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発狂する教室

#UDCアース #ねらわれた学園

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#UDCアース
#ねらわれた学園


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 ――ねぇ、なんでこんな事になったの?

 西日が差す教室は、今や異界の門と成り果てた。
 ドロリと体中に纏わりつく狂気が、3人の女子高生の肌に突き刺さる。
 渦巻く瘴気の渦の中心から、ガリッガリガリッと引っ掻くような音が聞こえる。

 ――ねぇ、なんで誰も止めなかったの?

 理由は簡単だ。面白そうだったからだ。
 世間の自粛ムードなんて、悪い大人の陰謀だってネットで見た。
 学校が長い間休みになって、世の中がつまんなくて。
 だからウチらが面白いことをして、ネットに上げればバズると思ったから。

 ――ねぇ、なんであんな物が出てくるの?

 胡散臭いネットの情報を見様見真似で執り行った降霊術。
 それが奇跡的に成功した。
 奇跡的に、最悪を引き寄せてしまった。
 渦の中心をこじ開けるように、両手が左右に広がってゆく。
 そこから顔出したのは……。

「やあ。ぼく、コーマス! きみたちみたいなかわいいじょしこうせいによびだされちゃうなんてなんてこううんだだろうぼくはきみたちみたいなかわいいおんなのこがだいすきなんだっておやぼくのあたまがきになるのかいぼくのあたまはだんぼるーせいのきかんしゃさこれにはふかいりゆうがあったりなかったりするんだけどっておーいきいてるのかなきいてないのかななきわめいていたらわからないようるさいからころしちゃおーっと!」

 それを見たら、おしまいだ。

 グリモアが新たな予知を見出した。
 場所はUDCアースの日本、東北地方の工業高校で発生する。
 グリモア猟兵の蛇塚・レモン(蛇神憑きの金色巫女・f05152)は、すぐさま猟兵達を招集して、今回の任務の内容を伝達し始めた。だが、レモンの様子がいつもと違う。
「……今回は、娘のレモンに代わり、この蛇神であるオロチヒメ直々の神託である」
 どうやら、彼女に憑依している蛇神(へびがみ)様が執り仕切るようだ。
「余が出てくるということは、それだけ危険度の高い任務である。……特に今回は精神汚染の危険性が高いUDCが相手ゆえ、心して掛かるのだ」

 蛇神様は事件のあらましを伝達し始めた。
「UDCアースでは昨今、流行り病で学校が休みになっている箇所が未だに存在すると聞く。その休校中の教室に忍び込んだオカルト部の女子高生3名が、電子掲示板の情報通りに降霊術を執り行うのだ。己の承認欲求を満たすために動画を撮影、そして投稿するためにな? だがしかし、偶発的に儀式は成功してしまう。そうなればどうなるか? ……貴様等ならば、容易に想像できるであろう」
 つまり、放っておけば、彼女達は召喚された邪神の最初の生贄になってしまう。
 だが、と蛇神様は言葉を継ぐ。
「今、余が貴様等を現地へ転送すればギリギリ間に合うであろう。とはいえ、学校内の教室の何処か、としか予知では把握できぬ。ゆえに儀式の現場は実際に貴様等が現地で探すことなる」
 高校の教室数はそれなりに数多くある。総当りでは間に合わないだろう。
 なにか手掛かりはないのか?
「現地は既に濃密な瘴気で溢れ返っておるぞ。猟兵ならば、その流れを辿れば自ずと現場へ辿り着けるはずだ。しかし……それは常に危険と隣り合わせであることを忘れるでないぞ?」
 瘴気の濃度が高まるにつれ、怪奇現象が発生しやすいらしい。特に今回は精神面の摩耗・錯乱が出やすいらしい。幻覚・幻聴などに惑わされないよう注意すべきだ。
「猟兵の誰か一人でも儀式を中断できれば成功、と言いたいところであるが、敵も眷属を放って儀式完遂を狙ってくる。だが貴様等なら、邪神の眷属など撫でる程度で事足りるであろう?」
 要は邪神ごと叩き潰せ、と蛇神様は宣っていらっしゃる。
 眷属を倒せば、不完全なまま顕現した邪神との直接対決が待っている。
「肝心の邪神は、精神攻撃に長けた、ダンボール製の機関車頭の男だ。見た目はふざけておるが、常人ならひと目見ただけで発狂するレベルの危険度を持つ一柱である。ゆめゆめ油断するでないぞ」
 蛇神様はグリモアを起動させると、猟兵達をUDCアースの事件現場の高校へ誘う。
「無軌道な子供等の行いを諌めるためにも、まずは命を救わねばならぬ。猟兵等よ、しかと励むが良い」
 彼女の眼には、慈愛の光が宿っていた。


七転 十五起
 UDCアースの新シナリオフレーム、今回の舞台は学校です。
 なぎてんはねおきです。

 蛇神様が案内役を務める場合、かなりヤバいオブリビオンが相手です。
 SAN値の残量は十分でしょうか?
 ダイス判定の結果次第では、プレイング内容に関係なくPCが発狂します。
 ご理解、ご容赦の上、ご参加下さいませ。

●シナリオ概要
 第一章『冒険』です。
 瘴気が渦巻く休校中の工業高校に猟兵の皆様は転送されます。
 皆様は瘴気の濃い方向を辿って、儀式を行っている教室を突き止めて下さい。
 しかし、向かう途中で怪奇現象(幻覚や幻聴、若しくは発狂)に苛まれます。
 過去の辛い記憶や、自身の嫌悪する存在が見えてしまうかもしれません。

 第二章『集団戦』です。
 儀式を阻止された邪神が、儀式の完遂までの時間稼ぎのために眷属を放ちます。
 ただ、眷属達は学校という地の利がありません。
 猟兵達は【戦場が学校であることを活用する】と有利に戦えます。

 第三章『ボス戦』です。
 ダンボール製の機関車頭の男は精神攻撃で猟兵達を苦しめます。
 第一章で消耗しすぎると、戦闘判定が不利になりますのでご注意を。
 この邪神にも【戦場が学校であることを活用する】と有利に戦えます。

 それでは、皆様の狂気に打ち克つプレイングを、お待ちしております!
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第1章 冒険 『UDC召喚阻止』

POW   :    UDCの発生原因となりそうなものを取り除く

SPD   :    校内をくまなく調べ、怪しげな物品や痕跡がないか探す

WIZ   :    生徒達に聞き込みを行い、UDCの出現条件を推理する

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

備傘・剱
しっかし、まぁ
毎度、厄介な奴がでる所だな、UDCは、よ

まずは、瘴気の濃い方向へって事だが…
狂気耐性がある分、多少は耐えられるだろうな
だが、それ以上だと…

出てくるわ出てくるわ、俺に料理されたオブリビオンの成れの果ての姿がよ
うわ、今度は死んだ俺の家族ってか?
親父の無理心中、きつかったからなぁ…

こんなものが見えはじめたら、自分に向かって、八咫導発動
自分の頭をぶん殴れば、多少のきつけにはなるだろうぜ

動けなくなりそうなら、精神を空中浮遊に全振りして、バディロイドに目的地まで引っ張っててもらおう
どれだけ狂気に侵されようが、頭の何処かには、冷静に考えられる場所があるもんだからな

アドリブ、絡み、すきにしてくれ



 備傘・剱(絶路・f01759)が事件現場である高校の下駄箱に転送される。
 その瞬間、ぞくりと背筋が凍り付いたかの如き悪寒に見舞われ、肌に纏わりつく嫌悪感に備傘は顔をしかめた。
「しっかし、まぁ……毎度、厄介な奴がでる所だな、UDCは、よ」
 吐き出すように言葉を口から漏らしあと、土足で校内へ踏み込む。
 歩くたびに、泥のような重い空気が肺を満たし、吐き気がこみ上げてくる。
「まずは、瘴気の濃い方向へって事だが……狂気耐性がある分、多少は耐えられるだろうな」
 自身の勘を頼りに、身の毛のよだつ感覚がする方向へ敢えて向かってゆく備傘。
 最初こそ、その足取りは軽快であった。しかし、徐々に胃の辺りに異変を覚え始め、視界内に漂う黒い塵のようなものを確認するようになってから、まるで彼の身体が、魂が、それ以上進ませまいと拒み始めた。
「こいつは、想像以上にキツいな……」
 ただ歩いているだけなのに、腹の中から湧き上がる不安感と焦燥感。常に誰かに見られているかのような、不気味な気配すら覚える。
「……全身が鉛みたいに重いぜ。俺の生存本能が、これ以上はヤバいって言ってやがる。つまり、こっちが正解だな……」
 だが、唐突に視界がぐらりと揺らぎ始め、思わず備傘は窓ガラスに手を付いた。
 と、その時だった。
 ずぶり、と生暖かい感触が指先から伝わる。それに随分と鉄臭い。
 窓ガラスの感触とは全く違う何かが指先に触れた。
 なんだろう、と微傘は指先へ視線を向ける。
 ……そこには、窓ガラスではなく、山のように積み重なって打ち捨てられたオブリビオンの腐乱死体であった。
「うッ……!」
 視認した瞬間、鼻を突く腐敗臭が微傘を襲い、思わず彼は手を放して腐汁を振り払う。
「……出てくるわ出てくるわ、俺に料理されたオブリビオンの成れの果ての姿がよ。臭っせぇ……!」
 何の変哲もなかった学校の廊下が、いつの間にか腐乱死体が蔓延る地獄と化していた。
「大丈夫だ、これは幻覚だ。俺の深層心理が生み出した幻だ……!」
 自身に言い聞かせる微傘だが、あまりにも現実味を帯びた眼の前の光景や受け取る五感情報は本物のそれ、むしろ本物以上の実感を与えてくる。
 歩くたびに腐肉を踏み潰し、骨を蹴飛ばし、刺激臭を放つ粘液と成り果てたオブリビオンの血を払い除けながら、更に先を急ぐ。
「やべぇ……気持ち悪りぃ……二日酔いなんて可愛く思えちまうくらいに最悪の気分だぜ」
 自分の内臓をまるごとシェイクされているかの如き不快感に苛まれながら、微傘はようやく2階へ辿り着いた。そして、廊下の角を曲がった先に発見した『それ』を見て、思わず胃の中身を外へぶちまけてしまった。
「っぉえぇぇ……!」
 口から溢れる体液を拭うと、目の前のソレを睨みつけた。
「……おいおい、勘弁してくれよ」
 そこには、死後から長い間放置されたと思しき、微傘の家族の遺体が折り重なっていた。腐って変色した肉には蛆が這い回り、羽化した蝿が羽音をけたたましく唸らせながら何匹も飛び回っていた。
「うわ、今度は死んだ俺の家族ってか? 親父の無理心中、きつかったからなぁ……」
 ふと、微傘が“あのとき”を思い返す。

 ――■■■■■
 
 あのとき、父親はなんと言ったんだろうか。
(今、思い返してはいけない)
 記憶に蓋がされたかのように、父親の最期の言葉が思い出せない。
(今、思い返してはいけない)
 あとすこしで、思い出せそうな気がする……。
(今、思い返してはいけない!)

 微傘の意識が朦朧としていた数瞬、彼の目の前の腐乱死体がズリ……ズリ……を這い寄ってくるではないか。
 腐り落ちた眼窩を微傘へ向けて、潰れた声帯で言葉を絞り出した。
「――死んでくれ」
「うおおぉぉ……ッ!」
 これ以上は危険だと、微傘の精神が限界を訴える。
 彼は強力なサイキックエナジーの塊を籠めたガントレットに浮き出た光る三つ巴の刻印による一撃を、自身のこめかみへ向けて放った!
「正しき道、説き示せ、八咫烏! 悔いも、迷いも、汝が示す光の前には塵に等しい! 太陽の路とは汝の事なり! 八咫導(マインド・オブ・リプレイス)!」
 ゴッと鈍い音と激痛が、自身の頭蓋に響く。
「ってぇっ!? ……っと、どうやら目が醒めたようだな」
 微傘がもんどり打って目を開ければ、そこは校内の変哲もない廊下がまっすぐ伸びていた。
「どれだけ狂気に侵されようが、頭の何処かには、冷静に考えられる場所があるもんだからな。よし……身体は動く。八咫導で負の感情を粉砕したのは正解だったようだ」
 ズキズキと痛むこめかみを抑えつつも、微傘ははっきりとした足取りで瘴気の流れを追ってゆく。
「2階じゃないな。もっと上か……。この調子なら、マンドラゴラに俺を引っ張ってもらわなくても済みそうだぜ」
 あまりにも酷い場合は、自身の体を幽霊にように浮遊させ、バディペットである汎用人型ご馳走植物『贅沢根菜パンドラゴラ』初号機に自身の体を牽引してもらおうと考えていた。
 出番がなくなったマンドラゴラが、密かにショックで項垂れていた。
 微傘は手早く2階の捜索を終えると、そのまま3階へ向かっていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

片桐・公明
【SPD】
現れる幻覚は、自らを殺そうとしてくる人々
表れる狂気は、軽度の殺人衝動
さりとて彼女は狂気を握りつぶし、UCによる回避と探索に徹する
そんな様子を、少々不機嫌な彼女を"闇"が嗤う

『相変わらず、遠回りしてんな。』
『幻覚なんて掻き消せばいい。妖刀の一振りで終わるだろう。』
『たまにはいい子ちゃんなんてやめて、狂気にゆだねて見ろよ。』
誘う声に何も答えない代わりに、不機嫌そうに壁を強打する

丁寧な調査ゆえその歩みは遅いものの、一歩一歩確実に終点へ向かっていく

(絡み、アドリブ歓迎です。)



 片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)は滑るように肌に纏わりつく瘴気に身を投じると、すぐさま幻覚症状が出てきてしまう。
「……私の邪魔をしないで」
 教室から姿を表したのは、片桐を殺そうとする集団だ。
 手にはナイフ、鉄パイプ、包丁、スパナなど、様々な凶器を握り締め、今にも飛び掛かって来そうな殺気を向けてくる。
 片桐も自分の心の底から湧き上がる殺人衝動という名の狂気に思考回路が蝕まれてゆく。
「これは幻覚……私は自分の狂気に負けたりしないわ」
 彼女は自身の狂気を握り潰し、殺意を向けてくる幻影達を無視して、校内の探索を開始する。
 探索には片桐のユーベルコード『殺人鬼の最適解』を使用し、襲ってくる幻影の攻撃を回避しつつ痕跡を探す。
「……1階は空振りね。そういえば、この高校は西と東に校舎が分かれているみたい。私が居るのは……東館のようね」
 校舎の案内板を眺めながら、自身の現在地を把握する片桐。
「……瘴気はこっちから流れてきてるわ。はぁ……幻影の攻撃は喰らっても肉体の損傷はないでしょうけど、精神面がどれだけ影響出るか、分からないから厄介よね」
 殺到する幻影達の攻撃を掻い潜りながら、片桐は2階へ移動した。
 2階は更に瘴気の濃度が跳ね上がった。
 幻影達も片桐に言葉を投げかけるようになる。
『死ねぇッ!』
『この殺人鬼が!』
『殺してやるゥ!』
「うるさいわね……幻影の癖してリアリティありすぎ。そらっ! って蹴っ飛ばした実感まであるなんて……はぁ……」
 うんざりしながら丁寧に教室を確認して回る片桐。
 ふと、彼女の背後から、何者かが囁き始めた。
『相変わらず、遠回りしてんな』
 それは“闇”だった。もしくは“病み”なのかもしれない。
『幻覚なんて掻き消せばいい。妖刀の一振りで終わるだろう?』
 片桐はこれを無視した。
 だが、“闇”は執拗に片桐の耳元へ囁いてくる。
『お前だって頭の何処かで分かっているんだろう? 邪魔する幻影なんて、全部斬り捨ててしまえると。たまにはいい子ちゃんなんてやめて、狂気に委ねてみろよ』
(――うるさいって言ってるでしょ!)
 ダンッ!と片桐は無言で、廊下の壁に自分の拳を強かに打ち付けた。
 拳から血が滲むほどの膂力で殴り付ける。
 何度も、何度も、何度も何度も何度も何度も何度も!
 その苛立ちと不機嫌を解消するかのごとく、片桐は息が切れるまで壁を殴り続けた。
「ハァ――ハァ――!」
 両拳が痺れるように痛い。
 手の甲の皮が向け、血が溢れ出している。殴った壁は赤く染まり、壁一面にまだらな赤い模様が描かれた。
「私は……自分の闇を、恐れない……!」
 両親が彼女に教えてくれた言葉がある。

 ――己の闇を恐れよ。されど恐れるな、その力!

 片桐が拠点にしている廃校の黒板にも書かれていた言葉だ。
 かつて両親は、己の異能を恐れ、しかし抑え込んで世界を救ったらしい。
 ならば、その両親の娘である彼女が、己の闇を抑え込めないはずがない。
「私は……負けない!」
 精神汚染と戦いながら、ゆっくりと、しかし着実に終点へと歩み続ける片桐であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

千崎・環
アドリブ、連携歓迎!

犠牲者を出す訳にはいかない!UDCはこの私がぶっ飛ばしてやる!

学校に到着したらとにかくこの事態の大元を探さないと!UDCを召喚してしまった儀式の痕跡を探して歩こう。きっとそこに女子高生達も居るはず!
懐中電灯と盾を携えて意気揚々と前進して片っ端から部屋を探っていくよ!
それにしてもおかしな雰囲気の学校…さっきから誰かに後をつけられてるような…?
そこらにある鏡の中、窓の反射、何か映ったりしてない?
もしかしてUDCは私の傍でずっと私を狙ってる?
不安に駆られたら幻覚に懐中電灯を投げつけて黙らせよう。

儀式の痕跡らしいものを見つけたら蹴倒して破壊してやる!
女子高生を発見したなら保護保護!



 千崎・環(突撃吶喊!・f20067)は猟兵であるとともにUDCアースの警察官である。特殊部署である警視庁特殊事象対策科に所属する千崎にとって、UDCアースの新たな事件を見過ごすわけにはいかない。
「犠牲者を出す訳にはいかない! UDCはこの私がぶっ飛ばしてやる!」
 白い警備用ヘルメットを被り、特殊警棒と暴徒鎮圧用の透明の軽量強化樹脂製ライオットシールドを装備した千崎は、転送直後から猪突猛進で校内を突き進んでゆく。
「とにかくこの事態の大元を探さないと! それにしても、学校ってこんなに薄暗かったかな?」
 日没が近いせいもあるが、校舎内は暗澹たる闇で満たされていた。
 千崎は懐中電灯を取り出し、前方を照らしながら、総当たりで片っ端から教室へ踏み込んでゆく。
「警察だ! おとなしく、ってここも空振りだね……」
 無人の教室ばかりが続く。
 むしろ、人の気配が感じられないのが却って不気味だ。
「急がないと……あまり時間を掛けていられないけど、うーん?」
 千崎は瘴気の濃度は感じられないものの、生来の直感で向かうべき方向をひしひしと感じ取っていた。
「ここはどうやら西館のようだね。嫌な感じが東館から来てるみたい? 一応、西館を調べ終わったら、そっちへ向かってみようかな?」
 館内案内図を確認しつつ、千崎は廊下を猛ダッシュで駆け出してゆく。
 と、その時だった。
 ――タッタッタッタッタッタ……!
 千崎の後ろから誰かが駆け寄ってくる気配がした。
「そこにいるのは誰?」
 とっさに振り向き、懐中電灯で照らしてみるが、その先に人影はなかった。
「あれ……? 誰かいたような? それにしてもおかしな雰囲気の学校……」
 再び、教室を巡るべく駆け足で移動する千崎。
 すると……。
 ――タッタッタッタッタッタ……!
 やはり誰かが後ろから追いかけてきている足音が聞こえる。
「さっきから誰かに後をつけられてるような……?」
 意を決して、千崎は再び振り返った。
「誰!?」
 懐中電灯で振り返った先を照らしてみれば、そこには、棒人間のようなヒト型の何かが、じっと千崎の顔を見詰めているではないか!
「出たな、UDC! 喰らえ!」
 千崎、驚きの悲鳴を上げる前に、持ち前の気合いで恐怖を抑え込み、背後の何かを大盾でぶん殴った!
『会えsrdfぐひ所kp!?』
 言語化不能な声を喚きながら、ヒト型は床の上で溶けていった。
「ふぅ、気持ち悪かった……。って、あれ本当に幻影? 手応えあったよ?」
 リアル過ぎる怪異現象に、千崎は眉間に皺を寄せて困惑してしまう。
「さて、先を急ごう……って、今度は、鏡?」
 気が付けば、千崎は校舎内ではなく、アリスラビリンスを彷彿とさせる鏡の間に佇んでいた。
「これも幻影? なんで私はこんなところに? ひょっとして、UDCは私の傍でずっと私を狙ってる?」
 この場所を突破するべく、盾を構えて周囲を懐中電灯で照らす。
 鏡に乱反射した光が周囲を照らし、千崎の顔を照り付ける。
 その時、ちらりと自身の顔が鏡に写った、のだが。
「今、何か映り込んだ? 私の顔じゃない、何かが……」
 明らかにヒトではない名状しがたきナニカが鏡に映り込んでいた。
 恐る恐る千崎は、その鏡へ近寄ると、そっと鏡面を覗き込んだ。
 ……そこには、全身と顔面から触手の群れが突き出た千崎の姿が映っている!
「う、うわあぁーッ!?」
 これには思わず悲鳴を上げる千崎、手にしていた懐中電灯を力の限り鏡へ叩きつける!
 鏡は一瞬で粉々になって砕けると、いつの間にか周囲は元の学校の廊下へ戻っていた。
「はぁ……はぁ……! あれは、私が肉体に取り込んだ『落とし子』のカケラが成長した姿……? 両目や口から触手が突き出てたのはグロいなぁ……」
 千崎はUDCエージェントとして、自身の体内にUDCを取り込んでいる。
 いつか暴走して、自分の体を蝕むのではないか?
 日々の漠然とした恐怖が、溢れ出している瘴気によって喚起されてしまったのだ。
「おえ……っ! しばらくはタコやイカは食べたくないかも……。って、んん?」
 嗚咽を漏らしていた千崎の視界の端に、人影らしきものが一瞬動いた。
「幻影? いや、あれは違う! 人間だ!」
 千崎は人影を慌てて追いかける。
 懐中電灯で人影を照らせば、確かに、制服を着た少女であった。
「待って! 逃げないで! 私は警察です! こんなところで、あなたは何をしているの?」
「警察……? うそ、助かったの……?」
 少女はその場でへたり込んで放心状態。
 千崎はすぐさま少女を保護し、ひとまず1階の玄関まで戻ってきた。
「もう大丈夫! 危ないから、すぐにここから離れて!」
「婦警さん、お願い……! チサ達を助けて!」
 少女は涙ながらに千崎へ訴える。
 聞けば、彼女もオカルト部所属なのだが、事件を起こした3人……チサ、ヒナコ、リンの儀式を止めるように説得をしていたらしい。だが、3人は少女の制止の言葉を振り切り、儀式を断行。その結果、異変に気付いたチサがSNSで彼女に助けを求め、慌てて儀式を執り行っている教室へ向かう最中だったそうだ。
「でも、目の前にたくさんの虫が出てきて、私の身体を這いずり回って……!」
「大丈夫よ! それは幻覚だから! あとは私に任せて!」
「婦警さん、お願いします……! チサ達のいる教室は……」
 千崎は儀式の場所を少女から聞き出すと、一目散に現場へ急行した。
「警視庁特殊事象対策科、応答願います! 此方、千崎。UDC事件で要救助者を発見! 直ちに応援を要請します! 尚、本官はこのまま事件の鎮圧に向かいます!」
 パトカーの無線で少女の保護を呼び掛けた後、再度装備を整えた千崎は、東館へ突入してゆくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

神代・凶津
おいおい、明らかに何時も以上にヤバい空気をビンビン感じるぜ。
その巫女服には狂気耐性などの霊的防御が付加されているとはいえ気を引き締めて行け、相棒。
「・・・分かってます。気を付けて、ですが急いで助けに行きましょう。」

第六感を研ぎ澄まして瘴気の大元を探って進むぜ。
幻覚・幻聴に惑わされるなよ、相棒。
自分の感覚を信じて進め。
『退魔の鈴』を鳴らしながら進めば、ある程度はこの瘴気の中で発生する怪異を祓えるか?


【技能・狂気耐性、第六感、徐霊、浄化】
【アドリブ歓迎】



 瘴気に満ちた校舎内に、朱い鬼面を被った巫女の少女が闊歩する。
 シャンシャンと退魔の鈴を鳴らしながら、場を清めるようにゆっくりと、しかし着実に目的地へ進んでゆく。
 仮面の名は神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)、鬼面のヒーローマスクだ。
 凶津を装着する巫女の少女の名は神代・桜。
 長い黒髪をなびかせ、まるで御神楽を舞うかのごとく、周囲の瘴気を中和してゆく。
「思った通りだぜ! 『退魔の鈴』を鳴らしながら進めば、ある程度はこの瘴気の中で発生する怪異を祓えるなッ!」
「凶津、ありがとう……偶には役立つ事も言うんですね」
「おうよ、相棒ッ! って、いつも、の間違いだろッ!?」
 そんなやり取りを行いつつ、彼らは薄暗い校舎内を探索してゆく。
「おいおい、ソッチは明らかに何時も以上にヤバい空気をビンビン感じるぜ。どうやら本命のようだな?」
 凶津には汚泥のような瘴気の流れがはっきりと感じ取れている。
 桜もまた、巫女としての神性をもって、邪悪な気配を感じ取っていた。
「その巫女服には狂気耐性などの霊的防御が付加されているとはいえ、気を引き締めて行け、相棒」
「分かってます。気を付けて、ですが急いで助けに行きましょう」
 しゃんしゃんと鈴を鳴らすと、肌に纏わりつく不快な空気が消え失せてゆく。
 瘴気の濃度が一層濃くなったことにより、肉体の倦怠感が引き起こされているのだ。
「幻覚・幻聴に惑わされるなよ、相棒。自分の感覚を信じて進め。俺も気張って瘴気を相棒から守ってやるぜ」
「そうしてくれると助かります……」
 桜は肉体が重くなる方へ歩みを進めてゆく。
 一歩一歩が徐々に鈍く、重くなり、次第に足を上げる事も躊躇うようになる。
「思っていた以上に……濃密な瘴気……!」
「日没間近とかそんなんじゃねェ……! 瘴気がこの校舎内の闇を作り出していやがる……ッ!」
 もはや鈴だけでは限界だ。
「こうなったら……相棒、ヤタを使うか?」
「そうですね……霊光で周囲を照らしてもらいましょう」
 桜は霊符を1枚、虚空へ放り投げた。
 すると、霊符はたちまち三本足のカラスの式神へと早変わり。その身から霊光が溢れ出し、闇とともに瘴気に潜む怪異共を追い払っていった。
「ヤタと鈴の音があれば、しばらくは相棒の精神も保たれるだろうよ?」
「ええ……でも、急ぎましょう」
 全身から汗が吹き出す桜。そして凄まじい悪寒。
 怪異をかなり払い除けたとはいえど、彼女に掛かる精神負担は甚大である。
 故に、彼らは身体が動かなくなる前に、儀式が執り行われている教室へアタリを付けて向かってゆくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

鹿村・トーゴ
SPD
瘴気の濃い方向…こう本能的にイヤだな、行きたくない方に進んでく感じか…【野生の勘/情報収集/追跡】
発狂する事も、って話だから気を締めないと
あれ、おかしいな?と感じたら自制可能な程度の頃にクナイで腕か膝を傷付けなるべく正気を保ち後の行動は【激痛耐性】活用
・好きな子ミサキを手に掛けた事がトラウマ
実際は悪神に憑かれた事を嘆いてオレに討伐されるの受け入れてくれたけど
あの時許されてなかったら?
悪神と同化してオレとやり合いになってたら?
オレが殺されてたならまだ良い…
あの時の様に一刺しで終わらずミサキをズタズタにしてしまっていたら?
動揺が振り切ると動けないか淡々と殺戮に従事してしまいそうだ

アドリブ可



 羅刹の鹿村・トーゴ(鄙村の外忍・f14519)も、瘴気が満ちる校舎内で捜索に当たっていた。
「儀式の場所は瘴気の濃い方向……こう、本能的にイヤだな、行きたくない方に進んでく感じか……」
 胃の奥がギュッと掴まれるような不快感に苛まれつつも、必死に堪えて先を急ぐ。
「グリモア猟兵の話じゃ、下手すると発狂する事も、って話だから気を締めないと」
 込み上げる吐き気が、鹿村の行く先を導いてくれる。
 空気を吸う度に、まるで腐った汚泥を飲み込むかのような感覚に見舞われ、その都度で彼は嗚咽を漏らしてしまう。
「うぷ……っ! だいぶ瘴気が濃くなってきやがったな。なんだか空気がねっとりしてねーか?」
 前に進むために、手で空気を掻き分けないと足が進まない。
 そんな錯覚に襲われる鹿村。
 徐々に正気度が削られている証拠だ。
「ハァ……ハァ……。オレの身体、こんなに重たかったか?」
 指先ひとつ動かすのも苦しくなる。一歩を出す労力が、普段の数百倍必要だ。
 それでも鹿村は懸命に前を向き、足を動かす。
 ふと、目の前の教室を覗き込んでみた。
「もしかしてここか?」
 だが、教室の中は、驚くべき光景が広がっていた。

 ――そこは一面の菜の花畑。
 ――少女と相対するのは、鬼気迫る険しい表情で苦無を握る鹿村自身であった。

(なんだ、この光景は? オレは過去の出来事を幻視しているのか?)
 鹿村は2人の動向を固唾を呑んで注視する。
 結果は知っているはずなのに、どうしても目を背けることが出来ない。
「トーゴ……」
 少女は物悲しい表情で、過去の鹿村を見詰めていた。
 そして、持っていた苦無を地面に投げ捨て、両手を広げてみせたのだ。
「いいよ。そうすることで、全てが救われるのなら……」
 一筋の涙が、少女の頬を伝う。
「せめて、一撃で殺してね?」
「ぅ、うぅ……嗚呼ァァーッ!!」
 過去の鹿村が苦無を振りかざす!
(止めろ! 止めてくれ!)
 言葉を発して制止を試みる鹿村。
 だが言葉どころか身体が全く前へ出ていけない。
 次の瞬間、過去の鹿村が振るった苦無の切先が、少女の首を深々と掻っ切り、生暖かい血潮で菜の花の花弁を真っ赤に染め上げてしまった。
 鹿村はその場で膝から崩れ落ちる。
「かは……っ! ぉえ……っ! ぁぁ……っ!」
 我慢できなかった。
 何度も何度も、頭の中で思い返して見てきた光景なのに、鹿村は多大な喪失感に打ちのめされてしまう。
「は、はは……。情けねーや……。オレ、未だに引きずってんだな、ミサキのこと……」
 鹿村は、幼馴染の少女ことミサキを自らの手に掛けた。
 それは里の命令であった。忍びなら命令は絶対だった。
 だが、ミサキは別の理由で、自らの死を受け入れた。
「ミサキは……自分が悪神に憑かれた事を嘆いて、討伐されるの受け入れてくれた……」
 あのときのミサキは、正常な状態ではなかったのだ。
 悪神に精神を蝕まれ、いずれ心身ともに同化するであろうミサキは、全てを終わらせるために殺されることを許したのだ。
「でも、あのとき、もしも許されてなかったら? そのまま、オレは悪神と同化したミサキと殺し合っていたら?」
 鹿村は想像する。
 あの日の、もうひとつの選択肢の行く末を。
 教室の中の景色が巻き戻る。
 今度は、ミサキが首を横に振っていた。
「ごめんね。トーゴが相手でも、殺されるわけにはいかないから」
「ミサキ……! でも、このままじゃ……!」
「トーゴ、さようなら……」
 ミサキの身体に禍々しい呪紋が浮かび上がる。悪神との完全同化が完了したのだ。
 そのまま鹿村の心臓目掛け、鋭く伸びた爪先を突き立てる!
 過去の鹿村は苦無でそれを弾き、距離を取ろうとする。
「ミサキ! 止めろ! オレは、やっぱり……!」
「グルルルルゥ……!」
 肉薄したミサキの腕が横薙ぎに振るわれ、爪撃が鹿村の首の生皮を掠めてゆく。
(そのまま俺が殺されるのならまだいい……。だが、死闘の果てに、あの時の様に一刺しで終わらず、オレがミサキをズタズタにしてしまっていたら?)
 目の前の幻影に変化が起きる。
 そこには、血みどろになって切り刻まれたミサキが横たわっていた。
「……っ!?」
 鹿村は、とっさに苦無を自分の腕に突き刺した!
 痛覚が彼の脳神経を刺激し、目の前を白黒に明滅させる。
 瞬間、ミサキの遺体は霞のように消失していき、元のがらんどうの教室の光景に戻った。
「……危なかった。痛みで気付けをしなかったら、動揺しすぎて動けなくなるか、そのまま淡々と殺戮に従事してしまいそうだ」
 肺に入った瘴気に咽せこみながら、鹿村は頭を振って先を急ぐことにした。

成功 🔵​🔵​🔴​

琥珀川・れに
慎重に事を進めないといけない。
が、お嬢さんの為なら多少無理をしてでも急いで行がねば。

僕の過去のトラウマ…
実家の吸血鬼城ではいつも人間が含まれた料理を出されたことだろうか。
口に合わず吐くので、人間の母が後でこっそり別の食事を出してくれたが
今は僕の元にいる吸血鬼のオブリビオンの部下に裏切られるとか。

UC【クィニティエンハンス】は【闇の魔力】で自身の剣を強化する。
周りの瘴気を闇ととらえるなら、
多少の狂気はUDC仕込みのグールドライバーの僕には力となる。

うまく見つけられた場合お嬢さんの前だ、【威厳】を保っていこう。



 琥珀川・れに(男装の麗少女 レニー・f00693)は、尋常ではない雰囲気の校舎内の空気を直に肌で感じとっていた。
「慎重に事を進めないといけない。が、お嬢さんの為なら多少無理をしてでも急いで行がねば」
 ダンピールである琥珀川は、瘴気の流れを目で追うように確かめると、自身に影響が出る前に行動に移した。
「どうやら、この館の最上階の突き当りが現場だろう。視聴覚室……儀式はそこだ」
 瘴気の流れをいち早く読み取った琥珀川は、迷いなく東館最上階の視聴覚室へ向かってゆく。
 だが、次第に琥珀川の身体を瘴気が蝕んでゆく。
「くっ……凄まじい圧を感じる……。身体が、この奥へ向かうことを本能的に拒否しているのか」
 だが、それを無理矢理に捻じ曲げ、なんとか足を前へ運ぶ琥珀川。
 と、その時、けたたましい羽音を立てながら、黒光りする昆虫が琥珀川の顔へ突撃してきた!
「うわあぁっ!?」
 生理的に嫌悪させる害虫の出現に、思わず琥珀川は声を上げてしまう。
 しかし、目の前まで来た害虫は、忽然と姿を消してしまった。
「幻覚か? 生理的嫌悪感が形になって、瘴気で喚起されたのか?」
 胸を撫で下ろす琥珀川だったが、不意に奥歯にガリッとした違和感を覚えた。
 まさか、と思って彼女は口の中のものをすぐさま吐き出した。
 よもや先程の害虫か、と思い、琥珀川が自分が吐き出したものをしげしげと見詰めた。

 ――それは、人間の指だった。

「ぅぐっ!?」
 違う意味で身の毛がよだつ琥珀川。
 この瞬間、彼女は昔の記憶を蘇らせた。
「僕がまだ実家で暮らしていた頃は、いつも人間が含まれた料理を出されていた……」
 琥珀川はダンピール、つまり吸血鬼と人間のハーフだ。
 父親は純血の吸血鬼であり、城主であった。
 彼女は病弱で、それ故に風習も相まって、姫ではなく王子として育てられた。
 その際、精が付く料理を出すべく、吸血鬼の父親は人間を狩って“愛息子”に食べさせていた。
 だが、琥珀川はそれを酷く嫌がっていた。
 到底口に合わず、父親の見ていないところで胃の中身を吐いていた。
 不憫に思った彼女の母親は、人間用の食事をこっそり用意してくれたのだ。
「それが幻覚として出てくるなんてね……」
 口の中を隈なく確認した琥珀川が、吐き出した指を足蹴にして脇へ払った。
 すると、その指がどんどん膨張してゆき、やがてヒト型を象った。
「お前達は……!」
 琥珀川は、具現化したヒト型に見覚えがあった。
 それは自分の元にいる配下の吸血鬼達であった。
「殺せ! 母親もろとも娘も殺せ!」
 突如、配下達は謀反を起こし、琥珀川を見るやいなや襲い掛かってきたではないか!
「まったく、酷い幻覚だね。でも僕も無抵抗のままってわけじゃないんだ」
 自分の鮮血を代償に、体内に埋め込まれたグールドライバーを起動させる琥珀川。
「これで君とダンスを踊ろう。一曲付き合ってくれるかい?」
 突如、琥珀川のドライバーに炎・氷・水・雷・風の魔力が一度に集結してゆく。
 そして、細身の魔法剣『エペ ド ルーン』の剣身に、闇の魔力が注ぎ込まれた。
「思ったとおりだ。ここは闇の魔力に満ち溢れている。漂う瘴気が、今や僕の魔力の源だ」
 ユーベルコード『クィニティ・エンハンス』を発動させた琥珀川は、自身の周囲の瘴気を闇の魔力に変換させて自己強化を図るとともに、精神を蝕む瘴気を減少させてみせたのだ。
 これにより、琥珀川は足取り軽く幻影達の攻撃を回避すると、反撃で魔法剣を振りかざせば、一瞬で幻影を斬り捨ててしまった。
「終わってみれば他愛もない。それでは、目的の教室へ突入しよう」
 窮地に陥っている女性を救うべく、琥珀川は威厳を保ったまま、胸を張って視聴覚室の扉を引いた。
「待たせたね、3人とも、僕が来たからにはもう大丈夫だ!」
 琥珀川は、すぐさま祭壇と思しき教卓に体当たりをぶちかまし、上に乗っかるドクロやら豚の頭やら突き崩してみせた。
 すると、空間に響く不快な引っ掻き音が、更に強まってゆく!
『うわあああでれないよせまいよだしてよー!』
 邪神は空間に生じた黒い小さな隙間から手だけを伸ばしていた。
 どうやら、祭壇を破壊したことで、次元の隙間が中途半端に開いたままになったようだ。
 琥珀川は喚く邪神の声を無視しながら、恐慌状態のオカルト部3名を抱えるように断たせて教室の外へ連れ出した。
「もう大丈夫だよ。後ろは振り返らず、そのまま下の玄関まで走ってゆくんだ。あとはサングラスと黒服を着込んだ人が君達を保護してくれるはずだ」
「あ、ありがとうございます!」
「やだ、イケメン……!」
「ねぇ早く逃げよう!?」
 女子高生3人は憔悴しきった顔のまま、1階の玄関目指して駆け出していった。
「さて、と……」
 視聴覚室に響く、空間を引っ掻き続ける音の発生源に、琥珀川はどうしたものかとしばし考え込むのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『写本・魂喰らいの魔導書』

POW   :    其方の魂を喰らってやろう
【複製された古代の魔術師】の霊を召喚する。これは【触れた者の絶望の記憶を呼び起こす影】や【見た者の精神を揺さぶる揺らめく光】で攻撃する能力を持つ。
SPD   :    その喉で鳴いてみせよ
【思わず絶叫をせずにはいられないような幻覚】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    魂の味、これぞ愉悦
自身の肉体を【触れる者の魂を吸い脱力させる黒い粘液】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 がりがりがりがりがりがりがりがりがりがりがりがりがりがりがりがりがり!

「ひどいよひどいよりょーへーはなんてひどいんだ! これじゃぼくがでられないじゃないかせまいよくるるしいよつらいよ!」

 邪神がもがき苦しんでいる。
 だが、徐々に穴のサイズが大きくなっているではないか!

「でもでもじかんをかければあなをおおきくできるぞよーしおまえたちはじかんかせぎをしてこーい!」

 邪神が穴から放り出したのは、真っ黒な魔導書。
 それも一冊だけではなく、大量に、これでもかと穴から放り投げてくる。
 その魔導書の一つ一つから影が伸び、やがてヒトガタになってゆく。

「主の命、しかと承った。我ら写本・魂喰らいの魔導書が、お前達猟兵の相手をしよう。主が降臨する儀式を完遂するまでの時間稼ぎをさせてもらうぞ」

 広い視聴覚室には、机や映写機などの設備が揃っている。
 通路は限られており、上手く誘導すれば挟撃できそうだ。
 映写機も上手く使えるかもしれない。
 とにかく、敵は呼び出されたばかりで、学校という地の利を活かしきれない。
 猟兵達達は【学校という地形をうまく活用する】ことで、敵を翻弄してほしい。
 素早く倒せば、邪神が完全体になる前に引きずり出せるだろう!
神代・凶津
どうやら邪神が完全になる前に間に合ったようだな。
が、まずは周りの奴らををどうにかしねえといけねえか、相棒。
「・・・速やかに祓います。」

影法師共がうじゃうじゃと。
どうやら余り近付かない方が良さそうだぜ。
なら【破邪・霊光弓】の出番だなッ!
遠距離から破魔の霊光を纏った矢を叩き込んでやろうぜッ!

視聴覚室にある机を遮蔽物にして身を隠しながら、式神【ヤタ】を操って敵を撹乱しつつ有利な場所を確保して、破魔矢の弾幕を敵が召喚した雑魚共々浴びせてやる。
ヤタや破魔矢の光は影法師野郎共にはキツいだろッ!

さっさと片付けて邪神を引き摺りだしてやるッ!


【技能・破魔、スナイパー、式神使い、弾幕】
【アドリブ歓迎】


備傘・剱
なんだ?
呼び出された奴の方が理性的じゃねぇか
あんな奴に呼び出されるとは、運がねぇなぁ…

って事で、さっさと退場してもらうぞ
青龍撃、発動!
衝撃波、誘導弾、呪殺弾、ブレス攻撃に頭の上の一足りないのダイス攻撃の弾幕に、高速移動と爪による斬撃で引き裂いてくれるわ

こういった処は行動範囲が限定されてるからな
こうやって、避ける空間を削って無くしてやれば、自然と消滅していくってもんだ

邪神に召喚されてなきゃ、もう少しゆっくりと相手してやりたかったが、運がなかったな
躯の海で、皆纏めて反省会でも開いてくれや
邪神もすぐにお前らと同じ所に叩き込んでやるからよ
もうちょい深い所に叩き込んだ方がいいか?

アドリブ、好きにしてくれ



 総勢100人は入れそうなほど広い視聴覚室という空間は、今や黒い穴が空間に開いていた。
 その亜空間の穴から放り出された魔導書の数々。
 それらのひとつひとつが黒い人影を象り、猟兵達へ襲い掛かる。
「どうやら邪神が完全になる前に間に合ったようだな」
 鬼面のヒーローマスクの神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)と装着者であり相棒の神代・桜は、視聴覚室という限定された空間で破魔弓を手に取った。
「だが、まずは周りの奴らををどうにかしねえといけねえか、相棒。うじゃうじゃと居やがるぜ、あまり近付くなよ?」
「……速やかに祓います」
 桜は凶津を被ると、2人の猟兵パワーが相乗効果で高まってゆく。
 その傍らでは、備傘・剱(絶路・f01759)が背骨に仕込まれた火災発生時の緊急モジュールを介して空気中の水分を凝縮し形成した青龍の爪と牙を腕に纏う。
「なんだ? 呼び出された奴の方が理性的じゃねぇか。あんな奴に呼び出されるとは、運がねぇなぁ……」
 召喚者である邪神は完全に狂っている。
 そんな狂神へ忠誠を誓う魔導書達に、備傘は憐憫の眼差しを向けていた。
 しかし、彼の身体が瞬時に影人の懐まで肉薄すると、牙から放たれる高圧の水弾を至近距離から発射した。
「って事で、さっさと退場してもらうぞ! 青龍撃(バレットスピーディング)!」
「アガッ!?」
 魔導師型の影が水圧で弾け跳び、足元に転がっていた魔導書を粉砕してみせた。
「天よ、祝え! 青龍、ここに降臨せり! 踊り奏でよ、爪牙、嵐の如く!」
 視聴覚室に並ぶ机の上を高速移動し、魔導書達を翻弄してゆく備傘。
 振り返った先には、神代コンビがいた。
「援護射撃を頼むぜ、巫女さん!」
「……承知しました。退魔師の奥義がひとつ、御見せします」
「おうッ! 遠距離から破魔の霊光を纏った矢を叩き込んでやろうぜッ!」
 机に身を隠しながら、桜は矢を番えて弦を引き絞る。
 矢じりが桜色の霊力光で輝く!
「……破邪・霊光弓!」
「全力全開だぜッ!」
 放たれた破魔の矢は、まるで空爆の如く魔導書を纏めて討ち滅ぼす。
 文字通り、影も形もなくなるほどの威力。ユーベルコードによって、元の威力の3倍に高められているからこそ出来る芸当だ。しかも限られた空間内での射撃は、敵味方ともに逃げ場がないため、一射で纏まった数に攻撃が可能だ。
「見たか、影法師野郎共ッ! 威力だけじゃなく、破魔の力も射程も3倍だぜッ!」
「……凶津、なにか来ます」
 勝ち誇る凶津へ、桜が警戒を促す。
 魔導書達が一斉に詠唱を始めたではないか!
「これぞ主の権能の片鱗……! その喉で鳴いてみせよ」
 魔導書から魔力が発散された瞬間、視聴覚室がぐにゃりと渦を巻きながら歪んでゆく。
「これは、また幻覚か?」
 備傘は踏み付けた机が死体の山に変わってゆく過程に眉をひそめる。
「だが、もうこっちはおかわりなんて望んでねぇよ。さっさとくたばれ」
 青龍の爪を振るうと真空波が巻き起こり、本体である魔導書が瞬時にシュレッダーに掛けられたかの如く細かく裁断されていった!
 そしてすぐさま幻覚が解除された机に身を潜め、中腰で素早く移動しながら再び敵の死角から攻撃し続ける。
「こういった処は行動範囲が限定されてるからな。こうやって、避ける空間を削って無くしてやれば、自然と消滅していくってもんだ」
 回避しようとする影を予測して爪を振るえば、面白いほどに紙片が舞い散る。
 一方、神代コンビは、式神【ヤタ】を操って霊光を浴びせていた。
「ヤタや破魔矢の光は影法師野郎共にはキツいだろッ!」
 凶津の狙い通り、神気を帯びた清浄なる光をもたらす三本足のカラスが闇を切り裂き、あらゆる幻覚を打破していった。
 更に、破魔矢の弾幕で容赦なく幻影を狙えば、敵の本体である魔導書ごと撃ち抜いて敵影の数を減らしてゆく。
「どうだ! 呼び出した雑魚の幻影なんざ、俺達には通用しねえぜッ!」
「……この勢いで全て祓います」
「その調子だぜ、相棒ッ! さっさと片付けて邪神を引き摺りだしてやるッ!」
 机や機材といった遮蔽物を活用して攻撃する神代コンビと備傘に、慣れない場所での戦闘を強いられる魔導書達は徐々に数を減らしてゆく。
「邪神に召喚されてなきゃ、もう少しゆっくりと相手してやりたかったが、運がなかったな。骸の海で、皆纏めて反省会でも開いてくれや」
 最後の一冊を斬り裂いた備傘は、空間に浮かぶ黒い穴へ向かって告げた。
「そこの邪神も、すぐに奴らと同じ所に叩き込んでやるからよ。もうちょい深い所に叩き込んだ方がいいか?」
 備傘の言葉に、狂える邪神は思わず喚き散らす。
「まだだよまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだ!」
 穴から視聴覚室へ再び放り込まれる魔導書の数々!
 先程の魔導書達は第一波だったようだ。
 第二波に対抗するべく、後から駆け付けた猟兵達へ神代コンビと備傘は託したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鹿村・トーゴ
へー?忠実で律儀な連中じゃん

さっきはうっかり腑抜けになるとこだった…今のオレにあれ以上酷い光景は無いもんな
また幻惑されないように…ミサキ、悪りぃが加勢頼むよ?
気合を入れ気の強いミサキを幽鬼として降ろしUCで強化
代償の毒痛は激痛耐性で凌ぐ


【念動力】で机やスピーカーを敵目前に積み上げ視線・移動を妨害
【忍び足/地形の利用】でそれを足場に接近し【ロープワーク/罠使い】で周囲に縄を張り暗幕も巻き込む
敵付近で積んだ机等を蹴り落としロープで手繰って暗幕も被せ動きと視界を一時的でも封じクナイを【暗殺/串刺し】
強化した膂力で踏み抜き反動で離れる際と敵UCへの反撃に【カウンター】手裏剣数枚【投擲】突刺す

アドリブ可



 鹿村・トーゴ(鄙村の外忍・f14519)は、目の前に出現した場同士型の影法師の言動に、ほんの少しだけシンパシーを覚えた。
「へー? 忠実で律儀な連中じゃん。駒としてはこれ以上ないくらい最適だよな。上が無能ってことを除けばだけど」
「主の冒涜は許さん! お前も幻影で精神を蝕まれろ!」
 影法師は一斉に魔導書を開くと、鹿村の精神を蝕む呪文を唱え始めた。
 すると、再び鹿村の目の前に、殺したはずのミサキが出現する。
 だが、彼にとっては二度目の幻影だ。
 もう惑わされない。
「さっきはうっかり腑抜けになるとこだった……。今のオレにあれ以上酷い光景は無いもんな」
 独り言ちたあと、幻影のミサキへ鹿村は手を伸ばした。
「また幻惑されないように……ミサキ、悪りぃが加勢頼むよ?」
 ミサキの幻影が鹿村の手を取ると、嬉しそうに無言で微笑んでみせた。
 途端、ミサキの姿が悪鬼のそれへと変わってゆく。
 鹿村は変貌したミサキを自身に憑依させて超強化を図る。
 ユーベルコード『降魔化身法』は、妖怪・悪鬼・幽鬼を宿して強化する一方、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受けるのだ。
 ミサキの幻影は、だった1人で妖怪・悪鬼・幽鬼の全てに該当しており、その強化の伸びしろも凄まじい反面、代償も凄まじかった。ミサキの霊はまるで、鹿村の首を絞めるかのようにきつく抱擁しており、それは猛毒として鹿村を苦しめてゆく。彼女の表情は愛おしさに満ちていた。
「ぅぐ……っ!? お、おいおい、そんなに熱烈な……愛情表現は聞いてねぇよ」
 鹿村の全身に羅刹紋が浮かび上がる。普段から羅刹紋は浮かび上がっている鹿村だが、更に多くの紋様が全身に浮かび出してきた。全身を駆け巡る毒痛に抗うべく、同時にユーベルコードで強化された身体能力の昂りに適応するべく、彼の羅刹紋が普段よりも赤く赤く、そして数多く顕現する。
「……行くぞ。一緒に戦ってくれ、ミサキ?」
 解毒剤を奥歯で噛んだ鹿村は、禍々しい紋様を浮かび上がらせたまま、左手を視聴覚室の一室へ向けてかざした。
 すると、念動力で机や機材類が意思を持ったかのように空中で踊り始め、影法師に次々と激突してダメージを与える。
 更に、それらは次第に積み上げられてゆくと、簡易トーチカとして目の前の出現!
 鹿村はトーチカを影法師の移動を制限するように次々と念動力で積み上げてゆきつつ、自身はトーチカの上から上へと飛び跳ね、隠し持っていた荒縄をトーチカの上部にくくりつけてゆく。
 そのままカーテンとして掛かっていた暗幕を鹿村は強引に剥ぎ取ると、縄とトーチカで囲まれた影法師の頭上に向かって覆い被せる!
 これにより、影法師達は混乱に陥ってしまう。
「なにっ!? 視界が塞がれただとっ?」
「慌てるな! たかだか目隠しだ! 何も怖く、ガハッ!」
「どうしたっ? 何がアァーッ!?」
 暗幕の中で阿鼻叫喚の影法師達。
 それもそのはず、鹿村がトーチカを蹴り崩して影法師達を下敷きにしているのだ。
 机と機材に押し潰された影法師達は、一時的だが実体化を保てなくなってしまい、魔導書へと逃げ込んでゆく。本になってしまえば、狭い隙間もすり抜けて暗幕から脱出できるからだ。
 しかし、そこへ鹿村の放つ手裏剣の雨が待ち構えていた!
「それを待ち侘びていたよ。そこだ!」
 鹿村は暗幕から飛び出してきた魔導書一冊一冊を穿つ苦無と手裏剣!
「「ぎゃああっ!?」」
 本体を破壊された影法師達は、あっけなく骸の海へと沈んでいってしまった。
 トドメに、鹿村は暗幕の上から苦無をめった刺し!
 魔導書の気配を強化された五感で察知できる事に驚きつつ、鹿村は単独で第二波の敵勢を打ち破ってみせた。
「これ、普通の降魔化身法よりも、ミサキを身体に下ろしたほうが強くねぇか……? モテる男はつれーよな」
 自身の新たな可能性に気付く鹿村は、続く第三波の魔導書の軍勢に対して身構えたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

千崎・環
アドリブ、連携歓迎!

敵!?しかも数が多い…!
本体が本なら、それさえ壊せば倒せるはず!
体勢を低くして机の影を移動しながら奴らの攻撃を躱していこう!奴らに見つからなければこっちのものだよ!チビで良かっ…良くない!
落ちている本を探して壊していこう!

敵との戦闘では懐中電灯を威力最大で照射しながら突っ込んで突破するよ!
幽霊ごときに負けるもんか!
幻覚を受けたならまやかしに釣られてふらふらとするものの気合いで突破だあ!
絶叫しながら幻覚に拳銃を乱射して魔導書に取り付いたら、弾の切れた拳銃と拳で魔導書が壊れるまで狂ったみたいに殴り続けてやる!


琥珀川・れに
邪心使いの荒い主がいると、使い魔は苦労するね。
僕のもとに来るかい?なんてね、君と一緒にいるとまた嫌なことを思い出す。
城での食事の記憶…存命の母…
その記憶はさっき見たよ。
その地点はすでに乗り越えた。

【逃げ足】からの【誘惑】で廊下に誘い込もう。
…うーん、狭い廊下だね。

UC【首落とす小指の赤漸糸】
僕の小指から垂れた血の糸、どこにつながってると思う?
教室って扉が多いよね。前の扉から入った糸は後ろの扉から君を狙う。

君の背中から【串刺し】だ!


片桐・公明
【POW】
妖刀を装備しUCで回避と接近攻撃を行う。
回避は相手の攻撃に対して余裕をもって行い
無理に攻撃はしない
移動の際には場を意識して三次元的に行動することで相手を撹乱する

淡々と、無表情無言で戦闘を行う
しかしよく見るとわずかに口角が上がっているがすぐ無表情に戻る
(絡み、アドリブ歓迎です。)



 現場に駆け付けた千崎・環(突撃吶喊!・f20067)は、視聴覚室内の異変を目の当たりにして驚愕する。
「敵!? しかも数が多い……!」
「やあ、勇敢で可愛らしいお嬢さん? よろしければ僕が加勢しましょうか?」
 そこへ、琥珀川・れに(男装の麗少女 レニー・f00693)が声を掛けてきた。
 一番最初に現場に到着していた琥珀川は、目立ちはしないものの、今まで魔導書の軍勢を抑え込み続けてきたのだ。
 琥珀川は手短に自己紹介を済ませた後、千崎に手を差し伸べた。
「数には数で対抗したい。お嬢さんさえよければ、即席のチームを組みませんか?」
「チーム? れにさんの他にも猟兵が居るってこと?」
「僕のことは気軽にレニーって呼んで下さい。そして、その質問の答えは、あちらに」
 琥珀川が視線を逸した先に、片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)が妖刀『血吸』で黒い魔術師の霊の群れを辻斬りしながら剣舞に明け暮れていた。
「レニーちゃん? 口説いてばっかいないで、そろそろ私のほうも援護してほしいのだけ、ど!」
「ぎゃああっ!」
 また一体、黒い魔術師の霊を魔導書ごと斬り裂いた片桐。
 彼女もまた、琥珀川に口説かれて共闘する猟兵である。
「本当、数だけは多いのね」
 独りごちる片桐は、文字通り湧いて出てくる魔導書の山から出現する黒い影のような魔導師の霊の群れを目の前に、淡々と剣を振るってゆく。
 魔導師達も数を活かし、なんとか片桐の精神を蝕もうと接触を試みる。
「取り囲め! 数では此方が有利だ!」
「猟兵と言えども、精神への攻撃は耐えられまい!」
「さあ、お前の魂を喰らってやろう!」
 魔術師達は、絶望の記憶を呼び起こす影や見た者の精神を揺さぶる揺らめく光を片桐へ放った。
 だが、片桐はノールックで机の影に飛び込んだかと思えば、身体のバネを利用して手近な魔導書に向かって跳躍!
 柔軟な筋肉がしなり、妖刀を持つ手に力が入る!
(強さと美しさの両立。それこそ諸葛流舞闘術の真髄よ)
 ユーベルコードにまで到達した片桐の諸葛流舞闘術が、圧倒的手数で魔術師達を斬り伏せていく。彼女の母が創始の武術体型『剛柔の武術』と舞踊の融合、それは苛烈な攻撃力を誇り、芸術的美しさで見るものを圧倒する。
 それ以降、片桐は終始無言で剣舞を披露し続け、視聴覚室内の魔導書を抑え込み続ける。
 次第に、無表情の中にも、わずかに口角が上がっている、かにも見えた。
「あの人ばかりに任せてられないね! 正義は必ず勝ぁつ!」
 千崎はそのまま暴徒鎮圧用の透明の大盾で突撃、ではなく、視聴覚室の机に身を潜ませながら、こっそりとちょこまか移動し始めた。
 尚、大盾は教室の外に立てかけておいた。
(本体が本なら、それさえ壊せば倒せるはず! 体勢を低くして机の影を移動しながら、落ちているはずの奴らの本体を捜してゆこう!)
 ハイド&シーク、そしてデストロイ!
 影の魔導師達を相手取るのではなく、本体を直接狙う作戦だ。
 小柄な千崎は、机の影にすっぽり隠れてしまうため、片桐の対応に夢中になっている敵は彼女の存在に気が付いていない。
(奴らに見つからなければこっちのものだよ! チビで良かっ……良くない!)
 自身のコンプレックスを自らでツッコミを入れつつ、早速、落ちている魔導書を引き裂かんと両手に持った、その時だった。
「ぅうッ!? 頭が……じくじく痛む……!」
 千崎は激しい頭痛に襲われ、思わず魔導書から手を放してしまう。
『ほう、我が本体を狙う者がいたとはな?』
 いきなり魔導書が喋りだした!
『だが我が本体は触れるだけで常人は発狂してしまう。そのままお前の喉で鳴いてみせよ』
「んギイィィィィッ!!!」
 幻覚に苛まれる千崎は、突如、腰元の回転式拳銃SAKURA M360Jの安全装置を解除した。撃鉄を押し下げると、そのまま銃口を魔導書へ突き付け、引き金を絞る。
 次の瞬間!
「私の前から消えろぉーっ!!」
 躊躇なく発砲!
 憐れ魔導書は墓穴を掘って沈黙!
「UDCは、私が全部撃ち殺してやるぅ!」
 立ち上がった千崎が強襲開始!
 幻覚を見たことで、千崎は半狂乱となって暴走し始めたのだ!
 懐中電灯で影の魔術師の顔を照らして視界を奪うと、そのまま懐中電灯で殴打!
 足元の魔導書を踏み付けながら即発砲!
「もう隠れるのは止めだ! これからはサーチ&キルだ!」
 拳銃はすぐに弾切れになってしまったが、それでもグリップと懐中電灯で狂乱しながら魔導書を次々と破壊してゆく千崎。
 自制を心懸ける片桐と違い、こちらは本物の狂戦士と化して大暴れしていた。
 と、ここで琥珀川が2人へ大声で告げた。
「敵を此方に誘導します! 残りはおふたりに任せます!」
 浮足立った魔導書達へ向け、琥珀川が威風堂々と挑発を飛ばす。
「ここからは僕がお相手しよう。とはいえ、眷属遣いの荒い邪神がいると、使い魔は苦労するね」
「お前、今、主を侮辱したか?」
 魔導書達は簡単に挑発に乗ってきた。
 琥珀川はオーバー気味に芝居を続ける。
「事実を述べたまでさ。都合のいいように扱われ、捨て駒にされるのは、叡智を司る魔導書の君らにとっても本意ではないはずだ。どうかな? 僕の書架に迎えてあげようか?」
「断る。二君に仕える道理も義理も持ち合わせていないのでな」
「なるほど、やはり君らは所詮モノで道具ってわけだ」
 肩を竦める琥珀川は、突如、踵を返して視聴覚室から廊下へ飛び出した。
「こうやって僕は自由意志で動けるのに、君らは命じられなければろくに動けない。なんて可哀想な存在なんだろうか」
「お前! 何処までも愚弄するなら地獄を見せてやるぞ!」
 魔導書達は後を追って廊下へ殺到する。
 そして呪文を唱えると、再び琥珀川は幻覚にとらわれてしまう。
「君らと一緒にいると、また嫌なことを思い出す……」
 城での食事の記憶……存命の母のこと……。
 だが。
「その記憶はさっき見たよ。その地点はすでに乗り越えた」
 細身の魔法剣を自分の左手首に添える。
 それを、バイオリンの弦を引くかの如く、一思いにまっすぐ手首を裂いてみせた!
「――地獄なら、既に踏み越えたさ!」
 左手首から滴る鮮血が、体内のグールドラーバーを活性化させ、ユーベルコードを発動させる! 滴る血液が左手小指に集中すると、それはやがて赤い糸となって結び付いた。
「ところで、この廊下、狭いと思わないかい? そんな大勢で詰めかけたら、君らは身動きが取りにくいだろう?」
 魔導書達は、琥珀川まで向かう一方通行の廊下へすし詰め状態で並んでいた。
「そして、僕の小指から垂れた血の糸、どこにつながってると思う? 辿ってご覧?」
 魔導書達は、周囲を警戒しながら琥珀川の小指から伸びる赤い糸を目で負ってゆく。
 廊下の左隣には、使用されていない視聴覚資料室が存在する。
 糸は、その扉の隙間に入り込んでいた。
「教室って扉が多いよね? 前と後……おや、この資料室もそんな作りだね?」
 琥珀川はニタリと微笑んだ次の瞬間、彼女の策は成就する!
「僕と君とをつなぐ運命の赤い糸、僕が落とすのは恋にじゃなくて首さ!」
 魔導書達の背後……資料室の後ろの扉から飛び出した赤い糸が、魔導書本体を次々と刺し貫いてゆく!
「君らを背後から串刺しだ! 数珠繋がりにしてあげよう!」
 魔導書達ははめられたと気付くも時既に遅し。
 過密状態でうまく身動きが取れず、回避行動を取る前に赤い糸に貫かれてしまう。
「それじゃ、フィナーレだ」
 魔法剣に雷属性を宿すと赤い糸に刃先を近付けた。
「これ、僕もビリって来るけど、君らは耐えられるかな?」
「や、止めろォー!!」
 魔導書の制止の声を無視し、琥珀川は自らの血液で出来た赤い糸に通電させた。
 琥珀川の左腕が跳ね上がるように痙攣!
 だが、同時に魔導書達も直接感電してゆき、黒い煙を上げながら炎が広がリ始めた。
「……ったた、恋は衝撃的なほど素敵だからね? もっとも、君らは火傷じゃすまなかったようだけど」
 あっという間に黒焦げになった魔導書達は、そのまま風化するように骸の海へと沈んでいったのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『狂乱暴走機関車『コーマス』』

POW   :    この件は彼等に任せて
【グラサン魔神、パーカー星人、ドS般若】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD   :    この子が卵を産みたいらしいんだけどどこがいい?
対象への質問と共に、【異次元】から【怪獣デッテュー】を召喚する。満足な答えを得るまで、怪獣デッテューは対象を【数分で孵化する卵を産みつける事】で攻撃する。
WIZ   :    言語のドッジボール
【狂気を振り撒く白いツラ】から【一方的な会話】を放ち、【理解しようとした思考力の汚染】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠大神・狼煙です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 がりっ! がりがりっ!
 びきびきびきっ!
 がっしゃーんっ!

 空間がひび割れ、中から疲弊した邪神が這い出てきた。

「やあぼくコーマス! ほんとうにひどいよきみたちはでてくるのにまりょくをつかいはたしてぼくめちゃくちゃつかれたよこれじゃほんらいのちからのじゅうぶんのいちしかだせないよどうしてくれるのさあやまってよあやまってくれないのだったらそのたましいをぼくがたべてももんだいないよねこたえはきいてないぼくすっごくおこってるけどつかれたからちょくせつたたかうなんてやばんなことはしたくないんだよねだからぼくはどちらかというとみんなとおしゃべりしつづけたいんだけどどうおもうってそういえばなんでぼくのあたまがだんぼーるできかんしゃなのかしってるしらないよねじつはすごいひみつがあるわけでもないんだけどどういういとかがるのかぼくにおしえてくれないかなもしくはぼくをつくったとちぎのあいつにきいてみろ?」

 かの邪神の言葉の弾幕を聞いてはならない。
 理解しようとした時点で君たちは恐らく発狂するだろう。
 そして、ここまでで真の姿に近付いている猟兵ほど、精神への負担が大きく掛かることも留意されたし。
 今ここは、狂気の戦場と化した。
 自身の正気度を削りながら、猟兵達は狂乱暴走機関車『コーマス』に挑む。
源・ヨーコ(サポート)
『悪い子はお仕置きっすよー!』
人間のブレイズキャリバー × ビーストマスター
年齢 16歳 女
外見 158.4cm 金の瞳 ピンクの髪 色白の肌
特徴 胸が大きい 八重歯 ギャル ハイテンション! 運動が好き
口調 体育会系(自分、~先輩、~っす、~っすよ、~っすね、~っすか?)

悪いヤツは鉄拳制裁!
あまり難しいことは考えず、敵に向かって猪突猛進するタイプ。全ては拳で解決できると信じていて、とりあえず接近して殴るが基本戦術。
硬そうな相手にはカウンターでの一撃必殺を狙い、素早そうな相手には連撃と使い分けぐらいはする。

単独行動を好み、調査などは苦手。
基本は戦闘オンリーな感じですが、よろしくお願いします。



 遂に姿を表した邪神、狂乱暴走機関車『コーマス』。
 先発隊の精神状況を鑑み、サポート猟兵が彼らの回復を待つ間、邪神と交戦することとなった。
「悪い子はお仕置きっすよー!」
 真っ先に単独で突っ込んでいった源・ヨーコ(鉄拳制裁・f13588)がテンション高めに邪神のダンボール製機関車頭に拳を叩き付けた。
 邪神は避けることもせずに、彼女の拳の直撃を甘んじた。
「うーん52てん! こぶしがかるいしよけるまでもないかなておもったらやっぱりへなちょこだっ――」
「誰の拳がへなちょこっすかー!」
 邪神の言葉に耳を傾ける度に、源の正気が削られてゆく。
 だが、彼女は魔法や技巧で戦うタイプではなく、真正面からの力押しを得意とする。
 故に、彼女にとって理性など戦闘にさほど関係ないのだ。
「なんかイライラして頭がカッカしてきたっす。全ては拳で解決できるっす!」
 源は愛用のナックルガードに、ユーベルコードで召喚したスチームエンジンを装着!
「これでパワーアップっす! 52点からどれだけ点数が跳ね上がるっすかね!?」
「でかけりゃいいってもんじゃないしだいたいそれじゃぼくをたおせな――」
「お前の言葉はウザイだけっす! おとなしくぶっ飛ばされるっすよ!」
 両拳のスチームエンジンが回転数を上げ、真っ白な水蒸気の煙を噴出させながら源の身体をジェット機のごとく前方へ加速させる!
 噴出される蒸気の勢いを借りた高速の連撃は、邪神の全身をこれでもかと殴打してゆく!
「おららららららららァァーッ! 悪い奴は鉄拳制裁っす!」
「へぶらッ!? これは256てぇぇぇぇぇぇぇん」
 拳圧に耐えきれずに後ろへ吹っ飛ばされた邪神が、机や椅子の中へ突っ込んで凄まじい音を撒き散らした。
 だが、すぐにスッと立ち上がって、ヘラヘラを笑みを浮かべる邪神。
「くそっ! 一撃じゃ倒れなかったっすか!」
 源は自身の精神の摩耗を感じ、やむなく他のサポート猟兵とバトンタッチをするのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

純・ハイト(サポート)
勝つ事を考えて、自身を含めて全てを駒として考えて手段を択ばずに、使える物全て使って任務に参加して戦う。
エレメンタル・ファンタジアはトラウマはあるが、トラウマよりも敵は全て殲滅と考えているために問題無しに使える。
主にユーベルコードの力で軍隊を操り戦闘を指揮して戦うが、他のユーベルコードが有利に動くならそっちを優先して使う。


アルタ・ユーザック(サポート)
ダンピールの16歳女性です。
ユーベルコードを使える場面では、指定したユーベルコードを使用し、直接攻撃系か精神攻撃系で敵を攻撃します。
一人称は「わたし」(ひらがな)です。口調は「~だわ」や「~だな」の様なものではなく、「○○…。」の様に…で終わり語尾に何もつけない口数少な目のクールタイプの話し方です。
服装・体型・容姿・持ち物などは、ステータスシートの参照お願いします。

上記内容以外は全てNGなど無しでアドリブ・連携などもOKです。
よろしくお願いします。


レイン・ファリエル(サポート)
『さぁ、貴方の本気を見せて下さい』
 人間のサイキッカー×ダークヒーロー、15歳の女です。
 普段の口調は「クールで丁寧(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、機嫌が悪いと「無口(私、アナタ、ね、よ、なの、かしら?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は落ち着いてクールな感じのミステリアスな少女です。
人と話すのも好きなので、様々なアドリブ会話描写も歓迎です。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 邪神が待ち受ける高校の視聴覚室に、続々と救援要員が駆け付ける。
 フェアリーの純・ハイト(数の召喚と大魔法を使うフェアリー・f05649)は、アルタ・ユーザック(クール系隠密魔刀士・f26092)とレイン・ファリエル(クールビューティー・f17014)のクール系女性猟兵と共に視聴覚室へ足を踏み入れた。
「2人とも、あの邪神の言葉に耳を貸してはいけません。ただひたすら攻撃を繰り出して下さい」
 注意を促す純。
 だが、 アルタとレインが邪神のダンボール製機関車頭に好き勝手言っていた。
「なんだか別の意味で禍々しい邪神……」
「美的センスのない頭部ですね」
「いや、あの頭も確かに気になりますが、それすらもきっと正気を削られる原因になりますから」
「やぁやぁやぁぼくのあたまがきになるのかい?」
 邪神がこれみよがしに自分の頭を見せ付けながら、言葉という言葉を口から散弾の如く吐き出してゆく。
 まさに言葉のドッヂボールだ。
 すぐさま純が2人を守るように(耳を塞ぎながら)邪神の前に立ちはだかる!
「我に付き従うフェアリー達よ、戦いの時は来た! 全軍出撃せよ!!」
 すかさずユーベルコード『フェアリーの世界大戦争』によって召喚されたフェアリー総軍が、あっという間に視聴覚室の空間至るところを埋め尽くす!
「総勢7700軍を誇る我が総軍だ! 全軍、構え、筒! 撃てぇ!!」
 視聴覚室のあらゆる空間から、魔法弾と物理銃弾が邪神へ向けて一斉に浴びせ掛けられる!
 その爆音と発射音は、邪神の発する言葉を完全に遮断し、猟兵達の正気度の摩耗を防いでくれた。
 魔改造された対物スナイパーライフルや迫撃砲から放たれた徹甲弾が教室の至るところで跳弾し、それらが全て邪神の身体に突き刺さる。
「――ッ! ――――ッ!?」
 邪神が撃ち抜かれながらも何かを喋り倒しているが、連続する銃声と着弾の炸裂音がそれらを全てかき消していた。
 世界がマズルフラッシュの明滅で白黒に瞬き、硝煙で空間が白く濁ってみえた。
 戦闘員の装弾数が尽きたところで、アルタとレインが前に飛び出る。
 先行するアルタは、全長30cm程度の漆黒の短刀『闇崩』の鯉口を切る。
「その首、斬り落とす……」
 素早い斬撃が邪神の喉元を掻っ切った。
「あがぼががはあああ!」
 言語にならないうめき声を血と共に吐き出す邪神へ、トドメを刺そうとするアルタ。
 その目の前に、突然、緑色の二足歩行の怪獣が召喚された!
「んん、あーあー! のどさいせいかんりょー! ねーねーこのこがたまごをうみたいらしいんだけどどこがいい?」
 猟兵たちに投げ掛けられた質問とともに、召喚された怪獣デッテューはお尻を向けると、ガトリングガンの如き卵の弾幕を猟兵達へ発射する!
 すぐにアルタはユーベルコードで対抗する。
「見えているのなら、どんな攻撃だって避けてみせる……」
 卵の弾幕をユーベルコード『その瞳はここではない何かを視て(フューチャー・ヴィジョン)』による未来視の発動により、その弾幕の隙間を縫って回避に成功する。
 レインも緑色のエネルギー障壁を放出する手袋ことエーテル・ウォールで卵を弾き返す。
 だが、飛び散った卵の異変に純がすぐに気が付いた。
「この卵、羽化します! 総員、目標変更! 卵を破壊しろ!」
 純は転がり落ちる卵を掃討するべく、自軍を指揮し始めた。
「ありがとうございます、ハイトさん。そろそろ後続の猟兵と交代しましょうか」
 そう告げたレインは、自身のエナジーを増幅する装置『サイレントナイトメア』を起動させた。
「さぁ、貴方の本気を見せて下さい」
 そう告げると、怪獣デッテューの後ろにいる邪神を光線で穿った!
「もう私の攻撃からは逃れられませんよ。貴方の血の匂いは覚えました」
「でってゅー!」
 邪神が怪獣を自分の盾になるように命令する。
 だが、レインの放った光線は、怪獣を容易く貫通し、邪神の腹を貫いてみせたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

神代・凶津
良し、邪神を引き摺りだしたぜ。
奴の言葉に耳を傾けるなよ、相棒。
いくら狂気耐性や呪詛耐性があっても気を抜いたら呑まれかねないぜ。
「・・・分かってます。速やかに対象を討滅しましょう。」
おうよ、相棒ッ!
雷神霊装でいくぜッ!
「・・・転身ッ!」

高速移動で敵の動きを見切りながら視聴覚室内を縦横無尽に駆けたり机を踏み台にして跳躍したりと引っ掻き回してやるぜ。
椅子を敵にぶん投げて注意を引いた隙に死角に移動して破魔の雷撃を纏った斬撃放射を叩き込んでやる。
そのまま斬撃をぶちこみ続けてやるぜッ!

てめえの戯れ言なんぞ雷撃の轟音で、かき消してやるよッ!


【技能・狂気耐性、呪詛耐性、見切り、破魔】
【アドリブ歓迎】


春夏秋冬・ちよ(サポート)
良き景色を探して絵にする為に旅するお節介な老猫

優しいお婆ちゃん猫で猟兵としての経験は浅いですが、アルダワの学生としてはとても長い間戦い続けた歴戦の戦士です
その為、謎の強キャラ感あり
しゃべり方は優しいお婆ちゃんをイメージ

動物と会話して道や情報等を得られます

UCは竜を疑似再現、その力を借りる物
何竜の力かは状況、やりたい事によって指定を
(例:火竜・刃竜・筋肉竜等々 真面目からネタまで可)

戦闘は素早い身のこなしで回避重視、杖か閉じた傘(又はUC)による鋭い攻撃
所謂蝶舞蜂刺です
必殺技はUCで騎乗か飛行してのランスチャージ

一人称追加・おばあちゃん

禁止事項
真の姿の解放(覚醒)
UC『凶夢の魔竜騎士』二種の併用



 鬼面のヒーロー・マスクこと神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)と、その装着者であり相棒の神代・桜は、サポート猟兵の春夏秋冬・ちよ(旅する老猫・f19400)とともにき視聴覚室へ乗り込んだ。
「良し、邪神を引き摺りだしたぜ。だいぶ回復したとはいえ、奴の言葉に耳を傾けるなよ、相棒。あっという間に正気度を削られちまうぜ?」
「……分かってます。速やかに対象を討滅しましょう」
「おやおや、ふたりとも息ぴったりだねぇ」
 春夏秋冬は、神代コンビのやり取りに思わず頬が緩む。
 目の前に邪神が居るにも関わらず、まるで気にせず平常心のままだ。
「さぁて、おばあちゃんも頑張ろうかしら。まずは、あの邪魔なトカゲさんをやっつけましょうね」
 春夏秋冬は齢100のケットシー老婆だが、現役のアルダワ魔法学園生だ。その戦歴は長く、まさにベテランの戦士なのだ。
 一応、彼女は目の前の二足歩行のトカゲに話しかけてみた。
「トカゲさん、卵を生むなら他所でやってくれないかしら?」
「でってゅー! でってゅー!」
 怪獣デッテューはそんなの知らねぇとばかりに卵を無節操にあちらこちらへ弾幕のように生みまくってくる。
「たまごどこにうむ? ねぇぇぇどこがいいかきいてんだけどぉぉぉ!?」
 邪神も壊れたオーディオ機器のように、同じフレーズばかり繰り返す。
 これでは埒が明かない上に、卵が孵化して怪獣が増殖し、また卵を生むという無限増殖が待っている。
「あらあら、言葉が通じないのね。仕方がないねぇ」
 春夏秋冬は卵の弾幕を残像を残しながら回避すると、全身の魔力を練り上げ、想像力から創造した、竜の力を宿す魔法の槍を自身の目の前に出現させた。
「我が前に立ち塞がりし、すべての困難を貫くその為に、彼方より来たれ竜の槍……!」
 龍の槍に氷の魔力が漲ると、円錐状の氷塊を槍の先に生成したまま突撃を開始!
「卵がすぐに孵るというのなら、まとめて凍らせましょうね?」
 槍が卵の近くを通り過ぎただけで、殻に真っ白な霜柱が覆われてしまうほどの冷気が発生!
 そのまま怪獣を氷の槍で一突き!
「でってゅううぅぅぅぅぅー!?」
 断末魔を上げる怪獣が、ダイアモンドダストめいた氷の破片となって周囲へ破砕してゆく。
「あなたもちょっとうるさいから、凍ってもらえるかしら?」
 ザクッと邪神の腹へ氷の槍の穂先を差し込むと、その上半身が一気に真っ白に凍結してしまった。
「あ、あ……! つ、め、たぁぁーいーぃぃぃー……!」
 怪獣のように粉砕こそしないが、明らかに邪神の喋るスピードが急激に遅くなった。
「あの婆さん、何者だよ……? 猫のように舞い、鬼のように刺しやがったぜッ!」
「……それを言うなら、蝶のように舞い、蜂のように刺す、です」
「そうとも言うけどなッ? けど、チャンスだぜ!」
「……ええ、お婆さんが作ってくれた好機、無駄にしません」
 桜は無銘の妖刀を鞘から抜くと、凶津を顔に装着し直す。
 凶津も準備万端とばかりに、桜の肉体の操縦権を握る。
「おうよ、相棒ッ! 雷神霊装(スパークフォーム)でいくぜッ!」
「わかりました。……転身ッ!」
 この瞬間、2人の力が1つに合わさった。
 彼らの纏う巫女服に、桜色の電撃ほ迸らせる霊装を装着させパワーアップ!
「おらこっちだ、機関車頭! 付いてこられるかッ?」
 凶津は視聴覚室の机を、八艘飛びめいて跳躍して縦横無尽に駆け巡る。
 その高速移動に、邪神は目で追うしか対応ができない。
「まってどこどこはやいよはやすぎるってめがまわっちゃうよ!」
「うっせぇんだよ!」
 凶津は机を力いっぱい邪神の顔面に投げ付けた。
 机は邪神の顔面を直撃!
「今だ、相棒ッ! 奴の視界が塞がれたッ!」
「……浄化の雷の刃、喰らいなさい!」
 瞬時に邪神の側面へ飛び込んだ桜は、大上段から妖刀を力いっぱい振り下ろした。
 すると、轟音とともに破魔の雷撃を纏った斬撃が放射され、邪神の体を切り裂いていった!
「――!!!!」
「あ? 聞こえねぇよ、タコッ! てめえの戯れ言なんぞ雷撃の轟音で、かき消してやるよッ!」
 怒涛の連続斬撃が雷鳴を轟かせ、邪神の声を完全にシャットアウト!
 春夏秋冬の氷の槍との連携も合わさり、神代コンビは正気が限界を迎えるまで邪神を滅多切りにしていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

片桐・公明
【POW】
[真の姿開放]
開幕直後、紅い尾を両こぶしから引きながら敵に突撃し顔面に一撃加える

「やっぱり、当てられたか。当然だな。」
「無理な我慢はやっぱり毒だよな。ま、おかげであたしが表に出られるんだけどな。」

UCを使いひたすら接近戦をする
本来の美しさは残っているものの、敵を殺すという荒々しさが強く出ている
「お前の言葉は聞き取りにくい。漢字とカタカナと句読点を使いやがれ!!」
「あたしを発狂させようとしたって無駄だ。元々狂っているやつをさらに狂わせることなんてできやしないんだからな。」
多少強引に、負傷を気にも留めずに相手に食らい付く

(絡み、アドリブ歓迎です。)


備傘・剱
とりあえず、大事な何かが逆走した面白珍走車って事は理解した

狂気耐性MAX、ついでにオーラ防御も最大展開
珍走車、解体作業を開始する

ワイヤーワークスをロープワークで敵に絡ませて、動きを封じ、ダッシュで接近、攻撃をかわしつつ、グラップルで格闘戦に持ち込む
で、接近したら、結界術で敵の首から下を拘束したら、首を掴んで怪力でもきょっともいでみる
…できそうになかったら、そのままぶん投げて、首めがけて麒麟閃

うるさい珍走車の戯言にいちいち付き合ってたら、邪神じゃなくても正気を保てねぇ
話は完全に無視して、攻防を続けることに集中するぜ

あ、卵を産み付けられたら誘導弾で全部、破壊してやろう

アドリブ、絡み、好きにしてくれ



 片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)の両拳に、燃え盛る炎が宿る。
「うおおぉーっ!」
 雄叫びを上げながら全速力で突撃してゆけば、拳の炎が残光とともに赤い尾を引いてゆく。
 そのまま邪神のダンボール製の機関車頭を殴り付けた!
「あぎゃあああぁぁぁぁっ!?」
 燃える邪神の頭部! すぐに火を払おうと、必死にその場で小躍りしてみせた。
 これに片桐が、ニタリと口角を吊り上げた。
「やっぱり、当てられたか。当然だな」
 その口調は、片桐であって片桐のそれではなかった。
「無理な我慢はやっぱり毒だよな。ま、おかげで真の姿である“あたし”が表に出られるんだけどな」
 猟兵は生命の埒外であり、普段の姿はいわば仮の姿だ。
 オブリビオンとの戦闘は、猟兵を真の姿へ近付かせ、ある瞬間を境に姿や在り方が豹変する。
 片桐も、普段は抑え込んでいる暗黒面の人格が、真の姿として顕在したのだ。
「もうあついじゃないかだんぼーるせいきかんしゃはせいさくにっすうがとてもかかるからでりけーとにあつかってよこれじゃぼくのはんさむがおがだいなしじゃないか!」
 まくしたてる邪神の言葉を聞き流す備傘・剱(絶路・f01759)は、真顔で独り言ちた。
「とりあえず、アレが大事な何かが逆走した面白珍走車って事は理解した」
 フック状に歪曲した頭部を持つ鋼鉄製のハンマーことワイヤーワークスを容赦なく邪神へ投げ付けた備傘。
 ハンマーが付いたワイヤーは、邪神の片足に絡み付き、その動きを封じ込める。
 すぐさまワイヤーをカーテンレールに括り付けて固定すると、備傘はエアブーツで踏み込んで一気に邪神へ肉薄!
「珍走車、解体作業を開始する」
 自身の狂気耐性をオーラ障壁に乗せて最大限まで高めて防御することも忘れない。
 片桐も同時に備傘の連撃に合わせて、炎の両拳のラッシュを敢行!
 だが、邪神も2人に抵抗の意思を示す。
「このけんはかれらにまかせたうえでこのこがたまごをうみたいらしいんだけどどこがいい?」
 突如、片桐の前にはヤクザめいたグラサン魔神、スポーツサングラスでキメたパーカー星人、そして禍々しい妖刀を抜き払ったドS般若の3人が立ちはだかる。
 備傘の前にも、別個体の怪獣デッテューが出現し、高速マシンガン産卵を開始してしまう。
「これでぼくはにげるよってうそおおおおおおおお!?」
 邪神は驚愕した。
 片桐の前に立ち向かっていった謎の3人は、彼女の拳で3秒も耐えられずに殴り飛ばされてしまったではないか。
 グラサン魔神のグラサンは粉砕されて前頭部陥没による昏倒、パーカー星人は殴られた勢いで首が180度回転して頚椎損傷による即死、ドS般若に至っては頭部が蝋燭のように燃え上がってしまっている。
 片桐のユーベルコード『諸葛流舞闘術』の威力は健在だ。舞うような美しさに、今は猛々しい剛拳が合わさっているのだ。
「邪魔するやつは誰であろうと殴り殺す。邪神よ、あたしを発狂させようとしたって無駄だ。元々狂っているやつを、さらに狂わせることなんてできやしないんだからな? むしろ、今の“あたし”は、狂えば狂うほど強くなる」
 片桐の燃え盛る拳が、邪神の全身に隕石落下じみたインパクトを浴びせ続けてゆく!
「お前の言葉は聞き取りにくい。漢字とカタカナと句読点を使いやがれ!! ウラララララーッ!!!」
「あばごべでふゅっ!?」
 体のいたる所から延焼する邪神は、殴られるたびにどんどん後退を余儀なくされる。
 しかし、足に絡まったワイヤーのおかげですぐに歩みは止まり、そのままサンドバッグ状態に陥る。
 一方、備傘は、自身の頭にしがみついている妖怪一足りないに卵を破壊させていた。
「オラ! ミンナ、ふぁんぶるダ!」
 妖怪一足りないが投げるダイスは、全て恐怖のファンブル目ばかり。すべて成功判定まで1だけ足りないという呪われた獣の数字を連発する。
 ダイスで壊された卵は、誘導弾となって怪獣の排卵器官とお尻の穴へ殺到!
 デッテューは尻から爆発して四散してしまった!
 妖怪のファンブルによって、普段はあり得ない不幸が現実のもとなったのだ。
「うわ、こいつが味方で本当に良かったな。さて、俺もそろそろ珍走車の解体に混ぜてくれ」
 備傘は邪神へ接近する途中、その機関車頭を結界術で固定した。
「もぎろろうと思ったが、うん、これは素直に首を刎ねたほうがいいな」
 当初は喉輪で首をへし折って、そのまま機関車頭を引っこ抜いてやろうと考えていたが、ユーベルコードで処理する方法を選んだ。
「来たれ、麒麟! 我が身に宿りて、疾走せよ。この地、汝を妨げるもの、一切無し!」
 空気摩擦により、帯電した高速後ろ回し蹴りが、結界で固定された頭部を強打!
「麒麟閃(ライジングスラスター)ッ!!」
 蹴りの軌道が紫電となって、視聴覚室内に迸る!
「あびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃ!!!」
 邪神は蹴り飛ばされて笑っている!
「うるさい珍走車の戯言にいちいち付き合ってたら、邪神じゃなくても正気を保てねぇ。てことで、何を喚こうが無視してゆくぜ」
「同感だ。とりあえず気の済むまで袋叩きにしようか。こいつ、かなり頑丈だから全力で殴って丁度いいかも」
 片桐の炎の拳が邪神の腹を突き上げ、備傘の紫電の蹴りがなおも邪神の頭部を打ち据える。
 だが、それでも2人は邪神を完全に滅することはできない。
 片桐が拳を抑えて唸り声を上げた。
「うぅ、なんだこいつ……。頑丈すぎるな」
「だが、これだけ殴っておけば、もうだいぶ力を削いだだろう。それより、俺の精神力がやべぇぞ……」
 なんだかんだで正気を削られ続けている備傘は、これ以上の戦闘が難しい。
 やむを得ず、片桐は後続の猟兵たちに事後を託す選択をしたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鹿村・トーゴ
こーゆーの乗り掛かった舟だっけ
なァミサキ
ちと支えて欲しーな
あのヤバいの送り還すまで付き合ってくれるかい

引続きミサキを留めUC続行
邪神を見聞きすると正気が削られそ。UC代償の毒痛を気付に凌ぐ
行動する為【激痛耐性】も活用

邪神の声を直接聞かぬ為音響スイッチONに【地形の利用】(他猟兵の邪魔なら中止
敵UC問には投影機のスクリーン布を指しこの辺にしとけばと適当に返し
【念動力】で卵付きスクリーン(他の箇所ならそれ)を邪神に纏わせ押付け
一旦視野を遮り音響機材+クナイ・手裏剣を卵越しに【投擲/暗殺】

接近出来るなら武器妖刀七葉隠のうち二刀を両手に持ち刺突【串刺し/暗殺】したまま即離れ念動力で押し込む

アドリブ可


琥珀川・れに
…真面目に聞こうとした僕が浅はかだった。
少し、頭が痛い。

過去を乗り越えたが、見せられて辛くない訳ではない。
正気度が減ったせいか、今更涙があふれてくる
このままではいけない

ここぞという所でUC【輪廻決行】
【破魔】の気合いでなんとか正気を取り戻してフルパワーで報いろう。
それに、本当に正気でなくなる前に力を使いきって動けなくなろう。

あとは任せた。(親指グッ👍からのバタリ)


※アドリブ省略追加ご自由に
※プレ提出が遅かったので却下OK
※人に迷惑をかけない程度に発狂OK


千崎・環
アドリブ及び連携歓迎!

うぅ、こいつが大元…頭がおかしくなる。早く倒さないと…!
UDCが出たらパニック気味に拳銃に弾を込めてUC発動!あの頭のニヤケ顔に全弾撃ち込んでやる!
とにかく目の前の敵を殺さないと…!弾が切れたら警棒でもヘルメットでも、使えるものは何でも使ってあいつを殺す。
とにかくがむしゃらに突っ込んで殴って倒して馬乗りになって首を締めてでも息の根を止めてやる!
正義は必ず勝つ。



「あびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃ!」
 もはや奇声しか上げることしかできない邪神。
 既に虫の息の邪神を完全に滅ぼすべく、3人の猟兵達が挑む。
「こーゆーの乗り掛かった舟だっけ、なァミサキ?」
 鹿村・トーゴ(鄙村の外忍・f14519)は、自身に憑依した幼馴染の少女の亡霊へ向けて言葉を投げ掛けた。
「ちと支えて欲しーな。あのヤバいの送り還すまで、もう少し付き合ってくれるかい」
 その問いに、骨が軋む程の強さで後ろから抱きしめるミサキ。
 思わず鹿村は血反吐を地面に撒き散らしてしまう。
「愛情表現が過激なんだよ、ミサキはさ。でも、ありがとな」
「仲睦まじいところ申し訳ないけど、そろそろ仕留めないかい?」
 真っ青な顔で口元を抑える琥珀川・れに(男装の麗少女 レニー・f00693)が鹿村を急かす。
「……真面目に邪神の言葉を聞こうとした僕が浅はかだった。少し、頭が痛い」
 かなり正気を削られた琥珀川の足元が揺らぐ。
 思わず鹿村が琥珀川の体を支えると、彼の後ろに控えるミサキが嫉妬で抱きしめる力を更に強めた。
「おい、大丈夫か?」
「口から血を吐く君に言われてもね……」
「説得力ねーってか? でもアレよりかはマシだろ?」
 鹿村は、先程から轟く銃声の発生源を見詰めた。
「うぅ、こいつが大元……! 頭が、おかしくなる……早く倒さないとぉ……!」
 完全に発狂してしまっている千崎・環(突撃吶喊!・f20067)、トリガーハッピーな状態となって、鉛玉を容赦なく邪神と、召喚した怪獣とその卵へ浴びせまくっていた。
「うらああぁぁぁぁっ! 銃弾はまだまだあるぞ! 殺す! 殺してやる! 邪神は皆殺しだァ!!」
 リボルバーをドバドバ乱射しつつ、警棒を振り回して卵と邪神の顔面を何度もカチ割ってゆくさまは、まさにバーサーカーそのものであった。
「な? やべぇだろ?」
 真顔になった鹿村が琥珀川へ問う。
「味方でいてくれるのが何よりの救いだね……」
 琥珀川も同意せざるを得なかった。
「あのお嬢さんが再起不能になる前に、僕も頑張らないとだね」
 琥珀川は無理を押して前に進むと、邪神の奇声混じりの支離滅裂な会話が耳に入り込んでくる。
 そのたびに、彼女の目の前に過去の幻影が何度も立ち塞がるのだ。
「確かに、この過去は乗り越えた。だが、見せられて辛くない訳ではない。まずいぞ、正気度が減ったせいか、今更涙があふれてくる……このままでは、いけない!」
 決死の覚悟を決めた琥珀川はユーベルコードで限界ギリギリまで足掻く。
「沸き立つ血を燃料に、僕を生まれ変わらせよ! スゥ――!」
 ユーベルコード『輪廻決行(サキュレーションフォーシング)』!
 肺活量によって血流を一時的に増強し、全ての能力を6倍にする荒業だ!
 ただし、今の琥珀川の実力では、71秒が活動限界だ。
 それ以降は酸欠で1分間の昏睡状態に陥ってしまう!
(この感情と気合、そして破魔の力をあわせ、正気を取り戻してフルパワーで報いろう。それに、いっそ本当に正気でなくなる前に力を使いきって動けなくなろう!)
 琥珀川は瞬間移動かと見紛うほどの速度で邪神に肉薄すると、体内に埋め込まれた刻印(ドライバー)を活性化!
 ルーン魔法剣『エペ ド ルーン』を掲げると、7つの元素の精霊属性を刃に乗せ、6倍速と6倍の膂力で邪神の身体をズタズタに切り裂いてゆく!
 そこへ千先の銃弾が、邪神のダンボール製機関車頭へ殺到!
「外さない……! 死ねえぇぇー!」
 とにかく目の前の邪神を殺さないといけないという強迫観念に突き動かされ、ユーベルコード『拳銃操法その1』による視力強化からの精密射撃によって、6発の弾丸が一点集中して邪神の頭を撃ち抜いた!
「あンギャッ!?」
 邪神が初めて悲鳴を上げた!
 傷も再生しない!
 顕現化した肉体の限界が近い証拠だ!
「正義は必ず勝ぁぁぁぁつ! 死ね! 死ねよ! 早くくたばれクソ邪神が!」
 拳銃を投げ付け、警棒と被っていた白ヘルメットで力任せに殴打し始める千崎に合わせ、琥珀川がカウントダウンを開始!
 剣先で心臓をえぐり、両腕を刎ね飛ばし、股間を蹴り上げ、喉へ切っ先を押し込んで刺し貫く!
 そして、ついに活動限界時間を迎えた琥珀川は、フラフラと後ろによろけながら、仰向けに卒倒してしまった。
「あとは……頼んだ……!」
 右手の親指を立て、そのまま琥珀川は力尽きてしまった。
 千崎は我を見失い、もはや柱を延々と殴りつけ始めてしまう。
「やれやれ。あの姉さんはもうシッチャカメッチャカだし、あとを託されたらやるしかねぇよな、ミサキ?」
 鹿村は邪神の声を遮るため、視聴覚室の音響装置をスイッチオン!
 流れ出したのは、ベートーヴェン作曲『交響曲第9番』。通称、歓喜の歌だ。

 ――O Freunde, nicht diese Töne!
 ――Sondern laßt uns angenehmere
 ――anstimmen und freudenvollere.
 
 大音量で流れる歌声が、邪神のわめき声を完全に掻き消した。
 鹿村は怪獣デッテューを手招きすると、投影機のスクリーン布を指差した。
「卵生むんだろ? この辺にしておけば?」
「でってゅー!」
 初めて場所を示してくれた猟兵の存在に、怪獣はまさに歓喜した。

 ――Freude, schöner Götterfunken,
 ――FTochter aus Elysium
 ――FWir betreten feuertrunken.
 ――FHimmlische, dein Heiligtum!

 ――FDeine Zauber binden wieder,
 ――FWas die Mode streng geteilt;
 ――FAlle Menschen werden Brüder,
 ――FWo dein sanfter Flügel weilt.

 むくり、と琥珀川が起き上がる。
 身体が軽い。正気を取り戻しているのがわかる。
「この歌のおかげか?」
 琥珀川は視聴覚室の空間を見上げた。
 そこには、大量の怪獣の卵へ向かってゆく自立飛来する苦無の流星が飛び交っていた。

 ――Wem der große Wurf gelungen,
 ――Eines Freundes Freund zu sein,
 ――Wer ein holdes Weib errungen,
 ――Mische seinen Jubel ein!

 ――Ja, wer auch nur eine Seele
 ――Sein nennt auf dem Erdenrund!
 ――Und wer's nie gekonnt, der stehle
 ――Weinend sich aus diesem Bund!

 鹿村の念動力による同時操作が、苦無の流星を実現させていた。
 更に、割れた卵の残骸を障害物に利用して身を潜め、何処から操作しているかを邪神に悟られないようにする徹底ぶりだ。
「そろそろ終わりにするか。ミサキ、手伝ってくれるか?」
 後ろから鹿村の顔を覗き込むミサキの表情は、とても嬉しそうに微笑んでいた。

 ――Freude trinken alle Wesen
 ――An den Brüsten der Natur;
 ――Alle Guten, alle Bösen
 ――Folgen ihrer Rosenspur.

 ――Küsse gab sie uns und Reben,
 ――Einen Freund, geprüft im Tod;
 ――Wollust ward dem Wurm gegeben,
 ――und der Cherub steht vor Gott.

「……ハッ! 私は何を!?」
 千崎が正気に戻った!
 壁殴りを繰り返していた彼女が振り返った先には、二刀流で斬り掛かる鹿村と、その背後で二振りの刀を振り上げる悪鬼ミサキの姿があった。

 ――Froh, wie seine Sonnen fliegen
 ――Durch des Himmels prächt'gen Plan,
 ――Laufet, Brüder, eure Bahn,
 ――Freudig, wie ein Held zum Siegen.

「じゃあな。これで幕引きにしようか」
 号『七葉隠』――全長420cmに渡る巨大忍刀は、七振りの刀の集合体だ。逆を返せば、七振りに分解が可能だ。そのうちの二振りづつを鹿村とミサキが持ち、残る三振りを念動力で矢の如く邪神の身体目掛けて飛来させる!
 正面から四振りが邪神を刺突し、背後から三振りが遅れて急所を貫く!
 ダメ押しとばかりに、鹿村はミサキとともに念動力をフル出力で放つと、刃を更に邪神の肉体の奥へ突き刺した!
 途端、邪神の身体が泡立ちながら膨張し、そのまま勢いよく爆発四散!
 飛び散った邪神の体液をミサキがガード!
「悪りぃ、ミサキ。ああ、もうベタベタじゃねーか……」
 討伐を終えた鹿村は、亡霊へと戻ったミサキとイチャイチャを開始。
 それを苦笑いで、静かに見守る琥珀川と千崎であった。

 こうして、学校内での邪神召喚儀式を阻止した猟兵達。
 だが、これはまだUDCアースの『大いなる戦い』への先触れにもならない。
 これからも、猟兵達はUDCアースの影で蠢く邪神達を殺すべく活動を続けてゆく……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年09月17日


挿絵イラスト