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七大海嘯『鬼火』一派 ~ひん剥けメダルコレクション~

#グリードオーシャン #七大海嘯 #我らが鉄鋼船『可愛いシェーンちゃん号』 #鬼火

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#七大海嘯
#我らが鉄鋼船『可愛いシェーンちゃん号』
#鬼火


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●グリードオーシャン~とあるヒーローズアースの島付近の海域~
「進むのならば覚悟を決めよ。これより先は『七大海嘯』の縄張りである!」
 その島に向けて上陸しようと船を進めていると突如として彼らは現れた。
 無数の船とそれに乗ったオブリビオン。
 彼らは、コンキスタドールの大艦隊である。
「我らは『鬼火』の配下である」
 そういって掲げる海賊旗の柄は、鬼火。
 七大海嘯……それは恐らくは強大なオブリビオンの事であろう。
「おい、メダルは持っているか!?メダルは全て回収させてもらうぞ!」
「隠しても無駄だ!我らは隅から隅まで探し尽くす!」
「そして貴様らは全員、身包みを剥いで、そして強制労働だ!」
 コンキスタドールに襲われた海賊はすっ裸にされるとそのまま捕らえられ、そして島へと強制連行されるのだった。

●「可愛いシェーンちゃん号」乗組員募集のチラシ
「皆さん!海のお宝『メダル・コレクション』を探しに行きましょう!」
 既に欲に塗れた瞳で君たちを迎えたのはシェーン・キララ("伝説の勇者の剣"のヤドリガミ・f18023)だった。
 説明しよう!
 『メダル・コレクション』。
 それはとあるコンキスタドールの持つメガリスなのだ!
 『怪なる獣』の力を宿すという曰く付きのメダルである。
「というわけで、コンキスタドールを斬ってメガリスを奪取!ついでに支配された島も開放しましょう!」

・『コンキスタドールの大艦隊』
「まずは敵の支配している島に上陸しましょう!」
 狙いのコンキスタドールはヒーローズアースの世界から落ちてきた島を占拠し、支配しているらしい。
 そこへ我らが鉄鋼船『可愛いシェーンちゃん号』で乗り込むのだ。
「ただし、島に近づくとコンキスタドールの大艦隊が迎撃にやってきます」
 オブリビオンである彼らは『七大海嘯』の配下であると名乗り、船を沈めようと襲撃してくる。
 海上船の戦いとなる。
 こちらの船を破壊されてしまうと継戦が難しくなるので、船を守るか、あるいは敵の船を奪ったりして戦う事になる。
「『可愛いシェーンちゃん号』の武装は、船首部分に作られた美少女像とそこから伸びる伝説の剣です!」
 なんの躊躇もなくコネで作った船首のシェーンを模した像が意外と硬い。
 それ以外は成金が作ったやたら硬い鉄鋼船だ。
「ただどうもメダルを集めているみたいで、いきなり沈めてくるのではなく、身包み剥いだり持ち物検査をしようとしてくるみたいですね」


・『コンキスタドールとの決戦』
「島に上陸すると、この島を統治するボスが襲いかかってきます」
 このコンキスタドールは非常に強い。
 その強さはまともにやりあっては『今の猟兵達でさえ』勝機が薄い程である。
「このオブリビオンと戦うには、圧政を強いられている島の住人の力を借りて下さい!きっと力になってくれるはずです!」
 因みにこの島には流れ着いた海賊たちが身包みを剥がされたあと捕らえられ、強制的に労働をさせられている。
 強制労働の内容はメダルの制作らしい。

「ボスを倒したあとも油断できない状況が続くようですが……きっとなんとかなるでしょう」

●いざ出航の時!
「島で製造されたメダルはそれなりの値打ちがするそうです……売ればきっと大儲けですよ!」
 シェーンは海の向こうへと思いを馳せながらも、その背景をグリードオーシャンの船へと繋げる。
「虎穴に入らずんば虎子を得ずといいますが、今こそ危険を顧みず船出の時です!皆さん、頑張ってください!」


ナイン高橋
 ナイン高橋です。
 グリードオーシャンの冒険ですね。わくわくです。

 皆さんは鉄鋼船『可愛いシェーンちゃん号』に乗り込みます。
 この船は過去の冒険で手に入れた鉄鋼船で、成金が作ったただ硬いだけの船です。
 一応、船首にシェーンを模した像がついていて、他に食糧庫にはイカとカニの塩漬けが一杯ありますが、船首の像も食料も戦闘の役にはあまり立たないと思います。
 船員だけではコンキスタドールの大船団と正面衝突したらあっさり負けてしまうので、猟兵である皆さんの手で守ってあげて下さい。

 第二章、第三章とそれぞれ特別なルールとプレイングボーナスがあります。
 各断章にて説明しますのでご確認下さい。

 それでは皆さんの素敵なプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『悪ガキ怪盗・フラック』

POW   :    やーいひっかかったー!
【マントの内側】から【大量のミニ分身軍団】を放ち、【目潰しや転ばせ等色々な悪戯攻撃】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    おたからめーっけ!
レベル×5本の【自分にとってお宝になる物の場所を感知する】属性の【伸縮自在で高い盗み技術を持つ腕】を放つ。
WIZ   :    どこからでも出てきちゃうよ!
【メガリス『尽きぬ雨の如雨露』の中身】を降らせる事で、戦場全体が【自分の体の一部】と同じ環境に変化する。[自分の体の一部]に適応した者の行動成功率が上昇する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●海上戦
「進むのならば覚悟を決めよ。これより先は『七大海嘯』の縄張りである!」
 予知で見知った通りの名乗りを聞くとそこには無数の船とそれに乗ったオブリビオンがいた。
 彼らは『悪ガキ怪盗・フラック』。
 滴る水を流し続けるマントを着た少年型のオブリビオンだ。
「我らは『鬼火』の配下である」
 そういって掲げる海賊旗の柄は、鬼火。
 七大海嘯……果たしてそれが何を示すのか。それはまだ正確には分からない。
 だが恐らくは強大なオブリビオンの事であろう。
 彼らはオブリビオンの組織の末端兵なのだという。
 だが臆する訳にもいかない。
 見える先にある島ではコンキスタドールの圧政により苦しまされてる島の住人がいるのだ。
 我らが鉄鋼船『可愛いシェーンちゃん号』は進路を変える事なく、コンキスタドールの大艦隊に真っ向から挑みにかかる!
 この船は成金の趣味で作った豪華な船。
 船首の像を筆頭に硬い装甲が自慢の耐久性に優れた船だ。
 ちょっとやそっとでは破壊されたりはしないだろう。
 何より。
「おい、メダルは持っているか!?メダルは全て回収させてもらうぞ!」
「隠しても無駄だ!我らは隅から隅まで探し尽くす!」
「そして貴様らは全員、身包みを剥いで、そして強制労働だ!」
 悪ガキ怪盗・フラック達はいきなり船を沈めようとしてきたりはしない。
 どうやら身包みを剥いでから捕縛してこようしているようだ。
 恐らく今ままでの海賊たちはそうやって捕まってしまったのだろう。
 だが君達は猟兵だ。
 そう簡単にやられるわけにはいかない!

 この場の戦いは 海上船の戦いとなる。
 こちらの船は、硬い鉄鋼船『可愛いシェーンちゃん号』。
 あちらの船は、小回りの効く小型船『フラック号』。
 船尾についた水車を回し加速してくるようだ。

 メダルを探しているらしく相手はいきなりこちらの船を沈めようとしてきたりはしないが、ピンチになったりメダルがないことが発覚したらその限りではないだろう。
 こちらの船を破壊されてしまうと継戦が難しくなるので、船を守るか、あるいは敵の船を奪ったりして戦う事になる。
 船や戦闘力はほぼないが船員も君たちの味方だ。可能な限りで協力してくれるだろう。

 海の上の、それも船同士の戦いである事を上手くいかせばより活躍できるかもしれない。

 それと、グリードオーシャンの世界事情ではあるが。
 この世界の海は異常気象が起きており、著しく飛行が阻害されてしまっている。
 船の上または船の上から船の上に移動する位であれば問題はないだろうが、常に飛行し続けたり超高度に飛翔するにはリスクが付きまとう事になるのは注意して欲しい。
 また海も戦いによって荒れており、多少落ちた程度では問題はないが長時間の水泳はすぐに流されてしまう可能性がある。
 あくまでも、『海上船の戦い』を重視して欲しい。

 頑張ってくれ、イェーガー!

 
マリア・フォルトゥナーテ
アドリブ連携歓迎

「おいでなさい!私のグリードオーシャンを奪おうとするなら徹底抗戦です!海の平和は海の支配者である私が守ります!」

シェーンちゃん号の舵を執って、敵をおびき寄せます。頑丈さが取り柄ならそれを最大限に活かしましょう!

敵がシェーン号の側面について、こちらに乗り込んでくるタイミングを狙い、海底からフライングダッチマン号を浮上させ、シェーン号とでフラック号を挟みます。

そして、ダッチマンの左舷一斉掃射でシェーン号ごと敵船を砲撃させます。
鋼鉄船ならほとんど傷はつかないでしょうし、シェーン号に当たった弾が跳弾して、二重にフラック号を破壊する狙いもあります!

「力で奪え!情けは無用!撃てええええ!」


ブランク・ディッシュ
ヒスイ(f16892)と参加

まぁ、大艦隊。ヒスイ、大丈夫?
こんなにいては・・・困ってしまうわ?

アタッシュケースを開き、武器改造
祟り糸を増産、ワイヤーを念動力で操り、鉄鋼船を覆い守りを固めます

鉄鋼船の性質上、囲まれやすいですものね
生命力吸収で乗り込んでこようとする者や、メガリスの中身を吸収

・・・では皆さん。・・・お願いします
『幽霊機械兵団』約70機の浮遊輸送船を召喚
大艦隊に向かって落ちる輸送船。着水に成功する物、沈む物、敵船に特攻する物。船に乗り込んだ亡霊達は各々の持ちこんだ兵器で敵を焼き払いましょう

道具である・・・あった私達にとって、死は恐怖する物ではなく、与える物です・・・さぁ、戦いましょう


ヒスイ・カトラリー
伯母さま(f28633)と参加
まず、船首像の剣に台座がついているかみてみる
何にしろほろり涙
剣を抜ける勇者、みつかるといいね……

と、おばさま。大丈夫
……敵は大艦隊。一つ一つ沈めていたら、いくら身包み剥ぎたい敵でもそのうち、船を沈めにくるよね
遅かれ早かれ
なら……最初から気にしないで、沈めていくのがいい、かな?
誰も、死なないように

封印を解く
「変身」
勇気を出して、覚悟を決めて、オーラ防御を、覇気を纏い炎翼をひろげ
ラストデザートに炎を、魔力を溜めて呪殺弾を、炎を発射する
鎧無視、貫通する弾丸と炎属性の太いビームな範囲攻撃。まとめて焼却、水っぽい腕とか敵もまとめて、蒸発させる




 ここでまずは我らが鉄鋼船『可愛いシェーンちゃん号』の概要を説明しよう。
 サムライエンパイアの成金幹部が建造していた長距離の探索を目的とした一隻である。
 特にこの船の特徴は金にものを言わせた無骨な頑丈さとそれなりの広さ。そして積載量を大幅に増やした貯蔵庫にある。(なお今はイカとカニなどの海産物が干物など長持ちする食材に加工され保管されている)
 その分、火薬などの特別な保存場所の確保が必要なものは部屋の関係上積載量が少なく、武装は殆ど存在しない。
 唯一の武装や装飾と言ったものに分類されるのは船首に存在するとあるグリモア猟兵を模した美少女像だけである。
「これが船首像……」
 ヒスイ・カトラリー(サイボーグのヴィジランテ・f16892)はそんな船首像をまず見に行くとその出来のよさとデザインに感嘆の声を上げる。
 剣を抱いた美少女像である。
 相当高額な料金で材料を揃え、そして雇ったであろう職人技が光る。
 本人よりもちょっと大人びているような気もするがただ動かないからそう思うのかもしれない。あと喋らない分だけ美少女力がアップしている。
 そして抱いている剣の先は船に刺さっていた。
 職人でも剣先を知らないでは彫れなかったのであろう。
「剣を抜ける勇者、みつかるといいね……」
 ヒスイはそんな像を見てほろり涙をこぼすのだった。
 いや、涙ではなかったのかもしれない。
「ん?雨?」
 しとしとと、可愛いシェーンちゃん号の周囲に突然優しい雨が降り注ぐ。
 そして遠くから届く勇ましい声。
「進むのならば覚悟を決めよ。これより先は『七大海嘯』の縄張りである!」
 予知でも聞いた名乗り。
 七大海嘯『鬼火』の配下、『悪ガキ怪盗・フラック』の集団の襲撃が来たようだ。
 相手の船は機動力が高い。既に無数のコンキスタドールの大艦隊である小型船『フラック号』が我らが鉄鋼船『可愛いシェーンちゃん号』を取り囲もうとしていた。
「まぁ、大艦隊。ヒスイ、大丈夫?」
「と、おばさま。大丈夫」
 そんな大艦隊の出現にブランク・ディッシュ(ウォーマシンの悪霊・f28633)はアタッシュケースを片手にヒスイの元に特に焦っている様子もなくやってきた。
「こんなにいては……困ってしまうわ?」
 機械の腕を顔パーツの側面に添え、首を45度傾ける。
 仰々しい頭部から伸びるパーツがいい感じに動く。
「囲まれちゃったけど、いきなりこっちの船を沈めてきたりはしないみたい」
 可愛いシェーンちゃん号は頑丈で大型。
 しかし重量は重く運搬に対して安定感を重視しているため速度はそこまで出ない。
 対してフラック号は完全に強襲用の速度重視。
 すぐさま鉄鋼船は小型船に周囲を取られてしまう。
 しかし悪ガキ怪盗フラック達は小型船に積んである大砲で一斉攻撃を仕掛けてきたりはしない。
「おい、メダルは持っているか!?メダルは全て回収させてもらうぞ!」
「隠しても無駄だ!我らは隅から隅まで探し尽くす!」
「そして貴様らは全員、身包みを剥いで、そして強制労働だ!」
 そう、悪ガキ怪盗フラック達の目的は略奪と誘拐!
 七大海嘯『鬼火』の配下で海を荒らすだけあり、実力はそんじょそこらの海賊やコンキスタドールとは一味違う。
 そのため戦いで勝つ事に有利な戦術よりも、略奪した際により多くの戦果を得られる方法を選んで襲撃してきたのだ。
 それすなわち船を沈めるのではなく、船に乗り込み直接制圧するというものである。
「メダルなんて持ってないのだけど……ヒスイ、どうしましょう?」
「持ってないって言っても聞く耳もたないみたい」
 ヒスイとブランクがそういう言っている内に悪ガキ怪盗フラック達は船を近づけてきて我らが鉄鋼船『可愛いシェーンちゃん号』に乗り込んでこようとフック付きロープを投げ込もうとしてくる。
 しかしその時、可愛いシェーンちゃん号の船体が大きく傾き、フックを空振りさせる。
「わっ」
「あら?」
 急な動きに態勢を崩したヒスイとそれを片腕で支えるブランクに、操舵室から届く声が聞こえる。
「おいでなさい!私のグリードオーシャンを奪おうとするなら徹底抗戦です!海の平和は海の支配者である私が守ります!」
 敗れた修道服の上に海賊帽と海賊マントで身を包んだマリア・フォルトゥナーテ(何かを包んだ聖躯・f18077)が我らが鉄鋼船『可愛いシェーンちゃん号』の舵を執っていたのである。
 グリードオーシャンはマリアのものではない……等という野暮な事は言うまい。
 海は須らく海賊の領域。
 それはグリードオーシャンもまた、否、グリードオーシャンだからこそ適用される海賊の法なのだ。
「シェーンちゃん号、頑丈さが取り柄ならそれを最大限に活かしましょう!」
 マリアは舵を動かすと巧みに可愛いシェーンちゃん号を操る。
 ただ進路を動かすだけではない。
 巨大な鉄鋼船『可愛いシェーンちゃん号』を左右に振り動かす事で取り着こうとしてくる悪ガキ怪盗フラック達を牽制し、囲まれていたはずの陣形を偏らせていく。
 因みにシェーンちゃん号ではない。『可愛いシェーンちゃん号』だ!グリモア猟兵が主張してくるぞ!
「あら、これなら振り切れるのかしら」
 ブランクは両足を広げて揺れる甲板でバランスを取りつつ戦況を見つつ、そっとヒスイを降ろす。
「攻撃してるわけじゃないし、無理じゃないかな」
 船の操り方は見事ではあるが、それだけで大型の鉄鋼船が多数の強襲型の小型船を振り切れる訳ではない。
 悪ガキ怪盗フラック達もこれまで海賊船に乗り込み強襲を仕掛けてきた手練れである。
 多数の敵船『フラック号』が我らが鉄鋼船『可愛いシェーンちゃん号』の側面に張り付いてくるのは時間の問題だろう。
「……敵は大艦隊。一つ一つ沈めていたら、いくら身包み剥ぎたい敵でもそのうち、船を沈めにくるよね」
 ヒスイは悪ガキ怪盗フラックの船を見ながら護身用にしてはかなり大きな自動拳銃【ラストデザート】を構える。
「遅かれ早かれなら……最初から気にしないで、沈めていくのがいい、かな?」
 この大艦隊の悪ガキ怪盗フラック達がそう簡単にあきらめるはずはない。
 それに彼らは七大海嘯の部下を名乗っている。
 七大海嘯がどれほどの規模なのか分からないが、配下がそう易々と獲物を逃がす様では七大海嘯自身に制裁を加えられる可能性もあるだろう。
 そのためコンキスタドールとの戦いから逃げるのはまず難しいだろう。
「まずはお前からだー!おたからめーっけ!」
 そんな折に、悪ガキ怪盗フラックの一人が甲板に辿り着く。
 多くを振り切っているとは言っても彼らのもまた数人が強襲型の小型船で回り込んで来ていたのだ。
 そしてヒスイに標的を絞ると外套の下から水の下たる腕をいきなり伸ばしてきた。
「それなら、誰も、死なないように」
 だがヒスイはそんな相手の動きに動揺する事もなく。
 勇気を出し、覚悟を決め、オーラ防御を、覇気を纏い炎翼を広げ……封印を解く。
「変身(イグニッション)」
 拳銃ラストデザートに込められた炎と魔力が呪殺弾となって、放たれる!
 それは悪ガキ怪盗フラックの伸びた腕ごとまとめて貫通し焼却。
「なっ、うわぁああっ!?」
 水っぽい腕や身体も、そして雨もものともせずにヒスイの一撃はコンキスタドールを蒸発させるのだった。
「襲ってくるなら、倒さないと」
 そしてヒスイは次の悪ガキ怪盗フラックへと銃口を向けるのだった。
「手間取らせやがってー!」
「これだけおっきい船だ。きっとメダルはいっぱいだ!」
「乗組員もいっぱいだぜ!労働力だ!」
 だが乗り込んできた悪ガキ怪盗フラックは決して一人二人ではない。
 大艦隊を作る程の人数だ。大多数を振り払ってもしつこく乗り込んでくるやつらはいる。
「そうね、鉄鋼船の性質上、囲まれやすいですものね」
 ブランクは乗り込んでこようとしてきた悪ガキ怪盗フラック達を認識すると、腕を伸ばし持ってきて来たアタッシュケースを突き出す。
「【クランケヴァッフェ】」
 かちりとアタッシュケースが開くと、ブランクの武器改造の技能が発動する。
「祟り糸。押し返しなさい」
 開いたアタッシュケースの中から無数の糸が増産、ワイヤーとなって悪ガキ怪盗フラック達を押し返し、そして鉄鋼船『可愛いシェーンちゃん号』の周囲を覆って守りを固めていく。
「うわっなんだこぶへ」
「これなんかちから抜けぶふっ」
「うわーっ!」
 生命力を吸収する能力も駆使して乗り込もうとした悪ガキ怪盗フラック達を船から弾き飛ばすと、水飛沫の上がる音がした。
「ナイスです!さあ私"たち"もいきますよ!」
 ブランクのワイヤー攻防にマリアは歓声を上げると、そのままユーベルコードを発動!
 彼女の呼び声に応え、海底より、一隻の幽霊船が浮上してくる!
「深海の悪霊(シンカイノアクリョウ)……おいでませ、フライングダッチマン号!」
 雨の中に深海の水を混ぜこむように巨大な水柱と共に【幽霊船フライングダッチマン号】が現れる!
 その位置は丁度、コンキスタドールの船を可愛いシェーンちゃん号とで挟む形になる。
「うおお!?なんだあれ!?」
「なんか気持ち悪いの乗ってるぞ!?」
 突然現れた船とそこに乗るカトラスとフリントロック銃で武装した深海生物が混ざった姿の幽霊に悪ガキ怪盗フラック達は動揺し隊列を乱してしまう。
 そしてその隙を見逃すはずのないマリア。
「鉄鋼船なら多少の砲撃でも殆ど傷はつかないでしょう!ダッチマン、左舷一斉掃射!シェーン号ごと敵船を砲撃です!」
 高い防御力とはそれすなわち、一定以下の攻撃を無効化する能力とも言える。
 元より硬い鉄鋼船の装甲に、さらにブランクのワイヤーの補強。
 わざと集中砲火を浴びさせる訳でもないのであれば、威力を調整したフライングダッチマン号の大砲であれば、味方へのダメージを考えずに撃ち放題になる。
「さらにはシェーン号に当たった弾が跳弾して、二重にフラック号を破壊する狙いもあります!」
 言うや否やフライングダッチマン号の砲弾が一斉発射。
 悪ガキ怪盗フラック達のフラック号に当たるだけではなく、海面に着弾し波を荒らして動きを阻害する弾。
 海面から弾いて可愛いシェーンちゃん号の装甲に当たり跳ね返っていくもの。
 悪ガキ怪盗フラック達にぶち当たって可愛いシェーンちゃん号の装甲とサンドイッチにするもの。
「力で奪え!情けは無用!撃てええええ!」
 可愛いシェーンちゃん号の右側面が一気に阿鼻叫喚の渦に巻き込まれる事になる。
 因みにシェーン号じゃない。『可愛いシェーンちゃん号』だから!
「成程。……では左側は私が貰いましょう」
 その様子を見ていたブランクはツカツカと大股で可愛いシェーンちゃん号の甲板を歩いて反対側に移動する。
「……では皆さん。……お願いします」
 ピピ、と何やら交信を行うと虚空に向けて顔を上げる。
「戦いましょう?」
 次の瞬間、可愛いシェーンちゃん号の左側に約70機の浮遊輸送船が召喚される!
 ユーベルコード:幽霊機械兵団の能力である。
 そして、グリードオーシャンの世界の法則に従い、その浮遊能力は阻害され、そのまま海へと落ちていく。
 当然、可愛いシェーンちゃん号を囲んでいた悪ガキ怪盗フラック達のフラック号を巻き込む形で。
 着水に成功する物、沈む物、敵船に特攻する物。
 船に乗り込んだ亡霊達は元より船が落ちる事など気にした風もなく各々の持ちこんだ兵器で敵を焼き払いに動く。
「道具である……あった私達にとって、死は恐怖する物ではなく、与える物です……さぁ、戦いましょう」
 こちらもまた威力を調整した武装によって鉄鋼船へのダメージを気にする事なく暴れ回る。
 鉄鋼船『可愛いシェーンちゃん号』とコンキスタドール大艦隊『フラック号』の海上戦は、荒れに荒れた攻防から始まったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シノギ・リンダリンダリンダ
七大海嘯の威力偵察でも、と配下の所にやってきましたが…
メダル。金貨。なるほど。分かりました。その全てを、全部、略奪させてもらいましょうか

シェーンちゃん様号を守るためにも囮と攪乱役が必要でしょう
【越流せし滄溟の飛蝗】で自分の海賊船を召喚
こちとら海上戦に慣れ親しんだ大海賊です。洗練された「航海術」で相手の船の合間をぬい、死霊海賊たちによる「砲撃」の「乱れ撃ち」でドンドン潰していきましょう
「呪詛」の籠った「属性攻撃」の砲弾で船を破壊しつつ、自分も操縦しながらMidās Lichで船上の敵をスナイピングです

さぁ、メダルを持っていますか!?メダルも、七大海嘯の名も、全て回収させてもらいますよ!!



POW ●やーいひっかかったー!
【マントの内側】から【大量のミニ分身軍団】を放ち、【目潰しや転ばせ等色々な悪戯攻撃】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD ●おたからめーっけ!
レベル×5本の【自分にとってお宝になる物の場所を感知する】属性の【伸縮自在で高い盗み技術を持つ腕】を放つ。
WIZ ●どこからでも出てきちゃうよ!
【メガリス『尽きぬ雨の如雨露』の中身】を降らせる事で、戦場全体が【自分の体の一部】と同じ環境に変化する。[自分の体の一部]に適応した者の行動成功率が上昇する。



「七大海嘯の威力偵察でも、と配下の所にやってきましたが……」
 シノギ・リンダリンダリンダ(強欲の溟海・f03214)は激しい砲撃音の鳴り響くこの戦場での標的を見定める。
「おい、メダルは持っているか!?メダルは全て回収させてもらうぞ!」
「隠しても無駄だ!我らは隅から隅まで探し尽くす!」
「そして貴様らは全員、身包みを剥いで、そして強制労働だ!」
 彼らは悪ガキ怪盗・フラック。
 雨に関わるメガリスを持ち、雨具に身を包んだコンキスタドールだ。
 彼らこそがこの近くのヒーローズアースより落ちた島を支配する七大海嘯『鬼火』の配下。
「メダル。金貨。なるほど。分かりました。その全てを、全部、略奪させてもらいましょうか」
 船を沈めるのではなく、乗り込んで来て制圧を図ってくる敵。
 そう彼らは勝つだけが目的ではない。
 略奪と強奪を主として考えて動いている。
 つまり。彼らには……『富』がある。
「さぁ、略奪と蹂躙の限りを尽くしましょう!!」
 シノギは悪ガキ怪盗フラック達……もしくはその上司が財を持っている存在であると確信。
 海賊の名に恥じぬ豪胆さを持ってして逆に相手のお宝を奪いとろうというのである!
「お前達の前にいるのは厄災たる大海賊です!!海賊団しゃにむにー、出撃!!」
 ユーベルコード:越流せし滄溟の飛蝗(ゲット・レディ・シャニ・ムニー)で自分の海賊船を召喚!
 既に鉄鋼船の左右で戦いが始まっている幽霊船や宇宙船に守りは任せてシノギは敵艦隊の群れに突撃しにいく。
「シェーンちゃん様号を守るためにも囮と攪乱役が必要でしょう」
 船のマストに登り、高いところから周囲を見回すシノギ。しかし可愛いシェーンちゃん号である。いや様がついてるからグリモア猟兵的にはいいのかもしれない。
「こちとら海上戦に慣れ親しんだ大海賊です。かかれ!」
 そして死霊海賊たちの指揮を執り、敵の集団の中に飛び込んでいく海賊幽霊船シャニムニー。
 突然の攻め手に動揺していた怪盗フラック達の連携の隙を突き、洗練された航海術によって船の合間を縫うように進みながら船の左右から飛び出した大砲で砲撃を乱れ撃つ!
「うわーっ!なんだこいつ!?」
「くっそこっちの集団に切り込んできやがる!」
「この雨でこんだけ動くのかよ!?」
 悪ガキ怪盗フラック達の船には強襲用の大砲も装備されてはいたが、大艦隊を組んできたが故に互いの船が射線にいる間は反撃は出来ず。
 それを理解しているシノギはすいすいと相手の船と船の間に侵入っては乱していく。
 そして呪詛の籠った砲弾と黄金化された右腕パーツから放つ銃弾をばらまき相手の小型船を沈めていく。
「さぁ、メダルを持っていますか!?メダルも、七大海嘯の名も、全て回収させてもらいますよ!!」
 この海域は猟兵たちが侵攻していく!

大成功 🔵​🔵​🔵​

シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
『誰かから何かを奪おうとするなら、自らも奪われる覚悟を持たなければならない』
それが海賊の掟
さて、キミたちにそれがあるかな?

向かってくるって事は「YES」って事だよね?
それじゃ遠慮なくいくよ!
敵の船が近づいたら【ロープワーク】で鉤爪ロープを投げて飛び移り、ウィーリィくんと手分けして【船上戦】!
【クイックドロウ】の早打ちとフォースカトラスの【2回攻撃】で船上のフラックたちを退治する
全部やっつけたら小型船を【操縦】して海上を駆け巡りながら敵の船の迎撃に回る
操縦はボクに任せて!ウィーリィくんは攻撃をお願い!


ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
ったく、随分と熱烈な歓迎だな。
生憎と奴らの探し物は持ち合わせちゃいないが、どっちにしろこの海で悪さをしている以上放っておく訳にはいかないよな。

まずは奴らの船をいただくとする。
接近したところで【ジャンプ】で敵船に飛び移り、シャーリーと協力して大包丁の【二回攻撃】と【飢龍炎牙】でオブリビオン達を蹴散らして船を制圧。
そして奪った小型船で今度は敵の船の迎撃に向かう。
操縦はシャーリーに任せ、俺は【飢龍炎牙】で敵の船の推進部を破壊して足を止めたり船上の敵を攻撃して次々と敵船を沈めていく。





『誰かから何かを奪おうとするなら、自らも奪われる覚悟を持たなければならない』

「それが海賊の掟」
 宇宙海賊の正装。スペーススク水を着て完全武装をしたシャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)はグリードオーシャンの世界へと降り立った。
「さて、キミたちにそれがあるかな?」
 そして己の信じる海賊の掟を悪ガキ怪盗フラック達に投げかける。
「へっ知るかよ!」
「オレ達は七大海嘯『鬼火』の配下だぜ!」
「誰もオレらから奪えはしないぜ!」
 しかしそんなシャーリーの言葉に怯む事なく悪ガキ怪盗フラック達は一斉に襲い掛かってくる!
「向かってくるって事は『YES』って事だよね?それじゃ遠慮なくいくよ!」
 突撃してきた強襲型の小型船『フラック号』にシャーリーは鉤爪ロープを投げて道を作ると華麗にバランスを取って逆に強襲!
 相手の船の上で戦いを仕掛けにいく!
「メダルを持ってるかー!?」
「持ってないならお前も捕まえてオレ達の奴隷だー!」
「持っていたならメダルは奪ってお前はやっぱり奴隷だー!」
 船に乗り込んできたシャーリーに対して、悪ガキ怪盗フラック達は水分量の多い腕を伸ばして捕まえようとして来る!
「遅いよっ!」
 しかしその腕ことごとくをシャーリーはクイックドロウの早撃ちで撃ち落とす!
「うわっ」
「やべっ」
「ぎゃあっ」
 水飛沫が弾けるような音がして飛散する悪ガキ怪盗フラック達の腕。
「フフーン、そんな腕じゃボクは捕まらないよ……ね、ウィーリーくん!」
「よっ!」
 そこにシャーリーに続いてウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)が飛び込んでくる。
 悪ガキ怪盗フラック達の身体はその殆どが水で構成しているらしく撃ち抜かれた腕もボコボコと再生していっていくがそれでも一時的に無力化している。
 そこに大包丁で一閃、二閃っ!
「うわー……なーんてひっかかっ」
「喰らい尽くせ、炎の顎!飢龍炎牙(グリード・ブレイズ)!」
「なっぎゃあああっ!?」
 反撃しようとしてきた悪ガキ怪盗フラック達に炎のユーベルコードで追い討ちをかける!
「ったく、随分と熱烈な歓迎だな」
 蒸発していった悪ガキ怪盗フラック達を確認し、大包丁を肩にかけるウィーリー。
 顔を上げると既に小型船の操舵席にいき、動かし方を調べているシャーリーが目に入る。
「生憎と奴らの探し物は持ち合わせちゃいないが、どっちにしろこの海で悪さをしている以上放っておく訳にはいかないよな」
「ふふっ、ウィーリーくんは頼りになるね!」
 そして操縦可能な事を確認すると、シャーリーとウィーリーはそのまま敵の船を奪って迎撃に回りに行く事にする。
 強襲型の小型船であるが故にそこまで複雑な機構を投入している訳ではないのだ。
 特に乗組員はあの悪ガキ怪盗フラック達である。ならばシャーリーの知識でどうにか出来ない訳もなかった。
「操縦はボクに任せて!ウィーリィくんは攻撃をお願い!」
「よし!オブリビオン達を蹴散らしていくぜ!」
 息の合った二人のコンビはそのまま悪ガキ怪盗フラック達を次々と倒していくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ザフェル・エジェデルハ
いつもの(樒(f10234))と、いつも通りな感じで参加

今回の敵は食えないのか……
ま、値打ちモンのメダルがあるなら悪くねぇな

敵はすぐには攻撃してこないようなので、下手に出て敵の油断を誘う
メダルやるから勘弁してくれ~みたいな下手な演技で敵の隙をつき、
UCで攻撃を仕掛ける
シェーンちゃん号は頑丈さが売りみたいだし、ちょっとやそっとじゃ壊れねぇよな

移動してきた敵をあらかた倒したら接舷している敵船に移り、
残っている敵を片付けて敵船を奪う
とはいえ俺は操舵出来んから、奪取後、味方の船員を数人こちらに呼び、
操舵を任せたら大砲を敵艦隊に向けてブッ放す
いやー、一度撃ってみたかったんだよな。大砲!!


織部・樒
ザフェルさん(f10233)と行動
アドリブOK

幾ら頑丈でも艦隊に攻撃されては堪りませんね
一艘でも奪いたいものです

敵船接舷、身体検査まで周囲をよく見て敵船までの導線や布陣の薄い箇所を把握
身体検査時は懐や袖に入れておいた虎の子の茶葉がどさどさと
く……実に勿体無いですが落とした茶葉(抹茶の粉もあり)を
敵に投げつけ目潰しに利用しましょう(ショック受けつつ)

不意打ち後は船員を護りつつUC使用し付近の敵を一掃、敵船乗っ取りを狙います
船内の人数は少ないでしょうが油断なく倒し舵輪を確保、シェーンちゃん号の護衛

万一海に落ちた時は【水上歩行】
船が揺れるなら【地形耐性】【空中浮遊】
敵の盗みには【見切り】等で対処




「今回の敵は食えないのか……」
 いつもの二人。ザフェル・エジェデルハ(流離う竜・f10233)と織部・樒(九鼎大呂・f10234)は我らが鉄鋼船『可愛いシェーンちゃん号』の甲板からコンキスタドールの襲撃を観察していた。
 とても残念な事に今回の依頼ではあんまり食べ物に関わるものは出て来ない気がする。そんな事をグリモア猟兵が言っていた気がする。
「ま、値打ちモンのメダルがあるなら悪くねぇな」
 そしてこれもグリモア猟兵が言ってたような気がする内容になるが、島で製造されたメダルはそれなりの値打ちがするらしい。
 多分グリモア猟兵は目が¥マークになっていた気もする。
「よしいっちょやるか樒!」
 そしてザフェルは相棒の方へと顔を向けると、そこにはうねうね腕を伸ばした悪ガキ怪盗フラックに身体検査を受けている中性的な和服美少年の姿があった!
「メダルもってんだろー?もってんだろー?」
「……あーれー……」
 殆どの敵を振り払ったり沈めたり船から叩き落としたりしていても、コンキスタドールの大艦隊は数が多い。
 可愛いシェーンちゃん号に侵入を許してしまった悪ガキ怪盗フラックも何体かは存在していたのだ。
 そんな悪ガキ怪盗フラックの内の一体がいつの間にかやってきたいたのだ。
「あーれー……」
 棒読みで悲鳴を上げつつ成すがままにされる樒。
「おいおいおい、まじかよ樒!」
「あ、なんかおっちゃんもメダルもってそーだな!」
 そこに二人目の悪ガキ怪盗フラックが現れる。
 そしてびよーんと水の滴る腕を伸ばしてくる。
「あ、こっちもかよ!?」
 不意を突かれたザフェルは悪ガキ怪盗フラックの腕に絡めとられてしまう。
「気は進まないけど……身体検査してメダルを没収だー!」
 そのままザフェルは懐をまさぐられ始めてしまう。
「あーれー」
 そしてそんなこんなをしている間に樒側では悪ガキ怪盗フラックは目的のものを発見する!
「おたからめーっけ!」
 樒の懐から出てきたのだ。銀製の筒の缶。
 これはきっと中にメダルが入っているに違いない。
 パカっ。
 どさどさどさ。
「うわっ、何これ!?緑色の……茶葉?」
「く……実に勿体無いですが」
 やたらめったら抹茶の粉やら茶葉やらが樒の袖や懐から溢れて零れる。
 そしてそのまま腕を振るうと悪ガキ怪盗フラックの顔に投げつける!
「うわっぷっ!?」
 目潰しが効いた瞬間に、樒は呪を唱える。
「護法!頼みます」
 無数の美しい童の姿をした神霊が悪ガキ怪盗フラックを浄化し討つ。
「虎の子の茶葉が……」
 雨に濡れる茶葉を悲しみの籠った瞳で見つめる樒だったが、悪ガキ怪盗フラックは無事に撃退した。
 同時にザフェルの方も動きがあった。
「メダルならやるから勘弁してくれ~」
 情けない声を出して懇願するザフェル。
「お!やったね!おっちゃんメダル持ってるじゃん!」
 そんなザフェルがメダルを持っていると聞いて悪ガキ怪盗フラックは気をよくする。
 さぁ何処に隠し持っているのかと腕を動かすこのオブリビオンに。
「鈍色の竜よ」
 一瞬、腕が緩んだ瞬間にザフェルはユーベルコードを起動。
「よーし、お宝みー……な、なにこれ、うわぁっ!?」
 摘まみ上げたのは鈍色の幻影竜。
 下手っぴな演技でも騙された悪ガキ怪盗フラックはそのまま召喚された竜の牙に何度も食らいつかれていく。
「へっメダルなんてもってねーよ!」
 そのまま拘束を力づくで跳ねのけたザフェルは幻影竜に食らいつかれた悪ガキ怪盗フラックに一発お見舞い!
 その一撃で相手は消滅する。
「よーし、とりあえずこれで甲板に入ってきたのは倒したか」
「念の為、神霊は幾体か残していきましょう」
「俺も幻影竜を残していくぜ。もう学習したから他の悪ガキどもにも効果はあるだろ」
 そこへどーんと衝撃が来る。
 どうやら可愛いシェーンちゃん号が遂に敵の砲撃に晒され始めたようだった。
「おっと、シェーンちゃん号は頑丈さが売りみたいだし、ちょっとやそっとじゃ壊れねぇよな」
「しかし幾ら頑丈でも艦隊に攻撃されては堪りませんね」
 可愛いシェーンちゃん号です。
 攻撃に対してザフェルと樒は顔を見合わせる。
 この程度の攻撃。恐らく可愛いシェーンちゃん号の防御力なら十分に持つだろう。
 あとは相手の自由にさせ続けないように動く事と殲滅である。
「だったらこっちから打って出るしかねぇよな」
「ええ。一艘でも奪いたいものです」
 そして二人は同じ結論に至る。
 そう、侵入してきた悪ガキ怪盗フラックが乗り込んでくる際に船に横づけしてきた相手の強襲型小型船『フラック号』。
 こちらを奪って戦おうというのだ。
「そうと決まればいくぜ!」
「はい」
 ザフェルと樒は甲板から勢いよく飛び降りると強襲型小型船『フラック号』に乗り込む。
 軽やかに降りる樒と、水面を大きく揺らしながら着地するザフェル。
「舵輪は……これですね。これならなんとかなるでしょう」
 そして油断なく樒はそのまま相手の船を強奪。
 船尾についた水車を回し動かし始めると船を旋回。
 敵陣に向けて動かし始める。
「お、だったら俺はこっちだな」
 樒が問題なく動かせそうな事を確認したザフェルは船の先端にある大砲を見に行く。
 強襲用の唯一の武装である。
 悪ガキ怪盗フラックが扱えるようにしてあるだけあって、使い方は見た目で分かりやすい。
「よし、これで大砲を……ブッ放す!!」
 敵艦隊に向き直ったところでザフェルは適当に大砲をどーん!
 狙いなんてあってないようなものだが、とにかく敵の数が多いのでなんとなく当たった気がする。
「いやー、一度撃ってみたかったんだよな。大砲!!」
 バンバンと砲台を叩いて満足気にいうザフェル。
「このまま敵を倒し、シェーンちゃん号を護衛しましょう」
「おう、ガンガンいこうぜ!」
 こうして二人は奪った船でコンキスタドールの大艦隊の船を次々と沈めていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

彩波・いちご
咲耶さんと

怪獣のメダルとかサクヤさん好きそうですしね
だからってメダルビキニとか…(苦笑
咲耶さんご愁傷様です
ともあれ、咲耶さんのフォローしつつ、船に近付かれる前に倒していきますよ
【フォックスファイア】の狐火を召喚して、船に近付く敵を咲耶さんとともに撃ち抜いていきます

が、捌ききれず、咲耶さんへの接近を許してしまい…
悲鳴を聞いて振り向いたら、メダルビキニを脱がされている咲耶さんが!?

慌てて咲耶さんを襲う敵に狐火ぶつけつつ体当たりで吹き飛ばして…
…勢い余って咲耶さんを押し倒してもつれ合って転んで…
むにゅむにゅ
手が咲耶さんの胸をしっかりつかんでいたり…
「す、すみませんっ!?」
あと全部見えて…(真っ赤


天樹・咲耶
いちご先輩と
表人格の咲耶(優等生)です

「あら、ここは一体……?」

気がつけば海に浮かぶ船の上。
……さては、またサクヤが勝手に任務を受けたんですね!?

まあ、いちご先輩も一緒みたいなので一安心です。

……けど、私、なんでメダルを編んで作ったビキニの水着姿なのでしょうか?
(サクヤがノリノリで手作りしました

「とにかく、あのオブリビオンを倒して島に上陸すればいいのですねっ!」

リボルバー拳銃を構え【魔弾の射手】で銀の弾丸を発射!
敵を撃ち抜いていきます!

「やりましたかっ!
って、きゃああっ!」

ですが、接近を許した敵に、メダルでできた水着の上下を盗まれてしまい……

「いやぁっ!
いちご先輩、見ないでくださいっ!」




 ひたひたと顔を打つ雨粒に意識が覚醒する。
「あら、ここは一体……?」
 天樹・咲耶(中二病の二重人格・f20341)は気が付けばそこは海に浮かぶ船の上だった。
 そう我らが鉄鋼船『可愛いシェーンちゃん号』の甲板である。
「……さては、またサクヤが勝手に任務を受けたんですね!?」
 人格が切り替わる種族である多重人格者。
 依頼や戦闘では状況に合わせ人格を切り替えたりリズムを常に変化させる事でアドバンテージを得るような事が出来るが、多重人格とは基本的には知識を共有できるものではないため己自身でも知らぬ間に副人格が何か行動をしてしまっているという事もある。
 咲耶は今回もまた、自分の副人格のサクヤが勝手に依頼が受けてしまって、そして今まさに戦闘中であるという事に思い当たるのであった。
「まあ、いちご先輩も一緒みたいなので一安心です」
「あ、はい。メダルを収集してるコンキスタドールを倒しにいくんです」
 人格の入れ替わった咲耶に状況を説明するのは一緒に依頼を受けた彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)。
 見た目はどうみても女の子にしか見えないが列記とした男である。
「……メダル、それで私、メダルを編んで作ったビキニの水着姿なのですか?」
 副人格のサクヤがノリノリで手作りしたそうだ。
 でも用意できたメダルの数が少なかったようで大事なところだけは何とか見えないようにしただけで、殆ど紐しかなかった。
 しかもメダルの重さに想定している位置より若干下にズレてしまっていて動くとジャラジャラ鳴って大変危険な感じのメダルビキニだった。
「怪獣のメダルとかサクヤさん好きそうですしね」
 中二病を患っている咲耶の副人格サクヤは例にもれず特撮とか怪獣とかいうのに心を滾らせるハートの持ち主なのだ。
「だからってメダルビキニとか……咲耶さんご愁傷様です」
 優等生気質な咲耶が毎度毎度サクヤに翻弄されているのを知っているいちごは苦笑で応える。
「うおー!まじかよ、メダルで服作ってるじゃーん!」
「オレたち完全に当たりだな!」
 とそこへ、悪ガキ怪盗フラックたちが甲板に現れてくる。
 他の猟兵の打ちもらしのようだ。
「くっ船までの侵入を許してしまいましたか……咲耶さん、やれますか?」
 状況を把握し切れていないであろう咲耶に敵対している相手である事を伝えるいちご。
「なんだかよくわかりませんが……とにかく、あのオブリビオンを倒して島に上陸すればいいのですねっ!」
 多重人格の性として当然の戦闘場面になるのも慣れている咲耶もまた、すぐさまリボルバー拳銃を構えて(メダルビキニにホルスターだけはついてました)悪ガキ怪盗フラックに狙いを定める。
「メダルをよこせーっ!」
「身包みを剥いだらそのまま奴隷いきだーっ!」
 だがコンキスタドールも強さに自信があるのか武器を向けられても怯む事なくこちらに向かってくる。
 そしてどうやら相手の狙いは咲耶……のメダルビキニのようだ。
「フォックスファイア!」
「オブリビオンを撃ち抜く弾丸、受けてください!魔弾の射手(マジック・バレット)!」
 いちごと咲耶はオブリビオンに近づかれる前に射撃系のユーベルコードを発動。
 水の身体を持つ悪ガキ怪盗フラック相手に炎と、破魔の弾丸を浴びさせる。
「うわぁっ!?」
「ぎゃふん!?」
 猟兵の実力を侮っていた悪ガキ怪盗フラックたちはこちらの攻撃が直撃。
 ヘッドショットが決まる。
「よし」
「やりましたかっ!」
 クリーンヒットに確かな手ごたえを感じた二人はコンキスタドールを倒したと思ってしまい……。
「って、きゃああっ!」
「へへーん、おたからめーっけ!」
 実はまだ生きていたコンキスタドールがユーベルコードで伸ばしてきた腕の接近を許してしまったのだった。
 彼ら悪ガキ怪盗フラックの身体はその殆どが水。
 人体と同じような形をしていても急所が必ずしも頭部にあるとは限らないのだ。
 現に咲耶に撃ち抜かれた顔は少しずつ再生している。
 そしていちごの火は確かに属性の相性的に効果的なダメージを与えていた。
 しかし彼らの使う雨を呼ぶユーベルコードがこの戦場に降り注いでいたことでそもそもの威力がかなり減衰させられていたため一撃でほふるには至れなかったのだ。
「やったぜ、メダルだ!」
「やっほう!」
 そんな訳で、生き残った悪ガキ怪盗フラックは隙を突いて腕を伸ばすと咲耶のメダル……メダルビキニを強奪!
 咲耶の身包みを剥いでしまうのだった。
「咲耶さん!?大丈夫ですか!?」
「いやぁっ!いちご先輩、見ないでくださいっ!」
 悲鳴を聞いて振り向いたいちごの視界には、悪ガキ怪盗フラックにメダルビキニを盗まれてしまい、拳銃とそのホルスター以外は全裸になってしまっていた咲耶。
「わわっ、全部見えて……」
 15歳にしてはかなり豊満なものを持つ咲耶の裸体に動揺してしまういちご。
 しかしそんな事をしてしまっていてはコンキスタドールは更なる略奪行為に走っていく。
「身包みを剥いだらー、攫って労働奴隷だー!」
 メダルを隠せるような状態ではなくなった咲耶に対して、悪ガキ怪盗フラックは他の一般の海賊たちにして来たように身包みを剥いだ後は捕まえて攫っていこうとしてまたもや腕を伸ばしてくる。
「きゃあっ!?ダメですっ!」
 そして両腕を掴まれた咲耶は身体を隠す事も出来ずに強引に引っ張られて誘拐されそうになってしまう。
「うわー!咲耶さん、それはダメです!」
 とここになっていちごがそうはさせまいと咲耶の身体に後ろから抱き着き、悪ガキ怪盗フラックの伸びる腕に対抗しようと踏ん張る。
 むにゅむにゅ。
「ひゃあっ!?」
「す、すみませんっ!?」
 因みに掴んだところは咲耶の年齢不相応な膨らみで……。
 連れ去られてなるものかとしっかり踏ん張った結果身体は密着して両の掌はしっかりとむにゅむにゅと掴んで引っ張り。
 その度咲耶は真っ赤になりながら声を上げ。
 最終的に咲耶の身体から力が抜ける頃合いまで引っ張り合いをして、その際にいちごの任意で操れる炎・フォックスファイアを再び放って敵を倒す事でなんとかなったのだった。
 勿論、敵を倒した瞬間、力の均衡が崩れて二人はくんずほぐれつ。
 お約束な展開もしたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『地獄宇宙海賊キャプテン・アビ星人』

POW   :    宇宙地獄海賊フュージョン
【メガリス『メダル・コレクション』 】を使用する事で、【メダルに描かれた『怪なる獣』の特徴】を生やした、自身の身長の3倍の【スーパーフュージョンアビ星人】に変身する。
SPD   :    宇宙地獄海賊流殺法
【短距離テレポートを駆使した近接格闘術 】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【気配と動きのクセ】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ   :    宇宙地獄海賊プラズマ
レベル×5本の【100,000,000℃ 】属性の【光弾】を放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠砲撃怪獣・ガンドドンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


===
次回プレイング受付予定日は、
・2020/09/17(木)08:30~ です。

それ以前に送って頂いても問題ありませんが、執筆できるかは保障できません。
===
===
申し訳ありません。
諸事情で次回プレイング受付予定日は、
・2020/09/19(土)08:30~ から受け付けます。

それ以前に送って頂いても問題ありませんが、執筆できるかは保障できません。
===
仇死原・アンナ(サポート)
鉄の処女を模した鉄塊剣『錆色の乙女』,妖刀『アサエモン・サーベル』、戦闘用処刑道具『赤錆びた拷問器具』、棘の生えた鉄球が先端に付いている『鎖の鞭』等を使います

UCは指定した物をどれでも使用

普段の口調は(私、あなた、呼び捨て、ね、よ、なの、なの?)
戦闘中は(ワタシ、お前、呼び捨て、言い捨て)

処刑人として敵と戦います
同行者がいれば協力します
メインは鉄塊剣を振るいボスを倒します
鉄塊剣の使用が不向きな相手・場所では妖刀をメインにして相手をします。拷問器具や鞭を使い敵の行動を阻害して鉄塊剣や妖刀で敵を攻撃します。影朧相手にはできる限り優しく説得しますが説得不能と判断すれば容赦なく屠ります


朝霞・蓮(サポート)
●キャラ
人間の竜騎士 × 探索者 18歳 男
口調:(僕、呼び捨て、だ、だね、だろう、だよね?)

●戦い方
至近:アイテム『百膳』を使用して切り結んだり、竜言語で身体強化して格闘したり
近中:槍投げしたり銃で射撃。その時に機動力を求められるなら竜に騎乗
遠:攻撃手段がないので接近

●その他できること
錬金術でいろいろ

●長所
探索者として狂気に免疫があるので逆境に強く、恐怖と威圧に動じない

●短所
詰めが甘く、天然

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用
多少の怪我は厭わず積極的に行動
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●第二章 ヒーローズアースより飛来せし島

『フハ、フハハ!よくぞ来た、猟兵たちよ!』

 悪ガキ怪盗フラックの乗るコンキスタドールの大艦隊を退けた我らが鉄鋼船『可愛いシェーンちゃん号』はそのまま目的地である七大海嘯・鬼火の支配を受ける島に乗り着ける。

 だがそこには既に『この島の支配者』であるコンキスタドールが待ち構えていたのだった!

 その名は、『地獄宇宙海賊キャプテン・アビ星人』!!!
 
 メガリス『メダル・コレクション』を使う宇宙海賊である。

『我こそは七大海嘯・鬼火の配下が一人。丁重におもてなししよう!』

 アビ星人はそう宣言すると捕らえて奴隷化した海賊……島の住人に鞭を打ち、何やら"箱"を持ってこさせる。
 殆ど裸同然の海賊は悔しそうな顔をしながらも逆らう事は出来ないのか、重い箱を持ってくる。

『遅いぞ!我がメダルを欲したら即座に持ってくるのだ!』

 アビ星人は箱を持ってきた島の住人を叱咤し、突き飛ばすと箱の中身をジャラジャラと取り出す。
 その中身は……メダルである。

『我がメガリス、メダルコレクションはメダルに秘められし怪獣メダルの力を使える!レアなメダルであれば当然その力は強くなる……だが、例え量産品でも数さえあればその力は強大なのだよ!』

 アビ星人の持つメダルケース型のメガリスにメダルがセットされると、メダルから異様なエネルギーの奔流を感じ、そして砕け散る。

『量産品は一度使うと消耗してしまうのが難点だが……だからこそ、奴隷どもに生産させ続けている』

 メダルを砕いたアビ星人はメダルの中に秘められし怪しき獣のパワーを会得する!

『フハ、フハハ!蹂躙の時間だっ!』

 3倍の身長に巨大化したアビ星人は超高熱の熱線を発射してくる!

「フンっ!」
 仇死原・アンナ(炎獄の執行人・f09978)の鋼鉄処女を模した巨大な鉄塊剣が巨大化したアビ星人の顔面と肉体を切りはなそうと真横に振るわれる。
『フハ、フハハ!甘いわっ』
「チッ」
 だが、アンナの怪力で振るった剣はアビ星人の顔のすぐ横に浮遊する《メダル》によって防がれてしまっていた。
『大量のメダルを使い、メダルコレクションの力を存分に発揮出来る我は無敵っ!』
「本当にそうなのでございますか?」
 アンナに意識が持っていかれている隙に朝霞・蓮(運命に挑む竜・f18369)が己を竜言語によって強化させながら呪われしアーティファクト、百膳を抜く。
「……!固いです」
 蓮が一瞬の内に複数刻んだ斬撃は、やはり別の《メダル》に防御されてしまっていた。
『フハ、フハハ!散るがよい、猟兵!』
 今度はこちらの番だとばかりにアビ星人は熱光線を周囲に発射する。
「ぬぅ」
「ぐあっ」
 アビ星人を中心に全方位に放射された攻撃は接近戦を仕掛けていたアンナと蓮の身体を焼く。
「甘いのは、お前も一緒さ。ーーブレイズフレイム」
 しかしアンナもただやられた訳ではない。
 攻撃を受けた身体から地獄の炎が噴出され、アビ星人の全身を焼き付くそうと包み込む。
『フハ、フハハ!無駄よ無駄無駄……ムッ!』
 例え不定の炎でも、例え全身を同時に攻撃しようとも。
 《メダル》はその力は発揮してアビ星人を守っていた。
 否。
 確かに今、一ヶ所だけ。炎が通ったように見えた。
『フゥゥゥンっ!』
 見定めようとした猟兵だったが、それをアビ星人は熱光線を放ち中断させる。
「ダメだね、攻撃が通らない……一部を除いては」
「あの《メダル》が何か影響している事までは分かります……分かりますが、それを見極める隙も術もございませんね」
 アンナと蓮はアビ星人から距離を取り、互いに情報を共有する。
 アビ星人。
 『七大海嘯』に島を任される程の強者であるためか非常に強い。
 特にあのメダルによる防御力。
 これはまともにやりあっては『今の猟兵達でさえ』勝機が薄いと直感させる。

「メダルに秘密がある……か」
「あのメダルは確か、元海賊の島の住人から奪ったか、彼らに製造させているとお聞きしました」
 チラリと猟兵はこの戦いを遠目で見ている半裸の人々を視界にいれる。
『フハ、フハハ!そろそろ終わりにしてやろう!猟兵!』
 考察をしていた二人の元にアビ星人が《メダル》の防御力にモノを言わせて無理矢理雪崩こんでくる。
「一旦、ワタシらはここまでだね」
「あとは後続にお任せ致しましょう」
 結局二人は有効打を与えるには至らなかった。
 だが、《まともに戦っては攻撃が通らない》事を判明させた。
 これ以降の猟兵には重要な情報だろう。
 前哨戦。
 この戦いだけ見れば敗走にも見えるかもしれない。
 だがこれは明らかに、『アビ星人攻略の一手』が指されたのだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​


===
●出張、MSコメント

 アビ星人は、非常に強力なオブリビオンでした。
 その力は『今の猟兵でも、まともにやりあっては勝てない』と確信させる程です。
 特に《メダル》を用いた防御力。
 物理魔法精神系。
 どれであっても防いで来ます。
 ただし、『何処かに弱点はある』ようです。

 第二章は、ボス戦用のプレイング……だけでは勝つことは難しいでしょう。
 「ボス戦用のプレイング」+「ボスの弱点を探すプレイング」が重要になります。
 弱点そのものは書かれていませんが、弱点の情報を得るためのヒントはOPや今までのリプレイ内にあります。

 皆さんのプレイングをお待ちしております。
===
ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
確かあのメダルは島の人達から奪ったか作らせた、だったかな。
つまり彼らならメダルの弱点を知ってるって訳だ。
けど、それをアビ星人に知られたら口封じに島の人達まで攻撃されかねない。
だからシャーリーが情報を聞き出してる間の時間稼ぎも兼ねて奴を油断させるために【フェイント】で攻撃を仕掛ける。
炎の【属性攻撃】を付与した大包丁の【二回攻撃】で派手な攻撃で注意を惹きつつ、奴の攻撃パターンの癖を調べておく。

シャーリーから敵の弱点を聞いたらこれまでの戦闘で見抜いた奴の癖からその攻撃を【見切り】、【カウンター】で弱点を狙って【捨て身の一撃】の【料理の鉄刃】を叩き込む!


シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
海賊にとって大切な宝物、それは「自由」
ボクたちがこの島に来たのは、みんなの奪われた自由を取り戻すため
だから島の人たちを【鼓舞】して【勇気】を与え、メダルの弱点を教えてもらう
島の人ならボクたちよりもメダルについて詳しいはずだから
「ボクたちはあいつからみんなを解放しに来たんだよ。お願い、ボクたちに力を貸して!」

弱点を教えてもらったら【エクストリームミッション】で駆けつけてウィーリィくんにそれを伝えて、一緒にその弱点を突いて反撃開始!
猛スピードで飛び回りながら【クイックドロウ】+【乱れ撃ち】で弾幕を張り、教えてもらった弱点を狙って【スナイパー】+【クイックドロウ】で熱線の一点集中!


織部・樒
いつもの方(f10233)と行動
アドリブOK

あの金貨…めだる?の供給を防ぐのが急務のようです
それにしても湯水のように消費していますね…

住人への協力要請をメインにザフェルさんの援護として行動します
お願いとしてはメダルの運搬を止めて欲しい事、対価として
戦闘中住人の方々をお守りするという事を伝えましょう
急で信じられないかもしれませんので証拠として【高速詠唱】や
【早業】を併用してUCを住人とザフェルさんが入るように展開
以降は引き続き詠唱と【動物と話す】【動物使い】【式神使い】などで
説得出来なかった方の運搬の邪魔、それから戦況をよく見て
ザフェルさんへ結界へ戻るよう声を掛けるなど援護に回ります


ザフェル・エジェデルハ
引き続き樒(f10234)と共闘

メダルを何に使うのかと思っていたが、自分強化のためか
値打ちモンを勿体ねぇことすんなあ
まずは住人に訴えかけてメダルの供給を断たねぇとマズいな
「こいつは俺達が絶ぇ倒す。メダル作りも供給もするな!!」

【第六感】で敵の攻撃を察知し、【オーラ防御】や【武器受け】で
攻撃を回避しながら【怪力】を【力溜め】してダッシャーを撃ち込み、
地形破壊の効果で敵足元を不安定にさせる
強大化するなら的が大きくなって好都合だ
【鎧砕き】【部位破壊】でメガリス破壊を試みる

メダル供給を阻止できず敵の攻撃を防ぎきれない場合は
樒の陣に一旦避難し、住人を説得する
「このままじゃ埒が明かねぇ。俺達を信じろ!!」





『フハ、フハハ!よくぞ来た、猟兵たちよ!』
 この島の主、地獄宇宙海賊キャプテン・アビ星人が高笑いを響かせてくる。
 かの敵こそはメガリス『メダル・コレクション』を使う宇宙海賊。
 七大海嘯・鬼火の配下のコンキスタドールである!
『フハ、フハハ!蹂躙の時間だっ!』
 アビ星人は両手に握った量産メダルを砕くと、その身を輝かせ、巨大化していく。
『これこそが、怪なる獣の力なのだぁ!』
 3倍の身長に巨大化したアビ星人は超高熱の熱線を発射してくる!


「あの金貨……めだる?の供給を防ぐのが急務のようです」
 織部・樒(九鼎大呂・f10234)は巨大化し、暴れるアビ星人の射線から逃れるために物陰に隠れながら機を伺う。
 七大海嘯・鬼火の配下というだけあり、アビ星人の実力は明らかに今現在の猟兵たちを凌駕している。
「それにしても湯水のように消費していますね……」
 そっと覗くアビ星人は巨大化した身体と灼熱の光線で攻撃を行い、そして周囲を回る多数のメダルで防御の陣を敷いている。
『メダルだ!メダルを持ってこい!』
 戦うアビ星人はその姿でいるだけでも消耗が激しいのか、ダンダンと地面を穿ちながら元海賊であるこの島の奴隷住人にメダルを持って来させてくる。
 逆らう訳にもいかないのだろう。奴隷住人も悔しそうな顔をしながら重量のある箱を運んできて、アビ星人にメダルを供給している。
「メダルを何に使うのかと思っていたが、自分強化のためか」
 同じ物陰の反対側からザフェル・エジェデルハ(流離う竜・f10233)がひょっこり顔を出す。
「値打ちモンを勿体ねぇことすんなあ」
 この依頼を予知したグリモア猟兵にほだされてこの島の高値で売れるというメダルを目的に来ていたザフェルにとって、アビ星人の大盤振る舞いメダルラッシュは顔を手で覆いたくなるような光景であった。
「確かあのメダルは島の人達から奪ったか作らせた、だったかな」
 ちょっと離れた物陰に、ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)とシャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)のかまぼこコンビもなんかちょっとぎゅうぎゅうな狭い感じで隠れていた。
 あ、因みにザフェル&樒組もザフェルの身体が大きいので割とぎゅうぎゅうっぽい感じでした。
「つまり彼らならメダルの弱点を知ってるって訳だ」
「そうだね!島の人ならボクたちよりもメダルについて詳しいはずだもん」
「メダルの弱点か!それが分かればこっちのモンだな!」
「ここは、二手に別れましょう」
 4人はその場で作戦を決めると頷き合う。
『フハ、フハハ!そこかぁ!!!』
 そして同時にアビ星人がこちらの居場所を突き止めたようだ。
 熱線が発射されるのに合わせて4人はそれぞれ物陰から飛び出して走り始める。
「弱点を聞き出そうとしても、それをアビ星人に知られたら口封じに島の人達まで攻撃されかねない」
「まずは住人に訴えかけてメダルの供給を断たねぇとマズいな」
 ウィーリーとザフェルは巨大化したアビ星人へと一直線に走って駆け寄る。
 それぞれ、シャーリーと樒が島の住人の説得や聞き込みをするための時間稼ぎをしようとしているのだ。
「喰らい尽くせ、炎の顎!」
「おっしゃあ!グランドダッシャー!」
『効かんなぁ!』
 ウィーリーの炎も、ザフェルの渾身の一撃もアビ星人の周囲に存在するメダルがその攻撃を防いでしまう。
「いいや!これでいいのさ!」
「強大化するなら的が大きくなって好都合だ」
 だが二人の狙いはアビ星人への直接的なダメージではない。
 炎による目くらまし。
 そしてグランドダッシャーによる地形破壊で相手の足元を崩すのが目的なのだ。
『ヌゥゥゥ!?』
 メダルの防御術でダメージはなくとも、二人の攻撃は十分にアビ星人の動きを封じる役目を果たしていた。
 そしてその間に樒とシャーリーは元海賊のメダルを運搬させられている奴隷住人の元へと走り寄る。
「ご協力ください。メダルの運搬を止めて欲しいのです」
 樒は真摯に島の住人に話しかけ、協力要請を訴えかける。
「わわっ!?」
 なお、身包みを剥がされたあと奴隷住人にされている島の住人はほぼ全裸でありシャーリーは思わず両手で目を覆って顔を赤くしながら指の間から覗き見る形になってしまっていた。
「対価として戦闘中、住人の方々をお守り致します」
「こいつは俺達が絶ぇ倒す。メダル作りも供給もするな!!」
「メダルの弱点、知ってるんだよね?」
 脅されている島の住人に対し、樒とザフェルはアビ星人からの脅威から守ると語り掛ける。
 だが、今まで散々こき使われ脅されてきた奴隷住人である。
 おいそれとは簡単に猟兵の言葉を信じてくれる訳ではない。
 何より真っ向勝負ではアビ星人と猟兵でははっきりと実力差が見て取れてしまうのだから。
『フハ、フハハ!この程度では我は止められない!』
 足止めしていたアビ星人がここで全方位に向けて熱光線を放ち、ウィーリーとザフェルの身体を焼いて吹き飛ばす。
「うわっ」
「ちっくしょ」
 ザフェルは斧でなんとか受け止め、ウィーリーは料理人の火炎耐性で防ぐも一旦アビ星人から距離を取らざる得ない。
「ナモアラタンナ・タラヤヤ・タニヤタ・アキャマシ・マキャマシ・アトマシ・シハラマシ……サルババユ・ハダラベイ・ビヤクソワカ」
 そこに樒の秘儀摩利支天法(ヒギマリシテンホウ)が展開される。
 足元に展開した神紋陣から守護結界を構築し、外部からの攻撃を遮断する法術が、自身と猟兵たち。そして島の住人を包んで展開される。
『フハ、フハハ!その程度で防いだつもりかね!?』
 アビ星人が結界に飛びついてくると、そのまま巨大なパンチを繰り出して秘儀摩利支天法を揺らしてくる。
「くっ、なんとか防げてはいますが……長くは持ちそうにないですね」
 印を組んで結界を維持する樒に冷たい汗が流れる。
 いざとなればという式神を呼び出すと、島の住人たちだけでも逃げ出せるように彼らを搭乗させる。
「このままじゃ埒が明かねぇ。俺達を信じろ!!」
 樒の結界の中まで避難してきたザフェルは島の住人の肩を叩き、メダルの弱点を聞き出そうと説得する。
『フハ、フハハ!無駄無駄無駄!諦めて我の島でメダル製造を行うがいい!』
 アビ星人は高笑いしながら結界を削ろうと攻撃の手を加速させてくる。
 島の奴隷住人はそんなアビ星人に恐怖の顔を向け。
「ボクたちはあいつからみんなを解放しに来たんだよ。お願い、ボクたちに力を貸して!」
 そこにシャーリーの声がかかる。
「海賊にとって大切な宝物、それは『自由』!」
 同じ宇宙海賊であるシャーリーだからこそ、元海賊の島の住人の心にその言葉は響く。
「ボクたちがこの島に来たのは、みんなの奪われた自由を取り戻すため……だから、一緒に倒すために協力して!」
 ドン!と結界の一部に大きなへこみが生まれる。
「すみません……結界がもう維持できそうに」
 樒が限界を訴える中、心動かされた島の住人の口が遂に動く。

「ヤツの……メダルの中にはわざと、粗悪品が混ぜてあるんだ。そこを突けば、防御をかいくぐれるはずだ」

「ほんとか!?そいつはどれのことだ!?」
「光沢が違うんだ。変に光が強いメダルが弱点だ」
 島の住人がアビ星人のメダルの弱点を伝えてくれた。
 それはいつかこの島の圧政から抜け出すための、元海賊たちの自由への渇望の布石。
 強要されていたメダル製造の中に混ぜ込んでいた"作られた弱点"。
「ウィーリーくん!」
「ああ!それが分かれば、十分だ!」
 敵の攻撃を見ていたウィーリーが、大包丁を再び握る。
「結界が、解けます!」
『フハ、フハハ!これで終わりだぁ!』
 アビ星人の攻撃が今まで皆を守り続けていた樒の結界を撃ち破る。
 だが、それは同時に猟兵たちの反撃の始まりでもあった。
「もうてめぇの好きにはさせねぇよ!」
 結界が消えるタイミングに合わせ、ザフェルが力を籠めた渾身のグランドダッシャーを放つ!
『フハ、フハハ!無駄無駄ぁ!』
 その攻撃はザフェルとアビ星人の間に割り込んできたメダルによって防がれてしまう。
 だが、純粋なそのパワーはアビ星人の動きを止める役割を果たす。
「皆さんは逃げて下さい!」
 結界の解除と同時に、樒の放った式神たちが島の住人を避難させていく。
 この激しい戦いの余波に巻き込んでしまってはいけない。
「史上最大の凶暴すぎる竜巻、戦う覚悟はある?エクストリームミッション!」
 召喚した宇宙バイクと合体したシャーリーが猛スピードで飛び回りながらアビ星人の周囲から銃撃を浴びせ掛けてくる。
『ヌゥ!?』
 弾幕は当然アビ星人の周囲のメダルに防がれていくが、その中に、他と違う輝きを放つメダルが浮遊する!
『フハ、フハハ!散るがよい、猟兵!』
 周囲の攻撃に動きが取れなくなったアビ星人はまたもや全身を発光させ、全方位に向けて熱光線を放とうと力を溜める!
「お前の動きはもう見切った!」
 だがそこへ、今までずっとアビ星人の動きを観察し、その動きを、癖を、弱点の位置を探っていたウィーリーが飛び込んでくる!
「研ぎ澄まされた刃と技に、料理出来ないものはない!」
『何ぃっ!?』
 斬!
 と、切り裂いたメダルを始点に。アビ星人を守っていた防御術が一気に解かれていく!
「貰ったよ!」
「七星七縛!」
 そこにシャーリーのクイックドロウと、樒の護符が、間髪入れずに叩き込まれアビ星人の動きを封じる。
「やっと、ちゃんと殴れそうだな。今までずっとメダル越しだったからよ……一発、直に味わえよ!」
 そして最後にザフェルの渾身のグランドダッシャーがメダルの防御をくぐり抜けてアビ星人へと叩き込まれる!
『ヌ、ヌォォォ!!!』
 初めて直に食らったクリティカルヒットが、アビ星人を海上へと吹き飛ばす!
 そして身体の内部に溜め込んでいた超高熱が、メダルの防御術の内側で爆発!
 背を向ける4人の猟兵の背景で、アビ星人は倒されるのであった!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 冒険 『海賊との交渉』

POW   :    力を示して従わせる。腕っぷしか、あるいは財力か

SPD   :    協力することによる利を示す。これは勝てる賭けなのだ

WIZ   :    相手のプライドを刺激する。海賊の誇りを見せてもらおう

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


===
諸事情により断章は10/03(土曜)に更新されます。
恐らく夜間の更新になります。
次回プレイングの募集は断章の更新以降となります。
===
クレア・ベルディモード(サポート)
かわいい忠犬系お嬢様。
ギャグやお色気シーンの被害者要因。
割とひどい目にあっても健気に頑張ります。
天然でボケて、常識でツッコミをするタイプ。
勉強は出来る方なので、知識面ではそれなりに。
礼儀作法はお手の物、内心はともかく自信に溢れた笑みを浮かべ貴族らしく振舞う事は出来ます。
戦闘面ではいまいちですが、精神面ではどんなにボロボロになりながらも折れない鋼メンタルです。
貴族としての矜持もあり、庶民を守る義務と責任の為に無茶をすることも。

ヤラレ役、あるいは周囲を称賛する役大歓迎。
正直、貴族より農民が向いてる。


伊坂・和良(サポート)
伊坂和良の主人格には戦闘能力が無いので主人格での戦闘は行わないのでござる。
アイテム【多種多様の面】を付ける事で別人格を呼び起こし戦闘できるのでござる。
使用ユーベルコードは着けている面に対応しているので秘密の設定に(○○面装着時)と書いているのでお手数ですが見て頂けたら嬉しいでござる。
口調は主人格(わし、お前さん、ござる、ござろう、〜でござろう?)
天狗面(わし、お主、じゃ、のう、じゃろう、じゃろうか?)
ひょっとこ面(おいら、お前さん、だ、だべ、だべさ、だべ?)です。



●第三章

 強敵、アビ星人を打ち倒した猟兵たち。
 これにて、この島の圧政を敷いているコンキスタドールから奴隷とされていた元海賊の島の住人を救い出す事に成功した。
 

 ……と。そうは問屋が卸さなかった。

「この島は、『七大海嘯・鬼火』の縄張り。例え、先のアビ星人を倒したとしても……また次の鬼火の幹部がやってくるのでごわす!」

 助けた島の住人が、まだ油断ならない状態である事を教えてくれた!

「服を、服を着て下さいまし!」
 でもとりあえずクレア・ベルディモード(駆け出し猟兵・f05060)は島の住人の衣服事情の方が大事だった。
 何故なら教えてくれた島の住人は身包みを剥がされてメダル制作奴隷にされていたので全裸しかいなかったからである。

「メダルなら一杯あるでごわすが……」
 ジャラリとなんとか隠してくれる比較的協力的な島の住人。
 でもやっぱりなんか見え隠れしてしまう。

「ひー!こういうところでチラリズムは必要ないのですわ!」
 クレアは顔を赤くしながら両手をパタパタさせて視界からメダルを反らしにかかる。
「ふむ。して如何様にすれば、この島を『七大海嘯』から解放できるのでござろうか」
 同性である事と、奴隷だった過去があるためか伊坂・和良(面の力を借りるオッサン猟兵・f22018)は割と冷静に話を進めていく。
 なお戦闘はなさそうなので特に仮面はつけていない。 

「この島の中央にあるとされている『海賊旗のメガリス』でごわす!それを見つけ出し、燃やす事。そうしなければ何処からともなく増援が出現してくるのでごわす!」
 ジャラリとメダルを鳴らしながら、ほぼ全裸の島の住人が熱く語る。

 『七大海嘯・鬼火』の旗印の描かれた『海賊旗のメガリス』。
 それがある限り、例えこの地のコンキスタドールを倒したとしてもまたすぐに他の幹部が派遣され、島は支配されなおしてしまうらしい。

 既にアビ星人は打ち倒し、ある程度の時間は過ぎている。
 まとまった時間はあるとは言っても、決して悠長な事を言っている暇はないだろう。
 これは時間との勝負である。

 『海賊旗のメガリス』を探し出し、そして燃やさなくてはならない!

「ふーん。しかしこの島、中央とは言っても入り組んでいて探すのには苦労しそうでござるな」
「島の街部分はかなり入り組んでいるでごわす。隠し通路なんかも満載でごわす。拙者たちも自分の担当地域以外はあまり知らないでごわす」
 ヒーローズアースから降ってきたこの島の中心は、なんと悪のヴィランの秘密基地。
 侵入者対策に入り組んだ構造をしていたり、秘密の隠し通路なども満載だという。
 メダル製造のために奴隷住人を管理するにはそのまま地形だけでも利用するのが適していたのだろう。
「んん???担当地区なら、分かりますの?」
「ごわすごわす。やる事がメダル製造しかないでごわすからな。活動範囲は広くなくても自分のいる場所の詮索は割と暇つぶしに皆やっていたでごわす」
「ひー!」
 メダルをジャラジャラさせてチラチラさせてくる島の住人に顔を背けながらも事情を聴取するクレア。
 しかしどうやら、この島の情報は足で調べるよりも遥かに島の住人に話を聞く方が良いようだ。
「これは、聞き込みで海賊旗のメガリスを見た事のあるものがいないか調べるのがよさそうでござるな」
「そ、そうね!そうしましょう!」
「ごわすごわす。ただ、直接助けて貰った拙者たちとは違って島の中心部にいる島の住人は、奴隷住人とは言っても元は海賊。そう簡単に協力してくれるとは思えないでごわす」

 どうやら、この島の住人。
 元・海賊らしく一筋縄ではいかない様子。
 今こそ、『海賊との交渉』が大事になってくるようだ。

「わし一人の力じゃ何も出来んのでござる。助けを乞うのに躊躇はないでござるよ」
「まあ!そう言う事なら大丈夫です!私、お話は得意ですわよ」

 この島の住人の全てが、今協力してくれた住人と同じだけの情報量を持っている訳ではない。
 きちんと話せば、また支配されかねない状態である事がわかるだろう。
 ……が、今はそれ程時間がない。
 何よりも海賊である彼らは、おいそれとお人よしな感じで協力するには、建前が必要なのだ。
 特には力づくで。
 特には話術で。
 特には相手のプライドを刺激して。
 どうにかして協力を取り付け、『海賊旗のメガリス』を探し出すのだ。

 なお、協力してくれる住人は皆、メダルでなんとなく隠してくれるらしいが、他は全裸なので誰に頼めばいいのかは見た目で分かるので安心して欲しい。

 それでは、『海賊旗のメガリス』探しのための『海賊との交渉』。
 スタートです!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
この島の支配者を倒したんだからやる事は一つだよな。
肉! 野菜! 魚介類!
さぁメシの時間だぜ!
…え、もう次の幹部が近づいてるのか?
しょうがない、戦勝会とご馳走はメガリスを探してからだ。
どこにあるか知ってる人いないか?

そんな感じで島の住人から情報を聞き出し、シャーリーと一緒にそこを目指す。
みんな腹空かせてるだろうからさっさと済ませてご飯にしたいしな。
【料理の鉄刃】と【地形破壊】で壁や仕掛けを破壊してショートカットでメガリスを目指し、炎の【属性攻撃】で焼き尽くす。

終わったら、猟兵と島の住民みんなで戦勝パーティーだぜ!
あ、でもその前に服は着ような。


シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
「海賊にとって大切な宝物、それは何だっけ?」
「そんなメダルなんかじゃなくて「自由」でしょ?」
島の人たちの海賊としてのプライドを【鼓舞】し、
「でもみんなはボクたちと一緒にその「自由」を取り戻した」
「今度はそれを守り抜く番だよ!」
と【勇気】づけ、
「そのためには島のどこかにある海賊旗のメガリスを探さなくちゃいけないんだ。お願い、誰か知ってる人がいたら教えて!」
メガリスの在処を聞き出したら【エクストリームミッション】を発動させて
ウィーリィくんを背中に乗せたまま猛スピードで飛行して真っすぐそこを目指し、【クイックドロウ】で保管場所の天井を撃ち抜いて【宝探し】で見つけだして燃やしちゃうよ!


織部・樒
引き続きいつもの人(f10233)と行動
アドリブOK

癖のありそうな住人たちと交渉ですか
取り敢えず服を着て頂きたいものですが、後回しになりそうですね

分身を召喚し別行動して貰います(ザフェルさんと一緒でも良いです)
分身には色仕掛け(演技は棒)やMな住人がいればSなご褒美をチラつかせ
情報収集をお願いします
自分は【地形の利用】【式神使い】【動物使い】【動物と話す】にて
適度に場所を絞り【楽器演奏】などで
仲良くなってさり気なく【情報収集】
最終的には皆の情報やメダルを元に【失せ物探し】にて探してみましょう
発見したら皆に伝え、焚き火などして燃やします

…それにしても、せめて褌だけでも調達できないものでしょうか


ザフェル・エジェデルハ
引き続き樒(f10234)と
本当に身包み全部剥いだんだな・・・
でもまあ、風邪引くことはねぇだろ

【地形の利用】で島の大体の構造を把握しながら探索
【コミュ力】で島の住人と交渉し【情報収集】する
今いるアビ星人は俺達が倒し、ここを開放するために
『海賊旗のメガリス』を探していると単刀直入に伝え、
協力を求める

相手が何か条件を出してくるなら出来るだけ応じるが、
応じられない内容であったり、力を誇示するようであれば
【怪力】を見せつけて力づくで情報を奪う
今までいろんなヤツと渡り合ってきたからな。
海賊への【礼儀作法】も心得ているつもりだぜ

そういや樒の分身は色仕掛けを試すって言ってたな。
できるのか気になるな……



●かまぼこ開始
「この島の支配者を倒したんだからやる事は一つだよな」
「そうだね、ウィーリーくん!」
 遂に強敵、アビ星人を打ち倒した一人、ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)とシャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)は島の中心部の街に来るとキリリとした表情で顔を上げる。
「肉! 野菜! 魚介類!さぁメシの時間だぜ!」
「いぇーい!」
 そしてドドーン!とアビ星人の独占していたっぽい食糧庫から食材をかっぱらってきて調理を始め……。
「ちょっと待つでごわす!?」
 とそこへ全裸の島の住人が声をかけてくる。
「え、何?幹部倒したら戦勝パーティーじゃないのか?」
「わわっ!?服を、服を……!」
 声をかけられたウィーリーとシャーリーは目を手で覆いながら隙間からチラチラ見てたりしながら対応する。
「まだ終わってないでごわす!?このままだと次の幹部がやってきて、また島を支配するだけでごわす!」
「……え、もう次の幹部が近づいてるのか?」
「何それ!大変だよ!」
 この島の支配は『海賊旗のメガリス』によるもので、アビ星人は配属されただけのコンキスタドール。
 真にこの島を七大海嘯・鬼火から解放するにはかのメガリスを破壊しなくてはいけないのだ。
 そのタイムリミットは次の幹部がやってくるまで!
「しょうがない、戦勝会とご馳走はメガリスを探してからだ」
「そうだね、まだ本当の『自由』が手に入ってるわけじゃないんだね」
 島の住人(全裸)のおかげで事態を把握したウィーリーは調理器具を一旦片付け、シャーリーは神妙な顔で頷いて視界が下がった時にちらっと見えてしまったものにあっ!となる。
「よし、シャーリー。手分けして探そう!」
「う、うん!島の住人に聞いて回ろう!」
 そしてウィーリーとシャーリーはそれぞれ島の住人に話を聞くために駆け出すのであった。


●いつものふたり開始
「癖のありそうな住人たちと交渉ですか」
 ところ変わって織部・樒(九鼎大呂・f10234)とザフェル・エジェデルハ(流離う竜・f10233)のいつものコンビ。
 こちらもこちらで状況を島の住人に聞き、『海賊旗のメガリス』の破壊が必須である事を知る。
 なお協力してくれた島の住人は須らく全裸であった。
「本当に身包み全部剥いだんだな……」
 アビ星人と悪ガキ怪盗・フラックは元海賊たちの持ち物は衣服も含めて全て奪っていたらしい。
 そしてそのまま衣服を与える事なく、メダル製造の強制労働奴隷としていたのだ。
「取り敢えず服を着て頂きたいものですが、後回しになりそうですね」
「でもまあ、風邪引くことはねぇだろ」
 目のやり場に困る状態ではあるが、この島の奴隷住人全てに服の着用を促している時間はないだろう。
 幸いこの島はグリードオーシャンの中でもかなり温暖な気候に恵まれており、全裸で活動していても問題はなさそうである。
「ザフェルさん、ここは一旦別れて行動しましょう」
 冷静に状況を判断した樒がザフェルにそう進言する。
「だな、樒。探し物するんだ。バラバラに行動した方がいいよな」
 ザフェルもまた、樒が何を言わんとしているのかをすぐさま理解し、賛同する。
「ザフェルさんには私の分身を付けます……私の技能で何か活用できそうであれば使ってください」
「遠慮なく使わせて貰うぜ」
 樒は呪を唱えると己の現身とも言える分身を生み出し、ザフェルに従うように命令する。
 ここから先は情報収集。
 細かい指示などをザフェルが行う事で分身が持ち得る技能をザフェル側でも活用しようという策である。
「では」
「おう!」
 そしてザフェルと樒もまた、二手に別れて情報収集に駆け出すのであった。

●ウィーリーの場合
「メガリスがどこにあるか知ってる人いないか?」
 ウィーリーは街に入ると人の多そうな場所でとりあえず声をかける。
「あぁン?兄ちゃん、ここが何処だか分かってねぇようだな?」
 しかしそこへガラの悪そうな全裸の男がのしのしとやってくる。
 そう、この島の住人は基本的には元海賊。
 悪ガキ怪盗フラックに攫われ身包みを剥がされ強制的にメダル製造の労働をさせられていた荒くれものなのだ。
 ただ単純に情報収集のために声をかけただけでは協力してくれる事は殆どない。
「お腹空いてるからイラついてるんだろ?ほら」
 という事でウィーリーはひょいとやってきた柄の悪い男の口の中に食べ物を突っ込む。
「むぐっ!……んだこりゃうめぇ!?」
 口にものを入れられた元海賊の住人は一瞬、目を白黒させたものの口の中の美味に驚きの声をあげる。
「何?あんな何者だい?」
 その様子を伺っていた他の元海賊たちがウィーリーに注目する。
「俺か?俺は、ただの通りすがりの料理人さ!」
 こうしてウィーリーの情報収集はスタートしたのだった。


●樒の場合
「この辺りでよいでしょう」
 ザフェルと別れた樒は、グリードオーシャンに落ちてきた事で半壊したビル街の中でも一番高い建物の屋上に出ていた。
 これまで住人に話を聞いてみた人数は、0。
 あえて、人に話を聞く以外の方法でメガリスを探す作戦に出た。
「式神、招来」
 符を鳥の姿を模した簡易的な式神として顕現させると、それを上空に放つ。
 程なくして、式神はこの島に住む一羽の本物の鳥を伴って樒の元へやってくる。
「ー♪」
 竜笛を鳴らし、鳥を呼び寄せる樒。
 餌となる肉の切れ端を放り投げて渡しながら、樒はやってきた野生の鳥に動物と話す技能によって話しかける。
 そう、樒は島の住人に話を聞くとは言ってもその対象は人ではない。
 この島に住む野生動物に話を聞いて情報収集をしようとしているのだ。
「ふむ。ありがとうございます」
 何度か同じやりとりをしていくと樒は一羽の鷹と深く話をし始める。
 そして去っていく鷹。
 樒はその鷹を追い、走り始める。


●ザフェルの場合
「樒のやつ、分身は色仕掛けを試すって言ってたけどよ……」
 ザフェルは引き連れていた樒の分身が己の魅力を持ってして島の住人から情報収集を行っている様子を呆れたような顔で見ていた。
「こういった角度が、お気に召しますでしょうか」
「おぉ、おぉ……よいぞよいぞ。この白くきめ細かな肌触り。色気ある曲線。素晴らしい」
「お分かりいただけますか」
 樒の分身はいつもは無表情な顔を若干嬉しそうにしながら、一人の御老体に己を様々な角度から鑑賞できるように腕をひねって対応していた。
「これ程素晴らしい"茶碗"、見た事がない!」
「ものの価値の分かるお方に出会えた事を感謝します」
 茶碗。
 そう、樒の本体の複製品である白天目茶碗を樒の分身は見せびらかしていたのだった。
 茶器の自分を褒めてくれる人に久々に会った気がした樒(の分身)はちょっと嬉しくなっていつもより饒舌になっている。
 そして茶器を趣味にしている御老体は一人だけではないようで、独自のネットワークで段々人が集まっていく。
「あれは……色仕掛けなのか?」
 正直、樒の芸術的な価値が分かっているのかどうか怪しそうなザフェルはそう愚痴る。
 色仕掛けでしょう、恐らくは。
「いや、いい。人は集まってんだ……おい!ここにいる人に聞く!」
 色仕掛けの概念に揺らぎを感じながらもザフェルはひとまず今回の依頼の目的を優先する。
 すなわち、メガリスの破壊のための情報収集である。
 樒の分身によって人は集まったのであとは実際に聞いて回るだけである。
「今いるアビ星人は俺達が倒した!」
 ザフェルは力強く島を支配していたコンキスタドールは既に倒してある事を語る。
 圧政を強いられてきた島の奴隷住人にはこれは吉報であろう。
「ここを開放するために『海賊旗のメガリス』を探している。そのために協力して欲しい!」
 そして集まった人に広く、協力を呼びかける。
(こうすりゃ、誰かが何かしらやってくるはずだぜ……)
 元海賊の島の奴隷住人相手にザフェルはしばしの沈黙を受ける。
「おうおう、アビ星人の野郎がおっちんだのは聞いたがよぉ……この島じゃ人にもの頼むにはそれなりの礼儀ってもんがあんだよ兄ちゃん」
(来た!)
 程なくして、人垣の中から中々ガタイのいい全裸の男が一人進み出てくる。
「礼儀か……何をすればいい」
 だがザフェルも勝手知ったると言ったところ。
 こういった場ではただ頼み事をしただけで何とかしてくれるような人がいる訳ではない。
 例え利がこちらにあっても、元海賊の建前というものがあるのだ。
(今までいろんなヤツと渡り合ってきたからな。海賊への礼儀作法も心得ているつもりだぜ)
 隊商護衛として長く活動してきたザフェルはこういった荒くれものの対応も分かっている。
 こういう場合は、一発腕っぷしを見せてやるのが一番効くのだ。
(さあ、何を要求してくる……!)
「へぇ、分かってんじゃねぇかい……兄ちゃん、いい身体してんじゃねーか。ちょっとそこの路地裏のところまで来てくれねぇか」
 進み出てきたガタイのいい男がザフェルの肉体を見てちょっとポッとなりながら死角になりそうな街角を指さす。
 この島、住む地域が別れてはいるが男性も女性もちゃんといるし、もちろんニューハーフも存在するのだ。
「おえー!色仕掛けとか俺じゃねぇよ!」
 結局腕相撲でそこらの力自慢を軒並み打ち倒して情報収集をする事になった。
 なお一部の住人からは腕相撲の最中にやたらと握った手を撫でさすりまくられたらしい。

●シャーリーの場合
「海賊にとって大切な宝物、それは何だっけ?」
 シャーリーは島の住人が多くいる街の中心部の高い建物に陣取ると、声を上げる。
「そんなメダルなんかじゃなくて『自由』でしょ?」
 街の中心部。それはこの島の奴隷住人たちの主な仕事内容であるメダル製造の現場である。
 アビ星人に支配されていたこの島では住人はメダル製造の肉体労働を強制的に行わされていたのだ。
「でもみんなはボクたちと一緒にその『自由』を取り戻した」
 アビ星人を打ち倒し、今はこの島には支配者はいない事を改めて強く宣言する。
 強制労働をさせられていた島の住人はシャーリーの言葉に手を止める。
「今度はそれを守り抜く番だよ!」
「う、うぉー!」
 元は海賊であるこの島の奴隷住人たち。
 彼らの海賊としてのプライドを鼓舞し、勇気づけるというシャーリーの思惑は同じ海賊として共感を呼んだ!
「そのためには島のどこかにある海賊旗のメガリスを探さなくちゃいけないんだ。お願い、誰か知ってる人がいたら教えて!」
 同じ海賊として。
 シャーリーの協力要請に応える住人がいた。
「……うん!ありがとう!必ず皆の自由を勝ち取ってくるからね!」
 そしてシャーリーは宇宙バイクと合体すると高速飛行で自らの相棒を回収しにいくのであった。

●発見!
「破邪真言」
「グランドダッシャー!」
 樒の護符が迎撃用の罠を抑え、その隙にザフェルの斧が壁をぶっ叩く。
 各自が得た海賊旗のメガリスの保管場所の情報。
 それを元にやってきた猟兵は防犯用であろう仕掛けを力づくで突破していく。
「どいてどいてー!クイックドロウ!」
「みんな腹空かせてるだろうからさっさと済ませてご飯にしようぜ……料理の鉄刃!」
 グランドダッシャーの一撃で罅の入った壁にバイクと合体した姿のシャーリーと、その背中(のバイクの座席)に乗ったウィーリーが突っ込む。
「見えたでごわす!」
 銃弾の雨と大包丁の斬撃が最期の壁を斬り裂くとその先に見えるのは『海賊旗のメガリス』!
「喰らいつくせ、炎の顎!」
 視界にそのメガリスを見つけた瞬間、ウィーリーが炎を撃ち出し、メガリスを燃やす。
「せい」
「どりゃ!」
 そして燃えている海賊旗にそれぞれ一撃を入れると、遂にメガリスは塵となって消えていくのであった。

 グリードオーシャン、ヒーローズアースの島。コンキスタドールの支配からの奪還作戦、成功!!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月13日


挿絵イラスト