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固く、固く、目を閉ざして。

#UDCアース #UDC-HUMAN

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 なぜ。どうして。なんで。
 頭の中でそんな言葉が浮いては沈み浮いては沈みしています。
 窓もない扉が一つだけのこの部屋で、コンクリートの冷たさが足から伝わってくる。
 なっちゃんは、握りしめて繋いだ手から震えが伝わってくるけれど、唇を噛み締めてその表情は毅然としています。
 みーちゃんは…もうボロボロです。涙から鼻水から涎から、顔も青良くて手を繋ぐどころか腕に縋りついてきてブルブルです。
 わたしは。わたしは大丈夫ですか? 冷静でいるつもりです。怖くないつもりです。わたしは大丈夫です。大丈夫だから、大丈夫です。混乱なんてしていません。
 よく周りを見なければいけません。逃げるために。無事に出る為に。
 わたし達以外に5人。多分同じように誘拐された人たち。
 そして壁際でわたし達を囲むようにしているローブ?を被った人たちが10人。
 多分、今はどうしたって逃げらません。どうやって誘拐されたのかも判らないのですから。この人達は何なのですか? 何が目的なのですか? 分かりません。
 わたしが起きてからずっと彼らは微動だにしません。
 けれどその口元から漏れ出る囁きだけがずっと小さく、耳の中を這い回っているのです。
 意味を伴った言葉には聞こえません。けれどどうしようもなく気持ち悪く、粘つく様に頭の中に絡みつくのです。
 そして、それが狂人の譫言や呟き等ではないと理解しました。理解…させられました。
 これはお金とか、快楽とか、そういった普通の誘拐なんかじゃなかった。
 すぐ側でサラリーマンの男の人と女性が苦しみだしました。
 悶えて、体を掻き毟って、地面に体を投げだして、そして真っ黒な液体に溶けたのです。
 そしてそれがずるずると一つにまとまって………怪物になったのです。
 他の人も当てられた様に次々と苦しみだしました。
 ………なっちゃんも。
 わたしの手を痛いほどに握って、必死に痛みを抑え込もうと、堪えようとしているのがわかります。わたし達に心配させないように。知っています。なっちゃんはそういう子です。だって友達なんですから。親友なんですから。幼馴染なんですから。
 だから、
 だから…わかってしまうのです。
 苦しそうで、痛そうで、顔を歪めてしまって、それでも呻き声一つ漏らす事も無く、
 ばしゃりと。黒い水に変わってしまいました。最後まで床に倒れる事無く、わたしの手を握ったまま。私の手の上にも黒い水が残っています。
 ああ……わたしは。わたしは。わたしは。わたしは。わたしは。わたしは。わたしは。わたしは。わたしは。わたしは。わたしは。わたしは。わたしは。わたしは。わたしは。わたしは。わたしは。わたしは。わたしは。わたしは。わたしは。わたしは。わたしは。
 わたしは、守らないといけません。
 何時だったでしょうか。なっちゃんとわたしで話した事がありました。
 みーちゃんは弱いから。みーちゃんは弱虫だから。優しくってすぐ泣くから。
 だから、守ってやらないとって。そう、なっちゃんが言っていました。
 わたしも、そうだねって頷きました。
 頷いたのです。頷いたんです。だから。だから、だから……。
「だからっ…!」
 守らないといけないのです。弱くて、優しい、わたしの友達を。
 この子だけは、守らないといけないから。
 だから、わたしはみーちゃんを抱きしめて怪物を……睨みつけるのです。


「おぁよー。」
 酒臭い。
「あれー? 今ってこんにちわー? それともこんばんはー? おはよーこんにちはこんばんはー!」
 どれでもいい。
「あはー。あーえっとねーえっとねー。そんな怖い目で見ないで―? 見ないでよー。
 はなすよ~。はなすったら―。」
 泣きそうな顔をしながら話し始めた。
「えーっとねー、ゆーでぃーしーひゅーまん…が出るよー。なにそれーって言う人はね~……自分で調べて!」
 ……。
「ひっ…ちゃんとやるよぅー。人がゆーでーしーになる事件でねー。
 ゆーでぃーしーに成りきる前に倒してあげれば助けられるの。」
 UDC-HUMANとは人がUDC怪物に変貌してしまった存在。
 変貌の理由は悲劇。つまり心を追い詰められた人物がなる。
 そして、変貌直後であれば元に戻せる。救えるかもしれない。
「まぁ~、救うかどうかは現場で判断してねー。」
 酔っ払いは、はーっと溜息をつきお酒飲みたいと小さく呟くとまた話し出した。
「まぁそれが今回の特異事例で、これからが事件のしょうさいねー。
 邪教団に一般人が8人拉致されて~、その内6人が化け物になりましたー。」
 それが軽い事であるかのように口にする。
「それでー、残った二人の片っぽがUDCになりかけながらもう一人を守ってるねー。
 守ってはいるけれど話は通じないだろうねー。みんなみんな敵―! 壊れちゃったのかなーしょうがないけれどねー。」
 苦笑のような楽しさの欠片もない笑みを一瞬だけ零し、注意を付ける。
「人に戻せるのはその守ってる子だけ。化け物になった人たちは人には戻せないからー。6人が、二人が一つになって3体。3体が増えて沢山。もう怪物だよ。」
 優先順位を間違えちゃいけないよ。そう固い声が響く。
「でー、でー、でー。その二つどうにかしたら最後に~邪教徒―。
 最低10人最高もちょっと多い! 誤差誤差!
 それはねー、どうしちゃってもいいよ。」
 あはは、と笑って手を伸ばす。
「どうしちゃってもね。」
 その手の上には光の線が模様を描いていた。


みしおりおしみ
 みっしっおっり!
 さて、こちらは気温が下がってきて脳が茹らなくなってきました。
 さてさて説明。

 メインの場所は雑居ビル地下二階。

 1章:集団戦 変わった怪物ですね? あら頭がある。気持ち悪い倒さなきゃ。
 6人の生贄を元に怪物が召喚されました。
 UDC-HUMANは守る事優先の為そちらに干渉しない限り妨害しません。

 2章:ボス戦:UDC‐HUMAN みーちゃん守らなきゃ。
 自分が変わりかけている事もその力も理解できないけれど、それでも全力で力を行使してきます。この場所にいるわたしとみーちゃん以外はみんな敵。発狂。

 3章:日常 邪教団とお楽しみ会。特筆事項無し。

 人物紹介:中学せーず。
 佐々見・実伊里:みーちゃん。
 怖いもの苦手でよく泣く。猫に殴られて涙ぐむ。
 人の不調やケガによく気づき、気分が落ち込んでいる時に隠していてもすぐ気づく。

 七見・波名:なっちゃん。
 勝気。怒りんぼ。強がり。
 とりあえずなんかあると矢面に立つ。泣くのも弱いところを見せるのも嫌い。

 千波・千歳音:ちーちゃん・わたし。
 The無表情。いつもは何を考えてるのかわからないけれど、色々考えている。
 0か10しかない激情家。いろんな意味で宥め役。
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第1章 集団戦 『一人の双子達』

POW   :    多量の腕。
【無数の腕による叩きつけ】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    2人は幸せ"だった"。
攻撃が命中した対象に【最も幸せだった記憶の再現】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【その幸せを絶望に塗り替える事】による追加攻撃を与え続ける。
WIZ   :    あの子が私でお姉ちゃんが私で皆が私で…私は何処?
自身が【姉妹の存在】を感じると、レベル×1体の【自分達の分裂体】が召喚される。自分達の分裂体は姉妹の存在を与えた対象を追跡し、攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 怪物は認識していた。それがもはや生贄などではなく、同属に変わろうとしている事を。だからそれに向けて怪物は腕を振り上げ、振り下ろす。
 腕はそれに当たる前に外れた。
 記憶を塗り替える事にした。けれど、なぜか生贄に効果がない。
 邪教徒は呪文を続けながら疑問に思っていた。異常個体はともかく、なぜあの生贄は変化がないのだろうかと。
 変わりつつある者はその力を使い、守るべき者のその呪文の、その塗り替えられたぜ絶望の記憶と経験を消していき怪物になるのを防ぐ。
 けれど変わりつつある者、千歳音は気づかない。その力を使えば使うほど人から外れていっている事に。
ユウキ・スズキ
さて。
たまにはこちらの仕事も片付けねばな……こいつらか。
まったく……本当に質の悪いことばかりしてくれる連中だよ。
(左腕でその辺の柱をひっつかみながら)
「まさか、たった一本引き抜いた程度で崩れるような欠陥建築じゃあないよな?」
……エラーが五月蝿いな。
初手から左腕をぶっ壊すのもどうかとは思うが……"多量"を一撃で仕留めるなら他に適任もない。
「こいよ出来損ない共。せめて一撃で送ってやる」
 薙ぎ払った後、体勢を崩した場合はライフルで接近する敵に牽制。
結局、数だけの失敗作だ。
そう、奴らにとっては失敗作。
……くそったれが。
 



「さて。たまにはこちらの仕事も片付けねばな。」
 ユウキ・スズキ((自称)不審者さん【少尉】・f07020)は地下に存在する件の部屋、そこにつながる鉄の扉の前で小さく呟くと、力の限り勢いよく蹴り開けた。
 鍵が拉げる甲高い音が響く。鉄が歪み凹んだ鈍い音が響く。
 鉄と凡そ60㎏程の肉の塊がぶつかり弾き飛ばした衝撃音、そして開き切った扉が壁にぶつかる金属音が響いた。
 弾き飛ばして物体と化したものになぞ目もくれずただ真っ直ぐと、薄明るい蛍光灯に照らされる部屋の中央に視線を飛ばす。
 女の子を抱きしめる様に守る翼を生やした…天使の様な姿の少女。
 そして…
「……こいつらか。」
 黒いタールの様なものから人の首が二つ、そして腕ばかりが幾つも生えている化け物。
 それは知っている形。知っている化け物。けれど、知っているそれよりも歪み、小さく、細く、言ってしまえば出来が悪く見えた。
(ちっ…。)
 ユウキは頭を振り、自分が同意も同調もできないクソったれな教団に少なくともそんな評価を下せるほど理解がある事に舌打ちをした。
「まったく……本当に質の悪いことばかりしてくれる連中だよ。」
 その出来の悪さだけで地位や立場などたかが知れる、認知されているかも疑わしい。けれどそれでも自身が恨みを持っている教団に縁を持っている集団に違いはない。
 ユウキは騒めく邪教徒共は放って置き、手近な柱へと歩を進めると勢いよく左腕を突き入れた。そのままコンクリートを突き破りその芯たる鉄筋を握りこむ。
「まさか、たった一本引き抜いた程度で崩れるような欠陥建築じゃあないよな?」
 力を込めれば耳障りな音と共に柱が無残に…そう、『引き抜かれた』。
 同時、制御装置 【Walküre】がエラーを吐き出す。
(不明なユニットの接続ヲ確認。耐荷重オーバー。腕部破損の恐れあリ)
 怪物はUDC‐HUMANから視線を外し、騒々しい猟兵へと視線を向けていた。
「こいよ出来損ない共。せめて一撃で送ってやる。」
 その言葉は哀れみなのか、せめてもの慰めなのか。
 その言葉を理解したのかどうか定かではないが幾体かの怪物が無様に腕を振り回しながら器用に突っ込んでくる。
 ユウキは柱を振りかぶる。左腕の義手が異常な駆動音と廃熱音を響かせる。
 エラー音が煩い。
「一発殴れりゃ充分だ、黙ってろ。」
 一歩踏み出し、踏みしめる。
(『使用を、停止してください』)
 左から右へ、ただの攻撃などと到底呼べない代物が薙ぎ払われた。
 ユウキは怪物をそれの最も威力が高い地点。つまり、間合いを誤る事無く柱の頂点地点でもって轢いた。
 1体目は衝突し拉げ絡まり二体目も同様に。
 そして柱が最加速した時点でもって引き千切られ飛散する。
 3体目と4体目は加速した柱でもって、破裂した。
 到底勢いは落ちる事無く、そのままの威力でもって柱は床へと突き刺さり局地的な地震を引き起こす。
「初手から左腕をぶっ壊すのもどうかとは思ったが……"多量"を一撃で仕留めるなら他に適任もない。
 柱から左腕を引き抜けば義手はだらりと下がり、煙を吐いていた。
 何の策もなく飛び込んできたそれ。轢き潰し、消えたそれ。まだ居るそれ。
 ユウキはそれを睨みつける。
「結局、数だけの失敗作だ。」
 ユウキはそれの向こうを睨みつける。
「そう、“奴ら”にとっては失敗作。」
 ユウキはそんなものに人生を狂わされた少女と天使を見る。
「……くそったれが。」

大成功 🔵​🔵​🔵​

波狼・拓哉
…面倒くせぇなぁ
教団は本当にいらんことしか出来ねーのか

まあ、いいか
殴りやすくて良いことですっと!ミミック!仕事の時間だ!化け害しな!
取り敢えず一撃通せば相手の意識を持っていけますから…死ぬ気で一撃当てましょうか
個体数も少ないですし…纏めて噛み千切ってやっといてくださいな

自分は衝撃波込めた弾で…やっぱ頭射貫けば死ぬんですかね?
取り敢えず人体部分を撃っておきましょう


…絶望ね、狂気・激痛耐性で耐えつつ…まあ今に起きるんじゃないんでしょう?じゃあ、どうでもいいってスタンスで
というかまず幸せな記憶がなぁ…ノイズ混じる上に大体猟兵として別の猟兵と話してる所とかだから矛盾が凄い

(アドリブ絡み歓迎)


九重・灯
バケモノ狩りは「オレ」の役割だ。
にしても
「チッ、胸クソ悪いコトしやがる」

UC【眠りの砂霧】。小瓶を取り出し開封、放たれた砂が霧のように広がる。
対象はまずUDCになっちまったヤツらだ。動きが鈍れば充分だろ。
あとは邪教徒共だ。ブツブツとウザってえから黙らせる。

剣、アザレアで敵の腕を斬り捌いて、足元の影から伸ばしたカゲツムギの黒刃で頭を突き刺してやる。
『なぎ払い8、怪力7、部位破壊5、2回攻撃5、串刺し8』

攻撃を食らったら、猟兵の力に目覚めたせいで疎遠になっちまった家族との団らん風景でも見せられるのかねえ? もう一人の自分になら割と効いたかもな。
過去は過去だ……オマエらもな。きっちり終わらせてやるよ



「…面倒くせぇなぁ。教団は本当にいらんことしか出来ねーのか。」
 一室の惨状をみて波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)は大きく溜息をつく。
「いらない事しかしない教団ばっかだからオレみたいなエージェントも、アンタみたいな探偵も必要なんだろ?」
 オレはアルバイトだけどな。と小さく呟いて付けたし、露骨に顔を顰めながら波狼の背後から九重・灯(多重人格者の探索者・f17073)が部屋を眺める。
「ただの愚痴です。まあ、いいか。殴りやすくて良いことです。」
 もう一度小さく溜息をつく波狼の視線は明らかに怪物ではなく邪教徒に向けられていた。
「バケモノ狩りは「オレ」の役割だ。とりあえず動き鈍らせるか。」
 波狼の視線を知ってか知らずか九重も邪教徒に鋭い視線を向けながら意識を戦いへと傾ける。

 まず、行動を起こしたのは九重だった。
「ねむれ。ねむれ。人も神も、機械も死人も、まどろみの至福にあらがうこと能わず。」
 小瓶を取り出し蓋を開け放しそう詠唱すれば、九重と波狼を避けながら小瓶の中身が勢いよく部屋中に舞っていく。
 霧の様に舞うが湿ってはおらず、砂塵に近いだろう。
 がくんっ、とその中で怪物の一体が力が抜けた様に転べば、慌てた様に立ち上がる。その様は転寝してバランスを崩して目が覚めたようであった。
 『サンドマンの眠り砂』砂状の眠気を与えるアイテム。
 九重はそれを眠りの砂霧によって部屋全体に舞わせ、効力を強化した。
 部屋全体。それはつまり…
「ハハハッ」
 ぷつりと、耳に障る音が消えた。
 膝から崩れ落ちる様に邪教徒が倒れれば、そのまま夢の国へと旅立っていった。
「ブツブツとウザってえんだよ。それじゃ、念には念をな。」
 サンドマンの眠り砂を小瓶に引き戻しながら九重が波狼へ目で促す。
「死ぬ気で一撃当てる気だったんですが……楽なのはいい事です。
 さぁ、ミミック! 仕事の時間だ! 化け害しな!」
 その言葉と共に、波狼の足元でミミックが反応した。
 青白い炎の様に揺らめく宝箱型の、その口を開く。
 ずるり…と舌が。いや、ミミックの体と同様の青く揺らめく蛇が伸びる。
 ずるり、と蛇が伸びる。
 ずるりずるりずるりと、
 蛇が伸びて伸びて伸びて、伸びる。
 最後には箱が裏返る様に蛇尾へと変わればそこにはいっそ美しいと呼べるような青く揺らめく大きな蛇が存在した。
「個体数も少ないですし…纏めて噛み千切ってやっといてくださいな。」
 自身も拳銃を取り出し、軽く動作をチェックしながら遊びに行かせるように蛇に指示を出す。
「オレももう行っていいのか?」
 九重がいつの間に取り出したのか片刃剣で示しながら聞く。
「蛇が通った後の場所なら毒で反撃は少ないですよ。」
 ミミックが蛇に化けるその最たる効果。それはその毒だ。
 毒牙にかかれば体のみならずその精神にまで巡り侵す。
 眠り砂と蛇の毒。その二つが合わさればその効力は目を見張るものであった。
 怪物は眠りに抗う気力も体力も削りとられ、その瞳を閉じていた。
「あー、そうみたいだな。ところでよー。」
 九重は剣で手足を切り落とし、蠢く影で怪物の二つの頭部を貫きながら波狼に声をかける。
「なんですか?」
 波狼は動きを止めた怪物の頭部に性格に狙いをつけ銃弾を撃ち込む。
「こいつらって弱点どこ?」
 九重の素朴な疑問に波狼の銃撃が一瞬間が開いた。
 なんとなく、二人とも直感で人体部分を狙っていたのだ。
「……やっぱ頭射貫けば死ぬんですかね? 取り敢えず人体部分を狙っておきましょう。」
 現状それで出来ているのだからと二人ともその答えで疑問を流すと『作業』を再開する。
 二人は怪物の飛んでいく腕を、振るえる手を見ながら警戒していた相手の力を思考の隅で考えた。
『幸福な記憶を絶望の記憶に塗りかえる』その力。
 波狼は苦笑いする。
(幸福な記憶思い出そうとするとノイズが混じる俺って…。)
 九重はさっさと考えるのをやめた。
(もう一人の自分になら割と効いたかもな。)
 二人の最終的な考えは似た様なものだろう。
 警戒するに越したことはないが、自分にとってあまり脅威にはならない。
 正気度が低く記憶が正常で無い者と、二重人格者であり幸福な記憶が他人の記憶に近い者。さもありなんである。

 眠っている邪教徒と天使とその友人を残して作業は終わった。
 邪教徒はどうするかUDC組織に持っていくかでとりあえず残している。
 なによりも先に天使である。
 そう考えた耳に「ぴしゃり」と水を踏んだような音が聞こえた。
 部屋に視線を巡らせる。
 天使に目をやる。天使は未だ『猟兵を見ていない』。
 その視線の先を目で追えば音の正体がわかった。
 血溜まりのような真っ黒な水。
 そこから白い指が伸びていた。
 床を掴む様に蠢き這い出て、手の甲が見えた。
 指が、手が、増えていく。
 そしてぷかりと水面から気泡が浮かび上がる様に、二つの顔が表面に現れた。
 その様を見て悪態が出る。
「ホント、胸クソ悪いコトしやがる。」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クラルス・フォルトゥナ
二人で一つ、デスカ
アァ、全くダメダメですネ、全然デス
一つになったヨウでいて、てんでバラバラ
ソレは単純に二人を一人にシタだけデ、一人でしかナイ

コキコキッと首鳴らしユーベルコードを発動
戦場全体を凍てつく氷の領域と氷壁林立する極寒世界へ変えていく
相手の反撃も気にせず、自分の強みの戦場書き換えをごり押ししていく戦闘スタイル
敵も邪教徒も戦場も全て飲み込む一撃を

ナラば何が良いカ?決まっていマス。
お互いがお互いデ、確りと自分とシテ活動することデス。
無理難題を押し付けタリ、家事をしなかっタリ、その他諸々、好き勝手振舞う者ト
何だかんだト、キッチリフォローする役割…ソウ、ワタシとノク姉のようニ、個性あっての物デス



 黒い水から白い肌が生えてくる。
 今までそこに居た物達と同じ腕、同じ顔、同じ存在。
 それぞれがそれぞれ同じ怪物が這い出して来る。
「二人で一つ、デスカ。」
 部屋の中で甲高い、けれど冷たい意志の宿った声が響く。
 暑い防寒具と金糸の髪が揺れる。
 翠玉の様な瞳が怪物を値踏みする様に向けられていた。
 クラルス・フォルトゥナ(強化人間のスピリットヒーロー・f17761)は静かにそれを観察する。
 それは二人で一人なのだという。つまりは以心伝心。
 それは一人で二人なのだという。つまりは一心同体。
 それは二人が一人なのだという。つまりは比翼連理。
 それは…。
「アァ、全くダメダメですネ、全然デス。
 一つになったヨウでいて、てんでバラバラ。」
 それは違うと冷たい声が絶対零度にまで熱が消える。
 その存在の間違いに、罪悪に、そしてただ単純な嫌悪に瞳が細められる。
「ソレは単純に二人を一人にシタだけデ、一人でしかナイ。」
 少女は似合わぬ所作で首を鳴らせば、その窺えぬ感情の表現を始めた。
 部屋の気温が一気に低下し、少女の周囲に幾つもの氷塊が形成される。
 奇怪な動作で這い寄ってくる怪物へ向け少女は白い息を吐き、
「当たり前デスが、手加減しまセン。容赦なしデス。」
 氷塊を放出する。
 鈍い音と共に怪物は上体が起こされ、さらに連なる音と共に後ろにどうと倒れ込む。けれど氷塊は止まらない。
 氷塊は壁に当たれば氷塊を起点に凍り付き氷塊は氷壁に、床に当たれば同じ様に……閉鎖された空間は物の数十秒で氷の樹海埋め尽くす極寒世界へ変化した。
「ナラば何が良いカ?決まっていマス。」
 停止した世界でクラルスは思いを語る。
「お互いがお互いデ、確りと自分とシテ活動することデス。」
 怪物は凍り付いたまま音も無く果て、黒い水へと溶ける。
「無理難題を押し付けタリ、家事をしなかっタリ、その他諸々、好き勝手振舞う者ト……。」
 黒い水から再び……黒い水は凍り付く。怪物になり得ぬまま再度果て砕け散る。
「何だかんだト、キッチリフォローする役割……ソウ。」
 集まり、凍り、砕け、集まり、凍り、砕け、凍り、砕け、砕け、砕け。
「ソウ、ワタシとノク姉のようニ、個性あっての物デス。」
 そんな熱を持った言葉と共に、怪物は生贄とされた者たちの力の最後の一滴まで使い切り砕け消えた。
 極寒世界が崩れ落ちたその部屋に、黒い水はもうなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ノーズワンコスモス09』

POW   :    無気力なる果ての夢
【千切れた自らの羽 】を降らせる事で、戦場全体が【全て満ち足りた理想の世界】と同じ環境に変化する。[全て満ち足りた理想の世界]に適応した者の行動成功率が上昇する。
SPD   :    全き善なる光
【記憶に刻まれた傷と経験を癒し消す優しい光】【身体に刻まれた傷と鍛錬を癒し消す柔和な光】【心に刻まれた傷と戦意を癒し消す暖かい光】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    願いは叶う、何度でも
あらゆる行動に成功する。ただし、自身の【集めた誰かの成し遂げたいとするエネルギー】を困難さに応じた量だけ代償にできなければ失敗する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は奇鳥・カイトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 静けさを取り戻した部屋。その部屋の、その中央。
 髪は斑に白く変化し、背にはぼろぼろの羽根、そして頭上に朧げな光を浮かばせた少女が、気を失った少女を抱きしめたまま『猟兵を見ている』。
 怪物…オブリビオン相手ならば敵意はあれど護りに一貫していた。
 けれど猟兵ならば。
 UDC-HUMANは戻れるとは言えオブリビオンだ。
 猟兵は救わな(倒さな)ければいけない存在と認識される。
 護る意思に、救済(排除)の意志が加わる。
「あな、あなた達は………あなた達はダメです。
 貴方達はダメです。ダメです。
 護らないと。みーちゃんを護らないと。みーちゃんを守るのです。
 わたしが。わたしが約束したから。約束したから守るのです守るのですなっちゃんと約束したからみーちゃんをもうわたししか守れないだからだからだからだから!
 貴方達はダメだから居なくなって!」

●UCをちょっと具体的に
POW:猟兵様が指定した世界。もしくはこの依頼が成功し二人を救出、または猟兵様が想定した最後を迎えたと誤認する世界へと変わります。
SPD:そのまま。
WIZ:使用するエネルギーはOPと断章の『わたし』こと千歳音のみーちゃんを守る。そのエネルギーです。人としてのエネルギーです。
 
波狼・拓哉
…やりづらいね、本当

衝撃波込めた弾で翼や光、第六感で何となく本体に通らない位置を察知してそこを狙い撃ちましょう

降り注ぐ羽も迎撃しつつ…二人が救われる…それはめでたしめでたしって話です
みーちゃんだけじゃなくあなたも護りきれた
じゃあ、そこの飛んでる奴はなんだ、心まで護りきれたんじゃないのか!

化け綴れ!ミミック!
防御力重視で…撃てば広がる三種の壁、降る羽は全部纏めてそぎ取りましょう

あなたは十分にみーちゃんをまもりきれてますよ
だがまもるだけでその子の手を握り返せません…あなたも助からないとね
二人が一緒に助かる方法を思索してください
その子の心を救えるのはいつものあなただけなんですから

(アドリブ絡み歓迎)



「…やりづらいね、本当。」
 波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)は苦々しく呟いていた。
 その言葉は相対する存在がただ友達を守ろうとしている少女である事。
 そして…銃弾を一つ放つ。それはまっすぐと進み、その半ばで雪のように降る羽根に阻まれ床に落ちる。
 二つの感情を内在していた。
 とめどなく舞う羽根に波狼の放つ銃弾は何時しか攻撃と言うよりも羽根の迎撃の様に変化していた。
 そして一瞬、視界のすべてを羽根が覆いつくし世界が白く染まる。

 波狼は外に立っていた。周囲を慌ただしく人が、UDC職員が行き交っている。
 振り返れば目を閉じた少女の顔が映り、自分が人を背負っている事に気づく。
 服の裾を引かれ、そちらに目をやる。少女が無表情ながら不安を湛えた瞳で見上げてきていた。
 体ごと向きを変え、今度こそ背後を振り返る。
 あぁそうだ。背負っているのはみーちゃん。佐々見さん。
 裾を引いているのがちーちゃん。千波さん。UDCになりかけていた子。
 自分が出てきたビルは今やUDC職員が蟻の様に出入りし事件の後処理を行っていた。もうすぐ、それとももうだろうか。地下の戦いの後は跡形も無く消えるだろう。
 俺は怪物を倒し、UDCに変貌しかけた千波さんをどうにか鎮圧して、それから邪教徒をついでとばかりに全員気絶させてここにいる。
 そうだ。そうか?
「…二人が救われる。…それはめでたしめでたしって話です。
 みーちゃんだけじゃなくあなたも護りきれた。」
 裾を掴む少女の頭をくしゃりと撫でれば、その無表情な瞳がほんの僅かに細められた。
 銃声が鳴る。
 頭を撫でていた手にはいつの間にか拳銃が握られ、真っ直ぐに背後のビルへ向けられていた。
「化け綴れ、ミミック。」
 そう呟けばビルが…いや、空間が削ぐ様に削り取られ白い羽根が舞い散る。
 削り取られた景色の先には、裾を掴んだままほんの少し瞳を大きくした少女と、同じ表情がそこにあった。
「あなたは十分にみーちゃんを守り切れてますよ。」
 波狼は崩れていく理想の世界から足を踏み出し千歳音へと近づく。
「けれど守るだけではその子の手を握り返せません…あなたも助からないとね。」
 拳銃を下ろしたまま近づく波狼に向け、千歳音はただ「居なくなって!」、そう叫ぶと淡く光る羽根が再び舞い落ちる。
 落ちると同時に、
「悪いね、既に俺は未来を掴んでいる。」
 削ぐ様に消えてしまった。
 空を泳ぐ青く光る巻物を背後に、波狼がゆっくりと拳銃を向ける。
「だから、二人が一緒に助かる方法を思索してください。
 その子の心を救えるのはいつものあなただけなんですから。」
 引き金を引けば、真っ直ぐに少女の羽根を貫いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ノクス・フォルトゥナ
ケーレス(f25216)と一緒に

クゥ~ラァ~ちゃ~ん~……大事な大事なぁ、お姉ちゃんを置いて出かけるなんてぇ、どういうつもりですかぁ?

氷の溶けた痕跡から義妹の気配を察し
みーちゃんをちーちゃんが守り続ける、という世界を認識させられて

ハァ~、なってない、なってないですよぉ。
相手がぁ、自分の思い通りなぁ、役割を続けるなんてぇ、それはお人形遊びと一緒じゃないですかぁ?
クラちゃんもぉ、いつも言う事を聞かずにぃ、偶に反撃したりするから面白いのですよぉ
その違いがぁ、わからないとはまだまだですねぇ~

黒服脱ぎ捨て2020/9/14納品イラストの姿になり
誤認した世界ごと殴り飛り飛ばす(召喚した髪の毛の魔神さんが)


ケーレス・ネメシア
ノクス(f17760)と一緒に
ノクスが痕跡から義妹を感じたのを見て

そんな、犬が匂いで嗅ぎ付けるみたいな…多分、ノクスちゃんの気配を感じてどっかいっちゃってますよ

と呆れ顔で応じつつ援護
ノクスが敵の世界に影響受けると角灯掲げて火を灯し様子を確認
まともな返答に

えっ、ノクスちゃんがまともなことを!?天変地異の前触れ?

驚愕しつつ様子見守り

それに自分から攻撃……あー、やっぱり、戦うのは他人というか呼び出した魔神さんなんですね、ハァ

何か真面目な事を言ったけどやはりサボリ魔なのを再認識
自分も角灯から呼び出し亡霊をこき使うが
「ケーレス姉さまもぉ、人の事言えないですよぉ」
とか言われてる

義妹共にアドリブアレンジ歓迎


ユウキ・スズキ
さて……教団関係だと思って勢い良く突っ込んで来たは良いが、UDC-Pか。
うーん。
死なない程度に痛め付けたら元に戻ったりしないだろうか……
相手中学生だし、女の子だしナァ……。
お兄さん、一応助けられそうなら助ける主義だから。
無理なら殺すがね。
(UC起動説得開始)
「なぁ、そのまま化け物に変わるってんならこっちも遠慮無く殺すんだが……もう少し頭を使ったらどうだ。もう中学行ってんだろ? お前が大人しくするならお前もその後ろの奴ももう一度元の学生に戻してやる。俺が用事があるのはお前らを化け物に変えようとした連中だけだ。どうする? お前らを殺すプロとやりあうのが賢明か、助けて貰うのが賢明か……頭使って選べ」



「さて……教団関係だと思って勢い良く突っ込んで来たは良いが、UDC-HUMANか。
 うーん。」
 ユウキ・スズキ((自称)不審者さん【少尉】・f07020)は悩んでいた。
 怪物邪神化け物ならとりあえず撃つか殴るかすればいい。
 けれど相手はUDC-HUMANとは言え女の子を守る様に抱きしめている女の子である。
「死なない程度に痛め付けたら元に戻ったりしないだろうか……。」
 ………。
「相手中学生だし、女の子だしナァ……。」
 なかなかな倫理観を持っているようだ。
 敵意マシマシな視線を前にしながらさてどうしたものかと考えていると、背後…部屋の入り口から気配がした。
「クゥ~ラァ~ちゃ~ん~……大事な大事なぁ、お姉ちゃんを置いて出かけるなんてぇ、どういうつもりですかぁ?」
「そんな、犬が匂いで嗅ぎ付けるみたいな…多分、ノクスちゃんの気配を感じてどっかいっちゃってますよ。」
 そんな声と共にユウキにとって見知った顔が顔を出した。
 ノクス・フォルトゥナ(強化人間のマジックナイト・f17760)とケーレス・ネメシア(怪奇人間の死霊術士・f25216)だ。
 二人がユウキに気づくと同時に口を開いた。
「クラちゃん~、みませんでしたぁ?」「あ、お疲れ様です。」
 性格の分かる挨拶であった。
「今回は俺の案内ではないから知らん。」
 簡潔に言葉を紡ぎ答え、ケーレスの挨拶にはちらとUDCの方に視線をやりながら軽く手を上げ応える。
「まぁなんだ。来たのならちょうどいいから先にお前らから頼む。俺はもう少し考えてるから。」
 ユウキは煙草を取り出しながら二人の脇をすり抜ける。
「はいぃ? なんで…。」
 白い羽根が舞った。
 それは理想的な世界。誰かが誰かに守られて、誰かが誰かを守る……そんな理想の世界。きっとそんな優しい世界。
 ノクスは目を細め世界に見入…っていない。半目をさらに半分にしたような視線でありえませんねぇ~と視線で語っている。
「ハァ~、なってない、なってないですよぉ。」
 埃を払う様に袖をパタパタとさせながら理想を払う。
「相手がぁ、自分の思い通りなぁ、役割を続けるなんてぇ、それはお人形遊びと一緒じゃないですかぁ?」
 自身の理想とは外れていたらしくそう煽る。
「クラちゃんもぉ、いつも言う事を聞かずにぃ、偶に反撃したりするから面白いのですよぉ。その違いがぁ、わからないとはまだまだですねぇ~。」
 やれやれと大仰にため息をつく。
 そんな様子をかんらかんらと大きな角灯を揺らしながら聞いていたケーレスは驚愕していた。
「えっ、ノクスちゃんがまともなことを!?天変地異の前触れ?」
 酷い驚きようであった。驚く様ではなく内容が。
 ……え、そんなまともだった?
 さて、そんな事はいざ知らず、ノクスは黒い上着を脱ぎ棄て真面目に戦いへの意欲を示した。
「ちょーっと本気だしますよぉ?」
 そう言えば、髪がより合い体を形作り、腕を作り、頭部を形成した。
「まぁ~、頑張るのは魔神さんですけどねぇ~。」
 髪の魔人が拳を振り上げ世界を…ではなくその世界を作り出す舞い落ちる羽根を叩き落す。
「それに自分から攻撃……あー、やっぱり、戦うのは他人というか呼び出した魔神さんなんですね、ハァ。」
 ケーレスはなにか奇抜な過程から何時もどおりの結果を見た様なそんな表情を見せながらぐわんぐわんと角灯を揺らし魔人を援護する様に炎を飛ばす。
 ぽんぽんぽんぽん羽根に火が付いたり吹き飛ばされたり理想の世界は削れて行く。
 ケーレスがちらりとノクスを見れば半目でじーっと見返されていた。
「な、なんです。」
「ケーレス姉さまもぉ、人の事言えないですよぉ。」
 髪の魔人に頼るのも、角灯の亡霊に頼るのも…似た様なものである。
『願いは叶う。』「なんどでも!」
 静かな声と決意を秘めた声の二重奏が響いた。
 白い羽根が、理想の世界が急激に修復されケーレスごとノクスを泡沫の夢へと閉じ込めた。
 その力の張本人。千歳音は苛立ったように爪を噛んでいた。
 ノクスの言葉の内容か、それとも二人の関係性へか。
 それとも、その脅威に立ち向かえた力へか。
「終われば楽だったんだが…。ままならんものだな。」
 後ろで壁に寄りかかってさぼ…様子を見ていたユウキが煙草を片手に声を発した。
「なぁ、そのまま化け物に変わるってんならこっちも遠慮無く殺すんだが……もう少し頭を使ったらどうだ。もう中学行ってんだろ?」
 馬鹿にするでもなく当たり前のことの様な口調に少女は歯が軋むほどに噛み締める。
「お前が大人しくするならお前もその後ろの奴ももう一度元の学生に戻してやる。俺が用事があるのはお前らを化け物に変えようとした連中だけだ。どうする?」
 少女の顔には、
「貴方達が……。」
 馬鹿にされたと感じた怒りでもなく、提案を理解する理性的な顔でもなく、
「貴方達が化け物に変えたのに…。攫って、今度は騙して。化け物に変えるのに。
 騙して。奪って。化け物に。怪物に? 貴方達が。わたし達を。
 絶対にさせない。わたしが。『わたしは けっしてみすてません』
 みーちゃんは私が守るんだ!」
 思い込みに埋め尽くされた、ただただ憎しみの表情だった。
「うーんお兄さん、一応助けられそうなら助ける主義なんだけど。無理なら殺すがね。」
 そうなったら不本意だと言う様に乱雑に頭を掻き、煙草を弾くと少女を見据える。
「もう一度聞くぞ。」
 その視線に射竦められた様に少女は視線を外せなくなる。少女の意識がユウキに集中する。
 そしてユウキが口を開く瞬間、
「我にとって理想でも何でもないであろう!貴様!」
 そんな怒声と共に羽根を焼き払い蹴散らしノクスとケーレスが現実へと復帰する。
 それを予定通りだという様に、ユウキは口角を上げ淀みなく先を続ける。
「お前らを殺すプロとやりあうのが賢明か、助けて貰うのが賢明か……頭使って選べ。」
 それは少女にとって悪魔に選択を迫られているように感じるほど心を追い込んだが、同時に無理やり思考を回させる荒療治ともなった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

九重・灯
「……まいったな」
苦く笑う。

理想は、オブリビオンの脅威から解放された世界。
でも、オレの役割は戦うことだ。他に何もない。その世界のどこに自分の居場所がある?

ま、いろいろスッ飛ばしてエンディング見せられても困るってコトだ。
だから適応しない。その分全力を尽くすしかねえな。

UC【朱の浄火】。自らの血を贄に、朱の契約印から魔炎を喚ぶ。
朱の魔炎を纏う腕で格闘戦を仕掛ける。
『属性攻撃15、グラップル3』
隙をみて一発ブチ込んでUDC-HUMANとその保護対象を引き離す。
『怪力7、見切り5、体勢を崩す5、吹き飛ばし3』

「オマエはよく友達を守った。だが、もう終わりだ。これから先は元のオマエじゃなきゃダメなんだよ」



「……まいったな。」
 九重・灯(多重人格者の探索者・f17073)はその光景にどう表情を作ればいいのかもわからずに、苦く、苦く、口の端を歪める。
 抱く理想の世界はオブリビオンの脅威から解放された世界。
 そうだ。UDC組織に属している以上それが正しい。けれどだ。オレの役割は戦うことだ。他に何もない。その理想の世界のどこに自分の居場所がある?
 そう思っていた。自身の手を引くその手に感情が目まぐるしく動く。
 それは同属。同類。同種。自分と同じ境遇の者たちがオレの手を引く。
 それは居場所だった。
 感覚が芽生える。心地いいと。
 感情が芽生える。そこが幸福だと。
 記憶が芽生える。どうしようもなく……
「ホント、まいったな。」
 九重はその手を振り払った。
 どうかしたのかと振り返る者達を見ながら軽薄そうに、
「ま、いろいろスッ飛ばしてエンディング見せられても困るってコトだ。」
 そう伝えると自らの足で追い越し、前へと進む。
「全力を尽くすしかねえな。」
 理想はみたのだから。あとは自らの手で。
 左手を強く、強く、爪が掌を破り血が零れるほど握り締める。
 その血を持って契約印が問いを発す。
『供物ヲ捧ゲヨ、サスレバ我ガ朱ヲ貸シ与エヨウ』
 左手を振りかぶり、問いに「ああ。」と、そう簡潔に答えると九重は世界を、理想を、全力で殴りつけた。
 
 羽根が燃えていく。
 太陽みたいに真っ赤な炎で、まるで溶ける様に羽根が燃えていく。
 理想の世界を捨ててきた、真っ直ぐな強い目がこちらを見てくる。

 九重が魔炎揺らめく左手を突き出せば、羽根は触れる傍から燃え尽きていった。
 一歩、一歩、少女へと近づく。
「あなたは…貴方達は何なんですか……。」
 恐怖する様に口を戦慄かせながら少女は言葉を紡ぐ。
「わたしは……わたしは守れないのですか…?」
「いや、オマエはよく友達を守った。」
 目の前に立ち止まり、視線を合わせる様に屈みながら言う。
「だが、もう終わりだ。もう終わってるんだ。」
 右手で気絶している少女を引けば、驚くほどあっさりと引き離せた。
 少女の手は宙を彷徨う。
「これから先は元のオマエじゃなきゃダメなんだよ。
 失敗すんなよ。そう自分に言い聞かせる様に呟くと左の拳を少女に叩き込んだ。
 勢いよく殴ったにも拘らず、少女が吹き飛ぶ事も、傷どころか赤く腫れる事も無かった。
 代わりに少女の背から殴られた勢いのまま飛び出す、弾き出された影があった。
『わたしは すくうひつようがありませんか』
 朧げなまま、体の各所に火が付いた天使のような姿のUDC。それが問う。
「必要ないな。」
『そう』
 天使は二人の少女と猟兵に目をやると最期に、
『どうか どうか しあわせでありますように』
 そう言い残し、一気に燃え上がり消えた。
 九重はただ当たり前だとでも言うように、
「ふん」
 と、鼻を鳴らした。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『人間の屑に制裁を』

POW   :    殺さない範囲で、ボコボコに殴って、心を折る

SPD   :    証拠を集めて警察に逮捕させるなど、社会的な制裁を受けさせる

WIZ   :    事件の被害者と同じ苦痛を味合わせる事で、被害者の痛みを理解させ、再犯を防ぐ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 生存者を確保する事も出来た。
 儀式を行っていた邪教徒は……もうボロボロだ。
 けれど上の階にもまだこの儀式にかかわっていたものがいるだろう。
 
●プレイングは邪教徒をどうする以外にも
 UDC職員を呼ぶ、話すなどでも構いません。
 仕事終わりだ近場に買い物、でも……頑張ります。
ユウキ・スズキ
薄く開く扉。
覗く顔はとにかく笑顔。
「ハァイ、ジョ~ジィ~?」
 ……
「いや、これは排水溝か。失敬」
 まぁ、なんだ。
 聞きたい事は何もない。
 末端か、分派か知ったことじゃあないが
「お前ら程度が持ってる情報は全部持っている。意味……分かるよな?」
 "たかが人間"が俺に勝てる道理もない。
 情報という餌もない。
「つまりは貴様等が生き残るために残っているカードはゼロってこった」
 殴り殺されるか、撃ち殺されるか、刺し殺されるか。
 想像出来るような殺し方じゃあ……つまらないよな?
「足掻いて、足掻いて、全てが無駄で。最後まで惨めな悲鳴を上げ続けてくれ。私はただそれを眺めていよう……それを犠牲者への鎮魂に充てる」


波狼・拓哉
大体邪教徒って人間の屑というか、屑に失礼だよね
じゃあ、なに?って言われるとそれはそれで困りますが

まあ、そういう戯言はさておき
どうしましょうかねぇ…とりあえずこの儀式を成功することがなくなるようにはしとかないとダメかなぁ…
取り敢えず化け侵せっと…ダガー辺り頂戴、はいチクッとしませんよー(ぶっ刺す)

…これでよし、集まって何かしようとすれば味方を攻撃しちゃうようになりましたから
…まあ、日常生活も難しくなるでしょうけど、その辺はUDC職員がなんとかしてくれるでしょう

じゃ、後は残りも頑張ってぶっ刺しにいきましょうか

…彼女達がこれから平穏を過ごせるようにね
そして一番勇敢だった娘のためにも

アドリブ絡み歓迎)


九重・灯
人格が「わたし」に入れ代わる。

邪教徒。わたしは彼らが嫌いです。
その罪は法でも裁くことはできない。だからこの場で殺すべき……かも知れない。
だけど、それは……。はあ、わたしは半端ですね。

UDC組織に引き取ってもらって、後はおまかせです。死ぬよりつらい目に遭うかも知れませんけどね。

ただ、彼らの人間をUDCに変えてしまう力は排除します。
人の身のままこんな事が可能なら、邪神との繋がりを強固にする護符を所持していたり、自分のように契約印のようなものを体に刻んでいたりするのかも知れません。

UC【朱の浄火】。指先に魔炎をともす。流す血も威力も最小です。
体を調べて何か刻んでいるようなら、これで焼いておきます



「邪教徒。わたしは彼らが嫌いです。」
 眼鏡をかけどこか大人しい雰囲気のする九重・灯(多重人格者の探索者・f17073)が気絶している邪教徒を前に口にする。
「大体邪教徒って人間の屑というか、屑に失礼だよね。
 じゃあ、なに?って言われるとそれはそれで困りますが。」
 九重の隣で波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)が当たり前の様に同意する。今この二人は邪教徒をどうするかを考えていた。
 九重は小さく口を開いた。
「はい。なによりその罪は法でも裁くことはできない。だからこの場で殺すべき……かも知れない。だけど、それは………。」
 言葉が詰まる。それがいいのかどうか。それを自分がしたらどうなるのか。何度も突き当たってきた問題。そして、幾許かの逡巡の後、
「はあ、わたしは半端ですね。」 
 そう口から零れた。何度か吐いてきた溜息。
「それで、どうしますか? UDCのエージェントさん?」
 からかい混じりに波狼が答えが分かっていながら尋ねる。
「UDC組織に引き取ってもらって、後はおまかせです。死ぬよりつらい目に遭うかも知れませんけどね。」
 溜息をつきながら九重は「了解です。」言うとからかい混じりの口角の上がった顔を見上げた。
「ただ…。」
「ただ?」
 九重は少し考え、念には念を。考え過ぎだろうとやらないよりはましと結論付け提案する。
「彼らの人間をUDCに変えてしまう力は排除します。力か、それに準ずる道具。
 護符とか契約の印みたいなものがあれば。」
「もしもの先の事を考えてですか。じゃ、そっちは九重さんに任せて俺は別のアプローチで未来の禍に備えますか。化け侵せっと…。」
 そう言って波狼が手を叩けばミミックがもごもごと口を動かし、そしてぺへっとダガーを吐き出した。
 それを手に持てば「はいチクッとしませんよー。」即座に邪教徒にぶっ刺した。
 ノータイムで止める間もない程の遠慮のなさで。
「波狼さん!?」
 引き取ってもらうって話は!?と慌てる九重をよそにダガーを引き抜けば傷一つついていなかった。
「あれ…。ああ!」
 混乱も一瞬。すぐに自身がもつUCに近いものだと理解した。
「これで集まって何かしようとすれば味方を攻撃しちゃうようになりましたから。
 力の方は頼みましたよ。」
「なるほど仲違いですか。力の方は頼まれました。」
 そう言って九重は邪教徒の体を検分しはじめた。
 波狼は他の邪教徒もサクサクしながら思った。
(…まあ、日常生活も難しくなるでしょうけど、その辺はUDC職員がなんとかしてくれるでしょう。
 完全な丸投げとじUDC職員への合掌であった。
「まぁ、これも彼らが儀式を行った代償でしょう。…彼女達がこれから平穏を過ごせるようにね。そして一番勇敢だった娘のためにも。」
「何か言いましたか?」
「いいえ。終わったら上も見に行きましょう。」
「そうですね。UDC職員が来る前に危険そうなのは処分しておかないといけませんからね。」
 刺して刺して燃やし刺して燃やし。
「あ、焼いておきます。」
 全ての部屋に焦げ臭いにおいが漂った。
 


 暗い通路に荒い息遣いが響く。
 丁寧さの欠片も無い複数の足音が響く。
 そこは隠された抜け道。
 上の階でモニター越しに様子を見ていた3人の邪教徒が逃げていた。
 全員が両手に荷物を持っていたが、急いで纏めたのかどれも乱雑さが見て取れた。
「ここまで、ここまでくれば大丈夫か?」
「いや、休むのはまだだ。」
「とはいえ走るのは疲れたぜ。歩こう。」
 走り続けた。逃げ続けたという実感からなのか、少しだけ空気が弛緩する。
 下水道へ続く扉が見えた。先頭に立っていた者がその扉のノブを掴み回す。
 回そうとした瞬間にノブが回り、手が滑り落ちた。
「あれ?」
 手とノブを見比べる。ノブが勝手に回るはずがない。なら、緊張しすぎて錯覚したのかともう一度ノブへ手を伸ばそうとした瞬間、
『ギ…ギィ……』
 と錆で擦れる音を響かせ扉がわずかに開かれる。
 錯覚などではなかった。確かにノブは回った。ならば、扉の向こうに何かがいる。
 邪教徒たちは一歩、二歩と後退る。扉が開いたその隙間、その暗闇に目が奪われる。
 ちらと光が見えた。誰かが唾を飲み込んだ瞬間、暗い隙間に赤い光が一つ灯った。
 真っ赤な光が一つ。隙間からこちらを『見ている』。
 邪教徒達の顔が青く染まる。
 それを確認したかの様に音を軋ませ扉が開かれ
「ハァイ、ジョ~ジィ~?」
 笑顔が覗いた。ユウキ・スズキ((自称)不審者さん【少尉】・f07020)の笑顔。
 沈黙と言う鳥が一羽二羽三羽と通り過ぎていく。
「いや、これは排水溝か。失敬。」
 扉を完全に開くと竦む邪教徒に話しかける。いや、一方的に告げる。
「まぁ、なんだ。お前ら程度が持ってる情報は俺は全部持っている。意味……分かるよな?」
 邪教徒とは言えそれは"たかが人間"だ。猟兵に敵う事は無い。
 ユウキの追っている教団の分派か末端か。どちらにせよ情報を対価にすることも、叶わない。
 つまりその言葉は、
「つまりは貴様等が生き残るために残っているカードはゼロってこった」
 死刑宣告。
 理解した瞬間、二人はユウキへ跳びかかり、一番離れていた邪教徒が逃走を図ろうとした。図ろうと、した。
 ぐじゃり…と粘着質な音を立てながら飛び出そうとした邪教徒全員が滑り、水音を響かせ手をついた。
 先ほどまで硬い床であったはずなのに、水気を帯びた土に変わっていた。
「殴り殺されるか、撃ち殺されるか、刺し殺されるか。想像出来るような殺し方じゃあ……つまらないよな?」
 ユウキが煙草に火を付けながら地面に手を付き這おうとする邪教徒を見下ろす。
 邪教徒の体が沈んでいく。固い床が沼にでも変わってしまったかの様に、ゆっくりと沈んで行く。
「足掻いて、足掻いて、全てが無駄で。最後まで惨めな悲鳴を上げ続けてくれ。私はただそれを眺めていよう……それを犠牲者への鎮魂に充てる。」
 藻掻けば藻掻くほど沈んで行く。荷物はとうに捨て沈んで行った。
 それでも一向に効果はない。縁を目指そうにも泳げているのかも定かではない。
 沈んで行く。沈んで行く。叫びを聞いて周りを見ればもう自分一人。
 半ば呑まれた顔で手を必死に伸ばし猟兵に助けを乞うた。
 ただ、ただ、無感情な瞳だけが沼に飲まれる最後の光景となった。


 
 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年09月25日


挿絵イラスト