵
楊・藍月
深海は我が故郷
あの地球を思い出すね(今回は和装に近い服装の人型
すまないね
俺も実は猟兵になったのはごく最近なので貴殿らに猟兵の活躍を伝える事は出来ない
寧ろ俺も聞きたいな(何故か深海人に混じる竜神。わくわく
世界というのはつくづく広いものだね
うん…俺の話も聞きたいか(少し困ったように
では…少しばかり昔の話をしようか
(UDCアースの古き時代の話)
竜や妖怪の話もしようか
竜は世界に多々あるが
俺達の在り方は理(ことわり)であった
この海であれば俺のような海龍だったり
炎を操る竜もいる
妖怪は人の心や信仰が生んだものもいるが俺達と同じように理として生まれた者もいる
そして…邪神も…
この世界でも似たような者はいるかもな
●かつて自分がいた世界の話
(ふむ、そんな事があったとは……猟兵の先輩方の話は面白いものだな)
自分達の事を語る仲間達の話に聞き入る藍月。
彼は(何故か)深海人達の間に混じり、その話を聞いていた。
自分の事は話さないのかと住民に聞かれたが『猟兵になったのはごく最近なので、特にこれと言った活躍はないから』と言う事で、聞き手に回っているようだ。
因みに先の水中では青龍の姿であったが、この島に降り立つ際に『竜の姿では驚かせてしまうだろう』と言う事から、今は人の姿である。
「世界というのはつくづく広いものだね」
一通りの話を聞き終え、新たな見聞を得た藍月は楽しげな様子で頷く。
いずれ自分も、その世界へ猟兵として出撃する事になるはずだ。
それについて軽く知っておくのは決して無駄にならないだろう。
「……ねえ、お兄さん。やっぱりお兄さんの話も聞きたいよ」
深海人の少女が口火を切ると、周りも『聞きたい聞きたい』と続く。
水中では縦横無尽の活躍をした青龍が、彼である事は既に皆が知っている。
「うん……俺の話も聞きたいか」
藍月は少し困ったような様子で考える……さて、何を話した物だろうか?
(やはりここは……俺がかつていた世界、それに妖怪についても話してみよう)
よし、と思い立ったような様子で賢者が読み聞かせるような形で語り出す。
それはUDCアースにおける、古き時代の話だ。
「かつて俺がいた世界には、人間の他に竜や妖怪と呼ばれる者達が存在していた」
竜は世界に多々あるが、藍月達のような竜神の在り方は理(ことわり)であった。
「この海であれば俺のような海龍だったり、炎を操る竜もいる……」
「竜にも色々あるんだね……それで、その”ようかい”って言うのは、どんな?」
「彼等は人間に向けられた感情……主に恐れや喜びなどを食糧とするんだ」
そう言えば人魚も妖怪の一種として語り継がれていたな、と口にすると人魚の深海人達は『もしかしたら、あっちの世界にも仲間がいるのかも』や『どんな姿なんだろうね?』と興味津々の様子だ。
「妖怪は人の心や信仰が生んだものもいるが、俺達と同じように理として生まれた者もいる」
もっとも彼ら妖怪とはあまり深い交流が無かったので、その辺りの事は詳しく話せなくて申し訳ないがね、と付け加えた上で……
「そして……邪神も……。この世界でも似たような者はいるかもな」
と、一旦話を〆る。
「えっと、じゃしん?」
「早い話が、世界に災いをもたらそうとする悪い神のような物と言えばいいか?」
「つまりコンキスタドールみたいな奴なんだね……恐ろしいなぁ」
こうして話を聞く事で、改めて外の世界……そしてこのグリードオーシャンについて、より深く知る事が出来たトランティアの住民達。
きっとこの中には、外界への好奇心を抱いた者も少なくないだろう。
……こうして、トランティアの深海人達と猟兵の交流会はつつがなく進んでいく。
だが、もうすぐコンキスタドールの親玉がここにやってくる。
既に猟兵達はその事に気付いており、周囲への警戒を怠らない。
そして……!
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『地獄宇宙海賊キャプテン・アビ星人』
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POW : 宇宙地獄海賊フュージョン
【メガリス『メダル・コレクション』 】を使用する事で、【メダルに描かれた『怪なる獣』の特徴】を生やした、自身の身長の3倍の【スーパーフュージョンアビ星人】に変身する。
SPD : 宇宙地獄海賊流殺法
【短距離テレポートを駆使した近接格闘術 】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【気配と動きのクセ】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ : 宇宙地獄海賊プラズマ
レベル×5本の【100,000,000℃ 】属性の【光弾】を放つ。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠砲撃怪獣・ガンドドン」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●出現!奴の名は地獄宇宙海賊キャプテン・アビ星人!!
「フーム、フムフム……ここはなかなか綺麗なところではないか」
突如、別方向から何者かの声が聞こえてくる。
トランティアの住民と猟兵達が振り返ると、海賊のような風貌をした……異形の頭部をした何者かの姿があった。
奴がコンキスタドールのボスなのは間違いない。
「しかし私の部下達が戻ってくる様子が無かったので、こうしてわざわざやってきてみれば……まさか猟兵がいたとはな。これは邪魔されたと見るべきか」
「だ、誰だいアンタは!?」
住民の一人が恐る恐る尋ねると、それを待っていたかのような反応で名乗り出す。
「よくぞ聞いた! 私こそグリードオーシャンでその名を聞けば、そんじょそこらの海賊が震え出す、地獄宇宙海賊……キャプテン・アビ星人!!」
アビ星人と名乗ったコンキスタドールがポーズを決める。
……こいつが、ボスなのか?
「さて、名乗りも済んだところでさっそく略奪と言いたいところだが……」
そう言うと、アビ星人が猟兵達に向き直る。
「その前に、諸君らには消えてもらう。私の略奪行為に君達は邪魔なのでね」
と、懐から何かメダルのような物を取り出す。
何か怪しい光を放っているそれは……もしやメガリスなのか!?
「このメガリスと、私の宇宙地獄海賊流殺法は無敵だ。その凄まじさを目に焼き付けながら、あの世で私の偉大さを広めてくるがいい」
そしてアビ星人が構えを取る……向こうはやる気のようだ。
猟兵達はトランティアの住民達を急ぎ、この場から下がらせる。
「……ふむ、用は済んだか? さあ、死ぬ覚悟のある者から来るがいい」
住民の避難を邪魔する事なく、余裕の態度を見せるアビ星人。
この場が戦場となるのは避けられそうにないが、今は仕方ない。
今こそ奴を倒し、トランティアへの侵略を完全に阻止しなければ!
ノエル・スカーレット(サポート)
アドリブ&他の猟兵さんとの連携大歓迎。
性的描写NG
世界を飛び回るチビッ子ダンピールです。
吸血衝動はほぼなく太陽へっちゃら、お菓子が好きで、虫が嫌い。
色々な事件に首を突っ込みスカーレッド・ノヴァをぶっぱなします。
(ぶっぱなさなくてもOK)
基本的にいい子なので首を突っ込んだ事件やイベントの解決や成功の為に積極的に行動します。
戦闘は残像を伴う素早い動きから大鎌でなぎ払い攻撃したり。
ユーベルコードをご自由にお使いください。
記載がない部分はマスター様におまかせでお願いします。
自由に冒険させてあげてください。
●激突!キャプテン・アビ星人!!
「あなたが黒幕ですね! この島を好きにはさせません!!」
勇ましく大鎌『клюв(クリューヴ)』を構え、ノエル・スカーレット(チビッ子ダンピール・f00954)がアビ星人に立ち向かう。
今回もまた、首を突っ込んだ事件解決のために全力で戦うつもりのようだ。
「ほう、まだ小さいと言うに勇敢な事だ。だが、君では私の相手になら……」
「スカーレッド・ノヴァ!」
「グワーッ!?」
言い終える前、ノエルが先制攻撃としてスカーレッド・ノヴァをブッ放す。
不意打ちを初手から叩き込まれ、対応が間に合わず吹き飛ばされるアビ星人。
「……ぬぅ、この私が不意打ちを喰らうとは……侮りすぎていたようだ」
しかしアビ星人は素早く起き上がり、懐からメガリス『メダル・コレクション』の一つを取り出し、体に埋め込む。
もしやメガリスの力を使うと言うのか?
「スペース三つ首龍・トライギドラ……スーパーフュージョン!」
叫びと共にアビ星人の身体が三倍の大きさに巨大化し、なんと体から三つの龍の首が生えてきたではないか。
これがメガリスを用いた、宇宙地獄海賊フュージョンである。
「さあ私の力を見るがいい! フハハハ!!」
「これは……全力で行かないとマズそうですね……!」
相手が強力な力を得たのを見て、ノエルは気持ちを切り替える。
先程のようにスカーレッド・ノヴァを叩き込むだけでは勝てそうにないだろう。
「ならばこちらも、真のヴァンパイアの力を見せてあげましょう!」
ノエルは『血統大覚醒(ケットウダイカクセイ)』を使い、銀髪から金髪に覚醒し、その姿を18歳相当の不死のヴァンパイアに変える。
奴の宇宙怪獣の力に対抗するにはこれしかないと踏んだのか。
「さあ、私を楽しませてみせろ……異形の怪物よ!」
覚醒した事で性格も一変したノエルが不敵に笑い、クリューヴを手に飛び掛かる。
その速さは凄まじく、動きに残像が見えるほどだ。
対するアビ星人は、身体から生えた三つの龍の頭から炎が吐き出される。
しかしノエルは都市内の建物を蹴って三角飛びをしつつ、炎を軽々と避けた。
「どうした、止まって見えるぞ?」
「ムゥッ、早い!?」
「ならば次はこちらの番だ」
クリューヴを振り回し、横薙ぎに竜の頭へと斬撃を見舞う。
それも一回や二回だけでは終わらず、連続斬りでの攻撃だ。
「く、すばしっこい奴め……」
「ほう、しぶとさだけは一級品のようだが……これならどうだ!」
傷を幾度となく受けたところへ、力を込めた斬撃を更に叩き込むと……ついに体から生えた龍の頭が斬り飛ばされた!
「バカな、トライギドラの首が!?」
「どうやら単に図体がデカく、しぶといだけであったようだな?」
「ヌ、ヌゥーッ……!」
手痛い一撃を喰らったアビ星人は己の認識の甘さを思い知らされるのであった。
成功
🔵🔵🔴
ゴリラ・シャーク(サポート)
賢い動物の力持ち×鮫魔術士
ゴリラの身体にお腹にサメ(シャーク)が突き刺さってます
ゴリラは優しい「」で(おいら、~くん、~さん、うほ、だな)
例「よろしくうほ」「おいらが来たからにはもう安心だな」
シャークは荒々しい『』で(オレ、おめぇ、か、だろ、かよ、~か?)
例『よろしくたのむぜ!』
『なんだぁ、オレに喰われてえのか?』
シャークは元々UDCであり人やオブリビオンを食べていいかとゴリラによく聞きます。ゴリラは基本的に止めます。サメも大抵冗談で言ってます。
ゴリラは怪力を使い物事を解決します。基本的に戦術や行動方針もゴリラが決めます。
シャークは鋭い牙と水泳能力を使います。ゴリラに刺さったまま泳ぎます。
●ゴリラwithシャークVSアビ星人
『オイオイ、また変わった野郎が出てきやがったじゃねぇか!』
「おいら達が来たからには、ここを守ってみせるんだな!」
続いてアビ星人の前に立ちはだかったのはゴリラとサメ……否、正しくはゴリラの腹部にサメが突き刺さったゴリラ・シャーク(森の賢者×海の支配者・f24959)だ。
一見すればキマイラフューチャーにいそうな怪人めいた風貌のゴリラだが、彼らもれっきとした猟兵である。
『とりあえず、あいつ喰ってもいいか?』
「いや、いつも言ってるけど食べちゃダメなんだな……」
『ヘヘッ、冗談だよ冗談』
こう言うシャークは実はUDCであり、人やオブリビオンを食べていいかと(冗談めかして)いつも聞き、それをゴリラが止めると言うのがお決まりのケースだ。
一方のアビ星人は初めて見るタイプの相手に、やや困惑気味である。
「本当に君は猟兵なのか……いや、それはいい。私の前に立ち塞がると言う事は、覚悟は出来ているのだな?」
まだ困惑しつつあるが、アビ星人が構えを取る。
「オブリビオンはやっつける! それがおいら達の仕事、なんだな!」
『ここじゃコンキスタドールとか言うようだけどな!』
対するゴリラも相手を迎え撃つ体勢に入り、シャークが大きく口を開ける。
「奇怪な奴め……ならば私の宇宙地獄海賊流殺法、その身に刻んでやろう」
そう言った瞬間、アビ星人の姿が消えたかと思いきや……あっと言う間に距離を詰めてきたではないか。
これは瞬間移動か何かなのか?
「うほ!? は、早いんだな!?」
「シャオォォォーーーッ!」
アビ星人が近接格闘術による拳の連打をゴリラに浴びせる。
咄嗟にガードが間に合ったものの、反撃の糸口が掴めず防戦一方だ。
「フハハハハ! 守るだけで精一杯か!」
「ちょ、ちょっとこれは厳しいんだな……」
『ああ、思った以上にやりやがるぜ、こいつ!』
パワータイプのゴリラからすれば不利な状況、このままではジリ貧だ。
「こ、こうなったら一か八か……や、野生が……止まらないうほ……!!」
ゴリラの茶色の瞳が野生を解放した事で赤く光り、『森と海の王者(シャーコング)』を発動させ自身を巨大化させる。
「うほっ、うほっ、うほっ!」
『ちょいと暴れさせてもらうぜェ!』
ゴリラが力任せに拳を振り下ろすと、地面に小さなクレーターが空く。
「ぬうッ!? なんと言う馬鹿力だ!」
元より怪力のゴリラが巨大化すれば、そのパワーは倍以上!
耐久力も上がっているのは言うまでもない。
更に腹部のシャークが空中遊泳でアビ星人を翻弄!
「な、飛んだ……!?」
「これがおいらの力、なんだな!」
そこへハンマーパンチを振り下ろす!
テレポート回避が間に合わず、地を走る衝撃波にアビ星人が吹き飛ばされた。
成功
🔵🔵🔴
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
アビ星人、ですかぁ。
SSWで交戦した相手はかなりの強敵でしたし、油断は禁物ですぅ。
【燦華】を使用、全身を『光』に変換した上で『F●S』3種を展開しお相手しましょう。
『メガリス』の効果で『非実体』相手でも捉えて来る可能性は有りますから、『光速移動』を『間合いをとる手段』として使い『FRS』『FSS』の[砲撃]と『FBS』の斬撃で狙いますねぇ。
建造物を巻込まない位置なら[範囲攻撃]や『FCS』で弾頭を変更しての[爆撃]も重ね、相手の回避行動を封じましょう。
『巨大化』する分、射撃の的は大きくなりますぅ。
後は確実に削りつつ『相手の追加特徴』を観察、付け根等の弱点を狙いますねぇ。
オル・フィラ
覚悟は不要です、死ぬのは貴方だけですから
とは言っても敵の近接格闘術、私にとっては間違いなく脅威ですね
可能な限り他の猟兵と連携し攻撃を集中させ、短期決戦としたいです
人型ですし、致命傷を与えられそうな頭部や胸の中心を狙い【泥流弾】を撃ちます
敵がこちらの攻撃を突破、味方や私に格闘を仕掛けてくるなら四肢を狙い、その動作を妨害してみます
格闘攻撃を避けられない状況になったら、むしろ反撃の好機と考えましょう
射撃に必要な部位さえ負傷していなければいいんです、格闘の至近距離なら外れる射撃はあり得ません
アビ星人って言ってましたけど、遠い宇宙から来たりしてるんです?
略奪のために深海まで、ご苦労なことですね
●トランティアの激戦
「アビ星人、ですかぁ」
るこるはアビ星人と聞き、その名を思い出す。
「知っているんですか?」
「はい、前にスペースシップワールドで戦った事がありまして……」
オルの問いに、るこるは当時の記憶を手繰り寄せる。
あれは確かアビ・スシなる勢力を率いて、スペースシップワールドで広く流通しているスシで銀河制服を企んでいた悪の宇宙人だったか。
「あの時に戦った相手はかなりの強敵でしたし、油断は禁物ですぅ」
「確かにあのアビ星人は強敵なのは分かります。厳しい戦いになりそうですね」
おそらくはこのアビ星人もスペースシップワールドから落ちてきて、メガリスを手にした事からコンキスタドールとなったのだろう。
奴の戦闘力の高さはかなりの物である事は先程の戦いで確認済みだ。
メガリスによる巨大化変身、そして短距離テレポートによる格闘術……どちらも驚異的なのは言うまでもない。
「私とした事がぬかった……だが、まだまだ倒れんよ」
先程の交戦で吹き飛ばされたアビ星人が立ち上がる。
ここまでダメージは蓄積されてはいるものの、思った以上にしぶとい奴らしい。
「さて、次は君達か? 覚悟の方は……」
「覚悟は不要です、死ぬのは貴方だけですから」
アビ星人の言葉を遮り、オルがキッパリと言い切る。
敵に対する慈悲は一切ない、狩る者の目であった。
(とは言っても敵の近接格闘術、私にとっては間違いなく脅威ですね)
先程の戦いを見ていて分かったが、アビ星人は単距離テレポートを駆使した格闘術をやってくる。
銃で戦うオルからすれば、懐に入られただけで圧倒的不利に陥るのは避けられないが……もっとも、それは一対一で戦った時の話だ。
今この場にはるこると言う頼れる仲間がいるのだから、フォローし合う事で何とかなるはずである。
「オルさん、行けますかぁ?」
「問題ありません、やりましょう」
互いに最終確認を済ませると、それぞれがアビ星人に向き合う。
「よかろう、ならば死ぬがよい!」
そして奴の言葉が引き金となって、戦闘が始まった。
「浮遊武装一斉展開、からの……」
るこるは初手で『豊乳女神の加護・燦華(チチガミサマノカゴ・キラメキノハナ)』を発動させ、その身を光に変換すると同時に装備している三種の浮遊武装をそれぞれ展開する。
「何を企んでいるかは知らんが……キエェェーーーッ!」
奇声を上げ、アビ星人が短距離テレポートを繰り返し、るこるに肉薄!
そこから格闘術で仕掛けるが……
「光に攻撃は当たりませんよぉ!」
「なんとッ!?」
アビ星人の乱打は虚しく空を切る。
その隙を狙って砲撃を放つが、短距離テレポートで難なく避けていく。
「ならば先にこちらだ!」
るこるに攻撃は当たらないと素早く判断し、ターゲットをオルに変える。
「当てます……!」
近付けさせないとばかりにオルは『泥流弾(マッド・フロウ)』を放つが、短距離テレポートの前には当てる事すらままならない。
「無駄な事を。私の宇宙地獄海賊流殺法は……無敵だ!」
テレポートで至近距離に入り込まれ、アビ星人がラッシュを叩き込む。
「く、うぅっ……」
「フハハ、その銃撃が当たれば私とて無事では済むまいが、この距離で」
「当てられますよ」
直後、銃声が鳴り響く。
至近距離から泥流弾が炸裂し、アビ星人の右足が吹き飛ばされていた。
「グ、グワアァァァーーーッ!?」
「射撃に必要な部位さえ負傷していなければいいんです、格闘の至近距離なら外れる射撃はあり得ません」
なんたる事か、オルは敢えて攻撃を受けつつも一瞬の反撃の機会を伺っていたのだ!
相手は胴体を重点で狙っていたがため、オルの射撃に使う部位……つまりは腕を狙っていなかったのである。
アビ星人の慢心を上手く利用した一撃だ。
「おッ、おのれ……こうなれば! 超絶合成怪獣オメガキメラ!」
右足を失い激痛に悶絶するアビ星人が一度後退し、メガリスを使う。
自らの体にメダルを埋め込むと巨大化し、怪獣の部位が生えてきた。
「さあ、仕切り直しだ!」
「巨大化したのなら、いい的ですぅ!」
「ぬ、ぬおぉぉぉッ!?」
そこへるこるは容赦ない砲撃をどんどん叩き込む。
ここが都市内と言う事もあり、なるべく周囲の建物を巻き込まないように戦うのは少し手間だが的確な攻撃でアビ星人を釘付けにする。
「ええい、小賢しい!」
「これなら当てるのは楽ですね」
「く、鬱陶しい奴め……!」
更にオルの援護射撃も続く。
怪獣の特性を得た事で防御力が上がり泥流弾は有効打とならないが、確実にダメージを与えていっているようだ。
やられているアビ星人も反撃に出るがいいところで行動を阻害され続けており、無駄な抵抗も同然であった。
「オルさん、付け根です。そこを一気に狙いましょう!」
「そこが弱点ですね。分かりました、仕掛けます」
攻撃の最中で相手を観察し、弱点に目星を付けたるこるがオルに呼びかける。
上手くタイミングを合わせて同時発射した、浮遊武装による砲撃と泥流弾が襲い掛かり、アビ星人の身体から生えた怪獣の部位……蛇の体と翼の部分が千切れ飛び、胴体部分に生えていたライオンの頭部が無慈悲に破壊された。
「バ、バカな……ウグワアァァァーーッ!?」
弱点を狙った攻撃を立て続けに喰らい、ついにはメダルの力を失ったアビ星人が盛大にブッ飛ばされダウンする。
「アビ星人って言ってましたけど、遠い宇宙から来たりしてるんです? 略奪のために深海まで、ご苦労なことですね」
「でも、それもここまでですぅ!」
アビ星人に大ダメージを与えた事で、この戦いもいよいよ終盤に入りつつある。
決着の時は近い……!
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
楊・藍月
真の姿解放(青龍の姿
ふむ…この海底で尚激しい熱さを感じるな
そして…貴殿もまた邪神と同じく星の海を起源と為すか
ならば…抗うとしよう
己の身を盾として他の参加者から攻撃を庇う
水は火を克するが…流石に熱量の差はそれさえねじ伏せるか
恐るべき脅威だ
故に貴殿をこのままいかせる訳にはいかないな
生命満ちたる海の精霊達よ
その力を示し理を乱す躯の海の使者を還さん
エレメンタルファンタジア発動
属性は水行
自然現象は大渦
己を中心に大渦を発生させ更に水圧を暴走レベルで高め
【全力魔法・神罰・鎧砕き】で破壊力を増強しその防御も砕き切る
その残酷な灼熱
全て鎮めよう
その熱さは大地の奥深くでこそ息づくべきものだ
我が身崩れるまで放ち続ける
宇良潟・伝助(サポート)
わたくしは裏方メインの黒子ですから前線に立っての戦闘は致しません。
戦闘になると【目立たない】技能を使って存在感を消し、罠にも使えるアイテム【戦闘用舞台装置】と【罠使い】技能を使って敵の行動の妨害し、罠を使って攻撃をします。
あとは舞台演出のユーベルコードを使って猟兵達を強化して気持ちよく戦って貰います。
日常、冒険ではユーベルコード【黒子の団体】を使っての情報収集、探し物、救助などをします。
口調 は裏方作業中の時は(わたくし、~様、ございます、ございましょう、ございますか?)でございます。
●地獄宇宙海賊の最期
「わ、私のメガリスと宇宙地獄海賊流殺法は無敵のはずだ……なのに、何故だ! 何故こうも押されていると言うのだ!?」
これまでの激戦で多大なダメージを受け、満身創痍のアビ星人が狼狽する。
この力があれば、例え猟兵とて負ける気はしない……そう思っていた。
だが、実際に戦ってみてどうだろうか?
多少ダメージは与えたものの、逆にこちらが倍返しされ続けているではないか。
今回も楽な略奪になると思っていたが、部下は全滅し自分がここまで追い詰められようとは……全ては自身の慢心が生み出した結末であった。
「……だがこのアビ星人、ただでは死なぬ。私の命と引き換えにしても、せめてこの島だけは潰させてもらう……」
失った右足にメガリスを投入し、応急処置として怪獣の足を生やして立ち上がる。
何と言う執念であろうか。
「ふむ……この海底で尚激しい熱さを感じるな。そして……貴殿もまた邪神と同じく星の海を起源と為すか。ならば……抗うとしよう」
藍月が真の姿を解放し、青龍の姿に再び変わる。
そうでもしなければ奴は倒せない、そう踏んだのだろう。
「私の力はメガリスと宇宙地獄海賊流殺法だけではない。この島を塵も残さず消し飛ばしてくれようッ!」
アビ星人が飛び上がり、両手から光弾が無数に放たれる。
この宇宙地獄海賊プラズマは実に一億度に達するほどの超高温の光弾……まともに喰らえば跡形も無く消え去ってしまう事だろう。
「街を狙うつもりか!? ……そうはさせん!」
藍月がその身を盾にし、光弾から街を守る。
被弾により大火傷では済まないレベルのダメージを受けるが、この島に住む深海人達の命に比べれば……!
「く、水は火を克するが……流石に熱量の差はそれさえねじ伏せるか。恐るべき脅威だ……故に貴殿をこのままいかせる訳にはいかないな」
「身を挺して守った? 大した覚悟ではないか。だが、いつまで耐えられるかな!」
まだまだ終わらないとばかりに、アビ星人が更なる光弾を放とうとする。
だがそこへ突然、煙幕が破裂音と共に上がり視界を塞ぐ。
「ヌッ!? なんだこれは……?」
このまま光弾を放っても良かったのだが、これは何かの罠ではないかと勘繰って動きを止めるアビ星人。
先程の事もあり、どうにも慎重にならざるを得ない状況であった。
一体何が起きたと言うのであろうか?
「これで向こうの手の内は全て明かしたと言う事でございますな。ようやく、わたくしの仕掛けた罠の使いどころも来たと言う物です」
物陰から戦いの様子を伺っていたのは宇良潟・伝助(裏方大好きな黒子猟兵・f21501)であった。
彼はこの戦いが始まってから『黒子の団体(クロコノダンタイ)』を使い、住民達の避難誘導を積極的に行い、それが終わった後でこうして戦闘用の罠……戦闘用舞台装置を人知れず仕掛け、先程の煙幕を起動したのだ。
伝助は裏方メインの黒子であるが故、表立って戦う事はせず陰ながら仲間の戦いを支えていたのである。
「ですが、この戦いを深海人の方々は遠くから見ているはず。ならばそれを盛り上げるのもわたくしの役割と言えましょう」
そう言うと、舞台装置の起動スイッチを押す。
すると煙幕の中に何かが投げ込まれ……
「む、今何か転がって……」
直後、周囲に閃光が走る。
それはフラッシュバンの罠であった。
「グワーッ!? 目が、目がーッ!!」
一時的に視界を失い、のたうち回るアビ星人。
「続いてこちらはいかがでしょう」
更に伝助は別の起動スイッチを押す。
ちょうどアビ星人の近くでネズミ花火のような爆薬がスパパンと爆音と共に鳴り響き、間近で鼓膜に大ダメージを与える。
「グワーッ! グワーッ!」
「そろそろ頃合いでしょうか。さあ、今こそ気持ちよくトドメをお願いします!」
最後の起動スイッチを押すと、煙幕の中にスポットライトが集中する。
つまり、そこにアビ星人がいると言う位置の合図でもあった。
「いきなり何が起きたかと思えば……いや、助かったと言うべきか。ならば!」
藍月は今のが仲間の支援攻撃であった事を察し、トドメを刺すべく動き出す。
「生命満ちたる海の精霊達よ、その力を示し理を乱す躯の海の使者を還さん」
エレメンタル・ファンタジアを使い、自身の周囲に水の大渦を発生させる。
アビ星人は成す術も無く飲み込まれ大渦に巻き込まれていく。
「その残酷な灼熱、全て鎮めよう。その熱さは大地の奥深くでこそ息づくべきものだ」
「ウ、ウオオォォォォーーーッ……!」
半ば暴走状態に近い大渦がアビ星人の身を無慈悲に粉砕する。
そして水の大渦が消滅した後、そこには何も残っていなかった。
猟兵達の勝利である。
かくして地獄宇宙海賊キャプテン・アビ星人の野望は打ち砕かれ、深海島トランティアは守られたのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴