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鮫に仕える猫の群れ

#グリードオーシャン #七大海嘯

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#七大海嘯


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●語尾にニャは死罪
 【スチームコントラク島】。この島は、圧政に苦しんでいた。かの七大海嘯の配下によって。
「仏は三度も、罪人を許すそうだが……俺は許さない。首を刎ねろ」
「そ、そんニャ!? ニャっていっただけニャにょに!?」
 また一人、理不尽な理由で死ぬ島民。彼を止められるものはこの島にいなかった。
 奴の縄張りになったあの日から、この苦痛の日々は続いている。ケットシーとして生まれたことを、これほど憎んだことはない。
 蒸気機関のパーツを解体し、上に貢ぐ。その為だけに、眠る間も削られ過酷な労働を強いられる。さらには語尾にニャが付いただけで殺される。
 皆もう疲れていた。同じケットシーに、どうしてここまで苦しまされなければならないのだ。
 わかり切った問答を、自身の中に抑えつつ、ニャを出さないようにして、今日も私は酒を運ぶ。あのケットシーのお気に入りである、黄金マタタビ酒を。

●鮫に仕える猫の群れ
「皆、グリードオーシャンで新しい島が見つかったよ」
 そういうのはグリモア猟兵であるクトゥルティア・ドラグノフ。しかしいつもの笑顔ではなく、少々険しい表情だ。その理由は、彼女自身の口から話された。
「その島は『七大海嘯』という海賊の縄張りで、島民たちは過酷な労働を強いられているんだ。もちろん助けに行くことは、その海賊に喧嘩を売るのと同じ。同時に、縄張りを任されているコンキスタドールが強いという証明にもなるんだよね」
 かといって、見てみぬふりをできないから、猟兵は猟兵なのだ。
「まずは島に近づくためにも、奴らの配下がいる海域を、この鉄甲船【海月】で突っ走らなきゃ! 当然戦闘は避けられない。皆、島を助け出すためにも、力を貸して!」
 そう言って、クトゥルティアは船を出航させた。


しじる
 初めましての方は初めまして、そうでない方はお世話になっております。しじると申します。
 大好きなグリードオーシャンで動きがあったと言うで、早速描かせていただきました。
 今回のシナリオは、YouTubeにてリアルタイム執筆を行う予定になっております。
 そのためいつものしじるの、「いつでもプレイングカミング!」ではないのでご注意くださいませ。
 受付期間および執筆日は、こちらの日程が決まり次第発表となります。
 また、多くの人に第六猟兵の面白さや奥深さを知ってもらうために、執筆の際に、プレイングを送っていただいた方のステータスシートやユーベルコード秘密設定を公開する予定です。
 それらがもしよろしければ、ご参加いただけるととてもうれしいです。
 皆さまの素敵なプレイング、お待ちしております。
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第1章 集団戦 『島にゃんこ』

POW   :    燻製ニシンの虚偽
対象のユーベルコードに対し【すごーく疑わしいけど実は第三者 】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
SPD   :    そしてにゃんこもいなくなった
レベルm半径内の、自分に気づいていない敵を【見立て殺人 】で攻撃する際、ほぼ必ず狙った部位に命中する。
WIZ   :    うみにゃんこのなく頃に
質問と共に【魔法であると認めれば簡単な殺害方法の予言】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 海を迷うことなく進んでいく【海月】、しかしここからは奴らの縄張り。素直に通らせてはくれない。
 少し進めば、もう一隻船が見えてきた。その旗は七大海嘯の一人【鮫牙】のものである。
「そこの船よ、止まれい! ここから先は七大海嘯・鮫牙の縄張りである! 進むのならば、待つのは死。速やかに反転し、引き返せ!」
 大きな声が、向こうの船から聞こえてくる。しかし引き返すわけにはいかないのだ。
「おい、止まらんか! ええい、交戦の意思ありと見た。海の藻屑にしてくれる!! 野郎ども!!」
 コンキスタドールの船がこちらに向かってくる。大砲の準備もしているようだ。
 この鉄甲船【海月】にも大砲はあるが、敵の船を沈めるほどの火力はない。むしろ食らい続ければこちらが沈むだろう。
 敵の船に乗り込んで斬り合うか、敵の攻撃から船を護るかをしなければ。
 海上戦の始まりを告げる様に、コンキスタドールの船が砲音を上げた。

※プレイング受け付けは7日の午前8時30分からです。
良ければご参加くださいませ!
ケイ・エルビス
連携歓迎
クトゥルティアから話を聞きオレも参戦
島民を助け出す為に鉄甲船に乗って突っ走る

敵と遭遇したら
UC「パワー・ワード」を活かし
敵の質問にどんな内容でも
素直に真実を堂々と大声で胸を張って情熱的に即答
人間、言いにくい事でも自分の心に正直に答える事が大事だと思うんだ

「終わったかい?それだけじゃ、全然ダメだな。
今度はこっちからいくぜ!」

ホルスターから愛用ブラスターを素早く抜き
早撃ちでカウンター
鞭での複数攻撃を織り交ぜ船内を駆け回る
攻撃を見切りつつ
必要時オーラ防御とナイフでガード
ピンチの猟兵仲間がいればかばう

「なあ、このままでいいのかよ?
これだけ頼もしい仲間が揃ってるんだ。
みんなでやってやろうぜ!」



 砲音が鳴り響いて、一発の砲弾が飛んでくる。直撃すれば船に大きな損傷を与えるだろう。しかしそれが着弾することはない。閃光が奔り、砲弾を打ち抜いた。
 砲弾ははじけ飛び、破片が海へと沈んでいく。スタリオン、そう呼ばれる熱線銃から放たれた熱線によるものだった。それを放った本人、【ケイ・エルビス】は銃口から立ち上がる煙を吹き消した。
「先制は不発だな。それじゃあ次はこっちから行くぜ」
 そう呟き、ケイは愛用の宇宙バイクのケイダッシュに跨り、敵船めがけて空中を走行する。無論それを見てるだけのコンキスタドールたちではない。
 砲弾では撃墜されると判断し、奴らはユーベルコードを使用する。ユーベルコード【うみにゃんこのなく頃に】。明らかに常識では考えられない殺害予告を行い、それをケイへと送る。
 これが魔法で行われることだと認めるのは、真面目なものほど答えづらいだろう。推理小説などで、トリックは正真正銘、種も仕掛けもない魔法でしたなんて認めることなどできないだろう。
 だが、ケイは答えた。トリックは魔法であると。素直に、情熱的に、自分の心のままに正直答えたのだ。
 そうすれば、【うみにゃんこのなく頃に】は発動条件を解除され、無力化されてしまった。
「終わったかい? それだけじゃ、全然ダメだな。今度はこっちからいくぜ!」
 敵船に到着と同時に腰からスタリオンを引き抜き、相手の射撃よりも先に引き金を引く。放たれた熱線は島にゃんこたちを打ち抜く。
 銃がダメならばとカトラスを抜き、ケイへ殺到していく島にゃんこたち。それに彼が捕まることはない。
 颯爽と揺れる船の中を駆け、タルや砲弾を鞭インディで薙ぎ払い、船上に障害物をぶちまける。動きが鈍くなればインディの薙ぎ払いか、スタリオンの閃光に打ち抜かれる。
 そうやって派手に動いていれば、水夫として連れてこられた島民たちも気になりだし、安全な場所からケイら猟兵たちを見始める。
「なあ、このままでいいのかよ?」
 そのタイミングで、ケイの声とユーベルコード【パワー・ワード】が発動した。
「これだけ頼もしい仲間が揃ってるんだ。みんなでやってやろうぜ!」
 猟兵仲間を鼓舞するその言葉は、島民たちにもしっかり届いた。共感を得た島民たちは力を得て、支配者に反逆の意思を見せる。
「ボクらは奴隷じゃ無いニャ! もうお前らの言うことなんて聞かにゃいニャ!!」
 各々がモップやロープを手に加勢し始めた。
 こうしてケイは、猟兵最初の攻撃を成功させるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レパル・リオン
七大海嘯!それがこの世界のボス怪人ね!
平和のために、いつかソイツらを倒すために!
まずは…アンタ達よ!

思いっきり助走をつけて大ジャンプ!そのまま相手の船に飛び乗り、ダッシュしながら大立ち回りよ!
見立て殺人とかいうよくわかんないユーベルコードも、野生の勘で相手を見つけて殴り倒せば解決!
でさ、見立て殺人ってのはアレよね、歌の通りに死んじゃうってアレよね!じゃあ、それっぽい歌を歌ってる所に怪人がいるはずよね!見つけてぶっ倒す!

最後は空に大ジャンプ!そして船ごとなぎ倒すわ!
これでトドメっ!【虎狼竜・神風脚】!



 ケイが敵船に乗り込み暴れた結果、敵船からの砲撃は一時的に収まった。その隙を逃さず、海月が敵船に接近する。
「七大海嘯! それがこの世界のボス怪人ね! 平和のために、いつかソイツらを倒すために! まずは…アンタ達よ!」
 船端に乗りつつ、勇ましい声を上げるのは【レパル・リオン】である。
 船が十分に接近したのを確認したのならば、一旦船端から降り、勢いをつけて甲板を走る。高跳びの要領で船端を飛び越え、それだけでなく船間の隙間さえ超えて敵船に乗り込む。
 当然猟兵の来船など歓迎しない島にゃんこ。ユーベルコード【そしてにゃんこもいなくなった】を発動させ、見立て殺人を開始しようとする。
 数いる島にゃんこたち。その誰かがユーベルコードを使用している。見立て殺人による攻撃が成功した場合、当たった部位は破壊されてしまう。
 だがこのユーベルコードは、自身に気付いていない相手にしか発動できない。発動させている相手を見つけ出せれば問題はない。
「見立て殺人ってのはアレよね、歌の通りに死んじゃうってアレよね! じゃあ、それっぽい歌を歌ってる所に怪人がいるはずよね!」
 レパルは野生の勘と、自身の聴覚をフル活用して戦場を把握する。
 すると耳に入ってくる小さな歌声。一度聞こえたならばおおよその場所は把握できる。何より大きいとはいえ船、隠れられる場所は限られる。
「そこね!!」
 見つけ出した。レパルはその小さな体躯からは想像もできない速度で走りだし、見つけ出した島にゃんこに、速度を乗せた渾身の右ストレートを叩き込む。
 ストレートを喰らった島にゃんこは、撃ちだされる弾丸のような速度で、船端を破壊しながら盛大に吹き飛んでいった。
 ユーベルコードを発動させるはずだった島にゃんこがやられ、もはやレパルに対して武装によるねじ伏せを行うしかない。
 しかし魔法少女レパルは、己の必殺技をまだ切っていない。
「これで終わりよ! カミカゼキック!」
 高く、そう高く。小さな体がさらに小さく見えるほど高く飛び、ユーベルコード【虎狼竜・神風脚(レパル・カミカゼキック)】をレパルは発動させる。空を切る音と甲高い落下音に合わさって、足をライオンの頭に変化させたレパルが降ってくる。
 着弾。砲弾が直撃したような爆音と共に甲板が抉れ、その破壊力を物語る。
 直撃地点にいた島にゃんこたちが無事なわけなく、レパルの勝利のスタンディングが島民たちをさらに鼓舞するであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルク・フッシー
ひえっ(怒鳴られて怯む)
い、いや…平和のため!ボク、逃げません!

相手の砲撃に対抗。磁力属性を宿した絵の具の弾丸を、敵の砲弾に当てます
そして砲弾同士を引き合わせ、ぶつけて墜落させようと思います
砲撃の合間に相手の船も塗って、撃った砲弾で自滅するように仕向けられればベストです

いや、攻撃の方法を聞かれても…ホントに魔法なので…魔法ですと答えるしかないです
他の質問をされても、できるだけ真実を答えますよ
とても答えられないような質問ならダメージは少ないはずですから、がんばって痛みに耐えます



 敵船に乗り込んで戦うものばかりではない。接近したとはいえ、砲弾は撃ち合える状態。放置すれば砲門の数で負けているこちらが沈んでしまう。
 だからこそ、カバーするものが光ってくる。【ルク・フッシー】は、敵船に乗り込まず、砲弾から船を護る役割を選んだ。
「ひえっ! い、いや…平和のため! ボク、逃げません!」
 島にゃんこの見た目に似合わない大声に怯えるも、挫けることはなく立ち向かう。その勇気が彼にはあるのだ。
 ユーベルコード【連射塗装(バレット・ペイント)】を使用。飛んでくる砲弾に薄菫色のペイント弾を塗り付ける。一見ただ砲弾に色を塗ったようだが、ユーベルコードの効果は色に応じた属性の絵具である。薄菫色は磁気。鉄と鉄は引かれ合い、砲弾と砲弾が船に着弾する前にぶつかり合う。
 船間で爆発が起こり、敵船からは誤爆を疑う声が上がる。その隙に、今度は敵船にペイント弾を塗る。そうすれば再度発射された砲弾は、くるりと踵を返して放った自分たちの元へと帰ってくる。
 こんな摩訶不思議はユーベルコードしかありえない。島にゃんこがその使用者であるルクを見つけ出し、ユーベルコード【うみにゃんこのなく頃に】を発動させる。
 魔法だと認めれば理解できる殺人予告を行い、それが真実だと認めなければダメージを負うユーベルコード。しかし認めてしまったらそもそもダメージが出ない諸刃の剣であるのだ。
「いや、攻撃の方法を聞かれても…ホントに魔法なので…魔法ですと答えるしかないです」
 噓偽りない真実である。当然ユーベルコードのダメージ条件に当てはまらないため、ダメージは起きない。
 ルクは鉄甲船にいるため接近攻撃はできず、飛び道具を使えば自分たちに帰ってくるという状況。島にゃんこたちは、砲撃を止めざるを得なくなるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シノギ・リンダリンダリンダ
ほう、ここは七大海嘯の縄張りでしたか
でしたら、今日からここは私の、“強欲”のシノギの縄張りです
猫を大事にしない奴らは、縄張りを略奪されても文句は言えませんよね?

相手が一隻なら攻め手を増やすのが良いでしょう
【越流せし滄溟の飛蝗】で自前の海賊船シャニムニー号を召喚し乗り込む
死霊海賊達は砲撃手や敵の船に乗り込む白兵戦用に分け配置
「操縦」はもちろん大海賊である私。歴戦の「航海術」で海月号をサポートします
見た目は古き良き海賊船ですが大改造された船体。マシンガンの如く「砲撃」を「乱れ撃ち」
さらに敵船に行った死霊海賊たちの「集団戦術」
「蹂躙」してあげますよ

さぁ、海賊の時間です。ここから先は、待つのは死です



 グリードオーシャンは海賊の世界。当然七大海嘯以外にも、自分の縄張りを持つ海賊はいる。
「ほう、ここは七大海嘯の縄張りでしたか。でしたら、今日からここは私の、“強欲”のシノギの縄張りです」
 ユーベルコード【越流せし滄溟の飛蝗(ゲット・レディ・シャニ・ムニー)】で召喚された、海賊幽霊船シャニムニーの操舵をしながら、【シノギ・リンダリンダリンダ】は敵船に向けて言った。
 相手はいくらこちらの船より強力な船であるとはいえ、一隻でしかない。数の優位というものは海戦では非常に重要であり。その数を増やす手段を持つシノギがこれを使わない手はない。
 数多の荒れる海を己の操舵で乗り越えてきたシノギにとって、快晴の海など庭同然。何の苦もなく、自身の手足のようにシャニムニーを操り、敵船を海月と挟み込むように船をつける。
 こうされれば、敵船は左右両方から砲弾の雨に晒されるわけで、当然受ける被害も大きくなる。
 さらに問題なのは、シャニムニーの性能である。見た目こそ古き良き海賊船だが、機銃のように砲弾を乱射するのだから、敵船としてはたまったものではない。
 島にゃんこたちがユーベルコード【うみにゃんこのなく頃に】を発動させて、魔法であると認めれば簡単な殺害方法の予言を放ち、真実を言わなければダメージを負う状態にするが。
「警察でも何でもない私が、殺害方法が魔法じゃないというとでも思ったのでしょうか?」
 当然真実を導き出す。そもそも魔法云々以前に幽霊を扱っているのだから、そういう方法があってもおかしくないだろうと思ってしまうのも不思議ではないのだ。
 こうして、シノギ操るシャニムニーと、乗り込んだ幽霊船員たちのよって、敵船そのものが大きな被害を受けるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

幻武・極
へえ、荒々しい海賊が乗っているかと思えば乗っていたのはにゃんこか。
でも、キミ達もコンキスタドールなんでしょ。
だったら、倒させてもらうよ。

へえ、ボクに質問を投げかけてくるのか。
ボクの代わりにこのモフぐるみが答える訳がないからボクが答えておくかな。まあ、モフぐるみじゃなくて実物でも質問はしても自身で答えることはしないだろうけどね。
ああ、そうそう、ボクは武術家を名乗っているけど魔法は否定してないからね。
なんせ、武術と魔法を合わせた魔法拳も使うから、断然肯定派だよ。
ところで質問は何だい?

それじゃあ、お返しに幻武百裂拳をお見舞いしてあげるよ。



 既に数多の攻撃を受け、沈没寸前の敵船。それに颯爽と乗り込む影一つ。【幻武・極】である。
 船に乗り込み、辺りを見渡す。大分数が減ったが、いまだ残っている島にゃんこたちがカトラスを抜き、極を迎え討とうとしていた。
「へえ、荒々しい海賊が乗っているかと思えば乗っていたのはにゃんこか」
「にゃんこだと舐めてもらっては困る。我々はあの方に選ばれた精鋭なのだ。ニャなど語尾に付けぬ、立派な兵である」
 その顔は、確かに可愛らしい猫のものではなく、誇り高い海賊のものであった。やっていることこそ悪行そのものだが、海賊であることは誇りに思っているようだ。
「だったら、倒させてもらうよ」
 そう言えば、極は構えを取る。
 ユーベルコードを使用するつもりなのだろう。そう判断した島にゃんこたちが、先にユーベルコード【うみにゃんこのなく頃に】を使用する。
 魔法であると認めれば簡単な殺害方法の予言を放つ……が、そもそも極は魔法拳の使い手。無論魔法の肯定派である。通用するわけがない。
 なんてこったと言いたげな様子に一瞬なるが、島にゃんこたちに諦めはない。カトラスを抜いて、極を討とうを走り出す。
「それじゃあ、お返しに幻武百裂拳をお見舞いしてあげるよ」
 質問の返答代わりにユーベルコード【幻武流『幻武百裂拳』(ゲンブリュウ・ゲンブヒャクレツケン)】を発動させる。約400にも及ぶ実物と幻の猛打が、迫りくる島にゃんこたちを次々と打ち抜き吹き飛ばし、海の中へと叩き込んでいった。
 こうして船員は、連れてこられた島民たちを除いていなくなり、ボロボロとなった敵船は役目を終えたかのように沈没するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『『赤足の』ロジャー』

POW   :    ロジャー流惨殺術『軛返し』
命中した【ナイフ】の【切っ先】が【返しの付いた形状】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
SPD   :    ロジャー流捕縛術『インシデント』
見えない【ロープ】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
WIZ   :    ロジャー流殲滅術『ベルナデッタ』
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【魔力で作ったナイフ】で包囲攻撃する。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ロスティスラーフ・ブーニンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 鉄甲船が島にたどり着き、猟兵たちが現地へと降り立つ。そうすれば黙っていないのはこの島の主である。
 島民たちが恐怖に怯えた表情で頭をたれ、その者が猟兵たちの前に現れるのを止めようとしない。そうして現れるのはケットシーであった。
 敵の血だまりを踏み越え進む姿から、かつて赤足と呼ばれたケットシー。ロジャーがその姿を現した。
「俺に……いや、鮫牙のボスに歯向かうやつがまだいるなんてな。驚いたものか、呆れたものか」
 そう言うロジャーであるが、その佇まいに隙は一切ない。幹部級オブリビオンを彷彿させる貫禄を放ち、自身がただのオブリビオンとは一線を画すというのをまざまざと突き付けてくる。
 まともにやり合えば、いかに猟兵といえど勝機は薄いだろう。
 だが、ここには島民たちが多く集っている。彼らならば、かのオブリビオンの弱点を知っているはずだ。
 彼らから情報をうまく聞き出しつつ、ロジャーを討つしかない。
 腰から得物であるナイフを抜いたロジャーが、不敵な笑みを浮かべた。

※プレイングは9月16日、午前8時30分から受付いたします。
皆さまの素敵なプレイング、お待ちしております!
シノギ・リンダリンダリンダ
おかしなことを言いますね
七大海嘯の部下だというから喧嘩を売ってるのですよ、こっちは?

右腕をMidās Lichに換装し射撃
着弾したら【死猟の蹂躙】を開始する
次々に生まれる死霊海賊、死霊騎士、悪霊魔獣に敵を襲わせながら島民の方へ

猫を踏みにじる悪い猫が相手なら容赦はしません
だから安心してください。この大海賊、“強欲”のシノギ
七大海嘯への喧嘩のタメにもこの島の平和は守ります
悪い猫に従うか、優しい大海賊の手伝いをするか
賢い皆さまなら分かりますよね?

大海賊としての威厳を覇気を礼儀作法を、ほんのちょっとの恫喝を滲ませ弱点を聞き出す

聞き出したら、後はもう蹂躙です
誰に歯向かっているか。死ぬ前に覚えましょうね?



 喧嘩を売るためにこの島に殴りこんだのだ。七大海嘯の配下と知っているからそこである。
「おかしなことを言いますね。七大海嘯の部下だというから喧嘩を売ってるのですよ、こっちは?」
 そう啖呵を切るのは【シノギ・リンダリンダリンダ】である。それに対してロジャーもまた、冷めきった啖呵を返す。
「なら驚きや呆れは違うな。ただの無謀な愚か者だ。その末路を、身をもって教えてやろう」
 ロジャーがナイフを抜く。リンダも合わせて右腕をMidās Lichに換装。お互いに合図をすることもなく、ただ一陣の潮風が吹くのに合わせて互いに動き出した。リンダのMidās Lichが黄金に輝く弾丸を雨のごとく降らせる。対してロジャーは軽やかに、流れる清流のように、針に糸を通すかのように細い弾丸の暴風の中を抜けて、リンダへとナイフを突き立てんと強襲する。
「それは見えてるんですよ」
 リンダはその強襲に焦ることなく射線を向けて撃ちまくる。
 ロジャーは並みのオブリビオンではない実力者ではあるが、リンダの能力を少し甘く見ていた。想定より早く向けられた射線。近距離で撃ち込まれる弾丸の雨、それら全てを回避することはできない。一部は防御に回るしかない。
 だが、一発でも攻撃が命中するならばユーベルコード【死猟の蹂躙(ワイルドハント)】が発動する。防御されたとはいえ、命中したことには変わりない。次々に生まれる死霊海賊、死霊騎士、悪霊魔獣がロジャーを襲う。
「小賢しい!」
 それに対しロジャーもまたユーベルコード【ロジャー流殲滅術『ベルナデッタ』】を発動。無数の魔力で作ったナイフが、襲い来るそれらを蹂躙していく。
 しかし殲滅するには量が多い。その隙を付いて、リンダは住民たちの下へ。
「安心してください。この大海賊、“強欲”のシノギ、七大海嘯への喧嘩のタメにもこの島の平和は守ります」
 そういうリンダは、確かに大海賊の威厳と覇気があった。それは住民たちに、彼女や、彼女の仲間たちになら、ロジャーを討つことができるかもしれないという希望を灯すには十分であった。
「悪い猫に従うか、優しい大海賊の手伝いをするか……賢い皆さまなら分かりますよね?」
 その言葉に頷く。住民の一人が声を上げた。
「もう、言葉を強要されるのも、無理やり働かされるのも嫌ニャ! 奴の弱点、教えるニャァ!!」
 それに賛同する形で、他の住民たちも話し出す。奴は酒が何よりも好きで、特に黄金マタタビ酒と呼ばれるこの島の名産酒が大好物である。何よりもこれを優先するため、うまく使えば致命打を与えられるかも、と教えてくれた。
「そうですか……ちなみにソレ、今手元にありますかね?」
 不敵に笑う、その表情は海賊のそれそのものであった。早速黄金マタタビ酒を住民たちから一本貰えば、大きな声で叫んだ。
「ロジャー……これ、何でしょう?」
 そう言ってボトルに入った黄金マタタビ酒を見せびらかした。死霊海賊、死霊騎士、悪霊魔獣を相手に大立ち回りしていたロジャー、それを目にした瞬間、顔は真っ赤に染まった。
「俺の酒!? 何をする!!」
「こうするんですよ!」
 投げた。黄金マタタビ酒を投げた。それはもう全力で投げた。落下すればどうなるかは目に見えている。
「バ、馬鹿野郎!?」
 目の前の敵なぞ知るかと言わんばかりに、投げられたそれに向かって走り出す。その隙だらけの背中を、何もしないで見つめるリンダではない。
「さて、後はもう蹂躙です。誰に歯向かっているか。死ぬ前に覚えましょうね?」
 結果、ロジャーは背に多くの負わなくてよかった傷をもらう。辛うじて黄金マタタビ酒を回収したが、猟兵相手にこの負傷は、大きすぎる枷となるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルク・フッシー
あ…あ…深呼吸しなきゃ…
…よ、よし…大丈夫です…!

あの、コンキスタドールの弱点とか、知りませんか…?好きな物とか…嫌いな物とか…
他の猟兵が戦っているスキに、こっそり島民に近づいて話しかけます。弱点を耳打ちしてもらいます

弱点を聞いたら、見つからないようにソレを絵に描きます
その絵を手に持ってたら、相手はどうするでしょうか
突っ込んでくるでしょうか

そうしたら柔らかいオーラ防御で受け止めることでオブリビオンに隙を作ります
至近距離でドラゴンオーラ塊を叩き込み、鎖で捕縛!
そのまま振り回して…何度も叩きつけます!

……できますか…?ボク、できますか…?
うっ…うっ…



 リンダがロジャーに妨害を行っている間に、行動していた猟兵も当然いる。【ルク・フッシー】もそのうちの一人だ。
「あ…あ…深呼吸しなきゃ……よ、よし…大丈夫です…!」
 目の前で繰り広げられるロジャーの大立ち回り。素人だったとしても、その尋常ではない戦闘能力が伝わってくる。まともにやり合えば、いくら猟兵でも敗北は必至だろう。
 だからこそ、ルクは弱点を探る。この島で長いことロジャーに使わされていた住民たちなら、なにか弱点を知っているはずだと。
 その読みは当たっていた。リンダのおかげで、猟兵への不信がある程度溶けていた住民たちに、ルクが近づき小声で聞く。
「あの、コンキスタドールの弱点とか、知りませんか…? 好きな物とか…嫌いな物とか…」
「実はニャ……」
 そうして、黄金マタタビ酒のことを知ったルク。ならばその卓越した画力でそれを描く。実写と見間違うほどに精巧なそれを持ち、怯える心を圧し殺して、ロジャーに立つ。
 背に傷を負い、手元の黄金マタタビ酒を安全に保護しようとしている彼の前で、ルクは勇気を振り絞って叫んだ。
「ロ、ロジャーさん! ここに、貴方の好きなものがありますよ!」
 声に惹かれ視線を向けるロジャー、その端に映る黄金マタタビ酒(絵)。彼が次に取る行動は一つだけだった。
「俺の黄金マタタビ酒……返せ」
 低く、ドスの聞いた凄みある声が響く。地の底から聞こえてくるようなそれは、間違いなく相手の逆鱗に触れている証左。はっきり言って、恐ろしいことこの上ない。
「ひぃ!」
 つい恐怖がこぼれる。逃げ出したい思いもある。だがここで退けば、当然自分に情報を伝えた住民たちが危ない。このような状況だと、ルクは絶対に退かない男である。だからこそ、声を大にして挑発するのだ。
「……こ、これ、割っちゃいますよ! 返してほしかったら……取りに来てください!」
 その言葉を聞いてすぐだ。ロジャーが音を置いていくと錯覚するような速度で突っ込んだのは。このままでは喉を切り裂かれるか、心臓を突き刺されるかで終わってしまうだろう。
 だから、ルクはオーラ防御をクッションにした。衝突間際で展開し、衝撃を抑え、自身が飛んだり刺されたりするのを防いだ。
 やられた側であるロジャーからすればわからない状態だ。いきなり自身が、柔らかな何かに急停止させられたのだから。その不意の思考の隙を、ルクは逃がさない。
 ユーベルコード【ドラゴニアン・チェイン】が発動する。至近距離でドラゴンオーラが炸裂し、一瞬の閃光に遅れて爆音が鳴る。
 生み出される熱と衝撃でロジャーが飛ぶが、逃がさないとばかりに、オーラの鎖がルクとロジャー間に繋がる。
「くそっ、舐めた真似を青二才が!!」
「でやああ!!」
 鎖を引きちぎろうと、ロジャーが退きの体勢に入るが、ルクは退かずに鎖を引く。ロジャーが引っ張られ、こちらに飛んでくる恐怖に負けず、その勇気の勝利をつかみ取らんと、ロジャーを一本背負いの要領で投げ、杭打機のように何度も地面へと打ち付けるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レパル・リオン
むむっ!強敵のオーラ!
でも、あたし逃げない!

魔法猟兵イェーガー・レパル!参上!

ちっちゃい!素早い!かわいい!
三拍子揃った強敵の攻撃に、あたしタジタジ!
…いやこれタジタジとか言ってる場合じゃない!ぎゃあああナイフ超痛いー!
いだだだ!でもナイフは刺さったままガマン!ガマン!

とにかく弱点を探さなきゃ!探して…狙って…殴るのよ!
…コイツ酒に弱かったりしない?勘だけど。

カッコいい変身と諦めない姿で島のみんなを元気づけて、応援とアドバイスをもらう作戦でいくわ!



 強敵というものはオーラを放っている。それはその者の辿った戦の道を示すように、自然と出るようになるもである。ロジャーもまた、オーラを放っていた。
 だからこそ、この魔法猟兵【レパル・リオン】は燃えるのだ。
「魔法猟兵イェーガー・レパル!参上!」
 勇ましく登場、即座にユーベルコード【変身(レパル・トランスフォーム)】を発動させる。ライオンをモチーフにした魔法少女が爆誕。希望を与えるため、ここに参上である。
「俺は今機嫌が悪い。ふざけた真似をするなら……わかっているだろうな?」
 レパルは大真面目、しかしロジャーにはそう見えないのか、ボロボロに猟兵にやられていたのもあってかなり不機嫌である。握ったナイフがギラリと光る。血を寄越せと言ったかのように見えた。
「ふざけてなんかないわ! すぐにアンタなんかあたしがタジタジにしてやるわ!」
「……そうかい」
 ロジャーのユーベルコード【ロジャー流惨殺術『軛返し』】が即座に発動。瞬間で間合いを詰めて、レパルの首へと突き刺さんと迫ってくる。しかしレパル、そこは猟兵。瞬時に腕を防御に回すことで、急所に突き刺さることは避けるが、ユーベルコードで、刺されたナイフは抜けなくなる。
「…いやこれタジタジとか言ってる場合じゃない! ぎゃあああナイフ超痛いー!」
 即座に蹴りを浴びせようとするが、ロジャーは既に間合いの外。次のナイフを取り出し、二撃目を喰らわせようと突撃体勢を取り直していた。
 この流れるような一連の動作、やはりまともに戦うのは危険すぎる相手である。
 だか、こういうピンチの場面で勝ってこそ、皆に希望を与える魔法少女なのだ。
「皆、力を貸して!!」
 大声で叫び、ロジャーの攻撃をかわしカウンターを狙う。勿論どちらも卓越した近距離戦闘者、ロジャーが大きく優勢ではあるが、レパルは負けじと交わして拳を打ち込んでいく。
 その姿は勝てないと思われたロジャーと対等に渡り合っているようにも見え、住民たちに希望を灯すのに十分であった。
「これを受け取ってほしいニャ!!」
 住民たちの誰かが、何かをレパルに投擲した。ロジャーの攻撃を紙一手で回避しつつ、レパルはそれを確かに受け取る。
 それこそ、ロジャーの弱点である黄金マタタビ酒であった。
 瞬間、レパルの格闘センスが閃く。それは瞬時の判断であった。レパルは、ロジャーの攻撃コースに、黄金マタタビ酒を持ってきたのだ。
 目の前に突然現れる自身の好物兼お宝。それを自身の手で破壊するという選択を、瞬時にできる人物はほぼいない。ロジャーであってもそれは同じ。
 あるはずのないものが、自身の攻撃コースに出てきたことで硬直する。
「いま!」
 その生み出した隙を逃さない。レパルは渾身のアッパーカットを、ロジャーの顎へと叩き込んだ。
 除夜の鐘が鳴るような低く響く音と共に、重力を失ったかのようにロジャーが飛翔する。そのまま頭頂部を地面に叩きつけるまでの時間が、住民たちには体感長く感じた。
 あの赤足が、ロジャーが、先ほどからやられっぱなしである。さらには、明らかに幼いこの少女にもやられたのである。この衝撃が、住民たちにさらに希望をもたらすのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

幻武・極
へえ、キミがあのにゃんこ達のボスか。
なかなか強そうだね。
武術家たるもの強者には挑まないとね。

さて、そのユーベルコードは厄介だね。
島民がこうして集まってくると巻き添えにしてしまうからね。
オーラ防御で自身を守りつつ、属性攻撃:風の衝撃波で島民に飛んでいくナイフを吹き飛ばしていくよ。
だけど、やっぱりきついかな。
でも、ピンチだからといって諦めるつもりはないからね。
追加入力で強化し敵の攻撃を凌ぎ切ってみせるよ。

さて、ここからはボクのターンかな。



 むくりと立ち上がるロジャー。その姿は普段のそれとはまるで違う。ひたすらに打ちのめされていた。恐怖で支配していた自身が、なぜこのような目に。
「俺は鮫牙に認められた男だぞ……」
「なら尚更、武術家たるもの挑まないとね」
 そのロジャーの前に現れるのは【幻武・極】である。魔法拳とゲーム武術を嗜む者、即ち武道家として、強者であるロジャーに挑むのはごく自然であった。
 だが、ロジャーからいい迷惑である。主のシマを護っていただけでコレなのだから。勿論、自身の圧政が悪いという考えは毛頭ない。そもそもオブリビオンというものはそういうものである。
 だからこそ、住民たちを巻き込む攻撃をすることに躊躇はない。
「さっきから奴らに協力しているのはわかってるんだよ!」
 ユーベルコード【ロジャー流殲滅術『ベルナデッタ』】が放たれる。今度は大多数の敵ではなく、個人と住民たち全員を狙ってである。裏切りの住民たちを粛正する魂胆もあるのだろう。
 猟兵ではない住民たちが喰らえば即死もあり得る。それは見過ごせないのだ。
「危ない!」
 自身に飛んでくるナイフはオーラ防御で、住民たちへと飛んでいくナイフは風の力で吹き飛ばす。しかしマルチタスクは困難なことをすればするほど難易度が上がる。住民たちは無事だが、極のほうはそうもいかない。いくつか防ぎきれずに負傷を負ってしまう。
 勿論極に住民たちを護る義務はない。だが住民たちからすれば、自分たちを護ってくれたその行為は、確かに心に響いた。
 ロジャーとは違う。彼らは自分たちを護ってくれる。それは、圧政で苦しむ住民たちからすれば、猟兵に付きたいと思わせるには十分であった。
「これを受け取ってニャ!」
 住民が投げたそれは黄金マタタビ酒。しかと極はそれを受けとり、察した。
「なるほど、お酒が好きなんだ」
 黄金マタタビ酒を視認したロジャーの表情が変わる。不機嫌に憤怒が追加、鬼の形相とはこのことである。手負いの獣とでも例えられそうで、非常に危険な状態であるのは誰の眼でも明らかであった。
「いいよ、僕に勝ったら返してあげるよ」
 その口車、ロジャーは乗らざるを得ない。合図など待ってられるかと言わんばかりに極へ突っ込む。
 しかし極は武道家だ。怒りで我を忘れ、戦闘の筋を見失った獣相手に敗北することはない。ユーベルコード【幻武流『追加入力』(ゲンブリュウ・カクシコマンド)】。
「上上下下左右左右!!」
 呼び出したゲーム用コントローラーに追加コマンドを入力。これによって武器、防具が強化。魔導羅刹紋が一層輝く。拳には力が溢れ、何物も打ち砕く力が宿る。
 突っ込んでくるロジャーに合わせて拳を振るう。腰を瞬時に捻り、遠心力と螺旋の力を込めた正拳突きが、ロジャーの顔面に叩き込まれた。
 自身から突っ込んだこともあり、ロジャーには拳の威力以上のものが顔面に撃ち込まれ、何かが派手に砕ける鈍い音が響いた。
 衝撃は逃げることがなく、ロジャーにしっかりと伝わったようで、ロジャーは吹っ飛ぶことなくそのまま膝から崩れ落ち、言葉を発することなく無へと還ったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 冒険 『戦渦の島で』

POW   :    敵の拠点を正面から叩き潰す

SPD   :    ゲリラ戦で敵を恐怖させる

WIZ   :    難民の救助に回る

👑7
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 赤足ロジャーは討ち取られた。これから住民たちは自由になるだろう。しかし、これで終わりではないようだ。
「この島のどこかに、奴らの応援を呼ぶメガリスがあるんだニャ! ほっといたら、ロジャーの後釜がやってきちゃうニャァ!!」
 住民たちの言葉に合わせて、島中央にある山から轟音が響いた。どうやらあそこにあるらしい。
 幸いそんなに強くはない、所謂予備戦力を投入してきたようだ。ロジャーの後釜クラスが出てくる前に、そのメガリスを山から見つけ出さなくてはならない。
 猟兵よ、予備戦力を駆逐しつつ、山に眠る増援要請メガリスを破壊せよ。

※9月24日8:30より、プレイング受付となります。皆さまの素敵なプレイング、お待ちしております!
レパル・リオン
そんなあ!ボス戦の後はバカンスじゃなかったの!?

とにかくメガリスを粉砕するわよ!クラウチングスタート!!

うおおおお情報が全然ないー!形は!?サイズは!?
こうなったら勘で探すしかない!メガリスだし…なんか…あれよ!金色とか銀色とか虹色とか、とにかく山には無さそうな色だったりしそうだわ!
勘で探す場所のアタリをつけて、視力アップで何かを見つけて、ダッシュで追跡!飛び蹴り!これぞ【獣感覚】!
見つけたら殴れ!壊れるまで殴れ!うおおおっ!

ジャマするヤツにはカウンターチョップで一撃ノックアウトを狙っていくわ!



「そんなあ! ボス戦の後はバカンスじゃなかったの!?」
 全てが終わったと思っていた【レパル・リオン】であったが、どうやらそう美味い話ではないらしい。メガリスを放置すれば、鮫牙の部下が増援として送り続けれれる。そうなってしまえば疲弊するのはこちらである。
「とにかくメガリスを粉砕するわよ! クラウチングスタート!!」
 その掛け声に合わせて、ユーベルコード【獣感覚(ビーストアビリティ)】を発動させる。
 ユーベルコードの力によって強化された野生の勘、そして追跡能力によって、レパルは増援の位置と、メガリスのあらかたの位置を、本能的に理解する。
 さすれば、レパルは走り出す。上がった視力は獲物を逃がさない。野生の本能が導くままに走れば、見えてくるのは一つの旗。そこに集う海賊の増援。あれがメガリスであることは間違いないだろう。
「見つけた! うおおおっ!」
 走る。邪魔になる海賊たちを殴り蹴り蹴散らして、メガリスへ一直線に向かう。
 呼び出される増援は、今まで相手にしてきたコンキスタドールに比べて脆弱で、レパルを止めることなどできない。
 助走をつけ、慣性の乗った飛び蹴りが、メガリスめがけて放たれた。
「レパルキーック!!」
 魔法少女の強烈な一撃は、真ん中から旗型メガリスをへし折った。周辺の海賊たちにメガリス破壊を知らすかのように、折れるのに合わせて爆音がなる。しかしそれを聞くものは、もう周囲にはいない。
「今度こそ、バカンスを楽しむわよ!」
 そう言って、レパルは町へと戻っていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​


 レパルによってメガリスが破壊された。しかし、メガリスはなんと一つではないようだ。
 しかし、それに関しても他の猟兵たちが対処していた。
 猟兵各々の動きを、追っていこう。
ルク・フッシー
ええっ!?メガリスなんて聞いてなーい、ですぅ!
でもとにかく探さないと…

ああ、でも召喚能力のあるメガリスなら、なにかしらの魔力を持ってそうです!まずは魔力を探す所から!

予備戦力(これも詳細不明すぎて対策に困るのですが)は、とにかくハイスピード飛行で接近し、そのまま絵筆での打撃でなぎ倒します。
考えたくないのは、これらの予備戦力が魔力を豊富に持つタイプだったケースですね…メガリスと誤認して時間切れになりかねないです…
うーん…どっちみちメガリスが見つかるまで飛び続けるしかないんですけど…

島の命運がかかったノーヒント探索…もうやりたくないです…



 レパルが一本折る少し前、【ルク・フッシー】もまた行動を開始していた。
「メガリスなんて聞いてなーい、ですぅ! でもとにかく探さないと…」
 召喚型メガリスということは、多少の魔力を放っているはずである。ルクはそう考え、ユーベルコード【ドラゴニアン・ブラッド】を使用し、上空から索敵することにした。
 最も恐れていたのは、魔力を持った敵兵の出現。メガリスとの誤認を危惧していたが、幸いそのようなことはなさそうである。
 大きな魔力を放つ物体が複数山の中にある。おそらくそれだろう。
 ルクは、時速415キロでメガリスを破壊すべく突っ込む。向かう先には多くの海賊、顔こそ強面であるが、最初に戦った海賊やロジャーに比べれば烏合の衆。苦もなく蹴散らすことができる。
 その強面に恐怖を抱くが、止められなかった際住民が襲われるという恐怖で、戦闘の恐怖心を圧し殺し、絵筆を振るう。
 振るわれる絵筆、しかし侮るなかれ。特大のそれは一種の棒である。棒術という戦技があるように、振るわれた先端には遠心力が乗り、威力は尋常ではない。猟兵ともなればさらに強く、容易く海賊は蹴散らされる。
「届きました! これで!」
 筆は止められることはなく、そのままメガリスをへし折る。
 折られたメガリスは爆音を告げて機能を停止する。魔力は霧散し、確実に止めたと実感したルクは、こう呟くのであった。
「島の命運がかかったノーヒント探索……もうやりたくないです……」

大成功 🔵​🔵​🔵​

幻武・極
やれやれ、ロジャーを倒したというのに後釜を呼ばれたら元も個もないね。
さて、メガリスを破壊させてもらうかな。
邪魔なキミ達は通信対戦で倒させてもらうよ。
対戦は1対1が基本だけど、どうせキミ達は乱入するんでしょ。
なら、通信ケーブルで繋がった相手を振り回して、敵を盾にするじゃなくて武器にするかな。

最後はメガリス、キミだよ。
ボクの挑戦受けてくれるよね。



 折角ロジャーを撃破したにも関わらず、後釜を呼ばれてしまえば元も子もない。それを防ぐためにもメガリスは破壊しなくてはならない。
「さて、メガリスを破壊させてもらうかな」
 【幻武・極】はそう言い、上空から見ていたルクに情報を貰い、残り一本のメガリスの下へ急行する。
 羅刹であり、武闘家でもある極にとって、山の荒れた斜面は苦ではない。森を突っ切り、あっという間にメガリスの下へとたどり着いて見せる。
 案の定、メガリスの周辺には多くの海賊が護衛としてついており、破壊させないと言わんばかりに陣形を取っている。
 そんな状況ならばやることは一つである。
「ボクはキミは対戦を申し込むよ。ボクからの挑戦を逃げたりなんかしないよね?」
 ユーベルコード【幻武流『通信対戦』(ゲンブリュウ・デュエリストマッチング)】を発動させる。
 ゲームデバイスから照射された赤外線、それは普通の人型である海賊たちには視認できない。はたから見れば、いきなり味方が爆発したように見えるだろう。
「対戦は1対1が基本だけど、どうせキミ達は乱入するんでしょ」
 はいそうです、そういわんばかりに海賊たちが、サーベル片手に極へ襲い掛かる。
 しかしそれに黙っている極ではない。このユーベルコードは相手を爆発させて終わりではない。爆発された敵は通信ケーブルで強固に繋がれ、ハンマー投げのようにぶん回すことで、多くの敵をそのまま薙ぎ払っていく。
 武器にされた敵も、巻き込まれる敵も、あっという間にノックアウトしていき、後に残るはメガリスである。
「最後はメガリス、キミだよ。ボクの挑戦受けてくれるよね」
 旗型メガリス、それにもユーベルコードを使用。爆破、そして地面への叩きつけによって、メガリスは完全破壊。爆音と共に機能を停止するのであった。

 こうして、増援メガリスも破壊され、七大海嘯の支配から、島の一つを開放することができた。
 猟兵たちは、島のケットシーたちに感謝され、蒸気技術を活かしたサウナや銘酒(未成年者はジュース)を振る舞われた。
 一つ、また平和が戻ってきた。しかし、世界にはまだオブリビオンの脅威は残されている。過去がある限り、オブリビオンは消えない。猟兵たちの戦いは、まだまだ続く。
 だが、羽休めくらい許されてもいいだろう。
 蒸気と猫が暮らす島で、猟兵たちはバカンスを楽しむのであった。
【END】

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年09月27日


挿絵イラスト