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砦の先にあるものは

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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「皆、聞いてくれるかしら」
 猟兵たちが集まるその場所で、目立つ位置に立ち、通る声でそう切り出した瑠璃凰花・未来(f13139)。
「新たな予知を確認したわ。アックス&ウィザースの世界にあるとある砦に、とてつもない気配を感じたの。今回あなた達には、その砦を調査して貰いたいのだけれど、お願いできるかしら」
 そう言うと、興味を持った猟兵たちが未来の元へ集まってきた。
 集まった猟兵の面々を見渡し、一息待ってから大きく頷く。
「ありがとう。それじゃ内容を説明するわね」
 そう言って一旦その場を離れると、引っ張り出してきたのはホワイトボード。
 そして、ホワイトボードに何かを書き出す。
「砦には色々な冒険者とモンスター……オブリビオンね。そいつらが集まる様子が見て取れた。お宝狙いなのかしらね。砦とかこうした古びた建物には、そういう物が眠っているというのはよくあるお話だものね」
 荒廃した砦。どの世界でも、古い建物がかつての装飾品などと共に、地中から見つかるというのはよくある話だ。今回もそうした古い建物が時の流れと共に埋まり、表出したものなのだろう。
 喋りながらも手を止めず書いていく。どうやら何かのイラストのようだ。
「調査してもらいたいのは、モンスターたちが集まる原因を特定してほしいの」
 そこまで言うと、ホワイトボードが壮観な絵に埋め尽くされる。
「これでよしっと……砦はかなり大きいけれど、崩落も激しくて自然に同化しちゃってる部分も少なくない砦だったわね。気になった情報というのは、入り口が複数あると思われる点。予知しただけでも、十数の入り口が見られたわ」
 自然に同化したような砦のイラストと、入り口が複数あるという目印を赤丸していく。
「この絵はこれでもごく一部よ。本当の入り口はここじゃないかもしれない。この中にひとつだけ、奥地に繋がるはずの入り口があるわ。モンスターたちが集まる理由も、おそらくこの砦の中にある筈」
 そう言って、中心部の空いた部分に宝箱の絵を描く。
「呪われた宝だとか、そういうのであっても良くないのだけれど……多分、良からぬ気配を感じた辺りから言っても、そんなものではないと思うわね」
 ホワイトボードをひっくり返す。
「これは憶測だけれど、これほど荒廃の進んだ砦よ、もしかしたらこの入口の数々はもともとは窓で、地下に内部が続いてるんじゃないかしら。だとしたら、軽いダンジョンになってる可能性もある。当たり前のことになるけれど、戦いの準備も万全にすることね」
 先程書いた砦の縮小版を上の方に書いたあと、迷宮のような絵面を下に続けていく。
「原因はおそらく最奥部かしらね」
 一番下のところに赤ペンで大きく『原因』と書く。
「本当なら、私が出向きたいところだけども……あなた達を送るところまでが私の出来る最善よ。申し訳ないけれど、宜しくお願いするわ」
 そう言ってグリモアを展開し、猟兵たちを送った。


るっこい
 どうも、初めまして。新米MSのるっこいです。
 マスター登録から数日経過しての初依頼となります。初依頼って言い方でいいのかな……?
 それはともかくとして。

 冒険2連続後、ボス戦という構成となっております。
 まずは入り口の捜索編、次に地下深くまで潜るダンジョン攻略編、そしてボス戦です。

●1章
 日中、森の中辺りに同化している砦跡地から、奥に繋がる正しい入り口を見つけ出します。オブリビオンが集まるとしていますが、戦闘はありません。プレイングにあれば採用は考えます。

●2章
 迷宮と化している砦跡地を攻略します。
 誰が仕掛けたのでしょうか。様々な罠もありそうです。

●3章
 ボス戦です。
 地下空間に存在していた天然の泉の中に潜むオブリビオンのようです。

 書き手としては拙い部分が多いかもしれませんが、よろしくお願いします。
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第1章 冒険 『地下にて呼ぶものあり』

POW   :    手当たり次第に入り口を掘り当てる

SPD   :    仕掛けや目印を探す

WIZ   :    文献や言い伝えなどを調べる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

指矩・在真
こういうの、冒険っぽくていいね!
ちょっと楽しくなってきた!

【ライオンライド】でレオくんに跨がって、素早く仕掛けや目印を探していくよ

召喚コマンド展開!
レオくん、いっぱい走ってもらうからね

明らかに何もないところはレオくんのダッシュで駆け抜けて、怪しそうなところはゆっくりと
目印探しは基本的にぼくがやるから、念のため敵が襲ってこないかレオくんに警戒してもらうよ
ひょっとしたら本当の入口から何かの声が聞こえるかもしれないし

絡みアドリブ等大歓迎



「うわ凄い、ほんとに自然に同化してる……冒険っぽくていいね!」
 指矩・在真(クリエイトボーイ・f13191)は、送られた先の砦を見るなり、そう告げる。
「召喚コマンド展開!」
 ワクワクしてきたのか、元気よくそう宣言すると、表れた黄金のライオンに乗った。
「レオくん、いっぱい走ってもらうからね」
 首を縦に振り頷くレオくん。
「よーし、それじゃ、探索開始だよ!」
 そう言うと、レオくんはすばやく駆け出した。
 気になる場所へあちこち向かわせる在真。
 怪しくない場所は目もくれず駆け抜けさせ、気になる場所だけをゆっくり移動させる形で入口を探していく。ゆっくり移動している間は、レオくんにはオブリビオンの警戒をさせている。
「確かに入り口はたくさんあるみたいだけど、どれも外れだね……目印でもあればいいんだけど」
 ポツリと呟くと、何やら奇妙な音が。
「なんだろう今の……ここからかな?」
 音のした方を見ると、一つの入口のような場所。
 瓦礫が見えているくらいで入口としては外れのはずなのだが……?

大成功 🔵​🔵​🔵​

デュオゼルガ・フェンリル
【SPD行動】
へへへ、人狼の探索者としての腕の見せどころだなっ♪
まずはー…周囲を探索して情報収集、扉の鍵がかかってるなら鍵開けで中に入るぜー。 罠があったら破壊工作で罠を破壊しておこうかな?仮にトラップを機動させちゃった場合として第六感、逃げ足、ダッシュで回避するぞー

・基本的に『楽しむ心を忘れない』が信条な子なので尻尾を振りながらご機嫌に探索してます
・基本的にプレイングはセリフイメージで書いてありますので、参考にしてもらえたら!
・アドリブ、共闘大歓迎!



「入り口っぽいところが結構あるなー。へへへ、人狼の探索者としての腕の見せどころだなっ♪」
 デュオゼルガ・フェンリル(月下の人狼・f00372)は砦の様子を確認し、腕がなるぞと言わんばかりに笑う。
「まずはー……情報収集だな」
 正確な入口を見つけるためには情報が必要、そう考えたデュオゼルガは、荒廃した砦を注意深く見て回る。
 様々な方向をゆっくり歩いていると。
「っと、あぶねー!」
 突然死角から矢が。第六感によって難なく回避したが、あと一歩気づくのが遅れていれば急所の一撃だった。
「これだな」
 足に手応えを感じ、しゃがみ込んでよく見ると、目に見えないほど極細の糸が張られてるのが見て取れた。爪を使って罠を壊しておきつつ、更に探索を進めていく。
 が、見つかるものはひたすら罠。第六感や逃げ足の速さを活かしつつ、原因のわかるものは片っ端から破壊して回る。
 と、そんな時、入口を見つめて立ち尽くす一人の猟兵。黄金のライオンに乗った在真だ。
「おー? こんなところでどうしたんだ?」
「へ? あぁ、えっと、ここから奇妙な音が聞こえたから何かなーって」
「奇妙な音……?」
 彼が見ていた方向を見てみると、そこは、瓦礫に埋もれた入口。音などしようのはずもないのだが……

成功 🔵​🔵​🔴​

六代目・松座衛門
「お宝かぁ。あれば是非、拝借、もとい拝見したいなぁ。」
金銀ザックザクのお宝を勝手に想像しつつ、依頼に臨む。

「大きな砦跡なら正門も大きく、何かしらの紋章などがあるはずだ。」
奥地に繋がる入口は砦の正門。正門にはその砦の象徴となる意匠が施されていると予想し、近くの町で砦の外観に関する情報を探る。
もし、情報が得られたら、他の猟兵と情報を共有しつつ、UC【即席人形劇】で人形を作り、砦周辺を探索させる。

「荒廃が激しく、入口がいくつもあるように見えるのなら、入口は埋もれているかもな。」
砦跡の地面に近い部分を中心に探索。場合によっては掘る必要があるかもしれない。

【WIZ】選択。アドリブ、連携歓迎


澪織・梅
調査、捜索こそエージェントの出番です!

砦跡地周辺に入り口の手がかりになる文献、言い伝えがあるか調査をします。

砦に残された文献、その地に遺された言い伝えを探します、

もし砦について何か情報を持っていそうなオブリビオンがいた場合は催眠術をかけ、聴き出します。


クー・フロスト
ふむ...ここが砦跡地であるか
どれ色々動き回って調べてみるか?
▽SPD

冒険者か...。懐かしいな。
昔の経験を思い出してマッピングしながら仕掛けや目印を探してみるか

オブリビオンのモノは見当たらないが
こういったトコロは罠が仕掛けられているかもな
冒険者の作った、放置されたブーピートラップや
盗賊のもの、とかな…?

技能:鍵開け、罠使い


死兵共も調査を手伝っておくれ。
▽UC

……?ん?
傀儡の兵が攻撃されている?
スケルトンと間違えたのか?
一応攻撃はするでないぞ

運良く、冒険者を見つけたら
言い伝えとか何か情報を聞いてみよう

「やぁ、驚かせてすまない……。
魔法剣士の冒険者だ
ところで聞きたい事があるんだが、宜しいか?」



「お宝かぁ。あれば是非、拝借、もとい拝見したいなぁ」
 六代目・松座衛門(とある人形操術の亡霊・f02931)は金銀財宝を想像し呟きながら、砦を見る。
「かなり大きい砦跡だな。これなら、何かしらの紋章もあるかもしれない。……ひとまず、最寄りの町に行ってみるか」
 考えを巡らせ、松座衛門は町へと赴いた。

 町に到着すると、まずは道行く人や酒場での情報を集める。
 どうやら、この町の村長が砦のことに詳しいらしく、村人に教わるまま、村長の家へと訪れた。
「ふむ、お前さんも砦に眠るという宝を狙うか」
 村長の元へとたどり着いた松座衛門は、早速、砦のことを聞いてみると、帰ってきた第一声がそれだった。
「まあ良い、今に始まったことじゃないしのう。ほれ、あれが見えるか?」
 顎を使って示された先を見てみると、一枚の絵と、特徴的な意匠が描かれた旗が吊るされている。
「……あれは?」
「かつてあの砦で使われていた物だそうじゃ。もう数百年も前の話じゃからのう、言伝でしか聞いたことがないのじゃが。代々受け継いでる物故、譲ることは出来ぬが、未だ見つからぬ入口を探すヒントくらいにはなるじゃろう。覚えて行くと良い」
「……ありがとう。助かった」
 その絵と意匠をしっかりと目に焼き付け、村長に向き直ると、お礼を告げる。
「うむ。あそこは良からぬ噂も絶えぬ。宝がないかもなんて言う噂もあるくらいじゃ。気をつけてな」
「ああ」
 そう言って、村長の家を後にする。

 砦の周辺を注意深く見回している澪織・梅(謎照らす光となりて・f02562)。
 手がかりとなる文献や言い伝えがないかを探しているようだ。
「これは、何でしょうか……?」
 そこで、気になるものを発見する。
 それは、明らかに人の手によって作られたものであることは明白だった。荒廃が進んでおり、掠れてしまっているが、どうやら何かの意匠のようだ。
「象徴、でしょうか」
 ポツリと呟く。暫く眺め、どういう意味なのかを考えるが、情報が足らなすぎてわからない。
 下の方まで見てみると、その意匠の下に当たる位置に、自然のものとは思えない窪みがあることに気づく。
「何か、嵌められそうですね……? 石か何かを嵌め込むのでしょうか」
 周辺を見回し、嵌められそうなものを探すが、見当たらない。
「そんな簡単ではなさそうですね。別の場所も探してみましょう」
 そう呟きながら、その場を後にした。

「ふむ……ここが砦跡地であるか」
 そう言いながら砦を見上げるのは、クー・フロスト(《甦生氷姫》武人たる者、常に鍛えよ・f08503)。
「どれ、色々動き回って調べてみるか?」
 言いつつ、歩きだして調査を開始。
 懐かしさを感じながら、昔の経験を活かしてマッピングしつつ、仕掛けや目印を探していく。
「一人で探すには少し広すぎるな。死兵共も調査を手伝っておくれ」
 そう言うと、召喚されるいくつかの霊。
 霊たちにも探索を手伝わせると、探索範囲が大きく広がった。
「む、これは……罠か?」
 暫く探索を続けていると、目に留まったのは、罠の発射装置。
 罠を扱ったことのあるクーには即座にわかった。
 その罠の発射先を辿った先は、無残な姿となった起動装置が。何者かに壊されたようだ。
「ずいぶん真新しいな。別の猟兵か?」
 起動装置を拾い上げようとしてしゃがみ込むと、別のものが目に留まった。
「これは……?」
 罠とは別のなにか。石のようなものだ。これだけ荒廃した砦に、それなりに状態のいい石があるというのもおかしな話だ。
 誰かが別所から持ち込んだのだろうか。
「不思議な意匠だな」
 加え、その意志には人の手によって掘られたであろう意匠が刻まれている。
「誰かの落とし物かもしれないし、持っていくとしよう。この罠を壊した人のものかもしれないしな」
 そう言いながらしまい込むと、罠を辿って更に先へと進んでいく。

「これは……壊れた、罠?」
 嵌め込めそうな物を探して歩き回っていると、唐突に足を止めた。
 目に留まったのは、無残な姿になった罠。周囲を見ると、梅が侵入してきた方向とはほぼ垂直の形で伸びてるらしい。
 罠をたどるように視線で追うと、その先には、見知った顔。
「おお、梅ちゃんではないか!」
 クーである。
「フロストさん、いらしたんですね。……この罠は、あなたが?」
「いや、私ではないぞ。気になって辿っていたところだ」
「そうでしたか……失礼しました」
「うむ。進捗はどうだ?」
「あまりいいとは。そちらは?」
「うむ、こんなものを見つけた!」
 と言って、取り出したのは、先程拾った石のようなもの。
「フロストさん、それ、どこで……?」
「罠が壊されたところに落ちてた。誰かの落とし物かと思ってな」
「あってるようで、間違ってますね。……フロストさん、少しこちらへ」
 と言って、梅は元来た道を戻っていく。なんだろうと言った表情で梅を追いかけるクー。
 暫く歩くと、梅が最初に見つけた気になる地点にたどり着いた。
「その石、ここに嵌めてみてもらえます?」
「ふむ……?」
 言われるがまま、クーは拾った石を窪みに合わせ、はめ込んだ。
 するとどうだろう。意匠が僅かに光ったかと思うと、何やら遠くで大きな音が聞こえた。
「なんだい? 今の音は」
 そこに、聞き覚えのない声が。村から砦に戻ってきた松座衛門だ。
「なんだろうな、罠が動いたんのではないか?」
「私にもわかりませんが……何らかの仕掛けが作動したのでは、という点には同意します」
 起きた事象を思い出しつつ、考えを巡らせ口にする梅。
「仕掛けか……なら、入口が空いたという可能性もあるんだな」
 そういう松座衛門に、頷く二人。
「それなら、入口に向かってみよう。構造はもう把握して、ある程度目星は付いてるんだ」
 と言って、歩き出す松座衛門。
 梅とクーは二人で顔を見合わせ、ひとまずついていくことにした。

 3人が歩みを進めていくに連れ、何やら奇妙な音が、前方から聞こえてくる。
 そしてたどり着いた先には、先着が二人。
「……君たちは、何をしてるんだ?」
 ライオンに跨る在真と、デュオゼルガだ。二人共何かを考えている様子だった。
「ああ、よかった。ぼく達以外にも猟兵の方がいたんだね。ここ、さっきまでは入口が瓦礫に塞がれてる状態だったのに、今じゃ見ての通りだ」
「奇妙な音がって聞いたから、どうするべきか考えてたんだけどな」
 それぞれが答える。
「そうか。……ひとまず、これで第1段階は達成、と言うところか。砦の構造的にも、ここが砦の中心。正解の入口で間違いないだろう」
 松座衛門がそう言うと、一同は大きく頷き、オブリビオンが集まるという原因の捜索へ、入口に飛び込んだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 冒険 『廃墟で探索!』

POW   :    開かない扉はぶち破る! 壁の向こうに何かありそうならぶち壊して進む!

SPD   :    トラップや鍵の解除ならお手の物! 仕掛け見つけてスマートに素早く進む!

WIZ   :    建物に残された調度品や書物を調査して手がかり探し! 魔法罠も任せて! 

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 正しい入口を見つけ、そこへ飛び込んだ猟兵達。
 入り込んだ先は砦の一室のようで、所々に外の光が入り込んでくる影響かそれなりに見やすい。
 外があれほど荒廃していたのだ、内部も当然荒れ果てている。割と形を保っているのが不思議なほどといえた。
 部屋の床や壁には、穴が空いている様子も見える。隣の部屋が見えていたり、下の階が見えていたりと言う感じだ。扉があったであろう場所も、朽ち果てているためかただの四角い出入り口という構造。
 こんな一室の先に、一体どんなダンジョンが待ち受けているのだろうか。
デュオゼルガ・フェンリル
【SPD行動】
引き続きトラップは解除する方向で行動するぜー。あかない扉は鍵開けで先に進むぞ!
見知った顔もいるみたいだし、だいぶ気楽に探索できそうだなっ
広いとこに出たら氷狼を召喚して騎乗、探索しながら戦闘があれば噛みつき攻撃とかで援護してもらう感じになるのかな?

探索っ探索ったっのしっいなー♪
ご機嫌な様子で探索するぜー♪


クー・フロスト
【S】旅団出撃
アドリブや共闘歓迎
自由に描いて大丈夫だ



梅殿?調査の方は進んでいるかい?
ん?そこに罠があるのか
あいわかった、私が対応しよう

道中の
【技能:罠使い、鍵開け】で丁寧に罠を解錠していく
このような冒険者や盗賊が仕掛けたような
小さな罠であれば容易に解決できるな…

問題は……
コイツか?
大きな門のような扉、呪詛のようなモノが見える
触れると危険か…?

最奥部に近づく程、オブリビオンが仕掛けたであろう
危険な罠を(仲間が)見つける

「ふんっ、この程度粉砕してくれよう」

6mの機械鎧兵に搭乗し
イェーガーブレードで数回ビームを放ち
強引にぶち破る

▼POW

「まだまだこの機体に飲まれるわけにはいかないな」と呟き
奥へいく


澪織・梅
【S】旅団出撃
▼WIZ
引き続きエージェントらしく調査・探索を続けます!

砦にに残されている資料・文献や罠を暗視を使って慎重に探していきます。
手掛かりになりそうな物があっても一度止まって安全確認、罠はこういう所に仕掛けてあるものです!

罠を発見した場合はフロストさんに場所を伝え、破壊をお願いします。

突破口を見つけたら、手掛かりになる物や発見及び破壊された罠の場所の情報から安全に突破できるルートを導き出し、後続する猟兵の皆さんに伝達します。


指矩・在真
なになに?
ここはどんな場所だったのか、すっごく気になるー!

【キャパシティ・アップ】でぼくのアバターを呼び出して、二人で手分けして仕掛けを探しちゃおう
出来れば仕掛けに関する文献も見つけて、解除の足掛かりにしたいな
これで処理速度は倍速だよー

見つけた仕掛けは器用な人にお願いするか、ぼくにできそうなものは頑張るよ
…失敗しませんように!

絡みアドリブ等大歓迎



●部屋の外には
 朽ちた扉があったところをくぐり、先に進むのは3人。
「探索っ探索ったっのしっいなー♪」
 デュオゼルガは尻尾を振りながらご機嫌な様子で進む。
「ゼル殿、ご機嫌だな?」
 そんな様子を見て言うクー。
「そうだろー? こういうのは楽しまないとだよな!」
「否定はしませんが、何があるかわかりません。慎重に!」
 と、デュオゼルガの様子を心配する梅。
 3人は共に同じ道を選び、長い廊下を進む。先頭に立つのは梅だ。
 暗いところでも目が効く彼女が、気になるものを探す。
「梅殿?調査の方は進んでいるかい?」
「はい。今のところは、何も……あ、お待ち下さい」
 クーの質問に、端的に返そうとした梅だったが、ちょうど何かを見つけたらしく、二人を止める。
 気のせいかもしれないと、今度はしっかり穴を覗き込むと、そこには床に散らかる数々の書物の山と、いくつかは本が残っている棚。
「書庫のようですね」
 そう言いながら、何処か入れそうな入口を探すと、すぐ近くに扉があったと思わしき場所が。
 そこまで移動すると、再び梅が二人を制止する。
「なんだ?」
 入口を目前に、突然止められ声を上げるデュオゼルガ。
「手掛かりになりそうな物があっても一度止まって安全確認、罠はこういう所に仕掛けてあるものです!」
「なるほど……言われてみればそうかもしれないな」
「そうなのです」
 と言いながら、入口に視線を向け目を凝らす。
「どうだ? ありそうか?」
「……はい、ありました。その辺りですね」
「あいわかった、私が対応しよう」
 梅の示す場所を顔を近づけ確認する。
「ふむ……」
 見つけた罠の作動装置を辿り、身につけた知識を使って丁寧に解除する。
「これでよしだ。このような冒険者や盗賊が仕掛けたような小さな罠であれば容易に解決できるな。梅殿、他にはありそうか?」
 言われて他を確認する梅。目を凝らし、慎重に入口周り、そして入口の縁に手をかけつつ、顔だけを部屋の中に入れて周囲を見る。
「大丈夫そうです。行きましょう」
 と、梅が一歩踏み入れると。
「わっ、な、なんでしょう?」
 突然部屋が明るくなり、驚く事となった。
「これみたいだなー」
 すぐにその原因を特定したデュオゼルガ。外からは死角となる位置に設置されていた松明のようだ。
「魔法の松明か? 勝手に火が灯るとはな」
「どうやらそのようです。これがあればお二人も暗闇に悩まされることはないですね」
 クーの言葉に肯定する梅。
「壁に刺さる木の棒と油断していました。これが罠だったら危なかったですね……」
 と、反省の言葉を続ける。
「結果的には違ったんだ、よいだろう」
「うんうん、気負うことなんてないと思うぜー」
「ありがとうございます」
 二人に励まされ、気を取り直す。
 その後、改めて部屋の様子を見ると、足の踏みがないほどに散乱する本の山。
「凄い数ですね……もしかしたら、最奥部へと繋がる手がかりがあるかもしれません。明かりもあることですし、皆で手分けしましょう。気になるものがあれば、教えてください」
「あいわかった」
「了解だぜ♪」
 そうして、部屋に散らかる書物を手分けして一つ一つ探していく。
 梅に言われた通り、気になるものを見つけてはこれはどうかと確認をとり、数十分。
「見つかったのは、これだけですか……」
 数の割にあまり時間がかからなかったのは、殆どが魔導書の類だったためだろう。結果的に見つかったのは、クーが見つけた、砦の構造図が載った資料だけだった。
「構造図が見つかっただけでも十分だろう」
「そうだなー、これで探索も捗るってもんだぜ♪」
「はい。では、奥地へ向かいましょう」
 梅に促され、3人は複数ある松明も人数分手にして部屋を後にする。

●真下の空間
 3人が先んじて扉をくぐることを確認した在真は、一人、床に見つけた大きめの穴を潜って下の空間へと来ていた。
「さっきみたいに別の仕掛けが違うところにあるってなったら面倒だしね、最初からいくつかに別れたほうが、効率はいいよね」
 同行しなかったのは、先程の別の仕掛けのことを考えてのことのようだ。
「一人じゃできないことも二人なら!」
 そう高らかに告げると、もうひとりの在真――のようだがなんだか可愛らしい感じの姿をしている――が現れた。
「これで処理速度は倍速だよー」
 と言いながら、他の冒険者が使ったものなのだろうか、火の灯った松明があったのでそれをそれぞれが手にすると、探索開始。
 召喚したもう一人の自分との距離を気をつけつつ、穴という穴を覗き、罠や文献などがないかを調べながら進んでいく。
「……ここは?」
 暫く探索を続けていると、気になる部屋が。
 大きめの穴を見つけ、罠に気をつけながら顔だけを入れて覗き込むと、いくつかの書物が散乱する部屋のようだ。あまり原型をとどめているとは言えないが、残骸を見る限りは普段の生活空間であったことが伺える。
 周囲を確認し、安全だと判断すると、そのまま身を乗り出して穴を潜る。
 部屋を見回してみるが、ただの生活空間だったこともあるのだろう、罠の類は見つけられなかった。わからないだけかもしれないが。
「なにかあるといいけど……」
 呟きつつ、床に散乱する本をそっと拾い上げ、表紙を見る。
 関係のなさそうなものはひとまず横において、次の本、と言う形で見ていくと、気になる書物が目に留まった。
「これ、日誌かな?」
 手にして、そっと捲り、内容を読み込んでいく。
 年季の入ったものであるがゆえに、読むことの出来ない場所も数多くあったが、どうやらこの砦は、隣国との戦争の際に作られた、最終防衛線を担う場所だったことがわかる。それゆえに非常に大きく、かつ強固に作られていたようだ。厳密な年数はわからないまでも、数百年前の建物であることは安易に想像がついた。
 更に読み込んでいくと、この砦には、地下空間が存在する記述も見つける。そこに行くためには、ある仕掛けを解除しなければならないことも記載されていた。地下空間で何が行われていたのかまでは、読むことが出来ない部分でわからなかったが。
「仕掛けに関する記述、あるかな……?」
 更に数ページ捲ってみると、何やら一枚の羊皮紙が。
「うわ、これもひどい……」
 本を置いてそれを手にし、開いてみるが、これも劣化がひどく、読めない箇所が多いようだ。
「ふむふむ……」
 読める場所だけを読んでみると、どうやらこの羊皮紙は、仕掛けの解き方をメモしたものであることがわかった。なんとか読める場所を読むと、仕掛けの解除には、特別な石が必要なことがなんとかわかった。
 だが、その石のある場所やどういう石なのかまではわからず終いである。
「うーん残念。……こういうのはたいてい大事な場所にしまっておくと思うけど」
 ポツリと呟く。構造図でもあればなーなんて思いながら、羊皮紙をしまいつつ、更に奥地を目指して探索を再開した。

●行き着いた先
 時折ある穴などから壁の向こうを確認しつつ、構造図を頼りに進んでいくと、それまでとは違う雰囲気の場所にたどり着く。
「これは……」
「ここの扉は壊れてないんだな」
 他は朽ちたり荒廃したりで扉の原型をとどめてないものも多かったが、この扉はどうやら材質が異なる扉のようで、錆びながらも原型を留める形で残っていた。
「錆びておるな。力づくで行けるか?」
 扉に近づいて指の関節で叩く。乾いた音が響くかと思いきや、音はなるものの、錆びているためか響くことはない。
「俺の出番だな。開くかなー?」
 デュオゼルガは名乗り出ると、取っ手を手にして開こうとするが、押せども引けども開くことはない。音を立てるだけだ。
「鍵がかかってる感じか。よーし……」
 手応えからして、そう判断すると、目についた鍵穴に鋭い爪を差し込み、慎重に探る。
「錆びた鉄扉なら、鍵も開きづらいのでは?」
「いや、任せてみよう。もしかしたらということもあるしな」
 梅の疑問に答えるクー。
「お、開いた」
 暫くそうしていると、開いた感触を得たデュオゼルガは、そう言いながら爪を抜き、再び取っ手に手をかける。
 そして、力を込め、押し込んでみると、物凄い軋む音を立てながら扉が開いた。
「数百年ぶりって感じだな。わくわくするぜ」
 扉の先には、地下へと繋がる階段があった。
「地下室か?」
「そのようだな。梅殿、先は見えるか?」
「はい、然程深くはないようです。罠もなさそうですし、進んでみましょう」
 梅の言葉に二人は頷き、梅が先頭に立って歩みを進めていく。
 たどり着いたその先は、かなり開けた空間。書庫と同じ松明が使われているのか、3人がその空間に入ると自然と光に満たされた。どうやら地下空間は荒廃があまり進んでいないらしく、状態が良いようだ。
「お、いい感じの広さの部屋だなー。ここから先何が出るかわからないし、用心しておこくぜ。どうか、俺に力を貸してくれ!!」
 広い部屋であることを確認したデュオゼルガは、氷狼フェンリルを召喚し、騎乗した。
「そうですね、用心するに越したことはないです。何かあれば、おまかせしましょう」
「うむ、ゼル殿に任せるのだ」
 その様子を見た二人は彼に任せることにした。
 周囲を見回すと、どうやらここは複数ある道の合流地点のようで、先に道が伸びていることが伺える。
 そのうちの一つ、正面の道のすぐ先には、巨大な扉が見えた。
「いかにもって感じだな♪」
「そうですね……近づき難い印象があります」
「呪詛のようなモノが見えるな……」
 それぞれが思いを口にしつつ、互いに顔を見合わせ頷くと、デュオゼルガが先頭となって近づく。
「開くかなー?」
「いや、待つのだ」
 デュオゼルガが手に掛けようとして、クーに止められる。
「梅殿、どうだ? 触れると危険か……?」
「はい、どうやら、魔法的な罠が掛かってるようですね。触るのはよしたほうが良いかと」
「開けられないのかー」
 残念そうにするデュオゼルガ。
「ふんっ、この程度粉砕してくれよう」
 だが、クーはこれを扉ごと壊すつもりのようだ。
 6mもの巨体の機械鎧兵を召喚して搭乗する。扉と比較しても同程度の大きさか。いや、扉のほうがやや大きいようだ。
 手にしたイェーガーブレードを構え、巨大扉の中心に狙いを定め、沈黙。
 そして――――そのトリガーを引いた。間髪入れず、更に数回。
 ビームが放たれ、巨大扉にぶち当たる。
 余波で煙幕状態となる扉周辺。その結果は。
「とんでもなく硬いみたいだな?」
 壊すことが出来なかった。長時間稼働を避けるべく、一度降りると、扉を見上げて呟く。
「どうやら、魔法的な保護も掛けられているようですね……罠は今ので壊れた様ですが、先には進めなさそうです」
「ってことは、なんか仕掛けがあるってことだなー……」
 また立ち往生か、なんて呟きつつ、扉を見上げる3人。
「……一旦、引き返しましょう。未探索のエリアはかなり多いですし、何かあるかもしれません」
「そーそー、特別な石みたいなのが必要らしいから、手分けして探そう?」
 梅が提案すると、そこにその場にいる人間とは別の人の声が聞こえ、3人とも振り向く。
 そこにいたのは在真だった。
「物凄い音が聞こえたからね、それを頼りに来たらって感じだよ」
 と言いながら3人に加わる。
「石……ですか?」
 訝しむ梅。というのも、先程石を嵌めるというのは、やったばかりだ。
「これを見てみて」
 3人に先程見つけた羊皮紙を見せる。
「こんなのあったんだなー?」
「ほぅ、これは……」
「なるほど……」
「まあ、こういう感じ。だから、手分けして、なんだけど」
 内容を理解した様子の3人に、改めて提案する在真。
「では、ここに構造図もあることですし、当たりをつけて手分けして捜索しましょう」
「構造図あるの!?」
 梅が見せた構造図を見て驚く在真。
 その後、構造図を4人で見てありそうなポイントに当たりをつけ、それぞれが構造をある程度理解した後、一旦解散して目的のものを探すのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ネミ・ミミーニーズ
『SPD』

砦の構造図が見つかってるのね。
それはいいことだわ!

そんなわけで構造図と先行した方々が調べた範囲を見比べつつ、
残りのエリアを調べていきますかね。
どっちかっていうと図にないとこというか
図と現場の差異みたいなとこが怪しい気がするけど
何はなくとも調べてみないことにはね。

ひとまず【ライオンライド】で機動力と鼻を確保、と。
ナマモノ、もといオブリビオンとかいれば匂いでわかるはず!

あとは道中罠があれば構造調べて解除。
よくわかんなかったら最終的にハンマーで叩けば解決よ!
廃墟っていいわよね!
物とかてきとーに壊してもいいし!



●特別な石の行方
「砦の構造図が見つかってるのね。それはいいことだわ!」
 先行していた猟兵達から遅れる形となったが、黄金のライオンに騎乗して探索をしていたネミ・ミミーニーズ(蒸気打ちの妖精・f00595)は、目的の石を探す先行組の一人と遭遇。
 既に最奥部に繋がると思わしき扉のことや、その扉を開くための石を探している最中と言う話を聞いて、自身もそれに乗っかることにしたようだ。
 手分けしたほうが早いということで、その人と分かれると、構造図のことを思い出しながら一人考察する。
「いくつかのエリアは受け持ったけれど……考えても見ると、どっちかっていうと図にないとこというか、図と現場の差異みたいなとこが怪しい気がするけど、何はなくとも調べてみないことにはね」
 考えた結論を出すと、そのまま探索を開始。
 黄金のライオンの機動力を活かして狭い建物の中をすばやく移動し、目的地へと向かう。
「ちょっと止まって」
 一言告げると、若干滑るようにして止まったライオン。
 ネミの視線の先には、あからさまな罠が確認できた。
「わっかりやすいわねー。こんなの引っかかる人いるのかしら?」
 疑問に思いつつも、ライオンから一旦降りてその罠を確認する。
「うーん、よくわからないわね。壊しちゃえ!」
 構造が理解できなかったらしい。
 ハンマーを構えると、大きく振りかぶり――――ドスン。
 罠は見事に壊れた。ただし、床もろとも。
 どうやら、荒廃が進んでいる影響で脆くなっていたようだ。
「……廃墟っていいわよね! 物とかてきとーに壊してもいいし!」
 予想していない結果に困惑しつつも、廃墟であることを思い出し、そう言って納得する。
「よし、行くわよ!」
 改めてライオンに騎乗すると、出来た穴を回避して更に奥地へ進む。
 途中ライオンが予想しない方向に進んだりもしたが、なんとか目的地へとついた。
「オブリビオンでもいたのかしらね?」
 予想しない方向に進んだ理由を考えつつ、たどり着いたその場所をライオンから降りて捜索する。
「……ないわね」
 1つ目はハズレ、そんな簡単に見つかるわけがないかと思いつつ、次なる目的地へと向かう。
 やはり何かを避けるような移動を繰り返しながら、たどり着いた先も探すが、やはり見つからず。
 それをさらに何回か繰り返し、当てがなくなる。
「やっぱり、そうわかりやすいところには置かないわよね、普通。となると、図にはない隠し部屋があるのかも……?」
 そう考えつつ、構造図を改めて思い出す。
「あっちに向かってもらえる?」
 思い出した構造図を頼りに、なんとなくの当たりをつけ、ライオンに指示をして向かってもらう。
 たどり着いたそこは、長い廊下。
 到るところが穴だらけで、確認はしやすかった。
「あった、ここね」
 そこは、構造図にはなかった部屋。
 フェアリーゆえの小ささを活かしてライオンと共に穴に入り込んでみると、そこには。
「武器庫?」
 錆びたり朽ちたりしているが、剣や杖、弓矢など、そこは紛れもなく武器庫。出入り口と思わしき場所は確認できない。何かの仕掛けで入口が開くのだろう。穴だらけになっている現状では隠し部屋の意味をなしていないと言えるか。
 何故武器庫を隠し部屋にしているのかは謎だが、それは置いておくことにして調べてみる。
 武器と武器の隙間などを覗き込んだり、ライオンの力も借りながら苦労してどけてみたり。
「うーん……ないわね。ここじゃないのかしら……別をあたったほうが良さそうね」
 そう言って諦め、部屋を後にしようとしたその時。
「あれは……」
 視界に入ったそこは、天井に近い壁。
 そこには、数百年経って尚原型を留める、頭だけの動物の剥製。その目に、明らかに動物のものではないものが嵌っていた。
「……これだわ」
 それに近づき、引っこ抜く。自分と同程度の大きさがあるにも関わらず、いとも簡単に抜けた。
「ずいぶん軽いわね?」
 石の状態を確認していると、まるでその石が力でも与えていたと言わんばかりに、剥製が砂のように崩れ落ちた。石を落とさないようにしつつ、慌てて回避する。
「な、何だったの……? でもこれで、目的は達成ね」
 その現象に疑問をいだきながらも、石を抱え、ライオンに騎乗し、部屋を後にした。

 ――――しかし、仕掛けの解除には、これだけでは、扉を開くには、まだ足らない。

成功 🔵​🔵​🔴​


 目的のものを見つけた、その吉報を聞きつけ、一度大扉の前に集合した猟兵達。
 見つけたものを、扉の中心にある台座のようなところに嵌めてみるが、扉が開くことはなかった。
 代わりに、扉に光が奔る。
 それはまるで、欠けていた何かを得て、鳴動しているかのようだった。
 台座を中心として、脈打つかのように。一つの生命が蘇ったかのように。
 何度かの鼓動を繰り返したかと思うと、その扉のある部屋全体が、突然揺れる。
 しばらくして、その揺れは収まる。扉自体は依然として変化はない。
 周囲を見回すと、後ろと左右に伸びていたはずの道がなくなり、代わりにいくつかの銅像が現れていた。
 そして、先程はなかったものがもう一つ。天井から床に向けて伸びる、一条の光。一体、これらの意味は、なんなのだろうか――――
 
枯井戸・マックス
UDCアースから持ち込んだ安全靴やライトを装備。
額に引っ掛けた仮面こそが本体なので、依代の肉体が丸サングラスをかけていても視界に影響はない。
むしろ外さない事がポリシー。

●WIZ
難航の知らせを受け、古代のロマンを噛み締かめながら奥地へと向かう。

「確かに宝の一つでもありそうな雰囲気だな。俺好みのアーティファクトなら尚嬉しいんだが、はてさて」

砦の各所に寄り道し【情報収集】しながら向かったので時間が掛かってしまったが、なんとか合流。

「主菜に間に合ったみたいだな。この最後の扉を開く瞬間こそがトレジャーハントの醍醐味さ」

自分の調査内容と皆の話を組み合わせ推理。
それらを手掛かりに【封印を解く】ことを試みる。



 攻略が難航している知らせを受け、安全靴やライトを装備し、万全の体制でダンジョンに乗り込む枯井戸・マックス(サモナー・ザ・アーティファクト・f03382)。
「確かに宝の一つでもありそうな雰囲気だな。俺好みのアーティファクトなら尚嬉しいんだが、はてさて」
 古代のロマンという雰囲気を噛み締め、砦の各所を捜索。
 難航していると言うからには何か足らない情報があるのだろうと、情報収集するのが狙いだ。
 それなりに時間を掛けて捜索する。
「またか。心なしか、これ置かれてる部屋が多い気がするな?」
 魔術的遺物を収集する彼にはやたら目につくように感じたそれ。
 それまでは気の所為だと思い、よく見ては来なかったものだが、三度見かけてしまえば、流石に気にもなる。
 床に落ちたそれを拾い上げる。一見するとただの石だ。だが、見回してみると、とてつもなくつるつるに磨かれた部分もある。
 経年劣化や砂埃などで汚れきってしまっているが、その部分を手で拭ってみれば、自身の顔を映すほどのもの。
 すぐに気付けたのは、その加工に魔法的な保護が施されているというところだ。それだけでなく、微弱ながら何らかの力もあるのがわかる。
「一応、持っていくか。原型とどめてたのもいくつかあったはずだしな」
 念の為と、今まで回った部屋からまだ原型を留めているといえるいくつかを持ち出しつつ、探索を続ける。
 結局その後は、目新しいものと言えるものはないまま、先行組がたどり着いている最奥部へと到達することとなった。
「主菜に間に合ったみたいだな。この最後の扉を開く瞬間こそがトレジャーハントの醍醐味さ」
 扉の前に到達するなり、そう告げる。
 何処から入ってきたと驚く他の猟兵達。それもその筈。言われたマックスが振り返ってみると、そこにあるはずの道はなく。
 触れてみても、実際に壁があるだけで道など最初からなかったかのよう。
 おかしいと思い、自身の行動を思い出してみるが、心当たりはなく。
 他の猟兵に聞いてみると、扉に石を嵌め込んだら閉じ込められたという話らしい。
 身体の小さく飛べる猟兵が、部屋中央から差し込む光のある場所へと向かったようだが、全員が飛べるわけでもなければ、通れる大きさもフェアリーサイズと限られているようだ。
「仕掛けを解除しないことには、脱出も出来ねーってことじゃねえの? なら、仕掛けを解除するだけじゃん?」
 と言って、周囲を見回す。
 猟兵たちは仕掛けの解除も考えたようだが、そこにあるのは銅像と扉、そして差し込む光のみで、何をどうすればいいかわからないらしい。
「扉、光、銅像……」
 その3つを考える。そのためにまずは、扉に近づき、見上げる。
 扉に触れてみることで、わかったこと。
「この扉、封印されてるっぽいな」
 普段封印を手がけているからこそわかった。
 次に向かったのは、光。
「これには何の意味が……?」
 光の差し込む穴を見つめ、降り注ぐ先、床を見る。が、特におかしな点はなく。
 そして最後に、銅像。
「蛇の銅像なんて、珍しいな?」
 口を開く蛇の銅像。全部で5つある銅像、全てが同じ形をしているのが伺える。
 考える際、目線が下に行ったことで、何かに気づく。
「これは……」
 何かを擦ったような跡。よく見ると、そこかしこにそのような跡が残っている。それを辿っていくと、特定のポイントからはなくなっていた。
「この跡に沿って、銅像を動かしてみようぜ?」
 それが示す意味を考え、ひとまず行動を起こしてみようと、猟兵たちに提案しつつ、銅像の後ろ側に回ると、他の猟兵も協力の下、銅像を動かしていく。
 全ての銅像を動かしたことで、浮かんでくる形があった。
「五角形か」
 ちょうど、5つの頂点に立つ銅像。そのどれもが、光の指す中央を向いている。
 すると、地鳴りが起きたかと思うと、中央の下から、一体の銅像が現れた。唯一形の違うその蛇は、口に水晶玉を加え、光のある上を向いている。
 水晶玉は光を拡散し、5つの銅像へと綺麗に分散する。が、そこまでだ。
「つまり、やたら目についたこいつが最後のキーってことか」
 その状況と、持ってきた石を見比べる。
 拡散した光は動かした銅像、口を開く蛇の顔あたりに拡散していた。
 手にする石は、自身の顔を映すほどツルツル。
 それを、壊れないようそっと蛇の顔へ近づけ、そして押し込む。すると、ピタリと嵌った。5つの銅像に全てを嵌めると、さらなる変化が起きた。
 ちょうど光が石に当たる形になり、光を更に拡散する。拡散された光は銅像同士を結ぶ形となり、正五角形が完成。更に扉側に置かれる銅像から、細長い光が照射され、五芒星が描かれた。
 その五芒星は、光を増幅し、やがて、眩しいほどまでに輝きを放つと、床に魔法陣を表出させ、活性化させた。
「大掛かりな仕掛けだな?」
 その魔法陣は程なくして活性化。扉の方に同じ魔法陣を映し出すと、程なくして、大きな音を立てながら開いた。
「封印解除。これで先に進めるぜ」
 開ききった扉を見て、猟兵たちは歓喜の声を上げた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『水の大蛇』

POW   :    水の身体
【液体の身体により】、自身や対象の摩擦抵抗を極限まで減らす。
SPD   :    口からの水弾
レベル×5本の【水】属性の【弾丸】を放つ。
WIZ   :    身体の復元
【周囲の水を体内に取り込み】【自身の身体を再生】【肥大化を行うこと】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は宇冠・由です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 扉を開いた先は、とてつもなく広い空間。仕掛けを説いた光の影響もあり、かなり見通しがいい。地下水の貯まる湖が中央に存在しており、扉を潜った両脇には、光にきらめく財宝の山。
 その湖の上には、立派な大社も建てられていた。
 その大社にはやたらと高価そうな品が置かれている事も確認できる。言うなれば、貢物、といったところだろうか。
 喜んで財宝に向かう猟兵が居る中、数人は、なぜこのようなところに大社が、と訝しむ。湖の上に立つ大社と、貢物と思わしき高価そうなな品々。
 しばらくすると、湖が揺らぐ。
 そのゆらぎは、徐々に大きくなり、そして、何かが現れた。
『我が眠りを妨げるは、貴様らか。客人ではないな。捻り潰してくれよう……!』
 それは、水の大蛇。貢物を持たぬ猟兵達を見て、大蛇は襲いかかってきた。
デュオゼルガ・フェンリル
「アイツがボスだな?よっし、探索者の本領発揮と行こうじゃねぇか!」
魔物退治は任せてくれ!と自信満々で戦闘開始だー
お供え物の財宝も気になるけど…!(ウズウズ
戦闘知識と地形利用、見切り、逃げ足とダッシュで回避。SPDを活かしてちょこまか撹乱を意識しながら立ち回るぜー!

水の龍っつーことは形を成してるコアとかありそうだな?→情報収集
武器のフックショットでコアを引きずりだせたら拳の2回攻撃や衝撃波で攻撃だ!
更にユーベルコードを思いっきり叩き込んでやるぜー!

●アドリブ歓迎!できたらクー嬢と一緒に参加できたらいいなぁ


クー・フロスト
【S】※連携歓迎

うむ。楽しく冒険をしていれば
先に『原因』を見つけてしまったようであるな

お宝と...おぞましき大蛇であるか
対話が出来る分知能は高いと見える

予言では...お宝狙いで
モンスターたちが集まるとも、あったか?

…あれ?私か??
まさか…な?

まあいい
いけ、我がシモベたちよ

▼白骨歩兵と不死騎兵
無謀な突撃を仕掛ける。見切られやすいが
敵に隙が生まれる
技能:ダッシュ、先制攻撃

▼傀儡鎧兵
水の大蛇の攻撃、口からの水弾から味方を庇う
庇ったらカチャリと消滅
技能:激痛耐性

▼死神
笑う氷結の大鎌《フロスト・スザーン》所持

お宝を探す、迷い込んだ冒険者をモンスターの振りをして追い払う
狂った笑い声が不気味に響く

技能:呪詛


澪織・梅
【S】砦の奥になぜ社が?何故あのような大掛かりな封じ込めが?
疑問は尽きませんが今は目の前のこの大蛇を倒すのが先です!

金色の髪に八枚の翼が背に生えた真の姿に覚醒し、敵に【究明の光条】を放ち相手の【身体の復元】を封じますっ!

覚醒タイミングは敵が【口からの水弾】を放った時に回避と同時に行い、やられたと思わせてから【装備した武器から放たれる光線】で不意打ちを狙います、
もし回避と覚醒が同時には不可能と判断した場合は普通に回避、覚醒は折を見て行います。

その後飛び回りつつ支援攻撃を行い、こちらの注意が逸れた時に【空間を裂き現れる光る鎖】を放ち動きを鎖で封じ【天より降り注ぐ光の柱】を撃ち敵UCを封じます。


ネミ・ミミーニーズ
ついに出てきたわね!水っぽいなにか!
でも水って叩いても手応えなさそうね。
強敵!

で、水っぽい敵に効くもの?
ふふふ、こんなこともあろうかととっておきのアイテムをご用意しました。
(記憶消去銃構え)
水といえばたらい!
ごー!

遺跡の仕掛けを調べてる間に
ちょろっとハッキングさせてもらったわ!
いけ!たらい!

うまくたらいが相手の頭にぶつかればチャンスよ!
手応えのない水でもたらい越しに殴れば
衝撃が伝わってなんやかんや!
れっつゆーべるこーどはんまーちゃん!
殴れ!殴れば解決よ解決!

うまくいかなかったら誰かヘルプー!
猟兵のみなさーん!
強敵ですよー!


六代目・松座衛門
「お宝はあったかぁ?って、蛇のオブリビオン!?」
砦の内部で迷子になって出遅れつつ、戦闘に参加。
戦闘が湖で行われる場合、足場に注意しつつ、人形による【武器受け】で防御したり、【フェイント】で相手からの攻撃を回避して、相手の動きを観察。

「水でできた体か! 人形で攻撃しても効かなそうだ。ならば!」
液体の体に注目し、乾いた土にその液体を吸収させようと陸地に誘導。
脆そうな壁などへUC【疾風】やUC【角砕き】で攻撃し、大蛇を土砂崩れに巻き込ませよう。
「どうだ!やったか!?」

他の猟兵の作戦に人手が必要なら、積極的に参加し、隙あらば、貢物をポケットに入れよう。
【SPD】選択。アドリブ、連携歓迎



 見上げるほどの巨大な水の大蛇。それを見た猟兵たちは、思い思いを口にする。
「アイツがボスだな? よっし、探索者の本領発揮と行こうじゃねぇか!」
 視界の端に映る、社に貢がれている宝を気にしている様子もどことなく見られるが、魔物退治は任せてくれと意気込むデュオゼルガ。
「うむ。楽しく冒険をしていれば、先に『原因』を見つけてしまったようであるな。お宝と……おぞましき大蛇であるか対話が出来る分知能は高いと見える」
 一方で、現れた大蛇に警戒しつつ、部屋を見回して冷静に分析するのはクーだ。
「砦の奥になぜ社が? 何故あのような大掛かりな封じ込めが? 疑問は尽きませんが今は目の前のこの大蛇を倒すのが先です!」
 と、行動をともにする梅は、危険を排除しようと諭す。
「ついに出てきたわね!水っぽいなにか! でも水って叩いても手応えなさそうね。強敵!」
 ネミは一人、敵を見据えて弱点を探っている様子だ。
 そんな中、入口から一つの影。
「お宝はあったかぁ? って、蛇のオブリビオン!?」
 砦の内部で迷子になってしまい、ようやく合流してきた松座衛門だ。水の大蛇を目にするなり驚いている。

 まるで何かを待つように、そんな様子を鎌首をもたげて見ている大蛇。
(「予言では……お宝狙いで、モンスターたちが集まるとも、あったか?」)
 グリモアベースでのやり取りを思い出しながら、思考を巡らすクー。
「……あれ、私か? まさか、な?」
 ふと、なにか思うところがあったのか、呟く。過去、死神勢力の軍師だった経緯を持つ彼女。おそらくは、自分もその内なのではと考えてしまったが故の呟きなのだろう。
「まあいい。いけ、我がシモベたちよ。――――従え。カタカタと骨を震わせ、這い上がれ。スケルトン軍団の恐ろしさ魅せてやろうぞ……?」
 そう言って、クーは多数の霊を召喚する。
「そっちが来ないならこっちから行かせてもらうぜ!」
 その傍らで、しびれを切らしたデュオゼルガは、俊敏さを活かすべく大きく踏み込み、その場跳躍。
 大蛇の頭と高さを合わせる。
「形を成してるコアがあるとしたら、ここだぜ!」
 手にした筒状のものを備えた少し大掛かりな銃。それの引き金を引くと、鎖のついたフックが放たれた。
『疎かな。我に物理攻撃など通じるはずもあるまい』
 が、それは、流れる水の中に打ち出したようなもの。大蛇を虚しく突き抜け、湖へと落ちていくフック。
「な、引っかかった……!?」
 いや、それは違った。大蛇を突き抜けたと思われるフックは、あろう事か、大蛇の胴体を伝っており、取り込もうとしていたのだ。
 持っていては自身が飲まれる、そう判断しデュオゼルガはフックショットを手放し、着地する。
「水っぽい敵に効くもの? ふふふ、こんなこともあろうかととっておきのアイテムをご用意しました」
 ドヤ顔で何かを取り出したのはネミだ。
 一見、銃のような形をしているそれだが。
「水といえばたらい! ごー!」
 言いながら、引き金を引く。が、何も放たれない。
『な、何だ!?』
 が、驚くべきことに、大蛇は何処からともなく降ってきたたらいの餌食となった。
 それは、一部では伝説になっているという記憶消去銃。記憶消去の方法が些か物理的すぎるのはきっと気の所為だろう。
 頭を振る大蛇。
『ええい、小童の分際で……!』
 すかさず湖から多数の水の塊を浮かせ、放つ。一度に数えるのも億劫になるほどの量だ。
ネミだけでなく、他の猟兵も巻き込む形で放たれるそれは、まさしく弾幕。
「かばうのだ!」
 それを見たクーはすかさず召喚兵のうちの傀儡鎧兵を動かし、味方を守りに掛かった。
 自身も傀儡鎧兵に守ってもらいつつ、傀儡鎧兵が守りきれないものは躱すなどして乗り切る。
「何だこの数!?」
 松座衛門は驚きながらも人形を使い水弾を受け流し、時には右に避けると見せかけて左に避けてみたりと、様々な手段を用いこれを回避。避けきれない水弾は、クーの傀儡鎧兵が受けてくれたことで、事なきを得る。
「ちょ、ちょっと多すぎるわよ!? 誰かヘルプー!」
 一方、ネミはと言えば、最初はその身の小ささを利用し、なんとか避けていたが、たまたま目の前を通りかかった、松座衛門を守りに向かう傀儡鎧兵の背中にしがみつき、盾代わりにすることで難を逃れていた。
 無傷で済む者もいる中、この弾幕攻撃を受けてしまったものもいた。
 不運にも、フックショットを使い、それが取り込まれてしまった影響で、大蛇から最も近い位置に居たデュオゼルガは、傀儡鎧兵に守られながらも、他の人より明らかに多いその数の暴力に、傀儡鎧兵が耐えきれず消滅。
 その危険を直感で悟りながらも、回避には一歩間に合わず数発貰ってしまった。
「ぐぅっ……!」
 単純な水の塊だが、圧縮され、高速で放たれたそれは、単純に火薬によって放たれた大砲の砲弾を受けるのと同じくらいに痛烈だ。
 錐揉み回転しながら大きく吹き飛ばされるデュオゼルガ。そのまま行けば、壁にぶち当たるだろう。
 だが、父から崩月流拳術と戦闘術を教わった彼は、ただ受けたわけではない。
 咄嗟の判断で腕をクロスさせ、致命傷を避けたのだ。同時に、ふっ飛ばされないために踏ん張ろうとした介もあった。両足と手を地面に突き立てながら着地することで、その勢いを殺し切る。直感力がなければ今頃重症となっていたところだろう。
「いってー……かなり重い攻撃だな」
 未だに鈍い痛みすら残る両腕を気にかけつつ、立ち上がって再び構える
 そして、被弾したのは、もうひとり。
「っ……!」
 無数の水弾を見た梅は、その一つ一つの軌道を冷静に見切り、回避する。しかし、圧倒的な数を前に、その冷静な分析は返って判断に遅れを生み出す。
(「……ここですっ!」)
 ついには被弾してしまいそうになる、そのタイミング。寧ろそれこそが、梅の狙い。梅は、被弾に合わせ、己の内なる力を開放。光に反射し鮮やかに煌めく金色の髪と、四対の翼を背中に生やしながら、水弾の勢いは殺せないため吹っ飛ぶこととなるが、そのまま身を任せる。敵に気づかれないよう翼を用いて勢いを殺しながら地面に打ち付けられ、そのまま動かなくなる。その手には、しっかりと梅専用の対UDC記憶消去銃、エマンシペイターが握られており。
『ふん、他愛ない。骨があるやつは居るようだが、どうやら、そこで寝ているやつはお前らには重荷の存在だったようだな』
 この程度は序の口、そう言うかのように鼻で笑う大蛇。
 だが、その油断は、まさしく命取り。
『ぬっ!?』
 不意に上半身のみを動かし、狙いを定め間髪入れず放つ。
 放たれたのは、一筋の光線。光の速度で迸るそれは、大蛇に躱す隙を一切与えなかった。
 狙われたと思った次の瞬間には、もうその身に受けていたのだ。
『貴様、何をした……!』
 しかし、その身に何ともないことを訝しんだ大蛇。声を荒げ、問う。
「何も。ただあなたに、光を浴びせただけです。……ただし、神が齎す、浄化の光です」
 これに梅は、ゆっくりと立ち上がりながら、それだけを告げ、銃を構えた。
 UDCエージェントでありながらクレリックとしての力も持つ梅。神の奇跡を、銃を介して現世に顕現させたのだ。それゆえに、実際にはなんともないわけではなく、大蛇の力が幾分か衰えていることだろう。
『矮小な冒険者風情が……!』
 明らかに苛立ちの声を上げる大蛇。力が衰えていることに気づいているのか否か。その言葉から察することは出来ない。
 先程よりも更に分量の多い水弾を形成し始める。
「それはさせないわ。遺跡の仕掛けを調べてる間に、ちょろっとハッキングさせてもらったわ!」
 それを見るなり、素早く入口付近まで飛んでいくネミ。
「いけ! たらい!」
 仕掛けに振れると、またも何処からともなく降ってきたたらいが。
『ぬっ!?』
 上を見上げたが運の尽き。
 無慈悲にも鼻っ面にたらいがぶち当たる。しかも今度は、落ちることなくそのまま乗っかった。その影響かはわからないが、生成されていた水弾も力を失ったかのように湖へと落ちていく。
「占めた! 今がチャンスよ! 手応えのない水でもたらい越しに殴れば衝撃が伝わってなんやかんや!」
 とか言いながら入口から物凄い勢いでハンマーを構えながらすっ飛んでいくネミ。
「れっつゆーべるこーどはんまーちゃん!」
 ハンマーを複製しながら距離を詰め。
「殴れ! 殴れば解決よ解決!」
 そして、念力で18個ものハンマーをたらいに対して振るう。森の奥の小さな工房で、ガジェットをハンマーでなんやかんやしているらしいが、これがそれなら原型なくなるのではないかという勢いのハンマー叩きである。
 これに合わせ、クーは白骨歩兵と不死騎兵をたらいに対して攻撃させ、梅も空中から狙いを定め、何処からともなく現れた光る鎖を打ち込む。どうやら、空間を裂いて現れたもののようだ。
 松座衛門も鬼猟流式戦闘用人形「暁闇」を駆使して攻撃する。
 デュオゼルガは攻撃に回らず、社の屋根に登って湖の底を確認する。フックショットの回収と、あわよくばコアを発見できればと思っての行動だ。
「あった、あれだ……!」
 そしてその行動は、うまく行ったようで。
 たまたま湖の岸辺に落ちていたそれを拾い上げ、フック付きの鎖を引き戻す。
 だが、フックは戻ってこない。依然として何かに引っかかったままのようで。
『ぬぅ、やってくれたな貴様ら……! もう容赦はせん!』
 そう言って、大蛇は、光る鎖に雁字搦めにされながらも、その巨体をついに動かした。巨大な割にかなり早い。そのためか、続く3手目を放とうとした梅は、一旦その行動をやめた。
「うわっとと!?」
 雁字搦めにされていない尾を湖の岸辺に振るう大蛇。その一撃で、社が吹っ飛び、軽い洪水が起きた。
 社の屋根に居たデュオゼルガ慌てて跳躍しこれを回避、水浸しになった岸辺に着地する。
 他の猟兵も、慌ててぬかるんでない場所へ各々着地していた。
 ただ一人、松座衛門を除いて。
「その程度なのか?」
 社の瓦礫の上で、人形とともに佇み、挑発する。そのポケットは心なしか膨らんでいる当たり、ドサクサに紛れて何かの宝を拝借しているようだ。
『ふん、安い挑発に乗るほど、我も落ちぶれてはおらぬわっ!』
 湖の水を吸い上げ、更に肥大化する。
「これで、最後ですっ!――――照らせよ光条、闇に隠れし総てを暴け!」
 完全に松座衛門に気を取られている、そう判断した梅が、隙を突いて3手目を放った。
 その3手目は、湖の水を吸い上げる大蛇に見事ヒット。そもそも鎖によって動けなくされている。先程躊躇ったのは、その鎖を破られかねない状況になったからこそだろう。
『なんだっ!?』
 これにより、大蛇の肥大化は完全に停止した。加え、驚くべき現象が起きていた。
 大蛇が吸い上げた事ももちろんあるだろうが、それよりも先に、数多の水弾を放った影響もあるのだろう、湖の水が、ほぼ枯れていた。
「年貢の納め時ってやつだな?」
 そう言いながら松座衛門は、高々と跳躍。
「――――演目「疾風」!」
 狙いを定めた場所に、それを放つ。目にも留まらぬ超高速の連続攻撃。
『ふん、何処を狙っている。ちゃんと狙うことだな小童』
 だが、その攻撃は、大蛇には当たっていない。では、何処を狙ったか。
「状況を見てから物を言うことだな」
 それは、天井。攻撃を終えると同時に、天井を蹴って、その場を離れる。
 すると。
『ぬぅ、これは……!?』
 苦悶の表情を浮かべる大蛇。それは、大蛇の頭上から、大量の土が降ってきたがゆえだった。
「どうだ! やったか!?」
『この程度、想定済みよ……』
 だが、そこに迫るは、一人の青い影。
「餓狼の拳、その身に叩き込んでやるぜェ!! 狼牙…爆迅衝ッ!!!」
 土埃に紛れて俊敏さを活かした突進。コアのあるその場所へ一気に距離を詰め、そして、痛む腕に鞭を打ち、拳を強く握り込み、高速の一撃を叩き込んだ。
『ぐぅっ……!?』
 悲痛な面持ちを見せる大蛇。
 対するデュオゼルガは、打ち込んだと同時に撤退。同じ場所にとどまればまた尾による攻撃が飛んで来かねない。
「くぅー……万全な状態ならもっといい一撃繰り出せたのに……!」
 どうやら、全力の半分程度しか出せなかったようだ。
『おのれぇ……』
 ダメージを受けた影響だろう、大蛇の大きさが心なしか小さくなっている。
 よく見れば、最初のときよりも明らかに小さいことが目に見えた。

 状態から言うなら、大蛇は既にかなりのダメージを受けていると言えるだろう。
 だが、まだ撃破には至らない。流石の猟兵たちも、疲れの色を見せ始めていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

アリス・マジック
砦の奥に財宝の山と番人のドラゴン。蛟竜、ミズチって所かな。
和洋折衷、趣向が凝らしてあって面白いね。

さて、大分弱ってるみたいだから、後乗りで申し訳ないけど幕引きはボクがさせてもらおうか。
貢物は最先端の舶来品、エレキテルでございます。さぁ、ボクの手妻をご覧あれ!

〇WIZ
水になら電撃が有効かな? 【属性攻撃】でウィザード・ミサイルの矢を電撃属性に変えて放ちます。
大蛇本体を狙ってもいいし、かわされるようなら湖に向かって撃ち込みます。ただ、他の人が水に浸かっているとまずいので、その場合は炎の矢でダメージを与え、大蛇が十分に周囲の水を吸収した所で電撃の矢を放ちます。



 攻防が続き、大蛇も猟兵たちも疲弊しきっている中、気まぐれに赴いた新たな一人の猟兵が、入口から中の様子を覗く。アリス・マジック(旅の手妻師・f00870)だ。
 年季の入った単車と旅行鞄と共に気ままに旅をする彼女。どんなに辛くても、数代に渡り受け継がれた手妻の業を見せ歩く彼女が、この場所にたどり着いたのは、偶然か、それとも必然なのか。
 流石に荒廃が激しく、狭い砦の中を進んでくるわけにもいかなかったのか、単車には跨っていない。
 まず彼女は、周囲の状況を確認する。
 泥濘んだ地面、壊れた何らかの建物、大きく窪む地面、えぐれた天井。そして、肝心な大蛇の周囲は、大量の土砂。
 状況から言って、水の溜まる場所があり、戦闘の最中に天井が崩れたか、あるは崩したのだろうと推測する。壊れた建物は材質や残骸の形状からして何かを祀るものと見る。
 実際そこには、奇跡的に原型を残している、高価そうな宝が残っていた。
 それには目もくれず、最後に大蛇を見る。
「砦の奥に財宝の山と番人のドラゴン。蛟竜、ミズチって所かな。和洋折衷、趣向が凝らしてあって面白いね」
 呟きつつ、湖、いや、湖だった場所を見ても、これ以上長い戦闘は続けられないことは目に見えた。
「ふむ、大分弱ってるみたいだから、後乗りで申し訳ないけど幕引きはボクがさせてもらおうか」
 十分に状況確認を終えたアリスは、そう声を上げながら、部屋へと入っていく。
『ぬぅ、ここに来て新手か……!』
 アリスの姿を確認するなり、大蛇は行動を起こした。
 湖の水もほぼ枯れきっているが、しかし完全ではないらしい。
 残るわずかの水を全て自らの糧にするつもりで取り込み、若干の肥大化を行い、回復すると、首を大きく引いた。
 湖の水を水弾化出来ないのなら、もう出来るのはそれしかない。
 自身が取り込んだ水を使って水弾を作る。それによって大きく膨らむ胴体。
 然る後、それは放たれた。
「おおっと……!」
 咄嗟にアリスは、炎の魔法の矢を放ってこれに応戦。
 避けずにそうしたのは、その水によってこの後に起こそうとしている行動が、他の猟兵に被らないようにするためだ。
 流石に圧縮された水分の塊。全てを蒸発させることは出来ず、撃ち負けるが、勢いは完全に殺せたのか、水弾がアリスに届くこともない。
「貢物は最先端の舶来品、エレキテルでございます。さぁ、ボクの手妻をご覧あれ!」
 言いながら踏み込み、猟兵たちの少ないエリアへ。
 いつの間に取り出し、そしていつの間に番えたのか。その手の速さは誰の目にも留まることはなく。
 雷の性質に変化させた、魔法の矢を放つ。
『その技はっ!?』
 直感的にそれは危険だと察した大蛇。
 先程よりも大きくはないが速度の早い水弾を放ち、対抗。
 だが、それをすれば、大蛇の大きさはみるみる小さくなっていく。
「あらら、狙いがそれちゃったよ」
 と言いながら、それとなく射線をずらして放たれた、一本の矢。
 大蛇もそれに見向きはせず、自分に飛んでくる矢を徹底的に撃ち落とすが。
『あがががががっ!?』
 悲痛の声を上げる。それは、本当にごく僅かに残っていた――――いや、地面から湧き出していた湖の水に向けて放たれた、狙いを逸した一本の矢だ。
 どうあがいても攻撃が防がれる、そう考えたアリスは、矢を放ちながら密かに湖にもう一度目を向け、観察。先程はなかった湖の水に気づき、それが使えると判断しての行動だった。
 一撃与えられれば十分。
「はい、トドメ」
 そう言って、もう一度魔法の矢を放つ。放たれる85本の雷の矢。上からしたまで綺麗に一列、打ち込まれた。
 暫くはのたうち回っていた大蛇だったが、程なくしてその体を構成する水を辺り一帯にぶち撒けながら倒れ込む。
 相当な水量だったのだろう、猟兵たちの居る岸全体を水浸しにした後、湖の方へ戻るように流ていく水。
 その湖からは、黒い靄のようなものが現れ、やがて天井を突き抜けていった。
「皆ごめんね、いいとこ取りみたいな感じになっちゃって。でも、これで目標は達成、だよね?」
 改めてそう告げるアリス。
 猟兵たちもそこまで言われてはと攻めるものはおらず、寧ろ目標を達して喜びの声を上げるものも居た。

 その後、その場にあった宝は集まった猟兵皆で持ち帰り、必要なものは換金して山分け。そのままのほうがいいというものはそのまま宝を持ち帰る形で、解散となった。

 宝の一つには、明らかに宝ではないもの、一枚の羊皮紙が混ざっていて。丁寧に保管されていたそれには、砦に居た大蛇のことや、社に関する記載が載せられており。砦の所有者とは関係のない者が、それら全てを部屋ごと封印する形で来る驚異を先延ばししていたのだとか。その羊皮紙は、猟兵の計らいで後継者である村長に送られたという。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月08日


挿絵イラスト