めぇキュー・クリエイト!
目覚めたクロヤギが見たものは、はらはらと辺り一面に降り注ぐ、一葉の手紙たち。
絵の描かれた葉書に、蝋の押された封筒、荷物に添えられていたようなメモ用紙まで。
微かに紙の擦れる音と香り、思いの込もった文が飛ぶその光景は、災魔には心地よく。
ここにいれば、きっと手紙も食べ放題。
だけれど、まずは……。
『こんなにめちゃくちゃにばらまいて! ちゃんと仕分けしなくちゃだめぇ!!』
キッチリ真面目なボスである『上司のくろやぎ』は早速、素早い動きでフロアに降り注ぐ手紙を分別しだした。
●
「さて、アルダワ魔法学校にてダンジョンメーカーの稼働を任せられるものはいるか」
グリモアベースに集う猟兵に呼びかけるのは仲佐・衣吹(多重人格者のマジックナイト・f02831)。
Q儀式の成功によりファーストダンジョン最深部の隠し階段から手に入れた"ダンジョンメーカー"。究極の地下迷宮アルダワを造り上げた最初の魔法装置にして、大魔王を封印し続けてきたそれである。オブリビオン・フォーミュラーが討たれたことにより、本来の機能である"強大な災魔を一体強制召喚しその周りに迷宮を作る"という、これまた凄まじい力を取り戻した逸品だ。
「強大な災魔を一匹ずつ安全に退治できるようにはなったが、ボスオブリビオンの相手はまだまだ猟兵の仕事だ。……先の戦いでオウガ・フォーミュラーの出現も危惧されておる。何かに利用される前に、討ち取りにゆこうではないか」
「おぬしらに願うのは迷宮の設計と攻略に、召喚した災魔の討伐だ」
自分で作った迷宮に進行を拒まれるという、奇妙な構図にも見えなくもない。しかし、そこは百戦錬磨の転校生、なんとかしてくれるだろうとは学園からの期待だ。
「迷宮はダンジョンメーカーに創造するものが思念を送り込むことで形成される。パズルやトラップなど好みの仕掛けを組み込んでもよいだろうし――」
ふと、何かを思いついたかのように言葉を切る衣吹。浮かべた微笑みはどこか老獪で。
「――ひとつ、最奥に閉じ込めた災魔の性質を反映させてやるのも面白いだろう。なかなかに癖の強いやつだ。上手くゆけば、戦闘を有利にできるやもしれんぞ」
「強制召喚する災魔は『上司のくろやぎ』と呼ばれる手紙好きなオブリビオンだ」
食す手紙の味によって自信を強化したり、催促状による鋭い一撃を放ったり、頭上の速達鳩を高速で飛ばしたりと、そのユーベルコードにもこだわりがみえる。
「こやつに合わせて迷宮をつくるなら――昔の恥ずかしい手紙が読みあげられる、大量の手紙を書き上げねば先へ進めぬ、などかのう」
まぁ作ったからには結局自分らで攻略せねばならんのだがな、と破顔する衣吹。
「ただし、様々な思念があわさってつくられる迷宮だ。混ざった結果、思もよらぬ罠に化けるやもしれん。が、まぁそこは大目にみよ。本来は災魔を逃がさないための迷宮だからのう」
ひらりと、外套の大きなポケットから取り出したのは、短冊形の一筆箋と筆記用具。
魔法装置へ思念を送る媒体としていかがか、とのことだ。
「それでは、よろしく頼んだぞ」
小風
小風(こかぜ)です。
24作目はアルダワ魔法学園にて【Q】ダンジョンをつくろうです。
よろしくお願いします。
また、プレイング期間を設けています。送信の際はMSページも御確認下さい。
※第2章は第1章の結果つくられたダンジョンの詳細を描写後、プレイング受付を開始とします。
第1章 冒険
『ダンジョンメーカー』
|
POW : 肉体や気合で突破するタイプのダンジョンを創造してみる
SPD : 速さや技量で突破するタイプのダンジョンを創造してみる
WIZ : 魔力や賢さで突破するタイプのダンジョンを想像してみる
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●ダンジョンのあるじへ、イェーガーより。
ひらり、はらり。
たくさんの手紙が落ちてくる、このフロア。
広大な空間にただひとり。
一息休憩をするような姿勢で『上司のくろやぎ』は彼方を見上げる。
床に積み重なっていた手紙の仕分けは、ほぼ終わった。
紙の帯でキッチリと小分けにされた束が整然と並ぶ光景。
いつでも郵便配達ができそうだし、いますぐ好きなだけ食べ放題ができそうであった。
手紙を愛し、手紙が好物である『上司のくろやぎ』。
黙々と作業をこなしてゆく中で――彼は察した。
自分は、ここから出られないのだと。
大好きな手紙だらけだけれど。古今東西の様々な香りがするけれど。
魔法の味がする精巧なそれを食みながら、どこまでも高く真っ黒な天井を眺めていた。
たくさんの手紙を選別し続けたからだろうか。
いま降ってきたそれが、彼の知る"本物"だと、一目で分かった。
なにかの指示書のようでもあったし、走り書きのメモのようにも見えた。
蹄を伸ばして地に着く前に受け取る。
それは間違いなく、この地へ宛てられた一葉であった。
エウロペ・マリウス
う~ん……。
変に考えてしまって、攻略が大変なものを創るわけにもいかないけど
はてさて、どうしたものかな
行動 WIZ
そうだね
ここは、かれらにお願いしようかな……。
「……おいで。今日は、ここがキミ達の遊び場だよ。妖精達の悪戯遊戯(ニンフ・マレフィキウム)」
まずは、災魔である『上司のくろやぎ』の性質をしっかりと説明する
その上での悪戯をお願いするよ
かれらの思いつく罠なら、それほど危険ではないはずだよ
あくまで、軽い悪戯をして楽しむといった程度だからね
(嬉々として悪戯程度の罠を創造する妖精達を眺めつつ)……うん
悪戯だから、だいじょうぶ……な、はず……?
あと、人数が多いからって、ボクに悪戯をしかけるんじゃない
「う~ん……。変に考えてしまって、攻略が大変なものを創るわけにもいかないけど」
はてさて、どうしたものかな、とダンジョンメーカーの前で頭を悩ませているのはエウロペ・マリウス(揺り籠の氷姫・f11096)。首を傾けるたびに一足早い冬を思わせる、氷の結晶のアクセサリーが涼やかな輝きを放つ。
「そうだね。ここは、かれらにお願いしようかな……おいで。今日は、ここがキミ達の遊び場だよ。妖精達の悪戯遊戯(ニンフ・マレフィキウム)」
ひとつうなづいて呼び出したのは、彼女の魔力に誘われ集まる悪戯妖精達。くすくすと楽し気な小さな笑い声と共に、氷の姫のもとへと集う。
「今日の遊びはこれ。『上司のくろやぎ』の罠づくりだよ」
丁寧に語りかけつつ、貰った便箋へ黒山羊や手紙の絵、短いメモ書きを交えながら、災魔の性質を分かりやすく説明してゆくエウロペ。
しばらく説明を見聞きしていた妖精達も、面白そうだとばかりに同じようにペンを抱え、仕掛けたい悪戯のメモをかきだした。
「かれらの思いつく罠なら、それほど危険ではないはずだよ」
日々遊戯として悪戯をする妖精なら、軽く楽しめる程度になるだろうとの考えからだ。
らくがきと拙いメモ書きで出来上がってゆく罠の設計図。キャッキャと笑う妖精達もノってきたのか、結構な枚数の便箋が消費されてゆく。
「……うん。悪戯だから、だいじょうぶ……な、はず……?」
ひらひらと散らばる書き終わったらしき便箋を回収しまとめて三つ折りにすると、ギュッと折り目へ体重をかけて圧縮しながら、封筒へ押し込み素早く封をするエウロペ。
ポスト投函さながらにダンジョンメーカーの上へかざせば、スルリと吸い込まれるように分厚い封筒が消えていった。
ふと、手の平に違和感を感じて、目をやるエウロペ。
見ればインクを拝借してきたらしき妖精が袖口にこっそりとりつき、気ままに小さく細かな模様を描いていた。
気付いたぞと言わんと顔の高さにまで腕を上げれば、あわてて腕を滑り降りてゆく。
「あと、人数が多いからって、ボクに悪戯をしかけるんじゃない」
●ボスフロアにて。
『――めぇ!?』
一通目は分厚く重たい封筒だった。
あんまりに急落下してくるものだから、目測誤って頭で受け取ってしまった『上司のくろやぎ』が、小さな鳴き声を上げる。
封を切れば弾けそうなほどパンパンに膨らんだそれを慎重に開けると、飛び込んできたのは罫線にも作法にも捕らわれない、自由気ままな文面とペン画の数々。
『むむっ! これは――稀代の大作だめぇ!』
崩れたらくがき絵も読み難い文字も、上司のくろやぎにとっては些細なもの。
書き下ろしの妖精悪戯全集ともいえるそれを、なるほどめぇめぇと鳴きながら、上司のくろやぎは楽しく読み進めていった。
成功
🔵🔵🔴
藍原・蒼夜(サポート)
人間の學徒兵×力持ち、18歳の女です。
普段の口調は「おっとり系(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
偉い人には「敬語(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
のんびり、おっとりした性格で、多少天然ボケな面もあります。
武器は主に退魔刀を使用して戦います。
好きな物は、可愛いぬいぐるみ、綺麗な花、静かな場所。
趣味は小説等の読書。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
栗花落・澪
迷宮クリエイト!なんか懐かしい響き!
ここはやっぱり皆が楽しくなるようにしたいよね
自分も楽しみたいし!
音楽を楽しまなければ進めないトラップ、なんてどう?
通路全体に音楽を流して…どうしようかな
足元に光るパネルでも設置する?
それともダンス不得意な人でも楽しめばクリアになるように
感情の高揚を読み取れるようなセンサーでも設置する?
それなら飛行種でも、ダンスが苦手なら歌や楽器でもいけそうかも
作動する罠も命に危険の無い楽しいものがいいな
ウォータースライダーで流されるとか
簡単そうに見えるけど
他の人の罠と組み合わせたら中々の難易度になると思うんだよね
ふふ、どうせならくろやぎさんにも楽しんでほしいな(手紙投函
「迷宮クリエイト! なんか懐かしい響き!」
嬉々としてアルダワ魔法学園に訪れたのは栗花落・澪(泡沫の花・f03165)。
どうやらマップやモンスターを組み合わせてダンジョンを作るゲームが、かつてあった様子。今回はそれを自分が実物で出来るとのことで、期待も気合も十分なようだ。
「ふふっ、私の出番かしら? まさかダンジョンづくりなんてね」
次いで顔をのぞかせたのは藍原・蒼夜(蒼き宝刀・f23131)。
のんびりとした手つきで筆記具をとると、ペンの先を顎に当てながら考えだした。
「ここはやっぱり皆が楽しくなるようにしたいよね。自分も楽しみたいし! 音楽を楽しまなければ進めないトラップ、なんてどう?」
「あら、そういうのもありなの? それなら私は、可愛いぬいぐるみの案内があると楽しいわ」
調子よく筆を走らせ始めた澪にならって、蒼夜も自分の好きなものを書き出してゆく。
「通路全体に音楽を流して……どうしようかな、足元に光るパネルでも設置する?」
「基本静かな場所なら、プレイもしやすそうね」
文章にしながら、時に声に出しながら、相手の案から発想を引っ張り出してゆく。
「それともダンス不得意な人でも楽しめばクリアになるように、感情の高揚を読み取れるようなセンサーでも設置する? それなら飛行種でも、ダンスが苦手なら歌や楽器でもいけそうかも」
「おすすめの本でも紹介しておこうかしら。何かモチーフになるかもしれないし」
整理整頓は後回し。思いついたことを演奏のように、詩のようにつなげ奏でてゆく。
「作動する罠も命に危険の無い楽しいものがいいな。ウォータースライダーで流されるとか」
「その先も綺麗な花がいっぱいあると嬉しいわ」
和気あいあい罠づくりに好きなもの語り。お茶会のひと時のような雰囲気に包まれる。
「簡単そうに見えるけど、他の人の罠と組み合わせたら中々の難易度になると思うんだよね。ふふ、どうせならくろやぎさんにも楽しんでほしいな」
続けて読んでもらえるよう、二人の手紙は同時にダンジョンメーカーへ投函。
仄かな光が一瞬灯り、その思念は装置へと届けられた。
●くろやぎの部屋にて。
『めぇーきゅーくりえいと……新しい遊園地のアトラクションみたいだめぇ~』
罠やトラップという物騒な響きとは程遠い、キラキラとした夢のアイディア達。
そこを自分ならどう走り回るだろうと、くろやぎは想像力の翼を羽ばたかせた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
七瀬・麗治(サポート)
沈着冷静な、黒スーツのUDCエージェント。
多重人格者で、闇人格「ロード」は好戦的で尊大な性格です。
一人称はオレ(私)、二人称はあんた、おたく(貴様)
体育会系のスポーツマンで、肉や魚料理を好んでよく食べます。
結構動物好きで、特に柴犬を好みます。硬派に見えて、
恋バナが大好きです。
麗治は調査や情報収集、ロードは戦闘中心という具合に、
シナリオの内容に応じて自由に人格を使い分けてください。
冒険パートでは『カルマハウンド』『UDCネットワーク』『謎を喰らう触手の群れ』などを駆使して情報収集してください。主に元人格の麗治が活躍すると思います。
特にサポートの必要が無ければ、流してください。
「なるほど、つまり自分の好きなものを書き込めばいいんだな」
先行の猟兵達の案を聞きヒトリ納得した七瀬・麗治(ロード・ベルセルク・f12192)。
ダンジョンの設計とはやや身構える依頼だったが、ならば一筆協力できると筆をとる。
「くろやぎはまだ先だけど動物が出てくると気分が上がるな。細かく指定できるなら柴犬で。……ついでにサッカー場も作れたりするのか?」
「なんだ、まだ戦闘ですらないのか。つまらん」
後方からもうヒトリの声、分身した麗治の別人格ロードが退屈だとばかりにつぶやく。
「どうせ建てるならば城が良いに決まっているだろう。相変わらずセンスの無い……」
ふと目に入ったのは、装置へ投函する為に用意された便箋に筆記具のセット。卓上へ戻し忘れたものだろうか。
「よし、こんなものだな――ってロード!? いつの間に書いてたんだ?」
「あまりに幼稚な案では私の評価も下がりかねん。感謝してもらおうか」
ダンジョンメーカーに投函する麗治の後ろから伸びてきたのはロードの腕。
結果二人分のトラップ案が思念と共に魔法装置へ送られる。
次第に装置から仄かな光があふれ出してきた。
●
『めぇ! 可愛い芝犬コレクションと、怖いモンスター百貨だめぇ!』
同時に落ちて来た手紙を飛び上がって掴み読み進める。
この地の為に書かれたホンモノの手紙。
上司のくろやぎは大事そうに、何度も読み返していった。
成功
🔵🔵🔴
第2章 冒険
『『ダンジョンメーカー』ダンジョンの探索』
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POW : 肉体や気合でダンジョンを探索、突破する
SPD : 速さや技量でダンジョンを探索、突破する
WIZ : 魔力や賢さでダンジョンを探索、突破する
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ダンジョンって何で出来てる?
ダンジョンって何で出来てる?
こいぬにダンスに妖精のいたずら。
そんなもので出来てるよ。
●
背の高い草の原が、風に撫でられサラサラと笑う。
きみを案内するのは、いぬにうさぎにひつじにやぎ。
ぬいぐるみのような小動物。
だけど小さな彼ら、待ってくれない。
つかまえてごらん、と緑の海を走る。
でも気を付けて。
一歩踏み出せば、きみで遊びだしてしまうから。
どんないたずらにあった?
結んだ草の罠に落とし穴、次々飛びつかれてもふもふパワーで押し潰された?
どんなふうによけてきた?
ちからいっぱい引きちぎって跳んできた? 不思議パワーでみんな担いで走ってきた?
お花畑に出たら、静かにこっそり教えてね。
●
お花畑の向こうにあったのは、踊って揺れてピカピカ光る大きなつり橋。
きみと小動物の先を行くのは、器用な小猫。
バイオリンを奏でて子供の背丈。
童謡クラシックにポップミュージック、なんでもござれと楽しく跳ねる。
だけどその先気を付けて。
踏板光らすつり橋も、音楽が大好き。
リズムに乗って光った足場にしか乗せてくれない。
一歩進んで二歩下がって。
なかなか進めないかもね。
どんなふうに渡ってきた?
曲を覚えて離れた踏板に大ジャンプ、自分も一緒に歌って奏でて橋全体を光らせた?
どうやって橋から落ちるのかって?
足元に滑り込みたい、いたずら小動物。
あわてて避けたら踏み間違い、真下のウォータースライダーに真っ逆さま。
滑った先には色とりどりのお花の――切手!
カラフルなミノムシになったら、橋の最初からもう一回。
楽しい思い出、教えてね。
●
橋の先にあったのは、大きな大きなサッカー場。
きみの前に現れたのは、とってもたくましい動物達。
ごく普通に二本足で立ち上がると、人間の大人くらいの全長。
重厚なオーケストラの音色とともに一斉に空中へ飛び上がると、超合体!
やぎが頭にひつじが胴体、右腕がいぬで左腕がねこ、両足はなんとうさぎ!
大怪獣・ヤッギの爆誕だ!!
上司のくろやぎのいるお城の門番、どうしてかサッカーが大好き。
きみがいつの間にか持っていた手紙が満載の集荷袋を、ヤッギの守るゴールに入れないと、なぜか道をあけてくれないよ。
立ってても動いてても頭が痛くなる姿の彼と、一体どんな試合を繰り広げたの?
スーパープレイを教えてね。
栗花落・澪
すっごく楽しそうな戦場になったね!
動物さん達のいたずら、飛びつかれたら敢えて全力でもふってあげる!
【優しい】子守歌を【歌唱】して
気持ちいいところをなでなでもふもふ
まったりしたところを抜け出して
草原の先まで競争しよ!
ゴールした子みんなに★飴あげる!
僕は持病で走れないから、手加減しての★空中戦で
音楽なら大得意!
リズムに乗って一緒に歌って
ホップステップで楽しく【ダンス】
いたずらっ子は抱っこしちゃう
一緒にくるくる踊りましょ♪
サッカーはやったことないんだけど
足で蹴ったらいいのかな?
風を纏わせた★Venti Alaで
宙を蹴ってバク転シュート!
結構非力な僕だけど
残念、足技は得意なんだ
あー楽しかった!(満足
夜城・さくら(サポート)
キャバリアでの戦闘をメインに。
『オーバーフレーム換装』では、装甲を犠牲に攻撃力か射程を上げて仲間を援護するように攻撃します。【スナイパー】技能使用。
キャバリア以外では、『ギタギタ血まみれの外科手術』で仲間の治癒と戦闘力増強に励みます。
「ちょっと痛いですよ? でも大丈夫。すぐに元気すぎるくらいになりますからね」
笑顔でノコギリを振るいます。大丈夫怖くない怖くない。
アト・タウィル(サポート)
『どうも、アトです。』
『ふふ、それはどうも。』
『私にできることなら、なんなりと。』
ねじくれた魔笛≪Guardian of the Gate≫を携え、ふらっと現れる女性。性質は大人しく、いつも笑顔を浮かべているが、その眼は深く開いた穴のように光を写さない。大体平常心で、驚くということがあまりない。その代わり、空気は読むので、必要に応じて驚いたふりなどはする。
戦闘では、魔笛を用いてUCを使う。音楽系はもちろん演奏で、サモニングガイストもそれに合わせて現れる形。ミレナリオ・リフレクションでは、相手のUCが剣などを使う場合は必要に応じて武器としても使う。
後はお任せします、自由に使ってください
ギャレット・ディマージオ(サポート)
●設定等
ダークセイヴァー出身の冷静沈着な黒騎士です。
かつてオブリビオンに滅ぼされた都市で自分一人だけ生き残ってしまった過去を悔いており、人々を守り、被害を防止することを重視して行動します。
●行動方針
⛺冒険では、事態の解決に向けて自分の出来る範囲で全力を尽くして行動します。
負傷する危険性のある行動でもリスクを顧みずに行い、囮になることも辞さない構えです。
「絶望の福音」での先を見据えての行動や、「無敵城塞」での防御を固めての力押し、黒剣を変形させての工作等を得意とします。
他は全てお任せします。
別の猟兵との交流や連携等も自由に行ってください。
どうぞよろしくお願いします。
●
ダンジョンメーカーが輝き、猟兵の目の前に広がったのは、果てが見えぬと錯覚するほど広々とした草原。
自身の背よりも高い草の隙間から覗いたり掻き分けて近付いてきたのは、全長膝下ほどの小動物達。
好きなものとして動物をあげるものが多かった為だろう。
いぬ、うさぎ、ひつじ、やぎ。
ダンジョンはもふもふ三昧となった。
「すっごく楽しそうな戦場になったね!」
動くぬいぐるみのようなそれを見て笑うのは栗花落・澪(泡沫の花・f03165)。
喋りはしない様子の小動物達が目の前で跳ねながら猟兵と視線を合わせる。
すると、背中を向けて数歩進んでは振り返り、という行動を繰り返し始めた。
ついておいで、と促しているようだ。
「油断は禁物ではあるが。ここは私が行こう」
慎重にその様子を窺っていたギャレット・ディマージオ(人間の黒騎士・f02429)が声を掛ける。
その手には草を薙ぐ為に鎌の形へと変形させた、黒剣を構えて。
それを見た動物達が思わずびっくり飛び上がり、脱兎のごとく駆けてゆく。
草むらの追いかけっこ、スタートだ。
天使の翼を柔らかに羽ばたかせ、滑るように空中を進む澪。
浮いている為に足元の草を結んだ罠には引っかからず、後ろに続くギャレットにそっと合図を送り切ってもらう。
進む先には案内役のこいぬと、時折頭を覗かせ草の陰から視線を送る小さな動物の姿。
「――澪、来るぞ」
絶望の福音で少し先の未来を見ていたギャレットが、声を低くして告げる。
進んだ先は一歩、空が高くなったよう――否、地面が湿気て急に窪んでいたのだ。
転ばぬようにと、思わず人がほんのわずかに視線を下ろす程度の。
『わんわん! にゃーにゃー! めーめー!』
刹那、そのタイミングを見計らい、草むらの向こうから一斉に跳び出して来た動物達。
「かしこい! でも、僕らの方が上手だよ。さあ、優しい飴玉の歌をあげる」
こちらだって準備万端。
飛び込んできた動物達をあえて一匹ずつ受け止めて、ふんわりとした子守唄を歌う澪。
なでるのは細くて空気をいっぱいに含んだ胸の毛や、薄くてよく伸びる皮膚に包まれた首の下、懐っこい子には耳の後ろや尻尾の付け根を、そっともふもふ。
それがどうにも心地よかったらしく――。
いたずらをしに来たはずの小動物達が、次は自分だ順番じゅんばんと、列を作って並びだした。
「傷つける必要はないだろうから……こうだろうか」
一方こちらはギャレットに飛びついて来た小動物達。
鎌の形状をとっていた黒剣をひとふり。一瞬でしなやかな鞭の形へ変形させる。
長く伸びた得物で近付く数匹をまとめて捕らえると――。
『わにゃん!? めめぇー!』
そのまま斜め上に振って草むらの向こうまで。ぽーんと飛ばして空の散歩をプレゼントした。
するとそれを見ていた動物達。特にやんちゃな子達の心を掴んだ様子。投げても投げてもギャレットの周りを、目をキラキラさせた小動物達が次々と取り囲んでいった。
そんなこんなで。可愛いいたずらにやり返しつつ、やり返されつつ、なんとか草原を抜けた猟兵達。
「ゴール! お疲れ様! 頑張ったみんなには飴をあげるよ――っと!?」
そう言ってお菓子を見せた途端、わらわらと草原の終わりにまでついてきた動物達が、更にテンション高く澪に飛びついてゆく。
あっという間にてんこ盛りのもふもふ山と化す天使。
「やれやれ、いくらなんでも、こんなについてきては次が大変だろう」
鞭の大ジャンプがお気に召したらしいものを中心に、ギャレットは引き続き小動物達を草原へと返していった。
●
草原の先で待っていたのは、色とりどりの草花が咲き乱れる花。
どこからか聞こえるは、小さなバイオリンの奏でる、高らかで軽快な旋律。
弾いていたのは、子供くらいの背丈の、なんと猫。
猟兵の前で見事に一曲を奏で終わると一礼。
さあついておいでと、次の曲を奏でながらスキップをして進んでゆく。
その先にあったのは大きな峡谷に架かる真っ白な木製の橋。
どこかピアノの鍵盤を思わせた。
小猫が奏でる即興曲に合わせて光る踏板。
猫のしなやかな跳躍で光った板だけを踏んで跳んで、あっという間に向こう側へ。
余裕綽々ともう一曲奏でて戻ってきた小猫が、楽器を構えて君を待つ。
どんな曲がお好みだい? と。
「音楽なら大得意! 猫さん、一緒にお願い!」
意気揚々と歌い踊りだしたのは澪。
思わずステップしたくなるようなリズミックな一曲だ。
子猫も歌に合わせてアドリブでセッションしだした。
両者の演奏に合わせて、橋の板が鍵盤のように光りだす。
ダンスが得意なら十分だが、全員渡るにはやや心配か。
「では僭越ながら、私にできることを」
そう言ってねじくれた魔笛≪Guardian of the Gate≫を取り出し演奏に加わったのは、アト・タウィル(廃墟に響く音・f00114)。
奏でるは同じく明るい曲調ながら、どこか不安になるようなフルートの音色。
アトの十八番、心を惹き付ける狂気のメロディーがスパイスとなって加わり、セッションは一層の深みを増した。
すると伴奏が足りないと思うところだが……。
ここで聴こえてきたのはピアノの音色。
なんと三名の演奏に感化されて、橋が楽器のように和音を奏で始めた。
その光る板を見れば、白く輝いていない鍵盤の方が少ない様子。
これなら踏み間違えそうになっても、素早くすぐ隣の板に移れば大丈夫。
これまたいたずらの機会をうかがっていた草原からの動物達も、リズムに乗って跳んでくるので行動の予想がしやすく。避けてかわして抱き上げて、一緒にくるくると踊ることだってできる。
すっかり賑やかになった猟兵音楽隊は、みんな無事に橋を渡りきった。
●
峡谷の向こうで待っていたのは、いかにもボスの根城と見える大きく立派な城。
変わったところと言えばその門前に広大なサッカーのコートが敷かれていることくらいだろうか。
すると君達を出迎えるようにピッチに現れたのは、これまでとは違い全長がヒトの大人ほどはある大きな動物達。
ごく普通に二本足で立ち上がった彼らは、ごく普通に重厚な旋律と共に合体し、ごく普通なゴールキーパー・ヤッギとして立ちはだかった。
「サッカーはやったことないんだけど、足で蹴ったらいいのかな?」
六体の動物が組体操したような怪物を見上げて、芝生コートへ足を踏み入れたのは澪。
すると目の前に落ちて来たのはサッカーボール……ならぬ、手紙がパンパンに入った集荷用の布袋。さすがは上司のくろやぎのお膝元、こだわりは感じるがとても蹴りづらい。
「相手に不足なしね。同じ大きさでお相手するわよ」
ズドンと一歩ごとに芝生をめり込ませながら歩く、緑色の量産型キャバリアAZに乗り込み現れたのは夜城・さくら(不思議ちゃんの量産型キャバリア・f30006)。
これならばヤッギと同じ目線で戦える。
目の前に落ちて来たボールもとい集荷袋も特大サイズだ。
先に動いたのはさくら。
RSロングレンジキャノンライフルの射撃で遠距離から武器を持たないヤッギを抑えにかかる。
しかしスコープに捉えていたはずのヤッギの姿が突然消え、代わりに己の頭上へ禍々しい影が落ちる。
素早く脚部の推進飛行装置による急加速でその場を離れるさくら。
『『むいーーっ!』』
同時に響く地響きと鳴き声は、上から落ちて来たヤッギの巨体が着地をした音だ。
鳴いたのはヤッギの生きてる推進装置こと"うさぎ"。両足に仕上げた斬新な仕様は見た目どおり、跳ぶのは得意なようだ。
大きな二体が睨み合っている間に、その脇を抜けてゴールに迫るのは澪。
ゴールポストをしっかり狙って、郵便袋を蹴り上げ、風の魔力を纏わせた靴Venti Alaで宙を蹴り必殺のバク転シュート!
そうはさせないと左腕を伸ばしてそれを止めにかかるヤッギ。
さくらとの攻防中で距離はあるはずだが――。
『にゃにゃーん!!』
腕がひと鳴きするとそのねこの胴体が、にょーーんと長ーーくどこまでも伸びてゆく。
ごく普通のことである。ねこは古来から伸びる生き物であるのだから!
「あら、忘れてない? ボールはもうひとつあるのよ!」
推進飛行装置再加速。さくらが蹴り飛ばした郵便袋はポストを狙わず、ゴールを妨害するヤッギ目掛けて、こちらも強力な必殺シュート!
『め゛め゛ーーーー!?』
お腹で受け止めた胴体のひつじが悲鳴を上げると堪らず、合体していた六体の動物がボーリングのピンのようにバラバラに弾け飛んでゆく。
伸ばしてたねこも勢い余ってポストを通り過ぎてゆく。
「ゴール!」
見事に回転しながらゴールネットを揺らすボール、もとい郵便集荷袋。
それを見て落ち込むごく普通の動物達を横目に、コートを横切りくろやぎの待つ城へ歩を進める猟兵。
「結構非力な僕だけど、残念、足技は得意なんだ。あー楽しかった!」
ダンジョンを全力で楽しんだ天使がひとり、城の扉に手をかける。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
第3章 ボス戦
『上司のくろやぎ』
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POW : でりしゃすれたー
【『あまい』告白の手紙】【『しょっぱい』別れの手紙】【『からい』怒りのお手紙】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD : ようしゃしないめぇ!
【『するどいきれあじ』の催促状のお手紙】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ : そくたつぽっぽさんめぇ!
レベル分の1秒で【頭上にいる速達担当の相棒ぽっぽさん】を発射できる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠メーアルーナ・レトラント」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
重たい門扉に、いくつかの部屋に隔てられたその向こう。
吹き抜けの薄暗い空間に天井から金色の光が差し込む広大なフロア。
几帳面に仕分けされ積み上げられた、おびただしいほどの手紙の壁の向こう。
その中心に『上司のくろやぎ』は居た。
『お手紙ありがとめぇ! 今まで味わったこともない、とっても楽しい企画書だめぇ!』
何枚もそびえ立つ手紙の壁からではなく、大事そうに懐から取り出したそれら。
どれも何度も丁寧に広げて畳まれ、どれも少しかじった跡がある。
『それでお願いめぇ! ぜひボクもこのダンジョンを体験したいめぇ! 連れてって!』
それは結果、迷宮からの脱出の要望。
猟兵が承諾できるはずもない。
頭を振れば、しゅんと耳を倒す上司のくろやぎ。
『……色々なダンジョンで手紙を求めて、走り回っていたころが懐かしいめぇ……。手紙は沢山あるけれど……ここは全然楽しくないんだめぇ……』
にわかに、いくつもの手紙の壁から、カサカサと上をこするよな音が鳴り出す。
何枚かの壁が崩壊し、手紙が折り重なるようにして作られてゆくのは、生成り色の身体をもつ紙製のしろやぎ。
猟兵の邪魔をするように、視界を遮るようにまとわりついてくる。
ボスフロアの効果だろうか。
『ならば楽しい手紙ライフを求めて、ボクはどこまでも行くめぇ!』
見逃すわけにはいかない。
彼の災魔生はここで終わらせる。
最期の時に、武器を手に、猟兵は何を綴ることができるだろう。
栗花落・澪
んーじゃあさ、雰囲気だけど再現してみる?
楽しいゲーム♪
翼の【空中戦】で距離を取りつつ
口ずさむのはアップテンポの明るい【歌唱】
さぁ、一緒に踊って!
リズムに乗れば避けれるよ
発動するのは【彩音】
歌の音階を手のひらサイズの音符として具現化
リズムに合わせてくろやぎさんの足元に投擲
すごいすごーい!
くろやぎさんやるじゃん!
次はちょっと速くなるよ!
自分も【ダンス】で舞いながら
時に激しく、時には音符のサイズを変えて
クリアするたび笑顔で拍手を
頑張った君にご褒美をあげよう
★Candy popに幸せな【催眠術】をこっそり乗せて甘い微睡にご招待
眠ったところで【破魔】を宿した光魔法の【属性攻撃】
優しく温かな【浄化】を
「んーじゃあさ、雰囲気だけど再現してみる? 楽しいゲーム♪」
そう言って楽しそうに『上司のくろやぎ』を誘う栗花落・澪(泡沫の花・f03165)。
軽やかにステップを踏むとその体は空中へふわりと浮かび上がり、ショーは開演する。
歌うはアップテンポの明るい曲。
発動するはユーベルコード彩音(ボクノオト・キミノオト)。
ボスフロアに響く音色が空中で仄かに光り、それは見えない五線譜の上で波打つカラフルな音符へと変わってゆく。
「さぁ、一緒に踊って! リズムに乗れば避けれるよ」
指揮するように手を振れば、音符は鍵盤をたたく雨粒のように、上司のくろやぎが立つ足元目掛けて降り注ぐ。
『めぇっ!? めっ! めぇー!! こ、これはリズム感が問われるめぇ!』
短い手足をパタパタと動かし、必死に避ける上司のくろやぎ。
ときに紙製のしろやぎにつかまりながら、ときに手を引いて一緒にタイミングを合わせて飛び退きながら。白黒お手紙やぎのダンスは歌に合わせて軽快な蹄の音を紡いでゆく。
「すごいすごーい! くろやぎさんやるじゃん!」
くろやぎの攻撃が届かない空中の特等席にて、笑顔で賞賛の声を送る澪。
「じゃあ、次はちょっと速くなるよ!」
奏でる調べは更にアップテンポに。音符の大きさも手のひら大から大小様々なものを混ぜながら難易度を上げてゆく。空と地面で踊る両者は、まるで楽しいゲームに興じているように見えるだろう。
「すごい! 全部クリアだよ! 頑張った君にご褒美をあげよう」
『ふふん、当然なんだめぇ! やった! ……ゴホン、もらってやるめぇ!』
生まれたての子山羊に近付いた足取りの上司のくろやぎに差し出すは、色とりどりで可愛らしいCandy pop。
疲れた体に甘いものが染み渡ると口に運べば、誘われるのは幸せな夢の中。
コトリと横になって眠る上司のくろやぎに放つのは、破魔と浄化を込めた光属性攻撃。
優しく温かな光のヴェールが、夢の中で駆けまわる上司のくろやぎを包み込んだ。
大成功
🔵🔵🔵
ロロ・ゼロロ
むむむ
自由の翼求めし闇黒の獣かー
残念ながらそなたは迷える宮の内に封じられし憐れなる子羊なのだ
……えっ、自分は羊ではなく山羊だと?
そのような差異、自由という大いなる権能の前では砂粒1つに等しい
……だめ?
よいか
災魔という運命の縛鎖がある限り自由は手に出来ぬ
だが骸の海に還り新たな輪廻の時を迎える事ができればあるいは……
とか言って【言いくるめ】るとしよう
すなわちこれは新生のための通過儀礼である
余がそのための花道を用意してくれよう
だから大人しく我が裁きを受けよー
来たれ我が魂の内より
【魔星の堕天皇】
痛くしない痛くしない
だから少し大人しくしててはくれまいか
「むむむ。自由の翼求めし闇黒の獣かー」
寝ぼけ眼で立ち上がった『上司のくろやぎ』を眺めながら呟くのは、ロロ・ゼロロ(ゆるチュウニ王子・f23416)。首の傾きに合わせて頭上の小さな王冠がキラリと光る。
「残念ながらそなたは迷える宮の内に封じられし憐れなる子羊なのだ」
『めぇ。ボクは羊じゃなくて山羊なんだめぇ』
えっ、と驚き上司のくろやぎをもっとよく眺めるロロ。確かに羊にしては毛量が足りないように見える。
「そのような差異、自由という大いなる権能の前では砂粒1つに等しい。……だめ?」
『だめぇ!』
手紙とくれば山羊なのだと、身に着ける制服と鞄をよく見せるようにその場で一回転する上司のくろやぎ。
ひとつ仕切り直しと言わんばかりに咳をして、人差し指をピンと立てるロロ。
「よいか。災魔という運命の縛鎖がある限り自由は手に出来ぬ。だが骸の海に還り新たな輪廻の時を迎える事ができればあるいは……」
『手紙も体験もボクがボクであるうちに、早く受け取りたいんだめぇ。未定の次なんて、待ってられないめぇ』
繰り返す過去として受肉する災魔でも、その考え方は千差万別のようで。
穏便に言いくるめようとしたロロだが、この個体はなかなかに頑固なようであった。
小さなため息とともに、再び視線をくろやぎに注ぐロロ。
「すなわちこれは新生のための通過儀礼である。余がそのための花道を用意してくれよう。だから大人しく我が裁きを受けよー」
軽く地面を蹴り間合いを取ると、発動するはユーベルコード魔星の堕天皇(マスター・フォールン)。
見えない天井をすり抜けて、全長3メートル越えの片翼の堕天使が目の前に降り立つ。
『めぇ!? それならボクもコレでいくめぇ。――"サンタさんへ。巨大ロボットが欲しいです" ちょっぴり切ない未配達のお手紙、叶えるめぇ!』
パクリとくろやぎが口に含むと、フロアに満ちる手紙が一カ所に集まり、造像されるは紙製の巨大しろやぎ。状態異常……というか異常事態の強化である。
「余の意に応えよ魔魂……広げし片翼にて汚れし空を浄化せよー」
吹き抜けの薄暗い天井から差し込む金色の光の中、羽根と手紙を散らしながら戦う二体の巨神。
攻防の度に傷つく堕天使に対し、巨大しろやぎは手紙を散らすほどに小さくなってゆく。
「痛くしない痛くしない。だから少し大人しくしててはくれまいか」
戦いの天秤がロロに傾いたところで自身の武器・天聖天魔調伏剣を抜刀し、光と闇のルーンの力を放つロロ。
堕天使は巨大しろやぎを、ロロはくろやぎを、同時に斬りつけた。
大成功
🔵🔵🔵
スコッティ・ドットヤード(サポート)
外見はどう見ても女子、性格は年相応の活発な男子のサイキッカー。
口調は城〇内君みたいな感じ。友情に厚く義に厚く、明るくてギャグもこなせます。年相応にお色気に弱いです。
両親を4年前に亡くし、それ以来妹と二人で生き延びてきた経験から、小さい少女を見ると世話を焼きたがります。
また、困っている人を見捨てられない性分です。
攪乱や陽動に使えるUCが主体で、戦闘でも前に出るよりも周囲の援護に回ることが多いです。
主な武器はE&F、左手から電撃、右手から炎で攻撃します。
料理が得意ですが、料理系のUCは戦闘では使いません。
戦闘でも日常系でもどんなシナリオでも参加OKです。
よろしくお願いいたします。
「いやいやくろやぎ、この場所だってダンジョンなんだぜ? いまある材料でどう料理するかだって、腕の見せ所ってもんだろ」
何しろお前がボスなんだから、と快活に笑うのは柳腰のサイキッカー、スコッティ・ドットヤード(どこからどう見ても女の子な少年・f20279)。
ふるりと頭を振って立ち上がり直した『上司のくろやぎ』は首を傾げる。
『めぇ? いまはボクがシェフってこと? ……おもてなしする側だとは思わなかっためぇ』
確かに古今東西の手紙が揃えられたフロアは不思議だとは思った。けれど、あくまで自分の為の物だと考えていたと。くろやぎは改めて自分が整理整頓した手紙の山を見渡す。
『これが、遊び道具めぇ?』
「相手ならここにいるしな。やってみろよ」
見上げる先の山頂から一枚、また一枚と木の葉のように手紙が落ちてゆく。
それは花吹雪のように、また雪吹雪のように段々と勢いを増して行き――両端を羽ばたかせ、おびただしい鳥の群れとなって飛んできた。
『そくたつぽっぽさんめぇ!』
手紙は当たっても大したことはないが、ユーベルコードは別だ。
視界を塞ぐカラフルな封筒と葉書の中を、くろやぎの相棒が迷わずに飛んでゆく。
「その調子だ。俺も行くぜ! ――体温もある分身。どれが本物かわかるかな?」
ぽっぽさんがするどく体当たりしたスコッティが、紙吹雪のように破裂して笑う。
驚くぽっぽさんの目の前に立ち塞がったのなんと先程消えたはずのスコッティで、それを横から捕まえたのは、なんとこちらもまたスコッティだ。
ユーベルコード蜃気楼(フェイクエフェクト)。
くろやぎの目眩しを、更に目眩しで返したのだ。
「丸焼けご注意だ! E&F(エレクトロ&ファイア)!」
手紙鳥の群れの向こうから本物のスコッティの声が響きサイキックの炎が放たれる。
一瞬にして辺りは火の鳥の群生地への早変わりだ。
『アチチッだめぇ!』
「いや待て本体! 俺らも熱い!!」
くろやぎとスコッティの悲鳴と破裂音で、辺り一面が賑やかの極みであった。
成功
🔵🔵🔴
ロニ・グィー(サポート)
アドリブ・連携歓迎
「サプラーイズッ!驚いた?」
基本的に極々自分勝手で悪戯好きな神様
怖いもの知らずで迷うこと無く(考えも無く)、直感に従って行動する
うまくいけばふんぞり返り、失敗しても悪びれない(が強く詰られると涙目になって逃げだす。三分後には忘れてる)
自分を信頼する人はダダ甘やかし(お菓子とかあげる)、自分の我が儘を許容してくれる人にはダダ甘える
・戦闘
たくさんの空飛ぶ球体を操って攻撃・防御する
球体のサイズや機能は様々、銃弾の様に蜂の巣にする、巨大な球で圧し潰す、ビームや雷を飛ばす等何でも適当に
影の中から全弾撃ち出しての不意打ちだまし討ちや、最後には力押し(拳・暴力)で解決するのが好き
クリスティアーネ・ツヴァイク(サポート)
愛称:クリス
常に「ママ」と呼ぶからくり人形「クリスティン」と共に行動します。
まだ幼くひらがなで喋ります。
普段は甘えたがりな子供ですが敵を殺すことに罪悪感は感じておらず、特に悪人は死んで当然と容赦はしません。
クリスティンをバカにしたり人形扱いする者を嫌います。
戦いでは大鎌を持ったクリスティンを操りつつ自身もナイフで戦い、味方のサポートよりは戦いの方が得意です。
日常ではクリスティンと楽しく過ごします。
NG:クリスティアーネが泣くこと、クリスティンの修復不可能なまでの破壊
猟兵達と災魔『上司のくろやぎ』の騒がしさに呼応するかのように、手紙が減じた分だけ再び空中から降り注ぎ、ボスのフロアを彩り始めた。
「クリスといっしょだよ、ママ」
大鎌を構えた白い服の女性が一体。伸びる細い糸を掴むのは銀色毛並みのケットシー、クリスティアーネ・ツヴァイク(復讐を誓う殺人鬼・f19327)。
『こほん。ボクのダンジョンに親子でご来場、ようこそだめぇ!』
出迎えるくろやぎは礼儀正しく一礼する。
けれどその手の中にはすでに封筒が一つ添えられいて。
『おとな一枚、こども一枚、入場料をお支払いくださいめぇ!』
一方的な料金請求の手紙が、短い手足からは想像できない速さで投げつけられた。
「クリスにはわかってたよ」
腕の中の子猫から発せられた一言は落ち着いていて。
ユーベルコード・殺人鬼の本能が発動済であったことを告げる。
するどく引かれる糸の動きに応えて、ママと呼ばれたからくり人形"クリスティン"が黒い大鎌を横薙ぎで振り回す。
ガキン! と紙と鉄の衝突とは思えない音を響かせて、拮抗するチカラとちから。
紙一重、やぶれたのは紙の方で、それでも大威力の衝撃が一体と一匹を吹き飛ばした。
「ママ!!」
後ろに迫る石壁に衝突させまいと、慌てて糸を操り体勢を立て直そうとするクリスティアーネ。
刹那、両者と壁の間に割り込んできたのは、いくつもの手紙を折り重ねて作られた紙製のしろやぎ。
クリスティンの背中を受け止めると石壁との間で弾けて散って、沢山の手紙のクッションで直撃を免れさせた。
『ボクが好きなのは迷宮は楽しいめぇきゅー! 子供を泣かせたりしないめぇ!』
幾人もの猟兵との戦闘で見つけた、くろやぎのこだわりらしかった。
「災魔にしては感心だね。……おかげで手下も一匹、消えたしね!」
ピンク髪をなびかせ駆け込んできたのはロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)。
フロアに残る紙製しろやぎに向かって投げるは神の力宿る球体。
テンツクテンツクと、目の前で鞠のように跳ねるそれを注視する紙のしろやぎ。
自分の後ろにもうひとつ、トゲトゲ掘削刃を持つ球体"ドリルボール"が静かに迫っているなんて、気付くことなく。
『!!? めぇ!? 紙吹雪の嵐だめぇ!!?』
「サプラーイズッ! 驚いた?」
空中で高速シュレッダーのごとく、しろやぎを紙くずに変えたロニが、やっと気付いたくろやぎに笑いかける。
舞い落ちる手紙と紙くず、元気に動けるのはもう自分しかいない。フロアに差し込む金色の光が、どこかで読んだ夕日のようだと思えて。
『……そろそろボクのダンジョンも閉園みたいだめぇ。最後のお客さま、たくさん笑っていってくれだめぇ!』
くろやぎがパクリとくわえる手紙はほんのりしょっぱく。けれど短い足で蹴り飛ばした球体を、勢いよく弾き飛ばす威力を与えた。
「遠慮なく、ボクを崇めてもいいんだよ! お客様どころか、本物の神様だからね!」
蹴り返される球体の嵐の中を避けて、操り、投げ返し、攻防を繰り返す中で発動するはユーベルコード・神撃(ゴッドブロー)。
いま跳んで来た黒い球体をロニが掴めば、それは無数の牙を持つ凶暴な"餓鬼球"へと、その正体をあらわにする。
手のひら大だったそれはフロアごと飲み込むかのように巨大化しながら、神々しい拳を包むグローブとなる。
「どーんっ!」
ボールを掴んだままゴールに叩きつける競技が、きっと神代にもあったのだろう。
めくれ上がる地面とひとくちで飲み込まれたくろやぎ、無残にも崩壊してゆく城の中で無邪気に笑うロニの姿は、ボス以上にボスらしかった。
ダンジョンメーカーの返却と共に提出された報告書は手紙の形となり、いつか誰かの胸を心躍らせるのだろう。
成功
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