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難攻不落の城

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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 一晩のうちに、それはできた。
 階層五重、一階層に大砲ニ門、銃窓五枚が四方に連なり、死角なしにして扉は見えず。
 しかし、雑兵群がる事絶えることなし。いずこより現れて、いずこへ消えるのか?
 今となってはそんな事もどうでもいい。
「あぁ、ここにも来たか」
 江戸へ向けて、城の仔細をしたためていた男は筆を置く。
「せめて、文を上様にお届けできれば……」
 無念。一言言い残し、男の首が落ちる。日が昇りて沈むまで、ただの一日にして四つの村が滅んだ時だった。

「皆様、お集まりいただきありがとうございます」
 人首・椿(傷と記憶は刻むモノ・f06124)はコロリと電子巻物を広げて、サムライエンパイアのとある村を示した。
「ここにオブリビオンの城が現れ、周囲の村を滅ぼすようなのですが、此度の城は、どうやら侵入経路はおろか、敵の出入りすらどうなっているのか不明。まずは敵陣についての情報収集を行ってください」
 敵とて、無尽蔵に弾薬があるわけではない。どこかしかから補充しているはず。その取引現場なり、搬入現場なりを押さえ、どういう原理で門を隠しているのかを暴かなくてはならない。
「その為にも、まずはどこから弾薬を仕入れているかを調べる必要もありそうですが……一度に相当な量を運び込むはずですから、そちらはそう難しくはないでしょう」
 敵の尻尾を掴んだ後の方が重要なのだ。最悪、見つかった場合にいかにしてその場を乗り切るかも頭の片隅くらいには置いておこう。通常の戦闘と異なり、情報を得る事が大切なのだから。
「皆様、くれぐれも油断なさらぬよう……」
 無言で刀を構える椿。怪我でもしようものなら、分かりますね? そんな雰囲気を圧力を感じる猟兵達なのだった。


久澄零太
たまにはキマフュから出てみるか……

はっ!もう始まってる!?


皆様やっふぉい、久澄だよん

雰囲気だけでもシリアスな依頼を用意してみました

ネタネタするか、シリアヌするかは、皆様次第です
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第1章 冒険 『壁に耳あり障子に目あり』

POW   :    密談の何時間も前から潜入しておく、人間の限界に挑戦しありえない体勢で情報収集

SPD   :    人の死角を突いた隠密、読唇術等の技術で情報収集

WIZ   :    サムライエンパイアではありえないオーバーテクノロジーや魔法で情報収集

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

涼風・穹
『贋作者』を使ってオブリビオンの城の近辺に墨俣一夜城もびっくりの猟兵一瞬城(城、実は前面部のみのハリボテ、但し無駄に頑丈な分厚い金属製)を築城
囮にして相手の弾薬を使わせよう
雑兵が直接乗り込んできたなら斬り捨てる
まあ落城したとしても場所を替えてまたすぐ築城するんだけどな
そんな事を何度か繰り返していればその内相手方の弾薬がなくなりかけるか、此方を無視するようになるだろう
どちらにせよ攻撃がなくなれば此方のもの
後はオブリビオンの城を只管見張って物資搬入の現場を押さえるぜ
……実は搬入口は俺のいる所からすると城の裏側だとか地下道を使っているとかで、俺からは見えませんでした、なんてオチなら笑うしかないけどな



 四方の村を滅ぼし、今なお多くの武具を溜め込んだオブリビオンが城を前に、涼風・穹(人間の探索者・f02404)が地面に触れる。
「投影……一夜城は、お前達の専売特許じゃない!」
 稲妻をまき散らし、瞬く間に迫り上がる城。目の前に突如現れた黒鉄の城を前に、オブリビオンの城内にどよめきが広がるも。
「落ち着け、よく見るがいい。あれに見えるはただの鉄板である」
 一人の統率者の声に冷静さを取り戻したオブリビオン達が、大砲に弾を込めた。穹の振るう贋作者は武具を現実世界に写し出すものであり、城を扱うには向いていないのだろう。見るからに偽物である様では欺く事ができなかった。
「撃てー!」
 号令と共に飛来する砲弾が城の屋根瓦を吹き飛ばす。金属が破砕される轟音の下、穹は耳を塞ぎながら。
「悪いが、その程度じゃ落城できないな!」
 爆風に引き千切られた鉄板城が、時が巻き戻るように再生する。
「さぁ、根比べと行こうか。お前達の弾が尽きるか、俺のスタミナが切れるか、付き合ってもらうぞ……!」
 穹の狙いは、相手が弾切れしても動かず、放置させて補給の瞬間を目撃する事だった。長期戦にもつれ込むなり、このまま放置されるなり、どちらでも構わない……はずだった。
「……ゴフッ」
 突然の激痛に振り向けば、オブリビオンの雑兵が穹の体を槍で貫いている。
「たった一人で我らに挑むその度胸やよし。しかし、ここまでだ」
「しまっ……た……」
 城からの砲撃と鉄板城が激突する轟音にかき消され、背後から迫る補給部隊に気づけなかった。それほどの轟音が響くのなら、遠方にいる補給部隊に城に迫る危機を伝えるようなものだというのに、そこに考えが至らなかった事が悔やまれる。
「ただでは、死なねぇ……」
 後ろには補給部隊、前には敵の城。もはやこれまでと腹を括れば、やる事は一つ。
「お前達は……連れて行く……!」
 空へ投影するは無数の槍。己が身を刺し穿つ長柄の得物を以って、目の前の補給部隊を道連れにする刃の雨を降らそうとするが。
「遅い」
 白刃一閃、鮮血散華。一太刀の下に斬り捨てられた穹が傷口と、袈裟斬りの斬痕から血を噴き出し、意識と放つはずだった得物の制御を手放した。
「く……そぉ……」
 崩れ落ちる穹に導かれるように、投影された槍が消えて、物言わぬ猟兵を前にオブリビオンは刀を納める。
「殺さないのか?」
 仲間の問いに、統率役と思しきオブリビオンが頷く。
「ここまで一方的に殺して来たが、ついに我々に抗うものが出たのだ。万に一つ、死に損ない、再び我らに刃を向けるならそれもまたよし。ただ殺すより、死合いて首を落とす方が風情というものであろう?」
 城を前にしていたとはいえ、相手の後ろから刺した事に不満を覚えているらしいオブリビオンは不敵な笑みを残し、補給部隊と共に城へと消えていった。

失敗 🔴​🔴​🔴​

江戸川・律
想定と敵の目的が繋がらないんだよなぁ
はぁ笑えるほどココの常識に疎いから動き辛ぇ

おばちゃ~ん?お団子お代わりで

仮「一夜城」に繋がる街道の茶屋に陣取り
人々の流れに目を向けながら団子を頬張ります

それにひてもあわただひぃなぁ戦でもあるんかね?
逃げんでいいの?
という感じ茶店のおばちゃんに声をかけ返答を聞きつつ

獲物が掛かるのを気長に待ちます
【情報収集】【コミュ力】
予めの調査で敢て蒔いた
「江戸の密偵が使う緊急の符丁」

釣るべき目的の獲物は情報を持つ密偵の男

敵が釣れればそいつらから
密偵が釣れれば詳細を
今回は俺自身が「罠」ってね
ココまで来たらホント【罠使い】冥利に尽きるわ

お茶を飲みながら空を見上げます

アドリブ歓迎


蒼汁之人・ごにゃーぽさん
シティアドベンチャーは苦手なんだけどなー。まぁいい。
POWで密談の何時間も前から潜入しておく、人間の限界に挑戦しありえない体勢で情報収集だよ☆
なぁに、シリアルブレイカーとKTCがあれば何年だってこの体勢を維持できるともさ☆
ごにゃーぽ神☆ごずなり様も呼んでおこう、堂々と密談の中心にいてもコミカルフィールドとギャグ補正で何故か気付かれないのさ☆

まぁ、バレてぷちってされてもペラペラになって風にとんでったり、実は双子だったとかで回収にきたり、馬鹿めソイツは本体だ!だったらお前誰だよって知らない人が現れたりで場を混沌のずんどこに引きずり落とすよ☆
そして、混乱した頭で口が軽くなることでしょう。



 とある街道沿いの団子屋で、江戸川・律(摩天楼の探求者・f03475)は団子を頬張っていた。
「おばちゃ~ん?お団子お代わりで」
「あいよ」
 この非常時に呑気に団子食いやがって……駆け回る人々が目の前を横切る度に、そんな視線を投げかけてくる。
「それにひてもあわただひぃなぁ戦でもあるんかね?逃げんでいいの?」
 口の中を串刺しの和菓子で一杯にした律に、団子屋の女性は笑う。
「こいつは大捕り物さ」
「おーとりもの?え、何、でっかい鳥?」
「違うよぉ」
 律の服装から、恐らくは天下自在符を持った猟兵とやらなのだろうと察してはいた女性(平伏しないとか肝っ玉強くないかって?細かいこたァいいんだよ!)はケラケラと笑いつつ。
「悪い奴らをとっ捕まえようとしてるのさ。その中でも、かなり大々的に動いてる連中が相手になってる時なんかに、大捕り物っていうんだよ」
「ほへー……」
 せっかく説明して貰ってるのに、律はどこか遠くを見るように、せわしなく行き交う人々を眺める。
「あ、お代置いとくね。ごちそーさん」
「はい、毎度」
 団子屋を離れ、路地裏に入った律の頭の上に、やたら細い無数の脚と、無数の棘のような器官を備えた怪奇生物……の、ぬいぐるみめいたサムシングに乗った蒼汁之人・ごにゃーぽさん(戦慄の蒼汁(アジュール)・f10447)が着地。
「何か情報は得られたかい?」
「情報って言っていいのか、怪しいものだけど……」
 近くの空き家に入った律は地図を広げ、その様子をごにゃーぽさん(仮名)が見下ろす。
「今いるのがここで、この大通りを商人の荷車が何度も通ったんだ」
「ふむ?」
 実は律、事前に偽の情報をばらまき、ありもしない犯罪を仕立て上げたのである。その偽の情報に幕府側の役人が踊らされることになったのだが……。
「それにつられて、あちらさんも動いたってとこかな?」
「そう言う事」
 同心(警察)が慌ただしく嗅ぎまわり始めた事で、実際には無関係ながらも、取引に勘付かれる事を恐れたオブリビオンの取引先の商家を炙り出したのだ。
「で、結構な数の荷車が、短時間に同じ方角に向かったんだけど……」
 移動先に視線を移し、取引が行える場所……十分な広さを持ちながら、人の目に触れない場所を探す。
「廃寺、だね。おあつらえ向きに森の中にあるじゃないか」
 目星をつけて、口角を上げたごにゃーぽさんが飛び立つ。
「さぁ、行くとしようか。度肝を抜く罠を仕掛けにね……」
「あれ、何故か俺の台詞を取られた気がするんだけど……」
 何はともあれ、取引の現場に見当がついた猟兵達が動き始めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

神樹・桜花
村を一日で4つも滅ぼすとは、最早人死にどころの騒ぎではありませんね……。


ここは【SPD】行動でしょうか。
【忍び足 】で【目立たない】ようにして、兵士や物資の出入りを見張ります。
出入りがある箇所を確認したところで其方に隠れながら向かい、【聞き耳】を立てて【情報収集】です。時間帯などによっては【暗視】も必要でしょうか。
境界の影猫は必要ないとは思いますが、何も情報が得られなかった場合にはやむを得ませんね。

もし敵に見つかってしまった場合は敵と視線を合わせ、【恐怖を与え】て足止めしたいところです。
止められなければ【残像】【見切り】で逃げつつ、【カウンター】で防戦です。

得られた情報は仲間と共有します。


テティス・ウルカヌス
「天才美少女アイドル、テティスちゃんです!
今回は時代劇の撮影ですねっ!」

わー、こんな広い時代劇のセット、初めて見ましたー!
エキストラの人もいっぱいですね!

「ふむふむ、台本によると、まずは情報収集のシーンからですね」

時代劇のアイドルといえば花魁!
ここは花魁に変装して情報収集をおこないましょう!

「武器弾薬を仕入れているということは、
きっと『越後屋』が取引相手に違いありません!」

近くで『越後屋』を探して、花魁として店主に接近です!
そして色仕掛けで取引相手の情報を引き出しましょう!

「ふっふっふ、このテティスちゃんの魅力の前には
どんな人物でもイチコロです!」

着物の裾から足首をチラリと見せて魅了します。


リコリス・シュピーゲル
ふむ…人の身で難しいのなら、より小さな存在に頼ることにしましょう
フラム、偵察の時間よ

【WIZ】?
翼竜状態のフラムの首に動画撮影のできるカメラを吊り下げて偵察に向かわせます
30センチ程のなら、私よりも隠れやすいでしょう?
一応私も「変装」「情報収集」「暗殺」を駆使して物陰に隠れたり女中に変装しますが…
危険な場所ほど、フラムの小柄さを活かしていきたいわね

絡みアドリブ等大歓迎


ステラ・チェスロック
お城よお城。どうやってこんなの一晩で建てたのかしら。

アタシのチェス駒から「名探偵」を喚び出して一緒にこっそり【情報収集】をするわ。「名探偵」の格好はインバネスコートを着たアタシよ。小さな手がかりを集めていけば、謎は解ける!…らしいわ。まあ、「名探偵」が言うなら間違いないわよね。

怪しいと思った所はどんどん挙げて、「名探偵」。そこに連れて行ってあげるわ。もし鍵がかかっててもアンタの【鍵開け】なら入れるでしょ?

「名探偵」が調べてる間はアタシが周囲を見張るわ。仲間を呼ばれる前に、【早業】で素早くシャッフル・タイムのトランプを展開して倒しちゃうわよ。

それでそれで?あの城にはどんな秘密があるのかしら?



「天才美少女アイドル、テティスちゃんです!今回は時代劇の撮影ですねっ!時代劇のアイドルといえば花魁!ここは花魁に変装して情報収集をおこないましょう!」
 誰かあのバカを止めろ!テティス・ウルカヌス(天然系自称アイドル・f12406)を自由にしてたらぜってーロクな事にならないぞ!!
「待ちなさい」
 止めに入ってくれたのはステラ・チェスロック(リトル・ディーラー・f12374)。さぁどんなふうにこのバカの手綱を握ってくれるのかと思いきや。
「こういう時は、アイドルより名探偵よ!」
 などとのたまい、懐から外套をひっかけたチェスの駒を……ちょっと待って俺の知ってるチェスと違うんだけど。
「小さな手がかりを集めていけば、謎は解ける!……らしいわ。まあ、『名探偵』が言うなら間違いないわよね」
「そう言う事だから、よろしくね?」
 何という事でしょう。チェスの駒は金髪碧眼の幼女に……って、コートを羽織ったもう一匹のステラに!
「もう一匹ってなによ!?」
「そこはどうでもいでしょ……」
 元々のステラは子どもっぽいが、新手のステラはやや大人びているもよう。
「あぁ、そうだお嬢さん」
「はい?」
 幼女からお嬢さん呼ばわりされて、首を傾げるテティスだが。
「花魁たる者、口八丁手八丁よりその存在そのものとして人を引き付けるものだ。撮影だかなんだか知らないが、やるからには本物として……言葉を発さずに人を魅せてみるといい」
「ふっふっふ、この天才アイドルへの挑戦状ですね!?受けて立ちましょう!!」
 名探偵マジ名探偵……あのバカが地雷踏み抜く前に沈静化させやがった……!
「ねぇ、アタシの顔でその話し方やめてくれない?」
「あ、ごめーん」
 中身を知ってから口調を幼女(ステラ)に合わせられても、なんかもう違和感しかない……。
「茶番はもうよろしいでしょうか?」
 バカ騒ぎをバッサリぶった斬った神樹・桜花(神桜の一振り・f01584)曰く。
「取引に来ているオブリビオンは町外れの廃寺に居るそうです。皆さま、準備はよろしいですね?」
 かくして、一行は廃寺に向かうのだが……。

「時に金物屋よ、この場所を指定したのはお前だったな?」
「はい」
 オブリビオンの雑兵に確認され、もはやいつ崩れてもおかしくないはずだった寺の代わりに鎮座する、頭が『蒼汁』と書かれた円筒形になった仏像を眺めて金物屋は虚ろな目になる。
「時に金物屋よ、商談には一人で来ると言ったのはお前だったな?」
「はい」
 オブリビオンの雑兵に確認され、突如店に押し入って来たかと思えば勝手について来た挙句、商品を運ばせた見習い達すら帰った後でなお付きまとって来る花魁から目を逸らすように、金物屋は夜空を見上げた。
「ねぇ、本当に大丈夫なの!?」
「まぁ、見ていなさい」
 蒼汁仏像の陰に潜むステラに聞かれ、名探偵は目を閉じる。
「『武器弾薬を仕入れているということは、きっと『越後屋』が取引相手に違いありません!』なんてわけのわからない事を言いだした時は焦ったけど、一先ずアレを使えば大丈夫でしょう」
 で、そのアレというものが……花魁こと、テティスが着物の合わせをずらし、スッと脚を見せる。そこには徳川の紋所があるのだが。
「……ほう?」
 普通なら、喧嘩売ってんのか我ェ!?となりそうなところだが、オブリビオンは興味深そうにジッと紋所を見つめる。一方テティスは。
(ふっふっふ、さぁ、このテティスちゃんの美脚に酔いしれるがいいです!!)
 などと自分の魅力が効いているのだと勘違い。
「まぁいい。して、今回の弾薬だが……」
「うそ……本当にごまかせた……」
 商談を始めたオブリビオンと金物屋を見て、開いた口が塞がらないステラを名探偵が鼻で笑う。
「あの紋所は、わざと間違って描いたものなの。つまり、『芝居下手な幕府への間者』って思い込ませれば、重要な話はしなくても、利用しようとするかもしれないでしょ?」
 つまり、テティスは名探偵によって餌にされたのである。
「フラム、行って」
 リコリス・シュピーゲル(月華の誓い・f01271)に送り出され、鮮やかな緋色の竜が夜空へ飛び立っていく……そんな真っ赤な奴飛ばしたら、速攻でばれて撃墜されそうなものなのだが。
「……なんだ貴様?」
 急にテティスがポーズを決め、オブリビオンが怪訝な顔をする。遡る事、数分前。名探偵がテティスに言った一言が。
『赤い翼竜にカメラをつけて飛ばすから、いい感じにモデルになってくれたまえ』
 で、結果地上にいるオブリビオンと金物屋には、テティスが一々大袈裟な動きで商談に参加しているように見える、という構図のできあがり。
「人を黙すコツは、嘘をつかないことなの。これであの人たちの注意は翼竜ちゃんの方にはいきにくいはずよ」
「ねぇ、名探偵が騙してるのは敵よね?あの子じゃないわよね?」
 かくして、取引は順調に進むのだが。
「ところで、あのお城ってどうやって入るのかしら?」
 テティスが豪奢な着物の袖で口元を隠しながらそんな事を問うと、オブリビオンが殺気を放ち、金物屋が腰を抜かす。
「貴様には関係ないだろう」
「えぇ、そうね……」
 ふと、目元を伏せて。
「だからこそ、聞いてみてもいいじゃない。入り口のないお城だなんて、珍しいんだもの」
「覚えておくといい」
 スラリ、オブリビオンが抜いた刀の切先が、テティスの喉元に添えられる。
「好奇心は猫を殺すという言葉があるそうだ」
 遠回しに、それ以上踏み込むならぶっ殺すぞ、と言っているのだが。
「……名探偵さん、すごいですね」
「ああいう方を天才というんですの?」
 まさかの、このテティスが殺されかける所までが桜花とリコリスが荷物に紛れ込む為の茶番(もちろん名探偵が数分で仕上げてくれました)。つうか首斬られる寸前とか、相当度胸があるか、テティス並みに馬鹿でこれを撮影と信じてるかでもなきゃ上手くいかねーよ。
「……」
 刃を向けてなお、不敵に笑う(実際には「やりましたー!テティスちゃん、台本の台詞を間違えずに言えましたよ!これは今期一番人気の女優間違いなしですね!!」と調子に乗っているだけの)花魁から視線を外し、雑兵が仲間に荷物を運ばせようとした時だった。
「アジュールヲノメー」
「ひやぁあああ喋ったぁああああ!?」
 突如蒼汁仏像が動き出し、金物屋が泡を吹く。あばばば……すっかり気を失った金物屋を放置して、雑兵が大慌てで走り出した。自分達が運ぶ荷台の下に、二人の猟兵が張りついているとも知らずに……。
「これは……」
 やがて、城に運び込まれるリコリスが見たのは、壁。そう、城の『壁』である。
「窓も大砲も、全部作り物ですのね……」
 四方に連なる大砲と銃窓の内、一面分だけが偽物であり、巧妙に隠された扉になっていたのだ。それだけなら、誰か気づきそうなものだが……。
「はー、今夜は私が棒回し当番か」
「頑張りなさい。誰かが棒を回して城を回転させないと、いつかこの城のカラクリがばれてしまう」
 聞こえてくる会話に、瞳を閉じたままの桜花が目を丸くする。どういう状態か?自分で考えろ!
「なるほど。定期的に入口が変わってしまう為に、誰も出入りの瞬間を正確に見る事ができなかったのですね……」
 しかし、タネが割れれば後は簡単な物で。
「あ、動きだしましたね!」
 花魁の衣装を脱いだテティスが、影の猫が歩きだした後についていく。桜花の影から生まれたその猫は、本来対象をつけ回し、発見され難い優秀な斥候になる物である。しかし、自ら姿を晒すのならその限りではなく、こうして外部の味方を追跡させて、しかる後に誘導役にすればよい。
「……そろそろです」
「では、私達も動き出しましょうか」
 城に潜入した二人は第一階層に残されて、他の荷台は多くの雑兵と共に上の階へ上がっていった。桜花に促され、リコリスがフラムを呼び戻す。
「なんだ!?」
「まさか、どこぞの偵察動物……!」
 当然警戒する雑兵たちだが、彼らの目の前で竜は槍に姿を変えて、それを後方から飛び出して来たリコリスがかっさらい、雑兵の首を刎ねてしまう。
「後は皆さまをお招きするだけですね」
 音もなく抜刀し、正眼に構える桜花。踏み込み、振るい、残身。基本に忠実に、しかし見る者の目を奪う流麗な太刀筋に……。

 ――ザンッ!!

 城の壁が、真っ二つに斬り捨てられた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『妖狐忍』

POW   :    魅了の術
【全身】から【魅了の術】を放ち、【幻惑】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    小刀一閃
【小刀】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    狐火
レベル×1個の【狐火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「やってくれたな……」
 斬り捨てられた壁から次々と入ってくる猟兵達を前に、雑兵達もまた応戦すべく集まってくる。
「この城の秘密を知ったからには、生きては帰さん」
 そして、顔を隠す笠はおろか、何故かその身を包む鎧まで脱ぎ始めたそこに居たのは……忍。
「死ね。我らの姿、その目に捉えられると思うなよ」
 最初から全力で殺しに来る忍の群れを前に、猟兵達が武器を構え直した。
涼風・穹
【真の姿】
姿は変わりませんが、瞳が金色になり背中に光の翼が現れます

【建前】
生き恥を晒すってのはこういう気分なんだな…
……俺を虚仮にするとはいい度胸をしているじゃないか…
殺せる時に確実に始末しなかったのをたっぷりと後悔させてやるぜ…

【本音】
あらゆる妨害を排し、全力を持って妖狐忍の胸に飛び込み、そのおっぱいを揉みます

【戦闘】
切られた傷が痛みますが標準装備の常時発動スキル『やせ我慢』と『煩悩が肉体を凌駕する』で耐えます

小刀一閃は我流の剣術と、必要な武器や盾を『贋作者』で幾らでも作れる数の優位で対抗
狐火はそれを上回るだけの数の武器を『贋作者』で作成、投擲して撃墜
魅了の術は…おっぱいダイブへの執念で対抗


江戸川・律
「狐娘」だと
一瞬、走馬灯のように頭をよぎる今までの戦い
「不定形の邪神ども」日々ごりごり削られるSAN値
マテや、この差は何だ!?と心の中で叫びます

はぁ…落ち着こう

部屋の内装を一瞥し
火器を使用する為の火薬箱に目を向けます
≪悪いけど俺は君らの土俵で戦う気は皆無だわ

【罠使い】の行動は
【戦闘知識】【地形の利用】を屈してすべて「罠」

懐からカードの束をばら撒き炎のルーンを起動
自身の周りに115発の火球を【念動力】で操って見せます

挨拶代わりに10発ほど敵に投げつけ
次にワザと避けれるスピードで残り全弾を投げつけます
避けさせた後に【衝撃波】で急加速
「火薬箱」に着弾

目では捉えられないなら
当てれるモノを攻撃するだけさ



「生き恥を晒すってのはこういう気分なんだな……」
 最低限の止血を施し、包帯の上から血を滲ませる穹が忍を睨め付ける。
「……俺を虚仮にするとはいい度胸をしているじゃないか……殺せる時に確実に始末しなかった事をたっぷりと後悔させてやるぜ……」
「ふん、死に損ないが、吠えるではないか」
 既に虫の息の穹を見下しながら、忍の声音には、微かに期待が混じっていた。ただ殺すのではなく、殺し合いの上で殺す為に生かしたのだから。
「狐娘……だと?」
 一方、律は信じられないものを見る目で忍を観察していた。
(マテや、この差は何だ!?)
 心中叫ぶ律の日頃の敵は、不定形の邪神的な何か。具体的にはてけりって鳴く緑色の生物(なまもの)とか、人の脳髄を缶詰にする蟹さんめいたサムシングとか、そういう系列なのだろう。
「はぁ……落ち着こう」
 そう、落ち着くんだ。アレは敵であって、モフモフしたり愛でたりするものではない。
「い、く、ぞぉおおおお!!」
 叫ぶ穹の瞳が黄金に輝いて、その背には光の翼が顕現。一足に急速接近してきた穹に流石の忍も面食らい、狐火をばら撒いて変わり身の術。彼の背後に回り込むのだが。
「逃すかぁ!!」
 ボッ。取り逃がした事に気付くなり反転、狐火の爆煙を突き破り、目を見開いた狐娘の心臓目がけて……もにゅん。
「ぁんっ……」
 飛び込んできた穹に、抱き込まれるようにして胸を掴まれ、揉みしだかれて、忍が艶めかしい声を漏らす。
「何してんの!?」
「漢なら、美女あるところ、おっぱいダイブあるのみ!!」
 あまりにも堂々とする姿に、一瞬そういうものなのかなーとか、思わないでもない律なのだが。
「って、敵の術に嵌ってるじゃないか!」
「違う!おっぱいダイブは俺の意思だ、生き甲斐だ!!」
 などと言いつつ、もにゅもにゅ。
「ぁん……んっ、んっ、ゃ……っ!」
 穹の指がたわわな果実に沈む度、頬を上気させて声を漏らし、体を擦り付けるようにして悶える忍だが……。
「どう見ても、堕ちてるよね?」
 イェス、穹は忍の体……ていうか胸に沈んだ。
「悪いけど俺はおっぱい……じゃなくて、君らの土俵で戦う気は皆無だわ」
 自分の日常との乖離具合に、違う意味で正気度が危ない律。ちょっと言い間違いつつ、手札を広げる。周囲にばら撒いたそれは、ルーンが刻まれた発動体……いわば、魔術師の杖や聖職者の聖印のようなもので。
「まずは小手調べっと」
 無数に群がる忍のうち、ランダムな相手に火球を飛ばし、回避直後に『弾速を落として』放つ。
「どうした、よもや狙いはつけても速度が出せぬとは言うまいな?」
「もちろん」
 嘲るように躱した忍の目の前で、火球は矢に姿を変えた。熱波を残し、急加速した矢の向かった先は大砲、その弾薬箱。
「目では捉えられないなら、当てられるモノを攻撃するだけさ」
 クールに笑う律だが、次の瞬間。

 ドンッ!!

「かはっ……」
 部屋ごと吹き飛ぶ爆風に、咄嗟に本体の万年筆を庇った律が咳き込む。
 炎は、重なると更なる酸素を求めて激しく燃える特性がある。火薬の塊はその物量もあるが、その特性に従い加速度的に威力を上げて……つまり、補給したばかりで大量の弾薬の入った箱に、百を超える炎の矢なんか放とうものなら、部屋全体を焼く大爆発を起こし、別の弾薬箱まで巻き込んで連鎖的に、より強大に爆ぜるのだ。
「愚かな……」
 狐火を展開し、爆炎を取り込み自分の炎として延焼させた忍は無傷。使うべき環境を誤ったと理解した律は、小さく歯噛みした。
 

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

リコリス・シュピーゲル
あいにくとそう簡単に倒れて差し上げるほど優しくはありませんの
先を急ぎますので、どうぞ棺桶の中でお眠りくださいな

【死を謳う氷雨】で撃ち抜くわよ
素早そうな相手ですし、「属性攻撃」「範囲攻撃」で、冷気を展開して敵の足と床を縫い付けた方がよさそうね
そのあと動きが鈍った敵を「スナイパー」「2回攻撃」で確実に氷の弾丸で仕留めていくの

数を活かして奇襲を仕掛けてくるようなら、「オーラ防御」「見切り」あたりで不覚を取らないよう気を付けないといけませんね

…生きて帰さないというのなら、最期まで騙し切るのが当然よ
私たち相手に正面からの戦闘に持ち込んだのは失策だわ

絡みアドリブ等大歓迎


ステラ・チェスロック
なによ、か弱い女の子に襲いかかろうっていうのかしら!なにが目に捉えられると思うな、よ!あなたこそ、アタシのカード捌きが見えると思わないことね!

シャッフル・タイムを使って53枚×20セットのトランプを操って敵の素早さを上回ってやるわ!
1枚で無理なら2枚、3枚、4枚…何枚までアンタは同時に対処できるかしら!?相手が対処できない数を【情報収集】で観察して、効率的に敵を倒せるように一人当たりに使うトランプの数を調整していくわ!

敵に攻撃されたら空中にトランプを固定して【武器受け】するわよ!切断されたって複製だし、何枚もあるんだから!


蒼汁之人・ごにゃーぽさん
ふははは、ボクがいる限りシリアスになどさせぬ☆
シリアルブレイカー発動☆ギャグ補正とコミカルフィールドにより以後いかなるダメージでもペラペラやアフロになるだけで済むのだ☆(無効化するとは言っていない)

ごにゃーぽ神☆ごずなり様御光臨☆
くノ一も姫騎士みたいなお約束あるよね♪
大丈夫大丈夫、少年跳躍のお色気回程度に抑えとくから、具体的いうとゆ○ぎ荘あたり。
アリスに押し付けられた退魔忍なんちゃらな薄い本は参考にしないから大丈夫。
というわけで、カンブリア大爆発ごにゃーぽ☆


神樹・桜花
忍び、ですか。成程……捉えられねばこの『瞳』に役目は無し。
然れど見ずとも戦う術はあるのですよ。
さぁ、互いに何人生き残るでしょうね?

【先制攻撃】として記憶消去銃の閃光を浴びせ、敵の目を眩ませます。
【2回攻撃】【鎧無視攻撃】【フェイント】を挟み、惑わしつつ確実にダメージを重ねます。
ある程度削ったところで『錬成カミヤドリ』発動です。
敵の攻撃は【残像】【見切り】で躱します。躱しきれなければ【オーラ防御】で凌ぎましょう。【火炎耐性】があるので、狐火もある程度は怖くありませんよ。



「なによ、か弱い女の子に襲いかかろうっていうのかしら!なにが目に捉えられると思うな、よ!あなたこそ、アタシのカード捌きが見えると思わないことね!」
 ジャッ。ステラの袖から飛び出したのはカードの束。異世界で言う、トランプ。
「何枚までアンタ達は同時に対処できるかしら!?」
 最初、二つの山札だったそれは更に十八の山を増やし、更に五十三枚ものカードがバラバラに展開する。視界はおろか、部屋一帯すら覆いかねない程の数。一見すればこの上ない脅威なのだが、この場においてはそれが裏目に出る。
「なんだこの札は?」
 忍が狐火を放ち焼き払うが、焼かれた所でそれは複製。再び新たな複製を生み出すだけなのだが。
「トランプが燃えてるのだわ!?」
 特殊な武器ならいざ知らず、ステラのそれは、蒸発した親代わりの残してくれたトランプ。速い話、ただの紙である。それをどれだけ量産した所で、狭い空間では十分に広げる事ができずに互いに飛び火して、導火線のように全体に火が燃え広がって無力化されてしまう。
「すばしこいですわね……!」
 一方、リコリスもまた苦戦していた。冷気を展開して敵の脚ごと床を凍らせようとするものの、ここは室内。床を狙えば壁を駆け、壁を狙えば天井を蹴って肉薄される。足場さえ潰せば何とかなると思っていたようだが、詰めが甘かったらしい。
「あの狐火さえなんとかできれば……」
「せめて、狙撃のチャンスさえ……!」
 追い詰められ、背中でぶつかり合う二人。互いの呟きに、肩越しに視線を重ねる。
「ここまでのようだな」
 声は正面からなのに、直上の天井を蹴った忍へトランプが広がって。
「そっちこそ、好き放題できるのはそこまでよ!」
「反撃開始ですわ!!」
 カードの裏面にリコリスが氷の魔弾を放つ。着弾した魔力はトランプを冷気で包み込み、延焼しようとする炎を阻むため、忍は咄嗟に斬撃から狐火に攻撃を切り替えざるを得ない。しかし、変えた所でリコリスの冷気に包まれたトランプに引火する事はなく、飛来するトランプに全身を包む忍装束を天井に縫い付けられてしまい、囚われの身に。
「ごにゃーぽ神☆ごずなり様御光臨☆」
 そしてこのタイミングでごにゃーぽさんが指を鳴らせば、両腕が無数の触手になった仏像が召喚される。
「くノ一も姫騎士みたいなお約束あるよね♪大丈夫大丈夫、少年跳躍のお色気回程度に抑えとくから、具体的いうと」
 言わんでいいわ!
「えー」
 とにもかくにも、身動きの取れなくなった忍に触手が伸ばされ、四肢に絡み付き締め上げながら、口に触手の一本が挿しこまれた。
「ンッ!?ンンーッ!?」
 見るからにヤバい液体を注ぎ込まれている忍。瞬く間にお腹が膨れ、口から青光りする液体が零れだす……。
「今回のごずなり様は蒼汁を飲ませる系だったか……」
 ぎゅるん。
「……あれ?」
 何故かごにゃーぽさんサイズに調整された触手が、彼女を絡めとった。ついでに青光りする液体が滴る触手が顔を狙っている。
「え、ちょ、待って、ボクはターゲットじゃな……ンー!?」
 ガソリンスタンドかな?ってレベルで口から蒼汁を補給されるごにゃーぽさん……体が数十センチしかないフェアリーの彼女は、体が風船の如くまん丸になって床に転がってから気づく。
「もしかして、ごずなり様暴走してる……?」
 使い方の分からないごずなり様は、敵味方関係なく蒼汁をばら撒く新手の災厄でしかない。しかしごにゃーぽ(敬称略)は気にしない。
「ふははは、ボクがいる限り悲劇になどさせぬ☆なーに、所詮はいつもの自爆オチみたいなモノ。つまり、ちょっと正気度が削られるだけでなんの問題もウプッ」
 蒼汁並みに青ざめるごにゃーぽを見て、ステラが半眼。
「問題、大ありじゃないかしら?」
「何を言ってるんだ。ボクは常日頃から蒼汁を扱う事で耐性がある(はずな)んだ。こ、このくらいで……」
「というか、耐性のあるあなたでそれって事は、私たちは耐えきれないのでは?」
 割と重要な所に気が付いたリコリス。ごずなり様もめっちゃ見てる。
「なんだか、私狙われてませんか!?」
 もーまんたい、捕まった所でお嬢様の触手プレイというちょっとアレなシーンになるだけだ。
「大問題ですわよー!?」
 絶叫するリコリスに、怪しい光を放つ触手が迫る!
「忍、ですか。成程……捉えられねばこの『瞳』に役目は無し」
 凛と佇む桜花が、触手の前で立ち止まった。
「然れど見ずとも、戦う術はあるのですよ」
 射線を阻む彼女に向けて、触手は狙いを変えるのだが。
「さぁ、互いに何人生き残るでしょうね?」
 瞳は閉じたまま、口元だけで微笑む桜花。微かに桜の香りが戦場に舞い、散るは伸びた仏像の腕。落ちた無数の触手に紛れ込んだのは、鞘へと帰る刃と……落ちるスタングレネード。
「なっ!?」
 突然の光に目を潰された忍が足を止め、新手の触手を生やしたごずなり様の餌食になる。
「これ、敵味方関係ないのどうにかならないかしら!?」
 伸びてくる触手をトランプで作った壁で受け流し、忍に突っ込ませながらステラが叫べば。
「使い方が分からないのが出ちゃったからね、シカタナイネ☆」
 主犯格のごにゃーぽが床をコロコロ。
「形はどうあれ、敵の動きが制限されたのは好都合ですわ!」
 空中で身を捻り、触手を躱す忍目がけて氷の魔弾を放つリコリス。忍はそれすら短刀で弾いて見せるが、リコリスの魔弾は弾丸の後ろに正確に二発目を重ねて撃つ二連射撃。斬った直後の得物ごと腕を凍結された忍が気を取られた瞬間、桜花の刃がその首を断ち、斬り上げた刃を翻して背後からの刺客の得物を弾いてしゃがみ、腕を振り上げた格好の忍の眉間をリコリスの魔弾が穿つ。
「く……」
 瞬く間に数を減らされていく忍達。少しずつ後退する彼女らへ、リコリスが周囲に魔弾を滞空させ、一歩踏み込む。
「……生きて帰さないというのなら、最期まで騙し切るのが当然よ。私たち相手に正面からの戦闘に持ち込んだのは失策だわ」
「ひと、ふた、みぃ、よつ……このくらいなら、十分でしょうか」
 残っている人数を数えれば、既に十数人。桜花は一度刃を納め。
「それでは、これで幕引きと参りましょう」
 居合の構えに、一閃して首を断つつもりかと忍が身構えた直後だった。その胸が、『背後から』薄紅の刃に貫かれる。
「目に見えるものが、全てだとは思わない事です」
 クスリ、微笑む桜花の前で忍達が崩れ落ち、彼女らの心臓を穿った神桜一振、その幻影が消えていく。ついでにごずなり様も真っ二つにぶった斬られた。
「さぁ、参りましょうか……」
 桜花を筆頭に猟兵達は先へ進むのだが、どっかの誰かが部屋ごと爆破したせいで階段がエライ事になっており、上の階へ進むのに苦労したのは、また別の話である。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『鬼銃葬者』

POW   :    鉄刀鉄火(てっとうてつび)
【呪いの炎を纏った刀による斬撃】が命中した対象を燃やす。放たれた【呪いの】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    銃王無刃(じゅうおうむじん)
自身が装備する【銃から放たれた呪いの銃弾を】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    渇殺自罪(かっさつじざい)
【刀と銃】から【悪鬼羅刹の闘気】を放ち、【恐怖】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は麻生・大地です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「……来たか」
 階段を昇り、戦闘を繰り返して最上階に辿り着いた猟兵達を待ち構えていたのは、刀と銃を手にしたオブリビオン。
「よもや、我が城が踏破されようとは……」
 ゆっくりと腰を上げたオブリビオンは、猟兵達に一礼。
「ここまで来た貴様らに敬意を表そう。しかし、我もまたここで止まるわけにはいかぬ」
 得物を向けて、片脚を引く。臨戦態勢に入ったオブリビオンが、仮面の下で笑った気がした。
「さぁ、存分に死合おうではないか……!」
蒼汁之人・ごにゃーぽさん
このボクを相手にボスの威厳が保てると思うなよ?

シリアルブレイカーの影響で変質したシルハシラレル。
不条理な概念改変で無理矢理本名を理解したことにさせ、コミカルフィールドの影響でごにゃーぽ神☆ごずなり様のオカマバーというカオス空間へと変質した向こう側にそぉい♪
地獄や深淵すら生ぬるい  へと誘う はいかがかな?


……なぁに、コレェ?
気を取り直して。
効果時間内で生存してれば空間からかーっぺってされるけど、そのお尻を押さえててキスマークとよだれと蒼汁(蛍光ピンク)にマミレタ姿で果たしてボスの威厳を保っていられるかな?


神樹・桜花
服装だけ見ると、南蛮からの渡来人のようにも見えますね。まぇ、実際そうなのでしょうが。
ともあれ、これ以上好きにはさせませんよ。

【先制攻撃】として記憶消去銃で【催眠術】をかけてみましょう。効くとはあまり思えませんが。
【2回攻撃】【鎧無視攻撃】【フェイント】を挟み、惑わしつつ確実にダメージを重ねます。
ある程度削ったところで『大太刀・神桜一振』発動です。
敵の攻撃は【残像】【見切り】で躱します。躱しきれなければ【オーラ防御】で凌ぎましょう。【火炎耐性】【呪詛耐性】があるので、敵の炎もある程度は怖くありませんよ。


テティス・ウルカヌス
「わー、今度はお城ですかー。さすが、予算のかけ方が違いますねー。
よーし、戦闘シーンの撮影も、美少女天才アクションアイドルのテティスちゃんにお任せですっ♪」

ちなみに、さっきはお城が広くて迷っちゃってました。てへ。

このシーンは、花魁が正体を明かしたら、実は美少女剣士だったという展開ですね!

「では、このテティスちゃんの殺陣のアクション、お見せしましょう!」

ふふん、どうですか、この刀の振り方!(下手)

では、敵将との鍔迫り合いの最終決戦シーンを……
(ここで、相手が一メートル以内に入る)

「って、きゃああっ!」
(右ストレートの自動発動)

「え、えっと、これこそ、真剣白刃取りとかいう必殺技ですっ!」(誤魔化し)



「このボクを相手にボスの威厳が保てると思うなよ?」
 開幕早々不穏な事を言いだすごにゃーぽ。
「地獄や深淵すら生ぬるい  へと誘う はいかがかな?」
「……ここでは江戸の言葉で話せ」
 ちょっと何言ってるのかマジで分からなくて、オブリビオンが困ってるじゃないか。ごにゃーぽはごめんごめんと、悪びれる様子もなくヘラヘラ笑う。
「あぁ、そういえば君たちの文化には、殺し合いをする前に名乗りを上げるルールがあったね。改めて名乗っておこう」
 ふと、思い出したようにごにゃーぽが一礼。
「ごにゃーぽ☆ボクの名前は  ・ だよ♪」
「すまぬ、もう一度いいか?」
 やっぱり何言ってるか分かんなくてオブリビオンも困惑。
「だから、ボクの名前は  ・ だって」
「えぇい、だからどこの言葉だそれは!?」
 何言ってるか分かんないけど、なんとか理解しようとしてくれてる武者っぽいオブリビオン。その背後で空間が怪し気に歪む。
「服装だけ見ると、南蛮からの渡来人のようにも見えますが、頭は日本よりなのでしょうか?」
 バチュン!!
「騙し討ちとは面白い」
「不意打ちのつもりだったのですがね?」
 声をかけた瞬間に合わせて、相手が振り向くまでの間に光学銃の引き金を引いた桜花だったが、その弾丸はオブリビオンの放つ銃弾と相殺、防がれてしまう。
「我に銃と刀で挑むとは面白い。同じ舞台で戦おうという傲慢、そして矜持やよし。いざ、参ら……」
「そこまでです!」
 今まさに斬り合おうとしてるのに、空気を読まずに乱入してきたテティス。いかにも動きづらそうな花魁の豪奢な着物を脱ぎ捨てて、身軽な狩衣、袴姿で刀を……。
「あ、これ結構重……あなたと戦うのに刀なんていりません!」
 あのバカ、本物の刀が重くて放り投げやがった!
「だってリハーサルの時より重いんですもーん!リアリティ追及するところ間違ってませんか!?」
 そりゃ、お前が持ってたの木刀だからな。間違ってんのはテメーの頭だよ。
「しかし、スタッフさんの不手際にも対応するのができる女優というもの!」
 お前アイドル名乗ってなかった?
「今は映画の撮影だから女優なんです!とにかく!!」
 ビシッと、小刀を突きつけるテティスが大見得を切った。
「さぁ、どこからでもかかって来なさい!」
「笑止」
「あっ!?」
 銃弾一発で武器を弾き飛ばされ、早速窮地に陥ったテティスに武者が迫る。
「構えも型もなっておらん。生兵法で踏み込んだ事を後悔するが……」
「きゃぁああああ!!」
「いぶっふ!?」
「決まったー!」
 本物の動きによる刹那の斬撃だったはずなのに、テティスのカウンターパンチの方が初動は速い。右ストレートで体をくの字に折った武者目がけて、更に背面回し蹴りという歴史映画どこ行った感半端ない格闘コンボ!突然始まった肉弾戦(ただの拒否反応とも言う)を前に、ごにゃーぽがどこからともなくマイクを握り、乗ってた謎生物の首に『解説』の札を提げる。
「踏み込んだマスクドオニ、しかしテティスのカウンター!からの回し蹴りで吹き飛び、そのまま華麗にホールインワーン!!」
「……テンション高いですね」
 どこか呆れかえった様子で見守る桜花の前で、次元の歪みの向こうから、何やらパンパングチャグチャザシュッ!生々しい音が聞こえてくる。
「……」
 理解したら正気度を持っていかれるんだろうな、そう思った桜花は考えるのをやめた。やがて帰って来た武者を見たごにゃーぽは、目が虚ろになる。
「……なぁに、コレェ?」
 帰って来た武者は顔に無数のキスマーク、体の半分は蛍光ピンクの光を発する謎の液体(十中八九蒼汁。ピンクの蒼汁?細かい事はいいんだよ!)に染まり、手には謎の連絡先を握りしめている。
「……悪いが、勝たせてもらおう」
 大切そうに紙切れを懐に仕舞い、三倍の殺気(当社比)を纏う武者。何か強くなってませんか?
「え、あれ、まさかソッチの趣味!?」
「どちらの話か存じませんが……」
 両手を広げ、空間に無数の刀を広げる桜花。浮遊するそれは切先を下に刃を外側に。
「我が刀身は変幻自在。一つ、舞などいかがでしょう?」
 一振り手にして踏み込めば、刀の一振りで弾かれる。二振り手にして斬り上げれば、銃身を以て落とされる。三振り手にして貫けば、両掌を以て止められる。明らかに効いていない。そのはずなのに、焦りを覚えたのは武士の方。
「長引かせるわけにはいかぬようだ……」
「えぇその通り。されど、もう『繋ぎ』ました」
 咄嗟に己の死を予感して、見上げた武士の顔面に、無数の神桜一振が連なり錬成した真紅の大太刀が落ちる。
「お、おぉおお……!」
 咄嗟に躱してなお、片目を潰され、武士が膝を着いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ステラ・チェスロック
むむ、見た目的に力の強そうな敵ね……。此処はひとつ、イカサマしちゃいましょ。バレなきゃイカサマじゃ無いけどね。

遠くから【掌握者の見えざる手】で敵に攻撃を仕掛けるわ。敵がアタシに気がつく前に 、【早業】で!

【2回攻撃】もあるから、交換したPOWがかなり高い様だったらPOWで攻撃する味方1人に【掌握者の優雅な手】でPOWを交換するわ。

敵からの攻撃は摩擦抵抗を減らす事でスケートみたいに滑って、動き回ることで狙いをつけさせないわ。当たりそうになったらトランクで【武器受け】しましょう。



「まだだ、まだ終わらぬ……!」
 刀を突き立てて、己の身を支え再び立ち上がろうとする武者だったが、背後から巨大な影の腕に握り潰された。
「残念だけど、ゲームセットよ!」
 勝利宣言したステラの体もまた、影の腕に握り潰される。しかし、再びその掌は開かれて、両者共に傷はない……しかし。
「力が……入らん……?」
「ちょ、何よこれ……」
 妙な脱力感を覚える武者に対し、その身に余るほどの怪力故に、動いても居ないのに体が悲鳴を上げるステラ。
「そうか……貴様の術、我と貴様の力を入れ替えるものだな?」
 力任せに武器を振るうのをやめて、脱力して己の技術だけで武器を構えて見せる武士に対し、身の丈に合わぬ力を宿し、逆に身動きが取れなくなったステラ。
「使うべき術を誤ったな。妙に得物が振るいやすい」
 風切り音を響かせて、刃の調子を確かめる武士を前に、己のユーベルコードが『二つ』決まったことを確信したステラは、一夜限りの夢のように、可愛らしい装飾の施された鞄を抱きかかえる。
「その程度の物で我が刃を防げようか。死ねぇ!!」
「一か八か……やってあげるわ!!」
 一足で距離を詰める武士と、床を蹴って木製の床を氷上の如く滑るステラ。ここで問題になるのは、ステラの怪力具合である。人外染みた怪力で、ほぼ無抵抗な空間に、幼女の質量を射出するとどうなるか?
「ぐぁ……」
 キラーン☆
 悲鳴を最後まで残す事すら叶わず、トランクを構えたステラの人間砲弾に吹き飛ばされたオブリビオンは、夜空を彩る星の一つになった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月30日


挿絵イラスト